(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】クラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20220502BHJP
【FI】
G06Q40/06
(21)【出願番号】P 2018079580
(22)【出願日】2018-04-18
【審査請求日】2021-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【氏名又は名称】高梨 玲子
(72)【発明者】
【氏名】福田 智史
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-230645(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0128868(KR,A)
【文献】特開2008-234583(JP,A)
【文献】特開平6-36143(JP,A)
【文献】国際公開第2017/187497(WO,A1)
【文献】特開2014-229316(JP,A)
【文献】特開2007-193613(JP,A)
【文献】山本 純子,入門クラウドファンディング 初版 GUIDE TO CROWDFUNDING,第1版,株式会社日本実業出版社 吉田 啓二,2014年03月01日,p.151-152
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの情報、および、当該ユーザが情報を送受信する外部サービスに関する外部サービス情報を対応付けて記憶装置に記憶させる記憶部と、
前記記憶装置に記憶された外部サービス情報に基づいて、前記ユーザによる前記外部サービスへの情報の送信の状況を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記状況に基づいて、当該ユーザに付与する報酬を決定する決定部と
を備え、
前記記憶装置には、前記報酬の付与条件、および、当該付与条件を満たした際に付与される報酬が対応付けて記憶されており、
前記決定部は、前記状況を前記付与条件と照合し、当該照合の結果、前記状況が条件を満たしていると判定された付与条件に対応付けられた報酬を、前記ユーザに付与する報酬として決定し、
前記記憶部は、前記決定部により決定された報酬を、前記ユーザに対応付けて前記記憶装置に記憶させ
、
前記状況は、前記ユーザによる前記外部サービスへの情報の送信に起因する支援者の増加数または支援金額の増加額であるクラウドファンディングシステム。
【請求項2】
前記特定部は、前記状況として、前記ユーザによる前記外部サービスへの情報の送信回数を特定し、
前記決定部は、前記送信回数に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定することを特徴とする請求項1に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項3】
前記特定部は、前記状況として、前記ユーザによる前記外部サービスへの情報の送信に対する応答数を特定し、
前記決定部は、前記応答数に基づいて、前記ユーザに付与する報酬を決定することを特徴とする請求項1または2に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項4】
前記ユーザが、ゲームの制作に関するプロジェクトへ資金を提供した場合において、
前記報酬は、前記プロジェクトに関わるユーザが制作したゲーム内で使用可能なゲーム媒体であることを特徴とする
請求項1、2または3に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記報酬の付与条件、および、当該条件を満たした際に付与される報酬を対応付けて前記記憶装置に記憶させ、
前記クラウドファンディングシステムは、さらに、
前記特定部により特定された状況、および、前記付与条件に基づいて、前記ユーザの前記付与条件の達成状況を、前記ユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力する出力部を備えることを特徴とする
請求項1から4のいずれか一項に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項6】
前記クラウドファンディングシステムは、
所定のプロジェクトに対する資金提供が、前記ユーザによる前記外部サービスへの情報の送信に起因して行われたものであるか否かを判定する判定部を備え、
前記決定部は、前記判定部によって判定された結果に基づいて、前記ユーザおよび前記資金提供を行った他のユーザに付与する報酬を決定することを特徴とする
請求項1から5のいずれか一項に記載のクラウドファンディングシステム。
【請求項7】
コンピュータに、
ユーザの情報、および、当該ユーザが情報を送受信する外部サービスに関する外部サービス情報を対応付けて記憶装置に記憶させる記憶ステップと、
前記記憶装置に記憶された外部サービス情報に基づいて、前記ユーザによる前記外部サービスへの情報の送信の状況を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにおいて特定された前記状況に基づいて、当該ユーザに付与する報酬を決定する決定ステップと、
を実行させ、
前記記憶装置には、前記報酬の付与条件、および、当該付与条件を満たした際に付与される報酬が対応付けて記憶されており、
前記決定ステップでは、前記状況を前記付与条件と照合し、当該照合の結果、前記状況が条件を満たしていると判定された付与条件に対応付けられた報酬を、前記ユーザに付与する報酬として決定し、
前記記憶ステップでは、前記決定ステップにおいて決定された報酬を、前記ユーザに対応付けて前記記憶装置に記憶させ、
前記状況は、前記ユーザによる前記外部サービスへの情報の送信に起因する支援者の増加数または支援金額の増加額である処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
ユーザの情報、および、当該ユーザが情報を送受信する外部サービスに関する外部サービス情報を対応付けて記憶装置に記憶させる記憶機能と、
前記記憶装置に記憶された外部サービス情報に基づいて、前記ユーザによる前記外部サービスへの情報の送信の状況を特定する特定機能と、
前記特定機能によって特定された前記状況に基づいて、当該ユーザに付与する報酬を決定する決定機能と、
を実現させ、
前記記憶装置には、前記報酬の付与条件、および、当該付与条件を満たした際に付与される報酬が対応付けて記憶されており、
前記決定機能は、前記状況を前記付与条件と照合し、当該照合の結果、前記状況が条件を満たしていると判定された付与条件に対応付けられた報酬を、前記ユーザに付与する報酬として決定し、
前記記憶機能は、前記決定機能により決定された報酬を、前記ユーザに対応付けて前記記憶装置に記憶させ、
前記状況は、前記ユーザによる前記外部サービスへの情報の送信に起因する支援者の増加数または支援金額の増加額であるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラムに関し、特に、プロジェクトに対するユーザの宣伝意欲を向上させることができるクラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウドファンディングに関する技術開発が盛んに行われている。クラウドファンディングは、ウェブ上の決済機能等を利用してユーザから提供された比較的少額の資金を、資金調達を求めるユーザに提供するものである。
【0003】
特許文献1には、投資家から試作品や試行サービスに対するフィードバックを受けることで事業主が製品やサービスを改良して販売する技術が開示されている。また、好意的な反応を返した投資家と年代等が似た顧客を、実際の製品やサービスを提供する相手となる有望顧客として発掘する技術も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、近年、資金調達を求めるユーザ(以下、「起案者」という。)は、自身が起案したプロジェクトの宣伝手段として、当該プロジェクトを起案したクラウドファンディングサイトとは異なる外部サービスであるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等を利用することが多い。起案者は、自身が起案したプロジェクトに関するウェブページへのリンクを挿入した記事をSNSに投稿し、かかるリンクから、記事を閲覧したユーザを、クラウドファンディングサイトの自身のプロジェクトに関するページへ誘導するのが一般的であった。
【0006】
ユーザが、かかる外部サービスを利用して上記プロジェクトをユーザへ宣伝したとしても、必ずしも効果が上がらないという問題があった。
【0007】
このような問題に鑑み、本発明は、プロジェクトに対するユーザの宣伝意欲を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のクラウドファンディングシステムは、ユーザの情報、および、当該ユーザが情報を送受信する外部サービスに関する外部サービス情報を対応付けて記憶装置に記憶させる記憶部と、記憶装置に記憶された外部サービス情報に基づいて、ユーザによる外部サービスへの情報の送信の状況を特定する特定部と、特定部によって特定された状況に基づいて、当該ユーザに付与する報酬を決定する決定部とを備え、記憶部は、決定部により決定された報酬を、ユーザに対応付けて記憶装置に記憶させることを特徴とする。
【0009】
特定部は、状況として、ユーザによる外部サービスへの情報の送信回数を特定し、決定部は、送信回数に基づいて、ユーザに付与する報酬を決定することができる。
【0010】
特定部は、状況として、ユーザによる外部サービスへの情報の送信に対する応答数を特定し、決定部は、応答数に基づいて、ユーザに付与する報酬を決定することができる。
【0011】
特定部は、状況として、ユーザによる外部サービスへの情報の送信に起因する支援者の増加数または支援金額の増加額を特定し、決定部は、増加数または増加数に基づいて、ユーザに付与する報酬を決定することができる。
【0012】
ユーザが、第一のユーザが起案したゲームの制作に関するプロジェクトへ資金を提供した場合において、報酬は、プロジェクトを起案したユーザが制作したゲーム内で使用可能なゲーム媒体とすることができる。
【0013】
記憶部は、報酬の付与条件、および、当該条件を満たした際に付与される報酬を対応付けて情報処理装置に記憶させ、クラウドファンディングシステムは、さらに、特定部により特定された状況、および、付与条件に基づいて、ユーザの付与条件の達成状況を、ユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力する出力部を備えることができる。
【0014】
クラウドファンディングシステムは、所定のプロジェクトに対する資金提供が、ユーザによる外部サービスへの情報の送信に起因して行われたものであるか否かを判定する判定部を備え、決定部は、判定部によって判定された結果に基づいて、ユーザおよび資金提供を行った他のユーザに付与する報酬を決定することができる。
【0015】
本発明の処理方法は、コンピュータに、ユーザの情報、および、当該ユーザが情報を送受信する外部サービスに関する外部サービス情報を対応付けて記憶装置に記憶させる記憶ステップと、記憶装置に記憶された外部サービス情報に基づいて、ユーザによる外部サービスへの情報の送信の状況を特定する特定ステップと、特定ステップにおいて特定された状況に基づいて、当該ユーザに付与する報酬を決定する決定ステップと、を実行させ、記憶ステップでは、決定ステップにおいて決定された報酬を、ユーザに対応付けて記憶装置に記憶させることを特徴とする。
【0016】
本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータに、ユーザの情報、および、当該ユーザが情報を送受信する外部サービスに関する外部サービス情報を対応付けて記憶装置に記憶させる記憶機能と、記憶装置に記憶された外部サービス情報に基づいて、ユーザによる外部サービスへの情報の送信の状況を特定する特定機能と、特定機能によって特定された状況に基づいて、当該ユーザに付与する報酬を決定する決定機能と、を実現させ、記憶機能は、決定機能によって決定された報酬を、ユーザに対応付けて記憶装置に記憶させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のクラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラムによれば、ユーザによる外部サービスへの情報の送信状況に基づいて当該ユーザに報酬を付与することで、プロジェクトに対するユーザの宣伝意欲を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムにより実現される表示画面の一例を示した図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムにより実現される表示画面の一例を示した図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムの構成を示した構成図である。
【
図4】本発明に係るクラウドファンディングシステムと情報処理装置とのネットワーク構成を示すネットワーク構成図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムに係る記憶装置に記憶されるデータ構成を示したデータ構成図である。
【
図6】本発明の他の実施形態に係るクラウドファンディングシステムの構成を示した構成図である。
【
図7】本発明の他の実施形態に係るクラウドファンディングシステムに係る記憶装置に記憶されるデータ構成を示したデータ構成図である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係る達成状況を表す表示の一例を示した図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムに係る情報処理装置の基本構成を示した構成図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る処理方法のフローを示したフロー図である。
【
図11】本発明の実施形態に係るコンピュータプログラムの機能構成を示した機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のクラウドファンディングシステムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
本発明の実施形態において、クラウドファンディングは、資金提供者からウェブ上の決済機能等を利用して提供された比較的少額の資金を資金調達者に提供する仕組みを意味するものとする。このクラウドファンディングは、資金提供者が受ける見返り(リターン)の有無及びその種類に応じて、「寄付型」「投資型」「購入型」の3類型に分類することができるものとする。
【0021】
「寄付型」のクラウドファンディングは、資金提供者にリターンを与える仕組みを備えないものとする。「投資型」のクラウドファンディングは、資金調達者が作成した作品等から得られる収益の一部をリターンとして資金提供者に対して支払うものとする。「購入型」のクラウドファンディングは、資金調達者が資金提供者に対して金銭以外のリターンを与える点で他の類型と区別される。この金銭以外のリターンには、物品などの有形物の他、サービス、電子的なアイテムなどの無形物などが含まれる。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムにより表示されるプロジェクトページの表示画面の一例を示したものである。
図1に示される例では、資金調達者となる起案者(クリエータ)がゲームを制作する費用を調達することを目的としたプロジェクトページの一部を示したものである。
【0023】
図1に示されるように、表示画面1には、プロジェクトの概要2、プロジェクトに関する画像3、起案者(クリエータ)名4、支援総額5、目標金額6、支援者数7、残り日数8、達成率9、支援ボタン10、プロジェクトの詳細な説明11などを表示することができる。また、
図1の画像3の下方に示されるように、本プロジェクトをSNSなどの外部サービスに投稿等できるボタンなどが表示されてもよい。
【0024】
また、このプロジェクトは「購入型」の案件であるため、複数のリターンが設定される。
図2(a)~(c)は、資金提供を検討するユーザに対し、複数の支援額を表示していずれの支援額により支援を行うかを選択させる表示画面の一例を示したものである。この支援額の表示には、支援額に応じたリターンの内容も併せて表示される。
【0025】
図2(a)に示される例では、支援額が5,000円である場合のリターンとして、制作されたゲーム、クリエータによるお礼の手紙、および、サイン入りポストカードが設定されている。また、
図2(b)に示される例では、支援額が10,000円である場合のリターンとして、制作されたゲーム、クリエータによるお礼の手紙、および、サイン入りポストカードに加え、ゲーム内カード(レア)が設定されている。同様に、
図2(c)に示される例では、支援額30,000円である場合のリターンとして、制作されたゲーム、クリエータによるお礼の手紙、サイン入りポストカード、および、ゲーム内カード(Sレア)に加え、ゲームのクレジットへの名前の掲載が設定されている。
【0026】
なお、リターンとしてのゲームは、記録媒体に記憶されたゲームを提供することのみならず、所定の端末でゲームのプレイを実現するためのコンピュータプログラムを提供することも含まれる。この場合、このコンピュータプログラムはネットワークを介してユーザが無料でダウンロード可能に提供されるものとすることができる。また、ゲーム内カードとは、ゲーム内で利用可能なカードであって、キャラクタのイラスト等が描かれたものとすることができる。このカードには、レアリティが付与されているものとすることができ、NR(ノーマル)、R(レア)、SR(Sレア)の順に希少度が高くなるものとすることができるが、レアリティの種類や数はこれらに特に限定されるものではない。また、ゲームのクレジットへの名前の掲載とは、ゲームのエンドロール等に資金提供者として氏名等を掲載することを意味するものとする。
【0027】
このプロジェクトに対して資金提供を検討するユーザは、
図2(a)~(c)のように提示された複数のリターンの中から自分が欲しいと思うリターンが設定された支援額に対応するボタンを選択することで、クリエータに対して資金提供を行うことができる。これに対し、クリエータは、資金提供を行ってくれたユーザに対して、支援額に応じて設定されたリターンを提供する。
【0028】
以上が本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステムの前提となるクラウドファンディングの流れの一例である。
【0029】
そして、ユーザは、
図1に示されるような、本プロジェクトをSNSなどの外部サービスに投稿可能なボタンを利用するなどして、本プロジェクトを外部サービスに投稿することが可能である。あるいは、クリエータ自身がSNSへ投稿した記事を、ユーザがシェア/リツイートするなどして、本プロジェクトを別のユーザへ宣伝することができるが、宣伝を行ったユーザに対しては何らメリットがないというのが実情であった。
【0030】
そのため、本発明のクラウドファンディングシステムは、以下の構成を備えることにより、上記課題を解決する。
【0031】
すなわち、本発明の実施形態に係るクラウドファンディングシステム100は、
図3に示されるように、記憶部110と、決定部120と、特定部130とを備える。本実施形態において、クラウドファンディングシステム100は、
図4に示すような複数の情報処理装置200,300とネットワークを介して接続されるサーバ装置100として説明を行うが、これに限定されるものではなく、一部の構成を情報処理装置200,300が備えるシステムとして構成することもできる。
【0032】
記憶部110は、ユーザの情報、および、当該ユーザが情報を送受信する外部サービスに関する外部サービス情報を対応付けて記憶装置に記憶させるものである。
【0033】
この記憶装置は、クラウドファンディングシステム100が備えるものとしてもよいし、有線または無線により接続された外部の記憶装置とすることもできる。
【0034】
なお、ここでいうユーザは、プロジェクトの起案者以外のユーザであれば特に限定されるものではないが、例えば、資金提供を検討しているか、または、資金提供を既に行ったユーザとするのがよい。
【0035】
ユーザが操作する情報処理装置は、
図4に示したように、本発明のクラウドファンディングシステムにネットワークを介して接続された情報処理装置300であって、表示装置を備えるパーソナルコンピュータ、携帯端末、ゲーム装置等とすることができる。
【0036】
ユーザの情報は、ユーザが一意に特定される情報とすることができ、例えば、ユーザID、ユーザ名、メールアドレス、パスワードなどの情報を含む。また、記憶部110は、これらの情報に加え、氏名、住所、生年月日、年齢、性別、好きなアニメ、好きな声優等の嗜好に関するなどの属性情報を記憶装置に記憶させることができる。
【0037】
なお、これらの情報は、ユーザに、本発明により実現されるクラウドファンディングサイトと連携する外部サービスのアカウントを用いて、本発明により実現されるクラウドファンディングサイトにログインさせることで取得することもできる。
【0038】
ユーザが情報を送受信する外部サービスに関する外部サービス情報は、サービス名、当該サービスのIDおよび/またはURLの情報とすることができる。外部サービスの例としては、SNS、ブログ、メッセンジャーおよび/またはメールなどが挙げられる。
【0039】
なお、これらの情報についても、ユーザに、本発明により実現されるクラウドファンディングサイトと連携する外部サービスのアカウントを用いて、本発明により実現されるクラウドファンディングサイトにログインさせることで取得することができる。
【0040】
図5は、本実施形態に係る記憶部110が記憶装置に記憶させるデータの一例を示したものである。
図5に示す例では、データには、上述したユーザの情報および外部サービス情報の他、過去の支援情報などを含めることができる。これら情報の詳細については後述する。
【0041】
特定部120は、記憶装置に記憶された外部サービス情報に基づいて、ユーザによる外部サービスへの情報の送信の状況を特定するものである。
【0042】
例えば、ユーザは、
図1に示されるような、プロジェクトを外部サービスに投稿可能なボタンを利用するなどして、プロジェクトの情報を外部サービスへ送信することができる。具体的には、上記のボタンを選択した場合、クラウドファンディングサイトの画面から外部サービスの画面へ移行し、この外部サービスの画面において外部サービスへのログイン処理が行われる。かかるログイン処理を経ることで、ユーザは、外部サービスが提供する各種APIを用いて外部サービスへ情報を送信させることができる。
【0043】
なお、特定部120は、上記のボタンが選択された回数をカウントするなどして情報の送信の状況を特定することもできるが、上記ログイン処理がなされた外部サービスから情報の送信の状況を取得することで、より容易に情報の送信の状況の特定が可能である。
【0044】
また、特定部は、外部サービスからユーザに関連付けられた他のユーザ(フォロワーや友達など)の情報(IDやメールアドレス)も取得することができ、これら他のユーザによる本発明により実現されるクラウドファンディングサイトの利用状況や、他のユーザが外部サービスにおいてどのようなジャンルに興味を抱いているかなどを分析し、各種マーケティングに活用することができる
【0045】
なお、このログイン処理は、上記のプロジェクトを外部サービスに投稿するタイミングのみならず、投稿前に予め行われているよう構成してもよい。
【0046】
また、上述したように、本発明により実現されるクラウドファンディングサイトへのログイン処理を、外部サービスのアカウントを用いたログイン処理とすることもできる。かかる処理によれば、ユーザのログインの手間を省くことができ、より効果的である。また、外部サービスの各種情報を利用することも容易になる。
【0047】
外部サービスに送信される情報とは、プロジェクトに関する情報であって、例えば、プロジェクト自体や、プロジェクトを起案した起案者に関する記事などが挙げられる。また、本プロジェクトを外部サービスに投稿する行為、外部サービスに投稿された記事をシェア/リツイートする行為なども、外部サービスへの情報の送信に含まれるものとする。
【0048】
また、送信の状況には、ユーザによる外部サービスへの情報の送信回数、ユーザによる外部サービスへの情報の送信に対する応答数、および、ユーザによる外部サービスへの情報の送信に起因する支援者または支援金額の増加数などが含まれる。特に、特定部120は、ユーザによる外部サービスへの情報の送信に起因する支援者または支援金額の増加数を特定するのが好ましい。これら状況の詳細については後述する。
【0049】
決定部130は、特定部120によって特定された状況に基づいて、当該ユーザに付与する報酬を決定するものである。
【0050】
報酬は、報酬の付与条件とともに情報処理装置に記憶されるものとすることができる。報酬の例としては、上述したリターンのような物品・サービスの他、支援金の上積み、プロジェクトへの支援に使用可能な支援金の上積みクーポン、割引クーポンや仮想通貨、または、プロジェクトに関係するゲーム内で使用可能なゲーム媒体などが挙げられる。なお、クーポンには、有効期間や割引金額を設定しておくことができる。これら報酬の詳細については後述する。
【0051】
そして、記憶部110は、決定部130により決定された報酬を、ユーザに対応付けて記憶装置に記憶させるものである。例えば、報酬が支援金の上積みである場合には、報酬付与条件を満たしたことが確認された時点で、自動的に報酬が付与され、支援金額が所定の金額だけ上乗せされる構成とすることができる。
【0052】
以上の構成により、ユーザによる外部サービスへの情報の送信の状況に基づいて当該ユーザに報酬を付与することができ、これにより、ユーザの宣伝意欲を向上させることが可能となる。
【0053】
特定部120は、状況として、ユーザによる外部サービスへの情報の送信回数を特定し、決定部130は、送信回数に基づいて、ユーザに付与する報酬を決定することができる。
【0054】
外部サービスへの情報の送信回数とは、例えばプロジェクトページに表示されたSNSへの投稿ボタンを用いて各種SNSへ記事を投稿した回数、投稿された記事に対するアクション(シェア、リツイート、イイネなど)数、または、プロジェクトページへのリンク情報を記載した記事のブログへのUP回数などとすることができる。なお、上記リンク情報にユーザのコードを含めることで、上記回数のカウントが容易となるが、回数のカウント手法についてはこの手法に限定されることなく、種々の既知の技術を適用可能である。また、上述したような外部サービスへのログイン処理を経て情報を送信させることにより、送信回数を特定することが容易に可能となる。
【0055】
決定部120は、例えば、送信回数が多いほど報酬の個数を多く、または、送信回数が多いほど価値の高い報酬を決定することができる。
【0056】
かかる構成によれば、外部サービスへの情報の送信回数に基づいて、ユーザに付与する報酬が決定されるため、ユーザは、外部サービスへの情報の送信の意欲、すなわち、宣伝の意欲を向上させることが可能となる。
【0057】
特定部120は、状況として、ユーザによる外部サービスへの情報の送信に対する応答数を特定し、決定部130は、応答数に基づいて、ユーザに付与する報酬を決定することができる。
【0058】
情報の送信に対する応答とは、上述したユーザによる投稿に対する応答、すなわち、投稿した記事に対する別のユーザによるアクションとすることができる。応答数の具体例としては、記事に対するイイネの数やシェア回数、閲覧数などが挙げられる。また、応答数として、ユーザが投稿した記事を目にする可能性が非常に高いユーザのフォロワーやフレンド、読者数は、別のユーザによるアクションの有無を問わず、応答数に含めるのが好ましい。上述したような外部サービスへのログイン処理を経て情報を送信させることにより、外部サービスが提供する各種APIを用いて、応答数を特定することが容易に可能となる。
【0059】
かかる構成によれば、外部サービスへの情報の送信に対する応答数に基づいて、ユーザに付与する報酬が決定されるため、ユーザによる宣伝効果をより具体的に評価し、適切な報酬を付与することが可能となる。
【0060】
特定部120は、状況として、ユーザによる外部サービスへの情報の送信に起因する支援者の増加数または支援金額の増加額を特定し、決定部130は、増加数または増加額に基づいて、ユーザに付与する報酬を決定することができる。
【0061】
情報の送信に起因する支援者とは、送信された情報に含まれるリンクからプロジェクトページへとアクセスし、支援をしたユーザをいうものとする。また、支援金額の増加数とは、送信された情報に含まれるリンクからプロジェクトページへとアクセスし、支援をした額をいう。この支援者は、既知のアクセス解析手法を用いることにより特定することができる。
【0062】
この場合、情報の送信回数に基づいて付与される報酬に加えて、より良い報酬を追加的にユーザに付与するものとするのが好ましい。
【0063】
かかる構成によれば、増加数に基づいて、ユーザに付与する報酬が決定されるため、ユーザによる宣伝効果をより具体的に評価し、適切な報酬を付与することが可能となる。
【0064】
ユーザが、ゲームの制作に関するプロジェクトへ資金を提供した場合において、報酬は、プロジェクトを起案した起案ユーザが制作したゲーム内で使用可能なゲーム媒体とすることができる。
【0065】
ゲーム媒体とは、ゲームに使用される電子データであり、例えば、カード、アイテム、キャラクタ、及びアバタなど、任意の媒体を含む。また、ゲーム媒体は、ユーザによってゲーム内で取得、所有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、又は贈与などされ得る電子データであるが、ゲーム媒体の利用態様は本明細書で明示されるものに限られない。
【0066】
かかる構成により、ユーザは自身が支援するプロジェクトに関する報酬を得ることができるため、ユーザの宣伝の意欲を向上させることが可能となる
【0067】
記憶部110は、報酬の付与条件、および、当該条件を満たした際に付与される報酬を対応付けて記憶装置に記憶させるのが好ましい。
【0068】
そして、本発明の一実施形態に係るクラウドファンディングシステムは、
図6に示すように、さらに、出力部140を備えるのが好ましい。
【0069】
出力部140は、特定部120により特定された状況、および、付与条件に基づいて、ユーザの付与条件の達成状況を、ユーザにより操作される情報処理装置にネットワークを介して出力する出力部140を備えるのが好ましい。
【0070】
記憶装置は、報酬の付与条件として、例えばSNSへの投稿回数が1回の場合には、報酬として支援割引クーポンを1枚、5回の場合には支援割引クーポンを10枚などと対応づけて記憶することができる。
図7は、本発明の記憶装置に記憶されるデータ構成を示したデータ構成図である。
【0071】
また、出力部140は、達成状況として、
図8に示すような情報をユーザに提供することができる。
図8では、例えば支援割引クーポン10枚の報酬の付与条件「SNSへの投稿回数5回」に対し、現在の投稿回数が「3回」であることを示すバーを表示した例が示されている。
【0072】
また、ユーザに応援レベルを設定し、報酬の付与条件を満たすごとにレベルがアップするように構成することなども可能である。
【0073】
かかる構成により、ユーザは、ゲーム感覚を味わいながら宣伝活動を行うことができ、ユーザの宣伝の意欲を向上させることが可能となる
【0074】
本発明の一実施形態に係るクラウドファンディングシステムは、
図6に示すように、さらに、判定部150を備えるのが好ましい。
【0075】
判定部150は、所定のプロジェクトに対する資金提供が、ユーザによる外部サービスへの情報の送信に起因して行われたものであるか否かを判定するものである。
【0076】
かかる判定は、別のユーザが、ユーザにより送信された招待コードや紹介リンクを利用してプロジェクトページに誘導されて支援を行ったものであるか否かを判定することができる。
【0077】
決定部130は、判定部150によって判定された結果に基づいて、ユーザおよび資金提供を行った別のユーザに付与する報酬を決定することができる。
【0078】
かかる構成によれば、SNSやブログ等を用いず、メールやメッセンジャーで直接別のユーザに宣伝を行った場合であっても、ユーザの宣伝を評価することができる。
【0079】
上述したように、この場合、通常付与される報酬に加え、よりよい報酬を追加的に付与するものとするのが好ましい。
【0080】
本発明の一実施形態に係る記憶部110は、さらに、複数のユーザの属性情報を、当該複数のユーザの情報に関連付けて記憶装置に記憶させることができる。ユーザの属性情報は、例えば、ユーザの住所、生年月日、年齢、性別などの情報とすることができる。
【0081】
ユーザの支援情報は、ユーザが過去に支援した/現在支援しているプロジェクトに関する情報とすることができ、例えば、プロジェクト名、プロジェクト番号、起案者名、支援金額および/またはジャンルなどの情報を含むことができる。また、ユーザの支援情報は、ユーザが支援した全プロジェクトの支援金額の合計(累積の支援金額)に関する情報を含むこともできる。
【0082】
ジャンルは、プロジェクトの支援対象の作品の大分類を示す、例えば、マンガアニメ、ゲームなどの基本ジャンルと、プロジェクトの支援対象の作品の小分類を示す、ホラー、ファンタジー、カードゲームなどのサブジャンルを含むことができる。また、このジャンルはさらに細かく分類されてもよい。
【0083】
本発明の別の実施形態に係るクラウドファンディングシステムでは、プロジェクトの内容を、新しいゲームのリリースの告知、既存ゲームの大型アップデートの告知、マンガやアニメ、ゲームに関するグッズやチケットの販売の告知などとすることができる。具体的には、クラウドファンディングシステムは、マーケティングツールとして、ゲームの事前登録に利用することができる。通常はメールアドレスを登録したり、SNSアカウントをフォローしたりすることで登録が行われるが、本発明のシステムを活用することで、プロジェクトとしてゲームに関する限定グッズなどのリターンを設定し、支援としてお金を払って事前登録してもらい、ゲームがリリースされたタイミングで、特定のプロジェクトとしてリリースの情報が開示されたページへのリンクが記載されたメッセージ等を送信することで、支援者に特別な情報を提供することもできる。また、本発明のシステムは、ゲームのリリース時だけではなく、ゲームの大型アップデート等にも利用できる。また、グッズの販路としても本システムを利用可能であるし、ファン感謝イベントのような現実のイベント開催時のチケット販売としても利用可能である。
【0084】
本発明の別の実施形態に係るクラウドファンディングシステムでは、ユーザによる資金提供は、仮想通貨により行われることもできる。この仮想通貨には、運営会社により発行される専用コインなどが含まれるものとする。これにより、グローバルに支援のネットワークを広げることが可能となる。
【0085】
本発明の別の実施形態に係るクラウドファンディングシステムでは、ユーザが、スポンサーから毎月定額で支援を受けるスポンサー機能を実現することもできる。この支援は、プロジェクト単位ではなくクリエータ単位で行われるものであり、このスポンサーは、プロジェクト単位での資金提供するユーザよりも、優遇されるべきユーザとなる。したがって、この場合、ユーザがユーザのスポンサーである旨の情報を、当該ユーザの支援情報に含めて記憶装置に記憶させるのが好ましい。これにより、第一のユーザは、項目として自身のスポンサーを選択することがより容易に行えるようになる。
【0086】
ユーザは、スポンサー限定のプロジェクトを作成したり、スポンサー限定で自身のプロジェクトへのコメントを許可したり、スポンサーはユーザのどのプロジェクトを支援しても常に一定の割引を受けられるような特典を与えるなど、クラウドファンディングでの活用の幅を広げることができる。
【0087】
上述した本発明のクラウドファンディングで実現される各機能は、販売を主目的としたECサイトにも適用が可能である。
【0088】
本発明の別の実施形態に係るクラウドファンディングシステム100は、クラウドファンディングを運営する管理端末に接続されるものとすることができる。本発明のシステムは、この管理端末から、クラウドファンディングの運営の他、プロジェクトで製作されるマンガやアニメ、ゲームなどの作品に対する評価を受け付けてもよい。この評価は、この作品のジャンルにおける専門家によるものとするのが好ましい。かかる評価は、ユーザが支援を検討する際に有益な情報となる。
【0089】
なお、上述した実施形態では、
図4に示すように、ユーザにより操作される情報処理端末として情報処理装置200を、ユーザにより操作される情報処理端末として情報処理装置300を示したが、情報処理装置200、300の数は、特に限定されない。また、クラウドファンディングシステム100としてのサーバ装置は、
図9に示すようなサーバ装置100とすることができ、例えば、情報処理装置200、300との間で受け渡しする情報に対する各種処理を実行し、サーバの動作を制御する制御部としてCPU21を有することができる。この制御部が、上述した各機能を実現するための各部を備えるものとすることができる。なお、情報処理装置200、300は、上記サーバ装置と同様、
図9に示すようなコンピュータで構成される。
【0090】
具体的は、クラウドファンディングシステム100、情報処理装置200、300は、
図9に示すように、CPU21と、メインメモリ22と、ユーザI/F23と、通信I/F24と、外部メモリ25とを含み、これらの各構成要素がバス26を介して互いに電気的に接続されたハードウェアとして構成される。
【0091】
CPU21は、外部メモリ25からオペレーティングシステム等の様々なプログラムをメインメモリ22にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する。メインメモリ22は、CPU21が実行するプログラムを格納するために用いられ、例えば、DRAMによって構成される。
【0092】
ユーザI/F23は、例えば、オペレータの入力を受け付けるキーボードやマウス等の情報入力装置と、CPU21の演算結果を出力する液晶ディスプレイ等の情報出力装置とを含む。通信I/F24は、ハードウェア、ファームウェア、又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装され、ネットワークを介して通信可能に構成される。
【0093】
外部メモリ25は、例えば、磁気ディスクドライブで構成され、オペレーティングシステム等の様々なプログラム等の各種ファイルを格納している。
【0094】
また、本発明の一実施形態に係る記憶装置は、以下の情報を記憶する。
具体的には、CPU21は、クラウドファンディングのプロジェクトが実行される際に収集したデータをデータベースに記憶する。
【0095】
このデータベースには上述したユーザに関する情報のテーブルの他、プロジェクトに関する情報のテーブル、リターンに関する情報のテーブル、アクセスに関する情報のテーブル、販売履歴に関する情報のテーブル、ユーザテーブルなどが設けられている。以下、テーブルの内容を順番に説明する。
【0096】
プロジェクトに関する情報のテーブルには、プロジェクトに関するプロジェクト情報が記憶されている。具体的には、プロジェクトに関する情報のテーブルには、プロジェクトNo、プロジェクト名、起案者のID、プロジェクトの開始日時および終了日時、プロジェクトページのURLの欄が設けられている。
【0097】
リターンに関する情報のテーブルには、ユーザがプロジェクトを支援したときに得られるリターンに関するリターン情報が記憶されている。具体的には、リターンに関する情報のテーブルには、プロジェクトNo、リターンID、名称、販売金額、最大販売数、残り販売数、および、リターン詳細の欄が設けられている。
【0098】
販売履歴に関する情報のテーブルには、ユーザがプロジェクトを支援したときにリターンとして販売した商品やサービスの販売履歴情報が記憶されている。具体的には、販売履歴に関する情報のテーブルには、プロジェクトNo、ユーザのユーザID、販売したリターンID、販売価額、販売日時、決済方法等の欄が設けられている。
【0099】
ユーザテーブルには、ユーザ情報が記憶されている。具体的には、ユーザテーブルには、支援者ID、氏名又は名称、住所、生年月日、電話番号、及びメールアドレスの欄が設けられている。
【0100】
なお、本発明のクラウドファンディングシステムで実現される決済システムについては、従来から知られている決済システムと同様の構成とすることができるため、ここではその説明を省略する。
【0101】
以上、本発明のクラウドファンディングシステムの実施形態について説明を行ってきたが、本発明で実現されるクラウドファンディングは、資金調達だけでなく、仲間や同志を集める手段として活用することができる。
【0102】
本発明のクラウドファンディングシステムは、プロジェクトの内容をエンターテインメント分野に特化させることで、より効果が発揮される。この分野に特化させることで、起案者となるクリエータは、資金を集めること以外にも、事前のテストマーケティング・需要調査、熱量(忠誠度)の高い優良顧客へのリーチ、優良顧客との継続的なコミュニケーションを実現することが可能となる。
【0103】
例えば、資金調達達成時実行型のプロジェクトは、アニメの続編や映画化、ゲーム化、CD製作費等のためのマーケティングリサーチ・資金調達ツールとして活用することができる。また、小説やマンガの映画化、新規アニメ制作のためのマーケティングリサーチ・資金調達ツールとして活用されることもができる。また、同人誌やオリジナルグッズの制作のための資金調達ツールとしても活用されることができる。
【0104】
例えば、実行確約型のプロジェクトは、コミュニティ・マーケティングおよびECとして、新製品リリース前のプロモーション企画(試写イベントやオンライン限定の先行販売など)、現実のイベントの先行プロモーション企画(前売りチケット販売、早期予約特典販売など)、ECを活用したコアなファンコミュニティの形成(オリジナルグッズやノベルティの販売)ツールとして活用されることができる。
【0105】
このように、本発明で実現されるクラウドファンディングは、有益な顧客データベース持つマーケティングプラットフォームとして活用されることができ、また、本システムを運営する会社に対しては、良質なIP(知的財産)を早期に優先的に発掘し、直接リーチできる機会を提供することができる。
【0106】
続いて、本発明の処理方法について
図10を参照しながら説明する。
本発明の処理方法は、
図10に示すように、コンピュータに、記憶ステップS110,S140と、決定ステップS120と、出力ステップS130とを実行させることを特徴とする。ここでいうコンピュータは、上述したクラウドファンディングシステム100とすることができる。
【0107】
記憶ステップS110は、ユーザの情報、および、当該ユーザが情報を送受信する外部サービスに関する外部サービス情報を対応付けて記憶装置に記憶させる。かかるステップは、上述した記憶部110により実行されることができる。記憶部110の詳細については上述したとおりである。
【0108】
特定ステップS120は、記憶装置に記憶された外部サービス情報に基づいて、ユーザによる外部サービスへの情報の送信の状況を特定する。かかるステップは、上述した特定部120により実行されることができる。特定部120の詳細については上述したとおりである。
【0109】
決定ステップS130は、特定ステップS120において特定された状況に基づいて、当該ユーザに付与する報酬を決定する決定ステップと、
を実行させる。かかるステップは、上述した決定部130により実行されることができる。決定部130の詳細については上述したとおりである。
【0110】
そして、記憶ステップS140は、決定ステップS130において決定された報酬を、ユーザに対応付けて記憶装置に記憶させる。かかるステップは、上述した記憶部110により実行されることができる。記憶部110の詳細については上述したとおりである。
【0111】
続いて、本発明のコンピュータプログラムについて説明する。
本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータに、記憶機能と、決定機能と、特定機能とを実現させることを特徴とする。各機能は、それぞれ
図11に示す各回路1110~1130によって実現され、各回路1110~1130は、上述した各部110~130に対応するものとする。ここでいうコンピュータは、上述したクラウドファンディンググシステム100とすることができる。
【0112】
記憶機能は、ユーザの情報、および、当該ユーザが情報を送受信する外部サービスに関する外部サービス情報を対応付けて記憶装置に記憶させる。この記憶機能は、上述した記憶回路1110により実現されることができる。記憶回路1110の詳細については記憶部110において上述したとおりである。
【0113】
特定機能は、記憶装置に記憶された外部サービス情報に基づいて、ユーザによる外部サービスへの情報の送信の状況を特定する。この特定機能は、上述した特定回路1120により実現されることができる。特定回路1120の詳細については特定部120において上述したとおりである。
【0114】
決定機能は、特定機能によって特定された状況に基づいて、当該ユーザに付与する報酬を決定する。この決定機能は、上述した決定回路1130により実現されることができる。決定回路1130の詳細については決定部130において上述したとおりである。
【0115】
そして、記憶機能は、決定機能によって決定された報酬を、ユーザに対応付けて記憶装置に記憶させる。
【0116】
以上の構成により、ユーザによる外部サービスへの情報の送信の状況に基づいて当該ユーザに報酬を付与することができ、これにより、ユーザの宣伝意欲を向上させることが可能となる。
【0117】
また、本発明の一実施形態に係るクラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラムによれば、資金調達を試みるユーザが、マンガやアニメ、ゲーム等のエンターテインメント作品のクリエータである場合には、制作される作品のクオリティは、クリエータの能力等に大きく依存する。そのため、生成されるランキングは、クリエータの能力の評価に利用することができる。そして、クリエータのファンであるユーザは、自身が支援したクリエータのランキングを確認することで、クリエータとファンとの特別なコミュニティを創造するコミュニティプラットフォームを実現することができる。
【0118】
さらに、本発明の一実施形態に係るクラウドファンディングシステム、処理方法およびコンピュータプログラムによれば、同じ作品やクリエータを支援しているファン同士も、本クラウドファンディングシステムにより実現されるプラットフォーム上で交流可能とすることで、仲間としてつながることができるため、ファン同士の特別なコミュニティを創造するコミュニティプラットフォームをも実現することができる。
【0119】
以上、本発明によれば、頑張るクリエータとファンが、そしてファン同士がつながり続けることができる新しいファンコミュニティが創造されることが可能となる。
【0120】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0121】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウェア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウェア手段を構築し、このソフトウェア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0122】
100 クラウドファンディングシステム
110 記憶部
120 特定部
130 決定部
140 出力部
150 判定部
200 情報処理装置
300 情報処理装置