(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】通信ネットワークシステム、及びルーター、ルーター用のプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 45/00 20220101AFI20220428BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
H04L45/00
H04M11/00 302
(21)【出願番号】P 2018081430
(22)【出願日】2018-04-20
【審査請求日】2021-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】393010318
【氏名又は名称】エレコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】上原 純
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-278862(JP,A)
【文献】特開2007-306298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット回線に接続されているルーターと該ルーター
との接続
が確立されている通信機器との接続状態を切り替える切替機能を有する通信ネットワークシステムであって、
前記ルーターとの接続を確立する前記通信機器に関する情報を登録する登録手段を
備え、
前記登録手段は、
前記ルーターとの接続を確立する前記通信機器の情報を複数登録可能である機器登録手段と、
前記機器登録手段によって登録されている前記通信機器の種類として、前記ルーターと前記通信機器との接続を制御するための鍵機器、前記ルーターとの接続状態が制御される切替対象機器、前記ルーターとの接続状態の切替制御の対象としない対象外機器の何れかを選択して登録可能である種別登録手段と、を有し、
前記ルーターと前記鍵機器との接続状態が切り替わったときに、前記ルーターと前記切替対象機器との接続状態を切り替え
、且つ前記ルーターと対象外機器との接続状態は変更しない切替制御手
段、を備える、
通信ネットワークシステム。
【請求項2】
前記登録手段は、前記ルーターと前記鍵機器との接続状態が切り替わった際に、前記ルーターへの前記切替対象機器の通信を許可する許可命令、又は前記ルーターへの前記切替対象機器の通信を禁止する禁止命令を設定可能である、
請求項1に記載の通信ネットワークシステム。
【請求項3】
インターネット回線に接続され、且つ
接続が確立されている通信機器との接続状態を切り替える切替機能を有するルーターであって、
前
記通信機器と通信可能な通信手段と、
前記通信手段との接続を確立する前記通信機器に関する情報を登録する登録手段を
備え、
前記登録手段は、
前記通信手段との接続を確立する前記通信機器の情報を複数登録可能である機器登録手段と、
前記機器登録手段によって登録されている前記通信機器の種類として、前記通信手段と前記通信機器との接続を制御するための鍵機器、前記通信手段との接続状態が制御される切替対象機器、前記通信手段との接続状態の切替制御の対象としない対象外機器の何れかを選択して登録可能である種別登録手段と、を有し、
前記通信手段と前記鍵機器との接続状態が切り替わったときに、前記通信手段と前記切替対象機器との接続状態を切り替え
、且つ前記通信手段と前記対象外機器との接続状態は変更しない切替制御手
段、を備える、
ルーター。
【請求項4】
前記登録手段は、前記通信手段と前記鍵機器との接続状態が切り替わった際に、前記通信手段への前記切替対象機器の通信を許可する許可命令、又は前記通信手段への前記切替対象機器の通信を禁止する禁止命令を設定可能である、
請求項3に記載のルーター。
【請求項5】
ルーターを、請求項3又は4に記載のルーターとして機能させる、
ルーター用のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
近年、インターネット回線に接続されるルーターと該ルーターと通信可能な通信機器(例えば、パソコンや家電製品等)とで構築される通信ネットワークシステムが普及しており、例えば、特許文献1に開示されているように、ルーターと通信機器との接続状態をユーザーの状況に応じて切り替えるように構成された通信ネットワークシステムも知られている。
【0002】
かかる通信ネットワークシステムは、異なる2つのSSID(第1のネットワーク識別子、第2のネットワーク識別子)で識別される通信経路を有するルーターと、該ルーターの第1のネットワーク識別子により識別される通信経路(以下、第1の通信経路と称する)に接続可能な第1の無線端末と、該ルーターの第2のネットワーク識別子により識別される通信経路(以下、第2の通信経路と称する)に接続可能な第2の無線端末と、で構築されている。
【0003】
ルーターは、第1の通信経路と第1の無線端末との接続が確立されたときに、第2の通信経路を有効にし(すなわち、第2の無線端末を接続可能な状態に切り替える)、第1の通信経路と第1の無線端末との接続が切断されたときに、第2の通信経路を無効にする(すなわち、第2の無線端末を接続不能な状態に切り替える)ように構成されている。
【0004】
そのため、上記通信ネットワークでは、例えば、一般家庭内において、第1の端末を親が所持し、第2の端末を子供が所持すれば、親の在宅時においては子供が第2の端末からインターネット回線を利用することができ、親の不在時においては子供が第2の端末からのインターネット回線の利用を制限することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の通信ネットワークシステムでは、第2の通信経路には第2の端末以外の通信機器が接続されることがあり、この場合、第1の通信経路と第1の無線端末との接続が切断されると、第2の端末とともに該第2の端末以外の通信機器もインターネット回線から切り離されてしまう。
【0007】
そのため、上記従来の通信ネットワークシステムでは、使用環境にそぐわない形で通信機器がインターネット回線から切り離されてしまうことがあった。
【0008】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、使用環境に適した通信機器の接続の切り替え方を設定できる通信ネットワークシステム、ルーター、ルーター用のプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の通信ネットワークシステムは、
インターネット回線に接続されているルーターと、該ルーターに接続可能な複数の通信機器との接続状態を切り替える切替機能を有する通信ネットワークシステムであって、
前記複数の通信機器のうちの少なくとも一つの通信機器を、前記接続状態を切り替えるための鍵機器として登録し、且つ前記複数の通信機器のうちの前記鍵機器とは別の通信機器の少なくとも一つを、前記ルーターとの接続状態を切り替える対象である切替対象機器として登録する登録手段と、
前記ルーターと前記鍵機器との接続状態が切り替わったときに、前記ルーターと前記切替対象機器との接続状態を切り替える切替制御手段と、を備える。
【0010】
上記構成の通信ネットワークシステムによれば、ルーターと鍵機器との接続状態を切り替えることにより、ルーターと切替対象機器との接続状態も切り替えることができ、また、複数の通信機器の中から所望する通信機器のみを切替対象機器として登録することができる。
【0011】
そのため、前記通信ネットワークシステムは、ルーターと鍵機器との接続状態が切り替わったときに、複数の通信機器のうちの鍵機器以外の通信機器とルーターとの接続状態を使用環境に適した状態にしておくことができる。
【0012】
また、本発明の通信ネットワークシステムにおいて、
前記登録手段は、前記ルーターと前記鍵機器との接続状態が切り替わった際に、前記ルーターへの前記切替対象機器の通信を許可する許可命令、又は前記ルーターへの前記切替対象機器の通信を禁止する禁止命令を設定可能であってもよい。
【0013】
かかる構成によれば、ルーターと鍵機器との接続状態が切り替わった際における、ルーターと切替対象機器との接続状態を所望する状態に切り替えることができるため、ルーターと切替対象機器との接続状態を使用環境に合わせた状態にし易くなる。
【0014】
本発明のルーターは、
インターネット回線に接続され、且つ複数の通信機器との接続状態を切り替える切替機能を有するルーターであって、
前記複数の通信機器と通信可能な通信手段と、
前記複数の通信機器のうちの少なくとも一つの通信機器を、前記接続状態を切り替えるための鍵機器として登録し、且つ前記複数の通信機器のうちの前記鍵機器とは別の通信機器の少なくとも一つを、前記通信手段との接続状態を切り替える対象である切替対象機器として登録する登録手段と、
前記通信手段と前記鍵機器との接続状態が切り替わったときに、前記通信手段と前記切替対象機器との接続状態を切り替える切替制御手段と、を備える。
【0015】
上記構成のルーターによれば、通信手段と鍵機器との接続状態を切り替えることにより、通信手段と切替対象機器との接続状態も切り替えることができ、また、複数の通信機器の中から所望する通信機器のみを切替対象機器として登録することができる。
【0016】
そのため、前記ルーターは、通信手段と鍵機器との接続状態が切り替わったときに、複数の通信機器のうちの鍵機器以外の通信機器と通信手段との接続状態を使用環境に適した状態にしておくことができる。
【0017】
また、本発明のルーターにおいて、
前記登録手段は、前記通信手段と前記鍵機器との接続状態が切り替わった際に、前記通信手段への前記切替対象機器の通信を許可する許可命令、又は前記通信手段への前記切替対象機器の通信を禁止する禁止命令を設定可能であってもよい。
【0018】
かかる構成によれば、通信手段と鍵機器との接続状態が切り替わった際における、通信手段と切替対象機器との接続状態を所望する状態に切り替えることができるため、通信手段と切替対象機器との接続状態を使用環境に合わせた状態にし易くなる。
【0019】
そして、本発明のルーター用のプログラムは、ルーターを上記の何れかのルーターとして機能させるように構成される。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明の通信ネットワークシステム、ルーター、ルーター用のプログラムによれば、使用環境に応じた通信機器の接続の切り替え方を設定できる、という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信ネットワークシステムの概要図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係る通信ネットワークシステムのブロック図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る通信ネットワークシステムの機器管理情報の説明図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る通信ネットワークシステムの登録手段のブロック図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係る通信ネットワークシステムの使用状態の説明図であり、(a)は鍵機器がルーターに接続されている状態の説明図、(b)は鍵機器がルーターから切断されている状態の説明図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係る通信ネットワークシステムのメインフローチャートである。
【
図7】
図7は、同実施形態に係る通信ネットワークシステムにおける、鍵機器の接続状態を判定する処理のフローチャートである。
【
図8】
図8は、同実施形態に係る通信ネットワークシステムにおける、切替対象機器の接続状態を切り替える処理のフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の他の実施形態に係る通信ネットワークシステムにおける、切替対象識別情報の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態に係る通信ネットワークシステムについて添付図面を参照しつつ説明を行う。
【0023】
通信ネットワークシステムは、
図1に示すように、インターネット回線に接続されるルーター2と、該ルーター2と通信可能な複数の通信機器3と、で構成されるネットワークに構築され、ルーター2に対する複数の通信機器3の接続状態を切り替える切替機能を有するように構成されている。
【0024】
本実施形態に係る通信ネットワークシステム1は、
図2に示すように、ルーター2に設けられ且つ通信機器3と通信可能な通信手段4と、通信手段4と通信する通信機器3を管理するための機器管理情報50、及び通信手段4に対する通信機器3の通信を禁止するための拒否情報51を記憶する記憶手段5と、複数の通信機器3のうちの少なくとも一つの通信機器3を鍵機器30として登録し、且つ複数の通信機器3のうちの鍵機器30とは別の通信機器3の少なくとも一つを切替対象機器31として登録する登録手段6と、ルーター2と鍵機器30との通信状態を監視する監視手段7と、鍵機器30との接続状態が切り替わったときに、ルーター2と切替対象機器31との接続状態を切り替える切替制御手段8と、を備えている。
【0025】
なお、本実施形態では、ルーター2が、上記の通信手段4、記憶手段5、登録手段6、監視手段7、切替制御手段8のそれぞれの手段を備えており、該ルーター2には、これらの各手段を機能させるためのルーター用のプログラムが導入されていればよい。
【0026】
通信手段4は複数の通信機器3と通信可能である。
【0027】
機器管理情報50には、
図3に示すように、通信手段4との接続が確立されている通信機器3を識別するための識別情報500と、識別情報500により示される通信機器3の種類を示す種別情報501と、識別情報500が示す通信機器3のルーター2との接続状況(通信状況)を示すステータス情報502と、が含まれている。
【0028】
なお、機器管理情報50には、識別情報500に対して一つの種別情報501と、一つのステータス情報502とを関連付けて一組にした情報セットが少なくとも一つ含まれている。
【0029】
識別情報500には、通信機器3の固有の情報(例えば、マックアドレス)が登録されている。
【0030】
種別情報501には、関連付けられている識別情報500により示される通信機器3に対して、ルーター2と通信機器3との接続を制御するための鍵機器30であることを示す鍵機器識別情報、ルーター2との接続状態が制御される切替対象機器31であることを示す切替対象識別情報、鍵機器30及び切替対象機器31以外の通信機器3(すなわち、ルーター2との接続状態の切替制御の対象としない通信機器3)を示す対象外情報、の何れかの情報が設定されている。
【0031】
ステータス情報502には、関連付けられている識別情報500により示される通信機器3が通信手段4に接続されているオンライン情報、又は該通信機器3が通信手段4に接続されていないオフライン情報が設定される。
【0032】
図2に示すように、拒否情報51には、通信手段4に対する接続を禁止する通信機器3の識別情報500が設定される。通信手段4は、拒否情報51を参照しており、拒否情報51に設定されている通信機器3からの接続要求を受けた際に、該通信機器3からの接続を拒否するように構成されている。
【0033】
図4に示すように、登録手段6は、通信手段4に接続する通信機器3を登録する機器登録手段60と、該機器登録手段60の種別を選択して登録する種別登録手段61と、機器登録手段60により登録されている通信機器3の通信手段4との通信状態を示すステータス更新手段62と、を有する。
【0034】
機器登録手段60は、通信機器3が有する固有の情報を識別情報500に設定する。なお、機器登録手段60は、手動で識別情報500に前記固有の情報を設定するように構成されていてもよいし、通信手段4との接続が確立された通信機器3の固有の情報を自動的に識別情報500に設定するようにしてもよい。
【0035】
種別登録手段61は、通信機器3の種類として、ルーター2と通信機器3との接続を制御するための鍵機器30、ルーター2との接続状態が制御される切替対象機器31、鍵機器30及び切替対象機器31以外の通信機器3(すなわち、ルーター2との接続状態の切替制御の対象としない通信機器3)、の何れかを選択可能であり、選択された種類を示す情報(鍵機器識別情報、切替対象識別情報、対象外情報の何れかの情報)を種別情報501に設定するように構成されている。
【0036】
ステータス更新手段62は、通信手段4と通信機器3との接続状態を登録可能であり、通信機器3が通信手段4に接続されていることを示すオンライン情報、又は通信機器3が通信手段4に接続されていないことを示すオフライン情報、をステータス情報502に設定するように構成されている。なお、ステータス更新手段62は、通信手段4と通信機器3との接続状態の変化に応じて、ステータス情報502をオンライン情報若しくはオフライン情報に自動的に変更するように構成されていればよい。
【0037】
監視手段7は、通信手段4と鍵機器30との接続状態を監視(判定)するように構成されており、通信手段4と鍵機器30とが接続されていると判定したときに、切替制御手段8に対して接続通知を送信し、通信手段4と鍵機器30とが接続されていないと判定したときに、切替制御手段8に対して切断通知を送信するように構成されている。
【0038】
なお、監視手段7は、常時、又は所定の時間間隔毎に通信手段4と鍵機器30との接続状態を監視するように構成されていればよい。また、本実施形態に係る監視手段7は、通信手段4と鍵機器30との接続が切断された時点から、所定時間経過した後に、通信手段4と鍵機器30とが接続されていないと判定して切替制御手段8に切断通知を送信するように構成されている。
【0039】
このように、監視手段7は、ルーター2が設置されているネットワーク内に鍵機器30が属しているか属していないかを監視するように構成されている。
【0040】
切替制御手段8は、通信手段4と鍵機器30との接続状態が切り替わったときに、通信手段4に対する切替対象機器31の接続状態を切り替えるように構成されている。
【0041】
本実施形態に係る切替制御手段8は、監視手段7から接続通知を受信したとき(すなわち、通信手段4に鍵機器30が接続されたとき)に切替対象機器31の接続状態を切り替える接続時切替処理と、監視手段7から切断通知を受信したとき(すなわち、通信手段4から鍵機器30が切断されたとき)に切替対象機器31の接続状態を切り替える切断時切替処理と、を実行するように構成されている。
【0042】
切替制御手段8は、切断時切替処理において、切替対象識別情報が設定されている種別情報501に関連付けられている識別情報500を取得し、該識別情報500を拒否情報51に追加するように構成されている。一方、接続切替処理においては、切替対象識別情報が設定されている種別情報501に関連付けられている識別情報500を取得し、該識別情報500と一致するものを拒否情報51から削除するように構成されている。
【0043】
本実施形態に係る通信ネットワークシステム1の構成は以上の通りである。続いて、本実施形態に係る通信ネットワークシステム1の動作について説明する。
【0044】
なお、本実施形態では、
図5(a)、
図5(b)に図示されているように、通信ネットワークシステム1が一般家庭に構築されている場合を一例に挙げて以下の説明を行うこととする。この場合の通信機器3とは、例えば、スマートホン、タブレット等の携帯電子機器や、通信機能を持った家電製品のことである。
【0045】
通信ネットワークシステム1では、機器登録手段60によって手動又は自動によって、機器管理情報50に複数の識別情報500が設定される。
【0046】
そして、種別登録手段61によって、複数の識別情報500のうち鍵機器30として登録する通信機器3を示す識別情報500に関連付けられている種別情報501には鍵識別情報を設定し、切替対象機器31として登録する通信機器3を示す識別情報500に関連付けられている種別情報501には切替対象識別情報を設定し、鍵機器30にも切替対象機器31にも登録しない通信機器3を示す識別情報500に関連付けられている種別情報501には対象外情報を設定する。
【0047】
なお、鍵機器30とする通信機器3の数、切替機器とする通信機器3の数は、特に問わない。また、鍵識別情報、切替対象識別情報、対象外情報の何れも設定されなかった種別情報501には、対象外情報を自動的に設定してもよい。
【0048】
このようにして、通信ネットワークシステム1内の各通信機器3が、鍵機器30、切替対象機器31、対象外機器32(鍵機器30、切替対象機器31のいずれにも該当しない制御対象外の通信機器3)の何れかとして登録される。
【0049】
そして、通信ネットワークシステム1では、
図6に示すように、接続切替機能が有効にされると(S1でYes)、ルーター2(通信手段4)への鍵機器30の接続状態の判定が行われ(S2)、鍵機器30の接続状態の判定結果に応じて切替対象機器31のルーター2への接続状態の切り替えが行われる(S3)。
【0050】
ルーター2への鍵機器30の接続状態の判定を行う場合、
図7に示すように、鍵機器30とルーター2との接続が確立されていれば(S4でYes)、監視手段7は、通信手段4と鍵機器30とが接続されていると判定した後に、切替制御手段8に対して接続通知を送信する(S5)。
【0051】
一方、ルーター2への鍵機器30の接続状態の判定を行う場合、鍵機器30がルーター2から切断されている場合(S4でNo)、監視手段7は、鍵機器30が通信手段4から切断されていると判定した後に(S6でYes)、切替制御手段8に対して切断通知を送信する(S7)。
【0052】
鍵機器30がルーター2に接続されている状況下において、
図8に示すように、切替制御手段8が監視手段7から切断通知を受信した場合(S8でNoであり、S9でYesである場合)は、切替制御手段8が切断時処理を実行する(S10)。
【0053】
切断時処理では、切替対象識別情報が設定されている種別情報501に関連付けられている識別情報500が拒否情報51に追加される。そのため、切断時処理が実行されることにより、通信手段4への切替対象機器31の接続が拒否(規制)される。
【0054】
そして、鍵機器30がルーター2に接続されている状態に戻ると、監視手段7から切替制御手段8に対して接続通知が送信され、切替制御手段8が監視手段7から接続通知を受信すると(S8でYes)、切替制御手段8が接続時処理を実行する(S11)。
【0055】
接続時処理では、切替対象識別情報が設定されている種別情報501に関連付けられている識別情報500と一致する識別情報500が拒否情報51から削除される。そのため、接続時処理が実行されることにより、切替対象機器31の通信手段4への接続に課せられていた規制が解除され、切替対象機器31が再び通信手段4に接続可能な状態に戻る。
【0056】
このように、本実施形態に係る通信ネットワークシステム1は、ルーター2を含むネットワーク内への鍵機器30の属否により、切替対象機器31のルーター2との接続状態が切り替わるようになっている。そのため、例えば、鍵機器30を所有する親が在宅の間は、子供等が切替対象機器31を通じてインターネットを利用することができる一方で、該親が不在の間は、切替対象機器31からのインターネットの利用を禁止することができる。なお、鍵機器30にも切替対象機器31にも登録されていない通信機器3は、ルーター2と鍵機器30との接続状態にかかわらず、ルーター2に接続されている状態、或いはルーター2から切断されている状態がそのまま維持される。
【0057】
以上のように、本実施形態に係る通信ネットワークシステム1、及びルーター2によれば、ルーター2と鍵機器30との接続状態を切り替えることにより、ルーター2と切替対象機器31との接続状態も切り替えることができ、また、複数の通信機器3の中から所望する通信機器3のみを切替対象機器31として登録することができる。
【0058】
そのため、ルーター2と鍵機器30との接続状態が切り替わったときに、複数の通信機器3のうちの鍵機器30以外の通信機器3とルーター2との接続状態を使用環境に適した状態にしておくことができる。従って、使用環境に応じた通信機器3の接続の切り替え方を設定できる、という優れた効果を奏し得る。
【0059】
また、監視手段7は、通信手段4と鍵機器30との接続が切断された時点から、所定時間経過した後に、通信手段4と鍵機器30とが接続されていないと判定して切替制御手段8に切断通知を送信するように構成されているため、通信手段4と鍵機器30との接続が僅かな時間だけ切断される場合は、切替対象機器31のルーター2への通信状態を維持することができる。
【0060】
なお、本発明の通信ネットワークシステム、ルーター、及びルーター用のプログラムは、は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0061】
上記実施形態の通信ネットワークシステム1は、ルーター2と鍵機器30との接続が切断されたときに、切替対象機器31をルーター2から切断するように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、通信ネットワークシステム1は、鍵機器30がルーター2に接続された状態における、切替対象機器31のルーター2への接続状態と、鍵機器30がルーター2から切断された状態における、切替対象機器31のルーター2への接続状態と、を個別にしてできるように構成されていてもよい。
【0062】
この場合、例えば、
図9に示すように、切替対象識別情報には、ルーター2と鍵機器30との接続状態を示すトリガー情報501aと、該トリガー情報501aに関連付けられた切替命令501bであって、切替対象機器31のルーター2への接続状態を切り替えるための切替命令501bとが含まれていてもよい。
【0063】
なお、トリガー情報501aには、ルーター2と鍵機器30とが接続されている状態を指す情報か、鍵機器30がルーター2から切断されている状態を指す情報が設定されていればよい。また、切替命令501bには、ルーター2への切替対象機器31の接続を許可する許可命令か、ルーター2への切替対象機器31の接続を禁止する禁止命令が設定されていればよい。
【0064】
また、機器管理情報50に複数の前記情報セットが記憶されている場合、各情報セットの切替対象識別情報には、それぞれ異なる組み合わせのトリガー情報501aと切替命令501bとを設定できる。このようにすれば、ルーター2と鍵機器30との接続状態の切り替わりに応じて、切替対象機器31とルーター2との接続状態を細かく指定することができるため、切替対象機器31とルーター2との接続状態を使用環境にさらに適した状態にすることができる。
【0065】
上記実施形態において、ルーター用のプログラムは、ルーター2に導入されていたが、ルーター2を制御することができれば、例えば、ルーター2とは別の外部の機器に導入されていてもよい。
【0066】
上記実施形態では、通信ネットワークシステム1が一般家庭に構築されることを一例に挙げたが、例えば、オフィス等の一般家庭以外の場所に構築することも可能である。
【符号の説明】
【0067】
1…通信ネットワークシステム、2…ルーター、3…通信機器、4…通信手段、5…記憶手段、6…登録手段、7…監視手段、8…切替制御手段、30…鍵機器、31…切替対象機器、50…機器管理情報、51…拒否情報、60…機器登録手段、61…種別登録手段、62…ステータス更新手段、500…識別情報、501…種別情報、501a…トリガー情報、501b…切替命令、502…ステータス情報