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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】ゲーム用操作装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/285 20140101AFI20220428BHJP
   H02K 33/02 20060101ALI20220428BHJP
   B06B 1/04 20060101ALI20220428BHJP
   A63F 13/24 20140101ALI20220428BHJP
   A63F 13/54 20140101ALI20220428BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
A63F13/285
H02K33/02 A
B06B1/04 S
A63F13/24
A63F13/54
G06F3/01 560
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020071442
(22)【出願日】2020-04-13
(65)【公開番号】P2021137529
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2020-04-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0027711
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513195466
【氏名又は名称】イーエム-テック・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EM-TECH.Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】スイル・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ジヨン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジェファ・イム
(72)【発明者】
【氏名】ヨンウク・チョ
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/136934(WO,A1)
【文献】特開2002-149312(JP,A)
【文献】特開2016-137037(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0084362(US,A1)
【文献】特開2018-106599(JP,A)
【文献】特開2019-202117(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0131045(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0132066(KR,A)
【文献】特開平10-296187(JP,A)
【文献】特開平10-108443(JP,A)
【文献】特開平10-094233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
G06F 3/01
B06B 1/04
H02K 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者から制御入力を獲得する入力部と;
ゲーム駆動装置と有線又は無線で通信する通信部と;
動作信号が印加されて振動する線形振動子と;
前記入力部からの制御入力に対応する制御命令を前記通信部を介して前記ゲーム駆動装置に転送し、
前記通信部を介して前記ゲーム駆動装置から音響信号及び振動信号を受信し、前記音響信号及び前記振動信号の少なくとも一つ以上を含む動作信号を前記線形振動子に印加するデータプロセッサと;からなり、
前記線形振動子は、ヨーク、前記ヨークに付着される永久磁石、及び前記永久磁石に付着されるトッププレート、を含む磁気回路と;
前記ヨークと結合されるヨーク結合部、前記ヨーク結合部と間隔をおいて形成されてプロテクターと結合されるプロテクター結合部、及び前記ヨーク結合部と前記プロテクター結合部を弾性的に連結する2つ以上のブリッジ、を備え、弾性素材で射出成形されるフレームと;
前記フレーム上に設けられるプロテクターと;
前記プロテクターに固定されて、動作信号が印加されるコイルと;
前記コイル及び前記磁気回路間の相互電磁気力により振動する磁気回路及びヨーク結合部と、振動しないプロテクター結合部とが、過電流により強い衝突を発生させる衝突構造と;
前記ヨーク、又は前記フレームのヨーク結合部、に付着されるウェイトと;を含み、
前記衝突構造は、前記ウェイト及び前記フレームのプロテクター結合部で形成され、
前記フレームは、前記プロテクター結合部で形成されて前記ウェイトに向かって突出された衝突突起を備える、
ことを特徴とする、ゲーム用操作装置。
【請求項2】
前記データプロセッサは、前記音響信号に対して低域フィルタリング処理を実施し、処理された音響信号を含む動作信号を前記線形振動子に印加する、ことを特徴とする、請求項1に記載のゲーム用操作装置。
【請求項3】
ゲーム用操作装置はスピーカーを備え、
前記データプロセッサは、受信された音響信号を前記スピーカーに印加し、前記音響信号及び前記振動信号の少なくとも一つ以上を含む動作信号を前記線形振動子に印加する、ことを特徴とする、請求項1に記載のゲーム用操作装置。
【請求項4】
前記スピーカーに印加される音響信号は、背景音楽、音声、及び効果音から一つ以上を含み、前記線形振動子に印加される音響信号は、効果音を含む、ことを特徴とする、請求項3に記載のゲーム用操作装置。
【請求項5】
前記線形振動子は、互いに共振周波数が異なる第1及び第2の線形振動子からなり、
前記データプロセッサは、前記第1及び第2の線形振動子の各々に、互いに異なる動作信号を印加する、ことを特徴とする、請求項1に記載のゲーム用操作装置。
【請求項6】
前記フレームの外周を囲むプレートをさらに含み、
前記衝突突起は、前記プレートを貫通して突出される、
ことを特徴とする、請求項1に記載のゲーム用操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム用操作装置に関し、特に振動信号と音響信号に対応する振動を実施するゲーム用操作装置及びこれを用いたゲーム駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ及びコンピュータゲームは、広範囲の年齢グループ間に普及されている。伝統的に、ゲーム制御器はゲームやエンターテイメントシステムと共に使用され、通常はゲームにおいて物体やキャラクタを制御するためにビデオ及びコンピュータゲームに入力を提供するデバイスである。たとえ2000年代中半に無線制御器が広く普及されていたが、通常は制御器が有線又はコードによりゲームコンソールやコンピュータに接続される。ゲーム制御器として分類される入力デバイスは、汎用ゲーム制御器(X-Box、PS4、ゲームヴァイス(Gamevice)類型)、キーボード、マウス、ゲームパッド、ジョイスチック、wan及びデータグローブ(data glove)を含む。運転ゲームのためのステアリングホイール(steering wheel)、及び、シューティング・ゲームのための光線銃のような特殊目的のデバイスもゲーム制御器である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、振動信号と音響信号に対応する振動を実施するゲーム用操作装置及びこれを用いたゲーム駆動システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るゲーム用操作装置は、使用者から制御入力を獲得する入力部と;ゲーム駆動装置と有線又は無線で通信する通信部と;動作信号が印加されて振動する線形振動子と;前記入力部からの制御入力に対応する制御命令を前記通信部を介して前記ゲーム駆動装置に転送し、前記通信部を介して前記ゲーム駆動装置から音響信号及び振動信号を受信し、前記音響信号及び前記振動信号の少なくとも一つ以上を含む動作信号を前記線形振動子に印加するデータプロセッサとからなる。
【0005】
また、前記データプロセッサは、前記音響信号に対して低域フィルタリング(low pass filtering)処理を実行し、処理された音響信号を含む動作信号を前記線形振動子に印加するのが望ましい。
【0006】
また、ゲーム用操作装置はスピーカーを備え、前記データプロセッサは、受信された音響信号を前記スピーカーに印加し、前記音響信号及び前記振動信号の少なくとも一つ以上を含む動作信号を前記線形振動子に印加するのが望ましい。
【0007】
また、前記スピーカーに印加される音響信号は背景音楽、音声及び効果音の一つ以上を含み、前記線形振動子に印加される音響信号は効果音を含むのが望ましい。
【0008】
また、前記線形振動子は、互いに共振周波数が異なる第1及び第2の線形振動子からなり、前記データプロセッサは、前記第1及び第2の線形振動子の各々に互いに異なる動作信号を印加するのが望ましい。
【0009】
また、前記線形振動子は、ヨーク、前記ヨークに付着される永久磁石及び前記永久磁石に付着されるトッププレートを含む磁気回路と;前記ヨークと結合されるヨーク結合部、前記ヨーク結合部と間隔をおいて形成されてプロテクターと結合されるプロテクター結合部、及び前記ヨーク結合部と前記プロテクター結合部を弾性的に連結する2つ以上のブリッジを備え、弾性素材で射出成形されるフレームと;前記フレーム上に設置されるプロテクターと;前記プロテクターに固定されて動作信号が印加されるコイルと;前記コイル及び前記磁気回路間の相互電磁気力により振動する振動部と振動しないプロテクター結合部とが、過電流により強い衝突を発生させる衝突構造と;前記ヨーク又は前記フレームのヨーク結合部に付着されるウェイトとを含み、前記衝突構造は、前記ウェイト及び前記フレームのプロテクター結合部に形成されるか、又は前記フレームのヨーク結合部及び前記プロテクターに形成される弾性の射出フレームを備えるのが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、振動信号と音響信号を用いて線形振動子を駆動させることで、ゲームの没入感や迫眞感などを一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ゲーム駆動システムの制御構成図である。
図2a図1のゲーム用操作装置の他の実施例を示す図である。
図2b図1のゲーム用操作装置の他の実施例を示す図である。
図3】本発明の第1の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子の断面図である。
図4】本発明の第1の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子の分解図である。
図5】本発明の第1の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子の斜視図である。
図6】本発明の第2の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子の分解図である。
図7】本発明の第2の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子の断面図である。
図8】本発明の第2の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子のプロテクターを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施例が詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、本発明の実施例の多様な変更(modification)、均等物(equivalent)、及び/又は代替物(alternative)を含むものと理解しなければならない。図面の説明において、類似な構成要素に対しては類似な参照符号を用いることができる。
【0013】
本文書において、“持つ”、“持つことができる”、“含む”又は“含むことができる”等のような表現は、該当特徴(例:数値、機能、動作又は部品などの構成要素)の存在を示し、追加的な特徴の存在を排除しない。
【0014】
本文書において、“A又はB”、“A又は/及びBの少なくとも一つ”、或いは、“A又は/及びBの一つ又はその以上”等のような表現は、共に羅列された項目等の全ての可能な組合を含むことができる。例えば、“A又はB”、“A及びBの少なくと一つ”、或いは、“A又はBの少なくとも一つ”は、(1)少なくとも一つのAを含む、(2)少なくとも一つのBを含む、或いは、(3)少なくとも一つのA及び少なくとも一つのBの全部を含む場合を示すことができる。
【0015】
本文書で使用される“第1”、“第2”、“一番目”或いは“二番目”等のような表現は、多様な構成要素を、順序及び/又は重要度に関係なしに数式でき、ある構成要素を他の構成要素と区分するために使用されるだけで、該当構成要素を限定しない。例えば、第1の使用者機器及び第2の使用者機器は、順序又は重要度と関係なしに、互いに異なる使用者機器を示すことができる。例えば、本文書に記載された権利範囲を逸脱しないと同時に、第1の構成要素は第2の構成要素に命名でき、同様に第2の構成要素も第1の構成要素に変えて命名できる。
【0016】
ある構成要素(例:第1の構成要素)が他の構成要素(例:第2の構成要素)に“(機能的に又は通信的に)連結されるか((operatively or communicatively) coupled with/to)”、“接続されるか(connected to)”すると言及された時には、ある構成要素が他の構成要素に直接的に連結されるか、又は他の構成要素(例:第3の構成要素)を通して接続されると理解するべきである。一方、ある構成要素(例:第1の構成要素)が他の構成要素(例:第2の構成要素)に“直接連結されたり”、“直接接続されたり”すると言及された時には、ある構成要素及び他の構成要素間にまた他の構成要素(例:第3の構成要素)が存在しないものと理解するべきである。
【0017】
本文書で使用された表現の“~ように構成された(又は設定された)(configured to)”は、状況に応じて例えば、“~に適合した(suitable for)”、“~する能力を持つ(having the capacity to)”、“~ように設計された(designed to)”、“~ように変更された(adapted to)”、“~ように作られた(made to)”、或いは、“~をすることができる(capable of)”に変えて使用できる。用語の“~ように構成(又は設定)された”は、ハードウェアー的に“特別に設計された(specifically designed to)”だけを必ずしも意味するものではない。代わりに、どのような状況では“~ように構成された装置”という表現は、その装置が他の装置又は部品等と共に“~することができる”ことが意味できる。例えば、文句“A、B及びCを実施するように構成(又は設定)されたプロセッサ”は、該当動作を実施するための専用プロセッサ(例:組み込みプロセッサ)、或いは、メモリ装置に保存された一つ以上のソフトウェアプログラムを実行することで、該当動作を実施できる汎用プロセッサ(generic-purpose processor)(例:CPU又はアプリケーションプロセッサ)が意味できる。
【0018】
本文書で使用された用語らは、但し特定の実施例を説明するために使用されたもので、他の実施例の範囲を限定する意図はない。単数の表現は文脈上明白に違うように意味しない限り、複数の表現を含むことができる。技術的或いは科学的な用語を含めてここで使用される用語らは、本文書に記載された技術分野における通常の知識を有する者により一般的に分かるものと同一の意味を持つことができる。本文書に使用された用語の中で、一般の辞書に定義されている用語らは関連技術の文脈上持つ意味と同一又は類似な意味として解析でき、本文書で明白に定義されない限り、理想的或いは過度に形式的な意味であると解析しない。場合によっては、本文書で定義された用語であっても、本文書の実施例を排除するように理解してはいけない。
【0019】
図1は、ゲーム駆動システムの制御構成図である。
【0020】
ゲーム駆動システムは、ゲームプログラムを動作させてゲーム用操作装置30からの制御命令によるゲーム処理を実施するゲーム駆動装置10と、ゲーム駆動装置10から音響信号を受信して音放出させる無線スピーカー装置20と、ゲーム駆動装置10から使用者により入力された制御入力に対応する制御命令を転送し、ゲーム駆動装置10から音響信号及び振動信号を受信して振動動作を実施するゲーム用操作装置30とからなる。ゲーム駆動装置10は、無線スピーカー装置20及びゲーム用操作装置30と無線で通信する点が記載されているが、ゲーム用操作装置30及びゲーム駆動装置10は有線で通信することもできる。
【0021】
本発明において、音響信号は、例えば、背景音楽、音声及び効果音などを含む信号に該当する。
【0022】
ゲーム駆動装置10は、ゲームプログラムの動作による画面及びゲーム運営による画面を表示する表示部1と、有線通信(例えば、USB通信等)や無線通信(例えば、ブルートゥース(登録商標)通信等)を実施する通信部3と、表示部1及び通信部3を制御し、保存されたゲームプログラムを動作させて表示部1にゲームプログラムの動作による画面を表示し、通信部3を介して無線スピーカー装置20及びゲーム用操作装置30と無線又は有線で通信してゲーム用操作装置30からの制御命令によるゲーム処理を実施し、ゲーム運営による画面を表示部1に表示し、ゲームプログラムに含まれた音響信号を無線スピーカー装置20に転送し、ゲームプログラムに含まれた音響信号及び振動信号をゲーム用操作装置30に転送するデータプロセッサ9とからなる。但し、電源を供給する電源部(図示せず)、表示部1及び通信部3等は、本発明が属する技術分野における通常の技術者であれば当然に認識できる技術に過ぎないので、その詳細な説明は省略する。
【0023】
次に、無線スピーカー装置20は、ゲーム駆動装置10と無線で通信する通信部13と、音響信号を音放出するスピーカー15と、通信部13及びスピーカー15を制御し、通信部13を介してゲーム駆動装置10と通信接続し、ゲーム駆動装置10から音響信号を受信してスピーカー15に印加するデータプロセッサ19とからなる。但し、電源を供給する電源部(図示せず)、通信部13及びスピーカー15等は、本発明が属する技術分野における通常の技術者であれば当然に認識できる技術に過ぎないので、その詳細な説明は省略する。
【0024】
次に、ゲーム用操作装置30は、電源状態や制御入力などを表示する表示部21と、使用者から制御入力を獲得してデータプロセッサ29に印加する入力部22と、ゲーム駆動装置10と有線又は無線で通信する通信部23と、データプロセッサ29からの動作信号が印加されて動作信号に応じて振動する線形振動子27と、通信部23を制御してゲーム駆動装置10と通信接続し、入力部22からの制御入力に対応する制御命令(例えば、前進、後進、ジャンプ、シューティング等)を通信部23を介してゲーム駆動装置10に転送し、ゲーム駆動装置10から音響信号及び振動信号を受信して、音響信号及び振動信号の少なくとも一つ以上を含む動作信号を線形振動子27に印加して振動動作させるデータプロセッサ29とからなる。但し、電源を供給する電源部(図示せず)、表示部21、入力部22及び通信部23等は、本発明が属する技術分野における通常の技術者であれば当然に認識できる技術に過ぎないので、その詳細な説明は省略する。
【0025】
線形振動子27は、電気信号である動作信号によって振動する素子であって、後述する図3乃至図8において詳細に記載する。
【0026】
データプロセッサ9は、通信部3を制御して、無線スピーカー装置20の通信部13と、ゲーム用操作装置30の通信部23と各々無線又は有線で通信する。
【0027】
データプロセッサ9はゲームプログラムを動作させてゲームをスタトする。データプロセッサ29は、入力部22を介して制御入力を獲得し、獲得された制御入力に対応する制御命令を通信部23を介してゲーム駆動装置10に転送する。データプロセッサ9は、通信部3を介して制御命令を受信し、受信された制御命令によってゲーム処理を実施する。データプロセッサ9は、ゲーム処理を実施しながら、ゲームプログラムに含まれた音響信号を無線スピーカー装置20に転送し、ゲームプログラムに含まれた音響信号及び制御信号をゲーム用操作装置30に転送する。
【0028】
データプロセッサ29は、通信部23を介して音響信号及び振動信号を受信し、音響信号及び振動信号の少なくとも一つ以上を含む動作信号を線形振動子27に印加して振動動作させる。
【0029】
データプロセッサ9は、無線スピーカー装置20に転送する音響信号と、ゲーム用操作装置30に転送する音響信号とが互いに異なるように制御することもできる。例えば、無線スピーカー装置20に転送する音響信号は背景音楽、音声及び効果音の少なくとも一つ以上を含むであるが、ゲーム用操作装置30に転送する音響信号は効果音だけを含むこともできる。
【0030】
また、データプロセッサ29は、通信部23を介して受信された音響信号に対して、例えば、遮断周波数(cut-off frequency)を500Hz以下に低域フィルタリング処理を実施することもできる。すなわち、データプロセッサ29は、音響信号に含まれた効果音から、振動力が小さくて振動による音漏洩が大きい高周波数帯域の信号を除去することで、低域フィルタリングされた音響信号を生成して線形振動子27に振動信号と共に印加する。
【0031】
図2a及び図2bは図1のゲーム用操作装置の他の実施例である。図2a及び図2bに示す構成要素のうち、図1のゲーム用操作装置の構成要素等に対し、同一の識別番号の構成要素は同一の動作及び機能を実施すると分かる。よって、その構成要素についての説明は省略する。
【0032】
図2aに示すように、ゲーム用操作装置30aは、データプロセッサ29aから音響信号を受信して音放出させるスピーカー25と、ゲーム駆動装置10と有線又は無線で通信した状態において、通信部23を介して音響信号及び振動信号を受信し、音響信号をスピーカー25に印加し、音響信号及び振動信号の少なくとも一つ以上を含む動作信号を線形振動子27に印加するデータプロセッサ29aとからなる。
【0033】
データプロセッサ9は、背景音楽や音声や効果音などを含む音響信号を無線スピーカー装置20及びゲーム用操作装置30に同一に転送する。データプロセッサ29aは、受信された音響信号をスピーカー25に印加するが、線形振動子27に印加される音響信号は、効果音だけを含むように処理して、動作信号に含めて線形振動子27に印加することができる。
【0034】
次に、図2bに示すように、ゲーム用操作装置30bは、データプロセッサ29bから音響信号及び振動信号の少なくとも一つ以上を含む動作信号を各々受信して振動する第1及び第2の線形振動子27a、27bと、通信部23を介して音響信号及び振動信号を受信し、音響信号及び振動信号の少なくとも一つ以上を含む動作信号を第1及び第2の線形振動子27a、27bの各々に印加するデータプロセッサ29bとからなる。
【0035】
第1及び第2の線形振動子27a、27bの各々の共振周波数が互いに異なる。例えば、第1の線形振動子27aの共振周波数は100Hz以下の周波数であり、第2の線形振動子27bの共振周波数は100Hz超過の周波数である。このような共振周波数により、第1の線形振動子27aは振動信号に対応する振動に効果的であり、第2の線形振動子27bは音響信号(特に、効果音)に対応する振動に効果的である。
【0036】
データプロセッサ29bは、振動信号だけを含む動作信号を第1の線形振動子27aに印加し、音響信号だけを含む動作信号を第2の線形振動子27bに印加することもできる。
【0037】
前述した線形振動子27、第1及び第2の線形振動子27a、27bの具体的な実施例は以下で詳細に記載する。
【0038】
図3は本発明の第1の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子の断面図、図4は本発明の第1の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子の分解図、図5は本発明の第1の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子の斜視図である。
【0039】
本発明の第1の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子は、振動子で底面及び側面を備えるヨーク210、ヨーク210の側面と間隔をおいてヨーク210の底面に付着される永久磁石220、永久磁石220の上面に付着されるトッププレート230、ヨーク210の外周に結合される弾性の素材で射出成形されるフレーム100、フレーム100の下面に結合されるプロテクター400、及び、プロテクター400に固定され、永久磁石220とヨーク210の側面間に形成されるエアーギャップに上端が位置するコイル300を含む。フレーム100は、ヨーク210と結合されるヨーク結合部110、ヨーク結合部110と間隔をおいて形成され、プロテクター400と結合されるプロテクター結合部120、及び、ヨーク結合部110とプロテクター結合部120を弾性的に結合する2つ以上のブリッジ130を備える。また、プロテクター400の下面には、外部からコイル300に電気信号を印加するFPCB(フレキシブルプリント回路基板:700)が付着される。
【0040】
本発明の第1の実施例に係る線形振動子は、円形の永久磁石220及びトッププレート230を備える。これにより、ヨーク210及びコイル300の断面は円形である。ヨーク210の外周を囲むフレーム100のヨーク結合部110も円形である。
【0041】
フレーム100は、ヨーク結合部110と所定間隔をおいて対向する両側に一対のプロテクター結合部120を備える。プロテクター結合部120の形態に特別な制約はなく、製作及び他の部品との結合に便利な形態であれば何でも関係ない。ブリッジ130は各プロテクター結合部120の両端部及びヨーク結合部110を連結させるため、全部で4つのブリッジ130が備えられる。ブリッジ130は従来のスプリングに代わる構成要素である。フレーム100が弾性の素材で射出成形されるため、ヨーク210、永久磁石220及びトッププレート230からなる磁気回路とコイル300の相互電磁気力により、振動子とフレーム100のヨーク結合部110とが上下に振動するように、ブリッジ130が弾性変形してヨーク結合部110を支持する。
【0042】
フレーム100の下部に結合されるプロテクター400は、コイル300を固定すると同時に、フレーム100内に設けられた部品を保護する。プロテクター400は、射出物で製造することができ、フレーム100を形成する弾性の射出素材と異なり剛性が大きい材料で製造される。
【0043】
プロテクター400は、コイル300が固定される下面410と、下面410の4つの隅に形成されるフレームガイド420とを含む。フレームガイド420はプロテクター400の下面410から突出し、フレーム100のプロテクター結合部120に挿入されてプロテクター結合部120の振動を防止する。よって、フレーム100はフレームガイド420が挿入される貫通孔122を備えるのが望ましい。貫通孔122内にフレーム100をなす射出物よりも強い剛性を持つフレームガイド420が挿入されてプロテクター結合部120の振動が防止できる。すなわち、フレームガイド420がブリッジ130の外郭を支持する柱の役割をし、振動子の振動時にフレーム100のプロテクター結合部120が内側及び外側に振動する現象が改善できる。また、フレーム100の剛性の補強により力伝達が容易になるので、振動力を向上させることができる。本発明の第1の実施例ではフレームガイド420はプロテクター400の形成時に一体に形成される。一方、コイル300及びFPCB(700)もプロテクター400の成形時にインサート射出できる。
【0044】
振動子の振動が円滑になされるように、プロテクター結合部120は振動や変形が抑制されなければならない。このために、本発明に係る線形振動子は、フレーム100の外面を囲むプレート500がさらに備えられる。プレート500は、フレーム100の外側面だけでなくプロテクター結合部120の上面も囲むように形成される。プレート500は、剛性が強いSUSのような金属で製造されるのが望ましい。このとき、プレート500は、プロテクター400のフレームガイド420の上端が貫通する孔502と、後述するフレーム100の突起124が貫通する孔504とを備える。プロテクター400の突出されたフレームガイド420を熱圧着又は超音波融着して、プレート500及びフレームガイド420を結合させる。プレート500及びフレームガイド420を圧着することで、プロテクター結合部120の振動を一層改善できる。フレームガイド420を熱圧着又は超音波融着する以外に、プレート500及びフレーム100がボンディングされることもできる。しかしながら、フレームガイド420を熱圧着又は超音波融着する場合、プレート500及びフレーム100のボンディング工程が削除できる。
【0045】
一方、ヨーク210の上側にウェイト600がさらに備えられる。フレーム100のヨーク結合部110がヨーク210の上面を囲まない場合、ウェイト600が両面テープ620などの接着部材によりヨーク210に直接付着され得る。第1の実施例とは異なり、フレーム100のヨーク結合部110がヨーク210の上面を囲まなくて側面だけを囲むこともでき、このときはヨーク210の上面にウェイト600が直接付着され得る。ウェイト600は、フレーム100及びプロテクター400の外部に配置されるため、必要によってウェイト600の大きさ及び形状を自由に変形できる。
【0046】
本発明の第1の実施例では、ウェイト600がフレーム100のプロテクター結合部120の上側まで延長される。プロテクター結合部120にはウェイト600に向かって突出された衝突突起124が備えられる。衝突突起124は、前述したようにプレート500を貫通して突出される。コイル300に電流が流れると、ヨーク210をはじめとする磁気回路及び磁気回路を囲むフレーム100のヨーク結合部110が上下に運動するようになる。このとき、ヨーク210又はヨーク結合部110に結合されるウェイト600も共に振動するようになる。ここで、線形振動子の振動特性は、弾性の射出素材で製造されるフレームの剛性及びダンピングによって変化する。このとき、コイル300に瞬間的な過電圧が流れる場合、振動子の振幅が大きくなり、ウェイト600及びフレームの衝突突起124が衝突しながら故意的に強い衝撃を発生させることができる。これは、戦争やレーシングや激闘などのゲームの際、射撃や打撃や衝突などの状況において、ゲームコントローラに内蔵された線形振動子を介して瞬間的な鈍重で強い衝撃を付与して現実感が提供できる。
【0047】
一方、強い衝撃によりヨーク210をはじめとする磁気回路がフレーム100と分離されるのを防止するために、ヨーク210の外面には結合力を高めるための凹凸212が形成され得る。ヨーク210はフレーム100の射出形成時にインサートされ、凹凸212にフレーム100の射出物が嵌合されてヨーク210及びヨーク結合部110間の結合力を高めることができる。
【0048】
図6は本発明の第2の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子の分解図、図7は本発明の第2の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子の断面図、図8は本発明の第2の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子のプロテクターを示す図である。
【0049】
本発明の第2の実施例に係る弾性の射出フレームを備える線形振動子は、過電流により強い衝突を発生させる衝突構造の以外は、第1の実施例と同一又は容易に変形可能な構造であるので、重複する説明は省略する。
【0050】
本発明の第2の実施例に係る線形振動子において、フレーム100aは、ヨーク210aと結合されるヨーク結合部110a、ヨーク結合部110aと間隔をおいて形成され、プロテクター400aと結合されるプロテクター結合部120a、及び、ヨーク結合部110aとプロテクター結合部120aを弾性的に連結合する2つ以上のブリッジ130aを備える。また、衝突構造によりフレーム100aのヨーク結合部110a及びプロテクター400a間に故意的な衝突を発生させる。プロテクター400aは、第1の実施例と同様に、コイル300等が設けられる下面410aと、下面410aの4つの隅に突出されたフレームガイド420aとを備える。また、下面410aからヨーク結合部110aの下側にヨーク結合部110aに向かって突出された衝突突起430aを備える。衝突突起430aは必要によって複数個に分割形成され得る。
【0051】
コイル300に瞬間的な過電圧が流れる場合、振動子の振幅が大きくなり、フレーム100aのヨーク結合部110a及びプロテクター400aの衝突突起430aが衝突しながら故意的に強い衝撃を発生させることができる。このとき、ヨーク210をはじめとする磁気回路を保護するために、ヨーク結合部110aの下部にはクッション感があるダンピング部材140aが付着され得る。ダンピング部材140aはポリウレタンフォーム(Polyurethane foam)やラバー(rubber)やジェルシート(gel sheet)などのクッション材質からなることができる。
【0052】
データプロセッサ29、29a、29bは、前述したFPCB(700)及びコイル300に電気信号である動作信号を印加して振動を発生させる。ここで、動作信号は瞬間的な過電圧を持つことができる。
【0053】
前述したウェイト600及びフレームの衝突突起124間の間隔と、フレーム100aのヨーク結合部110a及びプロテクター400aの衝突突起430a間の間隔とは、4mm以下であるのが望ましい。
【0054】
多様な実施例に係る装置(例:プロセッサー又はその機能ら)又は方法(例:動作ら)の少なくとも一部は、例えば、プログラムモジュールの形態でコンピュータから読取可能な保存媒体(computer-readable storage media)に保存された命令語で具現できる。前記命令語がプロセッサにより実行される場合、前記一つ以上のプロセッサが前記命令語に該当する機能を実施できる。コンピュータから読取可能な保存媒体は、例えば、メモリになり得る。
【0055】
コンピュータから読取可能な記録媒体は、ハードディスク、フロッピーディスク、マグネチック媒体(magnetic media)(例:磁気テープ)、光記録媒体(optical media)(例:CD-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)、光磁気媒体(magneto-optical media)(例:フロプティカルディスク(floptical disk))、ハードウェア装置(例:ROM、RAM、又はフラッシュメモリなど)等を含むことができる。また、プログラム命令には、コンパイラー(compiler)により作られるような機械語コードだけでなく、インタープリター(interpreter)などを用いてコンピュータによって実行できる高級言語コードを含むことができる。前述したハードウェア装置は、多様な実施例の動作を実施するために、一つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成でき、その反対も同様である。
【0056】
多様な実施例に係るプロセッサ又はプロセッサによる機能等は、前述した構成要素の少なくとも一つ以上を含むか、一部が省略されるか、或いは、追加的な他の構成要素をさらに含むことができる。多様な実施例に係るモジュール、プログラムモジュール又は他の構成要素により実施される動作らは、順次的、並列的、反復的又はヒューリスティック(heuristic)な方法により実施できる。また、一部の動作は他の順序で実施されたり、省略されたり、或いは、他の動作が追加されることができる。
【0057】
本発明は、前述した特定の好適な実施例に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨から逸脱しない範囲内において、当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも多様な変形の実施が可能である。
【符号の説明】
【0058】
10 ゲーム駆動装置
20 無線スピーカー装置
30 ゲーム用操作装置
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8