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特許7065203撮像装置、内視鏡装置及び撮像装置の作動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】撮像装置、内視鏡装置及び撮像装置の作動方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20220428BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220428BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20220428BHJP
   G02B 7/28 20210101ALI20220428BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20220428BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220428BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
H04N5/232 120
A61B1/00 735
A61B1/045 610
G02B7/28 N
G02B23/24 B
H04N5/225 500
H04N7/18 M
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020556389
(86)(22)【出願日】2018-11-06
(86)【国際出願番号】 JP2018041224
(87)【国際公開番号】W WO2020095366
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(74)【代理人】
【識別番号】100166523
【弁理士】
【氏名又は名称】西河 宏晃
(72)【発明者】
【氏名】吉野 浩一郎
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/186123(WO,A1)
【文献】特開2012-039255(JP,A)
【文献】特開2003-248164(JP,A)
【文献】特開2017-118212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
A61B 1/00
A61B 1/045
G02B 7/28
G02B 23/24
H04N 5/225
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合焦物体位置を調整するフォーカスレンズを含み、被写体像を取得する対物光学系と、
前記被写体像を前記合焦物体位置の異なる2つの光路に分割する光路分割部と、
分割された前記2つの光路の前記被写体像をそれぞれ撮像することによって、第1画像及び第2画像を取得する撮像素子と、
前記第1画像及び前記第2画像の間の対応する所定領域において、相対的にコントラストが高い画像を選択することによって、1つの合成画像を生成する合成処理を行う画像合成部と、
所与のAF(Auto Focus)制御モードに従って動作することによって、注目被写体にピントが合うと判定される位置に、前記フォーカスレンズを移動させる制御を行うAF制御部と、
を含み、
前記AF制御部は、
前記AF制御モードとして、前記第1画像から算出される第1AF評価値と、前記第2画像から算出される第2AF評価値を用いてAF制御を行う第1AF制御モードを含むことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記AF制御部は、
前記AF制御モードとして、前記第1AF評価値と前記第2AF評価値のいずれか一方を用いてAF制御を行う第2AF制御モードを含むことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記AF制御部は、
前記第1AF制御モードと前記第2AF制御モードの切り替え制御を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記AF制御部は、
前記第1AF評価値及び前記第2AF評価値に基づいて、前記注目被写体が所与の基準よりもコントラストが低い低コントラスト被写体であるか否かを判定する低コントラスト被写体判定処理、又は、
前記第1AF評価値及び前記第2AF評価値に基づいて、前記注目被写体に対する合焦度合いが所与の基準よりも低い大ボケ状態であるか否かを判定する大ボケ判定処理、
に基づいて、前記第1AF制御モードと前記第2AF制御モードの前記切り替え制御を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記AF制御部は、
合焦方向の判別を行う方向判別部をさらに含み、
前記方向判別部は、
前記第1AF制御モードにおいて、前記第1AF評価値と前記第2AF評価値の関係に基づいて、前記合焦方向の判別を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記AF制御部は、
前記フォーカスレンズの駆動量を決定するレンズ駆動量決定部をさらに含み、
前記レンズ駆動量決定部は、
前記第1AF制御モードにおいて、前記第1AF評価値と前記第2AF評価値の関係に基づいて、前記駆動量を決定することを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記AF制御部は、
合焦動作が完了したか否かを判定する合焦判定部をさらに含み、
前記合焦判定部は、
前記第1AF制御モードにおいて、前記第1AF評価値と前記第2AF評価値の関係に基づいて、前記合焦動作が完了したか否かを判定することを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項2において、
前記AF制御部は、
前記第2AF制御モードにおいて、前記第1画像を取得する前記撮像素子に対応する第1位置に前記注目被写体の前記被写体像が結像すると判定される位置に、前記フォーカスレンズを移動させる制御を行った後、前記被写体像が結像する位置を、前記第2画像を取得する前記撮像素子に対応する第2位置へ向かう方向に所定量だけ移動させると判定される位置に、前記フォーカスレンズを移動させる制御を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
請求項2において、
前記AF制御部は、
前記第1AF制御モードにおいて、前記第1AF評価値が最大となる前記フォーカスレンズの位置と、前記第2AF評価値が最大となる前記フォーカスレンズの位置との間の位置に、前記フォーカスレンズを移動させる制御を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
合焦物体位置を調整するフォーカスレンズを含み、被写体像を取得する対物光学系と、
前記被写体像を前記合焦物体位置の異なる2つの光路に分割する光路分割部と、
分割された前記2つの光路の前記被写体像をそれぞれ撮像して、第1画像及び第2画像を取得する撮像素子と、
前記第1画像及び前記第2画像の間の対応する所定領域において、相対的にコントラストが高い画像を選択することによって、1つの合成画像を生成する合成処理を行う画像合成部と、
所与のAF(Auto Focus)制御モードに従って動作することによって、注目被写体にピントが合うと判定される位置に、前記フォーカスレンズを移動させる制御を行うAF制御部と、
を含み、
前記AF制御部は、
前記AF制御モードとして、前記第1画像から算出される第1AF評価値と、前記第2画像から算出される第2AF評価値を用いてAF制御を行う第1AF制御モードを含むことを特徴とする内視鏡装置。
【請求項11】
合焦物体位置を調整するフォーカスレンズを含み、被写体像を取得する対物光学系と、前記被写体像を前記合焦物体位置の異なる2つの光路に分割する光路分割部と、分割された前記2つの光路の前記被写体像をそれぞれ撮像して、第1画像及び第2画像を取得する撮像素子と、を含む撮像装置の作動方法であって、
前記第1画像及び前記第2画像の間の対応する所定領域において、相対的にコントラストが高い画像を選択することによって、1つの合成画像を生成する合成処理と、
所与のAF(Auto Focus)制御モードに従って動作することによって、注目被写体にピントが合うと判定される位置に、前記フォーカスレンズを移動させるAF制御と、
を行い、
前記AF制御モードとして、前記第1画像から算出される第1AF評価値と、前記第2画像から算出される第2AF評価値を用いて前記AF制御を行う第1AF制御モードを含むことを特徴とする撮像装置の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、内視鏡装置及び撮像装置の作動方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡システムにおいては、ユーザーが行う診断と処置に支障をきたさないため、できるだけ広い被写界深度が要求される。しかし近年では、内視鏡システムにおいても高画素の撮像素子が使用されるに従って、被写界深度が狭くなってきている。このため特許文献1において、ピント位置の異なる2枚の画像を同時に撮影し、これらを合成することによって被写界深度が拡大された合成画像を生成する内視鏡システムが提案されている。以下、被写界深度を拡大する手法を、EDOF(Extended Depth Of Field)技術と表記する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2014/002740号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の内視鏡システムは、焦点切り替え機構をさらに備え、被写界深度を拡大したまま近接観察と遠方観察が可能な構成となっている。近接観察時の合成被写界深度と遠方観察時の合成被写界深度が重なるという条件を満たす設計を行えば、画像がボケる範囲を発生させること無く、内視鏡観察に必要な距離範囲をすべて観察することが可能である。
【0005】
撮像素子をさらに高画素化することによって被写界深度がより狭くなる場合、近接観察時の合成被写界深度と遠方観察時の合成被写界深度を重ねることができなくなり、2つの焦点を切り替えて観察するだけでは画像がボケる範囲が発生してしまう。
【0006】
これに対して、注目被写体に自動的にピントを合わせるAF(Auto Focus)制御を行うことによって、画像のボケを発生させないことが考えられる。しかし合焦状態の異なる2枚の画像を同時に撮影し、これらを用いて合成画像を生成する撮像装置における最適なAF制御手法は、これまで提案されていなかった。
【0007】
本発明の幾つかの態様によれば、所与のタイミングにおいて合焦物体位置の異なる複数の画像を撮像可能である場合において、高速なAF制御を行う撮像装置、内視鏡装置及び撮像装置の作動方法等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、合焦物体位置を調整するフォーカスレンズを含み、被写体像を取得する対物光学系と、前記被写体像を前記合焦物体位置の異なる2つの光路に分割する光路分割部と、分割された前記2つの光路の前記被写体像をそれぞれ撮像することによって、第1画像及び第2画像を取得する撮像素子と、前記第1画像及び前記第2画像の間の対応する所定領域において、相対的にコントラストが高い画像を選択することによって、1つの合成画像を生成する合成処理を行う画像合成部と、所与のAF(Auto Focus)制御モードに従って動作することによって、注目被写体にピントが合うと判定される位置に、前記フォーカスレンズを移動させる制御を行うAF制御部と、を含み、前記AF制御部は、前記AF制御モードとして、前記第1画像から算出される第1AF評価値と、前記第2画像から算出される第2AF評価値を用いてAF制御を行う第1AF制御モードを含む撮像装置に関係する。
【0009】
また本発明の他の態様は、合焦物体位置を調整するフォーカスレンズを含み、被写体像を取得する対物光学系と、前記被写体像を前記合焦物体位置の異なる2つの光路に分割する光路分割部と、分割された前記2つの光路の前記被写体像をそれぞれ撮像することによって、第1画像及び第2画像を取得する撮像素子と、前記第1画像及び前記第2画像の間の対応する所定領域において、相対的にコントラストが高い画像を選択することによって、1つの合成画像を生成する合成処理を行う画像合成部と、所与のAF(Auto Focus)制御モードに従って動作することによって、注目被写体にピントが合うと判定される位置に、前記フォーカスレンズを移動させる制御を行うAF制御部と、を含み、前記AF制御部は、前記AF制御モードとして、前記第1画像から算出される第1AF評価値と、前記第2画像から算出される第2AF評価値を用いてAF制御を行う第1AF制御モードを含む内視鏡装置に関係する。
【0010】
また本発明のさらに他の態様は、合焦物体位置を調整するフォーカスレンズを含み、被写体像を取得する対物光学系と、前記被写体像を前記合焦物体位置の異なる2つの光路に分割する光路分割部と、分割された前記2つの光路の前記被写体像をそれぞれ撮像することによって、第1画像及び第2画像を取得する撮像素子と、を含む撮像装置の作動方法であって、前記第1画像及び前記第2画像の間の対応する所定領域において、相対的にコントラストが高い画像を選択することによって、1つの合成画像を生成する合成処理と、所与のAF(Auto Focus)制御モードに従って動作することによって、注目被写体にピントが合うと判定される位置に、前記フォーカスレンズを移動させるAF制御と、を行い、前記AF制御モードとして、前記第1画像から算出される第1AF評価値と、前記第2画像から算出される第2AF評価値を用いて前記AF制御を行う第1AF制御モードを含む撮像装置の作動方法に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】撮像装置の構成例。
図2】被写体像の結像位置と被写界深度範囲の関係を説明する図。
図3】内視鏡装置の構成例。
図4】撮像部の構成例。
図5】撮像素子の有効画素領域の説明図。
図6】撮像部の他の構成例。
図7】AF制御部の構成例。
図8】AF制御を説明するフローチャート。
図9】AF制御モードの切り替え処理を説明するフローチャート。
図10】AF制御モードの切り替え処理を説明する他のフローチャート。
図11】AF制御部の他の構成例。
図12図12(A)~図12(C)は被写体形状と望ましい合成被写界深度範囲の関係を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0013】
1.概要
特許文献1等には、合焦物体位置の異なる2枚の画像を同時に撮影し、これらを合成することによって、被写界深度が拡大された合成画像を生成する内視鏡システムが開示されている。ここで合焦物体位置とは、レンズ系、像面、物体からなる系が合焦状態にある場合の、物体の位置を表すものである。例えば、像面を撮像素子の面とした場合、合焦物体位置とは、当該撮像素子を用いて上記レンズ系を介した被写体像を撮像した場合に、撮像画像においてピントが理想的に合う被写体の位置を表す。より具体的には、撮像素子によって撮像される画像は、合焦物体位置を含む被写界深度の範囲内に位置する被写体に合焦した画像となる。合焦物体位置は、ピントが合う物体の位置であるため、ピント位置と言い換えてもよい。
【0014】
また以下では結像位置を説明に用いる。結像位置とは、所与の被写体の被写体像が結像する位置を表す。合焦物体位置に存在する被写体の結像位置は撮像素子面上である。また、被写体の位置が合焦物体位置から離れることによって、被写体の結像位置も撮像素子面から離れる。被写体の位置が被写界深度から外れた場合、当該被写体はボケて撮像される。被写体の結像位置とは、当該被写体の点像分布関数(PSF:Point Spread Function)のピークとなる位置である。
【0015】
特許文献1等の従来手法では、EDOF技術による深度拡大、及び遠点観察と近点観察の切り替えに基づいて、所望の範囲の被写体に合焦可能であるケースを想定している。しかし撮像素子の高画素化によって被写界深度が狭くなる場合、遠点観察と近点観察の単純な切り替えでは合焦できない範囲が生じる可能性がある。そのため、EDOF技術とAF制御とを組み合わせることに対する要求がある。ただし、ここで想定している光学系は、合焦物体位置の異なる複数の画像を同時に撮像可能であるため、従来のAF制御を単純に適用するのではなく、より適切なAF制御を実行する必要がある。以下、まずAF制御に用いる画像について検討した後、適切な被写界深度範囲を実現するという第1の観点と、高速なAF制御を実現するという第2の観点から、本実施形態の手法を説明する。
【0016】
本実施形態にかかる撮像装置は、合焦物体位置の異なる2枚の画像を同時に撮影し、且つ、これらを合成することによって合成画像を生成する。即ち撮像装置は、所与の1タイミングの被写体の状態を反映した複数の画像を取得可能である。AF制御に用いる画像に応じてAF制御結果が異なるため、適切なAF制御の実現には処理対象とする画像の選択が重要となる。
【0017】
ここで合成画像は、合焦物体位置が異なる2つの画像の情報が、画像上の位置に応じて複雑に混じり合った状態になっている。このような合成画像から、適切なAF制御を実現するためのフォーカスレンズの移動方向や移動量を算出することはきわめて困難である。適切なAF制御とは、具体的には、注目被写体の結像位置を、目標とする結像位置に移動させる制御である。
【0018】
本実施形態の撮像装置10は、図1に示すように、対物光学系110と、光路分割部121と、撮像素子122と、画像合成部330と、AF制御部360を含む。対物光学系110は、合焦物体位置を調整するフォーカスレンズ111を含み、被写体像を取得する。光路分割部121は、当該被写体像を合焦物体位置の異なる2つの光路に分割する。光路分割部121の詳細は、図4図6を用いて後述する。撮像素子122は、分割された2つの光路の被写体像をそれぞれ撮像することによって、第1画像及び第2画像を取得する。以下、相対的に短い光路の被写体像を撮像した画像であって、合焦物体位置が対物光学系110から相対的に遠い画像をFAR画像と表記する。FAR画像は、遠点画像と言い換えてもよい。また相対的に長い光路の被写体像を撮像した画像であって、合焦物体位置が対物光学系110から相対的に近い画像をNEAR画像と表記する。NEAR画像は、近点画像と言い換えてもよい。なおここでの光路は、光が通過する物体の屈折率等を考慮した光学的距離を表す。第1画像とは、FAR画像とNEAR画像のいずれか一方の画像であり、第2画像とは他方の画像である。図4図6を用いて後述するように、撮像素子122は1つの素子であってもよいし、複数の素子を含んでもよい。
【0019】
画像合成部330は、第1画像及び第2画像の間の対応する所定領域において、相対的にコントラストが高い画像を選択することによって、1つの合成画像を生成する合成処理を行う。AF制御部360は、注目被写体にピントが合うと判定される位置に、フォーカスレンズ111を移動させる制御を行う。ここでピントが合うとは、注目被写体が被写界深度の範囲内に位置することを表す。
【0020】
そしてAF制御部360は、画像合成部330における合成処理が行われる前の第1画像及び第2画像の少なくとも一方に基づいて、AF制御を行う。第1画像は、当該第1画像上における位置によらず合焦物体位置は一定である。同様に第2画像は、当該第2画像上における位置によらず合焦物体位置は一定である。本実施形態の手法によれば、同時に撮像される複数の画像から合成画像を生成する場合において、適切な画像を用いてAF制御を行うことが可能になる。なお、第1画像及び第2画像は、合成処理前の画像であればよく、合成処理以外の画像処理が施された画像であってもよい。例えばAF制御部360は、図3を用いて後述するように、前処理部320によって前処理が行われた後の画像を用いてAF制御を行ってもよい。或いはAF制御部360は、前処理を行う前の画像を用いてAF制御を行ってもよい。
【0021】
続いて第1の観点から本実施形態の手法を説明する。従来のAF制御においては、撮像素子上に注目被写体の被写体像が結像すると判定されるレンズ位置に、フォーカスレンズ111を移動させる制御を行う。しかし合焦物体位置の異なる2つの画像を同時に撮影し、これらを用いて合成画像を生成する撮像装置10においては、結像位置を撮像素子上とする制御を行うことが望ましくない場合がある。
【0022】
図2は、所与の被写体の結像位置と合成画像の被写界深度の関係を説明する図である。なお、図2では対物光学系110のうち、フォーカスレンズ111を図示している。光路分割部121は被写体像の光路を、対物光学系110から撮像素子122までの光路長が相対的に短い光路と、対物光学系110から撮像素子122までの光路長が相対的に長い光路の2つに分割する。図2は、2つの光路を1つの光軸AX上で表現した図であり、光路分割部121による光路分割とは、光軸AX上における位置が異なる2つの撮像素子122が設けられることと同義である。2つの撮像素子122とは、例えば図2に示す撮像素子Fと撮像素子Nである。
【0023】
撮像素子Fは、光路長が相対的に短い光路による被写体像が結像する撮像素子であり、合焦物体位置が所与の基準位置から遠いFAR画像を撮像する。撮像素子Nは、光路長が相対的に長い光路による被写体像が結像する撮像素子であり、合焦物体位置が基準位置から近いNEAR画像を撮像する。ここでの基準位置とは、対物光学系110における基準となる位置である。基準位置は、例えば対物光学系110のうちの最も被写体に近い固定レンズの位置であってもよいし、挿入部100の先端位置であってもよいし、他の位置であってもよい。なお2つの撮像素子F、撮像素子Nは、図3を用いて後述するように、1枚の撮像素子122によって実現されてもよい。
【0024】
図2のOBが被写体を表し、そのうちのOB1が注目被写体を表す。注目被写体とは、被写体のうちユーザーが注目していると判断される被写体を表す。撮像装置10が内視鏡装置12である場合、注目被写体とは例えば病変である。ただし、注目被写体はユーザーが重点的な観察を望む被写体であればよく、病変に限定されない。例えば、観察の目的によっては、泡や残渣等が注目被写体となってもよい。注目被写体は、ユーザーによって指定されてもよいし、公知の病変検出手法等を用いて自動的に設定されてもよい。
【0025】
内視鏡視検査を行う際、ユーザーは注目被写体である病変だけでなく、その周囲の構造も観察した上で病変の種類や悪性度、病変の広がり具合等を判断する。また、病変以外の注目被写体においても、注目被写体の周辺領域を観察することは重要である。例えば、図2のOB2やOB3が合成被写界深度の範囲内であることが望ましい。また、挿入部100と被写体OBの位置関係が変化した場合に、OB2やOB3がすぐに合成被写界深度から外れてしまうことは望ましくない。
【0026】
従来手法と同様に、撮像素子上に注目被写体の被写体像を結像させる場合を考える。撮像素子F上に注目被写体OB1の被写体像を結像させる場合、注目被写体OB1のPSFはA1であり、合成画像の被写界深度はB1に示した範囲となる。合成画像の被写界深度であるB1は、撮像素子Fに対応する被写界深度(B11)と撮像素子Nに対応する被写界深度(B12)を合成した範囲となる。なお説明の便宜上、図2においてはB11の幅とB12の幅を同じにしているが、通常、遠点側ほど被写界深度の幅は広くなる。被写界深度範囲がB1に示した範囲となる場合、合成画像は注目被写体から対物光学系110に近い方向の被写体には広い範囲においてピントが合い、遠い方向の被写体には相対的に狭い範囲においてピントが合うバランスの悪い画像となる。即ち、A1に示す撮像素子F上を結像位置とした状態は、注目被写体の周辺被写体まで含めた観察に適していない場合がある。
【0027】
また撮像素子N上に注目被写体の被写体像を結像させる場合、注目被写体のPSFはA2であり、合成画像の被写界深度は、B21とB22の合成であるB2に示した範囲となる。被写界深度範囲がB2に示した範囲となる場合、合成画像は注目被写体から対物光学系に近い方向の被写体には狭い範囲においてのみピントが合い、遠い方向の被写体には相対的に広い範囲においてピントが合ったバランスの悪い画像となる。
【0028】
本実施形態においては、合成画像は注目被写体から対物光学系110に近い方向の被写体と、遠い方向の被写体の両方にバランス良くピントが合った画像となることが望ましい。よってAF制御部360は、第1画像を取得する撮像素子122に対応する第1位置と、第2画像を取得する撮像素子122に対応する第2位置の間の位置に、注目被写体の被写体像が結像すると判定される位置に、フォーカスレンズ111を移動させる制御を行う。
【0029】
ここで撮像素子122に対応する位置とは、光路分割部121による光学的な作用に基づいて決定される位置であり、撮像装置10において撮像素子122が配置される物理的な位置とは異なる。例えば、第1位置とは、光路分割部121によって分割された2つの光路のうち、相対的に短い光路長に基づいて決定される位置である。第2位置とは、光路分割部121によって分割された2つの光路のうち、相対的に長い光路長に基づいて決定される位置である。異なる言い方をすれば、第1位置は、第1画像において所与の被写体に対して理想的にピントがあった状態を実現した場合の、当該被写体の像の結像位置である。同様に第2位置は、第2画像において所与の被写体に対して理想的にピントがあった状態を実現した場合の、当該被写体の像の結像位置である。図2の例であれば、第1位置はP1に対応し、第2位置はP2に対応する。ただし、長い光路長に対応する位置を第1位置とし、短い光路長に対応する位置を第2位置としてもよい。
【0030】
本実施形態のAF制御部360は、例えば注目被写体のPSFがA3となる位置に、フォーカスレンズ111を移動させる。即ち、AF制御部360は、注目被写体の被写体像の結像位置が、P1とP2の間のP3となるレンズ位置にフォーカスレンズ111を移動させる制御を行う。この場合、合成画像の被写界深度はB31とB32の合成であるB3に示した範囲となる。撮像素子Fと撮像素子Nの中間位置に注目被写体の被写体像を結像させるAF制御を行うことによって、注目被写体から対物光学系110に近い方向の被写体と、遠い方向の被写体の両方にバランス良くピントが合った合成画像を取得することが可能になる。
【0031】
また、図2においては平面的な構造である注目被写体OB1を垂直な方向から観察する例を示した。しかし注目被写体OB1を斜めから観察する場合や、注目被写体自体が凹凸等の奥行きを有する被写体である場合も考えられる。この場合も、やはり合成被写界深度範囲のバランスが重要であるため、注目被写体の所与の部分に対応する結像位置を、第1位置と第2位置の間の位置とすることが望ましい。
【0032】
なお、図2においては撮像素子Fと撮像素子Nから等距離となる位置である中央位置に、被写体像を結像させた場合を示している。しかし実際には、被写界深度の幅は合焦物体位置によって非線形に変化する。具体的には、合焦物体位置が対物光学系110から遠いほど、被写界深度の幅が広くなる。そのため、撮像素子Fと撮像素子Nの中央位置に被写体像を結像させた状態が、最もバランス良くピントが合った状態になるとは限らない。このため被写体像の結像位置は、撮像素子Fと撮像素子Nの間の任意の位置に調整してもよい。またユーザーの好みに応じて、例えば外部I/F部200等から最終的な結像位置を調整可能に構成してもよい。
【0033】
次に第2の観点から本実施形態の手法を説明する。従来、撮像画像から算出されるAF評価値のピークを探索するAF制御が広く知られている。例えばコントラストAFを用いる場合、AF評価値とはコントラスト値である。ピークを探索する処理においては、例えば、合焦物体位置の異なる複数の画像を撮像し、それぞれの画像から算出されるAF評価値を比較することによって、合焦方向を判別する処理が行われる。合焦方向とは、注目被写体の合焦度合いが向上すると判断されたフォーカスレンズ111の移動方向を表す。従来手法においては、合焦物体位置の異なる複数の画像を撮像するために、フォーカスレンズ又は撮像素子の位置を変化させながら、異なる複数のタイミングにおいて撮像を行う必要があった。
【0034】
これに対して本実施形態の手法では、AF制御部360は、所与のAF制御モードに従って動作することによって、注目被写体にピントが合うと判定される位置に、フォーカスレンズ111を移動させる制御を行う。そしてAF制御部360は、AF制御モードとして、第1画像から算出される第1AF評価値と、第2画像から算出される第2AF評価値を用いてAF制御を行う第1AF制御モードを含む。具体的には、AF制御部360は、所与のタイミングにおいて撮像素子Fによって撮像されたFAR画像のAF評価値と、同じタイミングにおいて撮像素子Nによって撮像されたNEAR画像のAF評価値の両方を用いたAF制御モードによって動作可能である。
【0035】
本実施形態の手法によれば、所与の1タイミングにおける撮像結果に基づいて、複数のAF評価値の取得及び比較が可能である。よって従来手法に比べて少ない短い時間において合焦方向を判別でき、AF制御の高速化が可能である。
【0036】
また従来手法では、注目被写体に合焦したか否かは、AF評価値がピークに到達したか否かによって判定される。AF評価値の絶対値からは当該値がピークであるか否かを判定できないため、周辺のAF評価値との比較が必須となる。これに対して、本実施形態においては、2つのAF評価値の関係に基づいて合焦が完了したか否かを判定できる。即ち、合焦方向の判別だけでなく、合焦完了の判定についても高速化が可能である。
【0037】
2.システム構成
以下では本実施形態の撮像装置10が内視鏡装置12である場合を説明するが、撮像装置10は内視鏡装置12に限定されない。撮像装置10は、合焦物体位置の異なる複数の画像を撮像することによって合成画像を生成し、且つ、AF制御を実行する装置であればよい。例えば、撮像装置10は顕微鏡であってもよい。
【0038】
図3は、内視鏡装置12の詳細な構成例である。内視鏡装置12は、挿入部100と、外部I/F部200と、システム制御装置300と、表示部400と、光源装置500を含む。
【0039】
挿入部100は、体内へ挿入される部分である。挿入部100は、対物光学系110、撮像部120、アクチュエータ130、照明レンズ140、ライトガイド150、AF開始/終了ボタン160を含む。
【0040】
ライトガイド150は、光源520からの照明光を、挿入部100の先端まで導光する。照明レンズ140は、ライトガイド150によって導光された照明光を被写体に照射する。対物光学系110は、被写体から反射した反射光を、被写体像として結像する。対物光学系110は、フォーカスレンズ111を含み、フォーカスレンズ111の位置に応じて合焦物体位置を変更可能である。アクチュエータ130は、AF制御部360からの指示に基づいて、フォーカスレンズ111を駆動する。
【0041】
撮像部120は、光路分割部121及び撮像素子122を含み、合焦物体位置の異なる第1画像と第2画像を同時に取得する。また撮像部120は、第1画像と第2画像のセットを順次取得する。撮像素子122はモノクロセンサであってもよいし、カラーフィルタを備えた素子であってもよい。カラーフィルタは、広く知られたベイヤフィルタであってもよいし、補色フィルタであってもよいし、他のフィルタであってもよい。補色フィルタとは、シアン、マゼンダ及びイエローの各色フィルタを含むフィルタである。
【0042】
図4は、撮像部120の構成例を示す図である。撮像部120は、対物光学系110の挿入部100後端部側に設けられ、被写体像を合焦物体位置の異なる2つの光学像に分割する偏光ビームスプリッタ123と、2つの光学像を撮像することによって2つの画像を取得する撮像素子122を含む。即ち、図4に示す撮像部120において、光路分割部121とは、偏光ビームスプリッタ123である。
【0043】
偏光ビームスプリッタ123は、図4に示すように、第1プリズム123a、第2プリズム123b、ミラー123c、及びλ/4板123dを備えている。第1プリズム123a及び第2プリズム123bは共に光軸に対して45度の斜度であるビームスプリット面を有し、第1プリズム123aのビームスプリット面には偏光分離膜123eが設けられている。そして、第1プリズム123a及び第2プリズム123bは、互いのビームスプリット面を偏光分離膜123eを隔てて当接させて偏光ビームスプリッタ123を構成している。また、ミラー123cは、第1プリズム123aの端面近傍に設けられ、ミラー123cと第1プリズム123aの間にλ/4板123dが設けられる。第2プリズム123bの端面には撮像素子122が取り付けられている。
【0044】
対物光学系110からの被写体像は、第1プリズム123aにおいてそのビームスプリット面に設けられた偏光分離膜123eによってP成分とS成分とに分離され、反射光側の光学像と透過光側の光学像との2つの光学像に分離される。P成分とは透過光であり、S成分とは反射光である。
【0045】
S成分の光学像は、偏光分離膜123eにおいて撮像素子122に対して対面側に反射されA光路を通り、λ/4板123dを透過後、ミラー123cによって撮像素子122側に折り返される。折り返された光学像はλ/4板123dを再び透過する事によって偏光方向が90°回転し、偏光分離膜123eを透過した後、撮像素子122に結像される。
【0046】
P成分の光学像は、偏光分離膜123eを透過した後B光路を通り、撮像素子122に向かって垂直に折り返す第2プリズム123bのビームスプリット面と反対側に設けられたミラー面によって反射され、撮像素子122に結像される。この際、A光路とB光路との間において、例えば、数十μm程度の所定の光路差を生じさせることによって、ピントが異なる2つの光学像を撮像素子122の受光面に結像させる。
【0047】
図5に示すように、撮像素子122は、全画素領域の中に2つの受光領域122a,122bが設けられている。受光領域は、有効画素領域と言い換えてもよい。受光領域122a,122bは、2つの光学像を撮像するために、これらの光学像の結像面とそれぞれ一致する位置に配置されている。そして、撮像素子122において、受光領域122aは、受光領域122bに対して合焦物体位置が相対的に近点側にシフトしている。これによって、合焦物体位置が異なる2つの光学像を撮像素子122の受光面に結像させる。
【0048】
図4及び図5の例において、撮像素子122のうちの受光領域122aが、NEAR画像を撮像する撮像素子Nに対応する。また、撮像素子122のうちの受光領域122bが、FAR画像を撮像する撮像素子Fに対応する。即ち、図4及び図5の例においては、撮像素子Nと撮像素子Fは1枚の素子によって実現される。
【0049】
図6は、撮像部120の他の構成例を示す図である。図6に示すように、撮像部120は、プリズム124と、2つの撮像素子122を含む。2つの撮像素子122とは、具体的には撮像素子122c、撮像素子122dである。図6に示す撮像部120において、光路分割部121とは、プリズム124である。
【0050】
このプリズム124は、例えば直角三角形のプリズム素子124a、124bの両斜面を当接することによって形成される。プリズム素子124aの端面付近に、該端面に対向する位置に一方の撮像素子122cが取り付けられている。また、プリズム素子124bの端面付近に、該端面に対向する位置に他方の撮像素子122dが取り付けられている。なお、撮像素子122cと撮像素子122dとは、特性が揃ったものを用いることが好ましい。
【0051】
プリズム124は、対物光学系110を経て入射される光を、例えば等量の反射光と透過光とに分離することによって、透過光側の光学像と反射光側の光学像との2つの光学像に分離する。撮像素子122cは透過光側の光学像を光電変換し、撮像素子122dは反射光側の光学像を光電変換する。
【0052】
本実施形態においては、撮像素子122c、122dは、合焦物体位置が異なる。例えば、プリズム124における撮像素子122cに至る透過光側の光路長(硝路長)dcに対して反射光側の光路長ddが短く(小さく)なる。そして、撮像素子122cは、撮像素子122dに対して合焦物体位置が相対的に近点側にシフトしている。なお、プリズム素子124aと124bにおける両者の屈折率を異ならせることによって、撮像素子122c、122dに至る光路長を変えてもよい。図6の例において、撮像素子122cが、NEAR画像を撮像する撮像素子Nに対応し、撮像素子122dが、FAR画像を撮像する撮像素子Fに対応する。即ち、図6の例においては、撮像素子Nと撮像素子Fは2枚の素子によって実現される。
【0053】
図4図6に示したように、撮像部120の具体的な構成は種々の変形実施が可能である。また、撮像部120は、合焦物体位置の異なる2つの光路の被写体像をそれぞれ撮像することによって、第1画像及び第2画像を取得できればよく、図4図6を用いて例示した構成に限定されない。
【0054】
AF開始/終了ボタン160は、ユーザーがAFの開始/終了を操作するための操作インターフェースである。
【0055】
外部I/F部200は、内視鏡装置12に対するユーザーからの入力を行うためのインターフェースである。外部I/F部200は、例えばAF制御モードの設定ボタン、AF領域の設定ボタン、画像処理パラメータの調整ボタンなどを含む。
【0056】
システム制御装置300は、画像処理やシステム全体の制御を行う。システム制御装置300は、A/D変換部310、前処理部320、画像合成部330、後処理部340、システム制御部350、AF制御部360、光量決定部370を含む。
【0057】
本実施形態のシステム制御装置300(処理部、処理回路)は、下記のハードウェアによって構成される。ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、ハードウェアは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置や、1又は複数の回路素子によって構成できる。1又は複数の回路装置は例えばIC等である。1又は複数の回路素子は例えば抵抗、キャパシター等である。
【0058】
またシステム制御装置300である処理回路は、下記のプロセッサによって実現されてもよい。本実施形態の撮像装置10は、情報を記憶するメモリと、メモリに記憶された情報に基づいて動作するプロセッサと、を含む。情報は、例えばプログラムと各種のデータ等である。プロセッサは、ハードウェアを含む。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。メモリは、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリであってもよいし、レジスターであってもよいし、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリはコンピュータによって読み取り可能な命令を格納しており、当該命令をプロセッサが実行することによって、撮像装置10の各部の機能が処理として実現される。撮像装置10の各部とは、具体的にはシステム制御装置300の各部であり、A/D変換部310、前処理部320、画像合成部330、後処理部340、システム制御部350、AF制御部360、光量決定部370を含む。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットの命令でもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
【0059】
また、本実施形態のシステム制御装置300の各部は、プロセッサ上で動作するプログラムのモジュールとして実現されてもよい。例えば、画像合成部330は画像合成モジュールとして実現され、AF制御部360はAF制御モジュールとして実現される。
【0060】
また、本実施形態のシステム制御装置300の各部が行う処理を実現するプログラムは、例えばコンピュータによって読み取り可能な媒体である情報記憶装置に格納できる。情報記憶装置は、例えば光ディスク、メモリーカード、HDD、或いは半導体メモリなどによって実現できる。半導体メモリは例えばROMである。システム制御装置300は、情報記憶装置に格納されるプログラムに基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶装置は、システム制御装置300の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記憶する。コンピュータは、入力装置、処理部、記憶部、出力部を備える装置である。プログラムは、システム制御装置300の各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的には本実施形態に係るプログラムは、図8図10を用いて後述する各ステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0061】
A/D変換部310は、撮像部120から順次出力されるアナログ信号をデジタルの画像に変換し、前処理部320に順次出力する。前処理部320は、A/D変換部310から順次出力されるFAR画像及びNEAR画像に対して、各種補正処理を行い、画像合成部330、AF制御部360に順次出力する。被写体像を2つに分離した後に撮像素子にそれぞれ結像させる場合、以下の幾何的な差異が生じる場合がある。撮像素子122の撮像面にそれぞれ結像される2つの被写体像は、相対的に倍率ズレ、位置ズレ、回転方向のズレが発生する。また撮像素子122として2つの撮像素子122c,122dを用いる場合、各素子の感度差などから明るさのズレが生じる場合がある。これらのズレ量が大きくなると、合成画像が2重画像となったり、不自然な明るさムラ等が生じてしまう。このため、本実施形態では、前処理部320において、上述した幾何的な差異、明るさ差異を補正する。
【0062】
画像合成部330は、前処理部320から順次出力される、補正された2つの画像を合成することによって1つの合成画像を生成し、後処理部340に順次出力する。具体的には、画像合成部330は、前処理部320により補正された2つの画像間の対応する所定領域において、相対的にコントラストが高い画像を選択する処理によって合成画像を生成する。つまり画像合成部330は、2つの画像における空間的に同一の画素領域それぞれにおけるコントラストを比較し、相対的にコントラストが高い方の画素領域を選択することによって、2つの画像から合成された1つの合成画像を生成する。なお画像合成部330は、2つの画像の同一の画素領域におけるコントラスト差が小さい又は略同一である場合は、その画素領域に所定の重み付けした後に加算する処理によって、合成画像を生成してもよい。
【0063】
後処理部340は、画像合成部330から順次出力される合成画像に対し、ホワイトバランス処理、デモザイク処理、ノイズ低減処理、色変換処理、階調変換処理、輪郭強調処理等の各種画像処理を行い、光量決定部370、表示部400に順次出力する。
【0064】
システム制御部350は、撮像部120、AF開始/終了ボタン160、外部I/F部200、AF制御部360と互いに接続され、各部を制御する。具体的には、システム制御部350は、各種制御信号の入出力を行う。AF制御部360は、前処理部320から順次出力される、補正された2つの画像のうち少なくとも一方を用いてAF制御を行う。AF制御の詳細については後述する。光量決定部370は、後処理部340から順次出力される画像から光源の目標光量を決定し、光源制御部510に順次出力する。
【0065】
表示部400は、後処理部340から出力される画像を順次表示する。即ち表示部400は、深度拡大が行われた画像をフレーム画像とする動画を表示する。表示部400は、例えば液晶ディスプレイやEL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。
【0066】
光源装置500は、光源制御部510、光源520を含む。光源制御部510は、光量決定部370から順次出力される光源の目標光量に従って、光源520の光量を制御する。光源520は、照明光を発光する。光源520は、キセノン光源であってもよいし、LEDであってもよいし、レーザー光源であってもよい。また光源520は他の光源であってもよく、発光方式は限定されない。
【0067】
3.AF制御の詳細
次に本実施形態のAF制御の具体例を説明する。まずFAR画像とNEAR画像の両方を用いる第1AF制御モードと、FAR画像とNEAR画像のいずれか一方を用いる第2AF制御モードについて説明する。その後、第1AF制御モードと第2AF制御モードの切り替え処理と、AF制御の変形例を説明する。なお、以下の説明におけるコントラスト値はAF評価値の一例であり、他のAF評価値に置き換え可能である。
【0068】
3.1 第1AF制御モード
撮像素子Fと撮像素子Nの中央位置に被写体像が結像した場合、FAR画像とNEAR画像のコントラスト値はほぼ同等となる。このため撮像素子Fと撮像素子Nの中央位置に被写体像を結像させるには、AF制御部360は、FAR画像とNEAR画像のコントラスト値を監視しながらフォーカスレンズ位置を調整すればよい。撮像素子Fと撮像素子Nの中央位置以外を目標位置とする場合も、既知であるPSFの形状や事前の実験等から被写体像の結像位置と、FAR画像とNEAR画像のコントラスト値の関係を対応づけておき、FAR画像とNEAR画像のコントラスト値の関係を監視しながらフォーカスレンズ111の位置を調整すればよい。
【0069】
FAR画像のコントラスト値とNEAR画像のコントラスト値の両方を用いる第1AF制御モードの詳細について、図7及び図8を用いて説明する。
【0070】
図7は、AF制御部360の構成を示す図である。AF制御部360は、AF領域設定部361、AF評価値算出部362、方向判別部363、合焦判定部364、レンズ駆動量決定部365、目標結像位置設定部366、モード切り替え制御部367、フォーカスレンズ駆動部368を含む。
【0071】
AF領域設定部361は、FAR画像及びNEAR画像に対してAF評価値の算出対象となるAF領域を設定する。AF評価値算出部362は、AF領域の画素値に基づいて、AF評価値を算出する。方向判別部363は、フォーカスレンズ111の駆動方向を判別する。合焦判定部364は、合焦動作が完了したか否かを判定する。レンズ駆動量決定部365は、フォーカスレンズ111の駆動量を決定する。フォーカスレンズ駆動部368は、決定された駆動方向及び駆動量に基づいて、アクチュエータ130を制御することによってフォーカスレンズ111を駆動する。目標結像位置設定部366は、目標結像位置を設定する。目標結像位置とは、注目被写体の結像位置の目標となる位置である。合焦判定部364による判定は、被写体像の結像位置が目標結像位置に到達したか否かの判定である。モード切り替え制御部367は、AF制御モードの切り替えを行う。なお、ここではAF制御モードは第1AF制御モードである例について説明し、モード切り替えの詳細については、図9及び図10を用いて後述する。
【0072】
図8はAF制御を説明するフローチャートである。AF制御が開始されるとまず合焦動作が開始される。合焦動作においては、まずAF領域設定部361が、前処理部320から順次出力されるFAR画像及びNEAR画像のそれぞれに対して、同じ位置にAF領域を設定する(S101)。例えば、AF領域設定部361は、ユーザーが外部I/F部200から設定したAF領域の位置やサイズ等の情報に基づいてAF領域を設定する。或いはAF領域設定部361は、既存の病変検出機能等を用いて病変を検出し、検出した病変を含む領域を、自動的にAF領域として設定してもよい。AF領域とは、注目被写体が撮像された領域である。
【0073】
AF評価値算出部362は、前処理部320から順次出力されるFAR画像及びNEAR画像から、それぞれに対応する2つのAF評価値を算出する(S102)。AF評価値とは、AF領域内の被写体に対する合焦度合いに応じて大きくなる値である。AF評価値算出部362は、例えばAF領域内の各画素に対してバンドパスフィルタを適用し、その出力値を累積することによってAF評価値を算出する。また、AF評価値の算出はバンドパスフィルタを用いるものに限定されず、公知の手法を広く適用可能である。以下、FAR画像のAF領域に基づいて算出されたAF評価値をAF評価値Fと表記し、NEAR画像のAF領域に基づいて算出されたAF評価値をAF評価値Nと表記する。
【0074】
目標結像位置設定部366は、目標結像位置を表す目標結像位置情報を設定する(S103)。目標結像位置情報は、AF評価値FとAF評価値Nの関係を表す値である。AF評価値FとAF評価値Nの関係とは、例えば比率情報であるが、差分情報等の他の関係を表す情報でもよい。ここでの比率情報、差分情報は、単純な比率、差分に限定されず、比率或いは差分に基づく種々の情報に拡張可能である。例えば目標結像位置を撮像素子Fと撮像素子Nの中央位置とする場合であって、AF評価値FとAF評価値Nの比率情報を目標結像位置情報として設定する場合、目標結像位置情報は1となる。目標結像位置情報は任意の固定値でもよいし、ユーザーが外部I/F部200から好みに応じて調整してもよい。
【0075】
方向判別部363は、AF評価値F、AF評価値N、及び目標結像位置情報に基づいて、合焦方向を判別する(S104)。合焦方向とは、注目被写体の結像位置を目標結像位置に近づけるための、フォーカスレンズ111の駆動方向である。例えば目標結像位置情報が1の場合、方向判別部363は、AF評価値FとAF評価値Nの値を比較し、いずれの値が小さいかの判定に基づいて合焦方向を判別する。例えばAF評価値F>AF評価値Nであれば、結像位置が撮像素子Nに近づくようなフォーカスレンズ111の駆動方向が、合焦方向となる。広義には、方向判別部363は、例えば現在の結像位置を表す値(結像位置情報)を算出し、結像位置情報が目標結像位置情報に近づくフォーカスレンズ111の駆動方向を合焦方向とする。結像位置情報は目標結像位置情報と同様の情報である。例えば目標結像位置情報がAF評価値FとAF評価値Nの比率情報である場合、結像位置情報は、現在のAF評価値FとAF評価値Nの比率情報である。
【0076】
合焦判定部364は、目標結像位置情報、及び結像位置情報に基づいて、合焦動作が完了したか否かを判定する(S105)。例えば合焦判定部364は、目標結像位置情報と結像位置情報の差分が、所定の閾値以下であると判定された場合に、合焦が完了したと判定する。或いは合焦判定部364は、目標結像位置情報と結像位置情報の比率と、1との差分が所定の閾値以下であると判定された場合に、合焦が完了したと判定してもよい。
【0077】
レンズ駆動量決定部365は、フォーカスレンズ111の駆動量を決定し、フォーカスレンズ駆動部368は、方向判別結果と駆動量に基づいてフォーカスレンズ111を駆動する(S106)。フォーカスレンズ111の駆動量は所定の値でもよいし、目標結像位置情報と結像位置情報の差分に基づいて決定してもよい。具体的には、目標結像位置情報と結像位置情報の差分が所定の閾値以上である場合は、レンズ駆動量決定部365は、目標結像位置と現在の結像位置が大きく離れているため駆動量を大きく設定し、閾値以下である場合は目標結像位置と現在の結像位置が近い位置にあるため駆動量を小さく設定する。またレンズ駆動量決定部365は、目標結像位置情報と結像位置情報の比率に基づいて駆動量を決定してもよい。なおS105において合焦動作が完了したと判定された場合は、駆動量は0に設定される。このような制御を行うことによって、合焦状態に応じて適切なレンズ駆動量の設定が可能となり、高速なAF制御が実現できる。
【0078】
S105において合焦完了と判定された場合(S107の判定結果がYes)、AF制御部360は合焦動作を終了した後、待機動作に遷移する。合焦が完了していない場合(S107の判定結果がNo)、AF制御部360は、S101からの制御をフレーム毎に再度実行する。
【0079】
待機動作が開始されると、AF制御部360はシーン変化を検出する(S201)。例えばAF制御部360は、前処理部320から順次出力される2つの画像、或いはいずれか一方の画像から、AF評価値、画像の輝度情報、色情報等の経時的な変化度合いを算出する。AF制御部360は、当該経時的な変化度合いが所定以上の場合に、シーン変化が検出されたと判定する。またAF制御部360は、画像の動き情報や図示しない加速度センサ、距離センサ等を用いて、挿入部100の移動度合いや被写体である生体の変形度合いを算出することによって、シーン変化を検出してもよい。
【0080】
シーン変化が検出された場合(S202の判定結果がYes)、AF制御部360は待機動作を終了した後、合焦動作に遷移する。シーン変化が検出されない場合(S202の判定結果がNo)、S201からの制御をフレーム毎に再度実行する。
【0081】
以上で説明した通り、本実施形態のAF制御部360は、第1画像から算出される第1AF評価値と、第2画像から算出される第2AF評価値が、所与の関係となると判定される位置に、フォーカスレンズ111を移動させる制御を行う。第1AF評価値と第2AF評価値の一方がAF評価値Nに対応し、他方がAF評価値Fに対応する。このようにすれば、2つのAF評価値の関係に基づいて、被写界深度拡大後の合成画像において、最適な被写界深度範囲を実現できる。より具体的には、撮像素子N及び撮像素子Fの一方に対応する第1位置と他方に対応する第2位置との間に、注目被写体の像が結像する状態を実現できる。
【0082】
具体的には、AF制御部360は、図7に示したように、合焦方向の判別を行う方向判別部363をさらに含む。そして方向判別部363は、第1AF制御モードにおいて、第1AF評価値と第2AF評価値の関係に基づいて、合焦方向の判別を行う。このような制御を行うことによって、1フレームに相当する時間において方向判別が可能となり、既知のウォブリング等を用いた方向判別と比べて高速なAF制御が実現できる。
【0083】
またAF制御部360は、フォーカスレンズ111の駆動量を決定するレンズ駆動量決定部365をさらに含む。そしてレンズ駆動量決定部365は、第1AF制御モードにおいて、第1AF評価値と第2AF評価値の関係に基づいて、駆動量を決定する。このようにすれば、現在の結像位置と目標結像位置との関係を考慮して、柔軟に駆動量を決定することが可能になる。
【0084】
またAF制御部360は、合焦動作が完了したか否かを判定する合焦判定部364をさらに含む。そして合焦判定部364は、第1AF制御モードにおいて、第1AF評価値と第2AF評価値の関係に基づいて、合焦動作が完了したか否かを判定する。従来のコントラストAF等では、AF評価値のピークを探索する必要があり、例えば合焦方向の切り替わりを所定回数検出すること等が合焦判定の条件として用いられる。これに対して本実施形態の手法によれば、少ないフレーム、狭義には1フレームに相当する時間において合焦判定が可能となり、高速なAF制御が実現できる。
【0085】
なおAF制御部360は、撮像素子Fに対応する第1位置と撮像素子Nに対応する第2位置の中央位置に、注目被写体の被写体像が結像すると判定される位置に、フォーカスレンズ111を移動させる制御を行ってもよい。例えばAF制御部360は、注目被写体のPSFが図2のA3となるレンズ位置にフォーカスレンズ111を移動させる。中央位置とは第1位置からの距離と第2位置からの距離が略等しい位置を表す。このようにすれば、図2のB3に示した通り、合成被写界深度は、注目被写体の位置を基準として、遠点側にB31、近点側にB32だけの幅を有することになり、バランスのとれた設定が可能になる。中央位置を用いる場合、2つのAF評価値の関係は、比率が1或いは差分が0となる関係、或いはそれに類する関係である。
【0086】
ただし、望ましい合成被写界深度の範囲は、注目被写体の種類、観察状況、ユーザーの好み等によっても変化する。そのため、目標結像位置は第1位置と第2位置の間となる他の位置であってもよい。さらに言えば、AF制御部360は、第1画像を取得する撮像素子に対応する第1位置、第2画像を取得する撮像素子に対応する第2位置、及び第1位置と第2位置の間の位置のいずれかに注目被写体の被写体像が結像すると判定される位置に、フォーカスレンズ111を移動させる制御を行ってもよい。即ち、注目被写体の被写体像が、撮像素子Fに対応する位置と撮像素子Nに対応する位置のいずれかとなることも妨げられない。このようにすれば、目標結像位置を柔軟に設定することが可能になる。例えば図12(B)及び図12(C)を用いて後述するように、被写体形状が所与の条件を満たす場合、目標結像位置設定部366は、撮像素子上の位置を目標結像位置とする目標結像位置情報を設定する。
【0087】
3.2 第2AF制御モード
撮像素子Fと撮像素子Nの間の距離は設計値のため既知である。また、フォーカスレンズ111の移動量と結像位置の移動量の関係も設計値のため既知である。このためAF制御部360は、以下の制御に基づいて、被写界深度拡大後の合成画像において、最適な被写界深度範囲を実現できる。まずAF制御部360は、既知のAF手法を用いて、撮像素子F及び撮像素子Nのいずれか一方に被写体像を結像させる。既知のAF手法は、コントラストAF、位相差AF等の種々の手法を適用可能である。その後、AF制御部360は、撮像素子Fと撮像素子Nの中間の任意の位置に被写体像が結像すると判定される位置に、フォーカスレンズ111を移動させる制御を行う。
【0088】
即ちAF制御部360は、AF制御モードとして、第1AF評価値と第2AF評価値のいずれか一方を用いてAF制御を行う第2AF制御モードを含む。第2AF制御モードを用いることによって、合焦物体位置の異なる2枚の画像を同時に撮影する撮像装置10において、従来と同様のAF制御手法を適用しつつ、合成画像の被写界深度範囲を適切に設定することが可能になる。
【0089】
第2AF制御モードにおける処理は、図8と同様である。ただし、目標結像位置設定部366は、S103において、目標結像位置として、調整後のフォーカスレンズ111の位置を設定する。例えば、目標結像位置設定部366は、撮像素子Fと撮像素子Nのいずれか一方に合焦した後に、フォーカスレンズ111の位置を調整する際のフォーカスレンズ111の調整量を設定する。調整量とは、駆動方向及び駆動量である。
【0090】
S104及びS105における処理は、公知のAF制御と同様となる。例えばAF評価値算出部362は、異なる2つのタイミングにおいて取得された2枚のFAR画像に基づいて2つのAF評価値Fを算出する。方向判別部363は、2つのAF評価値Fの比較処理に基づいて、注目被写体の結像位置を撮像素子F上とするための合焦方向を判別する(S104)。また合焦判定部364は、AF評価値Fのピークが検出されたと判定された場合に、合焦完了と判定する(S105)。例えば、合焦判定部364は、合焦方向の切り替わりが所定回数検出された場合に、合焦完了と判定する。以上ではFAR画像を用いて撮像素子Fに被写体像を結像させる例を示したが、AF制御部360は、NEAR画像を用いて撮像素子Nに被写体像を結像させてもよい。
【0091】
レンズ駆動量決定部365は、S105において合焦完了と判定されていない場合は、結像位置を撮像素子Nと撮像素子Fのいずれか一方の位置に移動させるための駆動量を設定する。ここでの駆動量は、固定値であってもよいし、2つのAF評価値F(或いは2つのAF評価値N)の関係に基づいて動的に値が変更されてもよい。またレンズ駆動量決定部365は、S105において合焦完了と判定された場合、結像位置を撮像素子Nと撮像素子Fのいずれか一方の位置から目標結像位置に移動させるための駆動量を設定する。この際の駆動量は、目標結像位置設定部366によって設定された駆動量(調整量)である。フォーカスレンズ駆動部368は、設定された駆動量に従ってフォーカスレンズ111を駆動する(S106)。
【0092】
以上のように、AF制御部360は、第2AF制御モードにおいて、第1画像を取得する撮像素子に対応する第1位置に注目被写体の被写体像が結像すると判定される位置に、フォーカスレンズを移動させる制御を行った後、被写体像が結像する位置を、第2画像を取得する撮像素子に対応する第2位置へ向かう方向に所定量だけ移動させると判定される位置に、フォーカスレンズ111を移動させる制御を行う。具体的には、AF制御部360は、第2AF制御モードにおいて、FAR画像を取得する撮像素子Fに対応する位置(図2の例であればP1)に注目被写体の被写体像が結像するレンズ位置にフォーカスレンズ111を制御した後、被写体像が結像する位置を、NEAR画像を取得する撮像素子Nに対応する位置(P2)へ向かう方向に所定量だけ移動させるレンズ位置にフォーカスレンズ111を制御する。或いはAF制御部360は、第2AF制御モードにおいて、NEAR画像を取得する撮像素子Nに対応する位置(P2)に注目被写体の被写体像が結像するレンズ位置にフォーカスレンズ111を制御した後、被写体像が結像する位置を、FAR画像を取得する撮像素子Fに対応する位置(P1)へ向かう方向に所定量だけ移動させるレンズ位置にフォーカスレンズ111を制御する。このような制御によって、従来と同様のAF制御手法を適用しつつ、合成画像の被写界深度範囲を適切に設定することが可能になる。
【0093】
3.3 AF制御モードの切り替え処理
また、以上では第1AF制御モードにおける処理、第2AF制御モードにおける処理をそれぞれ説明したが、AF制御モードは、いずれか一方のモードに固定されるものに限定されない。
【0094】
AF制御部360は、第1AF制御モードと第2AF制御モードの切り替え制御を行ってもよい。図7に示したように、AF制御部360はモード切り替え制御部367をさらに含む。そしてモード切り替え制御部367は、被写体の特徴や光学系の結像状態に応じて、AF評価値F及びAF評価値Nの両方を用いてAF制御を行う第1AF制御モードと、いずれか一方を用いてAF制御を行う第2AF制御モーを切り替える。
【0095】
この場合、図9を用いて後述するようにS103からS106に対応する全てのステップを切り替えてもよいし、図10を用いて後述するように一部のステップを切り替えてもよい。被写体の特徴や光学系の結像状態に応じて、最適なAF制御モードを選択することによって、高速且つ高精度なAF制御が実現できる。
【0096】
例えば被写体が非常に低コントラストな被写体である場合は、光学系の結像状態によらずAF評価値FとAF評価値Nの差が非常に小さくなるため、第1AF制御モードでは精度良くAF制御を行うことができない可能性がある。このような場合は例えば、まず低コントラスト被写体か否かを判定し、低コントラスト被写体と判定された場合、モード切り替え制御部367は第2AF制御モードに切り替える。例えばモード切り替え制御部367は、AF評価値FとAF評価値Nの両方が閾値以下である場合に、低コントラスト被写体と判定すればよい。さらにモード切り替え制御部367は、AF評価値FとAF評価値Nの関係から決まる条件を加えて、低コントラスト被写体を判定してもよい。例えばモード切り替え制御部367は、AF評価値FとAF評価値Nの差分が閾値以下の場合や、AF評価値FとAF評価値Nの比率が1に近い場合に、低コントラスト被写体と判定してもよい。
【0097】
図9は、低コントラスト被写体か否かの判定に基づいて、切り替え制御が行われる場合の合焦動作を説明するフローチャートである。図9のS101及びS102は、図8と同様である。次にAF制御部360は、注目被写体が低コントラスト被写体か否かを判定する(S200)。低コントラスト被写体でないと判定された場合(S200の判定結果がNo)、AF制御部360は、第1AF制御モードを用いてAF制御を行う。即ち、目標結像位置設定部366は、AF評価値FとAF評価値Nの関係を用いて目標結像位置を設定する(S1031)。方向判別部363は、AF評価値FとAF評価値Nの関係に基づいて合焦方向を判定し(S1041)、合焦判定部364は、AF評価値FとAF評価値Nの関係に基づいて合焦が完了したか否かを判定する(S1051)。レンズ駆動量決定部365は、方向判別及び合焦判定の結果に基づいてフォーカスレンズ111の駆動量を決定し、フォーカスレンズ駆動部368は当該駆動量に従ってフォーカスレンズ111を駆動する(S1061)。
【0098】
一方、低コントラスト被写体であると判定された場合(S200の判定結果がYes)、AF制御部360は、第2AF制御モードを用いてAF制御を行う。即ち、目標結像位置設定部366は、撮像素子Fまたは撮像素子Nのいずれか一方に被写体像を結像させた後のフォーカスレンズ111の調整量を設定する(S1032)。方向判別部363は、既知のコントラストAFにおける方向判別手法を用いて合焦方向を判別し(S1042)、合焦判定部364は、既知のコントラストAFにおける合焦判定手法を用いて、合焦が完了したか否かを判定する(S1052)。レンズ駆動量決定部365は、フォーカスレンズの駆動量を決定し、フォーカスレンズ駆動部368が、方向判別結果と駆動量に基づいてフォーカスレンズ111を駆動する(S1062)。また第2AF制御モードにおいては、S1052において合焦が完了したと判定された場合は方向判別結果にかかわらず、S1032において設定されたフォーカスレンズ111の調整量に基づいてフォーカスレンズ111を駆動する
【0099】
図9に示したAF制御を行うことによって、低コントラスト被写体に対しても高精度なAF制御が実現できる。
【0100】
また、光学系が大ボケしている場合は、ウォブリング駆動等を用いる第2AF制御モードによって動作する場合、精度良く方向判別を行えない可能性がある。ここで大ボケとは、撮像画像において被写体への合焦度合いが著しく低い状態を表す。このような場合、モード切り替え制御部367は、まず大ボケ状態か否かを判定し、大ボケ状態と判定された場合、第1AF制御モードに切り替える制御を行う。例えばモード切り替え制御部367は、AF評価値FとAF評価値Nの両方が閾値以下であり、且つ、AF評価値FとAF評価値Nの差分が閾値以上の場合に大ボケ状態と判定する。或いはモード切り替え制御部367は、AF評価値FとAF評価値Nの比率が大きい場合に、大ボケ状態と判定する。
【0101】
図10は、大ボケ状態か否かの判定に基づいて、切り替え制御が行われる場合の合焦動作を説明するフローチャートである。図10のS101及びS102は、図8と同様である。次にAF制御部360は、大ボケ状態か否かを判定する(S210)。大ボケ状態であると判定された場合(S210の判定結果がYes)、AF制御部360は、第1AF制御モードを用いてAF制御を行う。大ボケ状態でないと判定された場合(S210の判定結果がNo)、AF制御部360は、第2AF制御モードを用いてAF制御を行う。
【0102】
なおAF制御部360は、第1AF制御モードにおいて、図9のS1051に相当する合焦判定を行わない。合焦状態に近づくことによって、大ボケ状態が解消するため、第1AF制御モードにおいて合焦判定をする利点が小さいためである。その他のステップにおける制御は、これまでの説明と同様である。このようなAF制御を行うことによって、光学系が大ボケしている場合は高速な方向判別が可能な第1AF制御モードによるAF制御が実行され、その後、合焦状態に近くなると高精度な合焦が可能な第2AF制御モードによるAF制御が実行される。これによって、高速かつ高精度なAF制御が実現できる。
【0103】
以上のように、AF制御部360は、第1AF評価値及び第2AF評価値に基づいて、注目被写体が所与の基準よりもコントラストが低い低コントラスト被写体であるか否かを判定する低コントラスト被写体判定処理を行う。そしてAF制御部360は、低コントラスト被写体判定処理に基づいて、第1AF制御モードと第2AF制御モードの切り替え制御を行う。或いは、AF制御部360は、第1AF評価値及び第2AF評価値に基づいて、注目被写体に対する合焦度合いが所与の基準よりも低い大ボケ状態であるか否かを判定する大ボケ判定処理を行い、大ボケ判定処理に基づいて、第1AF制御モードと第2AF制御モードの切り替え制御を行う。なお、低コントラストと判定する基準、及び大ボケ状態と判定する基準は、所与の固定値であってもよいし、動的に変更されてもよい。
【0104】
このようにすれば、注目被写体の特性、或いは撮像される状況に応じて、適切なAF制御モードを選択することが可能になる。その際、第1AF評価値と第2AF評価値の両方を用いることによって、ウォブリング制御等を行う従来手法に比べて、切り替え制御を行うための判定を高速に実行することが可能になる。ただし、低コントラスト被写体判定処理又は大ボケ判定処理において、第1AF評価値と第2AF評価値の一方を用いる変形実施も妨げられない。なお、ここでは第1AF制御モードと第2AF制御モードの切り替えに低コントラスト被写体か否か、又は、大ボケ状態か否かの判定を用いる例を示したが、切り替え判定はこれに限定されず、他の判定であってもよい。
【0105】
3.4 AF制御の変形例
また第1AF制御モードにおけるAF制御は、方向判別及び合焦判定を繰り返す上述の手法に限定されない。例えばAF制御部360は、第1AF制御モードにおいて、第1AF評価値のピークに対応するフォーカスレンズ111の位置と、第2AF評価値のピークに対応するフォーカスレンズ111の位置との間の位置に、フォーカスレンズ111を移動させる制御を行う。なおAF評価値のピークとは、AF評価値の最大値である。
【0106】
具体的には、AF制御部360は、まず所与の範囲においてフォーカスレンズ111を駆動(スキャン)しながら、FAR画像及びNEAR画像を取得する。各フォーカスレンズ位置において撮像されたFAR画像とNEAR画像に基づいてコントラスト値を算出することによって、フォーカスレンズ位置とFAR画像のコントラスト値との関係、及び、フォーカスレンズ位置とNEAR画像のコントラスト値の関係が求められる。AF制御部360は、それぞれのコントラスト値がピークとなるフォーカスレンズ位置を検出する。その後、AF制御部360は、2つのピークに対するフォーカスレンズ位置の間の任意の位置に、フォーカスレンズ位置を調整する。
【0107】
FAR画像のコントラスト値がピークとなるフォーカスレンズ位置とは、注目被写体が撮像素子F上に結像するフォーカスレンズ位置である。NEAR画像のコントラスト値がピークとなるフォーカスレンズ位置とは、注目被写体が撮像素子N上に結像するフォーカスレンズ位置である。このようにすれば、フォーカスレンズ111を所与の範囲においてスキャンする手法によって、注目被写体の結像位置を、第1位置と第2位置の間の位置に設定できる。そのため、被写界深度拡大後の合成画像において最適な被写界深度範囲を実現できる。
【0108】
またAF制御部360は、第2AF制御モードにおいて、スキャン駆動によるピーク検出に基づいて、AF制御を行ってもよい。
【0109】
3.5 被写体形状の推定
図11は、本実施形態に係る撮像装置10の一例である内視鏡装置12の他の構成例である。内視鏡装置12は、注目被写体およびその周囲の形状を推定する被写体形状推定部600をさらに含む。また内視鏡装置12は、目標結像位置設定部366を含み、目標結像位置設定部366は、被写体形状推定部600において推定された被写体形状に基づいて目標結像位置を設定する。そしてAF制御部360は、目標結像位置設定部366において設定された目標結像位置に、注目被写体の被写体像が結像すると判定される位置に、フォーカスレンズ111を移動させる制御を行う。このような制御を行うことによって、被写体の形状に応じて、最適な範囲にピントが合った合成画像を取得することが可能になる。
【0110】
図12(A)~図12(C)は、被写体形状と望ましい被写界深度範囲の関係を例示する図である。図2等を用いて説明してきた例では、図12(A)に示すとおり、注目被写体から対物光学系に近い方向と遠い方向の両方に被写体が存在することを想定した。この場合にバランス良くピントが合った合成画像を取得するために、撮像素子Fと撮像素子Nの間の位置に目標結像位置を設定した。
【0111】
しかし実際の内視鏡検査においては、対物光学系110に対して、注目被写体から遠い方向のみに被写体が存在するようなシーンも発生する。このようなシーンとしては、例えば、図12(B)に示すとおり、ポリープ状の病変を正面に近い方向から観察する場合が考えられる。被写体形状推定部600において、被写体がこのような形状であると推定された場合、目標結像位置設定部366は、より撮像素子Nに対応する位置に近い位置に目標結像位置を設定する。より具体的には、目標結像位置設定部366は、撮像素子Nが目標結像位置となる目標結像位置情報を設定する。これによって、ポリープ状の被写体の広い範囲にピントが合った合成画像を取得することが可能になる。
【0112】
また内視鏡検査においては、対物光学系110に対して、注目被写体から近い方向のみに被写体が存在するようなシーンも発生する。このようなシーンとしては、例えば、図12(C)に示すとおり、陥凹状の病変を正面に近い方向から観察する場合が考えられる。被写体形状推定部600において、被写体がこのような形状であると推定された場合、目標結像位置設定部366は、より撮像素子Fに対応する位置に近い位置に目標結像位置を設定する。より具体的には、目標結像位置設定部366は、撮像素子Fが目標結像位置となる目標結像位置情報を設定する。これによって、陥凹状の被写体の広い範囲にピントが合った合成画像を取得することが可能になる。
【0113】
さらに目標結像位置設定部366は、撮像素子Fと撮像素子Nの間の位置に目標結像位置情報を設定する場合においても、被写体形状推定部600において推定された被写体形状に基づいて、適応的に目標結像位置情報を設定してもよい。
【0114】
被写体形状推定部600は、例えば前処理部320から出力される画像から輝度分布、色分布等の情報を利用することによって被写体形状を推定する。また被写体形状推定部600は、SfM(Structure From Motion)、DfD(Depth from Defocus)等の既知の形状推定技術を用いて、被写体形状を推定してもよい。また内視鏡装置12は、例えば2眼を用いたステレオ撮影装置やライトフィールドによる撮影装置、パターン投影やToF(Time of Flight)による測距装置など、図示しない既知の距離計測あるいは形状計測が可能な装置をさらに備え、これらの出力に基づいて被写体形状推定部600が被写体形状を推定してもよい。以上のように、被写体形状推定部600における処理、及び当該処理を実現するための構成は種々の変形実施が可能である。
【0115】
また本実施形態の手法は、対物光学系110と光路分割部121と撮像素子122とを含む撮像装置10の作動方法に適用できる。撮像装置の作動方法は、第1画像及び第2画像の間の対応する所定領域において、相対的にコントラストが高い画像を選択することによって、1つの合成画像を生成する合成処理と、合成処理が行われる前の第1画像及び第2画像の少なくとも一方に基づいて、注目被写体にピントが合うと判定される位置に、フォーカスレンズ111を移動させるAF制御と、を行う。また撮像装置10の作動方法は、上記合成処理と、第1AF制御モードを含む所与のAF制御モードに従って動作することによって、注目被写体にピントが合うと判定される位置に、フォーカスレンズ111を移動させるAF制御と、を行う。
【0116】
以上、本発明を適用した実施形態およびその変形例について説明したが、本発明は、各実施形態やその変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階では、発明の要旨を逸脱しない範囲内において構成要素を変形することによって具体化することができる。また、上記した各実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、各実施形態や変形例に記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態や変形例で説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。また、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0117】
10…撮像装置、12…内視鏡装置、100…挿入部、110…対物光学系、111…フォーカスレンズ、120…撮像部、121…光路分割部、122…撮像素子、122a,122b…受光領域、122c,122d…撮像素子、123…偏光ビームスプリッタ、123a,123b…プリズム、123c…ミラー、123d…λ/4板、123e…偏光分離膜、124…プリズム、124a,124b…プリズム素子、130…アクチュエータ、140…照明レンズ、150…ライトガイド、160…AF開始/終了ボタン、200…外部I/F部、300…システム制御装置、310…A/D変換部、320…前処理部、330…画像合成部、340…後処理部、350…システム制御部、360…AF制御部、361…AF領域設定部、362…AF評価値算出部、363…方向判別部、364…合焦判定部、365…レンズ駆動量決定部、366…目標結像位置設定部、367…モード切り替え制御部、368…フォーカスレンズ駆動部、370…光量決定部、400…表示部、500…光源装置、510…光源制御部、520…光源、600…被写体形状推定部、AX…光軸、OB…被写体、OB1…注目被写体、OB2,OB3…周辺被写体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12