IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 河村電器産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電気機器収納用箱体 図1
  • 特許-電気機器収納用箱体 図2
  • 特許-電気機器収納用箱体 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】電気機器収納用箱体
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/06 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
H05K5/06 E
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017240860
(22)【出願日】2017-12-15
(65)【公開番号】P2019110163
(43)【公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 圭
【審査官】柴垣 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-223797(JP,A)
【文献】実開昭57-163106(JP,U)
【文献】特開2003-273530(JP,A)
【文献】実開昭58-149008(JP,U)
【文献】実開昭60-129806(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱本体の内部に電気機器を収納可能であるとともに、前記箱本体の底面に多数の通気孔が開設された電気機器収納用箱体であって、
前記底面の前記箱本体内部側に、前記通気孔より小さい多数の防虫孔が穿設された防虫板が、前記通気孔を覆うように固定されているとともに、
前記底面上に、前記電気機器を取り付けるための取付部が設けられている一方、
前記防虫板に、前記取付部を露出させるための開口が開設されていることを特徴とする電気機器収納用箱体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばコンクリート製の電柱に取り付けられるキャビネット等の電気機器収納用箱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえばコンクリート製の電柱等といった柱に取り付けるタイプの電気機器収納用箱体としては、特許文献1に開示されているようなものがある。そのような特許文献1に記載の電気機器収納用箱体は、柱に取り付けて使用することを前提とした謂わば専用の電気機器収納用箱体である。しかしながら、そのような専用の電気機器収納用箱体を常に準備しておくとなるとコストが嵩む原因となるため、通常は地面上に設置するタイプの電気機器収納用箱体を柱に取り付けて使用することが多々ある。
【0003】
そのような地面上に設置するタイプの電気機器収納用箱体は、その底部に通気口が開設されていることが多く、当該通気口を介しての虫等の異物侵入を防止する必要がある。ただ、このタイプの電気機器収納用箱体は、地面に上面視矩形枠状のチャンネルベースを固定した上で、当該チャンネルベースに固定されることが多い。そして、一般的なチャンネルベースの側面には通気口が開設されていることから、従来は、チャンネルベースの通気口を防虫網等にて覆うことで、電気機器収納用箱体内部への異物侵入を防止することができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-72888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、地面上に設置するタイプの電気機器収納用箱体を柱に取り付けるとなると、チャンネルベースの底面側が地面等に覆われず開放されてしまうため、チャンネルベースの側面の通気口のみを防虫網等で覆っていたのでは、電気機器収納用箱体内部への異物の侵入防止効果が十分でないという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、たとえ柱に取り付けたとしても十分な異物の侵入防止効果を期待することができる電気機器収納用箱体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、箱本体の内部に電気機器を収納可能であるとともに、前記箱本体の底面に多数の通気孔が開設された電気機器収納用箱体であって、前記底面の前記箱本体内部側に、前記通気孔より小さい多数の防虫孔が穿設された防虫板が、前記通気孔を覆うように固定されているとともに、前記底面上に、前記電気機器を取り付けるための取付部が設けられている一方、前記防虫板に、前記取付部を露出させるための開口が開設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、底面の箱本体内部側に、通気孔より小さい多数の防虫孔が穿設された防虫板が、通気孔を覆うように固定されている。したがって、たとえ柱に取り付けて使用したとしても虫等の異物の侵入を確実に防止することができる。
また、底面上に、電気機器を取り付けるための取付部が設けられている一方、防虫板に、取付部を露出させるための開口が開設されているため、底面に防虫板を取り付けているにも拘わらず、取付部を利用して電気機器を取り付けることができ、構成の合理化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電気機器収納用箱体の外観を後側から示した斜視説明図である。
図2】分解状態にある電気機器収納用箱体を前側から示した斜視説明図である。
図3】分解状態にある電気機器収納用箱体の底部を拡大して示した斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態となる電気機器収納用箱体(以下、箱体と称す)1について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0011】
図1は、箱体1の外観を後側から示した斜視説明図である。図2は、分解状態にある箱体1を前側から示した斜視説明図である。図3は、分解状態にある箱体1の底部を拡大して示した斜視説明図である。
箱体1は、前面、及び上下両面に開口する箱本体2と、箱本体2の前面開口を開閉する前扉3と、箱本体2の上面開口を閉塞する天板4と、箱本体2の下面開口を覆うように取り付けられる底板5と、底板5の下面に固定されるチャンネルベース6とを備えてなるもので、底板5以外の構成要素は、従来地面上に設置されて使用される箱体と略同様に構成されている。また、底板5の中央部には、従来同様、通気のための多数の通気孔7、7・・と、配線のための配線用開口9、9とが開設されている。ただ、底板5の上面には、本発明の要部となる防虫板10が通気孔7、7・・を覆うように固定可能となっている。
【0012】
さらに、底板5の上面には、使用しない配線用開口9、9を塞ぐためのカバー11、11も固定可能となっている。さらにまた、底板5の上面には、箱本体2内部に収納される電気機器を取り付けるための取付部14、14が設けられている。加えて、箱本体2の背面には、箱体1を柱(たとえばコンクリート製の電柱)に取り付けるための取付金具8、8が固定されている。なお、6aは、チャンネルベース6に開設された通気のための通気口である。
【0013】
防虫板10は、底板5と略同じ大きさの上面視矩形に成形された金属板であって、略全面にわたって通気孔7よりも小さい多数の防虫孔(具体的には直径2mm程度の孔で、図示しない)が開設されている。また、防虫板10の左部及び右部には、取付部14、14を露出させるためのスリット12、12が設けられている。さらに、防虫板10には、底板5の上面にネジ止めするためのネジ孔13、13・・が穿設されている。そして、この防虫板10を底板7の上面に固定することで、底板5に開設されている全ての通気孔7、7・・及び配線用開口9、9が防虫板10により覆われるようになっている。
【0014】
以上のような構成を有する箱体1によれば、通気孔7、7・・が開設された底板5上に、略全面にわたって通気孔7よりも小さい多数の防虫孔が開設された防虫板10が取り付けられており、当該防虫板10により通気孔7、7・・を覆っている。したがって、箱体1を電柱等に取り付けたとしても、箱体1内への虫等の異物侵入を確実に防止することができる。
【0015】
また、底板5上に、箱本体2内部に収納される電気機器を取り付けるための取付部14、14が設けられている一方、防虫板10に、取付部14、14を露出させるためのスリット12、12が開設されているため、底板5に防虫板10を取り付けているにも拘わらず、取付部14、14を利用して電気機器を取り付けることができ、構成の合理化を図ることができる。
【0016】
なお、本発明の箱体に係る構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、箱体の全体的な構造は勿論、防虫板に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0017】
たとえば、上記実施形態では、防虫板の大きさを底板と略同じ大きさとしているが、防虫板の大きさは、底板における通気孔の穿設範囲等に応じて適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、防虫板により配線用開口を覆うとしているが、配線用開口をカバーで覆うのであれば、防虫板が配線用開口を覆わずともよい。
【符号の説明】
【0018】
1・・電気機器収納用箱体、2・・箱本体、3・・前扉、4・・天板、5・・底板、7・・通気孔、10・・防虫板、12・・スリット(開口)、13・・ネジ孔、14・・取付部。
図1
図2
図3