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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】浴室ユニット
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20220428BHJP
   A47K 4/00 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
E04H1/12 301
A47K4/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018030161
(22)【出願日】2018-02-22
(65)【公開番号】P2019143414
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】飯尾 和典
(72)【発明者】
【氏名】堀江 直也
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-119154(JP,U)
【文献】実開平01-177588(JP,U)
【文献】特開2008-095475(JP,A)
【文献】特開2017-218875(JP,A)
【文献】特許第6903481(JP,B2)
【文献】特許第6948824(JP,B2)
【文献】米国特許第05001787(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/12
A47K 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯を溜める浴槽と、
開閉可能な扉および前記扉を嵌める枠部を有し、前記浴槽と前記浴槽に隣接する浴槽前床とを仕切る仕切部と、を備える浴室ユニットにおいて、
前記枠部の下枠は、前記浴槽側の一端部が前記浴槽の上縁部によって支持されており、前記浴槽前床側の他端部が、前記上縁部の前記浴槽前床側に設けられた支持部材によって支持されており、
前記上縁部は、床面に設置され前記浴槽を載せ置く架台によって支持されており、
前記支持部材は、前記架台によって荷重が支えられていることを特徴とする浴室ユニット。
【請求項2】
前記上縁部は、前記浴槽前床側の外縁部分において前記下枠の前記一端部を支持しており、内縁部分から前記一端部に亘る上面が露出していることを特徴とする請求項1に記載の浴室ユニット。
【請求項3】
湯を溜める浴槽と、
開閉可能な扉および前記扉を嵌める枠部を有し、前記浴槽と前記浴槽に隣接する浴槽前床とを仕切る仕切部と、を備える浴室ユニットにおいて、
前記枠部の下枠は、前記浴槽側の一端部が前記浴槽の上縁部によって支持されており、前記浴槽前床側の他端部が、前記上縁部の前記浴槽前床側に設けられた支持部材によって支持されており、
前記上縁部は、床面に設置され前記浴槽を載せ置く架台によって支持されており、
前記支持部材は、前記架台と独立して床面に設置され上方へ延びる構造体であることを特徴とする浴室ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
浴室ユニットは、湯を溜める浴槽と、浴槽に隣接して配設された浴槽前床を有する。浴室ユニットは、周囲を壁パネル、上方を天井パネルで覆われている。浴室ユニット内の空間には、浴槽のほか、洗面器やトイレが設けられることもあり、ユーザがより快適に浴室ユニットを利用するための工夫がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、浴槽と浴槽前床とを仕切る仕切部としてサッシを設けた浴室ユニットが開示されている。サッシは、枠部と、枠部にスライド可能に支持された障子とからなる。サッシは、浴槽の上縁部、補強部材を介して壁面、および上部化粧カバーを介して天井面に接触して支持されている。補強部材は、壁面に接着した後にねじ止め固定されており、補強部材にサッシの枠部における縦枠がねじ止め固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-144433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の浴室ユニットは、障子を嵌める枠部の下枠が浴槽の上縁部に接触しているものの、上縁部の形状や広さによっては下枠を十分に支持できず、下枠に撓み等の変形が生じる可能性があった。下枠に変形が生じると、例えば下枠と障子との間に配設されているパッキン等の漏水防止箇所に隙間が生じて、浴槽側から浴槽前床側へ水が流出する懸念がある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、仕切部に配設される枠部の下枠の撓みを抑制することができる浴室ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る浴室ユニットは、湯を溜める浴槽と、開閉可能な扉および前記扉を嵌める枠部を有し、前記浴槽と前記浴槽に隣接する浴槽前床とを仕切る仕切部と、を備える浴室ユニットにおいて、前記枠部の下枠は、前記浴槽側の一端部が前記浴槽の上縁部によって支持されており、前記浴槽前床側の他端部が、前記上縁部の前記浴槽前床側に設けられた支持部材によって支持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、浴室ユニットは、仕切部に配設される枠部の下枠の撓みを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る浴室ユニットの外観を示す斜視図である。
図2】浴室ユニットの上面断面図である。
図3】浴室ユニットの縦断面図である。
図4】扉の中央部における縦断面図である。
図5】下枠部分における機能を説明するための模式図である。
図6】変形例に係る浴室ユニットの下枠部分における縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図1から図6を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0011】
(実施形態)
図1は実施形態に係る浴室ユニット100の外観を示す斜視図であり、図2は浴室ユニット100の上面断面図である。浴室ユニット100は、浴槽1、シャワー装置21、給水装置22、仕切部4、浴槽前床50および壁部60等を有する。浴槽1は、平面視矩形状をなし、湯を溜めることができる深皿状である。浴槽1は、上縁部10に配設された壁部60および仕切部4によって周囲が覆われ、上方を天井パネル61によって覆われている。壁部60は、浴槽1の周囲において、浴槽1の長手方向に沿う一側に配設された壁部60a、浴槽1の長手方向の両端部であって壁部60aの両側に配設される壁部60bおよび60cで構成されている。
【0012】
浴槽1は、底部11に排水栓12、および内側面等にオーバーフロー栓(図示略)を有し、排水栓12を閉状態にして浴槽1に湯を溜めることができ、排水栓12を開状態にして浴槽1から湯を抜く。浴槽1の長手方向の一端側における壁部60bには、シャワー装置21および給水装置22が配設されている。ユーザは、浴槽1内において、シャワー装置21からの湯水を浴び、給水装置22によって浴槽1に湯を溜めて入浴する。尚、浴槽1は、後述するように下側に漏水防止のための浴槽パンが設けられており、床上に設置された架台に載せ置かれる。図1において、浴槽パンおよび架台は省略されている。
【0013】
浴槽前床50は、ユーザが脱衣や着衣等を行ったり、衣類を乾かしたりするための空間を提供する。浴槽前床50には洗面器やトイレ設備などを配置しても良い。浴槽前床50は、水の受け皿として機能させるものではなく、浴槽前床50の部分における壁部60dには、収納棚64などを配置し、衣類やタオルなどを収納する。尚、浴槽前床50は、水の受け皿となるものではないため、排水口を設ける必要はないが、床面の洗い流しのために排水口を設けてもよい。
【0014】
仕切部4は、浴槽1の上縁部10の4辺のうち、浴槽1に隣接する浴槽前床50側の一辺に設けられており、壁部60aに対向する。仕切部4は、開閉可能な引違い戸である扉40を有しており、浴槽1と浴槽前床50とは、間仕切りとして扉40によって仕切られている。浴室ユニット100への入り口63には、引き戸である開閉扉63aが設けられ、入り口63を開閉することができる。尚、開閉扉63aは引き戸に限られず、開き戸、引違い戸、折れ戸などであってもよい。
【0015】
扉40は、内障子40aおよび外障子40bを有している。内障子40aおよび外障子40bは、長方形状に組み立てられた戸先框、戸尻框、下框および上框の内側にガラス製または樹脂製等の板を嵌め込んで構成されている。扉40の内障子40aおよび外障子40bは、枠部42に嵌め込まれており、両障子ともスライドさせることにより開閉することができる。枠部42は、浴槽1の上縁部10から天井パネル61にかけて設けられている。
【0016】
枠部42は、浴槽前床50から見て左右の縦枠、下枠、および上枠を有しており、浴槽1の長手方向に沿う他側に配設されている。枠部42の左右の縦枠は、壁部60bおよび60cに固定されている。枠部42の下枠は、浴槽1の上縁部10上に添うように、左右の縦枠間に設けられている。枠部42の上枠は、左右の縦枠の上端部に連結されている。
【0017】
図3は浴室ユニット100の縦断面図である。図3においてシャワー装置21、給水装置22および収納棚64の記載は省略されている。浴槽1の下側には、排水栓12に接続された排水部3が設けられている。排水部3は、トラップ部31、排水管32およびオーバーフロー配管33(一部省略)等を備える。浴槽1の下方には浴槽1の湯水が外部に漏れないよう浴槽パン13が設けられており、排水部3は、浴槽パン13の内部であって、浴槽1と浴槽パン13との間の空間に配設されている。
【0018】
トラップ部31は、排水栓12からの排水を排水管32へ通流させるとともに、内部に水が溜まった状態を保つ。トラップ部31からの排水は、浴槽パン13を貫通して外部に延びる排水管32を通して外部に排出される。浴槽パン13は、排水管32が貫通する箇所において漏水しないようにパッキン等で水密に封止されている。オーバーフロー配管33は、一端部がトラップ部31に接続されており、他端部が浴槽1に設けられたオーバーフロー栓(図示略)に接続されており、該オーバーフロー栓からの湯水をトラップ部31へ通流させ、排水管32を通して排出する。
【0019】
浴槽1および浴槽1の下側を覆う浴槽パン13は、架台81上に載置されて支持される。架台81は、直方体状のフレーム構造体であり、床面9に載せ置く脚部81aを四隅および内側の4か所の計8か所に有する。浴槽1の浴槽前床50側には、エプロン65が着脱可能に取り付けられており、エプロン65を取り外すことで、浴槽1の裏側へのアクセスが可能となり、点検や修理等の保守作業を行うことができる。
【0020】
図4は、扉40の中央部における縦断面図である。図4において、紙面の左右方向は見込み方向であり、紙面に垂直な方向は見付け方向である。内障子40aは、戸先框および戸尻框の上部に取り付けられた車輪部41を有している。車輪部41は、戸先框および戸尻框の上部に固定された本体部41aと、本体部41aに見込み方向の軸回りに回転可能に支持される車輪41bとを有する。車輪41bは、上枠43に設けたレール部43aに載せられている。
【0021】
レール部43aは、細長い板状をなし、見込み方向に車輪41bが載せられる程度の幅寸法を有し、上枠43の全長に亘って延びる。内障子40aは、レール部43aによって支持されており、車輪41bが回転しながらレール部43aを走行することによって開閉する。同様に、外障子40bにも車輪部41が設けられており、外障子40bは、レール部43aによって支持されており、車輪41bが回転しながらレール部43aを走行することによって開閉する。
【0022】
内障子40aの下框には、下枠44に案内される被案内板41cを有する。被案内板41cは、見付け方向に垂直な断面が逆さL字状をなし、下框の全長に亘って細長く延びる。被案内板41cは、L字状の水平な一辺側が下框の底部に取り付けられており、鉛直に配設される他辺側が後述する下枠44の案内溝46cに嵌め込まれる。同様に、外障子40bも被案内板41cを有し、案内溝46cに嵌め込まれる。
【0023】
下枠44は、基台部45、並びに、内障子40aおよび外障子40bを案内するガイド部46を有する。浴槽1の扉40側の上縁部10下方には、上縁部10に沿って延びるフレーム体81bが設けられている。アングル部材82は、見付け方向の断面がC字状をなし、架台81で荷重が支えられている。またアングル部材82は、浴槽1の上縁部10の浴槽前床50側に配設されており、枠部42の左右の縦枠間に亘って延びる。
【0024】
基台部45は、浴槽1側の一端部が浴槽1の上縁部10によって支持されており、浴槽前床50側の他端部がアングル部材82に固定されている。浴槽1の上縁部10は、浴槽前床50側の外縁部分10aにおいて、基台部45の浴槽1側の一端部を支持している。上縁部10は、内縁部分10bから、基台部45の浴槽1側の一端部に亘る上面10cが、基台部45に覆われずに露出している。基台部45は、上縁部10の外縁部分10aとアングル部材82とを跨ぐように設けられており、左右の縦枠間に亘って延びる。
【0025】
基台部45は、見込み方向における浴槽1の上縁部10側に形成される座部45a、見込み方向における上縁部10側の反対側に形成される外縁部45b、およびガイド部46を把持する把持部45cを有する。座部45aの上面は、平坦状であり、浴槽1側に向うにつれて下降する緩い勾配をもつ。この勾配によって、座部45aの上面に降りかかった水は、浴槽1の上縁部10へ流れ落ちる。外縁部45bは、座部45aよりも一段高く形成されており、水が外部に流れ出ないように堰き止める。把持部45cは、座部45aと外縁部45bの間に形成されており、上方に開口する凹所をなす。
【0026】
ガイド部46は、脚部46a、対向面部46b、および2箇所の案内溝46cを有する。脚部46aは、基台部45の把持部45cに上方から差し込まれ、把持部45cによって把持されている。ガイド部46は、脚部46aを把持部45cに差し込むことで基台部45に取り付けられ、脚部46aを把持部45cから引き抜くようにして取り外すことができる。
【0027】
対向面部46bは、内障子40aおよび外障子40bの下框の底部に対向するガイド部46の上面として形成されている。対向面部46bによって形成されるガイド部46の上面は、平坦状であり、浴槽1側に向うにつれて下降する緩い勾配をもつ。この勾配によって、ガイド部46の上面に降りかかった水は、浴槽1の上縁部10へ流れ落ちる。案内溝46cは、内障子40aおよび外障子40bの下框に設けた被案内板41cに対応する位置において、対向面部46bを穿つようにして左右の縦枠間に亘って設けられている。案内溝46cの側面部には、水抜き孔(図示略)が設けられている。
【0028】
案内溝46cの開口部の縁にはパッキン47が設けられており、内障子40aおよび外障子40bの下框に設けた被案内板41cに接触する。パッキン47は、案内溝46cにおける隙間を塞ぐことで、浴槽1側から浴槽前床50側へ水が流出することを防ぐ。パッキン47は、見込み方向に突起して、案内溝46cを部分的に覆うように配設されている。
【0029】
対向面部46bは、2つの案内溝46cによって3つの部分に隔てられるが、各部分によって形成されるガイド部46の上面の面積は、案内溝46cの開口面積よりも広い。またパッキン47が、案内溝46cの開口部の縁から見込み方向に突起するため、案内溝46cの開口面積はより小さくなる。
【0030】
次に浴室ユニット100の作用について説明する。図5は、下枠44部分における機能を説明するための模式図である。図5は、図4に示す扉40の中央部における縦断面図における下枠44部分の断面図に相当している。下枠44の基台部45は、浴槽1側の一端部が浴槽1の上縁部10によって支持されており、浴槽前床50側の他端部がアングル部材82に固定されて支持されている。このため、枠部42の下枠44は、図5に示す実線の矢印のような浴槽前床50側の他端部が撓む変形を抑制することができる。また、下枠44を支持するためのアングル部材82は、浴槽1を載せ置く架台81に簡単な構成によって固定しておくことができる。
【0031】
また、下枠44の基台部45における浴槽前床50側の他端部を支持するアングル部材82は、浴槽1の上縁部10に沿って左右の縦枠間に亘って設けられているので、下枠44が見付け方向の中央部において下方に撓む変形を抑制することができる。
【0032】
下枠44の基台部45は、アングル部材82にねじ等で固定されていれば、浴槽1側の一端部を浴槽1の上縁部10における外縁部分10aにねじや接着剤によって固定せずに単に載せ置くようにしてもよい。下枠44の浴槽1側の一端部が浴槽1の外縁部分10aに載せ置かれることによって、浴槽1側にねじ穴等の固定箇所を設けることなく、また接着剤を塗布せずに下枠44を取り付けることができる。また、下枠44の浴槽1側の一端部を浴槽1の外縁部分10aに載せ置くことによって、下枠44に降りかかった水を浴槽1の上縁部10へ還流させることができる。
【0033】
また浴槽1の上縁部10は、浴槽前床50側の外縁部分10aにおいて、基台部45の浴槽1側の一端部を支持しており、内縁部分10bから、基台部45の浴槽1側の一端部に亘る上面10cが、基台部45に覆われずに露出している。図5に示す白抜き矢印のように、上方から上縁部10の上面10cへの接触が可能となっている。浴槽1の上縁部10の上面10cは、扉40の開閉状態の如何に関わらず露出しており、ユーザが手足や肘等の身体の部分を載せ易くなっており、ユーザの利便性が向上する。
【0034】
また浴槽1の上縁部10の上面10cには、浴槽1で使用する機能部品を配置することもできる。機能部品として、例えば排水栓12の開閉を遠隔操作する操作ボタンや、吐水具、吐水具に付随する操作つまみなどを上面10cに配置することができる。
【0035】
また、下枠44における対向面部46bは、2つの案内溝46cによって3つの部分に隔てられるが、各部分によって形成されるガイド部46の上面の面積は、案内溝46cの開口面積よりも広い。このため、扉40を開状態としたときに、対向面部46bにユーザが手足や肘等の身体の部分を載せ易くなっており、ユーザの利便性が向上する。また、ユーザは、扉40を開状態としたときに、下枠44において対向面部46bによって広範囲な面が形成されていることを認識することができ、浴槽1および浴槽前床50間の移動の際に跨ぎ易いという印象を受け易くなる。
【0036】
次に、実施形態の浴室ユニット100の特徴を説明する。
実施形態に係る浴室ユニット100は、湯を溜める浴槽1と、開閉可能な扉40および扉40を嵌める枠部42を有し、浴槽1と浴槽1に隣接する浴槽前床50とを仕切る仕切部4と、を備える。枠部42の下枠44は、浴槽1側の一端部が浴槽1の上縁部10によって支持されており、浴槽前床50側の他端部が、上縁部10の浴槽前床50側に設けられた支持部材であるアングル部材82によって支持されている。これにより、浴室ユニット100は、枠部42の下枠44において浴槽前床50側の他端部が撓む変形を抑制することができる。
【0037】
また上縁部10は、浴槽前床50側の外縁部分10aにおいて下枠44の一端部を支持しており、内縁部分10bから一端部に亘る上面10cが露出している。これにより、浴室ユニット100は、浴槽1の上縁部10の上面10cにユーザが手足や肘等の身体の部分を載せ易くなっており、ユーザの利便性が向上する。
【0038】
また支持部材であるアングル部材82は、浴槽1を載せ置く架台81に固定されている。これにより、浴室ユニット100は、簡単な構成によって下枠44を支持するアングル部材82を架台81に固定しておくことができる。
【0039】
(変形例)
図6は、変形例に係る浴室ユニット100の下枠44部分における縦断面図である。下枠44は、左右の縦枠間に亘って形成された基台部70と、基台部70から上方へ突出するように設けたシール部70a、およびレール部70bを有する。レール部70bは、板状であり、左右の縦枠間に亘って延びる。図6に示す下枠44は折れ戸用のものであるが、図4等に示した引違い戸用の下枠等を設けてもよい。
【0040】
下枠44の浴槽1側の一端部は、浴槽1の上縁部10における外縁部分10aによって支持されている。浴槽1の上縁部10は、内縁部分10bから下枠44の一端部に亘る上面10cが露出している。下枠44の浴槽前床50側の他端部は、架台81と独立して設けられる支持体83によって支持されている。支持体83は、床面9に載置されて、上方へ延びる構造体であり、下枠44を支持する上端部分83bが浴槽1の上縁部10の浴槽前床50側に設けられている。
【0041】
浴槽1を載置する架台81が図6に示すような脚部を設けた簡易的な構造である場合には、実施形態に示したアングル部材82を架台81に固定することが困難となる。浴室ユニット100は、架台81と独立して支持体83を設けることによって、下枠44の浴槽前床50側の他端部を支持することができる。
【0042】
上述の実施形態および変形例においては、扉40として引違い戸および折れ戸の例を示したが、扉40は引き戸、開き戸等であってもよい。
【0043】
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【符号の説明】
【0044】
1 浴槽、 10 上縁部、 4 仕切部、 40 扉、 42 枠部、
44 下枠、 50 浴槽前床、 81 架台、
82 アングル部材(支持部材)、 83 支持体(支持部材)、
100 浴室ユニット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6