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特許7064833乳白色効果を有する光放射部を備えた車両用灯具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】乳白色効果を有する光放射部を備えた車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/24 20180101AFI20220428BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20220428BHJP
   F21S 43/241 20180101ALI20220428BHJP
   F21S 43/249 20180101ALI20220428BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20220428BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20220428BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20220428BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220428BHJP
【FI】
F21S41/24
F21S43/15
F21S43/241
F21S43/249
F21W102:00
F21W103:20
F21W103:35
F21Y115:10
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017125800
(22)【出願日】2017-06-28
(65)【公開番号】P2018006342
(43)【公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-06-19
(31)【優先権主張番号】102016000068214
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517227895
【氏名又は名称】マレッリ・オートモーティブ・ライティング・イタリー・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】MARELLI AUTOMOTIVE LIGHTING ITALY S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】サーラ・パローニ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ズヴェッティーニ
(72)【発明者】
【氏名】ファビオ・ルピエリ
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0040850(US,A1)
【文献】特開2014-038733(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0258265(US,A1)
【文献】特表2015-512555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00
F21W 102/00
F21W 103/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具(4)であって、
電気的に駆動された状態にて当該車両用灯具(4)の外側へ伝搬する光ビームを形成する複数の光線(Ri)を放射するのに適した少なくとも一つの光源(16)を収納する封じ込め座部(12)の範囲を定める容器本体(8)と、
封じ込め座部(12)を部分的に閉じ、光源(16)によって生成された光ビームによって横断されるのに適したレンズ状本体(20)と、
光入射壁(28)に対応した少なくとも一つの光源(16)に面し、光源からの光ビームを受け入れて、レンズ状本体(20)に面する光出射壁(32)へ光ビームを伝送する光導波路(24)と、を備え、
ここで、光導波路(24)は、有効縦拡張(L)を有する本体(36)と、有効縦拡張(L)に平行な第1及び第2の側壁(40、44)とを備え、ここで有効縦拡張(L)は全内部反射によって本体(36)の内側の光ビームの伝搬方向を定義する、
本体(36)は、第1側壁から第2側壁へ延在する第1溝(48)を有し、第1溝は複数の第1穴(52)を備え、該第1穴は、乳白色効果を有する光ビームを放射するように、光出射壁(32)の方へ連続する屈折によって光線(Ri)の散乱を生成する、円筒状あるいは球状の腐食を実現するのに適した円筒状あるいは球状の光学部分を定義したものであり、
また第1穴(52)は、遮られることなく互いに隣接しており、
また第1溝(48)の第1穴(52)は、光導波路(24)の本体(36)の厚さ(56)に対して底を有し、厚さ(56)未満の第1深さ(64)にて本体(36)の第1面(60)から進入する、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
第1穴(52)は、1mmと5mmとの間の直径を有する、請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
第1穴(52)は、接している、あるいは、第1穴(52)の第1軸(X-X)に垂直な断面に対して測定してそれらの全面積の1-10%に等しい丸い扇形部(66)に関して互いに進入し合っている、請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
第1穴(52)は、互いから等距離で、全て同じ直径を有する円形断面の穴である、請求項1から3のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項5】
第1穴(52)の第1軸(X-X)に垂直な断面に対して、第1溝(48)は、光出射壁(32)と平行な第1曲線セグメント(68)に沿って延在する、請求項1から4のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項6】
本体(36)は、光出射壁(32)において拡散部(72)を有し、該拡散部は、光出射壁(32)から出る光ビームを標準化し広げるのに適した、マイクロ光学部分及び/又はエンボス加工及び/又は梨地仕上げを備える、請求項1から5のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項7】
拡散部(72)は、第1溝(48)の第1深さ(64)の延長に対応した、光出射壁(32)におけるセグメント(76)に一致して延在する、請求項6に記載の車両用灯具。
【請求項8】
本体(36)は、光出射壁(32)においてマスク(80)を有し、該マスクは、第1穴(52)によって影響されない本体部分(36)に一致して配置され、そこに入射する光線(Ri)によって横断されないように形作られている、請求項1から7のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項9】
本体(36)は、第2溝(84)を有し、該第2溝は、光ビームの伝搬方向に沿って第1溝48に対して距離(88)によるオフセット位置において第1側壁から第2側壁(40,44)へ延在し、複数の第2穴(92)を備え、該第2穴は、光出射壁(32)の方へ連続した屈折によって光線Riの散乱を生成するのに適した円筒状あるいは球状の腐食を実現するのに適した円筒状あるいは球状の光学部分を定義したものであり、
また第2穴(92)は、遮られることなく互いに隣接しており、
また第2溝(84)の第2穴(92)は、光導波路(24)の本体(36)の厚さ(56)に対して底を有し、厚さ(56)未満の第2深さ(64)にて、本体(36)の厚さ(56)に沿って第1面(60)に反対の本体(36)の第2面(96)から進入する、
請求項1から8のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項10】
第2穴(92)は、1mmと5mmとの間の直径を有する、請求項9に記載の車両用灯具。
【請求項11】
第2穴(92)は、接している、あるいは、第2穴(92)の第2軸(Y-Y)に垂直な断面に対して測定してそれらの全面積の1-10%に等しい丸い扇形部(66)に関して互いに進入し合っている、請求項9又は10に記載の車両用灯具。
【請求項12】
第2穴(92)は、互いから等距離で、全て同じ直径を有する円形断面の穴である、請求項9から11のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項13】
第2穴(92)は、第1穴(52)に等しい、請求項9から12のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項14】
第2穴(92)の第2軸(Y-Y)に垂直な断面に対して、第2溝(84)は、光出射壁(32)と平行な第2曲線セグメント(104)に沿って延在する、請求項9から13のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項15】
第1及び第2の溝(48,84)間の距離(88)は、第1又は第2の穴(52、92)の直径に等しい、請求項9から14のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項16】
底を有する第1及び第2の穴(52、92)は、本体(36)の全厚さ(56)を共同で捕まえ、それにより光入射壁(28)から来る光ビームの各光線(Ri)を共同で捕まえるように、本体(36)の対向する第1及び第2の面(60,96)のそれぞれから延在し、第1及び第2の深さ(64,100)の合計は、本体(36)の厚さ(56)よりも大きいあるいは等しい、請求項9から15のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項17】
底を有する第1及び第2の穴(52,92)は、第1及び第2の深さ(64,100)にてそれぞれの対向面(60,96)から延在し、各深さは、本体(36)の厚さ(56)の少なくとも半分に等しい、請求項9から16のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項18】
光導波路(24)は、光入射壁(28)の脇において、入射する光ビームの光線(Ri)を光出射壁(32)の方へ向けるのに適している反射エレメントを備えた、請求項1から17のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項19】
光導波路(24)の本体(36)は、全体でL字形に存在するように互いに直角に配列された第1及び第2の枝部(108、112)を備え、ここで光入射壁(28)及び光出射壁(32)は、互いに直角である、請求項1から18のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項20】
光導波路(24)は、光入射壁(28)の脇において、入射する光ビームの光線(Ri)を光出射壁(32)の方へ向けるのに適している反射エレメントを備え、
反射エレメントは、第1及び第2の枝部(108、112)の交差部分116に一致して配置されている、請求項19に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳白色効果(opalescent effect)を有する光放射部を備えた車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
用語「車両用灯具」は、後部車両用灯具又は前部車両用灯具、後者はヘッドランプあるいはヘッドライトとも呼ばれる、を区別せずに意味することを意図している。
【0003】
知られているように、車両用灯具は、車両の照明装置及び/又は信号装置であり、例えば、位置灯、方向指示灯、ブレーキライト、後部霧灯、後退灯、すれ違いビーム(ロービーム)前照灯、走行ビーム(ハイビーム)前照灯、等のような、車両の外側に向かって照明用及び/又は信号用の機能を有する車両の外面にある少なくとも一つのライトを備えている。
【0004】
車両用灯具は、その最も単純な抽象概念では、容器本体、レンズ状本体、及び少なくとも1つの光源を含んでいる。
【0005】
レンズ状本体は、ハウジングチャンバを形成するように、容器本体の口部を閉じるように配置されている。光源は、ハウジングチャンバの内側に配置され、電気が供給されたとき、レンズ状本体の方へ光を発するように向けられてもよい。
【0006】
車両用灯具の構造は、種々の部品を組み立てた後、容器本体にレンズ状本体を固定し密閉して密封することを含む。
【発明の概要】
【0007】
当該技術では、特定の光度要求を満たす発光ビームを得るために、承認要求を満足するための器具としてだけでなく、車両用灯具が使用される車両に特有のデザインの器具としても、車両用灯具を使用する必要性がますます感じられる。
【0008】
したがって、車両用灯具によって放射された光パターンは、信号機能及び/又は照明機能を実現する機能を有するだけでなく、正確な所望の照明効果(lighting effect)を生成する機能も有する。この照明効果あるいはパターンは、車両用灯具の光学部品と共に、自社を競合会社から差別化したい自動車製造者の中心テーマをますます表している。
【0009】
さらに、典型的には例えば乳白色効果のような、特定の照明効果を有する光パターンを得る必要がある。
【0010】
しかしながらそのような照明効果は、特定の光度要求に関することではないが、エンドユーザーによって本質的要素と考えられる、生成された光ビームの同種性を備えるべきではない。言い換えると、光に関する光度要求を満たすが、非均質の光ビームは、車両用灯具のエンドユーザーによって容認できない「欠陥」と考えられるだろう。
【0011】
したがって、光ビーム自体の適切な均質性を無視することなく、乳白色効果を有する光ビームを放射する光を得る必要がある。
【0012】
当該技術において、車両用灯具における乳白色効果を得るための種々の方法がある。最も一般的なものは、光ビームが通過したとき、乳白光の照明効果を発生することができる乳白光を発する材料を使用することである。
【0013】
乳白光を発する材料は、光をランダムに分散させるように異材料で作製されたミクロスフェアを組み込んだポリマー材料で作製される。
【0014】
光ビームのこのランダムな拡散によって、乳白色効果を得ることが可能である。
【0015】
しかしながら、例えば米国における規制のように、自動車用の光産業においてそのような材料の使用を禁止する幾つかの規制がある。
【0016】
乳白光を発する材料を使用することなく乳白色効果を得ることは、当該産業界におけるエンジニアに関して単純な問題ではない。
【0017】
実際に例えば、導光板の光出射面に直接、エンボスを使用あるいはマイクロ光学部分を使用することは、所望の審美的効果を部分的にのみ達成するであろう。より具体的には、乳白光は、周辺光によって形成された審美的な特徴である。しかしながら、乳白光を発する材料を使用する光学系は、必ずしも同時に均質性を保証しない。
【0018】
よって、当該技術において、乳白光を発するいずれの材料も使用することなく、同時に均質で乳白光を発する光ビームを生成する車両用灯具を提供する必要性が認められる。
【0019】
そのような要求は、請求項1による車両用灯具によって満たされる。
【0020】
本発明の他の実施形態は、従属請求項に述べられている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】アセンブリ構成における本発明による車両用灯具の正面の斜視図である。
図2図1の車両用灯具の透明な斜視図である。
図3a図1の車両用灯具の断面図である。
図3b】本発明のさらなる実施形態による車両用灯具で図3aのIVの詳細を示す図である。
図4a図3aのIVの詳細を示す図である。
図4b】本発明のさらなる実施形態による車両用灯具で図4aのIVの詳細を示す図である。
図5】本発明による車両用灯具の斜視図であり、部品を分離した状態における図である。
図6図6の詳細VIの斜視図である。
図7】本発明による車両用灯具の詳細で、異なる角度からの図である。
図8】本発明による車両用灯具の詳細で、異なる角度からの図である。
図9】本発明による車両用灯具の詳細で、異なる角度からの図である。
図10】本発明による車両用灯具の詳細で、異なる角度からの図である。
図11】本発明による車両用灯具の詳細で、異なる角度からの図である。
図12】本発明による車両用灯具の光学的挙動の概略図である。
図13】本発明による車両用灯具の光学的挙動の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のさらなる特徴及び利点は、その好ましい、かつ制限しない実施形態の以下の記述から、より理解可能になるであろう。
以下に記述された実施形態間において共通の要素あるいは要素の部分は、同じ参照符号によって示されるだろう。
【0023】
上で述べた図を参照して、一般性を失うことなく以下の詳解が言及される車両用灯具は、総称して4で示されている。
【0024】
上述したように、用語「車両用灯具」は、後部車両用灯具又は前部車両用灯具を区別せずに意味することを意図しており、後者はヘッドランプあるいはヘッドライトとも呼ばれる。
【0025】
知られているように、車両用灯具は、例えば、前方、後方、側方位置灯であってもよい位置灯、方向指示灯、ブレーキライト、後部霧灯、後退灯、すれ違いビーム(ロービーム)前照灯、走行ビーム(ハイビーム)前照灯、等のような、照明機能及び/又は信号機能を有する、車両の外側の少なくとも1つの光源を備える。
【0026】
車両用灯具4は、通常ポリマー材料における容器本体8を備え、該容器本体は、車両用灯具4を関連する車両に取り付けることを典型的に可能にする。
【0027】
本発明のために、容器本体8は、任意の形状、サイズ及び位置を有してもよい。即ち、例えば、容器本体8は、関連付けられる車両の車体あるいは他の取り付け具に直接に結合されなくてもよい。
【0028】
1つの実施形態によれば、容器本体8は、電気的に駆動されたときに、車両用灯具4の外側に伝搬される光ビームを形成する複数の光線Riを放射するのに適切な少なくとも1つの光源16を収納する封じ込め座部(containment seat)12の範囲を定める。本発明のために、使用される光源の種類は重要ではなく、好ましくは光源16は、発光ダイオード(LED)光源である。
【0029】
容器本体8は、上述の封じ込め座部12において、既知の方法で、車両用灯具4における種々の光学部品及び/又は電子部品の中間支持エレメント18を収容してもよい。
【0030】
例えば、光源16は、当該技術において既知の、適切なベース19によって電気的に支持され駆動される。
【0031】
車両用灯具4はまた、少なくとも部分的に容器本体8に隣接するレンズ状本体20を備える。
【0032】
レンズ状本体20は、少なくとも1つの一次光源16を収納する封じ込め座部12を少なくとも部分的に閉じるように容器本体8に取り付けられる。
【0033】
本発明のために、レンズ状本体20は、環境に直接さらされる車両用灯具の少なくとも1つの外壁を形成するように外面であってもよい。
【0034】
また、レンズ状本体20は、車両の室内内側に収納されるように車両の内側に存在して設けられることも可能である。これは、例えば、ルームランプあるいは車両のダッシュボードの一部であるライトの場合である。
【0035】
レンズ状本体20は、封じ込め座部12を閉じて、一次光源16によって生産された前述の光ビームによって横断されるのに適している。
【0036】
この点で、レンズ状本体20は、少なくとも部分的に透明あるいは半透明な材料で作製されるが、しかしながら、少なくとも1つの一次光源16によって放射された最初の(primary)光ビームの横断を少なくとも部分的に許可するように、一又は複数の不透明部分を含んでもよい。
【0037】
可能な実施形態によれば、レンズ状本体20の材料は、例えばPMMA、PC、及びその他同種のもののような樹脂である。
【0038】
車両用灯具4は、さらに光導波路24を備え、光導波路24は、光源16からの光ビームを受け入れ、レンズ状本体20に面する光出射壁32へ伝達するように、光導波路の光入射壁28で、少なくとも1つの光源16に面する。
【0039】
光導波路24は、本体36を備え、該本体は、有効縦拡張Lを有し、該有効縦拡張Lに実質的に平行な第1及び第2の側壁40,44も有する。有効縦拡張Lは、本体36の内側の全内部反射による光ビームの伝搬の方向を定義する。
【0040】
有利には、本体36は、第1側壁40から第2側壁44へ延在する第1溝48を有する。この第1溝48は、複数の第1穴52を含み、該第1穴は、乳白色効果を有する光ビームを放射するように光出射壁32の方への連続した屈折によって光線Riの散乱を生成する円筒状あるいは球状の腐食(caustics)を作製するのに適した円筒状あるいは球状の光学部分(optics)を定義したものである。
【0041】
上記第1穴あるいは光学部分52は、少なくとも部分的に互いに進入し合うように、遮られる(interruption)ことなく隣り合わせに並んでいる。言い換えると、隣り合う2つの第1穴52は、本体36の一部によって完全に分離されることがなく、それぞれの側壁の一部を少なくとも部分的に共有している。
【0042】
第1溝48の第1穴52は、底を有し(blind)、つまり光導波路24の本体36の厚さ56に対して非貫通であり、厚さ56未満の第1深さ64にて本体36の第1面60から進入する。例えば、第1穴52は、1mmから5mmの範囲にある直径を有する。
【0043】
述べたように、第1穴52は、実質的に接している、あるいは最大で少なくとも部分的に互いに進入し合っており、これは、例えば、第1穴軸X-Xに垂直な断面に対して測定された、それらの全面積の1-10%に等しい丸い扇形部66に関する部分である(図8における拡大した詳細VIIIで、隣り合う2つの第1穴52’、52”に関する部分を参照)。本発明の動作のために、光ビームR1に関して第1穴52からの自由行程がないことは重要である。言い換えると、全ての光線(radii)は、第1穴よって光学的に影響を受けるように第1穴52を通り抜けなければならない。各穴の接触あるいは相互の進入は、製造プロセスに依存するかもしれないことに注意すべきである。即ち、レーザー穴開けは、実質的に接した穴に帰着し、一方、射出成形工程は、同じ穴の相互進入をとる傾向がある。
【0044】
1つの実施形態によれば、各第1穴52は、円形断面の穴であり、互いから等距離にあり、同じ直径を有している。
【0045】
第1穴52は、光導波路24の本体36の金型からの抜き取りを容易にするため、わずかに口広げ加工あるいは抜き勾配を設けてもよい。
【0046】
第1穴52の第1軸X-Xに垂直な断面に対して第1溝48は、光出射壁32に実質的に平行な第1曲線セグメント68に沿って延在する。
【0047】
第1曲線セグメント68は、また、直線であってもよい。
【0048】
本体36は、光出射壁32において拡散部72を有し、この拡散部は、光出射壁32によって放射される光ビームを標準化し広げるのに適した、マイクロ光学部分及び/又はエンボス及び/又は梨地仕上げを備える。
【0049】
言い換えると、拡散部72は、前述した円筒状あるいは球状の光学部分によって提供された寄与のみを遮る(block)ように、穴52、92の輪郭が除去されるまで光をぼかす役目を果たす。
【0050】
マイクロ光学部分、エンボス、及び/又は梨地仕上げを備え、光出射壁32によって放射される光ビームを標準化し広げるのに適した拡散部72はまた、レンズ状本体20に作製されてもよい。
【0051】
例えば、拡散部72は、第1溝48の第1深さ64で、光出射壁のセグメント76へ延在する。この態様では、第1溝からの光線は、光出射壁32によって出口でさらに均質化される。
【0052】
光出射壁32において本体36は、第1穴52によって影響を受けない、本体部分に配置されたマスク80を有してもよい。該マスク80は、マスクにおいて入射する光ビームによって横断されないように構成されている(図4b)。
【0053】
1つの実施形態によれば、本体36は第2溝84を有し、該第2溝は、光ビームの伝搬方向に沿って第1溝48に対して距離(step)88によるオフセット位置において、第1側壁40から第2側壁44へ延在する。
【0054】
第2溝84は、複数の第2穴92を備え、該第2穴は、光出射壁32の方への連続した屈折によって光線Riの散乱を生成する円筒状あるいは球状の腐食を作製するのに適した円筒状あるいは球状の光学部分を定義したものである。
【0055】
各第2穴92は、少なくとも部分的に互いに進入し合うように、遮られることなく隣り合わせに並んでいる。
【0056】
第2溝84の第2穴92は、底を有し(blind)、つまり光導波路24の本体36の厚さ56に対して非貫通であり、厚さ56未満の第2深さ100にて、本体36の厚さ56に沿って第1面60に対向する、本体36の第2面96から進入する。
【0057】
例えば、第2穴92は、1mmから5mmの範囲の直径を有する。
【0058】
例えば、第2穴92は、実質的に互いに接している、あるいは最大で部分的に互いに進入し合っており、これは、例えば、第2穴軸Y-Yに垂直な断面に対して測定された、それらの全面積の1-10%の丸い扇形部に関する部分である(図9における拡大した詳細IXで、隣り合う2つの第2穴92’、92”に関する部分を参照)。
【0059】
本発明の動作のために、光線Riに関して第2穴92からの自由行程がないことは重要である。即ち、言い換えると、全ての光線は、第2穴によって光学的に影響を受けるように第2穴92を通り抜けなければならない。各穴の接触あるいは相互進入は、製造プロセスに依存するかもしれないことに注意すべきである。即ち、レーザー穴開けは、実質的に接した穴に帰着し、一方、射出成形工程は、同じ穴の相互進入をとる傾向がある。
【0060】
好ましくは、各第2穴92は、円形断面の穴であり、互いから等距離にあり、全て同じ直径を有する。
【0061】
第2穴92は、光導波路24の本体36の金型からの抜き取りを容易にするために、口広げ加工あるいは抜き勾配を設けてもよい。
【0062】
好ましくは、第2穴92は、第1穴52と同じである。
【0063】
第2溝84は、第2穴92の第2軸Y-Yに垂直な断面に対して、光出射壁32と実質的に平行な第2曲線セグメント104に沿って延在する。
【0064】
第2曲線セグメント104は、また直線であってもよい。
【0065】
第1溝48と第2溝84との間の距離88は、第1穴52の軸X-Xと第2穴92の軸Y-Yとの間の距離として定義され、光導波路24の機械的剛性を保証するのに十分な値に等しく、例えばそれぞれの穴の直径に等しい。
【0066】
好ましくは、第1穴52及び第2穴92は、底を有し、つまり全厚さ56を非貫通であり、本体36の全厚さ56を共同で捕まえる(intercept)ように、本体36の対向する第1面60及び第2面96のそれぞれから延在する。言い換えると、第1及び第2の深さ64,100の合計が本体36の厚さ56よりも大きいあるいは等しい場合には、光入射壁28から光出射壁32への光の経路に沿った光ビームの各光線Riは、第1穴52あるいは第2穴92のどちらかに接触する。
【0067】
好ましくは、底を有する第1及び第2の穴52,92は、本体36の厚さ56の少なくとも半分にそれぞれが等しい第1及び第2の深さ64,100にて、対向する各面60、96から延在する。
【0068】
1つの実施形態によれば、光源16は、光導波路24のアラインメント面に直角の方向に沿って光を発するように配向されている。したがって、光導波路24の本体36は、全体でL字形に存在するように互いに好ましくは直角に配列された第1及び第2の枝部108、112と共に延在する。ここで、光入射壁28及び光出射壁32は、互いに実質的に直角である。
【0069】
反射エレメントが第1及び第2の枝部108,112の交差部分116に配置され、その結果、第1枝部108内を伝搬する光ビームは、本体36の第2枝部112の内部の方へ反射される。もちろん、実施形態の一つの変形例において、本体36は、第2枝部112のみを含んでもよく、光源16は、第2枝部112の長さに沿った方向へ光を発するように配向される。
【0070】
本発明による車両用灯具の光学的動作は、底を有する穴の使用によって光導波路内でどのように所望の光学的効果が得られるのかを明らかにするように、記述されるだろう。
【0071】
特に、図12は、光線Riに平行な方向を有する光ビームで、穴を進み、それに続く屈折及び反射によって、2つの極端な出力方向R’iとR”iとの間に囲まれた角度分布に従いそれる、光ビームの挙動を図示している。
【0072】
2つの屈折及び反射が、本体の材料から穴の内側の空気への、それに続く空気から本体の材料への光ビームの移行で、発生する。したがって光ビームは、光ビームが横断する箇所の材料に依存する開放角2αを有する光円錐において拡散される。例えば、PMMAあるいはPCの本体の場合には、この角度αは、およそ40度に等しい。そのような光円錐は、穴の内側に位置する虚焦点Fiの内側に明らかな起点(apparent origin)を有する。
【0073】
図13は、光導波路24内を異方向から来て同じ穴を進む光線R1、R2、R3に平行な方向をそれぞれが有する3つの別個の光ビームに関する同じ光学的拡散の配置を示している。
【0074】
それぞれの上記光ビームは、光ビームが横断する箇所の材料に依存する開放角2αを有する光円錐へ拡散される。特に、光線R1、R2、R3に平行な方向を有するそれぞれの光ビームは、穴を進み、それに続く屈折及び反射のために、2つの極端な出力方向R’1とR”1、R’2とR”2、R’3とR”3のそれぞれの間に囲まれた角度分布に従いそれる。
【0075】
さらに、各光線R1、R2、R3は、穴の内側に位置するそれぞれの虚焦点F1、F2、F3の内側に2αの光円錐の明るさを明らかにする。
【0076】
異方向から来る、そのような光円錐R’i、R”iの重なりは、穴の出口で、乳白光を発する材料によって典型的に生成された体積散乱とほとんど同一な、実質的にランバーシアン(Lambertian)な、光の分配を得ることを可能にする。
【0077】
上述から認識可能なように、本発明は、先行技術における不利益を克服する。
【0078】
特に、本発明による光は、光の外部のレンズ状本体あるいは光導波路において、乳白光を発する材料のいずれの層も使用することなく、任意の乳白色効果の光パターンを得ることを可能にする。
【0079】
特に、穴の形状(geometry)は、異なる媒質(means)、即ち光導波路のプラスチック材料と空気、を横断する光の屈折現象を引き出す(exploit)球状あるいは円筒状の腐食を成長させたものである。このように、入射光ビームは、横断する材料に依存する角度で広げられ、説明したように、前述の乳白色効果を得ながら、光を広げ散乱するようにランダムに分配される。
【0080】
より具体的には、光出射壁に適用されたマイクロ光学部分あるいはエンボス加工によって、周辺光の拡散に関連する審美的効果である乳白色効果を得ることができる。そのようなマイクロ光学部分あるいはエンボス加工と穴との相互作用は、LED光源により光導波路を照らしている均質な効果(homogeneous effect)、つまり車両用灯具の活動状態(state of activation)に帰着する。
【0081】
言うまでもなく、本発明の車両用灯具は、車両用灯具の全ての測光仕様(photometric specifications)を解除(absolving)することができ、オブザーバーの目に均質で満足のいく光ビームを放射することができる。
【0082】
偶発的で具体的な要求を満たす目的において、当業者は、多くの改造及び変更を上述した車両用灯具に行ってもよく、それらの全ては、以下の請求範囲によって定義されるような発明の範囲内にある。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13