(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】液圧システム及び液圧システムを含む建設機械
(51)【国際特許分類】
F15B 11/02 20060101AFI20220502BHJP
E02F 9/22 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
F15B11/02 M
E02F9/22 K
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017192512
(22)【出願日】2017-10-02
【審査請求日】2020-09-30
(32)【優先日】2016-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】591030617
【氏名又は名称】ジェイ. シー. バンフォード エクスカヴェイターズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】J.C. BAMFORD EXCAVATORS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ヒューイット、 ジェームズ
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-076781(JP,A)
【文献】特開2016-118281(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0098015(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/02
F15B 11/08
E02F 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧システムであって、
第1アクチュエータと、
第1回路を介して前記第1アクチュエータに流体接続されているか又は流体接続可能であり且つ前記第1アクチュエータを駆動するように適合されている第1ポンプと、
第1制御弁を介して前記第1アクチュエータに接続可能な第2ポンプと、
第2アクチュエータと、
第2回路を介して前記第2アクチュエータに流体接続されているか又は流体接続可能であり且つ前記第2アクチュエータを駆動するように適合されている第3ポンプと
を含み、
前記第2ポンプは第2制御弁を介して前記第2アクチュエータに接続可能であり、
前記第2ポンプは
、前記第1ポンプからの流体の流れ及び/又は前記第3ポンプからの流体の流れを補助するために補充流体流を提供するように前記第1及び第2アクチュエータに選択的に且つ同時に接続可能であ
り、
前記液圧システムは、前記第2ポンプが前記液圧システムを上昇した流体圧力に維持するチャージポンプとしても機能するように構成されている、液圧システム。
【請求項2】
前記第1回路は閉ループ回路であ
る、請求項1に記載の液圧システム。
【請求項3】
前記第1ポンプは可変容量ポンプであり且つ/又は前記第2ポンプは可変容量ポンプである、請求項1又は2に記載の液圧システム。
【請求項4】
前記第1ポンプは前記第1アクチュエータに直接的に接続されているか又は接続可能であり、
前記第1制御弁は前記第1アクチュエータに供給される前記第2ポンプからの流体流を可変に制御するように適合されている比例制御弁を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の液圧システム。
【請求項5】
前記第1比例制御弁は方向比例スプール弁、好ましくは4/3スプール弁であり、且つ/又は
前記第2比例制御弁は方向比例スプール弁、好ましくは4/3スプール弁である、請求項4に記載の液圧システム。
【請求項6】
前記第1比例制御弁は独立計量弁であり、
前記独立計量弁は、第1流体ラインを介して前記第1アクチュエータの第1チャンバに接続され且つ第2流体ラインを介して前記第1アクチュエータの第2チャンバに接続され、
前記第1流体ラインに第1圧力センサが設けられ且つ前記第2流体ラインに第2圧力センサが設けられ、
前記液圧システムは、前記第1及び第2圧力センサから圧力情報を受け取るように適合されている制御ユニットを含み、
前記制御ユニットは、前記独立計量弁を制御して前記圧力情報に応じて前記第1又は第2チャンバの一方を流体戻りラインに接続するように構成されている、請求項4に記載の液圧システム。
【請求項7】
前記第3ポンプは、前記第2アクチュエータに直接的に接続されているか又は接続可能であり、
前記第2制御弁は、前記第2アクチュエータに供給される前記第2ポンプからの流体流を可変に制限するように適合されている比例制御弁を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の液圧システム。
【請求項8】
前記第1ポンプは双方向可変容量ポンプとして構成され、前記第2ポンプは一方向ポンプとして構成され、前記第1制御弁は方向制御弁である、請求項1から7のいずれか一項に記載の液圧システム。
【請求項9】
前記第1ポンプは、前記第1アクチュエータの第1チャンバに接続されているか又は選択的に接続可能な第1ポートと、前記第1アクチュエータの第2チャンバに接続されているか又は選択的に接続可能な第2ポートとを含む、請求項8に記載の液圧システム。
【請求項10】
前記第2ポンプは、前記第1制御弁を介して前記第1アクチュエータの第1又は第2チャンバに選択的に接続可能な第1ポート
と、作動液リザーバに接続されている第2ポートとを含
む、請求項9に記載の液圧システム。
【請求項11】
前記第3ポンプは双方向可変容量型ポンプとして構成され、
前記第2ポンプは一方向ポンプとして構成され、
前記第2制御弁は方向制御弁であり、
前記第3ポンプは、前記第2アクチュエータの第1チャンバに接続されているか又は選択的に接続可能な第1ポートと、前記第2アクチュエータの第2チャンバに接続されているか又は選択的に接続可能な第2ポートとを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の液圧システム。
【請求項12】
前記第2ポンプの第1ポートが、前記第2制御弁を介して前記第2アクチュエータの第1又は第2チャンバに選択的に接続可能であり、前記第
2ポンプの第2ポートが、
作動液リザーバに接続されている、請求項11に記載の液圧システム。
【請求項13】
前記第2回路は開回路であり
、
前記第2ポンプは、前記第1制御弁を介して前記第1アクチュエータの第1又は第2チャンバに選択的に接続可能な第1ポートと、作動液リザーバに接続されている第2ポートとを含み、
前記第2ポンプの第1ポートは、バイパス弁、好ましくは可変圧力リリーフ弁を介して前記作動液リザーバに接続されている、請求項11又は12に記載の液圧システム。
【請求項14】
前記第1、第2及び第3ポンプは、共通の駆動シャフトを介して単一の駆動モータに接続されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の液圧システム。
【請求項15】
前記第1ポンプは、前記第1ポンプの最大出力流量が前記第1アクチュエータを所定の最小サイクル時間で駆動するのに必要な最大流量の25%から75%、好ましくは40%から60%、より好ましくは45%から55%に等しいようにサイズ設定されている、請求項1から14のいずれか一項に記載の液圧システム。
【請求項16】
前記液圧システムは、前記第1制御弁に接続されているコントローラであって、前記第1ポンプの最大流体出力流量が前記第1アクチュエータの最小サイクル時間を得るのに必要な速度で前記第1アクチュエータを動かすのに十分でない場合に前記第1制御弁を制御して前記第1アクチュエータに前記第2ポンプを選択的に接続するように適合されているコントローラを含む、請求項15に記載の液圧システム。
【請求項17】
前記第3ポンプは、前記第3ポンプの最大出力流量が前記第2アクチュエータを所定の最小サイクル時間で駆動するのに必要な最大流量の25%から75%、好ましくは40%から60%、より好ましくは45%から55%に等しいようにサイズ設定されている、請求項15又は16に記載の液圧システム。
【請求項18】
前記液圧システムは、前記第2制御弁に接続されているコントローラであって、前記第3ポンプの最大流体出力流量が前記第2アクチュエータの最小サイクル時間を得るのに必要な速度で前記第2アクチュエータを動かすのに十分でない場合に前記第2制御弁を制御して前記第2アクチュエータに前記第2ポンプを選択的に接続するように適合されているコントローラを含む、請求項17に記載の液圧システム。
【請求項19】
前記第1ポンプは、前記第2ポンプの最大出力流量の50%から150%、好ましくは75%から125%、より好ましくは95%から105%である最大出力流量を示すようにサイズ設定され、
前記第3ポンプは、前記第2ポンプの最大出力流量の50%から150%、好ましくは75%から125%、より好ましくは95%から105%である最大出力流量を示すようにサイズ設定されている、請求項1から18のいずれか一項に記載の液圧システム。
【請求項20】
前記液圧システムは、前記第1及び/又は第2アクチュエータの作動中に、前記第1及び/又は第2アクチュエータからの戻り流れが前記液圧システムを満たすように構成されている、請求項1から19のいずれか一項に記載の液圧システム。
【請求項21】
請求項1から
20のいずれか一項に記載の液圧システムを含む建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液圧システム、特に掘削機のような建設機械用の液圧システムに関する。本発明は更に、液圧システムを含む建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な異なる建設機械用の液圧システムが当技術分野で知られている。液圧システムは、それぞれの建設機械の回転駆動装置、ブーム、ディッパ、バケット、走行モータ及び他の可動部分などの機械の可動部材を作動させるための加圧流体の供給を受けるいくつかの液圧アクチュエータを含む。従来の液圧システムでは、建設機械の大きさに応じて、1つ以上の大型の容量ポンプを使用して、それぞれの機械のすべてのアクチュエータに加圧された作動液を供給する。このために、液圧容量ポンプはそれぞれ、すべての液圧アクチュエータにポンプの出口ポートを接続する方向制御弁を用いていくつかのアクチュエータに接続されている。したがって、液圧ポンプの出力流量は、比例制御弁を用いていくつかのアクチュエータの間で分配される。これらのいわゆる計量システムは、制御弁を通る流れの絞りを引き起こし、結果としてエネルギーを浪費することが知られている。
【0003】
より最近の開発では、容量制御システム又はメータレス液圧システムとして知られている別のタイプの液圧システムが、エネルギー効率の向上を考慮して研究された。容量制御液圧システムは、その各々が単一のアクチュエータに接続されている複数の液圧ポンプを含む。容量制御システムの液圧ポンプは、通常、それぞれのアクチュエータにポンプによって供給される加圧流体の流れを選択的に調節する可変容量ポンプである。例えば、アクチュエータを高速で動かすためにそれぞれのポンプの流れを増加させ、一方、アクチュエータのより遅い作動が必要な場合には流れを減少させる。容量制御液圧システムは、比例絞り弁で流量を制限するのではなく、アクチュエータに向けられる流量をポンプ出力流量の変更によって制御するので、計量システムよりもエネルギー効率が良いことが知られている。言い換えれば、容量制御液圧システムのポンプは、アクチュエータを所望の速度及び力で移動させるのに必要な流量及び圧力で作動液を排出するだけのために調節され、したがって、流体の流れを絞ること又は圧力を減少させることによってエネルギー損失を招かない。
【0004】
容量制御液圧システムはエネルギー効率の大幅な改善を示すが、掘削機などの建設機械での利用は商業的に実行可能でないことが判明した。これは、公知の容量制御システムでは、アクチュエータを所望の速度で移動させるために、個々の容量ポンプを大型にする必要があるからである(掘削機では、この速度はアクチュエータを空気中で完全に伸縮させるのに必要ないわゆるサイクル時間によって決まる)。しかしながら、複数の大型のポンプ(1つのアクチュエータに1つ)を装備すると、容量制御システムの製造コストは大幅に増加する。また、大型の液圧ポンプが、減少した出力流量で動作させると、すなわち、アクチュエータをより遅い速度で動かすと、低いエネルギー効率を示すことは既知の問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このことから、本発明の目的は、高負荷/高速及び低負荷/低速の条件下で高い燃料効率を示す液圧システムを提供することである。本発明の更なる目的は、従来の容量制御液圧システムと比較して、製造コストを削減し且つエネルギー効率を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1実施形態では、本発明は、第1アクチュエータと、第1回路を介して第1アクチュエータに流体接続されているか又は流体接続可能であり且つ第1アクチュエータを駆動するように適合されている第1ポンプとを含む液圧システムに関する。システムは、第1制御弁を介して第1アクチュエータに接続可能な第2ポンプと、第2アクチュエータとを更に含む。第3ポンプが、第2回路を介して第2アクチュエータに流体接続されているか又は流体接続可能であり且つ第2アクチュエータを駆動するように適合されており、第2ポンプは、第2制御弁を介して第2アクチュエータに接続可能であり、第2ポンプは、第1及び第2アクチュエータに選択的に且つ同時に接続可能である。
【0007】
簡単に言うと、本発明の液圧システムは、容量制御液圧システムと計量システムとの組み合わせである。より詳細には、第1及び第2回路は、第1及び第2アクチュエータを異なる速度/流量で作動させるための可変容量ポンプを各々が含む容量制御アクチュエータ回路として適合されることができる。一方、第2ポンプは、第1制御弁を介して第1アクチュエータの作動を補助し且つ/又は第2アクチュエータの作動を補助するのに使用することができる。これは、特に高速条件下の場合、すなわち、第1及び/又は第2アクチュエータの作動のためにより短いサイクル時間が必要な場合に当てはまる。建設機械の1つ以上のアクチュエータの作動速度が空気中でそれぞれの液圧アクチュエータを完全に伸縮させるのに必要な時間に関連するいわゆる「サイクル時間」によって決まることが、当業者には理解されるであろう。本発明によれば、最小サイクル時間と呼ばれる最短サイクル時間は、第1及び第2ポンプの流れを組み合わせることによって達成される。機械が最小サイクル時間を達成できることが顧客の期待であり、これは建設機械の性能を判断するのに使用される重要な指標である。しかしながら、ほとんどのデューティサイクルでは、最小サイクル時間は時々達成されるだけでよく、平均デューティサイクル(すなわち、平均掘削作業サイクル)は平均して比較的低い作動速度を必要とすることが分かった。
【0008】
このことから、本発明の特定の装置は、第1ポンプ及び第3ポンプが通常/平均速度条件下で第1及び第2アクチュエータを動かすことができるようにより小さいサイズであることを可能にする。平均速度要求は、特定のデューティサイクルの間、機械のオペレータの要求によって最終的に決定される。第1及び/又は第2アクチュエータが特定の状況下でより速く動くことが要求される場合、第1ポンプ及び/又は第3ポンプからの流体流を第2ポンプからの補充流体流によって補助することができる。小型のポンプは、大きな可変容量ポンプを使用する従来の容量制御液圧システムと比較して、液圧システムのコストを削減する。また、複数の小さいポンプを使用することにより、液圧システム全体の効率が向上することが分かった。当然のことながら、建設機械に複数の異なるアクチュエータを設けることができ、以下でより詳細に説明するように、最小サイクル時間を達成するためにアクチュエータの各々に2つ以上の異なるポンプからの流れを供給することができる。
【0009】
別の実施形態では、第1回路は閉ループ回路である。第1回路は、キャビテーションを防止するためにシステムをわずかに上昇した流体圧力に維持するチャージポンプに接続されることができる。
【0010】
更なる実施形態では、第2回路は閉ループ回路である。この場合、第2回路はチャージポンプに接続されることができる。代わりに、第2回路は開ループ回路であることができ、この場合、第2ポンプは、チャージポンプから加圧流体を供給されるのではなく、流体リザーバから直接作動液を引き出す。
【0011】
別の実施形態によれば、第2ポンプは可変容量ポンプである。これには、第2ポンプからの補充流体流を、第1及び/又は第2アクチュエータの正確な要求に合わせることができるという利点がある。代わりに又は追加として、第2ポンプは、比例制御弁を介して第1アクチュエータ及び/又は第2アクチュエータに接続されている定容量ポンプであることができ、比例制御弁を使用して、定容量の第2ポンプから第1及び/又は第2アクチュエータに供給される流体の流れを調節することができる。
【0012】
別の実施形態では、第1ポンプは、第1アクチュエータに直接的に接続され/接続可能であり、第1制御弁は、弁アセンブリの一部であり且つ第1アクチュエータに供給される第2ポンプからの流体流を可変に制限するように適合されている第1比例制御弁として構成されることができる。本明細書において、「直接的に接続されている」という用語は、ポンプが、ポンプの流体流を分配するために1つ以上の比例弁を必要とする計量回路とは異なり、人工的な流量制限を導入する比例弁又は減速弁(スロットル)を含まない流体ラインを介してアクチュエータに直接的に接続される構成を指す。言い換えれば、直接的な接続とは、流体ライン内及び/又はホース破裂逆止弁、負荷保持弁、開閉弁などの安全目的で必要とされる弁内の避けられない損失は別として、流体流のエネルギー損失をもたらさず、回路に追加の流量計量を意図的に追加しない接続を言う。結果として、第1アクチュエータは、常に、第1ポンプによって供給される出力流量の実質的に全てを受け入れる。第1ポンプの第1アクチュエータとの直接的な接続により、第1回路を容量制御回路と称することができる。これに対して、第2ポンプは、好ましくは、第2流体流の所定の部分のみを第1アクチュエータに供給するように適合されている第1比例制御弁(計量弁)を介して第1アクチュエータに接続可能である。結果として、計量弁/比例弁を介して第1アクチュエータに接続されている第2ポンプによって生成される流体回路は、計量回路と称することができる。以下でより詳細に説明するように、第1ポンプの流れを支援するのに使用されない第2流体流の残りの部分を、同時に第2アクチュエータに利用することができる。したがって、第2ポンプは、第1ポンプが第1アクチュエータを動かすのを補助し、同時に第2アクチュエータの動作を補助することが可能である。
【0013】
別の実施形態では、第1比例制御弁は、方向比例スプール弁である。第1比例スプール弁は、好ましくは4/3スプール弁である。4/3スプール弁は、4つの流体ポートと3つの位置とを有する。第1流体ポートを第1ポンプの高圧ポート(又はポンプ流)に接続することができ、第2流体ポートを第1ポンプの低圧ポート(又は流れ戻り)に接続することができる。第3流体ポートを第1アクチュエータの第1チャンバに接続することができ、第4流体ポートを第1アクチュエータの第2チャンバに接続することができる。第1位置では、4/3スプール弁は閉じており、流体ポートのいずれも接続されていない。第2位置では、第1及び第4流体ポート並びに第2及び第3流体ポートが接続される。したがって、第2位置では、第1アクチュエータを伸長させるために、第1ポンプの高圧ポートが第2チャンバに接続され、低圧ポートが第1アクチュエータの第1チャンバに接続される。第3位置では、第1アクチュエータを収縮させるために、第1及び第3流体ポート並びに第2及び第4流体ポートが接続される。この場合、4/3スプール弁を使用して、一方向ポンプの高圧/フローポートと低圧/フローポートを第1アクチュエータの所望の高/低圧/フロー入口に接続することができるので、第2ポンプを一方向ポンプとして構成することができる。
【0014】
別の実施形態では、第1比例制御弁は独立計量弁である。例えば、独立計量弁は、ブリッジ弁又は二重スプール弁であることができる。独立計量弁は、第1アクチュエータのチャンバ内の容積の差を補う補償機能を果たすように制御されることができる。このために、独立計量弁は、第1流体ラインを介して第1アクチュエータの第1チャンバに且つ第2流体ラインを介して第1アクチュエータの第2チャンバに接続されることができる。液圧システムは、第1及び第2圧力センサから圧力情報を受け取るように適合されている制御ユニットを含むことができ、制御ユニットは、独立計量弁を制御して圧力情報に応じて第1又は第2チャンバの一方を流体戻りラインに接続するように構成されることができる。第1流体ラインに第1圧力センサを設けることができ、第2流体ラインに第2圧力センサを設けることができる。従来の補償弁では、パイロット作動逆止弁を使用して補償機能を果たすことができる。対照的に、本実施形態によれば、第1及び第2圧力センサを使用して第1アクチュエータの負荷側及び非負荷側を決定することができ、したがって第1及び第2圧力センサを使用して第1アクチュエータのチャンバの一方を補償目的で流体戻りギャラリに接続することができる。したがって、第1比例制御弁は、様々な異なる制御機能に使用することができ、追加の逆止弁はもはや必要とされない。
【0015】
第1回路と同様に、第2回路の第3ポンプは、第2アクチュエータに直接的に接続されているか又は接続可能であることができ、第2制御弁は、第2アクチュエータに供給される第2ポンプからの流体流を可変に制限するように適合されている比例制御弁を含む。先と同様に、「直接的に」という用語は、第2回路が容量制御回路であり、したがって比例/計量弁のような流量を低減する構成要素なしに第2アクチュエータに接続されている第3ポンプを有することを指す。第2比例制御弁は、方向比例スプール弁、好ましくは標準的な4/3スプール弁であることができる。
【0016】
別の実施形態によれば、第1ポンプは双方向可変容量ポンプとして構成され、第2ポンプは一方向ポンプとして構成され、第1制御弁は方向制御弁である。この構成によれば、第1ポンプは、閉ループ回路によって第1アクチュエータに接続され、双方のアクチュエータ入口に加圧された作動液を選択的に供給する双方向ポンプとして構成されている。第2ポンプは、好ましくは、方向制御弁を介して第1及び第2アクチュエータの両方に接続可能であり、したがって双方向ポンプを必要としない。第2ポンプとして一方向ポンプを使用する場合、補充回路を開ループ回路又は閉ループ回路として構成することができる。
【0017】
別の実施形態によれば、第1ポンプは、第1アクチュエータの第1チャンバに接続されているか又は選択的に接続可能な第1ポンプポートと、第1アクチュエータの第2チャンバに接続されているか又は選択的に接続可能な第2ポンプポートを含む。第1ポンプが双方向ポンプである場合、第1及び第2ポートの両方を高圧ポート又は低圧ポートとして使用することができる。したがって、第1ポンプの第1ポートが高圧ポートである場合、第1アクチュエータの第1チャンバはポンプの高圧側に接続され、一方第2ポートは低圧ポートであり、したがってアクチュエータの第2チャンバをポンプの低圧側に接続する。逆の場合は、第2ポートが高圧ポートであるように、ポンプの方向が反対にされる。その結果、第1ポンプからの高圧流体の供給を、第1アクチュエータの第1及び/又は第2チャンバに供給することができる。別の実施形態では、ポンプのポートとアクチュエータのチャンバとの間に負荷保持弁(ロードホールディング弁)を追加することができる。当然のことながら、これらの負荷保持弁は、計量機能をもたらさない。したがって、第1ポンプは依然として第1アクチュエータに「直接的に接続されている」。
【0018】
別の実施形態では、第2ポンプは、第1制御弁を介して第1アクチュエータの第1又は第2チャンバに選択的に接続可能な第1ポートと、第1制御弁を介して第1アクチュエータの第1又は第2チャンバに選択的に接続可能な第2ポートとを含む。本実施形態の第2ポンプは、標準的な4/3弁として構成することができる第1制御弁を用いて第1アクチュエータの両方のチャンバに接続可能である。前述したように、本実施形態は、第2ポンプを一方向ポンプとして構成することを可能にする。
【0019】
更に別の実施形態によれば、第2ポンプは、液圧システムを上昇した流体圧力に維持するチャージポンプとして機能するように構成されている。その結果として、本実施形態の液圧システムは、別個のチャージポンプを必要としない。それどころか第2ポンプは、3つの機能、すなわち、第1及び第2アクチュエータに供給すること及びシステム圧力のためのチャージポンプとして働くことを有する。
【0020】
第2回路は、開回路であることができる。特に、第2ポンプは、第1制御弁を介して第1アクチュエータの第1又は第2チャンバに選択的に接続可能な第1ポートと、作動液リザーバに接続されている第2ポートとを含むことができる。第2ポンプの第1ポートは更に、可変圧力リリーフ弁などのバイパス弁を介して作動液リザーバに接続されることができる。バイパス弁は、少なくとも2つの所定の設定圧力リリーフ値の間で変更することができる。バイパス弁が可変圧力リリーフ弁として構成されている場合、第1圧力リリーフ値は第1及び第2アクチュエータの最大許容圧力に関連し、第2リリーフ値は可変圧力リリーフ弁が流体流に大きな制限を与えないように可能な限り低いことができる。当然ながら、バイパス弁は、不変の圧力リリーフ弁に接続する開閉弁のような他の適切な方法で構成されることができる。
【0021】
別の実施形態では、第2回路は、第1回路と実質的に同一に構成され、第2アクチュエータの第1チャンバに接続されているか又は選択的に接続可能な第1ポートと、第2アクチュエータの第2チャンバに接続されているか又は選択的に接続可能な第2ポートとを含む。第2ポンプの第1及び第2ポートは、第2制御弁を介して第2アクチュエータの第1又は第2チャンバに選択的に接続可能であることができる。
【0022】
別の実施形態では、第1及び第2ポンプ及び第3ポンプは、共通駆動シャフトなどの共通の駆動機構によって原動機に接続される。第2共通駆動シャフトを介して第4及び第5ポンプを同じ原動機に接続することができる。2つの駆動シャフトは、第1及び第2共通駆動シャフトを同じか又は異なる回転速度で回転させることができるように、原動機の出力において歯車/可変比機構に接続されることができる。したがって、第1、第2及び第3ポンプは、好ましくは、共通駆動シャフトを用いて同じ回転入力速度で駆動されるが、依然として異なる出口流を提供することができる。例えば、第1、第2及び第3ポンプは、共通駆動シャフトの回転速度とは無関係にそれぞれの出力流量を調節することができる可変容量斜板ポンプであることができる。言うまでもなく、この構成により、単一の原動機しか必要とされないので、本発明の液圧システムは、よりコンパクトで且つ費用対効果が高くなる。前述したように、第4及び第5ポンプ及び潜在的な更なるポンプを、好ましくは、第2共通駆動シャフトを介して単一の原動機に接続することができる。すべてのポンプを1つの共通駆動シャフトに接続することも可能である。しかしながら、本発明は、1つ以上の共通駆動シャフトを介してポンプを駆動する単一の原動機に限定されない。当業者は、1つ以上の原動機によってポンプを駆動できることを理解するであろう。原動機は、可変ギヤ/比機構を介してポンプに接続されることができる燃料エンジン又は電気モータであることができる。ポンプごとに1つの原動機があるか又はすべてのポンプ用に1つの原動機があることができる。
【0023】
別の実施形態によれば、原動機は単一速度モータであることができる。モータが単一速度モータであっても、可変ギヤ/比機構を用いて本システムの様々なポンプを異なる速度で駆動することが可能である。したがって、単一速度モータを使用する場合、共通の又は別個の可変駆動機構を介してポンプの各々又はいくつかをモータに接続することができる。代わりに、原動機は、ディーゼルエンジンなどの内燃機関であることができる。
【0024】
別の実施形態では、第1ポンプは、第1ポンプの最大出力流量が第1アクチュエータを所定の最小サイクル時間で駆動するのに必要な最大流量の25%から75%、好ましくは40%から60%、より好ましくは45%から55%に等しいようにサイズ設定されている。言い換えれば、第1ポンプは、建設機械製造業者によって予め定められた最小サイクル時間を達成するための速度/流量要求の25%から75%に等しい通常の速度要求下で第1アクチュエータを動かすのに十分な最大流量を提供するようにサイズ設定されていることができる。詳細には、「最小サイクル時間」は、それぞれの液圧アクチュエータを完全に伸縮させるのに必要な最短時間に関連する。例えば、第1アクチュエータが掘削機のブームを持ち上げるのに使用される液圧ラムである場合、第1ポンプは、所定の最高速度でブームを持ち上げ且つ収縮させるのに必要な流量の25%から75%、すなわち、最小サイクル時間内にブームの全作動サイクルを行うのに必要な流量の25%から75%に等しい最大流体流量を提供するようにサイズ設定されていることができる。サイクル時間は、空気中で、すなわち、ブームが重力以外の抵抗に対して作用しなくてもよいときに測定されることに留意されたい。例示的な一実施形態では、所定の最小サイクル時間を約5秒に設定することができる。この例では、第1ポンプは、第1ポンプによって供給される最大流量が約7.5から20秒のより長いサイクル時間を達成するのに十分であるようにサイズ設定されている。オペレータがブームを作動させるのにより速い最小サイクル時間を得ることを望む場合、第1ポンプの最大出力流量は第1アクチュエータを所望の速度で動かすのに(すなわち、所定の最小サイクル時間を達成するのに)十分でなく、したがって第2ポンプからの補助が必要となる。当然のことながら、第2ポンプは、第1ポンプと第2ポンプの組合せが所定の最小サイクル時間を達成するのに十分であるように、第1ポンプと相補的なサイズである。言うまでもなく、本発明は、上記のサイクル時間の特定の例に限定されない。この関連で、当然のことながら、異なるサイクル時間、したがって異なる作動速度が、建設機械の異なるアクチュエータに適用される。例えば、掘削機のブームアクチュエータは6秒の最速/最小(すなわち、第2)サイクル時間を達成する必要があるが、ディッパアクチュエータの最小サイクル時間は4秒、バケットアクチュエータの最小サイクル時間は2.5秒であることができる。
【0025】
言うまでもなく、当業者は、それぞれの建設機械が主に顧客の要求によって決定される特定の最小サイクル時間を実現するという一般的な要求を理解するであろう。したがって、当業者は、最小サイクル時間を達成するのに十分な速度でアクチュエータを動かすのに必要とされる必要最大流体流量値を計算することができる。第1ポンプは、前述の最大流体流量値の25%から75%に関する流体流を示すようにサイズ設定される。第1ポンプをこのようにサイズ設定することにより、実質的にエネルギー効率が改善されることが判明した。
【0026】
本発明の液圧システムは、第1ポンプのみを使用して第1アクチュエータに供給する場合、通常/平均速度条件下での作業に限定される。しかしながら、システムはまた、第1及び第2ポンプから第1アクチュエータに加圧流体を供給することによって、より迅速な「最小」サイクル時間を達成するように構成されている。すなわち、本発明の液圧システムはまた、第1及び第2ポンプの高圧出口を組み合わせることによって、より高い第2流体流量を提供するように適合される。これとは対照的に、一般的に知られている容量制御液圧システムは、他のポンプの補助なしで最小サイクル時間を単独で達成することができる、各アクチュエータ用のかなり特大の容量ポンプを含む。しかしながら、通常の速度条件下では、一般的に知られている容量ポンプは最大出口流の約50%で作動する。通常の作業条件下で最大出口流の約90%で作動する、本実施形態による小さいポンプは、より安価であるだけでなく、より効率的に作動する。
【0027】
別の実施形態では、液圧システムは、第1制御弁に接続されているコントローラであって、第1ポンプの最大流体出力流量が第1アクチュエータを高速で、すなわち、より短いサイクル時間で動かすのに十分でない場合に第1制御弁を制御して第2ポンプを第1回路に選択的に接続するように適合されているコントローラを含む。本実施形態では、コントローラは、オペレータインターフェースに接続されているセンサーデバイスに接続されることができる。詳細には、センサーデバイスは、オペレータが第1アクチュエータの動きを制御するのに使用するジョイスティックなどの入力装置に接続されることができる。所望の作動速度は、ジョイスティック位置の関数であることができる。当然のことながら、一例によれば、所望の速度は、ジョイスティックの変位量と共に増大し得る。センサーデバイスによって感知される変位が第1ポンプの最大流体流れ能力を超える所望の作動速度/サイクル時間を示す場合、コントローラは、第2ポンプからの第2流体流のすべて又は一部が第1アクチュエータに回されるように第1制御弁を調節する。
【0028】
第1制御弁は、比例制御弁を含むことができる。比例制御弁は、第2流体流の第1ポンプが第1アクチュエータを動かすのを支援するために向けられた部分がセンサーデバイスによって感知される所望の速度を得るのに十分であるように、コントローラが比例制御弁を調節することができるようにコントローラに接続されることができる。コントローラは、必要な量の補充流体流のみが第1回路に供給されるように比例制御弁を調節することができる。補充流体流の残りの部分は、同時に第2アクチュエータを動かすのに使用することができる。
【0029】
別の実施形態では、第3ポンプは、第3ポンプの最大出力流量が第2アクチュエータを所定の最小サイクル時間で駆動するのに必要な最大流量の25%から75%、好ましくは40%から60%、より好ましくは45%から55%に等しいようにサイズ設定されている。
【0030】
別の態様では、第2ポンプは、第1アクチュエータに関して上述したより速いサイクル時間を得るために、第3ポンプが第2アクチュエータをより高速で動かすのを支援するべく第2制御弁を介して第2アクチュエータに流体接続可能である。第1及び第2制御弁を含む本実施形態の弁アセンブリは、第2ポンプが第1及び第2アクチュエータに同時に又は順番に流体接続可能であるように構成されることができる。
【0031】
前述のコントローラはまた、第3ポンプの最大流体出力流量が第2アクチュエータを高速で、すなわち、第2アクチュエータの所定の最小サイクル時間で動かすのに十分でない場合、第2制御弁を制御して第2ポンプを第2流体回路に選択的に接続するように構成されることができる。
【0032】
別の実施形態によれば、第1ポンプは、第2ポンプの最大出力流量の50%から150%、好ましくは75%から125%、より好ましくは95%から105%である最大出力流量を示すようにサイズ設定されている。好ましくは、第3ポンプもまた、第2ポンプの最大出力流量の50%から150%、好ましくは75%から125%、より好ましくは95%から105%である最大出力流量を示すようにサイズ設定されている。本実施形態によれば、第1、第2及び第3ポンプは同じようにサイズ設定される。したがって、第1及び第2アクチュエータは、それぞれ第1又は第3ポンプの最大出力流量の約2倍に等しい最大流量で動かすことができる。結果として、より速い第2サイクル時間(すなわち、最小サイクル時間)を第1サイクル時間の50%まで短縮することができる。前述の例では、第1アクチュエータを動作させる際に第1及び第2ポンプの流れを組み合わせることにより、第1アクチュエータのサイクル時間を10秒から5秒に短縮することができる。
【0033】
特に有利な実施形態では、第1、第2及び第3ポンプが同一サイズであり、これにより、本液圧システムのコストが更に削減される。
【0034】
別の実施形態では、液圧システムは、第3アクチュエータと、第3流体回路を介して第4アクチュエータに接続可能であり且つ第3アクチュエータを駆動するように適合されている第4ポンプとを更に含む。第4ポンプは、好ましくは、第3アクチュエータに直接的に接続されている。第3アクチュエータは、掘削機バケットを動かすための液圧シリンダなどのリニアアクチュエータであることができる。
【0035】
別の実施形態では、液圧システムは、第4アクチュエータと、第4流体回路を介して第4アクチュエータに接続可能であり且つ第4アクチュエータを駆動するように適合されている第5ポンプとを更に含む。第5ポンプは、好ましくは、第4アクチュエータに直接的に接続されている。第4アクチュエータは、回転アクチュエータ、詳細には建設機械の一部を回転させるための液圧モータであることができる。
【0036】
別の実施形態では、システムは第5アクチュエータを更に含み、第1ポンプは第5アクチュエータに選択的に接続可能である。好ましくは、第1ポンプは、第5アクチュエータに直接的に、すなわち、第1ポンプによって供給される流体流を制限しない弁を介して接続可能である。弁は、単一の切換弁又は複数の開閉弁として構成されることができる。
【0037】
別の実施形態では、システムは第6アクチュエータを更に含み、第3ポンプは第6アクチュエータに選択的に接続可能である。第3ポンプは、好ましくは、第3ポンプによって供給される流れを制限しない弁を用いて、第6アクチュエータに直接的に接続可能である。弁は、単一の切換弁又は複数の開閉弁として構成されることができる。
【0038】
当然のことながら、第5及び第6アクチュエータの前述の構成は、オペレータが4つのポンプのみで6つのアクチュエータのすべてを同時に作動させることを可能にする。例えば、第1及び第3ポンプを使用して建設機械(例えば、掘削機)のトラッキングのために第5及び第6アクチュエータを作動させることができると同時に、第2ポンプを利用して第1及び/又は第2制御弁を介して第1及び/又は第2アクチュエータを駆動することができる。掘削機では、これにより、掘削端を動かすのと同時に機械をトラッキングすることが可能になる。
【0039】
本発明は更に、前に説明した液圧システムを含む建設機械に関する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
添付の図面を参照して、本発明の実施形態を単なる例として以下に説明する。
【
図1a】本発明の一実施形態による液圧システムの概略図を示す。
【
図1b】本発明の一実施形態による液圧システムの概略図を示す。
【
図1c】本発明の一実施形態による液圧システムの概略図を示す。
【
図1d】本発明の一実施形態による液圧システムの概略図を示す。
【
図1e】本発明の一実施形態による液圧システムの概略図を示す。
【
図1f】本発明の一実施形態による液圧システムの概略図を示す。
【
図1g】本発明の一実施形態による液圧システムの概略図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態による液圧システムの概略図を示す。
【
図3】本発明の一実施形態による液圧システムの概略図を示す。
【
図4】本発明の一実施形態による液圧システムの概略図を示す。
【
図5】典型的なデューティサイクル中の第1及び第2アクチュエータの流量要求を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1aは、本発明の一実施形態による液圧システムの概略図を示す。一例として、液圧システムの本実施形態を掘削機などの排土装置に関連して以下に説明する。しかし、当然のことながら、
図1aに示す液圧システムはこの用途に限定されず、様々な異なる機械に適している。
【0042】
液圧システムは、第1回路103を介して第1ポンプ102に接続されている第1アクチュエータ101を含む。第1アクチュエータは、液圧シリンダなどのリニアアクチュエータであることができる。
図1aの第1回路103は、第1アクチュエータ101に接続可能な第1ポンプ102を含む閉ループ回路として示されている。第1ポンプ102は、第1及び第2流体ライン110、111を介して第1アクチュエータ101に接続可能である。
【0043】
第1ポンプ102は、第1流体ライン110を介して第1アクチュエータ101の第1チャンバ104に接続可能な双方向可変容量ポンプとして示されている。第1ポンプ102の第2出口ポートが、第2流体ライン111を介して第1アクチュエータ101の第2チャンバ105に接続されている。第1ポンプ102は双方向ポンプであるので、流体ライン110を介して第1チャンバ104に或いは第2流体ライン111を介してチャンバ105に加圧流体を供給することができる。第1ポンプ102の行程容積を変更することにより、第1アクチュエータ101を異なる速度で動作させることができる。
【0044】
図1aは、補充流体回路203において第1アクチュエータ101に接続可能な第2ポンプ202を更に示す。第2ポンプ202は、第1制御弁701を用いて第1アクチュエータ101に選択的に接続可能である。第2ポンプ202は更に、第2制御弁702を用いて第2アクチュエータ201に選択的に接続可能である。詳細には、第1及び第2制御弁701、702は、
図1aに示すように弁装置700の一部である。制御弁701及び702の両方が、ソレノイド作動比例スプール弁として構成されている。より詳細には、制御弁701及び702の両方のスプール弁は、それらの閉鎖位置に向かって付勢されている4/3方向スプール弁である。制御弁701及び702は、別個のユニットであるか又は共通の弁ブロックに組み込まれることができる。
【0045】
第2ポンプ202は、第2制御弁702を介して第3アクチュエータ201に接続可能な一方向可変容量ポンプである。
【0046】
第2ポンプ202は、第1制御弁701を用いて第1ポンプ102に接続可能である。詳細には、第1制御弁701がその休止位置にあるとき、第2ポンプ202は第1アクチュエータ101から切り離される。第1制御弁701の第1位置(
図1aの下方)において、第2ポンプ202の高圧ポートは第1アクチュエータ101の第2チャンバ105に接続され、第2ポンプ202の低圧ポートは第1アクチュエータ101の第1チャンバ104に接続される。第1制御弁701のこの第1位置は、第1ポンプ102が第1アクチュエータ101を伸長させるのを補助するのに使用することができる。第1制御弁701が第2位置(
図1aの上方)にあるとき、第2ポンプ202の高圧ポートは第1アクチュエータ101の第1チャンバ104に接続され、第2ポンプ202の低圧ポートは第1アクチュエータ101の第2チャンバ105に接続され、このようにして第1ポンプ102が第1アクチュエータを収縮させるのを補助する。当然のことながら、第1及び第2ポンプ102、202と第1制御弁701は、第1ポンプ102の高圧ポートと第2ポンプ202の高圧ポートが常に第1アクチュエータ101の同じチャンバに接続されるように制御される。言うまでもなく、第1及び第2ポンプ101、202の低圧ポートについても同様であり、第1及び第2ポンプ101、202の低圧ポートもまた同じチャンバに接続される。
【0047】
弁装置700は、第1及び第2アクチュエータ101、201の作動速度に関する要求に応えて第1及び第2制御弁701及び702の位置を調整するコントローラ(図示せず)に接続されている。通常/平均状態の下では、第1ポンプ102は単独で、容量を制御して加圧流体を第1アクチュエータ101に供給する。したがって、第1アクチュエータ101(液圧シリンダなどのリニアアクチュエータ)のピストンロッドをシリンダハウジングから(
図1aにおいて左側に)伸長させる場合、第1ポンプ102の高圧流を第2チャンバ105に接続する。リニアアクチュエータを収縮させるために、第1ポンプ102の高圧ポートが第1チャンバ104に接続され、低圧ポートが第1アクチュエータ101の第2チャンバ105に接続されるように、第1ポンプ102のポンピング方向を逆転する。第1ポンプ102の最大流体出力流量が第1アクチュエータ101を所望の速度で伸長させるのに十分でない場合、コントローラは、第1ポンプ102が第1アクチュエータ101のラムを伸長させるのを助けるために第2ポンプ202の高圧出口が第2チャンバ105に接続されるように、第1制御弁701をその第1位置に(
図1aの下方に)移動させることができる。第1ポンプ102の最大流体出力流量が第1アクチュエータ101を所望の速度で収縮させるのに十分でない場合、コントローラは、第1ポンプ102が第1アクチュエータ101のラムを収縮させるのを助けるために第2ポンプ202の高圧出口が第1チャンバ104に接続されるように、第1制御弁701をその第2位置に(
図1aの上方に)移動させることができる。
【0048】
第1及び第2制御弁701及び702は、第2ポンプ202によって第1及び第2アクチュエータ101及び201に供給される流体流/圧力を要求に従って分配することができるように、比例スプール弁であることができる。すなわち、第1アクチュエータ101を所望の速度で伸長させるのに少量の追加の流量/圧力しか必要とされない場合、コントローラは、第2ポンプ202によって供給される第2流体流のごく一部のみが第1アクチュエータ101の第1又は第2チャンバ104、105に回されるように弁701を調節する。したがって、第2ポンプ202によって供給される残りの流れを使用して、同時に第2アクチュエータ201を駆動/第2アクチュエータ201の作動を補助することができる。
【0049】
第1アクチュエータ101と同様に、
図1aに示す第2アクチュエータ201もまたリニアアクチュエータ(詳細には液圧シリンダ)として示されている。第2アクチュエータ201は、掘削機のディッパ又はアームを動かすのに使用することができる。第2アクチュエータ201は、閉ループ回路303において第3ポンプ302に接続されている。第3回路303は第1回路103と実質的に同一であり、対応する部分には、第1回路に対応し且つ「200」だけ増加した符号が付されている。第1回路103と同様に、第2ポンプ202は、弁装置700の第2制御弁702を介して第3回路303に接続されることができる。したがって、第3ポンプ302が高速条件下で、すなわち、第2アクチュエータ201用の所定の最小サイクル時間を達成するのに十分でない場合、第2アクチュエータ201の動きを補助するのに第2ポンプ202も使用することができる。
【0050】
図1aに示す実施形態では、第1及び第2ポンプ102、202は、ポンプ102、202のそれぞれを燃焼機関又は電気モータなどの駆動モータ800として示される単一の原動機に接続する共通駆動シャフト801によって駆動される。駆動モータ800はまた、以下でより詳細に説明するように、共通駆動シャフト801を介してチャージポンプ902に接続されている。本発明は、この特定の駆動装置に限定されない。例えば、任意の原動機を使用してポンプを駆動することができ、複数の駆動シャフトを介してポンプを複数の原動機に接続することができ、それらの例を以下に説明する。
【0051】
図1bを参照すると、本液圧システムの別の実施形態が示されている。
図1bに示す実施形態の
図1aの実施形態と同一の部分には、同一の符号が付されている。
図1bの実施形態は、第2流体回路203が開回路である点で
図1aの実施形態と異なる。一方向の第2ポンプ202は依然として、第1流体ライン210を介して第1及び第2制御弁701、702に接続されている第1高圧ポートを含むが、第2ポンプ202の低圧ポートは、作動液リザーバ901に接続されている。第1及び第2制御弁701、702の戻りポートは、第2流体ライン212及びリリーフ弁904を介して、作動液リザーバ901に接続されている。
【0052】
バイパス弁(本実施形態では可変圧力リリーフ弁207)の入口ポートは、流体ライン210を介して第2ポンプ202の高圧出口ポートに接続されている。可変圧力リリーフ弁207の出口ポートは、第2流体ライン212を介してリリーフ弁904の入口ポート及びアキュムレータ903の入口ポートに接続されている。
【0053】
第1及び/又は第2アクチュエータ101、201の作動中、可変圧力リリーフ弁207は、第1及び/又は第2アクチュエータ101、201の所定の最大動作圧力において第1リリーフ値に設定される。言い換えれば、可変圧力リリーフ弁207は、第1及び/又は第2アクチュエータ101、201のそれぞれのチャンバ内の圧力が所定の閾値を超えた場合に安全リリーフ弁として機能する。第1及び/又は第2アクチュエータ101、201の動作中、第1及び/又は第2アクチュエータ101、201からの戻り流れが、リリーフ弁904を介して作動液リザーバ901に向けられる。したがって、第1及び/又は第2アクチュエータ101、201の使用中、戻り流れがシステムを満たす。
【0054】
第1及び第2アクチュエータ101、201が使用されていないとき、すなわち、第1及び第2制御弁701、702が閉じているとき、可変圧力リリーフ弁207は第2リリーフ値に設定される。第2リリーフ値は、第2圧力リリーフ弁が流体ライン210と212との間の流体流を著しく制限しない、完全に開いた状態であることができる。第2ポンプ202は、単独でチャージポンプとして機能し、アキュムレータ903をリリーフ弁904によって設定された圧力値まで充填することによってシステム圧力を設定する。
【0055】
可変圧力リリーフ弁207は、2つの所定のリリーフ値の間の迅速な交換を可能にするソレノイド作動リリーフ弁又は任意の他の適切な弁であることができる。
【0056】
本液圧システムの別の実施形態を
図1cに示す概略図に示す。第2実施形態の
図1aの実施形態と同一の部分には、同一の符号が付されている。理解されるように、
図1cによる実施形態は、弁装置710がブリッジ弁として構成される第1及び第2制御弁711、712を含む点で
図1aの実施形態と異なるだけである。ブリッジ制御弁711、712の各々は、4つの別々に制御可能な計量弁711a、711b、711c、711d、712a、712b、712c、712dを含む。独立計量弁711a、711b、711c、711d、712a、712b、712c、712dの各々は、常閉の2/2比例ソレノイド弁として構成されている。独立計量弁711a、711b、711c、711d、712a、712b、712c、712dは、ポペット弁又はスプール弁、又は当業者が適合すると考える他の種類の計量弁であることができる。第2ポンプ202を使用して第1ポンプ102が第1アクチュエータ101を駆動してピストンロッドを伸長させるのを補助する場合、コントローラは、第1流体ライン210を介してポンプ202の高圧出口を第1アクチュエータ101のチャンバ105に接続するために第1計量弁711aをその第2位置に(
図1bの右側に向かって)移動させる。同時に、コントローラは、第1アクチュエータ101の第1チャンバ104が第2流体ライン211を介して第2ポンプ202の低圧ポートに接続されるように独立したソレノイド弁711dを開く。一方、第2ポンプ202が第1アクチュエータ101のピストンを収縮させるのに使用される場合、ポンプ202の高圧流体ポートは第1チャンバ104に接続され、低圧流体ポートは第2チャンバ105に接続される。このために、コントローラは独立した弁711c及び711bを開き、一方、弁711a及び711dは閉じたままである。
【0057】
弁装置710の第2ブリッジ制御弁712の機能は、第1ブリッジ制御弁711の機能と実質的に同一である。言うまでもなく、第1ブリッジ制御弁711とは対照的に、第2ブリッジ制御弁712は、第2ポンプ202を第2アクチュエータ201に選択的に接続する。当然のことながら、
図1cに示す実施形態の弁装置710は、第2回路203の高圧及び低圧流体ラインの個別の計量を可能にする。例えば、第1ブリッジ制御弁711は、第1アクチュエータ101を伸長させる際に独立計量弁711aによって第2ポンプ202の高圧流体流が計量されることを可能にし、一方、第1アクチュエータ101の第1チャンバ104から押し出される流体は、弁711dに沿って計量されることなく第2ポンプの低圧ポートに接続されることができる。すなわち、
図1cに示す実施形態のブリッジング弁装置は、第1及び第2流体ライン210、211内の流体流の特異な計量を可能にする。
【0058】
図1dには、本発明による液圧システムの別の実施形態が示されている。
図1dに示す実施形態の
図1cによる実施形態の部分と同一の部分には、同一の符号が付されている。
図1cのアンチキャビテーションシステム130及び330とは対照的に、
図1dに示す実施形態は、もはやパイロット作動逆止弁を必要としないアンチキャビテーションシステム131、331を示している。代わりに、
図1dの実施形態は、第1制御弁711を第1アクチュエータ101に接続する流体ラインに設けられた第1及び第2圧力センサ730、731を含む。詳細には、第1制御弁711と第1アクチュエータ101の第1チャンバ104との間の第1流体ラインに、第1圧力センサ730が配置されている。第1制御弁711と第1アクチュエータ101の第2チャンバ105との間の流体ラインに、第2圧力センサ731が設けられている。第2制御弁712と第2アクチュエータ201とを接続する流体ラインに、第3及び第4圧力センサ732、733が設けられている。詳細には、第2制御弁712と第2アクチュエータ201の第1チャンバ204との間の第1流体ラインに、第3圧力センサ732が配置されている。第2制御弁712と第2アクチュエータ201の第2チャンバ205との間の流体ラインに、第2圧力センサ733が設けられている。
【0059】
図1dの実施形態によれば、ブリッジ弁として構成されている第1制御弁711を使用して、第1アクチュエータ101の第1チャンバ104と第2チャンバ105との容積の差を補償することができる。このために、第1及び第2圧力センサ730、731は、第1制御弁711の独立計量弁711a、711b、711c、711dの作動を制御する制御ユニットに接続されることができる。第1及び第2圧力センサ730、731は、第1アクチュエータ101の両端の圧力を測定し、第1及び第2チャンバ104、105のいずれがそれぞれ有負荷であるか及び無負荷であるかを判定する。第1制御弁711は、無負荷チャンバを流体戻りラインに、すなわち、第2流体回路203の第2流体ライン211に接続することができる。より詳細には、第1チャンバ104が抵抗負荷を受けると、ピストンは第2チャンバ105に向かって移動し、その結果、第2チャンバ105は無負荷になり、第2チャンバ105から作動液が排出される。ロッド側の第1チャンバ104とヘッド側の第2チャンバ105との間の容積の差により、第1流体回路103に過剰な作動液が供給され、この過剰な作動液は第1制御弁711によって解放されることができる。詳細には、上記シナリオでは、制御ユニットは、第2チャンバ105を流体戻りラインと、すなわち、第2流体ライン211と接続するために計量弁711bを開くことができる。第1アクチュエータ101が伸長されている場合、すなわち、第2チャンバ105が抵抗負荷を受けている場合、無負荷の第1チャンバ104は第1制御弁711を介して流体戻りライン、すなわち、第2流体ライン211に接続されることができる。詳細には、制御ユニットは、第1アクチュエータ101の第1チャンバ104を第2流体ライン211に接続するために計量弁711dを開くことができる。当業者であれば、第1アクチュエータがオーバーランニングしていると逆の場合があることが分かるであろう。第2制御弁712を類似の方法で使用して、第2アクチュエータ201のチャンバ204、205の間の容積の差を補償することができる。
【0060】
本液圧システムの別の実施形態を
図1eに示す。本実施形態の
図1aの実施形態の部分と同一の部分には、同一の符号が付されている。
図1eによる実施形態は、
図1aから1dに示す弁装置700、710とは異なる別の弁装置720を示している。
図1eに示す弁装置720は、その各々が独立した第1及び第2計量スプール弁721a、721b、722a及び722bを含む第1及び第2制御弁721、722を有する。
図1cの実施形態と同様に、独立計量弁721a及び721bを使用して、第2ポンプ202と第1アクチュエータ101との間で、第1及び第2流体ライン210、211内の流体流を個別に計量することができる。同様に、第2制御弁722の第1及び第2スプール弁722a、722bを使用して、第1及び第2流体流ライン210、211と第2アクチュエータ201のチャンバ204、205との間の流体流を別々に計量することができる。
【0061】
前述したように、第1及び第2ポンプ102、202は、共通のコネクタシャフト801を介してポンプの各々に接続されている電気又は燃料モータ800のような任意の種類の原動機によって駆動されることができる。
図1fに示す本発明の別の実施形態では、ポンプ102、202、302及び902の各々は、別個の原動機810、820、830及び840に接続されている。
図1fの特定の実施形態では、原動機810、820、830及び840は、コネクタシャフト811、821、831を介してそれらの個別のポンプ122、222、322、902に接続されている。原動機又はモータ810、820、830、840は、好ましくは、様々な回転速度でコネクタシャフト811、821、831及び841を駆動するように適合され、それによりそれらの個別のポンプ122、222、322、902の出力流量を変化させる。当然のことながら、本実施形態の第1、第2及び第3ポンプ122、222、322は、原動機又はモータ810、820、830を介して個々のコネクタシャフト811、821、831の回転速度を変えることによって出力流量が制御可能であるので、定容量ポンプであることができる。或いは、モータ810、820、830、840は、単一速度モータであり、コネクタシャフト811、821、831、841を様々な回転速度で駆動するためにモータ810、820、830、840の出力をコネクタシャフト811、821、831、841と接続する調節可能なギヤ機構を含むことができる。
【0062】
図1gに示す更に別の実施形態によれば、液圧システムは、
図1aの第1実施形態と同様に、共通のシャフト801を駆動するように適合されている単一の原動機又はモータ800を含む。先と同様に、本実施形態の同一の部分には同一の符号が付されている。
図1aの実施形態とは対照的に、
図1gの実施形態は、共通駆動シャフト801と第1、第2及び第3ポンプ122、222、322との間にそれぞれ配置された可変比機構840、850、860を示している。可変比機構840は、第1ポンプ122の駆動シャフト841をモータ800の共通駆動シャフト801に接続する。第2可変比機構850は、第2ポンプ222の第2駆動シャフト851を共通シャフト801に接続する。第3可変比機構860は、第3ポンプ322の第3駆動シャフト861を共通シャフト801に連結する。可変比機構840、850及び860は、共通駆動シャフト801の回転速度を、第1、第2又は第3ポンプ122、222、322をそれぞれ駆動するのに望ましい第1、第2及び第3駆動シャフト841、851、861の回転速度に変換するように適合されている。したがって、可変比機構840、850、860は、ギヤ機構、ベルト機構又はチェーン機構などの任意の一般に利用可能な形態を有することができる。したがって、
図1fの実施形態と同様に、斜板ポンプのような可変容量ポンプを設ける必要がないので、ポンプ122、222、322は定容量ポンプとして示されている。言うまでもなく、第1及び第2ポンプとして可変容量ポンプを装備することもできる。
【0063】
第1及び第2アクチュエータ101、201の典型的なデューティサイクルを
図5に示す。詳細には、
図5は、180度ローディングプロセスを行う掘削機のデューティサイクルを示している。この例では、第1アクチュエータはブームアクチュエータであり、第2アクチュエータは掘削機のアーム/ディッパアクチュエータである。このチャートは、180度ローディングのデューティサイクル中の異なる時間における第1及び第2アクチュエータ101、201の流量要求を示している。実線は第1アクチュエータ101に供給される流量を示し、破線は第2アクチュエータ201に供給される流量を示す。当業者には、デューティサイクルの異なる時間に異なる流量が必要であることが分かるであろう。この特定の例では、第1アクチュエータに必要な流量(
図5の実線)は2つの明確なピークを示し、一方、大部分のデューティサイクルでは流量要求は比較的低い。ただ1つの明確なピークのみを含む非常に類似した性質が、第2アクチュエータについて示されている(
図6の破線)。
【0064】
詳細には、
図5のチャートは、180度ローディングのデューティサイクル中の任意の時点で第1及び第2アクチュエータ101、201によって必要とされる最大流量のパーセンテージを示す。100%の横線は、それぞれ第1及び第2ポンプ又は第3及び第2ポンプの流体流を組み合わせることによって第1又は第2アクチュエータそれぞれに供給可能な最大流量を指すことを理解されたい。したがって、100%は、上述した最小サイクル時間を達成するのに必要な最大流量に関係する。
【0065】
明らかに、第1及び第2アクチュエータ101、201は、
図5に示すデューティサイクルの大部分の間、最大流量の50%未満しか必要としない。前述したように、第1及び第3ポンプ102、302は、それらの最大出力流量が、第1アクチュエータを最小サイクル時間で駆動するのに必要な最大流量の25から75%、より好ましくは45から55%に等しいようにサイズ設定されることができる。一例として、第1及び第3ポンプ102、302の最大流体出力速度が、最小サイクル時間を得るのに十分な速度で第1及び第2アクチュエータ101、201を作動させるのに必要な最大流量の50%に等しい場合、第1又は第3ポンプ102、302のみを使用することによって
図5に示す50%の横線よりも低い流体流要求を提供することができる。
【0066】
特に第1アクチュエータのグラフ(実線)を参照すると、これは、
図5に示す時間間隔T1、T3、及びT5の間、第2ポンプ202からの追加の流体流を必要とせずに、第1アクチュエータにもっぱら第1ポンプ102からの流体流のみを供給できることを意味する。時間間隔T2及びT4の間のみ、すなわち、第1アクチュエータがより高速で動かされる(すなわち、より高い流量及びより短いサイクル時間が必要とされる)ときのみ、第2ポンプ202からの補助が必要である。言い換えれば、第1ポンプ102の流体流は、間隔T2及びT4の間のみ第2ポンプ202からの流体流によって補助される。当然のことながら、
図5に示すデューティサイクルは、典型的な180度ローディングサイクルのみを指し、したがって、他のデューティサイクルは、実質的により高いか又はより低い流量要求を有し得る。しかしながら、一般に、それぞれのアクチュエータにおける最大流量は、オペレータによってまれにしか要求されず、したがってデューティサイクルの大部分は、最大流量の25から75%に関する流量で行われることが分かっている。したがって、ピーク流の25から75%に関する最大出力流量を生じるように第1及び第3ポンプをサイズ設定すると、システムのエネルギー効率が著しく増加することが分かった。
【0067】
別の実施形態を
図2に示す。本実施形態の
図1aの実施形態の部分と同一の部分には、同一の符号が付されている。
図2の実施形態は、第4流体回路403を介して第4ポンプ402に接続されている追加の第3アクチュエータ301を示す。第3アクチュエータは、掘削機バケットの作動のための液圧シリンダのような更なるリニアアクチュエータとして示されている。第1アクチュエータ101と同様に、第3アクチュエータは、双方向の第4ポンプ402の別個のポートに接続される第1及び第2チャンバ304及び305を含む。当然のことながら、図示されている第4流体回路は、好ましくは自己充足的であり、すなわち、第4ポンプ402は、オペレータが必要とする任意の速度で第3アクチュエータ(例えば、掘削機バケット)を駆動するのに十分な大きさである。しかしながら、当業者であれば、第3回路303もまた、例えば第1制御弁701及び第2制御弁702と同様の第3制御弁を介して、第2補充ポンプ202に接続できることが分かるであろう。
【0068】
図2の実施形態は
図1aと同等のモータ800及びスプール弁701、702を示しているが、当然のことながら、
図1cから1gに示す代替的な弁装置及び原動機を
図2に示す液圧システムに利用することもできる。
【0069】
本発明の別の実施形態を
図3に示す。
図3は、主に
図2に示す実施形態に対応し、対応する部分には同一の符号が付されている。
【0070】
図3に示す液圧システムは、第4閉ループ回路503において第5可変容量ポンプ502に接続されている第4アクチュエータ401を更に含む。第4アクチュエータ401は、垂直軸の周りで掘削機を回転させるのに使用することができる旋回モータなどの回転アクチュエータであることができる。本実施形態の第5ポンプ502は、第1及び第2流体ライン510、511を介して第4アクチュエータ401の第1及び第2入口ポートに接続されている双方向可変容量ポンプである。
図3から分かるように、第4回路503は、第1から第4回路103、203、303及び403のいずれにも接続されていない。しかしながら、弁装置700を介して第4アクチュエータ401に接続可能な第2回路203の第2ポンプ202を設けることは一般に可能である。
【0071】
図4の実施形態に示すように、第1及び第3ポンプ102、302は、第5及び第6アクチュエータ501、601に更に接続可能である。より詳細には、第1ポンプ102は、第3及び第4流体ライン610、611を介して第5アクチュエータ501の入口ポートに接続されることができる。第1アクチュエータ101が使用中であるとき、第1ポンプ102と第5アクチュエータ501との接続を切換弁150によって遮断することができる。同様に、第1ポンプ102を使用して第5アクチュエータ501を駆動するとき、切換弁150を使用して第1ポンプ102と第1アクチュエータ101との接続を遮断することができる。第5アクチュエータ501は、掘削機の無限軌道の一方(すなわち、左側の無限軌道)の走行モータとして使用される回転アクチュエータであることができる。したがって、第1ポンプ102は、第1アクチュエータ101に加圧流体を供給するように構成されているだけでなく、連続して第5アクチュエータ501に供給して掘削機の左側無限軌道を駆動することもできる。
【0072】
第1ポンプ102が切換弁150(図示せず)を介して第5アクチュエータ501に接続されると、第1アクチュエータ101は第1ポンプ102から遮断される。しかしながら、第1ポンプ102を使用して第5アクチュエータ501を駆動するとき、第2ポンプ202によって第1アクチュエータ101を駆動することは依然として可能である。したがって、
図4のシステムを使用して、第1ポンプ102を用いて第5アクチュエータ501を駆動すると同時に、第1制御弁701を介して第1アクチュエータ101に接続されている第2ポンプ202を用いて線形の第1アクチュエータ101を作動させることができる。
【0073】
第3ポンプ302は、同様に、第3及び第4流体ライン910、911及び切換弁350を介して第6アクチュエータ601に接続可能である。したがって、第3ポンプ302を使用して、第2アクチュエータ201及び第6アクチュエータ601に加圧流体を順番に供給することができる。第6アクチュエータ601は、掘削機の残りの無限軌道(すなわち、右側の無限軌道)を駆動するための走行モータなどの回転アクチュエータとして構成されている。第1アクチュエータ101と同様に、第2アクチュエータ201に第2ポンプ202を接続することによって、第2アクチュエータ201を第6アクチュエータ601と同時に作動させることができる。
【0074】
その結果、第5及び第6アクチュエータ501、601によって掘削機をトラッキングする場合、
図4に示す第8実施形態の第1及び第2ポンプ102、302はトラッキング専用に使われる。第1及び第2アクチュエータ101、201をトラッキング中に使用する場合、それぞれの流体流は、もっぱら弁装置700の制御弁701、702を介して第2ポンプ202によって供給される。
【0075】
図1a、1b、1c、1d、1e、2、3及び4に示す実施形態では、第1、第2、第3、第4及び第5ポンプ102、202、302、402、502は、ポンプ102、202、302、402、502の各々を燃焼機関又は電気モータのような単一の原動機又は駆動モータ800に接続する共通駆動シャフト801によって駆動される。駆動モータ800はまた、共通駆動シャフト801を介してチャージポンプ902に接続されている。
図1f及び1gに関連して前述したように、本発明はこの特定の駆動装置に限定されない。例えば、
図1fに示すように、任意の原動機を使用してポンプを駆動することができ、複数の駆動シャフトを介して複数の原動機にポンプを接続することができる。或いは、
図1gに示すように可変比機構を介して共通駆動シャフトにポンプを接続することができる。
【0076】
チャージポンプ902は、加圧流体を液圧リザーバ901から流体回路に供給することによって、液圧システムのシステム圧力を維持するように構成されている。このために、流体回路の各々は、チャージポンプ902がわずかに上昇した圧力を維持することを可能にする逆止弁を有するアンチキャビテーション装置130、230、330、430、530を含む。アンチキャビテーションシステム130、230、330、430、530の各々は、それぞれの流体回路の動作中に高圧の損傷を避けるための圧力リリーフ弁を更に含む。
【0077】
本発明は、添付の図に示す実施形態を参照して説明された特定の実施形態に限定されない。特に、第1、第2、第3、第4及び第5ポンプ102、202、302、402、502は、定容量又は可変容量の、一方向又は双方向及び/又は可逆/非可逆ポンプであることができる。同様に、第1、第2、第3、第4、第5及び第6アクチュエータ101、201、301、401、501、601は、示された特定の用途に限定されず、建設機械のそれぞれの部分を動かすのに適した任意のタイプのアクチュエータであることができる。
【0078】
以下の条項は、前述した液圧システム及び建設機械の例について言及している。
【0079】
1. 液圧システムであって、
第1アクチュエータと、
第1回路を介して前記第1アクチュエータに流体接続されているか又は流体接続可能であり且つ前記第1アクチュエータを駆動するように適合されている第1ポンプと、
第1制御弁を介して前記第1アクチュエータに接続可能な第2ポンプと、
第2アクチュエータと、
第2回路を介して前記第2アクチュエータに流体接続されているか又は流体接続可能であり且つ前記第2アクチュエータを駆動するように適合されている第3ポンプと
を含み、
前記第2ポンプは第2制御弁を介して前記第2アクチュエータに接続可能であり、
前記第2ポンプは前記第1及び第2アクチュエータに選択的に且つ同時に接続可能である、液圧システム。
【0080】
2. 前記第1回路は閉ループ回路である、条項1に記載の液圧システム。
【0081】
3. 前記第2回路は閉ループ回路である、条項1又は2に記載の液圧システム。
【0082】
4. 前記第1ポンプは可変容量ポンプであり且つ/又は前記第2ポンプは可変容量ポンプである、条項1から3のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0083】
5. 前記第1ポンプは前記第1アクチュエータに直接的に接続されているか又は接続可能であり、
前記第1制御弁は前記第1アクチュエータに供給される前記第2ポンプからの流体流を可変に制限するように適合されている比例制御弁を含む、条項1から4のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0084】
6. 前記第1比例制御弁は方向比例スプール弁、好ましくは4/3スプール弁である、条項5に記載の液圧システム。
【0085】
7. 前記第1比例制御弁は独立計量弁である、条項5に記載の液圧システム。
【0086】
8. 前記独立計量弁は、第1流体ラインを介して前記第1アクチュエータの第1チャンバに接続され、且つ第2流体ラインを介して前記第1アクチュエータの第2チャンバに接続され、
前記第1流体ラインに第1圧力センサが設けられ、前記第2流体ラインに第2圧力センサが設けられている、条項7に記載の液圧システム。
【0087】
8. 前記第3ポンプは前記第2アクチュエータに直接的に接続されているか又は接続可能であり、
前記第2制御弁は前記第2アクチュエータに供給される前記第2ポンプからの流体流を可変に制御するように適合されている比例制御弁を含む、条項1から7のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0088】
9. 前記第2比例制御弁は方向比例スプール弁、好ましくは4/3スプール弁である、条項8に記載の液圧システム。
【0089】
10. 前記第1ポンプは双方向可変容量ポンプとして構成され、前記第2ポンプは一方向ポンプとして構成され、前記第1制御弁は方向制御弁である、条項1から9のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0090】
11. 前記第1ポンプは、前記第1アクチュエータの第1チャンバに接続されているか又は選択的に接続可能な第1ポートと、前記第1アクチュエータの第2チャンバに接続されているか又は選択的に接続可能な第2ポートとを含む、条項10に記載の液圧システム。
【0091】
12. 前記第2ポンプは、前記第1制御弁を介して前記第1アクチュエータの第1又は第2チャンバに選択的に接続可能な第1ポートを含み、前記第3ポンプの第2ポートが、前記第1制御弁を介して前記第1アクチュエータの第1又は第2チャンバに選択的に接続可能である、条項11に記載の液圧システム。
【0092】
13. 前記第3ポンプは双方向可変容量ポンプとして構成され、前記第2ポンプは一方向ポンプとして構成され、前記第2制御弁は方向制御弁である、条項1から12のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0093】
14. 前記第3ポンプは、前記第2アクチュエータの第1チャンバに接続されているか又は選択的に接続可能な第1ポートと、前記第2アクチュエータの第2チャンバに接続されているか又は選択的に接続可能な第2ポートとを含む、条項13に記載の液圧システム。
【0094】
15. 前記第2ポンプの第1ポートが、前記第2制御弁を介して前記第2アクチュエータの第1又は第2チャンバに選択的に接続可能であり、前記第3ポンプの第2ポートが、前記第2制御弁を介して前記第2アクチュエータの第1又は第2チャンバに選択的に接続可能である、条項14に記載の液圧システム。
【0095】
16. 前記第2ポンプは、前記液圧システムを上昇した流体圧力に維持するチャージポンプとして機能するように構成されている、条項13から15のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0096】
17. 前記第2回路は開回路である、条項16に記載の液圧システム。
【0097】
18. 前記第2ポンプは、前記第1制御弁を介して前記第1アクチュエータの第1又は第2チャンバに選択的に接続可能な第1ポートと、作動液リザーバに接続されている第2ポートとを含む、条項17に記載の液圧システム。
【0098】
19. 前記第2ポンプの第1ポートは、バイパス弁、好ましくは可変圧力リリーフ弁を介して前記作動液リザーバに接続されている、条項18に記載の液圧システム。
【0099】
20. 前記第1、第2及び第3ポンプは、共通の駆動シャフトを介して単一の駆動モータに接続されている、条項1から19のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0100】
21. 前記第1ポンプは、前記第1ポンプの最大出力流量が前記第1アクチュエータを所定の最小サイクル時間で駆動するのに必要な最大流量の25%から75%、好ましくは40%から60%、より好ましくは45%から55%に等しいようにサイズ設定されている、条項1から20のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0101】
22. 前記液圧システムは、前記第1制御弁に接続されているコントローラであって、前記第1ポンプの最大流体出力流量が前記第1アクチュエータの最小サイクル時間を得るのに必要な速度で前記第1アクチュエータを動かすのに十分でない場合に前記第1制御弁を制御して前記第1アクチュエータに前記第2ポンプを選択的に接続するように適合されているコントローラを含む、条項21に記載の液圧システム。
【0102】
23. 前記第1制御弁は比例制御弁である、条項21又は22に記載の液圧システム。
【0103】
24. 前記比例制御弁は方向スプール弁である、条項23に記載の液圧システム。
【0104】
25. 前記第3ポンプは、前記第3ポンプの最大出力流量が前記第2アクチュエータを所定の最小サイクル時間で駆動するのに必要な最大流量の25%から75%、好ましくは40%から60%、より好ましくは45%から55%に等しいようにサイズ設定されている、条項21から24のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0105】
26. 前記液圧システムは、前記第2制御弁に接続されているコントローラであって、前記第3ポンプの最大流体出力流量が前記第2アクチュエータの最小サイクル時間を得るのに必要な速度で前記第2アクチュエータを動かすのに十分でない場合に前記第2制御弁を制御して前記第2アクチュエータに前記第2ポンプを選択的に接続するように適合されているコントローラを含む、条項25に記載の液圧システム。
【0106】
27. 前記第1ポンプは、前記第2ポンプの最大出力流量の50%から150%、好ましくは75%から125%、より好ましくは95%から105%である最大出力流量を示すようにサイズ設定されている、条項1から26のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0107】
28. 前記第3ポンプは、前記第2ポンプの最大出力流量の50%から150%、好ましくは75%から125%、より好ましくは95%から105%である最大出力流量を示すようにサイズ設定されている、条項1から27のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0108】
29. 前記第1アクチュエータはリニアアクチュエータである、条項1から28のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0109】
30. 前記第1アクチュエータは、掘削機ブームの移動のための液圧シリンダである、条項29に記載の液圧システム。
【0110】
31. 前記第2アクチュエータはリニアアクチュエータである、条項1から30のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0111】
32. 前記第2アクチュエータは、掘削機アームの移動のための液圧シリンダである、条項31に記載の液圧システム。
【0112】
33. 前記システムは、第3回路を介して第4ポンプに接続されているか又は接続可能な第3アクチュエータを更に含み、前記第3アクチュエータはリニアアクチュエータである、条項1から32のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0113】
34. 前記第3アクチュエータは、掘削機バケットの移動のための液圧シリンダである、条項33に記載の液圧システム。
【0114】
35. 第4アクチュエータと、第4回路を介して前記第4アクチュエータに接続可能であり且つ前記第4アクチュエータを駆動するように適合されている第5ポンプとを更に含む、条項1から34のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0115】
36. 前記第4アクチュエータは回転アクチュエータである、条項35に記載の液圧システム。
【0116】
37. 前記第4アクチュエータは、建設機械の一部を回転させるための液圧モータである、条項35又は36に記載の液圧システム。
【0117】
38. 前記システムは第5アクチュエータを更に含み、前記第1ポンプは前記第5アクチュエータに選択的に接続可能である、条項1から37のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0118】
39. 前記システムは第6アクチュエータを更に含み、前記第3ポンプは前記第6アクチュエータに選択的に接続可能である、条項1から38のいずれか一項に記載の液圧システム。
【0119】
40. 条項1から39のいずれか一項に記載の液圧システムを含む建設機械。