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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】ステージボックス
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/10 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
A47F5/10 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018020105
(22)【出願日】2018-02-07
(65)【公開番号】P2019136182
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】特許業務法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 真一
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-144282(JP,A)
【文献】登録実用新案第3166340(JP,U)
【文献】特開2004-010128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 3/00- 5/10
B65D19/00-19/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板に相当する第1板状体と、
底板に相当する第2板状体と、
該第1板状体と該第2板状体間に位置する4つの大側板が連続する枠側板とを有し、
該第1板状体は、天板部と4つの第1側板を有し、
該第1板状体の裏面には、下方に開放し、該第1側板に沿って延びる溝幅(t1)の第1周溝と、
該第1周溝を形成する内壁からゼロを含まない所定寸法(t2)内側で、且つ四隅に形成される下方に延びる第1コーナー突起と、を有し、
該第2板状体は、底板部と4つの第2側板を有し、
該第2板状体の上面には、上方に開放し、該第2側板に沿って延びる溝幅(t1)の第2周溝と、
該第2周溝を形成する内壁からゼロを含まない所定寸法(t2)内側で、且つ四隅に形成される上方に延びる第2コーナー突起と、を有するステージボックスであって、
該枠側板が、所定厚み(t1)を有する4つの第1大側板で形成される第1枠側板であり、該第1枠側板の上端部を、該第1板状体の該第1周溝に嵌め込み、該第1枠側板の下端部を、該第2板状体の該第2周溝に嵌め込んで形成される嵌め込み型ステージボックスと、
該枠側板が、ゼロを含まない所定寸法(t2)を超える厚みを有する4つの第2大側板で形成される該第1枠側板より厚みが大の第2枠側板であり、
該第2枠側板の下端面は、第2板状体の第2周溝の内壁上面に当接し、該第2枠側板の上端面は、第1板状体の第1周溝の内壁下面に当接し、該第2枠側板は、該第1コーナー突起と該第2コーナー突起の外側に設置される、該第1板状体と、該第2枠側板と、第2板状体の積層型ステージボックスの形成が可能であることを特徴とするステージボックス。
【請求項2】
該第1板状体と、該第2板状体は同一物であり、該第1周溝と該第2周溝が同じであり
、該第1コーナー突起と該第2コーナー突起が同じであることを特徴とする請求項に記載のステージボックス。
【請求項3】
該第1板状体の上面は、該第1側板に沿って延びる第3周溝と、該第2コーナー突起が嵌る第1係止孔が形成され該ステージボックスの解体後、上下逆さにした該第2板状体は上に、該第1板状体は下にした該第2板状体と該第1板状体の積み重ねが可能であることを特徴とする請求項に記載のステージボックス。
【請求項4】
該第3周溝を形成する内壁からゼロを含まない所定寸法(t2)内側で、且つ四隅に形成される上方に延びる第3コーナー突起、を更に有することを特徴とする請求項記載のステージボックス。
【請求項5】
該第2板状体の下面は、該第2側板に沿って延びる第4周溝と、該第1コーナー突起が嵌る第2係止孔が形成され該ステージボックスの解体後、該第1板状体を上に、上下逆さにした該第2板状体は下にした該第1板状体と該第2板状体の積み重ねが可能であることを特徴とする請求項に記載のステージボックス。
【請求項6】
該第4周溝を形成する内壁からゼロを含まない所定寸法(t2)内側で、且つ四隅に形成される下方に延びる第4コーナー突起、を更に有することを特徴とする請求項記載のステージボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパー、百貨店、専門店、コンビニエンスストアー等の店内で商品を陳列するのに用いられるものであり、軽量の嵌め込み型と重量が嵩む積層型の2種類を、枠側板を変えることで得られるステージボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパー等の店内での商品陳列方法は、それにより商品の売れ行きが左右されることが多いため、種々の工夫を凝らした方法が採られ、その模様替えも頻繁に行われている。特に、その日の特売品などは店の入口、あるいはエレベーターの乗換付近に大面積を採り、四方から顧客がアクセスできるよう、大きなステージ状の陳列台を設置して行われる。このような大きなステージ状の陳列台は、運搬や保管等を考慮して、ボックス状の台、すなわち、ステージボックスを幾つも用意し、これを縦横に並べて基礎部を形成させ、その上に必要であれば、陳列台を置きセットされる。
【0003】
特開2002-65422号公報には、周面の側板4枚、天板1枚及び底板1枚の各部材を嵌め込みにより組立てられる箱状の樹脂製ボックスであって、前記側板は一側に1以上の横溝で区画された複数の柱状係合突部を有し、他側に補強用横リブにより区画された前記柱状係合突部と緊密に係合可能な柱状係合穴を有し、嵌め込み後は、前記柱状係合部と前記柱状係合穴で四隅の柱を形成してなることを特徴とするステージボックスが開示されている。このステージボックスによれば、組立て工具が不要で、組立て作業が極めて簡単であり、且つ軽量で十分な強度を有する。
【0004】
また、特開2013-31547号公報には、陳列商品が載置される平面視が長方形の天板1と、4つの側板2とから構成される硬質プラスチック製のボックス状の収納箱兼用折り畳み商品陳列台であって、少なくとも側板2の裏面はリブ構造であり、天板1と4つの側板2とは、それぞれ係合凹部213及び係合凸部142で係合され、天板1と大側板2a、2bの上下方向における係合位置は、天板1と小側板2c、2dの上下方向における係合位置より天板1側にあり、折り畳み後は、天板1、大側板2a、2b及び小側板2c、2dの順で折り重ねられる陳列台が開示されている。この陳列台によれば、折り畳み構造であり、収納箱としても、また、前面開口が広い開口で、後方が囲み状の商品陳列台としても使用できる。
【0005】
特開2016-101212号公報には、矩形状の開放頂面を有するコンテナボックスであって前記開放頂面に相対する底板と、前記開放頂面を規定する一対の互いに相対する第1の側板及び一対の互いに相対する第2の側板とを備え、第1の各側板及び第2の各側板のそれぞれが、その上面の両端部にそれぞれ設けられた二つの突起を有するコンテナボックスに適用される補助具であって、互いに相対する矩形状の頂面部及び底面部と、前記頂面部及び底面部の周囲を取り巻く側面部と、前記底面部に開放しかつ前記側面部に沿って伸びる周溝とを有する板状体からなり、前記板状体の周溝は、前記板状体の底面部が前記コンテナボックスの開放頂面と相対する位置にあるとき、前記コンテナボックスの第1の両側板の突起及び第2の両側板の突起を受け入れ可能である、補助具が開示されている。この補助具によれば、コンテナボックスを商品陳列手段として更に利用できるというものである。
【0006】
しかしながら、近年、陳列の演出を高めるために、ステージボックスも多様なサイズのものが要求されている。特開2002-65422号公報のステージボックス、特開2013-31547号公報のボックス状の折り畳み商品陳列台及び特開2016-101212号公報の補助具を備えるコンテナボックスは共に、サイズや形状が異なるものを欲する場合、それぞれサイズや形状が異なる複数のボックスが必要となり、製造コストが嵩むという問題がある。従って、少ない部品点数で、種々のサイズや形状の異なる陳列台を形成できるステージボックスの開発が望まれていた。
【0007】
従って、本発明の目的は、少ない部品点数で、少なくとも2種類の異なる陳列台を形成できるステージボックスを提供することにある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は上記従来の課題を解決するものであって、所定厚み(t)を有する4つの第1大側板で形成される第1枠側板と、該第1枠側板の上端に取り付けられる第1板状体と、該第1枠側板の下端に取り付けられる第2板状体との嵌め込み体であり、該第1板状体は、天板部と4つの第1側板を有し、該第1板状体の裏面には、下方に開放し、該第1側板に沿って延びる該第1枠側板の上端部が嵌る溝幅(t)の第1周溝と、該第1周溝を形成する内壁から所定寸法(t)内側で、且つ四隅に形成される下方に延びる第1コーナー突起と、を有し、該第2板状体は、底板部と4つの第2側板を有し、該第2板状体の上面には、上方に開放し、該第2側板に沿って延びる該第1枠側板の下端部が嵌る溝幅(t)の第2周溝と、該第2周溝を形成する内壁から所定寸法(t)内側で、且つ四隅に形成される上方に延びる第2コーナー突起と、を有することを特徴とするステージボックスを提供するものである。
【0009】
また、本発明は、該第1枠側板に代えて、(t)以上の厚みを有する4つの第2大側板で形成される第2枠側板を使用し、該第2枠側板と、該第1板状体と、第2板状体との積層体であり、該第2枠側板は、該第1コーナー突起と該第2コーナー突起の外側に設置されることを特徴とする前記ステージボックスを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、該第2枠側板の下端面は、第2板状体の第2周溝の内壁上面に当接し、該第2枠側板の上端面は、第1板状体の第1周溝の内壁下面に当接するものであることを特徴とする前記ステージボックスを提供するものである。
【0011】
また、本発明は、該第1板状体と、該第2板状体は同一物であり、該第1周溝と該第2周溝が同じであり、該第1コーナー突起と該第2コーナー突起が同じであることを特徴とする前記ステージボックスを提供するものである。
【0012】
また、本発明は、該第1板状体の上面は、該第1側板に沿って延びる第3周溝と、該第2コーナー突起が嵌る第1係止孔と、を有することを特徴とする前記ステージボックスを提供するものである。
【0013】
また、本発明は、該第3周溝を形成する内壁から所定寸法(t)内側で、且つ四隅に形成される上方に延びる第3コーナー突起、を更に有することを特徴とする前記ステージボックスを提供するものである。
【0014】
また、本発明は、該第2板状体の下面は、該第2側板に沿って延びる第4周溝と、該第1コーナー突起が嵌る第2係止孔と、を有することを特徴とする前記ステージボックスを提供するものである。
【0015】
また、本発明は、該第4周溝を形成する内壁から所定寸法(t)内側で、且つ四隅に形成される下方に延びる第4コーナー突起、を更に有することを特徴とする前記ステージボックスを提供するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、軽量の嵌め込み型と重量が嵩む積層型の2種類を、枠側板を変えることで得られる。このため、少ない部品点数で、少なくとも2種類の異なるステージボックスを形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施の形態におけるステージボックスの斜視図である。
図2図1のステージボックスの分解斜視図である。
図3図1のステージボックスを構成する第1板状体の平面図である。
図4図1のステージボックスを構成する第1板状体の裏面図である。
図5図1のステージボックスを構成する第1板状体の斜視図である。
図6図5の第1板状体の裏側から見た斜視図である。
図7図1の第1板状体の平面から見た部分拡大図である。
図8図1の第1板状体の裏面から見た部分拡大図である。
図9図1のステージボックスの第1板状体の部分拡大断面図である。
図10図1のステージボックスの第2板状体の部分拡大断面図である。
図11】本発明の第2の実施の形態におけるステージボックスの分解斜視図である。
図12図11のステージボックスの第1板状体の部分拡大断面図である。
図13図12のステージボックスの第2板状体の部分拡大断面図である。
図14】本発明の第3の実施の形態におけるステージボックスの分解斜視図である。
図15図14のステージボックスの第1板状体の部分拡大断面図である。
図16図14のステージボックスの第2板状体の部分拡大断面図である。
図17】本発明の第4の実施の形態におけるステージボックスの分解斜視図である。
図18図17のステージボックスの第1板状体の部分拡大断面図である。
図19図17のステージボックスの第2板状体の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のステージボックスは、天板に相当する第1板状体と、底板に相当する第2板状体と、第1板状体と第2板状体間に位置する4つの側板が連続する枠側板とを有するものであり、厚みの異なる2種類の枠側板を使用することで、軽量の嵌め込み型ステージボックスと、重量が嵩む積層型ステージボックスを形成することができる。すなわち、軽量の嵌め込み型ステージボックスは、厚みの薄い枠側板を使用し、枠側板の上端部を第1板状体の裏面に形成された第1周溝に嵌め込み、枠側板の下端部を第2板状体の上面に形成された第2周溝に嵌め込むことで得られる。厚みの薄い枠側板としては、樹脂製のものが好ましい。
【0019】
本発明のステージボックスにおいて、重量が嵩む積層型ステージボックスは、厚みの厚い特定の内周寸法を有する枠側板を使用し、第2板状体の上面に厚みの厚い枠側板を起立状で載せ、この枠側板の上に第1板状体を載せることで得られる。この場合、枠側板は、第1板状体及び第2板状体に形成されたコーナー突起の外側に配置されるため、枠側板、第1板状体及び第2板状体の3部品はズレることなく、安定したステージボックスを形成できる。厚みの厚い枠側板としては、ダンボール状の紙素材のものが好ましい。これにより、枠側板の表面に販売促進のための種々の印刷を施すことができる。
【0020】
このような、2種類の異なるステージボックスを形成するため、第1板状体及び第2板状体の枠側板側には、第1周溝及び第2周溝を形成する溝壁と、コーナー突起が特定の位置関係に形成されている。また、第1板状体と第2板状体は、同一物を使用することができ、この場合、一方を上下反転するか又は上下反転することなくそのまま用いる。
【0021】
次に、本発明の第1の実施の形態例におけるステージボックスを図1図10を参照して説明する。ステージボックス10は、重量が嵩む積層型ステージボックスであり、所定厚みを有する4つの第1大側板で形成される第1枠側板1と、第1枠側板1の上端に取り付けられる第1板状体2(天板)と、第1枠側板1の下端に取り付けられる第2板状体3(底板)との積層体である。本例においては、第1板状体2と第2板状体3は、同一物を使用しており、第2板状体3は上下反転して用いている。
【0022】
ステージボックス10において、第1板状体2は、天板部21cと4つの第1側板21(21a、21a、21b、21b)を有し、第1板状体2の裏面には、下方に開放し、第1側板21に沿って延びる溝幅(t)の第1周溝22と、第1周溝22を形成する内壁221から所定寸法(t)内側で、且つ四隅に形成される下方に延びる第1コーナー突起23aと、を有する。なお、「四隅」とは、第1周溝22を形成する内壁221から所定寸法(t)内側に形成される仮想の四角状の内壁の4つの角部を意味する。溝幅(t)は、第1枠側板1の厚み(t)と略同じであり、通常、3~10mm程度でよい。第1板状体2は、平面視が四角形(長方形)であり、従って、第1周溝22も平面視形状は、第1板状体2の形状に対応する平面視が四角形(長方形)である。
【0023】
また、第1板状体2の裏面(図4及び図6)において、第1コーナー突起23aは、第1周溝22を形成する内壁221から辺方向に寸法(t)2~8mm程度離れて形成されている。本例においては、第1周溝22の外壁は、第1側板21(21a、21a、21b、21b)である。このため、第1側板21の外壁の外周面から第1コーナー突起23aまでの辺方向における寸法wは、((t)+(t)+第1周溝22を形成する両壁の厚み)であり、8~20mm程度となり、当該部分が、本例の積層型ステージボックス10における厚みの厚い第1枠側板1の上端面又は下端面が当接する当接面となる。すなわち、この当接面は、平面視が、幅wの帯状の四角形であり、実際には無い仮想面(溝部)を含むものである。
【0024】
第1板状体2において、第1周溝22の溝深さは、第1側板21の外壁高さの約半分である。すなわち、第1側板21とその内側に形成される第1側板21と同じ高さの内壁221間において、高さ方向の中間位置に上下を区画する区画壁223が形成されており、その裏側半分が第1周溝22であり、その表側半分が他のステージボックスを形成する際、枠側板が嵌る係止溝(第3周溝)26である。
【0025】
第1板状体2において、第1コーナー突起23aは、角部に形成されるため、平面視形状はL字形状であり、上下方向においては、側面視において、第1側板21の下端より下方に延びている。これにより、厚みの厚い枠側板1の横方向の動きを規制することができる。すなわち、第1コーナー突起23aの第1側板21(21a、21b)の下端からの長さ(突出長さ)は、数cmあればよい。第1コーナー突起23aの先端は、水平にカットされたものが、第1板状体2を上下逆さに反転して使用する際、床などの設置面に安定して置くことができる点で好ましい。この場合、第1コーナー突起23aは脚部となる。
【0026】
第1板状体2の裏面において、4箇所に形成された第1コーナー突起23a以外に、同じ突出長さの突起が、周方向に適宜形成されている。すなわち、第1コーナー突起23aの片辺に連続する長手方向に、平面視がI字形状の突起23e、23eが2箇所、両側で都合4箇所、短手方向及び長手方向に、平面視T字形状の突起23d、23dが2箇所ずつ、両側で都合4箇所、長手方向の両端部近傍に、平面視がL字形状の突起23c、23cが2箇所、両側で都合4箇所形成されている。これらは、第1板状体2を上下逆さに反転して使用する際、脚部群となり、床などの設置面に安定して置くことができる。また、第1板状体2を複数個、積み重ねて収納保管する際、これらの脚部群23a~23eは、他の第1板状体2の対応する係止孔群29a~29eに嵌合するため、両者は、強く積み重ねられる。
【0027】
次に、第1板状体2の表面について図3及び図5を参照して説明する。第1板状体2の表面21cは、第1側板21に沿って延びる第3周溝26と、第3周溝26を形成する内壁261から所定寸法(t)内側で、且つ四隅に形成される上方に延びるコーナー突起27と、を有する。なお、「四隅」とは、第3周溝26を形成する内壁から所定寸法(t)内側に形成される仮想の四角状の内壁の4つの角部を意味する。本例のコーナー突起27は、碁盤目を形成する四角突起で、且つその外角が一部切り欠かれた突起である。また、第1板状体2の表面21cは、第1コーナー突起23aが嵌る第1係止孔29a及び他の板状体の脚部群23b~23eが嵌る係止孔群29b~29eを有する。第3周溝26は、上方に開放し、第1側板21に沿って延びる平面視が四角形の溝であり、本例では、第1周溝22の上下方向の逆側に位置する(図12参照)。従って、第3周溝26の溝幅は、第1枠側板1の厚み(t)と略同じであり、通常、3~10mm程度でよい。第1板状体2は、平面視が四角形(長方形)であり、従って、第3周溝26も平面視形状は、第1板状体2の形状に対応する平面視が四角形(長方形)である。第1板状体2の表面21cは、碁盤目の溝28及びその溝で形成される碁盤目の突起を有する。これにより、碁盤目を利用した種々の陳列補助具を取り付けることができる。
【0028】
第1係止孔29a及び係止孔群29b~29eは、当該孔を形成する側壁と底壁を有する。このため、第1板状体2の裏面に表れる第1コーナー突起23a及び脚部群23b~23eは、この底壁から下方に向けて起立状に設置される。従って、同じ形状の2つの第1板状体2を積み重ねて一体化する際、第1コーナー突起23a及び脚部群23b~23eは、それぞれ他の第1板状体2の第1係止孔29a及び係止孔群29b~29eに嵌ることになる。
【0029】
次に、第2板状体3について説明する。本例のステージボックス10においては、第2板状体3は、第1板状体2と同一物であり、第1板状体2を上下反転して使用するものである。従って、その説明を省略する。
【0030】
なお、本発明において、第2板状体3は、第1板状体2と同一物でなくてもよい。その場合、第2板状体3は、底板部と4つの第2側板を有し、第2板状体の上面には、上方に開放し、第2側板に沿って延びる第1枠側板の下端部が嵌る溝幅(t)の第2周溝と、第2周溝を形成する内壁から所定寸法(t)内側で、且つ四隅に形成される上方に延びる第2コーナー突起と、を有するものが使用できる。この場合、底板部は、第1板状体2の天板部11と同じであり、4つの第2側板は、4つの第1側板12(12a~12d)と同じである。また、第2周溝32は、第1板状体2の第1周溝22と同じであり、第2コーナー突起33aは、第1板状体2の第1コーナー突起23aと同じである。第2板状体3の裏面は、第1板状体2の表面と同様であり、その説明を省略する。
【0031】
ステージボックス10において、第1枠側板1は、所定厚み(t)を有する4つの第1大側板1a、1a、1b、1bで形成される平面視が四角形の囲み体である。第1枠側板1の内寸法は、第1板状体2の第1コーナー突起23aで形成される仮囲み壁の外側寸法と略同じである。第1枠側板1の厚みは、(t)以上、((t)+(t)+第1周溝13を形成する両壁の厚み)(符号w)以下であり、通常、8~20mmである。第1枠側板1の厚みを(t)以上とすることで、少なくとも、第1枠側板1の下端面又は上端面は、第1周溝22又は第2周溝32を形成する内壁の端面222、323に当接でき、設置が安定する。また、第1枠側板1の厚みの上限値を、上記wとすることで、第1板状体2や第2板状体3からのはみ出しを防止できる。第2枠側板3aの厚みは大であり、内部が空洞のパネルや段ボール紙なども使用できる。
【0032】
次に、ステージボックス10の組み立て方法及び使用方法について説明する。第1板状体2、第1枠側板1、第2板状体3の3部材を準備する。第1板状体2と第2板状体3は同一物であるため、部品点数としては2点である。底板となる第2板状体3は、第2コーナー突起33aや脚部群が表れる面を上面として、床などの設置面上に置く。次に、第1枠側板1の下端面を、第2板状体3の第2コーナー突起33aの外側の帯状部wに載せて起立させる。次いで、天板となる第1板状体2を、第1コーナー突起23aや脚部群23b~23eが表れる面を下面として、第1枠側板1の上方に位置させ、第1板状体2の第1コーナー突起23aを、第1枠側板1の内側となるよう載せて積み重ね体にする。すなわち、第1枠側板1の下端面は、第2板状体3の第2周溝32の内壁上面323に当接し、第1枠側板1の上端面は、第1板状体2の第1周溝22の内壁下面222に当接している。これにより、ステージボックス10が得られる。ステージボックス10は、第1枠側板1が厚みのある厚い板状体であり、ボックス全体の重量は重いものとなる。また、3つの部材は、積み重ね体ではあるものの、左右方向のズレがなく、組み立て後の安定性は高いものである。ステージボックス10は、単独又は複数個を組み合わせて種々の陳列面形状の陳列台セットを形成することができる。
【0033】
ステージボックス10を解体するには、組み立て方法の逆の方法により、3部材に分解する。分解されたステージボックス10は、第1板状体2と第2板状体3を積み重ね、第1コーナー突起23a及び脚部群23b~23eは、それぞれ第1係止孔29a及び係止孔群29b~29eに嵌め込めば、同じ形状の2つの第1板状体2を積み重ねて一体化した低い高さのステージボックスが得られる。また、これを単独又は複数個あるいは組み立てられたステージボックス10と組み合わせれば、種々の陳列面形状の陳列台セットを形成することができる。また、積み重ね高さが低いため、そのまま保管するにも適している。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態例におけるステージボックスを図11図13を参照して説明する。ステージボックス10aは、軽量の嵌め込み型ステージボックスである。図11図13において、図1図10と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。ステージボックス10aにおいて、ステージボックス10と異なる点は、枠側板の形状及び組み付け方法である。
【0035】
すなわち、ステージボックス10aにおいて、ステージボックス10と異なる点は、第1枠側板1に代えて、厚みの薄い4つの第2大側板で形成される第2枠側板1Aを使用したこと、組み立ては、第2枠側板1Aと第1板状体2と第2板状体3の嵌合体としたこと、である。すなわち、第2枠側板1Aは、所定厚み(t)を有する4つの第1大側板11a、11a、11b、11bで形成される平面視が四角形の囲み体である。第2枠側板1Aの上端部は、第1板状体2の第1周溝22に嵌合し、第1枠側板1の下端部は、第2板状体3の第2周溝32に嵌合する(図12)。これにより、第1枠側板1は、ステージボックス10の側板を形成する。
【0036】
次に、ステージボックス10aの組み立て方法及び使用方法について説明する。第1板状体2、第2枠側板1A、第2板状体3の3部材を準備する。第1板状体2と第2板状体3は同一物であるため、部品点数としては2点である。底板となる第2板状体3は、第2コーナー突起33aや脚部群33b~33eが表れる面を上面として、床などに置く。次に、第2枠側板1Aの下端部を、第2板状体3の第2周溝32(第1周溝22)の上方開口から下方に押し込んで嵌合する。次いで、天板となる第1板状体2を、第1コーナー突起23aや脚部群23b~23eが表れる面を下面として、第2枠側板1Aの上方に位置させ、第1板状体2の第1周溝22の開口を、第2枠側板1Aの上端部に差し込み、上方から下方に押し込んで嵌合する。これにより、ステージボックス10aが得られる。ステージボックス10aは、第1枠側板1が厚みの薄い板状体であり、ボックス全体の重量は軽いものとなる。また、3つの部材は、嵌合により固定されており、組み立て強度は高いものである。ステージボックス10aは、単独又は複数個を組み合わせて種々の陳列面形状の陳列台セットを形成することができる。
【0037】
ステージボックス10aを解体するには、組み立て方法の逆の方法により、3部材に分解する。分解されたステージボックス10aは、第1板状体2と第2板状体3を積み重ね、第1コーナー突起23a及び脚部群23b~23eは、それぞれ第1係止孔29a及び係止孔群29b~29eに嵌め込めば、同じ形状の2つの第1板状体2を積み重ねて一体化した低い高さのステージボックスが得られる。また、これを単独又は複数個あるいは組み立てられたステージボックス10aと組み合わせれば、種々の陳列面形状の陳列台セットを形成することができる。ステージボックス10aにおいて、ステージボックス10と同様の効果を奏する。
【0038】
次に、本発明の第3の実施の形態例におけるステージボックスを図14図16を参照して説明する。ステージボックス10bは、重量のある積層型ステージボックスである。図14図16において、図1図10と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。ステージボックス10bにおいて、ステージボックス10と異なる点は、底板である第1板状体2の向きである。すなわち、ステージボックス10bは、ステージボックス10における底板となる第2板状体3を、上下反転して使用するものである。
【0039】
ステージボックス10bにおいて、第2板状体3を、碁盤目の溝38が上面となるように、床などに設置する。次いで、第1枠側板1を第2板状体3上に設置する。すなわち、第1枠側板1の下端が、第2板状体3の碁盤目の溝で形成される四角状の突起37の外側の帯状の設置面wに当接するように載せる。以下、ステージボックス10と同様の組み立て方法により、組み立てる。ステージボックス10bによれば、第2板状体3の第2コーナー突起33aなどの突起部が脚部となり、ステージボックス10と同様の効果を奏する。
【0040】
次に、本発明の第4の実施の形態例におけるステージボックスを図17図18を参照して説明する。ステージボックス10cは、重量のある積層型ステージボックスである。図17図18において、図1図10と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。ステージボックス10cにおいて、ステージボックス10と異なる点は、第1板状体及び第2板状体の形状である。
【0041】
すなわち、ステージボックス10cにおいて、第1板状体2aと第2板状体3aは、同一物であり、第1板状体2aについて説明する。第1板状体2aの裏面は、第1板状体2と同様の第1周溝22a及びコーナー突起23aを有する。また、第1板状体2aの裏面には、4つのコーナー突起23aに連続する四角形の内壁231(331)を有しており、その内壁231(331)の適宜の位置には、平面視がI字形状の突起23b(33b)が形成されている。この突起23b(33b)の高さは、コーナー突起23aの突起高さと同じである。
【0042】
第1板状体2aの表面は、外縁部を除いて実質的に平坦面であり、第1側板21(21c、21c、21d、21d)に沿って延びる周溝29aと、コーナー突起23aが嵌る係止孔29bと、を有する。また、他の板状体の脚部群33bが嵌る係止孔群29cを有する。第1板状体2aの裏面の第1周溝22aは、下方に開放し、第1側板21に沿って延びる平面視が四角形の溝である。従って、第1周溝22aの溝幅は、第1枠側板1Aの厚み(t)と略同じであり、通常、3~10mm程度でよい。第1板状体2aは、平面視が四角形(長方形)であり、従って、第1周溝22aも平面視形状は、第1板状体2aの形状に対応する平面視が四角形(長方形)である。
【0043】
積層型のステージボックス10cの組み付け方法は、積層型のステージボックス10と同様であり、その説明を省略する。また、ステージボックス10cは、第1板状体2aは、上下反転した使用はしないものの、ステージボックス10と同様の効果を奏する。
【0044】
ステージボックス10cは、図17及び図18以外に、図19に示す使用方法が挙げられる。図19のステージボックス10dにおいて、図18のステージボックス10cと同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、図19のステージボックス10dにおいて、図18のステージボックス10cと異なる点は、枠側板の形状である。すなわち、図19のステージボックス10dは、厚みの薄い第2枠側板1Aを使用し、第2枠側板1Aの上端部は、第1板状体2aの第1周溝22aに嵌合し、第2枠側板1Aの下端部は、第2板状体3aの周溝32aに嵌合させたものである。これにより、嵌め込み型のステージボックス10dを得ることができる。
【0045】
また、本発明は、ステージボックス10~10dを、それぞれ複数使用すること、あるいはそれらを組み合わせて使用することで、ステージボックスセット(陳列台セット)を形成することができる。例えば、ステージボックス10を2個、積み重ねて使用する場合、下のステージボックス10に対して、第1枠側板1を組み付ければよい。これにより、第1板状体を1個減らすことができる。この使用方法は、ステージボックス10dを除く、ステージボックス10a~10cの場合に適用できる。
【0046】
ステージボックス10~10dの第1枠側板1は、上記の厚みのものに限定されず、第1周溝22を形成する内壁に先端がかかる程度の厚みであればよい。従って、使用する第1枠側板1の選択の余地が増える。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、軽量の嵌め込み型と重量が嵩む積層型の2種類を、枠側板を変えることで得られる。このため、少ない部品点数で、少なくとも2種類の異なるステージボックスを形成でき、コストを抑制して陳列の演出を高めることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 第1枠側板
2 第1板状体(天板)
3 第2板状体3(底板)
10、10a~10d ステージボックス
21(21a、21a、21b、21b) 第1側板
22 第1周溝
23a 第1コーナー突起
図1
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