(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】学習用ボード
(51)【国際特許分類】
B43L 1/00 20060101AFI20220502BHJP
【FI】
B43L1/00 A
(21)【出願番号】P 2017232895
(22)【出願日】2017-12-04
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000200666
【氏名又は名称】泉株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】関 和治
(72)【発明者】
【氏名】亀田 周兵
(72)【発明者】
【氏名】阿部 晃之
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3206276(JP,U)
【文献】実開昭48-101717(JP,U)
【文献】特開2004-309715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43L 1/00- 1/12
G09F 15/00-15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛性を有して平坦なボード本体と、このボード本体の表面に被せられる透明フィルムと、該透明フィルムをボード本体に留める留め具とを備えた学習用ボードにおいて、
上記留め具の断面を略コ字形に形成するとともに、ボード本体の一辺を留め具内に固着させて、該留め具の前方挟持部とそれに対向するボード本体の表面との間に収容凹部を形成するとともに、前方挟持部の内面に段部を形成し、
また、上記透明フィルムの一辺に、そこから連続して外方へ折り返されたストッパ部としての帯状部を形成し、
上記透明フィルムの一辺及び帯状部を上記収容凹部内に位置させるとともに帯状部の先端を上記段部に当接させて、透明フィルムを留め具で保持することを特徴とする学習用ボード。
【請求項2】
上記透明フィルムがボード本体の一辺及び留め具の長手方向に沿って位置ずれするのを防止する位置ずれ防止手段を備えており、この位置ずれ防止手段は、透明フィルムに形成された被係合部と、該被係合部に係合する係合部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の学習用ボード。
【請求項3】
上記位置ずれ防止手段は、断面コ字形に形成されるとともに内面に係合突起が形成されたクリップと、上記透明フィルムの帯状部に穿設された係合孔とからなり、上記クリップの係合突起が上記係合部となっており、上記帯状部の係合孔が上記被係合部となっており、
上記クリップを、上記係合孔の位置の帯状部及びその位置のボード本体に嵌装させるとともに、クリップの係合突起を上記係合孔に係合させて、透明フィルムが位置ずれするのを防止したことを特徴とする請求項2に記載の学習用ボード。
【請求項4】
上記位置ずれ防止手段は、上記ボード本体の一辺及び透明フィルムの帯状部にそれぞれ形成されたU字形の切り欠き部と、ボード本体の切り欠き部に装着される固定ピンとを備え、上記帯状部の切り欠き部が上記被係合部となっており、上記固定ピンの円柱部が上記係合部となっており、
上記固定ピンの円柱部に透明フィルムの帯状部の切り欠き部を係合させることで、透明フィルムが位置ずれするのを防止したことを特徴とする請求項2に記載の学習用ボード。
【請求項5】
上記位置ずれ防止手段は、上記留め具の前方挟持部及び後方挟持部の重合位置に穿設された係合孔と、上記ボード本体の一辺の所定位置に穿設された係合孔と、上記透明フィルムの帯状部の所定位置に形成された半円形の切り欠き部と、円柱状の固定ピンとを備え、上記帯状部の半円形の切り欠き部が上記被係合部となっており、上記固定ピンが上記係合部となっており、
上記留め具及びボード本体の一辺の係合孔に固定ピンが嵌合されるとともに該固定ピンに透明フィルムの切り欠き部が係合することで、透明フィルムが位置ずれするのを防止したことを特徴とする請求項2に記載の学習用ボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は学習用ボードに関し、より詳しくは、ボード本体とその表面に被せられる透明フィルムと、それらを留める留め具とを備えて、上記透明フィルムを容易に交換可能な学習用ボードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、児童の学習用等に提案された学習用ボードは知られており、この学習用ボードは、剛性を有する平坦なボード本体と、ボード本体の表面に被せられる透明フィルムと、ボード本体及び透明フィルムを保持する留め具とを備えている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の学習用ボードは、透明フィルムの端部をめくってボード本体と透明フィルムの間に所要の印刷物を挟み込み、その状態において透明フィルムの上から筆記具で文字等を記載し、或いは記載した文字等を消去して繰り返し使用するようになっている。
ところで、透明フィルムは薄膜状であって可撓性を有しているが、透明フィルムをボード本体に被せたり、剥がしたりを繰り返すうちに、透明フィルムの隅部やその他の部分が徐々に損傷する。そのため、学習用ボードを使用することに伴って透明フィルムを新しいものと交換する必要があり、透明フィルムの交換を容易に行うことが可能な学習用ボードが要望されていたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した事情に鑑み、本発明は、剛性を有して平坦なボード本体と、このボード本体の表面に被せられる透明フィルムと、該透明フィルムをボード本体に留める留め具とを備えた学習用ボードにおいて、
上記留め具の断面を略コ字形に形成するとともに、ボード本体の一辺を留め具内に固着させて、該留め具の前方挟持部とそれに対向するボード本体の表面との間に収容凹部を形成するとともに、前方挟持部の内面に段部を形成し、
また、上記透明フィルムの一辺に、そこから連続して外方へ折り返されたストッパ部としての帯状部を形成し、
上記透明フィルムの一辺及び帯状部を上記収容凹部内に位置させるとともに帯状部の先端を上記段部に当接させて、透明フィルムを留め具で保持することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
このような構成によれば、透明フィルムの一辺及び帯状部を留め具の前方挟持部とボード本体との間に差し込むことで、透明フィルムを留め具に保持することができる。そのため、透明フィルムの交換を容易に行うことが可能な学習用ボードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1に示す学習ボードの構成部材を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施例について本発明を説明すると、
図1ないし
図2において、1は学習用ボードであり、この学習用ボード1は全体として平板状になっており、これを用いて児童が算数や国語等を学習できるようになっている。
学習用ボード1は、剛性を有する平坦なボード本体2と、このボード本体2の表面2Aに被せられる軟質の透明フィルム3と、ボード本体2にフィルム3の長辺3Aを挟み込んで保持する留め具4と、ボード本体2の裏面2Bにおける四辺に固着されるマグネット薄板5と、留め具4の長手方向の両端の隣接位置に装着される一対のクリップ6、6とを備えている。
【0009】
ボード本体2は、長方形をした厚さ6mm程の発泡スチロール板からなり、ボード本体2の上方側の長辺2Cを留め具4内に係合させて固着させている。ボード本体2の表面2Aの全域は、ビニールの薄膜でコーティングされており、それにより、ボード本体2の表面2Aは滑らかな平坦面となっている。
ボード本体2の裏面2Bにおける各長辺及び短辺の縁部に、それぞれ直線状のマグネット薄板5が固着されるようになっている。なお、ボード本体2の上方の長辺2Cには留め具4が固着されるので、裏面2Bの長辺2C用のマグネット薄板5は留め具4の裏面に固着されるようになっている。これら裏面2Bの四辺に固着されたマグネット薄板5を、例えばスチール製の黒板やホワイトボードボードに磁着させることで、学習用ボード1全体を黒板やホワイトボードの所要箇所に留めることができるようになっている。
【0010】
留め具4は、細長い直線状をした合成樹脂からなり、この留め具4の長手方向寸法(全長)は、ボード本体2の長辺2Cの寸法から2つのクリップ6の長さを差し引いた寸法に設定されている。
また、
図5に断面図で示すように、留め具4の長手方向と直交する方向の断面は略コ字形に形成されており、この留め具4内にボード本体2の長辺2Cを固着している。
より詳細には、留め具4は、ボード本体2の長辺2Cの縁部の外面と当接する当接部4Aと、この当接部4Aから直交方向に延びて相互に対向する前方挟持部4Bと後方挟持部Bと、前方挟持部4Bの内面の下端部に形成された段部4Dと、段部4Dの隣接位置となる前方挟持部4Bの内面に形成された収容凹部4Eとを備えている。
薄板状となっている前方挟持部4Bと後方挟持部4Cの間に、ボード本体2の長辺2Cが係合され、該長辺2Cの裏面と縁部の外面が留め具4の当接部4A及び後方挟持部4Cに固着されている。このように、留め具4にボード本体2の長辺2Cが固着されることで、段部4Dよりも下方側となる前方挟持部4Bの内面4Baがボード本体2の表面2Aに軽く接触するようになっており、かつ、ボード本体2の表面2Aとそれに対向する収容凹部4Eとの間に、透明フィルム3を折り込んで挿入可能な隙間4Fが維持されるようになっている。
【0011】
一方、
図5~
図7に示すように、透明フィルム3は、厚さ0.5mm未満の軟質で透明なフィルムからなり、ボード本体2と同じ大きさの長方形に形成されている。
透明フィルム3における上方側となる長辺3Aには、その長手方向に沿って、かつ外方へ折り返されたストッパ部としての帯状部3Bが形成されている。帯状部3Bの幅(上下方向寸法)は、上記留め具4の収容凹部4Eの幅(上下方向寸法)よりも少し短い寸法に設定されている。帯状部3Bは、長辺3Aの隣接下方の部分に密着しておらず、自己の弾性によりそこから離隔して少し傾斜した状態となっている(
図7参照)。そして、留め具4に差し込まれる前の自然状態では、透明フィルム3の長辺3Aとそれに連続する帯状部3Bが断面クサビ状となっており、そこが留め具4の前方挟持部4Bとボード本体2の表面2Aとの間に差し込まれる差し込み部3Cとなっている。
また、
図6及び
図2に示すように、帯状部3Bの長手方向の両端の位置には、それぞれ係合孔3Dが穿設されている。これら帯状部3Bの両端の係合孔3Dの位置に各クリップ6を取り付けるようになっている。なお、透明フィルム3における下方側の長辺及び両短辺には帯状部3Bは形成されていない。
【0012】
次に、
図8、
図9に示すように、クリップ6は、留め具4の断面形状に合わせた断面コ字形に形成されており、このクリップ6は、ボード本体2の長辺2Cとそれに重合した状態の透明フィルム3の係合孔3Dの箇所に挟み込ませて装着されるようになっている(
図3、
図4参照)。
クリップ6は、ボード本体2の長辺2Cの縁部と当接する当接部6Aと、それから直交方向に延びる前方挟持部6B及び後方挟持部6Cと、前方挟持部6Bの内面中央に突設した係合突起6Dとを備えている。
上記透明フィルム3の差し込み部3Cを、留め具4の前方挟持部4Bの下方側の内面4Baとボード本体2の表面2Aとの間から差し込むと、ストッパ部としての帯状部3Bが収容凹部4E内に収容されることで、透明フィルム3が留め具3により保持されるようになっている。その際には留め具4の長手方向両端の隣接位置に透明フィルム3の帯状部3Bの両端が露出した状態となる。そこで、その露出状態の帯状部3Bの端部及びボード本体2の長辺2Cを挟み込むようにして2つのクリップ6、6を嵌装するようになっている。それにより、クリップ6、6によってボード本体2の長辺2Cと透明フィルム3の差し込み部3Cが重合した状態で挟持され、かつクリップ6の突起6Dが透明フィルム3の係合孔3Dと係合する(
図3参照)。
つまり、留め具4の長手方向の両端の隣接位置に、各クリップ6、6が装着され、かつ係合突起6Dが係合孔3Dに係合することで留め具4及びボード本体2の長手方向に向けて透明フィルム3が移動できないようになっている。これにより、留め具4の長手方向及びボード本体2の長辺2Cの長手方向に沿って透明フィルム3が位置ずれするのが防止される。本実施例においては、クリップ6、6と透明フィルム3の係合孔3Dとによって、留め具4及びボード本体2に対して透明フィルム3が位置するのを防止する位置ずれ防止手段7が構成されている。本実施例においては、透明フィルム3の係合孔3Dが位置ずれ防止手段7の被係合部となっており、クリップ6の係合突起6Dが位置ずれ防止手段7の係合部となっている。
【0013】
以上のように構成された学習用ボード1を市販する際には、
図1に示すように、予め透明フィルム3の差し込み部3Cを前述したように留め具4に差し込んで保持させてあり、かつ両方のクリップ6,6が留め具4の隣接位置に装着されている。なお、透明フィルム3は、それ自体の静電気によりボード本体2の表面2Aに貼り付いた状態となっている。また、この学習用ボード1には、それと同梱で交換用の数枚の透明フィルム3が添付されており、その状態で市販されるようになっている。
学習用ボード1の使い方は、前述した従来の学習用ボードと同じである。つまり、透明フィルム3の隅部や下方側の長辺をめくって、ボード本体2の表面2Aと透明フィルム3との間に所要の印刷物を挟み込み、その状態において透明フィルム3上に筆記具で文字や数字を書き込み、或いは、書き込みした内容を消去して使用する。
【0014】
このように学習ボード1を使用していくうちに、透明フィルム3の隅部等が損傷するので、次のようにして透明フィルム3を新しいものと交換する。
つまり、先ず、一方のクリップ6の前方挟持部6Bを少し押し開いて係合突起6Dを透明フィルム3Dの係合孔3Dから外した後、クリップ6をボード本体2の長辺2及び透明フィルム3から取り外す。他方のクリップ6も同様にして取り外す。つまり、位置ずれ防止手段7による留め具4及びボード本体2への透明フィルム3の固定を解除する。
その後、留め具4及びボード本体2の長辺2Cの長手方向に沿って、使用済みの透明フィルム3を
図1における横方向にずらして留め具4から取り外す。このようにして横方向にずらして取り外すのは、
図5に示すように、透明フィルム3におけるストッパ部としての帯状部3Bが留め具4の収容凹部4Eに収容されているため、単純に
図1の下方側に引いただけでは帯状部3Bの下端が段部4Dに当接して取り外せないためである。
この後、新たな透明フィルム3を用意し、その差し込み部3C(帯状部3B、長辺3A)を、留め具4の前方挟持部4Bとボード本体2との間に深く差し込み、ストッパ部としての帯状部3Bを隙間4F(収容凹部4E)内に位置させる(
図5参照)。帯状部3Bは少し傾斜しているので、その先端部(下端部)が段部4Dに当接するため、透明フィルム3は差し込み方向と逆方向に脱落することはない。また、透明フィルム3における差し込み部3C(帯状部3B、長辺3A)よりも隣接下方側の箇所は、長手方向全域にわたってボード本体2の表面と留め具4の内面とによって挟持される。これにより、新たな透明フィルム3が留め具4に保持される。
この後、留め具4の両端の隣接位置で露出した透明フィルム3及びその位置のボード本体2にクリップ6,6を嵌装し、クリップ6の係合突起6Dを帯状部3Bの係合孔3Dに係合させる。つまり、位置ずれ防止手段7により、留め具4の長手方向及びボード本体2の長辺2Cの長手方向に対する透明フィルム3の位置ずれを防止する。これにより、透明フィルム3の交換作業が終了する。
【0015】
以上のように、本実施例によれば、透明フィルム3を交換する際には、新たな透明フィルム3の差し込み部3Cを留め具4の前方挟持部4Bとボード本体2の表面2Aとの間に差し込むだけでよい。それにより、留め具4により透明フィルム3が保持される。その後、位置ずれ防止手段7としての一対のクリップ6,6を透明フィルムの係合孔3D、3Dの位置にそれぞれ嵌装させれば、ボード本体2、留め具4に対する透明フィルム3の横ずれが防止されて、脱落を防止することができる。このような本実施例によれば、透明フィルム3の交換が容易な学習用ボード1を提供することができる。
なお、上記実施例においては、使用済みの透明フィルム3を留め具4から取り外した後に新たな透明フィルム3を留め具4に差し込んで保持させているが、使用済みの透明フィルム3を取り外さずに、その上から新たな透明フィルム3を上述した要領で留め具4に差し込んで保持させても良い。この場合には、古い透明フィルム3と新しい透明フィルム3を重ねた状態で使用することになる。
本実施例においては、位置ずれ防止手段7の構成要素として2つのクリップ6,6を設けているが、いずれか一つだけ設けても良い。また、留め具4の長手方向中央にクリップ6を嵌装可能なスペースを形成し、そこに一つのクリップ6を嵌装するようにしても良い。
【0016】
次に、
図10ないし
図13は、位置ずれ防止手段7に関する第2実施例を示したものである。この第2実施例においては、上記第1実施例におけるクリップ6,6と透明フィルム3の係合孔3D、3Dを省略している。その代わりにボード本体2の長辺2Cの中央部及びそれに対応する透明フィルム3の長辺3A、帯状部3B(差し込み部3C)の長手方向中央にU字形の切り欠き部2Ca、3Baを形成するとともに、ボード本体2の切り欠き部2Caに固定ピン9を装着することにより、透明フィルム3がボード本体2及び留め具4の長手方向(
図10の横方向)に位置ずれするのを防止している。つまり、この第2実施例では、固定ピン9と、それが係合されるボード本体2の切り欠き部2Ca及び透明フィルム3の切り欠き部3Baとによって位置ずれ防止手段7が構成されている。
この第2実施例においては、帯状部3Cを折り返す前の透明フィルム3をボード本体2に重合させた状態において、ボード本体2の長辺2Cの中央部をU字形に切り取ることで、それら重合状態の両部材にU字形の切り欠き部2Ca、3Baを形成するようにしている。その後に、透明フィルム3の長辺3Aの箇所を折り返して帯状部3Bを形成するようになっている。それにより、透明フィルム3の切り欠き部3Baは実質的に半円形となっている(
図10、
図11参照)。
固定ピン9は、ボード本体2の厚さと同じ肉厚の本体部9Aを備えており、該本体部9Aはボード本体2の切り欠き部2Caと同一形状となっている。本体部9Aの前面(表面)の中央部には、円柱部9Bが突設されている。また、本体部9Aの両側部には、切刃状の差し込み部9Cが形成されており、本体部9Aの先端にも針状の差し込み部9Dが形成されている。
固定ピン9をボード本体2の切り欠き部2Ca内に強く押し込むと、3箇所の差し込み部9C、9Dが切り欠き部2Caの側面に差し込まれるとともに、固定ピン9の本体部9Aが切り欠き部2Ca内に隙間なく係合されて固定される。それにより、切り欠き部2Caに固定ピン9が装着されるようになっており、その状態のボード本体2が留め具4に固定されるようになっている。
その状態の透明フィルム3の差し込み部3Cを留め具4の収容凹部4E内に差し込むと、帯状部3Bが収容凹部4E内に保持され、かつ、透明フィルム3の切り欠き部3Baが固定ピン9の円柱部9Bに係合する(
図10、
図12参照)。
これにより、透明フィルム3がボード本体2及び留め具4の長手方向への位置ずれが防止されるようになっている。第2実施例における位置ずれ防止手段7は以上のように構成されている。この第2実施例においては、透明フィルム3の切り欠き部3Baが位置ずれ防止手段の被係合部となっており、固定ピン9の円柱部9Bが位置ずれ防止手段7の係合部となっている。その他の構成は、上記
図1ないし
図9に示した第1実施例と同じであり、それと対応する部材には同じ部材番号を付している。
【0017】
次に、
図14及び
図15は、位置ずれ防止手段7に関する第3実施例を示したものである。
この第3実施例においては、留め具4における前方挟持部4B及び後方挟持部4Cの長手方向中央部に係合孔4Gを穿設するとともに、その位置に対応させてボード本体2と透明フィルム3に係合孔2D、3Baを穿設し、円柱状の固定ピン10を係合孔4G、2Dに嵌合させるようしている。
より詳細には、留め具4における前方挟持部4B及び後方挟持部4Cの対向位置に同一内径の係合孔4Gを穿設している。また、ボード本体2の長辺2付近の長手方向中央に、上記係合孔4Gの位置に対応させて貫通孔2Dを穿設してあり、さらに、透明フィルム3にも差し込み部3Cの長手方向中央に貫通孔3Baを穿設している。
孔明け作業は、ボード本体2と透明フィルム3を重合させた状態で、留め具4にボード本体2の長辺2Cを嵌め込み、その重合状態においてそれら3部材にドリルによって貫通孔を穿設するようにしている。
その後、一旦、留め具4から取り外した透明フィルム3の長辺3Aの隣接箇所を外方へ折り曲げることで、帯状部3B(差し込み部3C)を形成するようにしている。それにより、透明フィルム3の係合孔3Baは半円形の切り欠き部として形成される。
そして、ボード本体2の長辺2Cを留め具4に固着した後に、留め具4の両係合孔2D及びボード本体2の係合孔2Dに円柱状の固定ピン10を嵌合させる。その後から留め具4の前方挟持部4B内に透明フィルム3の差し込み部3Cを差し込むと、帯状部3Bが収容凹部4E内に保持されるとともに切り欠き部としての係合孔3Ba固定ピン10の外周部に係合する(
図14参照)。
そのため、透明フィルム3はボード本体2及び留め具4の長手方向への位置ずれが防止されるようになっている。第3実施例の位置ずれ防止手段7は以上のように構成されている。この第3実施例においては、透明フィルム3の係合孔3Baが位置ずれ防止手段7の被係合部となっており、固定ピン10が位置ずれ防止手段7の係合部となっている。その他の構成は、上記
図1ないし
図9に示した第1実施例と同じであり、それと対応する各部材には同じ部材番号を付している。
なお、上記各実施例においては、ボード本体2及び透明フィルム3は長方形となっているが、それらを正方形にしても良い
また、上記各実施例における位置ずれ防止手段7(例えばクリップ6、6と係合孔3D、3D)は必須のものではなく、位置ずれ防止手段7を省略しても良い。
【符号の説明】
【0018】
1‥学習用ボード 2‥ボード本体
2A‥表面 2C‥長辺
3‥透明フィルム 3A‥長辺
3B‥帯状部 3C‥差し込み部
4‥留め具 4B‥前方挟持部
4E‥収容凹部 4D‥段部