(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2017106619
(22)【出願日】2017-05-30
【審査請求日】2020-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】小林 葵
(72)【発明者】
【氏名】大秋 善幸
(72)【発明者】
【氏名】倉地 良幸
【審査官】進藤 利哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-043658(JP,A)
【文献】特開2017-051413(JP,A)
【文献】特開2017-018233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に形成された窓部を通して視認可能であり、当否判定の結果を示すための図柄と、前記図柄とは異なる演出画像と、が表示される表示部を有する遊技機であって、
前記演出画像は、前記表示部の外縁に表示される外縁演出画像と、前記外縁演出画像よりも内側に表示される内側演出画像と、を備え、
前記遊技盤と前記表示部の間に位置して、
前記内側演出画像を挟むように1対設けられ、前記表示部において視認可能な領域を変化させるように移動可能であり、かつ、前記表示部の前面に沿って回転可能な移動部材と、
前記表示部に表示される画像に応じて前記移動部材の配置を制御する移動部材制御手段と、を有し、
前記演出画像のうち前記内側演出画像は、前記移動部材の回転に伴って回転する一方、前記外縁演出画像は、前記移動部材が回転しても前記表示部の外縁に表示される遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部を有する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の遊技機は、表示部に表示させる画像のデータを複数備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-15998号公報(段落[0223])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技機では、表示部に表示される画像の大きさや形状が変化すると、表示部に画像が表示されない空白の部分が発生し、見栄えが悪くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、表示部の見栄えが悪くなることを抑制可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、遊技盤に形成された窓部を通して視認可能であり、当否判定の結果を示すための図柄と、前記図柄とは異なる演出画像と、が表示される表示部を有する遊技機であって、前記演出画像は、前記表示部の外縁に表示される外縁演出画像と、前記外縁演出画像よりも内側に表示される内側演出画像と、を備え、前記遊技盤と前記表示部の間に位置して、前記内側演出画像を挟むように1対設けられ、前記表示部において視認可能な領域を変化させるように移動可能であり、かつ、前記表示部の前面に沿って回転可能な移動部材と、前記表示部に表示される画像に応じて前記移動部材の配置を制御する移動部材制御手段と、を有し、前記演出画像のうち前記内側演出画像は、前記移動部材の回転に伴って回転する一方、前記外縁演出画像は、前記移動部材が回転しても前記表示部の外縁に表示される遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
上記発明によれば、表示部の見栄えが悪くなることを抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】第1可動部と第2可動部が待機位置に配置された状態の遊技盤の正面図
【
図4】可動役物ユニットが取り付けられた機構枠の正面図
【
図6】(A)可動ベースが第1回転位置に配置されたときの可動役物ユニットの正面図、(B)可動ベースが第2回転位置に配置されたときの可動役物ユニットの正面図
【
図9】(A)第1透光壁が前側を向くように配置されたブロックの断面図、(B)第2透光壁が前側を向くように配置されたブロックの断面図
【
図11】(A)第1画像を表示する表示画面と第1可動部及び第2可動部の配置を示す図、(B)表示画面の空白部を説明するための図、(C)第2画像を表示する表示画面と第1可動部及び第2可動部の配置を示す図
【
図12】ツイスト動作を伴う演出の流れを説明するための図
【
図13】ツイスト動作を伴う演出の流れを説明するための図
【
図14】ツイスト動作を伴う演出の流れを説明するための図
【
図21】ボタン振動演出と可動演出の消費電流のタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示されるように、本実施形態の遊技機10は、パチンコ遊技機であって、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、
図2に示す遊技盤11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。
【0010】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射ハンドル28が備えられている。そして、発射ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1(
図2)に向けて弾き出される。また、下皿27の左側には、演出用の操作ボタン29Bを備える操作ボタン装置29が備えられている。なお、操作ボタン装置29には、操作ボタン29Bが所定距離押し込まれたことを検出するためのボタンセンサ29Sと、操作ボタン29Bを遊技者に体感可能な態様で振動させる振動モータ29Mと、が備えられている(
図10)。
【0011】
図2に示されるように、遊技領域R1は全体が略円形状となっていて、ガイドレール12により囲まれている。遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成され、この表示開口11Hを通して、表示装置13の表示画面13Gが前方に臨んでいる。なお、表示装置13の表示画面13Gには、遊技に関する種々の演出が表示される。
【0012】
表示開口11Hの開口縁には、表示装飾枠23が取り付けられている。詳細には、表示装飾枠23は、遊技板11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれて遊技盤11の前面から突出し、遊技領域R1を流下する遊技球が表示装飾枠23の内側に進入することを規制している。
【0013】
表示装飾枠23の内側の開口部は、横長略矩形状に形成されていて、表示装飾枠23の下辺部には、遊技球が転動可能なステージ24が形成されている。また、表示装飾枠23の側部には、遊技領域R1を流下する遊技球を受け入れてステージ24へと誘導するワープ路24Rが形成されている。
【0014】
表示装飾枠23の下側には、第1と第2の始動入賞口14A,14Bが上下に並べて設けられている。表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が備えられている。表示装飾枠23の右下側、即ち、第1と第2の始動入賞口14A,14Bの右側には、大入賞口15が設けられている。また、遊技領域R1には、始動入賞口14A,14B及び大入賞口15のほかに、複数の一般入賞口20が備えられている。
【0015】
一般入賞口20は、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方又は側方に開口している。一般入賞口20へ遊技球が入球(入賞)すると、その遊技球は遊技盤11の後側に取り込まれ、例えば、1個の入球につき15個の賞球が上皿26に払い出される。
【0016】
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。普通図柄当否判定の結果は、普通図柄用表示部18Hに表示される。
【0017】
第1の始動入賞口14Aは、ポケット構造に形成され、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方に開口している。第2の始動入賞口14Bは、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで前方に開口し、通常は、開閉扉14Tにて前方が閉塞されることで、遊技球の入球(入賞)が規制されている。開閉扉14Tは、上述した普通図柄当否判定の結果が当りとなったときに、下端部を中心に回動して所定時間だけ前側に倒される。すると、開閉扉14Tに受け止められた遊技球が第2の始動入賞口14Bに入球可能となる。
【0018】
始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球(入賞)すると、所定個数の賞球が上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。特別図柄当否判定の結果は、特別図柄用表示部14Hに表示されると共に、表示装置13の表示画面13Gに表示される。そして、特別図柄当否判定の結果が当りであると、大当り遊技が実行される。なお、表示画面13Gにおいては、例えば、数字や文字等で構成される図柄の変動、停止が行われ、停止した図柄の組合せによって特別図柄当否判定の結果が表示される。
【0019】
大入賞口15は、横長矩形状をなし、通常の遊技状態では、可動扉15Tにて閉塞されている。上述の大当り遊技が実行されると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒される。すると、大入賞口15が前方に開放し、可動扉15Tを案内にして大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。大入賞口15に遊技球が入賞すると、所定個数の賞球が上皿26に払い出される。
【0020】
上述した各入賞口14A,14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端部に設けられたアウト口16に全て取り込まれる。アウト口16に取り込まれた遊技球は、図示しない球回収装置に回収される。
【0021】
遊技盤11の裏側には、
図4に示される機構枠17が備えられている。そして、この機構枠17に、可動役物ユニット40を含む種々の部品が固定されている。なお、機構枠17の内側の開口部17Aは、遊技盤11の表示開口11H(
図2参照)に重ねられて、表示装置13の表示画面13Gを視認可能とする。
【0022】
図4,5に示されるように、可動役物ユニット40は、固定ベース41と、可動ベース51と、を備えている。固定ベース41は、略円形の開口部41Aを内側に有する枠状に形成され、機構枠17に前側から重ねて固定されている。可動ベース51は、略円形状をなして、固定ベース41の開口部41Aの内側に嵌め込まれ、固定ベース41に対して回転可能に構成されている。なお、本実施形態では、固定ベース41及び可動ベース51は無色透明に形成され、固定ベース41及び可動ベース51を通して表示画面13Gを視認可能に構成されている。
【0023】
具体的には、可動ベース51の外周面の一部には、外歯51Gが形成されている。
図6(A)に示されるように、可動ベース51の外歯51Gには、固定ベース41に回転可能に支持された駆動ギア42が噛み合っている。駆動ギア42は、固定ベース41に備えられたベース駆動源43(
図5参照)によって駆動される。
【0024】
可動ベース51は、通常は、
図6(A)に示される第1回転位置に配置され、駆動ギア42の駆動によって、可動ベース51は、第1回転位置と
図6(B)に示される第2回転位置との間を移動する。第2回転位置は、正面から見て第1回転位置に対して時計方向に約90度ずれている。ここで、可動ベース51の中央部には、矩形状の窓部51Aが形成されていて、可動ベース51が第1回転位置又は第2回転位置に配置されると、該窓部51Aが表示画面13G(
図2参照)の中央部と重なる。
【0025】
図5に示されるように、可動ベース51には、互いに対向配置される第1可動部61及び第2可動部62と、第1可動部61及び第2可動部62をその対向方向に接近、離間させる直動駆動機構70と、が搭載されている。なお、第1可動部61と第2可動部62は、通常は、その対向方向で最も離れる待機位置に配置され(
図3参照)、直動駆動機構70によって、最も近接する合体位置に配置される(
図2参照)。
【0026】
第1可動部61と第2可動部62のそれぞれには、対向方向の内側に配置される内側可動体61A,62Aと、対向方向の外側に配置される外側可動体61B,62Bと、が備えられている。なお、可動ベース51が第1回転位置に配置されたとき、第1可動部61と第2可動部62は上下方向に対向し、第1可動部61が第2可動部62に対して上側に配置される(
図6(A))。また、可動ベース51が第2回転位置に配置されたとき、第1可動部61と第2可動部62は左右方向に対向し、第1可動部61が第2可動部62に対して右側に配置される(
図6(B))。以下では、第1可動部61の内側可動体61A、外側可動体61Bを第1内側可動体61A、第1外側可動体61Bと適宜称し、第2可動部62の内側可動体62A、外側可動体62Bを第2内側可動体62A、第2外側可動体62Bと適宜称することとする。
【0027】
図7に示されるように、第1可動部61の各可動体61A,61Bと第2可動部62の各可動体62A,62Bには、第1可動部61と第2可動部62の対向方向に延びる第1プレート部64及び第2プレート部65と、第1プレート部64と第2プレート部65の間に差し渡された可動演出部63と、が設けられている。第1プレート部64と第2プレート部65は、可動ベース51の窓部51Aを可動演出部63の延在方向に挟むように配置される。なお、
図7には、第1外側可動体61Bと第2外側可動体62Bのみが示されている。
【0028】
第1可動部61においては、可動演出部63の延在方向の一方側に第1プレート部64が配置され、他方側に第2プレート部65が配置される。一方、第2可動部62においては、可動演出部63の延在方向の一方側に第2プレート部65が配置され、他方側に第1プレート部64が配置される。第1可動部61と第2可動部62の間では、第1プレート部64と第2プレート部65が突き合わされるように配置され、第1可動部61と第2可動部62が最も近接したときに、第1可動部61の第1プレート部64と第2可動部62の第2プレート部65が横並びに配置され、第1可動部61の第2プレート部65と第2可動部62の第1プレート部64が横並びに配置される。
【0029】
また、第1可動部61においては、第1内側可動体61Aの第1プレート部64と第1外側可動体61Bの第1プレート部64が重ねられると共に、第1内側可動体61Aの第2プレート部65と第1外側可動体61Bの第2プレート部65が重ねられる(
図5参照)。同様に、第2可動部62においては、第2内側可動体62Aの第1プレート部64と第2外側可動体62Bの第1プレート部64が重ねられると共に、第2内側可動体62Aの第2プレート部65と第2外側可動体62Bの第2プレート部65が重ねられる。
【0030】
図7に示されるように、第1プレート部64と第2プレート部65には、その延在方向に延びる長孔64N,65Nが形成されている。長孔64N,65Nには、可動ベース51に固定された支持軸部66が挿通されていて、これにより、第1プレート部64と第2プレート部65は、それぞれの延在方向に直動可能となっている。また、第1プレート部64の両側部には、ラック64R,64Rが形成され、第2プレート部65のうち第1プレート部64と反対側の部分には、ラック65Rが形成されている。
【0031】
図4,5,7に示されるように、直動駆動機構70は、可動演出部63の延在方向で可動ベース51の窓部51Aを挟むように対をなして設けられている。各直動駆動機構70には、第1内側可動体61Aと第2内側可動体62Aを駆動するための内側可動体用駆動源71Aと、第1外側可動体61Bと第2外側可動体62Bを駆動するための外側可動体用駆動源71Bと、各駆動源71A,71Bによって回転駆動される駆動ギア72,72(
図7には、外側可動体用駆動源71Bにより回転駆動される駆動ギア72のみが示されている。)と、が備えられている。
【0032】
図7に示されるように、駆動ギア72は、第1プレート部64のラック64R,64Rのうち第2プレート部65と反対側に配されるラック64Rと噛合する。詳細には、1対の直動駆動機構70,70のうち一方の直動駆動機構70(
図7では、右側の直動駆動機構70)の駆動ギア72は、第1可動部61の各可動体61A,61Bにおける第1プレート部64のラック64Rと噛合し、他方の直動駆動機構70(
図7では、左側の直動駆動機構70)の駆動ギア72は、第2可動部62の各可動体62A,62Bにおける第1プレート部64のラック64Rと噛合する。
【0033】
また、一方の直動駆動機構70には、第1可動部61の第1プレート部64と第2可動部62の第2プレート部65の間に挟まれて、該第1プレート部64のラック64Rと該第2プレート部65のラック65Rの両方と噛合する中継ギア73が備えられている。他方の直動駆動機構70には、第1可動部61の第2プレート部65と第2可動部62の第1プレート部64の間に挟まれて、該第1プレート部64のラック64Rと該第2プレート部65のラック65Rの両方と噛合する中継ギア73が備えられている。
【0034】
1対の直動駆動機構70,70において外側可動体用駆動源71Bにより駆動ギア72が回転駆動されると、
図7の矢印に示されるように、第1外側可動体61Bの第1プレート部64と第2外側可動体62Bの第1プレート部64が長孔64Nに沿って逆方向に移動する。なお、1対の直動駆動機構70,70において駆動ギア72の回転方向は同じになっている。
【0035】
第1外側可動体61Bの第1プレート部64が長孔64Nに沿って移動すると、その移動に伴って中継ギア73が回転し、第2外側可動体62Bの第2プレート部65が該第1プレート部64と逆方向に移動する。ここで、第2外側可動体62Bの第2プレート部65の移動方向は、該可動体62Bの第1プレート部64の移動方向と同じになっているので、第2外側可動体62Bは、2つの外側可動体用駆動源71B,71Bによって駆動されることになる。
【0036】
また、第2外側可動体62Bの第1プレート部64が長孔64Nに沿って移動すると、その移動に伴って中継ギア73が回転し、第1外側可動体61Bの第2プレート部65が該第1プレート部64と逆方向に移動する。ここで、第1外側可動体61Bの第2プレート部65の移動方向は、該可動体61Bの第1プレート部64の移動方向と同じになっているので、第1外側可動体61Bは、2つの外側可動体用駆動源71B,71Bによって第2外側可動体62Bと逆方向に駆動されることになる
【0037】
第1内側可動体61Aと第2内側可動体62Aの駆動は、第1外側可動体61Bと第2外側可動体62Bの駆動と同様になっている。そして、直動駆動機構70は、第1外側可動体61Bと第2外側可動体62Bの駆動と同様にして、第1内側可動体61Aと第2内側可動体62Aを逆方向に駆動する。
【0038】
図5,8に示されるように、可動演出部63は、角柱状の回転体81と、回転体81を軸方向に挟んで支持する1対の支持体82,82と、回転体81の裏側に配置されて1対の支持体82,82を連絡する連絡部材83と、を有している。一方の支持体82には、回転体81の中心軸81J(
図8参照)を中心にして回転体81を回転させる回転駆動源81Kが備えられている。なお、回転体81は、複数のブロック85を並べて構成され、連絡部材83には、ブロック85同士の間及びブロック85と支持体82の間を仕切る仕切り板84が設けられている。
【0039】
図9(A)、9(B)に示されるように、回転体81の各ブロック85は、角筒体86の内部に発光基板87を備えた構造になっている。角筒体86の両端は、円形開口89Aを有する端部壁89によって閉塞され、円形開口89Aの内周面に内歯歯車89Gが形成されている。端部壁89は、仕切り板84に回転可能に支持される。角筒体86の内部には、内歯歯車89Gと噛合するギア88が備えられている。ギア88は、回転体81を貫通する回転シャフト88Sに固定されている。回転シャフト88Sは、仕切り板84に支持され、回転駆動源81Kによって回転駆動される。
【0040】
発光基板87には、複数の発光素子87Aが搭載されている。また、角筒体86の周壁には、第1透光壁86Aと第2透光壁86Bが設けられている。そして、第1透光壁86A又は第2透光壁86Bが発光素子87Aに対向配置されると、発光素子87Aからの光が遊技者に認識されるようになる。ここで、第1透光壁86Aと第2透光壁86Bは互いに対向配置されていて、通常は、第1透光壁86Aが発光素子87Aに対向配置されている(
図9(A))。回転体81が回転して、第2透光壁86Bが発光素子87Aに対向配置されると、第2透光壁86Bを通して、発光素子87Aの光が遊技者に認識可能となる(
図9(B))。
【0041】
図10には、遊技機10の電気的な構成が示されている。同図において、符号150は、主制御回路150であって、CPU150A、RAM150B、ROM150C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御回路152を結ぶ入出力回路と、大入賞装置等が接続された中継回路及び払出制御回路等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU150Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定に関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御回路152等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM150Bは、CPU150Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU50Aの作業領域を備える。ROM150Cには、制御データ、特別図柄及び普通図柄の変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、特別図柄当否判定及び普通図柄当否判定の判定値等が書き込まれている。
【0042】
サブ制御回路152は、主制御回路150と同様に、CPU152A、RAM152B、ROM152C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータと主制御回路150を結ぶ入出力回路と、表示制御回路154、ランプ制御回路155、可動役物ユニット40、操作ボタン装置29等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU152Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御回路154、ランプ制御回路155、可動役物ユニット40、操作ボタン29等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM152Bは、各種データの記憶領域とCPU152Aによる作業領域を有している。ROM152Cには、各種演出のデータ等が記憶されている。
【0043】
サブ制御回路152は、可動役物ユニット40のベース駆動源43、内側可動体用駆動源71A、外側可動体用駆動源71B、回転駆動源81Kを制御することで、可動ベース51と、第1可動部61及び第2可動部62の各可動体61A,61B,62A,62Bと、各可動体61A,61B,62A,62Bにおける回転体81と、を駆動制御する。また、サブ制御回路152は、操作ボタン装置29のボタンセンサ29Sの検出信号を受信可能であって、振動モータ29Mを制御して操作ボタン29Bを振動可能に構成されている。
【0044】
表示制御回路154は、表示装置13に設けられていて、CPU154A、RAM154B及びROM154Cを有している。CPU154Aは、サブ制御回路152からの制御信号に基づき、画像データをROM154Cから取得し、その画像データに基づいて表示画面13Gに画像を表示する。
【0045】
ランプ制御回路155は、サブ制御回路152からの制御信号に基づいて、装飾ランプや可動役物ユニット40の発光基板87に実装された発光素子87A(
図9(A)参照)をオンオフ制御する。
【0046】
<画面空白部のブラインド>
本実施形態の遊技機10では、表示画面13Gに表示される画像として、表示画面13Gの全体に表示される第1画像G1(
図11(A))と、表示画面13Gの上辺部と下辺部を除く部分に表示される第2画像G2(
図11(B))と、が備えられている。第1画像G1と第2画像G2に対応する画像データは、表示制御回路154のROM154Cに記憶されている。
【0047】
図3に示されるように、可動ベース51が第1回転位置に配置され、且つ、第1可動部61と第2可動部62が最も離れる待機位置に配置されている状態では、表示画面13Gの全体が視認可能となる。この状態で、第1画像G1が表示されると、
図11(A)に示されるように、第1画像G1の全体が視認可能となる。一方、
図3に示される状態で、第2画像G2が表示されると、
図11(B)に示されるように、表示画面13Gの上辺部と下辺部とに、画像が表示されない空白部13Bが発生する。本実施形態では、この空白部13Bを目立たなくするために、表示画面13Gに第2画像G2が表示されるときには、第1可動部61と第2可動部62を合体位置(
図2参照)側へ移動させて、第1可動部61と第2可動部62とで空白部13Bの全体を前側から覆うようにする(
図11(C))。これにより、空白部13Bを目立たなくして、表示画面13Gの見栄えが悪くなることが抑制される。
【0048】
第1画像G1と第2画像G2が表示されるタイミングの例として、第1画像G1が通常の遊技状態で表示され、第2画像G2が大当り遊技中に表示される例が考えられる。この例では、第1可動部61と第2可動部62の移動によって大当り遊技の開始を遊技者に認識させることが可能となる。なお、本例においては、大当り遊技が終了する前に第1可動部61と第2可動部62が待機位置(
図11(A)参照)に戻される構成とすることが好ましい。このような構成とすれば、大当り遊技が終了したときに、第1可動部61と第2可動部62が表示画面13Gに表示される第1画像G1の妨げになることが防がれる。
【0049】
また、第1画像G1と第2画像G2が表示されるタイミングの別の例として、第2画像G2が通常の遊技状態で表示され、第1画像G1が大当り遊技中に表示される例が考えられる。この例によっても、第1可動部61と第2可動部62の移動によって大当り遊技の開始を遊技者に認識させることが可能となる。なお、本例においては、大当り遊技が終了する前に第1可動部61と第2可動部62が待機位置(
図11(A)参照)から合体位置(
図11(C)参照)側へ移動して空白部13Bを覆う構成とすることが好ましい。このような構成とすれば、大当り遊技が終了して通常の遊技状態に戻ったときに、表示画面13Gの空白部13Bを第1可動部61と第2可動部62で覆うことが可能となる。
【0050】
なお、本実施形態の別の形態として、表示装置13を複数備え、何れか1の表示装置13の表示画面13Gに第1画像G1と第2画像G2(
図11参照)が表示される構成としてもよい。この場合においても、第1画像G1と第2画像G2の表示に合わせて、第1可動部61と第2可動部62を移動させることで、表示画面13Gの空白部13Bを目立たなくすることが可能となる。
【0051】
また、本実施形態の別の形態として、第1可動部61及び第2可動部62は、第1画像G1又は第2画像G2が表示されるときに、表示画面13Gに沿って回動する構成であってもよいし、直動と回動を組み合わせた動作を行う構成であってもよい。
【0052】
また、本実施形態の別の形態として、第2画像G2は、表示画面13Gの一部に表示される大きさ、形状であればよく、例えば、五角形、六角形等の多角形、楕円形、円形等でもよい。また、第2画像G2は、複数の領域(例えば、複数の正方形の領域)に区画されるものであってもよい。
【0053】
また、本実施形態では、待機位置に配置されている第1可動部61と第2可動部62は、正面から見て表示画面13Gより外側に配置されていたが、表示画面13Gの外縁部に重ねられてもよい。
【0054】
<ツイスト動作>
本実施形態の遊技機10では、第1可動部61と第2可動部62が表示画面13Gに前側から重なった状態で、可動ベース51が第1回転位置(
図6(A)参照)から回転するツイスト動作が行われることがある。
図12~13には、ツイスト動作を取り入れた演出(以下、「ツイスト演出」という。)の一例が示されている。
【0055】
図12(A)に示されるように、ツイスト演出では、まず、可動ベース51が第1回転位置に配置され、第1可動部61と第2可動部62が待機位置に配置されている。この状態では、第1可動部61と第2可動部62が表示画面13Gを遮ることがなく、表示画面13Gの全体が視認可能となっている。表示画面13Gには、特別図柄当否判定の結果が報知される前にその結果を示唆する報知前演出の画像が表示される。なお、
図12~13の例では、報知前演出は、主人公が山の頂上のゴールに到達できれば大当りになるという演出内容となっている。
【0056】
図12(B)→
図12(C)の流れに示されるように、ツイスト演出が開始されると、ツイスト動作が行われる。即ち、
図12(B)に示されるように、第1可動部61と第2可動部62が待機位置から合体位置側へ移動して、表示画面13Gの上辺部と下辺部を前側から覆う。そして、
図12(C)に示されるように、可動ベース51が第1回転位置から第2回転位置(
図6(B)参照)側へと回転する。ツイスト動作が行われているとき、表示画面13Gでは、報知前演出が実行される。具体的には、表示画面13Gには、可動ベース51が回転するまでの間、主人公が平坦な道を進む画像が表示され(
図12(B)参照)、可動ベース51の回転に同期して、主人公が上り坂を進む画像が表示される(
図12(C)参照)。
【0057】
図12(A)→
図13(A)又は
図12(A)→
図14(A)の流れに示されるように、可動ベース51が第1回転位置から所定の角度(同図の例では、45度)だけ回転して停止し、表示画面13Gに報知前演出の結果(即ち、主人公がゴールに到達できたか否か)が遊技者に知らされる。ここで、
図13(A)又は
図14(A)に示される状態では、第1可動部61と第2可動部62が表示画面13Gを前側から覆い、表示画面13Gの一部の領域のみが視認可能となっている。そして、報知前演出の結果は、表示画面13Gにおいて視認可能な領域(以下、「視認領域」という。)に表示される。本例では、視認領域は、表示画面13Gのうち第1可動部61と第2可動部62に挟まれる領域で構成される。なお、報知前演出の結果は、
図12(C)に示される状態から第1可動部61と第2可動部62が合体位置に配置されて合体し、その後、待機位置側へ移動して分離するタイミングで知らされてもよい。
【0058】
図13(A)~
図13(C)又は
図14(A)~
図14(C)には、可動ベース51と第1可動部61及び第2可動部62を元の位置に戻す復帰動作の流れが示されている。復帰動作では、まず、
図13(B),14(B)に示されるように、可動ベース51が第1回転位置へと移動する。このとき、表示画面13Gにおいて視認領域(即ち、第1可動部61と第2可動部62に挟まれる領域)は、可動ベース51の回転に伴って移動する。そして、
図13(A),14(A)の状態で表示画面13Gに表示されていた報知前演出の結果が、視認領域の移動に合わせて移動する。
【0059】
図13(B)→
図13(C)の流れ又は
図14(B)→
図14(C)の流れに示されるように、可動ベース51が第1回転位置に戻ると、第1可動部61と第2可動部62が待機位置へ戻る。このとき、報知前演出が終了して、表示画面13Gには、特別図柄当否判定の結果が図柄の組合せによって報知される。
【0060】
このように、本実施形態の遊技機10では、可動ベース51の移動に伴う第1可動部61と第2可動部62の移動に合わせて表示画面13Gの表示が制御される。具体的には、第1可動部61と第2可動部62に挟まれる視認領域に表示する画像を、視認領域の移動に合わせて移動させる。遊技機10によれば、第1可動部61と第2可動部62が表示画面13Gに重なっている状態でも表示画面13Gに画像を表示することが可能となるので、第1可動部61と第2可動部62が表示画面13Gに重ならなくなるまで画像の表示を待つ場合と比較して、表示の間延びを抑制可能となる。また、ツイスト動作を終えて復帰動作が行われるときに、視認領域の移動に伴って画像を移動させるので、第1可動部61と第2可動部62が待機位置へ戻るまで、表示画面13Gの表示を遅らせる必要がなくなる。しかも、第1可動部61と第2可動部62の移動に合わせて表示画面13Gに表示される画像が変化することで、表示画面13Gによる演出の趣向性の向上が図られる。
【0061】
また、視認領域は、表示画面13Gのうち第1可動部61と第2可動部62の間に挟まれる部分で構成されるので、視認領域の表示を第1可動部61と第2可動部62で装飾しているように見せることが可能となる。しかも、第1可動部61と第2可動部62は可動ベース51の回転に伴って遊技盤11の前面に沿って回転するので、第1可動部61及び第2可動部62の回転と一体的に視認領域の画像が回転しているように見せることが可能となり、駆動役物による演出と表示画面13Gによる演出の趣向性を向上させることが可能となる。
【0062】
なお、本実施形態の別の形態として、ツイスト演出は、大当り遊技中の演出に適用されてもよい。
【0063】
また、本実施形態の別の形態として、可動ベース51を固定ベース41に対して直動可能な構成として、第1可動部61と第2可動部62が表示画面13Gに前側から重なった状態で可動ベース51が直動するスライド動作をツイスト動作の代わりに実行可能な構成としてもよい。この場合、スライド動作に伴って変化する視認領域に合わせて、表示画面13Gに表示される画像が制御されればよい。
【0064】
<可動役物演出の演出パターン>
本実施形態の遊技機10では、表示画面13Gに、特別図柄当否判定の結果が報知される前にその結果を示唆する報知前演出の画像が表示される。そして、遊技機10では、報知前演出と合わせて可動役物ユニット40による役物演出が行われる。この役物演出には、第1可動部61及び第2可動部62の動作パターンが異なる複数種類が設けられている。そして、役物演出の種類によって、特別図柄当否判定が当りであることに対する報知前演出の期待度が異なっている。
【0065】
図15~
図18には、役物演出の動作パターンA~Dが示されている。この役物演出と合わせて行われる報知前演出の期待度は、動作パターンA→動作パターンB→動作パターンC→動作パターンDの順に高くなる。
【0066】
図15に示される役物演出の動作パターンAでは、まず、
図15(A)に示されるように、第1可動部61及び第2可動部62が待機位置に配置され、表示画面13Gの全体が視認可能となっている。次いで、第1内側可動体61Aと第2内側可動体62Aが互いに接近し(
図15(B))、合体する(
図15(C))。このとき、表示画面13Gの中央部が第1内側可動体61Aと第2内側可動体62Aによって覆われる。次いで、第1内側可動体61Aと第2内側可動体62Aが互い離れて待機位置へと戻る(
図15(D))。
【0067】
図16に示される役物演出の動作パターンBでは、まず、
図16(A)に示されるように、第1可動部61及び第2可動部62が待機位置に配置され、表示画面13Gの全体が視認可能となっている。次いで、第1可動部61(第1内側可動体61A及び第1外側可動体61B)と第2可動部62(第2内側可動体62A及び第2外側可動体62B)が表示画面13Gを狭めるように互いに接近し、待機位置と合体位置の間の途中位置に配置される(
図16(B))。このとき、表示画面13Gにおいて視認可能な領域は、第1可動部61と第2可動部62の移動に応じて狭められ、表示画面13Gに表示される画像は、第1可動部61と第2可動部62の移動に応じて圧縮されるように表示される。次いで、第1可動部61と第2可動部62が互いに離れて待機位置へと戻る(
図16(C))。このとき、表示画面13Gにおいて視認可能な領域は、第1可動部61と第2可動部62の移動に応じて広げられ、表示画面13Gに表示される画像は、第1可動部61と第2可動部62の復帰に応じて元の大きさに戻る。
【0068】
図17に示される役物演出の動作パターンCでは、まず、
図17(A)に示されるように、第1可動部61及び第2可動部62が待機位置に配置され、表示画面13Gの全体が視認可能となっている。次いで、第1可動部61(第1内側可動体61A及び第1外側可動体61B)と第2可動部62(第2内側可動体62A及び第2外側可動体62B)が表示画面13Gを狭めるように互いに接近し、待機位置と合体位置の間の途中位置に配置される(
図17(B))。このとき、表示画面13Gにおいて視認可能な領域は、第1可動部61と第2可動部62の移動に応じて狭められ、表示画面13Gに表示される画像は、第1可動部61と第2可動部62の移動に応じて圧縮されるように表示される。次いで、第1可動部61Aと第2可動部62が途中位置に配置された状態のまま、可動ベース51が第2回転位置側へ回転し(
図17(C))、所定時間停止した後、第1回転位置へと戻る(
図17(D))。このとき、可動ベース51の回転に伴って第1可動部61と第2可動部62も回転し、表示画面13Gに表示される画像は、第1可動部61と第2可動部62の回転に応じて回転するように表示される。次いで、第1可動部61と第2可動部62が互いに離れて待機位置へと戻る(
図17(E))。このとき、表示画面13Gにおいて視認可能な領域は、第1可動部61と第2可動部62の移動に応じて広げられ、表示画面13Gに表示される画像は、第1可動部61と第2可動部62の復帰に応じて元の大きさに戻る。なお、動作パターンCの途中までの動作(
図17(A)→
図17(B)に示される動作)は、動作パターンBの途中までの動作(
図16(A)→
図16(B)に示される動作)と共通している。
【0069】
図18に示される役物演出の動作パターンDでは、まず、
図18(A)に示されるように、第1可動部61及び第2可動部62が待機位置に配置され、表示画面13Gの全体が視認可能となっている。次いで、第1内側可動体61Aと第2内側可動体62Aが互いに接近し(
図18(B))、両可動体61A,62Aの間隔が所定間隔となったときに停止する。次いで、各可動体61A,61B,62A,62Bの回転体81が中心軸81Jを中心にして所定時間だけ回転する(
図18(C))。次いで、第1内側可動体61Aと第2内側可動体62Aが互い離れて待機位置へと戻る(
図18(D))。なお、動作パターンDにおける途中までの動作(
図18(A)→
図18(B)に示される動作)は、動作パターンAにおける途中までの動作(
図15(A)→
図15(B)に示される動作)と共通している。
【0070】
本実施形態では、動作パターンA~Dに対応して、第1可動部61及び第2可動部62における各可動体61A,61B,62A,62Bの発光態様が異なっている。具体的には、各可動体61A,61B,62A,62Bは、動作パターンAが行われているときに白色に点灯し、動作パターンBが行われているときに青色に点灯し、動作パターンCが行われているときに緑色に点灯し、動作パターンDが行われているときに赤色に点灯する。本実施形態によれば、可動体61A,61B,62A,62Bの点灯態様によって動作パターンA~Dの相違を遊技者に認識させ易くなる。
【0071】
ここで、動作パターンA,Dの間、動作パターンB,Cの間では、途中までの動作が共通しているので、動作パターンの相違が遊技者に認識され難くなっているところ、可動体61A,61B,62A,62Bの点灯態様によって動作パターンの相違が認識され易くなる。なお、可動体61A,61B,62A,62Bが各動作パターンA~Dに対応する色に点灯するタイミングは、動作パターンA~Dが開始されるタイミングであってもよいし、動作パターンA,Dの間、動作パターンB,Cの間では、共通の動作が終了して個別の動作が開始されるタイミングであってもよい。前者の場合には、第1可動部61及び第2可動部62の動作から実行される動作パターンが認識される前に、実行される動作パターンを先読み的に知らせることが可能となる。また、後者の場合には、第1可動部61及び第2可動部62の動作から実行される動作パターンが認識されるタイミングまで、実行される動作パターンを遊技者に分からなくすることができるので、実行される動作パターンについて遊技者に期待を持たせることが可能となる。
【0072】
また、本実施形態では、動作パターンA~Dに対応して、報知前演出において表示画面13Gに表示される画像が異なっている。具体的には、表示画面13Gには、報知前演出におけるメイン画像13Mに追加的に表示されるエフェクト画像13Eが表示される。エフェクト画像13Eは、例えば、表示画面13Gの外周部にメイン画像13Mを縁取るように表示される。そして、エフェクト画像13Eの態様が動作パターンA~Dに対応して異なっている。より具体的には、動作パターンAが行われているときのエフェクト画像13Eが白色であり、動作パターンBが行われているときのエフェクト画像13Eが青色であり、動作パターンCが行われているときのエフェクト画像13Eが緑色であり、動作パターンDが行われているときのエフェクト画像13Eが赤色である。本実施形態によれば、表示画面13Gに表示される画像(エフェクト画像13E)によって動作パターンA~Dの相違を遊技者に認識させ易くなる。また、各動作パターンA~Dにおけるエフェクト画像13Eの色は、可動体61A,61B,62A,62Bの点灯色に一致しているので、可動体61A,61B,62A,62Bとエフェクト画像13Eに統一感を持たせることが可能となる。しかも、エフェクト画像13Eは、表示画面13Gのメイン画像13Mに付加されるので、動作パターンA~Dに対応する画像(エフェクト画像13E)がメイン画像13Mを妨げることが抑制される。
【0073】
なお、本実施形態の別の形態として、各動作パターンA~Dにおけるエフェクト画像13Eの色が、可動体61A,61B,62A,62Bの点灯色と異なっていてもよい。
【0074】
また、本実施形態の別の形態として、表示画面13Gに表示される文字、記号等の色や模様や大きさを、動作パターンA~Dに対応して異ならせてもよい。この場合、エフェクト画像13Eが表示されてもよいし、表示されなくてもよい。
【0075】
また、本実施形態の別の形態として、役物演出の動作パターンが2つであってもよいし、3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0076】
また、本実施形態の別の形態として、動作パターンB,Cにおいて、表示画面13Gに表示される画像は、第1可動部61及び第2可動部62の移動に合わせて変化しなくてもよい。
【0077】
また、本実施形態の別の形態として、動作パターンA~Dに対応して、第1可動部61と第2可動部62において発光させる発光素子87Aの数又は位置を異ならせてもよいし、発光素子87Aの点滅の有無や点滅のパターンを異ならせてもよい。
【0078】
また、本実施形態の別の形態として、各動作パターンの間で、途中までの動作が共通していない構成であってもよい。
【0079】
<ボタン振動と可動役物の駆動>
本実施形態の遊技機10では、操作ボタン装置29の操作ボタン29B(
図1参照)が操作されたときに、操作ボタン29Bが遊技者に体感可能な態様で振動するボタン振動演出が行われる。また、遊技機10では、可動役物ユニット40の第1可動部61と第2可動部62による可動演出が行われる。ここで、遊技機10では、消費電流に上限がある。そして、操作ボタン29Bの振動に要する消費電流と第1可動部61と第2可動部62の4つの可動体61A,61B,62A,62Bの駆動に要する消費電流の合計は、遊技機10の消費電流の上限を上回っている。このため、遊技機10では、ボタン振動演出が実行される可能性のない期間(
図21の期間T2を参照)において、4つの可動体61A,61B,62A,62Bの全てを駆動し、ボタン振動演出が実行される可能性のある期間(
図21の期間T1を参照)では、4つの可動体61A,61B,62A,62Bのうち一部の可動体のみを駆動する。別の見方をすれば、遊技機10では、4つの可動体61A,61B,62A,62Bの全てを駆動する可能性があるときには、ボタン振動演出が実行されず、4つの可動体61A,61B,62A,62Bのうち一部の可動体のみを駆動するときに、ボタン振動演出が実行される。
【0080】
図19には、ボタン振動演出が実行される可能性のない期間(
図21の期間T2)に実行される可動演出の例が示されている。同図の(A)~(C)の右側部分には、操作ボタン29Bの状態が概念的に示されている。
図19の例では、まず、第1可動部61と第2可動部62が待機位置に配置されていて(
図19(A))、その後、第1可動部61と第2可動部62が合体位置へと移動し(
図19(B))、待機位置へと戻る(
図19(C))。
【0081】
図20には、ボタン振動演出が実行される可能性のある期間(
図21の期間T1)に実行される可動演出の流れが示されている。同図の(A)~(C)の右側部分には、操作ボタン29Bの状態が概念的に示されている。
図20の例では、まず、第1可動部61と第2可動部62が待機位置に配置されていて(
図20(A))、表示画面13Gには、操作ボタン29Bの操作を遊技者に促す画像が表示されている。操作ボタン29Bが操作されると、
図20(B)に示されるように、操作ボタン29Bが振動すると共に、第1可動部61の第1内側可動体61Aと第2可動部62の第2内側可動体62Aが互いに接近して合体する。その後、
図20(C)に示されるように、操作ボタン29Bの振動が停止されると共に、第1内側可動体61Aと第2内側可動体62Aが互いに離れて、
図20(A)に示される状態に戻る。
【0082】
図21には、期間T1と期間T2におけるボタン振動演出と可動演出の消費電流のタイムチャートが示されている。同図の(A)に示されるように、期間T1において操作ボタン29Bが操作されると、操作ボタン29Bが振動する。操作ボタン29Bの振動に必要な消費電流はI1となっている。同図の(B)に示されるように、期間T1において操作ボタン29Bが操作されると、
図20で示した可動演出が行われる。即ち、第1内側可動体61Aと第2内側可動体62Aが互いに接近した後、離れる。2つの可動体61A,62Aの移動に必要な消費電流はI2となっている。また、
図21(B)には、期間T2に
図19で示した可動演出が行われたときの消費電流が示されている。上述したように、
図19の可動演出では、第1可動部61と第2可動部62が互いに接近した後、離れる。4つの可動体61A,61B,62A,62Bの移動に必要な消費電流はI3となっている。なお、I3はI2の約2倍となっている。
【0083】
図21(C)には、期間T1と期間T2におけるボタン振動演出と可動演出の消費電流の合計が示されている。また、同図には、遊技機10の消費電流の上限I4が2点鎖線で示されている。同図から明らかなように、ボタン振動演出が行われているときに、
図20の可動演出が実行されても消費電流の合計I1+I2は遊技機10の消費電流の上限I4を上回らない。また、ボタン振動演出に必要な消費電流I1と、
図19の可動演出の消費電流I3の合計は、遊技機10の消費電流の上限I4を上回り、ボタン振動演出が実行されているときに4つの可動体61A,61B,62A,62Bの移動が困難となっている。なお、
図21の例では、操作ボタン29Bの消費電流I1は、2つの可動体61A,62Aの消費電流I2より大きくなっているが、消費電流I2と同じであってもよいし、消費電流I2より小さくてもよい。
【0084】
このように、本実施形態の遊技機10では、第1可動部61と第2可動部62の4つの可動体61A,61B,62A,62Bのうち一部の可動体(具体的には、第1内側可動体61Aと第2内側可動体62A)が駆動されているときに、操作ボタン29Bが駆動される。別の見方をすれば、操作ボタン29Bを振動可能な期間T1の間では、4つの可動体61A,61B,62A,62Bのうちの一部の可動体61A,62Aが駆動される。遊技機10によれば、操作ボタン29Bの駆動に伴う消費電流が大きい場合であっても、第1可動部61及び第2可動部62の可動体と操作ボタン29Bを駆動することが可能となる。即ち、可動体と操作ボタン29Bを同時に駆動することが可能となる。
【0085】
また、
図19で示した4つの可動体61A,61B,62A,62Bの動作と
図20で示した2つの可動体61A,62Aの動作は、共に、上下方向に接近して合体した後、離間するものであり、略同じに構成されている。この構成によれば、4つの可動体61A,61B,62A,62Bの動作と同様の動作を、その一部である2つの可動体61A,62Aによって達成することが可能となる。
【0086】
また、本実施形態では、ボタン振動演出が行われる可能性のある期間T1に操作ボタン29Bが操作されたときに、操作ボタン29Bが駆動され、期間T1の間は一部の可動体61A,62Aが駆動されるので、操作ボタン29Bが操作されるタイミングが異なっても可動体と操作ボタン29Bを同時に駆動することが可能となる。
【0087】
なお、本実施形態の別の形態として、操作ボタン29Bが操作されたときに、操作ボタン29Bとは異なる別の可動部材が振動してもよい。別の可動部材の振動は、遊技者に体感可能な態様のものであってもよいし、視認可能な態様のものであってもよい。前者の例としては、発射ハンドル28(
図1)を振動させる構成が挙げられる。
【0088】
また、本実施形態の別の形態として、可動役物ユニット40とは別の可動役物ユニットを備え、該別の可動役物ユニットの可動体が駆動されているときには、可動役物ユニット40の4つの可動体61A,61B,62A,62Bのうち一部の可動体を駆動するように構成されてもよい。
【0089】
また、本実施形態の別の形態として、可動役物ユニット40に備える可動体は2つであってもよいし、3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。また、一部の可動体を駆動するときの可動体の数は、2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0090】
また、本実施形態の別の形態として、期間T2における4つの可動体61A,61B,62A,62Bの動作と、期間T1における2つの可動体61A,62Aの動作とが、異なるように構成されていてもよい。
【0091】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0092】
(1)上記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用した例を示したが、スロットマシンやアレンジボールに適用してもよい。
【0093】
(2)上記実施形態では、可動ベース51が固定ベース41に対して回転する構成であったが、固定ベース41に対して直動する構成であってもよい。この場合、第1可動部61と第2可動部62の移動方向は、可動ベース51の移動方向と異なることが好ましい。
【0094】
(3)上記実施形態では、第1可動部61と第2可動部62の各可動体61A,61B,62A,62Bは、表示画面13Gに沿って直動する構成であったが、表示画面13Gに沿って回動する構成であってもよい。
【0095】
(4)上記実施形態において、第1可動部61と第2可動部62の各可動体61A,61B,62A,62Bに、回転体81を備えない構成としてもよい。
【0096】
[付記]
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0097】
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「表示部を有する」遊技機に関し、「特許文献A(特開2015-15998号公報)の遊技機では、表示部に表示させる画像のデータを複数備えている。(同文献の段落[0223])」という背景技術について、「特許文献Aの遊技機では、表示部に表示される画像の大きさや形状が変化すると、表示部に画像が表示されない空白の部分が発生し、見栄えが悪くなるという問題があった。」という課題をもってなされたものである。
【0098】
(特徴A1)
表示部(表示画面13G)を有する遊技機(遊技機10)であって、
前記表示部において視認可能な領域を変化させるように移動可能な移動部材(第1可動部61と第2可動部62)と、
前記表示部に表示される画像(第1画像G1と第2画像G2)に応じて前記移動部材の配置を制御する移動部材制御手段(サブ制御回路152)と、を有する遊技機。
【0099】
本特徴に示す構成では、表示部に表示される画像に応じて移動部材が配置される。ここで、移動部材は、表示部において視認可能な領域を変化させるように移動するので、表示部において画像が表示されない空白が発生する場合、その空白を前側から覆うように移動部材を配置することで、空白を目立たなくすることが可能となる。これにより、表示部の見栄えが悪くなることを抑制可能となる。
【0100】
(特徴A2)
特徴A1に記載の遊技機において、
前記移動部材は、前記表示部の前側に位置して、前記表示部の外縁部に重ねられるか又は前記表示部より外側に配置される第1位置(待機位置、具体的には、
図11(A)に示される第1可動部61と第2可動部62の位置)から前記表示部を狭めるように移動して第2位置(
図11(C)に示される第1可動部61と第2可動部62の位置)に配置される遊技機。
【0101】
移動部材の第1位置から第2位置への移動は、本特徴の構成に示されるように、表示部を外側から内側に狭めるように移動してもよいし、表示部を内側から外側に狭めるように移動してもよい。また、移動部材は、第1位置において表示部を複数のブロックに区画するように配置され、第2位置へ移動するときにブロックの形状や大きさを変化させるように移動してもよい。
【0102】
(特徴A3)
特徴A2に記載の遊技機において、
前記表示部に表示される画像には、前記表示部の全体に表示される第1画像(第1画像G1)と、前記表示部のうち互いに対向する1対の辺部(表示画面13Gの上辺部と下辺部)を除く部分に表示される第2画像(第2画像G2)の少なくとも2種類が備えられ、
前記移動部材は、前記表示部を挟むように対をなして備えられ、前記第2位置に配置されたときに前記表示部における前記1対の辺部の全体を前側から覆う遊技機。
【0103】
本特徴に示す構成によれば、第2画像を表示部の中央寄り部分に表示して、第2画像が表示されない部分を移動部材で覆うことが可能となる。
【0104】
(特徴A4)
特徴A3に記載の遊技機において、
前記表示部には、通常は、前記第1画像が表示される一方、遊技の進行に応じて設定される特定期間(大当り遊技が実行される期間)においては、前記第2画像が表示され、
前記移動部材は、通常は、前記第1位置に配置され、前記特定期間が開始されるときに前記第2位置に配置される遊技機。
【0105】
本特徴に示す構成によれば、移動部材の移動によって特定期間の開始を遊技者に認識させることが可能となる。
【0106】
(特徴A5)
特徴A4に記載の遊技機において、
前記移動部材は、前記特定期間の終了前に前記第2位置から前記第1位置へと移動し、前記特定期間の終了時には前記第1位置に配置される遊技機。
【0107】
本特徴に示す構成によれば、特定期間が終了して通常時に戻ったときに、移動部材が第1画像の妨げになることが防がれる。
【0108】
(特徴A6)
特徴A3に記載の遊技機において、
前記表示部には、通常は、前記第2画像が表示される一方、遊技の進行に応じて設定される特定期間(大当り遊技が実行される期間)においては、前記第1画像が表示され、
前記移動部材は、通常は、前記第2位置に配置され、前記特定期間が開始されるときに前記第1位置に配置される遊技機。
【0109】
本特徴に示す構成によれば、移動部材の移動によって特定期間の開始を遊技者に認識させることが可能となる。
【0110】
(特徴A7)
特徴A6に記載の遊技機において、
前記移動部材は、前記特定期間の終了前に前記第1位置から前記第2位置へと移動し、前記特定期間の終了時には前記第2位置に配置される遊技機。
【0111】
本特徴に示す構成によれば、特定期間が終了して通常に戻ったときに、表示部において第2画像が表示されない空白部分(空白部13B)を移動部材で覆うことが可能となる。
【0112】
(特徴A8)
遊技盤(遊技盤11)に形成された窓部(表示開口11H)を通して視認可能な表示部(表示画面13G)を有する遊技機(遊技機10)であって、
前記遊技盤と前記表示部の間に位置して、前記表示部において視認可能な領域を変化させるように移動可能な移動部材(第1可動部61と第2可動部62)と、
前記表示部に表示される画像(第1画像G1と第2画像G2)に応じて前記移動部材の配置を制御する移動部材制御手段(サブ制御回路152)と、を有する遊技機。
【0113】
本特徴に示す構成では、表示部に表示される画像に応じて移動部材が配置される。ここで、移動部材は、表示部において視認可能な領域を変化させるように移動するので、表示部において画像が表示されない空白が発生する場合、その空白を前側から覆うように移動部材を配置することで、空白を目立たなくすることが可能となる。これにより、表示部の見栄えが悪くなることを抑制可能となる。
【0114】
なお、特徴A8に示す構成に、特徴A2~A7に示す構成が組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0115】
10 遊技機
11 遊技盤
13B 空白部
13G 表示画面
61 第1可動部
62 第2可動部
150 主制御回路
152 サブ制御回路
G1 第1画像
G2 第2画像