(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】車椅子ブレーキシステム
(51)【国際特許分類】
A61G 5/10 20060101AFI20220428BHJP
A61G 5/12 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
A61G5/10 718
A61G5/12 705
(21)【出願番号】P 2020122652
(22)【出願日】2020-07-17
(62)【分割の表示】P 2017526972の分割
【原出願日】2015-11-20
【審査請求日】2020-08-14
(31)【優先権主張番号】10-2014-0162755
(32)【優先日】2014-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0174131
(32)【優先日】2014-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0018616
(32)【優先日】2015-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517168831
【氏名又は名称】ユ,ヨン ベ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ヨン ベ
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-020022(JP,A)
【文献】登録実用新案第3000205(JP,U)
【文献】特開2010-069216(JP,A)
【文献】特開平02-124285(JP,A)
【文献】特開2008-184157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 5/02- 5/12
B62B 1/00- 5/08
F16C 1/00- 1/28
F16D49/00-71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車椅子の車輪に設けられたブレーキと、
前記ブレーキと連結されて前記ブレーキをロック及び解除させるブレーキ動作制御部と、を含んで構成され、
前記ブレーキは、平常時にロック状態にあり、搭乗者が搭乗して安全装置を動作させる場合に、前記ブレーキ動作制御部が前記
動作を感知して前記ブレーキをロック状態から解除状態に切り替えるように制御し、
前記安全装置は、安全バー、安全ベルト及びフットサポートから選択された1つであり、
前記安全装置がフットサポートである場合、
前記フットサポートがブレーキスイッチ部材の役割を担い、前記フットサポートが折り畳まれた状態にある場合、
前記ブレーキに連結されたケーブルの作動方向が前記ブレーキに向いているため前記ブレーキがロック状態を維持し、
搭乗者が車椅子に搭乗して前記フットサポートを広げると、フットサポート内に設けられた前記ケーブルが引張られ
ると、前記ブレーキと反対方向の張力が前記ケーブル
に加えられ、前記ケーブルの作動が前記ブレーキ方向から反対方向に切り替わって、前記ブレーキがロック状態から解除状態に切り替わ
り、
前記安全装置がフットサポートであり、
前記フットサポートがブレーキスイッチ部材の役割を担うが、前記フットサポートと前記ブレーキとの間に前記ケーブルによって連結される張力調節部をさらに含み、
前記張力調節部は、前記ケーブルを介して前記ブレーキと連結され、制御ケーブルを介して前記フットサポートと連結され、
前記張力調節部は、シート下部に固定設置されるガイドレールと、前記ガイドレールに沿って移動するスライド部材とを含んで構成され、前記スライド部材の一端には前記制御ケーブルが連結され、他端には前記ケーブルが連結されることを特徴とする車椅子ブレーキシステム。
【請求項2】
フットサポートが折り畳まれた状態では、前記ケーブルが、前記ブレーキ方向に作動して、前記ブレーキがロック状態に維持され、
前記フットサポートが折り畳まれた状態から広げられると、前記
制御ケーブル
が前記ブレーキと反対方向に加圧されて前記ブレーキと反対方向の作動が発生し、それによって制御ケーブルが引張られるようになり、
前記スライド部材がガイドレールに沿って車椅子の前面方向に移動するようになり、それによって前記ケーブルも引張られ、前記ケーブルの作動方向が前記ブレーキ方向から反対方向に切り替わり、前記ブレーキがロック状態から解除状態に切り替わることを特徴とする請求項
1に記載の車椅子ブレーキシステム。
【請求項3】
前記安全装置がフットサポートであり、
前記フットサポートがブレーキスイッチ部材の役割を担うが、フットサポートと前記ブレーキとの間に前記ケーブルによって連結されるギヤアセンブリをさらに含み、
前記ギヤアセンブリは、制御ケーブルと連結されて回動する第1軸回動ギヤユニットと、第1軸回動ギヤユニットと結合され第2軸
周りに回動する第2軸回動ギヤユニットと、前記ケーブルと連結され第2軸回動ギヤユニットによって第1軸
周りに回動するとともに前記ケーブルを引張るブレーキ制御ユニットとを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の車椅子ブレーキシステム。
【請求項4】
第1軸回動ギヤユニットは、
第1軸
の一端に形成され、第1制御ケーブル及び第2制御ケーブルと連結されて、第1制御ケーブル及び第2制御ケーブルによって第1軸方向に回動するケーブル連結部と、他端に形成され、第2軸回動ギヤユニットと結合されて、回動力を第2軸回動ギヤユニットに伝達する第1ギヤ部とを含むが、第1軸回動ギヤユニットは、各フットサポートと連結された2つのギヤが一対として構成され、
第2軸回動ギヤユニットは、
第1ギヤ部と結合されて第2軸方向に回動する第2ギヤ部と、第2ギヤ部と一体に結合されて第2軸方向に回動する回動バーとを含んで構成されるが、第2軸回動ギヤユニットも第1軸回動ギヤと同様に2つのギヤが一対として構成され、
各第2軸回動ギヤユニットの2つの回動バーが、フットサポートが順次広げられるにつれそれぞれ動作して、すべてのフットサポートがすべて広げられた場合にのみ、ブレーキ制御ユニットを加圧して回動させるように構成されることを特徴とする請求項
3に記載の車椅子ブレーキシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、車椅子ブレーキシステムに関し、更に詳細には、搭乗者が車椅子から立ち上がった場合など平常時にはブレーキロック状態で作動し、搭乗者が車椅子に座ったり車椅子を折り畳んだ場合にのみブレーキが自動解除されるので、搭乗者が車椅子に座った場合または車椅子が折り畳まれた場合にのみ移動が可能で、車椅子を乗り降りする際に発生し得る落下安全事故を未然に防ぐことができる車椅子ブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車椅子は、体の不自由な患者が搭乗して移動する手段であって、患者が直接車椅子を引いたり保護者が後ろから車椅子を押して移動することになる。車椅子は、体の不自由な患者が搭乗するだけに、車椅子を乗り降りするときが非常に危険であり、車椅子を乗り降りする途中に車椅子が動いて、患者が車椅子から落ちて負傷する落下安全事故が頻繁に発生する問題があった。
【0003】
上記のような問題を解決するために、ブレーキが装着された車椅子が開発されているが、従来の車椅子ブレーキシステムは、自転車のようにブレーキを人為的に動作させる場合にのみ車椅子のブレーキが作動するため、落下安全事故の発生を防ぐことができないという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、車椅子に搭乗者が搭乗していない状態では、ブレーキがロック状態で作動して停止し、車椅子に搭乗者が完全に搭乗した場合にのみ、ブレーキが解除されて動くことにより、車椅子から降りたり搭乗したりする場合に車椅子が動いて発生する落下事故を未然に防ぐことのできる車椅子ブレーキシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のような目的を達成するために、本発明による車椅子ブレーキシステムは、車椅子の車輪に設けられたブレーキと、前記ブレーキと連結されて前記ブレーキをロックおよび解除させるブレーキ動作制御部とを含んで構成されるが、前記ブレーキは、平常時にロック状態にあり、搭乗者が完全に搭乗したり車椅子が折り畳まれた場合、前記ブレーキ動作制御部がこれを感知して、前記ブレーキをロック状態から解除状態に切り替えるように制御することを特徴とする。
【0006】
前記ブレーキ動作制御部は、一端が前記ブレーキと弾性的に連結された連結部材と、前記連結部材の他端が固定結合され、搭乗者が搭乗時に前記ブレーキと連結された連結部材を作動させてブレーキを解除し、前記搭乗者が立ち上がる場合、前記連結部材を復帰させて再びブレーキをロック状態に切り替えるスイッチ動作を行うブレーキスイッチ部材とを含むことを特徴とする。
【0007】
前記連結部材は、バーまたはケーブルに形成でき、前記ブレーキスイッチ部材は、非電動式または電動式に構成され、自動的に動作することを特徴とする。
【0008】
前記ブレーキスイッチ部材は、非電動式に構成される場合、車椅子のシート下部に設けられ、前記ケーブルの他端が固定されて内部に収容され連結された感知フレームと、前記感知フレームと結合し、搭乗者がシートに搭乗する場合、前記感知フレームに収容されたケーブルを加圧して、ケーブルの張力方向を切り替える上部プレートとを含むことを特徴とする。
【0009】
前記上部プレートは、ケーブル収容部を備え、搭乗者が搭乗していない状態では、ケーブルが前記ケーブル収容部から加圧されていない状態にあり、搭乗者が搭乗する場合、前記上部プレートが下部に移動すると共に、前記ケーブル収容部が前記収容されたケーブルを加圧し、前記ケーブルが加圧されると、ブレーキと反対側へケーブルに張力が発生することなり、ロックされていたブレーキが開放されて、ブレーキが解除されるように動作することを特徴とする。
【0010】
前記感知フレーム及び上部プレートは、複数のユニットに分割構成され、各ユニットに連結されたケーブルが、少なくとも1つがブレーキと連結され、前記複数のユニットの少なくとも1つが動作する場合、ブレーキがロック状態から解除状態に切り替わることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記ブレーキ動作は、少なくとも1つのユニットのみ動作してもブレーキが解除されるように構成することができ、すべてのユニットが動作する場合、ブレーキが解除されるようにセットして構成することができる。
【0012】
前記ブレーキスイッチ部材が電動式に構成される場合、車椅子のシート下部に設けられ、前記ケーブルの他端が固定されて内部に収容され、前記ケーブルを電気的に回転させて張力の方向を変換する電気駆動部を備える感知フレームと、前記感知フレームと結合し、センサを備えて搭乗者が車椅子に搭乗することを感知する上部プレートとを含むことを特徴とする。
【0013】
ここで、前記センサは、圧力感知センサ、赤外線センサ、光センサ、またはこれらの組み合わせにより構成され得る。
【0014】
前記電気駆動部は、ケーブルの方向を切り替え、ケーブルを回転させる電動プーリーと、前記電動プーリーを駆動させる回転力を提供するモータと、前記モータの回転力を制御する駆動制御器とを含んで構成され、前記上部プレートに設けられた圧力感知センサから搭乗者の搭乗を感知して前記モータを駆動させ、前記電動プーリーを回転させて、張力が反対方向に作用してブレーキが解除されるように制御し、搭乗者の下車を感知してモータを反対に駆動させ、前記電動プーリーを元の位置に回転復帰させて、張力がブレーキ方向に作用してブレーキがロックされるように制御することを特徴とする。
【0015】
また、前記電気駆動部は、加速度センサや及び傾斜センサのようなセンサユニットをさらに含んで構成され、ブレーキのロック及び解除の単純なスイッチ動作だけでなく、車椅子の速度が過度に速かったり傾斜地で走行する場合、安全のためにブレーキを自動的に動作させて定速走行が可能なように構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
車椅子に搭乗者が搭乗していない状態では、ブレーキがロック状態で作動して停止し、車椅子に搭乗者が完全に搭乗した場合にのみブレーキが解除されて移動することにより、車椅子から降りたり搭乗する場合に車椅子が動いて発生する落下事故を未然に防ぐことができるという優れた効果が発生する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の好ましい実施例に係る車椅子を概略的に示した装置構成図である。
【
図2】本発明のまた別の実施例に係る車椅子を概略的に示した装置構成図である。
【
図3】本発明の好ましい実施例により感知フレームと上部プレートとが4つに分離構成されたことを概略的に示したものである。
【
図4】本発明の好ましい実施例により感知フレームと上部プレートとが2つに分離構成されたことを概略的に示したものである。
【
図5】
図3の車椅子のブレーキ動作を概略的に示したものである。
【
図6】車椅子が折り畳まれた状態を概略的に示したものである。
【
図7】本発明のまた別の実施例による車椅子ブレーキシステムを概略的に示したものである。
【
図9】本発明の好ましい実施例に係る電動式で駆動する車椅子を概略的に示したものである。
【
図10】本発明の好ましい実施例に係るブレーキを概略的に示したものである。
【
図11】本発明の好ましい実施例に係るスイッチ部材が安全装置である安全バーまたは安全ベルトにより構成されたことを概略的に示したものである。
【
図12】
図11のスイッチ部材が安全バーにより構成された場合の詳細図である。
【
図13】
図11のスイッチ部材が安全バーにより構成された場合の詳細図である。
【
図14】
図11のスイッチ部材が安全バーにより構成された場合の詳細図である。
【
図15】
図11のスイッチ部材が安全バーにより構成された場合の詳細図である。
【
図16】
図11のスイッチ部材が安全ベルトにより構成された場合の詳細図である。
【
図17】
図11のスイッチ部材が安全ベルトにより構成された場合の詳細図である。
【
図18】
図11のスイッチ部材が安全ベルトにより構成された場合の詳細図である。
【
図19】本発明によるフットサポートがブレーキスイッチ部材として適用される構造を概略的に示したものである。
【
図20】本発明によるフットサポートがブレーキスイッチ部材として適用される構造を概略的に示したものである。
【
図21】本発明によるフットサポートがブレーキスイッチ部材として適用される構造を概略的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
上記のような目的を達成するために、本発明による車椅子ブレーキシステムは、車椅子の車輪に設けられたブレーキと、前記ブレーキと連結されて前記ブレーキをロックおよび解除させるブレーキ動作制御部とを含んで構成されるが、 前記ブレーキは、平常時にロック状態にあり、搭乗者が搭乗して安全装置を動作させる場合に同期化し、前記ブレーキ動作制御部がこれを感知して、前記ブレーキをロック状態から解除状態に切り替えるように制御することを特徴とする。
【0019】
以下、本発明の具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の好ましい実施例に係る車椅子を概略的に示した装置構成図である。
【0021】
図1を参照すると、本発明による車椅子ブレーキシステムは、車椅子の車輪に設けられたブレーキ20と、前記ブレーキと連結されて前記ブレーキをロック及び解除させるブレーキ動作制御部10とを含んで構成されるが、前記ブレーキは、平常時にロック状態にあり、搭乗者が完全に搭乗したり車椅子が折り畳まれた場合、前記ブレーキ動作制御部が動作して前記ブレーキをロック状態から解除状態に切り替えるように制御することを特徴とする。
【0022】
前記ブレーキ動作制御部10は、一端が前記ブレーキと連結された連結部材110と、前記連結部材の他端と結合され、搭乗者の搭乗時に前記ブレーキと連結された連結部材を作動させてブレーキを解除し、前記搭乗者が立ち上がる場合、前記連結部材を復帰させて再びブレーキをロック状態に切り替えるブレーキスイッチ部材120とを含んで構成され得る。
【0023】
すなわち、前記ブレーキスイッチ部材120は、前記搭乗者が車椅子に搭乗すると、ブレーキを解除状態に切り替え、車椅子に搭乗した搭乗者が車椅子から立ち上がったり折り畳まれていた車椅子が広げられると、前記連結部材を元の状態に復帰させて前記ブレーキをロック状態に切り替えるスイッチ動作を行う。
【0024】
より具体的に、前記連結部材110は、ケーブルまたはバーにより構成でき、搭乗者がいない状態では、前記ケーブルが、ブレーキに張力が提供される状態でセットされ、ブレーキがロック状態を維持するようにする。ここで、前記ケーブルは、ワイヤ(紐)状に構成された部材を意味する。
【0025】
すなわち、平常時には前記ケーブルがブレーキをロックするように張力を提供する状態に維持するので、常にブレーキがかかっている状態を維持することになる。しかし、搭乗者が搭乗する場合、自動的に前記ケーブルを反対方向に引張して、ブレーキを解除することになる。
【0026】
前記ブレーキスイッチ部材120は、非電動式または電動式に構成され得る。
【0027】
まず、非電動式に構成される場合、前記ブレーキスイッチ部材120は、車椅子のシート下部に設けられ、前記ケーブルの他端が固定されて内部に収容され連結された感知フレームと、前記感知フレームと結合し、搭乗者がシートに搭乗する場合、前記感知フレームに収容されたケーブルを加圧して、ケーブルの張力方向を切り替える上部プレートとを含んで構成され得る。
【0028】
より具体的に、前記上部プレートは、ケーブル収容部を備え、搭乗者が搭乗していない状態では、ケーブルが前記ケーブル収容部から加圧されていない状態にあり、搭乗者が搭乗する場合、前記上部プレートが下部に移動すると共に、前記ケーブル収容部が前記収容されたケーブルを加圧することになる。
【0029】
上記のとおり、ケーブルが加圧されると、ブレーキと反対側へケーブルに張力が発生することになり、ロックされていたブレーキが開放されて、ブレーキが解除されることになる。
【0030】
従って、搭乗者が搭乗していない状態では、常にブレーキがロック状態を維持し、搭乗者が車椅子に搭乗した場合にのみブレーキが解除されるように作動することになる。
【0031】
図2は、本発明のまた別の実施例に係る車椅子を概略的に示した装置構成図である。
【0032】
図2を参照すると、前記連結部材110は、ケーブルではなくバー状に構成でき、前記連結部材の一端は、ブレーキ動作制御部20と連結され、複数の関節を含んで構成できる。
【0033】
前記動作制御部20は、車椅子のシート下部にプレート状に弾性結合されて、搭乗者が搭乗する場合、下部に弾性変位が発生し、搭乗者が下車すると復元力により元の位置に復帰する。
【0034】
また、前記連結部材は、車輪の中心軸と一致する中心軸を有し、前記中心軸が車輪のブレーキとケーブルとで連結され得る。
【0035】
これによって、搭乗者が搭乗していない状態では、初期張力を提供してブレーキがロック状態にあり、搭乗者が車椅子に搭乗すると、前記動作制御部20が下部に弾性変位し、前記弾性変位により一体に結合された連結部材が、変位が発生してブレーキと連結されたケーブルを初期張力の反対方向へ作用させて、ブレーキがロック状態から解除状態に変わることになる。
【0036】
図3は、本発明の好ましい実施例により感知フレームと上部プレートとが複数に分離構成されたことを概略的に示したものである。
【0037】
本実施例は、上部プレートが4つに分離構成された場合であるが、
図4のとおり2つに分離構成でき、設計に応じて多様な個数に分離構成できることは自明である。
【0038】
図3を参照すると、感知フレームは、4つのユニットに区画され、各ユニット内部にはプーリーアセンブリが形成され、前記プーリーアセンブリを介して連結部材であるケーブルが結合される。
【0039】
前記プーリーアセンブリは、ブレーキのロック解除に直接影響を及ぼすメインプーリーと、ブレーキのロック解除に直接影響を与えず、ケーブルの方向を切り替えて連結させるサブプーリーとを含んで構成され得る。
【0040】
前記メインプーリーは、4つのユニットそれぞれに2つが一定の間隔離隔して一対をなすように構成でき、メインプーリーはケーブルが巻かれた状態において、1つのプーリーはケーブルが少なくとも一回転巻かれた状態で、ケーブルがサブプーリーを介してブレーキと連結される。
【0041】
ここで、ケーブルもまた区画されたユニット数と同様に4つに構成でき、各ユニット当たり1つのケーブルが締結され、4つのうち2つのケーブルが1つの対として2つのブレーキに各々連結される。
【0042】
本実施例は、第1ユニットに締結された第1ケーブルと、第4ユニットに締結された第4ケーブルとが、1つの対として第1ブレーキに連結され、第2ユニットに締結された第2ケーブルと、第3ユニットに締結された第3ケーブルとが、1つの対として第2ブレーキに連結される。
【0043】
4つの前記ケーブルが始まる端には、ネジ調節部が形成され、各ケーブルの張力を調節するように構成できる。
【0044】
また、上部プレートは、4つに分離構成される。各上部プレートは、プレートの下部にケーブル収容部と、前記感知フレームと締結される結合部材とを含んで構成できる。
【0045】
前記結合部材は、搭乗者が搭乗するか否かに応じて上部プレートが上下移動できるように弾性締結されるために、弾性バネで形成されて、感知フレームと締結され得る。
【0046】
また、前記ケーブル収容部は、プレートの下部に突出した突出バーと、前記突出バーに設けられたケーブル収容溝とを含んで構成できる。
【0047】
前記ケーブル収容溝は、一対のメインプーリーに巻かれたケーブルを収容しなければならないため、
図2のように2つ形成され得る。
【0048】
上記のように上部プレートが4つに分離構成され、一対のブレーキがそれぞれ2つのケーブルと連結され、ケーブルと連結されたブレーキの張力を調節して、4つのユニットの少なくとも1つのユニットが加圧されると、ブレーキが解除されるように構成することができる。
【0049】
例えば、ケーブルの張力調節を通じて、一対のブレーキに連結された各々1つのユニットが加圧される場合、ブレーキが解除されるように構成することができ、4つのユニットがすべて加圧される場合、ブレーキが解除されるように構成することができる。
【0050】
図5は、
図3の車椅子のブレーキ動作を概略的に示したものである。
【0051】
図5を参照すると、搭乗者が搭乗していない初期状態では、ケーブルの張力がブレーキに作用する状態に維持されて、ブレーキがロック状態を維持する。
【0052】
ここで、ケーブルは、一端がブレーキと結合され、他端は感知フレームのケーブル調節部と連結される。前記ケーブル調節部は、調節ネジでケーブルの張力を調節することができる構成であると共に、固定端の役割を担い、ケーブルの一端であるブレーキ結合端は、弾性端として外力によって張力の方向が反対方向に変わるように動作することができる。
【0053】
万が一、搭乗者が車椅子に搭乗する場合、感知フレームと弾性結合された上部プレートが下部に移動すると共に、ケーブル収容部の収容溝に収容されたケーブルが下部に加圧される。
【0054】
上記のように、ケーブルが下部に加圧されると、加圧される変位の分メインプーリーが回転することになり、他端は固定端であるため、弾性端であるブレーキ結合端から引張する張力が発生し、これによりブレーキ方向に作用していた張力の方向が反対に変わって、ブレーキがロック状態から解除状態に切り替わる。
【0055】
ここで、前記上部プレートは、4つのユニットに分離されて構成され、1つのブレーキは、2つのユニットと連結された2つのケーブルと連結された状態であるので、4つのユニットの少なくとも1つが加圧される場合には、ブレーキに作用していた張力の方向が変わり、ブレーキが解除されるため、搭乗者が搭乗した状態でのみブレーキが解除される。
【0056】
上記4つのユニットのうちいくつのユニットが加圧される場合にブレーキが解除されるように構成するかは、ケーブルの張力を調節して自由に決定することができる。
【0057】
図6は、車椅子が折り畳まれた状態を概略的に示したものである。
【0058】
図6を参照すると、車椅子が折り畳まれる場合、曲げることによってケーブルを引張する張力が発生し、他端は固定端であるため、弾性端であるブレーキ結合端から引張する張力が発生し、これによりブレーキ方向に作用していた張力の方向が反対に変わって、ブレーキがロック状態から解除状態に切り替わる。
【0059】
図7は、本発明のまた別の実施例による車椅子ブレーキシステムを概略的に示したものであり、
図8は、
図7の詳細構成図である。
【0060】
図7及び8を参照すると、本発明に係る車椅子ブレーキシステムは、ブレーキを遮断バーとして構成することができ、搭乗者が搭乗していない状態では、遮断バーがスポークの間を通過してスポークにかかるため、車椅子がロック状態を維持することになる。
【0061】
また、搭乗者が搭乗する場合、前記遮断バーが内部に弾性移動され、車輪の内部に移動するので、ロックが解除された状態に切り替わる。
【0062】
ここで、ブレーキ動作制御部は、車椅子のシート下部に設けられる板バネと、前記板バネによる弾性力を機械的変位に変換するギヤボックスと、前記ギヤボックスの後端に設けられた弾性部材とを含み、前記ギヤボックスを介して変換された変位の分前記弾性部材が圧縮されて、遮断バーが内部に移動することになる。
【0063】
また、搭乗者が下車する場合、前記板バネで作用した弾性力が取り除かれ、復元力により前記ギヤアセンブリが元の位置に復帰する機械的変位を発生し、前記圧縮されていた弾性部材が復元力によって元の位置に復帰すると、遮断バーがスポークを通過してロック状態に切り替わる。
【0064】
以下、ブレーキスイッチ部材が電動式に構成される場合について見ることとする。
【0065】
図9は、本発明の好ましい実施例に係る電動式で駆動する車椅子を概略的に示したものである。
【0066】
図9を参照すると、本実施形態に係るブレーキスイッチ部材は、車椅子のシート下部に設けられ、前記ケーブルの他端が固定されて内部に収容され、前記ケーブルを電気的に回転させて張力の方向を切り替える電気駆動部を備える感知フレームと前記感知フレームと結合し、圧力感知センサを備えて搭乗者が車椅子に搭乗することを感知する上部プレートとを含んで構成され得る。
【0067】
前記電気駆動部は、ケーブルの方向を切り替え、ケーブルを回転させる電動プーリーと、前記電動プーリーを駆動させる回転力を提供するモータと、前記モータの回転力を制御する駆動制御器とを含んで構成され得る。
【0068】
前記駆動制御器は、前記上部プレートに設けられた圧力感知センサから搭乗者の搭乗を感知して前記モータを駆動させ、前記電動プーリーを張力の反対方向に回転させるように制御することができる。
【0069】
これを通じ、ブレーキ方向に作用していた張力が反対方向に作動し、これによりブレーキがロック状態から解除状態に切り替わる。具体的なブレーキのロック及び解除の原理は、機械式と同じなので、具体的な説明は省略することとする。
【0070】
続いて、搭乗者が下車して圧力感知センサのセンシング値が変わる場合、前記駆動制御器は、電動プーリーを元の位置に復帰回転させ、これを通じて、張力の方向が再びブレーキ方向に変換し、ブレーキが解除状態からロック状態に変換する。
【0071】
ここで、搭乗者が完全に搭乗するか完全に下車した場合にのみブレーキが解除及びロックされるように、機械式と同様に感知フレームと上部プレートとを複数のユニットに分割構成することができる。
【0072】
また、前記電気駆動部は、加速度センサ及び傾斜センサのようなセンサユニットをさらに含んで構成され得る。
【0073】
これを通じて、ブレーキのロック及び解除の単純なスイッチ動作だけでなく、車椅子の速度が速すぎたり傾斜地で走行する場合、安全のためにブレーキを自動的に動作させるように構成することができる。
【0074】
すなわち、速度が速い場合や下り坂の場合、センサユニットを介して感知されると、ブレーキを完全にロック状態に切り替えるのではなく、ブレーキが一部のみ動作するようにすることにより制動力を提供し、速度を落として安全に走行するように制御することができる。
【0075】
また、加速度センサをさらに含み、車椅子の速度を測定し、設定された速度(例えば、時速5~10kmの範囲で設定)を超える場合、電動プーリーを駆動させてブレーキを動作させる。
【0076】
ここで、超過した速度に応じてかけられるべきブレーキのロックの程度を調節して、電動プーリーの駆動を制御することにより、安全な走行を保障することができる。
【0077】
図10は、本発明の好ましい実施例に係るブレーキを概略的に示したものである。
【0078】
本発明に係るブレーキは、(a)のようにブレーキパッド作用式、(b)のようにベビーカーに主に適用されるキャリパー作用式、(c)のように自転車に主に適用されるリムブレーキ式、(d)のようにバンドブレーキ式など、多様な形態で構成でき、電動式の場合、ブレーキのロックの程度の調節が容易なバンドブレーキ式で構成することが好ましい。
【0079】
図11は、本発明のまた別の実施例に係るスイッチ部材が安全装置である安全バーまたは安全ベルトにより構成されたことを概略的に示したものであり、
図12~15は、
図11のスイッチ部材が安全バーにより構成された場合の詳細図であり、
図16~
図18は、
図11のスイッチ部材が安全ベルトにより構成された場合の詳細図である。
【0080】
図11を参照すると、本発明に係る車椅子ブレーキシステムは、車椅子の搭乗者が車椅子に搭乗した後、安全バーまたは安全ベルトを絞めた場合にのみブレーキが解除されるように構成され得る。
本発明に係る車椅子ブレーキシステムは、車椅子の車輪に設けられたブレーキ20と、前記ブレーキと連結されて前記ブレーキをロック及び解除させるブレーキ動作制御部10とを含んで構成されるが、前記ブレーキは、平常時にロック状態にあり、搭乗者が搭乗して安全バーまたは安全ベルトを絞める場合、これと連動する前記ブレーキ動作制御部がこれを自動的に感知して、前記ブレーキをロック状態から解除状態に切り替えるように制御することを特徴とする。
【0081】
前記ブレーキ動作制御部10は、一端が前記ブレーキと連結された連結部材110と、前記連結部材の他端と結合され、搭乗者が搭乗する場合、安全装置を締結する場合、前記ブレーキに連結された連結部材を作動させてブレーキを解除し、前記安全装置を解除して折り畳む場合、前記連結部材を元の位置に復帰させて再びブレーキをロック状態に切り替えるブレーキスイッチ部材120とを含んで構成され得る。
【0082】
すなわち、前記ブレーキスイッチ部材120は、前記搭乗者が車椅子に搭乗した後、安全装置を締結すると、連結部材を加圧して、ブレーキに作用する張力を反対方向に切り替えてブレーキを解除状態に切り替え、車椅子に搭乗した搭乗者が安全装置を解除すると、前記連結部材への加圧が取り除かれて、復元力により連結部材をブレーキ方向に張力が作用する元の状態に復帰させ、前記ブレーキをロック状態に切り替えるスイッチ動作を行う。
【0083】
より具体的に、前記連結部材110は、張力調節が可能なケーブルまたは紐状に構成でき、搭乗者がいない状態では、前記ケーブルがブレーキに張力が提供される状態でセットされて、ブレーキがロック状態を維持するようにする。ここで、前記ケーブルは、ワイヤ(紐)状に構成された部材を意味する。
【0084】
すなわち、平常時には、前記ケーブルがブレーキをかけるように張力を提供する状態に維持するため、常にブレーキがかかっている状態を維持することになる。しかし、搭乗者が搭乗して安全バーまたは安全ベルトを着用する場合、ケーブルを加圧することになり、連結部材が加圧により変位する分、前記ケーブルを反対方向に引張することになり、これによりブレーキを解除することになる。
【0085】
前記ブレーキスイッチ部材120は、非電動式または電動式に構成され得る。
【0086】
本発明は、ブレーキスイッチ部材120の構成が、安全バー、安全ベルト、または後述するフットサポートにより構成され得るという点を除いては、ケーブルの張力を調節してブレーキのロックを解除する作用及び効果は同一である。
【0087】
図12は、安全バーが形成された車椅子の構造であり、前記安全バー121がブレーキスイッチ部材120の役割を担い、前記安全バー121が締められる前は、ケーブルの張力がブレーキを向いているので、ブレーキがロック状態を維持することになる。
【0088】
前記ケーブルは、一端がブレーキに連結されているため固定端であるが、他端は張力調節部材に結合され、張力を調節できるように構成され得る。
【0089】
また、前記ケーブルは、一端がブレーキに結合されて安全バーの内部まで連結され、プーリー(滑車)を介して張力調節部と連結される。
【0090】
ここで、前記ケーブルは、
図14及び15のように、2つのブレーキから連結されたブレーキケーブルと前記張力調節部で連結された制御ケーブルとが一体に結合される結合部をさらに含んで構成でき、前記結合部を介して2つのブレーキケーブルが前記制御ケーブルの動作に応じて一体に動作することになる。
【0091】
また、搭乗者が搭乗して前記安全バー121が締められると、安全バーの内部に設けられた制御ケーブルが加圧され、プーリーを経て連結された張力調節部は固定されているので、ブレーキケーブル方向のケーブルが引張され、ブレーキケーブルに反対方向へ張力が発生して、ケーブルの張力がブレーキ方向から反対方向に切り替わり、ブレーキがロック状態から解除状態に変わることになる。
【0092】
そして、前記安全バー121を解除すると、安全バーの内部のケーブルに作用していた張力が取り除かれ、ケーブルの張力が再びブレーキ方向に向くことになり、ブレーキが解除状態からロック状態に変わることになる。
【0093】
従って、搭乗者が搭乗して安全バー121が締められた状態においてのみブレーキが解除されるため、搭乗者の安全をより強化することができる。
【0094】
図13の実施例は、安全ベルトが形成された車椅子の構造であって、前記安全ベルト122がブレーキスイッチ部材120の役割を担い、前記安全ベルト122が締められる前はケーブルの張力がブレーキを向いているので、ブレーキがロック状態を維持することになる。
【0095】
図13の実施例は、
図11の実施例と動作原理は同一であり、安全ベルトの着用有無に応じてブレーキと連結されたケーブルの張力方向を変換し、ブレーキをロック状態から解除状態、再び解除状態からロック状態に変換することになる。
【0096】
図12及び13は、安全ベルトがバックル式に構成されたものであって、バックル122が締められる締結フレーム内部、バックル投入部にブレーキで連結されたケーブルが位置し、安全ベルトを着用するためにバックル122を締結フレームのバックル投入部に結合させると、ケーブルを加圧することになり、前記ケーブルの加圧に応じてブレーキ方向に作用していた張力の方向が反対に変換して、ブレーキがロック状態から解除状態に切り替わる。
【0097】
ここで、前記締結フレーム内部のケーブルは、複数のプーリーによって結合されるため、バックル122がケーブルを加圧して、ケーブルが内側に変位する分ケーブルを引張し、これによりブレーキを向いていた張力の方向が反対方向に変わるとともにブレーキが緩み、前記バックル122が締結フレームから分離されると、加圧されていたケーブルが元の位置に復帰し、これによりケーブルを引張する力が取り除かれて、ケーブルの張力が再びブレーキを向くことになり、ブレーキがロックされる。
【0098】
図18は、本発明のまた別の実施例に係る安全ベルトを概略的に示したものである。
【0099】
図18を参照すると、締結フレーム123b内には、ケーブルの方向を切り替えるガイド部材123cを含み、バックル123aが締結フレーム123bに挿入されて締結されることにより、前記ガイド部材123cがケーブルを変位させて引張力を発生させ、それによってブレーキの張力方向が反対に変わり、ブレーキがロック状態から解除状態に切り替わる。
【0100】
より具体的に、前記ガイド部材123cは、前面と背面とにそれぞれ対向するように2つのガイド溝A、Bが形成され、前面ガイド溝Aの上に突出する前面突出部Cと、背面ガイド溝Bの下に突出しケーブルが締結される背面突出部Dとを一体に備えて、前記前面突出部と背面突出部とをガイド溝に沿って相対移動させ、前記ガイド部材内に実装される移動部材1231を含んで構成され得る。
【0101】
前記移動部材1231は、回転軸を介して移動するが、移動部材は、バネによって基本弾性力を有するように形成され、弾性力によって常に前面突出部が前面ガイド溝の最上部に位置するようにセットされ得る。従って、バックル123aが締結されて前面突出部が前面ガイド溝の下部に移動したとしても、前記バックル123aが除去されると、復元力によって元の位置に戻っていくことになる。
【0102】
ここで、前記バックル123aは、前記移動部材の前面上に挿入されるように構成されるため、前記バックル123aが締結フレーム123bに挿入されると、前記バックル123aが前面突出部Cを下部に押しながら挿入され、前記前面突出部Cが前面ガイド溝Aに沿って下部に移動する。
【0103】
このとき、前記前面突出部Cと相対移動する背面突出部Dは、前記前面突出部Cが下部に移動することにより、背面ガイド溝Bに沿って上部に移動することになる。
【0104】
これにより、前記背面突出部Dと結合されたケーブルが上部に移動しつつ引張されるとともに、ブレーキ方向に張力が発生していたケーブルの張力方向が反対となり、ブレーキがロック状態から解除状態に切り替わる。
【0105】
次に、前記バックル123aが締結フレーム123bから分離されると、前記移動部材1231は、バネの復元力によって元の位置に復帰することになり、これにより相対移動する背面突出部も元の位置に復帰するとともにケーブルの張力方向もまた元の位置に復帰し、ケーブルの張力方向が再びブレーキを向くことになって、ブレーキが解除状態からロック状態に切り替わる。
【0106】
図19~21は、本発明に係るフットサポートがブレーキスイッチ部材として適用される構造を概略的に示したものである。
【0107】
図19~21の実施例は、フットサポートがブレーキスイッチ部材の役割を担い、前記フットサポートが折り畳まれた状態にある場合、ケーブルの張力がブレーキを向いているので、ブレーキがロック状態を維持することになる。
【0108】
また、搭乗者が搭乗して前記フットサポートを広げると、フットサポート内に設けられたケーブルが加圧されて、ケーブルに反対方向へ張力が発生し、ケーブルの張力がブレーキ方向から反対方向に切り替わって、ブレーキがロック状態から解除状態に変わることになる。
【0109】
図19の実施例は、最も単純化された形態の実施例であり、フットサポート124が折り畳まれているときを基準にケーブルの張力がブレーキを向くように調節するのでブレーキがロック状態にあり、フットサポート124を広げる場合、ケーブルを引っ張るため、ケーブルの張力がブレーキの反対方向に作用して、ブレーキパッドが離隔しブレーキがロック状態から解除状態に切り替わる。
【0110】
より具体的に、2つのケーブルが連結部材110により構成でき、フットサポートが上下または左右に折り畳まれることにより、第1ケーブル(青色)と第2ケーブル(緑色)の張力が相対的に作用するように構成でき、フットサポートが折り畳まれた状態では、第1ケーブルは張力がなく、第2ケーブルのみ張力が作用する状態で、ブレーキはロック状態を維持し、フットサポートが広げられると、反対に第1ケーブルに張力が作用し、第2ケーブルは張力がない状態に切り替わってブレーキの張力が変わり、ブレーキがロック状態から解除状態に切り替わる。
【0111】
図20の実施例は、フットサポート125がブレーキスイッチ部材120の役割を担うが、フットサポートとブレーキとの間にケーブルによって連結される張力調節部60をさらに含んで構成される実施例である。
【0112】
前記張力調節部60は、ブレーキケーブル115を介してブレーキ20と連結され、制御ケーブル116を介してフットサポート125と連結される。
【0113】
前記張力調節部60は、シート下部に固定設置されるガイドレール610と、前記ガイドレールに沿って移動するスライド部材620とを含んで構成され得る。
【0114】
前記スライド部材620の一端には制御ケーブル116が連結され、他端にはブレーキケーブル115が連結される。
【0115】
ここで、前記ブレーキケーブル115は、ブレーキ方向に張力が提供された状態で設けられるため、上記スライド部材620は張力を受けるブレーキケーブルの影響を受ける。すなわち、フットサポート125が折り畳まれた状態では、ブレーキケーブルがブレーキ方向に張力が作用して、ブレーキがロック状態に維持される。
【0116】
また、前記フットサポート125が折り畳まれた状態から広げられると、ブレーキケーブル115の長さがブレーキの反対方向に増加するとともにブレーキの反対方向に張力が発生し、それによって制御ケーブルが加圧されるとともに引張され、前記スライド部材620がガイドレール610に沿って車椅子の前面方向に移動し、これによりブレーキケーブル115も引張され、張力の方向がブレーキ方向から反対方向に作用して、ブレーキがロック状態から解除状態に切り替わる。
【0117】
ここで、前記張力調節部60は、2つのフットサポート135と1つのブレーキケーブル115とに連結されるため、前記足支持台がいずれも広げられた場合にのみ前記張力調節部60を動作させてブレーキが解除できる。
【0118】
また、前記フットサポート125が再び折り畳まれると、ブレーキケーブル115の延びた長さが減少するともに張力が取り除かれて、前記制御ケーブル116に作用していた力が取り除かれるとともに、復元力により前記スライド部材620が元の位置に移動し、それに伴ってブレーキケーブル115に作用していた張力もまたブレーキ方向に変わり、ブレーキパッドを加圧してブレーキが解除状態からロック状態に切り替わる。
【0119】
ここで、前記スライド部材620は、張力が加わるまたは取り除かれる場合、移動または元の位置に復帰するための弾性力と復元力とを提供するために、ガイドレール610とスライド部材620とが弾性バネによって結合できる。
【0120】
図21の実施例は、フットサポート126がブレーキスイッチ部材120の役割を担うが、フットサポートとブレーキとの間にケーブルによって連結されるギヤアセンブリ70をさらに含んで構成される実施例である。
【0121】
図21を参照すると、ギヤアセンブリ70は、制御ケーブル118と連結されて回動する第1軸回動ギヤユニット710と、前記第1軸回動ギヤユニットと結合されて第2軸に回動する第2軸回動ギヤユニット720と、ブレーキケーブル117と連結されて前記第2軸回動ギヤユニットによって第1軸に回動するとともにブレーキケーブルを加圧するブレーキ制御ユニット730と含んで構成され得る。
【0122】
前記第1軸回動ギヤユニット710は、軸を中心に一端に形成され、第1制御ケーブル118a及び第2制御ケーブル118bと連結されて、前記第1制御ケーブル及び第2制御ケーブルによって第1軸方向に回動するケーブル連結部711と、他端に形成され、前記第2軸回動ギヤユニットと結合されて、回動力を第2軸回動ギヤユニットに伝達する第1ギヤ部712とを含んで構成され得る。前記第1軸回動ギヤユニット710は、各フットサポート126と連結された2つが一対として構成され得る。
【0123】
また、前記第2軸回動ギヤユニット720は、前記第1ギヤ部712と結合されて第2軸方向に回動する第2ギヤ部721と、前記第2ギヤ部721と一体に結合されて第2軸方向に回動する回動バー722とを含んで構成され得る。
【0124】
ここで、前記第2軸回動ギヤユニット720もまた第1軸回動ギヤと同様に2つが一対として構成でき、各第2軸回動ギヤユニット720の2つの回動バー722,723がフットサポート126が順次広げられるにつれそれぞれ動作して、すべてのフットサポート126がすべて広げられた場合にのみ、ブレーキ制御ユニット730を加圧して回動させるように構成できる。
【0125】
より具体的に、各フットサポート126に結合された2つの制御ケーブル118a,118bは、折り畳まれた状態と広げられた状態に応じて張力が相対的に作用するように構成され、フットサポートが折り畳まれた状態では第1制御ケーブル118aにのみ張力が作用し、広げられた状態では逆に第2制御ケーブル118bにのみ作用することになる。
【0126】
すなわち、第1制御ケーブル118aは、
図21のように折り畳まれた状態で最大長になり張力が発生して、ケーブル連結部711を引張する力が作用し、広げられた状態になると長さが減少して張力が消滅し、第2制御ケーブル118bは、広げられた状態になると最大長になり張力が発生して、ケーブル連結部711を引張する力が作用することになる。
【0127】
前記ケーブル連結部711は、垂直形状をなすフランジに貫通孔を介して前記第1制御ケーブル118a及び第2制御ケーブル118bが結合され、第1制御ケーブル118aが水平方向のフランジに結合され、第2制御ケーブル118bが垂直方向のフランジに結合される。
【0128】
従って、フットサポートがいずれも折り畳まれた状態では、第1制御ケーブル118aにのみ引張する張力が作用して、
図21の(a)のように維持される。
【0129】
ここで、1つのフットサポートを広げると、逆に第2制御ケーブル118bにのみ引張する張力が作用して、
図21の(b)のように、第2制御ケーブル118bが結合された垂直方向のフランジに引張力が発生して、第1軸回動ギヤユニット710が第1軸方向に回動することになる。
【0130】
前記第1軸回動ギヤユニット710の回動により、第2軸回動ギヤユニットが第2軸方向に回動するとともに、第1回動バー722が変位の分第2軸方向に回動することになる。ここで、前記第1回動バー722が回動しながら第2回動バー723を加圧して第2回動バー723も回動し、ブレーキ制御ユニット730を加圧する直前の状態に至る。
【0131】
この状態では、ブレーキ制御ユニット730には如何なる力も伝達されていない状態であるため、ブレーキはロック状態を維持することになる。
【0132】
続いて、他方のフットサポートを広げると、同じ動作により他方の第2軸回動ギヤユニットの第2回動バー723がさらに回動しながらブレーキ制御ユニット730を加圧して、ブレーキ制御ユニット730を第1軸方向に回動させる。
【0133】
より具体的に、前記ブレーキ制御ユニット730は、中心軸上に設けられ、ブレーキケーブル117が連結されたブレーキガイドバー731を含んで構成され、前記第2回動バー723が回動しながら前記ブレーキガイドバー731を加圧することになり、これによってブレーキ制御ユニット730の中心軸が第1軸方向に回動することになり、ブレーキケーブル117を下部に引張する張力が発生して、ブレーキ方向に作用していた張力の方向が反対に変わりブレーキケーブルがブレーキの反対方向に引張されると共に、ブレーキがロック状態から解除状態に切り替わる。
【0134】
つまり、2つのフットサポートがいずれも広げられた場合にのみブレーキがロック状態から解除状態に切り替わる。
【0135】
この状態でフットサポートが1つでも折り畳まれると、逆作用によってブレーキ制御ユニットのブレーキガイドバー731が元の位置に復帰して、ブレーキケーブルの張力方向がブレーキ方向に変わるとともに、ブレーキが解除状態からロック状態に再び切り替わる。
【0136】
本発明に係るブレーキは、
図10の(a)のように、ブレーキパッド作用式、(b)のようにベビーカーに主に適用されるキャリパー作用式、(c)のように自転車に主に適用されるリムブレーキ式、(d)のようにバンドブレーキ式など、多様な形態で構成でき、電動式の場合、ブレーキのロックの程度の調節が容易なバンドブレーキ式で構成することが好ましい。
【0137】
以上で説明した本発明の詳細な説明では、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、本発明の保護範囲は上記実施例に限定されるものではなく、当該技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解できるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明は、車椅子ブレーキシステムに関し、更に詳細には、搭乗者が車椅子から立ち上がった場合のように平常時はブレーキロック状態で作動し、搭乗者が車椅子に座ったり車椅子を折り畳んだ場合にのみブレーキが自動解除されて、搭乗者が車椅子に座った場合または車椅子が折り畳まれた場合にのみ移動が可能で、車椅子を乗り降りする際に発生し得る落下安全事故を未然に防ぐことができる車椅子ブレーキシステムに関する。