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特許7065121変換機のツールヘッド位置決め機構、および変換機における複数のツールヘッドの位置決め方法
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  • 特許-変換機のツールヘッド位置決め機構、および変換機における複数のツールヘッドの位置決め方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】変換機のツールヘッド位置決め機構、および変換機における複数のツールヘッドの位置決め方法
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/14 20170101AFI20220428BHJP
   B26D 5/06 20060101ALI20220428BHJP
   B31B 50/25 20170101ALI20220428BHJP
【FI】
B31B50/14
B26D5/06 A
B31B50/25
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019567991
(86)(22)【出願日】2018-05-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 US2018032311
(87)【国際公開番号】W WO2018226363
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】1750727-8
(32)【優先日】2017-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】511117392
【氏名又は名称】パックサイズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】フレダンデル,ボー
(72)【発明者】
【氏名】ブロムベルグ,ヨハン
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0082453(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0115699(US,A1)
【文献】実開昭63-182887(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 50/10-50/25
B31B 50/74
B65B 59/00
B26D 1/24
B26D 7/26
B26D 11/00
B26D 5/02
B26D 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材料をボックステンプレートに変換する変換機におけるツールヘッド位置決め装置であって、
変換領域(20)に配置され、前記変換領域(20)を通って搬送されるシート材料に作用することができる複数のツールヘッド(30)と、
コンベヤ装置(41)を有するジョイント搬送機構(40)であって、前記ツールヘッド(30、31)のそれぞれに結合されるように構成され、前記ツールヘッド(30)と共に移動する前記コンベヤ装置(41)によって、前記変換領域(20)内で前記複数のツールヘッド(30)の第1の移動を実行するように構成されるジョイント搬送機構(40)と、
それぞれが前記ツールヘッド(31)に配置され、前記コンベヤ装置(41)に対して当該ツールヘッド(31)の第2の移動を実行可能な複数の個別搬送機構(60)と、
を備え、
前記ジョイント搬送機構(40)と前記複数の個別搬送機構(60)とは、前記複数のツールヘッド(30)を個々の位置の第1のセットから個々の位置の第2のセットに移動するように構成され、前記第2の移動は、前記第1の移動の間に行われる、
ツールヘッド位置決め装置。
【請求項2】
前記コンベヤ装置(41)が歯付きベルトを備える、請求項1に記載のツールヘッド位置決め装置。
【請求項3】
前記コンベヤ装置(41)は、ラック、ベルト、チェーン、またはワイヤを備える、請求項1に記載のツールヘッド位置決め装置。
【請求項4】
前記コンベヤ装置(41)は、前記ツールヘッド(30、31)のそれぞれに恒久的に結合されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のツールヘッド位置決め装置。
【請求項5】
各ツールヘッドを前記コンベヤ装置に取り付けるための取付機構をさらに備え、前記取付機構は、好ましくは各ツールヘッド(31)を前記コンベヤ装置(41)にクランプするためのクランプを備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のツールヘッド位置決め装置。
【請求項6】
前記個別搬送機構(60)は、前記ツールヘッド(31)に接続されたモータ(61)をそれぞれ備え、前記モータ(61)は前記コンベヤ装置(41)に作用して前記ツールヘッド(31)を前記コンベヤ装置(41)に沿って移動させる、請求項1から5のいずれか1項に記載のツールヘッド位置決め装置。
【請求項7】
各ツールヘッド(31)は、前記コンベヤ装置(41)に沿って前記ツールヘッド(30、31)を移動させるための個別搬送機構(60)に接続されている、請求項1から6のいずれか1項に記載のツールヘッド位置決め装置。
【請求項8】
前記変換領域(20)は、並んで配置された少なくとも2つの変換ステーション(21、22)を備え、前記個々の位置の第1のセットは前記変換ステーションの1つに位置し、前記個々の位置の第2のセットは前記変換ステーションの1つに位置する、請求項1から7の何れか1項に記載のツールヘッド位置決め装置。
【請求項9】
シート材料をボックステンプレートに変換する変換機における複数のツールヘッドを位置決めする方法であって、
変換領域内の個々の位置の第1のセットに配置された複数のツールヘッド(30)を提供するステップと、
各ツールヘッドに個別に結合されるように構成された搬送機構(40)により前記変換領域内で前記複数のツールヘッド(30)を第1の移動で移動させるステップと、
前記搬送機構(40)に対して前記複数のツールヘッドの少なくとも1つを第2の移動で移動させるステップと、
を含み、
前記複数のツールヘッド(30)は、前記第1および第2の移動によって個々の位置の第2のセットに移動し、前記第2の移動は前記第1の移動の間に行われる、
位置決め方法。
【請求項10】
前記第1の移動は、各ツールヘッドに連結されて前記ツールヘッド(31)を運ぶためのキャリアとして機能する前記搬送機構(40)のコンベヤ装置により実行される、請求項9に記載の複数のツールヘッドの位置決め方法。
【請求項11】
前記コンベヤ装置(41)は、前記ツールヘッド(30)に恒久的に結合される、請求項10に記載の複数のツールヘッドを位置決め方法。
【請求項12】
前記コンベヤ装置(41)は、前記第1の移動の前に前記ツールヘッド(30)に結合され、その後に結合が解除される、請求項10に記載の複数のツールヘッドの位置決め方法。
【請求項13】
前記変換領域(20)は、並んで配置された少なくとも2つの変換ステーション(21、22)を備え、前記第1および第2の移動は、前記変換領域の1つにおける前記個々の位置の第1のセットから前記変換領域の別の1つにおける前記個々の位置の第2のセットに前記ツールヘッド(30)を移動させる、請求項9から12のいずれか1項に記載の複数のツールヘッドの位置決め方法。
【請求項14】
前記個々の位置の第1および第2のセットを使用して、前記コンベヤ装置(40)の所望の第1の移動、および前記コンベヤ装置(40)に対する前記ツールヘッド(30)の対応する所望の第2の移動を決定し、前記ツールヘッドの前記個々の位置の第2のセットに到達するように前記所望の第1および第2の移動を行うステップをさらに含む、請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
個々の位置の第1のセットと個々の位置の第2のセットとを提供するステップと、
前記搬送機構の前記第1の移動と各ツールヘッドの前記第2の移動とを決定するステップであって、前記第1および第2の移動は、前記ツールヘッドを前記個々の位置の第1のセットから前記個々の位置の第2のセットに一緒に搬送するために選択される、ステップと、
を更に含み、
前記第1の移動は、各ツールヘッド(30)の前記第2の移動が最小化されるように選択される、
請求項9から14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項9から15のいずれか1項に記載の方法を実行する手段を備えるデータ処理装置。
【請求項17】
プログラムがコンピュータによって実行されると前記コンピュータに請求項9から15のいずれか1項に記載の方法を実行させる指令を含むコンピュータプログラム物。
【請求項18】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項9から15のいずれか1項に記載の方法を実行させる指令を含むコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンフォールド材料をボックステンプレートに変換することができる変換機のためのツールヘッド位置決め機構、および複数のツールヘッドを位置決めする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンフォールド材料をボックステンプレートに変換するための機械および加工機器は、多くの技術分野、特に輸送および包装業界で頻繁に使用されている。本明細書で理解されるファンフォールド材料は、板紙、段ボール、厚紙、および包装目的に適した同様の材料を含む。一般に、ファンフォールド材料は、ファンフォールド材料に作用し、ファンフォールド材料が機械を通過するときにファンフォールド材料を切断および/または折り目を付けることによってボックステンプレートを生成するように変換領域に設けられた複数のツールヘッドを有する変換機によって加工される。
【0003】
当技術分野でよく知られているように、ボックステンプレートのサイズと形状を、保管および輸送される製品に適合させることが特に有利であり、したがって、生成される新しいボックステンプレートのそれぞれの寸法および特性に従ってツールヘッドを配置および移動することが一般的である。
【0004】
一部の変換機では、ある幅のファンフォールド材料を取り外したり別の幅の材料を供給したりすることなく、さまざまなサイズと形状のボックステンプレートを機械に提供させるために、2つ以上の異なる寸法のファンフォールド材料が変換領域に並んで配置されてツールヘッドが一方から他方へ移動可能に構成される。そして、ツールヘッドは変換領域の1つの部分で動作し、異なる寸法のボックステンプレートを作成するときには別の部分に移動する。
【0005】
変換領域内でのツールヘッドの移動と位置決めとは、概して、一度に1つのツールヘッドを移動するか、すべてのツールヘッドを一緒に移動してからファンフォールド材料の操作を開始する前に新しい位置に個別に調整することによって実行される。位置決めは、変換機がアイドル状態となる時間を最小限に抑え、望ましい品質レベルでの動作を可能にするために、迅速かつ高精度で達成されなければならない。現在いくつかの位置決めシステムが利用可能であるが、それらのどれも、ツールヘッドの高速な位置決めと移動とを実行すると共にツールヘッドの高品質と安定した動作を提供することはできない。
【0006】
したがって、変換機械におけるツールヘッドの位置決めのための改善された方法および装置が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、上記の問題を排除するか、少なくとも最小限にすることである。これは、添付の独立請求項に記載の変換機のためのツールヘッド位置決め装置により達成される。本発明により、位置決めは、以前から知られている装置よりもより迅速に且つより高い精度で実行できる。これは、すべてのツールヘッドを同時に移動させるジョイント搬送機構のコンベヤ装置と、コンベヤ装置に対して1つのツールヘッドをそれぞれ移動させる複数の個別搬送機構との協調によって達成される。コンベヤ装置による第1の移動と個別搬送機構による第2の移動との組み合わせにより、ツールヘッドの位置決めは、本目的のための既知の装置よりも迅速かつ効率的に実行できる。
【0008】
本発明の一態様によれば、コンベヤ装置は歯付きベルトを備える。これは、ツールヘッドをベルトに簡単に結合し、信頼性の高い効率的な方法でコンベヤ装置の第1の移動を実行できるようにするのに特に有利である。あるいは、コンベヤ装置は、ラック、ベルト、チェーン、またはワイヤを備える。
【0009】
本発明の別の形態によれば、コンベヤ装置は、ツールヘッドのそれぞれに恒久的に結合される。これにより、位置決めに必要なコンポーネントが非常に少なくなり、ツールヘッドをコンベヤセンブリに連結および連結解除する際の誤りのリスクを排除できる。
【0010】
本発明のさらに別の形態によれば、装置は、各ツールヘッドをコンベヤ装置に取り付けるための取付機構を備え、当該取付機構は、各ツールヘッドをコンベヤ装置にクランプするためのクランプを備えることが好ましい。これにより、一部のツールヘッドをコンベヤセンブリに結合して移動させたり、他のツールヘッドを以前の位置に保持したりする際のより高い柔軟性が達成される。
【0011】
本発明の更なる形態によれば、個別搬送機構は、ツールヘッドに接続されたモータをそれぞれ備え、モータは、コンベヤ装置に作用してツールヘッドをコンベヤ装置に沿って移動させる。それにより、モータのギヤは、コンベヤ装置をカウンタ表面として使用でき、第2の移動は頑強かつ効率的な方法で実行できる。また、コンベヤ装置に沿った歯車の回転により、コンベヤ装置に対するツールヘッドの位置を非常に正確に決定することができる。好ましくは、すべてのツールヘッドは個別搬送機構に接続されるが、いくつかの実施形態では、ツールヘッドの1つ以上は第1の移動でのみ移動し、動作中のコンベヤアセンブリに対する相対位置を維持する。
【0012】
本発明の更に別の形態によれば、変換領域は、並んで配置された少なくとも2つの変換ステーションを備え、個々の位置の第1のセットは変換ステーションの1つに位置し、個々の位置の第2のセットは変換ステーションの別の1つに位置する。これにより、第1と第2の移動の組み合わせにより、ツールヘッドがシートまたはファンフォールド材料の態様から別の態様に移動および置かれ、ボックステンプレートの製造の柔軟性が高まる。
【0013】
本発明の多くの更なる利益および利点は、以下の詳細な説明に鑑みて当業者に容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、以下に添付の図面を参照してより詳細に説明される。
図1】本発明の好ましい実施形態によるツールヘッド位置決め装置の斜視図を示している。
図2図1のツールヘッド位置決め装置のツールヘッドの側面からの平面図を示している。
図3図2のツールヘッドの個々の搬送機構とツールヘッド位置決め装置のコンベヤ配置との側面からの平面図を示している。
図4】個々の位置の第1のセットにおけるツールヘッド位置決め装置の複数のツールヘッドの平面図を示している。
図5図5は、個々の位置の第2のセットにおける図4の複数のツールヘッドの平面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、シート材料を包装テンプレートに変換するための変換機の変換領域20におけるツールヘッド位置決め装置10の好ましい実施形態を示している。シート材料は、梱または同様の保管領域(図示せず)から機械を第1方向に通過し、変換領域20を通過すると、複数のツールヘッド30が、シート材料に沿った所定の場所で切断および折り目付けによってシート材料に作用し、変換器からの出力として機能する包装またはボックステンプレートを作成する。各ツールヘッド31は、ジョイント搬送機構40のコンベヤ装置41に接続可能であり、変換領域20内のコンベヤ装置41に沿って第1の方向を横切る方向に移動させることができる。好ましくは、シート材料はファンフォールド材料であり、以下ではファンフォールドという用語が全体にわたって使用されるが、他の種類のシート材料も本発明の範囲内で使用できることに留意されたい。
【0016】
ツールヘッド30は、保持構造50の上部セクション51によって保持され、各ツールヘッド31は、切断および折り目付け動作のための対向面として機能する対応する下部構造32に結合され得る。そして、ファンフォールド材料は、ツールヘッド31と下部構造32との間の変換領域20を通過する。下部構造32は、保持構造50の下部セクション52によって保持される。あるいは、ツールヘッド30の対向面はロールまたはシリンダ(図示せず)であってもよい。
【0017】
この好ましい実施形態では、コンベヤ装置41は、エンドレスベルトを形成して第1および第2のコンベヤホイール42、43の間を走行する歯付きベルトである。各ツールヘッド31は、ギヤ62を有するモータ61を含む個々の搬送機構によってベルトに恒久的に連結され、ギヤ62は、以下にさらに詳細に説明するように、ベルトに当接し、ギヤが回転するときにベルトに対するツールヘッド31の個々の移動を可能にする。ツールヘッド位置決め装置10の目的は、すべてのツールヘッド30を変換領域20の個々の位置の第1セットまたは開始位置から、変換領域20の個々の位置の第2セットまたは終了位置に移動することである。場合によっては、これは、ツールヘッド30を、1つのファンフォールド材料に作用することができる変換領域20の一部における第1の変換ステーション21から、以下でさらに詳細に説明するように別のファンフォールド材料に作用することができる変換領域20の別の部分における第2の変換ステーション22に搬送する。他の場合、ツールヘッド30は、同じファンフォールド材料に作用することができるがツールヘッド31の少なくとも1つは移動の前と変換領域20の異なる位置にある、変換領域20の同じ部分内で搬送される。
【0018】
コンベヤ装置41は、好ましい実施形態の歯付きベルトの代わりに、ラック、チェーン、またはワイヤを備えてもよい。
【0019】
図2は、ファンフォールド材料70が間に配置されたツールヘッド31および下部構造32を示している。ツールヘッド31は、カッター33および折り目付け34を備え、切断および折り目付け動作の両方でファンフォールド材料70に作用することができる。変換動作中、ファンフォールド材料70は、図2の右側から左に向かって第1の方向に通過するが、第1の方向に方法を開始する前に、停止して反対方向に戻ることもできる。図3は、モータ61と、モータ61によって作動し、コンベヤ装置41に作用するギヤ62とを有する個別搬送機構60をより詳細に示している。
【0020】
変換領域20は、本明細書では、ツールヘッド30が変換機を通過するファンフォールド材料70に作用する領域として定義され、好ましい実施形態では、それぞれに1種類のファンフォールド材料を保持する少なくとも2つの別個の変換ステーションを並べて配置できるようにするのに十分な幅である。これらの異なるファンフォールド材料は、異なる特性と異なる寸法を有し、概して、一方が静止して必要に応じて第1方向の移動を開始できる状態で、一度に1つずつ変換機を通過する。変換機の動作は、ファンフォールド材料の移動、ならびにツールヘッド30によって実行される変換動作およびツールヘッド位置決め装置10の動作を制御するように構成され得る制御ユニット(図示せず)によって制御される。あるいは、変換機の動作の部分をそれぞれ制御し、必要に応じて互いに通信してもしなくてもよい2つ以上の制御ユニットが提供されてもよい。
【0021】
ジョイント搬送機構40は、第1および第2のコンベヤホイール42,43を作動させ、それによってコンベヤ装置41を移動させてコンベヤ装置41に沿った任意のポイントを第1の方向を横切る方向に搬送するための少なくとも1つのモータ44を備える。ツールヘッド30がコンベヤ装置41に結合されると、コンベヤ装置41の移動が、すべてのツールヘッド30を変換領域20の幅に沿って、それにより第1の方向を横切る方向に搬送する第1の移動を生じさせる。したがって、第1の移動は、ツールヘッド30と一緒に動くコンベヤ装置41によってもたらされる。
【0022】
上述したように、この好ましい実施形態では、ツールヘッド30はコンベヤ装置41に恒久的に結合されており、ツールヘッド30は、コンベヤ装置41に対して保持されてコンベヤ装置41に対する各ツールヘッド31が移動する第2の移動を可能にするギヤ62をそれぞれに有する個別搬送機構60によって取り付けられている。
【0023】
別の実施形態では、例えば、コンベヤ装置41にしっかりとクランプされるか、またはコンベヤ装置41に対するツールヘッド31の第2の移動ができないように取り付けられることにより、個別搬送機構60を使用することなくツールヘッド30の1つ以上がコンベヤ装置41に恒久的に結合されてもよい。そのような実施形態では、コンベヤ装置41に動かないように取り付けられたツールヘッド31がその意図された最終位置に到達し、個別搬送機構60を有する残りのツールヘッド31が各ツールヘッド31に個別に適合された第2の移動により、意図した最終位置に同時に搬送される。
【0024】
いくつかの実施形態では、ツールヘッド30は、ファンフォールド材料に作用する時間中にコンベヤ装置41から解放されてもよい。それらは、最初の移動が行われる前にコンベヤ装置41に結合され、それらが最終位置に到達した後に結合解除される。コンベヤ装置41への結合は、クランプまたはホルダを含む取付機構を介して行われてもよいし、摩擦、磁気、または最初の移動を正確に実行してその後ツールヘッド30を解放できる他の適切な保持力によって保持されてもよい。
【0025】
次に、ツールヘッド位置決め装置10の動作を、図4および図5を参照してより詳細に説明する。図4は、第1の変換ステーション21の個々の位置の第1セットに位置するツールヘッド31を示し、図5は、第2の変換ステーション22の個々の位置の第2セットに位置する同一のツールヘッド31を示している。
【0026】
図4は、対応する下部構造32A,32B,32C,32D,32E,32Fを有する6つのツールヘッド31A,31B,31C,31D,31E,31Fを示しており、それぞれ第1の変換ステーション21内の開始位置に配置され、ジョイント搬送機構40のコンベヤ装置41に結合されている、又は結合可能である。簡単にするために、6つのツールヘッドが示されているが、当業者には容易に理解されるように、任意の数のツールヘッドを本発明の範囲から逸脱することなく使用することができる。
【0027】
明確にするために、コンベヤ装置41自体の移動を示すために、コンベヤ装置41上の点Pが示されている。この実施形態では、各ツールヘッド31は下部構造に結合されるが、もちろん、例えばロールまたはシリンダなど、他の任意の適切なカウンタ表面が代替的に使用されてもよい。
【0028】
ツールヘッドを第1の変換ステーション21から第2の変換ステーション22に搬送する場合、すべてのツールヘッド31の第1の移動とツールヘッド31の各々またはいくつか第2の移動との適切な組み合わせが、好ましくはコントロールユニットによって、決定される。続いて、第1の移動が実行され、コンベヤ装置が図4における右に移動し、各ツールヘッド31A,31B,31C,31D,31E,31Fがコンベヤ装置と共に搬送される。これは、図5に示されている第1の変換ステーション21内の位置から第2の変換ステーション22内の位置に移動する点Pによって示され得る。
【0029】
第1の移動中、ツールヘッド31A,31B,31C,31D,31E,31Fのうちの少なくとも1つ、好ましくは複数のツールヘッド31A~31Fのすべてが個々の第2の移動を実行し、それにより当該ツールヘッドまたはツールヘッド31A~31Fはコンベヤ装置41に対して移動する。これは、図4および図5に開示された点Pに関する第2の移動によっても示され得る。図4図5とを比較すると容易にわかるように、左側のツールヘッド31Bと中央のツールヘッド31Dとは第2の移動によって互いに近づいて移動しており、中央のツールヘッド31Dと右側のツールヘッド31Fとは離れている。
【0030】
第1の移動と個々の第2の移動が同時に行われるため、図4に示された開始位置から図5に開示された終了位置までのツールヘッド全体の位置決めは、既知の先行技術の構成および方法よりも、迅速かつ信頼性の高い方法で実行され得る。ジョイント搬送機構40のモータ44は、個別位置決め機構60のモータ61よりも大きく、第1の変換ステーション21から第2の変換ステーション22へのより大きな移動のためのより強力なモータの組み合わせは、個別位置決め機構60のより小さなモータのより小さくより正確な移動と好適に組み合わされ得る。もちろん、位置の第1のセットおよび位置の第2のセットは、同じ変換ステーション21,22内に位置してもよいが、各ツールヘッド31の迅速かつ堅牢でありながら非常に正確な動きを実現するために、第1の移動を第2の移動と組み合わせることは依然として有利である。
【0031】
図4および図5は、mmを用いて、本明細書に記載の好ましい実施形態の例示的な寸法を示している。これは、本発明の動作の理解を容易にするために単に例として提供されるものであり、当業者によって容易に理解されるように、本発明を限定するものと見なされるべきではない。この実施形態では、変換領域の幅は2300mmであり、ツールヘッド31A~31Fの個々の位置は、所与の基準点からの距離によって指定することができる。そのような点は、コンベヤ装置41上の点Pによって、またはツールヘッド31の1つの個々の位置によって与えられてもよく、または変換領域20の一端からの距離として選択的に与えられてもよい。図4の例では、ツールヘッド31A~Fの個々の位置の第1のセットを示しており、各ツールヘッドから隣までの距離は、それぞれ100mm、500mm、50mm、100mm、および100mmである。すべてのツールヘッド31A~31Fは、第1の変換ステーション21に配置されている。
【0032】
図5は、すべてのツールヘッド31A~31Fが第2の変換ステーション22に移動した個々の位置の第2のセットを示している。また、各ツールヘッド31A~31Fからの距離が変化し、個々の間隔は、100mm、100mm、50mm、500mm、および100mmとされている。
【0033】
一実施形態では、ツールヘッド31の所望の移動は以下のように決定される。
次の包装テンプレートの構成に応じて、当該包装テンプレートを作成するための各ツールヘッド31の開始位置が与えられる。これらの開始位置は、ツールヘッド31の個々の位置の第2のセットとして指定される。
【0034】
制御ユニットは、第2のセットと共に、各ツールヘッド31の現在位置によって与えられる個々の位置の第1のセットを使用し、所望の基準に従って第1の位置から第2の位置に移動するために、コンベヤ装置41の第1の移動と各ツールヘッド31の個々の移動との適切な組み合わせを決定する。こうした基準は、大きな第1の移動と小さな第2の移動との組み合わせを通じて可能な限り迅速に移動を実行すること、あるいはすべてのツールヘッド30の可能な限り小さな合計移動を通じて移動を実行することである。もちろん、他の基準も適用され得る。
【0035】
第1および第2の移動が決定された後、指令が、個別搬送機構60のそれぞれおよびジョイント搬送機構40に送信され、それぞれ第2の移動および第1の移動を実行するように作用する。
【0036】
好ましくは、コンベヤ装置41上の点Pは、各ツールヘッド31の第2の移動を決定する際の基準として使用される。点Pは、変換ステーション21、22の中心点であるか、変換ステーション21、22の一端における終点であり得る。また、それは、コンベヤ装置41に沿ったどこかで任意に選択された点であってもよい。
【0037】
好ましくは、ツールヘッド30の移動は、まず、個々の位置の第1のセットと個々の位置の第2のセットとを提供することによって決定される。次いで、搬送機構の第1の移動と各ツールヘッドの第2の移動とが決定される。当該第1の移動および第2の移動は、ツールヘッドを個々の位置の第1のセットから個々の位置の第2のセットに一緒に搬送するために選択される。次いで、好ましくは、各ツールヘッドの第2の移動が最小化されるように、つまり、コンベヤ装置41に動力を供給する大きなモータが可能な限り多くの実際の移動を行うように、第1の移動が選択される。これは時間効率が良いと共に電力効率が良い。
【0038】
本発明による方法は、例えばコンピュータ、マイクロコンピュータなどといった適切な手段を備えたデータ処理装置で実行され得る。また、本明細書で開示される方法のステップをもたらす指令は、ハードドライブ、メモリデバイス、ディスク、またはUSBなどのコンピュータ可読媒体上のコンピュータプログラム物の形態で格納されてもよい。上記の制御ユニットは、個々の位置の第1のセットから個々の位置の第2のセットへの所望の移動に関する事前にプログラムされたデータを含んでもよいが、タッチスクリーン、キーボードといった適切な入力を介してユーザーから動的入力を受けてもよく、適切な出力を介してユーザーに出力を提供してもよい。
【0039】
さらに、本明細書に記載される本発明のすべての実施形態は、そのような組み合わせが不適切であると明示的に述べられない限り、互いに自由に組み合わせることができることに留意されたい。
図1
図2
図3
図4
図5