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特許7065252センサー用変位検出システム及び変位検出の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-27
(45)【発行日】2022-05-11
(54)【発明の名称】センサー用変位検出システム及び変位検出の方法
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/244 20060101AFI20220428BHJP
   G01D 5/241 20060101ALN20220428BHJP
   G01D 5/24 20060101ALN20220428BHJP
【FI】
G01D5/244 H
G01D5/241 D
G01D5/24 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021504561
(86)(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 CN2019079193
(87)【国際公開番号】W WO2019205847
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-10-14
(31)【優先権主張番号】201810365459.X
(32)【優先日】2018-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508342161
【氏名又は名称】桂林市晶瑞▲伝▼感技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】李広金
(72)【発明者】
【氏名】石堅
(72)【発明者】
【氏名】李秉恒
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-093312(JP,A)
【文献】特開昭60-242317(JP,A)
【文献】特開昭55-112512(JP,A)
【文献】特開平09-229784(JP,A)
【文献】特開昭62-239019(JP,A)
【文献】特開平10-132602(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1415934(CN,A)
【文献】米国特許第05493290(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/12- 5/40
G01B 7/00- 7/34
G01B 11/00-11/30
G01P 3/00- 3/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサー用変位検出システムであって、前記のセンサーが第一変位センサー(12)と第二変位センサー(11)を含み、前記の第一変位センサー(12)は前記の第二変位センサー(11)の1格子ピッチに複数の格子ピッチがあり、前記変位検出システムは、
前記の第一変位センサー(12)及び前記の第二変位センサー(11)にドライブ信号を送信するためのドライブ信号発生回路(23)と、
前記の第一変位センサー(12)からの信号を受信し、第一ADSO信号を送信するための第一信号処理回路(102)と、
前記の第二変位センサー(11)からの信号を受信し、第二ADSO信号を送信するための第二信号処理回路(101)と、
第一タイマー(112)と第三タイマー(111)を含む計算機(110)と
を含み、
前記の第一タイマー(112)はCLK512信号及び前記の第一ADSO信号を受信し、前記のCLK512信号及び前記の第一ADSO信号により計時または計数を行うためのものであり、
前記の第三タイマー(111)は、前記のCLK512信号及び前記の第二ADSO信号を受信し、前記のCLK512信号及び前記の第二ADSO信号により計時または計数を行うためのものであり、
前記のCLK512信号は前記のドライブ信号の周期及び位相と相関する方形波信号であり、
前記の変位検出システムは、さらに、前記のドライブ信号および前記のCLK512信号とは独立な計数クロック(42)も含み、前記の第一タイマー(112)は前記の計数クロック(42)によるクロック周波数で前記のCLK512信号及び前記の第一ADSO信号により計時または計数を行い、前記の第三タイマー(111)は前記の計数クロック(42)によるクロック周波数で前記の第二ADSO信号及び前記のCLK512信号により計時または計数を行い、
前記の計算機(110)は、さらに、前記の第一タイマー(112)が計時または計数で取得したデータを前記の第一変位センサー(12)のグリッドの1格子ピッチ内における絶対変位値に転換し、前記の第三タイマー(111)が計時または計数で取得したデータにより前記の第一変位センサー(12)のグリッドの移動する格子ピッチ数を確定し、前記の第一変位センサー(12)のグリッドの移動する格子ピッチ数及び前記の第一タイマー(112)が計時または計数で取得したデータにより前記の第一変位センサー(12)のグリッドの総絶対変位値を取得するためのプロセッサー(43)も含むことを特徴とする
変位検出システム。
【請求項2】
前記の第三タイマー(111)が、前記のCLK512信号の立ち上がりエッジを検出した場合に前記の計数クロック(42)によるクロック周波数でゼロから計時または計数を行い、前記の第二ADSO信号の立ち上がりエッジを検出した場合に現在の時間または計数を前記のプロセッサー(43)に送信し、または現在の時間または計数を記録するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の変位検出システム。
【請求項3】
前記の第一変位センサー(12)及び前記の第二変位センサー(11)が静電容量格子センサーであることを特徴とする請求項1に記載の変位検出システム。
【請求項4】
前記のCLK512信号が前記のドライブ信号の周期及び位相と同じである方形波信号であることを特徴とする請求項1に記載の変位検出システム。
【請求項5】
センサー用変位検出方法であって、前記のセンサーが第一変位センサー(12)及び第二変位センサー(11)を含み、前記の第一変位センサー(12)が前記の第二変位センサー(11)の1格子ピッチ内に複数の格子ピッチがあり、前記の変位検出の方法は、
前記の第一変位センサー(12)にドライブ信号を送信することと、
前記の第一変位センサー(12)からの信号を受信し、該信号を処理し、第一ADSO信号を送信することと、
前記の第二変位センサー(11)に前記のドライブ信号を送信することと、
前記の第二変位センサー(11)からの信号を受信し、該信号を処理し、第二ADSO信号を送信することと、
CLK512信号及び前記の第一ADSO信号を受信し、前記のドライブ信号および前記のCLK512信号とは独立なクロック周波数で前記のCLK512信号及び前記の第一ADSO信号により計時または計数を行って第一データを取得することと、
前記の第二ADSO信号及び前記のCLK512信号を受信し、前記のクロック周波数で前記の第二ADSO信号及び前記のCLK512信号により計時または計数を行って第三データを取得することと、
前記の第三データにより前記の第一変位センサー(12)のグリッドの移動する格子ピッチ数を確定することと、
前記の第一変位センサー(12)のグリッドの移動する格子ピッチ数及び前記の第一データにより前記の第一変位センサー(12)のグリッドの総絶対変位値を取得することを含むことを特徴とする変位検出の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置決め及び変位検出、具体的に、角度及び長さの位置決め及び変位検出技術、更に具体的に、センサー用変位検出システム及び変位検出の方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
普通、変位センサーは長さ、角度及び速度の検出、精密位置決め及びフォローアップ追跡などの検出システムの位置検出コンポーネントとして用いられ、静電容量センサー、誘導シンクロナイザー及び格子センサーなどを含む。その中、静電容量センサーの中の静電容量格子センサーが最も広く用いられ、変位検出回路と静電容量格子センサー変位検出システムを構成し、位相検出型及び振幅弁別型に分けられる。図1に示した従来の位相検出型静電容量格子センサー変位検出システムは格子ピッチを検出周期にし、位相検出により一周期における静電容量格子センサーのグリッドの位置量を取得し、識別計数により一周期を上回る変位検出に達成する。図1に示した従来の位相検出型静電容量格子センサー変位検出システムは静電容量格子センサー10及び静電容量格子センサーASICチップ20(以下に「ASICチップ20」または「チップ20」とも略称する)を含む。その中、静電容量格子センサーASICチップ20に水晶発振回路21、クロック分周回路22、多回路(8回路が普通)ドライブ及びアナログスイッチ信号発生回路23(「ドライブ信号発生回路23」とも略称する)、静電容量格子信号復調、拡大、フィルタ及び比較回路24(「静電容量格子信号処理回路24」または「信号処理回路24」とも略称する)、位相検出及び計数回路25、変位データ処理回路26、LCD表示回路29、電圧検出回路28及びシリアル出力ポート27などが集積している。
【0003】
前記の静電容量格子信号処理回路24が出力した信号周期(512CP)が空間で静電容量格子センサーの中の1格子ピッチの長さと対応するので、1格子ピッチの長さを5.08mmにすると、該位相検出型静電容量格子センサー変位検出システムが区別できる最小精度が
となる。この場合、静電容量格子センサーの移動グリッドが最小精度の単位に移動すると、CSI信号の位相に180/256度の変化が生じる。よって、従来の位相検出型静電容量格子センサー変位検出システムは解像度が高いものではないが、解像度をこんなに低くするのは、アクティブ検出静電容量格子技術の検出メカニズムによると、位相検出操作による位相差が静電容量格子センサーグリッドの変位量と完全に線形比例関係を示すものではなく、約0.1%の偏差があるので、低い解像度で決まった出力精度を保証することが必要である。また、8回路のドライブ信号は周波数と静電容量格子センサーの中のグリッドの面積との間に強い電気的関係があるので、静電容量格子センサーとチップのインピーダンスとの整合の需要に適する同時に、低消費電力と特定の解像度を考慮に入れるために、普通の場合、静電容量格子センサーのドライブ周波数を200Hz~500Hz、チップの動作周波数を100kHz~300kHzに設置する。これも検出システムの低い解像度につながる。
【0004】
前記によると、従来の位相検出型静電容量格子センサー変位検出システムは解像度がチップの動作周波数と固定したものであるので、解像度を向上させるには、普通のやり方として静電容量格子センサーの格子ピッチを少なくするものである。しかしながら、製造や組立てなどの技術に制限されて、静電容量格子センサー格子ピッチ削減の空間が非常に有限的なものである。それにより、位相検出型静電容量格子センサー変位検出システムは相変わらず高解像度の変位検出に達成しがたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の従来の技術にある課題を解決するために、本発明の実施例で、センサー用変位検出システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その中、前記のセンサーは第一変位センサーを含み、、前記の変位検出システムは前記の第一変位センサーにドライブ信号を送信するためのドライブ信号発生回路、前記の第一変位センサーからの信号を受信し、第一ADSO信号を送信するための第一信号処理回路、及び第一タイマーを含む計算機を含む。
【0007】
その中、前記の第一タイマーはCLK512信号及び前記の第一ADSO信号を受信し、前記のCLK512信号及び前記の第一ADSO信号により計時または計数を行うものである。その中、前記のCLK512信号は前記のドライブ信号の周期及び位相と相関する方形波信号である。
【0008】
前記の変位検出システムは前記のドライブ信号発生回路にクロック信号を送信し、前記のCLK512信号を送信するためのクロック分周回路も含む。
【0009】
前記の変位検出システムで、前記の計算機は前記の第一タイマーが計時または計数で取得したデータを1格子ピッチ内における前記の第一変位センサーのグリッドの絶対変位値に転換するためのプロセッサーも含む。
【0010】
前記の変位検出システムは前記のドライブ信号および前記のCLK512信号とは独立な計数クロックも含む。その中、前記の第一タイマーは前記の計数クロックによるクロック周波数で前記のCLK512信号及び前記の第一ADSO信号により計時または計数を行うためのものである。
【0011】
前記の変位検出システムで、前記の第一タイマーは前記のCLK512信号の立ち上がりエッジを検出した場合に前記の計数クロックによるクロック周波数でゼロから計時または計数を行い、前記の第一ADSO信号の立ち上がりエッジを検出した場合に現在の時間または計数を前記のプロセッサーに送信するためのものである。
【0012】
前記の変位検出システムで、前記の第一タイマーは第一バッファも含む。その中、前記の第一タイマーは前記のCLK512信号の立ち上がりエッジを検出した場合に前記の計数クロックによるクロック周波数でゼロから計時または計数を行い、前記の第一ADSO信号の立ち上がりエッジを検出した場合に現在の時間または計数を前記の第一バッファに書き込むためのものである。前記のプロセッサーは前記の第一ADSO信号または前記のCLK512信号がトリガーした中断マークの信号を受信してから前記の第一バッファにあるデータを読み取るためのものである。
【0013】
前記の変位検出システムで、前記のプロセッサーは前記の第一タイマーが計時で取得したデータ及び前記の計数クロックによるクロック周波数で1格子ピッチにおける前記の第一変位センサーのグリッドの位置等価を取得し、1格子ピッチにおける前記の第一変位センサーのグリッドの位置等価を1格子ピッチ内における前記の第一変位センサーのグリッドの絶対変位値に転換するためのものである。前記のプロセッサーは1格子ピッチにおける前記の第一変位センサーのグリッドの位置等価に対するデジタルフィルタ処理を行い、1格子ピッチ内における前記の第一変位センサーのグリッドの絶対変位値に対する偏差修正を行うためのものでもある。
【0014】
前記の変位検出システムで、前記の計数クロックは前記の計算機に含まれてもいい。
【0015】
前記の変位検出システムで、前記の計算機は前記のCLK512信号及び前記の第一ADSO信号を受信するための第二タイマーも含み、前記のCLK512信号及び前記の第一ADSO信号により前記の第一変位センサーのグリッドの移動する格子ピッチ数に対する計数を行う。その中、前記のプロセッサーは前記の第二タイマーが計数で取得したデータ及び前記の第一タイマーが計時または計数で取得したデータにより前記の第一変位センサーのグリッドの総絶対変位値を取得するためのものでもある。
【0016】
前記の変位検出システムで、前記のドライブ信号発生回路及び前記の第一信号処理回路は同一のチップに集積している。前記のチップは前記の第一ADSO信号を受信するための位相検出及び計数回路と、CLK信号および前記の第一変位センサーのグリッドの変位情報を含むDATA信号を送信するためのシリアル出力ポートも含む。前記の計算機は前記のCLK信号及び前記のDATA信号を受信するためのものでもある。前記のプロセッサーは受信した前記のCLK信号及び前記のDATA信号により前記の第一変位センサーのグリッドの移動する格子ピッチ数を取得し、前記の第一変位センサーのグリッドの移動する格子ピッチ数及び前記の第一タイマーが計時または計数で取得したデータにより前記の第一変位センサーのグリッドの総絶対変位値を取得する。
【0017】
前記の変位検出システムで、前記のプロセッサーは前記の第一変位センサーのグリッドの移動する格子ピッチ数及び前記の第一タイマーが計時または計数で取得したデータにより前記の第一変位センサーのグリッドの総絶対変位等価を取得し、前記の第一変位センサーのグリッドの総絶対変位等価を前記の第一変位センサーのグリッドの総絶対変位値に転換するためのものである。
【0018】
前記の変位検出システムで、前記のセンサーは第二変位センサーも含む。その中、前記の第一変位センサーは前記の第二変位センサーの1格子ピッチに複数の格子ピッチがあり、前記のドライブ信号発生回路は前記の第二変位センサーに前記のドライブ信号を送信するためのものでもある。前記の変位検出システムは前記の第二変位センサーからの信号を受信し、第二ADSO信号を送信するための第二信号処理回路も含む。前記の計算機は前記の第二ADSO信号及びCLK512信号を受信するための第三タイマーも含み、前記の計数クロックによるクロック周波数で前記の第二ADSO信号及びCLK512信号により計時または計数を行う。前記のプロセッサーは前記の第三タイマーが計時または計数で取得したデータにより前記の第一変位センサーのグリッドの移動する格子ピッチ数を確定し、前記の第一変位センサーのグリッドの移動する格子ピッチ数及び前記の第一タイマーが計時または計数で取得したデータにより前記の第一変位センサーのグリッドの総絶対変位値を取得するためのものでもある。
【0019】
前記の変位検出システムで、前記の第三タイマーは前記のCLK512信号の立ち上がりエッジを検出した場合に前記の計数クロックによるクロック周波数でゼロから計時または計数を行い、前記の第二ADSO信号の立ち上がりエッジを検出した場合に現在の時間または計数を前記のプロセッサーに送信し、またはこの現在時間または現在計数を記録したりするためのものである。
【0020】
前記の変位検出システムで、前記の第一変位センサー及び前記の第二変位センサーは静電容量格子センサーである。
【0021】
前記の変位検出システムで、前記のCLK512信号は前記のドライブ信号の周期及び位相と同じである方形波信号である。
【0022】
前記の変位検出システムで、前記の計算機、前記のドライブ信号発生回路及び前記の第一信号処理回路は同一のチップに集積している。
【0023】
本発明の別の実施例で、センサー用変位検出の方法も提供する。前記のセンサーは第一変位センサーを含み、前記の変位検出の方法は前記の第一変位センサーにドライブ信号を送信すること、前記の第一変位センサーからの信号を受信し、この信号を処理し、第一ADSO信号を送信すること、CLK512信号及び前記の第一ADSO信号を受信し、前記のドライブ信号および前記のCLK512信号とは独立なクロック周波数で前記のCLK512信号及び前記の第一ADSO信号により計時または計数を行うことを含む。その中、前記のCLK512信号は前記のドライブ信号の周期及び位相と相関する方形波信号である。
【0024】
前記の変位検出の方法は前記の計時または計数で取得した第一データを1格子ピッチ内における前記の第一変位センサーのグリッドの絶対変位値に転換することも含む。
【0025】
前記の変位検出の方法は前記のCLK512信号及び前記の第一ADSO信号により計時または計数を行うことが、前記のCLK512信号の立ち上がりエッジを検出した場合に以クロック周波数ゼロから計時または計数を行うこと、及び前記の第一ADSO信号の立ち上がりエッジを検出した場合に現在の時間または計数を送信或いは録すること含む。
【0026】
前記の変位検出の方法は、計時で取得した第一データを1格子ピッチ内における前記の第一変位センサーのグリッドの絶対変位値に転換すること計時で取得した第一データ及び前記のクロック周波数により1格子ピッチにおける前記の第一変位センサーのグリッドの位置等価を取得すること及び1格子ピッチにおける前記の第一変位センサーのグリッドの位置等価を1格子ピッチ内における前記の第一変位センサーのグリッドの絶対変位値に転換することを含む。
【0027】
前記の変位検出の方法は1格子ピッチにおける前記の第一変位センサーのグリッドの位置等価に対するデジタルフィルタ処理を行うこと及び1格子ピッチ内における前記の第一変位センサーのグリッドの絶対変位値に対する偏差修正を行うことも含む。
【0028】
前記の変位検出の方法は前記のCLK512信号及び前記の第一ADSO信号を受信し、前記のCLK512信号及び前記の第一ADSO信号により前記の第一変位センサーのグリッドの移動する格子ピッチ数に対する計数を行うこと及び前記の第一変位センサーのグリッドの移動する格子ピッチ数に対する計数を行って取得した第二データ及び前記の第一データにより前記の第一変位センサーのグリッドの総絶対変位値を取得することも含む。
【0029】
前記の変位検出の方法で、前記のセンサーは第二変位センサーも含む。その中、前記の第一変位センサーは前記の第二変位センサーの1格子ピッチに複数の格子ピッチがあり、前記の変位検出の方法は前記の第二変位センサーに前記のドライブ信号を送信すること、前記の第二変位センサーからの信号を受信し、この信号を処理し、第二ADSO信号を送信すること、前記の第二ADSO信号及びCLK512信号を受信し、前記のクロック周波数で前記の第二ADSO信号及びCLK512信号により計時または計数を行うことも含む。その中、前記の第二ADSO信号及びCLK512信号により計時または計数を行って第三データを取得し、前記の第三データにより前記の第一変位センサーのグリッドの移動する格子ピッチ数を確定し、前記の第一変位センサーのグリッドの移動する格子ピッチ数及び前記の第一データにより前記の第一変位センサーのグリッドの総絶対変位値を取得する。
【0030】
従来の技術と比べてみると、本発明は下記の効果がある。
【0031】
従来の位相検出型変位検出システムの大規模生産技術を承継し、変位センサーのカップリング構造の寸法を変更しないで、本発明による変位検出システム及び方法は低いコストで性能の向上に達成し、高い(ミクロングレード及びサブミクロングレードなど)検出解像度及び高い検出精度を取得した。
【0032】
また、本発明は適用範囲が広く、静電容量格子センサーの、他の種類の静電容量センサー、誘導シンクロナイザー及び格子センサーなどと結び合わせて使用できる。
【0033】
次に図を参考して実施例について詳細に説明を行。添付図は実施例を説明するためのものであるので、請求項の予期範囲に対する制限と解釈されてはいけなく、別途に明示された場合を除き、比例により製図されたものと思われない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】従来の位相検出型静電容量格子センサー変位検出システムのブロック図
図2】本発明の実施例のCLK512信号及びADSO信号でマッピングしたADSO信号で変調された等価パルス幅の変調方形波のイメージ
図3】静電容量格子センサーを含み、本発明の実施例による変位検出システムの中のASICチップの構成のブロック図
図4】本発明の実施例による変位検出システムの中のMCUのブロック図
図5】本発明の実施例によるMCUの動作プロセスチャート
図6】本発明の別の実施例による変位検出システムの中のMCUのブロック図
図7】本発明の別の実施例によるMCUの中のCPUでデータ処理を行うプロセスチャート
図8】静電容量格子センサーを含み、本発明のもう一つの実施例による変位検出システムの中のASICチップの構成のブロック図
図9】本発明のもう一つの実施例による変位検出システムの中のMCUのブロック図
図10】大別化・細分化静電容量格子センサーを含み、本発明のもう一つの実施例による変位検出システムの中のASICチップの構成のブロック図
図11】本発明のもう一つの実施例による変位検出システムの中のMCUのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0035】
次に、添付図及び実施例で、本発明の目的、技術案及び長所について詳細に説明する。ここで、実施例は本発明を説明するためのものだけであり、本発明を限定するためのものではない。
【0036】
理解の便利を図るために、本発明の下記の実施例について静電容量格子センサーを中心にして説明を行うが、他の静電容量センサーの変位センサーにも適する。
【0037】
従来の位相検出型静電容量格子センサー変位検出システムの検出原理に対する研究によると、静電容量格子センサーをドライブするための多回路ドライブ信号はチップ内部のクロック分周回路で組み合わせ論理で生成したものであり、静電容量格子センサーが送信し、復調、拡大、フィルタ及び比較操作を行われて取得した信号(本請求書で「ADSO信号」と称す)との間に厳格な位相整合関係がある。ADSO信号と図2に示した1回路の方形波信号(この方形波信号は静電容量格子センサーをドライブするための多回路ドライブ信号と周期が同じである上、その中の一回路のドライブ信号と位相が同じである)について位相比較を行うと、マッピングにより図2に示したADSO信号で変調された等価パルス幅の変調方形波を取得できる。それと同時に、更になる研究によると、その等価パルス幅の変調方形波は変調パルス幅(図2中に示したA1、A2、A3、A4)がADSO信号と前記の方形波信号の位相差と対応する上、空間で静電容量格子センサーのグリッドの1格子ピッチ内における位置値にも対応する。また、従来の技術(前記のとおりに、従来の技術で、位相検出で取得した位相差が静電容量格子センサーグリッドの変位量と完全に線形比例関係を示すものではない)と比べてみると、前記の対応関係によると、直接に等価パルス幅の変調方形波の変調パルス幅を検出して静電容量格子センサーのグリッドの1格子ピッチ内における、高解像度のある位置等価、及びその位置等価を転換して静電容量格子センサーのグリッドの1格子ピッチ内における位置値、または絶対変位値を取得できることがある。
【0038】
よって、従来の静電容量格子センサーに基づいて検出の解像度を向上させるために、本発明の実施例で、静電容量格子センサーを含むセンサー用変位検出システムを提供する。
【0039】
図3及び図4のとおりに、本発明の実施例による変位検出システムは集積している水晶発振回路21、クロック分周回路22、多回路ドライブ及びアナログスイッチ信号発生回路23(次に8回路のドライブ及びアナログスイッチ信号発生回路を例にして説明を行う)、静電容量格子信号処理回路24のASICチップ30(図3)及びタイマー41、計数クロック42、CPU43、RAM44、表示装置45及びシリアルポート46を含むMCU40(図4)を含む。その中、タイマーはバッファ(図4に表示されていない)も含む。その中、ASICチップ30にある静電容量格子信号処理回路24が生じたADSO信号をMCU40のタイマー41に送信し、クロック分周回路22が8回路のドライブ及びアナログスイッチ信号発生回路23にクロック信号を送信するほかに、1回路の方形波信号(本発明で「CLK512信号」と称され、その周期が8回路のドライブ信号out1-out8の周期と同じである(例えば、512T)。その中、1Tはチップ動作周波数の逆数であり、その位相がその中の1回路のドライブ信号の位相と同じである)をMCU40のタイマー41に送信する。本発明の実施例で、この検出システムは動作プロセスが次のとおりである。
【0040】
1)ASICチップ30で、水晶発振回路21でクロック信号が生じ、クロック分周回路22に送信され、クロック分周回路22で分周処理を行われ、生じたクロック信号を8回路のドライブ及びアナログスイッチ信号発生回路23に送信し、クロック分周回路22はまた、1回路の8回路のドライブ信号の周期と同じであり、いずれか1回路のドライブ信号の位相と同じ方形波信号(CLK512信号)を送信し、8回路のドライブ及びアナログスイッチ信号発生回路23は、クロック分周回路からの信号を受信し、静電容量格子センサー10をドライブするための8回路のドライブ信号を発生させ、送信する。
【0041】
8回路のドライブ及びアナログスイッチ信号発生回路23で8回路のドライブ信号を送信してから、静電容量格子センサー10で下記の処理を行う。
【0042】
静電容量格子センサー10の8回路のエミッタピースがそれぞれASICチップ30からの8回路のドライブ信号を受信し、静電容量格子センサー10のグリッドコンデンサーで変調を行われ、異なる電圧幅値の周期信号(即ちCSI信号)を送信する。次に、静電容量格子センサー10がCSI信号をASICチップ30の内部に送信する。
【0043】
2)ASICチップ30で、静電容量格子信号処理回路24が静電容量格子センサー10からのCSI信号を受信し、復調、拡大、フィルタ及び比較操作を行ってCSI信号を静電容量格子センサー10のグリッドの変位と相関するADSO信号に転換し、このADSO信号を送信する。本分野の技術者が理解すべきであるように、このADSO信号が360°の電気位相角に移相すると、空間で静電容量格子センサーの中の1格子ピッチに対応する。
【0044】
3)MCU40で、MCU40のタイマー41が静電容量格子信号処理回路24からのADSO信号及びクロック分周回路22からのCLK512信号を受信する。この実施例で、MCU40の中のタイマー41が計数クロック42によるクロック周波数を計数周波数とし(即ち、計数クロック42のパルス数を数える)、ADSO信号及びCLK512信号により計数を行う。本発明の一つの実施例(図5参照)により、MCUは動作プロセスが次のとおりである。
【0045】
31)MCU40のタイマー41がADSO信号及びCLK512信号を受信し、タイマー41がCLK512信号の立ち上がりエッジを検出すると、計数をクリアし、ADSO信号の立ち上がりエッジを検出すると、現在の計数をバッファに書き込む同時に、中断マークの信号を発生させ、中断マークの信号をCPU43に送信する。
【0046】
図2によると、タイマー41がバッファに書き込んだ計数が等価パルス幅の変調方形波の変調パルス幅の一つ(図2に示したA1、A2などのように)に対応する。この計数が静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を示す。また、タイマー41が計数クロック42によるクロック周波数で計数を行うので、計数クロック42に対して異なるクロック周波数を設置して異なる解像度の位置等価を取得できる。例えば、MCU40のクロック周波数が6MHz、ASICチップ30の動作周波数が153.6KHzである場合、静電容量格子センサー10の1格子ピッチに対応する512T信号周期の期間が512×1/153.6×10-3秒=10/3×10-3秒となる。この期間に、MCU40のタイマー41の最大計数値が(10/3×10-3)/(1/6×10-6)=20000となる。よって、位置等価細分化が元(即ち、512)より20000/512=40倍程度に向上した。静電容量格子センサーの1格子ピッチが5.08mmである場合、取得する位置等価細分化が5.08/20000=0.000254mmとなる。需要に応じてMCU40の中のクロック周波数を設定できるので、位置等価が元の数倍から百倍以上までに細分化するようにして高解像度の目的に達することができる。
【0047】
32)CPU43が中断マークの信号を受信してから下記のとおりに操作を行う。
【0048】
321)バッファの中のデータ、即ち静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を読み取る。
【0049】
322)このデータを静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における実際変位値(静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における絶対変位値とも呼ばれる)に転換する。
【0050】
323)静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における絶対変位値を表示装置45及びシリアルポート46に送信し、表示装置45及びシリアルポート46で送信を行う。
【0051】
前記の変位検出システムの実施例は静電容量格子センサーグリッドの変移範囲1格子ピッチにある場合に適する。
【0052】
前記の変位検出システムの実施例で、タイマー41がADSO信号の立ち上がりエッジを検出すると、中断マークの信号を発生させ、CPU43に送信する。本分野の技術者が理解すべきであるように、タイマー41がADSO信号の立ち下がりエッジを検出した場合にもCLK512信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジを検出した場合にも中断マークの信号を発生させ、CPU43に送信できる。よって、別の実施例で、CPU43がADSO信号の立ち下がりエッジ、CLK512の立ち上がりエッジまたはCLK512の立ち下がりエッジがトリガーした中断マークの信号を受信してからバッファの中のデータを読み取り、静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における絶対変位値に転換する。
【0053】
前記の変位検出システムの実施例で、タイマー41がCLK512信号及びADSO信号の立ち上がりエッジにより計数を制御する。即ち、タイマー41がCLK512信号の立ち上がりエッジを検出すると、計数をクリアし、ADSO信号の立ち上がりエッジを検出すると、タイマー41の現在の計数をバッファに書き込む。しかしながら、図2によると、別の実施例で、タイマー41がCLK512信号及びADSO信号の立ち下がりエッジにより計数を制御できる。即ち、タイマー41がCLK512信号の立ち下がりエッジを検出すると、計数をクリアし、ADSO信号の立ち下がりエッジ検出すると、タイマーの現在の計数をバッファに書き込む。このようにして同様に静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を取得できる。この実施方法の場合、CPU43はADSO信号の立ち上がりエッジ/立ち下がりエッジまたはCLK512信号の立ち上がりエッジ/立ち下がりエッジがトリガーした中断マークの信号によりバッファの中のデータを読み取り、静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における絶対変位値に転換する。
【0054】
前記の変位検出システムの実施例で、MCU40の中のタイマー41は計数クロック42によるクロック周波数で連続して計数を行う。別の実施例で、次のようなタイマーを使用できる。即ち、それがCLK512信号の立ち上がりエッジを検出すると、計数クロック42によるクロック周波数でゼロから計数を行うが、ADSO信号の立ち上がりエッジを検出すると、計数を終止し、現在の計数をバッファに書き込む(理解すべきであるように、CLK512信号及びADSO信号の立ち下がりエッジにより計数を制御してもいい)。CPU43がADSO信号の立ち上がりエッジ/立ち下がりエッジまたはCLK512信号の立ち上がりエッジ/立ち下がりエッジがトリガーした中断マークの信号によりバッファの中のデータを読み取り、静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における絶対変位値に転換する。もう一つの実施例で、次のようなタイマーを使用できる。即ち、そのCLK512信号の立ち上がりエッジを検出すると、ゼロから計時し、ADSO信号の立ち上がりエッジを検出すると、現在の時間をバッファに書き込む(または、CLK512信号の立ち下がりエッジを検出すると、ゼロから計時し、ADSO信号の立ち下がりエッジを検出すると、現在の時間をバッファに書き込む)。CPU43が中断マークの信号を受信してからバッファの中のデータを読み取り、このデータ及びクロック周波数(例えば、「バッファの中の現在の時間×クロック周波数」で乗算を行う)により静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を取得し、静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における絶対変位値に転換する。もう一つの実施例で、次のようなタイマーも使用できる。即ち、CLK512信号の立ち上がりエッジを検出すると、現在の計数をバッファに書き込む同時に、中断マークの信号を発生させ、中断マークの信号をCPU43に送信し、CPU43がCLK512信号の立ち上がりエッジがトリガーした中断マークの信号を受信してからバッファの中のデータを読み込み、ADSO信号の立ち上がりエッジを検出すると、現在の計数をバッファに書き込む同時に、中断マークの信号を発生させ、その中断マークの信号をCPU43に送信し、CPU43がADSO信号の立ち上がりエッジがトリガーした中断マークの信号を受信してからバッファの中のデータを読み取り、このデータの減算を行う。それによっても静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を取得できる。
【0055】
前記の変位検出システムの実施例で、タイマー41は仮に計数を記憶するためのバッファを含むが、別の実施例で、タイマー41でバッファを使用しなくてもよく、CLK512信号の立ち上がりエッジを検出すると、タイマー41は計数をクリアし、ADSO信号の立ち上がりエッジを検出すると、タイマー41は直接に現在の計数をCPU43に送信し、CPU43でこのデータを静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における絶対変位値に転換する。
【0056】
前記に詳しく説明を行わなかったが、本分野の技術者が理解すべきであるように、MCU40の中のRAM44でCPU43の計算中に用いられるデータを記憶できる。例えば、CPU43が中断マークの信号を受信してから、バッファの中のデータをRAM44に記憶し、またはタイマー41が直接に送信してきたデータRAM44に記憶してからRAM44に記憶されたデータを処理する(例えば、静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における絶対変位値に転換する)。ARM MCUを使用する場合、DMAチャネルは直接にバッファの中のデータをRAM44に記憶でき、CPU43は受信した中断マークの信号によりRAM44から最近に記憶されたデータを読み取って転換処理を行うことができる。
【0057】
計数クロック42によるクロック周波数が高い場合(言い換えれば、取得した静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価の解像度が高い場合)、計時または計数による位置等価データはあまり安定ではない恐れがある。その不安定さの影響を少なくするために、より一歩の実施例で、CPU43は転換操作を行うまで位置等価に対するデジタルフィルタ処理を行うことができる(例えば、8セットのデータの平均値を取ってデジタルフィルタを行う。例えば、RAM44から最近に記憶された8セットの静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を読み取って平均値を取る)。それにより高解像度の場合に安定なデータを取得できる。次に、デジタルフィルタ処理が完了したデータの転換を行い、静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における絶対変位値を取得する。
【0058】
より一歩の実施例で、静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における絶対変位値を取得してから、CPU43はこの絶対変位値に対する偏差修正も行う。例えば、標準計量装置による位置校正でセグメントまたはポイントごとに偏差修正を行って非直線性誤差及び移動グリッド製造の誤差の影響を除去して1格子ピッチにおける高精度検出に達成する。例えば、1格子ピッチにおける解像等価(即ち、1格子ピッチ内タイマーの最大計数値)が20000である場合、5.08mm格子ピッチに対して、解像度が0.000254mm、即ち254nmに達し、平均的に8セグメント(0.635mm)に分けて線形係数補間修正を行ってから4倍の不確定誤差で見積もりを行い、精度が1um程度になり、元の10倍となる。こんな偏差修正技術はほとんどのマイクロメータに適する。
【0059】
前記の変位検出システムの各実施例は静電容量格子センサーのグリッドの1格子ピッチ内における絶対変位値の検出に適するが、次に、変位が1格子ピッチを上回る場合の総絶対変位値をいかに検出するかについて説明を行う。
【0060】
本発明の別の実施例で、静電容量格子センサーを含むセンサー用変位検出システムも提供する。このシステムは周期型位置検出技術と連続して格子ピッチ位置の変化を検出するためのインクリメンタル変位検出技術を結び合わせたものであり、静電容量格子センサーグリッドの変位が1格子ピッチを上回る場合(即ち、大範囲の検出)の検出に適する。この変位検出システムは図3に示したASICチップ30及び図6に示したMCU60を含む。
【0061】
前記に図3に示した静電容量格子センサー10及びASICチップ30及びそれらの動作プロセスについて説明を行ったので、ここで贅言を費やすまでもないだろう。以下に図6を参照してこの実施例について詳細に説明する。図6に示すとおりに、MCU60はタイマー41、61の2つ(即ちタイマー1及びタイマー2)、計数クロック42、CPU43、RAM44、表示装置45及びシリアルポート46を含む。その中、タイマー41、61はそれぞれバッファを含む。簡単に言うと、タイマー41はASICチップ30にある静電容量格子信号処理回路24からのADSO信号及びASICチップ30にあるクロック分周回路22からのCLK512信号を受信し、タイマー41は計数クロック42によるクロック周波数を計数周波数にし、ADSO信号及びCLK512信号により計数を行い、静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を取得するようにし(これは前記に図4と結び合わせて説明した計数方法と同じである)、タイマー61もADSO信号及びCLK512信号を受信し、この信号の2つにより+1または-1の操作を行って、静電容量格子センサー10のグリッドの移動する格子ピッチ数を取得するようにする。これに基づいて、CPU43は静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価及び移動する格子ピッチ数により総絶対変位等価を計算し、更に総絶対変位値を取得する。本発明の実施例で、このMCU60は動作プロセスが次のとおりである。
【0062】
1)MCU60の中のタイマー41は計数クロック42によるクロック周波数(例えば、6MHz)を計数周波数にする同時に、ADSO信号及びCLK512信号を受信し、CLK512信号の立ち上がりエッジを検出すると、計数をクリアし、ADSO信号の立ち上がりエッジを検出すると、現在の計数をそのバッファに書き込み、中断マークの信号をCPU43に送信する。
【0063】
それと同時に、MCU60の中のタイマー61もADSO信号及びCLK512信号を受信し、CLK512信号の隣り合う2つの立ち上がりエッジの間にADSO信号の立ち上がりエッジが出ているか、及びいくつのADSO信号の立ち上がりエッジが出ているか、ということにより加減の計数操作を行う(その中、CLK512信号の隣り合う2つの立ち上がりエッジの間にADSO信号の立ち上がりエッジが出ていなく、またはADSO信号の立ち上がりエッジが2回に出ていると、静電容量格子センサーのグリッド格子ピッチを跨いで移動することを示す)。具体的に、タイマー61はCLK512信号の立ち上がりエッジを検出すると、+1操作を行い、ADSO信号の立ち上がりエッジを検出すると、-1操作を行い、現在の計数をそのバッファに書き込む。この計数は現在の静電容量格子センサー10のグリッドの移動する格子ピッチ数(その中、タイマー61は初期値が0である)を示す。
【0064】
2)CPU43は中断マークの信号(即ち、ADSO信号の立ち上がりエッジがトリガーした中断マークの信号)を受信してから下記のとおりに操作を行う。
【0065】
210)タイマー41のバッファの中のデータ、即ち静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価Anを読み取る同時に、タイマー61のバッファの中のデータ、即ち静電容量格子センサー10のグリッドの移動する格子ピッチ数N nを読み取る。
【0066】
220)下記の計算を行い、1格子ピッチを上回る総絶対変位等価Lnを取得するようにする。
Ln=An+Nn×M (1)
【0067】
その中、Mは各格子ピッチに対応する解像等価(前記のとおりに、計数クロック42によるクロック周波数が6MHzである場合、M=20000となる)を示す。
【0068】
230)静電容量格子センサー10のグリッドの総絶対変位等価Lnを総実際変位値(総絶対変位値とも呼ばれる)に転換する。
【0069】
240)静電容量格子センサー10のグリッドの総絶対変位値を表示装置45及びシリアルポート46に送信し、表示装置45及びシリアルポート46で送信する。このように、高解像度、高精度の大範囲変位検出に達成した。
【0070】
前記の案によると、タイマー41及びタイマー61は共にADSO信号の立ち上がりエッジでそれぞれのバッファに現在の計数を書き込む。次に、CPU43はADSO信号の立ち上がりエッジがトリガーした中断マークの信号を受信してからそれぞれ2つのバッファからデータを読み取り、後の処理を行う。このようにタイマー41のバッファ及びタイマー61のバッファから読み取るデータが同期であることを保証できる。本分野の技術者が理解すべきであるように、前記に言及しなかったが、タイマー61はADSO信号の立ち上がりエッジを検出すると、-1操作を行ったり、現在の計数をバッファに書き込んだりするほかに、CPU43に中断マークの信号を送信することもできる。よって、CPU43はタイマー41またはタイマー61からの、ADSO信号の立ち上がりエッジがトリガーした中断マークの信号を受信してから、2つのバッファからデータを読み取り、後継ぎの処理を行う。
【0071】
別の実施例で、信号の立ち下がりエッジで前記のプロセスを実行する。タイマー41はCLK512信号の立ち下がりエッジを検出すると、計数をクリアし、ADSO信号の立ち下がりエッジを検出すると、タイマーの現在の計数をそのバッファに書き込む。それと同時に、タイマー61はCLK512信号の立ち下がりエッジを検出すると、+1操作を行い、ADSO信号の立ち下がりエッジを検出すると、-1操作を行い、現在の計数をそのバッファに書き込む。その中、ADSO信号の立ち下がりエッジを検出すると、タイマー41またはタイマー61またはそれらの2つで中断マークの信号をCPU43に送信する。CPU43はADSO信号の立ち下がりエッジがトリガーした中断マークの信号を受信してから2つのバッファからデータを読み取り、後の処理を行う。このようにタイマー41のバッファ及びタイマー61のバッファから読み取るデータが同期であることも保証できる。
【0072】
別の実施例で、タイマー41及び61でバッファを使用しなくてもよく、ADSO立ち上がりエッジを検出すると、それぞれ直接に現在の計数をCPU43に送信し、CPU43で処理を行う。もう一つの実施例で、CPU43は中断マークの信号を受信してからタイマー41及び61のバッファの中のデータをRAM44に記憶し、またはタイマー41及び61が直接に送信してきたデータをRAM44に記憶してからRAM44に記憶されたデータを処理し、静電容量格子センサー10のグリッドの総絶対変位値を計算する。また、ARM MCUを使用する場合、DMAチャネルは直接にタイマー41及び61のバッファの中のデータをRAM44に記憶でき、CPU43は受信した中断マークの信号によりRAM44から最近に記憶されたデータ(即ち、タイマー41からの、静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価、及びタイマー61からの、静電容量格子センサー10のグリッドの移動する格子ピッチ数)を読み取り、処理を行う。
【0073】
より一歩の実施例(図7参照)で、ステップ230まで、即ち転換操作まで、CPU43は静電容量格子センサー10のグリッドの総絶対変位等価Lnに対するデジタルフィルタ処理も行い、安定なデータを取得するようにする(ステップ221参照)。ステップ230の次に、即ち転換操作の次に、CPU43は静電容量格子センサー10のグリッドの総絶対変位値に対する格子ピッチにおける偏差修正(ステップ231参照)も行い、次に格子ピッチ間の偏差修正(ステップ232参照)を行う。その中、格子ピッチ間の偏差修正を行う場合、格子ピッチのストライドを標準等価にする校正修正方法で同じ格子ピッチ位置の周期信号に対する格子ピッチ誤差修正を行って、静電容量格子センサーグリッドの製造誤差に対する修正に達成するようにする。
【0074】
前記の変位検出システムの実施例(グリッド変位が1格子ピッチを上回る総絶対変位値を検出するためのものである)で、タイマー61でグリッドの移動する格子ピッチ数に対する計数を行う。しかしながら、本分野の技術者が理解すべきであるように、他の計数方法も適用できる。例えば、別の実施例で、2つの計数器でそれぞれCLK512信号及びADSO信号を検出できる。その中、計数器の1つがCLK512信号の立ち上がりエッジを検出すると、+1計数を実行し、対応するバッファに書き込み、別の計数器がADSO信号の立ち上がりエッジを検出すると、+1計数を実行し、対応するバッファに書き込む。また、ADSO信号の立ち上がりエッジはCPU43をトリガーして2つのバッファの中の計数を読み取り、比較し、CLK512信号立ち上がりエッジに対する計数がADSO信号立ち上がりエッジに対する計数より1多い場合、CLK512信号の隣り合う2つの立ち上がりエッジの間にADSO信号の立ち上がりエッジが出ていないことを示し(CPU43は現在のグリッドの移動する格子ピッチ数に対する+1操作を行うことができる)、1少ない場合、CLK512信号の隣り合う2つの立ち上がりエッジの間にADSO信号の立ち上がりエッジが2回に出たことを示す(CPU43は現在のグリッドの移動する格子ピッチ数に対する-1操作を行うことができる。その中、グリッドの移動する格子ピッチ数は初期値が0である)。
【0075】
大範囲、高解像度及び高精度の検出に達成するために、本発明のもう一つの実施例で、静電容量格子センサーを含むセンサー用変位検出システムも提供する。前記のシステムは従来のASICチップの機能を利用し、従来のASICチップの送信及びMCUタイマーの計時(計数)機能で静電容量格子センサーグリッドの総実際変位値を検出し、特に静電容量格子センサーが静止した後の実際変位の検出に適する。
【0076】
図8に示すとおりに、その中のASICチップ80は図1に示した従来のASICチップ20に類似し(水晶発振回路21などのほかに、位相検出及び計数回路25、変位データ処理回路26及びシリアル出力ポート27なども集積している)、違いとして、図8に示した静電容量格子信号処理回路24がADSO信号をASICチップ80にある位相検出及び計数回路25に送信して位相検出及び計数処理を行うほかに、このADSO信号図9に示したMCU90に送信し、それに、クロック分周回路22がMCU90に、1回路の8回路のドライブ信号の周期と同じであり、いずれか1回路のドライブ信号の位相と同じCLK512信号も送信する。そのほかに、図9に示したMCU90はASICチップ80のシリアル出力ポート27からの信号(DATA信号及びCLK信号を含む)も受信する。その中、DATA信号はデータ信号であり、ASICチップ80が従来の方法(即ちADSO信号に対する位相検出、計数、データ処理などの操作を含む)により生成した静電容量格子センサー10のグリッドの総絶対変位値情報(「変位情報」と略称する)を含む。CLK信号は同期クロック信号である。従来のデータ採集方法として、CLK信号の狭いパルスの立ち下がりエッジでDATA信号に対するサンプリングを行う。
【0077】
図9に示したMCU90は図4の中に示した部品のほかにASICチップ80のシリアル出力ポート27からDATA信号及びCLK信号を受信するためのI/Oポート91もある。具体的に、この実施例で、図9に示したMCU90の動作プロセスは下記のとおりである。
【0078】
1)MCU90はそのI/Oポート91でシリアル出力ポート27からのCLK信号及びDATA信号を受信する同時に、MCU90の中のタイマー41がADSO信号及びCLK512信号も受信する。前記静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を計算する方法と同じであるように、タイマー41は計数クロック42によるクロック周波数(例えば、6MHz)を計数周波数にし、ADSO信号及びCLK512信号により計数を行い、CLK512信号の立ち上がりエッジを検出すると、新たに計数を行い、ADSO信号の立ち上がりエッジを検出すると、現在の計数(即ち、静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価)をバッファに書き込む(図9に示したタイマー41は動作原理が図4及び図6に示したタイマー41と同じである)。
【0079】
2)CPU43はI/Oポート91からのDATA信号及びCLK信号により静電容量格子センサー10のグリッドの移動する格子ピッチ数を取得し、タイマー41からの中断マークの信号によりタイマー41のバッファからデータを読み取り、静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を取得する。CPU43はまた移動する格子ピッチ数及び1格子ピッチ内における位置等価により総絶対変位値を取得する。本発明の実施例で、本発明は具体的に下記のステップを含む。
【0080】
21)CLK信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジが生じた中断信号によりDATA信号の高・低電気レベルの状態を読み取り、DATA信号に含まれた変位情報(0、1で示す複数桁の2進数。その中、低桁が前にあり、12桁目から移動する格子ピッチ数となる)を取得し、その中から静電容量格子センサー10のグリッドの移動する格子ピッチ数を分離し、タイマー41からの中断マークの信号によりタイマー41のバッファからデータを読み取り、静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を取得する。
【0081】
22)式(1)により静電容量格子センサー10のグリッドの総絶対変位等価を取得する。即ち、DATA信号から取得した格子ピッチ数に各格子ピッチに対応する解像等価(例えば、20000)を乗算し、タイマー41の計数により取得した静電容量格子センサー10のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価と加算して静電容量格子センサー10のグリッドの総絶対変位等価を取得する。
【0082】
23)静電容量格子センサーグリッドの総絶対変位等価を総絶対変位値に転換する。
【0083】
24)静電容量格子センサー10のグリッドの総絶対変位値を表示装置45及びシリアルポート46に送信し、表示装置45及びシリアルポート46で送信を行う。このように、高解像度、高精度の大範囲変位検出に達成した。
【0084】
前記に提供した案に類似して、タイマー41でバッファを使用しなくてもいい。また、前記に提供した案に類似して、RAM44はバッファの中のデータ及びCPU43が処理中に生じたデータなどの記憶に用いられることができる。
【0085】
前記に提供した案に類似して、転換操作(即ち、静電容量格子センサー10のグリッドの総絶対変位等価を総絶対変位値に転換する)を行うまで、CPU43は静電容量格子センサー10のグリッドの総絶対変位等価に対するデジタルフィルタ処理を行うことができ、転換操作の次に、静電容量格子センサー10のグリッドの総絶対変位値に対する格子ピッチにおける偏差修正及び格子ピッチ間の偏差修正を行うことができる。
【0086】
大範囲、高解像度及び高精度の角変位検出に対して、本発明のもう一つの実施例で、2つの静電容量格子センサーを含むセンサー用変位検出システムも提供する。次に図10及び図11を参照して説明を行う。
【0087】
本実施例で、2つの静電容量格子センサー、大別化静電容量格子センサー11及び細分化静電容量格子センサー12(大別化、細分化静電容量格子センサーの組合せで大角度範囲の絶対位置を検出することに関する説明について出願番号がCN200710050658.3である中国特許広報を参照できる)が必要である。その中、大別化センサーは円周の1つに1格子ピッチ(即ち、1格子ピッチ=円周全範囲360°)、細分化センサーは円周の1つに複数の格子ピッチ(例えば、20個)がある。
【0088】
図10に本実施例のASICチップ100を示す。ASICチップ100に水晶発振回路21、クロック分周回路22、8回路のドライブ、アナログスイッチ信号発生回路23(注意:本実施例で、8回路のドライブ信号は大別化静電容量格子センサー11及び細分化静電容量格子センサー12をドライブするためのものである)、及び2つの静電容量格子信号処理回路101及び102が集積している。前記の2つの静電容量格子信号処理回路101、102はそれぞれ大別化静電容量格子センサー11からの送信信号CSI1及び細分化静電容量格子センサー12からの送信信号CSI2を受信し、それぞれ図11に示したMCU110にADSO1信号及びADSO2信号を送信する。また、クロック分周回路22は図11に示したMCU110に8回路のドライブ信号の周期と同じであり、いずれか1回路のドライブ信号の位相と同じである1回路のCLK512信号を送信する。
【0089】
図11に示したMCU110は同じタイマー111及び112の2つ(即ち、タイマー1及びタイマー2)を含む。その中、タイマー111は静電容量格子信号処理回路101からのADSO1信号及びクロック分周回路22のCLK512信号、タイマー112は静電容量格子信号処理回路102からのADSO2信号及びクロック分周回路22からのCLK512信号を受信する。本発明の実施例で、MCU110の動作プロセスが次のとおりである。
【0090】
1)前記の静電容量格子センサーのグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を取得するための方法と同じであり、タイマー111は計数クロック42によるクロック周波数(例えば、6MHz)を計数周波数にし、ADSO1信号及びCLK512信号により計数を行って大別化静電容量格子センサー11のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を取得するようにする。タイマー112は同様に計数クロック42によるクロック周波数を計数周波数にし、ADSO2信号及びCLK512信号により計数を行って細分化静電容量格子センサー12のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を取得するようにする。本発明の実施例で、タイマー111はバッファを含み、CLK512信号の立ち上がりエッジを検出すると、ゼロから計数を行い、ADSO1信号の立ち上がりエッジを検出すると、現在の計数をそのバッファに書き込む。この計数は大別化静電容量格子センサー11のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を示す。タイマー112もバッファを含み、CLK512信号の立ち上がりエッジを検出すると、ゼロから計数を行い、ADSO2信号の立ち上がりエッジを検出すると、現在の計数をそのバッファに書き込む。この計数は細分化静電容量格子センサー12のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価を示す。タイマー111またはタイマー112はCLK512信号の立ち上がりエッジを検出すると、CPU43に中断マークの信号を送信し、CPU43がタイマー111及びタイマー112のバッファから同期のデータを読み取るようにする。
【0091】
2)CPU43はタイマー111またはタイマー112からの、CLK512信号の立ち上がりエッジがトリガーした中断マークの信号を受信すると、下記の操作を行う。
【0092】
21)CPUはタイマー111のバッファ及びタイマー112のバッファからデータを読み取る。この2つのデータはそれぞれ大別化静電容量格子センサー11のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価及び細分化静電容量格子センサー12のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価である。

【0093】
22)大別化静電容量格子センサー11のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価により細分化静電容量格子センサー12のグリッドの移動する格子ピッチ数を確定する。
【0094】
例えば、各格子ピッチに対応する解像等価が20000である場合、円周の1つで、大別化静電容量格子センサー11に対応する検出データにとって、20000/20=1000となる。即ち、0~999は細分化静電容量格子センサー12の0目の格子ピッチ位置(移動する格子ピッチ数が0である)、1000~1999は細分化静電容量格子センサー12の第1個目の格子ピッチ位置に対応する。それにより類推する。よって、大別化静電容量格子センサー11のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価により細分化静電容量格子センサーグリッドの移動する格子ピッチ数を確定できる。
【0095】
23)式(1)を参照してこの格子ピッチ数に各格子ピッチに対応する解像等価(20000など)乗算し、細分化静電容量格子センサー12のグリッドの1格子ピッチ内における位置等価と加算して円周範囲における細分化静電容量格子センサー12のグリッドの総絶対位置等価を取得する。
【0096】
24)円周範囲における細分化静電容量格子センサー12のグリッドの総絶対位置等価を転換して(等価係数18/20000に乗算する)、細分化静電容量格子センサー12のグリッドの総絶対変位値(即ち実際位置角度値)を取得する。
【0097】
25)総絶対変位値を表示装置45及びシリアルポート46に送信し、表示装置45及びシリアルポート46で送信する。
【0098】
前記のタイマー111及びタイマー112は自身のバッファがあるが、他の実施例で、バッファを使用しなくてもいい。タイマー111及び112にバッファがない実施例で、タイマー111はADSO1信号の立ち上がりエッジを検出すると、直接に現在の計数をCPU43に送信し、CPU43でRAM44に記憶でき、タイマー112はADSO2信号の立ち上がりエッジを検出すると、直接に現在の計数をCPU43に送信し、CPU43でRAM44に記憶できる。CPU43はタイマー111またはタイマー112からの、CLK512信号の立ち上がりエッジがトリガーした中断マークの信号を受信すると、RAMからこの2つの計数を読み取り、後の処理を行う。また、ARM MCUを利用する実施例で、DMAチャネルは直接にタイマー111及び112のバッファの中のデータをRAM44に記憶でき、CPU43は受信した中断マークの信号によりRAM44から最近に記憶されたデータを読み取って処理を行うことができる。
【0099】
本分野の技術者が理解すべきであるように、別の実施例で、タイマー111及びタイマー112はCLK512信号の立ち下がりエッジにより計数をクリアでき、それに、それぞれADSO1信号、ADSO2信号の立ち下がりエッジによりバッファに現在の計数を書き込み、CLK512信号の立ち上がりエッジ(または立ち下がりエッジ)を検出すると、CPU43に中断マークの信号を送信する。他の実施例で、タイマー111はADSO1信号の立ち上がりエッジを検出すると、CPU43に中断マークの信号を送信し、タイマー112はADSO2信号の立ち上がりエッジを検出すると、CPU43に中断マークの信号を送信する。
【0100】
また、より一歩の実施例で、CPU43は転換操作まで円周範囲における細分化静電容量格子センサー12のグリッドの総絶対位置等価に対するデジタルフィルタ処理も行い、転換操作の後に総絶対変位値に対する格子ピッチ内及び格子ピッチ間の偏差修正を行う。
【0101】
前記に大別化センサーは円周の1つに1格子ピッチがあり、細分化センサーは円周の1つに複数の格子ピッチがあり、即ち、変位検出システムは全円周における角度検出に達成すると説明したが、理解すべきであるように、この変位検出システムは扇形角度の検出にも適する。この場合、細分化センサーは大別化センサーの1格子ピッチにN個の格子ピッチ(N:整数、N≧2)がなければいけない。また、角度のほかに、図10及び図11に示した変位検出システムは長さの絶対検出に用いられることもできる。
【0102】
前記に大範囲、高解像度及び高精度のための変位検出システムの3種について説明した。その中、図3及び図6に示した変位検出システムは従来の位相検出、計数回路25及び変位データ処理回路26などが不要であるので、占用する空間が小さく、運動中及び静止後の変位検出に適する。図8及び図9に示した変位検出システムは従来のASICチップで製造でき、他の変位検出システムと比べて簡単に達成できるが、占用する空間が大きく、主に静止後の変位検出に適する。図10及び図11に示した変位検出システムは角変位及び線形変位の検出に適し、運動中にも静止の後にも検出を行うことができる。本発明によるこれらのセンサー用変位検出システムは従来の位相検出型静電容量格子センサーの大規模生産技術を継承し、低いコストで位相検出型静電容量格子センサー検出の技術のグレードアップに達成でき、検出の解像度及び精度も向上した。
【0103】
本分野の技術者が理解すべきであるように、前記にMCU内部の計数クロック42でタイマーの計時及び計数に達成するが、他の実施例で、MCUの外部クロックでもクロック周波数を提供できる。また、前記にASICチップ及びMCUを例にして説明を行い、即ち、それらを2つの部品としてそれぞれ説明するが、他の実施例で、MCUがASICチップに集積してもいいし、ASICチップがMCUに集積してもよく、両者が同一のチップまたは複数のチップに集積してもいい。
【0104】
本分野の技術者が更に理解すべきであるように、MCUのほかに、計算機能のある他の数字処理装置で本発明に達成してもいい。
【0105】
本分野の技術者が更に理解すべきであるように、静電容量格子センサーのほかに、本発明による変位検出システムは他の変位センサーにも適する。例えば、静電容量格子センサー以外の他の静電容量センサー、誘導シンクロナイザー、格子センサーなど。これらの変位センサーは動作原理が静電容量格子センサーに類似し、即ち、ドライブ信号が周期的に変化する電圧信号であり、変位センサーでカップリング・変調されてから、その時間変化周期がセンサー格子ピッチ変化の空間周期に対応し、出力した信号が位相検出により格子ピッチ位置に対応し、初期ドライブ信号との間に電気位相差のある同周期方形波信号を取得できる。
【0106】
また、前記に多回路(8回路)のドライブ信号を受信する静電容量格子センサーを例にして本発明について説明したが、1回路のドライブ信号を受信する変位センサーも本発明に適する。この場合、ドライブ信号発生回路23は1回路のドライブ信号のみを送信してもよく、クロック分周回路22が出力したCLK512信号はこのドライブ信号と周期でも位相でも同じである。より一歩の実施例で、CLK512信号はドライブ信号の周期または位相と完全に同じではないことがある。例えば、周期は倍数関係、位相は反対または他の対応関係があってもいい。
【0107】
一部の実施例の方法がプロセスチャートにされることがある。操作がプロセスチャートで順序的な実行にされたが、多くの操作は並行でも同時または同期の実行でも可能なものである。これは理解できるものである。また、新たに操作の手順を設定してもいい。処理は操作が完了する時に終止してもいいが、図または実施例に含まれていない他のステップがあってもいい。
【0108】
前記の方法はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、偽のコード、ハードウェア記述言語またはそれらの任意の組合せで達成できる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアまたは偽のコードで実施する場合、タスクの実行に使用されるプログラムコードまたはコードのセグメンテーションは記憶媒体のようなコンピュータ可読媒体に記憶されることができ、プロセッサーはこのタスクを実行できる。
【0109】
理解すべきであるように、ソフトウェアに達成する実施例で、ある形式のプログラム記憶媒体でコーディングを行い、またはあるタイプの通信媒体で達成するのが普通である。プログラム記憶媒体はディスク(例えば、フロッピーディスクまたはハードディスク)またはCD(例えば、コンパクトディスク読み取り専用メモリまたはCD ROM)のような任意の非一時的な記憶媒体にしてもよく、それに読み取り専用またはランダムアクセスであってもいい。類似的に、通信媒体はツイストペア、同軸ケーブル、光ファイバ、または本分野の既知の適用する他の通信媒体にしてもいい。
【0110】
本発明について望ましい実施例で説明したが、本発明は前記の実施例に限られるものではなく、本発明の範囲にある場合、さまざまな変更及び変化も含む。
【符号の説明】
【0111】
1:タイマー
2:タイマー
10:静電容量格子センサー
11:大別化静電容量格子センサー
12:細分化静電容量格子センサー
20:静電容量格子センサーASICチップ
21:水晶発振回路
22:クロック分周回路
23:アナログスイッチ信号発生回路
24:静電容量格子信号処理回路
25:計数回路
26:変位データ処理回路
27:シリアル出力ポート
28:電圧検出回路
29:LCD表示回路
30:ASICチップ
41:タイマー
42:計数クロック
45:表示装置
46:シリアルポート
61:タイマー
80:ASICチップ
91:I/Oポート
100:ASICチップ
101:静電容量格子信号処理回路
102:静電容量格子信号処理回路
111:タイマー
112:タイマー
221:ステップ
230:ステップ
231:ステップ
232:ステップ
An:位置等価
CSI1:送信信号
CSI2:送信信号
Ln:総絶対変位等価
RAM44:データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11