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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】マイクロ発光デバイス及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20220427BHJP
【FI】
H01L33/62
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020526079
(86)(22)【出願日】2019-01-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 CN2019072023
(87)【国際公開番号】W WO2019179227
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】201810241966.2
(32)【優先日】2018-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518281982
【氏名又は名称】廈門市三安光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】XIAMEN SAN’AN OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】5F., Zonghe Bldg., No.1721, Luling Rd., Siming Dist. Xiamen, Fujian 361009, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鍾 志白
(72)【発明者】
【氏名】李 佳恩
(72)【発明者】
【氏名】鄭 錦堅
(72)【発明者】
【氏名】呉 政
(72)【発明者】
【氏名】徐 宸科
(72)【発明者】
【氏名】康 俊勇
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-182276(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0336488(US,A1)
【文献】特開2001-230448(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0345801(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0287789(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0345802(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107681034(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0104086(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ発光ダイオードチップと、支持構造と、導電支持基板と、を含み、前記マイクロ発光ダイオードチップは、発光エピタキシャルスタックと、同じ側に位置する第1の電極及び第2の電極と、を含み、前記支持構造が前記第1の電極の下表面と支持基板の上表面とに共に接続されていることにより、前記チップをピック待ち状態にさせる、マイクロ発光デバイスにおいて、前記支持構造は、下から上への順序で、接着層と、導電層と、絶縁層とを含み、前記導電層のチップに近い端部が、テスト電極として前記第1の電極に接触する柱状構造を有することを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項2】
前記柱状構造は、針穴電極と、針穴電極以外の絶縁材料と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ発光デバイス。
【請求項3】
前記マイクロ発光ダイオードチップの厚さは、20μm以内にあることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ発光デバイス。
【請求項4】
前記マイクロ発光ダイオードチップの寸法は、100μm×100μm以内にあることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ発光デバイス。
【請求項5】
前記第1の電極に導電支持柱を設置して、前記チップの第2の表面を部分的に宙吊りにさせて、ピック待ち状態にすることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ発光デバイス。
【請求項6】
前記請求項1~のいずれか一項に記載のマイクロ発光ダイオードチップを含むことを特徴とするマイクロ発光デバイス
【請求項7】
前記請求項1~のいずれか一項に記載のマイクロ発光デバイスを含むことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
(1)生長基材を提供して、その上に発光エピタキシャルスタックを形成する工程と、
(2)前記発光エピタキシャルスタックをユニット化して、マイクロ発光ユニットシリーズを形成し、各マイクロ発光ユニットの同じ側に第1の電極及び第2の電極を形成する工程と、
(3)前記マイクロ発光ユニットの表面に絶縁材料層を形成し、第1の電極及び第2の電極を露出させる工程と、
(4)前記絶縁材料に金属犠牲層を形成し、第1の電極の表面を露出させ、前記犠牲層が前記第2の電極と接触する工程と、
(5)前記犠牲層に絶縁保護層を形成し、第1の電極の一部の表面を露出させ、前記第1の電極に導電穿孔を形成する工程と、
(6)前記絶縁保護層に導電層を形成し、それが前記導電穿孔を充填して、第1の電極と接触する導電柱を形成する工程と、
(7)導電接着層により前記導電層を導電基板に接着する工程と、
(8)生長基材を除去する工程と、
(9)一部のエピタキシャル層と絶縁材料層をエッチングして、金属犠牲層を露出させる工程と、
(10)テスト電源の一端が前記金属犠牲層と接触し、他端が前記導電支持基板と接触するようにして、テスト電流をかけて、モジュール化テストを行う工程と、
(11)犠牲層を除去し、針穴電極を有する支持構造を形成し、前記マイクロ発光ユニットをピック待ち状態にさせる工程と、を含むことを特徴とするマイクロ発光デバイスの作製方法。
【請求項9】
前記犠牲層の材料は、同じであり、TiW、Al、Cu、Ni、Tiのうちの一種類またはそれらの組み合わせから選ばれることを特徴とする請求項に記載のマイクロ発光デバイスの作製方法。
【請求項10】
前記絶縁保護層は、導電柱の側壁を包んでいることを特徴とする請求項に記載のマイクロ発光デバイスの作製方法。
【請求項11】
前記導電穿孔のパターンは、多角形、円形又は半円形であることを特徴とする請求項に記載のマイクロ発光デバイスの作製方法。
【請求項12】
前記電極に導電支持柱を設置し、他の位置の金属犠牲層をエッチングし、前記チップの第2の表面を部分的に宙吊りにさせて、ピック待ち状態にすることを特徴とする請求項に記載のマイクロ発光デバイスの作製方法。
【請求項13】
前記支持構造は、針穴電極及び針穴電極以外の絶縁材料を含むことを特徴とする請求項に記載のマイクロ発光デバイスの作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体作製分野に関し、具体的にはマイクロ発光デバイス及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロLED(Micro LED、またはμ―LEDと称する)は、OLEDの自発光、薄い厚さ、軽質量、広視野角、応答速度の速さ、高発光効率といった特性を有する以外、高PPI(ピクセル密度)、小体積、携帯しやすい、低消費電力などの優れた特性を更に実現しやすく、LED産業において、多くの機関がデバイスの開発応用に勤しんでいる。LEDチップが小さく、電極が探針より小さいため、如何に全テストを実現することは、重要な難点である。現在主に一部のチップを犠牲にして、部分検査を行なっている。マストランスファーを実現するために、チップは宙吊り方法で作製され、それに応じて宙吊りブリッジテストが必要される。しかし、ブリッジの断裂または電極の剥離(peeling)が生じやすい問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の問題点に対して、本発明は、少なくとも1つの電極に金属接続線用の接続区域が設置されて、マイクロLED(Micro LED)全品検査の目的を達成するマイクロ発光ダイオードを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の技術方案は、第1タイプの半導体層、活性層、第2タイプの半導体層を順序に含み、相対する第1の表面及び第2の表面を有するエピタキシャルスタックと、前記エピタキシャルスタックの第2の表面に形成され、前記第1タイプの半導体層に接続されている第1の電極と、前記エピタキシャルスタックの第2の表面に形成され、前記第2タイプの半導体層に接続されている第2の電極とを含み、前記第1の電極に第1の接続区域が設けられているマイクロ発光ダイオードチップである。
【0005】
好ましくは、前記第1の電極及び第2の電極は、金属接続線を作製してテスト電極を形成することに使用するものである。
【0006】
好ましくは、前記第1の電極は、電極中心から内から外の順に第1の区域、第2の区域、第3の区域に区切られていて、前記3つの区域は、表面形状又は外観色彩で区別できる。
【0007】
好ましくは、前記第1の区域は、テスト電極に接続するためのテスト区域である。
【0008】
好ましくは、前記第1の区域、第2の区域の形状は、多角形、円形又は半円形である。
【0009】
好ましくは、前記マイクロ発光ダイオードチップの厚さは、20μm以内にある。
【0010】
好ましくは、前記マイクロ発光ダイオードチップの寸法は、100μm×100μm以内にある。
【0011】
好ましくは、前記第1の電極及び第2の電極の総面積は、前記チップの面積の40%以上にある。
【0012】
本発明の第2の技術方案は、マイクロ発光ダイオードチップと、支持構造と、導電支持基板とを含み、前記マイクロ発光ダイオードチップが、発光エピタキシャルスタックと、同じ側に位置する第1の電極及び第2の電極とを含み、前記支持構造が前記第1の電極の下表面と支持基板の上表面とに共に接続されていることにより、前記チップをピック待ち状態にさせる、マイクロ発光デバイスにおいて、前記支持構造が、下から上への順序で、接着層と、導電層と、絶縁層を含み、前記導電層のチップに近い端部が前記第1の電極に接触する柱状構造を有することを特徴とするマイクロ発光デバイスである。
【0013】
好ましくは、前記第1の電極に導電できる接触支持柱を設置することにより、前記チップの第2の表面を部分的に宙吊りにさせて、ピック待ち状態にする。
【0014】
好ましくは、前記第1の電極には、導電支持柱が設置され、電極中心から内から外の順に第1の区域、第2の区域に区切り、第1の区域は、金属材料を採用する金属接続層であり、第2の区域は、絶縁材料を採用する絶縁保護層である。
【0015】
好ましくは、支持柱の絶縁保護層は、導電柱の側壁を包んでいる。
【0016】
好ましくは、導電穿孔のパターンは、多角形、円形又は半円形である。
【0017】
好ましくは、前記第2の接続区域の面積は、所在する電極の総面積の5%以下にある。
【0018】
本発明は、前記任意のマイクロ発光ダイオードチップを含むマイクロ発光ダイオードアレイを更に提供する。
【0019】
前記マイクロ発光ダイオードチップは、表示装置に応用できる。
【0020】
本発明の第3の技術方案は、
(1)生長基材を提供して、その上に発光エピタキシャルスタックを形成する工程と、
(2)前記発光エピタキシャルスタックをユニット化して、マイクロ発光ユニットシリーズを形成し、各マイクロ発光ユニットの同じ側に第1の電極及び第2の電極を形成する工程と、
(3)前記マイクロ発光ユニットの表面に絶縁材料層を形成し、第1の電極及び第2の電極を露出させる工程と、
(4)前記絶縁材料に金属犠牲層を形成し、第1の電極の表面を露出させ、前記犠牲層が前記第2の電極と接触する工程と、
(5)前記犠牲層に絶縁保護層を形成し、第1の電極の一部の表面を露出させ、前記第1の電極に導電穿孔を形成する工程と、
(6)前記絶縁保護層に導電層を形成し、それが前記導電穿孔を充填して、前記第1の電極と接触する導電柱を形成する工程と、
(7)導電接着層により前記導電層を導電基板に接着する工程と、
(8)生長基材を除去する工程と、
(9)一部のエピタキシャル層と絶縁材料層をエッチングして、金属犠牲層を露出させる工程と、
(10)テスト電源の一端が前記金属犠牲層と接触し、他端が前記導電支持基板と接触するようにして、テスト電流をかけて、モジュール化テストを行う工程と、
(11)犠牲層を除去し、針穴電極を有する支持構造を形成し、前記マイクロ発光ユニットをピック待ち状態にさせる工程と、を含むマイクロ発光デバイスの作製方法。
【0021】
好ましくは、前記工程(3)で形成される第1の接続区域は、接続金属の作製に使用され、第1の電極及び第2の電極をチップ以外の区域に案内してテスト電極を形成する。
【0022】
好ましくは、前記工程(4)に形成される金属犠牲層は、前記第2の電極に接続する。前記犠牲層の材料は、同じであり、TiW、Al、Cu、Ni、Tiのうちの一種類またはそれらの組み合わせから選ばれることを特徴とする。
【0023】
一部の実施形態において、工程(4)の後、以下の工程を行う:一回のテストに必要とするマイクロ発光ダイオードモジュールを設計し、中間の隔離位置にある金属犠牲層を除去する。除去方式は保護ウェット法またはドライ法の方式である。
【0024】
好ましくは、前記工程(5)において、絶縁保護層を形成し、第1の電極の一部の表面を露出させ、前記第1の電極に導電穿孔を形成し、導電穿孔のパターンは、多角形、円形又は半円形であることを特徴とする。
【0025】
好ましくは、前記工程(6)において、前記絶縁保護層に導電層を形成し、該導電層が前記導電穿孔を充填して、第1の電極と接触する導電柱を形成する。
【0026】
好ましくは、前記工程(7)において、導電接着層により前記導電層を導電基板に接着し、導電基板は、Si基板または垂直金属接続線を有する基板を含む。
【0027】
好ましくは、前記工程(8)の生長基材を除去する工程は、具体的に生長基材111の材料に応じて選択されるが、レーザリフトオフ(LLO)、研削またはエッチングを含む様々の方法で除去を実現できる。
【0028】
好ましくは、前記工程(9)において、一部のエピタキシャル層と絶縁材料層をエッチングして、金属犠牲層を露出させる。
【0029】
一部の実施形態において、前記工程(4)で、一回のテストに必要とするマイクロ発光ダイオードモジュールを設計し、中間の隔離位置にある金属犠牲層を除去する。工程(4)に限らず、工程(9)の後に行うこともできる。
【0030】
好ましくは、前記工程(10)においてテスト電源の一端が前記金属犠牲層と接触し、他端が前記導電支持基板と接触するようにして、テスト電流をかけて、モジュール化テストを行う。
【0031】
好ましくは、前記工程(11)における支持構造は、針穴電極及び針穴電極外の絶縁材料を含む。
【0032】
好ましくは、前記マイクロ発光デバイスの作製方法には、(11)犠牲層を除去し、導電支持柱が前記エピタキシャルスタックの第1の電極に接続することにより、前記マイクロ発光ダイオードをピック待ち状態にさせる工程を更に含む。
【発明の効果】
【0033】
本発明の前記マイクロ発光ダイオード部材は、チップの設計により、マイクロLED(Micro LED)に対して全テストを行うことができる上、後続のマストランスファー工程に影響を与えない。
【0034】
本発明の他の特徴及び利点は以下の明細書の中に説明される。また、部分的に明細書の中から明らかとなり、もしくは本発明を実施することにより理解できる。本発明の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び添付の図面に特別に示した構造により実現及び獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
添付の図面は本発明に対する更なる理解を提供し、そして明細書の一部を構成し、本発明の実施形態と共に本発明の解釈に用いられるが、本発明に対して制限するものではない。この他、添付図面のデータは概要を説明するものであり、実物のスケールに対応するものではない。
【0036】
図1】従来一般のマイクロ発光ダイオードの構造を示す図である。
図2】既存一般のマイクロ発光ダイオードに採用される金属ブリッジの構造を示す図である。
図3】本発明により実施するマイクロ発光ダイオードの構造を示す図であり、そのうち、(a)はマイクロ発光ダイオードの下表面のパターンであり、(b)はピック待ちのマイクロ発光ダイオードチップの側面断面図である。
図4】本発明により実施するマイクロ発光ダイオード部材の作製過程を示す図である。
図5】本発明により実施するマイクロ発光ダイオード部材の作製過程を示す図である。
図6】本発明により実施するマイクロ発光ダイオード部材の作製過程を示す図である。
図7】本発明により実施するマイクロ発光ダイオード部材の作製過程を示す図である。
図8】本発明により実施するマイクロ発光ダイオード部材の作製過程を示す図である。
図9】本発明により実施するマイクロ発光ダイオード部材の作製過程を示す図である。
図10】本発明により実施するマイクロ発光ダイオード部材の作製過程を示す図である。
図11】本発明により実施するマイクロ発光ダイオード部材の作製過程を示す図である。
図12】本発明により実施するマイクロ発光ダイオード部材の作製過程を示す図である。
図13】本発明により実施するマイクロ発光ダイオード部材の作製過程を示す図である。
図14】本発明により実施するマイクロ発光ダイオード部材の作製過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下は図面及び実施例を合わせて本発明の実施方式について詳しく説明する。それにより、本発明が如何に技術手段を利用して技術問題を解決し且つ技術的効果を実現する過程を充分に理解して、それを基づいて実施することができるようにする。説明すべきなのは、矛盾が生じない限り、本発明における各実施例及び各実施例の特徴を互いに結合でき、それにより形成された技術方案のいずれも本発明の保護範囲内にある。
【0038】
具体実施例
図3の(a)は、第1の好ましい実施例のマイクロ発光ダイオードの下表面のパターンであり、マイクロ発光ダイオードは、順次に第1タイプの半導体層、活性層、第2タイプの半導体層を含み、相対する第1の表面及び第2の表面を有するエピタキシャルスタックと、前記エピタキシャルスタックの第2の表面に形成され、前記第1タイプの半導体層に接続されている第1の電極と、前記エピタキシャルスタックの第2の表面に形成され、前記第2タイプの半導体層に接続されている第2の電極とを含み、前記第1の電極は、電極中心から内から外の順に第1の区域121a、第2の区域131a、第3の区域141aに区切られていて、前記3つの区域は、表面形状又は外観色彩で区別できる。LEDチップ110は薄膜マイクロ構造であり、寸法が100μm×100μm以内が好ましく、例えば100μm×100μmであり、または100μm×50μmであり、一部の応用において、50μm×50μm以内とすることもでき、例えば50μm×50μmであり、または20μm×10μmであり、または10μm×10μmである。更に、LEDチップ110から生長基材を除去したので、チップの厚さdを基本的に20μm以内に維持でき、例えば15μmまたは10μmなどとすることができる。
【0039】
前記第1の電極及び第2の電極は、金属接続線を作製してテスト電極を形成することに使用するものである。電流を印加して半導体エピタキシャルスタックを通過する時に、活性層が励起されて光線を発する。窒化物を活性層の基礎材料とする時に、青色の光、緑色の光または紫外線を発し、AlGaInPを基礎材料とする時に、赤、オレンジ、黄色の光である琥珀色系の光を発する。
【0040】
図3の(b)は、第1の好ましい実施例のピック待ちのマイクロ発光ダイオードチップの側面断面図であり、それはLEDチップ100及び支持構造を含む。該LEDチップ100は、エピタキシャルスタック110と、エピタキシャルスタック110の下表面に位置する第1の電極121及び第2の電極122とを含む。且つ、LEDチップ100の下表面の部分区域131aと141aとに、接触して基板140の適宜位置に維持する支持柱が形成されることにより、部材がピック待ち状態にさせる。
【0041】
図4図14は本発明により実施するマイクロ発光ダイオード部材の作製過程を示す図である。以下、図と合わせて、マイクロ発光ダイオード部材の作製方法を詳しく説明する。
【0042】
(一)LEDエピタキシャル構造を提供し、マイクロ発光ダイオード単体を作製する
【0043】
図4に示されるように、エピタキシャル構造110を提供し、それは一般的に生長基材111とその上のエピタキシャルスタックとを含む。そして、生長基材110の選択として、サファイア、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、ケイ素、炭化ケイ素、ヒ化ガリウムが挙げられるがそれらに限らず、その表面構造は、平面構造またはパターン化パターン構造でありえる。エピタキシャルスタックは、上から下への順序で、一般的に少なくとも、緩衝層211、第1タイプの半導体層212、活性層213、第2タイプの半導体層214を含む。エピタキシャルスタックの具体的な材料及び構造層は実際の必要に応じて、現在一般の構造を選択すればよい。エピタキシャルスタック110の表面にエッチング区域215を定義し、未エッチング区域に第1の電極区域216を形成する。エッチング区域は、第2の電極区域217とカッティングライン区域218とを含む。カッティングライン区域218で発光エピタキシャルスタック110全体を一シリーズのマイクロ発光ダイオードユニットLEDに区切る。カッティングライン区域218の第1タイプの半導体層212をエッチングし続けて通路150を形成して、発光エピタキシャル構造全体をマイクロLEDチップアレイシリーズに区切る。
【0044】
第1の電極216及び第2の電極217を作製する。具体的に、露出された第1タイプの半導体層212の表面の第1の電極区域に第2の電極216を作製すること、各マイクロ発光ダイオード単体の第2タイプの半導体層214の表面に第1の電極217を作製すること、を含む。
【0045】
(二)電極単体を絶縁隔離し、マイクロ発光ダイオードチップモジュールを作製し、第2のテスト電極を接続する
【0046】
図5に示されるように、第1の電極216及び第2の電極217の一部の表面のみを露出させるようにマイクロLEDチップの表面に絶縁材料層160をカバーする。絶縁材料層160はSiNまたはSiOを採用することが好ましい。好ましくは、第1の電極121及び第2の電極122のそれぞれに、絶縁保護層160の一部の表面に延伸する延伸電極を作製することができる。第1の電極の延伸電極は、パッケージの利便性のために、第2タイプの半導体層上方の絶縁保護層に延伸して、第2の電極122の延伸電極と同じ高さに維持できる。
【0047】
図6に示されるように、マイクロLEDチップアレイに金属犠牲層190(TiWまたはAlなど)を作製して、犠牲層で第2の電極に接触し、第1の電極位置で、第1の電極が接触する金属犠牲層を除去し、第1の電極の一部を露出させる。除去された金属犠牲層の面積は、絶縁材料層の開孔の面積以上である。好ましくは、犠牲層190の厚さは0.1~5μmの間にあり、材料は酸化物、窒化物または他の層に対して除去される他の材料を選択できる。更にテストモジュールにより、アレイのテストが必要な区域の外周通路位置の金属犠牲層も除去し、区域化された金属犠牲層を形成し、モジュール化された金属犠牲層全体を第2の電極に並列して、第2のテストの第2の電極とすることもできる。
【0048】
(三)導電支持柱を作製し、第1のテスト電極に接続する
【0049】
図7に示されるように、マイクロLEDチップアレイに絶縁保護層131を作製し、絶縁層材料は、SiN、SiOまたはBCBなどであることができ、金属犠牲層の全面をカバーし、第1の電極の開孔位置を充填する。
【0050】
図8に示されるように、ドライエッチング方法を利用して、第1の電極の開孔に更に孔を開けて、第1の電極を露出させ、孔の側壁が絶縁保護層131で金属犠牲層190から隔離されるようにする。更に、第1の電極の形により円形孔または矩形孔の針穴を開けることができ、各針穴は金属で第1の電極と並列することができる。
【0051】
図9に示されるように、全面に金属接続層141を充填し、金属接続層141全体は、マイクロ発光ダイオードの第1の電極に並列でき、更に、第1の電極において絶縁保護層と共に支持柱を構成し、柱の外周が絶縁保護層であり、柱の中心が金属接続層である。
【0052】
図10に示されるように、金属接着層142を用いて、全面をSi基材または金属基材140に接着する。金属接着層142は、Al、Sn、Au、Cu、Ni、Tiのうちの一種類またはそれらの組み合わせを含む。
【0053】
(四)大量テスト
【0054】
図11に示されるように、サファイア基材を分離する。レーザリフトオフ(LLO)、研削またはエッチング方法など含む様々の方法で除去を実現できるが、具体的には生長基材201の材料に応じて選択される。且つ、チップの通路に余分なエピタキシャル層及びSiNなどの絶縁層をドライエッチングして、TiW犠牲層を露出させる。
【0055】
図12に示されるように、全テストマイクロLED(Micro LED)デバイスをモジュール化する。更に、全てのマイクロ発光ダイオードデバイスにテスト電極を設計する必要はなく、LEDエピタキシャルシート全体の光電特性の均一性が良好であれば、モジュール化を選択し金属犠牲層のユニットに設計できる。図13に示されるように、更に通路の一部の金属犠牲層をエッチングし、各区域の光電特性をテストすることにより、LEDエピタキシャルシート全体の光電特性がわかる。
【0056】
(五)支持構造の形成
【0057】
図14に示されるように、犠牲層190を除去し、マイクロLEDチップの第2の表面(下表面)を部分的に宙吊りにさせ、導電支持柱131により固定されたマイクロ発光ダイオード部材を形成し、前記チップの第2の表面を部分的に宙吊りにさせて、ピック待ち状態にする。
【0058】
本発明の前記マイクロ発光ダイオード部材は、チップの設計により、マイクロLED(Micro LED)に対して全テストを行うことができる上、後続のマストランスファー工程に影響を与えない。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、当業者であれば本発明の主旨から離れないという前提の下、若干の変更や修飾が可能で有り、それら変更や修飾も本発明の保護範囲に含まれるものとされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14