(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】サッシ枠に対する軒端設備類の取付機構
(51)【国際特許分類】
E06B 1/04 20060101AFI20220428BHJP
E04B 7/02 20060101ALI20220428BHJP
E06B 7/28 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
E06B1/04 F
E04B7/02 501A
E06B7/28 E
(21)【出願番号】P 2018051434
(22)【出願日】2018-03-19
【審査請求日】2021-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000107930
【氏名又は名称】セイキ販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100072453
【氏名又は名称】林 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】茅野 充彦
(72)【発明者】
【氏名】守谷 将人
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実公平07-011226(JP,Y2)
【文献】特開平09-209666(JP,A)
【文献】実公昭51-024738(JP,Y2)
【文献】実開昭54-138318(JP,U)
【文献】登録実用新案第3015916(JP,U)
【文献】実開昭49-108620(JP,U)
【文献】特開2005-009096(JP,A)
【文献】特開2017-025641(JP,A)
【文献】実公昭62-035780(JP,Y2)
【文献】実公昭57-019004(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00- 1/70
E06B 7/28
E04B 7/00- 7/24
E04F 10/00-10/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部に設置したサッシ枠における複数の縦枠間に軒端設備類を取り付けるための少なくとも一対の固定部材が、それぞれ、板状の金属材からなる第1固定部材及び第2固定部材によって構成され、
上記第1固定部材は、上記サッシ枠における縦枠の上部における見付け部端を弾性的に挟持するクリップ部を備えると共に、該クリップ部から上記建物開口部の外方側に伸びる板状固定部を備え、
一方、上記第2固定部材は、上記第1固定部材の板状固定部に接面
すると共に、その接面姿勢を
上記縦枠の長手方向に沿う上下方向及びサッシ枠の外方側に傾斜する角度に変えた位置で複数の締結用ネジにより回転不能にネジ固定可能にした固定面と、該固定面に折曲部を介して連設された軒端設備類の支持台部とを備えている、
ことを特徴とするサッシ枠に対する軒端設備類の取付機構。
【請求項2】
上記第2固定部材の固定面が、上記第1固定部材の板状固定部に対して、少なくとも任意に上下動した位置で複数の締結用ネジによりネジ固定可能に形成されると共に、該第2固定部材が、上記サッシ枠の縦枠における建物開口部の外方側上端縁に係止する鈎部を備え、
該第2固定部材を、サッシ枠の縦枠の上端縁よりも上方から下降させることにより、上記鈎部がサッシ枠の縦枠における上端縁に係止して、その位置で第1固定部材にネジ固定可能に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のサッシ枠に対する軒端設備類の取付機構。
【請求項3】
上記第1固定部材の板状固定部と上記第2固定部材の固定面とのいずれか一方に、複数のネジ螺挿穴を設けてその他方とネジ固定する締結用ネジをそれぞれ螺挿し、該締結用ネジのそれぞれを、該締結用ネジを螺挿していない他方の固定面或いは板状固定部に設けたサッシ枠における縦枠の長手方向に延びる複数の長穴のそれぞれに挿通して、該締結用ネジを上記長穴に沿って移動させることにより、上記第2固定部材の固定面を上記サッシ枠の縦枠に沿って上下動するものとし、また、上記長穴には、それに沿って第2固定部材の固定面がサッシ枠における縦枠の上端側に達したときに、該第2固定部材の固定面をサッシ枠の外方側に傾斜させるための弧状溝を連設していて、上記第2固定部材の固定面を該サッシ枠の外方側に傾斜させて上記締結用ネジにより締結可能に形成している、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサッシ枠に対する軒端設備類の取付機構。
【請求項4】
上記第2固定部材の固定面に二つのネジ螺挿穴を設けて、それらに上記第1固定部材の板状固定部とネジ固定する締結用ネジをそれぞれ螺挿し、該締結用ネジのそれぞれを、上記第1固定部材の板状固定部に穿設したところの、上記サッシ枠の縦枠の長手方向に延びる二つの長穴に挿通して、上記第2固定部材の固定面を、それらの締結用ネジが第1固定部材の二つの長穴に沿って移動できる範囲内において移動可能に保持させ、且つ上記第1固定部材の板状固定部における上記サッシ枠の縦枠の上端側に穿設した長穴の上端部には、該上端部に達した締結用ネジを上記サッシ枠の外方側に移動させる弧状溝を連設し、第2固定部材を該サッシ枠の外方側に傾斜させて上記締結用ネジにより締結可能に形成している、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のサッシ枠に対する軒端設備類の取付機構。
【請求項5】
上記第2固定部材を、支持される軒端設備類の下部に沿って延びる片持ち梁状の支持部が、上記固定面に一体化されたものとして構成している、
ことを特徴とする請求項2に記載のサッシ枠に対する軒端設備類の取付機構。
【請求項6】
少なくともサッシ枠の一対の縦枠のそれぞれに取り付けた第2固定部材における支持台部間に、上記軒端設備としての庇を取り付けている、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のサッシ枠に対する軒端設備類の取付機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に設置したサッシ枠に、庇や日除け部材等の軒端設備類を取り付けるための取付機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物開口部に設置したサッシ枠等に対して軒端設備類の取り付けを行う手段としては、多種多様のものが知られ、或いは実施されている。しかしながら、その取付機構としては、例えば、特許文献1に開示されているように、サッシ枠の室外側にスクリーン装置等を取り付けるにしても、その取り付けに必要な部材の構成が非常に複雑でコストが掛かるだけでなく、取付作業も熟練者でなければ安易に行うことが困難であるのが通例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、建物開口部のサッシ枠に軒端設備類を取り付けるための取付機構を、板状の金属材からなる簡単な構成の第1固定部材及び第2固定部材の締結用ネジによる固定で、簡単、確実に作業をできるものとし、また、建物開口部のサッシ枠から極端に身を乗り出したりすることなく、室内側から安全に取り付け作業を行うことを可能にした取付機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明によれば、建物開口部に設置したサッシ枠における複数の縦枠間に軒端設備類を取り付けるための少なくとも一対の固定部材が、それぞれ、板状の金属材からなる第1固定部材及び第2固定部材によって構成され、上記第1固定部材は、上記サッシ枠における縦枠の上部における見付け部端を弾性的に挟持するクリップ部を備えると共に、該クリップ部から上記建物開口部の外方側に伸びる板状固定部を備え、一方、上記第2固定部材は、上記第1固定部材の板状固定部に接面すると共に、その接面姿勢を上記縦枠の長手方向に沿う上下方向及びサッシ枠の外方側に傾斜する角度に変えた位置で複数の締結用ネジにより回転不能にネジ固定可能にした固定面と、該固定面に折曲部を介して連設された軒端設備類の支持台部とを備えていることを特徴とするサッシ枠に対する軒端設備類の取付機構が提供される。
【0006】
本発明に係る上記軒端設備類の取付機構の好ましい実施形態においては、上記第2固定部材の固定面が、上記第1固定部材の板状固定部に対して、少なくとも任意に上下動した位置で複数の締結用ネジによりネジ固定可能に形成されると共に、該第2固定部材が、上記サッシ枠の縦枠における建物開口部の外方側上端縁に係止する鈎部を備え、該第2固定部材を、サッシ枠の縦枠の上端縁よりも上方から下降させることにより、上記鈎部がサッシ枠の縦枠における上端縁に係止して、その位置で第1固定部材にネジ固定可能に形成される。
上記実施形態においては、上記第2固定部材を、支持される軒端設備類の下部に沿って延びる片持ち梁状の支持部が、上記固定面に一体化されたものとして構成することができる。
【0007】
また、本発明に係る上記軒端設備類の取付機構の好ましい実施形態においては、上記第1固定部材の板状固定部と上記第2固定部材の固定面とのいずれか一方に、複数のネジ螺挿穴を設けてその他方とネジ固定する締結用ネジをそれぞれ螺挿し、該締結用ネジのそれぞれを、該締結用ネジを螺挿していない他方の固定面或いは板状固定部に設けたサッシ枠における縦枠の長手方向に延びる複数の長穴のそれぞれに挿通して、該締結用ネジを上記長穴に沿って移動させることにより、上記第2固定部材の固定面を上記サッシ枠の縦枠に沿って上下動するものとし、また、上記長穴には、それに沿って第2固定部材の固定面がサッシ枠における縦枠の上端側に達したときに、該第2固定部材の固定面をサッシ枠の外方側に傾斜させるための弧状溝を連設していて、上記第2固定部材の固定面を該サッシ枠の外方側に傾斜させて上記締結用ネジにより締結可能に形成される。
【0008】
本発明に係る上記上記軒端設備類の取付機構の好ましい実施形態においては、上記第2固定部材の固定面に二つのネジ螺挿穴を設けて、それらに上記第1固定部材の板状固定部とネジ固定する締結用ネジをそれぞれ螺挿し、該締結用ネジのそれぞれを、上記第1固定部材の板状固定部に穿設したところの、上記サッシ枠の縦枠の長手方向に延びる二つの長穴に挿通して、上記第2固定部材の固定面を、それらの締結用ネジが第1固定部材の二つの長穴に沿って移動できる範囲内において移動可能に保持させ、且つ上記第1固定部材の板状固定部における上記サッシ枠の縦枠の上端側に穿設した長穴の上端部には、該上端部に達した締結用ネジを上記サッシ枠の外方側に移動させる弧状溝を連設し、第2固定部材を該サッシ枠の外方側に傾斜させて上記締結用ネジにより締結可能に形成される。
【0009】
更に、本発明に係る上記軒端設備類の取付機構の他の好ましい実施形態においては、少なくともサッシ枠の一対の縦枠のそれぞれに取り付けた第2固定部材における支持台部間に、上記軒端設備としての庇を取り付けたものとして構成される。
【発明の効果】
【0010】
以上に詳述した本発明のサッシ枠に対する軒端設備類の取付機構によれば、建物開口部のサッシ枠に軒端設備類を取り付けるための取付機構を、板状の金属材からなる簡単な構成の第1固定部材及び第2固定部材の締結用ネジによる固定で、簡単、確実に作業をすることができ、また、第1固定部材及び第2固定部材の締結用ネジによる固定は、サッシ枠の縦枠の周囲で行うことができるので、建物開口部のサッシ枠から極端に身を乗り出したりすることなく、室内側から安全に取り付け作業を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る軒端設備類の取付機構の第1実施例により建物開口部のサッシ枠に対して庇を取り付けた状態を示す縦断面図である。
【
図3】本発明に係る軒端設備類の取付機構を構成する第1固定部材及び第2固定部材の組み付け状態を
図1の左下側から見た要部斜視図である。
【
図4】上記第1固定部材の構成を示し、(a)は正面図、(b)はその右側面図、(c)は平面図である。
【
図5】上記第2固定部材の構成を示し、(a)は正面図、(b)はその右側面図、(c)は平面図である。
【
図6】(a)は上記第1固定部材及び第2固定部材をサッシ枠に対して安定的に組み付けた状態、(b)は上記(a)の状態から第1固定部材と第2固定部材とのネジ固定を弛めて、第2固定部材を回転中心ネジの廻りで回転する上限位置まで上動させた状態、(c)は第2固定部材を設置しようとする軒端設備類の傾斜位置まで傾動させて、それを第1固定部材にネジ固定した状態を示す動作説明図である。
【
図7】
図6の(a)と同様の状態にある軒端設備類の取付機構の第2実施例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び
図2は、本発明に係る軒端設備類の取付機構の第1実施例である
図3の固定部材5の複数対を、建物開口部1に設置したところの縦枠3及び横枠4を結合してなるサッシ枠2に対して取り付け、それらによって、上記軒端設備類の一例として示している庇30を、上記サッシ枠2に取り付けた状態を示している。
本発明の第1実施例における上述の固定部材5は、板状の金属材からなる第1固定部材10及び同じく第2固定部材20を、以下に詳述するように結合したものである。
【0013】
上記第1固定部材10及び第2固定部材20を結合することにより構成される固定部材5は、建物開口部のサッシ枠2における左右一対の縦枠3,3間に軒端設備類を取り付けるために、
図1~
図3から分かるように少なくともそれらの一対が用いられ、その場合には、一対の固定部材5,5として、
図3に示すように、同構造で対称形状をなすようにした第1固定部材10及び第2固定部材20が用いられるが、更に多くの固定部材5を用いて軒端設備類をサッシ枠2に取り付ける場合には、対称形状をなすものが用いられるとは限らない。
【0014】
上記第1固定部材10及び第2固定部材20の構成について具体的に説明すると、それらは板状の金属材の打ち抜き或いは折曲等による簡単な加工で形成されたもので、まず、その第1固定部材10は、
図3及び
図4の(a)~(c)から分かるように、上記サッシ枠2における縦枠3の上部における見付け部端3aを弾性的に挟持するクリップ部11を備えると共に、該クリップ部11から折曲部13を介して上記建物開口部1の外方側に伸びるように形成した板状固定部12を備えたものである。上記クリップ部11は、そのクリップ長さをある程度長くすることにより縦枠3との結合強度を高めることができ、しかも、サッシ枠2からの軒端設備類の撤去後に縦枠3等に取付傷を残すのを防止することができる。
【0015】
また、上記第2固定部材20は、
図3及び
図5の(a)~(c)から分かるように、上記第1固定部材10の板状固定部12に接面し、その接面姿勢を変えて後述する複数の締結用ネジ26a,26bにより該板状固定部に回転不能にネジ固定するようにした固定面21と、該固定面21に折曲部23を介して連設された軒端設備類の支持台部22とを備えたものである。そして、
図2及び
図3のように配設した少なくとも一対の第2固定部材20の支持台部22間に、
図1に示すように、固定用ネジ22aによって上記軒端設備類の一例である庇30等を連結可能に構成している。
【0016】
前記第1固定部材10の板状固定部12に対して、上記第2固定部材20の固定面21を、それらの接面姿勢を変えて連結可能にするために、該第2固定部材20の固定面21には、
図5の(a)に示しているように、二つのネジ螺挿穴24a,24bを設け、
図1及び
図3に示すように、それらに上記第1固定部材10の板状固定部12とネジ固定する締結用ネジ26a,26bをそれぞれ螺挿するように構成している。なお、該締結用ネジ26a,26bを螺挿する上記ネジ螺挿穴24a,24bは、図示しているように、第2固定部材20の固定面21の背面側にそれぞれナット27a,27bを配設する構成でよいのは勿論である。
【0017】
一方、上記第1固定部材10の板状固定部12には、
図3及び
図4の(a)に示すように、同一軸線上で上記サッシ枠2の縦枠3の長手方向に延びる二つの長穴14a,14bを穿設し、上記
第2固定部材20の固定面21に設けたところのネジ螺挿穴24a,24bに螺挿した締結用ネジ26a,26bのそれぞれを、該二つの長穴14a,14bに挿通して、上記第2固定部材20の固定面21を、それらの締結用ネジが第1固定部材の二つの長穴に沿って移動できる範囲内において移動可能に保持させ、必要な位置において上記締結用ネジ26a,26bを緊締することにより、所望の位置において第2固定部材20の固定面21を第1固定部材10の板状固定部12に固定できるようにしている。
【0018】
また、上記第1固定部材10の板状固定部12における上記サッシ枠2の縦枠3の上端側に穿設した長穴14bの上端部には、該上端部に達した締結用ネジ26bを、上記長穴14aに挿通した締結用ネジ26aの廻りで回転させて、上記サッシ枠2の外方側に移動させるための弧状溝14cを連設し、第2固定部材20の固定面21を該サッシ枠2の外方側に傾斜させて、上記締結用ネジ26a,26bにより締結可能に形成している。
【0019】
更に、上記第2固定部材20には、上記サッシ枠2の縦枠3における建物開口部の外方側上端縁3bに係止する鈎部25を備え、該鈎部25は、第2固定部材20に螺挿した締結用ネジ26a,26bが、第1固定部材10の板状固定部12に穿設した長穴14a,14bの上端から該長穴に沿って下降したときに、上記第2固定部材20の鈎部25がサッシ枠2の縦枠3における上端縁3bに係止するように形成している。
【0020】
図6の(a)~(c)は、上記第2固定部材20の第1固定部材10に対する移動の態様を示すもので、同図の(a)は、上記第2固定部材20に螺挿した締結用ネジ26a,26bを板状固定部12の長穴14a,14bの上端側から下降させ、第2固定部材20に設けた鈎部25をサッシ枠2における縦枠3の上端縁3bに係止させて、該第2固定部材20をサッシ枠2に対して安定的に組み付けた状態を、また、同図の(b)は、第2固定部材20を上限位置まで上動させた状態を、更に、同図の(c)は、第2固定部材20を設置しようとする軒端設備類の傾斜位置まで傾動させて、それを第1固定部材10にネジ固定した状態を示すものである。
【0021】
図1,3~5等に示しているように、上記第1固定部材10の板状固定部12に弧状溝14cを含む長穴14a,14bを設け、一方、上記第2固定部材20の固定面21に複数のネジ螺挿穴24a,24bを設けて締結用ネジ26a,26bを螺挿し、これらによって上記板状固定部12と固定面21とを所望の接面姿勢で該締結用ネジ26a,26bにより固定するようにした構成は、板状固定部12と固定面21とを、
図6を参照して先に説明した接面姿勢のそれぞれにおいて固定可能にする構成の望ましい一例である。しかしながら、同様の接面姿勢で板状固定部12と固定面21とを固定可能にする構成は、例えば、上記長穴14a,14bを第2固定部材20の固定面21に設け、また上記ネジ螺挿穴24a,24bを第1固定部材10の板状固定部12に設けても実現することができる。
【0022】
つまり、上記板状固定部12と上記固定面21とのいずれか一方に、複数のネジ螺挿穴24a,24bを設けて締結用ネジ26a,26bをそれぞれ螺挿し、該締結用ネジのそれぞれを他方の固定面21或いは板状固定部12に設けた縦枠3の長手方向に延びる複数の長穴14a,14bのそれぞれに挿通して、該締結用ネジを上記長穴に沿って移動させることにより、上記固定面21をサッシ枠の縦枠3に沿って上下動するものとし、また、上記長穴14a,14bには、それに沿って固定面21がサッシ枠における縦枠3の上端側に達したときに、該固定面21をサッシ枠2の外方側に傾斜させるための弧状溝14cを連設して、上記固定面21を該サッシ枠の外方側に傾斜させ、上記締結用ネジ26a,26bによりその位置に固定面21を締結可能にすればよい。
【0023】
また、
図7は、本発明に係る軒端設備類の取付機構の第2実施例により、
図1及び
図2の例とは異なる他の形態の庇31をサッシ枠2に取り付ける態様を示している。この第2実施例における庇31は、夏の昼間の日差しや雨がサッシ枠2側に向かうのを避ける角度で取り付けたがらり状の羽板31aを枠材に並設し、冬の降雪時における庇31上への多量の積雪をも避けるようにしたものである。
【0024】
更に、該庇31を支持する第2固定部材20Aは、支持される庇31等の軒端設備類の下部に沿って延びる片持ち梁状の支持部21bが、上記第1実施例の固定面21と同じ形態の固定面21aに一体化されたものとして構成している。このような第2実施例の構成は、上記第2固定部材20Aが前述の鈎部25を備えると共に、上記支持部21bを備えているので、比較的重量のある軒端設備類の取り付けに特に有効なものである。
【0025】
以上に詳述した本発明に係る軒端設備類の取付機構によれば、建物開口部1のサッシ枠2に庇等の軒端設備類を取り付けるための取付機構を、板状の金属材からなる簡単な構成の第1固定部材10及び第2固定部材20,20Aの締結用ネジ26a,26bによる固定で、簡単、確実に作業をすることができ、また、該第1固定部材10及び第2固定部材20の締結用ネジ26a,26bによる固定は、サッシ枠2の縦枠3の周囲で行うことができるので、建物開口部のサッシ枠2から極端に身を乗り出したりすることなく、室内側から安全に取り付け作業を行うことができる。
【符号の説明】
【0026】
1 建物開口部
2 サッシ枠
3 縦枠
3a 見付け部端
5 固定部材
10 第1固定部材
11 クリップ部
12 板状固定部
13 折曲部
20 第2固定部材
21 固定面
22 支持台部
26a,26b 締結用ネジ