(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】贈答品AI提案推奨装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220428BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220428BHJP
【FI】
G06Q30/06 330
G06Q30/06 312
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2017153441
(22)【出願日】2017-08-08
【審査請求日】2020-02-04
(31)【優先権主張番号】P 2017118720
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】396000776
【氏名又は名称】株式会社アイビーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【氏名又は名称】地代 信幸
(72)【発明者】
【氏名】石井 啓一
(72)【発明者】
【氏名】橋田 道助
【審査官】緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-194828(JP,A)
【文献】特開2005-208844(JP,A)
【文献】特開2005-292983(JP,A)
【文献】特開2011-107771(JP,A)
【文献】特開2009-140242(JP,A)
【文献】特開2010-204862(JP,A)
【文献】特開2003-228611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別可能なユーザに対して連絡可能な連絡先情報を含むユーザデータベースと、
贈答品を受領する権利を上記ユーザごとに登録する受取品データベースと、
個々の商品ごとに設定される重み空間について、入力データx[k]となる重み空間を評価し機械学習により更新される重みネットワークパラメータw[k]と、
依頼人が操作する依頼人端末から指定された受取人が、
上記依頼人端末から指定した商品について贈答品を受領する権利を、上記受取品データベースにおける当該受取人のレコードに登録する贈答品登録手段と、
上記受取品データベースの受取人のレコードに新たな贈答品を受領する権利が追加された際に、予め登録された上記連絡先情報を用いて当該受取人に対して通知する通知手段と、
上記重みネットワークパラメータw[k]による提案・推奨関数R=Σw[k]・x[k]に入力データx[k]を入力して出力される
値に基づいて、商品を上記依頼人端末に提示する商品提案手段とを有
し、
上記入力データx[k]が、上記受取人の年齢、上記受取人の性別、上記受取人の居住地域、上記依頼人と上記受取人との関係、および、上記受取人が受取を希望する商品又は希望しない商品として特定個人希望商品データベースに登録させた商品リスト、のうち少なくとも一つを含む、
贈答品AI提案推奨装置。
【請求項2】
識別可能なユーザに対して連絡可能な連絡先情報を含むユーザデータベースと、
贈答品を受領する権利を上記ユーザごとに登録する受取品データベースと、
個々の商品ごとに設定される重み空間について、入力データx[k]となる重み空間を評価し機械学習により更新可能な重みネットワークパラメータw[k]と、
依頼人が操作する依頼人端末から指定された受取人が、
上記依頼人端末から指定した商品について贈答品を受領する権利を、上記受取品データベースにおける当該受取人のレコードに登録する贈答品登録手段と、
上記受取品データベースの受取人のレコードに新たな贈答品を受領する権利が追加された際に、予め登録された上記連絡先情報を用いて当該受取人に対して通知する通知手段と、
上記重みネットワークパラメータw[k]による提案・推奨関数R=Σw[k]・x[k]に入力データx[k]を入力して出力される
値に基づいて、商品を提示する商品提案手段とを有し、
上記商品提案手段が、上記通知手段による上記受取人への通知の際に、通知される贈答品を含む贈答情報のデータを入力データx[k]として入力して実行され、出力される
値に基づいて商品を受取人端末に提示し、
上記商品提案手段により提示され
る商品が、上記受取人から上記依頼人への返礼として好適な商品であ
り、
上記入力データx[k]が、上記依頼人の年齢、上記依頼人の性別、上記依頼人の居住地域、上記依頼人と上記受取人との関係、および、上記依頼人が受取を希望する商品又は希望しない商品として特定個人希望商品データベースに登録させた商品リスト、のうち少なくとも一つを含む、
贈答品AI提案推奨装置。
【請求項3】
識別可能なユーザに対して連絡可能な連絡先情報を含むユーザデータベースと、
贈答品を受領する権利を上記ユーザごとに登録する受取品データベースと、
個々の商品ごとに設定される重み空間について、入力データx[k]となる重み空間を評価し機械学習により更新される重みネットワークパラメータw[k]と、
依頼人が操作する依頼人端末から指定された受取人が、
上記依頼人端末から指定した商品について贈答品を受領する権利を、上記受取品データベースにおける当該受取人のレコードに登録する贈答品登録手段と、
上記受取品データベースの受取人のレコードに新たな贈答品を受領する権利が追加された際に、予め登録された上記連絡先情報を用いて当該受取人に対して通知する通知手段と、
上記重みネットワークパラメータw[k]による提案・推奨関数R=Σw[k]・x[k]に入力データx[k]を入力して出力される
値に基づいて商品を提示する商品提案手段とを有し、
上記商品提案手段が、上記通知手段による上記受取人への通知の際に、通知される贈答品を含む贈答情報のデータを入力データx[k]として入力して実行され、出力される
値に基づいて商品を受取人端末に提示し、
上記商品提案手段により提示される商品が、元の依頼人からの贈答商品に付加して上記受取人が受領することで好適な商品であ
り、
上記入力データx[k]が、上記受取人の年齢、上記受取人の性別、上記受取人の居住地域、上記受取人が受取を希望する商品又は希望しない商品として特定個人希望商品データベースに登録させた商品リスト、のうち少なくとも一つを含む、
贈答品AI提案推奨装置。
【請求項4】
識別可能なユーザに対して連絡可能な連絡先情報を含むユーザデータベースと、
贈答品を受領する権利を上記ユーザごとに登録する受取品データベースと、
個々の商品ごとに設定される重み空間について、入力データx[k]となる重み空間を評価し機械学習により更新される重みネットワークパラメータw[k]と、
依頼人が操作する依頼人端末から指定された受取人が、
上記依頼人端末から指定した商品について贈答品を受領する権利を、上記受取品データベースにおける当該受取人のレコードに登録する贈答品登録手段と、
上記受取品データベースの受取人のレコードに新たな贈答品を受領する権利が追加された際に、予め登録された上記連絡先情報を用いて当該受取人に対して通知する通知手段と、
上記重みネットワークパラメータw[k]による提案・推奨関数R=Σw[k]・x[k]に入力データx[k]を入力して出力される
値に基づいて商品を提示する
贈答品交換手段とを有し、
上記
贈答品交換手段が、上記通知手段による上記受取人への通知の際に、通知される贈答品を含む贈答情報のデータを入力データx[k]として入力して実行され、出力される
値に基づいて商品を受取人端末に提示し、
上記
贈答品交換手段により提示される商品が
、上記受取人が有する贈答品を受領する権利と交換可能である、他
の贈答品であ
り、
上記入力データx[k]が、上記受取人の年齢、上記受取人の性別、上記受取人の居住地域、上記受取人が受取を希望する商品又は希望しない商品として特定個人希望商品データベースに登録させた商品リスト、のうち少なくとも一つを含む、
贈答品AI提案推奨装置。
【請求項5】
上記一の受取人が有する贈答品を受領する権利が、上記受取人からの指示によって一時的に受領を保留されたものである、請求項4に記載の贈答品AI提案推奨装置。
【請求項6】
上記受取人となりうるユーザによる、上記依頼人となりうるユーザを指定して贈答を希望する商品を登録する特定個人希望商品データベースを有し、
上記商品提案手段が、上記依頼人となりうるユーザが上記受取人となりうるユーザへの贈答品の候補を提示する際に、上記特定個人希望商品データベースにおいて該当する上記依頼人及び上記受取人の対において指定された商品を、指定された商品であるとの表示なく提示する、請求項1に記載の贈答品AI提案推奨装置。
【請求項7】
識別可能なユーザに対して連絡可能な連絡先情報を含むユーザデータベースと、上記ユーザごとに、贈答品を受領する権利を変更可能に登録する受取品データベースと、個々の商品ごとに設定される重み空間について、入力データx[k]となる重み空間を評価し機械学習により更新される重みネットワークパラメータw[k]とを利用し、
コンピュータが、
依頼人が操作する依頼人端末から指定された受取人が、
上記依頼人端末から指定した商品について贈答品を受領する権利を、上記受取品データベースにおける当該受取人のレコードに登録し、上記受取品データベースの受取人のレコードに新たな贈答品を受領する権利が追加された際に、予め登録された上記連絡先情報を用いて当該受取人に対して通知し、上記重みネットワークパラメータw[k]による提案・推奨関数R=Σw[k]・x[k]に入力データx[k]を入力して出力される
値に基づいて商品を依頼人端
末に提示する
方法であり、
上記入力データx[k]が、上記受取人の年齢、上記受取人の性別、上記受取人の居住地域、上記依頼人と上記受取人との関係、および、上記受取人が受取を希望する商品又は希望しない商品として特定個人希望商品データベースに登録させた商品リスト、のうち少なくとも一つを含む、
商品提示サービスの提供方法。
【請求項8】
識別可能なユーザに対して連絡可能な連絡先情報を含むユーザデータベースと、上記ユーザごとに、贈答品を受領する権利を上記ユーザごとに登録する受取品データベースと、個々の商品ごとに設定される重み空間について、入力データx[k]となる重み空間を評価し機械学習により更新可能な重みネットワークパラメータw[k]とを利用し、
コンピュータが、
依頼人が操作する依頼人端末から指定された受取人が、上記依頼人端末から指定した商品について贈答品を受領する権利を、上記受取品データベースにおける当該受取人のレコードに登録し、
上記受取品データベースの受取人のレコードに新たな贈答品を受領する権利が追加された際に、予め登録された上記連絡先情報を用いて当該受取人に対して通知し、
上記重みネットワークパラメータw[k]による提案・推奨関数R=Σw[k]・x[k]に入力データx[k]を入力して出力される値に基づいて、商品を提示する方法であり、
上記受取人への通知の際に、通知される贈答品を含む贈答情報のデータを入力データx[k]として入力して実行され、出力される値に基づいて商品を受取人端末に提示するものであり、
提示される商品が、上記受取人から上記依頼人への返礼として好適な商品であり、
上記入力データx[k]が、上記依頼人の年齢、上記依頼人の性別、上記依頼人の居住地域、上記依頼人と上記受取人との関係、および、上記依頼人が受取を希望する商品又は希望しない商品として特定個人希望商品データベースに登録させた商品リスト、のうち少なくとも一つを含む、
商品提示サービスの提供方法。
【請求項9】
識別可能なユーザに対して連絡可能な連絡先情報を含むユーザデータベースと、上記ユーザごとに、贈答品を受領する権利を上記ユーザごとに登録する受取品データベースと、個々の商品ごとに設定される重み空間について、入力データx[k]となる重み空間を評価し機械学習により更新される重みネットワークパラメータw[k]とを利用し、
コンピュータが、
依頼人が操作する依頼人端末から指定された受取人が、上記依頼人端末から指定した商品について贈答品を受領する権利を、上記受取品データベースにおける当該受取人のレコードに登録し、
上記受取品データベースの受取人のレコードに新たな贈答品を受領する権利が追加された際に、予め登録された上記連絡先情報を用いて当該受取人に対して通知し、
上記重みネットワークパラメータw[k]による提案・推奨関数R=Σw[k]・x[k]に入力データx[k]を入力して出力される値に基づいて商品を提示する方法であり、
上記受取人への通知の際に、通知される贈答品を含む贈答情報のデータを入力データx[k]として入力して実行され、出力される値に基づいて商品を受取人端末に提示し、
提示される商品が、元の依頼人からの贈答商品に付加して上記受取人が受領することで好適な商品であり、
上記入力データx[k]が、上記受取人の年齢、上記受取人の性別、上記受取人の居住地域、上記受取人が受取を希望する商品又は希望しない商品として特定個人希望商品データベースに登録させた商品リスト、のうち少なくとも一つを含む、
商品提示サービスの提供方法。
【請求項10】
識別可能なユーザに対して連絡可能な連絡先情報を含むユーザデータベースと、上記ユーザごとに、贈答品を受領する権利を上記ユーザごとに登録する受取品データベースと、個々の商品ごとに設定される重み空間について、入力データx[k]となる重み空間を評価し機械学習により更新される重みネットワークパラメータw[k]とを利用し、
コンピュータが、
依頼人が操作する依頼人端末から指定された受取人が、上記依頼人端末から指定した商品について贈答品を受領する権利を、上記受取品データベースにおける当該受取人のレコードに登録し、
上記受取品データベースの受取人のレコードに新たな贈答品を受領する権利が追加された際に、予め登録された上記連絡先情報を用いて当該受取人に対して通知し、
上記重みネットワークパラメータw[k]による提案・推奨関数R=Σw[k]・x[k]に入力データx[k]を入力して出力される値に基づいて商品を提示する方法であり、
上記受取人への通知の際に、通知される贈答品を含む贈答情報のデータを入力データx[k]として入力して実行され、出力される値に基づいて商品を受取人端末に提示し、
提示される商品が、上記受取人が有する贈答品を受領する権利と交換可能である、他の贈答品であり、
上記入力データx[k]が、上記受取人の年齢、上記受取人の性別、上記受取人の居住地域、上記受取人が受取を希望する商品又は希望しない商品として特定個人希望商品データベースに登録させた商品リスト、のうち少なくとも一つを含む、
商品提示サービスの提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は贈答品のAI分析による、提案推奨装置、及びサービスに関する。
【背景技術】
【0002】
ギフトの贈答において、誰にどのような商品を贈ればよいかは常に贈答依頼人(以下、依頼人)と贈答受取人(以下、受取人)を悩ます問題である。相手の実際の希望を正確に把握することは難しく、受け取った商品が受取人の希望に沿わないことも多々ある。一方で、ギフトの贈答は人間関係を円滑にするため、贈答が続けられることが望ましく、贈答に対しては適切な返礼が為されることが望ましい。このため、ギフト贈答分野における様々なシステムにおいて、依頼人や受取人の負担を軽減するための様々な検討が行われている。
【0003】
これまでのコンピュータによるギフト商品などの商品提供者が提供する贈答品における商品の提案・推奨(レコメンド)は、依頼人の過去の購入履歴などをベースに行われてきた。つまり、受取人が欲しい贈答品を知るすべが無い。まして、過去の冠婚葬祭の日時、他人の誕生日、結婚記念日、命日などの重要なイベント日さえ忘れがちである。また、印刷物などのカタログや、ネット販売におけるECサイトで商品提供者が提案、推奨する商品を表示する場合、メルマガのようにHTMLなどを用いて、写真やイメージ画像の添付やURLへ誘導する手法などが販売や販売促進手法として行なわれているが、同じ情報を同報的に配信されているのが一般的である。
【0004】
「依頼人」と「受取人」とが対話して贈答品を決めることは、冠婚葬祭においてはタブーである。また、「商品提供者」は風習や冠婚葬祭などの専門知識を有するが、3者の対話を取りまとめて提案するすべなどもない。このため、現状では、依頼人が商品を選択し一方的に贈る贈答となっている。昨今では同じ贈答品や不用品は受け取り後にリサイクルショップなどで換金や、ネットオークションなどでも出品販売されている。このような状況はできるだけ改善されることが望ましい。
【0005】
特許文献1には、価格帯毎にお返しに相応しいお返し商品の候補群を記憶管理するお返し候補データベースを有し、お返し候補リストを提示する配送管理装置が提案されている。配送された商品のデータベースと連動しており、配送商品に内容及び価格帯として対応した一般的な商品を提案するものとなっている。
【0006】
特許文献2には、贈答仲介システムにおいて、贈与を受ける側が希望する商品を複数選び、ネットワークを介して贈る側にその商品情報を通知してその全部又は一部を贈与してもらうシステムが提案されている。
【0007】
特許文献3には、贈答品を配送する旨の連絡を受け取った配送サーバに、受取人の名義が登録されていたら、受取人に実際に配達する前に受取人の端末に贈答品情報を送信し、ユーザ端末から受信した贈答品に関する処理の要求に応じて贈答品の処理を行うシステムが提案されている。受取人は実際に受け取る前にどのような商品が送られたかを確認でき、不要と判断すれば実際の配送をさせずに、配送、転送、保留・交換、オークション出品のいずれかの方法で贈答品の処理を行うことができる。いちいち配送させるまでもなく贈答品を有効活用できる。配送サーバは、web上にオークションを行うためのホームページを開設して、受取人の要求に応じて贈答品をオークションに出品する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2003-256732号公報
【文献】特開2003-30485号公報
【文献】特開2002-342428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1のシステムで提案されるお返し候補リストは単純に一般的なものを提案するため、穏当ではあるが個々の贈答の状況に対して最適化されているとはいえなかった。
【0010】
特許文献2のシステムでは贈る側にとって外れがなくなり、仕送り依頼などでは有益であるが、中元や歳暮といった人間関係を円滑にする贈答においては、直接的にすぎるという問題があった。
【0011】
特許文献3のシステムでは、配送業者が、配送依頼を受けた店舗端末を管理する店舗に出向いて贈答品の回収を行い、受取人、転送先、又はオークション落札者に贈答品の配送を行うため、受取人の手間は省けるものの、実際の商品自体は動かさなければならず、運営側の負担軽減は不十分であった。
【0012】
また、現在の商品の提案・推奨(レコメンド)は、主に購買履歴から分析しているが、人工知能によって、商品化計画(マーチャンダイジング)、イベント企画、贈り方などの変化に結び付けることはできていない。
【0013】
そこでこの発明は、贈答品を受領する者にとっても、贈答品を管理する側にとっても、より負担が少なく、好適に贈答品の取り扱いができるようにすることを目的とする。ひいては、一人別の個人情報(個人属性情報)、商品ごとの属性情報、贈答用途・イベント情報、成約情報、操作履歴などをAIへ結びつけて、贈答品などの提案の他、次の贈答品となる商品やその詰め合わせ、あるいは、新しい商品そのものを生産・製造し販売提案することが可能とすることをさらなる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、
識別可能なユーザに対して連絡可能な連絡先情報を含むユーザデータベースと、
贈答品を受領する権利を上記ユーザごとに登録する受取品データベースと、
個々の商品ごとに設定される重み空間を構成する重みネットワークパラメータと、
端末から指示された、依頼人指定の受取人が指定した商品について贈答品を受領する権利を、上記受取品データベースにおける当該受取人のレコードに登録する贈答品登録手段と、上記受取品データベースの受取人のレコードに新たな贈答品を受領する権利が追加された際に、予め登録された前記連絡先情報を用いて当該受取人に対して通知する通知手段と、上記重みネットワークパラメータによって出力される商品を提示する商品提案手段とを有する贈答品AI提案推奨装置、又はそれらを利用する商品提示サービスの実行によって、上記の課題を解決した。
【0015】
上記重みネットワークパラメータは、贈答品、交換品、返礼品、関連商品などの提案・推奨に用いる。本発明では、上記重みネットワークパラメータにより、一般的に言う「ルールベース」と「機械学習」を用いて、上記受取人が好む贈答商品の情報を、実際に当該贈答用途を必要とすることが類推される上記依頼人に向けて事前に通知でき、受取人が欲しい贈答品を提案することが可能となる。また、過去の冠婚葬祭の日時、他人の誕生日、結婚記念日、命日などについても、依頼人、又は、受取人の補足情報として記録しておく機能も提供する。
【0016】
本発明では、「依頼人」、「受取人」、「商品提供者」の情報分析をするために、ルールベース、機械学習を用いて知的な処理分析を行なうが、そのためのベースとして、各商品に重みを複数定義して「重み空間」という概念を導入する。この重み空間の値を機械学習における特徴量とし、併せて、実際の依頼人による選択商品及び受取人の処理結果(受領、贈答品交換、贈答品転送、保留など)を教師データとすることで改善可能な提案・推奨関数が生成できる。これにより、商品ごとに、「依頼人」、「受取人」、「商品提供者」が有する、又は設定する「当該商品の属性情報」、「当該商品の購入数、受領数など」の統計カウント値、「依頼人」および「受取人」の補足情報、並びに、一般の贈答に関わる風習などから分析し、特定の贈答用途・依頼人・受取人における贈答商品の提案順序などを割り出す。不必要なものは削除、又は重みを減らし、順位を下げる、あるいはグループ分けやグループランク分けを行なうこともできる。
【0017】
この結果、贈答用途となる冠婚葬祭などのイベント情報と贈答品の属性による分析提案・推奨が上記依頼人に一人別に行なえ、用途毎に、適切な時期に、受取人がほしい商品を、適切な贈答として受け取れる確率を最大限にする事が実現できる。
【0018】
この発明にかかる贈答品AI提案推奨装置の実施形態としては、上記商品提案手段が、上記通知手段による上記受取人への通知を行う際に通知された贈答品を含む贈答情報の入力に対して実行されるものである場合、下記のような贈答に付加される機能が実現できることとなる。
【0019】
上記商品提案手段により提示される商品が、上記依頼人に対して上記受取人への贈答品を提案・推奨する贈答商品提案形態、上記受取人から上記依頼人への返礼として好適な商品を提示する返礼商品提案形態、当該商品に付加して上記受取人が受領することで好適な商品を提示する関連商品提案形態、一の上記受取人が贈答通知時には当該贈答品を受け取らず、後日当該贈答品を受領する権利(以下、受領権)と交換を希望している他の受取人の受領権対象贈答品を提示する受領権交換提案形態が挙げられる。
【0020】
また、通知された贈答品は、商品提供者が登録提供する
図9の概念図のように商品提供者と異なる会社A,Bなどの贈答品と交換(贈答品交換)が可能である。また、この商品を金銭価値に換算して上記受取人が利用可能なポイントとして登録するポイント変換手段を有してよい。このポイントは、返礼商品の購入や、交換の際の金銭価値の上乗せ、その他のサービス利用対価として利用可能なものである。
【0021】
さらに、上記通知手段による通知に対して、上記受取人から上記贈答品の受け取りを保留して、後日受領する受領権を保持し、他の受取人の受領権との交換(以下、受領権交換)、又は、受領権の第三者へ転送(以下、受領権転送)させる指示を受け取り、実際の配送業務の一部を省いて商品の交換や転送を実現する処理手段を有してよい。
【0022】
さらにまた、上記受取人となりうるユーザによる、上記依頼人となりうるユーザを指定して贈答を希望する商品を登録する特定個人希望商品データベースを有し、上記商品提案手段が、上記依頼人となりうるユーザが上記受取人となりうるユーザへの贈答品の候補を提示する際に、上記特定個人希望商品データベースにおいて該当する上記依頼人及び上記受取人の対において指定された商品を、指定された商品であるとの表示なく提示すると、上記依頼人が外れなく上記受取人への贈答品を選択できるようになる。いわば、特定の繋がりのある個人に対していわゆる「おねだり」をする機能を実現可能である。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、贈答に関わる風習、受取人の過去の受領履歴や嗜好、および、依頼人と受取人との2者の関係性、又は商品提供者を含めた3者との関係性を知的な情報分析により贈答商品の推奨・提案を「依頼人」、「受取人」、「商品提供者」に行なえるものである。
【0024】
一方で、受取人に対しては、例えば、上述する上記返礼商品提案形態による返礼や、上記特定個人希望商品データベースを用いたおねだり機能において、商品情報を推奨・提案する。また、本発明にかかる装置及びサービスを提供する事業者と契約する商品提供者には、例えば、今後どのような商品が売れる可能性が高いかという商品のトレンド情報を提供することができる。また、受取人が好む贈答商品の情報を、実際に当該贈答用途を必要とすることが類推される依頼人に向けて事前に発信できることを可能としているため、依頼人が悩んだりする負担や手間を軽減し、受取人にとって不適切な贈答がなくなる。
【0025】
さらに、一人別への具体的商品の販売促進と販促広告に関して、的確な提案・推奨が商品と販売促進において可能となり、成約効果が見込まれる。例えば、オンライン・ショップの過去の取引データを解析して、AとBを一緒に買った人の割合とAとCを一緒に買った人の割合を比較し、割合の高い方を提案・推奨すれば、提案・推奨の効果も上がることが期待できる。このような関係や規則性を、データから分析し、そこに潜むルールやパターンを見つけ出し、提案・推奨する。
【0026】
贈答においても対話的に「依頼人」が「受取人」との2者との情報互換や、「商品提供者」との3者が情報分析を行なう事ができれば、一方的ではない必要な商品が、適切なイベントにおいて必要な時に、贈り、受領することが実現可能となり、一方的ではない必要な商品贈答の創造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】この発明にかかる贈答品AI提案推奨装置の構成例を示すブロック図
【
図2】第一の実施形態にかかる贈答品AI提案推奨装置の実行形態例を示す概念図
【
図3】第二の実施形態にかかる贈答品AI提案推奨装置の実行形態例を示す概念図
【
図6】(a)第三の実施形態においてグループの重なりを示す概念図、(b)第三の実施形態においてグループを構成する家族関係の例を示す概念図、(c)第三の実施形態におけるグループと商品との所属関係例を示す概念図
【
図7】第三の実施形態にかかる贈答品AI提案推奨装置の実行形態例を示す概念図
【
図8】第四の実施形態にかかる贈答品AI提案推奨装置の実行形態例を示す概念図
【
図9】第四の実施形態の応用形態にかかる贈答品AI提案推奨装置における贈答品交換を示す概念図
【
図10】(a)第五の実施形態にかかる贈答品AI提案推奨装置の実行形態例を示す概念図、(b)(a)における交換前の受取品データベースの状態例を示す図、(c)交換後の状態例を示す図
【
図11】(a)第五の実施形態の応用形態にかかる贈答品AI提案推奨装置の実行形態例を示す概念図、(b)(a)における転送前の受取品データベースの状態例を示す図、(c)転送後の状態例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明について具体的な実施形態とともに説明する。この発明は、贈答品を贈る、又は受領するユーザに対して好適な商品を提示・選択することができる贈答品AI提案推奨装置、及びその提示を行うサービス提供方法である。
【0029】
この発明にかかる贈答品AI提案推奨装置は、ネットワーク上に存在する単独のサーバ又は複数のサーバ群によって構成される物理的装置であってもよいし、クラウド上に後述するデータベース等及び各手段を実現させた仮想的装置であってもよい。いずれにしても、本発明にかかる贈答品AI提案推奨装置はネットワークを介してユーザの端末と接続される。本発明にかかるサービス提供方法は、上記贈答品AI提案推奨装置の構成要件によって、ユーザの端末に対して、贈答品となる商品に関連する情報の提示を含むサービスを行う。
【0030】
この発明にかかる贈答品AI提案推奨装置がネットワークを介して接続され、サービスを提供するユーザとしては、贈答品を贈ろうとする依頼人、贈答品を贈られる受取人のどちらも挙げられる。一の贈答品についての依頼人は、その返礼においては受取人となるため、ユーザはどちらにもなりうる。以降、特に指定無く依頼人及び受取人という場合は、それぞれの取引における立場であり、いずれもユーザを指す。
【0031】
この発明にかかる贈答品AI提案推奨装置は上記のユーザの他に、商品提供者を登録可能であってよい。この商品提供者とは主に商品の開発企業、商品の販売企業などの法人であって、本発明の贈答品AI提案推奨装置を運用するサービス提供者と取引関係にあり、商品を提供したり、商品について後述する重み付けに関与する関連情報の提供等を行ったりすることができる。
【0032】
この発明にかかる贈答品AI提案推奨装置10の実施形態例についての機能ブロック図を
図1に示す。贈答品AI提案推奨装置10は、個々のユーザを登録するユーザデータベース11を有する。ユーザについての情報は個々のユーザを識別するIDと、パスワード等の認証情報と、連絡可能な連絡先情報とを有する。上記認証情報は他のSNSとの連携情報など、認証に用いることができる情報であれば特に限定されない。上記連絡先情報は、実際に贈答品を配達したり郵便での通知をしたりするための住所情報と、主に後述する通知手段において贈答品の受領権が追加された際にその旨を即座に通知するために用いるメールアドレスや携帯電話番号、SNSのIDなどのアドレス情報とを含むことが望ましい。この連絡先情報がユーザIDを兼ねたメールアドレスでもよい。
【0033】
また、ユーザデータベース11には、個々のユーザの性別、年齢、生年月日、血液型、現在及び過去の住所、電話番号、過去の贈答履歴(贈り側、受け取り側又はその両方)、過去の商品ページの閲覧履歴などが含まれていると望ましい。さらに、任意の入力として、誕生日や結婚日、その他記念日などのユーザにとって意味のある大切な日などを年単位まで含めて、登録可能であると好ましい。また、ユーザの家族もユーザになった場合、共有する記念日と共有しない記念日とを設定できるように、レコード単位だけでなくセル単位で拡張登録できるとよい。いずれも好適な商品を提示するために有益な情報となる。これらは単一のテーブルであってもよいが、用途や内容ごとに別個のテーブルが関連付けられる形式でもよい。
【0034】
さらに、ユーザデータベース11には、当該ユーザの人間関係情報を有していると好ましい。この人間関係情報としては、家族、親戚、友人、学校関係、仕事関係、近所付き合いその他の、当該ユーザとの間で贈答品のやり取りが想定されうる人間との関係が挙げられる。関係先となる人間についても、上記ユーザとして登録しておくことが望ましい。この人間関係情報としては、続柄を含む当該ユーザとの人間関係の属性、過去にやり取りした贈答品(返礼を含む)の商品及び属性の履歴、過去にやり取りした金銭の授受、過去に共同で参加した冠婚葬祭等のイベント等の情報が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
ユーザデータベース11の情報を基本として、贈答が発生したときの依頼人の処理に関する依頼人データベース11a、贈答が発生したときの受取人の処理に関する受取人データベース11bが、ユーザデータベース11の中に内包されていてもよいし、別途関連付けられていてもよい。
【0036】
贈答品AI提案推奨装置10は、装置の運用者もしくはサービスの提供者、又はそれらと契約した業者(以下、「運用者」としてまとめる。)によって、贈答品として実際に贈ることが可能な商品についての商品データベース13を有する。個々の商品は後述する重みネットワークパラメータ15で関連性を判断できるように、個々の商品を識別できる商品IDとともに、値段や用途、商品のジャンル、色、その他の情報を有していると好ましい。
【0037】
贈答品AI提案推奨装置10は、ユーザごとに、贈答品の受領権を変更可能に登録する受取品データベース12を有する。この受領権とは、贈答品AI提案推奨装置10の運用者からユーザが実際に贈答品を受領することができる権利であり、基本的には他のユーザ(依頼人)によってその贈答品を当該ユーザ(受取人)へ贈るシステム上の処理が為されて登録される。この受領権は、システムが直ちに処理して贈答品を配送するキューとなっているのではなく、一定期間を設けるなど受取人による配送を希望する処理が行われるまでは保留されうる。また、後述するように、この受領権は、個々の贈答品ごとに別のユーザに移行させたり、ポイントに変換して消滅させたりすることができる。
【0038】
さらに贈答品AI提案推奨装置10は、上記の商品データベース13に登録された商品について、個々の商品同士の関係を含む更新可能な重み空間を有する重みネットワークパラメータ15を有する。この重みネットワークパラメータ15は、ユーザが贈答品及び贈答の派生として扱おうとする商品を選択しようとする際に、その選択しようとする状況についての変数を入力されて、好適なものとして提示する商品を出力させることができるものである。商品同士の関係だけでなく、後述する様々な要素を含んで、それぞれのケースにおいてより好適な商品を提示できるものであると望ましい。
【0039】
贈答品AI提案推奨装置10は、ユーザが依頼人として贈答品を選択するとき、ユーザが受取人として贈答品に対する返礼の贈答品(返礼品)を選択するとき、ユーザが受取人として贈答品を受領するときにさらに付加すると好適な商品(関連商品)を選択・受領するとき、その他ユーザに対して商品を提示する際に、上記の重みネットワークパラメータ15にそれらの贈答品のやり取りに関係する種々の要素や属性を入力し、その結果として出力される商品を、好適なものとして提示する商品提案手段21を実行する。この実施形態例については後述する。
【0040】
贈答品AI提案推奨装置10は、端末から指示された、依頼人指定の受取人が指定した商品について贈答品の受領権を、受取品データベース12における当該受取人のレコードに登録する贈答品登録手段22を実行する。基本的には受取人へ贈答品を贈りたい依頼人端末31により、当該商品の贈答について決済がされることで登録がされるが、依頼人の依頼を受けた運用者が管理する端末によって指示が入力されてもよい。また、後述する受領権交換機能の場合は、2名の受取人が相互に相手を指定して交換するように、双方が有する受領権が一方に登録され、他方で削除される。従来の贈答システムであればこの受領権はそのまま上記運用者によって実際に配達を行うことになるが、この発明にかかる贈答品AI提案推奨装置10においては、受取人端末32から最終的な受取の許可を受けるまでは贈答品を受領する権利を受取人が有し、実際の商品が確定するまで、配送されない。
【0041】
贈答品AI提案推奨装置10は、受取品データベース12の受取人のレコードに新たな贈答品を受領する受領権が追加された際に、ユーザデータベース11に予め登録された当該受取人の上記連絡先情報を用いて当該受取人に対して通知する通知手段23を実行する。この通知により、受取人は通知を受けた贈答品をすぐに実際に受領するか、保留するか、後述するポイントに変換、又は他の贈答品との交換を行うか、又は第三者に転送するかを判断できる。また、受領する場合には、その商品とともに追加で受領することが好適な商品が上記の商品提案手段21によって提示される。
【0042】
贈答品AI提案推奨装置10は、上記受取人からの上記贈答品の受領、他の商品と交換して受領、第三者へ転送、又は保留するかの指示を受けて、配送を実行、又は配送の指示がない場合(受領権の保留)には、当該商品受領権を受取品データベースの当該受取人レコードに記録する権利保留処理手段24を実行する。処理上は特にテーブルのデータを変更しなくてもよいが、保留状態及び受領権交換・受領権転送を管理可能であるとよい。贈答品である商品の配送を行う商品提供者に対して、当面のキャンセルを通知することで、無駄な配送が発生することを抑制できる。
【0043】
贈答品AI提案推奨装置10は、通知された贈答品を金銭価値に換算して上記受取人が利用可能なポイントとして登録するポイント変換手段25を実行可能であるとよい。このポイントはユーザデータベース11又は他のデータベースにおいて、贈答品AI提案推奨装置10が提供するサービスそのもの、又は運用者が運用する贈答品受付サイトや通信販売サイトにおいて金銭の代わりに利用できる数値として登録されるものである。
【0044】
贈答品AI提案推奨装置10は、受取人となりうるユーザによる、依頼人となりうるユーザを指定して、贈答を希望する商品の指定を受け付ける希望商品登録手段26と、それにより登録される特定個人希望商品データベース17を有するとよい。この指定された商品は、当該依頼人が当該受取人への贈答品を検討する際に、推奨される商品として重みネットワークパラメータ15による出力と併せて、又はそのネットワークへの入力として用いることで、依頼人にとって外れのない選択が可能となる。また、希望としては受取を希望する商品だけでなく、受取を希望しない、すなわち嫌いな又は不要な商品についても、除外用のデータとして登録可能であると望ましい。いわば、個々人を指定した、欲しいものリストと要らないものリストとなる。
【0045】
贈答品AI提案推奨装置10は、実際に配送を行うことになった商品について、商品提供者の端末34に対して通知を行う商品提供者通知手段28を有するとよい。この発明にかかる贈答品AI提案推奨装置10では、依頼人端末31からの通知によって即座に商品提供者に配送を依頼するのではなく、受取人に対して確認し、必要に応じて商品提供者通知手段28を実行することになる。
【0046】
贈答品AI提案推奨装置10は、受取品データベース12におけるそれぞれのユーザのレコードに登録されたこの贈答品の受領権を、個々の贈答品ごとに別のユーザのレコードに移行させる受領権交換手段27を有するとよい。これがユーザ間で相互に行われる場合には受領権交換となる。また、贈答品AI提案推奨装置10の運用者に対して、この受領権を単独で消滅させ、サービスにおいて金銭代替として使用可能なポイントに変換することができてもよい。さらに、当該受領権を第三者に転送(譲渡)することができてもよい(受領権転送手段29)。
【0047】
贈答品AI提案推奨装置10は、これらの手段の実行に必要な指示を受け付けるため、依頼人端末31、受取人端末32、又は運用者が利用する運用者端末33からのHTTP又はそれに類するアクセスに対して、入力機能を備えたwebページを送信し、そのwebページからの入力を受け付けるwebサーバ手段20を有していると好ましい。
【0048】
<実施形態1:返礼商品の推奨>
次に、この発明にかかる贈答品AI提案推奨装置10を用いた、具体的なサービス実施形態について説明する。第一の実施形態として、返礼商品の提案・推奨(レコメンド)機能について
図2とともに説明する。贈答品AI提案推奨装置10は依頼人端末31に対して重みネットワークパラメータ15による出力を利用した贈答商品の提案を行う(S101)。具体的には、商品選択用webページにおける表示や、メール又はSNSなどにおける通知における掲載である。このとき重みネットワークパラメータ15に入力して参照するデータとしては、贈答の用途、日付(季節)、その用途や日付に対応した贈答商品のカテゴリ、価格、受取人の年齢、性別、居住地域、依頼人と受取人との関係、受取人が特定個人希望商品データベース17に登録させた商品リスト、贈答品AI提案推奨装置10の運用者と提携する商品提供者からのお奨め商品情報などを利用することができる。
【0049】
依頼人は提案された商品を閲覧した上で、贈答品を指定し、受取人への贈答品の贈与となる決済を行う(S102)。これにより、贈答品登録手段22は贈答品の受領権を受取品データベース12の当該受取人レコードに追加登録する。次に通知手段23が受取人端末32に通知を行う(S103)。この際に、商品提案手段21により、受取人端末32に、受取人から依頼人への返礼商品の提案を行う(S104)。受取人は端末に表示された商品を第一印象として返礼品の検討を行い、指定する(S105)。
【0050】
この(S104)ときに商品提案手段21が重みネットワークパラメータ15への入力として、又は直接に参照するデータとしては、例えば次のものが挙げられる。元の依頼人からの贈答の用途、日付(季節)、元の依頼人からの贈答商品のカテゴリ、元の贈答品の価格、依頼人(すなわち返礼品の受取人)の年齢、性別、居住地域、元の贈答品の依頼人と受取人との関係、依頼人の特定個人希望商品データベース17における欲しいものと要らないもののリスト、返礼についての風習情報、商品提供者からのお奨め商品情報などが挙げられる。
【0051】
これらの返礼商品の提案は、受取人が当該贈答品をどのように扱うか(受領、交換、転送、保留)に関係なく推奨できる。受取人に贈答品のお知らせメールの中で返礼商品の推奨サイトを案内できれば、返礼を行う機会が増えることが期待できる。例えば結婚式や誕生日に依頼人から受け取った際に同時に贈答品AI提案推奨装置10を用いたシステム(サービス)では、S105として次の(1)~(4)のような特徴を持つサービスが可能となる。(1)返礼を行なう事ができる。(2)その贈答品の価値の範囲で返礼を行なう事ができるため、受取人は自分でお金を払う、もしくは、支払わずに依頼人に返礼することもできる。(3)返礼率の設定により、受取人は、3千円、5千円などの商品を選ぶことで返礼することができる他、贈答商品から返礼商品の価値を差し引いた差額商品を受領することもできる特徴をもつ。返礼商品、差額商品はどちらを先に選択しても、それぞれの価値商品の選択表示から選択が可能である。(4)このシステムでは瞬時に返礼ができるほか、受取人が自ら支払いを行なわないですむことから、返礼するための商品を他に探しに行くなどの煩わしい手間が減り、返礼の慣習化が希薄になるなかで、返礼機会の増加が期待できる特徴あるサービスとなる。
【0052】
例えば、依頼人から仏事や結婚のお祝いが贈られてきたら、受取人には、瞬時に1/3~半額ぐらいの何かしらの返礼(お返し)商品が推奨され選択できる。このとき、その贈られた商品(例えば1万円相当額)を仮想的に受け取って、5千円の商品を返礼し、残額の5千円で別の商品を自分が受領する、又は第三者へ転送することが可能である。
【0053】
受取人は、依頼人から贈られてきた贈答品をそのまま受領、又は交換せずに、おすそわけや、お福分けのように近親者や他人に其の商品又は交換品を転送(再贈答)することができる。受取人の意思でその贈られた商品(例えば1万円相当額)の半額の5千円相当の商品を受け取って、残りの5千円の商品を転送することが可能である。なお、この転送機能は、システムの仕組み上、受領権を第三者に転送する「受領権転送」として実現されるが、贈答品をそのまま第三者に転送する「贈答品転送」と全く同じ原理で動作する。(
図1の受領権転送手段が贈答品転送手段と「=」で結んでいるのはこのためである。)
【0054】
なお、指定された返礼品を元の依頼人(返礼品の受取人)が受領するか否かについては、上記の通知手段23による通知が元の依頼人にされ、元の依頼人は、受領、贈答品交換、贈答品転送、保留、又はポイント変換するかといった選択肢から選ぶことができる。ただし、返礼に対するさらなる返礼は考えにくいため、返礼品の通知にあたっては、返礼品の提案は行わなくてよい。
【0055】
<実施形態2:関連商品の提案>
次に、この発明にかかる贈答品AI提案推奨装置10を用いた、第二の実施形態として、関連商品の推奨機能について、
図3とともに説明する。依頼人端末31への贈答商品の提案・推奨(S121)と、それに応じた贈答品の指定・決済(S122)は上記第一の実施形態のS101,S102と同じである。次に、通知手段23が受取人端末32に通知を行う際に(S123)、商品提案手段21により、受取人端末32に、当該贈答商品とともに受領することで価値が高まる関連商品の提案を行う(S124)。受取人は端末に表示された商品を第一印象として関連商品追加購入の検討を行い、指定する(S125)。運用者は贈答商品とともに、指定された関連商品を受取人へ配送する(S126)ように手配する。
【0056】
この(S124)ときに商品提案手段21が重みネットワークパラメータ15への入力として、又は直接に参照するデータとしては、例えば次のものが挙げられる。元の依頼人からの贈答の用途、日付(季節)、元の依頼人からの贈答商品のカテゴリ、価格、受取人の年齢、性別、居住地域、受取人との関係、受取人の特定個人希望商品データベース17における欲しいものと要らないもののリスト、商品提供者からのお奨め商品情報などが挙げられる。いわば、このような関連商品としては、贈答品AI提案推奨装置10が当初(S101,S121)依頼人に贈答商品を推奨するときと同じ情報を基に推奨することができる。また、提案・推奨する内容は依頼人が選択した情報を基に提案する方法と、受取人の要望や重み付けから分析提案することもできる。
【0057】
上記関連商品を提案する際の重みネットワークパラメータ15への入力は、受取人の個人情報、贈答品の属性情報、贈答イベントの情報、受取人の受領履歴や贈答品そのものの受領履歴(人気度)による加減により重み付けを変えるとよい。加減と言うこの重み付けは、下記項目に沿ったルール(ルールベース)の結果、購入履歴などから統計的カウンタとしての増減、および、購入履歴自体の重要度が機械学習的に増減されることで、提案内容が変化する。
【0058】
1、依頼人からの「商品」の重み付けの場合と、同一や類似比較の場合
<1>入口(訪問、興味度のクリックなど)の回数による重み付け
<2>出口(応募、申し込み、依頼・成約、離脱など)の件数による重み付け
<3>入口、出口の間の閲覧操作などの依頼人、受取人が操作した結果による重み付け
2、商品提供者からの「イベント用途&プロモーションキーワード」の重み付け
3、依頼人からの「季節・時期」と商品の需要との組み合わせによる重み付け
4、システムが計算した「購入、受け取り、転送などの単価及び、単価の加算合計金額による重み付け
5、受取人からの「希望する希望商品や商品ジャンルや商品」の重み付け
<1>入口(訪問、興味度のクリックなど)の回数による重み付け
<2>出口(応募、申し込み、受け取り・転送、離脱など)の件数による重み付け
<3>入口、出口の間の閲覧操作などの依頼人、受取人が操作した結果による重み付け
6、商品提供者が利益率確保のために、仕入れと売値を差し引いた利益額(率)の値に対する重み付け
7、依頼人、受取人、商品提供者の各加算組み合わせ合計
8、「父親、母親、姉、妹、兄、弟、叔父、叔母、恋人など近親者」の特定分野からなる
関係性から合算した重み付け
9、各種商品情報、個人情報、属性情報(性別、年齢、地域、季節、趣味、嗜好など)のそれぞれの項目ごとに値を与え、項目と項目の要素からの合計による重み付け
10、出産、成長、卒業、就職、結婚、結婚20周年などの類推するイベントに加算することによる消費予測。これらからの分析提案も前記の加減に加えた特徴となるものである。これは特定個人希望商品データベース17で実現される「おねだり」をする機能に対応し、父親、母親、姉、妹、兄、弟、叔父、叔母、恋人などの特定した人ごとに異なるおねだりができる。
11、
図6(a)(b)(c)のとおり、複数のグループを定義し、それらの分けられたグループ内における重みを分析する。例えば、(a)の重複や関連性のある重みや、父母、兄弟姉妹、祖父母、孫、叔父、叔母(b)のような親族同士のシステム上の対話(クリック回数、成約件数など)の関係性における重み付けなど。更には、過去に選択した希望商品(c)との関連付けを加算し重み付けしてもよい。
【0059】
なお、各重み付けは、それぞれが持つ自然な数値で表す。
【0060】
上記のように各商品について、様々な角度から見た重み付けを行ったら、次は、各重みにおける平均と標準偏差を求めて標準化することになる。各重みの標準化が終了すれば、各商品における「重み空間」が定義できることになる。この重み空間における各重みを特徴量とした提案・推奨関数を定義し、この計算結果を評価(実際の依頼人による贈答品選択結果、及び、受取人による贈答品処理結果を教師データとする)して提案・推奨関数へのフィードバックを行えば、機械学習(つまり、AIによる方法)的、(半)自動的に改善を重ねることができるようになる。
【0061】
重みの標準化は
図4に示すように行われる。商品ごと(図中の×印)に決定されたそれぞれの重みの大小は、入力によって値が大きく変わるため、個々の値だけで比較することが難しく、それぞれの値が標準偏差においてどの程度の優先度であるかを図るには標準化しておくことが望ましい。
【0062】
重み空間は
図5に示すようなレーダーチャートによって表される。なお、パラメータの個数・値を仮に6としているが、実際にはさらに多数である。ここでは商品Aの重み空間と、標準化された重み値との対応を示す。商品の重み空間における各値を特徴量 xとして、提案・推奨関数 R を定義する。Rは次式(1)の通りとなる。
R = Σw[k]・x[k] ……(1)
ここで、w[k] は、Rにおける「重み」を表す(前記の「重み空間」における値は、上記関数においては、x[k]で表される入力データ(つまり特徴量)となる。)。機械学習により、w[k] を最適化することができる。この最適化をする際の教師データとしては、評価(すなわち、実際に購入・受領したかどうか)をフィードバックすることが挙げられる。
【0063】
このような最適化を繰り返していくことで、当初の贈答商品とともに購入されやすい関連商品が好適になっていき、同時に購入率を向上させていくことができる。
【0064】
<実施形態3:おねだり機能>
次に、この発明にかかる贈答品AI提案推奨装置10を用いた、第三の実施形態として、関連商品の推奨機能について、
図6~
図7のとおり、ユーザ同士の関係の例を
図6(a)(b)に示す。ユーザを一つ又は複数のグループに分けて、それらのグループ同士の関係として定義してもよい(
図6(a))。また、父母、兄弟姉妹、祖父母、孫、叔父叔母のような親族同士の関係性を登録するとともに、これらの家族を一つのグループとして定義してもよい(
図6(b))。また、それぞれのグループに対して、希望する商品を関連付けてもよい(
図6(c))。
【0065】
このような関係性を活かしたおねだり機能の概念図を
図7に示す。プレゼントを期待する将来の受取人は、希望商品登録手段26により、ユーザである関係者を指定してそれぞれに希望する商品を指定する。贈ってもらいたい人(将来の依頼人)に対する勧誘は、贈答品AI提案推奨装置10のシステムが通知手段23によって行い、受取人から直接ねだるようなことを避ける。近親者でも、兄、父、母、姉妹などでは関係が異なること、また、贈答イベント毎におねだりする商品も異なるため、関係性の識別からおねだりする商品を提案・推奨することも特徴である。
【0066】
上記においても、商品ごとに、人間関係(=社会的距離)に応じた「おねだり度」を数値で設定し、さらに、閲覧・検索回数、おねだり商品として選んだ・実際に買ってもらった回数、商品提供者による重み付け、季節商品かどうか、受取人の希望、価格(利益額)を「おねだり」における重みとして定義・設定しておく。その重み付けの内容は、上記の実施形態と基本的な構成は同じであり、要素が異なる。
【0067】
すなわち、<1>各「おねだり重み」の標準化、<2>各商品の「おねだり重み」空間の定義、<3>各商品の「おねだり重み」(y[k])を特徴量としておねだり関数(Q)を定義、という構成となる。Qは次式(2)の通りとなる。
Q = Σv[k]・y[k] ……(2)
ここで v[k] は、Qにおける「重み」を表す(前記の「おねだり重み」の値は、y[k]で表される入力データ(特徴量)となる。)。
【0068】
また、評価をフィードバックして、v[k] を最適化する。ここで評価(教師データ)とは、実際におねだり対象商品として選んだかどうか、おねだり相手がそれを買ってあげたかどうかが大きく作用する。なお、上記でv[k] の一部は、上記式(1)のx[k] と同じ値になってもよいが、QとRは、全く異なる関数となる。RとQにおけるw[k]とv[k]との初期値は、管理者や商品提供者の手動による設定値を想定している。また、RとQの機械学習によるフィードバックは、統計的に十分なデータが得られてから実施するので、最初のうちは、上記の手動設定値により得られた関数R、Qに基づいて、提案あるいはおねだりにふさわしい商品を算定することになる。
【0069】
この発明にかかる贈答品分析装置の第三の実施形態は、上記の人間関係を含むユーザデータベース11や特定個人希望商品データベース17,さらにそれらの結果として得られる履歴データベース16などを用いて次のような応用ができる。
【0070】
第一の応用形態として、コンピュータ装置(以下PC、サーバ、スマートホン、デバイスなどをいう)を用いて、依頼人や受取人などが行なう補助情報のデータ(贈答品、贈答額、贈答日時、贈答用途、関係性、メモ書きなど)を含むギフトイベント管理を行なう分析提案管理システムが挙げられる。
【0071】
第二の応用形態として、「依頼人」が「近親者」に呼びかけ授受する対話と対話者間でメモ書き登録した「補助情報」、「依頼人情報」、「近親者情報」(親戚や親族以外の友人、知人、上司、部下など)のそれぞれ及び関係性の分析が可能となる。
【0072】
第三の応用形態として、上記第二の応用形態の結果と商品購買履歴、問い合わせ履歴、サポート履歴、トランザクション及び、依頼人が近親者へ呼びかけその近親者から得たメモ書情報から分析し推奨する分析提案管理システムが挙げられる。
【0073】
第四の応用形態として、「依頼人」、「受取人」、「商品提供者」間における商品価値やポイント及び、祝儀袋に包んで祝儀袋などのお金で渡す金額などの「金銭祝儀や弔事金など」の贈答品の金額のメモ書きなどの「依頼人」や近親者がメモ書きをしたメモに関する補助情報(依頼人と近親者とが対話授受し、記憶された情報)からの重み付けや、アクセスや成約回数から頻度で上位や逆の人へのリマインド推奨による近親関係の距離作成と分析提案管理システムが挙げられる。
【0074】
第五の応用形態として、上記第二の応用形態における、近親者との対話から記憶したメモ書き情報に加え、ログデータ、履歴情報などから「商品提供者」や「広告配信者」が販売促進するために、「商品提供者、広告主、参加業者」とのコンピュータ装置とのデータ連携を可能とした分析提案管理システムが挙げられる。
【0075】
第六の応用形態として、上記第二、第三の応用形態におけるデータから分析提案する具体的商品と、広告内容を、商品提供者、広告主、参加業者、依頼主、近親者に送信可能とした分析提案管理システムが挙げられる。
【0076】
第七の応用形態として、分析結果から、具体的な商品を掲示させ推奨する手法と、商品化計画(詰め合わせや、品質、味、色、価格、形状変更など)を行なうことを可能とした分析提案管理システムが挙げられる。
【0077】
第八の応用形態として、購買履歴から残在庫など自動発注指示などを行なうために、受注、仕入、販売管理システムなどからデータをインポートし、追加設定し分析可能とした分析提案管理システムが挙げられる。
【0078】
これらの応用形態において、例えば、商品においては、受取人の個人情報、贈答品の属性情報(性別・年齢・世代・収入・職業・家族構成・地域・趣味・嗜好)、贈答イベントの情報、受取人の受領履歴や贈答品そのものの受領履歴(人気度)による加点により重み付けを変えることができる。この重み付けの結果、贈答商品(A)と関連商品(1、2、3)の組み合わせはAと1、Aと2、Aと3などと変化する。
【0079】
具体的には、人間関係、つまり、家族(父親、母親、姉妹、兄弟)、親戚関係(祖父、祖母、叔父、叔母、甥、姪など)、友人関係(同期、後輩、先輩など)、会社関係(上司、部下、取引先など)、恋愛関係(恋人)に至るあらゆる関係を定義した、依頼人と受取人の関係情報、依頼人や受取人の個人情報、および商品属性情報により商品ごとに重み空間情報の設定・分析を行い、重み情報の加減によって商品の提案・推奨順序を最適化する方式となる。
【0080】
上記依頼人と受取人の関係などをベースとして更に、知的な処理分析を用いて、2者、又は3者の対話分析により「依頼人」、「受取人」、「商品提供者」から発する関係性の重み空間における「商品分析」は、別途商品と個人と個人の属性情報更には複合情報が加わることによりその重みが変化する。更にイベントなどの自動や手動により変化が発生し重みがより好適な提案・推奨順序を最適化し、これらの項目毎の接点を空間として表現するとその接点は広範囲となり、的確なものとなる。関係性の重みにて表示順を変え、イベントに準じた販促推奨や商品内容が変わる分析提案管理システムを構築することが出来る。
【0081】
イベント情報によるロジックは、例えば、出産という購入履歴から次期類推予測する「成長、卒業、就職、結婚、結婚20周年など」のイベントや、出産から3,5,7年目で類推するイベントとして「七五三」があるので、七五三が加点され、七五三グループに属する商品が上記記載の分析結果に基づき表示推奨され、広告にて販促推奨され、受取人のニーズにマッチした贈答推奨やお祝いの誘いを近親者に行うなどが実現する。
【0082】
これらのイベント予測から分析提案するデータベース上の類推推奨するアルゴリズムは、購買履歴からと、直接依頼人が入力した確定イベント日時からも推奨することを特徴とする。
【0083】
受取人からのおねだり機能としては、父親、母親、姉、妹、兄、弟、叔父、叔母、恋人、友人などの特定した「依頼人と受取人」の関係性を判別する、異なる人毎におねだりができる。例えば、20代の女性の購買履歴の嗜好性分析を行なう例として、成人式を迎える女性がおねだり商品の一般的なトレンドから探し、時計などの宝飾品類のおねだり商品が依頼人である親から見て派手過ぎないか、地味すぎないか、一般的な社会通念からの金額、商品ジャンルや商品を、平均お祝い金額と比較検討可能とする。
【0084】
この発明にかかる贈答品AI提案推奨装置10及びその応用形態となるシステム、サービスは、「商品提供者」が「依頼人」となる消費者に提供する、商品提供者と消費者間における双方に対するサービスのシステムを実現できる。ユーザデータベース11に関する顧客情報、商品データベース13に関する商品情報、商品を購入した際に履歴データベース16に記録される属性情報(「依頼人」の贈答目的イベント)を含む履歴情報などから分析提案され、重みネットワークパラメータ15の内容が更新されて、関係性が適切に維持される。重みネットワークパラメータ15にこれらの属性を組み合わせた設定により、商品提案表示や販促企画による販促や施策を通知手段23がメール配信やマイページの掲載などにて実施する。また、ECサイトへのアクセスや運用者と提携した店頭への訪問時についてもユーザデータベース11又は履歴データベース16にデータを蓄積して、それらを個別の情報として重みネットワークパラメータ15に入力可能にしておくと、そのようなユーザのネットワーク上又は物理上の履歴に対応して、キャンペーンや推奨画面が依頼人毎に識別管理される。主には「依頼人」の属性として、記憶された情報をベースに分析や推奨などを行ない、消費や販売を促進させ、売買などの成約率を高めることを目的とすることができる。具体的には、
図5にある「x1~x6」は、例えば、「依頼人」と「受取人」の社会的距離が近い(近親者、友人)、又は遠い(会社の上司、取引先)ことによる当該商品の推奨度合を表すものであるが、これらの値は商品提供者により設定変更可能とする。
【0085】
従来の単純な依頼人情報からの分析は、一般の提案機能として多数見受けられる。これに対して、この応用実施形態における贈答品AI提案推奨装置10は、その提案について重みネットワークパラメータ15を介して動的に行うだけでなく、受取人からの逆引きによる重み付けベースによる分析提案を行う、上記記載のおねだり機能をも有している。なお、webマーケティングにおいては、その商品の選択回数、購入数、サイトのクリック数や離脱数、などの一般的な分析値は、ブラウザーインターフェースの連携を行えば取得することができる。
【0086】
重みネットワークパラメータ15の初期の重み付けは任意による設定で行うが、機械学習の手法により、提案・推奨関数における係数は変化していくため、いつも同じものを提案することが無く、陳腐化することが無い他、一人別に配信されるため、自分と近親者に関係した推奨だけが適時届く。
【0087】
この重みネットワークパラメータ15のトレーニングは、一般的なルールベースと機械学習による「知的な処理」をベースとする提案・推奨、つまり、グループ化と重み付けなどの設定をベースとした分析提案方法と結果をフィードバックすることによる知的処理を加えた提案・推奨をすることにより「依頼人」、「受取人」への一人別に提案・推奨を可能とする。
【0088】
上記のように各商品について、様々な角度から見た重み付けを行ったら、次は、各重みにおける平均と標準偏差を求めて標準化することになる。これらの重みネットワークパラメータ15のトレーニングや設定は「おねだり」機能の有無以外は他の実施形態でも同様である。各重みの標準化が終了すれば、各商品における「重み空間」が定義できることになる。この重み空間における各重みを特徴量とした提案・推奨関数を定義し、この計算結果を評価して提案・推奨関数へのフィードバックを行えば、機械学習(つまり、AIによる方法)的に(半)自動的に改善を重ねることができるようになる。
【0089】
この第三の実施形態においては、商品ごとに、人間関係(=社会的距離)に応じた「おねだり度」を数値で設定し、さらに、閲覧・検索回数、おねだり商品として選んだ・実際に買ってもらった回数、商品提供者による重み付け、季節商品かどうか、受取人の希望、価格(利益額)を「おねだり」における重みとして定義・設定しておく。その後は、上記と同じ流れとなる。すなわち、<1>各「おねだり重み」の標準化,<2>各商品の「おねだり重み」空間の定義,<3>各商品の「おねだり重み」(y[k])を特徴量として「おねだり関数(Q)」を定義,となる。Qは上記式(2)の通りである。さらにその後に、<4>評価(実際におねだり対象商品として選んだかどうか、おねだり相手がそれを買ってあげたかどうか)をフィードバック(教師データと)してv[k] を最適化する工程が追加される。
【0090】
なお、上記式でv[k] の一部は、x[k]と同じ値になってもよいが、QとRは、全く異なる関数となる。R及びQにおけるw[k]及びv[k]の初期値は、管理者や商品提供者の手動による設定値を想定している。一方、R及びQの機械学習によるフィードバックは、統計的に十分なデータが得られてから実施するので、最初のうちは、上記の手動設定値により得られた関数R又はQに基づいて、提案あるいはおねだりにふさわしい商品が算定される。
【0091】
<実施形態4:権利保留処理(受領権保留)機能>
次にこの発明にかかる贈答品AI提案推奨装置10を用いた、第四の実施形態として、権利保留処理(受領権保留)機能について、
図8の概念図とともに説明する。贈答品AI提案推奨装置10は、第一及び第二の実施形態と同様に依頼人端末31に提案し(S141)、贈答品の指定と決済を受けて(S142)、贈答品の登録を受取人端末32に通知する(S143)。受け取った受取人は、受取人が贈答品を受領することを選択した後、実際に配達されるのを保留して当該商品を受領する権利(商品受領権)のみを保持する旨を通知する(S144)。これを受けた贈答品AI提案推奨装置10は、実際の配送を保留させる権利保留処理手段24を実行する。処理上は、注文を受けて、受取品データベース12における受取人のレコードに、当該贈答品を登録して保留とする。この段階では商品提供者や配送業者による実際の配送処理は発生しない。ただし、実際に商品が欠品になると後日の配送ができなくなるため、商品提供者端末34に対して、注文自体は受けるものの、贈答依頼人の贈答品の配送は保留する商品提供者通知手段28を実行する(S145)。これにより商品提供者は、即座の納品は必要としないが、注文は成約し、受けた状態としてカウントしておくことができる。なお、受取人端末32から保留の解除の通知を受けたら、受取品データベース12の当該受取人のレコードに当該贈答品が存在していることを確認した上で、商品提供者端末34に対して実際の配送を要求するように商品提供者通知手段28を実行する(S146)。これにより、受取人は、商品受領権を有する限り、いつでも受取人の意思にて当該商品を受領することができる。
【0092】
<実施形態4-2:贈答品交換>
実施形態4のさらなる応用形態について
図9の概念図とともに説明する。すなわち、受け取った商品について(S151~S153)、受け取りを保留するだけでなく、その保留した受領権について、商品提供者が提供する他の商品の受領権と交換可能とする。受け取った受取人は、将来的にもその贈答品を受領するつもりが無い場合、他の商品と交換する贈答品交換を求める旨を通知する(S154)。この通知を受けた贈答品AI提案推奨装置10は商品提供者に通知するとともに(S155)、贈答品交換手段30が、現在受領権を有する商品との交換ができる交換商品を、提案・推奨する(S156)。受取人は、受取人端末32から、交換商品を選択、決定する(S157)。これを受け取った贈答品AI提案推奨装置10は、商品提供者端末34に発送の要求を行う(S158)。
【0093】
上記の贈答品交換においては、贈答品AI提案推奨装置10が商品提供者端末34からの入力情報に従って提案・推奨する交換商品は、
図9に示すとおり、A社1社でなくてもよく、B、C社などの複数の商品提供社(者)からの商品掲載が可能である。この場合、依頼人が選定した商品ではなく、受取人が選定した交換商品の配送が行なわれることになり、依頼人の決済代金から商品提供者端末34を提供した販売(再販)会社への販売手数料や実際に受取人が選定した商品提供者への商品代金などを精算することができる。
【0094】
<実施形態5:受領権交換・転送機能>
次にこの発明にかかる贈答品AI提案推奨装置10を用いた、第五の実施形態として、受領権交換・転送機能について、
図10の概念図とともに説明する。贈答品AI提案推奨装置10は、第一及び第二の実施形態と同様に依頼人端末31に提案し(S161)、贈答品の指定と決済を受けて(S162)、贈答品の登録を受取人端末32に通知する(S163)。ここまでは他の実施形態と同一である。通知を受け取った依頼人(
図10のA)が、その贈答品の受取を不要と判断したら、上記の第四の実施形態において権利保留処理手段24にて受取品データベース12に当該受領権を登録した状態で、その贈答品を他のユーザと交換(受領権交換)する旨の提案を行う(S164)。贈答品AI提案推奨装置10は、この交換に供された受領権同士のマッチングや交換の仲介を行い、ユーザ間で交換が同意に至ったら、受取品データベース12におけるレコードを交換する。このレコードの交換の例を
図10(b)(c)に示す。ユーザAがパソコンVについての受領権を有してそれを交換に出すことを提案しており、ユーザBがバッグHについての贈答品を受ける権利を有してそれを交換に出すことを提案している。検索やユーザデータベース11における各ユーザの情報を元にした重みネットワークパラメータ15による出力などによってこれらをマッチングさせ、成立したら
図10(b)の交換前の状態から
図10(c)の交換後の状態へ、受領権のレコードが交換される。この段階では商品提供者から実際の商品が配送されていないため、交換に供されるのは受領権同士であり、交換後に双方が商品提供者から受領することができる贈答品は新品となる。これにより、従来の物々交換サービスでは新古品又は中古品としての交換に留まっていた点を解決し、交換後のユーザにとって新品で入手できるというメリットが生じる。さらに、ポイントなどに変換した場合と違って、商品受領権を保持している人にとっての価値判断により交換が行われるので、金銭的価値を超えた交換が成立する。
【0095】
<実施形態5-2:再贈答>
また、さらなる応用形態を
図11の概念図とともに説明する。受取人が贈答品の受領権を得た通知の直後や、受取人が受領権保留を行った後、又は
図10の受領権交換を行った後で、当該受領権をおすそわけや、お福分けのように近親者や他人に転送(再贈答)することができる。受領権転送手段29は、受取人端末32から、指定された商品(ここではバッグH)の受領権について、指定されたユーザCへの受領権の転送を指示されると(S171)、
図11(b)から
図11(c)のように、バッグHについての受領権のレコードを移動させる。通知手段23は転送を受けるユーザCの端末(再贈答受取人端末35)へ、転送が来た旨の通知を行う(S172)。通知を受け取ったユーザCは、ユーザBに受け取った旨の通知を行う(S173)。実際には、S173は贈答品AI提案推奨装置10を経由した通知である。また、この再贈答の際の受取人であるユーザCも、同様に受領権交換することもできる。
【0096】
<応用形態:保留・交換・転送>
上記の第四、第五の実施形態において、保留・交換・転送される「権利」は、
図10,11(b)(c)に示すような品物まで具体化した受領権(商品IDと個数)だけでなく、品物を換金したポイントとしての贈答品操作権(受領するだけでなく送付もできる)として管理されてもよい。この権利やポイントが移動することで実装される。そのポイントは受取品データベース12に紐付いてもよいし、ユーザデータベース11に紐付けられても良い。
【符号の説明】
【0097】
10 贈答品AI提案推奨装置
11 ユーザデータベース
11a 依頼人データベース
11b 受取人データベース
12 受取品データベース
13 商品データベース
15 重みネットワークパラメータ
16 履歴データベース
17 特定個人希望商品データベース
20 webサーバ手段
21 商品提案手段
22 贈答品登録手段
23 通知手段
24 権利保留処理手段
25 ポイント変換手段
26 希望商品登録手段
27 受領権交換手段
28 商品提供者通知手段
29 受領権転送手段
30 贈答品交換手段
31 依頼人端末
32 受取人端末
33 運用者端末
34 商品提供者端末
35 再贈答受取人端末