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特許7065022圧迫装置の装着についての装着者の遵守を監視する圧迫装置制御器とシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】圧迫装置の装着についての装着者の遵守を監視する圧迫装置制御器とシステム
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20220428BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20220428BHJP
   A61F 5/34 20060101ALI20220428BHJP
   A41D 13/05 20060101ALN20220428BHJP
【FI】
A61H7/00 322A
A61B5/00 101N
A61F5/34
A41D13/05 143
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018517567
(86)(22)【出願日】2016-10-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-11-15
(86)【国際出願番号】 US2016056296
(87)【国際公開番号】W WO2017062959
(87)【国際公開日】2017-04-13
【審査請求日】2019-10-01
(31)【優先権主張番号】62/239,527
(32)【優先日】2015-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/239,566
(32)【優先日】2015-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/239,493
(32)【優先日】2015-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/329,233
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517408184
【氏名又は名称】ケイピーアール ユーエス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】デンソン、 ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】ウディカ、 スコット
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー、 ポール
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-075891(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0077934(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
A61B 5/00
A61F 5/34
A41D 13/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧迫装置の装着についての装着者の遵守を監視する圧迫装置制御器であって、
一以上の被監視パラメータを記憶するべく構成された記憶装置と、
前記記憶装置に結合された一以上のプロセッサと、
コンピュータ可読記憶媒体に実装されたコンピュータ実行可能命令と
を含み、
前記コンピュータ実行可能命令は前記圧迫装置制御器に、
圧迫衣類の装着者の肢まわりの巻き付け構成となるべく構成された前記圧迫衣類の少なくとも一つの膨張可能袋体を膨張及び収縮させるべく加圧流体流発生源からの流体流を送ることと、
第1の圧迫サイクルにおいて前記少なくとも一つの膨張可能袋体の膨張及び収縮の少なくとも一方の間に、前記少なくとも一つの膨張可能袋体における流体圧力を示す第1の圧力信号を、前記少なくとも一つの膨張可能袋体に通信可能に結合された圧力センサから受信することと、
第2の圧迫サイクルにおいて前記少なくとも一つの膨張可能袋体の膨張及び収縮の少なくとも一方の間に、前記少なくとも一つの膨張可能袋体における流体圧力を示す第2の圧力信号を、前記圧力センサから受信することと、
前記受信した圧力信号を処理することと、
前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号との間の分散を検出することであって、前記分散は、前記圧迫衣類の条件変化を示すことと、
前記記憶装置における前記被監視パラメータのうち少なくとも一つの被監視パラメータの状態を、前記分散を検出したことに応答して変更することであって、前記変更がされる被監視パラメータの状態は、前記圧迫衣類の条件変化を代表することと
を行わせるように前記一以上のプロセッサに仕向ける命令を含み、
前記被監視パラメータは、前記圧力センサにより測定された圧力及び対応圧力データを含み、
前記圧迫衣類の条件変化は、前記圧迫衣類の前記装着者の肢まわりの巻き付け状態の変化である、圧迫装置制御器。
【請求項2】
前記圧迫装置制御器に前記被監視パラメータの状態を変更するように前記一以上のプロセッサに仕向ける命令は、遵守タイマーの値を増加させることと前記遵守タイマーを一時停止することとの一方をさせる命令を含む、請求項1の圧迫装置制御器。
【請求項3】
前記コンピュータ実行可能命令は前記圧迫装置制御器に、
前記分散に応答して、前記少なくとも一つの膨張可能袋体の膨張及び収縮の後続サイクルに対する少なくとも一つの確認分析を使用して前記圧迫衣類の条件変化を検証することと、
前記少なくとも一つの確認分析の結果に少なくとも部分的に基づいて前記被監視パラメータの状態を変更することと
を行わせるように前記一以上のプロセッサに仕向ける命令を含み、
前記被監視パラメータの状態を変更することは、前記装着者が圧迫療法計画を遵守している時間を代表するタイマーの値を増加させるのを止めることと、前記タイマーの値を増加させることを始めることとの一方を含む、請求項1の圧迫装置制御器。
【請求項4】
前記コンピュータ実行可能命令は前記圧迫装置制御器に、前記少なくとも一つの袋体における非治療圧力を保持するべく通気弁を作動させるように前記一以上のプロセッサに仕向ける命令を含む、請求項1の圧迫装置制御器。
【請求項5】
前記分散は、前記圧迫衣類の装着者の脈拍を代表する時間の関数としての振動振幅であり、
前記コンピュータ実行可能命令は前記圧迫装置制御器に、装着者の脈拍を代表する時間の関数としての前記検出された振動振幅に少なくとも部分的に基づいて、前記圧迫衣類が前記装着者により装着されているか否かを示すように前記一以上のプロセッサに仕向ける命令を含む、請求項1の圧迫装置制御器。
【請求項6】
前記少なくとも一つの膨張可能袋体における流体圧力を示す圧力信号を受信させる命令は、前記少なくとも一つの膨張可能袋体が非治療圧力まで膨張されている間の流体圧力を示す信号を受信させる命令を含む、請求項5の圧迫装置制御器。
【請求項7】
前記受信した圧力信号を処理する命令は、
受信した圧力信号に、0.5Hzから5Hzの周波数を抽出するべく帯域通過フィルタをかけることと、
前記帯域通過フィルタがかけられた信号に、5Hz以下の周波数の低域通過フィルタをかけることと、
前記低域通過フィルタがかけられた信号にタイムスライスをかけて複数のサンプル群にすることと、
前記複数のサンプル群の一以上において前記低域通過フィルタがかけられた信号の少なくとも一部分を含む異常を、前記複数のサンプル群全体の標準偏差を計算することと各サンプル群の標準偏差を計算することとにより、検出することと
を行わせる命令を含む、請求項5の圧迫装置制御器。
【請求項8】
前記受信した圧力信号を処理させる命令は、0.5Hzから3.5Hzの周波数範囲にある前記低域通過フィルタがかけられた信号におけるピークを検出させる命令を含む請求項7の圧迫装置制御器。
【請求項9】
圧迫装置の装着についての装着者の遵守を監視するシステムであって、
少なくとも一つの膨張可能及び収縮可能な袋体を含む圧迫衣類であって、装着者の肢まわりに固定可能な圧迫衣類と、
制御器と
を含み、
前記制御器は、
一以上の被監視パラメータを記憶するべく構成された記憶装置と、
前記記憶装置に結合された一以上のプロセッサと、
コンピュータ可読記憶媒体に実装されたコンピュータ実行可能命令と
を含み、
前記コンピュータ実行可能命令は前記制御器に、
前記圧迫衣類の袋体を膨張及び収縮させるべく加圧流体流発生源からの流体流を送ることと、
第1の圧迫サイクルにおいて前記袋体の膨張及び収縮の少なくとも一方の間に、前記袋体における流体圧力を示す第1の圧力信号を、前記袋体に通信可能に結合された圧力センサから受信することと、
第2の圧迫サイクルにおいて前記袋体の膨張及び収縮の少なくとも一方の間に、前記袋体における流体圧力を示す第2の圧力信号を、前記圧力センサから受信することと、
前記受信した圧力信号を処理することと、
前記第1の圧力信号と前記第2の圧力信号との間の分散を検出することであって、前記分散は、前記圧迫衣類の条件変化を示すことと、
前記記憶装置における前記被監視パラメータのうち少なくとも一つの被監視パラメータの状態を、前記分散を検出したことに応答して変更することであって、前記変更がされる被監視パラメータの状態は、前記圧迫衣類の条件変化を代表することと
を行わせるように前記一以上のプロセッサに仕向ける命令を含み、
前記被監視パラメータは、前記圧力センサにより測定された圧力及び対応圧力データを含み、
前記圧迫衣類の条件変化は、前記圧迫衣類の前記装着者の肢まわりの巻き付け状態の変化である、システム。
【請求項10】
ポンプと、
少なくとも一つの弁と
をさらに含み、
前記少なくとも一つの弁は前記ポンプ及び前記袋体と流体連通され、
前記少なくとも一つの弁は前記制御器と電気通信し、
前記コンピュータ実行可能命令は、前記ポンプと前記袋体との間の流体連通を制御するべく前記少なくとも一つの弁を作動させるように前記一以上のプロセッサに仕向ける命令を含む、請求項9のシステム。
【請求項11】
前記袋体と流体連通するポンプをさらに含み、
前記ポンプは前記制御器と電気通信し、
前記コンピュータ実行可能命令は前記制御器に、前記分散に少なくとも部分的に基づいて前記ポンプの速度を調整させるように前記一以上のプロセッサに仕向ける命令を含む、請求項9のシステム。
【請求項12】
前記袋体は、前記装着者の肢まわりに固定されると前記装着者の肢の周囲に延びる、請求項9のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2015年10月9日に出願された「圧迫衣類の遵守」との名称の米国仮特許出願第62/239,566号、2015年10月9日に出願された「圧迫衣類の構成の決定」との名称の米国仮特許出願第62/239,527号、2015年10月9日に出願された「圧迫衣類の構成の決定」との名称の米国仮特許出願第62/239,493号、及び2016年4月29日に出願された「圧迫衣類の構成の決定」との名称の米国仮特許出願第62/329,233号の優先権を主張する。上に特定された出願の内容全体が、その中に包含されるいずれの参照の内容及び教示も含め、参照としてここに明示的に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
間欠的空気圧迫(IPC)システムは、空気のような加圧流体を患者すなわち装着者の肢に適用するべく使用される装置を含む。いくつかの例において、深部静脈血栓症(DVT)が形成されるリスクのある患者の下肢に加圧空気が適用される。IPCシステムは典型的に、流体の加圧を管理するポンプユニットと、当該ポンプユニットを超えるように流体の送達を拡張する配管セットと、患者の肢に巻き付けられて加圧流体を包含する圧迫衣類とを含む。IPCシステムは、治療圧迫を患者の肢に適用するべく間欠的に衣類を加圧し、当該肢のエリアから血液を動かす。しかしながら、かかるIPCシステムのDVT予防のための有効性は、当該IPCシステムを含む処方治療プロトコルを患者が順守することに依存する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2012/083712(A1)号明細書
【文献】米国特許第5,307,791号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/259169(A1)号明細書
【発明の概要】
【0004】
一側面において、本開示は、圧迫システムの使用を目的とする圧迫治療計画の装着者の遵守を監視するシステム及び方法に関する。他側面において、本開示は、圧迫衣類が装着者の肢に適用されたか否かを決定するシステム及び方法に関する。
【0005】
一側面において、圧迫装置制御器は、記憶装置と、当該記憶装置に結合された一以上のプロセッサと、コンピュータ可読記憶媒体に実装されたコンピュータ実行可能命令とを含む。記憶装置は、被監視パラメータを記憶するべく構成される。コンピュータ実行可能命令は、圧迫衣類の膨張可能袋体を膨張及び収縮させるべく加圧流体流発生源からの流体流を送るように一以上のプロセッサに仕向ける命令を含む。圧迫衣類は、衣類の装着者の肢まわりに巻き付けられるように構成される。さらに含まれるのは、膨張可能袋体における流体圧力を示す圧力信号を、当該袋体に通信可能に結合された圧力センサから受信するように一以上のプロセッサに仕向ける命令である。一以上のプロセッサは、命令に仕向けられると、受信した圧力信号を、膨張可能袋体の膨張及び収縮の少なくとも一つの間に処理する。圧力信号は、圧迫衣類の条件変化を示す信号における分散を検出するべく使用される。命令はまた、受信した圧力信号における分散の検出に応答して、記憶装置における複数の被監視パラメータの少なくとも一つの状態を変更するように一以上のプロセッサに仕向ける。被監視パラメータの被変更状態は、圧迫衣類の条件変化を代表する。
【0006】
他側面において、コンピュータ実装方法は、患者の肢まわりに巻き付けられるべく構成された圧迫衣類の少なくとも一つの膨張可能袋体が膨張及び収縮される動作サイクルにわたり加圧流体流発生源を制御するように、一以上のプロセッサにおいて実行されるコンピュータ実行可能命令を含む。一以上のプロセッサは、袋体における流体圧力を示す圧力信号を、当該袋体に通信可能に結合された圧力センサから受信する。一以上のプロセッサにおいて実行されるコンピュータ実行可能命令は、袋体の膨張及び収縮の間の圧迫衣類の条件変化を示す受信した圧力信号における分散を検出する。一以上のプロセッサにおいて実行されるコンピュータ実行可能命令はまた、記憶装置に記憶された少なくとも一つの被監視パラメータの状態を、受信した圧力信号における分散の検出に応答して変更する。記憶装置は一以上のプロセッサに結合され、被監視パラメータの被変更状態は、圧迫衣類の条件変化を代表する。
【0007】
さらなる他側面において、システムが圧迫衣類及び制御器を含む。圧迫衣類は、少なくとも一つの膨張可能及び収縮可能袋体を含み、装着者の肢まわりに固定可能である。制御器は、記憶装置と、当該記憶装置に結合された一以上のプロセッサと、コンピュータ可読記憶媒体に実装されたコンピュータ実行可能命令とを含む。記憶装置は、被監視パラメータを記憶するべく構成される。コンピュータ実行可能命令は、圧迫衣類の袋体を膨張及び収縮させるべく加圧流体流発生源からの流体流を送るように一以上のプロセッサに仕向ける命令を含む。さらに含まれるのは、袋体における流体圧力を示す圧力信号を、当該袋体に通信可能に結合された圧力センサから受信するように一以上のプロセッサに仕向ける命令である。一以上のプロセッサは、命令により仕向けられると、受信した圧力信号を、膨張可能袋体の膨張及び収縮の少なくとも一方の間に処理する。圧力信号は、圧迫衣類の条件変化を示す信号における分散を検出するべく使用される。命令はまた、受信した圧力信号における分散の検出に応答して、記憶装置における複数の被監視パラメータの少なくとも一つの状態を変更するように一以上のプロセッサに仕向ける。記憶装置は一以上のプロセッサに結合され、被監視パラメータの被変更状態は、圧迫衣類の条件変化を代表する。
【0008】
複数の実施形態が、以下の利点の一以上を含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、圧迫システムの遵守監視が、圧迫衣類の膨張可能袋体における圧力を示す信号を使用して行われ、圧迫衣類の使用を装着者が遵守することの実時間指標が与えられる。これにより、例えば、遵守のしっかりとした指標が与えられる一方、遵守を追跡する介護者の負担が軽減される。
【0010】
明細書及び図面から、並びに特許請求の範囲から、他の側面、特徴及び利点が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】圧迫衣類及び制御器を含む圧迫システムの斜視図である。
図2図1の圧迫システムの概略的表現であり、空気圧回路の概略図を含む。
図3図1の圧迫システムの他例の概略的表現であり、空気圧回路の概略図を含む。
図4図1の圧迫システムにより得られた圧力曲線のグラフ表現であり、圧迫衣類が脚形状体への巻き付け構成にされて装着者の肢を刺激する場合のグラフ表現である。
図5図1の圧迫システムにより得られた圧力曲線のグラフ表現であり、当該システムの圧迫衣類が巻き付け解除構成にあり、脚形状体から離れて装着者の肢を刺激する場合のグラフ表現である。
図6図1の圧迫システムのマニホルド圧力信号のグラフ表現であり、2つのマニホルド圧力信号は、図4及び5それぞれにおける巻き付け及び巻き付け解除の圧迫衣類構成のマニホルド圧力信号に対応する。
図7図1の圧迫システムを使用する遵守監視方法のフロー図である。
図8図7の遵守監視方法の一例の実装のフロー図である。
図9図7の遵守監視方法の一例の実装のフロー図である。
図10】巻き付け構成及び巻き付け解除構成双方における圧迫衣類の袋体の膨張フェーズの間におけるマニホルド内圧力の多項式曲線フィットラインのグラフ表現である。
図11図1の圧迫システムによりもたらされた圧力曲線のグラフ表現であり、圧迫衣類が、装着者の肢における巻き付け構成にある場合のグラフ表現である。
図12図1の圧迫システムによりもたらされた圧力曲線のグラフ表現であり、圧迫衣類が、装着者の肢から離れた巻き付け解除構成にある場合のグラフ表現である。
図13図1の圧迫システムを使用する遵守監視方法のフロー図である。
図14図1の圧迫システムを使用する遵守監視方法のフロー図である。
図15A図1の圧迫システムによりもたらされた他の圧力曲線のグラフ表現であり、圧迫衣類が装着者の肢における巻き付け構成にある場合のグラフ表現である。
図15B図1の圧迫システムによりもたらされた他の圧力曲線のグラフ表現であり、圧迫衣類が装着者の肢における巻き付け構成にある場合のグラフ表現である。
図15C図1の圧迫システムによりもたらされた他の圧力曲線のグラフ表現であり、圧迫衣類が装着者の肢における巻き付け構成にある場合のグラフ表現である。
図16図1の圧迫システムによりもたらされた他の圧力曲線のグラフ表現であり、圧迫衣類が装着者の肢から離れた巻き付け解除構成にある場合のグラフ表現である。
図17A図1の圧迫システムによりもたらされた他の圧力曲線のグラフ表現であり、圧迫衣類が装着者の肢において巻き付け構成にある場合のグラフ表現である。
図17B図1の圧迫システムによりもたらされた他の圧力曲線のグラフ表現であり、圧迫衣類が装着者の肢において巻き付け構成にある場合のグラフ表現である。
図18図1の圧迫システムを使用する遵守監視方法のフロー図である。
図19図1の圧迫システムを使用する遵守監視方法のフロー図である。
図20図1の圧迫システムを使用する遵守監視方法のフロー図である。
図21図1の圧迫システムを使用する遵守監視方法のフロー図である。
図22図1の圧迫システムを使用する遵守監視方法のフロー図である。
図23A図1の圧迫システムを使用する遵守監視方法のフロー図である。
図23B図1の圧迫システムを使用する遵守監視方法のフロー図である。
図23C図1の圧迫システムを使用する遵守監視方法のフロー図である。
図24図1の圧迫システムによりもたらされた他の圧力曲線のグラフ表現であり、圧迫衣類が装着者の肢における巻き付け構成にある場合のグラフ表現である。
図25図1の圧迫システムによりもたらされた他の圧力曲線のグラフ表現であり、圧迫衣類が装着者の肢における巻き付け構成にある場合のグラフ表現である。
【0012】
図面全体を通して、対応する参照符号は対応する部品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで使用されるように、用語「近位」及び「遠位」は、圧迫衣類の構成要素、部品等の、当該衣類が装着された場合の相対的な位置を表す。例えば、「近位」構成要素は、装着者の胴体に最も近くに配置され、「遠位」構成要素は、装着者の胴体から最も遠くに配置され、「中間」構成要素は一般に、近位構成要素と遠位構成要素との間の任意の場所に配置される。さらに、ここで使用されるように、用語「巻き付け」及び「巻き付け解除」は、衣類が装着者の肢に適切に適用された衣類条件(巻き付け)、及び衣類が装着者の肢から除去された条件(巻き付け解除)を定義する。
【0014】
図1~3を参照すると、圧迫システム1は、連続圧迫療法を装着者の肢に適用する圧迫衣類10と、一以上のプロセッサ7及びコンピュータ実行可能命令がコンピュータ可読記憶媒体33に実装された制御器5とを含む。コンピュータ実行可能命令は、圧迫システム1の動作制御を一以上のプロセッサに仕向ける命令を含む。圧迫衣類10は、遠位膨張可能袋体13a、中間膨張可能袋体13b、及び近位膨張可能袋体13cを含む。圧迫衣類10は、装着者の肢まわりに締結することができ、一実施形態では、異なる周囲の肢にぴったり合うように調整可能である。
【0015】
以下にさらに詳細に記載されることだが、制御器5は、膨張サイクルを行う圧迫システム1の動作を制御する。一以上の圧迫サイクルの間に圧迫衣類10の膨張可能袋体13a、13b、13cにより装着者の肢に適用される勾配圧力を確立するべく、膨張可能袋体13a、13b、13cが膨張して圧力を装着者の肢に適用する。本記載を目的としてまたも以下にさらに詳細に記載されることだが、各治療圧迫サイクルは、3つの袋体13a、13b、13cすべてに対する膨張フェーズと、袋体13a及び13bに対する減衰フェーズと、3つの袋体13a、13b、13cすべてに対する通気フェーズとを含む。袋体13a、13b、13cそれぞれのサイクル終了時圧力は、対応袋体13a、13b、13cの通気フェーズの開始に先立つ袋体13a、13b、13cそれぞれにおける圧力である。以下に詳細に説明されることだが、制御器5は、膨張可能袋体13a、13b、13bの一以上の測定した圧力に少なくとも部分的に基づいて、圧迫衣類10が装着者の肢に(すなわち装着者の肢まわりに巻き付け構成で)適用され、いくつかの実施形態において、(例えばタイマーの値を増加させることにより、タイマーを一時停止させることにより、可聴アラームを与えることにより、及び/又はグラフィカルユーザインタフェイスにおいて視覚表示を与えることにより)決定の指標を与える。圧迫衣類10が装着された(すなわち装着者の肢まわりの巻き付け構成にある)か否かを決定することにより、いつ衣類が、処方された治療を達成するべく適切に使用されているのかを圧迫システム1が追跡することができる遵守監視機能が得られる。以下にさらに詳細に記載されるように、制御器5は、膨張サイクルを行う圧迫システム1の動作を制御することができる。例えば、一以上の圧迫サイクルの間に圧迫衣類10の膨張可能袋体13a、13b、13cにより装着者の肢に適用される勾配圧力を確立するべく、膨張可能袋体13a、13b、13cは、圧力を装着者の肢に適用するように膨張させられる。
【0016】
圧迫衣類10は、装着者の脚まわりに配置可能なふとももまでの長さのスリーブであり、装着者の足首まわりの遠位袋体13a、装着者のふくらはぎまわりの中間袋体13b、及び装着者のふとももまわりの近位袋体13cを備える。当業者には理解されることだが、圧迫衣類10は、本発明の範囲から逸脱しなければ、ひざまでの長さのスリーブ、足衣類等であってもよい。膨張可能袋体13a、13b、13cは、制御器5と電気通信する加圧流体源21(例えばポンプ又は圧縮機)から送達される流体(例えば空気又は他の流体)の影響を受けて膨張及び収縮する。加圧流体源21は、配管23を介して加圧流体(例えば空気)を膨張可能袋体13a、13b、13cに送達する。
【0017】
図2を参照すると、膨張可能袋体13a、13b、13cそれぞれが、対応弁25a、25b、25cと流体連通している。圧力センサ27は、マニホルド29内の圧力を示す信号を測定するべく、マニホルド29と連通(例えば流体連通)する。マニホルド29と膨張可能袋体13a、13b、13cそれぞれとの流体連通は、対応弁25a、25b、25cの位置の制御を介して(例えば対応弁25a、25b、25cの有効化及び/又は無効化により)制御することができる。圧力センサ27は制御器5と電気通信するので、制御器5は、マニホルド29の圧力、及び/又はマニホルド29と流体連通する膨張可能袋体13a、13b、13cの一以上の圧力を示す信号を、対応弁25a、25b、25cの位置の結果として、圧力センサ27から受信する。袋体13a、13b又は13cの一つのみがマニホルド29と流体連通する場合、圧力センサ27から受信した信号は、マニホルド29と流体連通する対応袋体13a、13b、13cの圧力を示す。例えば、圧力センサ27は、弁25aが開かつ弁25b、25cが閉の場合、膨張可能袋体13a内の圧力を示す信号を与える。同様に、圧力センサ27は、弁25bが開かつ弁25a及び25cが閉の場合、袋体13b内の圧力を示す信号を与える。同様に、圧力センサ27は、弁25cが開かつ弁25a及び25bが閉の場合、膨張可能袋体13c内の圧力を示す信号を与える。通気弁25dは、マニホルド29と周囲大気に通気する通気ポート15との流体連通を制御するべく作動可能である。袋体13a、13b、13cはすべて、通気弁25dを使用して通気することができる。
【0018】
弁25a、25b、25cはそれぞれ、2方向/2位置、通常開の電磁弁である。弁25a、25b、25cはそれぞれが、2つの入口を含み、袋体ポートと流体連通する入口ポートを、第1の開位置に配置するべく作動可能である。弁25a、25b、25cそれぞれはさらに、入口ポートと袋体ポートとの流体連通を遮断するべく作動可能である。弁25a、25b、25cそれぞれの入口ポートは、加圧流体源21及びマニホルド29と流体連通している。弁25a、25b、25cそれぞれの袋体ポートは、対応膨張可能袋体13a、13b、13cと流体連通している。
【0019】
袋体13a、13b、13cはいずれも、加圧流体を袋体13a、13b、13cに送達するべく対応弁25a、25b、25cを介して加圧流体源21及びマニホルド29と流体連通するように配置することができる。袋体13a、13b、13cが膨張した後、対応弁25a、25b、25cを、流体を対応袋体13a、13b、13cに保持するべく閉にすることができる。すなわち、圧迫衣類10の袋体13a、13b、13cは、対応する弁25a、25b、25cを開にするとともにその他の弁25a、25b、25cを閉とすることにより、開の弁25a、25b、25cに関連付けられた唯一の袋体13a、13b、13cが加圧流体源21及びマニホルド29と流体連通するように、個別に膨張させることができる。
【0020】
通気弁25dもまた、2方向/2位置、通常開の電磁弁である。通気弁25dは、2つの入口を含み、通気ポート15と流体連通する入口ポートを第1位置に配置するべく作動可能である。通気入口ポートは、第1位置において通気ポート15と流体連通する。通気弁25dはさらに、入口ポートと通気ポート15との流体連通を遮断するべく作動可能である。通気弁25dの入口ポートは、加圧流体源21及びマニホルド29と流体連通している。通気弁25dの通気ポート15は、周囲大気と流体連通している。
【0021】
理解すべきことだが、弁25a、25b、25c、25dは、本開示の範囲を逸脱しなければ、他のタイプであってよく、圧迫システム1内において他の配列を有してよい。例えば、図3を参照すると、弁は、弁35a、35b、35cとしてよく、これらは、3方向/2位置電磁弁であり、通気弁なしで袋体13a、13b、13c内の圧力を制御するべく作動可能である。
【0022】
再び図2を参照すると、コンピュータ可読記憶媒体33に実装されたコンピュータ実行可能命令が、周期的な治療圧迫圧力を装着者の肢に与えるべく膨張可能袋体13a、13b、13cを加圧する(例えば膨張させる)ように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む。例えば、コンピュータ可読記憶媒体33に実装されたコンピュータ実行可能命令は、肢における血液を膨張可能袋体13a、13b、13cの下にある領域から移動させる所定量の時間の間に、膨張可能袋体13a、13b、13cを治療圧迫圧力まで加圧するべく、加圧流体源21及び/又は弁25a、25b、25c、25dを制御するように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む。袋体13a、13bが圧迫圧力に保持される時間の長さを、ここでは減衰フェーズと称する。減衰フェーズに続くのは、コンピュータ実行可能命令が、膨張可能袋体13a、13b、13c内の圧力を低い圧力(例えば大気圧)まで低減させるべく加圧流体源21及び/又は弁25a、25b、25c、25dを制御するように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む通気フェーズである。
【0023】
圧迫システム1は、圧迫衣類10が装着者の肢に適用された(すなわち巻き付けられた)か否かを決定することができ、一定の複数の実施形態において、当該決定の指標を与えることができる。これは、例えば、圧迫衣類10の処方された治療的使用を装着者が遵守することの追跡を容易にし得る。非一過性コンピュータ可読記憶媒体33に実装されたコンピュータ実行可能命令は、圧迫システム1の治療サイクルの圧迫解除周期中に、圧力センサ27から受信した圧力信号データを分析するように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む。非一過性コンピュータ可読記憶媒体33に実装されたコンピュータ実行可能命令は、受信した圧力信号データの特徴が、装着者の肢に配置された圧迫衣類10を示す一以上の条件を満たすか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む。
【0024】
一例の実施形態において、コンピュータ実行可能命令は、圧力センサ27から圧力信号データを受信するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。コンピュータ実行可能命令は、袋体13a、13b、13cの一以上における圧力を代表する単一の波形を処理するように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含み得る。理解すべきことだが、一以上のプロセッサ7は、本開示の範囲を逸脱しなければ、多重の波形を処理してよい。例えば療法サイクルの圧迫解除周期中に、圧力信号及び対応圧力データを監視することにより、一以上のプロセッサ7は、圧迫衣類10が装着者の肢に適切に巻き付け構成とされているか又は装着者の肢から巻き付け解除されているかを示す一定の特徴を波形において検出することができる。一定の複数の実施形態において、圧迫解除周期中、圧力センサ27は、袋体13a、13b、13cの一以上と定常的な連通(例えば流体的及び/又は機械的連通)を維持する(又はそのように意図的に配置される)。一例の静的周期は、非治療サイクル(例えば袋体13a、13b、13cにおける約25mmHg未満の圧力)、初期衣類検出周期のサブセット、及び/又は静脈再充填測定周期を含む。
【0025】
3方向/2位置弁が利用される図3の実施形態の動作の一例において、コンピュータ可読記憶媒体33に実装されるコンピュータ実行可能命令は、特定の袋体13a、13b、13cの一以上のために、圧力センサ27と当該袋体13a、13b、13cの一以上との間に流体経路が確立されるように、一以上の弁35a、35b、35cを制御するように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む。
【0026】
2方向/2位置弁が利用される図2の実施形態の動作の一例において、コンピュータ可読記憶媒体33に実装されるコンピュータ実行可能命令は、マニホルド29がもはや通気できないように通気弁25dを開又は閉とするように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む。コンピュータ実行可能命令の一以上は、圧力センサ27から受信した信号が、装着者が動く(例えば脚を動かす、ふくらはぎを動かす、咳をする、くしゃみをする、一般的な呼吸をする等の)ときに生じると予測されるランダムな圧力衝撃及びスパイクに対するものか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。袋体13a、13b、13cの一以上の中に保持されてマニホルド29、ひいては圧力センサ27へと膨張する流体(例えば空気)の体積ゆえに、わずかな動きでさえも、袋体に動き又は形状変化を引き起こし、圧力センサ27により生成される圧力信号に圧力スパイクを生じさせる。逆に、装着者の肢から取り外された圧迫衣類10に対しては、圧力センサ27により生成される圧力信号は静的であり、ランダムなノイズ又は圧力衝撃がない。
【0027】
ここで図4を参照すると、装着者の脚を模擬する脚形状体まわりの巻き付け構成にある圧迫衣類10のための、代表的な圧迫サイクル圧力曲線が示される。脚形状体は、人間の脚と同様のサイズ、形状及び剛性を有する。したがって、本開示に記載のアルゴリズムの性能を分析する目的上、脚形状体は、人間装着者の脚の適切な類似体とされる。特に明記されない限り、ここに示されるデータはすべて、脚形状体を使用した実験設定において取得されている。
【0028】
このグラフは、個別の袋体13a、13b、13cにおける圧力を測定するべく圧力センサが使用され、かつ、マニホルド29における圧力を測定するべく圧力センサ27が使用される実験設定からの信号を示す。以下にさらに詳細に記載されることだが、この実験設定を使用することにより、個別の袋体13a、13b、13cにおいて測定された圧力が、マニホルド29において圧力センサ27により測定された圧力と比較される。理解すべきことだが、通常使用時、制御器5は、圧迫システム1の動作を制御する信号を圧力センサ27から受信する。図4は、圧力センサ27により測定されたマニホルド圧力と、袋体13a、13b、13cそれぞれに配置された圧力センサにより測定された圧力との対応関係を示す。
【0029】
袋体13a、13b、13cの少なくとも一つに対する単一の圧迫サイクルは、袋体13a、13bの膨張フェーズ、減衰フェーズ及び通気フェーズと、袋体13cの膨張フェーズ及び通気フェーズとを含む。圧力プロット402は、遠位袋体13aの単一の治療圧迫サイクル全体の圧力信号を示し、圧力プロット404は、中間袋体13bの単一の治療圧迫サイクル全体の圧力を示し、圧力プロット406は、近位袋体13cの単一の治療圧迫サイクル全体の圧力を示し、圧力プロット408は、上記治療圧迫サイクルそれぞれの間に圧力センサ27により測定されたマニホルド圧力を示す。各プロット402、404、406は、対応袋体13a、13b、13cの治療圧迫サイクルの膨張フェーズを画定する初期袋体充填周期を含む。袋体13a、13bにおいて対応目標圧力が達成されると膨張が停止され、当該袋体における圧力を、袋体13a、13bの治療圧迫サイクルの減衰フェーズを画定する目標圧力又はその近傍に保持することができる。袋体13a、13bの場合は減衰フェーズの後、袋体13cの場合は膨張フェーズの直後、袋体13a、13b、13cそれぞれにおける流体は、袋体13a、13b、13cそれぞれの治療圧迫サイクルの通気フェーズ中に対応袋体から排出される。
【0030】
治療圧迫サイクルの開始時、弁25b、25c及び25dは、閉位置へと励磁される。遠位袋体13aを膨張させるべく、加圧流体源21からの加圧流体が、弁25a及び配管23を介して遠位袋体13aへと送達される。ひとたび遠位袋体13aに対する目標圧力が達成されると、又は目標圧力が達成されると予測されるタイマー31により測定された時間周期の後、弁25aが閉へと励磁されて加圧流体が遠位袋体13aの中に保持される。次に、加圧流体源21からの加圧流体が中間袋体13bに流れ込むように弁25bを開位置へ励磁解除することにより、中間袋体13bが膨張される。ひとたび中間袋体13bに対する目標圧力が達成されると、又は目標圧力が達成されると予測されるタイマー31により測定された時間周期の後、弁25bが閉へと励磁されて加圧流体が中間袋体13bの中に保持される。次に、加圧流体源21からの加圧流体が近位袋体13cに流れ込むように弁25cを開位置へと励磁解除することにより、近位袋体13cが膨張される。ひとたび近位袋体13cに対する目標圧力が達成されると、又は目標圧力が達成されると予測されたタイマー31により測定された時間周期の後、弁25a、25b及び25dもまた対応開位置へと励磁解除される。開放通気弁25dにより、袋体13a、13b、13cそれぞれにおける流体が大気へと通気することができる。
【0031】
圧迫システム1は、袋体13a、13b、13cそれぞれを個別に膨張させ、一つのみの袋体に加圧流体が一度に充填されているように記載されている。しかしながら、追加的又は代替的に、袋体13a、13b、13cは、同時に又は互いの任意の組み合わせで膨張させ得ることも理解すべきである。一定の複数の実施形態において、弁25a、25b、25c及び25dの開閉のタイミングは、一つのみの袋体13a、13b、13cが圧力センサ27及びマニホルド29と一度に流体連通するようにされる。これにより、例えば、圧力センサ27を使用して、袋体13a、13b、13cそれぞれの各圧力を示す信号が測定される。
【0032】
コンピュータ可読記憶媒体33に実装されたコンピュータ実行可能命令は、治療圧迫サイクル全体にわたり圧力センサ27から測定した圧力信号を受信するように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む。遠位袋体13aが膨張すると、一以上のプロセッサ7は、遠位袋体13aにおける圧力を代表するマニホルド29における圧力を示す信号を、圧力センサ27から受信する。この態様において、遠位袋体13aの膨張フェーズ全体にわたる圧力が測定される。これは、弁25aが閉となる直前における膨張圧力の終わりを含む。中間袋体13bが膨張すると、一以上のプロセッサ7は、中間袋体13bにおける圧力を代表するマニホルド29における圧力を示す信号を、圧力センサ27から受信する。中間袋体13bの膨張フェーズ全体にわたる圧力が測定される。これは、弁25bが閉となる直前における膨張圧力の終わりを含む。近位袋体13cが膨張すると、一以上のプロセッサ7は、近位袋体13cにおける圧力を代表するマニホルド29における圧力を示す信号を、圧力センサ27から受信する。近位袋体13cの膨張フェーズ全体にわたる圧力が測定される。これは、膨張圧力の終わりを含む。
【0033】
コンピュータ実行可能命令は、袋体13a、13b、13cそれぞれにおけるサイクル終了時圧力を決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む。ここで使用されるように、サイクル終了時圧力とは、通気フェーズに先立つ対応袋体13a、13b、13cそれぞれにおける圧力である。すなわち、袋体13a、13bに対し、袋体13a、13bそれぞれのサイクル終了時圧力は、袋体13a、13bそれぞれの治療圧迫サイクルの対応減衰フェーズの終わりにおける袋体13a、13bそれぞれの圧力である。袋体13cに対しては、サイクル終了時圧力は、袋体13cの膨張フェーズの終わりにおける袋体13cの圧力である。
【0034】
サイクル終了時圧力を測定するべく弁25a、25b、25cは、袋体13a、13b、13cのそれぞれにおけるサイクル終了時圧力を測定するように近位袋体13cがその目標圧力まで膨張した後、順次開及び閉に切り替えられる(図4)。弁25cは、近位袋体13cをちょうど膨張完了させてから開となっているので、近位袋体13cに対するサイクル圧力の終わりが最初に測定される。図6における圧力曲線を見ればわかるように、近位袋体13cに対する膨張圧力の終わりとサイクル圧力の終わりとは同じである。これは、近位袋体が減衰フェーズを受けないからである。弁25cは、オフに切り替え後、近位袋体13cの圧迫サイクルの終わりにオンに戻るように切り替えられる。一以上のプロセッサ7が、遠位袋体13aに対するサイクル圧力の終わりを測定するべく、弁25aを開かつ弁25cを閉に切り替える。一以上のプロセッサ7が、中間袋体13bに対するサイクル圧力の終わりを測定するべく、弁25bを開かつ弁25aを閉に切り替える。理解すべきことだが、弁25a、25b、25cの特定の切り替えシーケンスが記載されるにもかかわらず、弁25a、25b、25cの他の切り替えシーケンスも本開示の範囲内にある。一つの実施形態において、袋体13a、13b、13cそれぞれにおけるサイクル圧力の終わりを測定するべく、弁25a、25b、25cはそれぞれ、約150ミリ秒(ms)の間、開に切り替えられる。弁25a、25b、25cは、これよりも短い又は長い時間周期の間、開に切り替えられてよい。例えば、弁25a、25b、25cは、少なくとも約75msの間、開に切り替えられてよい。さらに他の時間周期も想定される。圧力センサ27により測定された圧力の読みは、メモリ33に記憶される。動作中、圧迫サイクルは、圧迫治療を完了するべく、連続して複数回繰り返される。
【0035】
コンピュータ実行可能命令は、袋体13a、13bの少なくとも一方に対する膨張圧力の終わり及びサイクル圧力を使用して代表的なラインフィット(line fit)を決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含み得る。2つの圧力点を使用して、減衰フェーズを代表するラインが生成される。この代表的なラインの値は、袋体13b、13cに対する膨張圧力の終わりと比較され、それ以後に膨張した袋体13b、13cの圧力が、それ以前に膨張した袋体13a、13bの圧力を、圧迫サイクル中の任意の点において上回る可能性があるか否かが決定される。
【0036】
図5を参照すると、圧迫システム1に対する巻き付け解除構成の代表的な圧迫サイクル圧力曲線が例示される。図5の圧力曲線を生成する圧迫システム1の動作は、上述した図4の圧迫サイクル圧力曲線に対する動作を同一である。唯一の違いは、図5における圧力信号が、圧迫衣類10が巻き付け解除構成にあるときに取得されたことである。圧力プロット502、504、506は、衣類10が巻き付け解除構成にある場合の、単一の圧迫サイクル全体にわたる遠位袋体13a、中間袋体13b、及び近位袋体13cの実際の圧力を示す。圧力センサ27からの圧力信号はまた、治療圧迫サイクル中のマニホルド29における圧力を代表するが、図5において圧力プロット508として示される。
【0037】
図6を参照すると、巻き付け構成及び巻き付け解除構成に対して圧力センサ27により検出された代表的な圧迫サイクル圧力曲線の圧力信号も一緒にプロットされている。以下に詳細に説明されるように、代表的な圧迫サイクル圧力曲線には、巻き付け構成と巻き付け解除構成とを区別する特徴が存在する。例えば、図5を参照すると、中間袋体13b(504)の圧力が遠位袋体13a(502)の圧力を超える周期(例えば6436ms付近)が存在する。追加的に、袋体13a、13b、13cにおける当該袋体が膨張する前の圧力は、(すなわち時刻=0のときの初期圧力オフセット)は、巻き付け解除構成においてわずかに高い。このオフセットは、衣類10が肢から取り外されたときに多くの残留空気が袋体13a、13b、13cの中に存在した結果である。出願人の考えによれば、これは、巻き付け解除スリーブがそれほど拘束的ではないことにより、残留空気を追い出すべく適用される排除力が少ない(すなわちスリーブが「吹き消された」ままとなり、ひいては体積が小さくなったかのように見える)からである。理論に縛られることを望むわけではないが、このオフセットは、巻き付け解除圧迫衣類10がそれほど拘束的でないことにより、残留空気を追い出すべく適用される排除力が少なくなるからと考えられる。追加的に、巻き付け解除構成における袋体13a及び13bに対する膨張圧力の終わりは、巻き付け構成における袋体13a及び13bに対する膨張圧力よりもわずかに高い。近位袋体13cに対しては、巻き付け構成に対する膨張圧力の終わりが、巻き付け解除構成に対する膨張圧力の終わるよりもわずかに高くなる逆条件も真である。もう一つの差別的特徴は、遠位及び中間袋体13a、13bにおける膨張圧力の終わり同士の差異が、巻き付け構成よりも巻き付け解除構成の方が小さいことである。
【0038】
コンピュータ可読記憶媒体33に実装されたコンピュータ実行可能命令は、巻き付け構成及び巻き付け解除構成双方における圧力センサ27からの圧力信号をモデル化するように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む。一実施形態において、巻き付け構成における遠位袋体13aの膨張フェーズからの圧力信号が、最適フィットラインによりモデル化される。例えば、そのモデルは、単純な線形回帰により生成された最適フィットラインである。
【0039】
最適フィットラインを使用した圧力信号データにより、圧迫療法が適用されない場合の袋体13aが遵守巻き付け構成にあるか又は非遵守巻き付け解除構成にあるかの指標が得られる。最適フィットラインと観測された圧力信号との差異は、平均二乗誤差(MSE)値として数学的に定量化可能である。この例において、MSE値は、圧迫衣類10の袋体の膨張のような所与のインターバルにわたる観測圧力の傾向の湾曲度の指標である。すなわち、大きなMSE値は、曲線フィットデータが大きな曲率を有することを示し、低いMSE値は、曲線フィットデータが小さな曲率を有することを示す。一実施形態において、巻き付け構成に対するプロットは一般に、巻き付け解除構成に対するプロットよりもよりも直線度が高い(すなわち対応最適フィットラインへの適合度が近くなる)。数学的にこれは、巻き付け構成のプロットの曲線フィットラインに対してMSE値が小さくなると解釈される。一実施形態において、所定の数字を下回るMSE値が、袋体が巻き付け構成にあることを示す一方、当該所定の数字以上のMSE値は、袋体が巻き付け解除構成にあることを示す。他の因子も袋体の構成の指標を与えることができると想定される。
【0040】
図7~9を参照すると、コンピュータ可読記憶媒体33に実装されたコンピュータ実行可能命令が、圧迫療法が適用されている場合に圧迫衣類10が巻き付け構成にあるか又は巻き付け解除構成にあるかを決定する方法740を実行するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。図7に規定されるステップは、圧迫衣類10が巻き付け構成にあるか又は巻き付け解除構成にあるかを決定する方法を、一般に高いレベルで記載し、図8及び9は当該方法を詳細に記載する。一以上のプロセッサ7により実行される遵守方法を記載する上で、これら3つの図面すべてを参照する。
【0041】
図7及び8を参照すると、遵守決定方法740の開始において、圧迫システム1が、圧迫治療を装着者の肢に適用するべく袋体13a、13b、13cを連続して膨張及び収縮させる。この治療は好ましくは、とりわけ患者が当該治療を受けるべく処方された時間周期を含む所定の圧迫計画に従って行われる。処方された治療時間を患者が遵守することが監視される。圧迫システム1は、当該システムが定常状態に落ち着き、遵守決定開始前に定常状態データを収集できるようにするべく、必要に応じて数回の又はそれを超えるサイクルだけ動作される。しかしながら、遵守タイマー又はカウンターは、遵守決定の開始に先立って始動させることができる。よって、遵守決定方法740の開始において、圧迫衣類10は巻き付け構成にあり、通常(定常状態)の動作条件下で動作する。システム1は、ステップ750において、圧迫サイクル全体にわたってマニホルド29における圧力を測定するように一以上のプロセッサ7が圧力センサ27に命令するデフォルト条件下で動作する。圧力データは、時間とともに破棄され、新たな最近の圧力データにより、利用可能となるにつれて置換される。一以上のプロセッサ7は、760において、圧迫衣類10が巻き付け解除されたかもしれないことを示唆するトリガーの発生をチェックする。
【0042】
一般に、トリガーは、測定された結果が予測された結果と異なる場合に発生し得る。予測された結果は、つい最近の調整履歴及び定常状態制御エラーに基づく。トリガーは、例えば、袋体13a、13b、13cの少なくとも一つに対する以前の圧迫サイクルからのサイクル圧力変化の終わりと、袋体13a、13b、13c少なくとも一つに対する以前の圧迫サイクルからの膨張圧力変化の終わりと、当該圧力によって引き起こされるポンプ21の調整(例えば目標測定におけるエラー)と、袋体13a、13b、13cの少なくとも一つに対する以前の膨張フェーズからの曲率係数変化と、袋体13a、13b、13cの少なくとも一つに対する以前の圧迫サイクルからの膨張フェーズ勾配変化と、動作サイクルの終わりにおける当該袋体の一以上の測定した圧力の変化と、通気フェーズ中に測定した圧力の勾配の変化と、以前の圧迫サイクルからの測定した圧力のゼロからの初期オフセットの変化と、低い方の目標圧力を有する膨張可能袋体13b、13cの一方における、高い方の目標圧力を有する膨張可能袋体13a、13bの他方における圧力を超えるときの圧力と、袋体13a及び13b間のピーク圧力のわずかな差異と、ポンプ21の動作にしてなされた調整の程度の変化と、測定した圧力における圧力波形及び任意の計画外擾乱の、又は圧迫システム1によりなされた計画外調整の統計的に有意な変化との一以上を、限定なしに含み得る。
【0043】
図8を参照すると、トリガー発生が検出されるまで圧迫システム1は、通常動作を続ける(ステップ762)。トリガー発生が検出されると、764において、当該発生が、例えば定常状態動作に対して予測されたエラーのような所定の条件を超えるか否かの決定がなされる。追加的又は代替的に、予測された変化/擾乱の3倍を超える制御システム応答をもたらす圧力変化/擾乱が、所定の条件として役立ち得る。「予測された変化/擾乱」は、事前設定されるか、又は制御器5により、一定時間周期だけ定常状態にある当該制御器の動作を介して確立された基準とされ得る。追加的又は代替的に、つい最近の調整と比較して所定のしきい値よりも大きなポンプ21への調整が、所定の条件として役立ち得る。例えば、ポンプ21の新たな調整が、以前の調整の100%よりも大きい場合にトリガーが生じ得る。圧迫システム1は、トリガー発生が所定のしきい値を超えることがないか、又は基準を満たすと決定される場合、762の通常動作を続ける。
【0044】
図7及び8を参照すると、巻き付け構成から巻き付け解除への圧迫衣類10の条件変化が生じたことの確認に使用する目的で、トリガー発生が有効であると決定される場合、データ収集が、770において開始される。一以上のプロセッサ7が、「スリーブ除去済み」圧迫サイクルカウンターを、トリガー発生を、衣類10が巻き付け解除となったことの指標として確認するべくデータが収集される一定数の「スリーブ除去済み」圧迫サイクルを計数するように、772においてアクティブにする。「スリーブ除去済み」圧迫サイクルの数が、十分な量のデータ(すなわち圧力信号)が取得されるまでずっと、774において計数される。衣類10が巻き付け解除構成にあるか否かを決定するのに十分な量のデータを取得するのに必要な「スリーブ除去済み」圧迫サイクルの数は、異なる状況であれば異なり得る。一つの実施形態において、「スリーブ除去済み」圧迫サイクルの数は、約10から20の圧迫サイクルである。一般に、十分な量のデータは、初期トリガー発生後に圧力信号が再び定常状態に到達するときに取得されるように決定される。メモリ33は、システム1の通常動作中に取得された基準データとは別個に、「スリーブ除去済み」サイクルに関連付けられたデータを記憶する。ひとたび776において十分なデータが取得されると、一以上のプロセッサ7は、ステップ778においてシステム1の通常動作中に取得されたデータを取り出す。一以上のプロセッサ7は、圧力信号が780において定常状態に到達した後、圧迫システム1が通常条件で動作している間に取得されたデータとの比較を目的として袋体圧力値を決定するべく「スリーブ除去済み」データを分析する。
【0045】
一以上のプロセッサ7は、ステップ790において、「スリーブ除去済み」データと通常の動作条件基準データとを比較することにより、衣類10が巻き付け条件にあるか、又は巻き付け解除条件にあるかを決定する。圧迫システム1は、一以上のプロセッサ7が792において衣類10が除去されておらず依然として巻き付け構成にあることを決定する場合、通常動作を続ける。一以上のプロセッサ7は、衣類10が除去されて当該衣類が巻き付け解除構成にあることが794において決定される場合、被監視パラメータの記録を改変する。ステップ790において「スリーブ除去済み」データと通常動作条件データとを比較することは、袋体13a、13b、13cの少なくとも一つに対して「スリーブ除去済み」データからのサイクル圧力の終わりと通常動作条件データからのサイクル圧力の終わりとを比較することと、袋体13a、13b、13cの少なくとも一つに対して「スリーブ除去済み」データからの膨張圧力の終わりと通常動作条件データからの膨張圧力の終わりとを比較することと、「スリーブ除去済み」データの曲線フィットからの曲率係数と通常動作条件データの曲線フィットからの曲率係数とを比較することと、袋体13a、13b、13cの少なくとも一つに対して「スリーブ除去済み」データからの膨張フェーズ勾配と通常動作条件データからの膨張フェーズ勾配とを比較することと、「スリーブ除去済み」データにおいて測定した圧力のゼロからの初期オフセットと通常動作条件データからの測定した圧力のゼロからの初期オフセットとを比較することと、袋体13a、13b、13cの少なくとも一つに対して「スリーブ除去済み」データからの通気フェーズ勾配と通常動作条件データからの通気フェーズ勾配とを比較することと、低い方の目標圧力を有する膨張可能袋体が、高い方の目標圧力を有する膨張可能袋体の測定した圧力よりも高い測定した圧力を有するか否かを決定するべく当該測定した圧力を比較することと、膨張可能袋体13a、13bのピーク圧力の「スリーブ除去済み」データからの差異と通常動作条件データにおける袋体13a、13bのピーク圧力の差異とを、当該差異の減少を求めて比較することと、「スリーブ除去済み」データにおけるポンプ21の動作への調整の程度と通常動作データにおいてなされた調整の程度とを比較することと、「スリーブ除去済み」データと通常動作データとの間で圧力波形の統計的に有意な差異を探すこととの一以上を、限定なしに含み得る。例えば、袋体13a、13b、13cの一つの通気フェーズ中の圧力スパイクは、衣類10が巻き付け構成にあることの指標となる。比較するステップ790は、衣類が巻き付け解除構成にあることの指標としてトリガー発生を確認するための確認分析である。
【0046】
データ比較790が、当該データ比較のいずれか一つに対して及び袋体13a、13b、13cのいずれか一つに対して統計的に有意な圧力変化が生じたことを示す場合、一以上のプロセッサ7は、衣類10が巻き付け解除構成にあり、もはや遵守態様では使用されていないことを示す。追加的又は代替的に、一以上のプロセッサ7は、袋体13a、13b、13cの少なくとも2つから、統計的に有意な圧力変化がデータ比較のいずれか一つに対して生じたことの確認を要求する。追加的又は代替的に、一以上のプロセッサ7は、袋体13a、13b、13cのすべてから、統計的に有意な圧力変化がデータ比較のいずれか一つに対して生じたことの確認を要求する。追加的又は代替的に、一以上のプロセッサ7は、統計的に有意な圧力変化がデータ比較の少なくとも2つに対して生じたことの確認を要求する。
【0047】
圧力変化の確認に応答して一以上のプロセッサ7は、ステップ794において被監視パラメータの記録を、さらなる圧迫サイクルが圧迫療法計画を遵守していると示されることのないように遵守メーターを休止させておく(例えば遵守タイマーが値の増加を停止する)ことと、装着者又は臨床医に非順守を警報するアラーム表示を与えることと、圧迫システム1の動作を休止させることと、比較の結果をメモリ33に記憶させることと(例えばフラグ)の少なくとも一つにより、改変する。
【0048】
随意的に、図9を参照すると、圧迫衣類10が巻き付け構成にあるか又は巻き付け解除構成にあるかを決定する方法740は、ステップ902において、衣類10が非遵守の巻き付け解除構成にあるとの決定が一以上のプロセッサ7によりなされた後に追加的な「スリーブ除去済み」データを収集することを続ける。一以上のプロセッサ7は、904において、追加的な「スリーブ除去済み」データを分析して通常動作条件データと比較する。一以上のプロセッサ7は906において、904におけるデータ比較が、袋体13a、13b、13cのいずれか一つに対して追加的な「スリーブ除去済み」データが通常動作条件データに一致し又はほぼ一致することを示す場合、衣類10が巻き付け構成に戻されて再び、遵守態様で使用されているとの決定をする。それに応答して一以上のプロセッサ7は、被監視パラメータの記録を、圧迫システム1の動作を再開することと、後続圧迫サイクルが遵守であるとの指標がされるように遵守メーターを再開することと、装着者又は臨床医に遵守を警報するメッセージを与えることと、比較の結果をメモリ33に記憶させることとの少なくとも一つにより、改変する。一以上のプロセッサ7は902において、904におけるデータ比較が当該データ比較のいずれか一つに対して統計的に有意な圧力変化が残っていることを示す場合、一以上のプロセッサ7が、上述した尺度のような圧力信号が通常動作条件圧力信号に一致し又はほぼ一致するとの決定をするまで、追加的な「スリーブ除去済み」データを続ける。
【0049】
図4及び5からわかるように、圧力センサ27によりもたらされる圧力測定値は、袋体13a、13b、13c内の実際の圧力よりもわずかに高い。遵守を決定するべく圧力センサ信号を使用する目的からは、圧力の差異は無視できる。代替的に、一時的に流体源21を無効にすることによって、圧力センサ27により測定された圧力は、マニホルド29に流体連通する袋体における実際の圧力に正規化される。
【0050】
追加的又は代替的に、巻き付け条件と巻き付け解除条件とを比較するべく、袋体13a、13b、13cの膨張フェーズに対する線形回帰をさらに分析することができる。例えば、2つの条件同士をさらに区別するべく、標準偏差、P値、最大及び最小値、並びに平均値を計算し、巻き付け条件と巻き付け解除条件とを比較することができる。スリーブが着けられた又はスリーブが外された条件を区別するべく、残差分析のような回帰分析に関連付けられた高度な統計(例えばここに記載の曲線フィッティング分析)もまた、本開示の範囲内にある。
【0051】
袋体13a、13b、13cの膨張フェーズに対する曲線フィットが、最適フィットラインとして記載されてきたが、当該モデルは多項式曲線フィットとしてもよい。図10を参照すると、袋体13aの膨張フェーズからの圧力信号は、巻き付け構成(1002)及び巻き付け解除構成(1004)における5次の多項式曲線フィットを使用してモデル化される。5次多項式曲線フィットは、圧力信号の変化に過剰に応答することのない、膨張フェーズのさらに動的な曲率を正確に代表する。他の次数の多項式曲線フィットも想定される。一例として、曲率があまり動的ではないため高い次数が必要とされないような場合、低い次数の方を使用することができる。
【0052】
巻き付け構成にある袋体13a、13b、13cの膨張フェーズ中の多項式曲線フィットは一般に、巻き付け構成にある袋体13a、13b、13cの膨張フェーズに対する多項式曲線フィットよりもまっすぐである(すなわち線形性が高い)。追加的に、遠位及び中間の袋体13a、13bに対しては、巻き付け解除構成において膨張フェーズ全体にわたる圧力が、巻き付け構成における膨張フェーズ全体にわたる圧力よりも高い。近位袋体13cに対しては、巻き付け構成における膨張フェーズのほとんどにわたる圧力が、巻き付け解除構成における膨張フェーズのほとんどにわたる圧力よりも高いという逆の条件も真となる。追加的に、巻き付け解除構成にある袋体13a及び13bに対する開始圧力、すなわちオフセットは、巻き付け構成にある袋体13a及び13bに対する開始圧力よりも高い。これらの異なる特徴の発生を認識することにより、圧迫システム1は、衣類10が、遵守巻き付け構成にある場合、及び衣類10が非遵守巻き付け解除構成にある場合を決定することができる。
【0053】
追加的又は代替的に、巻き付け条件と巻き付け解除条件とを比較するべく、袋体13a、13b、13cの膨張フェーズに対する多項式曲線フィットをさらに分析することができる。例えば、2つの条件同士をさらに区別するべく、標準偏差、P値、最大及び最小値、並びに平均値を計算し、巻き付け条件と巻き付け解除条件とを比較することができる。スリーブが着けられた又はスリーブが外された条件を区別するべく、残差分析のような回帰分析に関連付けられた高度な統計(例えばここに記載の曲線フィッティング分析)もまた、本開示の範囲内にある。
【0054】
図11を参照すると、圧迫衣類10の巻き付け構成に対する代表的な圧迫サイクル圧力曲線が例示される。このグラフは、圧力センサ27からの信号を例示する。圧迫衣類10の巻き付け構成にある袋体13a、13b、13cの3つすべてに対する単一の圧迫サイクルは、圧迫周期1102及び圧迫解除周期1104を含む。図12を参照すると、圧迫衣類10の巻き付け解除構成に対する代表的な圧迫サイクル圧力曲線が例示される。圧迫周期1202及び圧迫解除周期1204は、圧迫衣類10の巻き付け解除構成について、袋体13a、13b、13cの3つすべてに対する単一の圧迫サイクルを例示する。コンピュータ可読記憶媒体33に実装されるコンピュータ実行可能命令は、圧迫解除周期1104、1204中の袋体圧力を示す圧力センサ27からの信号を監視するように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む。コンピュータ実行可能命令は、圧迫解除周期1104の圧力信号と圧迫解除周期1204の圧力信号との差異を検出するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。例えば、圧迫解除周期1104中の圧力信号は、図11において一般に1106で示される圧力衝撃を含む。これは、制御器5により、圧迫衣類10が巻き付け構成にある場合の装着者の動きを示すものとして解釈される。圧迫解除周期1204中の圧力信号は相対的に静的である(すなわち衝撃が存在しない)。これは、制御器5により、圧迫衣類10が巻き付け解除構成にあることを示すものとして解釈される。圧迫解除周期1104、1204の圧力信号を分析することにより、コンピュータ実行可能命令は、圧迫解除周期1104、1204中の一以上の圧力衝撃1106の存在(すなわち発生)又は不在(すなわち非発生)に基づいて、圧迫衣類10が巻き付け構成にあるか否か、又は巻き付け解除構成にあるか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。
【0055】
再び図11を参照すると、圧迫システム1の他の実施形態において、袋体13a、13b、13cの袋体圧力がロックされており、コンピュータ実行可能命令は、圧迫衣類10が、実質的に装着者の肢まわりにある巻き付け構成の場合の、圧迫解除周期1104中の圧力信号の上昇(例えば増加)を検出するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。圧迫解除周期1204(図12)中の圧力信号は相対的に静的である(すなわち圧力上昇が存在しない)。これは、制御器5により、圧迫衣類10が巻き付け解除構成にあることを示すものとして解釈される。コンピュータ実行可能命令は、圧迫解除周期1104、1204中の圧力上昇の存在(すなわち発生)又は不在(すなわち非発生)に基づいて、圧迫衣類10が巻き付け構成にあるか又は巻き付け解除構成にあるかを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。
【0056】
図13を参照すると、コンピュータ可読記憶媒体33に実装されるコンピュータ実行可能命令は、圧力センサ27から受信した圧力信号における一以上の圧力衝撃を検出することにより、圧迫衣類が巻き付け構成にあるか又は巻き付け解除構成にあるかを決定する方法1300を実行するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。圧迫システム1はステップ1302において、圧迫治療を装着者の肢に適用するべく、及び袋体13a、13b、13cに通気して1~2mmHgのような目標値まで下げるべく、袋体13a、13b、13cを膨張及び収縮させるように動作する。コンピュータ実行可能命令は、ステップ1304において、袋体13a、13b、13cにおける圧力が目標値に到達したか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。目標値に到達していなかった場合、コンピュータ実行可能命令は、袋体13a、13b、13cへの通気を続けるように一以上のプロセッサ7に仕向け、プロセスはステップ1304へと戻る。目標値に到達している場合、コンピュータ実行可能命令は、ステップ1306において、袋体13a、13b、13cへの通気を止め、圧迫解除周期中の衝撃を求めて圧力センサ27からの圧力信号を監視するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。理解されることだが、フィルタがかけられた信号は、本開示の範囲を逸脱しなければ、観測されたいずれかの衝撃がベースライン信号ノイズを上回るものとみなしてよい。信号は、例えば、制御器5におけるフィルタリング回路群によってフィルタがかけられてよく、及び/又はコンピュータ実行可能命令を介して一以上のプロセッサ7により実装されたデジタルフィルタリング技術によってフィルタがかけられてよい。理解されることだが、コンピュータ実行可能命令は、本開示の範囲を逸脱しなければ、予測されたノイズ内のピークに対する異常ピークの振幅を決定するべく波形ピーク検出を行わせるように一以上のプロセッサ7に仕向けることができる。またも理解されることだが、コンピュータ実行可能命令は、本開示の範囲を逸脱しなければ、信号しきい値限界検出を利用するように一以上のプロセッサ7に仕向けることができる。例えば、ノイズを1mmHgよりも上回る衝撃が検出される場合、当該衝撃は圧力衝撃とみなされる。コンピュータ実行可能命令は、衝撃が観測されない連続サイクルの数を求めて計数が保持されるカウンターを実装するように一以上のプロセッサ7に仕向けることができる。
【0057】
ステップ1308において、コンピュータ実行可能命令は、ステップ1306において、衝撃がプロセッサ7により検出されたか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ1306中に衝撃が検出された場合、コンピュータ実行可能命令は、カウンターをゼロにリセット1310するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。これは、当該衝撃が、圧迫衣類10が実質的に装着者の肢まわりの巻き付け構成にあることを示すからである。ステップ1306中に衝撃が検出されなかった場合、そのような衝撃の非発生(すなわち不在)は、圧迫衣類10が、装着者の肢から離れた巻き付け解除構成にあることを示す。このような場合、コンピュータ実行可能命令は、ステップ1312においてカウンターの計数がカウンターしきい値を満たし又は超過するか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。例えば、しきい値は10の連続サイクルであってよいが、当業者であれば、当該しきい値が任意の整数値となり得ることがわかる。しきい値を満たし又は超過することは、圧迫衣類10が装着者の肢から離れた巻き付け解除構成にあることを示す。これは、圧迫衣類10が巻き付け構成にあったとすれば、圧力異常(例えば圧力衝撃)が一以上のプロセッサ7により検出されていたはずだからである。
【0058】
一以上のプロセッサ7は、ステップ1312において、カウンターの計数が、カウンターしきい値を満たし又は超過すると決定する場合、コンピュータ実行可能命令は、ステップ1314において必要なアクションをとるように一以上のプロセッサに仕向ける。例えば、一以上のプロセッサ7は、動作を休止すること、遵守タイマーを停止すること、ユーザ(例えば装着者又は介護者)に警報すること等ができる。一以上のプロセッサ7が、ステップ1312においてカウンターの計数がカウンターしきい値に到達していなかったと決定する場合、コンピュータ実行可能命令は、ステップ1316においてカウンターの計数を増加させて袋体13a、13b、13cに十分に通気させるように一以上のプロセッサ7に仕向け、プロセスはステップ1302に戻る。
【0059】
代替実施形態において、図6の方法1300は、静脈再充填測定中に実行される。かかる実施形態において、袋体13bは、高い圧力(例えば5~7mmHg)になるまで通気されるので、装着者の肢に強固に接触するようになる。この実施形態において、患者の動きに起因する圧力衝撃は、圧力センサ27の圧力信号においてさらに明白となる。
【0060】
図14を参照すると、コンピュータ可読記憶媒体33に実装されるコンピュータ実行可能命令は、圧力センサ27から受信した圧力信号における上昇(例えば増加)を検出することにより、圧迫衣類が巻き付け構成にあるか又は巻き付け解除構成にあるかを決定する方法1400を実行するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。圧迫システム1は、ステップ1402において、圧迫治療を装着者の肢に適用するべく、及び袋体13a、13b、13cに通気して1~2mmHgのような目標値まで下げるべく、袋体13a、13b、13cを膨張及び収縮させるように動作する。コンピュータ実行可能命令は、ステップ1404において、袋体13a、13b、13cにおける圧力が目標値に到達したか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。目標値に到達していなかった場合、コンピュータ実行可能命令は、袋体13a、13b、13cへの通気を続けるように一以上のプロセッサ7に仕向け、プロセスはステップ1404へと戻る。目標値に到達していた場合、コンピュータ実行可能命令は、ステップ1406において、袋体13a、13b、13cへの通気を止め、圧迫解除周期中の上昇を求めて圧力センサ27からの圧力信号を監視するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。一実施形態において、フィルタがかけられた信号は、観測されたいずれかの上昇がベースライン信号ノイズを上回るものとみなしてよい。信号は、例えば、制御器5におけるフィルタリング回路群によってフィルタがかけられてよく、及び/又はコンピュータ実行可能命令を介して一以上のプロセッサ7により実装されたデジタルフィルタリング技術によってフィルタがかけられてよい。一以上のプロセッサ7は、圧迫衣類10が実質的に装着者の肢まわりにある巻き付け構成であることを示すしきい値(例えば1~2mmHg)よりも大きな圧力上昇を求めて圧力信号を監視する。圧力信号における上昇の欠如、又はしきい値よりも小さな上昇は、圧迫衣類10が装着者の肢から離れた巻き付け解除構成にあることを示す。コンピュータ実行可能命令は、しきい値圧力上昇を達成することができない各サイクルを求めて計数が保持されるカウンターを実装するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。
【0061】
ステップ1408において、コンピュータ実行可能命令は、ステップ1406において、しきい値よりも大きな圧力上昇がプロセッサ7により検出されたか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ1406中にしきい値よりも大きな圧力上昇が検出された場合、コンピュータ実行可能命令は、カウンターをゼロにリセット1410するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。これは、当該圧力上昇が、圧迫衣類10が実質的に装着者の肢まわりの巻き付け構成にあることを示すからである。ステップ1406にしきい値を上回る上昇が検出されなかった場合、そのような圧力上昇の非発生は、圧迫衣類10が、装着者の肢から離れた巻き付け解除構成にあることを示す。このような場合、コンピュータ実行可能命令は、ステップ1412においてカウンターの計数がカウンターしきい値を満たし又は超過するか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。例えば、しきい値は10の連続サイクルであってよいが、当業者であれば、当該しきい値が任意の整数値となり得ることがわかる。しきい値を満たし又は超過することは、圧迫衣類10が装着者の肢から離れた巻き付け解除構成にあることを示す。これは、圧迫衣類10が巻き付け構成にあったとすれば、圧力異常(例えば圧力上昇)が一以上のプロセッサ7により検出されていたはずだからである。
【0062】
一以上のプロセッサ7は、ステップ1412において、カウンターの計数がカウンターしきい値を満たし又は超過したことを決定した場合、コンピュータ実行可能命令は、ステップ1414において必要なアクションをとるように一以上のプロセッサに仕向ける。例えば、一以上のプロセッサ7は、動作を休止すること、遵守タイマーを停止すること、ユーザ(例えば装着者又は介護者)に警報すること等ができる。一以上のプロセッサ7が、ステップ1412においてカウンターの計数がカウンターしきい値に到達していなかったと決定する場合、コンピュータ実行可能命令は、ステップ1416においてカウンターの計数を増加させて袋体13a、13b、13cに十分に通気させるように一以上のプロセッサ7に仕向け、プロセスはステップ1402に戻る。
【0063】
代替実施形態において、圧力センサ27により生成された信号の圧力曲線の実際の形状は、それ自体が潜在的な指標となる。例えば、当該曲線の形状は、もたらされた機能(すなわち当該形状)が所定の機能(すなわち形状)に一致するときに、圧迫衣類10が巻き付け構成にあるとコンピュータ実行可能命令が決定するように一以上のプロセッサ7に仕向けることとなるように計算することができる。これとは逆に、もたらされた機能が所定の機能に一致しないことにより、コンピュータ実行可能命令は、圧迫衣類10が巻き付け解除構成にあると決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。かかる実施形態は、上述した方法1300、1400と併せて記載されたカウンターとともに使用することができる。
【0064】
図15Aを参照すると、代表的な袋体膨張周期1502及び圧力保持周期1504中に装着者の肢において圧迫衣類10の巻き付け構成にある袋体13a、13b、13cの一つに対する圧力センサ27からの圧力信号が示される。図15Aの例において、圧力保持周期1504は、約27秒の期間であり、袋体13a、13b、13cの治療サイクルの典型的な膨張しきい値である約45mmHgまで膨張した袋体13a、13b、13cを代表する。本開示の他の実施形態によれば、圧力保持周期1504は、約20秒の期間としてよく、約200mmHgまで膨張した袋体13a、13b又は13cの一つを代表する。したがって、約200mmHgまで膨張する袋体の圧力信号における振動の振幅は、約45mmHgまで膨張する袋体に関連してここに例示される振動の振幅よりも高くなる。
【0065】
図15Bを参照すると、波形1504’は、圧力保持周期1504の対象サブセット信号に適用された帯域通過フィルタリング技術の結果であって、周波数範囲(例えば0.5Hz~25Hz、0.5Hz~5Hz等)が抽出されたものを示す。圧力保持周期1504の代表的なサブセット部分は、圧力保持周期1504’中の圧力信号においてパルスが可視となるように、図15Aよりも小さな尺度で示される。図15Bの圧力パルスにおける当該パルスは、装着者の脈拍により袋体13a、13b又は13cにもたらされた圧力効果に関連付けられる。圧迫衣類10の装着者の脈拍に関連付けられた波形脈動は、波形1504’において明白なままである。非一過性のコンピュータ可読記憶媒体33に実装されるコンピュータ実行可能命令は、圧力センサ27からの信号を受信するように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む。受信した信号は、袋体膨張周期1502及び圧力保持周期1504中の袋体13a、13b、13cの一以上における流体圧力を示す。
【0066】
一定の複数の実施形態において、コンピュータ実行可能命令はさらに、人間の典型的な心臓周期範囲に関連付けられた周波数のみを圧力保持周期1504中に抽出するべく、圧力センサ27からの信号をさらにリファインするように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む。例えば、コンピュータ実行可能命令は、0.5Hz~25Hzの範囲にある周波数を(例えば帯域通過フィルタリング技術を介して)抽出するように一以上のプロセッサ7に仕向けるコンピュータ実行可能命令を含み得る。
【0067】
図15Bは、振動の振幅が減少するにつれて、信号へのノイズの影響が有意になってくる(すなわち信号対ノイズ比が小さくなる)ことを示す。データの追加的な前処理及び/又は後処理が、歪みの少ない結果を取得するのに有用となり得る。いくつかの実施形態において、コンピュータ実行可能命令はさらに、人間装着者の脈拍とは関連付けられない周波数を除去するべく、圧力保持周期1504の信号をフィルタリングするように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令と、一以上のピーク検出アルゴリズム及び/又は遵守監視アルゴリズムを実装するように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令とを含む。一定の複数の実施形態において、一以上のコンピュータ実行可能命令はさらに、圧力センサ27から受信した信号へのノイズの影響を減少させる追加的な前処理及び/又は後処理を行わせるように一以上のプロセッサ7に仕向ける命令を含む。理解すべきことだが、圧力センサ27から受信して一以上のプロセッサ7により処理された信号は、装着者の心拍に関連付けられるが装着者の実際の心拍ではない脈動を含む。例えば、装着者の心臓が拍動するときの血流は、膨張可能袋体13a、13b、13cの少なくとも一つに圧力をもたらす。これを圧力センサ27が検出して、その代表的な圧力信号を生成する。
【0068】
図15Cを参照すると、波形1504’が、波形1504”に重ねられる。波形1504”は、一以上のプロセッサ7により波形1504’に適用された平滑化アルゴリズムフィルタリング技術の結果である。図15Cにおける実施形態の、この一例において、平滑化は、動く範囲の5倍(例えば5×)の矩形窓に追従する。典型的な静脈再充填検出(Venous Refill Detection(VRD))技術(例えば約5から約20mmHg)に関連付けられるもののように低い圧力であっても、波形は依然として、装着者と圧迫衣類10とが十分に接触していることを示す脈動の証拠を与える。
【0069】
図16は、代表的な袋体圧力保持周期1602中に圧力センサ27から受信した圧力信号、すなわち圧迫衣類10の巻き付け解除構成に対する袋体13a、13b、13cの一つの圧力曲線を示す。圧力曲線1602の全体的な振幅は、(図15Aに示される)類似の圧力保持周期1504の振幅よりも小さい。圧力曲線1602に明確な繰り返しパルスが不在であることは、圧迫衣類10が巻き付け解除構成にあるか又は装着者によって適切に装着されていないことの指標である。
【0070】
図17Aは、圧力信号27から受信した圧力信号、及び袋体13a、13b、13cの一つの代表的な袋体圧力曲線を示す。圧力曲線は、療法サイクル周期1702、袋体通気周期1704、袋体試験膨張周期1706及び袋体圧力保持周期1708を含む。療法サイクル1702の終わりに、被試験袋体(例えば袋体13a、13b、13cの一つ)が、袋体通気周期1704中に通気される。袋体通気周期1704の後、短い膨張が袋体膨張周期1706中に、被試験袋体が約30mmHgの圧力を達成するまでずっと被試験袋体に適用される。一以上のプロセッサ7は、さらに以下に記載されるようなパルス検出が、この実施形態の一例では約10秒となる袋体圧力保持周期1708中に一以上のプロセッサ7によって行われるように、コンピュータ実行可能命令を実行する。袋体圧力保持周期1708は、これよりも長い又は短い期間であってよい。ただし、当該期間が、当該期間中に複数のパルスが発生することが保証されるほど十分に長いことが前提とされる。図17Bは、圧力保持周期1708中に対象信号に適用されたフィルタリング技術の結果を示す波形1708’を例示する。いくつかの実施形態において、コンピュータ実行可能命令は、一以上のプロセッサ7が支配的ピークを検出し、予測された範囲(人間装着者に対して例えば60~100拍毎分(bpm))内に波形が収まることをチェックするように仕向ける命令を含む。いくつかの実施形態において、人間装着者に対して予測された範囲は60~100拍毎分(bpm)である。しかしながら、体調不良かもしれない装着者を説明するべく、及び/又は心臓から遠く離れた身体箇所(例えば下肢)において生じ得る測定を説明するべく、これよりも広い範囲(例えば30~120bpm)も使用することができることを理解すべきである。この実施形態の一例において、一以上のプロセッサ7は、装着者の心拍に関連付けられるが装着者の実際の心拍ではない脈動を検出する。
【0071】
図18は、装着者の心拍に関連付けられた脈動を検出することにより、圧迫衣類10が、衣類の装着者の肢まわりの巻き付け構成にあるか又は巻き付け解除構成にあるかを決定するべく、圧力センサ27から受信した波形データを分析する方法1800の一例の概略的表現である。この一例の方法は、非一過性コンピュータ可読記憶媒体33に実装されたコンピュータ実行可能命令の実行を介して、一以上のプロセッサ7により実行することができる。一以上のプロセッサ7は、1802で初期圧力をサンプリングするコンピュータ実行可能命令を実行する。いくつかの実施形態において、初期圧力のサンプリング、100Hz以上の速度で行われ、典型的な信号調整が使用されてベースラインノイズが除去される。追加的又は代替的に、サンプリング1802は、低カットオフ(例えば0.25Hz)直下の周波数の減衰を含むように拡張することができる。
【0072】
後処理波形分析1804はさらに、帯域通過フィルタ1806、追加的なフィルタリング1808及びピーク検出1810を含む。帯域通過フィルタ1806の最中、対象信号には、人間装着者の典型的な心拍数範囲に関連付けられた典型的な範囲の周波数(例えば人間装着者に対する0.5~4Hz)における帯域通過フィルタリング技術を使用してフィルタがかけられる。
【0073】
追加的なフィルタリング1808中、帯域通過フィルタがかけられた信号のピークはさらにリファインされる。追加的なフィルタリングは、フィルタがかけられた値をもたらすべく、5Hzのカットオフを備えた低域通過フィルタを含み得る。追加的又は代替的に、追加的なフィルタリングは、フィルタがかけられた値をもたらすべく、動く範囲の最近の5つのサンプルを使用する平滑化アルゴリズムを含み得る。理解すべきことだが、帯域通過フィルタがかけられた信号には、加的なフィルタリングステップ1808中に、一を超えるフィルタリング技術を適用することができる。
【0074】
ピーク検出1810中、フィルタがかけられた信号のピークが典型的な人間装着者の心拍範囲に対応することをチェックするべく、ピーク検出が行われる。ピーク検出1810は、所定のしきい値に基づき得る(例えば0.05mmHgよりも大きな程度を備えたピークのみを見ることができる)。追加的又は代替的に、ピーク検出1810は、程度からは独立して周波数が典型的な人間装着者の心拍範囲内にある繰り返し信号を求めて検査することに基づき得る(例えばマージンのために30~240bpmまで拡張される)。例えば、周波数が典型的な人間装着者の心拍範囲にある繰り返し信号が検出されることをチェックするべく、周波数分析計算が行われてよい。追加的又は代替的に、ピーク検出1810は、最高程度のピークに基づいてよく、当該ピークの周波数が典型的な人間装着者の予測された心拍範囲内に収まることをチェックしてよい。理解すべきことだが、ピーク検出1810中に一を超えるピーク検出技術を使用してよい。いくつかの実施形態において、ピーク検出1810は、所定のしきい値に基づくピーク検出と最高程度のピークに基づくピーク検出との組み合わせ、及び当該ピークの周波数が、パルスがはっきりと明白であるほど信号対ノイズ比が十分高いことを理由に、典型的な人間装着者の予測された心拍範囲内に収まることをチェックすることを含む。
【0075】
コンピュータ実行可能命令は、装着者の脈拍の特徴がピーク検出1810中に検出されたか否かを決定1812するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。パルスの特徴が存在すると決定1812される場合、肯定的な決定結果が表示され得る1816。例えば、表示1816は、圧迫システム1に関連付けられたディスプレイ装置に視覚的表現を送信することを含み得る。追加的又は代替的に、表示1816は、タイマーの値を増加させ及び/又は一時停止させることを含み得る。表示1816のとき、ステップ1818においてプロセスは終了し、ステップ1802に戻る。ステップ1812において衝撃が検出されない場合、コンピュータ実行可能命令は、ステップ1814においてヌル値を返すように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ1814の後、ステップ1818においてプロセスは終了し、サンプリング1802に戻る。
【0076】
図19を参照すると、衣類照合プロセス中に圧迫衣類(例えば圧迫衣類10)が巻き付け構成にあるか又は巻き付け解除構成にあるかを決定するべく、圧力センサ(例えば圧力センサ27)から受信した波形データを分析する一例の方法1900の概略的表現が示される。説明を容易にするべく、かつ、明確性のため、方法1900は、単一の袋体(例えば袋体13a、13b又は13cの一つ)に対して記載される。しかしながら、方法1900は、異なる弁に対応する追加的な袋体を求めてチェックするべく繰り返してよいことも理解すべきである。
【0077】
方法1900は、ステップ1902から始まり、所望の袋体弁(例えば袋体弁25a、25b、25c)が開1904とされる。加圧流体源(例えば加圧流体源21)は、対応袋体における圧力が約120mmHgを超過するまで回される1906。
【0078】
圧力信号は、時間周期の間に圧力センサ27から受信される1908すべてのデータが利用可能であるか否かについての決定1910がなされる。すべてのデータが利用可能でない場合、圧力信号は取得され続け1912、当該圧力信号が受信される1908。決定1910がなされる場合、ステップ1910においてすべてのデータが利用可能であり、対応弁が閉となって1914、パルス検出アルゴリズムが実行される。
【0079】
いくつかの実施形態において、パルス検出アルゴリズムは、上述した後処理波形分析1804の一以上のステップを含む。
【0080】
弁が閉とされ1914、流体が袋体において隔離された後、パルスが検出されたか否かについての決定1916がなされる。パルスの検出の欠如は、ステップ1918において圧迫衣類10が、装着者の肢から離れた巻き付け解除構成にあることを示し、方法は、遵守時間が増加させられることがないステップ1932へと進む。その後、ステップ1936において方法が終了する。ステップ1916におけるパルスの検出は、ステップ1920において圧迫衣類10が装着者の肢まわりの巻き付け構成にあることを示し、方法はステップ1930へと続く。
【0081】
ステップ1922において、コンピュータ実行可能命令は、ポンプがステップ1906において始動された後一秒が経過した後に圧力を読み込むように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ1924において、コンピュータ実行可能命令は、圧力が2.0mmHgを超えるか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ1924において2.0mmHgを超過した圧力は、ステップ1926において圧迫衣類10が存在する(例えば弁25a、25b、25cと流体連通する)ことを示し、方法はステップ1930へと進む。ステップ1924において2.0mmHgを超過しなかった圧力は、ステップ1928において圧迫衣類10が存在しない(例えば弁25a、25b、25cと流体連通しない)ことを示し、方法は、遵守時間が増加させられることがないステップ1932へと進む。その後、ステップ1936において方法が終了する。
【0082】
ステップ1930において、コンピュータ実行可能命令は、圧迫衣類10が存在して装着者の肢まわりの巻き付け構成にあるか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。圧迫衣類10が存在しないか又は装着者の肢まわりの巻き付け構成にないかのいずれかと決定される場合、方法は、遵守時間が増加させられることがないステップ1932へと進み、その後、ステップ1936において方法が終了する。圧迫衣類10が一以上のプロセッサ7により、存在して巻き付け構成にあることが決定される場合、方法は、遵守時間が増加させられるステップ1934へと進み、その後、ステップ1936において方法が終了する。
【0083】
図20を参照すると、サイクル圧力の終わりに追従して圧迫衣類が巻き付け構成にあるか又は巻き付け解除構成にあるかを決定するべく、コンピュータ可読記憶媒体33に実装されるコンピュータ実行可能命令は、圧力センサ27から受信した波形データを分析する方法2000を実行するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。方法2000は、ステップ2002から始まり、コンピュータ実行可能命令が、予防的な圧迫サイクルを完了するように一以上のプロセッサ7に仕向けるステップ2004へと進む。ステップ2006において、コンピュータ実行可能命令は、装着者の足首及びふとももに対応する袋体(例えば袋体13a及び13c)に通気するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ2008において、コンピュータ実行可能命令は、所定の時間周期(例えば10秒)の間、装着者のふくらはぎに対応する袋体(例えば袋体13b)における圧力を保持し、圧力センサ27を介して圧力信号を取得するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。
【0084】
ステップ2010において、コンピュータ実行可能命令は、データのすべてが利用可能か否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ2010においてデータのすべてが利用可能とはいえない場合、方法は、圧力センサ27からの圧力信号を取得し続けるステップ2012へと進み、その後、続けてステップ2008へと戻る。ステップ2010においてデータのすべてが利用可能である場合、方法は、コンピュータ実行可能命令が、パルス検出アルゴリズムを実行するように一以上のプロセッサ7に仕向けるステップ2014へと進む。いくつかの実施形態において、パルス検出アルゴリズムは、上述した後処理波形分析1804の一以上のステップを含む。ステップ2016において、コンピュータ実行可能命令は、ステップ2014においてパルスが検出されたか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。パルスの検出の欠如は、ステップ2022において圧迫衣類10が、装着者の肢から離れた巻き付け解除構成にあることを示す。この場合、方法は、コンピュータ実行可能命令が、遵守時間を増加させないように一以上のプロセッサ7に仕向け、及び一以上のアクション(例えばユーザ警報)をとるように一以上のプロセッサ7に仕向けるステップ2024へと進み、その後、ステップ2026において方法が終了する。ステップ2016におけるパルスの検出は、ステップ2018において圧迫衣類10が、装着者の肢まわりの巻き付け構成にあることを示す。この場合、方法は、コンピュータ実行可能命令が、遵守時間を増加させるように一以上のプロセッサ7に仕向けるステップ2020へと進み、その後、ステップ2026において方法が終了する。
【0085】
図21を参照すると、コンピュータ可読記憶媒体33に実装されるコンピュータ実行可能命令は、静脈再充填決定(VRD)中に圧迫衣類が巻き付け構成にあるか又は巻き付け解除構成にあるかを決定するべく、圧力センサ27から受信した波形データを分析する方法2100を実行するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。方法2100は、ステップ2102から始まり、コンピュータ実行可能命令が、予防的な圧迫サイクルを完了するように一以上のプロセッサ7に仕向けるステップ2104へと進む。ステップ2106において、コンピュータ実行可能命令は、装着者の足首及びふとももに対応する袋体(例えば袋体13a及び13c)に通気するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ2108において、コンピュータ実行可能命令は、装着者のふくらはぎに対応する袋体(例えば袋体13b)における圧力がVRD目標となるまで通気するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ2110において、コンピュータ実行可能命令は、予定通りにVRDを行わせるように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ひとたびVRD測定が開始されると、コンピュータ実行可能命令は、並列パルス検出を目的として圧力センサ27から圧力データを取得する二次プロセスを始めるように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ2114において、コンピュータ実行可能命令は、VRDが進行している間に圧力センサ27から圧力信号を取得するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。
【0086】
ステップ2116において、コンピュータ実行可能命令は、データのすべてが利用可能か否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ2116においてデータのすべてが利用可能とはいえない場合、方法は、圧力センサ27からの圧力信号取得を続けるステップ2118へと進み、その後、続けてステップ2114へと戻る。ステップ2116においてデータのすべてが利用可能な場合、方法は、コンピュータ実行可能命令が、パルス検出アルゴリズムを実行するように一以上のプロセッサ7に仕向けるステップ2120へと進む。いくつかの実施形態において、パルス検出アルゴリズムは、上述した後処理波形分析1804の一以上のステップを含む。ステップ2122において、コンピュータ実行可能命令は、ステップ2120においてパルスが検出されたか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。パルスの検出の欠如は、ステップ2128において圧迫衣類10が、装着者の肢から離れた巻き付け解除構成にあることを示す。この場合、方法は、コンピュータ実行可能命令が、遵守時間を増加させないように一以上のプロセッサ7に仕向け、及び一以上のアクション(例えばユーザ警報)をとるように一以上のプロセッサ7に仕向けるステップ2130へと進み、その後、ステップ2132において方法が終了する。ステップ2122におけるパルスの検出は、ステップ2124において圧迫衣類10が装着者の肢まわりの巻き付け構成にあることを示す。方法はその後、コンピュータ実行可能命令が、遵守時間を増加させるように一以上のプロセッサ7に仕向けるステップ2126へと進み、その後、ステップ2132において方法が終了する。
【0087】
図22を参照すると、コンピュータ可読記憶媒体33に実装されるコンピュータ実行可能命令は、独立したサイクルとして圧迫衣類が巻き付け構成にあるか又は巻き付け解除構成にあるかを決定するべく、圧力センサ27から受信した波形データを分析する方法2200を実行するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。方法2200は、ステップ2202から開始してステップ2204へと進む。ここで、コンピュータ実行可能命令は、予防的な圧迫サイクルを完了させるように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ2206において、コンピュータ実行可能命令は、袋体13a、13b、13cのすべてに通気するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ2208において、コンピュータ実行可能命令は、所望の弁(例えば弁25b)を開にして所望の袋体(例えば袋体13b)を所望の圧力(例えば10~120mmHg)まで膨張させるように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ2210において、コンピュータ実行可能命令は、所定の時間周期(例えば10秒)の間に圧力センサ27を介して圧力信号を取得するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。
【0088】
ステップ2212において、コンピュータ実行可能命令は、データのすべてが利用可能か否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ2212においてデータのすべてが利用可能とはいえない場合、方法は、圧力センサ27からの圧力信号を取得し続けるステップ2214へと進み、その後、続けてステップ2210へと戻る。ステップ2212においてデータのすべてが利用可能である場合、方法は、コンピュータ実行可能命令が、対応弁(例えば25b)を閉にしてパルス検出アルゴリズムを実行するように一以上のプロセッサに仕向けるステップ2216へと進む。いくつかの実施形態において、パルス検出アルゴリズムは、上述した後処理波形分析804の一以上のステップを含む。ステップ2218において、コンピュータ実行可能命令は、ステップ2216においてパルスが検出されたか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。パルスの検出の欠如は、圧迫衣類10が、ステップ2224において、装着者の肢から離れた巻き付け解除構成にあることを示す。この場合、方法は、コンピュータ実行可能命令が、遵守時間を増加させないように一以上のプロセッサ7に仕向け、及び一以上のアクション(例えばユーザ警報)をとるように一以上のプロセッサ7に仕向けるステップ2226へと進み、その後、ステップ2228において方法が終了する。ステップ2218におけるパルスの検出は、ステップ2220において圧迫衣類10が装着者の肢まわりの巻き付け構成にあることを示す。この場合、方法は、コンピュータ実行可能命令が、遵守時間を増加させるように一以上のプロセッサ7に仕向けるステップ2222へと進み、その後、ステップ2228において方法が終了する。
【0089】
図23A~Cは、装着者の心拍に関連付けられた脈動を検出することにより、圧迫衣類10が、衣類の装着者の肢まわりの巻き付け構成にあるか又は巻き付け解除構成にあるかを決定するべく、圧力センサ27から受信した波形データを分析する一例の方法2300の概略的表現である。この一例の方法は、非一過性コンピュータ可読記憶媒体33に実装されたコンピュータ実行可能命令の実行を介して、一以上のプロセッサ7により実行することができる。
【0090】
方法2300は、開始してステップ2302へと進む。ここで、コンピュータ実行可能命令は、予防的な圧迫サイクルを完了させるように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ2304において、コンピュータ実行可能命令は、目標圧力が達成されるまで、例えば装着者の足首及びふとももに対応する袋体(例えば袋体13a及び13c)に通気し、及び例えば装着者のふくらはぎに対応する袋体(例えば袋体13b)に通気するように、一以上のプロセッサ7に仕向ける。一実施形態において、目標圧力は、約5から約7mmHgの初期の低い方の目標圧力を含む。代替的に、初期の低い方の目標圧力が予測された結果をもたらさない場合には、目標圧力は約26から約32mmHgを含む。初期の低い方の目標圧力は、装着者の肢に対して及ぼされる圧力が小さくなり、高い方の圧力と比べて患者にとって快適となるという一例の利益を、患者にとってあまり快適でない高い方の目標圧力での再試行前に与える。
【0091】
目標圧力に到達すると、コンピュータ実行可能命令は、少なくとも約15秒の周期の間に約100Hzの速度で信号が取得されている間、装着者のふくらはぎに対応する袋体(例えば袋体13b)における圧力を保持するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。一実施形態において、周期は、ここでさらに記載されるように圧力保持周期1504を含む。本発明の範囲から逸脱しなければ、約15秒よりも長い保持周期も利用することができる。ステップ2308において、コンピュータ実行可能命令は、装着者のふくらはぎに対応する袋体(例えば袋体13b)における圧力を通気により解放するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。
【0092】
測定袋体(例えば袋体13b)の通気に追従して、コンピュータ実行可能命令は、さらなる信号調整を行わせるように一以上のプロセッサ7に仕向け、これにより、患者検出アルゴリズムのためのデータが用意される。図23Aに示されるように、コンピュータ実行可能命令は、波形データに帯域通過フィルタ2310をかけるように一以上のプロセッサ7に仕向ける。一実施形態において、つい最近1024取得されたサンプルが、約10秒の時間窓に対応し、約0.5~25Hzの通過帯域を有する帯域通過フィルタ2310を通され、装着者の心臓周期を反映する信号が分離される。一実施形態において、1024個の取得されたサンプルのうち最初の3つのサンプルが、定着時間周期として無視される。当業者により理解されることだが、つい最近の取得されたサンプルは、本発明の範囲から逸脱しなければ、他の量で利用してよい。例えば、つい最近の取得されたサンプルは、任意数が、周波数計算において2のべき乗の補助となる。
【0093】
コンピュータ実行可能命令は、帯域通過フィルタ2310の出力が、約5Hzの低域通過カットオフ周波数を有する低域通過フィルタ2312に通されるように一以上のプロセッサ7に仕向ける。一実施形態において、低域通過フィルタ2312はさらに、波形データにおけるノイズを除去し、装着者の下肢の循環系に関連付けられる脈動を明らかにする。図24を参照すると、低域通過フィルタ2312の出力からの一例の信号が示される。この実施形態において、信号は、装着者の下肢の循環系に関連付けられるさざ波状の脈動を有する約1024個のサンプルを含む。フィルタがかけられた波形データが利用可能であれば、コンピュータ実行可能命令は、圧迫衣類10が当該衣類の装着者の肢まわりにおいて巻き付け構成にあるか又は巻き付け解除構成にあるかを決定するべく、フィルタがかけられた波形データに対していくつかの後続計算を行わせるように、一以上のプロセッサ7に仕向ける。一実施形態において、後続計算とは、フィルタがかけられた波形の後処理のことである。
【0094】
再び図23Aを参照すると、コンピュータ実行可能命令は、フィルタがかけられた波形の後処理を、2314、2316及び2318において行わせるように一以上のプロセッサ7に仕向ける。図示のように、一以上のプロセッサ7は、フィルタがかけられた波形データ及び/又はその一部分の標準偏差を計算する。経験的に知られていることだが、巻き付け解除構成(すなわち、あそび状態)の圧迫衣類は、通常のホワイトノイズのみを含む安定した平坦な圧力信号を有する。対照的に、装着者の肢まわりの巻き付け構成にある圧迫衣類における圧力を代表する圧力信号は、脈動及び/又は他の測定可能な信号特徴を含む。したがって、装着者の肢まわりの巻き付け構成にある圧迫衣類を、巻き付け解除構成にある圧迫衣類から区別することが、この計算に全体的に又は部分的に基づくことにより可能となる。
【0095】
一実施形態において、コンピュータ実行可能命令は、低域通過フィルタがかけられた信号(例えば1024個のサンプル)を5つのサンプル群に分割し、各群に対して標準偏差2314(σ)を計算するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。当業者には理解されることだが、低域通過フィルタがかけられた信号は、例えば異なる数のサンプルが使用される場合には、異なる数のサンプル群に分割してよい。低域通過フィルタがかけられた信号を複数のサンプル群に分割する一例の目的は、時間の複数部分を分離することにある。例えば、代表的な圧力信号における(例えば装着者のくしゃみ、せき等に起因する)大きな異常圧力スパイクは、装着者の肢の動き及び/又は他の因子に起因して通常治療中に発生する。信号のタイムスライス(例えば信号を複数のサンプル群に分割すること)により、一以上のプロセッサ7は、波形全体が「定常」であるか否か又はサンプルの特定の範囲内に異常が存在するか否かを決定することができる。一実施形態において、コンピュータ実行可能命令は、低域通過フィルタがかけられた信号全体(例えば1024個のサンプル)に対する合計標準偏差2314(σ)を計算するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。
【0096】
標準偏差を計算した後、コンピュータ実行可能命令は、一以上のプロセッサ7にピーク検出2316を行わせる。一実施形態において、一以上のプロセッサ7プロセスは、窓毎に32個のサンプルを含む窓処理技術を使用して、フィルタがかけられた波形(例えば1024個のサンプル)を処理する。一以上のプロセッサ7は、信号ピーク(例えば対象信号)のみを含むダウンサンプリングされた波形を生成するべく、32個サンプルの各窓からのピークに次から次へとインデクスを付ける。例えば、一以上のプロセッサ7は、1から32までの各ピークに初期インデクスを付け、その後、追加的な波形信号データが生成されるにつれて、当該インデクスを一つずつ(例えば2から33まで)増加させる。一以上のプロセッサ7は負のピークを無視する。一実施形態において、32個サンプルの窓は、各窓に対して局所極大を残す。追加的及び/又は代替的に、32個サンプルの窓は、サンプルの数を四分の一まで低減し、負のピークを除去し、ダウンサンプリングされた信号が約10秒の実時間を代表することの認識を与える。図25を参照すると、ピーク検出2316の出力からの一例の信号が示される。これは、対象脈動を究極的に明らかにする真のピークのみを含む。この実施形態において、信号は、依然として約10秒の実時間に対応する約250から300個のサンプルを含む。一実施形態において、サンプルの数は、一以上のプロセッサ7により識別されるピークの数に応じて変化する。図25に例示される実施形態において、サンプリング周波数は、サンプルの数を時間量で割った結果(例えばサンプリングf=Nサンプル/10.24秒)として計算される。
【0097】
さらに図23Aを参照すると、ダウンサンプリングされたピーク検出波形が利用可能であれば、一以上のプロセッサ7は、基本周波数を利用し、時間周波数変換2318を行うことにより、圧迫衣類10が当該衣類の装着者の肢まわりの巻き付け構成にあるか否かを確認する補助とする。一実施形態において、コンピュータ実行可能命令は、信号のフーリエ変換(例えば高速フーリエ変換)を計算し、0.5Hz(例えば約30bpm)と4Hz(例えば約200bpm)との間の最も高い程度を出力するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。当業者には理解されることだが、本発明の範囲から逸脱しなければ、装着者の心臓周期を発見するべく高速フーリエ変換以外の変換も使用することができる。
【0098】
後処理の完了後、コンピュータ実行可能命令は、圧迫衣類10が巻き付け解除構成にあるか又は当該衣類の装着者の肢まわりの巻き付け構成にあるかを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。図23Bを参照すると、コンピュータ実行可能命令は、ステップ2320において、低域通過フィルタがかけられた信号全体(例えば1024個のサンプル)に対する合計標準偏差2314(σ)が、巻き付け解除しきい値(例えば0.25)以下であるか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。合計標準偏差が巻き付け解除しきい値以下ではないと一以上のプロセッサ7が決定すると、方法2300は、ここでさらに記載されるようにステップ2336へと続く。合計標準偏差が巻き付け解除しきい値以下であると一以上のプロセッサ7が決定すると、方法2300はステップ2322へと続く。
【0099】
ステップ2322において、コンピュータ実行可能命令は、低域通過フィルタがかけられた信号が分割される所定の数のセグメント(例えばサンプル群)がそれぞれ、巻き付け解除しきい値(例えば0.25)以下であるか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。代替実施形態において、一以上のプロセッサ7は、低域通過フィルタがかけられた信号を5つのサンプル群に分割し、2322において、5つのサンプル群それぞれの標準偏差が、巻き付け解除しきい値以下であるか否かを決定する。代替的に、一以上のプロセッサ7は、低域通過フィルタがかけられた信号を5つのサンプル群に分割し、2322において、5つのサンプル群のうち少なくとも3つの標準偏差が、巻き付け解除しきい値以下であるか否かを決定する。一以上のプロセッサ7が、所定の数のセグメントそれぞれが巻き付け解除しきい値以下ではないと決定すると、方法2300は、続けてステップ2302へと戻り当該サイクルを再試行する。一以上のプロセッサ7が、所定の数のセグメントそれぞれが巻き付け解除しきい値以下であると決定すると、プロセスはステップ2324へと続く。
【0100】
ステップ2324において、コンピュータ実行可能命令は、時間周波数変換された(例えば高速フーリエ変換)信号の0.5~4.0Hz範囲にある最も大きな(例えば最も高い振幅)程度が、しきい値X(例えば0.2)以下であるか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。一以上のプロセッサ7が、0.5~4.0Hz範囲にある最も大きな程度がしきい値X以下ではないと決定すると、方法2300は終了する。プロセッサ7が2324において、0.5~4.0Hz範囲にある最も大きな程度がしきい値X以下であると決定すると、一以上のプロセッサ7は2326において、圧迫衣類10が巻き付け解除構成にあると決定する。一実施形態において、コンピュータ実行可能命令は、ステップ2320のブーリアン結果が論理的に真であり、かつ、ステップ2322の結果が論理的に真であり、かつ、ステップ2324の結果が論理的に真である場合、圧迫衣類10が巻き付け解除構成にある(例えば装着者が圧迫衣類を装着していない)ことを宣言するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。
【0101】
ステップ2328において、コンピュータ実行可能命令は、2326における巻き付け解除構成検出が、2回目の連続するそのような決定であるか否かを決定するように、一以上のプロセッサ7に仕向ける。一以上のプロセッサ7が、巻き付け解除構成検出2326が2回目の連続した検出ではないと決定すると、方法2300は、続けてステップ2302へと戻り、装着者の対応肢に対する次のサイクルの2回目の測定を行う。一以上のプロセッサ7が、巻き付け解除構成2326が2回目の連続した検出であると決定すると、方法2300は、3つのステップの少なくとも一つへと続く。ステップ2330において、コンピュータ実行可能命令は、圧迫システム1の制御器5に接続された、音を生成するスピーカー及び/又は他の電気機械装置を介してのような、可聴警報をアクティブにするように一以上のプロセッサ7に仕向ける。一実施形態において、警報は、マルチトーンの可聴警報である。ステップ2332において、コンピュータ実行可能命令は、圧迫システム1に関連付けられたディスプレイ装置にエラーメッセージを表示するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。ステップ2334において、コンピュータ実行可能命令は、方法2300が終了する前に遵守時間を増加させることをしないように一以上のプロセッサ7に仕向ける。一実施形態において、遵守時間を休止2334させることにより、圧迫衣類10を使用する療法が止まることはなく、ディスプレイ装置及び/又は(例えば人間ユーザからの)入力装置を介した応答を受信するまでずっと、遵守時間は、その現状のままとなる。
【0102】
図23Cを参照すると、コンピュータ実行可能命令は、ステップ2336において、低域通過フィルタがかけられた信号全体(例えば1024個のサンプル)に対する合計標準偏差2314(σ)が、巻き付け構成しきい値(例えば0.35)以上であるか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。一以上のプロセッサ7が、合計標準偏差が巻き付け構成しきい値以上ではないと決定すると、方法2300は、続けてステップ2302へと戻る。一以上のプロセッサ7が、合計標準偏差が巻き付け構成しきい値以上であると決定すると、方法2300は、ステップ2338及び/又はステップ2340へと続く。
【0103】
一実施形態において、方法2300は、ステップ2338へと続く。ここでは、コンピュータ実行可能命令は、低域通過フィルタがかけられた信号全体(例えば1024個のサンプル)に対する合計標準偏差2314(σ)が最大限界しきい値(例えば10.0)以下であるか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。一以上のプロセッサ7が、低域通過フィルタがかけられた信号全体に対する合計標準偏差が、最大限界しきい値以下であると決定すると、方法2300は終了する。一以上のプロセッサ7が、低域通過フィルタがかけられた信号全体の合計標準偏差が最大限界しきい値以下であると決定すると、方法2300は、ステップ2340へと続く。
【0104】
ステップ2340において、コンピュータ実行可能命令は、低域通過フィルタがかけられた信号が分割される所定の数のセグメント(例えばサンプル群)がそれぞれ、巻き付け構成しきい値(例えば0.35)以上であるか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。一実施形態において、一以上のプロセッサ7は、低域通過フィルタがかけられた信号を5つのサンプル群に分割し、5つのサンプル群それぞれの標準偏差が巻き付け構成しきい値以上であるか否かを決定2340する。代替的に、一以上のプロセッサ7は、低域通過フィルタがかけられた信号を5つのサンプル群に分割し、5つのサンプル群のうち少なくとも3つの標準偏差が巻き付け構成しきい値以上であるか否かを決定2340する。一以上のプロセッサ7が、所定の数のセグメントそれぞれが巻き付け構成しきい値以上ではないと決定すると、方法2300は、続けてステップ2302へと戻り当該サイクルを再試行する。一以上のプロセッサ7が、所定の数のセグメントそれぞれが巻き付け構成しきい値以上であると決定すると、プロセスは、ステップ2342及び/又はステップ2344へと続く。
【0105】
ステップ2342において、コンピュータ実行可能命令は、低域通過フィルタがかけられた信号が分割される所定の数のセグメント(例えばサンプル群)がそれぞれ、最大限界しきい値(例えば10.0)以下であるか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。一以上のプロセッサ7が、所定の数のセグメント(例えば5つすべて又は5つのうちの少なくとも3つ)それぞれが最大限界しきい値以下ではないことを決定すると、方法2300は終了する。一以上のプロセッサ7が、所定の数のセグメントそれぞれが最大限界しきい値以下であると決定すると、方法2300は、ステップ2344へと続く。
【0106】
ステップ2344において、コンピュータ実行可能命令は、時間周波数変換された(例えば高速フーリエ変換)信号の0.5~4.0Hz範囲にある最も大きな(例えば最も高い振幅)程度が、しきい値Y(例えば20)より大きく及びしきい値Z(例えば50.0)以下の双方であるか否かを決定するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。一以上のプロセッサ7が、0.5~4.0Hz範囲にある最も大きな程度が、しきい値Yよりも大きく及びしきい値Z以下の双方ではないと決定すると、方法2300は終了する。一以上のプロセッサ7が、圧迫衣類10が当該衣類の装着者の肢まわりの巻き付け構成2346にあると決定するのは、一以上のプロセッサ7が、0.5~4.0Hz範囲にある最も大きな程度が、しきい値Yよりも大きく及びしきい値Z以下の双方であると決定する場合である。一実施形態において、コンピュータ実行可能命令は、ステップ2336のブーリアン結果が論理的に真であり、かつ、ステップ2338の結果が論理的に真であり、かつ、ステップ2340の結果が論理的に真であり、かつ、ステップ2342の結果が論理的に真であり、かつ、ステップ2344の結果が論理的に真である場合、圧迫衣類10が巻き付け構成にある(例えば装着者が圧迫衣類を装着している)ことを宣言するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。代替的に、コンピュータ実行可能命令は、ステップ2336のブーリアン結果が論理的に真であり、かつ、ステップ2340の結果が論理的に真であり、かつ、ステップ2344の結果が論理的に真である場合、圧迫衣類10が巻き付け構成にあることを宣言するように一以上のプロセッサ7に仕向ける。
【0107】
圧迫衣類10が巻き付け構成2346にあることを決定した後、方法2300はステップ2348へと続き、コンピュータ実行可能命令が、方法2300が終了する前に遵守時間を増加させるように一以上のプロセッサ7に仕向ける。
【0108】
一定の複数の実施形態が記載されるが、他の複数の実施形態も追加的又は代替的に可能である。
【0109】
圧迫システムが、ふともも長さ圧迫スリーブとともに使用されるように記載されているが、圧迫システムは追加的又は代替的に、他のタイプの圧迫衣類とともに使用してよいことも理解するべきである。例えば、圧迫システムは、膝長さ圧迫スリーブとともに、及び/又は異なる数の袋体が装着者の身体の異なるエリアを覆うように配置されるように構成されたスリーブとともに、使用することができる。
【0110】
複数の実施形態が、デジタル電子回路群において、又はコンピュータのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア若しくはこれらの組み合わせにおいて実装することができる。圧迫システムの制御器は、プログラマブルプロセッサによる実行を目的として機械可読記憶装置に有体的に具体化又は記憶されるコンピュータプログラム製品に実装することができ、方法アクションは、入力データに基づいて動作して出力を生成することにより圧迫システムの制御器の機能を果たすべく命令のプログラムを実行するプログラマブルプロセッサにより行うことができる。圧迫システムの制御器は、プログラマブルシステムにおいて実行可能な一以上のコンピュータプログラムに実装することができる。プログラマブルシステムは、データ記憶システム、少なくとも一つの入力装置、及び少なくとも一つの出力装置からデータ及び命令を受信するべく並びにこれらへデータ及び命令を送信するべく結合された少なくとも一つのプログラマブルプロセッサを含む。各コンピュータプログラムは、高レベルの手続き型若しくはオブジェクト指向のプログラミング言語で、又は所望によりアセンブリ若しくは機械言語で実装することができ、いずれにせよ、言語はコンパイル又はインタープリタ言語としてよい。
【0111】
適切なプロセッサは、例えば、汎用及び専用双方のマイクロプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、リードオンリーメモリ及び/又はランダムアクセスメモリから命令及びデータを受け取る。一般に、コンピュータは、データファイルを記憶するための一以上の大容量記憶装置を含む。かかる装置は、内部ハードディスク及び取り外し可能ディスクのような磁気ディスク、磁気光ディスク並びに光ディスクを含む。コンピュータプログラム命令及びデータを有体的に具体化するのに適切な記憶装置は、あらゆる形態の不揮発性メモリを含む。これは、例えば、EPROM、EEPROM及びフラッシュ記憶装置のような半導体記憶装置、内部ハードディスク及び取り外し可能ディスクのような磁気ディスク、磁気光ディスク、並びにCDROMディスクを含む。上述のいずれもが、ASIC(特定用途向け集積回路)又はFPGA(フィールドプログラマブルムロジックアレイ)により補完され又はこれらに組み入れることができる。
【0112】
一定数の実施形態が記載されてきた。それにもかかわらず、本開示の要旨及び範囲から逸脱することなしに、様々な修正を行うことができることが理解される。例えば、単一の圧力センサを備えた制御器が記載されているが、追加的な圧力センサ(例えば各膨張可能袋体に対するもの)も、本開示の範囲を逸脱しなければ使用することができる。したがって、他の複数の実施形態も、以下の特許請求の範囲内にある。
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