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特許7065691相対移動する工具を備える加工装置及び加工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】相対移動する工具を備える加工装置及び加工方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 51/38 20060101AFI20220502BHJP
   B21D 51/26 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
B21D51/38 C
B21D51/26 A
B21D51/26 X
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018101628
(22)【出願日】2018-05-28
(65)【公開番号】P2019000907
(43)【公開日】2019-01-10
【審査請求日】2020-11-10
(31)【優先権主張番号】10 2017 112 771.2
(32)【優先日】2017-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520087697
【氏名又は名称】モール プラス ヘルラン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ワイス マンフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ピーター マティアス
【審査官】石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-126358(JP,A)
【文献】特公昭48-043027(JP,B1)
【文献】特開昭58-009724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 51/38
B21D 51/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工要素(52)、特に金属容器を加工するための加工装置(10,50,200,300,400,500)であって、
・特に、周期的に移動するよう構成された移動ユニット(12,54,201,401)と、
・少なくとも前記加工装置(10,50)内における前記移動ユニット(12,54)の移動方向に、前記移動ユニット(12,54)に対して移動可能に構成されると共に、移動方向において、前記被加工要素(52)に対する前記移動ユニット(12,54)の相対速度に比べて低減された前記被加工要素(52)に対する相対速度、特にゼロに低減された前記被加工要素(52)に対する相対速度で、前記被加工要素(52)を加工するよう構成された加工ユニット(14,58,202,302,402)と、
・制御要素(18,64,204,304,404,503)と、
を備え、
前記移動ユニット(12,54,201,401)に、加速ユニット(20,60,203,303,403,502)が設けられ、
前記制御要素(18,64,204,304,404,503)及び前記加速ユニット(20,60,203,303,403,502)は、前記移動ユニット(12,54,201,401)の移動方向に対して横方向に生じる少なくとも1つの移動成分を有する前記加速ユニット(20,60,203,303,403,502)における少なくとも一部の移動が、前記制御要素(18,64,204,304,404,503)に対する前記移動ユニット(12,54,201,401)の相対移動により機械的に生じるよう構成され、
前記加速ユニット(20,60,203,303,403,502)は、前記移動ユニット(12,54,201,401)の移動方向において、前記移動ユニット(12,54,201,401)に対する前記加工ユニット(14,58,202,302,402)の相対加速が、前記加速ユニット(20,60,203,303,403,502)における少なくとも一部の移動により機械的に生じるよう構成されている加工装置。
【請求項2】
請求項1に記載の加工装置(50)であって、前記制御要素(64)が、アクティベーションユニット(56)の一部であり、前記アクティベーションユニット(56)が、前記移動ユニット(54)に結合されると共に、前記被加工要素(52)に接触するよう構成されている加工装置。
【請求項3】
請求項2に記載の加工装置(50)であって、前記アクティベーションユニット(56)が、加工ユニット(58)よりも小さな質量、特に前記加工ユニット(58)の質量の50%未満、好適には、前記加工ユニット(58)の質量の5%~40%の質量を有する加工装置。
【請求項4】
請求項1に記載の加工装置(10)であって、前記被加工要素(52)用の保持装置を備え、前記制御要素(18)が、アクティベーションユニットの一部であり、該アクティベーションユニットが、少なくとも前記移動ユニット(12)の移動方向において、前記保持装置に対して固定配置されている加工装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の加工装置(10,50)であって、前記加速ユニット(20,60)が、カムキャリアとして形成された前記制御要素(18,64)と共にカム機構を構成するピックオフ要素(24,62)を有し、前記加速ユニット(20,60)が、特に前記ピックオフ要素(24,62)を移動させることで生じるレバー作用により、前記加工ユニットに対する相対加速を機械的にもたらすよう構成されている加工装置。
【請求項6】
請求項5に記載の加工装置(10,50)であって、前記ピックオフ要素(24,62)が、前記カムキャリアに沿ってガイドされるか、及び/又は、前記ピックオフ要素(24,62)に、該ピックオフ要素(24,62)を前記カムキャリア上に押圧するばねが設けられている加工装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の加工装置(10,50)であって、前記加速ユニット(20,60)により、前記移動ユニット(12,54)から運動エネルギーのみが前記加工ユニット(14,58)のみに伝達されると共に、前記加工ユニット(14,58)から運動エネルギーのみが前記移動ユニット(12,54)のみに伝達される加工装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の加工装置(10,50)であって、前記加工ユニット(14,58)が、前記被加工要素の軸線周り、特に前記移動ユニット(12,54)の移動方向に平行な軸線周りで、前記被加工要素(52)を回転加工、特にフライス加工、フランジ圧延、ねじ転造及び/又はビード圧延するよう構成されている加工装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の加工装置(10,50)であって、前記移動ユニット(12,54)の移動が、前進移動及び後退移動による周期移動であり、前進移動においては、前記被加工要素(52)側に向けて前記加工ユニット(14,58)の移動が生じると共に、前記移動ユニット(12,54)に対する前記加工ユニット(14,58)の相対加速が前記加工ユニット(14,58)の制動を伴い、後退移動においては、前記被加工要素(52)から離れた側に向けて前記加工ユニット(14,58)の移動が生じると共に、前記移動ユニット(12,54)に対する前記加工ユニット(14,58)の相対加速が前記加工ユニット(14,58)の加速を伴う加工装置。
【請求項10】
被加工要素(52)、特に金属容器を加工するための方法であって、該方法が、
・移動ユニットを移動、特に周期的に移動させるステップ(101,102,105,107,108,111)と、
・移動方向において、前記被加工要素(52)に対する前記移動ユニットの相対速度に比べて低減された前記被加工要素(52)に対する相対速度、特にゼロに低減された前記被加工要素(52)に対する相対速度で、少なくとも請求項1~9の何れか一項に記載の加工装置内における前記移動ユニットの移動方向に移動可能に構成された加工ユニットにより、前記被加工要素(52)を加工するステップ(106)と、
・前記移動ユニットを制御要素に対して相対移動させることにより、前記移動ユニットの移動方向に対して横方向に生じる少なくとも1つの移動成分を有する、前記移動ユニットにおける加速ユニットの少なくとも一部の移動を機械的に生じさせるステップ(103,109)と、
・前記加速ユニットの少なくとも前記一部を移動させることにより、前記移動ユニットの移動方向において、前記移動ユニットに対する前記加工ユニットの相対加速を機械的に生じさせるステップ(104,110)と、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対移動する工具を備える加工装置及び加工方法に関し、特に、移動ユニットの周期的な移動中に、加工ユニットで加工が行われる加工装置及び加工方法に関する。この場合、被加工要素に対する加工ユニットの相対速度は、被加工要素に対する移動ユニットの相対速度よりも小さく、好適には(ほぼ)ゼロである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特に、例えばエアロゾル容器や飲料容器などの、金属容器の機械加工に関する。
【0003】
例えばエアロゾル容器のような金属容器を製造する場合、その肩部は、一般的に、逐次的かつ直線的で、典型的には軸線方向に平行な成形工程、即ち絞りしごき工程で製造される。この場合、機械(絞りしごきプレス機)における各工具は、対応するレセプタクルに固定され、そのレセプタクルは通常、機械内を通過するよう間欠的に、かつ被成形容器の長手軸線方向に沿って移動し、その移動の一部に亘って工具が容器に係合する。工具が容器に係合する移動の一部は、一般的に「ストローク」と称される。
【0004】
ただし上述の工程には、直線運動に加えて、回転運動などの特殊な工程ステップ、例えば、フライス加工、フランジ圧延、ねじ転造又はビード圧延も含まれる。
【0005】
これら付加的な運動が行われる多くのケースにおいて、機械の直線運動は、工具の回転部分における通常は不動のストッパを使用することにより、成形要素又は他の加工要素(例えばブレード)を被加工ワークに向けて変位させるのに利用される。これは、「アクティベーション」と称される。
【0006】
このような回転工程は、機械における潜在的な最大速度に比べて生産速度が制限される主な要因であることが判明している。
【0007】
この場合、2つの観点が特に重要である。即ち、直線運動の範囲内で、装置が容器上にて回転工程を行うのに利用可能な時間と、装置が容器に衝突する速度とである(衝突時の重量は二次的要因として見なすことができる)。
【0008】
既知のアプローチにおいて、アクティベーションの極めて単純な形態では、装置内で直線移動可能な装置の一部が、機械運動における死点に到達する前に、部分的又は完全に成形された容器上に接触した後に容器によって停止され、次いで、機械に結合された装置に対して変位される。その後、この変位は、カムにより、成形要素の半径方向移動に変換されて装置による作業ステップが行われる。この場合、回転成形要素又は他の要素における遠心力は、前進ストローク又は後退ストロークの間に、これら要素が外側の制御カムに対して押圧されるのに基本的に十分である。
【0009】
言うまでもなく、このようなアプローチにおいて、容器が耐えなければならない負荷は、機械の速度が増加するにつれて高まり、作業ステップを実行するのに利用可能な時間は短くなる。
【0010】
より大きな重量を有する装置で採用される他のアプローチにおいては、軸線方向後方又は軸線方向前方に向けて延長された装置の一部が衝突する外部ストッパが設けられるか、又は側方方向に作用するストッパが設けられることにより、容器の機能が担われる。これにより、一方では、容器が遅延に基づく反作用力を受けることがなくなるためにより多くの周期数が実現されるが、他方では、この場合の成形要素はもはや容器に対してではなく、ストッパに対して位置決めされる。この場合、容器の長手方向変動における制御可能な感度に関わらず、ストッパに対する質量全体の衝突により、ストッパ自体のみならず機械内にも大きな応力が生じる。
【0011】
この場合の衝突は、例えば、エアダンパーで減衰可能であり、そのようなエアダンパーには、速度が増加するにつれて減衰効果が高まるという利点がある。しかしながら、このようなシステムは、クリアランス又は温度の僅かな変化でさえダンパー挙動に変化を生じさせる可能性があるため、構成及び/又は制御が困難である。この場合の問題は、ダンパー挙動自体にあるというよりも、むしろアクティベーションが他の箇所に変位することである。この変位により、装置による作業工程が(容器における)所望の箇所で確実に行われることが保証されない。
【0012】
より新しい他のアプローチにおいては、装置と機械との間に能動的な駆動手段が配置され、その駆動手段が装置全体を機械に対して移動させることにより、機械における周期速度が増加するにも関わらず、容器に対する装置の衝突速度が低減する。
【0013】
このアプローチにおいても、特に、能動的な駆動手段における出力、利用可能な設置スペース、並びに重量出力比に基づく限界がある。
【0014】
類似のアプローチにおいては、そのような回転装置における移動が機械から完全に切り離され、機械とは別個に行われる。
【0015】
しかしながら、この場合も、利用可能な設置スペース、装置の調整、並びに装置の回転時に生じる振動に対する感度に基づく限界がある。更に、そのような駆動手段を改造して速度を増加させる場合にはコストがかかる。
【0016】
高速動作する現在の機械において、直線運動に加えて付加的に行われると共に、装置の一部における制動(及びその後の加速)を必要とする機械加工の出力は、依然として機械における実現可能な最大速度の約60~80%に制限されている。
【発明の概要】
【0017】
本発明の目的の1つは、上述した限界及び欠点を回避し、工具自体における出力制限を利用可能とすることである。
【0018】
従って、相対移動する工具で加工が行われる加工装置及び加工方法における能力が、相対移動する工具、特に被加工要素に対して相対移動する工具の限界によって制限されることのない解決策を提案することが望ましい。
【0019】
本発明の第1態様によれば、請求項1に記載のとおり、被加工要素、特に金属容器を加工するための加工装置が提供される。この加工装置は、特に周期的に移動するよう構成された移動ユニットと、少なくとも加工装置内における移動ユニットの移動方向に、移動ユニットに対して移動可能に構成されると共に、移動方向において、被加工要素に対する移動ユニットの相対速度に比べて低減された被加工要素に対する相対速度、特にゼロに低減された被加工要素に対する相対速度で、被加工要素を加工するよう構成された加工ユニットと、制御要素とを備える。この場合、移動ユニットに、加速ユニットが設けられ、制御要素及び加速ユニットは、移動ユニットの移動方向に対して横方向に生じる少なくとも1つの移動成分を有する加速ユニットにおける少なくとも一部の移動が、制御要素に対する移動ユニットの相対移動により機械的に生じるよう構成され、加速ユニットは、移動ユニットの移動方向において、移動ユニットに対する加工ユニットの相対加速が、加速ユニットにおける少なくとも一部の移動により機械的に生じるよう構成される。
【0020】
本発明の第2態様によれば、被加工要素、特に金属容器を加工するための方法が提供される。この方法は、移動ユニットを移動、特に周期的に移動させるステップと、移動方向において、被加工要素に対する移動ユニットの相対速度に比べて低減された被加工要素に対する相対速度、特にゼロに低減された被加工要素に対する相対速度で、少なくとも加工装置内における移動ユニットの移動方向に移動可能に構成された加工ユニットにより、被加工要素を加工するステップと、移動ユニットを制御要素に対して相対移動させることにより、移動ユニットの移動方向に対して横方向に生じる少なくとも1つの移動成分を有する、移動ユニットにおける加速ユニットの少なくとも一部の移動を機械的に生じさせるステップと、加速ユニットの少なくとも一部を移動させることにより、移動ユニットの移動方向において、移動ユニットに対する加工ユニットの相対加速を機械的に生じさせるステップとを含む。
【0021】
本発明の目的は、理想的には外部エネルギーを使用することなく、最も単純なケースでも常に存在する機械の移動成分と容器の構成要素とにより、エアロゾル容器等の製造において、機械自体の出力限界まで装置(例えば回転装置)を使用可能とする作動条件を生成することである。本発明においては、外部エネルギーが使用されないことが特に好適ではあるが、外部エネルギーの使用が必ずしも除外されるわけではないことに留意されたい。
【0022】
この場合、各システムは、可能性又は必要性に応じて、依然として空間的に正確に動作し、従って最終状態が常に同一箇所及び高い反復精度で得られることが望ましい。この場合、本発明の実施形態では,反復精度を二次的手段(本来的な技術思想の対象外である)により確保することができる。
【0023】
所要の設置スペースが僅かであるため、本発明の変形を既存のシステムに適用することができる。
【0024】
ストッパが使用される従来既知のアプローチにおける問題点は、装置を停止するための運動エネルギーを被加工容器か又は外部ストッパで吸収しなければならないことである。このことにより、達成可能な最大速度及び耐用年数の低下がもたらされる。補償運動が利用される従来既知のアプローチは全て付加的なエネルギーを必要とすると共に、電子的に制御されなければならないが、そのようなアプローチにおいてさえ、基本的には最大速度に依然として到達することはない。
【0025】
本発明は、従来の構成に含まれていたものの利用されることのなかった動作シーケンスを適切に利用することにより、コストをかけることなく、衝突エネルギーの低減を可能とする。
【0026】
本発明における一態様の有利な実施形態において、制御要素は、アクティベーションユニットの一部であり、アクティベーションユニットは、移動ユニットに結合されると共に、被加工要素に接触するよう構成される。この実施形態の好適な変形において、アクティベーションユニットは、加工ユニットよりも小さな質量、特に加工ユニットの質量の50%未満、好適には、加工ユニットの質量の5%~40%の質量を有する。
【0027】
この実施形態は、装置の移動した部分内で、アクティベーションが被加工要素上で直接に生じるため有利である。この実施形態において、被加工要素(例えば金属容器)と加工装置(又は加工ユニット)との間の接触は、少なくとも2つの段階に分けて行われる。第1段階では、装置において加工ユニットよりも大幅に軽い部分であるアクティベーションユニットが容器に衝突する。装置におけるこの軽い部分の質量及び衝突速度は、衝突に際して容器に損傷を与えないよう算出することができる。このように、第1段階における接触後、加工装置内には互いに対して移動する要素が存在する。この場合、移動偏向機構により、容器に対して作用する反作用力で容器が損傷することなく、第1相対移動から、装置において基本的にはより重い第2部分である加工ユニットの加速を生じさせることができる。
【0028】
本発明における一態様の他の有利な実施形態において、加工装置は、被加工要素用の保持装置を備え、制御要素は、アクティベーションユニットの一部であり、そのアクティベーションユニットは、少なくとも移動ユニットの移動方向において、保持装置に対して固定配置される。
【0029】
装置を完全に再構成したとしても、アクティベーションユニットが移動ユニットと共に被加工要素に対して移動する変形の実現を不可能にするか又は困難にする境界条件が存在する可能性がある。このことは、既存の加工装置が本発明に従って改造された場合に特に当てはまる。特にこのような場合、本発明は、速度に影響を及ぼすための異なる方法も可能とする。この場合、速度差の操作は、移動ユニット自体の複合体内における2つの部分の互いに対する相対移動で実現されるのではなく、主移動及び外部ストッパに関連して外部操作装置を制御することで実現される。
【0030】
本発明は更に、段階的な加速も可能とすることに留意されたい。従って、例えば、被加工要素に対して固定された第1制御要素と、対応の第1加速ユニットにより、第2制御要素と、対応の第2加速ユニットを有する制御手段の組み合わせに対して影響を及ぼすことができる。この場合、このように加速された(例えば移動方向の一方に制動された)組み合わせは、加工ユニットに対して加速効果(例えば更なる制動を生じさせる効果)を有し、上記制御手段は被加工要素上に着座する。
【0031】
本発明における一態様の他の有利な実施形態において、加速ユニットは、カムキャリアとして形成された制御要素と共にカム機構を構成するピックオフ要素を有し、加速ユニットは、特にピックオフ要素を移動させることで生じるレバー作用により、加工ユニットに対する相対加速を機械的にもたらすよう構成される。
【0032】
本発明においては、例えば、移動ユニットに結合されたアクティベーションユニットに関連して、1個のカム又は周方向に分布させた複数個のカムを、装置に対して最初に移動される部分に取り付けることができる(被加工要素に対して固定されたアクティベーションユニットの場合にも同様の原理が適用される)。第1部分が依然として自立的に移動している間、上記カムは、例えば、回転可能に支持されると共に、カム形状によってその旋回点周りで変位されるレバーにおける接触要素の下方で延在している。主に半径方向へのこの変位は、レバーにおけるその他の箇所で軸線方向移動に変換され、レバーにおけるその他の箇所にて他の接触要素により、装置において基本的にはより重い第2部分、即ち加工ユニットに伝達される。本発明のこの変形において、装置におけるより軽い第1部分(アクティベーションユニット)の速度変化は、容器に接触した後に急激に生じるのに対して、第2部分(加工ユニット)の速度変化は、所定の範囲に亘って緩やかに生じるため、第2部分の衝突時の移動量が大幅に低減される。更に、カム及びレバー形状を適切に構成すれば、第2部分における所定の加速段階の後、第1部分は、ほぼ速度差を伴うことなく、即ちほぼ衝撃を伴うことなく、第2部分に対して直接に接触し、その動きを1:1で第2部分に伝達することも可能である。
【0033】
本発明の有利な実施形態において、上記旋回点は、加工装置内における機械の移動に対して所定位置に固定される。
【0034】
上述した実施形態の好適な変形において、ピックオフ要素は、ガイドによりカムキャリアに沿ってガイドされるか、及び/又は、ピックオフ要素に、そのピックオフ要素をカムキャリア上に押圧するばねが設けられる。
【0035】
本発明における一態様の他の有利な実施形態において、加速ユニットにより、移動ユニットから運動エネルギーのみが加工ユニットのみに伝達されると共に、加工ユニットから運動エネルギーのみが移動ユニットのみに伝達される。
【0036】
本発明における一態様の他の有利な実施形態において、加工ユニットは、被加工要素の軸線周り、特に移動ユニットの移動方向に平行な軸線周りで、被加工要素を回転加工、特にフライス加工、フランジ圧延、ねじ転造及び/又はビード圧延するよう構成される。
【0037】
本発明における一態様の他の有利な実施形態において、移動ユニットの移動は、前進移動及び後退移動による周期移動であり、前進移動においては、被加工要素側に向けて加工ユニットの移動が生じると共に、移動ユニットに対する加工ユニットの相対加速が加工ユニットの制動を伴い、後退移動においては、被加工要素から離れた側に向けて加工ユニットの移動が生じると共に、移動ユニットに対する加工ユニットの相対加速が加工ユニットの加速を伴う。
【0038】
本発明における有利な実施形態の特徴は、従属請求項に記載したとおりである。更に、当業者であれば、上記及び下記の説明に基づいて、本発明における他の有利な特徴、実施形態及び変形を見出すことができる。
【0039】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明に係る加工装置の第1実施形態を示す略図である。
図2】本発明に係る加工装置の第2実施形態を示す略図である。
図3】本発明に係る加工方法の実施形態を示す概略的なフローチャートである。
図4】本発明に係る加工装置の第3実施形態を示す略図である。
図5】本発明に係る加工装置の第4実施形態を示す略図である。
図6】本発明に係る加工装置の第5実施形態を示す略図である。
図7】本発明に係る加工装置の第6実施形態を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
添付図面及び図面に関連する説明において、対応する要素又は関連する要素には、異なる実施形態であっても、対応する参照符号又は類似の参照符号が付されている。
【0042】
図1は、本発明に係る加工装置10の第1実施形態を概略的に示す。より厳密には、サブ図1a~1eは、加工装置10における動作シーケンスの異なる状態を示す。
【0043】
加工装置10は、移動ユニット12と、加工ユニット14と、制御要素18と、加速ユニット20と、保持装置22と、ピックオフ要素24と、レバー26と、旋回軸28とを備える。
【0044】
保持装置22には、加工ユニット14用のストッパ16が設けられている。この場合、被加工要素(図1の左側に配置されるが図示せず)は、加工ユニット14がストッパ16に衝突するか又は接触したとき(又はその直前)に、加工ユニット14と接触する。
【0045】
制御要素18は、カムキャリアとして保持装置22に取り付けられている。従って、保持装置22は、制御要素18を保持する制御手段と見なすこともできる。
【0046】
レバー26に接続されたピックオフ要素24は、制御要素18に接触しているため、(制御要素18によって生じる)ピックオフ要素24の移動により、レバー26が旋回軸28周りで旋回される。
【0047】
加工ユニット14は、移動ユニット12に支持されているが、移動ユニットの移動方向に沿って移動ユニットに対して移動させることができる。
【0048】
ピックオフ要素24と、旋回軸28を有するレバー26は、移動ユニット12に設けられた加速ユニットの一部を構成している。
【0049】
図1aは、加工ユニット14が被加工要素から離れた位置(例えば図1における移動ユニット12が、右側から左側に向けて移動した後に再び右側に向けて周期的に移動するストロークの最端位置)にあるときの加工装置10の状態を示す。
【0050】
図1bにおいては、移動ユニット12が左側に向けて移動したため、加工ユニット14がストッパ16の直前(従って、更に左側に配置される被加工要素(図示せず)の直前)に位置している。制御要素18の長手方向においては、ピックオフ要素24も、(図においては上方への)偏向を生じさせるカムの開始端部の直前に位置している。
【0051】
図1cにおいては、図1bに比べて、移動ユニット12が左側に向けて更に移動したことにより、ピックオフ要素24が制御要素18のカムによって上方に移動したことが分かる。この上方への移動は、旋回軸28周りでレバー26が旋回することにより、ピックオフ要素24に対向するレバー26端部の移動に変換され、そのレバー端部が加工ユニット14に作用することにより、ストッパ16に対する加工ユニット14の移動が制動される。
【0052】
図1dは、図1cに表す状態の続きを示す。この場合、ピックオフ要素24は、制御要素18のカム端部に到達しているため、レバー26もやはり旋回を停止しており、レバー26の旋回移動と移動ユニット12の移動とが組み合わされることにより、加工ユニットが移動ユニット12よりも遅い速度でストッパ16(従って、被加工要素(図示せず))に衝突する。
【0053】
制御要素18のカムは硬いストッパではないため、加工ユニット14は、ストッパ16に所定の残留移動量で接触可能であり、従って被加工要素が損傷することはない。ただしレバー26が停止し、従ってレバー26自体がストッパとして機能する構成としてもよい。ストッパ16が設けられる図1に示す実施形態の代替として、このようなストッパが設けられない構成も想定可能である。この場合、加工ユニット14は、被加工要素に対して直接に接触することができる。これら全ての構成において、制御要素18のカムと加速ユニット20との相互作用により、加工ユニットを(実質的に)残留移動量ゼロで被加工要素上に配置することが可能である。
【0054】
図1eにおいては、移動要素12の更なる移動により、レバー26が加工ユニット14から離れたことが分かる。この場合に移動要素12の位置は、例えば、図1aに示す位置とは反対側におけるストロークの最端位置であってもよい。
【0055】
加工装置10内における逆方向への移動及びその移動に伴う変化も、図1a図1eに基づいて理解することができる。
【0056】
移動ユニット12が右側に向けて移動すると、ピックオフ要素24が制御要素18のカムに追従するため、ピックオフ要素24に対向するレバー26端部は、移動要素12の移動に対して遅れを生じ、好適には、加工ユニット14に接触する領域でほぼ停止する。移動要素12が更に移動すると、レバー26端部は、制御要素18におけるカムの更なる制御により、移動要素全体に対する(絶対)速度に関して遅れを挽回する。従って、加工ユニット14が連行されたときに、加工ユニット14は、大きな加速を生じることはなく、むしろより長時間に亘ってより小さな加速を生じる。
【0057】
図2は、本発明に係る加工装置50の第2実施形態を概略的に示す。より厳密には、サブ図2a~2fは、加工装置50における動作シーケンスの異なる状態を示す。
【0058】
加工装置50は、移動ユニット54と、アクティベーションユニット56と、制御要素64と、加工ユニット58と、ピックオフ要素62、レバー66、並びに旋回軸68を有する加速ユニット60とを備える。
【0059】
図1の実施形態とは異なり、図示の実施形態においてはアクティベーションユニット56が設けられているため、加工装置が移動すると、アクティベーションユニット56が被加工要素52(この場合はボトル)に接触する。これにより、被加工要素52の端部位置とアクティベーションユニットにおける制御要素64との間で、被加工要素52における他の箇所の寸法又は位置決めに関わらず、所定の関連付けが行われる。
【0060】
(カムを有する)制御要素64、ピックオフ要素62、レバー66、並びに旋回軸68の機能及び相互作用は、図1に関連して説明したのと同じであるため、以下においては説明を省略する。図2において、レバーは、制御要素64におけるカムの経路を覆い隠すことがないよう「透明」な状態で表されていることに留意されたい。
【0061】
図2aは、加工装置50を、被加工要素52から離れた位置で示す。図2bにおいて、アクティベーションユニット56は、被加工要素52上に配置されている。図2cにおいては、アクティベーションユニット56と加工ユニット58との間の距離(「X」)から、加工ユニット58が移動ユニット54と共に更に移動したことが分かる。図2dは、制御要素64のカム上においてピックオフ要素62が偏向したことにより、レバー66が旋回軸68周りで旋回し、これにより加工ユニット58に(移動ユニット54に対して負の加速、即ち制動を生じるよう)作用していることを示す。図2c及び図2dを比較すれば、レバー66の作用により、加工ユニット58が移動ユニット54に対して遅れを生じていることが分かる。図2eは、加工ユニットがアクティベーションユニット56上(従って被加工要素52上)に配置された状況(「X=0」)を示すのに対して、図2fは、移動ユニット54が加工ユニット58に対して更に移動し、レバー66が加工ユニット58から解放された状況を示す。
【0062】
図1に関して上述した運動学的反転は、図2の実施形態において、移動が逆方向に生じた場合にも同様に当てはまる。
【0063】
カムガイドの構成及び例えば加速ユニットのような他の機構との相互作用に関して考慮すべきことは、制動部分(例えば図1に示すレバー26端部)が、理想的には、移動ユニットの移動方向(被加工要素が例えば缶の場合、缶の軸線方向であって缶から離れる方向)に沿って所望の(最大)速度を有し、その速度が、カム上を移動するときに(大体/正確に、または少なくとも実質的に)相殺されるという点を含む。従って、極端な場合、関連部分の移動の組み合わせ及び/又は導入により、関連部分の停止が生じる(又は接触速度が少なくとも実質的に減速する)。この場合に停止が生じるか又は最小速度が生じる箇所は、加工ユニットが、ストッパ又は被加工要素に接触するよう設定する必要がある。
【0064】
図3は、本発明に係る加工方法の実施形態をフローチャートとして概略的に示す。
【0065】
本発明に係る方法は、先ず、移動ユニット全体を関連するユニットと共に移動させるステップ101を含む。
【0066】
ステップ102においてはこの移動を継続させるが、ステップ102の移動と同時に、移動ユニットを制御要素に対して移動させることにより、移動ユニットの移動方向に対して横方向に生じる少なくとも1つの移動成分を有する、移動ユニットにおける加速ユニットの少なくとも一部の移動を機械的に生じさせるステップ103を実施する。更に、ステップ104においては、加速ユニットの少なくとも上記一部を移動させることにより、移動ユニットの移動方向において、移動ユニットに対する加速ユニットの相対加速を生じさせる。
【0067】
ステップ103及びステップ104により、加工ユニットは、被加工要素に対して制動状態で衝突する(例えば、図1d又は図2e参照)。これにより、ステップ106においては、被加工要素の加工が可能であり、またステップ105においては、移動ユニットの移動を継続させる。
【0068】
移動ユニットが移動する方向は、ステップ107で反転させる。
【0069】
ステップ108においてはこの移動もやはり継続させるが、ステップ108の移動と同時に、移動ユニットを制御要素に対して移動させることにより、移動ユニットの移動方向に対して横方向に生じる少なくとも1つの移動成分を有する、移動ユニットにおける加速ユニットの少なくとも一部の移動を機械的に生じさせるステップ109を実施する。更に、ステップ110においては、加速ユニットの少なくとも上記一部を移動させることにより、移動ユニットの移動方向において、移動ユニットに対する加速ユニットの相対加速を生じさせる。換言すれば、この場合、加速ユニットは制動される。なぜなら、加速ユニットの移動は、ストッパ又は被加工要素と加工ユニットとの間で接触が生じる前から開始するからである。
【0070】
ステップ109及びステップ110における移動又は加速は、それぞれ、ステップ103及びステップ104における移動又は加速と逆方向に生じさせる。
【0071】
ステップ111においては、移動ユニット全体を移動させるが、ステップ101とは逆方向に移動させる。本発明に係る方法は、ストロークの他端にて反転を生じさせた後に継続することができる。
【0072】
本発明に係る方法は、ステップ101の移動を開始点として説明されているが、これに限定されるものではない。本発明に係る方法は、特に、ステップ107~111で開始し、ステップ101~106で継続し、その後にこのサイクルをステップ107から再び継続することも可能である。
【0073】
図4は、本発明に係る加工装置の第3実施形態を概略的に示す。図示の実施形態における加工装置200については、説明にとって必要な部分のみが表されている。
【0074】
加工装置200は、加速ユニット203を介して互いに結合された移動ユニット201と加工ユニット202とを備える。
【0075】
図4aに示す加工装置200の位置又は状態において、接触レバー205は、ストッパとして構成された制御要素204にまだ接触していない(ただし、移動ユニット201が左側又は右側に向けて移動した場合には接触する)。
【0076】
接触レバー205は、L字状に構成されると共に、その脚部の角が移動ユニット201に旋回可能に接続されている。2本の脚部のうち、より長い脚部が制御要素204に接触するよう設けられている。
【0077】
接触レバー205における2本の脚部のうち、より短い脚部の端部には、アーム206が旋回可能に取り付けられ、そのアーム206は、加工ユニット202に旋回可能に接続されている。
【0078】
図4bは、移動ユニット201が左側に向けて移動すると、制御要素204に接触することにより、接触レバー205端部が残留する状態を示す。この場合に接触レバー205は、移動ユニット201に対して旋回し、アーム206が結合されているが故に、その旋回で加工ユニット202の相対移動が生じる。
【0079】
図5は、本発明に係る加工装置の第4実施形態を概略的に示す。この場合も、図示の実施形態における加工装置300については、説明にとって必要な部分のみが表されている。
【0080】
加工装置300は、加工ユニット302と、(移動ユニット(図示せず)の一部を構成する)加速ユニット303とを備える。加工ユニット302は、略円筒状セクションを有し、図示の実施形態においては、加速ユニット303における対応の略円筒状セクション内に配置されている。加速ユニット303は、加工ユニット302のローラ307に接触した傾斜肩部306を有する。更に、ピックオフ要素305を介して、加速ユニット303をその長手方向軸線(即ち、図5aの平面内で水平方向)周りで回転させるようガイドするカム304も設けられている。図5bに示す経路を有するカム304は、加工ユニット302及び加速ユニット303周りの外面に向けて延在している。
【0081】
図5aにおける加速ユニット303が左側に向けて移動すると、カム304により、(右側から見て)加速ユニット303がその長手方向軸線に沿って時計回りに回転する。この場合、加工ユニット302は、加速ユニット303と共に回転しないようガイドされるため、肩部を転動するローラ307により、加速ユニット303に対して右側に向けて相対移動を生じる。これにより、加工ユニット302は、加速ユニット303の移動に比べて、左側に向けて制動される。
【0082】
図6は、本発明に係る加工装置の第5実施形態を概略的に示す。この場合も、図示の実施形態における加工装置400については、説明にとって必要な部分のみが表されている。
【0083】
加工装置400は、カムキャリア404が設けられた加工ユニット402に加えて、旋回可能なフォロワ403が設けられた移動ユニット401を備える。フォロワ403は、カムキャリア404と協働するよう構成されている。
【0084】
フォロワ403は、一方の脚部端部にてL字状のキャリア405により保持され、他方の脚部端部は、ストッパ406に衝突するために設けられている。
【0085】
図6a及び図6bから分かるように、キャリア又はその他端がストッパ406に衝突すると、カムキャリアが旋回する。これにより、フォロワ403及びカムキャリア404を介して、移動ユニット401に対する加工ユニット402の相対移動が生じる。
【0086】
図7は、本発明に係る加工装置の第6実施形態を概略的に示す。この場合も、図示の実施形態における加工装置500については、説明にとって必要な部分のみが表されている。
【0087】
移動ユニット及びフォロワユニット501のみが表された加工装置500における加工ユニットは、加工ユニットの移動方向と同軸に回転すると共に、フォロワユニット501に対向する側に直動カム503が設けられたストッパ502に対して移動する。この場合、ストッパ502の回転は、加工ユニットの移動方向に対して回転位置が固定されたフォロワユニット501が直動カム503の肩部にて接触し、その後、直動カム503の回転、直動カム503の形状、並びに直動カム503の輪郭上で転動するフォロワユニット501の相互作用で制動されるように、調整されている。このことは、運動学的反転、即ち加速が逆方向に生じた場合にも同様に当てはまる。ストッパ502は、好適には、移動ユニット自体の移動を適切に変換することで回転可能であり、またストッパ502を別箇に駆動させることも可能である。
【0088】
図面において、本発明の異なる態様又は特徴が組み合わせとして表されていたとしても、当業者であれば、特に断りがない限り、図示及び記載した組み合わせに限定されないことは自明である。より具体的に述べれば、異なる実施形態における対応のユニット又は一連の特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0089】
以下、本発明における特定の態様について更に言及する。
【0090】
本発明は、例えば金属容器を加工するための機械において、互いに対して移動する物体が接触するときに、互いに対して移動するこれら物体の軸線方向における速度差の操作を可能とするものである。この場合、有利には純粋に機械的なシステムにより、装置における一方の部分の速度が変化(遅延)するため、衝突時の移動量が最小化される。これら2個の可動部分は、軸線方向に平行に配置可能であり、好適には、2個の可動部分の移動に影響を及ぼすための外部エネルギー又は制御入力が不要である。
【0091】
例えば金属容器を加工し、かつアクティベーションが物体上で直接に生じる機械において、互いに対して移動する物体の速度差を低減するための本発明の有利な実施形態では、影響が及ぼされるべき物体が、異なる重量を有する2個の部分に分けられる。この場合、主アクティベーション部分として使用されると共に、より軽い第1部分は、急激な速度変化を生じた後、物体におけるより重い第2部分に対して相対移動を生じることで、第2部分に対して緩やかな速度変化をもたらす。この場合、有利な構成により、物体の主アクティベーション部分と第2部分との間の相対速度を接触時にほぼゼロにすることができる。好適な実施形態において、物体における突出した第1部分上には、カム要素が割り当てられ、突出した第1部分がその端部位置に到達した後、物体の第1部分と依然として機械の大部分で移動される第2部分との間に生じる相対移動により、カム要素沿いの接触に起因して伝達レバーが偏向される。この偏向レバーの動きは、レバーの他の箇所において、物体の第2部分に対して逆方向に伝達される。この場合、伝達レバーに導入された動きは、有利には、物体の第1部分に対して主に直角に生じさせることができる。また、物体の第2部分に対して導出された動きは、第1部分に対して実質的に軸線方向に平行である。
【0092】
アクティベーションが装置の外部で生じ、かつ金属容器を加工するための機械において、互いに対して移動する物体の速度差を低減するための他の実施形態では、装置の移動は、機械の主移動で移動されるカムセグメントにより、装置が外部ストッパに到達するときに移動量が最小化されるよう操作され、及び/又は、ストッパは、機械の移動に結合された機構によって物体が衝突する前に、物体の移動方向に加速されることにより、ストッパと物体との間の接触が速度差なしに生じ、その後ストッパ上に物体が着座した状態でストッパが停止位置に向けて制動される。この場合、装置が外部ストッパに衝突するときに、装置の衝突速度がほぼゼロであるか、及び/又は、ストッパがその端部位置に到達するときに、端部位置へのストッパの衝突速度がほぼゼロであることが特に望ましい。
【0093】
本発明は、金属容器を加工するための機械において、互いに対して移動する物体における速度差の低減を可能とする。この場合、レバーに支持されたストッパは、待機位置に位置すると共に、機械の移動と共に移動されるカムセグメントの制御下で、機械の周期における特定の位相にてレバーを介して加速されることにより、機械の移動と共に移動される装置が移動されたストッパに対してほぼゼロの速度差で衝突し、その後にストッパが、依然としてレバー及びカムセグメントを介して制御された状態で、ストッパの端部位置に向けて制動される。伝達レバーに導入された動きは、例えば、物体の第1部分に対して主に直角に生じさせることができ、また、物体の第2部分に対して導出された動きは、第1部分に対して実質的に軸線方向に平行とすることができる。
【符号の説明】
【0094】
10 加工装置
12 移動ユニット
14 加工ユニット
16 外部ストッパ
18 制御要素
20 加速ユニット
22 保持装置
24 ピックオフ要素
26 レバー
28 旋回軸
50 加工装置
52 被加工要素
54 移動ユニット
56 アクティベーションユニット
58 加工ユニット
60 加速ユニット
62 ピックオフ要素
64 制御要素
66 レバー
68 旋回軸
101 移動ユニットを移動させるステップ
102 移動ユニットを移動させるステップ
103 加速ユニットの一部を移動させるステップ
104 加工ユニットの相対加速を生じさせるステップ
105 移動ユニットを移動させるステップ
106 被加工要素を加工するステップ
107 移動ユニットを移動させるステップ
108 移動ユニットを移動させるステップ
109 加速ユニットの一部を移動させるステップ
110 加工ユニットの相対加速を生じさせるステップ
111 移動ユニットを移動させるステップ
200 加工装置
201 移動ユニット
202 加工ユニット
203 加速ユニット
204 制御要素又はストッパ
205 接触レバー
206 アーム
300 加工装置
302 加工ユニット
303 加速ユニット
304 制御カム
305 ピックオフ要素
306 肩部
307 ローラ
400 加工装置
401 移動ユニット
402 加工ユニット
403 フォロワ
404 カムキャリア
405 キャリア
406 ストッパ
500 加工装置
501 フォロワユニット
502 ストッパ
503 直動カム
図1
図2-1】
図2-2】
図3
図4
図5
図6
図7