(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】衛生陶器洗浄システム
(51)【国際特許分類】
E03D 9/02 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
E03D9/02
(21)【出願番号】P 2019190221
(22)【出願日】2019-10-17
(62)【分割の表示】P 2016568507の分割
【原出願日】2015-05-27
【審査請求日】2019-10-17
(32)【優先日】2014-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519373110
【氏名又は名称】エイエス アメリカ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】グローヴァー,デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】石山 大吾
(72)【発明者】
【氏名】ペイン,ティム
(72)【発明者】
【氏名】クルト,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ロテ,スコット
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー,フィル
(72)【発明者】
【氏名】エイガー,アーロン・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムステッター,クリス
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-001892(JP,A)
【文献】実開平03-050677(JP,U)
【文献】登録実用新案第3008157(JP,U)
【文献】実開昭52-144432(JP,U)
【文献】特開2003-138615(JP,A)
【文献】特開2014-055446(JP,A)
【文献】米国特許第3946448(US,A)
【文献】西独国特許出願公開第3805561(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00-13/00
A47K 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク、デッキ、及びボウルと、
前記タンクと前記ボウルとに直接結合されて前記タンクと前記ボウルの間を延びる水路と、
前記デッキの開口を通じて前記水路と流体連通して液体洗浄製品を受け入れるための液溜め部と、
を備え
、
前記水路を水が流れることにより前記液体洗浄製品が前記液溜め部から前記水路内に導入され、前記水路を流れる水が止まることにより前記液体洗浄製品の導入が止められる、衛生設備。
【請求項2】
上面に形成されている開口を備える便座ヒンジカバーであって、前記液溜め部を収納している便座ヒンジカバー、
を更に備えている請求項1に記載の衛生設備。
【請求項3】
前記液溜め部は前記デッキの上面より下に位置を定められている、請求項1に記載の衛生設備。
【請求項4】
前記液溜め部は、水が前記水路を通って流れるときに開く正常時締め切り弁を介して前記水路へ流体接続されている、請求項1に記載の衛生設備。
【請求項5】
タンク、デッキ、及びボウルと、
前記タンクと前記ボウルとに直接結合されて前記タンクと前記ボウルの間を延びる水路と、
前記デッキの開口を通じて前記水路と流体連通して液体洗浄製品を受け入れるための液溜め部と、
を備え、
プランジャと便座とをさらに備え、前記便座は、前記プランジャを作動させて、一定量の洗浄製品を前記水路に放出するように構成される
、衛生設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2014年5月27日出願の「衛生陶器洗浄システム」と題された米国仮特許出願第62/003,222号の恩典を主張し、同仮出願の開示を参考文献としてここにそっくりそのまま援用する。
【0002】
本発明は、概括的には、トイレの様な衛生設備を洗浄するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
自動分注式殺菌消臭性衛生陶器洗浄製品は商業的用途及び家庭的用途にとって恵みである。これらの製品は、例えばトイレの様な衛生設備を洗浄するのに要する時間及び労力を、手作業による洗浄の合間の時間周期を引き延ばすことによって又は手作業による洗浄の必要性を丸ごと排除することによって最小限にすることができると同時にそれら設備及びそれらの環境をきれいにそして爽やかに保つことができる。トイレ洗浄製品は、典型的には、水溶性錠剤へ形成されている洗浄物質を含んでいる。そして、錠剤はトイレタンクか又はトイレボウルのどちらかの中に位置付けられていて、トイレが水を流されるときに水洗水の幾らかが錠剤と作用し合い、幾分かの洗浄物質を溶解させ、物質をトイレボウルの中へ分注するようになっている。
【0004】
錠剤中の洗浄剤は、トイレタンク及びトイレボウルの構成要素を劣化させかねない及び人の皮膚に直接接触すると害を及ぼしかねない化学薬品を含んでいることもある。洗浄錠剤をタンク又はボウル内に位置付けること、特に錠剤が使い尽くされたときに人が手で錠剤を取り換える必要のある場所に位置付けることは、而して望ましくないだろう。トイレタンク設置型又はトイレボウル設置型の洗浄製品は、更に、不体裁な錠剤又は錠剤ハウジングを平らな視界の中へ割り込ませ、衛生設備の端正な途切れのない線となるはずのものを台無しにし、また子どもやペットに危害を与える。
【0005】
水洗トイレは、水洗作用を実現するのに使用される水圧式流路の設計に依り、非噴射式トイレ、リム噴射式トイレ、直接噴射式トイレの3つの分類に大別できる。非噴射式ボウル設計では、水洗水全てがタンクを出てボウル入口区域に入り、一次マニホールドを通って、リム流路の中へと流れてゆく。水はリムの真下に配置されている一連の孔を経由しボウルの周囲を周って散布される。非噴射式ボウルは、水洗の能力及び効率の点で概して他の設計に劣るが、溶解した洗浄流体全てがボウルのリムを周って分散され、より大きな洗浄有効性を実現するはずであることから、ここに記載の発明には十分適している。
【0006】
トイレ内の廃棄物除去は、「サイフォンジェット」を組み入れることによって非噴射式設計に勝って改善され得る。リム噴射式トイレボウルでは、水洗水は、タンクを出て、マニホールド入口区域を通り、一次マニホールドを通ってリム流路の中へと流れてゆく。水の一部はリムの真下に配置されている一連の孔を経由しボウルの周囲を周って散布される。残りの水はリムの前面に配置されている噴流流路を通って流れる。この噴流流路は、リム流路をボウルの水溜め内に配置されている噴出口へ接続しており、当該噴出口は勢いのある水流をトラップ路の開口部に直接送ることができる寸法及び配置である。
【0007】
直接噴射式ボウルでは、水洗水は、タンクを出て、ボウル入口を通り、一次マニホールドを通って流れる。この時点で、水は、2つの部分、即ち、所望されるボウル洗浄を実現することを主要目的としてリム入口ポートを通ってリム流路へ流れてゆく部分と、噴流入
口ポートを通って、一次マニホールドをトイレボウルの水溜め内の噴出口へ接続している「直噴流路」へ流れてゆく部分と、に分けられる(例えば、米国特許第8,316,475号を見られたし)。
【0008】
新型トイレが米国特許出願第61/810,664号「呼び水型サイフォン水洗トイレ」に記載されており、同出願の開示を参考文献としてここにそっくりそのまま援用する。この新型トイレの構築は絶縁されたリム流路と噴流流路を利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国仮特許出願第62/003,222号
【文献】米国特許第8,316,475号
【文献】米国特許出願第61/810,664号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
概して言えば、本発明の目的は先行技術による構築の不都合を回避した衛生陶器洗浄システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の或る実施形態によれば、トイレの様な衛生設備は洗浄製品を受け入れ収納するための区画をトイレタンクとボウルの間に含んでいる。当該区画は流れ経路内のフラッシュバルブの下流でトイレリムの出口ポートの上流の何れかの箇所に洗浄製品を位置付けて、水洗の度に洗浄製品を流れ過ぎてゆく水が洗浄物質をボウルの中へリム出口ポート経由で注入するようにしている。一部の実施形態では、貫通孔又はスリットの開けられたカゴが区画内で錠剤を保持し且つ同時に水がタンクから洗浄錠剤を過ぎてボウルの中へ流れ込めるようにしている。代わりの実施形態では、洗浄製品は錠剤が水経路内で自由に動くのを許容するようにキャップへ係留されており、カゴは使用されている場合もあれば使用されていない場合もある。
【0012】
一部の実施形態では、キャップがシステムを漏れから封止するべく水密に嵌った状態で区画を覆うことができる。キャップは、更に、子ども及びペットによるアクセスを防止するための対子ども安全設計を利用することができる。キャップの見える部分は、衛生設備の表面と色が整合されるようにしてもよいし、又はそれ以外に審美的に感じの良いように及び/又は目障りでないように設計することもできる。
【0013】
本発明の更に他の目的及び利点は、一部は自明であろうし、また一部は本明細書から明らかになるであろう。本願発明の実施形態は、例えば以下の通りである。
[形態1]
タンク、デッキ、及びボウルと、
前記タンクと前記ボウルの間を延びる水路と、
前記デッキを貫いて前記水路の中へ延びる区画と、
を備えている衛生設備。
[形態2]
前記区画内に位置を定められている洗浄製品、
を更に備えている形態1に記載の衛生設備。
[形態3]
前記洗浄製品は水溶性固形製品と液体洗浄製品の一方を備えている、形態2に記載の衛生設備。
[形態4]
前記区画を外部環境から封止するキャップを更に備えている形態1に記載の衛生設備。
[形態5]
前記区画は前記デッキに当該デッキの上面から少なくとも部分的に前記水路の中へ延びる孔を備えている、形態1に記載の衛生設備。
[形態6]
洗浄製品を少なくとも部分的に前記水路内に維持するための、前記区画内に位置付けられているカゴ、
を更に備えている形態1に記載の衛生設備。
[形態7]
前記カゴは水が前記タンクから前記カゴを通って前記ボウルの中へ流れることを可能にさせる複数の開口の少なくとも1つを含んでいる、形態6に記載の衛生設備。
[形態8]
前記カゴは完全に前記区画内に保持されている、形態6に記載の衛生設備。
[形態9]
前記カゴは、
前記デッキの上面の上に載置されるように構成されている、及び、
前記デッキの上面より下に載置されるように構成されている、
の一方である環状リップを備えている、形態6に記載の衛生設備。
[形態10]
前記カゴは洗浄剤を前記ボウルの中へ周期的に注入するように構成されている、形態6に記載の衛生設備。
[形態11]
前記カゴは、
複数の開口を有する内殻体と、
複数の開口を有する外殻体と、
前記内殻体と前記外殻体の一方へ連結されている水車であって、水が前記水路を通って流れるときに前記内殻体及び前記外殻体の長手方向軸に沿って延びる軸周りに回転するように構成されている水車と、
前記内殻体と前記外殻体の他方へ連結されているキャップであって、前記内殻体と前記外殻体の前記他方を回転可能に固定しているキャップと、
を備えている、形態10に記載の衛生設備。
[形態12]
前記区画内に位置付けられている洗浄パックであって、
前記水路と流体連通にある中空キャビティと、
前記中空キャビティ内に位置を定められた洗浄製品と、
を備えている洗浄パック、
を更に備えている形態1に記載の衛生設備。
[形態13]
前記区画内に位置付けられている洗浄カップであって、
キャップ部分と、
複数の開口、中空キャビティ、及び前記中空キャビティ内に保持された洗浄製品、を備えるカゴ部分と、
を備えている洗浄カップ、
を更に備えている形態1に記載の衛生設備。
[形態14]
スリーブであって、
前記洗浄カップの前記カゴ部分の外側環状周囲と噛み合うように構成されている内側環状周囲と、
前記区画の環状壁に近接に受け入れられるように構成されている外側環状周囲と、
を備えているスリーブ、
を更に備えている形態13に記載の衛生設備。
[形態15]
前記区画を前記外部環境から封止するための、前記区画の前記環状壁と前記スリーブの前記外側環状周囲の間に位置を定められている弾性材料で形成された封止スリーブ、
を更に備えている形態14に記載の衛生設備。
[形態16]
上面内に形成されている開口を備える便座ヒンジカバーであって、前記タンクと前記ボウルの間の前記デッキの上面へ連結されている便座ヒンジカバー、
を更に備えている形態1に記載の衛生設備。
[形態17]
タンク、デッキ、及びボウルと、
前記タンクと前記ボウルの間を延びる水路と、
前記デッキの開口を通じて前記水路と流体連通して液体洗浄製品を受け入れるための溜めと、
を備えている衛生設備。
[形態18]
上面に形成されている開口を備える便座ヒンジカバーであって、前記溜めを収納している便座ヒンジカバー、
を更に備えている形態17に記載の衛生設備。
[形態19]
前記溜めは前記デッキの上面より下に位置を定められている、形態17に記載の衛生設備。
[形態20]
前記溜めは、水が前記水路を通って流れるときに開く正常時締め切り弁を介して前記水路へ流体接続されている、形態17に記載の衛生設備。
【0014】
本発明は、従って、構築の特徴、要素の組合せ、及び部分の配列を備えており、それらは全てここに記載されている構築に例示されている。
【0015】
発明の実施形態をより深く理解するために、次に続く説明を添付図面と関連付けて参照してゆく。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の様々な実施形態による、衛生陶器洗浄システムの斜視図を示している。
【
図2A】本発明の様々な実施形態による、カゴ、キャップ、及び洗浄製品の斜視図を示している。
【
図2B】
図2Aのカゴ、キャップ、及び洗浄製品の破断図を示している。
【
図3】本発明の様々な実施形態による、区画120内に設置されているカゴを有する衛生陶器洗浄システムの斜視図を示している。
【
図4】本発明の様々な実施形態による、区画内に位置付けられているカゴの断面図を示している。
【
図5】本発明の様々な実施形態による、別のカゴの斜視図を示している。
【
図6A】本発明の様々な実施形態による、区画内に位置付けられている洗浄パックの断面図を示している。
【
図6B】本発明の様々な実施形態による、区画内に位置付けられている洗浄パックの断面図を示している。
【
図7】本発明の様々な実施形態による、衛生設備で使用される洗浄カップの断面図を示している。
【
図8】本発明の様々な実施形態による、衛生設備で使用される洗浄カップの分解図を示している。
【
図9】様々な実施形態による、キャップへ係留されている洗浄製品の斜視図を示している。
【
図10】本発明の様々な実施形態による、呼び水型サイフォン水洗トイレの斜視破断図を示している。
【
図11】便座ヒンジカバーを提供されている衛生設備の斜視図を示している。
【
図12】本発明の様々な実施形態による、L型ブラケットを用いて衛生設備へ取り付けられている便座/カバーの側面図を示している。
【
図13A】アームとピボットを含んでいるヒンジを用いて衛生設備へ取り付けられている便座/カバーの斜視図を示している。
【
図14A】アームとピボットを含んでいるヒンジを用いて衛生設備へ取り付けられている別の便座/カバーの斜視図を示している。
【
図15A】便座ヒンジカバーから便座/カバーの入れ子型アームの中へ延びるピボットを含んでいるヒンジを用いて衛生設備へ取り付けられている便座/カバーの斜視図を示している。
【
図16】本発明の様々な実施形態による、別の衛生陶器洗浄システムの斜視図を示している。
【
図17】本発明の様々な実施形態による、溜めを収納している便座ヒンジカバーの断面図を示している。
【
図18】本発明の様々な実施形態による、別の溜めを収納している便座ヒンジカバーの断面図を示している。
【
図19】本発明の様々な実施形態による、更に別の溜めを収納している便座ヒンジカバーの断面図を示している。
【
図20】本発明の様々な実施形態による、更に別の溜めを収納している便座ヒンジカバーの断面図を示している。
【
図21A】本発明の様々な実施形態による、衛生陶器洗浄システムの斜視図を示している。
【
図22】本発明の様々な実施形態による、別の衛生陶器洗浄システムの斜視図を示している。
【
図23A】本発明の様々な実施形態による、更に別の衛生陶器洗浄システムの斜視図を示している。
【
図24】本発明の様々な実施形態による、更に別の衛生陶器洗浄システムの断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の様々な実施形態による衛生陶器洗浄システム100の斜視図を示している。システム100は、本事例ではタンク112とデッキ114とボウル116を有するトイレである衛生設備110を含んでいる。
図1に示されている衛生設備はトイレであるが、本発明の実施形態は、例えばビデ又は小便器の様な何れの衛生設備に適用されてもよいと理解されたい。
【0018】
衛生設備110は、衛生設備110を洗浄、殺菌、及び/又は消臭するのに使用することのできる洗浄製品130を受け入れ及び/又は収納するための区画120を含むことができる。
図1に示されている様に、洗浄製品130は、水と接触させると溶解する例えば錠剤の様な水溶性固形製品へ形成された1つ又はそれ以上の洗浄剤を含んでいてもよい。また一方、他の実施形態では、洗浄剤は液体洗浄製品へ組み入れられていることもあるものと理解されたい。
【0019】
衛生設備110の作動中、一定量の水が洗浄製品130を流れ過ぎ、洗浄製品130の一部を溶解させ、洗浄剤をボウル116の中へ注入させることになる。衛生設備110が動作させられる度に又は何か他の頻度で、新しい洗浄剤をボウル116の中へ導入するために、当技術で既知の洗浄製品で区画120内に嵌まる何れの適した洗浄製品がここに説明されている実施形態と共に使用されてもよい。
【0020】
区画120はキャップ124を用いて外部環境から封止されていてもよい。キャップ124は区画120と共に区画120内外への漏れ又は噴き出しを予防する水密又は防水シールを提供することができる。Oリング126a及び126b(
図3に示されている)が所望の水密嵌めを実現し易くする。キャップ124は、例えば1つ又はそれ以上のねじ部、クリップ、鉤、又はラッチの様な何れかの適した連結形体を使用して取り外し可能に区画120へ連結されていてもよい。キャップ124は、更に、区画120の縁との押圧嵌め連結を形成していてもよい。一部の実施形態では、キャップ124は、ねじ式の連結部を握って回す、下に押して回す、又はタブを押して回すといったように子どもがいたずらできない設計を使用していてもよい。子どもがいたずらできない区画120は、子ども又はペットが有害成分を含有している恐れのある錠剤130にアクセスするのを防ぐうえで助けとなるだろう。キャップ124は何れかの適したプラスチック、金属、又は複合材料から形成されていてもよいし、又はキャップ124は衛生設備110の本体を形成するのに使用されているセラミック材料と同様又は同一のセラミック材料から形成されていてもよい。
【0021】
区画120は、フラッシュバルブより下流で(単数又は複数の)リム出口ポートより上流の(単数又は複数の)水洗水流路へのアクセスを提供している何れかの場所に配置させることができる。漏れの恐れを最小限にするには、好適な位置は衛生設備110のデッキ114上/デッキ114下である。つまり、区画120はデッキ114にその上面から下方の水路140の中へと延びる孔を含んでいてもよいということである。孔は、典型的に磁器製の衛生設備にうまく働きかける何れかの加工法を使用して形成することができる。例えば、孔は、衛生設備の成形時に、又は成形後に、設備が釉薬を掛けて焼かれる前又は後に、パンチング加工又はドリル加工を使って形成することができる。区画120は、デッキ114上及びデッキ114下の、錠剤130を取り換える場合に上面からの容易アクセスを提供するとともにタンク112とボウル116の間の水の流れへのアクセスを提供する何れかの場所に位置を定められている。
【0022】
具体的には、区画120は、少なくとも部分的には、タンク112とボウル116のリ
ム付近の1つ又はそれ以上の出口ポートとの間を走っている水路140内に位置を定められている。衛生設備110の具体的な構築に依存して、リム付近に設けられているリム出口ポートの数は(例えば、1、5、10、20、など)異なっていてもよい。水路140を通って区画120を流れ過ぎてゆく水は、設けられているリム出口ポートの幾つかを経由して又は全てを経由してボウル116に進入するようになっていてもよい。
【0023】
図2A及び
図2Bは様々な実施形態によるカゴ122、キャップ124、及び洗浄製品130の斜視図及び破断図をそれぞれ示している。カゴ122は、区画120の中に位置付けることができ、洗浄製品130をカゴの中に維持しながらに水が洗浄製品を流れ過ぎてゆけるようにする1つ又はそれ以上のスリット、貫通孔、又はオリフィス(ここでは総称的に開口と呼ぶ)を含んでいてもよい。キャップ124は
図2A及び
図2Bではカゴ122の内表面に形成されている溝付き形体へ挟み付いているものとして描かれているが、キャップ124は、上述の様々な代わりの方法を使用するなり当技術で既知の他の方法を使用するなりしてカゴ122へ及び/又はカゴが収納される区画へ連結されていてもよい。
【0024】
図3は、本発明の様々な実施形態による、区画120内に設置されているカゴ122を有する衛生陶器洗浄システム100の斜視図を示している。幾つかの実施形態によれば、カゴ122は、洗浄製品130を少なくとも部分的にはタンク112とボウル116の間の水路140内に維持するように区画120内に設置されるようになっている。カゴ122は、水がタンク112から錠剤130を過ぎてボウル116の中へ流れてゆけるようにする1つ又はそれ以上のスリット、貫通孔、又はオリフィスを含むことができる。カゴ122は、何れかの適したプラスチック、金属、又は複合材料から形成することができる。但し、水や洗浄製品130中に結合している化学物質への長期曝露に伴う劣化に耐性を有する材料を選定して、その寿命を延ばし、カゴ122を定期的に取り換える必要性を避けるようにするのが有利であろう。カゴを洗浄する、カゴを取り換える、水路にアクセスする、及び/又は錠剤130の取り換えをやり易くすることが所望される場合にカゴ122は区画120から取り出し可能になっていてもよい。
【0025】
図4は、本発明の様々な実施形態による、区画120内に位置付けられているカゴ122の断面図を示している。
図4に描かれている様に、カゴ122は、洗浄製品130をタンク112とボウル116の間の水の流れの中に位置付けるために水路140を完全に貫いて延びることができる。とはいえ、一部の実施形態では、カゴ122は水路140の中へ部分的にしか延びていない場合もある。一般的に言えば、水路140内の流体に接触される洗浄製品130の表面積が大きいほど、ボウル116の中へ放出される洗浄剤の量は多くなる。而して、洗浄剤がボウル116の中へ注入されてゆく速度は、カゴ122のスリット、貫通孔、又はオリフィスの寸法の様な他の変数もあるが中でもカゴ122が水路140の中へどれほど遠くまで延びているかの違いによって変わる。
【0026】
図4に描かれている様に、カゴ122は区画120の中にすっぽりと着座していてもよい。代わりに、
図3に描かれている様に、カゴ122は、デッキ114の表面の上又はほんの少し下に載置されるように構成されているリップ122a(カゴ122と一体形成又はそれ以外のやり方でカゴへ連結)を含んでいてもよい。
【0027】
図5は、本発明の様々な実施形態による、カゴ222の斜視図を示している。カゴ222は、水洗毎に洗浄剤の注入を生じさせるカゴ122とは対照的に、洗浄剤をボウルの中へ周期的(例えば、水洗3回毎、水洗5回毎、又は水洗10回毎)に注入するように構成されていてもよい。洗浄剤がボウルの中へ注入される頻度を減らすために、カゴ222は、スリット228aを有する外殻体223aと、スリット228bを有する内殻体223b(スリット228aを通して見える)を含むことができる。スリット228aとスリッ
ト228bが整列したとき、カゴ222を過ぎて水路(例えば水路140)を通って流れてゆく水は、カゴの中に設置されている洗浄製品(例えば洗浄製品130)に接触し、洗浄剤をボウルの中へ注入することができる。
【0028】
スリット228aとスリット228bを周期的に整列させるために、カゴ222は、外殻体223aと内殻体223bの一方又は他方へ連結されていてもよいとされる水車226を含むことができる。流体が水路を通ってカゴ222を流れ過ぎてゆくと、水車226及び拡大解釈して外殻体223a又は内殻体223bのどちらかは
図4に描かれている矢印で示される様に或る特定の量だけ回転することができる。外殻体223aと内殻体223bの一方を他方に対して回転させることによって、スリット228aとスリット228bは洗浄剤の周期的注入を提供するために整列(開)と不整列(閉)を周期的に繰り返す。注入の周期性は、水車226が水洗毎に回転する距離を改変することによって、更にはスリット228a間及びスリット228b間の相対的な間隔取りを改変することによって、変えることができる。回転しない殻体、即ち水車226へ連結されていない方の殻体は、当該殻体を区画120内に回転可能に固定するべく(例えば、Oリング有又は無しの押圧嵌めにより、ねじによる接続を用いて、又は1つ又はそれ以上のクリップ又は締結具を用いて)キャップ224へ連結されていてもよい。
【0029】
図6は、本発明の様々な実施形態による、区画120内に位置付けられている洗浄パック324の断面図を示している。洗浄パック324は、キャップ(例えばキャップ124又は224)の態様とカゴ(例えばカゴ122又は222)の様態を単一の構成要素に組み入れたものである。従って、洗浄パック324は洗浄製品130を収納する中空キャビティを含み、衛生設備110の区画120内に設置させることができる。区画120を衛生設備110の外の環境から封止するために、区画120内に常在するように構成されている洗浄パック324の外周周りにOリング126が提供されていてもよい。洗浄パック324は、例えば押圧嵌め又はねじによる連結を使用して取り外し可能に区画120の縁へ連結されていてもよい。
【0030】
流体が水路140を通って流れてゆくと、幾らかの量の流体が洗浄パック324の中空キャビティの中へ進入して洗浄製品130に接触し、洗浄剤をボウル116の中へ運ぶことができる。一部の実施形態では、洗浄パック324は洗浄製品130が使い尽くされたときに取り換えの効く消耗品ユニットであってもよい。他の実施形態では、洗浄パック324は洗浄製品130が使い尽くされたときに新しい洗浄製品を受け入れるように設計されていてもよい。
【0031】
図6Bは、本発明の様々な実施形態による代わりの洗浄パック324bの概略断面図を示している。洗浄パック324同様、洗浄パック324bは洗浄製品130を収納する中空キャビティを含んでいる単一の構成要素として提供されていてもよく、洗浄製品130は本事例では円筒形状をしていて水路140の中へ延びている。水が洗浄物質130を浸食してゆく際、重力が洗浄物質を水路140内に留まらせる。更に、洗浄パック324とは対照的に、洗浄パック324bのデッキ114より上に延びている部分は衛生設備110が水洗されるときに空気を水路140内に圧縮保持する寸法及び形状とすることができる。この圧縮空気チャンバは、確実に、水路140を下って流れてゆく水が洗浄製品130と適切に作用し合うようにするうえで助けとなる。
【0032】
図7及び
図8は本発明の様々な実施形態による、衛生設備110で使用される洗浄カップ424の断面図及び分解図をそれぞれ示している。洗浄パック324に似た洗浄カップ424は、キャップ(例えばキャップ124又は224)の態様とカゴ(例えばカゴ122又は222)の様態を単一の構成要素に組み入れたものである。洗浄カップ424は衛生設備110の区画120の中へ直接設置でき、Oリング有又は無しの押圧嵌め又はねじ
による連結を使用して区画を衛生設備110の外の環境から封止することができる。洗浄カップ424は、洗浄構成要素130を保持するスリット付き中空キャビティを含むことができ、スリットは中空キャビティ内への流体連通を許容しているので、水が水路140を通って流れてゆくとき、水は洗浄構成要素130に接触し、洗浄剤をボウル116の中へ運ぶ。
【0033】
一部の実施形態では、洗浄カップ424は、プラスチック、金属、複合材、又はセラミック材料の様な何れかの適した材料から形成することのできるスリーブ426と噛み合うように構成されていてもよい。スリーブ426は、1つ又はそれ以上の連結構成要素(例えば、洗浄カップ424の外側環状周囲に形成されているねじ部と相補のねじ部)が形成されている内側環状周囲を含んでいてもよい。これらの実施形態では、洗浄カップ424は区画120を封止するため1つ又はそれ以上の封止要素(例えばOリング)を提供されていてもよい。他の実施形態では、スリーブ426は区画120の外側の表面の輪郭に密接に嵌るように設計された封止スリーブ428内に受け入れられるようになっていてもよい。封止スリーブ428は、例えばシリコン又はゴムの様な弾性材料から形成することができる。
【0034】
図9は、様々な実施形態による、キャップ524へ係留されている洗浄製品130の斜視図を示している。これらの実施形態では、洗浄製品130は、キャップ524の形体へ(例えば押圧嵌め連結、接着剤、など、を使用して)取り外し可能に連結されていてもよいとされる係留紐132と一体に提供されている。そうして洗浄製品130を衛生設備110の区画120の中に設置させることができる。係留紐232は、洗浄製品130がタンク112とリム出口ポートの間の水路140内で自由に動くことを許容して洗浄剤の溶解を促すことができる。係留紐132の長さは、洗浄製品130が衛生設備110の何れかの面と長期接触を持つのを防止するように最適化することができる。キャップ524は、以上に説明されている様に、区画120の形体へ取り外し可能に連結されていてもよい。
【0035】
一部の実施形態では、洗浄製品130、キャップ524、及び係留紐132のうち1つ又はそれ以上の要素を単一の消耗品洗浄剤パッケージの一部としてもよく、そうするとそれら要素の長期の化学的適合性を保証する必要性が排除されるだろうし、安価でより高信頼度のシステムを提供することができるであろう。
【0036】
特定の衛生陶器洗浄システムの有効性は多くの要因に依存し、それら要因には、どれほどの洗浄物質がボウルの中へ分注されるか、どこに洗浄物質が分注されるか、及びどれほどの洗浄物質が噴射されても洗浄されるべき表面の相当部分に接触することなく直接トラップ路を通ってボウルを出てしまうか、が含まれる。これらの要因はどれも衛生陶器システムの特定の設計による影響を受ける。リム出口を通って分注される洗浄製品を使用する衛生設備110の洗浄は、洗浄剤全部をリム出口を通して放出するシステムと関連付けて使用されると特に有効である。
【0037】
例えば、絶縁されているリム流路と噴流流路を有する呼び水型サイフォン水洗トイレは、それら流路が絶縁されていることによりここに説明されている洗浄システムをリム流路内に配置できるようになるため、ここに開示されている実施形態と共に使用するにはとりわけ適している。具体的には、溶解した洗浄剤の100%がリム出口ポートを通って流れてゆけるように区画120をリム流路内に配置させることができるので、この構築は洗浄剤が噴流出口ポートを通ってトラップ路の中へ直接注入されるのを回避することによって洗浄剤の最大利用を確約することができる。従って呼び水型サイフォン水洗トイレの構築は、ここに説明されている洗浄システムの最適有効性との組み合わせでトイレシステムからの最適廃棄物除去を確約することができる。一部の実施形態による呼び水型サイフォン
水洗トイレの斜視破断図が
図10に示されている。本発明の実施形態によれば、洗浄剤が噴流水洗(JF)流路140JF経由で方向付けられないように、区画120はリム水洗(RF)流路140RF内に位置を定められている。
【0038】
RF流路140RFは、洗浄剤をボウル116の中へリム出口ポート150経由で注入することができ、方やJF流路140JFは水をボウル出口ポート152を通して方向付けることができる。具体的には、
図8は、水が溶解した洗浄剤を含んでリム出口ポート150経由でボウル116に進入してゆくことを描いている。洗浄水がボウル116に進入する際、洗浄剤がボウル116の表面積の殆ど又は全体を洗浄、殺菌、及び消臭することができる。
図10に示されている様に、水洗完了後、溶解した洗浄剤を含む或る体積の洗浄水はボウル116内に留まり、長期持続殺菌及び消臭効果を提供する。
図8は呼び水型サイフォン水洗トイレを描いているが、他の型式の衛生陶器設備では絶縁されたリムチャンバと噴流チャンバを採用することもできる。
【0039】
非噴射式ボウルは、典型的には、他の設計よりも水洗の能力及び効率が低いとされているが、溶解した洗浄流体全てがボウルのリムを周って分散されることになるのでより大きな洗浄有効性を実現するという事実に因り、ここに開示されている実施形態との使用には十分適している。
【0040】
また、ここに説明されている実施形態を典型的な噴射式ボウルに適用することはできるが、洗浄剤のかなりの割合が噴流出口を出たら直接トラップ路進入口へ向けて方向付けられボウルを出てしまうため、洗浄剤の有効性及び効率は幾分弱まることになるかもしれない。実際に、「直接噴射式」の構築を使用すれば、洗浄剤の75%ほどの多くが噴流出口ポートへ方向付けられ、そのうちの多くが次いでそのままトラップへと吸い上げられトイレ出口から出てしまい、洗浄物質の浪費、有効性の低下、及び頻繁な錠剤取り換えを生じさせる可能性がある。
【0041】
図1-
図10に関して開示されている各実施形態は、各々、衛生設備110の水路140へのアクセスを、デッキ114から直接アクセスできる区画120経由で提供するものである。水路140へのアクセスが便座ヒンジカバー内に収容されている代わりの実施形態が以下に
図11-
図15に関して開示されている。便座ヒンジカバーは、水路140を衛生設備110の外の環境から封止する働きをし、洗浄製品及び以上に開示されている各種収容構成要素を設備の使用者から隠す働きをし、及び/又は便座/カバー118の取付点を提供する働きをする。便座ヒンジカバーは、以上に開示されている実施形態の何れかと共に使用することもできる。
【0042】
図11は、便座ヒンジカバー150を提供されている衛生設備110の斜視図を示している。便座ヒンジカバー150は、洗浄製品130を交換することを目的とした区画120へのアクセスを提供することのできる開口を含むことができ、当該開口はキャップ152によって覆われている。一部の実施形態では、
図1-
図10に関して説明されている実施形態の各々について記述されている様に洗浄製品130の交換又は補充が捗るように、キャップ152は単に便座ヒンジカバー150内の中空キャビティを覆っているだけであってもよい。
【0043】
代わりのやり方では、区画120は水路140からデッキ114及び便座ヒンジカバー150を通ってキャップ152によって封止されている便座ヒンジカバー150の開口へ延びているものと理解されてもよい。これらの実施形態では、キャップ152は、キャップ124又は224、洗浄パック324、又は洗浄カップ424と機能的に似ていてもよい。以上に説明されている実施形態の他の構成要素の各々は、洗浄製品130がデッキ114より下で水路140と連通した状態に留まるようにするため便座ヒンジカバー150
の追加の高さを横断するよう適切に長くされていればよい。
【0044】
図12は、本発明の様々な実施形態による、L型ブラケット160を用いて衛生設備110へ取り付けられている便座/カバー118の側面図を示している。L型ブラケット160は、便座ヒンジカバー150との干渉を回避するため、従来の便座ヒンジに比べて便座/カバー118の枢動点を上げることができる。L型ブラケットはデッキ114へ締結具162を使用して取り付けることができ、便座/カバー118を衛生設備110へ回転可能に連結するためのヒンジ164を含んでいる。
【0045】
図13A及び
図13Bは、アーム262とピボット264を含んでいるヒンジ260を用いて衛生設備110へ取り付けられている便座/カバー218の斜視図及び側面図をそれぞれ示している。アーム262は、便座/カバー218の縁から便座ヒンジカバー250の中へ延びてピボット264へ回転可能に連結されるようになっている湾曲状又はL字形状の部材とすることができる。アーム263を受け入れるように及び便座ヒンジカバー250の内部を見えないようにするために、便座ヒンジカバー250にはフラップ付き開口254が提供されていてもよい。フラップ付き開口254を閉じるフラップは、例えばシリコン又はゴムの様な弾性材料から形成することができる。
【0046】
図14A及び
図14Bは、アーム362及びピボット364を含んでいるヒンジ360を用いて衛生設備110へ取り付けられている便座/カバー318の斜視図及び側面図をそれぞれ示している。アーム362は、便座ヒンジカバー350のソケット354の中へ取り外し可能に挿入され便座ヒンジカバー350の外でピボット364へ回転可能に連結することができ、便座/カバー318の容易装着及び掃除のための容易脱着を提供することができる。
【0047】
図15A及び
図15Bは、便座ヒンジカバー450から便座/カバー418の入れ子式アームの中へ延びるピボット454を含んでいるヒンジ460を用いて衛生設備110へ取り付けられている便座/カバー418の斜視図及び断面図をそれぞれ示している。具体的には、ピボット454は、デッキ114に向かって延びる便座のアーム418bの開口を通って、デッキ114に向かって延びるカバーのアーム414aの陥凹の中へ延びている。
【0048】
先に指摘されている様に、ここに開示されている実施形態と共に使用される洗浄剤は、洗浄製品130の様な水溶性固形製品に提供されていてもよいし、又は液体形態に提供されていてもよい。液体洗浄製品を利用している本発明の実施形態が以下に
図16-
図24に関して説明されている。
【0049】
図16は、本発明の様々な実施形態による衛生陶器洗浄システム200の斜視図を示している。衛生陶器洗浄システム200は、衛生設備110、便座ヒンジカバー550、便座/カバー518、及び溜め170を含むことができる。便座ヒンジカバー550及び便座/カバーは、それぞれ、以上に
図11-
図15に関して開示されている便座ヒンジカバーと便座/カバーの組合せの何れかと実質的に同様であってもよく、実際にそれら組合せの何れかと自由に入れ換え可能であってもよい。便座ヒンジカバー550と以上に開示されている便座ヒンジカバー150、250、350、及び450との間の唯一の相違は、便座ヒンジカバー550が(例えば、
図16に描かれている液体洗浄物質の瓶からの)洗浄製品230を受け入れ及び/又は収容する溜め170を収納していることである。その点で溜め170は
図1-
図15の区画120と関連性がある。
【0050】
便座ヒンジカバー550は、洗浄製品230を受け入れるための溜め170と流体連通にある開口を、当該ヒンジカバーの上面に含むことができる。この開口は、便座ヒンジカ
バー150、250、350、及び450の開口と実質的に同様であってもよく、同様にキャップ152の様なキャップによって閉じられていてもよい。以下に
図17-
図20に関して開示されている実施形態の各々は、それらが便座ヒンジカバー550の開口を介して洗浄製品230を充填されることになる溜めを含んでいるという点で類似する。これらの実施形態は洗浄製品230が水路140の中へ放たれる方式に違いがある。但し、各実施形態は、水が水路140を通って流れているときは開き水が流れるのを止めるとまた閉じる正常時締め切り弁を含んでいるものと考えることができる。
【0051】
図17は、本発明の様々な実施形態による、溜め270を収納している便座ヒンジカバー550の断面図を示している。洗浄製品230は、以上に説明されている方法により溜め270の中へ導入される。水が水路140を通って流れると、アーム274がその中立位置から偏向され、それにより弁272が開かれ、洗浄製品が溜め270から水路114の中へ、そしてその後ボウル116の中へと流れ込むことが許容される。水が水路114を通って流れることを停止すると、アーム274はその中立位置へ戻り、それにより弁272が閉じられる。
【0052】
図18は、本発明の様々な実施形態による、溜め370を収納している便座ヒンジカバー550の断面図を示している。
図18に描かれている実施形態は、作動的には
図17のアーム274と同様であるアーム374を含んでいる。但し、弁を手動で開くというのではなくアーム374が動力式の弁372を起動させるようになっており、弁372は例えばバッテリ動力式ソレノイド弁として実装されていてもよい。
図18は動力式弁がバッテリ376によって動力供給されているものとして描いているが、動力式の弁372を動力供給するのに何れの適した動力源が採用されていてもよいと理解されたい。
【0053】
図19は、本発明の様々な実施形態による、溜め470を収納している便座ヒンジカバー550の断面図を描いている。溜め470は、ピンホイール機構を収納している区画472を経由して水路140と流体連通している。ピンホイール機構は、水が水路140を流れていない静止位置にある間は一定量の洗浄製品230を受け入れるように構成されていてもよい。水が水路140を流れ始めたら、水がピンホイールを枢動点周りに回し、それにより洗浄製品がボウル116に向かって流れてゆく水の中へ導入される。ピンホイールは、水路140を通る水の流れが止むまで回り続け洗浄製品230をボウルの中へどんどん導入してゆく。
【0054】
図20は、本発明の様々な実施形態による、溜め570を収納している便座ヒンジカバー550の断面図を示している。溜め570は、毛細管572を経由して水路114と流体連通している。水が水路140を通って流れ始めると、圧力の変化が洗浄製品230を毛細管572を通じて、ボウル116に向かって流れる水の中へと引き入れる。水洗毎に分注される洗浄製品230の量は、例えば毛細管572の直径に基づいて変えることができる。
【0055】
図21A及び
図21Bは、本発明の様々な実施形態による衛生陶器洗浄システム300の斜視図及び断面図をそれぞれ示している。衛生陶器洗浄システム300は、衛生設備110、便座/カバー618、及び溜め670を含むことができる。衛生陶器洗浄システム300は、溜めが便座ヒンジカバー内ではなく便座/カバーより上方に位置を定められていることを別にすれば以上に
図16-
図20に関して開示されている実施形態と実質的に同様である。実際に、洗浄製品230は、洗浄製品230の軽微に改変された流れ経路に適合されている
図17-
図20に描かれた機構の何れかを使用して水路140の中へ導入させることができる。便座ヒンジカバー550での様に、洗浄製品230は、便座/カバー618の上面に溜め670と流体連通して形成されている開口の中へ導入することができる。
【0056】
図22は、本発明の様々な実施形態による、衛生陶器洗浄システム400の斜視図を示している。衛生陶器洗浄システム400は衛生設備210を含むことができ、当該衛生設備210は、区画220(
図1の区画120と同種)が洗浄製品230の瓶を受け入れる特注の寸法と形状であることを別にすれば衛生設備110と実質的に同様である。而して、洗浄製品は衛生設備210のデッキ214下に位置を定められた溜めの中へ直接受け入れられる。洗浄製品230が溜めの中へ導入されたら、洗浄製品は、洗浄製品230の軽微に改変された流れ経路に適合されている
図17-
図20に描かれた機構の何れかを使用して水路140の中へ注入させることができる。衛生設備210は、追加的又は代替的に、デッキ214の側方を向いている面に溜めと流体連通して形成されている区画を含んでいてもよい。
【0057】
図23A及び
図23Bは、本発明の様々な実施形態による衛生陶器洗浄システム500の斜視図及び詳細斜視図をそれぞれ示している。衛生陶器洗浄システム500は衛生設備310を含むことができ、当該衛生設備310は区画320がデッキ314及びボウル316から離れて位置を定められた充填ポート313からアクセス可能であることを別にすれば衛生設備210と同様である。
図23Aに描かれている様に、例えば、充填ポート313はタンク312の下に位置を定められタンク312から離れて延びていてもよい。洗浄製品230は、衛生設備210の溜めと実質的に同様であってもよいとされる溜めと流体連通している充填ポートの中へ導入される。洗浄製品230が溜めの中へ導入されたら、洗浄製品は洗浄製品230の軽微に改変された流れ経路に適合されている
図17-
図20に描かれた機構の何れかを使用して水路140の中へ注入させることができる。
図23Bに例示されている様に充填ポート313は、非使用時に充填ポート313を閉じるフラップ315を介してアクセス可能になっていてもよい。
【0058】
図24は、本発明の様々な実施形態による衛生陶器洗浄システム600の破断図を示している。衛生陶器洗浄システム600は衛生設備410を含むことができ、当該衛生設備410は区画420が便座/カバー718によって起動されるプランジャであることを別にすれば衛生設備210と同様である。つまり、洗浄製品230は、
図22及び
図23の溜めと実質的に同様であってもよいとされる溜め770の中に導入され、便座/カバー718によって接触されると一定量の洗浄製品230が溜め370より下方に位置を定められた水路414の中へ放たれるようになっている。
【0059】
而して、これまでの説明から明らかな態様、特徴、及び利点は効率的に達成されることが分かるであろうし、また或る特定の変更が本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされ得ることから、ここに包含されている全ての事柄は例示と解釈されるべきであり限定を課す意味で解釈されてはならないものとする。
【符号の説明】
【0060】
100 衛生陶器洗浄システム
110 衛生設備
112 タンク
114 デッキ
116 ボウル
118 便座/カバー
120 (洗浄製品を受け入れ収納するための)区画
122 カゴ
122a リップ
124 キャップ
126a、126b Oリング
130 洗浄製品
140 水路
140JF 噴流水洗流路
140RF リム水洗流路
150 リム出口ポート(
図10)
150 便座ヒンジカバー
152 ボウル出口ポート(
図10)
152 キャップ
160 L型ブラケット
162 締結具
164 ヒンジ
170 溜め
200 衛生陶器洗浄システム
210 衛生設備
214 デッキ
218 便座/カバー
220 区画
222 カゴ
223a 外殻体
223b 内殻体
224 キャップ
226 水車
228a、228b スリット
230 洗浄製品
232 係留紐
250 便座ヒンジカバー
254 フラップ付き開口
260 ヒンジ
263 アーム
264 ピボット
270 溜め
272 弁
274 アーム
300 衛生陶器洗浄システム
310 衛生設備
312 タンク
313 充填ポート
314 デッキ
315 フラップ
316 ボウル
318 便座/カバー
320 区画
324、324b 洗浄パック
350 便座ヒンジカバー
360 ヒンジ
362 アーム
364 ピボット
370 溜め
372 動力式の弁
374 アーム
376 バッテリ
400 衛生陶器洗浄システム
410 衛生設備
414a カバーアーム
418 便座/カバー
418b 便座アーム
420 区画
424 洗浄カップ
426 スリーブ
428 封止スリーブ
450 便座ヒンジカバー
454 ピボット
460 ヒンジ
470 溜め
472 区画
500 衛生陶器洗浄システム
518 便座/カバー
524 キャップ
550 便座ヒンジカバー
570 溜め
572 毛細管
600 衛生陶器洗浄システム
618 便座/カバー
670 溜め
718 便座/カバー
770 溜め