(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 21/00 20060101AFI20220502BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20220502BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220502BHJP
F21V 21/03 20060101ALI20220502BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220502BHJP
【FI】
F21V21/00 100
F21V19/00 230
F21V23/00 120
F21V21/03
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2018028614
(22)【出願日】2018-02-21
【審査請求日】2021-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋口 暁紀
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-079642(JP,A)
【文献】特開2017-195035(JP,A)
【文献】特開2016-004720(JP,A)
【文献】特開2013-243361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 21/00
F21V 19/00
F21V 23/00
F21V 21/03
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を有する光源ユニットと、
前記光源に電源を供給する電源ユニットと、
前記光源ユニット及び前記電源ユニットを保持するアームと、を備え、
前記アームは、
被取付部に取り付けられる取付部と、
前記取付部に接続され、前記取付部から前記光源側に延びる腕部と、を有し、
前記腕部は、
前記取付部側を基端として先端側に設けられ、前記光源ユニットを保持する光源保持部と、
前記取付部と前記光源保持部との間に設けられ、前記電源ユニットの側面を保持する電源保持部と、を有
し、
前記電源保持部には、
前記電源ユニットの底面を保持する切起こし片が形成されており、
前記電源ユニットの底面には、スリットが形成されており、
前記切起こし片が前記スリットに挿入されることにより、前記電源保持部が前記電源ユニットを保持する
照明器具。
【請求項2】
前記アームは、U字状をなしており、
前記腕部は、前記取付部の両端から延びる一対の部材であり、
一対の前記腕部のそれぞれの前記電源保持部は、前記電源ユニットの両側面を挟持している
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記電源保持部には、
前記電源ユニットの側面を固定する電源取付ネジが挿入される締結穴、が形成されている
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
光源を有する光源ユニットと、
前記光源に電源を供給する電源ユニットと、
前記光源ユニット及び前記電源ユニットを保持するアームと、を備え、
前記アームは、
被取付部に取り付けられる取付部と、
前記取付部に接続され、前記取付部から前記光源側に延びる腕部と、を有し、
前記腕部は、
前記取付部側を基端として先端側に設けられ、前記光源ユニットを保持する光源保持部と、
前記取付部と前記光源保持部との間に設けられ、前記電源ユニットの側面を保持する電源保持部と、を有し、
前記光源保持部は、
前記光源ユニットを回転自在に保持するものであり、
前記光源ユニットの回転の支点となる支点部と、
前記支点部の水平方向の位置から下方に向けて延び、前記光源ユニットの回転をガイドするガイド部と、を有
し、
前記電源ユニットは、
電源端子台を有する内部部品と、
前記内部部品を収納し、前記電源端子台に接続される電線が挿入される開口が形成されたケースと、を有し、
前記ケースには、前記開口を覆う遮蔽部が設けられており、
前記遮蔽部と前記支点部との間の距離は、前記遮蔽部と前記ガイド部との間の距離より短い
照明器具。
【請求項5】
前記光源ユニットは、
前記光源から発生する熱を放散するベース板と、
前記ベース板に取り付けられ、前記光源を有する光源モジュールと、
前記光源モジュールの照射側に設けられるレンズと、
前記ベース板に取り付けられ、前記ベース板と共に前記光源モジュール及び前記レンズを保持するカバーと、を有する
請求項1~
4のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記カバーは、樹脂で形成されている
請求項
5記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニット及び電源ユニットを保持するアームを備える照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井又は梁等に取り付けられる照明器具が知られている。また、高天井から吊り下げられる照明器具が知られている。これらの照明器具として、光源ユニット及び電源ユニットを保持するアームを備える照明器具が提案されている。特許文献1には、電源基板が収納された電源ユニットの両側面と、LEDが載置された光源ユニットの両側面とが、U字状のアームによって固定される照明器具が開示されている。特許文献1は、電源ユニットと光源ユニットとが、同じ箇所でアームにネジ止めされている。特許文献2には、光源ユニットがアームに保持され、アームと天井とで電源ユニットを挟んで保持する照明器具が開示されている。アームの腕部には、天井に取り付けられる固定部と、電源ユニットの底面を支持して熱的に接続する支持部とを有しており、腕部の先端において光源ユニットが支持される。電源ユニットは、上面が天井に接触しており、天井に熱的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-191754号公報
【文献】特開2017-195035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された照明器具は、光源ユニットが取り付けられるアームの端部に片側1箇所ずつ設けられたアーム取付部に荷重が集中する。これを回避するために、アーム取付部を片側2箇所に増やすと、アーム取付部に形成された角度調整用の長穴の機能が失われ、光源ユニットを角度調整することができない。また、特許文献2に開示された照明器具は、天井とアームの支持部とで電源ユニットを挟み込んでいるため、天井のうち、電源ユニットの上面が接触している箇所が変色するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、天井等の被取付部が変色することを抑制しつつ、簡便にアームの剛性を確保する照明器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、光源を有する光源ユニットと、光源に電源を供給する電源ユニットと、光源ユニット及び電源ユニットを保持するアームと、を備え、アームは、被取付部に取り付けられる取付部と、取付部に接続され、取付部から光源側に延びる腕部と、を有し、腕部は、取付部側を基端として先端側に設けられ、光源ユニットを保持する光源保持部と、取付部と光源保持部との間に設けられ、電源ユニットの側面を保持する電源保持部と、を有し、電源保持部には、電源ユニットの底面を保持する切起こし片が形成されており、電源ユニットの底面には、スリットが形成されており、切起こし片がスリットに挿入されることにより、電源保持部が電源ユニットを保持する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、アームの電源保持部が電源ユニットの側面を保持しているため、電源ユニットを天井等の被取付部とアームとで挟み込む必要がない。このため、被取付部が変色することを抑制することができる。また、光源ユニットと電源ユニットとは、アームの別々の位置である光源保持部及び電源保持部において、それぞれ保持されている。このため、アームの特定の1箇所に荷重が集中しない。従って、簡便にアームの剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る照明器具1を示す組立斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る照明器具1を示す組立斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る照明器具1を示す上面図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る照明器具1を示す一方向からの側面図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る照明器具1を示す他方向からの側面図である。
【
図6】本発明の実施の形態1において光源ユニット40がアーム11から取り外された状態を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施の形態1において光源ユニット40及び電源ユニット20がアーム11から取り外された状態を示す斜視図である。
【
図8】本発明の実施の形態1に係るアーム11を示す斜視図である。
【
図9】本発明の実施の形態1に係る電源ユニット20の分解斜視図である。
【
図10】本発明の実施の形態1に係る照明器具1を示す分解斜視図である。
【
図11】本発明の実施の形態1に係るフィンユニット30aを示す斜視図である。
【
図12】本発明の実施の形態1に係るフィン31を示す斜視図である。
【
図13】本発明の実施の形態1に係るフィンユニット30aの配置場所を示す上面図である。
【
図14】本発明の実施の形態1に係る光源ユニット40を示す分解斜視図である。
【
図15】本発明の実施の形態1に係る照明装置1aを示す斜視図である。
【
図16】本発明の実施の形態2に係るアーム111を示す斜視図である。
【
図17】本発明の実施の形態3において光源ユニット40がアーム11から取り外された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、本発明に係る照明器具の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明器具1を示す組立斜視図であり、
図2は、本発明の実施の形態1に係る照明器具1を示す組立斜視図である。
図2は、
図1とは異なる角度からみたときの組立斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る照明器具1を示す上面図である。
図4は、本発明の実施の形態1に係る照明器具1を示す一方向からの側面図であり、
図5は、本発明の実施の形態1に係る照明器具1を示す他方向からの側面図である。
図1~
図5に示すように、照明器具1は、光源ユニット40と、アームユニット10とを備えている。アームユニット10は、天井又は梁等の被取付部に取り付けられるアーム11と、光源42に電源を供給する電源ユニット20とを有している。
【0010】
図6は、本発明の実施の形態1において光源ユニット40がアーム11から取り外された状態を示す斜視図であり、
図7は、本発明の実施の形態1において光源ユニット40及び電源ユニット20がアーム11から取り外された状態を示す斜視図である。
図6に示すように、光源ユニット40の側面は、アーム11の光源保持部11dに保持されている。
図7に示すように、電源ユニット20の側面は、アーム11の電源保持部11cに保持されている。
【0011】
(アーム11)
図8は、本発明の実施の形態1に係るアーム11を示す斜視図である。
図8に示すように、アーム11は、例えば板金を折り曲げてU字状に形成された部材であり、材質としては亜鉛メッキ鋼板又はステンレス等である。アーム11は、被取付部に取り付けられる取付部11aと、取付部11aに接続され、取付部11aの両端部から光源42側に延びる一対の部材である腕部11bとを有している。取付部11aと腕部11bとは一体的に形成されている。取付部11aは、一方向に延びる板状の部材であり、両端部に被取付部にネジ止めするためのアーム取付穴11eが形成されている。また、少なくとも一方のアーム取付穴11eには、電線26が挿入される通線穴11jが併設されている。通線穴11jに電線26が挿入されることにより、電線26が照明器具1の落下防止の機能を果たす。また、通線穴11jが電線26の張力止めとして機能する。
【0012】
腕部11bは、取付部11a側を基端として先端側に設けられる光源保持部11dと、取付部11aと光源保持部11dとの間に設けられる電源保持部11cとを有している。光源保持部11dは、光源ユニット40を回転自在に保持するものであり、支点部11hと、ガイド部11iとを有している。支点部11hは、光源ユニット40の回転の支点となるものであり、例えば丸穴である。ガイド部11iは、支点部11hの水平方向の位置から下方に向けて延び、光源ユニット40の回転をガイドするものであり、円弧状の長穴である。即ち、支点部11hとガイド部11iの上端とは、水平方向において同じ位置にある。支点部11h及びガイド部11iに、それぞれ角度調整ボルト13(
図7参照)が挿入されて、光源ユニット40の本体フレーム33に螺合される。
【0013】
照明器具1が被取付部に対し直角に取り付けられる場合、ガイド部11iの上端に角度調整ボルト13が挿入された状態で螺合される。支点部11hとガイド部11iの上端とは、水平方向において同じ位置にあるため、照明器具1は被取付部に対し直角の位置に保持される。なお、角度調整ボルト13は、ガイド部11iの上端に位置するため、仮に角度調整ボルト13が緩んでも、角度調整ボルト13の位置は変わらない。このため、アーム11は、光源ユニット40を水平に保つことができる。
【0014】
照明器具1が被取付部に対し傾斜して取り付けられる場合、取り付け前に角度調整ボルト13が緩められ、アーム11の角度が調整された後、角度調整ボルト13が確実に固定される。この場合、ガイド部11iの上端よりも下方に角度調整ボルト13が挿入された状態で螺合される。これにより、照明器具1は回転し、照明器具1が被取付部に対し傾斜した状態で螺合される。光源保持部11dは、互いに水平方向に位置する支点部11hとガイド部11iとから構成されているため、光源ユニット40が、腕部11bの短手方向である水平方向に分散して保持される。このため、荷重を分散させることができる。従って、角度調整ボルト13が垂直方向に並列に配置されている場合に比べて、光源ユニット40の水平方向の耐振動性を向上させることができる。
【0015】
電源保持部11cは、腕部11bの中間の位置に設けられ、電源ユニット20の両側面を挟持するものである。電源保持部11cには、電源ユニット20の底面を保持する切起こし片11gと、電源ユニット20の側面を固定する電源取付ネジ12が挿入される締結穴11fとが形成されている。
【0016】
(電源ユニット20)
図9は、本発明の実施の形態1に係る電源ユニット20の分解斜視図である。
図9に示すように、電源ユニット20は、外部から供給される商用電源の電力を直流電力に変換し、光源モジュール41に供給する。電源ユニット20は、電源基板及び電源端子台24を有する内部部品と、内部部品を収納するケース21とを有している。内部部品の電源基板(図示せず)は、光源モジュール41に電源を供給する。内部部品の電源端子台24は、商用電源からの電線26が接続される端子である。
【0017】
ケース21は、板金を折り曲げて形成された箱状の部材であり、材質としてはアルミニウム等である。これにより、軽量化を図ることができる。ケース21は、底面側のケースボトム23と、上面側のケーストップ22とを有しており、ケースボトム23にケーストップ22が重ねられて、ケース21が構成されている。ケースボトム23及びケーストップ22は、それぞれの側面において、電源取付ネジ12によってアーム11に共締めされる。これにより、ケースボトム23とケーストップ22とを固定するためのネジを削減し、ケース21の剛性を確保することができる。
【0018】
ケースボトム23内には、電源基板及び電源端子台24等が載置されている。ケースボトム23の底面には、スリット21cが形成されており、電源保持部11cの切起こし片11gが挿入される(
図7参照)。これにより、電源保持部11cが電源ユニット20を保持する。このように、切起こし片11gがスリット21cに挿入されて引っ掛けられて電源ユニット20が保持されるため、組立に必要なネジを削減することができる。ケーストップ22の一側面には、一部が切り起こされて開口21bが形成されている。切り起こされた部分は、開口21bを覆うひさしの機能を有する遮蔽部21aとなる。開口21bからは、電源端子台24が露出しており、開口21bに電線26が挿入される。遮蔽部21aは、開口21bの上面側を覆うことによって、電源端子台24に塵埃等が付着することを抑制している。
【0019】
ここで、電源ユニット20とアーム11の光源保持部11dとの位置関係について説明する。光源保持部11dにおいて、遮蔽部21aと支点部11hとの間の距離は、遮蔽部21aとガイド部11iとの間の距離より短い。即ち、ガイド部11iは、遮蔽部21aが形成された電源ユニット20の一側面側とは反対側の他側面側に形成されている。これにより、光源ユニット40の角度が調整された場合、遮蔽部21aが床側を向く。従って、開口21bから電源端子台24に上面側から舞い降りる塵埃等が侵入することを抑制することができる。
【0020】
次に、電源ユニット20の側面がアーム11に取り付けられる手順について説明する。先ず、アーム11の内側且つ取付部11a側に電源ユニット20が配置される。次に、アーム11の切起こし片11gが電源ユニット20のスリット21cに引っ掛けられて嵌め込まれる。そして、電源取付ネジ12によってアーム11と電源ユニット20の側面とが共締めされる。このように、アーム11に電源ユニット20を取り付けてアームユニット10を構成することにより、略箱体の電源ユニット20がアーム11の補強材の機能を担う。従って、アームユニット10の剛性及び強度を向上させることができる。
【0021】
図10は、本発明の実施の形態1に係る照明器具1を示す分解斜視図である。
図10に示すように、光源ユニット40は、ヒートシンク30と、本体フレーム33と、光源モジュール41と、レンズモジュール50と、カバー60と、落下防止部70とを有している。本体フレーム33は、一対の板材であり、アーム11の光源保持部11dに取り付けられる。本体フレーム33は、亜鉛メッキ鋼板又はステンレス等の強度を有する板材であり、一端部が折り曲げられてフランジ33bとなっている。フランジ33bは、ヒートシンク30のベース板32に取り付けられており、折り曲げられた部分には、本体フレーム33の強度を補助する補強リブ33aが設けられている。
【0022】
(ヒートシンク30)
ヒートシンク30は、光源モジュール41が一面に取り付けられるベース板32と、ベース板32の他側面に取り付けられ光源モジュール41から発生する熱を放散するフィンユニット30aとを備えている。ベース板32は、板金の両端部を折り曲げてU字状に形成されており、材質としてはアルミニウム等である。ベース板32の折り曲げられていない2辺に、本体フレーム33のフランジ33bが取り付けられる。ベース板32の四隅には、ベース取付穴32cが形成されている。ベース板32は、矩形状をなしており、本実施の形態1では正方形状をなしているが、長方形状としてもよい。ベース板32は、フィンユニット30aよりも熱源である光源モジュール41に近いため、厚い板材で形成されている。
【0023】
図11は、本発明の実施の形態1に係るフィンユニット30aを示す斜視図である。
図11に示すように、フィンユニット30aは、ベース板32上に放射状に配置される複数のフィン31を有している。フィンユニット30aとベース板32とは、カシメ又は溶接等によって接合される。
【0024】
図12は、本発明の実施の形態1に係るフィン31を示す斜視図である。
図12に示すように、フィン31は、板金を折り曲げてU字状に形成されており、材質としてはアルミニウム等である。フィン31は、U字状の底面であるフィン底面31aと、U字状の側面であるフィン側面31bとを有している。フィン底面31aは、ベース板32に取り付けられており、放射方向の中心から外側に向かって広がる等脚台形状をなしている。フィン側面31bは、フィン底面31aの両端に接続され、ベース板32から起立する。フィン底面31aが等脚台形状をなしているため、複数のフィン31が放射状に配置されたとき、フィン側面31b同士の距離は、放射方向の中心側が広く、ベース板32の外側が狭くなる。
【0025】
フィン側面31bの放射方向の外側上部は、R形状をなしたR部31cとなっている。これにより、ヒートシンク30は、形状が変更されることなく、略円錐状の照明カバー80又は略四角錐状の照明カバー80に収納される。また、ヒートシンク30の上部に埃避けの板金が設けられる場合、板金の面積をベース板32の面積よりも小さくすることができる。フィン31には、ベース板32に沿って連通するフィン開口31dが形成されている。フィン開口31dは、フィン側面31bのほぼ中央に形成されている。これにより、水平方向の空気の流れが促進され、放熱性を向上させることができる。伝熱シミュレーションによれば、フィン開口31dを設けることにより、フィン開口31dを設けない場合に比べて放熱が促進されて、フィン開口31dの雰囲気温度が約1℃低下する。
【0026】
フィン31は、放射方向の外側且つベース板32側が切り欠き31eとなっている。伝熱シミュレーションによれば、フィン31の放射方向の外側且つベース板32側の一部が切り欠かれても、放熱性能の低下は小さい。また、切り欠き31eによって、フィン31を軽量化することができる。更に、フィン底面31aの面積が小さくなることにより、フィンユニット30aとベース面との接合面積が小さくなり、カシメ箇所の数又は溶接長さ等が減ることに加え、フィンユニット30aとベース面とを機械的及び熱的に強固に接合することができる。
【0027】
図13は、本発明の実施の形態1に係るフィンユニット30aの配置場所を示す上面図である。
図13に示すように、フィン31は、ベース板32の中心から離れた位置から外側に向けて配置されている。伝熱シミュレーションによれば、ベース板32の中央寄りにフィン31が配置されても、放熱効果はそこまで促進されない。即ち、ベース板32の中央に空間が形成されても、放熱性能の低下はわずかである。このように、ベース板32の中央に空間が形成されることにより、放熱性能がほぼ低下することなく、ヒートシンク30の部材を削減し、照明器具1を軽量化することができる。また、フィン31は、ベース板32の対角線に近づくほど、ベース板32の中心から離れた位置から外側に向けて配置されている。これにより、正方形状のベース板32上に同形状のフィン31を満遍なく配置することができる。従って、放熱性の偏りを抑制することができる。
【0028】
以上説明したように、フィン31は、U字状に形成されているため、ベース板32上に自立する。このため、フィン31が倒れないように支持する部材が不要である。従って、フィン31をベース板32上に配置して接合するための治具を簡素化することができる。また、フィン31は、ベース板32の中心側において、隣接するフィン側面31bの間隔が狭い。これにより、フィン側面31bが放射状に配置される。このように、フィン側面31bが放射状に配置されることにより、水平方向の空気の流れがいずれの方向からであっても、空気の流れを妨げる方向のフィン側面31bの面積が小さくなる。従って、放熱性を向上させることができる。伝熱シミュレーションによれば、フィン側面31bが放射状に配置される場合、フィン側面31bが同方向に並べられる場合に比べて、放熱が促進され、フィン側面31bの雰囲気温度が約2℃低下する。
【0029】
図14は、本発明の実施の形態1に係る光源ユニット40を示す分解斜視図である。
図14に示すように、光源モジュール41は、ベース板32に取り付けられる正方形状の光源基板43と、光源基板43に複数配置された例えばLEDからなる光源42とを有している(
図10参照)。光源基板43には、レンズモジュール50と位置合わせされるための光源ボス穴41bが4箇所形成されている。レンズモジュール50は、光源モジュール41の照射側に設けられる正方形状のレンズ基板52と、レンズ基板52に複数配置されたレンズ51とを有しており、1つの光源42に1つのレンズ51が対応して設けられている。光源モジュール41の光源42が配置された側にレンズモジュール50が配置される場合、光源42とレンズ51との位置を合わせる必要がある。レンズモジュール50のレンズ基板52の各辺にそれぞれ2箇所ずつ、合計で8箇所に、切り欠かれたリブ受け50aが形成されている。また、レンズ基板52には、光源モジュール41と位置合わせされるためのレンズボス穴50bが4箇所形成されている。
【0030】
カバー60は、ベース板32に取り付けられ、ベース板32と共に光源モジュール41及びレンズモジュール50を保持する正方形状の板材である。カバー60は、例えばポリカーボネート等の樹脂からなり、これにより、カバー60を軽量化することができる。カバー60は、照明器具1において、アーム11から最も遠い位置にあるため、カバー60が軽量化されることにより、照明器具1の回転モーメントが減少し、照明器具1の対振動性が向上する。また、カバー60がガラスである場合、割れて破片となって落下するおそれがあるが、本実施の形態1ではカバー60は樹脂であるため、カバー60が割れても、破片が生じ難い。カバー60には、枠状のカバーパッキン62が設けられており、カバーパッキン62は、光源モジュール41及びレンズモジュール50の外形と同形状をなしている。カバーパッキン62は、光源ユニット40が組み立てられる際に潰れて、光源モジュール41とレンズモジュール50とヒートシンク30のベース板32とが密着する。
【0031】
カバー60のカバーパッキン62の内側の4辺には、それぞれ2箇所ずつ、合計で8箇所にカバーリブ60aが形成されている。カバーリブ60aは、レンズモジュール50のリブ受け50aに嵌合する。カバー60のカバーパッキン62の内側には、カバーボス60bが4個設けられている。カバーボス60bは、光源モジュール41の光源ボス穴41b及びレンズモジュール50のレンズボス穴50bに嵌合する。このように、カバーリブ60aがリブ受け50aに嵌合し、カバーボス60bが光源ボス穴41b及びレンズボス穴50bに嵌合することにより、光源モジュール41及びレンズモジュール50が位置合わせされる。
【0032】
カバー60の4隅には、カバー取付穴60cが形成されている。カバー取付ネジ61がカバー取付穴60c及びベース板32のベース取付穴32cに挿入されて締結されると、カバーパッキン62が潰れて、光源モジュール41とレンズモジュール50とヒートシンク30のベース板32とが密着する。これにより、光源モジュール41の反りを吸収し、レンズ51が光源42から浮いて離れることを抑制することができる。
【0033】
落下防止部70は、
図1に示すように、被取付部に取り付けられる落下防止金具70aと、落下防止金具70aと本体フレーム33とを接続するワイヤ71と、ワイヤ71と本体フレーム33とを締結する留めネジ72とを有している。落下防止部70は、仮に光源ユニット40がアーム11から外れても、光源ユニット40が落下することを抑制する。
【0034】
次に、照明器具1が組み立てられる手順について説明する。先ず、フィンユニット30aがベース板32に接合されて、ヒートシンク30が製造される。次に、カバー60に光源モジュール41、レンズモジュール50及びヒートシンク30が載置されて、光源ユニット40が組み立てられる。また、アーム11に電源ユニット20及び本体フレーム33を取り付けて、アームユニット10が組み立てられる。次に、アームユニット10が上下逆にされて、アームユニット10上に光源ユニット40が載置され、カバー取付ネジ61によって、カバー60、ベース板32及び本体フレーム33が共締めされる。そして、電線26が光源モジュール41に取り付けられる。最後に、落下防止金具70aから延びるワイヤ71と本体フレーム33とが留めネジ72によって締結される。
【0035】
図15は、本発明の実施の形態1に係る照明装置1aを示す斜視図である。前述の如く、本実施の形態1の照明器具1において、フィン側面31bの放射方向の外側上部は、R形状をなしたR部31cとなっている。これにより、
図15に示すように、ヒートシンク30は、形状が変更されることなく、略円錐状の照明カバー80又は略四角錐状の照明カバー80に収納される。
【0036】
本実施の形態1によれば、アーム11の電源保持部11cが電源ユニット20の側面を保持しているため、電源ユニット20を天井等の被取付部とアーム11とで挟み込む必要がない。このため、被取付部が変色することを抑制することができる。また、光源ユニット40と電源ユニット20とは、アーム11の別々の位置である光源保持部11d及び電源保持部11cにおいて、それぞれ保持されている。このため、アーム11の特定の1箇所に荷重が集中しない。従って、簡便にアーム11の剛性を確保することができる。
【0037】
また、本実施の形態1によれば、複数のフィン31がベース板32上に放射状に配置されているため、水平方向の空気の流れがいずれの方向からであっても、空気の流れを妨げる方向のフィン31の面積が小さくなる。従って、放熱性を向上させることができる。
【0038】
実施の形態2.
図16は、本発明の実施の形態2に係るアーム111を示す斜視図である。本実施の形態2は、照明器具100のアーム111が一対の片側アーム11-1、11-2からなる点で、実施の形態1と相違する。実施の形態1では、取付部11aが一対の腕部11bを連結し、被取付部に取り付けられるが、本実施の形態2では、片側アーム11-1、11-2のそれぞれの取付部11aが被取付部に取り付けられる。このように、アーム111が、一対の片側アーム11-1、11-2から構成されていても、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0039】
実施の形態3.
図17は、本発明の実施の形態3において光源ユニット40がアーム11から取り外された状態を示す斜視図である。本実施の形態3は、照明器具200の電源ユニット220において、遮蔽部21aが開口21bの上部及び側部を覆う端子台カバー25である点で、実施の形態1と相違する。この場合、遮蔽部21aは、電源ユニット220のケース21の上面側にネジで固定される。このように、遮蔽部21aが端子台カバー25から構成されていても、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0040】
1 照明器具、1a 照明装置、10 アームユニット、11 アーム、11-1、11-2 片側アーム、11a 取付部、11b 腕部、11c 電源保持部、11d 光源保持部、11e アーム取付穴、11j 通線穴、11f 締結穴、11g 切起こし片、11h 支点部、11i ガイド部、12 電源取付ネジ、13 角度調整ボルト、20 電源ユニット、21 ケース、21a 遮蔽部、21b 開口、21c スリット、22 ケーストップ、23 ケースボトム、24 電源端子台、25 端子台カバー、26 電線、30 ヒートシンク、30a フィンユニット、31 フィン、31a フィン底面、31b フィン側面、31c R部、31d フィン開口、31e 切り欠き、32 ベース板、32c ベース取付穴、33 本体フレーム、33a 補強リブ、33b フランジ、40 光源ユニット、41 光源モジュール、41b 光源ボス穴、42 光源、43 光源基板、50 レンズモジュール、50a リブ受け、50b レンズボス穴、51 レンズ、52 レンズ基板、60 カバー、60a カバーリブ、60b カバーボス、60c カバー取付穴、61 カバー取付ネジ、62 カバーパッキン、70 落下防止部、70a 落下防止金具、71 ワイヤ、72 留めネジ、80 照明カバー、100 照明器具、111 アーム、200 照明器具、220 電源ユニット。