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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】心電信号の検出
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/352 20210101AFI20220428BHJP
   G06N 3/04 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
A61B5/352
G06N3/04 154
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020526667
(86)(22)【出願日】2018-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 CN2018097917
(87)【国際公開番号】W WO2019024861
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2020-01-29
(31)【優先権主張番号】201710656849.8
(32)【優先日】2017-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518449191
【氏名又は名称】安徽▲華▼米信息科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANHUI HUAMI INFORMATION TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】汪 孔▲橋▼
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 威
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲亞▼▲チャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲瀟▼
【審査官】▲瀬▼戸井 綾菜
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102779234(CN,A)
【文献】特開2017-129896(JP,A)
【文献】国際公開第2017/091736(WO,A1)
【文献】Quazi Abidur Rahman et al.,Utilizing ECG-Based Heartbeat Classification for Hypertrophic Cardiomyopathy Identification,IEEE TRANSACTIONS ON NANOBIOSCIENCE,2015年07月,VOL.14, NO.5,pp.505-512
【文献】U. Rajendra Acharya et al.,Application of deep convolutional neural network for automated detection of myocardial infarction using ECG signals,Information Sciences,2017年06月23日,415-416,pp.190-198
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/05-5/0538
A61B 5/24-5/398
G06N 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心電信号を検出するための電子機器に適用される心電信号検出方法であって、
所定時間長の心電信号を分割して第1所定数の単一心拍を取得するステップと、
前記第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データを特定し、第1所定数の特徴データを取得するステップと、
前記所定時間長の心電信号と前記第1所定数の特徴データとに基づいて、前記所定時間長の心電信号の病理タイプを特定するステップと、を含み、
前記第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データを特定するステップは、
前記第1所定数の単一心拍のデータを第1畳み込みニューラルネットワークへ順次入力することと、
前記第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データを前記第1畳み込みニューラルネットワークによって抽出することと、を含み、
前記所定時間長の心電信号と前記第1所定数の特徴データとに基づいて、前記所定時間長の心電信号の病理タイプを特定するステップは、
前記第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する時系列データを特定し、第1所定数の時系列データを取得することと、
前記第1所定数の時系列データと前記第1所定数の特徴データとを第2畳み込みニューラルネットワークの入力層へ入力することで、前記心電信号の病理タイプを前記第2畳み込みニューラルネットワークによって特定することと、を含む、
ことを特徴とする心電信号検出方法。
【請求項2】
前記第1畳み込みニューラルネットワークによって前記第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対して判定を行い、判定結果を取得するステップと、
前記判定結果に基づいて、前記第1所定数の単一心拍における異常が発生した心拍位置を特定するステップと、を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の心電信号検出方法。
【請求項3】
前記単一心拍に対応する時系列データを特定することは、
当該単一心拍のR波に対応する時点を特定することと、
当該単一心拍のR波に前後に隣接する第2所定数の単一心拍のそれぞれのR波に対応する時点を特定することと、
当該単一心拍のR波に対応する時点と、当該単一心拍に前後に隣接する第2所定数の単一心拍のそれぞれのR波に対応する時点とに基づいて、当該単一心拍に対応する時系列データを特定することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の心電信号検出方法。
【請求項4】
前記所定時間長の心電信号と前記第1所定数の特徴データとに基づいて、前記所定時間長の心電信号の病理タイプを特定するステップは、
前記第1所定数の特徴データを第2畳み込みニューラルネットワークの所定畳み込み層へ入力することと、
前記所定時間長の心電信号を前記第2畳み込みニューラルネットワークの入力層へ入力することと、
前記第2畳み込みニューラルネットワークによって前記心電信号のタイプを特定することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の心電信号検出方法。
【請求項5】
所定時間長の心電信号を分割して第1所定数の単一心拍を取得するための第1分割モジュールと、
前記第1分割モジュールで取得された前記第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データを特定し、第1所定数の特徴データを取得するための第1特定モジュールと、
前記所定時間長の心電信号と、前記第1特定モジュールで特定された前記第1所定数の特徴データとに基づいて、前記所定時間長の心電信号の病理タイプを特定するための第2特定モジュールと、を備え、
前記第1特定モジュールは、
前記第1所定数の単一心拍のデータを第1畳み込みニューラルネットワークへ順次入力するための第1入力手段と、
前記第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データを前記第1畳み込みニューラルネットワークによって抽出するための抽出手段と、を備え、
前記第2特定モジュールは、
前記第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する時系列データを特定し、第1所定数の時系列データを取得するための第1特定手段と、
前記第1特定手段で取得された前記第1所定数の時系列データと、前記第1所定数の特徴データとを第2畳み込みニューラルネットワークの入力層へ入力するための第2入力手段と、
前記第2畳み込みニューラルネットワークによって前記心電信号の病理タイプを特定するための第2特定手段と、を備えることを特徴とする心電信号検出装置。
【請求項6】
前記第1畳み込みニューラルネットワークによって前記第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対して判定を行い、判定結果を取得するための判定モジュールと、
前記判定モジュールで取得された前記判定結果に基づいて、前記第1所定数の単一心拍における異常が発生した心拍位置を特定するための第3特定モジュールと、を更に備えることを特徴とする請求項に記載の心電信号検出装置。
【請求項7】
前記第2特定モジュールは、
前記第1所定数の特徴データを第2畳み込みニューラルネットワークの所定畳み込み層へ入力するための第3入力手段と、
前記所定時間長の心電信号を前記第2畳み込みニューラルネットワークの入力層へ入力するための第4入力手段と、
前記第2畳み込みニューラルネットワークによって、前記第3入力手段で入力された前記第1所定数の特徴データと、前記第4入力手段で入力された前記心電信号とに対して認識を行い、前記心電信号の病理タイプを特定するための第3特定手段と、を備えることを特徴とする請求項に記載の心電信号検出装置。
【請求項8】
機器読み取り可能な記憶媒体であって、
前記機器読み取り可能な記憶媒体には、上記請求項1からの何れか一項に記載の心電信号検出方法を実行するための機器の実行可能な指令が記憶されていることを特徴とする機器読み取り可能な記憶媒体。
【請求項9】
プロセッサと、前記プロセッサの実行可能な指令を記憶するための記憶媒体とを備え、
前記プロセッサは、上記請求項1からの何れか一項に記載の心電信号検出方法を実行することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子技術分野に関し、特に心電信号検出方法、装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディープラーニング方法の台頭とともに、研究者がニューラルネットワークを訓練するモードを採用し始めて心電(ECG)信号の分類および認識を行うことは、ますます多くなってきている。しかし、そのうちの大半は、心電信号の単一心拍に対して認識および分類を行っているが、連続するECG多心拍に対して病理認識を行うものは、いまだ存在しなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それに鑑みて、本発明は、連続する心電信号に対して病理診断を行うことができるという新たな解決手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を果たすために、本発明に係る解決手段は、下記のようになっている。
【0005】
本発明の第1態様は、心電信号検出方法を提供する。前記心電信号検出方法は、
所定時間長の心電信号を分割して第1所定数の単一心拍を取得するステップと、
前記第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データを特定し、第1所定数の特徴データを取得するステップと、
前記所定時間長の心電信号と前記第1所定数の特徴データとに基づいて、前記所定時間長の心電信号の病理タイプを特定するステップと、を含む。
【0006】
本発明の第2態様は、心電信号検出方法を提供する。前記心電信号検出方法は、
第2畳み込みニューラルネットワークによって所定時間長の心電信号の病理タイプを特定するステップと、
前記病理タイプが前記心電信号に異常が発生したと示す場合に、前記所定時間長の心電信号を分割して第1所定数の単一心拍を取得するステップと、
前記第1所定数の単一心拍のデータを第1畳み込みニューラルネットワークへ入力することで、前記第1所定数の単一心拍における異常が発生した心拍位置を前記第1畳み込みニューラルネットワークによって特定するステップと、を含む。
【0007】
本発明の第3態様は、心電信号検出装置を提供する。前記心電信号検出装置は、
所定時間長の心電信号を分割して第1所定数の単一心拍を取得するための第1分割モジュールと、
前記第1分割モジュールで取得された前記第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データを特定し、第1所定数の特徴データを取得するための第1特定モジュールと、
前記所定時間長の心電信号と、前記第1特定モジュールで特定された前記第1所定数の特徴データとに基づいて、前記所定時間長の心電信号の病理タイプを特定するための第2特定モジュールと、を備える。
【0008】
本発明の第4態様は、心電信号検出装置を提供する。前記心電信号検出装置は、
第2畳み込みニューラルネットワークによって所定時間長の心電信号の病理タイプを特定するための第4特定モジュールと、
前記第4特定モジュールで特定された前記病理タイプが前記心電信号に異常が発生したと示す場合に、前記所定時間長の心電信号を分割して第1所定数の単一心拍を取得するための第2分割モジュールと、
前記第2分割モジュールで取得された前記第1所定数の単一心拍のデータを第1畳み込みニューラルネットワークへ入力することで、前記第1畳み込みニューラルネットワークによって前記第1所定数の単一心拍における異常が発生した心拍位置を特定するための第5特定モジュールと、を備える。
【0009】
本発明の第5態様は、機器読み取り可能な記憶媒体を提供する。前記機器読み取り可能な記憶媒体には、上記第1態様または第2態様で提出された心電信号検出方法を実行するための機器の実行可能な指令が記憶されている。
【0010】
本発明の第6態様は、電子機器を提供する。前記電子機器は、プロセッサと、前記プロセッサの実行可能な指令を記憶するための記憶媒体とを備え、前記プロセッサは、上記第1態様または第2態様で提出された心電信号検出方法を実行する。
【0011】
上記解決手段から分かるように、何れの単一心拍も連続時系列のECG信号において孤立ではなく、前後に隣接する単一心拍に関連しているため、本発明における第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データは、代表する心電信号の病理特性を非常に良好に表せる。したがって、所定時間長の心電信号の病理タイプは、心電信号と第1所定数の特徴データとによって、非常に良好に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本発明の一例示的な実施例の心電信号検出方法の模式的なフローチャートである。
【0013】
図1B図1Aに示す実施例における連続心電信号の模式図である。
【0014】
図1C図1Aに示す実施例における単一心拍の模式図である。
【0015】
図2A】本発明の別の例示的な実施例の心電信号検出方法の模式的なフローチャートである。
【0016】
図2B図2Aに示す実施例に適用される心電信号を検出するアーキテクチャの模式図である。
【0017】
図2C図2Aに示す実施例における第1畳み込みニューラルネットワークの構造模式図である。
【0018】
図2D図2Aに示す実施例における第2畳み込みニューラルネットワークの構造模式図である。
【0019】
図3A】本発明の更に別の例示的な実施例の心電信号検出方法の模式的なフローチャートである。
【0020】
図3B図3Aに示す実施例に適用される心電信号を検出するアーキテクチャの模式図の一である。
【0021】
図3C図3Aに示す実施例に適用される心電信号を検出するアーキテクチャの模式図の二である。
【0022】
図4A】本発明のもう1つの例示的な実施例の心電信号検出方法の模式的なフローチャートである。
【0023】
図4B図4Aに示す実施例に適用される心電信号を検出するアーキテクチャの模式図である。
【0024】
図5】本発明の一例示的な実施例の心電信号検出装置の構造模式図である。
【0025】
図6】本発明の別の例示的な実施例の心電信号検出装置の構造模式図である。
【0026】
図7】本発明の更に別の例示的な実施例の心電信号検出装置の構造模式図である。
【0027】
図8】本発明の一例示的な実施例の電子機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ここで、例示的な実施例を詳細に説明する。その例示は、図面に示される。以下の記述は、図面に係る際、別途示さない限り、異なる図面における同じ符号が同じ又は類似する要素を示す。以下の例示的な実施例に記述される実施形態が本発明と一致する全ての実施形態を代表するわけではない。逆に、それらは、単に添付する特許請求の範囲に詳細に記述されるような、本発明の幾つかの態様に一致する装置及び方法の例である。
【0029】
本発明で使用される用語は、単に特定の実施例を記述する目的であり、本発明を制限するためのものではない。本発明及び添付する特許請求の範囲で使用される単数形式の「一種」、「前記」及び「当該」も、文脈から他の意味を明瞭で分かる場合でなければ、複数の形式を含むことを意図する。理解すべきことは、本文で使用される用語「および/または」が、1つまたは複数の関連する列挙項目を含む如何なる或いは全ての可能な組み合わせを指す。
【0030】
理解すべきことは、本発明において第1、第2、第3等という用語を用いて各種の情報を記述するが、これらの情報は、これらの用語に限定されるものではない。これらの用語は、単に同一のタイプの情報同士を区分するために用いられる。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限り、第1情報が第2情報と呼称されてもよく、類似的に、第2情報が第1情報と呼称されてもよい。これは、コンテキストに依存する。例えば、ここで使用される言葉「場合」は、「…とき」や「…ときに」あるいは「特定の状況に応じて」として解釈されてもよい。
【0031】
本発明を更に説明するために、以下に実施例を提供する。
【0032】
図1Aは、本発明の一例示的な実施例の心電信号検出方法の模式的なフローチャートであり、図1Bは、図1Aに示す実施例における連続心電信号の模式図であり、図1Cは、図1Aに示す実施例におけるECG単一心拍の模式図である。本発明は、ウェアラブル機器および手持ち機器等の電子機器に適用されてもよく、ユーザの心臓健康状況をモニタリングする。図1Aに示すように、以下のステップを含む。
【0033】
ステップ101では、所定時間長の心電信号を分割して第1所定数の単一心拍を取得する。
【0034】
一実施例では、ECG信号に関する認識方法によって所定時間長のECG信号を分割して第1所定数の単一心拍を取得してもよい。図1B図1Cに示すように、所定時間長の連続ECG信号を分割することで、各単一心拍の開始時点、終了時点および持続時間を把握できる。且つ、単一心拍の持続時間tは、所定長に正規化されてもよい。例えば、所定長がLである場合に、単一心拍は、下記のように表されてもよい。
単一心拍の持続時間に対して正規化を行う過程に、固定のサンプリングレートでサンプリングを行ってもよい。Pは、各サンプリング点での単一心拍の信号強度を示す。例えば、Pは、第1個のサンプリング点での単一心拍の信号強度を示し、Pは、第L個のサンプリング点での単一心拍の信号強度を示し、p、p、・・・pは、L個のサンプリング点での単一心拍の信号強度を示し、tは、当該単一心拍の持続時間である。第1所定数がNであることを例示として説明すると、連続するN個のECG単一心拍は、下記のように表されてもよい。
ijは、第j個のサンプリング点での第i個の単一心拍の信号強度を示し、i=1、2、・・・N、j=1、2、・・・L、t、t、・・・tは、N個の単一心拍のそれぞれの持続時間を示す。
【0035】
ステップ102では、第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データを特定し、第1所定数の特徴データを取得する。
【0036】
一実施例では、ディープラーニングネットワークに基づいて第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データを特定してもよい。当該特徴データは、単一の特徴であってもよく、複数の特徴の組み合わせであってもよい。単一心拍信号をディープラーニングネットワークへ入力し、当該ディープラーニングネットワークの畳み込み層を設定して単一心拍信号に対して畳み込み処理を行った後、特徴データを取得してもよい。
【0037】
上記ステップ101に対応し、特徴データは、例えば、T、T、・・・Tである。
【0038】
即ち、ステップ102は、P→Tが実現できる。ここで、i=1、2、・・・N。
【0039】
ステップ103では、所定時間長の心電信号と第1所定数の特徴データとに基づいて、所定時間長の心電信号の病理タイプを特定する。
【0040】
一実施例では、所定時間長の心電信号を1つの畳み込みニューラルネットワークの入力層へ入力し、第1所定数の特徴データを当該畳み込みニューラルネットワークの畳み込み層へ入力し、畳み込みニューラルネットワークの処理によって、当該畳み込みニューラルネットワークの出力層において心電信号の病理タイプを特定する。一実施例では、各種の異なる病理特徴を有する莫大な心電信号によって当該畳み込みニューラルネットワークを訓練してもよい。当該畳み込みニューラルネットワークを訓練することにより、当該畳み込みニューラルネットワークは、心電信号の病理タイプを正確に認識できる。
【0041】
一実施例では、病理タイプは、心房性期外収縮、心室性期外収縮、心房細動、心房粗動、心室性頻拍等を含んでもよい。説明すべきことは、上記病理タイプは、例示的な説明に過ぎず、本発明に対する制限を構成しない。
【0042】
連続ECG信号における何れの単一心拍も孤立ではなく、前後に隣接する単一心拍に関連しているため、本発明における第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データは、代表する心電信号の病理特性を非常に良好に表せる。したがって、心電信号と第1所定数の特徴データとに基づいて、所定時間長の心電信号の病理タイプを良好に検出することができる。
【0043】
図2Aは、本発明の別の例示的な実施例の心電信号検出方法の模式的なフローチャートであり、図2Bは、図2Aに示す実施例に適用される心電信号を検出するアーキテクチャの模式図であり、図2Cは、図2Aに示す実施例における第1畳み込みニューラルネットワークの構造模式図であり、図2Dは、図2Aに示す実施例における第2畳み込みニューラルネットワークの構造模式図である。図2Aに示すように、以下のステップを含む。
【0044】
ステップ201では、所定時間長の心電信号を分割して第1所定数の単一心拍を取得する。
【0045】
ステップ201の記述が上記図1Aに示す実施例の記述を参照すればよいため、ここで詳細に説明しない。
【0046】
ステップ202では、第1所定数の単一心拍のデータを第1畳み込みニューラルネットワークへ順次入力することで、第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データを抽出する。
【0047】
ステップ203では、所定時間長の心電信号における各単一心拍に対応する時系列データを特定し、第1所定数の時系列データを取得する。
【0048】
ステップ204では、第1所定数の時系列データと第1所定数の特徴データとを第2畳み込みニューラルネットワークの入力層へ入力することで、当該心電信号の病理タイプを特定する。
【0049】
ステップ205では、第1畳み込みニューラルネットワークによって第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対して判定を行い、判定結果を取得する。
【0050】
ステップ206では、判定結果に基づいて第1所定数の単一心拍における異常が発生した心拍位置を特定する。
【0051】
説明すべきことは、上記ステップ205とステップ206とが必ずしもステップ204の後で実行されるとは限らず、ステップ202の後でステップ205とステップ206を実行してもよい。このように、第1畳み込みニューラルネットワークによって第1所定数の単一心拍における異常が発生した心拍位置を認識できる。
【0052】
以下では、図2B図2Dを組み合わせて本実施例に対して例示的な説明を行う。
【0053】
上記ステップ202では、図2Bに示すように、上記ステップ201によって連続する25個の単一心拍、並びに、当該25個の単一心拍の開始時点、終了時点および持続時間を取得し、単一心拍のデータのそれぞれに対して長さ正規化を行う。例えば、正規化長さが196である場合に、長さが196である25個の単一心拍データを第1畳み込みニューラルネットワークへ順次入力し、第1畳み込みニューラルネットワークの所定畳み込み層において、各単一心拍に対応する特徴データを出力してもよい。例えば、各単一心拍が5*2個の特徴データに対応する場合に、25個の単一心拍は、5*2*25個の特徴データに対応する。図2Bに示すように、第1畳み込みニューラルネットワークによって各単一心拍の特徴データを取得した後、各単一心拍に対応する特徴データをキャッシュしてもよい。
【0054】
上記ステップ203とステップ204において、一実施例では、所定時間長の心電信号における各単一心拍に対して、当該単一心拍のR波に対応する時点を特定し、当該単一心拍のR波に前後に隣接する第2所定数の単一心拍のそれぞれのR波に対応する時点を特定し、当該単一心拍のR波に対応する時点と当該単一心拍に前後に隣接する第2所定数の単一心拍のR波のそれぞれに対応する時点とに基づいて、当該単一心拍に対応する時系列データを特定してもよい。例えば、第2所定数が2であれば、現在の単一心拍のR波と前後2つずつの単一心拍(即ち、合計4つの単一心拍)のR波との距離がそれぞれx、x、x、xである。各単一心拍のリズム情報Xを1つの5次元ベクタと示す場合に、下記のことを満たす。
N個の単一心拍は、以下のように表されてもよい。
Nは、第1所定数、即ち、単一心拍の数である。
【0055】
例えば、単一心拍がm1*n1個の特徴データ、およびm2*n2個の時系列データに対応する場合に、第2畳み込みニューラルネットワークへ入力されたデータ量は、m1*n1+m2*n2と表されてもよい。図2Bに示すように、第2畳み込みニューラルネットワークへ入力された単一心拍が5*2*25個の特徴データに対応し、第2畳み込みニューラルネットワークへ入力された単一心拍が5*1*25個の時系列データに対応する場合に、第2畳み込みニューラルネットワークへ入力されたデータ量は、5*3*25と表されてもよい。
【0056】
上記ステップ204では、第2畳み込みニューラルネットワークが各種の病理特徴を有する莫大な心電信号によって訓練された後、第2畳み込みニューラルネットワークは、入力層のデータに基づいて、当該心電信号の病理タイプを正確に認識することができる。
【0057】
上記ステップ205とステップ206では、第1畳み込みニューラルネットワークに対して莫大な正常と異常の単一心拍の心電信号によって訓練してもよい。訓練を経た後、第1畳み込みニューラルネットワークは、単一心拍に異常が発生したか否かを正確に認識することができる。例えば、25個の単一心拍を第1畳み込みニューラルネットワークへ順次入力した後、第1畳み込みニューラルネットワークは、単一心拍の正常と異常に対して判定を行ってもよい。例えば、1は単一心拍が正常であることを示し、0は単一心拍が異常であることを示す場合に、25個の単一心拍は、0と1との系列の25個の組み合わせに対応可能である。当該系列の組み合わせにより、この25個の単一心拍における異常が発生した心拍位置を認識することができる。
【0058】
図2Cに示すように、第1畳み込みニューラルネットワークは、4つの畳み込み層を含み、各層の畳み込みは、何れも畳み込み、活性化およびプーリング(pooling)等の処理を含む。各畳み込み層は、入力出力データおよび畳み込みカーネルサイズが異なる以外、各処理の計算順が何れも同じである。即ち、単一心拍のデータは、第1畳み込みニューラルネットワークへ入力された後、畳み込みおよび活性化を経てから、プーリングされ、これによって当該畳み込み層から出力された特徴データを取得する。第1層の畳み込み層から第3層の畳み込み層は、各層が何れも連続する二段畳み込み、活性化、プーリングを含むが、第4層の畳み込み層は、一段畳み込み、活性化、プーリングのみを含む。活性化運算では、一般的にsigmoid、tanH、reLu等の関数が採用されている。第1畳み込みニューラルネットワークでは、畳み込み運算は、心電信号の特徴データを抽出するために用いられ、活性化運算は、特徴データの非線形度、即ち、活性を向上するために用いられ、プーリング運算は、特徴データに対して次元を低減するために用いられる。
【0059】
図2Dに示すように、第2畳み込みニューラルネットワークは、3つの畳み込み層を含み、各畳み込み層は、入力出力データおよび畳み込みカーネルサイズが異なる以外、各処理の計算順が何れも同じである。即ち、入力データ(心電信号の時系列データを含む)は、第2畳み込みニューラルネットワークへ入力された後、畳み込みおよび活性化を経てから、当該畳み込み層から出力された特徴データを取得する。第1層の畳み込み層から第3層の畳み込み層は、各層が何れも一段畳み込みおよび活性化を含むが、プーリングを含まない。
【0060】
本実施例では、第2畳み込みニューラルネットワークが連続する心電信号に対して病理診断を行うと同時に、第1畳み込みニューラルネットワークによって異常の心拍位置を正確に特定できる。第1畳み込みニューラルネットワークから出力された特徴データがオリジナルの単一心拍の近似と見なされてもよいため、第1畳み込みニューラルネットワークから出力された特徴データをオリジナルの心電信号に積算することにより、心電信号を認識する可能性は、大きく向上する。
【0061】
図3Aは、本発明の更に別の例示的な実施例の心電信号検出方法の模式的なフローチャートであり、図3Bは、図3Aに示す実施例に適用される心電信号を検出するアーキテクチャの模式図の一であり、図3Cは、図3Aに示す実施例に適用される心電信号を検出するアーキテクチャの模式図の二であり、図3Aに示すように、以下のステップを含む。
【0062】
ステップ301では、所定時間長の心電信号を分割して第1所定数の単一心拍を取得する。
【0063】
ステップ301の記述は、上記図1Aに示す実施例の記述を参照すればよいため、ここで詳細に説明しない。
【0064】
ステップ302では、第1所定数の単一心拍のデータを第1畳み込みニューラルネットワークへ順次入力することで、第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データを抽出する。
【0065】
ステップ302の記述は、上記図2Aに示す実施例の記述を参照すればよいため、ここで詳細に説明しない。
【0066】
ステップ303では、第1所定数の特徴データを第2畳み込みニューラルネットワークの所定畳み込み層へ入力し、所定時間長の心電信号を第2畳み込みニューラルネットワークの入力層へ入力することで、第2畳み込みニューラルネットワークによって当該心電信号の病理タイプを特定する。
【0067】
ステップ303の記述は、上記図2Aに示す実施例の記述を参照すればよいため、ここで詳細に説明しない。
【0068】
以下では、図3B図3Cを組み合わせてステップ303を例示的に説明する。図3Bに示すように、分割して得られた第1所定数の単一心拍のデータを第1畳み込みニューラルネットワークへ順次入力し、分割されていないオリジナルの心電信号を第2畳み込みニューラルネットワークへ入力してもよい。例えば、オリジナルの連続する心電信号が20個の単一心拍に分割されると、20個の単一心拍のデータは、第1畳み込みニューラルネットワークへ順次入力される。当該20個の単一心拍のデータが第1畳み込みニューラルネットワークに進入して対応する処理が行われた後、第1畳み込みニューラルネットワークの所定畳み込み層から出力された特徴データは、キャッシュされてもよい。例えば、第1畳み込みニューラルネットワークの第2層の畳み込み層から出力された20群の特徴データは、キャッシュされてもよい。単一心拍ごとに第2層の畳み込み層から出力された特徴データ量を21*32と示す場合に、20個の単一心拍に対応する特徴データ量は、21*32*20=420*32と示されてもよい。
【0069】
オリジナルの連続する心電信号は、第2畳み込みニューラルネットワークの入力層へ入力される。
【0070】
一実施例では、第1畳み込みニューラルネットワークの所定畳み込み層で得られた特徴データを第2畳み込みニューラルネットワークの所定畳み込み層で得られた特徴データに注入してもよい。図3Cに示すように、第1畳み込みニューラルネットワークの第2層の畳み込み層で得られた特徴データを、第2畳み込みニューラルネットワークの第2層の畳み込み層で得られた特徴データに注入し、この2群の特徴データをともに第2畳み込みニューラルネットワークの第3層の畳み込み層へ入力する。例えば、第2畳み込みニューラルネットワークの第2畳み込み層から得られた特徴データ量を531*32と示す場合に、第3層の畳み込み層で入力される特徴データ量は、420*32+531*32=(531-111)*32+531*32=531*64-111*32と示される。第3層の畳み込み層の処理可能な特徴データ量を531*64と示す場合に、第3層の畳み込み層にとって、111*32個の特徴データが欠いている。欠いている部分に対して、ゼロパディングの方式により、第3層の畳み込み層で実際に入力される特徴データと第3層の畳み込み層の処理に必要な特徴データとが一致することを確保できる。
【0071】
説明すべきことは、図3Cが単に例示的な説明に過ぎず、第1畳み込みニューラルネットワークの所定畳み込み層から異なる次元の特徴データを出力して、第2畳み込みニューラルネットワークの所定畳み込み層へ注入可能であるため、第2畳み込みニューラルネットワークの、第1畳み込みニューラルネットワークの特徴データに対する依存度は、柔軟に調整可能である。ここでの所定畳み込み層は、ある畳み込み層であってもよく、複数の畳み込み層であってもよい。例えば、第1畳み込みニューラルネットワークの第2畳み込み層から出力された特徴データを第2畳み込みニューラルネットワークの第2畳み込み層へ注入するとともに、第1畳み込みニューラルネットワークの第3畳み込み層から出力された特徴データを第2畳み込みニューラルネットワークの第3畳み込み層へ注入可能である。
【0072】
本実施例では、第1畳み込みニューラルネットワークの所定畳み込み層から出力された特徴データを第2畳み込みニューラルネットワークの所定畳み込み層へ入力することで、第2畳み込みニューラルネットワークの認識結果を第1畳み込みニューラルネットワークの特徴データに依存させることが可能であり、心電信号に対する認識性能は、向上できる。
【0073】
図4Aは、本発明のもう1つの例示的な実施例の心電信号検出方法の模式的なフローチャートであり、図4Bは、図4Aに示す実施例に適用される心電信号を検出するアーキテクチャの模式図であり、図4Aに示すように、以下のステップを含む。
【0074】
ステップ401では、所定時間長の心電信号を第2畳み込みニューラルネットワークへ入力し、第2畳み込みニューラルネットワークによって当該心電信号の病理タイプを特定する。
【0075】
ステップ402では、病理タイプが心電信号に異常が発生したと示す場合に、所定時間長の心電信号を分割して第1所定数の単一心拍を取得する。
【0076】
ステップ403では、取得された第1所定数の単一心拍のデータを第1畳み込みニューラルネットワークへ入力し、第1畳み込みニューラルネットワークによって第1所定数の単一心拍における異常が発生した心拍位置を特定する。
【0077】
好ましくは、上記ステップ403では、第1所定数の単一心拍のデータを第1畳み込みニューラルネットワークの入力層へ入力し、第1畳み込みニューラルネットワークによって第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対して判定を行い、判定結果を取得し、判定結果に基づいて第1所定数の単一心拍における異常が発生した心拍位置を特定する。
【0078】
図4Bに示すように、ある所定時間長(例えば、30秒)の連続心電信号のデータを直接第2畳み込みニューラルネットワークへ入力し、当該連続心電信号のデータに対して認識を行い、病理タイプを取得する。病理タイプが心電信号に異常が発生したと示す場合に、当該心電信号を分割して例えば25個の単一心拍のデータを取得してもよい。この25個の単一心拍のデータを第1畳み込みニューラルネットワークに順次入力して認識させ、判定結果を取得する。判定結果は、0と1とで構成される系列であってもよい。例えば、0は異常を示し、1は正常を示すと、25個の単一心拍は、25ビット(bit)の長さの0と1との組み合わせに対応可能である。0の所在する位置を認識することで、この25個の単一心拍における異常が発生した心拍位置を特定できる。
【0079】
本実施例では、第2畳み込みニューラルネットワークによって認識された病理タイプが、心電信号に異常が発生したと示すとき、第1畳み込みニューラルネットワークによって当該心電信号の単一心拍について逐一に認識を行うことで、異常が発生した心拍位置を認識する。
【0080】
上記図2B図3A図3Bおよび図4Bに示すアーキテクチャ図から分かるように、本発明における第1畳み込みニューラルネットワークが単一心拍認識ネットワークと見なされ、第2畳み込みニューラルネットワークが心電信号検出ネットワークと見なされてもよい。本発明における第1畳み込みニューラルネットワークと第2畳み込みニューラルネットワークのアーキテクチャ設計は、以下の有利な効果がある。
1)第1畳み込みニューラルネットワークを単独で訓練して、全ネットワークアーキテクチャに対する訓練の難易度を低減することができる。
2)十分な単一心拍データを第1畳み込みニューラルネットワークの訓練サンプルとして取得しやすい。このため、第1畳み込みニューラルネットワークが十分な訓練を受けることができ、単一心拍の認識の安定性および信頼性は、保証できる。
3)第1畳み込みニューラルネットワークで得られた特徴データに基づいて第2畳み込みニューラルネットワークの訓練を補強できるため、長い系列の連続心拍の心電信号のデータ不足の問題を解決できる。
4)心電信号の数が小さいため、本発明におけるアーキテクチャ設計は、組み込み型開発応用に適用できる。
【0081】
図5は、本発明の一例示的な実施例の心電信号検出装置の構造模式図である。図5に示すように、当該心電信号検出装置は、第1分割モジュール51、第1特定モジュール52と第2特定モジュール53を備えてもよい。
【0082】
第1分割モジュール51は、所定時間長の心電信号を分割して第1所定数の単一心拍を取得する。
【0083】
第1特定モジュール52は、第1分割モジュール51で取得された第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データを特定し、第1所定数の特徴データを取得する。
【0084】
第2特定モジュール53は、所定時間長の心電信号と第1特定モジュール52で特定された第1所定数の特徴データとに基づいて、所定時間長の心電信号の病理タイプを特定する。
【0085】
図6は、本発明の別の例示的な実施例の心電信号検出装置の構造模式図である。図6に示すように、上記図5に示す実施例を基に、第1特定モジュール52は、第1入力手段521と抽出手段522を備えてもよい。
【0086】
第1入力手段521は、第1所定数の単一心拍のデータを第1畳み込みニューラルネットワークへ順次入力する。
【0087】
抽出手段522は、第1畳み込みニューラルネットワークによって第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する特徴データを抽出する。
【0088】
一実施例では、心電信号検出装置は、判定モジュール54と第3特定モジュール55を更に備える。
【0089】
判定モジュール54は、第1畳み込みニューラルネットワークによって、第1分割モジュール51で取得された第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対して判定を行い、判定結果を取得する。
【0090】
第3特定モジュール55は、判定モジュール54で取得された判定結果に基づいて第1所定数の単一心拍における異常が発生した心拍位置を特定する。
【0091】
一実施例では、第2特定モジュール53は、第1特定手段531、第2入力手段532と第2特定手段533を備えてもよい。
【0092】
第1特定手段531は、第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対応する時系列データを特定し、第1所定数の時系列データを取得する。
【0093】
第2入力手段532は、第1特定手段531で取得された第1所定数の時系列データと第1所定数の特徴データとを第2畳み込みニューラルネットワークの入力層へ入力する。
【0094】
第2特定手段533は、第2畳み込みニューラルネットワークによって心電信号の病理タイプを特定する。
【0095】
第1特定手段531は、具体的に、
所定時間長の心電信号における各単一心拍について、当該単一心拍のR波に対応する時点を特定し、
当該単一心拍のR波に前後に隣接する第2所定数の単一心拍のそれぞれのR波に対応する時点を特定し、
当該単一心拍のR波に対応する時点と、当該単一心拍に前後に隣接する第2所定数の単一心拍のそれぞれのR波に対応する時点とに基づいて、当該単一心拍に対応する時系列データを特定する。
【0096】
一実施例では、第2特定モジュール53は、第3入力手段534、第4入力手段535と第3特定手段536を備える。
【0097】
第3入力手段534は、第1所定数の特徴データを第2畳み込みニューラルネットワークの所定畳み込み層へ入力する。
【0098】
第4入力手段535は、所定時間長の心電信号を第2畳み込みニューラルネットワークの入力層へ入力する。
【0099】
第3特定手段536は、第2畳み込みニューラルネットワークによって、第3入力手段534で入力された第1所定数の特徴データと第4入力手段535で入力された心電信号とに対して認識を行い、心電信号の病理タイプを特定する。
【0100】
図7は、本発明の更に別の例示的な実施例の心電信号検出装置の構造模式図である。図7に示すように、心電信号検出装置は、第4特定モジュール71、第2分割モジュール72と第5特定モジュール73を備えてもよい。
【0101】
第4特定モジュール71は、第2畳み込みニューラルネットワークによって所定時間長の心電信号の病理タイプを特定する。
【0102】
第2分割モジュール72は、第4特定モジュール71で特定された病理タイプが心電信号に異常が発生したと示す場合に、所定時間長の心電信号を分割して第1所定数の単一心拍を取得する。
【0103】
第5特定モジュール73は、第2分割モジュール72で取得された第1所定数の単一心拍のデータを第1畳み込みニューラルネットワークへ入力することで、第1畳み込みニューラルネットワークによって第1所定数の単一心拍における異常が発生した心拍位置を特定する。
【0104】
一実施例では、第5特定モジュール73は、第5入力手段731、判定手段732と第4特定手段733を備えてもよい。
【0105】
第5入力手段731は、第1所定数の単一心拍のデータを第1畳み込みニューラルネットワークの入力層へ入力する。
【0106】
判定手段732は、第5入力手段731によって第1畳み込みニューラルネットワークへ入力された第1所定数の単一心拍の各単一心拍に対して判定を行い、判定結果を取得する。
【0107】
第4特定手段733は、判定手段732で取得された判定結果に基づいて、第1所定数の単一心拍における異常が発生した心拍位置を特定する。
【0108】
本発明のメモリ検出装置の実施例は、電子機器に適用可能である。装置実施例は、ソフトウェアにて実施されてもよく、ハードウェアまたはソフト・ハードウェアの組み合わせで実施されてもよい。ソフトウェアによる実施を例とすると、論理意味上の装置は、所在する電子機器のプロセッサが非一過性の記録媒体における対応する機器の実行可能な指令を読み取ってメモリへ転送して動作させることによって形成される。ハードウェア実装に関しては、図8は、本発明の心電信号検出装置の所在する電子機器のハードウェア構造図であり、図8に示すプロセッサ801、メモリ802、ネットワークインターフェース803および非一過性の記録媒体804に加えて、実施例における装置の所在する電子機器は、通常、当該電子機器の実機能に応じて、他のハードウェアを備えてもよい。ここで繰り返し説明しない。
【0109】
当業者は、明細書を考慮してここで開示された発明を実践した後、本発明の他の実施案を容易に想到する。本発明は、本発明の如何なる変形、用途または適応的な変化をカバーすることを意図する。これらの変形、用途または適応的な変化は、本発明の一般的な原理に従い、本発明に開示されていない本技術分野における公知常識や慣用技術手段を含む。明細書と実施例は、単に例示と見なされ、本発明の真の範囲および要旨は、請求項によって示される。
【0110】
更に説明すべきことは、用語「含む」、「備える」またはほかの何れかの同義語が非排他的含有をカバーすることを意図する。このように、一シリーズの要素を有する手順、方法、物品または機器は、それらの要素を有するだけではなく、明確に挙げられていない他の要素も有し、またはこのような手順、方法、物品または機器に固有の要素も有する。更なる制限がない限り、語句「1つの…を含む」で限定される要素は、前記要素を有する手順、方法、物品または機器に他の同じ要素を更に有することをあえて排除しない。
【0111】
上述したのは、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。本発明の精神及び原則内でなされた如何なる変更、均等物による置換、改良等も、本発明の保護範囲内に含まれる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8