(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】会計業務管理装置、会計業務管理システム、会計業務管理プログラム、会計業務管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/00 20120101AFI20220502BHJP
【FI】
G06Q40/00 400
(21)【出願番号】P 2021167673
(22)【出願日】2021-10-12
(62)【分割の表示】P 2020059049の分割
【原出願日】2020-03-27
【審査請求日】2021-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2019069383
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591008605
【氏名又は名称】株式会社日本デジタル研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】土本 一生
(72)【発明者】
【氏名】山川 正一郎
(72)【発明者】
【氏名】西谷 達也
(72)【発明者】
【氏名】林 宏明
【審査官】阿部 陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-101183(JP,A)
【文献】国際公開第00/077707(WO,A1)
【文献】湯好 一生,NTマイブームテクニック使いこなし編 MY BOOM TECHNIQUE,Windows NT PRESS No.4 ,日本,株式会社技術評論社
【文献】清木 隆文,パソコンLAN導入ガイド,日経バイト 第69号 NIKKEI BYTE,日本,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会計業務を管理するための会計業務管理サーバー装置であって
前記サーバー装置は、複数のサーバーと1以上のローカルの端末とを含むネットワークに接続される装置であり、
前記サーバー装置は、サーバー管理情報を記憶部に記憶しており、
前記サーバー装置は、前記ネットワークに接続されたとき、
・前記複数のサーバーのうち特定の1つのサーバーを複写元サーバーとして指定する情報を前記端末から受信するように構成され、
・前記複写元サーバー以外のサーバーのうち1つ又は複数のサーバーを複写先サーバーとして指定する情報を前記端末から受信するように構成され、
・前記複写元サーバーの前記サーバー管理情報を、前記複写先サーバーの記憶部に複写するように構成され、
ここで、前記サーバー装置は、
・前記サーバー管理情報のうちの一部を複写する対象として指定する情報を前記端末から受信するように構成され、
・指定された前記サーバー管理情報がユーザー情報の場合には、各サーバー
を参照できるユーザーを指定する情報を前記端末から受信するように構成され、
・各サーバー
を参照できるユーザーを指定する情報を受信した場合には、各ユーザーに関連する設定情報のうちの一部を複写対象として指定する情報を前記端末から受信するように構成される、
会計業務管理サーバー装置。
【請求項2】
請求項1の会計業務管理サーバー装置を備える会計業務管理システム。
【請求項3】
請求項1の会計業務管理サーバー装置、又は、請求項2の会計業務管理システムを用いた会計業務を管理するための会計業務管理方法であって、前記方法は、
・前記サーバー装置が、前記ネットワークに接続されたとき、前記複数のサーバーのうち特定の1つのサーバーを複写元サーバーとして指定する情報を前記端末から受信するステップと、
・前記サーバー装置が、前記ネットワークに接続されたとき、前記複写元サーバー以外のサーバーのうち1つ又は複数のサーバーを複写先サーバーとして指定する情報を前記端末から受信するステップと、
・前記サーバー装置が、前記ネットワークに接続されたとき、前記複写元サーバーの前記サーバー管理情報を、前記複写先サーバーの記憶部に複写するステップと、
を含み、
前記方法は、更に、
・前記サーバー管理情報のうちの一部を複写する対象として指定する情報を前記端末から受信するステップと、
・指定された前記サーバー管理情報がユーザー情報の場合には、各サーバー
を参照できるユーザーを指定する情報を前記端末から受信するステップと、
・各サーバー
を参照できるユーザーを指定する情報を受信した場合には、各ユーザーに関連する設定情報のうちの一部を複写対象として指定する情報を前記端末から受信するステップと、
を含む、方法。
【請求項4】
請求項3の方法を前記会計業務管理サーバー装置に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数のサーバー装置を使用した場合における会計業務管理において、会計業務管理装置、会計業務管理システム、会計業務管理プログラム、会計業務管理方法によれば、サーバー装置を運用している場合、さらにサーバー装置を増設した際に管理者が特定のサーバー装置に対して会計業務やサーバー設定に関連する情報を簡単に複写や設定ができるようすることで管理の手間を削減することができる技術等に関するものである。
具体的には、会計事務所、税理士事務所において、サーバー装置を増設する際には
税理士を中心とする小グループ内でのサーバー増設を行う場合や、新たな税理士グループの合併に伴うサーバー増設や独立管理しているサーバーのセキュリティやネットワーク設定を生かしつつ事務所の他のサーバーとの接続設定を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
会計事務所等においては、最初は小さな事務所等から始め、顧問先や取引先等が増加することに伴い規模を拡大していく。そのため、会計事務所等開設当初はPC1台で会計業務を行うが、規模が大きくなってくると、人員の増加や処理するデータ等の増加に伴い、クライアントサーバーシステム等を導入も必要になる。会計事務所等の規模に応じて、追加のサーバーを増設して業務を運営する場合、それぞれのサーバーを相互に連携するようにして動作させる必要が出てくる。
また、税理士法人等では、各税理士が各顧問先とそれぞれ契約を結んでおり、それぞれの顧問先の会計データや個人情報は、他の税理士には秘匿にする必要があり、サーバー内で
閲覧できないようにグループ分けする必要が出てくる。
さらに、それぞれ個人の会計事務所を運営している複数の会計事務所等が、税理士法人化した場合、それぞれの個人会計事務所をまとめて管理する必要があるが、それぞれネットワーク環境が異なったコンピュータを接続して管理するためには、コンピュータに詳しい管理者が多くの工数をかけて導入の準備をする必要が出てきたり、
サーバーの拡張においてのセキュリティポリシーの統一等をする問題等もあった。
【0003】
そこで、サーバーを複数にした場合にサーバーにマスターとスレーブの関係を持たせ、マスターのデータが更新された際に、スレーブのデータを更新する技術があった。(例えば、特許文献1 特開2001-34518参照)。
【0004】
さらに、サーバーへの参照・複写を容易にするため管理メニューを表示する技術があった(例えば特許文献2 特開平7-306768参照)。
これは、事務所の成長規模に沿ったサーバーを追加増設した場合に、例えば、サーバーを主サーバー(マスター)とスレーブの関係を持たせたり、同格のサーバーとして運用したりとすることがあり、その設定、運用において、主サーバー(マスター)や、追加サーバーにおいて、各サーバーについての設定や、データ更新等、同格のサーバーあるいは、スレーブサーバーの設定や、データを更新する技術に関するものである。
【0005】
そこで、複数の単体PCを接続した場合において、ファイルのアクセス管理を行う事が出来る技術があった(例えば特許文献3 特開2010-123042参照)。
【0006】
さらに、スケールアウト処理やスケールアップ処理を実行することで処理負荷が高くなった際に柔軟にリソースを変更できる技術があった(例えば特許文献4 特開2015-194810参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
会計事務所等において、会計事務所等が使用しているクライアントサーバーの環境に新たにサーバーを追加する場合においては、以下の様な課題があった。
【0012】
複数台のサーバーを管理する際に、すでに運用しているネットワーク環境に新たにサーバーを追加した際に、サーバーを利用している会計事務所の税理士等がお互いに会計データや個人情報等のデータについて、どのデータにアクセスできるのか、どのサーバーを利用するかなど、それぞれの税理士等のグループ毎の会計業務に必要な情報やサーバーの管理情報を設定するためには、専門の知識を持ったシステム管理者が必要になることが多い。
個人の会計事務所が自分の事務所を持ちつつ税理士法人化した場合、個人の会計事務所を
独立した運営を保持して、セキュリティを保ちつつ、そのうえで法人としての管理をいかにして簡単に行えるかが課題であった。
【0013】
また、会計事務所内で複数のサーバーを連携させて負荷軽減やスケールアウトを実施しようとしつつ、いかに接続されたサーバーシステム全体のセキュリティポリシーやアクセス権限やハードウェアリソースの情報をすべて把握したうえで設定するか、管理者にとっては大変手間かかることが課題であった。
【0014】
このような場合に各サーバーグループのセキュリティポリシーやアクセス権限等の独立性とセキュリティを担保しつつ、いかに簡単にサーバーを増設、すなわち既に構築済みのクライアントサーバー環境のネットワークにつなぐだけですぐに使えるかが課題であった。
【0015】
さらに、複数のサーバーを利用する際に各サーバーでアカウント情報等を別々に管理している場合、あるサーバーから他のサーバーにログインする際に、あるサーバーをログアウトしつつ、いかに他のサーバーにログインする場合に他のサーバーのアカウント情報を登録するか、すなわちアカウント情報とパスワードを入力する必要があり処理が煩雑なうえにアカウント情報をいかに把握するかが課題であった。
【0016】
次にサーバーを管理する手法としてActive Directory(アクティブディレクトリ)という機能があり、これはWindows Server(Windows Serverは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。)ベースのシステムに認証の機能を提供するもので、Active Directoryで一度認証すれば、Active Directory管理下のそれぞれのサーバーに対してアクセスする際にいちいちユーザー名とパスワードを入力しなくてもよくなりつつも、Active Directoryを運用しようとしたときには、いかにActive Directoryの管理サーバーが別途必要になったり、管理者が必要になったり、その管理者にはコンピュータやネットワークの高度な知識が必要になったりすることが課題であった。
【0017】
会計事務所でコンピュータを利用する場合、開設当初はクライアントPC一台のみで運用したり、クラウド上の仮想環境のみで業務を進めていくことになりつつも、業務が軌道に乗ってきたときに、いかに所内のシステムを規模に応じて拡張して、サーバーを徐々に増設するような運用をスムーズに進めていくかが課題であった。
【0018】
さらに複数の公認会計士や税理士によって税理士法人を開設するような場合は、双方の事務所でクライアントサーバー環境を構築してActive Directoryを利用している場合、いかに所内の管理を簡素化するか、すなわち非常に手間と時間がかかることが課題であった。
また、会計事務所が会計事務所の顧問先企業とネットワーク接続した場合にも会計事務所と顧問先の双方でActive Directoryを利用している場合や、さらに会社が合併した場合や親会社と小会社をネットワーク接続した場合、本店や支店をネットワーク接続した場合にも、いかに管理を簡素化するか、すなわち非常に手間と時間がかかることが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0019】
以上の課題を解決するために、
第1の発明は、
税理士法人において、サーバー毎に独立したユーザー情報管理と会社情報管理を行う税務
・会計処理サーバーとクライアントワークステーションからなるネットワークに
前記サーバーとは別設定の独立したユーザー情報管理と会社情報管理を行う、税務・会計処理サーバーおよびクライアントワークステーションを追加設置、もしくは個々に独立したユーザー情報管理と会社情報管理を行う複数の税務・会計処理サーバーとクライアントワークステーションによって構成されるネットワークにおいて、
前記複数の税務・会計処理サーバーと前記クライアントワークステーションには、
サーバー毎に独立したユーザー情報を登録する記憶部と、
サーバー毎に独立した会社情報を登録する記憶部と、
当該ネットワーク上のサーバー情報を登録する記憶部を備え、
前記クライアントワークステーションにはさらに
前記サーバー情報表示手段
と、
前記複数の税務・会計処理サーバーのうち、一方のサーバーのユーザー情報表示手段と、
前記複数の税務・会計処理サーバーのうち、他方のサーバーの会社情報表示手段と、
前記サーバー情報表示手段と前記ユーザー情報表示手段、及び前記会社情報表示手段に基づいてユーザー情報と会社情報の選択表示手段
と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1に記載の
ネットワークシステムにおいて
クライアントワークステーションに
当該ネットワーク上のサーバー情報を登録する記憶部と、
当該サーバー情報記憶部の情報表示手段と、
当該サーバー情報表示手段により表示された情報に基づいて
利用可能サーバー選択手段と、
を備えることを特徴とする。
第3の発明は
第1に記載の
ネットワークシステムにおいて、
複数の税務・会計処理サーバーとクライアントワークステーションには、
サーバー毎に独立したユーザー情報を登録する記憶部と、
サーバー毎に独立した会社情報を登録する記憶部と、
当該ネットワーク上のサーバー情報を登録する記憶部を備え、
前記クライアントワークステーションにはさらに
前記サーバー情報表示手段
と、
前記複数の税務・会計処理サーバーのユーザー情報表示手段と、
前記複数の税務・会計処理サーバーの会社情報表示手段と、
前記サーバー情報表示手段と前記ユーザー情報表示手段、及び前記会社情報表示手段に基づいて、サーバー情報とユーザー情報、及び会社情報の選択手段と
前記選択手段で選択した、サーバー情報とユーザー情報、及び会社情報により検索を実施した検索手段
と、
前記検索手段に基づいて検索した検索結果表示手段
と、
前記検索結果に基づいて検索結果で得られた対象情報を表示する検索対象情報表示手段
と、
を備えることを特徴とする。
第4の発明は
第1に記載の
ネットワークシステムにおいて、
複数の税務・会計処理サーバーとクライアントワークステーションには、
サーバー毎に独立したユーザー情報を登録する記憶部と、
サーバー毎に独立した会社情報を登録する記憶部と、
当該ネットワーク上のサーバー情報を登録する記憶部を備え、
前記クライアントワークステーションにはさらに
前記サーバー情報表示手段
と、
前記複数の税務・会計処理サーバーのユーザー情報表示手段と、
前記複数の税務・会計処理サーバーの会社情報表示手段と、
前記サーバー情報表示手段と前記ユーザー情報表示手段、及び前記会社情報表示手段に基づいて、サーバー情報とユーザー情報、及び会社情報の選択手段と
前記選択手段で選択した、サーバー情報とユーザー情報、及び会社情報により集計を実施した集計手段
と、
前記集計手段に基づいて集計した集計結果表示手段
と、
前記集計結果表示手段に基づいた集計結果印刷手段
を備えることを特徴とする。
第5の発明は、
会計業務を管理するための会計業務管理装置であって
サーバーと1以上のローカルの端末とがネットワークで接続される会計業務管理
システムにおいて、
サーバーが簡単にネットワークに増設できる手段と、
複数のサーバーのうち、特定の1つのサーバーを主サーバーとして取り扱う手段と
主サーバーのサーバー管理情報をその他のサーバーに複写する手段を備え
主サーバーからその他のサーバーに複写するサーバー管理情報を選択するための
複写データ選択手段と、
各サーバーに参照できるユーザーを選択するための参照ユーザー
選択手段と、
各サーバーの管理設定を選択するための管理設定選択手段を備えることで、
各サーバーへのサーバー管理情報複写を最適化することを特徴とする。
また、第6の発明は、
会計業務を管理するための会計業務管理システムであって
サーバーと1以上のローカルの端末とがネットワークで接続される会計業務管理
システムにおいて、
サーバーが簡単にネットワークに増設できる手段と、
複数のサーバーのうち、特定の1つのサーバーを主サーバーとして取り扱う手段と
主サーバーのサーバー管理情報をその他のサーバーに複写する手段を備え
主サーバーからその他のサーバーに複写するサーバー管理情報を選択するための複写データ選択手段と、
各サーバーに参照できるユーザーを選択するための参照ユーザー選択手段と、
各サーバーの管理設定を選択するための管理設定選択手段を備えることで、
各サーバーへのサーバー管理情報複写を最適化することを特徴とする。
また、第7の発明は、
会計業務を管理するための会計業務管理方法であって
サーバーと1以上のローカルの端末とがネットワークで接続される会計業務管理
システムにおいて、
サーバーが簡単にネットワークに増設できるステップと、
複数のサーバーのうち、特定の1つのサーバーを主サーバーとして取り扱うステップと
主サーバーのサーバー管理情報をその他のサーバーに複写するステップを備え
主サーバーからその他のサーバーに複写するサーバー管理情報を選択するための複写データ選択ステップと、
各サーバーに参照できるユーザーを選択するための参照ユーザー選択ステップと、
各サーバーの管理設定を選択するための管理設定選択ステップを備えることで、
各サーバーへのサーバー管理情報複写を最適化することを特徴とする。
また、第8の発明は、
第5~第7のいずれかに記載の会計業務管理装置としてコンピュータに機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、導入済の本技術を採用したサーバーはそのままに、新たなグループに本技術のサーバーを追加するだけでネットワークの拡張が可能となり、大規模なネットワーク構築の際に非常に煩雑なセキュリティの設定も各グループの本技術を採用したサーバー毎の設定のみで容易に実施できるものである。
また、本技術によるネットワークの運用に際しては、各グループの本技術を採用したサーバー毎に各グループのニーズに応じたセキュリティの設定することができ、新たなグループを追加する際にもネットワーク全体のセキュリティを変更する等の手間なく、グループ毎にセキュリティを設定するだけでシステム拡張を行う事ができるものである。
【0021】
次に、会計事務所自身のデータ等、会計事務所等や会計事務所等内のグループのデータ等を管理者専用のデータ領域を設けて管理し、管理者専用のデータ領域を複雑なセキュリティ設定を行う事のない容易でわかりやすい運用を提示することができるものである。
【0022】
さらに、それぞれ独立して個人の会計事務所を運営しながら法人として全体を管理する際にサーバーを導入することなく、接続するだけで各個人のサーバーやネットワーク設定やセキュリティポリシー設定を変更せずにお互いのサーバーを自動的に認識して接続、運用ができるものである。
【0023】
サーバーのディレクトリ(階層)管理無しに、アカウント、ネットワーク、運用等のポリシー変更無しに、ユーザー管理の統一提供と、スケーラブルなサーバー増設を容易にすることができ、ログアウトしないでサーバーを切り替えられる効果がある。
これを基に、会計事務所自身のデータ等、会計事務所等や会計事務所等内のグループのデータ等を管理者専用のデータ領域を設けて管理し、管理者専用のデータ領域を複雑なセキュリティ設定を行う事無しに、容易でわかりやすい運用を提示することができ、それに
よって、事業規模に応じたシステムアップ等のシステム構成の変更も容易に行うことができる効果がある。なお、ここで管理者専用と説明しているが、管理者でなくてもこの機能を利用できるのは言うまでもない。
【0024】
通常業務におけるアクセスにおいて、サーバーが管理している情報である、「ユーザー」の認証はもともとのユーザー情報管理テーブルを持ったサーバーに認証に行き、「会社とデータ」のアクセス許可の認証を受ける場合は、もともとの会社情報管理テーブルを持ったサーバーに認証に行くので独立性とセキュリティを担保できる効果がある。
【0025】
また、通常業務におけるアクセスにおいて、元のサーバーのユーザー認証を行ったうえで、ユーザー情報管理テーブルに登録されているアクセス可能なサーバー情報に基づいて、接続先サーバーを切り替え、さらに接続先サーバーにも該当するユーザーが登録済みであるか、そのサーバーの認証プロトコルを用いて同ユーザーの再認証を行う事ができる効果がある。
【0026】
このため、多くのシングルサインオンのシステムのように認証済み情報を受け継いでログオン状態を継続しているわけではなく、利用可能な会社データがツールによってあらかじめ設定されているが、その設定は接続先サーバーとは別システムとなるディレクトリサーバーなどで管理されているものではなく、接続先サーバー自身によって管理する事ができる効果がある。
【0027】
次に、各サーバーのセキュリティシステムは独立しており、不正にアクセスした不正ユーザーが侵入したサーバーを踏み台に接続先全てにアクセス可能となりやすいといった、従来型システムにて発生しがちな問題の起こる可能性を減ずることをできる効果がある。
【0028】
また、「会社とデータ」のアクセス許可の認証を受ける場合は、もともとの会社情報管理テーブルを持ったサーバーに認証に行くので、独立性とセキュリティを担保できる効果がある。
【0029】
最後に、それぞれのサーバーを管理する人がいて、更にサーバー全体を管理する人を設定する場合において、サーバー全体を管理するためにドメインサーバーを置きたくないという場合において、それぞれのサーバーの管理者は、データに対して追加やアクセスはできるがユーザー(人)の追加は出来ないという、ドメイン管理しているときの課題に対しても、本発明では、それぞれのサーバーの管理者は、管理しているサーバーに対してのシステム管理権限のほか、ユーザーを追加したり、データへのアクセス権の付与まで全ての管理を行う事ができるという効果がある。
【0030】
また、本発明では、複数サーバーの管理ツールを実行する管理者は、複数サーバーのデータに対してのアクセス権の設定と複数サーバーのユーザーの管理権限を持つ必要があるだけで、複数サーバーの全ての管理権限を与える必要はないため、設定が簡素化できるという効果がある。
【0031】
さらに、複数サーバーの管理ツールを実行する管理者は、複数サーバーのデータに対してのアクセス権の設定のみ与えて複数サーバーのユーザーの管理権限を与えずに、データアクセス権限の設定のみ可能にし、ユーザー管理は各サーバーの管理者にゆだねることもできるし、複数サーバーの管理ツールを実行する管理者は、複数サーバーのデータに対してのアクセス権は与えずに複数サーバーのユーザーの管理権限のみ持たせ、データアクセス権限の設定は各サーバーの管理者にゆだねることもできるという柔軟な運用ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1-1】
図1-1は、クライアントサーバー構成例で複数のサーバー100、101がLAN、またはWANにより1以上のWS20にネットワーク接続された構成である。
【
図1-2】
図1-2は、クラウド構成例でクラウドサーバー200、201がWANにより複数の実サーバー100、101にネットワーク接続され、1以上のWS20がLAN、またはWANによりネットワーク接続された構成である。
【
図1-3】
図1-3は、「●個人事務所」のケースの構成ブロック図である。
【
図1-4】
図1-4は、「●会社」のケースの構成ブロック図である。
【
図1-5】
図1-5は、「●税理士法人(従来技術)」のケースの構成ブロック図である。
【
図1-6】
図1-6は、「●税理士法人(本発明)」のケースの構成ブロック図である。
【
図2】は、クライアントサーバー構成における機能ブロック図である。
【
図3-1】
図3-1は、複数サーバーのユーザー管理設定処理フローである。
【
図3-2】
図3-2は、複数サーバーの複写処理フローである。
【
図4-1】
図4-1は、サーバー管理情報の一つであるアプリ情報管理テーブルであり、アプリ毎のユーザーとの関係性を管理しているテーブルである。
【
図4-2】
図4-2は、サーバー管理情報の一つであるサーバー情報管理テーブルであり、各サーバーとユーザーとの関係性を管理しているテーブルである。
【
図4-3】
図4-3は、サーバー管理情報の一つであるユーザー情報管理テーブルであり、各ユーザーがサーバーにアクセスする際の情報を管理しているテーブルである。
【
図4-4】
図4-4は、サーバー管理情報の一つである会社情報管理テーブルであり、会計処理を実施する顧問先の情報を管理しているテーブルである。
【
図4-5】
図4-5は、サーバー管理情報の一つである個人情報管理テーブルであり、確定申告等で必要な個人情報を管理しているテーブルである。
【
図4-6】
図4-6は、サーバー管理情報の一つである複数サーバーのユーザー管理アクセス制限情報管理テーブルであり、各サーバーの情報に対するユーザーのアクセス制限状況を管理しているテーブルである。
【
図4-7】
図4-7は、サーバー管理情報の一つである複写情報管理テーブルであり、各サーバー間の複写に関する情報を管理しているテーブルである。
【
図4-8】
図4-8は、サーバー管理情報の一つである複写エラー情報管理テーブルであり、各サーバー間の複写の際のエラーに関する情報を管理しているテーブルである。
【
図4-9】
図4-9は、サーバー管理情報の一つである複数サーバーのユーザー管理情報テーブルであり、複数サーバーのユーザー管理における複写の可否を管理しているテーブルである。
【
図4-10】
図4-10は、サーバー管理情報の一つである複数サーバーのユーザー管理複写情報テーブルであり、複写の実施状況に応じた、各複写項目の複写可否を管理しているテーブルである。
【
図4-11】
図4-11は、サーバー管理情報の一つである複数サーバーのユーザー管理複写情報テーブル(
図4-10)における、税理士職員情報設定IDに属する各項目の複写可否を管理しているテーブルである。
【
図4-12】
図4-12は、サーバー管理情報の一つである複数サーバーのユーザー管理複写情報テーブル(
図4-10)における、会社情報設定IDに属する各項目の複写可否を管理しているテーブルである。
【
図4-13】
図4-13は、サーバー管理情報の一つである複数サーバーのユーザー管理複写情報テーブル(
図4-10)における、個人情報設定IDに属する各項目の複写可否を管理しているテーブルである。
【
図4-14】
図4-14は、サーバー管理情報の一つである複数サーバーのユーザー管理複写情報テーブル(
図4-10)における、ログオンユーザー情報設定IDに属する各項目の複写可否を管理しているテーブルである。
【
図4-15】
図4-15は、サーバー管理情報の一つである複数サーバーのユーザー管理複写情報テーブル(
図4-10)における、アクセス制限情報設定IDに属する各項目の複写可否を管理しているテーブルである。
【
図4-16】
図4-16は、サーバー管理情報の一つであるサーバー環境管理テーブルである。
【
図4-17-1】
図4-17-1は、
図6-1記憶部25上に展開される検索ツールの管理する検索条件管理テーブルである。
【
図4-17-2】
図4-17-2は、
図6-1記憶部25上に展開される検索ツールで検索条件に一致したサーバーのサーバー情報管理テーブルである。
【
図4-17-3】
図4-17-3は、
図6-1記憶部25上に展開される検索ツールで検索条件に一致した会社の会社情報管理テーブルである。
【
図5-1】
図5-1は、複数サーバーのユーザー管理 サーバー選択画面である。
【
図5-2】
図5-2は、複数サーバーのユーザー管理 ユーザー設定選択画面である。
【
図5-3】
図5-3は、複数サーバーのユーザー管理 複写設定選択画面である。
【
図5-4】
図5-4は、サーバー複写選択画面である。
【
図5-5】
図5-5は、サーバー簡易接続設定画面である。
【
図6-1】
図6-1は、サーバーにアクセスするWSの機能ブロック図である。
【
図6-2】
図6-2は、必要な権限等設定する複数サーバーの管理ツールの会社情報管理テーブルである。
【
図6-3】
図6-3は、必要な権限等設定する複数サーバーの管理ツールのサーバー情報管理テーブルである。
【
図6-4】
図6-4は、必要な権限等設定する複数サーバーの管理ツールのユーザー情報管理テーブルである。
【
図6-5】
図6-5は、ユーザーが通常業務を行う元サーバーであることを記憶するサーバー情報管理テーブルである。
【
図6-6】
図6-6は、ユーザーが通常業務を行うユーザーアカウントを記憶するユーザー情報管理テーブルである。
【
図7-1】
図7-1は、複数サーバーの管理ツールによるサーバーへの会社情報アクセス許可フロー(1/4)である。
【
図7-2】
図7-2は、複数サーバーの管理ツールによるサーバーへの会社情報アクセス許可フロー(2/4)である。
【
図7-3】
図7-3は、複数サーバーの管理ツールによるサーバーへの会社情報アクセス許可フロー(3/4)である。
【
図7-4】
図7-4は、複数サーバーの管理ツールによるサーバーへの会社情報アクセス許可フロー(4/4)である。
【
図8-1】
図8-1は、サーバー切替時のユーザー通常業務処理フロー(1/2)である。
【
図8-2】
図8-2は、サーバー切替時のユーザー通常業務処理フロー(2/2)である。
【
図9-1】
図9-1は、検索ツール処理フロー(1/3)である。
【
図9-2】
図9-2は、検索ツール処理フロー(2/3)である。
【
図9-3】
図9-3は、検索ツール処理フロー(3/3)である。
【
図10-1】
図10-1は、複数サーバーの集計ツール処理フロー(1/4)である。
【
図10-2】
図10-2は、複数サーバーの集計ツール処理フロー(2/4)である。
【
図10-3】
図10-3は、複数サーバーの集計ツール処理フロー(3/4)である。
【
図10-4】
図10-4は、複数サーバーの集計ツール処理フロー(4/4)である。
【
図11-1】
図11-1は、複数サーバーの集計ツール実施時、検索条件に一致したサーバーから選択したサーバーを記憶するサーバー情報管理テーブルである。
【
図11-2】
図11-2は、複数サーバーの集計ツール実施時、検索条件に一致した会社から選択した会社を記憶する会社情報管理テーブルである。
【
図11-3】
図11-3は、複数サーバーの集計ツール実施時、集計ツールで選択した会社データの集計結果を記憶する集計結果テーブルである。
【
図11-4】
図11-4は、複数サーバーの集計ツール実施時、集計結果の印刷書式(顧問先別工数集計表)の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明においては、柔軟にサーバーを追加することで複数サーバーのユーザー管理を行う事が可能です。大規模の会計事務所において、小規模サーバーを導入し、追加でサーバーを導入する形態や、小規模の会計事務所が徐々に規模を大きくしていく際に、追加でサーバーを導入する形態が考えられるが、これに限られない。
また、各サーバーの独立性の維持や接続に伴う負荷分散を考慮した複数サーバー構成の仕組みを利用することで利便性を向上することができる。
【0034】
複数サーバー構成を利用しているユーザーは、普段使用しているサーバー以外のサーバーにもアクセスできる設定がなされている場合、サーバーの切り替え画面からサーバーを切り替えることが可能である(
図5-1)。
【0035】
複数サーバー構成を利用することで複数台のサーバーを運用する場合、管理者が1台のサーバーのユーザー情報を各サーバーに簡単に複写できることが可能になるので、管理の手間を削減することが可能である。
この時、いずれか1つのサーバーに対してユーザー管理画面でユーザーの追加・訂正を行う事で他のサーバーに簡単に複写が可能になる(
図5-2)。
また、税理士法人では、同一の事務所内で複数の税理士がそれぞれ別の会社や個人と契約しており、それらの情報に対してセキュリティ上の観点で区分けが必要となるため、「グループ」分けが必要となるが、それに関しても上記ユーザー管理画面でグループの追加・訂正を行う事で他のサーバーに簡単に複写が可能となり、グループ内の税理士、職員等と共通のデータ複写が実現できる。
なお、ユーザーの追加・訂正の際には、複写の設定を
図5-2のようにすべて選択しているが、ユーザーを追加した時にあらかじめ設定されたデフォルト値やテンプレートを準備して設定内容を反映させてもよいが、それ以外の方法で設定してもよい。
【0036】
「複数サーバーのユーザー管理」を設けることで、複数サーバー構成における各サーバーに対して同一の管理用ユーザーを設定することが可能であり、これによりこの管理用ユーザーが各サーバーに対して複写処理を簡単に実施することを可能になる(
図5-1~
図5-4)。さらに、各サーバーを同一の管理用ユーザーを設定して管理することで、各サーバーへの複写処理のセキュリティの確保が可能になる(
図5-1~
図5-4)。
【0037】
ここで「サーバー管理情報」とは、
図4-1アプリ情報管理テーブル、
図4-2サーバー情報管理テーブル、
図4-3ユーザー情報管理テーブル、
図4-4会社情報管理テーブル、
図4-5個人情報管理テーブル、
図4-6ユーザー管理アクセス制限情報管理テーブル、
図4-7複写情報管理テーブル、
図4-8複写エラー情報管理テーブル、
図4-9複数サーバーのユーザー管理情報テーブル、
図4-10複数サーバーのユーザー管理複写情報テーブル、
図4-11複数サーバーにおける税理士職員情報設定ID複写可否管理テーブル、
図4-12複数サーバーにおける会社情報設定ID複写可否管理テーブル、
図4-13複数サーバーにおける個人情報設定ID複写可否管理テーブル、
図4-14複数サーバーにおけるログオンユーザー情報設定ID複写可否管理テーブル、
図4-15複数サーバーにおけるアクセス制限情報設定ID複写可否管理しているテーブル、
図4-16
サーバー環境管理テーブルのことであり、
図4-1~
図4-16としてテーブルの一例を例示しているが、これに限られない。
【0038】
「複数サーバーのユーザー管理」では、ユーザー固有情報とそれに付随する事務所固有情報等、各情報の複写処理の設定が可能であり(
図5-2)、ここで設定する情報は、複数サーバーのユーザー管理複写情報テーブル(
図4-10)に記載されたキーを元に各詳細テーブル(
図4-11~
図4-15)を参照して表示され、この設定を変更すると前記各詳細テーブルが更新される。
【0039】
なお、ここでは「複数サーバーのユーザー管理」を利用した、ユーザー固有情報とそれに付随する事務所固有情報等、各情報の複写処理の設定を実現しているが、同一の管理用ユーザー設定時に初期値を設定することも可能であるし、別な手法で複数サーバーのユーザー管理複写情報テーブル(
図4-10)に記載されたキーを元に各詳細テーブル(
図4-11~
図4-15)を変更することも可能であるし、これに限られない。
【0040】
また、ここでは一実施例として「複数サーバーのユーザー管理」における複写処理の設定を記載したテーブルとして、(1)税理士、職員情報、(2)会社情報、(3)個人情報、(4)ログオンユーザー情報、(5)アクセス制限情報の各詳細テーブル(
図4-11~
図4-15)を設けたがテーブルはこれに限らず、その他「複数サーバーのユーザー管理」に必要な情報として別途複写処理の設定を記載した詳細テーブルを設けることも可能である。
【0041】
さらに、ここでは「複数サーバーのユーザー管理」すべてを単一の設定メニューから設定が実施できるような形態としたが、例えば「複数サーバーのユーザー管理」のうち、1.会計事務所等の運営に関する(1)税理士、職員情報、(4)ログオンユーザー情報、(5)アクセス制限情報の設定「複数サーバーの事務所関連情報管理」と2.顧問先や取引先等に関する(2)会社情報、(3)個人情報の設定「複数サーバーの取引先等情報管理」に分けたりしてもよいし、さらに細分化した管理をしてもよい。
【0042】
別の実施例として、小規模の会計事務所等が顧問先や取引先等が増えた場合に新規大規模サーバーを切り替えて導入する際にも、「複数サーバーのユーザー管理」を利用することが可能である。この場合、以下の手順で簡単に切り替え可能になる。
(1) 従来のネットワーク環境に大規模サーバーを組み込み
(2) 「複数サーバーのユーザー管理」から大規模サーバーを追加
(3) 管理者が管理している全てのデータを複写する設定を実施
(4) 「複数サーバーのユーザー管理」の「今すぐ複写」で大規模サーバーにデータを複写
(5) 使用していた小規模サーバーを「複数サーバーのユーザー管理」から切り離すとともに、マスターサーバーを大規模サーバーに切り替え
(6) 小規模サーバーをネットワーク環境から外す
ここで、複写の手段として「複数サーバーのユーザー管理」の「今すぐ複写」を用いて複写を行ったが、「複数サーバーのユーザー管理」の別な手段を用いてもよいが、それに限られない。
【0043】
1.システムの一実施例の構成
本発明のシステム構成は、
図1-1に示すようなクライアントサーバー構成と
図1-2に示すようなクラウド構成を一例として記載している。
システムの構成要素としては、
図1-1については、WS20が1以上あり、実サーバー1(100)でクライアントサーバー構成を組んでいるところに新たに実サーバーn(101)を追加する構成が考えられる。ここでサーバーは2以上あってもよく、WS端末
は1台でもよいし、複数台でもよい。
またWS端末は、デスクトップPCやノートPCだけでなく、タブレット端末やスマートフォン端末などでもよい。
クライアントサーバー構成は、会計事務所だけでなく企業の経理部門などで利用される形態であるが、これに限られない。
【0044】
図1-1については、WS20が1以上あり、実サーバー1:100やクラウドサーバー1:200でネットワークを構成しているところに新たに実サーバーn:101、若しくはクラウドサーバーn:201を追加する構成が考えられる。
クラウド構成は、実サーバー+クラウドサーバーでも、2以上の実サーバー+クラウドサーバーでも、実サーバー+2以上の複数クラウドサーバーでも、2以上の実サーバー+2以上のクラウドサーバーでもよく、WS端末は1台でもよいし、複数台でもよい。
またWS端末は、デスクトップPCやノートPCだけでなく、タブレット端末やスマートフォン端末などでもよい。
なお、2以上の実サーバーで構成してもよいことは言うまでもない。
クラウド構成は、会計事務所だけでなく企業の経理部門などで利用される形態であるが、これに限られない。
【0045】
さらに、
図1-3として、すでに業務を実施しているそれぞれの会計事務所等が規模を拡大する場合が考えられる。最初はPC一台で会計業務を実施していたが、その後業務を進めるうちに規模を拡大し、小サーバーにWSを数台接続する規模となり、さらに規模が拡大し、大サーバーにさらに何十台ものWSを接続するような場合等が考えられる。
2.各構成要素の機能ブロック
各構成要素の機能ブロック図を
図2に示す。クライアントサーバー構成やクラウド構成、それらを組み合わせた構成を一例として記載したものである。
図2の各機能部が、実サーバー(100)若しくはクラウドサーバー(200)に加えて、実サーバーn(101)若しくはクラウドサーバーn(201)を加えた構成となっており、ネットワークを介して、WS端末20からの操作を受け付けて、制御部140(ないし240)の各機能部が記憶部150(ないし250)のデータを利用して処理を実行する。
なお、クラウド構成では、仮想サーバーや、仮想PCなど様々なタイプを利用することができる。
【0046】
さらに記憶部150には 管理者データ保存領域と職員データ保存領域が設けられている。これは会計事務所自身のデータ等、会計事務所等や会計事務所等内のグループのデータ等を管理者専用のデータ領域を設けることでセキュリティを強化する目的がある。
管理者専用のデータ保存領域への書き込みを行う事が出来るのは、サーバー除法管理テーブル(
図4-2)に登録された管理者IDを利用している管理者である。この管理者が、各情報の管理テーブル、例えば会社情報管理テーブル(
図4-4)であれば会社情報管理者用登録フォルダを参照し、個人情報管理テーブル(
図4-5)であれば個人情報管理者用登録フォルダを参照して管理者データ保存領域にデータを複写する。
なお、今回データ保存領域に登録する情報の例として会社情報や個人情報に関するテーブルに基づいた項目となっているがそれに限らない。
【0047】
3.処理フロー
3-1.全体処理フロー(複数サーバーのユーザー管理設定)
図3-1は、本発明の会計業務管理のうち、サーバーを追加した際の設定を登録する場合の全体処理フローを示す図である。
会計事務所の税理士等や企業の経理部門の職員等、コンピュータやシステムに関する専門の知識を持っていない者が、WS端末20等を操作して、実サーバー100(101)もしくはクラウドサーバー200(201)の制御部ないし記憶部により、処理が進められていく際の、全体処理フローを示している。
【0048】
アプリ情報管理テーブル(
図4-1)に登録された、サーバー管理アプリを起動(S3-1-1)して、「サーバーのユーザー管理 ユーザー設定」画面(
図5-1)からサーバーを選択する(S3-1-2)し、サーバー情報管理テーブル(
図4-2)のサーバー管理情報アクセスフラグをセットすることでサーバーデータの更新ロック処理をしたうえ(S3-1-3)で、「サーバーのユーザー管理 ユーザー設定」入力処理(S3-1-4)を実施する。
【0049】
既に登録済みのサーバーであれば、複数サーバーのユーザー管理アクセス制限情報管理テーブル(
図4-6)や複数サーバーのユーザー管理情報テーブル(
図4-9)から取得した情報を表示した画面を元にサーバーを選択すればよいが、未登録のサーバーであれば、サーバー情報の初期入力処理が必要となる。この時、「サーバーのユーザー管理 ユーザー設定」は、複数サーバーのユーザー管理情報テーブル(
図4-9)や複数サーバーのユーザー管理複写情報テーブル(
図4-10)の新規設定時のテーブル情報(ST0001)に基づいて設定を実施することになる。
ただし、「サーバーのユーザー管理 ユーザー設定」は細かく主導で詳細設定してもよいし、別途デフォルト値を設定してもよいが、これらに限られない。
なお、「サーバーのユーザー管理 ユーザー設定」に関して、この情報へのアクセスする権限がない場合は、サーバー選択画面においてサーバー選択ボタンがグレーアウトして操作できないので、そのままサーバー管理アプリが終了する。
【0050】
「サーバーのユーザー管理 ユーザー設定」入力処理(S3-1-4)を実施後、「サーバーのユーザー管理 ユーザー設定」登録処理(S3-1-5)を行い、複数サーバーのユーザー管理アクセス制限情報管理テーブル(
図4-6)や複数サーバーのユーザー管理情報テーブル(
図4-9)に設定情報を登録したのち、サーバー情報管理テーブル(
図4-2)のサーバー管理情報アクセスフラグをリセットすることでサーバーデータ更新ロック解除処理(S3-1-6)を実施し、複数サーバーのユーザー管理設定処理フローが終了する。
【0051】
なお、「複数サーバーのユーザー管理 サーバー選択」画面の選択項目として、実施例では、サーバー自体の設定を行う「サーバー設定」や複写対象の設定を行う「複写対象設定」、各サーバーの起動の際の設定を行う「起動通知設定」、各種エラー表示の設定を行う「エラー通知設定」を記載したが、これらの設定に限られない。
【0052】
3-2.全体処理フロー(複数サーバーの複写処理フロー)
図3-2は、本発明の会計業務管理のうち、複数サーバーの複写処理の一実施例の全体処理フローを示す図である。
複数サーバーのユーザー管理設定(
図3-1)の設定に基づいて、会計事務所の税理士等や企業の経理部門の職員等、コンピュータやシステムに関する専門の知識を持っていない者が、WS端末20等を操作して、実サーバー1(100)からも実サーバー2(101)とクラウドサーバー1(200)に複写処理を行うための処理を進める際の全体処理を示している。
【0053】
アプリ情報管理テーブル(
図4-1)に登録された、サーバー管理アプリを起動(S3-2-1)して、「サーバーのユーザー管理 ユーザー設定」画面で「今すぐ複写」を選択する(S3-2-2)。
サーバー情報管理テーブル(
図4-2)のサーバー管理情報アクセスフラグをセットすることでサーバーデータの更新ロック処理をしたうえ(S3-2-3)で、サーバー複写選択画面から複写先サーバー選択処理(S3-2-4)を実施する。
【0054】
サーバー複写選択画面(
図5-4)で、複写先のサーバーを選択する。ここで複写先のサーバーは、1つ選択してもよいし、複数選択してもよい。
複写先のサーバーを選択したうえで、サーバー複写選択画面(
図5-4)の「確定」ボタンを押下すると、複写処理を開始する。
なお、ここでは「サーバーのユーザー管理 ユーザー設定」画面の「今すぐ複写」からデータの複写を実施しているが、複写方法はこれに限られない。
【0055】
複写処理終了後、サーバー情報管理テーブル(
図4-2)のサーバー管理情報アクセスフラグをリセットすることでサーバーデータ更新ロック解除処理(S3-2-6)を実施し、複数サーバーのユーザー管理設定処理フローが終了する。
【0056】
4.テーブル
図4-1は、アプリ情報管理テーブルであり、複数サーバーのユーザー管理設定処理フロー(
図3-1)や複数サーバーの複写処理フロー(
図3-2)においては、「複数サーバーのユーザー管理設定」アプリを起動する際に本テーブルを参照している。アプリ情報管理テーブルでは、アプリIDや名称、アプリを使用することができるサーバーIDやアプリが利用できる職員IDだけでなく、アプリの登録日や更新日、バージョン情報を登録しているが、例えばライセンス情報やアプリの自動更新の設定などもテーブルに追加してもよいし、それ以外にもアプリ情報に関する情報をこのテーブルに登録してもよい。
【0057】
図4-2は、サーバー情報管理テーブルで、会計事務所が会計事務所内で運用しているサーバー情報を管理するテーブルであり、複数サーバーのユーザー管理設定処理フロー(
図3-1)や複数サーバーの複写処理フロー(
図3-2)でもサーバーを選択する際に本テーブルを参照している。サーバー情報管理テーブルでは、サーバーIDや管理者IDをはじめ、使用職員IDや管理者や職員が属するグループID、サーバー管理情報アクセスフラグ、マスターサーバーフラグ、自動複写実施時の間隔、複写エラーフラグを例示しているが、その他サーバーのハードウェアやシステムの情報(MACアドレスやIPアドレス、デフォルトゲートウェイ等)を登録してもよいし、その他サーバーに関連する情報をこのテーブルに登録してもよい。
【0058】
図4-3は、ユーザー情報管理テーブルで、会計事務所で構築しているネットワークシステムを利用しているユーザー情報を管理しているテーブルであり、複数サーバーのユーザー管理設定処理フロー(
図3-1)や複数サーバーの複写処理フロー(
図3-2)でもサーバーを利用するユーザーを特定する際に本テーブルを参照している。ユーザー情報管理テーブルでは、職員ID、氏名、アカウント、パスワードのネットワークシステムでサーバーに認証が必要な情報だけでなく、管理者フラグや職員グループID、管理サーバーIDをはじめアクセス可能サーバーID情報も管理しているが、その他の事務所内ユーザーに関する情報を本テーブルに作成してもよい。
【0059】
図4-4は、会社情報管理テーブルで、会計事務所等が業務を行う上で必要な顧問先や取引先の情報を管理するテーブルであり、複数サーバーのユーザー管理 サーバー選択画面(
図5-1)から「複写対象設定」ボタンをマウスクリックなどで指定すると表示される複数サーバーの複写対象設定を選択すると表示される「ユーザー管理 複写設定選択画面」(
図5-3)で詳細な複写対象を指定するときにリストに列挙する会社情報は本テーブルを参照する。会社情報管理テーブルでは、会社ID、会社名称の顧問先は取引先を特定する情報のほか、会社情報にアクセスするために必要な、会社情報登録サーバーI
D、会社情報アクセス可能職員IDも管理している。
また、管理者と管理者以外の職員で参照できる情報を区別できるように会社情報管理者用登録フォルダと会社情報職員用登録フォルダを設けることでセキュリティの向上を図っている。ここでは、管理者と管理者以外の職員の登録フォルダを例示しているが、例えばグループに属した職員の登録フォルダを準備したりすることで、さらに柔軟な管理が可能になる。
【0060】
さらにある特定の会社に特化して複数のアプリで利用する情報を集約して表示することも可能である(図示しない)。この実施例として会社ID:SH0001の○×工業株式会社について記載する。アプリ情報管理テーブル(
図4-2)にあるように、本来であれば複数のアプリで利用する情報であるアプリID02(会計データ入力)やアプリID03(法人税申告書)を会社ID:SH0001(○×工業株式会社)をキーとして情報を収集して、表示することが可能である(図示しない)。
【0061】
図4-5は、個人情報管理テーブルで、会計事務所等が業務を行う上で必要な個人情報を管理するテーブルであり、「複数サーバーのユーザー管理 サーバー選択」画面(
図5-1)から「複写対象設定」ボタンをマウスクリックなどで指定すると表示される複数サーバーの複写対象設定を選択すると表示される「ユーザー管理 複写設定選択画面」(
図5-3)で詳細な複写対象を指定するときにリストに列挙する個人情報は本テーブルを参照する。
【0062】
図4-6は、複数サーバーのユーザー管理アクセス制限情報管理テーブルで、会計事務所等が業務を行う上で必要な個人情報を管理するテーブルであり、「複数サーバーのユーザー管理 サーバー選択」画面(
図5-1)や「複数サーバーのユーザー管理 ユーザー設定選択」画面(
図5-2)で登録ユーザーがアクセスできるサーバーや情報を管理しているテーブルである。このテーブルと複数サーバーのユーザー管理情報テーブル(
図4-9)、複数サーバーのユーザー管理複写情報テーブル(
図4-10)、複数サーバーのユーザー管理複写情報テーブルのサブテーブルである、複数サーバーのユーザー管理複写情報詳細テーブル1(税理士、職員情報)(
図4-11)、複数サーバーのユーザー管理複写情報詳細テーブル2(会社情報)(
図4-12)、複数サーバーのユーザー管理複写情報詳細テーブル3(個人情報)(
図4-13)、複数サーバーのユーザー管理複写情報詳細テーブル4(ログオンユーザー情報)(
図4-14)、複数サーバーのユーザー管理複写情報詳細テーブル5(アクセス制限情報)(
図4-15)から、複数サーバーにおける各ユーザーがどの情報を複写できるかを示すことができる。
【0063】
図5-1は、「複数サーバーのユーザー管理 サーバー選択」画面で、サーバーを追加した際に、サーバーの設定やユーザー管理設定、複写対象設定等を管理するためのアプリが表示する最初の画面であり、この画面からどのサーバーに対して設定を実施するかの選択を行ったり、各種設定の選択を行います。なお、この表示画面は一例であり、これに限られない。
【0064】
図5-2は、「複数サーバーのユーザー管理 ユーザー設定選択」画面であり、各ユーザーでどのような設定を複写するかを選択する画面である。ここに記載された設定項目はあくまでも一例であり、その他の設定も表示するようにすることが可能である。
【0065】
図5-3は、「複数サーバーのユーザー管理 複写設定選択」画面であり、各ユーザーでどのような設定を複写するかを選択する画面である。ここに記載された設定項目はあくまでも一例であり、その他の設定も表示するようにすることが可能である。
【0066】
図5-4は、「サーバー複写選択」画面であり、サーバー間の複写を行う際の複写
先を選択する画面である。ここに記載された設定項目はあくまでも一例であり、その他の設定も表示するようにすることが可能である。
【0067】
6.複数の個人の会計事務所のシステムを結合して全体を管理するためのシステムの一実施例の構成
従来の構成としては、「●個人事務所のケース」(
図1-3)と「●会社のケース」(
図1-4)と「●税理士法人のケース(従来技術)」(
図1-5)の構成が考えられる。
まずは、個人事務所にあるような、小サーバーに数台のPCが接続されている場合から大サーバーに数台から数十台接続するような構成である(
図1-3)。
次に会社のケースにあるような、会社での運用で考えられる構成である。各部門でクライアントサーバー構成となっており、それらのネットワークをファイアウォールやルータを介してネットワーク接続するような構成である(
図1-4)。
最後に個人の事務所でそれぞれ独立して会計業務を行っている事務所が税理士法人を設立して、システム全体を管理する必要が出てきた構成である(
図1-5)。
【0068】
特に「●税理士法人のケース(従来技術)」(
図1-5)の場合、それぞれ独立してユーザー管理、データ管理、セキュリティ管理を行っていたことから、各個人のネットワーク構成に追加のサーバーを加えようとすると、それぞれの管理サーバーを立てなければネットワークシステムを構築できなかった。
【0069】
ここで本発明のシステム構成は、「●税理士法人のケース(従来技術)」(
図1-5)のような複数の個人の事務所構成に本発明を組み込んだサーバーを追加する場合を一例として記載している。この時の個人の事務所のサーバーは従来技術のサーバーを利用している。サーバーを追加した際、サーバー接続の管理を起動する(
図5-5)。サーバー簡易接続設定では、サーバー情報管理テーブル(
図4-2)のサーバーIDやIPアドレス、MACアドレス、サーバー環境管理テーブル(
図4-16)のサーバーグループIDやサーバーID、認識コード、サーバー名称を入力し、「接続」ボタンを押下すると前記の情報からTCP/IP通信を利用して、同一ネットワーク上のサーバーを探索してネットワークを確立するのである。
【0070】
今回のように複数の個人の事務所で使用しているシステム構成にサーバーを追加する場合、従来の技術では、サーバー追加の際にネットワーク探索やユーザー管理、セキュリティ管理の設定を行う為には別途データベースサーバやディレクトリ管理サーバー、ユーザー管理サーバーが必要になるところだが、本発明のシステム構成では不要である。
【0071】
また、ここに追加したサーバーは、
具体的には、サーバー簡易接続設定画面に「サーバーGr.ID:SG0010」「サーバー名称:SV0010:ServerX」、「認識コード:100003」、「IPアドレス:192.168.1.2」「MACアドレス:66:33:82:37:BB:54」等を入力し、「公開」ボタンを押下することによって追加サーバーが公開される。
【0072】
別の実施例としては、「●税理士法人(本発明)のケース」(
図1-6)の様な複数の個人の事務所が、いずれも本発明のサーバーを導入している場合である。この構成においては、いずれの個人の事務所も本発明のサーバーなので、サーバー情報管理テーブル(
図4-2)やサーバー環境管理テーブル(
図4-16)に基づいて、サーバー情報を相互に交換する機能を組み込んでいる。したがって、それぞれの個人の事務所で使用しているネットワークに接続するだけでお互いのサーバーをネットワーク検索し、認識することができる。さらにサーバー情報を相互に交換する機能を用いてお互いのサーバーと通信を行うことから、それぞれの個人の事務所のユーザー管理やデータ管理などの設定を変更するこ
となく、セキュリティを担保しながら簡単にネットワーク接続することが可能である。
【0073】
なお、ここでは以前から利用しているユーザーIDとパスワードをもちいることができるから、他サーバーへの切り替えも柔軟にできる。
【0074】
さらにサーバー情報を相互に交換する機能を用いてお互いのサーバーと通信を行う事が出来ることから、双方のサーバーが管理している会社情報や個人情報を収集して集計して結果の表示や印刷をすることも可能である。ここで示している会社情報は、仕訳データやレシートや通帳を電子化した証ひょう、契約書などを電子化した証ひょうも含まれるがこれに限られない。
【0075】
一方のサーバーの会社やデータに対して、他方のサーバーのユーザーにアクセス権限を与えたい場合に、複数サーバーの管理ツールを使用してアクセス権限を与える具体例について、
図7-1~
図7-4等を使って説明する。なお、本事例において、管理ツールで管理している情報とは、
図4-2サーバー情報管理テーブル、
図4-3ユーザー情報管理テーブル、
図4-4会社情報管理テーブルの情報を指しているが、これに限定されない。また、本事例では管理ツールを管理者が操作しているような説明を展開しているが、便宜上の定義として管理者という文言を使用しており、管理者がいなくてもこの管理ツールの機能を利用できることは言うまでもない。
【0076】
会計事務所等で使用しているサーバーにおいて、会社(顧問先)情報を管理するテーブルとして
図4-4会社情報管理テーブル、職員情報を管理するテーブルとして
図4-3ユーザー情報管理テーブルがある。
【0077】
会社情報管理テーブルでは、会社IDに紐づくデータIDやサーバーID、職員ID、などを管理しており、会社情報としてどのデータが紐づいていて、どの職員やどの先生がその会社情報にアクセスできるかを管理している。なお、会社情報管理テーブルにおいて、今回の例では、会社IDとデータIDが一対一で対応しているが、会社IDに対して複数のデータIDを管理させることもできるし、さらにデータIDに対して、別途複数の管理IDを持たせて管理する事もできる。また、会社IDに対して会社情報アクセス可能職員IDや会社情報管理者用登録フォルダや会社情報職員用登録フォルダを管理できるようにしているが、それらに限られない。
【0078】
ユーザー情報管理テーブルでは、職員IDに紐づくそのユーザーのアカウントやパスワード、管理者としてのアクセス権限をレベルに応じて管理できるようにしている管理者レベル、それぞれのサーバーにおける管理サーバーIDやアクセス可能サーバーIDの情報などを管理している。なお、ユーザー情報管理テーブルにおいて、今回の例では、1人の人に単一の職員IDや職員グループID等を割り当てているが、1人の人に複数の職員IDや複数の職員グループID等割り当ててもよい。
【0079】
管理者レベルに関しては、それぞれのサーバーのみの管理者を設定してもよいし、複数のサーバーをまたいで管理者を設定してもよく、一つのサーバーに複数の管理者を設けてもよい。さらに管理者レベルには、アクセス権限を全く追加訂正のできない通常ユーザー、データのみのアクセス権限の管理を有するレベル、データとユーザーのアクセス権限の管理を有するレベル、フルコントロールのアクセス権限の管理を有するレベルを例示しているが、これらに限られない。また、職員IDに対して、アカウントやパスワードを管理できるようにしているが、それらに限られない。
【0080】
次に会計事務所等で使用しているそれぞれのサーバーをネットワーク接続した場合において、管理している会社情報やユーザー情報に基づいて、一方のサーバーで管理している
会社情報に対しどのようにして他方のサーバーで管理しているユーザーに対してアクセス許可を与えるようにするかについて、実施例を記載する。
【0081】
-複数サーバーの管理ツールによるアクセス許可設定の手順について
今回の事例として、ある会計事務所で管理しているサーバーに別の会計事務所で管理しているサーバーを接続した場合に、管理者が複数サーバーの管理ツールを起動して一方のサーバーのアクセス許可したい会社とデータがあるサーバーに対して、他方のサーバーのアクセスしたいユーザーの情報を反映させてアクセスできるようにする手順について記載する。
このような事例は、例えば個人で会計事務所を営んでいたが、複数の会計士等と会計事務所法人を設立した場合や、個人の会計事務所がサーバー1台で事務所を運営していたが、顧問先が増えたことによって管理する情報が増えたことに伴い、別途サーバーを追加で導入し、接続する場合が考えられるが、これに限られない。
【0082】
ここで、アクセス許可を与えたい会社とデータに関する情報を登録しているサーバーをサーバー1とし、アクセス許可を与えたいユーザーに関する情報を登録しているサーバーをサーバー2とする。また、サーバー3には今回複数サーバーの管理ツールが処理するユーザーのユーザー情報が登録されていないこととする。
なお、事例ではサーバー2台分の処理として記載するが、サーバーが何十台つながっていてもよいし、会社やデータに対してアクセス許可を与えるサーバーが複数台になってもよいし、会社やデータに対してアクセス許可を受けるユーザーが登録されたサーバーが複数台になってもよい。
【0083】
税理士法人2が管理しているサーバー2があり、税理士法人2の職員ID:TM2000と職員ID:TM0001を設定している職員がお客様から依頼を受けて、税理士法人1が管理しているサーバー1:SV0001の会社:SH0003のデータ:DT0003にアクセスする必要がある場合に、税理士法人1のサーバー1に対して、税理士法人2の職員ID:TM1000と職員ID:TM0001を設定している職員が当該発明によって、いかに税理士法人1のサーバー1の顧問先データにアクセスできるようになるかを、ユーザー情報や管理情報を取捨選択しながら一方のサーバーに対して他方のユーザーがどのようにしてアクセスやログオンが可能になるかを説明する。
【0084】
・ステップ1 : 各サーバーで個別に管理情報保持している(それぞれのサーバーをネットワーク接続していない状態)
税理士法人1が管理しているサーバー1において、複数サーバーの管理ツール起動前のサーバー1(SV0001)の
図4-4会社情報管理テーブルには、3レコード登録されており、具体的には、以下の通りである。1レコード目には、会社ID:SH0001、会社名称:○×工業株式会社、データID:DT0001、会社情報登録サーバーID:SV0001、会社情報アクセス可能職員ID1:TM0001、会社情報アクセス可能職員ID2:TM0002、会社情報アクセス可能職員ID3:TM0003、会社情報アクセス可能職員ID4:TM1000、会社情報管理者用登録フォルダ:\\kaisha\kanrisha\data\sh0001、会社情報職員用登録フォルダ:\\kaisha\shokuin\data\sh0001と設定している。2レコード目には、会社ID:SH0002、会社名称:京浜交通株式会社、データID:DT0002、会社情報登録サーバーID:SV0001、会社情報アクセス可能職員ID1:TM0001、会社情報アクセス可能職員ID2:TM0002、会社情報アクセス可能職員ID3:TM1000、会社情報管理者用登録フォルダ:\\kaisha\kanrisha\data\sh0002、会社情報職員用登録フォルダ:\\kaisha\shokuin\data\sh0002と設定している。3レコード目には、会社ID:SH0003、会社名称:西部興業、
データID:DT0003、会社情報登録サーバーID:SV0001、会社情報アクセス可能職員ID1:TM0001、会社情報アクセス可能職員ID2:TM1000、会社情報管理者用登録フォルダ:\\kaisha\kanrisha\data\sh0003、会社情報職員用登録フォルダ:\\kaisha\shokuin\data\sh0003と設定している。
ここでは、会社ID:SH0001として「○×工業株式会社」、会社ID:SH0002として「京浜交通株式会社」、会社ID:SH0003として「西部興業」が紐づいている。
また、会社ID:SH0003の「西部興業」は、データID:DT0001に対してアクセスできるユーザーとして職員ID:TM0001と職員ID:TM1000を設定している。
【0085】
さらに税理士法人1が管理しているサーバー1において、複数サーバーの管理ツール起動前のサーバー1(SV0001)の
図4-3ユーザー情報管理テーブルには、6レコード登録されており、具体的には、以下の通りである。1レコード目には、職員ID:TM0001、氏名:鈴木○郎、アカウント:suzu-1、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定している。2レコード目には、職員ID:TM0002、氏名:小島×郎、アカウント:koji-1、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定している。3レコード目には、職員ID:TM0003、氏名:大野△太、アカウント:ohno-1、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定している。4レコード目には、職員ID:TM0004、氏名:高橋▽男、アカウント:taka-2、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定している。5レコード目には、職員ID:TM0500、氏名:田中□郎、アカウント:tana-1、パスワード:*****、管理者レベル:4、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定している。6レコード目には、職員ID:TM1000、氏名:東山□彦、アカウント:higa-1、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定している。ここでは、職員ID:TM0001~TM0004まで、管理者レベル:「通常ユーザー」=0である職員の情報と、管理者レベル:「フルコントロール」=4をもつ職員ID:TM0500と、管理者レベル:「データとユーザーのアクセス権限」=3を持つ職員ID:TM1000の情報を管理している。
【0086】
税理士法人1が管理しているサーバー1において、複数サーバーの管理ツール起動前のサーバー1(SV0001)の
図4-2サーバー情報管理テーブルには、3レコード登録されており、具体的には、以下の通りである。1レコード目には、サーバーID:SV0001、サーバー名:○×事務所サーバー1、グループID1:SG0001、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:1、自動複写実施時の間隔:30、複写エラーフラグ:1、IPアドレス:172.16.1.2、MACアドレス:00:CC:DD:13:57:90と設定している。2レコード目には、サーバーID:SV0002、サーバー名:○×事務所サーバー2、グループID1:SG0002、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:0、自動複写実施時の間隔:60、複写エラーフラグ:0、IPアドレス:192.168.1.2、MACアドレス:12:34:56:78:9A:BCと設定している。3レコード目には、サーバーID:SV0003、サーバー名:○×事務所サーバー3、グループID1:SG0003、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:0、自動複写実施時の間隔:40、複写エラーフラグ:0、IPアドレス:192.168.1.3、MACアドレス:66:33:62:37:BB:60と設定している。このテーブルにはサーバ
ー起動の際にネットワーク接続された各サーバー情報を収集してリスト化しているので、テーブル上にはネットワーク上で確認できるサーバーとして、サーバーID:SV0001、SV0002、SV0003、・・・が列挙されている。
【0087】
税理士法人2が管理しているサーバー2において、複数サーバーの管理ツール起動前のサーバー2(SV0002)の
図4-4会社情報管理テーブルには、2レコード登録されており、具体的には、以下の通りである。1レコード目には、会社ID:SH0001、会社名称:平和薬局、データID:DT0001、会社情報登録サーバーID:SV0002、会社情報アクセス可能職員ID1:TM0001、会社情報アクセス可能職員ID2:TM0002、会社情報アクセス可能職員ID3:TM2000、会社情報管理者用登録フォルダ:\\kaisha\kanrisha\data\sh0001、会社情報職員用登録フォルダ:\\kaisha\shokuin\data\sh0001と設定している。2レコード目には、会社ID:SH0002、会社名称:レストランPOP、データID:DT0002、会社情報登録サーバーID:SV0001、会社情報アクセス可能職員ID1:TM0001、会社情報アクセス可能職員ID2:TM0002、会社情報アクセス可能職員ID3:TM0003、会社情報アクセス可能職員ID4:TM2000、会社情報管理者用登録フォルダ:\\kaisha\kanrisha\data\sh0002、会社情報職員用登録フォルダ:\\kaisha\shokuin\data\sh0002と設定している。ここでは、会社ID:SH0001として「平和薬局」、会社ID:SH0002として「レストランPOP」が紐づいている。
また、会社ID:SH0001の「平和薬局」は、データID:DT0001に対してアクセスできるユーザーとして職員ID:TM0001、職員ID:TM0002、職員ID:TM2000を設定している。
【0088】
このように、税理士法人1が管理しているサーバー1と税理士法人2が管理しているサーバー2は、それぞれ独立して会社情報を管理しているため、
図4-4会社情報管理テーブルにおける会社IDに紐づいている会社が異なっている状況である。
例えば、税理士法人1が管理しているサーバー1(SV0001)の
図4-4会社情報管理テーブルでは、会社ID:SH0001は、「○×工業株式会社」であり、会社ID:SH0002は「京浜交通株式会社」だが、税理士法人2が管理しているサーバー2(SV0002)の
図4-4会社情報管理テーブルでは、会社ID:SH0001は「平和薬局」であり、会社ID:SH0002は「レストランPOP」となっており、これはそれぞれの税理士法人が個別的、独立的に会社(顧問先)の管理を行っているからである。
なお、この例では、それぞれの税理士法人が、個別的、独立的な会社(顧問先)の管理を行っているが、接続している税理士法人全体で共通の会社ID管理の方式、すなわち、会社IDが重複しないような対応を取ってもよい。
【0089】
次に、税理士法人2が管理しているサーバー2において、複数サーバーの管理ツール起動前のサーバー2(SV0002)の
図4-3ユーザー情報管理テーブルには、5レコード登録されており、具体的には、以下の通りである。1レコード目には、職員ID:TM0001、氏名:高橋▽男、アカウント:taka-2、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0002、管理サーバーID:SV0002、アクセス可能サーバーID1:SV0002と設定している。2レコード目には、職員ID:TM0002、氏名:横井☆三、アカウント:yoko-2、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0002、管理サーバーID:SV0002、アクセス可能サーバーID1:SV0002と設定している。3レコード目には、職員ID:TM0003、氏名:宮川◇美、アカウント:miya-2、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0002、管理サーバーID:SV0002、アクセス可能サーバーID1:SV0002と設定している。4レコード目には、職員ID:TM1000、氏名:東山□彦、アカウント:higa -1、パスワード:*****、管理者レベル:3、職員グループID:GR0002、管理サーバーID:SV0002、アクセス可能サーバーID1
:SV0002と設定している。5レコード目には、職員ID:TM2000、氏名:西尾◎子、アカウント:nishi-2、パスワード:*****、管理者レベル:4、職員グループID:GR0002、管理サーバーID:SV0002、アクセス可能サーバーID1:SV0002と設定している。ここでは、職員ID:TM0001~TM0003までの管理者レベル:「通常ユーザー」=0である職員の情報と、管理者レベル:「フルコントロール」=4をもつ職員ID:TM2000と、管理者レベル:「データとユーザーのアクセス権限」=3を持つ職員ID:TM1000の情報を管理している。
このように、税理士法人1と税理士法人2は、会社情報と同様に、それぞれ独立してユーザー情報を管理しているため、ユーザーIDに紐づいているユーザーが異なっている。
【0090】
例えば、税理士法人1が管理しているサーバー1(SV0001)のユーザー情報管理テーブルでは、ユーザーID:TM0001は、「鈴木○郎」であり、ユーザーID:TM0002は「小島×郎」、ユーザーID:TM0003は「大野△太」だが、税理士法人2が管理しているサーバー2(SV0002)のユーザー情報管理テーブルでは、ユーザーID:TM0001は「高橋▽男」であり、ユーザーID:TM0002は「横井☆三」、ユーザーID:TM0003は「宮川◇美」となっており、これはそれぞれの税理士法人が個別的、独立的なユーザーの管理を行っているからである。
なお、この例では、それぞれの税理士法人が、個別的、独立的なユーザーの管理を行っているが、接続している税理士法人全体で共通のユーザーID管理の方式、すなわち、ユーザーIDが重複しないような対応を取ってもよい。
【0091】
税理士法人2が管理しているサーバー2において、複数サーバーの管理ツール起動前のサーバー2(SV0002)の
図4-2サーバー情報管理テーブルには、3レコード登録されており、具体的には、以下の通りである。1レコード目には、サーバーID:SV0001、サーバー名:○×事務所サーバー1、グループID1:SG0001、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:1、自動複写実施時の間隔:30、複写エラーフラグ:1、IPアドレス:172.16.1.2、MACアドレス:00:CC:DD:13:57:90と設定している。2レコード目には、サーバーID:SV0002、サーバー名:○×事務所サーバー2、グループID1:SG0002、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:0、自動複写実施時の間隔:60、複写エラーフラグ:0、IPアドレス:192.168.1.2、MACアドレス:12:34:56:78:9A:BCと設定している。3レコード目には、サーバーID:SV0003、サーバー名:○×事務所サーバー3、グループID1:SG0003、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:0、自動複写実施時の間隔:40、複写エラーフラグ:0、IPアドレス:192.168.1.3、MACアドレス:66:33:62:37:BB:60と設定している。このテーブルにはサーバー起動の際にネットワーク接続された各サーバー情報を収集してリスト化しているので、テーブル上にはネットワーク上で確認できるサーバーとして、サーバーID:SV0001、SV0002、SV0003、・・・が列挙されている。
【0092】
最後に複数サーバーの管理ツールは、サーバーの情報に基づいて、
図6-1WSの詳細機能ブロック図のように複数サーバーの管理ツールはWS端末上で動作する。サーバー1やサーバー2同様のだが、起動直後は、WS上の複数サーバーの管理ツール上のテーブルの各レコードの各項目はサーバー1やサーバー2と同じであるがすべてのレコードをリセットしているので、値が設定されていない状態となっている。
【0093】
・ステップ2 : 各サーバーをネットワーク接続後、複数サーバーの管理ツールを起動して各サーバーから管理情報を収集する
ここで税理士法人1が管理しているサーバー1と税理士法人2が管理しているサーバー2を含む複数のサーバーがネットワーク接続された状態で、複数のサーバーへのアクセス権
限のあるアカウントを有し、サーバー1とサーバー2に「データとユーザーアクセスの管理者権限」を持つユーザーである職員ID:TM1000がサーバー2に接続しているワークステーションからログインして管理者ツールを起動する(S7-1-1、S7-1-2)と、ネットワーク全体に一般的な技術であるブロードキャストメッセージを出して、ネットワーク上からサーバーを見つけ出したうえで各サーバーのサーバー情報管理テーブルから職員ID:TM1000が「データとユーザーアクセスの管理者権限」を有しているサーバーを列挙して、複数サーバーの管理ツールがサーバー1、サーバー2から権限情報等を収集して複数サーバーの管理ツールの
図6-3
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールのサーバー情報管理テーブルに登録する(S7-1-3)。
【0094】
ここで、管理ツールの
図6-3
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールのサーバー情報管理テーブルには、2レコード登録されており、具体的には、以下の通りである。1レコード目には、サーバーID:SV0001、サーバー名:○×事務所サーバー1、グループID1:SG0001、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:1、自動複写実施時の間隔:30、複写エラーフラグ:1、IPアドレス:172.16.1.2、MACアドレス:00:CC:DD:13:57:90と設定している。2レコード目には、サーバーID:SV0002、サーバー名:○×事務所サーバー2、グループID1:SG0002、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:0、自動複写実施時の間隔:60、複写エラーフラグ:0、IPアドレス:192.168.1.2、MACアドレス:12:34:56:78:9A:BCと設定している。
この時、仮にサーバー2しかサーバーが列挙できない場合でも複数サーバーの管理ツールの起動処理を進めてもよいし、サーバーが複数列挙できない時点でエラーを表示して複数サーバーの管理ツールを終了してもよい。
【0095】
登録した複数サーバーの管理ツールのサーバーリストを複数サーバーの管理ツール画面にサーバーを表示することでアクセス許可を得たい会社とデータを有するサーバーを選択できるようにする(S7-11-4)。
この実施例では、税理士法人1が管理しているサーバー1を選択してサーバー1の
図4-4会社情報管理テーブルからサーバー1が管理している会社とデータを複数サーバーの管理ツール画面に表示する。事例では、サーバー1のみを選択しているが、複数のサーバーを選択してもよい。
【0096】
ここで複数サーバーの管理ツールから税理士法人1が管理しているサーバー1に複数サーバーの管理ツールでログインしているユーザーでログインする。この時このユーザーがサーバー1に対してアクセス権限をもっていない場合には複数サーバーの管理ツールを続行できないので管理ツールを終了する。
複数サーバーの管理ツール上でサーバー1を選択してサーバー1の
図4-4会社情報管理テーブルから会社とデータを列挙して、アクセス許可を与えたい会社とデータを選択する。ここでは、会社ID:SH0003のデータID:DT0001を選択する(S7-1-5)。
そして複数サーバーの管理ツールが情報収集するサーバー1(SV0001)の
図4-4会社情報管理テーブルのうち、会社ID:SH0003のレコードを複数サーバーの管理ツールがサーバー1、サーバー2から権限情報等収集して
図6-2
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールの会社情報管理テーブルに登録する(S7-1-6)。
【0097】
ここで、管理ツールの
図6-2
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールの会社情報管理テーブルには、1レコード登録されており、具体的には、以下の通りである。1
レコード目には、会社ID:SH0003、会社名称:西部興業、データID:DT0003、会社情報登録サーバーID:SV0001、会社情報アクセス可能職員ID1:TM0001、会社情報アクセス可能職員ID2:TM1000、会社情報管理者用登録フォルダ:\\kaisha\kanrisha\data\sh0003、会社情報職員用登録フォルダ:\\kaisha\shokuin\data\sh0003と設定している。
【0098】
次に複数サーバーの管理ツールが取得済みのサーバー情報管理テーブルを再度取得してサーバー選択画面を表示し、先ほど選択したサーバー1のアクセス許可をどのサーバーのユーザーに与えるかの選択を行う(S7-2-1)。
管理者がアクセス許可を与えたいユーザーが登録されたサーバー2を選択して、サーバー2の
図4-3ユーザー情報管理テーブルに登録されたユーザーを列挙する。
そして、アクセス許可を与えるユーザーを選択する。ここでは、職員ID:TM2000と職員ID:TM0001を選択する(S7-2-2)。
【0099】
さらに複数サーバーの管理ツールがサーバー1、サーバー2から権限情報等収集して複数サーバーの管理ツールが情報収集するサーバー2(SV0002)の
図4-3ユーザー情報管理テーブルのうち、職員ID:TM2000のレコードと職員ID:TM0001のレコードを複数サーバーの管理ツールがサーバー1、サーバー2から権限情報等収集して
図6-4
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールのユーザー情報管理テーブルに登録する(S7-2-3)。
【0100】
ここで、管理ツールの
図6-4
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールのユーザー情報管理テーブルには、2レコード登録されており、具体的には、以下の通りである。1レコード目には、職員ID:TM0001、氏名:高橋▽男、アカウント:taka-2、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0002、管理サーバーID:SV0002、アクセス可能サーバーID1:SV0002と設定している。2レコード目には、職員ID:TM2000、氏名:西尾◎子、アカウント:nishi-2、パスワード:*****、管理者レベル:4、職員グループID:GR0002、管理サーバーID:SV0002、アクセス可能サーバーID1:SV0002と設定している。
【0101】
なお、この時サーバー1とサーバー2の
図4-4会社情報管理テーブル、
図4-3ユーザー情報管理テーブル、
図4-2サーバー情報管理テーブルには変化がない。
【0102】
・ステップ3 : 複数サーバーの管理ツールが収集した各管理情報に基づいてサーバー2のユーザーに対してサーバー1のデータに対するアクセス許可を選択したうえでサーバー1とサーバー2がそれぞれ管理している管理情報を更新する
アクセス許可を得たいサーバー、および会社とデータを
図6-2複数サーバーの管理ツールの会社情報管理テーブルに登録し、また、アクセス許可したサーバーにアクセスしたいユーザーを複数サーバーの管理ツールのユーザー情報管理テーブルに登録したので、設定内容が正しいかを確認するため、複数サーバーの管理ツールに登録した、
図6-3
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールのサーバー情報管理テーブル、
図6-2
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールの会社情報管理テーブル、
図6-4
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールのユーザー情報管理テーブルの情報を再度複数サーバーの管理ツール画面上に表示したうえで(S7-2-4)、アクセス許可を得たいサーバーである、サーバー1にアクセス権を有する管理者としてログインして
図4-4
サーバー1の会社情報管理テーブルにアクセスして(S7-2-5)、ログインした管理者が
図4-4サーバー1の会社情報管理テーブルの会社やデータに対してアクセスやユーザー追加・訂正の権限を有するかの確認を行う(S7-3-1)。
【0103】
ここで権限のないユーザーでログインしている場合は、エラー表示して(S7-3-2)複数サーバーの管理ツールを終了する(S7-3-3)。
なお、エラー表示した後、複数サーバーの管理ツールを終了せず、再度複数サーバーの管理ツールに権限のあるユーザーをしてログインを促すような処理に戻るような動きをしてもよい。
【0104】
次にサーバーアクセス許可を得たいサーバーである、
図4-3サーバー1のユーザー情報管理テーブルと
図6-2
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールの会社情報管理テーブルの情報を取得して、アクセス許可したいサーバーに対して、追加したいユーザーがすでに存在しているかを確認し(S7-3-4)、ユーザーが存在しない場合には、ユーザーを追加する必要があるので
図6-4
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールのユーザー情報管理テーブルに追加したいユーザーを登録する。
【0105】
また、ユーザーが存在する場合、別ユーザーとして追加するか、登録済みユーザーを使うかを管理者に選択させ(S7-3-5)、選択した処理を進めるかを確認したうえで(S7-3-6)、別ユーザーとして登録したい場合には、追加したいユーザー情報を
図6-4
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールのユーザー情報管理テーブルに登録するし(S7-3-8)、登録済みユーザーを使う場合は、
図6-4
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールのユーザー情報管理テーブルにユーザーを追加しない(S7-3-7)。
【0106】
ユーザーが存在する場合に、別ユーザーとして追加したいか、登録済みユーザーを使うかの選択肢であるが、例えば同一ユーザーで異なるグループ管理をしたい場合や同一ユーザーで会社とデータへのアクセス許可を異なる設定としたい場合などに有効であるが、これはあくまでも一例でその他の理由があってもよい。
【0107】
さらに追加したいユーザーが元のサーバーであるサーバー2のユーザー情報管理テーブル上で管理者の権限を有する場合、アクセス許可したいサーバーである、サーバー1のユーザー情報管理テーブル上でも権限をもたせたいことも考えられるので、管理者レベルが、管理者権限のない通常ユーザーがどうかを確認したうえで(S7-4-1)、管理者のレベルを表示して管理者レベルを選択させたうえで(S7-4-2)、選択した管理者レベルをアクセス許可したいサーバーである、サーバー1のユーザー情報に設定したい管理者レベルを必要な権限等を定義する
図6-4
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールのユーザー情報管理テーブルの管理者レベルの項目にツールで設定した管理者レベルを登録する(S7-4-3)。
【0108】
例では、職員ID:TM2000の管理者レベルは、
図6-4
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールのユーザー情報管理テーブルでは、管理者レベル:「フルコントロール」=4の管理者レベルを設定しているが、サーバー1では、職員ID:TM2000の管理者レベルを管理者レベル:「通常ユーザー」=0として登録したいので、S7-4-2で管理者レベル:「通常ユーザー」=0を選択したうえで必要な権限等を定義する
図6-4
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールのユーザー情報管理テーブルの管理者レベルの項目に「通常ユーザー」=0を登録する。
【0109】
今回の事例では、元のサーバーで管理者権限を有する場合に設定できる管理者レベルをすべて表示して管理者レベルを設定できるようにしているが、元のサーバーで有していた
管理者レベル以上の権限を設定できないように表示を制限して管理者レベルを選択させるような、必要に応じた権限を設定できるようにしてもよい。
【0110】
管理ツールによってどのようなユーザーのどの会社データへのアクセスを許可するかを設定することで、管理ツール上で管理している
図4-4会社情報管理テーブル、
図4-3ユーザー情報管理テーブル、
図4-2サーバー情報管理テーブルの状況を整理すると以下の様な設定になっている。管理ツールを実行したことにより、サーバー1に登録している西部興業:SH0003の会社データに対して、高橋▽男:TM0004と西尾◎子:TM2000を追加したので、管理ツール上で管理している
図4-4会社情報管理テーブルには、1レコード登録されており、会社ID:SH0003、会社名称:西部興業、データID:DT0003、会社情報登録サーバーID:SV0001、会社情報アクセス可能職員ID1:TM0001、会社情報アクセス可能職員ID2:TM1
000、会社情報アクセス可能職員ID3:TM0004、会社情報アクセス可能職員ID4:TM2000、会社情報管理者用登録フォルダ:\\kaisha\kanrisha\data\sh0003、会社情報職員用登録フォルダ:\\kaisha\shokuin\data\sh0003と設定されている。
【0111】
また、管理ツール上で管理している
図4-3ユーザー情報管理テーブルには、2レコード登録されており、1レコード目には、職員ID:TM0004、氏名:高橋▽男、アカウント:taka-2、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定され、2レコード目として、職員ID:TM2000、氏名:西尾◎子、アカウント:nishi-2、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定される。
【0112】
最後に
図4-2サーバー情報管理テーブルについては、特にサーバーの接続に変化があるわけではないので、当初登録された2レコード分の情報として、1レコード目には、サーバーID:SV0001、サーバー名:○×事務所サーバー1、グループID1:SG0001、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:1、自動複写実施時の間隔:30、複写エラーフラグ:1、IPアドレス:172.16.1.2、MACアドレス:00:CC:DD:13:57:90と設定されており、2レコード目には、サーバーID:SV0002、サーバー名:○×事務所サーバー2、グループID1:SG0002、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:0、自動複写実施時の間隔:60、複写エラーフラグ:0、IPアドレス:192.168.1.2、MACアドレス:12:34:56:78:9A:BCと設定されている。
【0113】
複数サーバーの管理ツールによって会社情報管理テーブルやユーザー情報管理テーブルの権限等を設定後、
図6-2
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールの会社情報管理テーブルと
図6-4
図6-1記憶部25の複数サーバーの管理ツールのユーザー情報管理テーブルの更新したレコードをアクセスの許可を与えるサーバーである、複数サーバーの管理ツールによって権限等を更新する
図4-4サーバー1(SV0001)の会社情報管理テーブルと
図4-3サーバー1(SV0001)のユーザー情報管理テーブルに追加登録することで、アクセス許可が有効になる(S7-4-4)。
【0114】
さらに、アクセス元のサーバーである
図4-3サーバー2(SV0002)のユーザー情報管理テーブルの対象ユーザーの職員ID:TM0001と職員ID:TM2000の「アクセス可能サーバーID2」にアクセス許可したサーバーのIDであるSV0001の情報を追加登録する(S7-4-5)。
この設定を行うことで、通常ユーザーとして通常業務処理を行う際にネットワーク接続されたすべてのサーバーの情報を再度取得せずにピンポイントでサーバーへのアクセスが
可能となる。
【0115】
ステップ3におけるサーバー1、サーバー2、管理ツールの
図4-4会社情報管理テーブル、
図4-3ユーザー情報管理テーブル、
図4-2サーバー情報管理テーブルの状況を整理すると以下の様な設定になっている。
【0116】
複数サーバーの管理ツールを実施して、複数サーバーの管理ツールが収集した各管理情報に基づいてサーバー2のユーザーに対してサーバー1のデータに対するアクセス許可を選択したうえで、サーバー1とサーバー2がそれぞれ管理している管理情報を更新するステップ3において、税理士法人1が管理しているサーバー1時のサーバー1(SV0001)の
図4-4会社情報管理テーブルでは、3レコード登録されており、具体的には以下の通りである。1レコード目には、会社ID:SH0001、会社名称:○×工業株式会社、データID:DT0001、会社情報登録サーバーID:SV0001、会社情報アクセス可能職員ID1:TM0001、会社情報アクセス可能職員ID2:TM0002、会社情報アクセス可能職員ID3:TM0003、会社情報アクセス可能職員ID4:TM1000、会社情報管理者用登録フォルダ:\\kaisha\kanrisha\data\sh0001、会社情報職員用登録フォルダ:\\kaisha\shokuin\data\sh0001と設定している。2レコード目には、会社ID:SH0002、会社名称:京浜交通株式会社、データID:DT0002、会社情報登録サーバーID:SV0001、会社情報アクセス可能職員ID1:TM0001、会社情報アクセス可能職員ID2:TM0002、会社情報アクセス可能職員ID3:TM1000、会社情報管理者用登録フォルダ:\\kaisha\kanrisha\data\sh0002、会社情報職員用登録フォルダ:\\kaisha\shokuin\data\sh0002と設定している。3レコード目には、会社ID:SH0003、会社名称:西部興業、データID:DT0003、会社情報登録サーバーID:SV0001、会社情報アクセス可能職員ID1:TM0001、会社情報アクセス可能職員ID2:TM1000、会社情報アクセス可能職員ID3:TM0004、会社情報アクセス可能職員ID4:TM2000、会社情報管理者用登録フォルダ:\\kaisha\kanrisha\data\sh0003、会社情報職員用登録フォルダ:\\kaisha\shokuin\data\sh0003と設定している。ここでは、管理ツールを実行したことにより、会社ID:SH0003の「西部興業」へのアクセス可能職員として、TM0004とTM2000が追加になっている。
【0117】
複数サーバーの管理ツールを実施して、複数サーバーの管理ツールが収集した各管理情報に基づいてサーバー2のユーザーに対してサーバー1のデータに対するアクセス許可を選択したうえで、サーバー1とサーバー2がそれぞれ管理している管理情報を更新するステップ3において、税理士法人1が管理しているサーバー1時のサーバー1(SV0001)の
図4-3ユーザー情報管理テーブルには、7レコード登録されている。1レコード目から6レコード目は、具体的には、以下の通りである。1レコード目には、職員ID:TM0001、氏名:鈴木○郎、アカウント:suzu-1、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定している。2レコード目には、職員ID:TM0002、氏名:小島×郎、アカウント:koji-1、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定している。3レコード目には、職員ID:TM0003、氏名:大野△太、アカウント:ohno-1、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定している。4レコード目には、職員ID:TM0004、氏名:高橋▽男、アカウント:taka-2、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーI
D1:SV0001と設定している。5レコード目には、職員ID:TM0500、氏名:田中□郎、アカウント:tana-1、パスワード:*****、管理者レベル:4、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定している。6レコード目には、職員ID:TM1000、氏名:東山□彦、アカウント:higa-1、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定している。7レコード目として、職員ID:TM2000、氏名:西尾◎子、アカウント:nishi-2、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0001、管理サーバーID:SV0001、アクセス可能サーバーID1:SV0001と設定され、管理ツールによって今までサーバー2にしかアクセスできなかった職員ID:TM2000がサーバー1のユーザー情報管理テーブルに登録されることにより、サーバー1へのアクセスが許可される。
【0118】
複数サーバーの管理ツールを実施して、複数サーバーの管理ツールが収集した各管理情報に基づいてサーバー2のユーザーに対してサーバー1のデータに対するアクセス許可を選択したうえで、サーバー1とサーバー2がそれぞれ管理している管理情報を更新するステップ3において、税理士法人1が管理しているサーバー1時のサーバー1(SV0001)の
図4-2サーバー情報管理テーブルには、3レコード登録されており、具体的には、以下の通りである。1レコード目には、サーバーID:SV0001、サーバー名:○×事務所サーバー1、グループID1:SG0001、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:1、自動複写実施時の間隔:30、複写エラーフラグ:1、IPアドレス:172.16.1.2、MACアドレス:00:CC:DD:13:57:90と設定している。2レコード目には、サーバーID:SV0002、サーバー名:○×事務所サーバー2、グループID1:SG0002、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:0、自動複写実施時の間隔:60、複写エラーフラグ:0、IPアドレス:192.168.1.2、MACアドレス:12:34:56:78:9A:BCと設定している。3レコード目には、サーバーID:SV0003、サーバー名:○×事務所サーバー3、グループID1:SG0003、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:0、自動複写実施時の間隔:40、複写エラーフラグ:0、IPアドレス:192.168.1.3、MACアドレス:66:33:62:37:BB:60と設定している。このテーブルにはサーバー起動の際にネットワーク接続された各サーバー情報を収集してリスト化しているので、テーブル上にはネットワーク上で確認できるサーバーとして、サーバーID:SV0001、SV0002、SV0003、・・・が列挙されている状態に変化はない。
【0119】
複数サーバーの管理ツールを実施して、複数サーバーの管理ツールが収集した各管理情報に基づいてサーバー2のユーザーに対してサーバー1のデータに対するアクセス許可を選択したうえで、サーバー1とサーバー2がそれぞれ管理している管理情報を更新するステップ3において、税理士法人2が管理しているサーバー2時のサーバー2(SV0002)の
図4-4会社情報管理テーブルでは、2レコード登録されており、具体的には、以下の通りである。1レコード目には、会社ID:SH0001、会社名称:平和薬局、データID:DT0001、会社情報登録サーバーID:SV0002、会社情報アクセス可能職員ID1:TM0001、会社情報アクセス可能職員ID2:TM0002、会社情報アクセス可能職員ID3:TM2000、会社情報管理者用登録フォルダ:\\kaisha\kanrisha\data\sh0001、会社情報職員用登録フォルダ:\\kaisha\shokuin\data\sh0001と設定している。2レコード目には、会社ID:SH0002、会社名称:レストランPOP、データID:DT0002、会社情報登録サーバーID:SV0001、会社情報アクセス可能職員ID1:TM0001、会社情報アクセス可能職員ID2:TM0002
、会社情報アクセス可能職員ID3:TM0003、会社情報アクセス可能職員ID4:TM2000、会社情報管理者用登録フォルダ:\\kaisha\kanrisha\data\sh0002、会社情報職員用登録フォルダ:\\kaisha\shokuin\data\sh0002と設定しており、サーバー2の会社情報に対してアクセス権限の設定を追加していないので、テーブルに変化はない。
【0120】
複数サーバーの管理ツールを実施して、複数サーバーの管理ツールが収集した各管理情報に基づいてサーバー2のユーザーに対してサーバー1のデータに対するアクセス許可を選択したうえで、サーバー1とサーバー2がそれぞれ管理している管理情報を更新するステップ3において、税理士法人2が管理しているサーバー2時のサーバー2(SV0002)の
図4-3.ユーザー情報管理テーブルには、5レコード登録されており、具体的には、以下の通りである。1レコード目には、職員ID:TM0001、氏名:高橋▽男、アカウント:taka-2、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0002、管理サーバーID:SV0002、アクセス可能サーバーID1:SV0002、アクセス可能サーバーID2:SV0001と設定している。2レコード目には、職員ID:TM0002、氏名:横井☆三、アカウント:yoko-2、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0002、管理サーバーID:SV0002、アクセス可能サーバーID1:SV0002と設定している。3レコード目には、職員ID:TM0003、氏名:宮川◇美、アカウント:miya-2、パスワード:*****、管理者レベル:0、職員グループID:GR0002、管理サーバーID:SV0002、アクセス可能サーバーID1:SV0002と設定している。4レコード目には、職員ID:TM1000、氏名:東山□彦、アカウント:higa -1、パスワード:*****、管理者レベル:3、職員グループID:GR0002、管理サーバーID:SV0002、アクセス可能サーバーID1:SV0002と設定している。5レコード目には、職員ID:TM2000、氏名:西尾◎子、アカウント:nishi-2、パスワード:*****、管理者レベル:4、職員グループID:GR0002、管理サーバーID:SV0002、アクセス可能サーバーID1:SV0002、アクセス可能サーバーID1:SV0002、アクセス可能サーバーID2:SV0001と設定している。職員ID:TM0001と職員ID:TM2000には、管理ツールによってサーバー1に登録されたデータにアクセスできるように設定したことによって、アクセス可能サーバーとして、サーバー1を示すSV0001が追加されたのである。
【0121】
複数サーバーの管理ツールを実施して、複数サーバーの管理ツールが収集した各管理情報に基づいてサーバー2のユーザーに対してサーバー1のデータに対するアクセス許可を選択したうえで、サーバー1とサーバー2がそれぞれ管理している管理情報を更新するステップ3において、税理士法人2が管理しているサーバー2において、複数サーバーの管理ツール起動前のサーバー2(SV0002)の
図4-2サーバー情報管理テーブルには、3レコード登録されており、具体的には、以下の通りである。1レコード目には、サーバーID:SV0001、サーバー名:○×事務所サーバー1、グループID1:SG0001、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:1、自動複写実施時の間隔:30、複写エラーフラグ:1、IPアドレス:172.16.1.2、MACアドレス:00:CC:DD:13:57:90と設定している。2レコード目には、サーバーID:SV0002、サーバー名:○×事務所サーバー2、グループID1:SG0002、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:0、自動複写実施時の間隔:60、複写エラーフラグ:0、IPアドレス:192.168.1.2、MACアドレス:12:34:56:78:9A:BCと設定している。3レコード目には、サーバーID:SV0003、サーバー名:○×事務所サーバー3、グループID1:SG0003、サーバー管理情報アクセスフラグ:1、マスターサーバーフラグ:0、自動複写実施時の間隔:40、複写エラーフラグ:0、
IPアドレス:192.168.1.3、MACアドレス:66:33:62:37:BB:60と設定している。このテーブルにはサーバー起動の際にネットワーク接続された各サーバー情報を収集してリスト化しているので、テーブル上にはネットワーク上で確認できるサーバーとして、サーバーID:SV0001、SV0002、SV0003、・・・が列挙されている状態に変化はない。
【0122】
・ステップ4 : 複数サーバーの管理ツール上に登録した情報をリセットして複数サーバーの管理ツールを終了する(S7-4-6)。
最後に
図6-1記憶部25複数サーバーの管理ツールの各管理テーブルをリセットして(
図6-2~
図6-4)複数サーバーの管理ツールを終了後、ワークステーション接続されているサーバー2からログアウトして複数サーバーの管理ツールの処理を終了する(S7-4-7)。
【0123】
-複数サーバーの管理ツール実施後の通常ユーザーによる通常ユーザー業務処理の手順について
複数サーバーの管理ツールによって、一方のサーバーのアクセス許可したい会社とデータがあるサーバーに対して、他方のサーバーのアクセスしたいユーザーの情報を反映させてアクセスできるようにしたことで、複数サーバーの管理ツール実施後にいかにして通常ユーザーが通常ユーザー業務処理ができるようになる事例を、通常業務処理フロー(
図8-1、
図8-2)を用いながら説明する。
【0124】
通常ユーザーが使用しているWS端末から、もともとユーザーとして登録されているサーバーであるサーバー2にログインする(S8-1-1)と
図4-3サーバー2のユーザー情報管理テーブルを参照して会社とデータアクセス管理画面を表示する。
会社とデータアクセス管理画面では、サーバー2の会社とデータの一覧を表示するとともに
図4-3サーバー2のユーザー情報管理テーブルのアクセス可能サーバーIDにサーバー2以外のサーバーIDが登録されている場合にサーバー切り替えボタンを表示して(S8-1-3)サーバーの切り替えができるようにする。
【0125】
この時複数サーバーの管理ツールによって他のサーバーにアクセス許可する設定を事前に実施することにより、ネットワーク接続されたサーバーを列挙する必要がなくなる。
従来の技術では、他のサーバーへのアクセス許可を得て他のサーバーにアクセスしたい場合には、その都度ネットワーク接続されたサーバーを列挙してその都度サーバーリストを作成したり、ディレクトリサーバーを準備して、会社とデータへのアクセス許可を得るためにディレクトリサーバーにアクセス許可を申し出る動きをする必要があるが、今回の発明では、複数サーバーの管理ツールにより各サーバーにアクセス許可の設定を反映させることにより、アクセスする対象のサーバーの
図4-4会社情報管理テーブルや
図4-3ユーザー情報管理テーブルを参照するだけでアクセスしたいサーバーを限定することが可能となっている。
【0126】
ここで、現状ログインしているサーバーの会社とデータにアクセスしたい場合は、当該サーバー内の会社とデータを選択してそのまま処理を進めればよいし、他のサーバーの会社とデータへのアクセスを行いたい場合には、表示画面上に表示されたサーバー切り替えのボタンを押下してサーバーを切り替えればよい。
【0127】
先ほど複数サーバーの管理ツールでサーバー1の会社とデータへのアクセス許可を設定してした際に
図4-3サーバー2のユーザー情報管理テーブルにアクセス可能サーバーI
Dとして登録済みのサーバーを列挙して、どのサーバーにアクセスしたいか選択する。今回の事例では、サーバー1を示すSV0001をアクセス可能サーバーIDとして登録しているので、サーバー1を選択する(S8-1-4)と現状サインインにしているサーバー2の情報をWSのメモリ上に退避して(S8-1-5、S8-1-6)、サーバー2を自動ログアウトしたのち(S8-1-7)に選択したサーバーである、サーバー1に自動ログインする(S8-2-1)。
【0128】
ログインしたサーバーである
図4-3.サーバー1のユーザー情報管理テーブルからサーバーのアクセス権を取得したのち(S8-2-2)、サーバー1上で会社とデータへのアクセスできるアプリで通常業務を実施する(S8-2-3)。
通常業務終了後、通常業務をしていたサーバー1から自動ログアウトすると(S8-2-4)、WSのメモリ上に退避していたメモリ情報を再度読みだして(S8-2-5、S8-6-6)、元のサーバーであるサーバー2のアカウントで元のサーバーであるサーバー2に自動ログインしなおして(S8-2-7)、元のサーバーであるサーバー2でそのまま作業を続行する。
y
【0129】
-複数サーバーの管理ツール実施後の通常ユーザーによる検索ツール利用処理の手順について
複数サーバーの管理ツールを利用する管理者が、元サーバーの利用者が使いたい。先サーバーの会社とデータを選択し、複数サーバーの管理ツールが必要な会社とデータへのアクセス権限と必要なユーザー情報の登録要件を行うようにしたことで、複数サーバーの管理ツール実施後にいかにして通常ユーザーがネットワーク接続された各サーバーから所望の会社やデータを見つけられるようにする場合の具体例について、
図9-1~
図9-3を使って説明する。また、本事例では管理ツールを管理者が操作しているような説明を展開しているが、便宜上の定義として管理者という文言を使用しており、管理者がいなくてもこの管理ツールや検索ツールの機能を利用できることは言うまでもない。
この事例においても、例えば個人で会計事務所を営んでいたが、複数の会計士等と会計事務所法人を設立した場合や、個人の会計事務所がサーバー1台で事務所を運営していたが、顧問先が増えたことによって管理する情報が増えたことに伴い、別途サーバーを追加で導入し、接続する場合における環境での検索ツールの利用が考えられるが、これに限られない。
また、今回のフローでは、ネットワーク接続された複数のサーバーに登録された情報から、会社やデータを検索しているが、この情報は会社やデータに限られず、例えばデータについては、会計データや申告データ、給与データなど様々なデータの抽出が可能であり、会社ではなく、例えば相続税申告や給与における個人の情報でもよく、これらに限られない。
【0130】
具体例のフローでは、元サーバーとなるサーバー2を利用している、複数サーバーの管理ツールによって複数のサーバーにアクセスできるようにユーザーアカウントを設定された通常ユーザーが、元サーバーとなるサーバー2に接続されているワークステーションからログインする(S9-1-1)。その際、このユーザーの情報が登録された元サーバーとなるサーバー2のユーザー情報管理テーブルからユーザーIDやパスワード等を参照する(
図4-3ユーザー情報管理テーブル)。なお、検索ツールは、サーバーが1台のみで
構成されている環境で使用してもよい。この場合、その1つのサーバー内に登録された会社やデータを検索することになる。
【0131】
元サーバーとなるサーバー2にログイン後に通常ユーザーが元サーバーとなるサーバー2に接続されたワークステーションにインストールされた検索ツールを起動する(S9-1-2)。その際、元サーバーとなるサーバー2のアプリ情報管理テーブルから検索ツールを起動するための情報を取得する(
図4-1アプリ情報管理テーブル)。なお、この具体例では、ワークステーションにインストールしたアプリを起動しているが、クラウド上やサーバーに登録されたアプリを起動するようにしてもよい。
【0132】
検索ツールを起動したユーザーは、検索ツールから検索条件を入力する(S9-1-3)。入力した検索条件は、通常ユーザーが使用しているワークステーション内の検索ツールを展開しているメモリ上の検索条件管理テーブルに登録される(
図4-17-1
図6-1記憶部25の検索条件管理テーブル)。
【0133】
検索ツールの表示画面に入力した情報に基づいて、まず、検索ツールは通常ユーザーがアクセスできる有効なサーバーを調べるために、各サーバーに登録されたユーザー情報管理テーブルを参照し、通常ユーザーがアクセスできるサーバーリストを作成し、通常ユーザーが使用しているワークステーション上に検索ツールを展開しているメモリ上のサーバー情報管理テーブルに登録される(S9-1-4)(
図4-17-2
図6-1記憶部25のサーバー情報管理テーブル)。
【0134】
続いて先ほどの処理で、ワークステーション上に検索ツールを展開しているメモリ上のサーバー情報管理テーブルに登録した、通常ユーザーがアクセスできるサーバーリストを参照しながら以下の処理S9-1-6~S9-1-8の処理をリストに登録されたサーバーの数の分だけループ処理を行う(S9-1-5)。
【0135】
まず、サーバーリストに列挙された検索対象サーバーの会社情報管理テーブルの情報(
図4-4会社情報管理テーブル)と先ほど入力済みでワークステーション内の検索ツールを展開しているメモリに登録済みの検索条件管理テーブルの登録検索条件を取得して、会社情報管理テーブル中の会社とデータに対して、検索条件管理テーブル中の会社とデータに該当するかを調べる(S9-1-6)。
【0136】
そして、検索対象サーバー内の会社とデータについて検索条件と一致した会社とデータがあった場合、ワークステーション内の検索ツールを展開しているメモリ上の会社情報管理テーブルに登録し(
図4-17-3
図6-1記憶部25の会社情報管理テーブル)(S9-1-7)、検索対象サーバーをすべて検索したかを確認して、すべて検索していた場合、各サーバーから情報収集する処理を終了する(S9-1-8)。
【0137】
S9-1-6~S9-1-8の処理によって、ワークステーション内の記憶部に登録した、検索して一致した会社の会社情報管理テーブル(
図4-17-3
図6-1記憶部25の会社情報管理テーブル)の情報を取得して、検索して一致した会社の会社情報を一覧表示したうえで、その表示画面から入力を受け付けて、探したい会社とデータ、および使いたいサーバーを選択し、その結果をワークステーション内の検索ツールを展開しているメモリ上に選択したサーバーのサーバー情報管理テーブル(
図11-1
図6-1記憶部25のサーバー情報管理テーブル)と選択したサーバーの会社情報管理テーブルを登録する(
図11-2
図6-1記憶部25の会社情報管理テーブル)(S9-2-1)。
【0138】
今回の事例では、S9-2-1において、アクセスしたい会社とデータがあるサーバーと
して「サーバー1」を選択したので、検索結果を踏まえて会社とデータが登録されているサーバー1に切り替えるため、現在ログインしている元サーバー情報として、元サーバーとなるサーバー2の情報をワークステーション内の検索ツールを展開しているメモリ上のサーバー情報管理テーブル(
図6-5
図6-1記憶部25のサーバー情報管理テーブル)に登録する(S9-2-2)とともに、元サーバーとなるサーバー2の利用者である検索ツールを使用している通常ユーザーの利用者の現状使用している元サーバーとなるサーバー2のアカウント情報をワークステーション内の検索ツールを展開しているメモリ上のユーザー情報管理テーブルに登録する(
図6-6
図6-1記憶部25のユーザー情報管理テーブル)(S9-2-3)。
【0139】
元サーバーとなるサーバー2から自動ログアウト(S9-2-4)したのち、検索ツールを使用している通常ユーザー利用者アカウントに基づいて、S9-2-1で選択したサーバーであるサーバー1から
図4-4サーバー1のユーザー情報管理テーブル内に登録している検索ツールを使用している通常ユーザーのサーバー1におけるアカウント情報を使用して、サーバー1に自動ログインする(S9-2-5)。
【0140】
さらに、ログインした
図4-4サーバー1の会社情報管理テーブルから検索ツールを使用している通常ユーザーの会社とデータのアクセス権を取得したうえで(S9-2-6)、選択したサーバーであるサーバー1で通常業務を実施する(S9-2-7)。
【0141】
通常業務においては、サーバー1の会社情報管理テーブルから検索ツールを使用している通常ユーザーの会社情報職員用登録フォルダの登録先フォルダを取得して、アクセスしたい会社やデータを参照し、必要に応じて追記、修正した会社やデータを登録する。
なお、会社情報職員用登録フォルダや会社情報管理者用登録フォルダには、今回の事例では、会社毎、データ毎に区分けされて情報が保存されているが、今回の事例では、会社毎、データ毎に区分けしているが、利用する業務アプリ毎やグループ毎等の別の区分けで管理するようにしてもよいが、区分け方法はそれらに限定されない。
【0142】
通常業務終了後は、検索対象だったサーバーから自動ログアウトし(S9-3-1)、通常ユーザーが使用していた元のサーバーへの接続に切り替える必要がある。そこで元のサーバーがサーバー2である情報を参照先サーバーであるサーバー1に切り替える前に登録していたので、通常ユーザーの利用者がもともと使用していた元サーバーであるサーバー2で使用していたアカウント情報をワークステーション内の検索ツールを展開している
図6-6
図6-1記憶部25のユーザー情報管理テーブルから取得する(S9-3-2)と共に、もともと使用していた元サーバーがサーバー2である情報を、ワークステーション内の検索ツールを展開している
図6-5
図6-1記憶部25のサーバー情報管理テーブルから取得したうえで(S9-3-3)、もともと使用していた元サーバーであるサーバー2に自動ログインして(S9-3-4)サーバー切り換えが終了(S9-3-5)し、元サーバーであるサーバー2で業務を継続する(S9-3-6)。
【0143】
このように、本発明において検索ツールでは、通常ユーザー等が検索ツールを利用する際、複数サーバーの管理ツールによって設定済みの各サーバーで管理している
図4-3ユーザー情報管理テーブルや
図4-4会社情報管理テーブルに基づいて、そのユーザーがそのサーバーや会社、データ等にアクセスする権限を有するかを調べる動作を行う。
【0144】
一般的なディレクトリサーバーでは、ディレクトリサーバーがアカウントやデータ等へのアクセス権限を集中的に管理しているので、一見簡単そうだが、本ディレクトリサーバーが、故障等して使用できなくなった場合、所望のデータを検索することができなくなるが、本発明では、たとえ特定のサーバーが故障してもその他の各サーバーでユーザー情報、および会社情報等管理しているので、問題なく検索処理を進めることができる。
また、各サーバーで検索対象のユーザーがそのサーバーへのアカウントやアクセスの権原を有しているかを検証することになるので、セキュリティレベルの強化にもつながる。
さらに、税理士法人や本支店等、部門やグループ毎に設定したセキュリティレベルを担保しつつ、サーバー間を横断するような処理も行う事ができるので、そうした会社の運用形態に合致した機能を有していると言える。
【0145】
本実施例によれば、従来からのディレクトリサーバー利用時と同様に必要なデータへの検索、および参照を行いながら、設定外のデータの検索や参照は行えないのみならず、各サーバーの管理者の設定変更や独自のセキュリティ強化が有効になる。なお、本事例では管理ツールを管理者が操作しているような説明を展開しているが、便宜上の定義として管理者という文言を使用しており、管理者がいなくてもこの管理ツールや会社とデータの複数サーバーの集計ツールの機能を利用できることは言うまでもない。
【0146】
-複数サーバーの管理ツール実施後の通常ユーザーによる会社とデータの複数サーバーの集計ツール利用処理の手順について
複数サーバーの管理ツールを利用する管理者が、元サーバーの利用者が使いたい。先サーバーの会社とデータを選択し、複数サーバーの管理ツールが必要な会社とデータへのアクセス権限と必要なユーザー情報の登録要件を行うようにしたことで、複数サーバーの管理ツール実施後にいかにして通常ユーザーがネットワーク接続された各サーバーから所望の会社やデータを収集して表示・印刷を行えるようにする場合の具体例について、
図10-1~4を使って説明する。
この事例においても、検索ツールの場合と同様に、例えば個人で会計事務所を営んでいたが、複数の会計士等と会計事務所法人を設立した場合や、個人の会計事務所がサーバー1台で事務所を運営しており、個人の会計事務所単位で集計していたが、顧問先が増えたことによって管理する情報が増えたことに伴い、別途サーバーを追加で導入し、接続する場合における環境において各個人の会計事務所でまとめた会社やデータに基づいて集計した情報をさらに会計事務所法人全体での情報として集計したものを表示・印刷するようなツールの利用が考えられるが、これに限られない。
また、今回のフローでは、ネットワーク接続された複数のサーバーに登録された情報から、該当する会社やデータの情報をさらに集計したうえで表示・印刷しているが、この情報は会社やデータに限られず、例えばデータについては、会計データや申告データ、給与データなど様々なデータの抽出が可能であり、会社ではなく、例えば相続税申告や給与における個人の情報でもよく、これらに限られない。
【0147】
具体例のフローでは、元サーバーであるサーバー2を利用している、複数サーバーの管理ツールによって複数のサーバーにアクセスできるようにユーザーアカウントを設定された通常ユーザーが、元サーバーであるサーバー2に接続されているワークステーションからログインする(S10-1-1)。その際、このユーザーの情報が登録された元サーバーであるサーバー2のユーザー情報管理テーブルからユーザーIDやパスワード等を参照する(
図4-3ユーザー情報管理テーブル)。なお、複数サーバーの集計ツールは、サーバーが1台のみで構成されている環境で使用してもよい。この場合、その1つのサーバー内に登録された会社やデータを集計して表示・印刷することになる。
【0148】
元サーバーとなるサーバー2にログイン後に通常ユーザーが元サーバーとなるサーバー2に接続されたワークステーションにインストールされた複数サーバーの集計ツールを起動
する(S10-1-2)。その際、元サーバーとなるサーバー2のアプリ情報管理テーブルから複数サーバーの集計ツールを起動するための情報を取得する(
図4-1.アプリ情報管理テーブル)。なお、この具体例では、ワークステーションにインストールしたアプリを起動しているが、クラウド上やサーバーに登録されたアプリを起動するようにしてもよい。
【0149】
複数サーバーの集計ツールを起動したユーザーは、複数サーバーの集計ツールから検索条件を入力する(S10-1-3)。入力した検索条件は、通常ユーザーが使用しているワークステーション内の複数サーバーの集計ツールを展開しているメモリ上の検索条件管理テーブルに登録される(
図4-17-1
図6-1記憶部25の検索条件管理テーブル)。
【0150】
集約表示・印刷ツールの表示画面に入力した情報に基づいて、まず、複数サーバーの集計ツールは通常ユーザーがアクセスできる有効なサーバーを調べるために、各サーバーに登録されたユーザー情報管理テーブルを参照し、通常ユーザーがアクセスできるサーバーリストを作成し、通常ユーザーが使用しているワークステーション上に複数サーバーの集計ツールを展開しているメモリ上のサーバー情報管理テーブルに登録される(S10-1-4)(
図4-17-2
図6-1記憶部25のサーバー情報管理テーブル)。
【0151】
続いて先ほどの処理で、ワークステーション上に複数サーバーの集計ツールを展開しているメモリ上のサーバー情報管理テーブルに登録した、通常ユーザーがアクセスできるサーバーリストを参照しながら以下の処理S10-1-6~S10-1-8の処理をリストに登録されたサーバーの数の分だけループ処理を行う(S10-1-5)。
【0152】
まず、サーバーリストに列挙された検索対象サーバーの会社情報管理テーブルの情報(
図4-4会社情報管理テーブル)と先ほど入力済みでワークステーション内の複数サーバーの集計ツールを展開しているメモリに登録済みの検索条件管理テーブルの登録検索条件を取得して、会社情報管理テーブル中の会社とデータに対して、検索条件管理テーブル中の会社とデータに該当するかを調べる(S10-1-6)。
【0153】
そして、検索対象サーバー内の会社とデータについて検索条件と一致した会社とデータがあった場合、ワークステーション内の複数サーバーの集計ツールを展開しているメモリ上の会社情報管理テーブルに登録し(
図4-17-3
図6-1記憶部25の会社情報管理テーブル)(S10-1-7)、検索対象サーバーをすべて検索したかを確認して、すべて検索していた場合、各サーバーから情報収集する処理を終了する(S10-1-8)。
【0154】
S10-1-6~S10-1-8の処理によって、ワークステーション内の記憶部に登録した、検索して一致した会社の会社情報管理テーブル(
図4-17-3
図6-1記憶部25の会社情報管理テーブル)の情報を取得して、検索して一致した会社の会社情報を一覧表示したうえで、その表示画面から入力を受け付けて、複数サーバーから集計表示、印刷したい会社とデータ、およびサーバーを選択し、選択した会社とデータの情報をワークステーション内の検索ツールを展開しているメモリ上に選択したサーバーの会社情報管理テーブルを登録し(
図11-2
図6-1記憶部25の会社情報管理テーブル)(S10-2-1)、選択したサーバーの情報をワークステーション内の検索ツールを展開しているメモリ上に選択したサーバーのサーバー情報管理テーブルを登録する(
図11-1
図6-1記憶部25のサーバー情報管理テーブル)(S10-2-1)。
【0155】
今回の事例では、会計事務所ごとに管理しているそれぞれのサーバーで顧問先毎の工数を
集計しており、サーバー毎に準備している会社データ毎の工数等管理用の集計結果テーブルにデータを登録しており、このテーブルは集計結果テーブル(
図11-3
図6-1記憶部25の集計結果テーブル)に準じた構成になっており、複数サーバーの集計ツールを実施することでサーバーに登録済みの集計結果テーブルをさらに集計することで、税理士法人全体での所望の会社データにおける集計が可能となる。
【0156】
S10-2-1において、アクセスしたい会社とデータが1社以上複数社あると選択したので、検索結果を踏まえて複数社の会社とデータが登録されているサーバーに切り替えるため、現在ログインしている元サーバー情報として、元サーバーとなるサーバー2の情報をワークステーション内の検索ツールを展開しているメモリ上のサーバー情報管理テーブル(
図6-5
図6-1記憶部25内のサーバー情報管理テーブル)に登録する(S10-2-2)とともに、元サーバーとなるサーバー2の利用者である検索ツールを使用している通常ユーザーの利用者の現状使用している元サーバーとなるサーバー2のアカウント情報をワークステーション内の検索ツールを展開しているメモリ上のユーザー情報管理テーブルに登録する(
図6-6.
図6-1記憶部25のユーザー情報管理テーブル)(S10-2-3)。
【0157】
元サーバーとなるサーバー2から自動ログアウト(S10-2-4)したのち、検索結果で選択したサーバー情報管理テーブル(
図11-1.
図6-1記憶部25のサーバー情報管理テーブル)の情報に基づいて選択したサーバーをすべて参照するようループ処理を行う(S10-3-1)。
【0158】
元サーバーとなるサーバー2の利用者アカウントで、S10-2-1で選択した集計対象サーバーであるサーバーから集計対象サーバーのユーザー情報管理テーブル(
図4-3集計対象サーバーのユーザー情報管理テーブル)内に登録している集計ツールを使用している通常ユーザーの集計対象サーバーにおけるアカウント情報を使用して、集計対象サーバーに自動ログインし(S10-3-2)、ログインした集計対象サーバーの会社情報管理テーブル(
図4-4集計対象サーバーの会社情報管理テーブル)から集計ツールを使用している通常ユーザーの集計サーバーにおける会社とデータのアクセス権を取得したうえで(S10-3-2)、選択した会社の会社情報管理テーブルから集計対象の会社情報を取得する(
図11-2
図6-1記憶部25の会社情報管理テーブル)(S10-3-3)。
【0159】
集計対象サーバーのうち、選択したサーバーのサーバー情報管理テーブル(
図11-1
図6-1記憶部25のサーバー情報管理テーブル)を取得し、そのサーバーから選択した会社の会社情報テーブルから集計対象の会社情報を取得(
図4-4集計対象サーバーの会社情報管理テーブル)したうえで集計を行い、その結果をワークステーション内の検索ツールを展開しているメモリ上の集計結果テーブルに登録する(
図11-3
図6-1記憶部25の集計結果テーブル)(S10-3-4)。
この時の集計データは、この事例では、税理士法人内におけるそれぞれの会計事務所グループでそれぞれまとめた顧問先の顧問料であるが、事務所内の給与情報でもよいし、各顧問先でかかった経費でもよいが、それらに限定されない。
【0160】
集計対象サーバーからの集計が終了したら、集計対象サーバーから自動ログアウト(S10-3-5)して、全ての集計対象サーバーの集計が終了したかを確認したうえで、他にも集計対象サーバーがある場合は、また選択した集計対象サーバーリストから次のサーバーを見つけて(S10-3-1)処理を継続し(S10-3-2~S10-3-5)、集計が終了していたらループ処理を終了する(S10-3-6)。
【0161】
集計対象サーバーからの集計が終了したら(S10-3-1~S10-3-6)、
ユーザーが利用しているサーバー2で集計するために、
図6-1記憶部25から元サーバーであるサーバー2の利用者アカウント情報を取得するために
図6-1記憶部25のユーザー情報管理テーブル(
図6-6)を参照する(S10-4-1)。また、
図6-1記憶部25のサーバー情報管理テーブル(
図6-5)から元サーバーがサーバー2であるという情報を取得する(S10-4-2)。
【0162】
元サーバーがサーバー2のアカウントであるという情報を取得したので、サーバー2のユーザー情報管理テーブル(
図4-3)を参照して、その情報に基づいてサーバー2のアカウントで元サーバーであるサーバー2に自動ログインする(S10-4-3)。
【0163】
最後にすでに端末の
図6-1記憶部25の集計結果テーブル(
図11-3)に保存済みの集計結果テーブルから、集計結果を読み出してきて画面上に集計結果を表示、印刷して(S10-4-4)、複数サーバーの集計ツールの処理を終了する。集計結果を印刷する事例として、
図11-4集計結果の印刷書式(顧問先別工数集計表)を示すが、印刷書式はこれに限られない。
【0164】
このように、本発明における集約表示・印刷ツールでは、通常ユーザー等が集約表示・印刷ツールを利用する際、複数サーバーの管理ツールによって設定済みの各サーバーで管理しているユーザー情報管理テーブルや会社情報管理テーブルに基づいて、そのユーザーがそのサーバーや会社、データ等にアクセスする権限を有するかを調べる動作を行う。
【0165】
一般的なディレクトリサーバーでは、ディレクトリサーバーがアカウントやデータ等へのアクセス権限を集中的に管理しているので、一見簡単そうだが、本ディレクトリサーバーが、故障等して使用できなくなった場合、所望の会社データ等が登録されたサーバーにアクセスすることができなくなるが、本発明では、たとえ特定のサーバーが故障してもその他の各サーバーでユーザー情報、および会社情報等管理しているので、問題なくサーバーや会社、データ等にアクセスして集約表示・印刷処理を進めることができる。
【0166】
一般的にサーバーにディスク共有エリアやデータベースを公開することで、複数サーバーの集計表示・印刷を実現することが可能である。税理士法人ではそれぞれの税理士が各自のサーバーに担当している顧問先のデータを管理している場合に、顧問先との機密保持契約によっては税理士法人内の他の税理士の管理しているサーバーとのデータ共有やデータ展開に際して十分にセキュリティを確保する必要から、ディスク共有やデータ共有を行う為にセキュリティレベルを落す事は許されないことがある。
【0167】
次に各サーバーでそれぞれセキュリティをかけることによって、セキュリティを強固にできる反面、集計する際には集計を担当している人がそれぞれのサーバーに個々ログインしたうえで情報収集する必要があり、大変煩雑である。
例えば、データの共有や公開が許されない場合には、独立している各サーバーへデータへのアクセスを許されているアカウントでログインし、必要なデータを利用中のWSにダウンロードし、表計算などで集計し直すことが行われ、又はそのような操作をスクリプト化することが行われる。さらに最近では、RPA(Robotic Process Automation)等業務プロセスの自動化ツールなどを利用することでも実現できるともいえるが、実現するためには実環境において煩雑な設定が必要であるし、専門の知識を持った人が必要となり、導入に手間がかかる。
本発明手段によれば、データの公開や共有を行う事なく、各サーバーへログインすることの可能なアカウントを保持する税理士、又は職員が専門的な知識や手間のかかる操作を行わずにすでに許可されているデータへのアクセス権を用いた集計動作を行わせることができる。
【0168】
本実施例を活用した複数サーバーの集計表示・印刷ツールによれば、従来からのディレクトリサーバー利用時と同様に必要なデータへの検索、および参照しつつ、複数サーバーの集計ツールによって表示・印刷を行いながら、設定外のデータの検索や参照は行えないのみならず、各サーバーの管理者の設定変更や独自のセキュリティ強化が有効になる。
また、各サーバーで検索対象のユーザーがそのサーバーへのアカウントやアクセスの権原を有しているかを検証することになるので、セキュリティレベルの強化にもつながる。
さらに、税理士法人や本支店等、部門やグループ毎に設定したセキュリティレベルを担保しつつ、サーバー間を横断するような処理も行う事ができるので、そうした会社の運用形態に合致した機能を有していると言える。
なお、本実施例の説明の際に管理ツールを管理者が操作しているような説明を展開しているが、便宜上の定義として管理者という文言を使用しており、管理者がいなくてもこの管理ツール等の機能を利用できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0169】
会計事務所における、事務所規模の拡大の際のサーバーの追加に伴う、個人情報や会計情報等の管理を目的とする用途のほか、個人情報や会計情報等のセキュリティを保持する用途や、サーバー追加に伴う各種設定の簡略化、サーバー障害の際の復旧の用途にも利用することができる。