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特許7064588エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法、装置、機器および記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法、装置、機器および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/50 20180101AFI20220427BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20220427BHJP
   H04W 92/24 20090101ALI20220427BHJP
   H04L 47/24 20220101ALI20220427BHJP
【FI】
H04W4/50
H04W88/18
H04W92/24
H04L47/24
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020526257
(86)(22)【出願日】2018-10-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 CN2018110039
(87)【国際公開番号】W WO2019095908
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-05-12
(31)【優先権主張番号】201711158243.8
(32)【優先日】2017-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】黄強
(72)【発明者】
【氏名】陳祥榴
【審査官】篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】3rd Generation Partnership Project,Technical Specification Group Services and System Aspects; Procedures for the 5G System; Stage 2 (Release 15),3GPP TS 23.502,2017年11月14日,151-157ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04L 47/24
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1-4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Radio Access Network(無線アクセスネットワーク、RAN)側に導入されるEdge Network Exposure Function(エッジケイパビリティ開放モジュール、eNEF)に適用され、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法であって、
前記RAN側に配置されるモバイルエッジコンピューティング(MEC)プラットフォームが発したネットワークケイパビリティサービス要求を受信するステップと、
前記ネットワークケイパビリティサービス要求に基づき、前記MECプラットフォームが要求したネットワークケイパビリティサービスの提供元を確定するステップと、
前記ネットワークケイパビリティサービスの提供元がコアネットワークであると確定すると、前記コアネットワークのネットワークケイパビリティサービスを前記MECプラットフォームに提供するステップと、を含む、
エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法。
【請求項2】
前記ネットワークケイパビリティサービス要求に基づき、前記MECプラットフォームが要求したネットワークケイパビリティサービスの提供元を確定する前記ステップは、
前記ネットワークケイパビリティサービス要求を解析して、メッセージ名またはユニフォームリソースロケータパスを得ることと、
前記メッセージ名または前記ユニフォームリソースロケータパスに基づき、前記MECプラットフォームが要求したネットワークケイパビリティサービスの提供元を確定することと、を含む、
請求項1に記載のエッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法。
【請求項3】
前記コアネットワークのネットワークケイパビリティサービスを前記MECプラットフォームに提供する前記ステップの前に、
前記コアネットワークとやり取りするためのプロトコル基準点インターフェースを介して、インスタンス識別子を所持するネットワークケイパビリティサービス照会要求を前記コアネットワークへ送信することと、
前記コアネットワークとやり取りするための前記プロトコル基準点インターフェースを介して、前記コアネットワークが前記インスタンス識別子に応じて戻したネットワークケイパビリティサービスリストを受信することと、をさらに含む、
請求項1に記載のエッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法。
【請求項4】
前記コアネットワークのネットワークケイパビリティサービスを前記MECプラットフォームに提供する前記ステップは、
前記ネットワークケイパビリティサービスリストの中から、前記MECプラットフォームが要求したネットワークケイパビリティサービスが見つかれば、見つかった前記ネットワークケイパビリティサービスを前記MECプラットフォームに提供することを含む、
請求項3に記載のエッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法。
【請求項5】
前記ネットワークケイパビリティサービスの提供元が無線アクセスネットワークであると確定すると、前記無線アクセスネットワークのネットワークケイパビリティサービスを前記MECプラットフォームに提供することをさらに含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載のエッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法。
【請求項6】
前記無線アクセスネットワークのネットワークケイパビリティサービスを前記MECプラットフォームに提供する前に、
前記無線アクセスネットワークとやり取りするためのプロトコル基準点インターフェースを介して、端末識別子および情報収集識別子を所持する情報収集要求を前記無線アクセスネットワークへ送信することと、
前記無線アクセスネットワークとやり取りするための前記プロトコル基準点インターフェースを介して、前記無線アクセスネットワークが前記端末識別子および情報収集識別子に応じて戻した端末関連情報を受信することと、
前記端末関連情報を用いて前記無線アクセスネットワークのネットワークケイパビリティサービスを更新することと、をさらに含む、
請求項5に記載のエッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法。
【請求項7】
前記無線アクセスネットワークのネットワークケイパビリティサービスを前記MECプラットフォームに提供する前記ステップは、
すでに更新された前記無線アクセスネットワークのネットワークケイパビリティサービスの中から、前記MECプラットフォームが要求したネットワークケイパビリティサービスが見つかれば、見つかった前記ネットワークケイパビリティサービスを前記MECプラットフォームに提供することを含む、
請求項6に記載のエッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法。
【請求項8】
Radio Access Network(無線アクセスネットワーク、RAN)側に導入されるEdge Network Exposure Function(エッジケイパビリティ開放モジュール、eNEF)に適用され、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する装置であって、
前記RAN側に配置されるモバイルエッジコンピューティング(MEC)プラットフォームが発したネットワークケイパビリティサービス要求を受信するように配置された受信モジュールと、
前記ネットワークケイパビリティサービス要求に基づき、前記MECプラットフォームが要求したネットワークケイパビリティサービスの提供元を確定するように配置された判断モジュールと、
前記ネットワークケイパビリティサービスの提供元がコアネットワークであると確定すると、前記コアネットワークのネットワークケイパビリティサービスを前記MECプラットフォームに提供するように配置された処理モジュールと、を備えた、
エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する装置。
【請求項9】
プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備え、前記メモリには、前記プロセッサで実行可能な、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現するプログラムが記憶され、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する前記プログラムが前記プロセッサにより実行される時に、上記請求項1~7のいずれか一項に記載の、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法のステップを実現する、
エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する機器。
【請求項10】
エッジネットワークケイパビリティ開放を実現するプログラムが記憶され、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する前記プログラムがプロセッサにより実行される時に、上記請求項1~7のいずれか一項に記載の、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法のステップを実現する、
記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に関するものであるがこれに限らず、特に、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法、装置、機器および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信の発展は目覚ましく、人々の仕事、交際、生活の各方面に浸透し、人々の生活方式、働き方および社会政治、経済などの各方面に大きな影響を与えている。人類社会は情報化時代に移行し、各方面のビジネスアプリケーションの需要は爆発的に増え、将来のモバイルネットワークにおいては、人と人との通信だけでなく、モノのインターネットの大量の機器にサービスを提供する必要がある。バーチャルリアリティ、高精細度テレビなどのような超高速サービス要求のあるトラフィックは、速度が現在の10から100倍に達することが可能で、車のインターネットなどのような低遅延サービス要求があるトラフィックは、エンドツーエンド遅延を5倍短縮でき、モノのインターネットは現在の1000倍の数のトラフィックにアクセスでき、バッテリ寿命も現在の10倍などに伸ばすことができる。
【0003】
低遅延と高帯域幅トラフィックの増加に伴い、ベアラサービスとしてのAPP(アプリケーション)配置もますますUE(User Equipment、ユーザ端末)に近づき、遅延を短縮できるだけでなく、伝送帯域幅を節約することもでき、これがまさに現在勢いを増しているエッジコンピューティングである。キャリアにとって、モバイルエッジコンピューティングはAPPのコンピューティングオペレーションをその営業収入体系に組み込むだけでなく、さらにモバイル通信ネットワークケイパビリティをAPP開発者に開放して使用させることができ、例えば、UE位置情報、APPのVIP(Very Important People、重要人物)に対してより高いQoS(Quality of Service、サービス品質)レベルを提供することもできる。エッジノードのネットワークケイパビリティ開放は、キャリアに対してチャネルとコンピューティングの総合的な競争力、および全く新しいビジネスモデルをもたらすことができる。よって、如何にしてモバイルエッジコンピューティングプラットフォームにネットワークケイパビリティを開放するかが解決すべき課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下は本明細書について詳細に記載する主題の概要である。本概要は請求項の保護範囲を限定するものではない。
【0005】
本願の実施例は、上記に鑑みてなされたものであって、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法、装置、機器および記憶媒体を提供し、モバイルエッジコンピューティングプラットフォームへのネットワークケイパビリティ開放を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一形態において、本願の実施例は、モバイルエッジコンピューティングプラットフォームが発したネットワークケイパビリティサービス要求を受信するステップと、前記ネットワークケイパビリティサービス要求に基づき、前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームが要求したネットワークケイパビリティサービスの提供元を確定するステップと、前記ネットワークケイパビリティサービスの提供元がコアネットワークであると確定すると、前記コアネットワークのネットワークケイパビリティサービスを前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームに提供するステップと、を含む、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法を提供する。
【0007】
別の形態において、本願の実施例は、モバイルエッジコンピューティングプラットフォームが発したネットワークケイパビリティサービス要求を受信するように配置された受信モジュールと、前記ネットワークケイパビリティサービス要求に基づき、前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームが要求したネットワークケイパビリティサービスの提供元を確定するように配置された判断モジュールと、前記ネットワークケイパビリティサービスの提供元がコアネットワークであると確定すると、前記コアネットワークのネットワークケイパビリティサービスを前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームに提供するように配置された処理モジュールと、を備えた、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する装置を提供する。
【0008】
さらなる形態において、本願の実施例は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを備え、前記メモリには、前記プロセッサで実行可能な、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現するプログラムが記憶され、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する前記プログラムが前記プロセッサにより実行される時に、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法の上記ステップを実現する、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する機器を提供する。
【0009】
このほか、本願の実施例は、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現するプログラムが記憶され、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する前記プログラムがプロセッサにより実行される時に、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法の上記ステップを実現する記憶媒体をさらに提供する。
【0010】
図面および詳細な記述を閲読して理解すれば、その他の点も明らかになる。
【発明の効果】
【0011】
本願の実施例によれば、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法、装置、機器および記憶媒体を提供し、モバイルエッジコンピューティングプラットフォームへのネットワークケイパビリティ開放を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本願の実施例が提供する、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法のフローチャートである。
図2図2は、5Gシステムアーキテクチャ図である。
図3図3は、目下のキャリアの伝送ネットワーク階層図である。
図4図4は、本願の実施例が提供する5Gシステムアーキテクチャ図である。
図5図5は、eNEFがNxインターフェースを介してRAN側ネットワーク情報を取得するフローチャートである。
図6図6は、eNEFがNyインターフェースを介してNEFのネットワークケイパビリティサービスリストを取得するフローチャートである。
図7図7は、MECプラットフォームにNEFネットワークケイパビリティを開放するフローチャートである。
図8図8は、MECプラットフォームがNEFネットワークケイパビリティを要求するフローチャートである。
図9図9は、MECプラットフォームにRAN側ネットワークケイパビリティを開放するフローチャートである。
図10図10は、本願の実施例が提供する、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する装置のブロック図である。
図11図11は、本願の実施例が提供する、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する機器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では図面を組み合わせて本願の実施例について詳細に説明する。以下に説明する実施例は本願の説明と解釈にのみ用いられるものであって、本願を限定するものではない。
【実施例1】
【0014】
図1は本願の実施例が提供する、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法のフローチャートである。図1に示すように、本実施例が提供するエッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法は以下のステップS1からステップS3を含んでよい。
【0015】
ステップS1、モバイルエッジコンピューティング(MEC、Mobile Edge Computing)プラットフォームが発したネットワークケイパビリティサービス要求を受信する。
【0016】
ステップS2、前記ネットワークケイパビリティサービス要求に基づき、前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームが要求したネットワークケイパビリティサービスの提供元を確定する。
【0017】
一例としての実施形態において、ステップS2は、前記ネットワークケイパビリティサービス要求を解析して、メッセージ名またはユニフォームリソースロケータパスを得、前記メッセージ名または前記ユニフォームリソースロケータパスに基づき、前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームが要求したネットワークケイパビリティサービスの提供元を確定することを含んでよく、前記ネットワークケイパビリティサービスの提供元は無線アクセスネットワークであってよく、コアネットワークであってもよい。
【0018】
ステップS3、前記ネットワークケイパビリティサービスの提供元がコアネットワークであると確定すると、前記コアネットワークのネットワークケイパビリティサービスを前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームに提供する。
【0019】
一例としての実施形態において、ステップS3の実行前に、前記コアネットワークとやり取りするためのプロトコル基準点インターフェースを介して、インスタンス識別子を所持するネットワークケイパビリティサービス照会要求を前記コアネットワークへ送信し、その後、前記コアネットワークとやり取りするための前記プロトコル基準点インターフェースを介して、前記コアネットワークが前記インスタンス識別子に応じて戻したネットワークケイパビリティサービスリストを受信する。
【0020】
一例としての実施形態において、ステップS3は、前記ネットワークケイパビリティサービスリストの中から、前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームが要求したネットワークケイパビリティサービスが見つかれば、見つかった前記ネットワークケイパビリティサービスを前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームに提供することを含んでよい。
【0021】
一例としての実施形態において、ステップS2で前記ネットワークケイパビリティサービスの提供元が無線アクセスネットワークであると確定すると、前記無線アクセスネットワークのネットワークケイパビリティサービスを前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームに提供することができる。例として、実施の際に、前記無線アクセスネットワークとやり取りするためのプロトコル基準点インターフェースを介して、端末識別子および情報収集識別子を所持する情報収集要求を前記無線アクセスネットワークへ送信し、その後、前記無線アクセスネットワークとやり取りするための前記プロトコル基準点インターフェースを介して、前記無線アクセスネットワークが前記端末識別子および情報収集識別子に応じて戻した端末関連情報を受信し、最後に、前記端末関連情報を用いて前記無線アクセスネットワークのネットワークケイパビリティサービスを更新する。これにより、無線アクセスネットワークのネットワークケイパビリティサービスを提供する際に、すでに更新された前記無線アクセスネットワークのネットワークケイパビリティサービスの中から、前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームが要求したネットワークケイパビリティサービスが見つかれば、見つかった前記ネットワークケイパビリティサービスを前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームに提供することができる。
【0022】
実施形態の1つとして、本実施例では、無線アクセスネットワークおよびコアネットワークと情報を直接やり取りするためのeNEF(Edge NEF、エッジケイパビリティ開放モジュール)を構築してよく、当該eNEFは、前記無線アクセスネットワークとやり取りするためのプロトコル基準点インターフェースと、前記コアネットワークとやり取りするためのプロトコル基準点インターフェースとを備える。MECプラットフォームが、例えば、UE位置情報または測定報告などを取得するために、eNEFにネットワークケイパビリティサービス要求を発し、ネットワークケイパビリティサービス要求をする時、eNEFが、サービスAPI(Application Programming Interface、アプリケーションプログラミングインターフェース)を介して当該ネットワークケイパビリティサービス要求を受信すると、要求されたネットワークケイパビリティサービスがRAN(Radio Access Network、無線アクセスネットワーク)によって提供されるか、それともコアネットワークによって提供されるかを判断することができる。RANによって提供される場合、eNEFは、例えば、サービスAPIを介してUE位置情報をMECプラットフォームに送信することによって、ネットワークケイパビリティサービスをMECプラットフォームに提供する。コアネットワークによって提供される場合、eNEFは、コアネットワークにネットワークケイパビリティサービスを要求し、コアネットワークのネットワークケイパビリティサービスをMECプラットフォームに提供する。
【0023】
当業者であれば、上記の実施例を実現する方法のすべてまたは一部のステップは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶できるプログラムによって、関連するハードウェアに命令して完了されると理解できるであろう。
【実施例2】
【0024】
本願の実施例は、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現するプログラムが記憶され、前記プログラムがプロセッサにより実行される時に、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法の上記のステップを実現する記憶媒体をさらに提供する。前記記憶媒体はROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク、USBフラッシュメモリを含んでよい。
【実施例3】
【0025】
3 GPP(Third Generation Partnership Project、第3世代パートナーシッププロジェクト) SA2 (システムアーキテクチャ)では、サービスベースの5Gシステムアーキテクチャが定義されている。図2に示すように、5Gシステムは、UE、RAN(無線アクセスネットワーク)、UPF(User Plane Function、ユーザプレーン機能)、SMF(Session Management Function、セッション管理機能)、AMF(Access and Mobility Management Function、アクセス・モビリティ管理機能)、AUSF(Authentication Server Function、認証サーバ機能)、NRF(Network Repository Function、ネットワークリポジトリ機能)、PCF(Policy Control Function、ポリシー制御機能)、UDM(Unified Data Management、統合データ管理)、NEF(Network Exposure Function、ネットワーク開放機能)、AF(Application Function、アプリケーション機能)、DN(Data Network、データネットワーク)を含んでよく、SMFはセッションアクセスと管理を担い、UPF選択/再選択を含み、AMFはUEアクセスとモビリティ管理を担い、AUSFはUE認証を担い、NRFはネットワーク機能の相互発見構築を担い、PCFは制御プレーンのポリシールールを担い、UDMはユーザIDなどの情報管理を担い、NEFは3 GPPネットワークが第三者Appにネットワークケイパビリティ開放を提供する機能モジュールである。NEFは、サービスベースのインターフェースを介してCN(Core Network、コアネットワーク)のその他の機能モジュールの情報およびサービスインターフェースを取得して、ノースバウンドサービスインターフェースを介して第三者Appに開放する。原則として、規格は、NEFがどこに配置されてよいかを限定しない。しかしながら、現在のキャリアの伝送ネットワークは、図3に示すように、アクセス層、ディストリビューション層、コア層に分けられるのが一般的である。なお、図2における異なるネットワーク機能間のインターフェース(例えば、N1、N2など)は、3 GPP SA2における関連定義および説明を参照することができるため、ここでは詳しい説明を省略する。図3においてPTNはパケット伝送ネットワーク(Packet Transport Network)である。
【0026】
5Gアーキテクチャでは、Distributed Unit(分散ノード)がアクセス層に配置され、Centralized Unit(集中ノード)およびUPF(ユーザプレーン機能)がディストリビューション層に配置され、エッジコンピューティングもディストリビューション層にあり、コアネットワーク機能はUPFを除いてすべてコア層に配置される。実際の配置では、セキュリティ面を考慮し、コア層およびディストリビューション層/アクセス層はネットワーク隔離されており、AMFおよびRANのインターフェースN2、SMFおよびUPFのインターフェースN4のような標準インターフェースを介してしか相互通信できない。RANに配置されているネットワーク機能は、サービスインターフェースを介してCN側のネットワーク機能を直接呼び出すことはできない。したがって、このようなネットワークドメイン隔離は、3GPPにおいてNEFがドメインおよびその他のネットワーク機能をまたいで通信することを不可能にし、その実際の配置はCN側だけに限られる。しかしながら、MECプラットフォームはRAN側に配置されることもあって、NEFはRAN無線ケイパビリティを開放する必要もあり、現在の3GPPは、RAN側のMEC上のAppがネットワークケイパビリティをどのように取得するかという問題をうまく解決していない。なぜなら、CNノースバウンドサービスインターフェースを介してNEFを開放することから、RAN側Appに対するアクセス経路が長くなり過ぎるうえ、RAN側ケイパビリティがCN再開放に迂回する必要があり、不要な遅延および帯域幅が増え、MEC自体の本意と一致しないからである。
【0027】
以下では本願の実施例が提供する5Gシステムのアーキテクチャ図および実施フローについて説明する。
【0028】
図4は本願の実施例が提供する5Gシステムアーキテクチャ図である。図4に示すように、本願の実施例はRAN側においてeNEFを導入することにより、これと2つのネットワーク機能RANおよびNEFとがそれぞれ1つのプロトコル基準点インターフェース(すなわち、NxとNy)を有する。eNEFを介して5GネットワークはRAN側のネットワークエッジコンピューティングプラットフォームにネットワークケイパビリティを開放する。
【0029】
1. eNEFとRANのプロトコル基準点インターフェースはNxである。
当該プロトコル基準点インターフェースNxを介して、eNEFはRAN側のネットワーク情報を取得する。eNEFはRAN側のネットワーク情報を処理した後、サービスAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を介して、RAN側ネットワークケイパビリティとしてMECに開放する。
【0030】
eNEFはRANケイパビリティサービスをMECに直接開放することができる。
【0031】
2. eNEFとNEFのプロトコル基準点インターフェースはNyである。
当該プロトコル基準点インターフェースNyを介して、eNEFはコアネットワークNEFに接続される。eNEFはNyを介してNEF上のサービスを照会できる。eNEFはプロトコル基準点インターフェースNyを介してNEFのサービスを取得できる。
eNEFはMECが消費するサービス類型に応じて、NEFから対応するサービスを取得できる。
【実施例4】
【0032】
図5はeNEFがNxインターフェースを介してRAN側ネットワーク情報を取得するフローチャートである。図5に示すように、eNEFがNxインターフェースを介してRAN側ネットワーク情報を取得するフローは、eNEFがNxインターフェースを介して、UE ID (識別子)、情報収集ID、情報報告方式を含む情報収集要求をRANに送信するステップと、RANが情報収集要求を受信した後、UE ID、情報収集ID、情報報告方式に応じて情報収集を行い、UE関連情報を抽出して、情報収集応答メッセージにカプセル化してeNEFに送信するステップと、eNEFがRANから送信されてきた情報収集応答メッセージを受信し、その中のデータを抽出して、RANサービスに更新するステップとを含む。
【0033】
本実施例において、eNEFはRANから取得したデータを利用して、保存したデータを更新し、更新後のデータを利用するために、サービスAPIを介してMECプラットフォームにRAN側のネットワークケイパビリティサービスを提供する。
【実施例5】
【0034】
図6はeNEFがNyインターフェースを介してNEFのネットワークケイパビリティサービスリストを取得するフローチャートである。図6に示すように、eNEFがNyインターフェースを介してNEFのネットワークケイパビリティサービスリストを取得するフローは、eNEFがNyインターフェースを介してNEFにネットワークケイパビリティサービス照会要求(そこにはNEFインスタンスIDが含まれる)を送信するステップと、NEFがeNEFのネットワークケイパビリティサービス照会要求を受信し、インスタンスIDが本インスタンスと一致すれば、自らのネットワークケイパビリティサービスリストをネットワークケイパビリティ照会応答メッセージにロードし、eNEFに送信するステップとを含む。
【0035】
本実施例において、eNEFがNEFから取得したネットワークケイパビリティサービスリストは、当該ネットワークケイパビリティサービスリストを利用するために、NEFのネットワークケイパビリティサービスを、サービスAPIを介してMECプラットフォームへ提供する。
【実施例6】
【0036】
図7はMECプラットフォームにNEFネットワークケイパビリティを開放するフローチャートである。図7に示すように、MECプラットフォームにNEFネットワークケイパビリティを開放するフローは、eNEFがMECからのネットワークケイパビリティAPI操作(すなわちサービスAPI操作要求)を受信するステップと、eNEFがネットワークケイパビリティAPI操作のメッセージ名またはURL(ユニフォームリソースロケータ)パスから、当該要求操作はコアネットワークNEFのサービスに属すると判断すると、当該要求をContainer(容器)にカプセル化してNyポートを介してNEFに送信するステップと、NEFがメッセージを受信すると、Containerを取り出してネットワークケイパビリティに応じた操作を実施し、操作結果をContainerを用いてメッセージにカプセル化しNyポートを介してeNEFに送信するステップと、eNEFがメッセージを受信すると、Containerを取り出して応答結果を操作応答APIにカプセル化してMECに返信するステップとを含む。
【0037】
本実施形態において、eNEFはMECからの操作要求をMECとのサービスAPIを介して受信して、MECの要求したネットワークケイパビリティサービスがNEFの提供するサービスであると判断し、かつNEFが当該サービスをすでに起動している場合に、NEFとのサービスAPIを介してNEFからネットワークケイパビリティを取得して、MECに提供する。
【実施例7】
【0038】
図8はMECプラットフォームがNEFネットワークケイパビリティを要求するフローチャートである。図8に示すように、eNEFおよびMEC操作フローは、eNEFがMECからのネットワークケイパビリティAPI操作(すなわち、サービスAPI操作要求)を受信するステップと、eNEFがネットワークケイパビリティAPI操作のメッセージ名またはURIパスから、当該要求操作はコアネットワークNEFのサービスに属すると判断したものの、NEFが当該サービスを起動していなければ、直接MECにAPI操作の失敗を返すステップとを含む。
【0039】
本実施例において、eNEFはMECからの操作要求をMECとのサービスAPIを介して受信して、MECの要求したネットワークケイパビリティサービスがNEFの提供するサービスであると判断したもののNEFが当該サービスを起動していない場合、NEFのネットワークケイパビリティを取得することはできない。
【実施例8】
【0040】
図9はMECプラットフォームにRAN側ネットワークケイパビリティを開放するフローチャートである。図9に示すように、MECプラットフォームにRAN側ネットワークケイパビリティを開放するフローは、eNEFがMECからのネットワークケイパビリティAPI操作(すなわちサービスAPI操作要求)を受信するステップと、eNEFがネットワークケイパビリティAPI操作のメッセージ名またはURIパスから、当該要求操作はeNEFのRANサービスに属すると判断するステップと、eNEFがAPI操作結果を直接MECに返すステップとを含む。
【0041】
本実施例において、eNEFはMECからの操作要求をMECとのサービスAPIを介して受信し、MECの要求したネットワークケイパビリティサービスがRAN側の提供するサービスであると判断した場合、RAN側のネットワークケイパビリティをMECに提供する。
【0042】
実施例3から実施例8は、RAN側に追加されたeNEFを用いてRANとコアネットワークのNEFという2つのネットワーク機能と直接情報をやり取りし、不要な遅延及び帯域幅を減らしながら、ネットワークケイパビリティをRANに配置されたMECプラットフォームに開放し、5Gネットワークに適用できる。
【実施例9】
【0043】
図10は本願の実施例が提供する、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する装置のブロック図である。図10に示すように、前記装置は無線アクセスネットワークおよびコアネットワークと情報を直接やり取りするためのものであり、前記装置は、受信モジュール10と、判断モジュール20と、処理モジュール30とを備える。
【0044】
受信モジュール10は、モバイルエッジコンピューティングプラットフォームが発したネットワークケイパビリティサービス要求を受信するように配置され、判断モジュール20は、前記ネットワークケイパビリティサービス要求に基づき、前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームが要求したネットワークケイパビリティサービスの提供元を確定するように配置され、処理モジュール30は、前記ネットワークケイパビリティサービスの提供元がコアネットワークであると確定すると、前記コアネットワークのネットワークケイパビリティサービスを前記モバイルエッジコンピューティングプラットフォームに提供するように配置される。
【0045】
一実施形態として、前記装置はRAN側に設けてよく、エッジネットワークケイパビリティを開放する方法のステップを実現することで、RANに配置されたMECプラットフォームにネットワークケイパビリティを開放する。
【実施例10】
【0046】
図11は本願の実施例が提供する、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する機器の概略図である。図11に示すように、本願の実施例が提供するエッジネットワークケイパビリティ開放を実現する機器110は、無線アクセスネットワークおよびコアネットワークと情報を直接やり取りするためのものであり、前記機器110は、プロセッサ1102と、前記プロセッサ1102に結合されたメモリ1101とを備え、前記メモリ1101には、前記プロセッサ1102で実行可能な、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現するプログラムが記憶され、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する前記プログラムが前記プロセッサ1102により実行される時に、エッジネットワークケイパビリティ開放を実現する方法の上記のステップを実行する。
【0047】
一実施例形態として、前記機器110はRAN側に設けてよく、エッジネットワークケイパビリティを開放する方法のステップを実現することで、RANに配置されたMECプラットフォームにネットワークケイパビリティを開放する。
【0048】
上記のように、本願の実施例ではRAN側にeNEFを追加することによって、5Gネットワークが、RANに配置されたMECプラットフォームにネットワークケイパビリティを開放できるようにする。本願の実施例は、無線アクセスネットワークとコアネットワークの2つのネットワーク機能と情報をやり取りすることにより、不要な遅延及び帯域幅を減らしながら、ネットワークケイパビリティをMECプラットフォームに開放し、5Gネットワークに適用できる。
【0049】
当業者であれば、上記で開示した方法のすべてまたは一部のステップ、システム、装置の機能ブロック/ユニットは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、およびそれらの適切な組み合わせで実施され得ると理解できるであろう。ハードウェアの実施形態では、上記の説明において言及した機能モジュール/ユニット間の区分は、必ずしも物理的コンポーネントの区分に対応せず、例えば、1つの物理的コンポーネントが複数の機能を有してもよく、あるいは、1つの機能またはステップが複数の物理的コンポーネントによって協力して実行されてもよい。一部の構成要素またはすべての構成要素は、プロセッサ、例えば、デジタル信号プロセッサまたはマイクロプロセッサで実行されるソフトウェアとして実施されてよく、あるいはハードウェアとして実施されてよく、あるいは専用の集積回路のような集積回路として実施されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(または非一時的媒体)および通信媒体(または一時的媒体)を含み得るコンピュータ可読媒体上に分散してよい。当業者に周知のように、記憶媒体という用語は、情報(コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータなど)を記憶するための任意の方法または技術において実施される、揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む。記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、またはその他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)またはその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたはその他の磁気ストレージデバイス、または所望の情報を記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る任意のその他の媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波またはその他の搬送機構などの変調されたデータ信号におけるその他のデータを概して含み、任意の情報配信媒体を含み得ることが当業者に知られている。
【0050】
以上、本願について詳しく説明したが、本願はこれに限定されるものではなく、本願の原理を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。したがって、本願の原理に従った修正は、すべて、本願の保護範囲内に含まれるものと理解されるべきである。
図1
図2
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図5
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図9
図10
図11