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特許7065694電流検出回路、電流計、及び、電流検出回路の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】電流検出回路、電流計、及び、電流検出回路の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20220502BHJP
【FI】
G01R19/00 B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018102612
(22)【出願日】2018-05-29
(65)【公開番号】P2019207159
(43)【公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591132955
【氏名又は名称】株式会社秋田新電元
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 喜市
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-244448(JP,A)
【文献】特開2009-081545(JP,A)
【文献】特開2007-158771(JP,A)
【文献】特開平09-139642(JP,A)
【文献】特開2006-242937(JP,A)
【文献】実開昭53-030375(JP,U)
【文献】特開2015-099052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 19/00-19/32、
15/00-17/22、
H03F 1/00-3/45、
3/50-3/52、
3/62-3/64、
3/68-3/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号入力端子及び信号出力端子と、
第1入力が前記信号入力端子に接続され、第2入力が固定電位に接続され、出力が前記信号出力端子に接続された検出用オペアンプと、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第1の検出用スイッチ素子と、
一端が前記第1の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記検出用オペアンプの前記出力に接続された第1の検出用帰還抵抗と、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第1の補償用スイッチ素子と、
一端が前記第1の補償用スイッチ素子の他端に接続された第1の補償用帰還抵抗と、
一端が前記第1の検出用スイッチ素子の他端に接続された第1の帰還用スイッチ素子と、
第1入力が前記第1の補償用帰還抵抗の他端に接続され、第2入力が前記第1の帰還用スイッチ素子の他端に接続され、出力が前記第1の補償用帰還抵抗の他端に接続された補償用オペアンプと、を備える
ことを特徴とする電流検出回路。
【請求項2】
前記検出用オペアンプの前記第1入力は、反転入力端子であり、
前記検出用オペアンプの前記第2入力は、非反転入力端子であり、
前記補償用オペアンプの前記第1入力は、反転入力端子であり、
前記補償用オペアンプの前記第2入力は、非反転入力端子である
ことを特徴とする請求項1に記載の電流検出回路。
【請求項3】
前記第1の検出用スイッチ素子、前記第1の補償用スイッチ素子、及び、第1の帰還用スイッチ素子は、同期してオン又はオフに切り換えられる
ことを特徴とする請求項2に記載の電流検出回路。
【請求項4】
前記検出用オペアンプの前記非反転入力端子は、接地に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の電流検出回路。
【請求項5】
前記第1の補償用帰還抵抗の抵抗値と前記第1の検出用帰還抵抗の抵抗値とは、等しくなるように設定されている
ことを特徴とする請求項4に記載の電流検出回路。
【請求項6】
前記第1の検出用スイッチ素子のオン抵抗の値、前記第1の補償用スイッチ素子のオン抵抗の値、及び、第1の帰還用スイッチ素子のオン抵抗の値は、等しくなるように設定されている
ことを特徴とする請求項5に記載の電流検出回路。
【請求項7】
前記信号入力端子には、被測定回路に流れる電流が印加されるようになっている
ことを特徴とする請求項6に記載の電流検出回路。
【請求項8】
前記信号出力端子の検出電圧に基づいて、前記被測定回路に流れる電流値が検出される
ことを特徴とする請求項7に記載の電流検出回路。
【請求項9】
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第2の検出用スイッチ素子と、
一端が前記第2の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記検出用オペアンプの前記出力に接続された第2の検出用帰還抵抗と、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第2の補償用スイッチ素子と、
一端が前記第2の補償用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記補償用オペアンプの前記第1入力に接続された第2の補償用帰還抵抗と、
一端が前記第2の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記補償用オペアンプの第1入力に接続された第2の帰還用スイッチ素子と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項6に記載の電流検出回路。
【請求項10】
前記第2の検出用スイッチ素子、前記第2の補償用スイッチ素子、及び、第2の帰還用スイッチ素子は、同期してオン又はオフに切り換えられ、且つ、前記第1の検出用スイッチ素子と前記第2の検出用スイッチ素子とは、何れか一方がオンするように制御される
ことを特徴とする請求項9に記載の電流検出回路。
【請求項11】
前記第2の補償用帰還抵抗の抵抗値と前記第2の検出用帰還抵抗の抵抗値とは、等しくなるように設定され、且つ、前記第1の検出用帰還抵抗の抵抗値と前記第2の検出用帰還抵抗の抵抗値とは、検出範囲に応じて設定されている
ことを特徴とする請求項10に記載の電流検出回路。
【請求項12】
前記第2の検出用スイッチ素子のオン抵抗の値、前記第2の補償用スイッチ素子のオン抵抗の値、及び、第2の帰還用スイッチ素子のオン抵抗の値は、等しくなるように設定され、且つ、前記第2の検出用スイッチ素子のオン抵抗の値と前記第1の検出用スイッチ素子のオン抵抗の値とは、等しくなるように設定されている
ことを特徴とする請求項11に記載の電流検出回路。
【請求項13】
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第3の検出用スイッチ素子と、
一端が前記第3の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記検出用オペアンプの前記出力に接続された第3の検出用帰還抵抗と、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第3の補償用スイッチ素子と、
一端が前記第3の補償用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記補償用オペアンプの前記第1入力に接続された第3の補償用帰還抵抗と、
一端が前記第3の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記補償用オペアンプの第1入力に接続された第3の帰還用スイッチ素子と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項12に記載の電流検出回路。
【請求項14】
被測定回路に流れる電流を検出し、検出した電流に応じた検出電圧を出力する電流検出回路と、
前記検出電圧を変換した検出信号を出力するコンバータと、
表示制御信号に基づいて所定の情報を表示する表示部と、
検出制御信号により前記電流検出回路の動作を制御するとともに、前記表示制御信号により前記検出信号に応じた検出結果を前記表示部に表示させる制御部と、を備え、
前記電流検出回路は、
前記被測定回路に流れる電流が入力される信号入力端子と、
前記検出電圧を出力する信号出力端子と、
第1入力が前記信号入力端子に接続され、第2入力が固定電位に接続され、出力が前記信号出力端子に接続された検出用オペアンプと、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第1の検出用スイッチ素子と、
一端が前記第1の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記検出用オペアンプの前記出力に接続された第1の検出用帰還抵抗と、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第1の補償用スイッチ素子と、
一端が前記第1の補償用スイッチ素子の他端に接続された第1の補償用帰還抵抗と、
一端が前記第1の検出用スイッチ素子の他端に接続された第1の帰還用スイッチ素子と、
第1入力が前記第1の補償用帰還抵抗の他端に接続され、第2入力が前記第1の帰還用スイッチ素子の他端に接続され、出力が前記第1の補償用帰還抵抗の他端に接続された補償用オペアンプと、を備える
ことを特徴とする電流計。
【請求項15】
信号入力端子及び信号出力端子と、第1入力が前記信号入力端子に接続され、第2入力が固定電位に接続され、出力が前記信号出力端子に接続された検出用オペアンプと、一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第1の検出用スイッチ素子と、一端が前記第1の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記検出用オペアンプの前記出力に接続された第1の検出用帰還抵抗と、一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第1の補償用スイッチ素子と、一端が前記第1の補償用スイッチ素子の他端に接続された第1の補償用帰還抵抗と、一端が前記第1の検出用スイッチ素子の他端に接続された第1の帰還用スイッチ素子と、第1入力が前記第1の補償用帰還抵抗の他端に接続され、第2入力が前記第1の帰還用スイッチ素子の他端に接続され、出力が前記第1の補償用帰還抵抗の他端に接続された補償用オペアンプと、を備えた電流検出回路の制御方法であって、
前記第1の検出用スイッチ素子、前記第1の補償用スイッチ素子、及び、第1の帰還用スイッチ素子は、同期してオン又はオフに切り換えられる
ことを特徴とする電流検出回路の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流検出回路、電流計、及び、電流検出回路の制御方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、被測定回路の電流を計測する電流計に用いられる電流検出回路がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この電流検出回の基本回路としては、例えば、オペアンプを使ったIV変換の電流検出回路の基本回路(図6)がある。
【0004】
この基本回路は、信号入力端子Iinから入力された電流を、負帰還抵抗Rfを介してVout=Iin×Rfに変換する。
【0005】
ところが、実際に測定装置などに応用された場合、測定範囲を広げ分解能を上げるために、いくつかの帰還抵抗をアナログスイッチ等で切り替える電流検出回路(図7)が考えられる。
【0006】
この図7に示す電流検出回路は、当然そのオン抵抗Ronが帰還抵抗に付加され誤差の要因となる(図8)。
【0007】
このように、従来の電流検出回路では、スイッチ素子のオン抵抗Ronが、誤差要因となる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2004-286657
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、オペアンプの帰還抵抗を切り換えるスイッチ素子のオン抵抗による誤差を補正して、高精度に被測定回路の電流を検出することが可能な電流検出回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る実施形態に従った電流検出回路は、
信号入力端子及び信号出力端子と、
第1入力が前記信号入力端子に接続され、第2入力が固定電位に接続され、出力が前記信号出力端子に接続された検出用オペアンプと、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第1の検出用スイッチ素子と、
一端が前記第1の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記検出用オペアンプの前記出力に接続された第1の検出用帰還抵抗と、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第1の補償用スイッチ素子と、
一端が前記第1の補償用スイッチ素子の他端に接続された第1の補償用帰還抵抗と、
一端が前記第1の検出用スイッチ素子の他端に接続された第1の帰還用スイッチ素子と、
第1入力が前記第1の補償用帰還抵抗の他端に接続され、第2入力が前記第1の帰還用スイッチ素子の他端に接続され、出力が前記第1の補償用帰還抵抗の他端に接続された補償用オペアンプと、を備える
ことを特徴とする。
【0011】
前記電流検出回路において、
前記検出用オペアンプの前記第1入力は、反転入力端子であり、
前記検出用オペアンプの前記第2入力は、非反転入力端子であり、
前記補償用オペアンプの前記第1入力は、反転入力端子であり、
前記補償用オペアンプの前記第2入力は、非反転入力端子である
ことを特徴とする。
【0012】
前記電流検出回路において、
前記第1の検出用スイッチ素子、前記第1の補償用スイッチ素子、及び、第1の帰還用スイッチ素子は、同期してオン又はオフに切り換えられる
ことを特徴とする。
【0013】
前記電流検出回路において、
前記検出用オペアンプの前記非反転入力端子は、接地に接続されていることを特徴とする。
【0014】
前記電流検出回路において、
前記第1の補償用帰還抵抗の抵抗値と前記第1の検出用帰還抵抗の抵抗値とは、等しくなるように設定されている
ことを特徴とする。
【0015】
前記電流検出回路において、
前記第1の検出用スイッチ素子のオン抵抗の値、前記第1の補償用スイッチ素子のオン抵抗の値、及び、第1の帰還用スイッチ素子のオン抵抗の値は、等しくなるように設定されている
ことを特徴とする。
【0016】
前記電流検出回路において、
前記信号入力端子には、被測定回路に流れる電流が印加されるようになっている
ことを特徴とする。
【0017】
前記電流検出回路において、
前記信号出力端子の検出電圧に基づいて、前記被測定回路に流れる電流値が検出される
ことを特徴とする。
【0018】
前記電流検出回路において、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第2の検出用スイッチ素子と、
一端が前記第2の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記検出用オペアンプの前記出力に接続された第2の検出用帰還抵抗と、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第2の補償用スイッチ素子と、
一端が前記第2の補償用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記補償用オペアンプの前記第1入力に接続された第2の補償用帰還抵抗と、
一端が前記第2の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記補償用オペアンプの第1入力に接続された第2の帰還用スイッチ素子と、をさらに備える
ことを特徴とする。
【0019】
前記電流検出回路において、
前記第2の検出用スイッチ素子、前記第2の補償用スイッチ素子、及び、第2の帰還用スイッチ素子は、同期してオン又はオフに切り換えられ、且つ、前記第1の検出用スイッチ素子と前記第2の検出用スイッチ素子とは、何れか一方がオンするように制御される
ことを特徴とする。
【0020】
前記電流検出回路において、
前記第2の補償用帰還抵抗の抵抗値と前記第2の検出用帰還抵抗の抵抗値とは、等しくなるように設定され、且つ、前記第1の検出用帰還抵抗の抵抗値と前記第2の検出用帰還抵抗の抵抗値とは、検出範囲に応じて設定されている
ことを特徴とする。
【0021】
前記電流検出回路において、
前記第2の検出用スイッチ素子のオン抵抗の値、前記第2の補償用スイッチ素子のオン抵抗の値、及び、第2の帰還用スイッチ素子のオン抵抗の値は、等しくなるように設定され、且つ、前記第2の検出用スイッチ素子のオン抵抗の値と前記第1の検出用スイッチ素子のオン抵抗の値とは、等しくなるように設定されている
ことを特徴とする。
【0022】
前記電流検出回路において、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第3の検出用スイッチ素子と、
一端が前記第3の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記検出用オペアンプの前記出力に接続された第3の検出用帰還抵抗と、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第3の補償用スイッチ素子と、
一端が前記第3の補償用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記補償用オペアンプの前記第1入力に接続された第3の補償用帰還抵抗と、
一端が前記第3の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記補償用オペアンプの第1入力に接続された第3の帰還用スイッチ素子と、をさらに備える
ことを特徴とする。
【0023】
本発明の一態様に係る実施形態に従った電流計は、
被測定回路に流れる電流を検出し、検出した電流に応じた検出電圧を出力する電流検出回路と、
前記検出電圧を変換した検出信号を出力するコンバータと、
表示制御信号に基づいて所定の情報を表示する表示部と、
検出制御信号により前記電流検出回路の動作を制御するとともに、前記表示制御信号Yにより前記検出信号に応じた検出結果を前記表示部に表示させる制御部と、を備え、
前記電流検出回路は、
前記被測定回路に流れる電流が入力される信号入力端子と、
前記検出電圧を出力する信号出力端子と、
第1入力が前記信号入力端子に接続され、第2入力が固定電位に接続され、出力が前記信号出力端子に接続された検出用オペアンプと、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第1の検出用スイッチ素子と、
一端が前記第1の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記検出用オペアンプの前記出力に接続された第1の検出用帰還抵抗と、
一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第1の補償用スイッチ素子と、
一端が前記第1の補償用スイッチ素子の他端に接続された第1の補償用帰還抵抗と、
一端が前記第1の検出用スイッチ素子の他端に接続された第1の帰還用スイッチ素子と、
第1入力が前記第1の補償用帰還抵抗の他端に接続され、第2入力が前記第1の帰還用スイッチ素子の他端に接続され、出力が前記第1の補償用帰還抵抗の他端に接続された補償用オペアンプと、を備える
ことを特徴とする。
【0024】
本発明の一態様に係る実施形態に従った電流検出回路の制御方法は、
信号入力端子及び信号出力端子と、第1入力が前記信号入力端子に接続され、第2入力が固定電位に接続され、出力が前記信号出力端子に接続された検出用オペアンプと、一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第1の検出用スイッチ素子と、一端が前記第1の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が前記検出用オペアンプの前記出力に接続された第1の検出用帰還抵抗と、一端が前記検出用オペアンプの前記第1入力に接続された第1の補償用スイッチ素子と、一端が前記第1の補償用スイッチ素子の他端に接続された第1の補償用帰還抵抗と、一端が前記第1の検出用スイッチ素子の他端に接続された第1の帰還用スイッチ素子と、第1入力が前記第1の補償用帰還抵抗の他端に接続され、第2入力が前記第1の帰還用スイッチ素子の他端に接続され、出力が前記第1の補償用帰還抵抗の他端に接続された補償用オペアンプと、を備えた電流検出回路の制御方法であって、
前記第1の検出用スイッチ素子、前記第1の補償用スイッチ素子、及び、第1の帰還用スイッチ素子は、同期してオン又はオフに切り換えられる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一態様に係る電流検出回路は、信号入力端子Iin及び信号出力端子Voutと、第1入力(-)が信号入力端子に接続され、第2入力(+)が固定電位(接地電位)に接続され、出力が信号出力端子に接続された検出用オペアンプOPAmp1と、一端が検出用オペアンプの第1入力に接続された第1の検出用スイッチ素子SW1aと、一端が第1の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が検出用オペアンプの出力に接続された第1の検出用帰還抵抗Rf1aと、一端が検出用オペアンプの第1入力に接続された第1の補償用スイッチ素子SW1bと、一端が第1の補償用スイッチ素子の他端に接続された第1の補償用帰還抵抗Rf1bと、一端が第1の検出用スイッチ素子の他端に接続された第1の帰還用スイッチ素子SW1cと、第1入力(-)が第1の補償用帰還抵抗Rf1bの他端に接続され、第2入力(+)が第1の帰還用スイッチ素子の他端に接続され、出力が第1の補償用帰還抵抗Rf1bの他端に接続された補償用オペアンプOPAmp2と、を備える。
【0026】
そして、例えば、第1の検出用スイッチ素子SW1a、第1の補償用スイッチ素子SW1b、及び、第1の帰還用スイッチ素子SW1cは、同期してオン又はオフに切り換えられる。
【0027】
すなわち、本発明の電流検出回路によれば、オペアンプの帰還抵抗を切り換えるスイッチ素子のオン抵抗による誤差を補正して、高精度に被測定回路の電流を検出することができる。特に、スイッチ素子のオン抵抗は同一パッケージ内であれば、その値及び温度特性、経年変化等ほぼ同一特性となるため、誤差の影響を大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、実施例1に係る電流計1000の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示す電流検出回路100の実施例1の回路構成の一例を示す回路図である。
図3A図3Aは、図2に示す電流検出回路100の等価回路の一例を示す図である。
図3B】また、図3Bは、図2に示す電流検出回路100の等価回路の他の例を示す図である。
図4図4は、図1に示す電流検出回路100の実施例2の回路構成の一例を示す回路図である。
図5図5は、実施例3に係るソース&メジャーメントユニット2000の構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、従来の電流検出回路の回路構成の一例を示す回路図である。
図7図7は、従来の電流検出回路の回路構成の他の例を示す回路図である。
図8図8は、図7に示す電流検出回路の等価回路を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0030】
図1は、実施例1に係る電流計1000の構成の一例を示すブロック図である。また、図2は、図1に示す電流検出回路100の実施例1の回路構成の一例を示す回路図である。また、図3Aは、図2に示す電流検出回路100の等価回路の一例を示す図である。また、図3Bは、図2に示す電流検出回路100の等価回路の他の例を示す図である。
【0031】
実施例1に係る電流計1000は、例えば、図1に示すように、電流検出回路100と、コンバータADCと、表示部DSPと、制御部CNTと、を備える。
そして、電流検出回路100は、被測定回路Xに流れる電流を検出し、検出した電流に応じた検出電圧Voを出力するようになっている。
【0032】
また、コンバータADCは、検出電圧Voを変換した検出信号Qを出力するようになっている。
【0033】
また、表示部DSPは、制御部CNTが出力する表示制御信号Yに基づいて所定の情報を表示するようになっている。
【0034】
また、制御部CNTは、検出制御信号SCにより電流検出回路100の動作を制御するとともに、表示制御信号Yにより検出信号Qに応じた検出結果を表示部DSPに表示させるようになっている。
【0035】
ここで、実施例1に係る電流検出回路100は、例えば、図2に示すように、信号入力端子Iinと、信号出力端子Voutと、検出用オペアンプOPAmp1と、第1の検出用スイッチ素子SW1aと、第1の検出用帰還抵抗Rf1aと、第1の補償用スイッチ素子SW1bと、第1の補償用帰還抵抗Rf1bと、第1の帰還用スイッチ素子SW1cと、補償用オペアンプOPAmp2と、を備える。
【0036】
そして、信号入力端子Iinは、電流が計測される被測定回路Xに流れる電流が印加されるようになっている。
【0037】
また、信号出力端子Voutは、検出電圧Voを出力するようになっている。この電流計100において、信号出力端子Voutの検出電圧Voに基づいて、被測定回路Xに流れる電流の電流値が検出されるようになっている。
【0038】
また、検出用オペアンプOPAmp1は、第1入力(-)が信号入力端子Iinに接続され、第2入力(+)が固定電位(接地電位)に接続され、出力が信号出力端子Voutに接続されている。
【0039】
なお、図2に示すように、この検出用オペアンプOPAmp1の第1入力は、反転入力端子であり、検出用オペアンプOPAmp1の第2入力は、非反転入力端子である。そして、図2の例では、検出用オペアンプOPAmp1の非反転入力端子は、接地に接続されている。
【0040】
また、第1の検出用スイッチ素子SW1aは、一端が検出用オペアンプOPAmp1の第1入力(-)に接続されている。
【0041】
また、第1の検出用帰還抵抗Rf1aは、一端が第1の検出用スイッチ素子SW1aの他端に接続され、他端が検出用オペアンプOPAmp1の出力に接続されている。
【0042】
また、第1の補償用スイッチ素子SW1bは、一端が検出用オペアンプOPAmp1の第1入力に接続されている。
【0043】
また、第1の補償用帰還抵抗Rf1bは、一端が第1の補償用スイッチ素子SW1bの他端に接続されている。
【0044】
なお、この第1の補償用帰還抵抗Rf1bの抵抗値と第1の検出用帰還抵抗Rf1aの抵抗値とは、等しくなるように設定されている。
【0045】
また、第1の帰還用スイッチ素子SW1cは、一端が第1の検出用スイッチ素子SW1aの他端に接続されている。
【0046】
また、補償用オペアンプOPAmp2は、第1入力(-)が第1の補償用帰還抵抗Rf1bの他端に接続され、第2入力(+)が第1の帰還用スイッチ素子SW1cの他端に接続され、出力が第1の補償用帰還抵抗Rf1bの他端に接続されている。
【0047】
なお、図2に示すように、この補償用オペアンプOPAmp2の第1入力は、反転入力端子であり、補償用オペアンプOPAmp2の第2入力は、非反転入力端子である。
【0048】
なお、第1の検出用スイッチ素子SW1a、第1の補償用スイッチ素子SW1b、及び、第1の帰還用スイッチ素子SW1cは、制御部CNTが出力する検出制御信号SCにより、オン/オフが制御されるようになっている。
【0049】
特に、制御部CNTが出力する検出制御信号SCにより、第1の検出用スイッチ素子SW1a、第1の補償用スイッチ素子SW1b、及び、第1の帰還用スイッチ素子SW1cは、同期してオン又はオフに切り換えられるようになっている。
【0050】
なお、第1の検出用スイッチ素子SW1aのオン抵抗の値、第1の補償用スイッチ素子SW1bのオン抵抗の値、及び、第1の帰還用スイッチ素子SW1cのオン抵抗の値は、等しくなるように設定されている。
【0051】
次に、以上のような構成を有する電流検出回路100のスイッチ素子のオン抵抗Ronによる誤差の打ち消す原理について、図面を参照しつつ説明する。なお、図3Aに示す等価回路は、各スイッチ素子のオン抵抗Ron(Ron1a、Ron1b、Ron1c)を考慮した補正のみを考慮したものであり、また、図3Bに示す等価回路は、信号入力端子Iinも追加し実回路としたものである。
【0052】
基本式は、従来の電流検出回路を示す図6より、以下の式(1)のように表される。
【0053】

Vo=Rf×IS ・・・(1)

しかし、図8に示す等価回路より、誤差を含んだ変換式は以下の式(2)のように表される。
【0054】

Vo’ = (Rf+Ron)×IS=Rf×IS+Ron×IS ・・・(2)

上記式(2)においてVE(=VE')=Ron × IS とすれば、上記式(2)は以下の式(3)のように表される。
【0055】

Vo'=Vo+VE ・・・(3)

ここで、図3Aに示す等価回路において、検出用オペアンプOPAmp1の反転入力から電圧VE' を入力すれば、以下の式(4)となる。
【0056】

Vo' ' =-VE'=-VE ・・・(4)

そして、図3Bに示す検出電圧はVo''' は、図8に示す電圧Vo'と図3Aに示す電圧Vo''の加算となるので、以下の式(5)のように表され、オン抵抗Ronによる影響を打ち消した式となる。
【0057】

Vo' ' ' =Vo'+Vo''=Vo+VE-VE=Vo ・・・(5)

そして、図3Bにおいて、オン抵抗RonによるRon×ISの誤差分を補償用オペアンプOPAmp2とRf+Ronの反転入力を追加することで式(5)のごとく出力換算式にVE(=Ron×IS)分の誤差を削除した回路を実現できる。
【0058】
このオン抵抗Ronによる誤差を補償するために、誤差要因のVE(検出誤差)を補償用オペアンプOPAmp2によってバッファー受けした後、メイン回路の検出用オペアンプOPAmp1へ反転入力し元の検出回路から減算することで誤差要因VEを打ち消すことで、高精度の検出回路を実現する。
【0059】
そして、既述のように、例えば、第1の検出用スイッチ素子SW1a、第1の補償用スイッチ素子SW1b、及び、第1の帰還用スイッチ素子SW1cは、同期してオン又はオフに切り換えられる。
【0060】
すなわち、本実施例の電流検出回路によれば、オペアンプの帰還抵抗を切り換えるスイッチ素子のオン抵抗による誤差を補正して、高精度に被測定回路の電流を検出することができる。特に、スイッチ素子のオン抵抗は同一パッケージ内であれば、その値及び温度特性、経年変化等ほぼ同一特性となるため、誤差の影響を大幅に低減することができる。
【実施例2】
【0061】
既述の実施例1では、電流計1000に適用される電流検出回路100の一例について説明した。
【0062】
本実施例2では、電流計1000に適用される電流検出回路100の他の例について説明する。図4は、図1に示す電流検出回路100の実施例2の回路構成の一例を示す回路図である。
【0063】
ここで、実施例2に係る電流検出回路100は、例えば、図4に示すように、実施例1と比較して、第2の検出用スイッチ素子SW2aと、第2の検出用帰還抵抗Rf2aと、第2の補償用スイッチ素子SW2bと、第2の補償用帰還抵抗Rf2bと、をさらに備える。
【0064】
そして、第2の検出用スイッチ素子SW2aは、一端が検出用オペアンプOPAmp1の第1入力(反転入力端子)に接続されている。
【0065】
また、第2の検出用帰還抵抗Rf2aは、一端が第2の検出用スイッチ素子SW2aの他端に接続され、他端が検出用オペアンプOPAmp1の出力に接続されている。
【0066】
また、第2の補償用スイッチ素子SW2bは、一端が検出用オペアンプOPAmp1の第1入力に接続されている。
【0067】
また、第2の補償用帰還抵抗Rf2bは、一端が第2の補償用スイッチ素子SW2bの他端に接続され、他端が補償用オペアンプOPAmp2の第1入力に接続されている。
【0068】
また、第2の帰還用スイッチ素子SW2cは、一端が第2の検出用スイッチ素子SW2aの他端に接続され、他端が補償用オペアンプOPAmp2の第2入力(非反転入力端子)に接続されている。
【0069】
なお、第2の検出用スイッチ素子SW2a、第2の補償用スイッチ素子SW2b、及び、第2の帰還用スイッチ素子SW2cは、制御部CNTが出力する検出制御信号SCにより、オン/オフが制御されるようになっている。
【0070】
特に、制御部CNTが出力する制御部CNTが出力する検出制御信号SCにより、第2の検出用スイッチ素子SW2a、第2の補償用スイッチ素子SW2b、及び、第2の帰還用スイッチ素子SW2cは、同期してオン又はオフに切り換えられ、且つ、第1の検出用スイッチ素子SW1aと第2の検出用スイッチ素子SW2aとは、何れか一方がオンするように(同時にオンしないように)制御される。
【0071】
また、第2の補償用帰還抵抗Rf2bの抵抗値と第2の検出用帰還抵抗Rf2aの抵抗値とは、等しくなるように設定され、且つ、第1の検出用帰還抵抗Rf1aの抵抗値と第2の検出用帰還抵抗Rf2aの抵抗値とは、検出範囲に応じて設定されている。
【0072】
特に、第2の検出用スイッチ素子SW2aのオン抵抗の値、第2の補償用スイッチ素子SW2bのオン抵抗の値、及び、第2の帰還用スイッチ素子SW2cのオン抵抗の値は、等しくなるように設定され、且つ、第2の検出用スイッチ素子SW2aのオン抵抗の値と第1の検出用スイッチ素子SW1aのオン抵抗の値とは、等しくなるように設定されている。
【0073】
さらに、実施例2に係る電流検出回路100は、例えば、図4に示すように、実施例1と比較して、第3の検出用スイッチ素子SW3aと、第3の検出用帰還抵抗Rf3aと、第3の補償用スイッチ素子SW3bと、第3の補償用帰還抵抗Rf3bと、第3の帰還用スイッチ素子SW3cと、をさらに備える。
【0074】
そして、第3の検出用スイッチ素子SW3aは、一端が検出用オペアンプOPAmp1の第1入力に接続されている。
【0075】
また、第3の検出用帰還抵抗Rf3aは、一端が第3の検出用スイッチ素子SW3aの他端に接続され、他端が検出用オペアンプOPAmp1の出力に接続されている。
【0076】
また、第3の補償用スイッチ素子SW3bは、一端が検出用オペアンプOPAmp1の第1入に接続されている。
【0077】
また、第3の補償用帰還抵抗Rf3bは、一端が第3の補償用スイッチ素子SW3bの他端に接続され、他端が補償用オペアンプOPAmp2の第1入力に接続されている。
【0078】
また、第3の帰還用スイッチ素子SW3cは、一端が第3の検出用スイッチ素子SW3aの他端に接続され、他端が補償用オペアンプOPAmp2の第1入力に接続されている。
【0079】
なお、第3の検出用スイッチ素子SW3a、第3の補償用スイッチ素子SW3b、及び、第3の帰還用スイッチ素子SW3cは、制御部CNTが出力する検出制御信号SCにより、オン/オフが制御されるようになっている。
【0080】
特に、制御部CNTが出力する制御部CNTが出力する検出制御信号SCにより、第3の検出用スイッチ素子SW3a、第3の補償用スイッチ素子SW3b、及び、第3の帰還用スイッチ素子SW3cは、同期してオン又はオフに切り換えられ、且つ、第1の検出用スイッチ素子SW1a、第2の検出用スイッチ素子SW2a、及び第3の検出用スイッチ素子SW3aは、何れか一方がオンするように(同時にオンしないように)制御される。
【0081】
なお、第3の補償用帰還抵抗Rf3bの抵抗値と第3の検出用帰還抵抗Rf3aの抵抗値とは、等しくなるように設定され、且つ、第1、第2の検出用帰還抵抗Rf1a、Rf2aの抵抗値と第3の検出用帰還抵抗Rf3aの抵抗値とは、検出範囲に応じて設定されている。
【0082】
特に、第3の検出用スイッチ素子SW3aのオン抵抗の値、第3の補償用スイッチ素子SW3bのオン抵抗の値、及び、第3の帰還用スイッチ素子SW3cのオン抵抗の値は、等しくなるように設定され、且つ、第3の検出用スイッチ素子SW3aのオン抵抗の値と第1、第2の検出用スイッチ素子SW1a、SW2aのオン抵抗の値とは、等しくなるように設定されている。
【0083】
そして、既述のように、例えば、第1の検出用スイッチ素子SW1a、第1の補償用スイッチ素子SW1b、及び、第1の帰還用スイッチ素子SW1cは、同期してオン又はオフに切り換えられる。
【0084】
すなわち、本実施例の電流検出回路によれば、オペアンプの帰還抵抗を切り換えるスイッチ素子のオン抵抗による誤差を補正して、高精度に被測定回路の電流を検出することができる。特に、スイッチ素子のオン抵抗は同一パッケージ内であれば、その値及び温度特性、経年変化等ほぼ同一特性となるため、誤差の影響を大幅に低減することができる。
【実施例3】
【0085】
本実施例3では、既述の電流検出回路100が適用されるソース&メジャーメントユニット2000の構成の一例について説明する。
【0086】
図5は、実施例3に係るソース&メジャーメントユニット2000の構成の一例を示すブロック図である。
【0087】
図5に示すように、ソース&メジャーメントユニット(SMU)2000は、メインコントロールユニットMCUと、表示部DSPと、AD部10と、DA部11と、電源ユニット12と、定電圧発生部13と、操作部14と、電流検出回路100と、を備える。
【0088】
このソース&メジャーメントユニット(SMU)2000は、被測定素子X’であるダイオードを逆方向で接続して、逆方向の漏れ電流特性などを測定できる。
【0089】
そして、電源ユニット12は、メインコントロールユニットMCU、表示部DSP、電源ユニット12、定電圧発生部13、操作部14、及び、電流検出回路100に、所定の電力を供給する。
【0090】
なお、定電圧発生部13と電流検出回路100には電源ユニット12から電源が供給されているので接地は共通である。
【0091】
また、操作部14は、ユーザの操作入力を受け付け、当該操作入力に応じた所定の信号を、メインコントロールユニットMCUに出力する。
【0092】
そして、メインコントロールユニットMCUは、操作部14から出力された所定の信号に応じて、表示部DSP、定電圧発生部13、及び、電流検出回路100を制御する。
【0093】
ここで、被測定素子X’の種類(PN接合ダイオード、ショットキーバリアダイオード等)によって洩電流の検査規格が違うので複数の電流測定レンジが必要になる。
【0094】
そこで、メインコントロールユニットMCUは、被測定素子X’に印加するための電圧に準じたデータをDA部11に設定し、定電圧発生部13の出力端子から印加電圧を出力し、電流検出回路100の入力で漏れ電流を検出し電圧に変換後、AD部10でデータに変換する。
【0095】
そして、メインコントロールユニットMCUが、変換されたデータを読み取ることで、印加電圧-漏れ電流特性を測定することができる。
【0096】
なお、この実施例3に係る電流検出回路の構成は、例えば、実施例1又は実施例2に示す構成と同様である。また、被測定素子X’を被測定回路Xとしてもよい。
【0097】
以上のように、本発明の一態様に係る電流検出回路は、信号入力端子Iin及び信号出力端子Voutと、第1入力(-)が信号入力端子に接続され、第2入力(+)が固定電位(接地電位)に接続され、出力が信号出力端子に接続された検出用オペアンプOPAmp1と、一端が検出用オペアンプの第1入力に接続された第1の検出用スイッチ素子SW1aと、一端が第1の検出用スイッチ素子の他端に接続され、他端が検出用オペアンプの出力に接続された第1の検出用帰還抵抗Rf1aと、一端が検出用オペアンプの第1入力に接続された第1の補償用スイッチ素子SW1bと、一端が第1の補償用スイッチ素子の他端に接続された第1の補償用帰還抵抗Rf1bと、一端が第1の検出用スイッチ素子の他端に接続された第1の帰還用スイッチ素子SW1cと、第1入力(-)が第1の補償用帰還抵抗Rf1bの他端に接続され、第2入力(+)が第1の帰還用スイッチ素子の他端に接続され、出力が第1の補償用帰還抵抗Rf1bの他端に接続された補償用オペアンプOPAmp2と、を備える。
【0098】
そして、例えば、第1の検出用スイッチ素子SW1a、第1の補償用スイッチ素子SW1b、及び、第1の帰還用スイッチ素子SW1cは、同期してオン又はオフに切り換えられる。
【0099】
すなわち、本発明の電流検出回路によれば、オペアンプの帰還抵抗を切り換えるスイッチ素子のオン抵抗による誤差を補正して、高精度に被測定回路の電流を検出することができる。特に、スイッチ素子のオン抵抗は同一パッケージ内であれば、その値及び温度特性、経年変化等ほぼ同一特性となるため、誤差の影響を大幅に低減できる。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0101】
1000 電流計
100 電流検出回路
ADC コンバータ
DSP 表示部
CNT 制御部
X 被測定回路
Vo 検出電圧
SC 検出制御信号
Y 表示制御信号
Q 検出信号
Iin 信号入力端子
Vout 信号出力端子
OPAmp1 検出用オペアンプ
SW1a 第1の検出用スイッチ素子
Rf1a 第1の検出用帰還抵抗
SW1b 第1の補償用スイッチ素子
Rf1b 第1の補償用帰還抵抗
SW1c 第1の帰還用スイッチ素子
OPAmp2 補償用オペアンプ
SW2a 第2の検出用スイッチ素子
Rf2a 第2の検出用帰還抵抗
SW2b 第2の補償用スイッチ素子
Rf2b 第2の補償用帰還抵抗
SW3a 第3の検出用スイッチ素子
Rf3a 第3の検出用帰還抵抗
SW3b 第3の補償用スイッチ素子
Rf3b 第3の補償用帰還抵抗
SW3c 第3の帰還用スイッチ素子
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8