(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】ブラシレスモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/167 20060101AFI20220502BHJP
【FI】
H02K5/167 Z
(21)【出願番号】P 2016170514
(22)【出願日】2016-09-01
【審査請求日】2019-08-05
(31)【優先権主張番号】P 2015222948
(32)【優先日】2015-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000220125
【氏名又は名称】東京パーツ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】西舘 正弘
【審査官】大島 等志
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-336985(JP,A)
【文献】特開2009-41597(JP,A)
【文献】実開昭55-106455(JP,U)
【文献】特開2012-125129(JP,A)
【文献】特開2014-75890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/167
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1円筒部と前記第1円筒部の下端を閉塞する底部とを有する軸受ホルダと、
前記第1円筒部の内周面に固定された第1含油軸受と、
前記第1含油軸受により回転可能に支持された回転軸と、
第2円筒部と前記第2円筒部の上端を閉塞する天板とを有し前記回転軸に固定されたロータケースと、前記第2円筒部の周面に固定されたロータマグネットとを有するロータと、
前記ロータマグネットに対して径方向で対面するように配されたステータと、
前記底部から径方向外方へと広がる保持板と、
第3円筒部と前記第3円筒部の上端を閉塞する蓋部とを有し、前記ロータと前記ステータを覆うように前記第3円筒部の下端が前記保持板に固定されたカバー部材と、
第2含油軸受と、
を備えるブラシレスモータであって、
前記カバー部材は、前記蓋部の中央に筒部を有し、
前記第2含油軸受は、前記筒部に固定されており、
前記回転軸は、前記第2含油軸受に非接触な状態で前記筒部から上方向に突出し、
前記天板と前記第2含油軸受との間の前記回転軸には、硬質材からなる、平板面を有する第1ワッシャ部材が固定されており、
前記第1ワッシャ部材は、前記天板と前記第2含油軸受に非接触な状態で配置されていることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項2】
前記天板の中央には、前記回転軸が固定されるバーリング部が上方向に立ち上げられており、
前記第1ワッシャ部材は、前記バーリング部の上端と非接触に配置されていることを特徴とする請求項
1に記載のブラシレスモータ。
【請求項3】
前記第1ワッシャ部材と前記第2含油軸受の間の前記回転軸には、軟質材からなる、平板面を有する第2ワッシャ部材が設けられており、
前記第2ワッシャ部材は、前記第2含油軸受と非接触に配置されていることを特徴とする請求項
2に記載のブラシレスモータ。
【請求項4】
前記第1ワッシャ部材と前記第2ワッシャ部材の外径は、前記筒部の内径より小さいことを特徴とする請求項
3に記載のブラシレスモータ。
【請求項5】
前記筒部の上端に端板が一体形成され、
前記第2含油軸受の上面は、前記端板に接していることを特徴とする請求項
4に記載のブラシレスモータ。
【請求項6】
前記ロータマグネットは、前記第2円筒部の内周面に固定されており、
前記ステータは、前記第1円筒部の外周面に固定されたステータコアを有し、
前記ステータコアは、前記ロータマグネットの内周面と径方向に対向して配置されていることを特徴とする請求項1ないし
5のいずれかに記載のブラシレスモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動販売機に挿入された紙幣を搬送路内に送り込むための減速機構付きの電動モータに適用できるブラシレスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、フレーム(カバー部材)を被せた刷子レスモータ(ブラシレスモータ)が記載されている。このブラシレスモータでは、プリント基板(保持板)に固定されたインシュレータ(軸受ホルダ)の外側に電機子鉄心(ステータコア)が固定されており、この電機子鉄心の外側に対向するマグネット(ロータマグネット)がロータフレーム(ロータケース)の内周面に固定されている。このロータフレームの中央に固定された回転軸が、フレームの中央に固定された焼結含油軸受と、プリント基板に固定された焼結含油軸受にそれぞれ軸支されており、回転軸の上端がフレームから突出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような構造では、各部品における製造上の寸法のバラツキが累積されることにより、ロータフレームのスラスト方向への移動量(スラストガタ)のバラツキが大きくなる。
【0005】
つまり、プリント基板、インシュレータ、電機子鉄心の各部品の軸方向の寸法が、それぞれの公差をもって製造されるため組み立て工程で各公差が累積して、この電機子鉄心に対面されたマグネットを固定するロータフレームの回転軸に対する取付の寸法公差が大きくなる。その結果、回転軸に固定されたロータフレームとフレームの中央に固定された焼結含油軸受とのスラストガタ(スラスト方向の隙間)のバラツキが大きくなる。
【0006】
そこで、本発明は、上記の問題点を解決し、スラストガタのバラツキを抑えるブラシレスモータを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、第1の本発明では、
第1円筒部と、前記第1円筒部の下端を閉塞する底部と、を有する軸受ホルダと、
前記第1円筒部の内周面に固定された第1含油軸受と、
前記第1含油軸受により回転可能に支持された回転軸と、
第2円筒部と前記第2円筒部の上端を閉塞する天板とを有し前記回転軸に固定されたロータケースと、前記第2円筒部の周面に固定されたロータマグネットと、を有するロータと、
前記ロータマグネットに対して径方向で対面するように配されたステータと、
前記底部から径方向外方へと広がる保持板と、
第3円筒部と前記第3円筒部の上端を閉塞する蓋部とを有し、前記ロータと前記ステータを覆うように前記第3円筒部の下端が前記保持板に固定されたカバー部材と、
を備えるブラシレスモータであって、
前記カバー部材は、前記蓋部の中央に貫通孔を有し、
前記回転軸は、前記蓋部に空間を介して非接触な状態で前記貫通孔から上方向に突出し、
前記天板と前記蓋部との間の前記回転軸には、硬質材からなる、上面が全域に亘って平板面である第1ワッシャ部材が固定されており、
前記第1ワッシャ部材は、前記天板と前記蓋部に空間を介して非接触な状態で配置されていることを特徴とする。
【0008】
第1の本発明は、更なる特徴として、
「前記天板の中央には、前記回転軸が固定されるバーリング部が上方向に立ち上げられており、
前記第1ワッシャ部材は、前記バーリング部の上端と非接触に配置されていること」、
「前記第1ワッシャ部材と前記蓋部の間の前記回転軸には、軟質材からなる、平板面を有する第2ワッシャ部材が設けられており、
前記第2ワッシャ部材は、前記蓋部と非接触に配置されていること」
「前記ロータマグネットは、前記第2円筒部の内周面に固定されており、
前記ステータは、前記第1円筒部の外周面に固定されたステータコアを有し、
前記ステータコアは、前記ロータマグネットの内周面と径方向に対向して配置されていること」を含むものである。
【0009】
また、上記の課題を解決するため、第2の本発明では、
第1円筒部と前記第1円筒部の下端を閉塞する底部とを有する軸受ホルダと、
前記第1円筒部の内周面に固定された第1含油軸受と、
前記第1含油軸受により回転可能に支持された回転軸と、
第2円筒部と前記第2円筒部の上端を閉塞する天板とを有し前記回転軸に固定されたロータケースと、前記第2円筒部の周面に固定されたロータマグネットとを有するロータと、
前記ロータマグネットに対して径方向で対面するように配されたステータと、
前記底部から径方向外方へと広がる保持板と、
第3円筒部と前記第3円筒部の上端を閉塞する蓋部とを有し、前記ロータと前記ステータを覆うように前記第3円筒部の下端が前記保持板に固定されたカバー部材と、
第2含油軸受と、
を備えるブラシレスモータであって、
前記カバー部材は、前記蓋部の中央に筒部を有し、
前記第2含油軸受は、前記筒部に固定されており、
前記回転軸は、前記第2含油軸受に非接触な状態で前記筒部から上方向に突出し、
前記天板と前記第2含油軸受との間の前記回転軸には、硬質材からなる、平板面を有する第1ワッシャ部材が固定されており、
前記第1ワッシャ部材は、前記天板と前記第2含油軸受に非接触な状態で配置されていることを特徴とする。
【0010】
第2の本発明は、更なる特徴として、
「前記天板の中央には、前記回転軸が固定されるバーリング部が上方向に立ち上げられており、
前記第1ワッシャ部材は、前記バーリング部の上端と非接触に配置されていること」、
「前記第1ワッシャ部材と前記第2含油軸受の間の前記回転軸には、軟質材からなる、平板面を有する第2ワッシャ部材が設けられており、
前記第2ワッシャ部材は、前記第2含油軸受と非接触に配置されていること」、
「前記第1ワッシャ部材と前記第2ワッシャ部材の外径は、前記筒部の内径より小さいこと」、
「前記筒部の上端に端板が一体形成され、
前記第2含油軸受の上面は、前記端板に接していること」、
「前記ロータマグネットは、前記第2円筒部の内周面に固定されており、
前記ステータは、前記第1円筒部の外周面に固定されたステータコアを有し、
前記ステータコアは、前記ロータマグネットの内周面と径方向に対向して配置されていること」を含むものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回転軸がスラスト方向に移動した際の回転軸のスラストガタのバラツキを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るブラシレスモータの断面図である。
【
図2】本発明の第2実施形態に係るブラシレスモータの断面図である。
【
図3】本発明の第3実施形態に係るブラシレスモータの断面図である。
【
図4】本発明の第4実施形態に係るブラシレスモータの断面図である。
【
図5】本発明の第5実施形態に係るブラシレスモータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書では、モータの中心軸方向における
図1~
図5の上方向側を単に「上方向」と呼び、下方向を単に「下方向」と呼ぶ。なお、上下方向は、実際の機器に組み込まれたときの位置関係や方向を示すものではない。また、中心軸に平行な方向を「軸方向」と呼び、中心軸を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸を中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に説明する。
【0015】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係るブラシレスモータ1Aの構成を
図1により説明する。第1実施形態では、カバー部材50を被せたアウターロータ型のブラシレスモータ1Aに関して説明する。
【0016】
本実施形態のブラシレスモータ1Aは、
図1に示すように、ロータ10と、回転軸11と、ステータ20と、軸受31と、軸受ホルダ35と、保持板45と、カバー部材50を備えている。
ロータ10は、ロータケース13と、ロータマグネット17を備えている。
ステータ20は、ステータコア21と、コイル22を備えている。
【0017】
軸受31は、回転軸11のラジアル荷重を受けるラジアル軸受であり、本例では円筒状の第1含油軸受32からなる。なお、第1含油軸受32としては、含油焼結体や含油樹脂などを用いることができる。
【0018】
軸受ホルダ35は、金属製で有底円筒状からなり、第1円筒部36と、第1円筒部36の下端を閉塞する底部37を有する。第1含油軸受32は、第1円筒部36の内周面に固定されている。底部37の上面には、回転軸11のスラスト荷重を受けるスラスト受材38が配置されている。
【0019】
回転軸11は、第1含油軸受32と軸受ホルダ35により上下方向を向く中心軸を中心に回転可能に軸支されるものであり、金属製で細長い円柱状に形成されている。
【0020】
ロータケース13は、回転軸11と一体に回転するものである。ロータケース13は、有蓋円筒状に形成されており、第2円筒部15と第2円筒部15の上端を閉塞する天板14とを有し、第2円筒部15の内周面に駆動用のロータマグネット17を備えている。ロータケース13の天板14の中央には回転軸11が固定される絞り加工によるバーリング部16が上方向に立ち上げられており、回転軸11がバーリング部16に圧入されて固定されている。
【0021】
ステータ20は、ロータマグネット17に対して径方向で対面するように配されている。具体的には、ステータ20は、軸受ホルダ35の第1円筒部36の外周面に固定されたステータコア21を有し、ロータマグネット17の内周面と径方向に対向して配置されている。
ステータコア21は、コア板を複数枚積層した積層体で構成されており、外周に等間隔に複数の突極を有している。各突極には、それぞれコイル22が巻回されている。ステータコア21は、コイル22に通電されたとき磁束を強めるものである。
【0022】
ロータマグネット17は、ステータコア21の突極と対向して配置されておりロータ10の回転力を発生させるものである。このロータマグネット17は、リング状に形成されており、周方向にN極とS極が交互に着磁されている。
【0023】
保持板45は、金属材で板状に形成されており、軸受ホルダ35の外周面の一部である底部37から径方向外方へと広がって形成されている。保持板45の外形は、ロータケース13の外径より半径方向に大きく形成されている。
【0024】
この保持板45の上面には、外部から加えられる電力をコイル22に供給する配線基板42が固定されている。
また保持板45と配線基板42は、略中央に、軸受ホルダ35の外周面と略同一の円形の貫通孔を有しており、この貫通孔に軸受ホルダ35の底部37が固定されている。
【0025】
カバー部材50は、硬質材で形成されており、ロータ10とステータ20を上方向から覆う有蓋円筒状であり、第3円筒部52と第3円筒部52の上端を閉塞する蓋部51とを有し、第3円筒部52の下端が保持板45の外周に固定されている。カバー部材50が、ロータ10とステータ20を上方向から覆うことにより、モータ内部に塵等の侵入が防止される。
【0026】
カバー部材50の蓋部51の中央には、円筒状部60が設けられている。この円筒状部60は、筒部61と、筒部61の上端に設けられた端板62を有し、カバー部材50の蓋部51から上方向に突出して一体に形成されている。
【0027】
カバー部材50は、蓋部51の中央(すなわち円筒状部60の端板62の中央)に貫通孔63を有する。この貫通孔63の径は、回転軸11の外径より大きく形成されており、回転軸11は、この蓋部51に非接触な状態で貫通孔63から上方向に突出する。上方向に突出した回転軸11には、例えば、不図示の駆動ギヤが固定されている。また、この貫通孔63の径は、バーリング部16の外径より小さく形成されている。
【0028】
ロータケース13の天板14とカバー部材50の蓋部51との間の回転軸11には、金属あるいは樹脂の硬質材からなる第1ワッシャ部材71が固定されている。
この第1ワッシャ部材71は、蓋部51(すなわち端板62)に非接触に配置されている。つまり、第1ワッシャ部材71は、カバー部材50に軸方向に隙間を設けて配置されている。この第1ワッシャ部材71は、スラストガタのバラツキを小さくするために設けられている。本発明において、スラストガタとは、回転軸11が上方向(軸方向)に移動できる距離を言う。
また第1ワッシャ部材71は、バーリング部16の上端に非接触に配置されている。つまり、第1ワッシャ部材71は、ロータケース13に軸方向に隙間を設けて配置されている。
【0029】
第1ワッシャ部材71は、例えば、金属材の薄い平板をプレス加工により外形を円形状に形成されており、上下面に平坦度の高い平坦面を有する。
第1ワッシャ部材71の外径は、カバー部材50の貫通孔63の径より大きく形成されている。また第1ワッシャ部材71の外径は、円筒状部60の筒部61の内径より小さく形成されている。また第1ワッシャ部材71の外径は、バーリング部16の外径より大きく形成されている。
また第1ワッシャ部材71の内径は、回転軸11の外径より若干小さく形成されている。第1ワッシャ部材71が回転軸11に圧入されて固定されると、第1ワッシャ部材71は回転軸11と一体に回転する。第1ワッシャ部材71は円筒状部60に内包され、筒部61の内周面と非接触に配置されている。
【0030】
以上のような、回転軸11と、第1含油軸受32と、バーリング部16と、第1ワッシャ部材71と、貫通孔63は、同軸上に配置されている。
【0031】
次に、実施形態のブラシレスモータ1Aの組み立て方法について説明する。
回転軸11と、ロータケース13と、ロータマグネット17と、第1ワッシャ部材71を用意する。
まず、回転軸11がロータケース13のバーリング部16に圧入されて固定される。回転軸11を固定したロータケース13の第2円筒部15の内周面に、下方から、ロータマグネット17が固定される(回転軸11を有するロータ10となる)。その後、ロータケース13を固定した回転軸11の上方向から、上下面に平坦度が高い平板面を有する第1ワッシャ部材71が、上面を押圧されてロータケース13のバーリング部16に接触しないように回転軸11に圧入される(第1組立体となる)。
【0032】
次に、ステータコア21と、コイル22と、第1含油軸受32と、軸受ホルダ35と、スラスト受材38と、配線基板42と、保持板45を用意する。
まず、コイル22がステータコア21の突極に巻回される(ステータ20となる)。次に、スラスト受材38が、単体の軸受ホルダ35の底部37に配置される。そして、第1含油軸受32が、軸受ホルダ35の開口に圧入されて内周面に固定される。次に、軸受ホルダ35の第1円筒部36の外周面には、上方向から、ステータ20が固定される。次に、軸受ホルダ35の底部37には、配線基板42を有する保持板45が固定される(第2組立体となる)。
【0033】
次に、カバー部材50を用意する(第3組立体となる)。
【0034】
次に、第2組立体の第1含油軸受32に、上方向から、第1組立体の回転軸11の下端が挿入されて、回転軸11が第1含油軸受32に軸支されて、第1組立体と第2組立体が組み合わされる。この状態で、第3組立体のカバー部材50が、ロータ10とステータ20を上方から覆い、第3組立体のカバー部材50の第3円筒部52の下端が第2組立体の保持板45の外周に固定されて、回転軸11がカバー部材50から上方に突出して、片持ち軸受のブラシレスモータ1Aが完成する。このブラシレスモータ1Aでは、スラストガタがあることにより、回転軸11が上方向に移動したとき、第1ワッシャ部材71が円筒状部60の端板62に当接する。
【0035】
そして、実施形態のブラシレスモータ1Aは配線基板42より電力を供給されると、コイル22が励磁されることでロータマグネット17が力を受けてロータ10が回転でき、このブラシレスモータ1Aは、例えば、減速機構付きの電動モータとして適用できる。
【0036】
このように構成されたブラシレスモータ1Aでは、以下のような構成を有する。
ブラシレスモータ1Aは、第1円筒部36と、第1円筒部36の下端を閉塞する底部37と、を有する軸受ホルダ35と、第1円筒部36の内周面に固定された第1含油軸受32と、第1含油軸受32により回転可能に支持された回転軸11と、第2円筒部15と第2円筒部15の上端を閉塞する天板14とを有し回転軸11に固定されたロータケース13と、第2円筒部15の周面に固定されたロータマグネット17と、を有するロータ10と、ロータマグネット17に対して径方向で対面するように配されたステータ20と、底部37から径方向外方へと広がる保持板45と、第3円筒部52と第3円筒部52の上端を閉塞する蓋部51とを有し、ロータ10とステータ20を覆うように第3円筒部52の下端が保持板45に固定されたカバー部材50と、を備える。
またカバー部材50は、蓋部51の中央に貫通孔63を有する。
また回転軸11は、カバー部材50の蓋部51に非接触な状態で貫通孔63から上方向に突出する。
またロータケース13の天板14とカバー部材50の蓋部51との間の回転軸11には、硬質材からなる、平板面を有する第1ワッシャ部材71が固定されている。
また第1ワッシャ部材71は、ロータケース13の天板14とカバー部材50の蓋部51に非接触な状態で配置されている。
【0037】
以上のようなブラシレスモータ1Aでは、ロータケース13の天板14とカバー部材50の蓋部51との間の回転軸11には、硬質材からなる、平板面を有する第1ワッシャ部材71が固定されており、第1ワッシャ部材71は、天板14と蓋部51に非接触な状態で配置されている。
すると、実施形態のスラストガタは、回転軸11に固定された第1ワッシャ部材71と、カバー部材50の蓋部51にある端板62との隙間となる。
本実施形態では、第1ワッシャ部材71を、ロータケース13の天板14に対して非接触な状態となるように、回転軸1に圧入し固定している。このため、第1ワッシャ部材71は、回転軸11の下端からロータケース13の天板14までの寸法公差に影響されることなく、回転軸11に固定することができる。さらに、第1ワッシャ部材71は、上面に平坦度が高い平板面を有するため、回転軸11に圧入固定する際、回転軸11の下端から第1ワッシャ部材71の上面までの寸法公差を最小限に抑えることができる。よって、第1ワッシャ部材71と、カバー部材50の蓋部51にある端板62とのスラストガタのバラツキを小さくすることができる。
【0038】
また、ロータケース13のバーリング部16は、回転軸11をロータケース13に固定した際の回転軸の抜け止め強度を高めるために設けられている。
仮に、第1ワッシャ部材71がバーリング部16の上端に接するように回転軸11に固定されると、回転軸11の下端から第1ワッシャ部材71までの寸法公差は、回転軸11の下端からロータケース13の天板14までの寸法公差と、バーリング部16の下端から上端までの寸法公差に影響されて、スラストガタのバラツキがより大きくなる。
本例の第1ワッシャ部材71は、回転軸が固定されるバーリング部16の上端と非接触に配置されている。このため、回転軸11の下端から第1ワッシャ部材71までの寸法公差は、回転軸11の下端からロータケース13の天板14までの寸法公差や、バーリング部16の下端から上端までの寸法公差に影響されずにすみ、回転軸11の下端から回転軸11に固定された第1ワッシャ部材71までの寸法公差が小さくなる。よって、第1ワッシャ部材71とカバー部材の蓋部にある端板62とのスラストガタのバラツキが小さくなる。
【0039】
また、ロータケース13のバーリング部16は、上方向または下方向のどちらかに形成できる。実施形態ではバーリング部16が上方向に立ち上げられている。この理由として、実施形態では、1個の軸受(第1含油軸受32)により回転軸11が軸支されており、軸ブレの低減のため第1含油軸受32の軸方向の長さを長くするためにある。
このように、回転軸11が固定されるバーリング部16が上方向に立ち上げられているため、ロータケース13を回転軸11に固定した際の抜け止め強度を高められつつ軸ブレを低減できる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るブラシレスモータ1Bの構成を
図2により説明する。
図2において、
図1の部材と同一の部材には同一の符号を付しており、これらの部材については説明を省略する。
【0041】
第1実施形態では、回転軸11が上方向に移動したとき、第1ワッシャ部材71が円筒状部60の端板62に当接するものであるが、本例は、回転軸11が上方向に移動したとき、第1ワッシャ部材71と円筒状部60の端板62との衝突音がしないように、第1ワッシャ部材71と円筒状部60の端板62の間の回転軸11には、軟質材からなる、平板面を有する第2ワッシャ部材72が設けられたものである。
【0042】
第2ワッシャ部材72は、軟質材からなる、薄い平板をプレス加工により外形を円形状に形成されており、上下面に平坦度の高い平坦面を有する。第2ワッシャ部材72の外径は、第1ワッシャ部材71の外径より小さく形成されている。また第2ワッシャ部材72の外径は、円筒状部60の端板62の貫通孔63の径より大きく形成されている。また第2ワッシャ部材72の外径は、円筒状部60の筒部61の内径より小さく形成されている。
【0043】
第2ワッシャ部材72の内径は回転軸11の外径とほぼ同じに形成されている。第2ワッシャ部材72が、回転軸11に圧入されると、第2ワッシャ部材72は回転軸11と第1ワッシャ部材71と一体に回転する。
図2の状態の第2ワッシャ部材72は、第1ワッシャ部材71の上面に接して配される。また
図2の状態の第2ワッシャ部材72は、蓋部51(すなわち端板62)と非接触な状態で配される。つまり、第2ワッシャ部材72は、カバー部材50に軸方向に隙間を設けて配置されている。
【0044】
以上のように構成された第2実施形態では、第1ワッシャ部材71と円筒状部60の端板62の間の回転軸には、軟質材からなる第2ワッシャ部材72が設けられている。すると、回転軸11が上方向に移動した際、硬質材の第1ワッシャ部材71が円筒状部60の端板62に当接せずに、軟質材からなる第2ワッシャ部材72が円筒状部60の端板62に当接するため、スラストガタによる衝突音を小さくできる。
【0045】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るブラシレスモータ1Cの構成を
図3により説明する。
図3において、
図1の部材と同一の部材には同一の符号を付しており、これらの部材については説明を省略する。
【0046】
第1実施形態では、回転軸11が上方向に移動したとき、スラストガタがあることにより、第1ワッシャ部材71が円筒状部60の端板62に当接するものであるが、本例は、カバー部材50は中央に円筒状部60の筒部61を有し、第2含油軸受33が円筒状部60の筒部61に固定されたことにより、回転軸11が上方向に移動したとき、第1ワッシャ部材71が第2含油軸受33に当接するものである。
【0047】
第3実施形態を具体的に説明する。
【0048】
本例の軸受31は、第1含油軸受32と、第2含油軸受33からなる。なお、第2含油軸受33としては、含油焼結体や含油樹脂などを用いることができる。
円筒状部60の筒部61の内周には第2含油軸受33が固定されている。この第2含油軸受33の外周面は、円筒状部60の筒部61の内周面に接していると共に、第2含油軸受33の上面は、端板62の下面に接している。
【0049】
第1含油軸受32と第2含油軸受33は、同軸上に配置されている。第2含油軸受33の内径は、第1含油軸受32の内径より若干大きく形成されている。
また円筒状部60の端板62の貫通孔63と第2含油軸受33は同軸上に配置されている。円筒状部60の端板62の貫通孔63の径は、第2含油軸受33の内径より大きく形成されている。
また筒部61の軸方向の長さは、第2含油軸受33の軸方向の長さより長い。第2含油軸受33が円筒状部60の内側に挿入されて固定されると、第2含油軸受33はカバー部材の蓋部51の中央に設けられた構成となる。そして、回転軸11は、第2含油軸受33に非接触な状態で第2含油軸受33から上方向に突出している。
【0050】
また第1ワッシャ部材71の外径は、第2含油軸受33の内径より大きく形成されている。また第1ワッシャ部材71の外径は、第2含油軸受33の外径より小さく形成されている。
【0051】
また第1ワッシャ部材71は、第2含油軸受33に非接触に配置される。つまり、第1ワッシャ部材71は、第2含油軸受33に軸方向に隙間を設けて配置されている。
【0052】
以上のようなブラシレスモータでは、回転軸11は、第2含油軸受33に非接触な状態で第2含油軸受33から上方向に突出している。
また天板14と第2含油軸受33との間の回転軸には、硬質材からなる、平板面を有する第1ワッシャ部材71が固定されている。
また第1ワッシャ部材71は、天板14と第2含油軸受33に非接触な状態で配置されている。
すると、実施形態のスラストガタは、回転軸11に固定された第1ワッシャ部材71と、第2含油軸受33との隙間となる。
本実施形態では、第1ワッシャ部材71を、ロータケース13の天板14に対して非接触な状態となるように、回転軸1に圧入し固定している。このため、第1ワッシャ部材71は、回転軸11の下端からロータケース13の天板14までの寸法公差に影響されることなく、回転軸11に固定することができる。さらに、第1ワッシャ部材71は、上面に平坦度が高い平板面を有するため、回転軸11に圧入固定する際、回転軸11の下端から第1ワッシャ部材71の上面までの寸法公差を最小限に抑えることができる。よって、第1ワッシャ部材71と、第2含油軸受33とのスラストガタのバラツキを小さくすることができる。
【0053】
また、ロータケース13の中央には、回転軸11が固定されるバーリング部16が上方向に立ち上げられている。
また、第1ワッシャ部材71は、バーリング部16の上端と非接触に配置されている。
この場合も、回転軸11の下端から第1ワッシャ部材71までの寸法公差は、回転軸11の下端からロータケース13の天板14までの寸法公差や、バーリング部16の下端から上端までの寸法公差に影響されずにすみ、回転軸11の下端から回転軸11に固定された第1ワッシャ部材71までの寸法公差が小さくなる。よって、第1ワッシャ部材71と第2含油軸受33とのスラストガタのバラツキが小さくなる。
このように、回転軸11が固定されるバーリング部16が上方向に立ち上げられているため、ロータケース13を回転軸11に固定した際の抜け止め強度を高められつつ軸ブレを低減できる。
【0054】
また、第2含油軸受33の内径は、第1含油軸受32の内径より若干大きく形成されており、例えば、不図示の駆動ギヤが固定された回転軸11に通常負荷が加わった際、回転軸11は、第1含油軸受のみに回転自在に軸支される。また、不図示の駆動ギヤが固定された回転軸11に通常負荷を超える過剰な負荷が加わった際、回転軸11は、第2含油軸受33に軸支されて第1、2含油軸受の2つの軸受で軸支される。
すると、例えば、回転中のロータ10が停止するまでの間に、第1ワッシャ部材71が第2含油軸受33と摺接すると、第1ワッシャ部材71と第2含油軸受33との摺動抵抗を低減できる。
【0055】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るブラシレスモータ1Dの構成を
図4により説明する。
図4において、
図3の部材と同一の部材には同一の符号を付しており、これらの部材については説明を省略する。
【0056】
第3実施形態では、回転軸11が上方向に移動したとき、スラストガタがあることにより、第1ワッシャ部材71が第2含油軸受33に当接するものであるが、本例は、回転軸11が上方向に移動した時、第1ワッシャ部材71と第2含油軸受33との衝突音がしないように、第1ワッシャ部材71と第2含油軸受33の間の回転軸11には、軟質材からなる第2ワッシャ部材72が設けられたものである。
【0057】
第2ワッシャ部材72は、第2実施形態で説明したものと同じである。
この第2ワッシャ部材72の外径は、第2含油軸受33の内径より大きく形成されている。また第2ワッシャ部材72の外径は、第2含油軸受33の外径より小さく形成されている。
【0058】
第2ワッシャ部材72が回転軸11に圧入されると、第2ワッシャ部材72は回転軸11と第1ワッシャ部材71と一体に回転する。
図4の状態の第2ワッシャ部材72は、第1ワッシャ部材71の上面に接して配される。また
図4の状態の第2ワッシャ部材72は、第2含油軸受33と非接触な状態で配される。つまり、第2ワッシャ部材72は、第2含油軸受33に軸方向に隙間を設けて配置されている。
また第1ワッシャ部材71と第2ワッシャ部材72は円筒状部60に内包され、筒部61の内周面と非接触に配置されている。
【0059】
以上のように構成された第4実施形態では、第1ワッシャ部材71と第2含油軸受33の間の回転軸11には、軟質材からなる、平板面を有する第2ワッシャ部材72が設けられている。
また第2ワッシャ部材72は、第2含油軸受33と非接触に配置されている。
よって、回転軸11が上方向に移動した際、硬質材の第1ワッシャ部材71が第2含油軸受33に当接せずに、軟質材の第2ワッシャ部材72が第2含油軸受33に当接するため、スラストガタによる衝突音を小さくできる。
【0060】
また第1ワッシャ部材71と第2ワッシャ部材72の外径は、円筒状部60の筒部61の内径より小さい。
よって、回転軸11が上方向に移動した際に、第1ワッシャ部材71と第2ワッシャ部材72は筒部61に当接せずに、第2ワッシャ部材72は第2含油軸受33に確実に当接できるため、回転軸11はスラスト移動を容易にできる。
【0061】
また筒部61の上端に端板62が一体形成されている。
また第2含油軸受33の上面は、端板62に接している。
よって、回転軸11が上方向に移動して第2ワッシャ部材72が第2含油軸受33に当接した際、第2含油軸受33が端板のない円筒状部に固定された場合に比べて、第2含油軸受33のカバー部材50に対する軸方向の抜け止め強度を高めることができ、耐久性を高めることができる。
【0062】
また第2含油軸受33の内径は、第1含油軸受32の内径より若干大きく形成されており、例えば、不図示の駆動ギヤが固定された回転軸11に通常負荷が加わった際、回転軸11は、第1含油軸受のみに回転自在に軸支される。また、不図示の駆動ギヤが固定された回転軸11に通常負荷を超える過剰な負荷が加わった際、回転軸11は、第2含油軸受33に軸支されて第1、2含油軸受の2つの軸受で軸支される。
すると、例えば、回転軸に減速機構のギヤが装着されて、回転中のロータ10が停止するまでの間に、第2ワッシャ部材72が第2含油軸受33と摺接すると、第2ワッシャ部材72と第2含油軸受33との摺動抵抗を低減できる。
【0063】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係るブラシレスモータ1Eの構成を
図5により説明する。
図5において、
図1~
図4の部材と同一の部材には同一の符号を付しており、これらの部材については説明を省略する。
【0064】
第5実施形態では、ロータの構成が第1~4実施形態と異なる。つまり、第1~4実施形態では、カバー部材50を被せたアウターロータ型のブラシレスモータであるが、第5実施形態では、カバー部材50を被せたインナーロータ型のブラシレスモータである。
【0065】
以下、具体的に第5実施形態を第1実施形態と対比させて説明するが、第5実施形態は、第2~4実施形態にも適用できる。
第1実施形態では、回転軸11に固定されたロータケース13と、ロータケース13の内周面に固定されたロータマグネット17とを有するロータ10と、ロータマグネット17に対して径方向で対面するように配されたステータ20とを備えている。
第5実施形態では、回転軸11に固定されたロータケース113と、ロータケース113の外周面に固定されたロータマグネット117とを有するロータ110と、ロータマグネット113に対して径方向で対面するように配されたステータ120を備えている。
より具体的には、ステータ120は、カバー部材50の第3円筒部52の内周面に固定されたステータコア121を有し、ステータコア121は、コア板を複数枚積層された積層体で構成されており、外周に等間隔に複数の突極を有している。各突極には、それぞれコイル122が巻回されている。
このロータケース113の蓋部114の中央にはバーリング部116が上方向に立ち上げられおり、回転軸11がバーリング部116に圧入されて固定されている。
第1ワッシャ部材71は、バーリング部116の上端と円筒状部60の端板62に非接触に配置されている。つまり、第1ワッシャ部材71は、ロータケース113の天板114とカバー部材の蓋部51に軸方向に隙間を設けて配置されている。
【0066】
次に、本実施形態のブラシレスモータの組み立て方法について説明する。
回転軸11と、ロータケース113と、第1ワッシャ部材71と、ロータマグネット117を用意する。
まず、回転軸11がロータケース113に圧入されて固定される。回転軸11を固定したロータケース113の第2円筒部115の外周面にロータマグネット117が固定される(回転軸11を有するロータ110となる)。その後、ロータケース113を固定した回転軸11の上方向から、上下面に平坦度が高い平板面を有する第1ワッシャ部材71が、上面を押圧されてロータケース113のバーリング部116に接触しないように圧入される(第4組立体となる)。
【0067】
次に、第1含油軸受32と、軸受ホルダ35と、スラスト受材38と、配線基板142と、保持板45を用意する。
まず、スラスト受材38が軸受ホルダ35の底部37上面に配置される。そして、第1含油軸受32が軸受ホルダ35の開口に圧入されて内周面に固定される。そして、軸受ホルダ35の底部37には、配線基板142を有する保持板45が固定される(第5組立体となる)。
【0068】
次に、カバー部材50と、ステータコア121と、コイル122を用意する。
コイル122がステータコア121の突極に巻回される(ステータ120となる)。そして、カバー部材50の第3円筒部52の内周面には、下方向から、ステータ120が固定される(第6組立体となる)。
【0069】
次に、第5組立体の第1含油軸受32に、上方向から、第4組立体の回転軸11の下端が挿入されて、回転軸11が第1含油軸受32に軸支される。この状態で、第6組立体のカバー部材50が、ロータ110とステータ120を上方向から覆い、第6組立体のカバー部材50の第3円筒部52の下端が第5組立体の保持板45の外周に固定されて、回転軸11がカバー部材50から上方に突出して、ブラシレスモータとなる。
【0070】
第5実施形態は、第1実施形態と同様の作用効果を有すると共に、インナーロータであるため、アウターロータに比べて、ロータの起動時間を短くできる。
また第2~4実施形態を、第5実施形態のようなインナーロータ型のブラシレスモータにした形態も、それぞれ、第2~4実施形態と同様の作用効果を有すると共に、インナーロータであるため、アウターロータに比べて、ロータの起動時間を短くできる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるも
のではなく、様々な変更が可能である。
【0072】
上記の説明では、第1ワッシャ部材71と第2ワッシャ部材72の外形は、円形状に形成されているが、これに限定されず、例えば、第1ワッシャ部材71と第2ワッシャ部材72の外形は多角形状や楕円形状でもよい。
【0073】
また、上記の説明では、第2含油軸受33が、筒部61と、筒部61の上端に設けられた端板62を有する円筒状部60に固定されているが、第2含油軸受33は、端板のない円筒状部に固定されてもよい。
【0074】
また、上記の説明では、第2含油軸受33の内径は、第1含油軸受32の内径より若干大きく形成されているが、第2含油軸受33の内径は、第1含油軸受32の内径と同じ大きさにしてもよい。
【0075】
また、上記の説明では、バーリング部16、116がロータケース13、113の天板14、114の中央から上方向に立ち上げられているが、バーリング部16、116がロータケース13、113の天板14、114の中央から下方向に立ち下げられるようにしてもよい。
【0076】
また、上記の説明では、第2ワッシャ部材72の内径は回転軸11の外径とほぼ同じに形成されているが、第2ワッシャ部材の内径が回転軸11の外径より若干大きく形成されて、第2ワッシャ部材が回転軸11に対して回転自在に配置されてもよい。
この第2ワッシャ部材を用いた第2実施形態(
図2)では、第2ワッシャ部材は第1ワッシャ部材71の上面に接して配されており、円筒状部60の端板62と非接触な状態で配される。
また、この第2ワッシャ部材を用いた第4実施形態(
図4)では、第2ワッシャ部材は第1ワッシャ部材71の上面に接して配されており、第2含油軸受33と非接触な状態で配される。
【0077】
なお、カバー部材の蓋部51は、上記の実施形態のブラシレスモータを、例えば自動販売機内の紙幣搬送装置へ取り付ける際の取り付け面となっており、カバー部材の蓋部51には取り付け螺子用の孔(不図示)が設けられている。
【符号の説明】
【0078】
1A ブラシレスモータ
1B ブラシレスモータ
1C ブラシレスモータ
1D ブラシレスモータ
1E ブラシレスモータ
10 ロータ
11 回転軸
13 ロータケース
14 ロータケースの天板
15 ロータケースの第2円筒部
16 バーリング部
17 ロータマグネット
20 ステータ
21 ステータコア
22 ステータコアのコイル
31 軸受
32 第1含油軸受
33 第2含油軸受
35 軸受ホルダ
36 軸受ホルダの第1円筒部
37 軸受ホルダの底部
38 スラスト受材
42 配線基板
45 保持板
50 カバー部材
51 カバー部材の蓋部
52 カバー部材の第3円筒部
60 円筒状部
61 筒部
62 端板
63 端板の貫通孔
71 第1ワッシャ部材
72 第2ワッシャ部材
110 ロータ
113 ロータケース
114 ロータケースの天板
115 ロータケースの第2円筒部
116 バーリング部
117 ロータマグネット
120 ステータ
121 ステータコア
122 ステータコアのコイル
142 配線基板