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▶ 松崎 淳子の特許一覧

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  • 特許-ペット用オムツ 図1
  • 特許-ペット用オムツ 図2
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  • 特許-ペット用オムツ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】ペット用オムツ
(51)【国際特許分類】
   A01K 23/00 20060101AFI20220502BHJP
【FI】
A01K23/00 S
A01K23/00 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021024696
(22)【出願日】2021-01-08
【審査請求日】2021-06-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506305883
【氏名又は名称】松崎 淳子
(72)【発明者】
【氏名】松崎 淳子
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-174879(JP,A)
【文献】特開2009-240278(JP,A)
【文献】登録実用新案第3021428(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
前記糞収納袋は、プラスチックのシート、または内側にプラスチックの層が配されてなるシート素材からなることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のペット用オムツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬や猫などのペットに用いるオムツに関し、特に、排出される糞を収納する袋を有するペット用オムツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、犬や猫などのペットと室内で共同生活する家庭が増加している。そして、栄養状態の向上や、予防接種の徹底などに代表されるように、ペットに医療を施す機会が増加することによって、ペットの寿命が延びている。
【0003】
これに伴い、高齢化したペットの介護が課題となっている。具体的には、健常である場合、犬であれば、散歩中に屋外で排便し、猫であれば、室内に設置したペット用のトイレに排便するが、高齢になると、室内のトイレ以外の場所に排便したり、尾やその下の部分を、糞尿で汚損したりすることがあり、排便の世話が必要となる。
【0004】
この対策として、犬猫用のオムツが市販されている。これらの材質は乳児用のものとほぼ同じで、構造的には腹部当接部をペットの腹部に配し、背部当接部をペットの背部に配し、腹部当接部と背部当接部を繋ぐ中間部に、ペットの尾をオムツの外に出すための貫通孔が設けられ、腹部当接部と背部当接部を粘着テープなどの接合手段を用いて接合するものある。そして、中間部から腹部当接部には、吸水パッドが取り付けられている。
【0005】
しかし、この構造では、尿は吸水パッドに吸収されるので、ペットの身体や床が汚れることはないが、糞は、ペットの肛門近傍に付着するので、清拭したり洗浄したりする必要がある他、オムツから漏れた糞で床が汚れることがある。
【0006】
この対策として、特許文献1には、本体の長手方向の腹当接部と背当接部との間であって、ペットの肛門に臨む位置にある開口部を有したペット用おむつに装着される糞を収納する糞収納袋であって、前記糞収納袋の開口部は、前記ペットの肛門に臨むように、前記開口部の縁部に取り付けられ、前記糞収納袋の開口部から遠い側の前記糞収納袋の端部は閉塞すると共に、前記本体の外側に位置し、前記糞収納袋は、ペットの尻尾を通す尻尾穴を備え、前記糞収納袋は、上部に開口部を有する柔軟性のある合成樹脂製の樹脂袋で、前記糞収納袋の開口縁部の裏面側を前記本体の内側の開口部の縁部に接着剤で接着することができることを特徴とする糞収納袋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-022466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ここに開示されている糞収納袋は、ペットの肛門付近に配される開口部に、常時開口させるための手段が設けられていないため、糞が必ずしも袋内に収納されない可能性があり、改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、係る課題を解決するための、ペット用オムツとそれに用いられる、糞収納袋の構造を鋭意検討した結果なされたものである。
【0010】
上記課題を解決するための、本発明の一態様に係るペット用オムツは、本体の長手方向の腹部当接部と背部当接部の間の、肛門に配される部分に貫通穴が設けられ、前記貫通穴の下部に、着脱可能な糞収納袋を取り付けてなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様に係るペット用オムツは、糞収納袋の開口部の形状が、弦と弧を組み合わせてなり、肛門側に配される側の反対側が膨らむ形状を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様に係るペット用オムツは、前記の長さが、前記の長さの1.2~1.6倍であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様に係るペット用オムツは、前記糞収納袋が、プラスチックのシート、または内側にプラスチックの層が配されてなるシート材料からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るペット用オムツは、前記のように、開口部の構造が開いた状態を維持するのに適した構造を備えているので、肛門から排出された糞が、ほぼ確実に糞収納袋の開口部から内部に誘導される。この効果を一層確実にするため、開口部全体または弧の部分に、半月形または弧形状に成形した、金属やプラスチックの棒状の部材を取り付けることが可能である。
【0015】
また、オムツ全体や糞収納袋は、不織布などで構成することができるが、糞の糞収納袋の底部への落下を円滑にするために、糞収納袋全体を、ポリエチレンフィルムなどのプラスチックのシートで構成するか、糞収納袋の内側にプラスチックのシートを配することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】 本発明に係るペット用オムツを犬に装着した状態の一例を示す図。
図2】 本発明に係るペット用オムツの全体の一例を示す図。
図3】 本発明に係るペット用オムツの糞収納袋の一例を示す斜視図。
図4】 本発明に係るペット用オムツの糞収納袋の一例を示す図、図4(a)は平面図、図4(b)は正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に具体的な図を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係るペット用オムツを犬に装着した状態の一例を示す図である。図1において、10はオムツ本体、20は糞収納袋である。
【0018】
図2は、本発明に係るペット用オムツの全体の一例を示す図である。図において、11は背部当接部、12は腹部当接部、13は背部側取付ベルト、14は腹部側取付ベルト、15は背部側取付ベルトと腹部側取付ベルトを接合する接合手段である。接合手段15には、粘着テープやマジックテープ(登録商標)を用いることができる。
【0019】
そして、背部当接部11と腹部当接部13との間の部分には、尾をオムツの外部に引き出し、肛門を糞収納袋20側に露出させるための、貫通穴16が設けられている。糞収納袋20の内側には、ポリエチレンなどで構成されるプラスチックシート21が取り付けられている。このプラスチックシートにより、排出された糞は、糞収納袋20の底部に容易に滑り落ちる。
【0020】
なお、糞収納袋20は、糞収納袋接合手段22により、オムツ本体10に着脱可能とすることが可能である、接合手段としては、マジックテープなどを用いることが可能でるが、使用形態を考慮すると、ステイプラーのような簡略な手段を用いることも可能である。
【0021】
図3は、本発明に係るペット用オムツの糞収納袋の一例を示す斜視図である。また、図4は、本発明に係るペット用オムツの糞収納袋の一例を示す図で、図4(a)は平面図、図4(b)は正面図である。
【0022】
これらの図に示したように、本発明に係るペット用オムツに用いられる糞収納袋20は、開口部が、弦形状部211と弧形状部212を有し、弧形状部212の長さwが弦形状部211の長さwの1.2~1.6倍に設定されているので、オムツを装着した状態で、開口部が開いた状態を維持できるので、ペットが排出した糞を、ほぼ確実に収納できる。
【0023】
以上に説明したように、本発明によれば、ペットが排出した糞を、ほぼ確実に付属の糞収納袋に貯留することが可能な、ペット用オムツを提供することができる。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0024】
10・・・オムツ本体 11・・・背部当接部
12・・・腹部当接部 14・・・腹部側取付ベルト
15・・・接合手段 16・・・貫通穴
20・・・糞収納袋 21・・・プラスチックシート
22・・・糞収納袋接合手段
211・・・弦形状部 212・・・弧形状部
【要約】
【課題】 ペットが排出した糞を収納する袋を備えたペット用のオムツで、糞が確実に袋に収納されるようにした構成を提供する。
【解決手段】 オムツ本体の長手方向の腹部当接部と背部当接部の間の、肛門に配される部分に貫通穴を設け、貫通穴の下部に、着脱可能な糞収納袋を取り付けて、ペット用のオムツを構成する。ペットが排出した糞が、確実に糞収納袋の内部に落下するように、糞収納袋の開口部の形状を、半月形にし、肛門側に配される側の反対側が膨らむように配置する。また、糞収納袋全体をプラスチックシートで構成するか、糞収納袋の内部にプラスチックシートを配し、糞を滑り易くすることで、糞の糞収納袋への落下を円滑にできる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4