(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】電気自動車用パワーリレーアセンブリ駆動装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H02H 9/02 20060101AFI20220427BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
H02H9/02 E
H02J1/00 309R
(21)【出願番号】P 2020532912
(86)(22)【出願日】2018-12-18
(86)【国際出願番号】 KR2018016131
(87)【国際公開番号】W WO2019132373
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2017-0183019
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0183020
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513316083
【氏名又は名称】ユラ コーポレーション カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クウォン ダエ ハン
(72)【発明者】
【氏名】キム ホ キュン
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-254650(JP,A)
【文献】国際公開第2016/035278(WO,A1)
【文献】特開2014-241187(JP,A)
【文献】特開2014-030108(JP,A)
【文献】特開2014-172602(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0252847(US,A1)
【文献】特開2009-044914(JP,A)
【文献】特開2010-193558(JP,A)
【文献】特開2015-173110(JP,A)
【文献】特開2014-082825(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2010-0104728(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0111268(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1521984(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1780396(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0025674(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0069002(KR,A)
【文献】特開2010-130768(JP,A)
【文献】特開2017-060317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 9/02
H02J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリの負端子と負荷側の負端子と間に接続される第1リレー;
前記バッテリの正端子と前記負荷側の正端子と間に接続される第2リレー;
一端が前記バッテリの正端子側の前記第2リレーの一端に接続され、他端が第2スイッチ部と接続される第1スイッチ部;
一端が前記第1スイッチ部と接続され、他端が前記第2リレーの負荷側の一端と接続される前記第2スイッチ部;
制御部から入力される制御信号に応じて、前記第1スイッチ部に電圧制御信号を出力し、前記第1スイッチ部を通して流れる電流量を制限する電圧制御モジュール;及び
制御信号を出力し、前記第1リレー、前記第2リレー、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部を制御する前記制御部;
を含
み、
車両のメイン制御器又はBMS(Battery Management System)とCAN通信方式又はLIN通信方式により通信を行い、前記メイン制御器又はBMSからパワーリレーアセンブリを作動開始(オン(ON))又は作動中断(オフ(OFF))を指示する制御命令を受信して前記制御部に出力し、前記制御部から入力されるパワーリレーアセンブリの状態情報を前記メイン制御器又は前記BMSに伝送する通信部;をさらに含むことを特徴とする電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項2】
前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部のそれぞれは、
前記制御部から入力される制御信号に応じて、オン/オフされるスイッチ素子;及び
前記スイッチ素子と並列接続されるダイオード;
を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項3】
前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部にそれぞれ含まれたダイオードは、順方向が互いに反対であることを特徴とする請求項2に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項4】
前記第1スイッチ部のダイオードは、前記バッテリの正端子側方向が順方向になるように設定され、
前記第2スイッチ部のダイオードは、前記負荷側の正端子側方向が順方向になるように設定されることを特徴とする請求項3に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項5】
前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部に含まれたスイッチ素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はFET(Field Effect Transistor)で具現され、
前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部に含まれたダイオードは、IGBT又はFET内部に含まれた内部ダイオードで具現されることを特徴とする請求項3に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項6】
前記制御部は、
前記バッテリから前記負荷側に電源を供給する場合に、
前記第1リレーをオンし、
前記電圧制御モジュールを介して前記第1スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記バッテリから出力された電流が、前記第1スイッチ部のスイッチ素子及び前記第2スイッチ部のダイオードを介して負荷側に流れるようにしてプレチャージを行い、
前記第2リレーの両端間に等電位が形成されれば、前記第2リレーをオンし、前記電圧制御モジュールを介して前記第1スイッチ部をオフすることを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項7】
前記制御部は、
前記バッテリから前記負荷側への電源供給を遮断する場合に、
前記電圧制御モジュールを介して第1スイッチ部のスイッチ素子をオンし、前記バッテリから出力された電流が、前記第2リレー、及び前記第1スイッチ部のスイッチ素子と前記第2スイッチ部のダイオードを介して負荷側に流れるようにした後、前記第2リレーをオフし、その後、前記電圧制御モジュールを介して第1スイッチ部のスイッチ素子をオフし、電源供給を遮断することを特徴とする請求項6に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項8】
前記制御部は、
前記バッテリに充電電流を供給する場合に、
前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記第2スイッチ部のスイッチ素子及び前記第1スイッチ部のダイオードを介して前記バッテリに充電電流が流れるようにして、前記第2リレー両端間に等電位を形成した後、前記第2リレーをオン(ON)し、前記第2リレーを介して充電電流が流れるようにした後、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオフ(OFF)することで、正規充電を行うことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項9】
前記制御部は、
充電電流供給を遮断する場合に、
前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記第2スイッチ部のスイッチ素子及び前記第1スイッチ部のダイオードを介して前記バッテリに充電電流が流れるようにした後、前記第2リレーをオフ(OFF)し、前記第2リレーを介して流れる充電電流を遮断した後、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオフ(OFF)することで、充電電流供給を遮断することを特徴とする請求項8に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項10】
前記バッテリの正端子と前記第2リレーの一端と間に設けられ、前記バッテリから出力される電流及び前記バッテリに流入される電流の少なくとも一つを測定して、前記制御部に出力する電流センサをさらに含み、
前記制御部は、前記電流センサから入力された電流値に応じて、制御信号を出力することを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項11】
バッテリの負端子と負荷側の負端子と間に接続される第1リレー;
前記バッテリの正端子と前記負荷側の正端子と間に接続される第2リレー;
一端が前記バッテリの正端子側の前記第2リレーの一端に接続され、他端が第2スイッチ部と接続される第1スイッチ部;
一端が前記第1スイッチ部と接続され、他端が前記第2リレーの負荷側の一端と接続される前記第2スイッチ部;
一端が前記バッテリの正端子側の前記第2リレーの一端に接続され、他端が保護抵抗に接続されるプレチャージスイッチ部;
前記プレチャージスイッチ部と前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部の接続ノードの間に接続される保護抵抗;及び
制御信号を出力し、前記第1リレー、前記第2リレー、前記第1スイッチ部、前記第2スイッチ部、及び前記プレチャージスイッチ部のオン/オフを制御する制御部;
を含むことを特徴とする電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項12】
前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部のそれぞれは、
前記制御部から入力される制御信号に応じて、オン/オフされるスイッチ素子;及び
前記スイッチ素子と並列接続されるダイオード;
を含むことを特徴とする請求項
11に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項13】
前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部にそれぞれ含まれたダイオードは、順方向が互いに反対であることを特徴とする請求項
12に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項14】
前記第1スイッチ部のダイオードは、前記バッテリの正端子側方向が順方向になるように設定され、
前記第2スイッチ部のダイオードは、前記負荷側の正端子側方向が順方向になるように設定されることを特徴とする請求項
13に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項15】
前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部に含まれたスイッチ素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はFET(Field Effect Transistor)で具現され、
前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部に含まれたダイオードは、IGBT又はFET内部に含まれた内部ダイオードで具現されることを特徴とする請求項
13に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項16】
前記制御部は、
前記バッテリから前記負荷側に電源を供給する場合に、
前記第1リレーをオンし、
前記プレチャージスイッチ部をオン(ON)し、前記バッテリから出力された電流が、前記プレチャージスイッチ部及び前記第2スイッチ部のダイオードを介して負荷側に流れるようにして、プレチャージを行い、
前記第2リレーの両端間に等電位が形成されれば、前記第2リレーをオンし、前記プレチャージスイッチ部をオフすることを特徴とする請求項
12~
15のいずれか1項に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項17】
前記制御部は、
前記バッテリから前記負荷側への電源供給を遮断する場合に、
前記第1スイッチ部に含まれたスイッチ素子をオンし、前記バッテリから出力された電流が、前記第2リレー、及び前記第1スイッチ部のスイッチ素子と前記第2スイッチ部のダイオードを介して負荷側に流れるようにした後、前記第2リレーをオフし、その後、前記第1スイッチ部に含まれたスイッチ素子をオフし、電源供給を遮断することを特徴とする請求項
16に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項18】
前記制御部は、
前記バッテリに充電電流を供給する場合に、
前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記第2スイッチ部のスイッチ素子及び前記第1スイッチ部のダイオードを介して前記バッテリに充電電流が流れるようにして、前記第2リレー両端間に等電位を形成した後、前記第2リレーをオン(ON)し、前記第2リレーを介して充電電流が流れるようにした後、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオフ(OFF)することで、正規充電を行うことを特徴とする請求項
12~
15のいずれか1項に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項19】
前記制御部は、
充電電流供給を遮断する場合に、
前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記第2スイッチ部のスイッチ素子及び前記第1スイッチ部のダイオードを介して前記バッテリに充電電流が流れるようにした後、前記第2リレーをオフ(OFF)し、前記第2リレーを介して流れる充電電流を遮断した後、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオフ(OFF)することで、充電電流供給を遮断することを特徴とする請求項
18に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項20】
前記バッテリの正端子と前記第2リレーの一端と間に設けられ、前記バッテリから出力される電流及び前記バッテリに流入される電流の少なくとも一つを測定して、前記制御部に出力する電流センサをさらに含み、
前記制御部は、前記電流センサから入力された電流値に応じて、制御信号を出力することを特徴とする請求項
12~
15のいずれか1項に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項21】
車両のメイン制御器又はBMS(Battery Management System)とCAN通信方式又はLIN通信方式により通信を行い、前記メイン制御器又はBMSからパワーリレーアセンブリを作動開始(オン(ON))又は作動中断(オフ(OFF))を指示する制御命令を受信して前記制御部に出力し、前記制御部から入力されるパワーリレーアセンブリの状態情報を前記メイン制御器又は前記BMSに伝送する通信部;をさらに含むことを特徴とする請求項
11~
15のいずれか1項に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ。
【請求項22】
バッテリの負端子と負荷側の負端子と間に接続された第1リレー、前記バッテリの正端子が接続された第1ノード及び負荷側の正端子が接続された第3ノードの間に接続された第2リレー、前記第1ノードと第2ノードと間に接続される第1スイッチ部、前記第2ノードと前記第3ノードと間に接続される第2スイッチ部、前記第1ノードと前記第2ノードと間に直列接続されたプレチャージスイッチ部及び保護抵抗を含み、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部は、スイッチ素子及びスイッチ素子と並列接続されるダイオードをそれぞれ含む電気自動車用パワーリレーアセンブリ駆動方法であって、
前記バッテリから前記負荷側に電源を供給する場合に、
前記第1リレーをオンするステップ;
前記プレチャージスイッチ部をオン(ON)し、前記バッテリから出力された電流が、前記プレチャージスイッチ部及び前記第2スイッチ部のダイオードを介して負荷側に流れるようにして、プレチャージを行うステップ;及び
前記第2リレーの両端間に等電位が形成されれば、前記第2リレーをオンし、前記プレチャージスイッチ部をオフするステップ;
を含むことを特徴とする電気自動車用パワーリレーアセンブリ駆動方法。
【請求項23】
前記バッテリから前記負荷側への電源供給を遮断する場合に、
前記第1スイッチ部に含まれたスイッチ素子をオンし、前記バッテリから出力された電流が、前記第2リレー、及び前記第1スイッチ部のスイッチ素子と前記第2スイッチ部のダイオードを介して負荷側に流れるようにするステップ;
前記第2リレーをオフするステップ;及び
前記第1スイッチ部に含まれたスイッチ素子をオフし、電源供給を遮断するステップ;をさらに含むことを特徴とする請求項
22に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ駆動方法。
【請求項24】
前記バッテリに充電電流を供給する場合に、
前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記第2スイッチ部のスイッチ素子及び前記第1スイッチ部のダイオードを介して前記バッテリに充電電流が流れるようにして、前記第2リレー両端間に等電位を形成するステップ;
前記第2リレーをオン(ON)し、前記第2リレーを介して充電電流が流れるようにするステップ;及び
前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオフ(OFF)することで、正規充電を行うステップ;
をさらに含むことを特徴とする請求項
22に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ駆動方法。
【請求項25】
充電電流供給を遮断する場合に、
前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記第2スイッチ部のスイッチ素子及び前記第1スイッチ部のダイオードを介して前記バッテリに充電電流が流れるようにするステップ;
前記第2リレーをオフ(OFF)し、前記第2リレーを介して流れる充電電流を遮断するステップ;及び
前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオフ(OFF)することで、充電電流供給を遮断するステップ;をさらに含むことを特徴とする請求項
24に記載の電気自動車用パワーリレーアセンブリ駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーリレーアセンブリ(PRA)及びその駆動方法に関する。より具体的には、電気自動車用パワーリレーアセンブリ及びその駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、パワーリレーアセンブリ(PRA)は、電気自動車両及びハイブリッド車両において、バッテリからPCU(Power Control Unit)を経てモーターに繋がる電源を接続し、遮断する電力遮断装置であり、電力を供給するためのメインゲート役割を果たす核心部品である。
【0003】
さらに、パワーリレーアセンブリ(PRA)は、システム障害発生又は整備などの状況で、電力を完全に遮断する安全装置の役割を果たすことで、電気自動車両/ハイブリッド車両において大変重要な安全を担当する。
【0004】
このようなパワーリレーアセンブリは、プレチャージリレー(Pre-Charging Relay)450V、10A以上)及びメインリレー(Main Relay)450V、100~150A以上)等の高電圧リレーとバッテリ/インバータへのワイーリング連結のための高電圧/大電流バスバー及び端子などの部品で構成される。
【0005】
これらのうちの核心部品は、高電圧/大電流を接続及び遮断する役割を果たす高電圧リレーである。この高電圧リレーとしては、通常的にリレーの接点で生じ得るスパークを防止するために、特殊ガス(Gas)、例えば、H2ガスを注入密封した機械式リレー構造が採択されている。
【0006】
しかし、前記高電圧リレーは、特殊ガスにより重いので、パワーリレーアセンブリの全体重量を増大させる。その結果、車両の燃費が低下される問題がある。
【0007】
また、前記高電圧リレーは、複雑な機械的な構造を備えているだけでなく、その部品の材料費自体が高く、その部品の価格が高い。その結果、パワーリレーアセンブリの原価が増大する問題がある。
【0008】
また、前記高電圧リレーを含むパワーリレーアセンブリは、周辺機器の追加により配線の増加を必要とする。その結果、配線の配列が複雑になる問題がある。
【0009】
このような問題点を解決するための従来技術の一例として、
図1に示されるように、半導体スイッチ素子が利用されたスマートPRAが提案された。
図1に示された特許文献は、始動初期にバッテリとインバータの-端子を互いに接続する第2メインリレー7をオンし後、第1メインリレー5を接続する前に、電力半導体6を、パルス幅変調(PWM)制御を行い、電流を断続的に流れるようにして、キャパシタ8Bを予め充電し、第1メインリレー5の両端の電圧が同じにように等電位を形成した後、第1メインリレー5を接続し、第1メインリレー5接続時、第1メインリレー5の両端にスパークが生じることを防止している。
【0010】
また、電源供給遮断時に、第1メインリレー5、電力半導体6及び第2メインリレー7が同時にオンされた状態で、第1メインリレー5のみをまずオフする。このとき、第1メインリレー5を介して流れた電流が電力半導体6を介して流れ続けるため、第1メインリレー5は、接点でスパークが生じることなく、安全に電源を遮断することができる。
【0011】
しかし、このような従来技術の場合、電気自動車両の高電圧バッテリにおいて、負荷(インバータ)への電力供給中に一般的な電源遮断は可能であるが、高電圧バッテリ充電時、電力を遮断する動作は行うことができないので、新しい構造の電気自動車用パワーリレーアセンブリが必要とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】韓国 特許第10-0559398号(発明の名称:ハイブリッド及び燃料バッテリ車両用動力連結制御装置)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が、解決しようとする課題は、電気自動車の高電圧バッテリが放電して、負荷に電源を供給する場合だけでなく、高電圧バッテリに充電電流を供給する場合にも、リレーのスパーク発生を防止し、電源供給及び遮断することができる電気自動車用パワーリレーアセンブリ及びその駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するための本発明の好ましい第1実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリは、バッテリの負端子と負荷側の負端子と間に接続される第1リレー;前記バッテリの正端子と前記負荷側の正端子と間に接続される第2リレー;一端が前記バッテリの正端子側の前記第2リレーの一端に接続され、他端が第2スイッチ部と接続される第1スイッチ部;一端が前記第1スイッチ部と接続され、他端が前記第2リレーの負荷側の一端と接続される前記第2スイッチ部;制御部から入力される制御信号に応じて、前記第1スイッチ部に電圧制御信号を出力し、前記第1スイッチ部を通して流れる電流量を制限する電圧制御モジュール;及び制御信号を出力し、前記第1リレー、前記第2リレー、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部を制御する前記制御部;を含み、車両のメイン制御器又はBMS(Battery Management System)とCAN通信方式又はLIN通信方式により通信を行い、前記メイン制御器又はBMSからパワーリレーアセンブリを作動開始(オン(ON))又は作動中断(オフ(OFF))を指示する制御命令を受信して前記制御部に出力し、前記制御部から入力されるパワーリレーアセンブリの状態情報を前記メイン制御器又は前記BMSに伝送する通信部;をさらに含む。
【0015】
また、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部のそれぞれは、前記制御部から入力される制御信号に応じて、オン/オフされるスイッチ素子;及び前記スイッチ素子と並列接続されるダイオード;を含む。
【0016】
さらに、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部にそれぞれ含まれたダイオードは、順方向が互いに反対であってもよい。
【0017】
また、前記第1スイッチ部のダイオードは、前記バッテリの正端子側方向が順方向になるように設定され、前記第2スイッチ部のダイオードは、前記負荷側の正端子側方向が順方向になるように設定される。
【0018】
さらに、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部に含まれたスイッチ素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はFET(Field Effect Transistor)で具現され、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部に含まれたダイオードは、IGBT又はFET内部に含まれた内部ダイオードで具現される。
【0019】
また、前記制御部は、前記バッテリから前記負荷側に電源を供給する場合に、前記第1リレーをオンし、前記電圧制御モジュールを介して前記第1スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記バッテリから出力された電流が前記第1スイッチ部のスイッチ素子及び前記第2スイッチ部のダイオードを介して負荷側に流れるようにしてプレチャージを行い、前記第2リレーの両端間に等電位が形成されれば、前記第2リレーをオンし、前記電圧制御モジュールを介して前記第1スイッチ部をオフする。
【0020】
さらに、前記制御部は、前記バッテリから前記負荷側への電源供給を遮断する場合に、前記電圧制御モジュールを介して第1スイッチ部のスイッチ素子をオンし、前記バッテリから出力された電流が、前記第2リレー、及び前記第1スイッチ部のスイッチ素子と前記第2スイッチ部のダイオードを介して負荷側に流れるようにした後、前記第2リレーをオフし、その後、前記電圧制御モジュールを介して第1スイッチ部のスイッチ素子をオフして電源供給を遮断する。
【0021】
また、前記制御部は、前記バッテリに充電電流を供給する場合に、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記第2スイッチ部のスイッチ素子及び前記第1スイッチ部のダイオードを介して前記バッテリに充電電流が流れるようにして、前記第2リレー両端間に等電位を形成した後、前記第2リレーをオン(ON)し、前記第2リレーを介して充電電流が流れるようにした後、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオフ(OFF)することで、正規充電を行う。
【0022】
さらに、前記制御部は、充電電流供給を遮断する場合に、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記第2スイッチ部のスイッチ素子及び前記第1スイッチ部のダイオードを介して前記バッテリに充電電流が流れるようにした後、前記第2リレーをオフ(OFF)し、前記第2リレーを介して流れる充電電流を遮断した後、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオフ(OFF)することで、充電電流供給を遮断する。
【0023】
また、本発明の好ましい実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリは、前記バッテリの正端子と前記第2リレーの一端と間に設けられ、前記バッテリから出力される電流及び前記バッテリに流入される電流の少なくとも一つを測定して、前記制御部に出力する電流センサをさらに含み、前記制御部は前記電流センサから入力された電流値に応じて、制御信号を出力する。
【0029】
一方、前記課題を解決するための本発明の好ましい第2実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリは、バッテリの負端子と負荷側の負端子と間に接続される第1リレー;前記バッテリの正端子と前記負荷側の正端子と間に接続される第2リレー;一端が前記バッテリの正端子側の前記第2リレーの一端に接続され、他端が第2スイッチ部と接続される第1スイッチ部;一端が前記第1スイッチ部と接続され、他端が前記第2リレーの負荷側の一端と接続される前記第2スイッチ部;一端が前記バッテリの正端子側の前記第2リレーの一端に接続され、他端が保護抵抗に接続されるプレチャージスイッチ部;前記プレチャージスイッチ部と前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部の接続ノードの間に接続される保護抵抗;及び制御信号を出力して前記第1リレー、前記第2リレー、前記第1スイッチ部、前記第2スイッチ部、及び前記プレチャージスイッチ部のオン/オフを制御する制御部;を含む。
【0030】
また、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部それぞれは、前記制御部から入力される制御信号に応じて、オン/オフされるスイッチ素子;及び前記スイッチ素子と並列接続されるダイオード;を含む。
【0031】
さらに、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部にそれぞれ含まれたダイオードは、順方向が互いに反対であってもよい。
【0032】
また、前記第1スイッチ部のダイオードは、前記バッテリの正端子側方向が順方向になるように設定され、前記第2スイッチ部のダイオードは、前記負荷側の正端子側方向が順方向になるように設定される。
【0033】
また、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部に含まれたスイッチ素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はFET(Field Effect Transistor)で具現され、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部に含まれたダイオードは、IGBT又はFET内部に含まれた内部ダイオードで具現される。
【0034】
さらに、前記制御部は、前記バッテリから前記負荷側に電源を供給する場合に、前記第1リレーをオンし、前記プレチャージスイッチ部をオン(ON)し、前記バッテリから出力された電流が、前記プレチャージスイッチ部及び前記第2スイッチ部のダイオードを介して負荷側に流れるようにしてプレチャージを行い、前記第2リレーの両端間に等電位が形成されれば、前記第2リレーをオンし、前記プレチャージスイッチ部をオフする。
【0035】
また、前記制御部は、前記バッテリから前記負荷側への電源供給を遮断する場合に、前記第1スイッチ部に含まれたスイッチ素子をオンし、前記バッテリから出力された電流が、前記第2リレー、及び前記第1スイッチ部のスイッチ素子と前記第2スイッチ部のダイオードを介して負荷側に流れるようにした後、前記第2リレーをオフしてその後、前記第1スイッチ部に含まれたスイッチ素子をオフして電源供給を遮断する。
【0036】
さらに、前記制御部は、前記バッテリに充電電流を供給する場合に、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記第2スイッチ部のスイッチ素子及び前記第1スイッチ部のダイオードを介して前記バッテリに充電電流が流れるようにして、前記第2リレー両端間に等電位を形成した後、前記第2リレーをオン(ON)し、前記第2リレーを介して充電電流が流れるようにした後、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオフ(OFF)することで、正規充電を行う。
【0037】
また、前記制御部は、充電電流供給を遮断する場合に、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記第2スイッチ部のスイッチ素子及び前記第1スイッチ部のダイオードを介して前記バッテリに充電電流が流れるようにした後、前記第2リレーをオフ(OFF)し、前記第2リレーを介して流れる充電電流を遮断した後、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオフ(OFF)することで、充電電流供給を遮断する。
【0038】
また、本発明の好ましい実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリは、前記バッテリの正端子と前記第2リレーの一端と間に設けられ、前記バッテリから出力される電流及び前記バッテリに流入される電流のうち少なくとも一つを測定して、前記制御部に出力する電流センサをさらに含み、前記制御部は、前記電流センサから入力された電流値に応じて、制御信号を出力する。
【0039】
さらに、本発明の好ましい実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリは、車両のメイン制御器又はBMS(Battery Management System)とCAN通信方式又はLIN通信方式により通信を行い、前記メイン制御器又はBMSからパワーリレーアセンブリを作動開始(オン(ON))又は作動中断(オフ(OFF))を指示する制御命令を受信して前記制御部に出力し、前記制御部から入力されるパワーリレーアセンブリの状態情報を前記メイン制御器又は前記BMSに伝送する通信部;をさらに含む。
【0040】
一方、前記課題を解決するための本発明の好ましい第2実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリ駆動方法は、バッテリの負端子と負荷側の負端子と間に接続された第1リレー、前記バッテリの正端子が接続された第1ノード及び負荷側の正端子が接続された第3ノードの間に接続された第2リレー、前記第1ノードと第2ノードと間に接続される第1スイッチ部、前記第2ノードと前記第3ノードと間に接続される第2スイッチ部、前記第1ノードと前記第2ノードと間に直列接続されたプレチャージスイッチ部及び保護抵抗を含み、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部は、スイッチ素子及びスイッチ素子と並列接続されるダイオードをそれぞれ含む電気自動車用パワーリレーアセンブリ駆動方法であって、前記バッテリから前記負荷側に電源を供給する場合に、前記第1リレーをオンするステップ;前記プレチャージスイッチ部をオン(ON)し、前記バッテリから出力された電流が、前記プレチャージスイッチ部及び前記第2スイッチ部のダイオードを介して負荷側に流れるようにして、プレチャージを行うステップ;及び前記第2リレーの両端間に等電位が形成されれば、前記第2リレーをオンし、前記プレチャージスイッチ部をオフするステップ;を含む。
【0041】
また、本発明の好ましい実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリ駆動方法は、前記バッテリから前記負荷側への電源供給を遮断する場合に、前記第1スイッチ部に含まれたスイッチ素子をオンし、前記バッテリから出力された電流が、前記第2リレー、及び前記第1スイッチ部のスイッチ素子と前記第2スイッチ部のダイオードを介して負荷側に流れるようにするステップ;前記第2リレーをオフするステップ;及び前記第1スイッチ部に含まれたスイッチ素子をオフして電源供給を遮断するステップ;をさらに含む。
【0042】
さらに、本発明の好ましい実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリ駆動方法は、前記バッテリに充電電流を供給する場合に、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記第2スイッチ部のスイッチ素子及び前記第1スイッチ部のダイオードを介して前記バッテリに充電電流が流れるようにして、前記第2リレー両端間に等電位を形成するステップ;前記第2リレーをオン(ON)し、前記第2リレーを介して充電電流が流れるようにするステップ;及び前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオフ(OFF)することで、正規充電を行うステップ;をさらに含む。
【0043】
また、本発明の好ましい実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリ駆動方法は、充電電流供給を遮断する場合に、前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオン(ON)し、前記第2スイッチ部のスイッチ素子及び前記第1スイッチ部のダイオードを介して前記バッテリに充電電流が流れるようにするステップ;前記第2リレーをオフ(OFF)し、前記第2リレーを介して流れる充電電流を遮断するステップ;及び前記第2スイッチ部のスイッチ素子をオフ(OFF)することで、充電電流供給を遮断するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0044】
本発明の第1実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリ及びその駆動方法は、互いに直列接続された第1スイッチ部及び第2スイッチ部を、リレースイッチと並列接続し、第1スイッチ部及び第2スイッチ部が内部に半導体スイッチ素子及びダイオードを含むようにすることで、バッテリから負荷側に電源を供給する場合だけでなく、バッテリに充電電流を供給して充電を行う場合にも、リレーの接点でスパーク及びアークを防止し、電源を供給又は遮断することができる。また、第1スイッチ部又は第2スイッチ部に含まれた半導体スイッチ素子の電流特性を利用して、プレチャージ作動中には、一定の電流以上が流れないように半導体スイッチ素子に印加される電圧を調節して電流を制限することで、別途の抵抗を設けることなく、急激な電流が流れることを防止することができる。
【0045】
本発明の第2実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリ及びその駆動方法は、プレチャージスイッチ部と、互いに直列接続された第1スイッチ部及び第2スイッチ部をリレースイッチと並列接続し、第1スイッチ部及び第2スイッチ部が内部に半導体スイッチ素子及びダイオードを含むようにすることで、バッテリから負荷側に電源を供給する場合だけでなく、バッテリに充電電流を供給して充電を行う場合にも、リレーの接点でスパーク及びアークを防止し、電源を供給又は遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】従来技術によるスマートPRAの一例を示す図である。
【
図2】本発明の好ましい第1実施例による電気自動車用PRAの構成を示す図である。
【
図3A】一般的なIGBT及びFETの出力電流特性をそれぞれ示すグラフである。
【
図3B】一般的なIGBT及びFETの出力電流特性をそれぞれ示すグラフである。
【
図4A】
図4A~
図4Eは、本発明の好ましい第1実施例によりバッテリから負荷側に電源が供給される作動過程を説明する図である。
【
図4B】本発明の好ましい第1実施例によりバッテリから負荷側に電源が供給される作動過程を説明する図である。
【
図4C】本発明の好ましい第1実施例によりバッテリから負荷側に電源が供給される作動過程を説明する図である。
【
図4D】本発明の好ましい第1実施例によりバッテリから負荷側に電源が供給される作動過程を説明する図である。
【
図4E】本発明の好ましい第1実施例によりバッテリから負荷側に電源が供給される作動過程を説明する図である。
【
図5A】本発明の好ましい第1実施例によりバッテリに充電電流が供給される作動過程を説明する図である。
【
図5B】本発明の好ましい第1実施例によりバッテリに充電電流が供給される作動過程を説明する図である。
【
図5C】本発明の好ましい第1実施例によりバッテリに充電電流が供給される作動過程を説明する図である。
【
図6】本発明の好ましい第1実施例の変形実施例による電気自動車用PRAの構成を示す図である。
【
図7】本発明の好ましい第2実施例による電気自動車用PRAの構成を示す図である。
【
図8A】本発明の好ましい第2実施例によりバッテリから負荷側に電源が供給される作動過程を説明する図である。
【
図8B】本発明の好ましい第2実施例によりバッテリから負荷側に電源が供給される作動過程を説明する図である。
【
図8C】本発明の好ましい第2実施例によりバッテリから負荷側に電源が供給される作動過程を説明する図である。
【
図8D】本発明の好ましい第2実施例によりバッテリから負荷側に電源が供給される作動過程を説明する図である。
【
図8E】本発明の好ましい第2実施例によりバッテリから負荷側に電源が供給される作動過程を説明する図である。
【
図9A】本発明の好ましい第2実施例によりバッテリに充電電流が供給される作動過程を説明する図である。
【
図9B】本発明の好ましい第2実施例によりバッテリに充電電流が供給される作動過程を説明する図である。
【
図9C】本発明の好ましい第2実施例によりバッテリに充電電流が供給される作動過程を説明する図である。
【
図10】本発明の好ましい第2実施例の変形実施例による電気自動車用PRAの構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。
【0048】
図2は、本発明の好ましい第1実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリ(PRA)の構成を示す図である。
【0049】
図2を参照すれば、本発明の好ましい第1実施例による電気自動車用PRA(以下、「駆動装置」と称する)は、第1リレー210、第2リレー220、第1スイッチ部110、第2スイッチ部120、電圧制御モジュール130、電流センサ400及び制御部300を含んで構成される。
【0050】
以下、各構成要素の作動について説明する。
【0051】
第1リレー210は、バッテリ500の-端子と負荷側600-端子と間に接続され、制御部300の制御信号に応じて、負荷側600に電源供給時及びバッテリ500充電時、最初にオン(ON)され、前記バッテリ500の-端子と前記負荷側600-端子を電気的に接続し、電源供給中断時及び充電中断時、最後にオフ(OFF)され、前記バッテリ500の-端子と前記負荷側600-端子を電気的に断絶させる。
【0052】
第2リレー220は、バッテリ500の+端子と負荷側600+端子と間に接続され、制御部300の制御信号に応じてオン(ON)され、負荷側600に正規電源が供給されるようにし、負荷側600に接続された充電装置(未図示)から充電電流がバッテリ500側に供給されるようにする。
【0053】
第1スイッチ部110及び第2スイッチ部120は、互いに直列接続され、互いに直列接続された第1スイッチ部110及び第2スイッチ部120は、第2リレー220の両端に並列接続される。
【0054】
第1スイッチ部110の一端がバッテリ500の正端子側の第2リレー220の一端に接続され、第1スイッチ部110の他端が第2スイッチ部120の一端と接続され、電圧制御モジュール130から入力される電圧制御信号に応じて、電流の流れを制御する。
【0055】
第1スイッチ部110は、電圧制御モジュール130から入力される電圧制御信号に応じて、オン(ON)/オフ(OFF)されるスイッチ素子(以下、「第1スイッチ素子」と称する)111及びこれと並列接続されたダイオード113を含んで具現される。
【0056】
第1スイッチ素子111は、半導体スイッチ素子、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はMOS-FET(Field Effect Transistor)で具現され得る。半導体スイッチ素子111と並列接続されたダイオード113は、半導体スイッチ素子111のターンオンのときに流れる電流方向と反対方向が順方向になるように半導体スイッチ素子111と並列接続され、半導体スイッチ素子111と別途のダイオードが接続されていてもよく、半導体スイッチ素子111内部のダイオードで具現され得る。
【0057】
一方、第2スイッチ部120の一端が第1スイッチ部110の他端と接続され、他端が第2リレー220の負荷側600一端と接続され、制御部300の制御信号に応じて電流の流れを制御する。
【0058】
第2スイッチ部120は、制御部300の制御信号に応じて、オン(ON)/オフ(OFF)されるスイッチ素子(以下、「第2スイッチ素子」と称する)121及びこれと並列接続されたダイオード123で具現される。第2スイッチ素子121は、半導体スイッチ素子で具現されてもよく、半導体スイッチ素子と並列接続されたダイオード123は、半導体スイッチ素子121のターンオンのときに、流れる電流方向と反対方向が順方向になるように半導体スイッチ素子121と並列接続される。
【0059】
本発明の好ましい第1実施例において、スイッチ素子121は、IGBT又はFETで具現されてもよく、スイッチ素子121に並列接続されたダイオード123は、別途のダイオードで具現されてもよく、半導体スイッチ素子内部ダイオードで具現され得る。
【0060】
ここで、第1スイッチ部110及び第2スイッチ部120に含まれたダイオード113、123が内部ダイオードで具現される場合に、スイッチ素子111、121がIGBTのときには、エミッタとコレクタと間形成された内部ダイオードで具現され、スイッチ素子111、121がFETのときには、ソースとドレーン間に形成された内部ダイオードで具現され得る。
【0061】
このとき、第1スイッチ部110のダイオード113と第2スイッチ部120のダイオード123は、順方向が互いに反対に設定されるが、第1スイッチ部110のダイオード113は、第2スイッチ部120からバッテリ500の正端子側が順方向になるように設けられ、第2スイッチ部120のダイオード123は、第1スイッチ部110から負荷側600正端子側が順方向になるように設けられる。
【0062】
一方、電圧制御モジュール130は、制御部300から入力される制御信号に応じて、第1スイッチ素子111をオン(ON)/オフ(OFF)し、第2リレー両端の等電位を形成し、第1スイッチ素子111を介して流れる電流量を制限する。
【0063】
具体的に、電圧制御モジュール130は、制御部300からプレチャージのための第1スイッチ素子111ターンオン制御信号を受信すれば、第1スイッチ素子111の特性に従って事前に定義された大きさ以上の電圧が流れない範囲内で電流が流れるように、第1スイッチ素子111に電圧制御信号を出力する。
【0064】
仮に、第1スイッチ素子111が突然ターンオンとなれば、高電圧バッテリ500から負荷側に大きな電流が一時出力されることがあり、このような大きな電流は、第1スイッチ素子111だけでなく、第2スイッチ素子121及び負荷側に破損を誘発することがある。従って、電流量を制限し、負荷側のキャパシタをゆっくり充電する必要がある。そのために、第1スイッチ素子111がIGBTで具現される場合には、活性領域で作動するように、ゲート-エミッタ間電圧VGEを調節し、第1スイッチ素子111がFETで具現される場合には、飽和領域で作動するように、ゲート-ソース間電圧VGSを調節する。
【0065】
図3A及び
図3Bは、一般的なIGBT及びFETの出力電流特性をそれぞれ示すグラフである。
図3A及び
図3Bを参照して説明する。
【0066】
まず、
図3Aに示されるように、IGBTの場合、ゲート-エミッタ間電圧V
GEが臨界電圧V
THを越えると、電流が流れるようになり、このとき、コレクタ-エミッタ間電圧V
CEが、V
GE-V
THよりも小さい間には、V
CEが増加することにより、電流が線形的に増加するが、コレクタ-エミッタ間電圧V
CEが、V
GE-V
THよりも大きくなれば、VCEが増加しても電流値は一定に維持される。本発明の好ましい第1実施例は、このような領域を活性領域と定義し、第1スイッチ素子111がIGBTである場合に、電圧制御モジュール130は、第1スイッチ素子111が活性領域で作動するように、ゲート電圧及びエミッタ電圧を出力する。特に、本発明の好ましい第1実施例は、第1スイッチ素子111を介して流れる電流が20A以下に維持されるように調節するが、
図3Aのグラフを本発明に適用すると、赤点線で示されるように、電圧制御モジュール130は、V
GE-V
TH電圧値が2V~4Vとなり、コレクタ-エミッタ間電圧値が4V~10V程度になるように、ゲート電圧及びエミッタ電圧を出力する。
【0067】
同様に、
図3Bに示されるように、MOS-FETの場合、ゲート-ソース間電圧V
GSが臨界電圧VTHを越えると、電流が流れることになり、このとき、ドレーン-ソース間電圧V
DSが、V
GS-V
THよりも小さい間には、VDSが増加することにより、電流が線形的に増加するが、ドレーン-ソース間電圧V
DSが、V
GS-V
THよりも大きくなれば、VDSが増加しても電流値は一定に維持される。本発明の好ましい第1実施例は、このような領域を飽和領域と定義し、第1スイッチ素子111がMOS-FETである場合に、電圧制御モジュール130は、第1スイッチ素子111が飽和領域で作動するよう、にゲート電圧及びソース電圧を出力する。特に、本発明の好ましい第1実施例は第1スイッチ素子111を介して流れる電流が、20A以下に維持されるように調節するが、
図3Bのグラフを本発明に適用すると、赤点線で示されるように、電圧制御モジュール130は、V
GS-V
TH電圧値が2V~4Vとなり、ドレーン-ソース間電圧値が5V~10V程度になるように、ゲート電圧及びソース電圧を出力する。
【0068】
電流センサ400は、バッテリ500の正端子側に設けられ、バッテリ500から出力される電流又はバッテリ500に入力される充電電流を測定して制御部300に出力する。
【0069】
制御部300は、電流センサ400から電流値を受信して調査し、それに応じて、第1リレー210、第2リレー220、第1スイッチ素子111、及び第2スイッチ素子121のオン/オフを制御する制御信号を各構成要素に出力する。ただ、第1スイッチ素子111を制御するための制御信号は、電圧制御モジュールに出力されることは前述と同様である。
【0070】
一方、
図2に示された本発明の好ましい第1実施例による電気自動車用PRAは、各構成要素間の接続点をノードとして定義し、下記のように簡略に表現することもできる。
【0071】
第1リレー210は、バッテリ500の負端子と負荷側600負端子と間に接続され、第2リレー220はバッテリ500の正端子が接続された第1ノードN1及び負荷側600正端子が接続された第2ノードN2の間に接続される。第1スイッチ部110は、第1ノードN1と第2スイッチ部120と間に接続され、第2スイッチ部120は、第1スイッチ部110と第2ノードN2の間に接続される。
【0072】
第1スイッチ素子111が、IGBT(NタイプのFET)で具現された場合には、コレクタ(ドレーン)が第1ノードN1に接続され、エミッタ(ソース)が第2スイッチ素子121に接続される。同様に、第2スイッチ素子121が、IGBT(NタイプのFET)で具現された場合には、コレクタ(ドレーン)が第2ノードN2に接続され、エミッタ(ソース)が第1スイッチ素子111に接続される。
【0073】
以下では、
図4A~
図5Cを参照して、本発明の好ましい第1実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリの各構成要素の機能と、電気自動車用パワーリレーアセンブリ駆動方法を説明する。
【0074】
図4A~
図4Eは、本発明の好ましい第1実施例によりバッテリ500から負荷側600に電源が供給される作動過程を説明する図である。以下では、
図4A~
図4Eを参照して、本発明の好ましい第1実施例によりバッテリ500から負荷側600に電源が供給され、遮断される作動過程を説明する。
【0075】
まず、全てのスイッチ素子がオープンされた状態で、バッテリ500から負荷側600に電源供給を開始する場合に、制御部300は、第1リレー210をオン(ON)する。そして、制御部300は、電圧制御モジュール130で第1スイッチ素子111をオン(ON)するように制御信号を出力し、電圧制御モジュール130は、第1スイッチ素子111のゲート及びエミッタ(又はソース)にそれぞれ電圧を出力し、第1スイッチ素子をオン(ON)する。このとき、電圧制御モジュール130から第1スイッチ素子111に出力される電圧は、
図3A及び
図3Bを参照して説明したように、第1スイッチ素子111を介して20A未満の電流が流れるように、第1スイッチ素子111によって適宜選定される。
【0076】
そうすれば、バッテリ500から出力された電流が、第1スイッチ素子111及び第2スイッチ部120のダイオード123を介して負荷側600に流れ、負荷側600に含まれたキャパシタをプリチャージ(Pre-charge)させる(
図4A参照)。
【0077】
プレチャージ完了後、制御部300は、第2リレー220をオン(ON)し、第1スイッチ素子131を介して流れていた電流よりも大きな電流が第2リレー220を介して流れるようになる(
図4B参照)。プレチャージが完了すれば、第2リレー220両端間に等電位が形成されるので、第2リレー220をオン(ON)しても第2リレー220の接点でスパーク又はアークが生じなくなる。
【0078】
第2リレー220を介して電流が流れるようになれば、制御部300は、第1スイッチ素子111をオフ(OFF)するように電圧制御モジュール130に制御信号を出力し、電圧制御モジュール130は、第1スイッチ素子111をオフ(OFF)する(
図4C参照)。このとき、バッテリ500から負荷側600に正常な電流供給が行われる。
【0079】
その後、バッテリ500から負荷側600に電源供給を遮断する場合に、制御部300は、電圧制御モジュール130に制御信号を出力し、電圧制御モジュール130は、
図4Aと同様に、制御信号を第1スイッチ素子111のゲート及びエミッタ(又はソース)に出力し、第1スイッチ素子111をオン(ON)し、バッテリ500から第2リレー220を介して負荷側600に供給されていた電流の一部は、第1スイッチ素子111及び第2スイッチ部120のダイオード123を介して負荷側600に流れるようになる(
図4D参照)。
【0080】
制御部300は、次のスッテプに、第2リレー220をオフ(OFF)し、バッテリ500から負荷側600に流れていた電流は、第1スイッチ素子111のみを介して流れるようになる(
図4E参照)。第2リレー220と第1スイッチ素子111を介して電流が共に流れる状態で、第2リレー220の両端は等電位を形成しているので、第2リレー220がオフ(OFF)される場合にも、第2リレー220の接点にはスパークやアークが発生しない。
【0081】
図5A~
図5Cは、本発明の好ましい第1実施例によりバッテリ500に充電電流が供給される作動過程を説明する図である。
図5A~
図5Cを参照して、本発明の好ましい第1実施例によりバッテリ500に充電電流が供給され、遮断される作動過程を説明する。
【0082】
まず、全てのスイッチ素子がオープンされた状態で、バッテリ500側に充電電流供給を開始する場合に、制御部300は、第1リレー210をオン(ON)し、第2スイッチ素子121をオン(ON)する。そうすると、充電電流が第2スイッチ素子121と第1スイッチ部110のダイオード113を介してバッテリ500側に流れ(電流1参照)、その後、第2リレー220をオン(ON)すると、第2スイッチ素子121を介して流れていた充電電流の一部が、第2リレー220を介してバッテリ500側に流れるようになり(電流2参照)、制御部300が第2スイッチ素子121をオフ(OFF)することで、充電電流は第2リレー220を介してのみ流れるようになり、正規充電過程が行われる。(
図5A参照)
【0083】
充電電流を遮断して充電を終了する過程において、制御部300は、第2スイッチ素子121をオン(ON)し、そうすると、第2リレー220を介してバッテリ500に供給されていた充電電流の一部が、第2スイッチ素子121及び第1スイッチ部110のダイオード113を介してバッテリ500に流れるようになる(
図5B参照)。
【0084】
その後、制御部300は、第2リレー220をオフ(OFF)し、バッテリ500に流れていた電流は、その時点から第2スイッチ素子121を介してのみ流れるようになる(
図5C参照)。第2リレー220と第2スイッチ素子121を介して電流が共に流れる状態で、第2リレー220の両端は等電位を形成しているので、第2リレー220がオフ(OFF)される場合にも、第2リレー220の接点にはスパークやアークが生じなくなる。
【0085】
最後に、制御部300が、第2スイッチ素子121をオフすると、バッテリ500に流れていた充電電流は完全遮断され、バッテリ500充電過程は終了する。
【0086】
図6は、本発明の好ましい第1実施例の変形実施例による電気自動車用PRAの構成を示す図である。
【0087】
前述した
図2~
図5Cに示された第1実施例による電気自動車用PRAの制御部300は、車両のメイン制御器(未図示)又はBMS(Battery Management System)700と通信をする方式については制限がないが、
図6に示された変形実施例による電気自動車用PRAの制御部300は、車両のメイン制御器(未図示)又はBMS(Battery Management System)と通信を行う方式としてCAN通信方式又はLIN通信方式を採択した。そのために、パワーリレーアセンブリ(PRA)は、通信部700をさらに含み、通信部700を介して車両のメイン制御器又はBMSとCAN通信又はLIN通信を行う。
【0088】
図6を参照すれば、本発明の変形実施例の通信部700は、CAN通信方式としてBMSと通信を行い、PRAの制御部300は、通信部700を介してBMSからPRAの作動開始(PRAオン(ON))、維持、及び作動中断(PRAオフ(OFF))を指示する制御命令を受信し、受信された制御命令に応じて、
図2~
図5Cを参照して説明したように、PRAを作動させる。
【0089】
また、制御部300は、PRAのオン/維持/オフ作動を行う過程で、
図2~
図5Cを参照して説明した細部ステップが行われるたびに、それぞれの状態を示す状態情報を、通信部700を介して状態情報としてBMSに伝送するか、PRAのオン/維持/オフ作動が完了した後に、これを示す状態情報を、通信部700を介して状態情報としてBMSに伝送する。BMSは、状態情報を受信し、PRAの異常有無を確認し、これらに基づいてPRAを制御する。
【0090】
さらに、制御部300は、車両のメイン制御器(未図示)又はBMSとワイヤで直接連結され、車両のメイン制御器又はBMSと通信部700と間に通信エラーが発生した場合に、PWM信号を利用して制御命令及び状態情報を相互送受信することによって、フェイルセーフ機能を提供する。
【0091】
このとき、車両のメイン制御器又はBMSから通信部700に伝送される制御命令は、PWM信号のデューティ比を調節することによって識別が可能となる。例えば、PRAオン(ON)命令は、デューティ比が80%であるPWM信号を、PRAオフ(OFF)命令は、デューティ比が30%であるPWM信号を伝送し、制御部300へ制御命令を伝送し、制御部300は受信されたPWM信号のデューティ比を確認し、PRAオン/オフ/維持命令などを識別することができる。同様に、制御部300もPWM信号のデューティ比を調節することによって、互いに異なる状態情報をPWM信号として伝送することができる。
【0092】
以上では、本発明の第1実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリ及びその駆動方法について説明した。以下では、
図7~
図10を参照して、本発明の第2実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリ及びその駆動方法について説明する。
【0093】
図7は、本発明の好ましい第2実施例による電気自動車用PRAの構成を示す図である。
【0094】
図7を参照すれば、本発明の好ましい第2実施例による電気自動車用PRA(以下、「駆動装置」と称する)は、第1リレー1210、第2リレー1220、第1スイッチ部1110、第2スイッチ部1120、プレチャージスイッチ部1130、電流センサ1400、保護抵抗1140及び制御部1300を含んで構成される。以下、各構成要素の動作について説明する。
【0095】
第1リレー1210は、バッテリ1500の-端子と負荷側1600-端子と間に接続され、制御部1300の制御信号に応じて、負荷側1600に電源供給時及びバッテリ1500充電時、最初に、オン(ON)され、前記バッテリ1500の-端子と前記負荷側1600-端子を電気的に接続し、電源供給中断時及び充電中断時、最後にオフ(OFF)さえ、前記バッテリ1500の-端子と前記負荷側1600-端子とを電気的に断絶させる。
【0096】
第2リレー1220は、バッテリ1500の+端子と負荷側1600+端子と間に接続され、制御部1300の制御信号に応じて、オン(ON)となり、負荷側1600に正規電源が供給されるようにし、負荷側1600に接続された充電装置(未図示)から充電電流がバッテリ1500側に供給されるようにする。
【0097】
第1スイッチ部1110及び第2スイッチ部1120は、互いに直列接続され、互いに直列接続された第1スイッチ部1110及び第2スイッチ部1120は、第2リレー1220の両端に並列接続される。
【0098】
第1スイッチ部1110の一端が、バッテリ1500の正端子側の第2リレー1220の一端に接続され、第1スイッチ部1110の他端が、第2スイッチ部1120の一端と接続され、制御部1300の制御信号に応じて電流の流れを制御する。
【0099】
第2スイッチ部1120の一端が第1スイッチ部1110の他端と接続され、他端が第2リレー1220の負荷側1600一端と接続され、制御部1300の制御信号に応じて電流の流れを制御する。
【0100】
第1スイッチ部1110及び第2スイッチ部1120は、それぞれ制御部1300の制御信号に応じて、オン(ON)/オフ(OFF)されるスイッチ素子1111、1121及びこれと並列接続されたダイオード1113、1123で具現される。スイッチ素子1111、1121は、半導体スイッチ素子で具現されてもよく、半導体スイッチ素子と並列接続されたダイオード1113、1123は、半導体スイッチ素子1111、1121のターンオンのとき、流れる電流方向と反対方向が順方向になるように半導体スイッチ素子1111、1121と並列接続される。
【0101】
具体的に、本発明の好ましい第2実施例において、スイッチ素子1111、1121はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はFET(Field Effect Transistor)で具現されてもよく、スイッチ素子1111、1121に並列接続されたダイオード1113、1123は、別途のダイオードで具現されてもよく、半導体スイッチ素子内部ダイオードで具現され得る。
【0102】
第1スイッチ部1110及び第2スイッチ部1120に含まれたダイオード1113、1123が内部ダイオードで具現される場合に、スイッチ素子1111、1121がIGBTである場合には、エミッタとコレクタと間に形成された内部ダイオードで具現され、スイッチ素子1111、1121がFETである場合には、ソースとドレーンと間に形成された内部ダイオードで具現され得る。
【0103】
このとき、第1スイッチ部1110のダイオード1113と第2スイッチ部1120のダイオード1123は、順方向が互いに反対に設定されるが、第1スイッチ部1110のダイオード1113は、第2スイッチ部1120からバッテリ1500の正端子側が順方向になるように設けられ、第2スイッチ部1120のダイオード1123は、第1スイッチ部1110から負荷側1600正端子側が順方向になるように設けられる。
【0104】
プレチャージスイッチ部1130は、一端がバッテリ1500の正端子側の第2リレー1220の一端に接続され、他端が保護抵抗1140と接続される。即ち、プレチャージスイッチ部1130の一端が第1ノードN1に接続され、第1ノードN1には、第2リレー1220、第1スイッチ部1110及びプレチャージスイッチ部1130が接続される。また、プレチャージスイッチ部1130も第1スイッチ部1110及び第2スイッチ部1120と同様に制御部1300の制御信号に応じて、オン(ON)/オフ(OFF)される半導体スイッチ素子(以下、「プレチャージスイッチ素子」と称する)1131及びこれと並列接続されたダイオード1133で構成され、プレチャージスイッチ素子1131は、IGBT又はFETで具現される。また、ダイオード1133も別途のダイオードで具現されてもよく、プレチャージスイッチ素子1131内部のダイオードで具現され得る。また、プレチャージスイッチ部1130のダイオード1133の順方向は、第2スイッチ部1120のダイオード1123の順方向と互いに反対に設定される。
【0105】
保護抵抗1140は、プレチャージスイッチ部1130と、第1スイッチ部1110及び第2スイッチ部1120の接続ノードN2の間に接続され、プレチャージスイッチ部1130を通して急激な電流が流れることを防止する。
【0106】
電流センサ1400は、バッテリ1500の正端子側に設けられ、バッテリ1500から出力される電流又はバッテリ1500に入力される充電電流を測定し、制御部1300に出力する。
【0107】
制御部1300は、電流センサ1400から電流値を受信して調査し、それに応じて、第1リレー1210、第2リレー1220、第1スイッチ部1110のスイッチ素子(以下、「第1スイッチ素子」と称する)1111、第2スイッチ部1120のスイッチ素子(以下、「第2スイッチ素子」と称する)1121及びプレチャージスイッチ素子1131のオン/オフを制御する制御信号を各構成要素に出力する。
【0108】
一方、
図7に示された本発明の好ましい第2実施例による電気自動車用PRAは、各構成要素間の連結点をノードとして定義し、下記のように簡略に表現することもできる。
【0109】
第1リレー1210は、バッテリ1500の負端子と負荷側1600負端子と間に接続され、第2リレー1220は、バッテリ1500の正端子が接続された第1ノードN1及び負荷側1600正端子が接続された第3ノードN3の間に接続される。
【0110】
第1スイッチ部1110は、第1ノードN1と第2ノードN2と間に接続され、第2スイッチ部1120は、第2ノードN2と第3ノードN3と間に接続される。プレチャージスイッチ部1130及び保護抵抗1140は、第1ノードN1と第2ノードN2と間に互いに直列接続される。
【0111】
また、プレチャージスイッチ素子1131及び第1スイッチ素子1111がIGBTNタイプFET)で具現された場合には、前記スイッチ素子1131、1111のコレクタ(ドレーン)が第1ノードN1に接続され、エミッタ(ソース)が第2ノードN2に接続される。同様に、第2スイッチ素子1121がIGBT(NタイプのFET)で具現された場合には、コレクタ(ドレーン)が第3ノードN3に接続され、エミッタ(ソース)が第2ノードN2に接続される。
【0112】
以下では、
図8A~
図9Cを参照して、本発明の好ましい第2実施例による電気自動車用パワーリレーアセンブリの各構成要素の機能と、電気自動車用パワーリレーアセンブリ駆動方法を説明する。
【0113】
図8A~
図8Eは、本発明の好ましい第2実施例によりバッテリ1500から負荷側1600に電源が供給される動作過程を説明する図である。以下では、
図8A~
図8Eを参照して、本発明の好ましい第2実施例によりバッテリ1500から負荷側1600に電源が供給され、遮断される動作過程を説明する。
【0114】
まず、全てのスイッチ素子がオープンされた状態で、バッテリ1500から負荷側1600に電源供給を開始する場合に、制御部1300は、第1リレー1210をオン(ON)する。そして、プレチャージスイッチ素子1131をオン(ON)する。そうすると、バッテリ1500から出力された電流が、プレチャージスイッチ素子1131、保護抵抗1140及び第2スイッチ部1120のダイオード1123を介して負荷側1600に流れ、負荷側1600に含まれたキャパシタをプリチャージ(Pre-charge)する。(
図8A参照)
【0115】
プレチャージ完了後、制御部1300は、第2リレー1220をオン(ON)し、プレチャージスイッチ素子1131を介して流れていた電流の大部分は、第2リレー1220を介して流れるようになる。(
図8B参照)プレチャージが完了すれば、第2リレー1220の両端間に等電位が形成されるので、第2リレー1220をオン(ON)しても、第2リレー1220の接点でスパーク又はアークが生じなくなる。
【0116】
第2リレー1220を介して電流が流れるようになれば、制御部1300は、プレチャージスイッチ素子1131をオフ(OFF)させる(
図8C参照)。この場合、バッテリ1500から負荷側1600に正常な電流供給が行われる。
【0117】
その後、バッテリ1500から負荷側1600への電源供給を遮断する場合に、制御部1300は、第1スイッチ素子1111をオン(ONし、バッテリ1500から第2リレー1220を介して負荷側1600に供給されていた電流の一部は、第1スイッチ素子1111及び第2スイッチ部1120のダイオード1123を介して負荷側1600に流れるようになる。(
図8D参照)
【0118】
制御部1300は、次のステップで、第2リレー1220をオフ(OFF)し、バッテリ1500から負荷側1600に流れていた電流は、その時点から第1スイッチ素子1111を介してのみ流れるようになる(
図8E参照)。第2リレー1220と第1スイッチ素子1111を介して電流が共に流れる状態で、第2リレー1220の両端は等電位を形成しているので、第2リレー1220がオフ(OFF)された場合にも、第2リレー1220の接点にはスパークやアークが生じなくなる。
【0119】
図9A~
図9Cは、本発明の好ましい第2実施例によりバッテリ1500に充電電流が供給される動作過程を説明する図である。
図9A~
図9Cを参照して、本発明の好ましい第2実施例によりバッテリ1500に充電電流が供給され、遮断される動作過程を説明する。
【0120】
まず、全てのスイッチ素子がオープンされた状態で、バッテリ1500側に充電電流供給を開始する場合に、制御部1300は、第1リレー1210をオン(ON)し、第2スイッチ素子1121をオン(ON)する。そうすると、充電電流が第2スイッチ素子1121と第1スイッチ部1110のダイオード1113を介してバッテリ1500側に流れ(電流1参照)、その後、第2リレー1220をオン(ON)すると、第2スイッチ素子1121を介して流れていた充電電流の一部が、第2リレー1220を介してバッテリ1500側に流れるようになり(電流2参照)、制御部1300が第2スイッチ素子1121をオフ(OFF)することで、充電電流は、第2リレー1220を介してのみ流れるようになり、正規充電過程が行われる。(
図9A参照)
【0121】
充電電流を遮断し、充電を終了する過程で、制御部1300は第、2スイッチ素子1121をオン(ON)する。そうすると、第2リレー1220を介してバッテリ1500に供給されていた充電電流の一部が、第2スイッチ素子1121及び第1スイッチ部1110のダイオード1113を介してバッテリ1500に流れるようになる(
図9B参照)。
【0122】
その後、制御部1300は、第2リレー1220をオフ(OFF)し、バッテリ1500に流れていた電流は、その時点から第2スイッチ素子1121を介してのみ流れるようになる(
図9C参照)。第2リレー1220と第2スイッチ素子1121を介して電流が共に流れる状態で、第2リレー1220の両端は等電位を形成しているので、第2リレー1220がオフ(OFF)された場合にも、第2リレー1220の接点にはスパークやアークが生じなくなる。
【0123】
最後に、制御部1300が第2スイッチ素子1121をオフすれば、バッテリ1500に流れていた充電電流は完全遮断され、バッテリ1500充電過程は終了する。
【0124】
図10は、本発明の好ましい第2実施例の変形実施例による電気自動車用PRAの構成を示す図である。
【0125】
前述した
図7~
図9Cに示された第2実施例による電気自動車用PRAの制御部1300は、車両のメイン制御器(未図示)又はBMS(Battery Management System)1700と通信をする方式について制限がないが、
図10に示された変形実施例による電気自動車用PRAの制御部1300は、車両のメイン制御器(未図示)又はBMSと通信を行う方式としてCAN通信方式又はLIN通信方式を採択した。そのために、第2実施例の変形実施例によるパワーリレーアセンブリ(PRA)は、通信部1700をさらに含み、通信部1700を介して車両のメイン制御器又はBMSとCAN通信又はLIN通信を行う。
【0126】
制御部1300は、通信部1700を介して車両のメイン制御部(未図示)又はBMSからPRAのオン(ON)/維持/オフ(OFF)命令を受信し、前述した
図7~
図9Cを参照して説明したように、PRAを作動させ、各ステップの状態情報を車両のメイン制御部(未図示)又はBMSに伝送する。
【0127】
また、制御部1300とBMS(又は車両のメイン制御部)は、ワイヤを介して直接連結され、通信部1700とBMS(又は車両のメイン制御部)と間の通信エラーが発生すれば、制御部1300とBMS(又は車両のメイン制御部)は、ワイヤを介してPWM信号を相互送受信することによって、制御命令と状態情報を相互交換する。
【0128】
図10に示された通信部1700を介して制御部1300とBMS(又は車両メイン制御部)と間に行われる機能は、
図6を参照して説明した内容と同様であるため、具体的な説明は省略する。
【0129】
以上で、本発明についてその好ましい実施例を中心に説明した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で変形された形態で具現される可能性があることを理解することができる。従って、開示された実施例は、限定的な観点ではなく説明的な観点で考慮するべきである。本発明の範囲は、前述した説明ではなく特許請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれるものとして解釈しなければならない。