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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】レバー式コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/631 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
H01R13/631
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019129747
(22)【出願日】2019-07-12
(65)【公開番号】P2021015719
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2021-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】赤木 洋介
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-126841(JP,A)
【文献】特開2017-216057(JP,A)
【文献】特開2003-100382(JP,A)
【文献】実開平06-011272(JP,U)
【文献】国際公開第2004/093260(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カムボスを有する相手ハウジングと、
前記相手ハウジングに嵌合・離脱されるハウジングと、
前記ハウジングに支軸を介して回動自在に支持され、前記カムボスと係合するカム溝を有し、仮係止位置から嵌合完了位置へ回動操作することで前記カム溝と前記カムボスとの係合によって前記相手ハウジングを前記ハウジング側へ引き寄せて嵌合させるレバーと、を備えたレバー式コネクタであって、
前記レバーには、仮係止部を有し、弾性変形する仮ロックアーム部が設けられ、
前記ハウジングには、前記仮ロックアーム部の仮係止部に仮係止・離脱される被仮係止部が設けられ、
前記相手ハウジングには、前記仮ロックアーム部の仮係止部と前記ハウジングの被仮係止部の仮係止状態を解除する解除リブ部が設けられ、
前記レバーの前記カム溝には、前記仮ロックアーム部の仮係止部と前記ハウジングの被仮係止部との仮係止解除中で前記相手ハウジングと前記ハウジングとが仮セット状態にある際に、前記カムボスを受け止めるボス受け止め部が設けられ、
前記解除リブ部の下面には、仮セットビーク部が設けられ、
前記ハウジングには、前記仮ロックアーム部の仮係止部と前記ハウジングの被仮係止部との仮係止解除中において仮セット状態にある前記相手ハウジングと前記ハウジングとの離脱を阻止する仮セットアーム部が設けられ、
前記仮セットアーム部の先端には、前記解除リブ部の下面に沿って摺動する突起部を有し、
前記突起部が前記解除リブ部の下面から前記仮セットビーク部を乗り越える位置で、前記レバーの仮係止状態が解除されていることを特徴とするレバー式コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバーの回動による低挿入力でコネクタ嵌合を行うことができるレバー式コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のレバー式コネクタとして、特許文献1に開示されたものがある。このレバー式コネクタ1は、図10に示すように、相手ハウジング7のフード部7aに嵌合・離脱される嵌合筒部2aを有したハウジング2を備えている。また、レバー式コネクタ1は、ハウジング2の嵌合筒部2aの両側の支軸3に軸受部5を介して回動自在に支持されると共に、相手ハウジング7のフード部7aに設けられたカムフォロア8と係合するカム溝6を有し、操作部4aを回動操作することにより、カム溝6とカムフォロア8との係合によって両ハウジング2,7を嵌合させるレバー4を備えている。このレバー4のカム溝6と係合した相手ハウジング7のカムフォロア8の軸心が上下方向(ハウジング2と相手ハウジング7との嵌合方向と直交する方向)に関して、レバー4の軸受部5の軸心に対して操作部4a側に位置ずれしている。
【0003】
そして、レバー4のカム溝6と係合した相手ハウジング7のカムフォロア8の軸心が上下方向に関して、レバー4の軸受部5の軸心に対して上方となる操作部4a側に位置ずれしている。このため、両ハウジング2,7の正規嵌合時に、カムフォロア8を受容するカム溝6の終端部6aが軸受部5に対して操作部4a側に位置することとなり、終端部6aが軸受部5と同じ高さに位置する場合に比べ、カム溝6が軸受部5に対して操作部4aとは反対側(下側)に延出する延出量を小さく抑えることができ、その分、レバー4が上下方向に大型化するのを回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-168391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来のレバー式コネクタ1は、相手ハウジング7のカムフォロア8がレバー4のカム溝6の緩やかな斜面に当たる。このため、両ハウジング2,7の仮セット状態からハウジング2に相手ハウジング7を更に押し込んだ際にレバー4が回転してしまい、ハウジング2の雌端子2Aと相手ハウジング7の雄端子9が電気導通可能な位置まで嵌合されてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、双方のハウジングの仮セット時にレバーの回転を防止し、レバー操作前に双方のハウジングの各端子同士の電気導通を防止することができるレバー式コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の形態に係るレバー式コネクタは、カムボスを有する相手ハウジングと、前記相手ハウジングに嵌合・離脱されるハウジングと、前記ハウジングに支軸を介して回動自在に支持され、前記カムボスと係合するカム溝を有し、仮係止位置から嵌合完了位置へ回動操作することで前記カム溝と前記カムボスとの係合によって前記相手ハウジングを前記ハウジング側へ引き寄せて嵌合させるレバーと、を備えている。そして、前記レバーには、仮係止部を有し、弾性変形する仮ロックアーム部が設けられ、前記ハウジングには、前記仮ロックアーム部の仮係止部に仮係止・離脱される被仮係止部が設けられている。また、前記相手ハウジングには、前記仮ロックアーム部の仮係止部と前記ハウジングの被仮係止部の仮係止状態を解除する解除リブ部が設けられ、前記レバーの前記カム溝には、前記仮ロックアーム部の仮係止部と前記ハウジングの被仮係止部との仮係止解除中で前記相手ハウジングと前記ハウジングとが仮セット状態にある際に、前記カムボスを受け止めるボス受け止め部が設けられている。
【0008】
さらに、本発明の第の形態に係るレバー式コネクタは、記解除リブ部の下面、仮セットビーク部が設けられ、前記ハウジングには、前記仮ロックアーム部の仮係止部と前記ハウジングの被仮係止部との仮係止解除中において仮セット状態にある前記相手ハウジングと前記ハウジングとの離脱を阻止する仮セットアーム部が設けられている。また、前記仮セットアーム部の先端、前記解除リブ部の下面に沿って摺動する突起部を有し、前記突起部が前記解除リブ部の下面から前記仮セットビーク部を乗り越える位置で、前記レバーの仮係止状態が解除されるようになっている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、相手ハウジングとハウジングの仮セット時にレバーの回転を防止でき、レバーの操作前に各ハウジングの端子同士の電気導通を防止できるレバー式コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るレバー式コネクタの一例を示す分解斜視図である。
図2】上記レバー式コネクタの雄ハウジングの側面図である。
図3】上記レバー式コネクタの雌ハウジングの側面図である。
図4】(a)は上記レバー式コネクタのレバーの斜視図、(b)は同図(a)中のA部分の拡大側面図である。
図5】上記雄ハウジングと雌ハウジングの仮セット前の状態を示す斜視図である。
図6】上記仮セット前のレバー式コネクタの正面図である。
図7図6中B-B線に沿う断面図である。
図8】上記雄ハウジングと雌ハウジングの仮セット後の状態を示す斜視図である。
図9】上記雄ハウジングと雌ハウジングの仮セット後の状態の図6中B-B線に沿う断面図である。
図10】従来のレバーが仮係止位置にあるレバー式コネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本実施形態に係るレバー式コネクタについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0012】
図1は本実施形態に係るレバー式コネクタの一例を示す分解斜視図である。図2は雄ハウジングの側面図である。図3は雌ハウジングの側面図である。図4(a)はレバーの斜視図、図4(b)は図4(a)中のA部分の拡大側面図である。図5は雄ハウジングと雌ハウジングの仮セット前の状態を示す斜視図である。図6は同仮セット前のレバー式コネクタの正面図である。図7図6中B-B線に沿う断面図である。図8は雄ハウジングと雌ハウジングの仮セット後の状態を示す斜視図である。図9は同仮セット後の状態の図6中B-B線に沿う断面図である。
【0013】
図1に示すように、レバー式コネクタ10は、カムボス12を有する合成樹脂製の雄ハウジング(相手ハウジング)11と、この雄ハウジング11に嵌合・離脱される合成樹脂製の雌ハウジング(ハウジング)20と、を備えている。また、レバー式コネクタ10は、合成樹脂製のレバー30を備えている。このレバー30は、雌ハウジング20に設けられた支軸23を介して回動自在に支持され、雄ハウジング11のカムボス12と係合するカム溝35を有している。そして、レバー30の操作部31を回動操作することでカム溝35とカムボス12との係合によって雄ハウジング11を雌ハウジング20側へ引き寄せて雄雌両ハウジング11,20を嵌合させるようになっている。
【0014】
図1図2に示すように、雄ハウジング11は、前側に雌ハウジング20のフード部22内に挿入されるフード部11aを有している。また、雄ハウジング11の両側面11b,11bの中央には、円柱状のカムボス12がそれぞれ一体突出形成されている。さらに、雄ハウジング11の両側面11b,11bのカムボス12の下側には、前後方向に延びる解除リブ部13が一体突出形成されている。この解除リブ部13の先端13aが、後述する雌ハウジング20の切欠き部(被仮係止部)25とレバー30の仮ロックアーム部36の仮係止突起(仮係止部)36aとの仮係止状態を解除する解除部になっている。また、解除リブ部13の下面13cの中央には、台形状の仮セットビーク部14が一体突出形成されている。なお、図2に示すように、解除リブ部13の先端13aの後側には斜面13bが設けられている。また、台形状の仮セットビーク部14は、前側斜面14aと、ストレート面14bと、後側斜面14cを有している。さらに、雄ハウジング11のフード部11a内には、図示しない雄端子(端子)のタブ部が露出している。
【0015】
図1に示すように、雌ハウジング20は、複数の端子収容室21aを有したブロック状のハウジング本体21と、このハウジング本体21の前側に一体突出形成され、内部に雄ハウジング11のフード部11aが嵌め込まれるフード部22と、を有している。このハウジング本体21の両側面21b,21bの中央には、支軸23がそれぞれ一体突出形成されている。また、ハウジング本体21の上面21cの中央の前側には、弾性変形するロックアーム部24を一体突出形成してある。このロックアーム部24の自由端(先端)24aには、受け部24bが一体突出形成されている。
【0016】
図1図3に示すように、雌ハウジング20のフード部22の両側部の中央の前側には、略矩形の切欠き部(被仮係止部)25がそれぞれ形成されている。すなわち、各切欠き部25の下縁25aには、後述するレバー30の仮ロックアーム部36の仮係止突起36aが仮係止・離脱されるようになっている。そして、切欠き部25の下縁25aに仮ロックアーム部36の仮係止突起36aが仮係止された際に、レバー30が仮係止位置(仮係止状態)に保持されるようになっている。
【0017】
また、図1図3に示すように、各切欠き部25の下縁25aの前側には、両持ち支持の仮セットアーム部26が弾性変形自在に一体形成されている。この仮セットアーム部26の前寄りの上面には、解除リブ部13の下面13cに沿って摺動する突起部26aを有している。この突起部26aが解除リブ部13の下面13cに沿って摺動するようになっている。そして、突起部26aが解除リブ部13の下面13cから仮セットビーク部14を乗り越えるまで、仮セットアーム部26がレバー30の仮係止解除中において仮セット状態にある雄ハウジング11と雌ハウジング20との離脱を阻止するようになっている。
【0018】
さらに、図1に示すように、雌ハウジング20のフード部22とハウジング本体21の複数の端子収容室21aの周囲の間には、ゴム製で四角環状のパッキン28が介在されるようになっている。また、雌ハウジング20のフード部22内のハウジング本体21の複数の端子収容室21aの周囲には、前壁部29aを有した四角筒状で合成樹脂製のフロントホルダ29が嵌め込まれている。このフロントホルダ29の前壁部29aには、ハウジング本体21の複数の端子収容室21aに連通する矩形の開口部29bが複数設けられている。なお、ハウジング本体21の端子収容室21aには、図示しない雌端子が収容されている。このハウジング本体21の端子収容室21aに収容された雌端子は、端子収容室21aに設けられた図示しないランスにより係止されるようになっている。
【0019】
図1図4(a)に示すように、レバー30は、操作部31と、この操作部31の両側から延びる一対のアーム部32,32と、を備えている。
【0020】
図1図4(a)に示すように、レバー30の操作部31の中央の下側には、係止突起33が設けられている。この係止突起33は、レバー30が回動完了位置まで回動操作されると、雌ハウジング20のロックアーム部24の受け部24bに係止(ロック)されるようになっている。この係止により、レバー30の回動が規制される回動規制状態になる。また、レバー30の係止突起33と雌ハウジング20のロックアーム部24の受け部24bの係止状態は、解除されるようになっている。すなわち、ロックアーム部24の自由端24a側を下方に押圧操作することで、係止突起33からロックアーム部24の受け部24bが外れることで解除される。
【0021】
図1図4(a)に示すように、レバー30の各アーム部32の中央の後側には、支軸23に回動自在に支持される軸受孔34が形成されている。また、各アーム部32の内側には、円弧凹状のカム溝35が形成されている。さらに、各アーム部32の下側には、先端に仮係止突起(仮係止部)36aを有し、弾性変形する仮ロックアーム部36が一体形成されている。そして、レバー30の仮ロックアーム部36の仮係止突起36aと雌ハウジング20の切欠き部25の下縁25aとの仮係止状態が雄ハウジング11の解除リブ部13の先端13aで解除される。この先端13aで解除された直後(仮係止状態が解除された後、または仮係止状態が解除されると同時)に雌ハウジング20の仮セットアーム部26の突起部26aが雄ハウジング11の解除リブ部13の仮セットビーク部14を乗り越えるようになっている。すなわち、レバー30の仮ロックアーム部36の仮係止解除完了時には、レバー30の仮ロックアーム部36の仮係止突起36aと雌ハウジング20の切欠き部25の下縁25aとの仮係止状態は、雄ハウジング11の解除リブ部13の先端13aで解除される。そして、雌ハウジング20の仮セットアーム部26の突起部26aが雄ハウジング11の仮セットビーク部14の後側斜面14cを乗り越えて、解除リブ部13の下面13cに当接するようになっている。
【0022】
図4(a),(b)、図7図9に示すように、レバー30の各アーム部32のカム溝35には、雄ハウジング11のカムボス12を受け止めるボス受け止め部35bが設けられている。このボス受け止め部35bは、カム溝35のカムボス12の入口35a側の下側にL字状に切り欠かれることにより形成されている。そして、ボス受け止め部35bは、仮ロックアーム部36の仮係止突起36aと雌ハウジング20の切欠き部25との仮係止解除中で雄ハウジング11と雌ハウジング20とが仮セット状態にある際に機能する。
【0023】
なお、図1図6に示すように、雄ハウジング11の両側面11b,11bのカムボス12の後側には、解除リブ部13と平行に凸部15がそれぞれ一体突出形成されている。そして、図5に示すように、雌ハウジング20のフード部22内に雄ハウジング11が挿入される際に、雄ハウジング11の凸部15が雌ハウジング20のフード部22のフランジ部22aの両側の凹部22b内に収容されてガイドされるようになっている。また、レバー30が仮係止位置から回動完了位置まで回動操作されて、レバー30の係止突起33が雌ハウジング20のロックアーム部24の受け部24bに係止されて回動規制状態に保持される。この際に、レバー30のアーム部32に設けられた仮ロックアーム部36の仮係止突起36aは、雌ハウジング20のフード部22の両側部の切欠き部25の下縁25aから該切欠き部25の下側に形成された穴部27に移動して収容されるようになっている。
【0024】
以上、実施形態のレバー式コネクタ10によれば、図5図7に示すように、雌ハウジング20のフード部22内に雄ハウジング11のフード部11aを押し込んで行くと、雄ハウジング11の解除リブ部13の先端13aがレバー30の仮ロックアーム部36の仮係止突起36aに当たる。この直前に、雄ハウジング11のカムボス12がレバー30のカム溝35に入り込む。
【0025】
そして、図9に示すように、雄ハウジング11のカムボス12がレバー30のカム溝35のボス受け止め部35bに当たる。これにより、雌ハウジング20のフード部22内に雄ハウジング11のフード部11aを更に押し込んでも、レバー30の操作部31の矢印C方向(図9に示す)の回転を抑制(更に押し込んだ際の力のベクトルが傾くのを抑制)し、雄ハウジング11と雌ハウジング20の仮セット時のレバー30の位置を拘束する。このように、レバー30のカム溝35に雄ハウジング11のカムボス12を受け止めるボス受け止め部35bを設けたことで、雄ハウジング11と雌ハウジング20の仮セット時にレバー30の矢印C方向の回転を防止することができる。また、レバー30の操作部31の操作前において、雄雌両ハウジング11,20を仮セットした状態での雄雌両ハウジング11,20の各端子同士の電気導通を確実に防止することができる。
【0026】
また、図9に示すように、雄ハウジング11のカムボス12がレバー30のカム溝35のボス受け止め部35bに当たる際に、雄ハウジング11の解除リブ部13の先端13aがレバー30の仮ロックアーム部36に当たって該仮ロックアーム部36を押し上げる。これにより、雌ハウジング20の切欠き部25とレバー30の仮ロックアーム部36の仮係止突起36aとの仮係止が解除され始める。このように、雄ハウジング11のカムボス12をレバー30のカム溝35のボス受け止め部35bで受け止めるため、雄雌両ハウジング11,20の仮セット状態とレバー30の仮ロックアーム部36の仮係止解除を同じ構造で対応させることができる。
【0027】
そして、レバー30の操作部31を回動操作すると、レバー30のアーム部32のカム溝35と雄ハウジング11のカムボス12との係合によって雄ハウジング11が雌ハウジング20側へ引き寄せられて雄雌両ハウジング11,20が嵌合する。このレバー30の回動完了時に、レバー30の操作部31の下側にある係止突起33が雌ハウジング20のロックアーム部24の受け部24bに係止(ロック)され、レバー30の回動は規制される回動規制状態になる。
【0028】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0029】
すなわち、前記実施形態によれば、雌ハウジングの被仮係止部としての切欠き部とレバーの仮ロックアーム部の仮係止部としての仮係止突起を仮係止させるようにしたが、被仮係止部は、切欠き部の他に、凹部や凸部等でも良い。
【符号の説明】
【0030】
10 レバー式コネクタ
11 雄ハウジング(相手ハウジング)
12 カムボス
13 解除リブ部
13c 下面
14 仮セットビーク部
20 雌ハウジング(ハウジング)
23 支軸
25 切欠き部(被仮係止部)
26 仮セットアーム部
26a 突起部
30 レバー
35 カム溝
35b ボス受け止め部
36 仮ロックアーム部
36a 仮係止突起(仮係止部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10