(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20220502BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
(21)【出願番号】P 2018112273
(22)【出願日】2018-06-12
【審査請求日】2021-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】市川 正人
【審査官】石坂 知樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-078357(JP,A)
【文献】特開2012-231616(JP,A)
【文献】特開2005-143215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1入力電圧を電力変換した出力電圧を出力する電力変換装置であって、
第1面および前記第1面の反対側の第2面を有する収納ケースと、
前記収納ケースの前記第1面上の第1部品領域に配置された、第1の発熱源である第1の電子部品と、
前記収納ケースの前記第1面上の第2部品領域に、前記第1の電子部品に隣接して配置された、第2の発熱源である第2の電子部品と、
前記収納ケースの前記第1面上の第3部品領域に、前記第2の電子部品に隣接して配置された、第3の発熱源である第3の電子部品と、
前記収納ケース内に配置され、前記収納ケースの前記第1面に対向する第3面および前記第3面の反対側の第4面を有する配線基板と、
前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記第1及び第2の電子部品の動作を制御する制御部と、
前記収納ケースの前記第1面上で、前記第1ないし第3の電子部品を封止するとともに、前記配線基板および前記配線基板の前記第4面上の前記制御部を封止する第1の封止部材と、
前記収納ケースの前記第2面上に配置された放熱フィンと、を備え、
前記第1の電子部品は、
前記制御部により制御される複数の整流素子を有し且つ前記複数の整流素子により前記前記第1入力電圧を整流して出力する整流回路であり、
前記放熱フィンは、
前記第2面上において、前記第1面の前記第1の電子部品が配置された前記第1部品領域から前記第2の電子部品が配置された前記第2部品領域に亘る領域に対して、前記収納ケースを介して対向するように、設けられており、
前記複数の整流素子は、
前記放熱フィンが延在する方向に沿って配置されている
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記第2の電子部品の動作時の単位時間当たりの発熱量が前記第1の電子部品の動作時の単位時間当たりの発熱量よりも、大きく、
前記第3の電子部品の動作時の単位時間当たりの発熱量は、前記第1の電子部品及び前記第2の電子部品の動作時の単位時間当たりの発熱量よりも、小さい
ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記放熱フィンは、
前記第1面上で前記第1部品領域と前記第2部品領域とが隣接する第1の方向に平行な方向に延在するように、前記第2面上に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記放熱フィンは、
前記第1の方向に平行な方向に延在するように、複数個設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記放熱フィンは前記収納ケースの前記第2面から突出した平板状の形状を有することを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記放熱フィンは、前記第2面上において、前記第1面の前記第3の電子部品が配置された前記第3部品領域に対向する領域には、設けられていない
ことを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記第1の電子部品が配置される前記第1面の前記第1部品領域は、前記収納ケースの前記第1面に凹むように形成された第1凹部であり、前記第1凹部の前記第2面側は、前記収納ケースの前記第2面から突出しており、
前記第2の電子部品が配置される前記第1面の前記第2部品領域は、前記収納ケースの前記第1面に凹むように形成された第2凹部であり、前記第2凹部の前記第2面側は、前記収納ケースの前記第2面から突出している
ことを特徴とする請求項6に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記放熱フィンは、前記第1凹部及び前記第2凹部の前記第2面側に接していることを特徴とする請求項7に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記第3の電子部品が配置される前記第1面の前記第3部品領域は、前記収納ケースの前記第1面に凹むように形成された第3凹部であり、前記第3凹部の前記第2面側は、前記収納ケースの前記第2面から突出している
ことを特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記放熱フィンは、前記第3凹部の前記第2面側に接していないことを特徴とする請求項9に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記収納ケースの前記第1面上において、前記第2の電子部品と前記第3の電子部品とが隣接する第2の方向は、前記第1の電子部品と前記第2の電子部品とが隣接する前記第1の方向と、異なる
ことを特徴とする請求項10に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記放熱フィンは、外部から供給された気流により冷却されることで、少なくとも前記第1及び第2の電子部品が発する熱を外部に放出するように構成されるとともに、
前記放熱フィンにより誘導される気流の少なくとも一部が前記第3の電子部品が配置される前記第3凹部の前記第2面側を避けるように配置されている
ことを特徴とする請求項11に記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記収納ケースと前記放熱フィンとは、一体成型されていることを特徴とする請求項6に記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記第2の電子部品は、前記制御部により制御され、前記整流回路が整流した電圧を変換して出力するモジュールであり、
前記第3の電子部品は、前記モジュールが出力した電圧を調整して出力するリアクタであることを特徴とする請求項6に記載の電力変換装置。
【請求項15】
前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記配線基板の配線を介して前記整流回路の入力に接続され、前記第1の封止部材により前記配線基板との接続部分が封止され、前記第1入力電圧が供給される第1入力端子と、
前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記配線基板の配線を介して整流回路の出力に接続され、前記第1の封止部材により前記配線基板との接続部分が封止され、前記整流回路が出力した電圧を平滑化する平滑化キャパシタと、
前記配線基板10の前記第4面上に配置され、前記リアクタを含むLCフィルタが出力した電圧をフィルタリングして出力するノイズフィルタと、
前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記配線基板に接続され、前記第1の封止部材により前記配線基板との接続部分が封止され、前記ノイズフィルタから供給された電圧を前記出力電圧として出力する出力端子と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項14に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯型発電機等に用いられる発電機には、エンジンの駆動によりオルタネータに交流電圧を発生させ、発生した交流電圧を整流回路による整流および電解コンデンサによる平滑化によって直流電圧に変換し、変換された直流電圧をインバータで交流電圧に変換するものがある(例えば、特開2003‐102200号公報参照)。
【0003】
さらに、上記従来の発電機においては、インバータで変換される交流電圧のノイズのレベルに応じて、インバータの出力側にノイズを低減するためのノイズフィルタが接続されている。
【0004】
このような発電機において、電子部品を収納ケース内に収納された状態で樹脂封止して電力変換装置が構成されている。
【0005】
そして、このような電力変換装置には、電子部品から生じた熱を放熱するため、収納ケースの外面に放熱フィンを設けたものがある(例えば、特開2016‐146714号公報参照)。
【0006】
しかしながら、上記従来の電力変換装置では、当該電力変換装置のサイズの縮小を図りつつ電子部品から生じた熱の放熱の効率を向上させるための構成について検討されていない。
【0007】
このように、従来の電力変換装置では、サイズの縮小を図りつつ、発熱源である電子部品から生じた熱の放熱性を向上できない問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明では、サイズの縮小を図りつつ、発熱源である電子部品から生じた熱の放熱性の向上を図ることが可能な電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る実施形態に従った電力変換装置は、
第1入力電圧を電力変換した出力電圧を出力する電力変換装置であって、
第1面および前記第1面の反対側の第2面を有する収納ケースと、
前記収納ケースの前記第1面上の第1部品領域に配置された、第1の発熱源である第1の電子部品と、
前記収納ケースの前記第1面上の第2部品領域に、前記第1の電子部品に隣接して配置された、第2の発熱源である第2の電子部品と、
前記収納ケースの前記第1面上の第3部品領域に、前記第2の電子部品に隣接して配置された、第3の発熱源である第3の電子部品と、
前記収納ケース内に配置され、前記収納ケースの前記第1面に対向する第3面および前記第3面の反対側の第4面を有する配線基板と、
前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記第1及び第2の電子部品の動作を制御する制御部と、
前記収納ケースの前記第1面上で、前記第1ないし第3の電子部品を封止するとともに、前記配線基板および前記配線基板の前記第4面上の前記制御部を封止する第1の封止部材と、
前記収納ケースの前記第2面上に配置された放熱フィンと、を備え、
前記第1の電子部品は、
前記制御部により制御される複数の整流素子を有し且つ前記複数の整流素子により前記前記第1入力電圧を整流して出力する整流回路であり、
前記放熱フィンは、
前記第2面上において、前記第1面の前記第1の電子部品が配置された前記第1部品領域から前記第2の電子部品が配置された前記第2部品領域に亘る領域に対して、前記収納ケースを介して対向するように、設けられており、
前記複数の整流素子は、
前記放熱フィンが延在する方向に沿って配置されている
ことを特徴とする。
【0010】
前記電力変換装置において、
前記第2の電子部品の動作時の単位時間当たりの発熱量が前記第1の電子部品の動作時の単位時間当たりの発熱量よりも、大きく、
前記第3の電子部品の動作時の単位時間当たりの発熱量は、前記第1の電子部品及び前記第2の電子部品の動作時の単位時間当たりの発熱量よりも、小さい
ことを特徴とする。
【0011】
前記電力変換装置において、
前記放熱フィンは、
前記第1面上で前記第1部品領域と前記第2部品領域とが隣接する第1の方向に平行な方向に延在するように、前記第2面上に設けられている
ことを特徴とする。
【0012】
前記電力変換装置において、
前記放熱フィンは、
前記第1の方向に平行な方向に延在するように、複数個設けられていることを特徴とする。
【0013】
前記電力変換装置において、
前記放熱フィンは前記収納ケースの前記第2面から突出した平板状の形状を有することを特徴とする。
【0014】
前記電力変換装置において、
前記放熱フィンは、前記第2面上において、前記第1面の前記第3の電子部品が配置された前記第3部品領域に対向する領域には、設けられていない
ことを特徴とする。
【0015】
前記電力変換装置において、
前記第1の電子部品が配置される前記第1面の前記第1部品領域は、前記収納ケースの前記第1面に凹むように形成された第1凹部であり、前記第1凹部の前記第2面側は、前記収納ケースの前記第2面から突出しており、
前記第2の電子部品が配置される前記第1面の前記第2部品領域は、前記収納ケースの前記第1面に凹むように形成された第2凹部であり、前記第2凹部の前記第2面側は、前記収納ケースの前記第2面から突出している
ことを特徴とする。
【0016】
前記電力変換装置において、
前記放熱フィンは、前記第1凹部及び前記第2凹部の前記第2面側に接していることを特徴とする。
【0017】
前記電力変換装置において、
前記第3の電子部品が配置される前記第1面の前記第3部品領域は、前記収納ケースの前記第1面に凹むように形成された第3凹部であり、前記第3凹部の前記第2面側は、前記収納ケースの前記第2面から突出している
ことを特徴とする。
【0018】
前記電力変換装置において、
前記放熱フィンは、前記第3凹部の前記第2面側に接していないことを特徴とする。
【0019】
前記電力変換装置において、
前記収納ケースの前記第1面上において、前記第2の電子部品と前記第3の電子部品とが隣接する第2の方向は、前記第1の電子部品と前記第2の電子部品とが隣接する前記第1の方向と、異なる
ことを特徴とする。
【0020】
前記電力変換装置において、
前記放熱フィンは、外部から供給された気流により冷却されることで、少なくとも前記第1及び第2の電子部品が発する熱を外部に放出するように構成されるとともに、
前記放熱フィンにより誘導される気流の少なくとも一部が前記第3の電子部品が配置される前記第3凹部の前記第2面側を避けるように配置されている
ことを特徴とする。
【0021】
前記電力変換装置において、
前記収納ケースと前記放熱フィンとは、一体成型されていることを特徴とする。
【0022】
前記電力変換装置において、
前記第2の電子部品は、前記制御部により制御され、前記整流回路が整流した電圧を変換して出力するモジュールであり、
前記第3の電子部品は、前記モジュールが出力した電圧を調整して出力するリアクタであることを特徴とする。
【0023】
前記電力変換装置において、
前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記配線基板の配線を介して前記整流回路の入力に接続され、前記第1の封止部材により前記配線基板との接続部分が封止され、前記第1入力電圧が供給される第1入力端子と、
前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記配線基板の配線を介して整流回路の出力に接続され、前記第1の封止部材により前記配線基板との接続部分が封止され、前記整流回路が出力した電圧を平滑化する平滑化キャパシタと、
前記配線基板10の前記第4面上に配置され、前記リアクタを含むLCフィルタが出力した電圧をフィルタリングして出力するノイズフィルタと、
前記配線基板の前記第4面上に配置され、前記配線基板に接続され、前記第1の封止部材により前記配線基板との接続部分が封止され、前記ノイズフィルタから供給された電圧を前記出力電圧として出力する出力端子と、をさらに備える
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様に係る電力変換装置は、第1の電子部品は、制御部により制御される複数の整流素子(サイリスタ、ダイオード)を有し且つ当該複数の整流素子により入力電圧を整流して出力する整流回路であり、放熱フィンは、収納ケースの第2面(外面)上において、第1面(内面)の第1の電子部品が配置された前記第1部品領域から前記第2の電子部品が配置された第2部品領域に亘る領域に対して、収納ケースを介して対向するように、設けられており、当該複数の整流素子は、放熱フィンが延在する方向に沿って配置されている。
【0025】
このように、発熱量が高い第2の電子部品(モジュール)と第1の電子部品(整流回路)とを隣接して配置して放熱フィンが配置される領域を縮小しつつ、第1の電子部品(整流回路)の整流素子(サイリスタ、ダイオード)を、放熱フィンが延在する方向に沿って配置している。
【0026】
これにより、整流回路及びモジュールの熱を放熱する放熱フィンが、リアクタから離れるようにモジュール側から整流回路側に向かう方向に沿って設けられることとなり、気流(冷却風)は、第2の電子部品(モジュール)と第3の電子部品(リアクタ)から離れるように放熱フィンに沿って誘導され、第3の電子部品(リアクタからの煽り熱を避けながら第2の電子部品(モジュール)で生じた熱および第1の電子部品(整流回路)の整流素子(サイリスタ、ダイオード)で生じた熱を順に放熱する。
【0027】
このように、本発明の電力変換装置によれば、サイズの縮小を図りつつ、発熱源である電子部品から生じた熱の放熱性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、実施例1に係る電力変換装置100が適用される発電システム1000の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す電力変換装置100の主要な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す電力変換装置100の外観の構成の一例を示す上面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す電力変換装置100の構成の一例を示すIV-IV線に沿った断面図である。
【
図5】
図5は、
図3に示す電力変換装置100の各部品を配置した配線基板10の斜視図である。
【
図6】
図6は、
図3に示す電力変換装置100の収納ケースHの下面図である。
【
図8】
図8は、
図7に示す収納ケースHに、第1ないし第3の電子部品Y、M、Rを搭載した、封止前の状態の一例を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図3に示す電力変換装置100の収納ケースHの側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0030】
発電システム1000は、例えば、
図1に示すように、エンジンEと、エンジンEに接続されたオルタネータ(図示せず)により駆動するファンXと、該オルタネータが出力した交流電圧(第1入力電圧VIN1)を電力変換した交流電圧(出力電圧VOUT)を出力する電力変換装置100とを備える。
【0031】
この発電システム1000において、ファンXが駆動することにより、外部から冷却風である気流Aが発電システム1000の内部に流れ込み、電力変換装置100及びエンジンEの周囲に誘導される。これにより、電力変換装置100及びエンジンEが冷却風である気流Aにより冷却され、電力変換装置100及びエンジンEが発した熱が気流Bとともに外部に放出されることとなる。
【0032】
このような電力変換装置100は、例えば、
図2ないし
図9に示すように、収納ケースHと、放熱フィンZと、第1の封止部材11と、配線基板10と、第1入力端子(主電源コネクタ)TIN1と、第2入力端子(補助電源コネクタ)TIN2と、出力端子TOUTと、第1の電子部品(整流回路)Yと、第2の電子部品(モジュール)Mと、LCフィルタ(第3の電子部品(リアクタ)Rと、キャパシタCf1)LCと、平滑化キャパシタCと、ノイズフィルタFと、制御部CONと、補助電源Pと、を備える。
【0033】
なお、
図2においては、簡単のため、電力変換装置100が第1、第2入力電圧VIN1、VIN2を出力端子TOUTに電力変換するために必要な構成を示し、その他の構成については省略している。また、
図3においては、電力変換装置100の各電子部品及び配線基板10が第1の封止部材11により封止された状態を示している。なお、ノイズフィルタFには、例えば、
図3に示すように、キャパシタCf2と、第4の電子部品Wと、が含まれる。
【0034】
ここで、例えば、
図3、
図4、
図6ないし
図9に示すように、収納ケースHは、当該収納ケースHの内面(電子部品搭載面)である第1面(上面、内面)A1および第1面A1の反対側の第2面A2(下面、外面)を有する。
【0035】
この収納ケースHと放熱フィンZとは、例えば、アルミニウムにより構成されており、一体成型されている。
【0036】
また、第1の電子部品Yは、例えば、
図4、
図8に示すように、収納ケースHの第1面A1上の第1部品領域S1に配置され、配線基板10に電気的に接続されている。この第1の電子部品Yは、動作することにより発熱する第1の発熱源である。
【0037】
この第1の電子部品Yは、例えば、
図2に示すように、制御部CONにより制御され、第1入力電圧(交流電圧)VIN1を整流して出力する整流回路である。
【0038】
特に、第1の電子部品Yは、制御部CONにより制御される複数の整流素子(サイリスタ、ダイオード)YAを有し且つ複数の整流素子YAにより第1入力電圧VIN1を整流して出力する整流回路である(
図8)。
【0039】
なお、当該複数の整流素子YAは、例えば、
図8に示すように、放熱フィンZが延在する第1の方向DZに沿って配置されている。
【0040】
そして、この第1の電子部品Yの複数の整流素子YAは当該第1の封止部材11で封止されている。
【0041】
そして、この第1の電子部品Yは、例えば、
図3、
図8に示すように、入力電圧VIN、整流電圧、又は制御信号を入出力するための複数の端子YTを備える。これらの端子YTは、配線基板10の電極10Yに、はんだ材等により電気的に接続されている(
図3)。
【0042】
このように、第1の電子部品(整流回路)Yは、配線基板10に電気的に接続されている。特に、この整流回路Yの入力(入力用の端子YT、電極10Y)は、配線基板10の配線10Yaを介して、入力端子TINに接続され、整流回路Yの出力(出力用の端子YT、電極10Y)は、配線基板10の配線10Caを介して、平滑化キャパシタCに接続されている(
図3)。
【0043】
ここで、例えば、
図7ないし
図9に示すように、第1の電子部品(整流回路)Yが配置される第1面A1の第1部品領域S1は、収納ケースHの第1面A1に凹むように形成された第1凹部S1bである。
【0044】
そして、この第1凹部S1bの第2面A2側は、収納ケースHの第2面A2から突出している凸部S1aである(
図6)。
【0045】
また、第2の電子部品Mは、例えば、
図7ないし
図9に示すように、収納ケースHの第1面A1上の第2部品領域S2に、第1の電子部品(整流回路)Yに隣接して配置され、配線基板10に電気的に接続されている。この第2の電子部品Mは、動作することにより発熱する第2の発熱源である。
【0046】
この第2の電子部品Mは、例えば、
図2に示すように、制御部CONにより制御され、整流回路(第1の電子部品)Yが整流した電圧を変換して出力するモジュール(Hブリッジ回路)である。
【0047】
そして、この第2の電子部品Mは、第1の封止部材11とは異なる第2の封止部材(封止樹脂)によりモールドされている。すなわち、第2の電子部品Mは、第1の封止部材11とは異なる第2の封止部材を有し、第2の電子部品Mの回路部分は当該第2の封止部材で封止されている。
【0048】
そして、この第2の電子部品Mは、例えば、
図3、
図8に示すように、整流電圧、交流電圧、又は制御信号を入出力するための複数の端子MTを備える。これらの端子MTは、配線基板10の電極10Mに、はんだ材等により電気的に接続されている(
図3)。
【0049】
このように、第2の電子部品(モジュール)Mは、配線基板10に電気的に接続されている。特に、このモジュールMの入力(入力用の端子MT、電極10M)は、配線基板10の配線10Ca、10Cbを介して、整流回路Yの出力(出力用の端子MT、電極10Y)に接続され、HブリッジモジュールMの出力(出力用の端子MT、電極10M)は、配線基板10の配線10Raを介して、リアクタRの入力(入力用の端子MT、電極10R)に接続されている(
図3)。
【0050】
なお、この第2の電子部品Mの動作時の単位時間当たりの発熱量が、第1の電子部品Yの動作時の単位時間当たりの発熱量よりも、大きくなっている。
【0051】
すなわち、モジュールMの動作時の単位時間当たりの発熱量が、整流回路Yの動作時の単位時間当たりの発熱量よりも、大きくなっている。
【0052】
ここで、例えば、
図7ないし
図9に示すように、第2の電子部品(モジュール)Mが配置される第1面A1の第2部品領域S2は、収納ケースHの第1面A1に凹むように形成された第2凹部S2bである。そして、この第2凹部S2bの第2面A2側は、収納ケースHの第2面A2から突出している凸部S2aである(
図6)。
【0053】
また、第3の電子部品(リアクタ)Rは、例えば、
図7ないし
図9に示すように、収納ケースHの第1面A1上の第3部品領域S3に、第2の方向Dに第2の電子部品Mと隣接するように配置され、配線基板10に電気的に接続されている。この第3の電子部品Rは、動作することにより発熱する第3の発熱源である。
【0054】
この第3の電子部品Rは、例えば、
図2に示すように、モジュールMが出力した電圧を調整して(高周波成分を除去して)出力するリアクタである。
【0055】
この第3の電子部品Rは、例えば、
図3、
図8に示すように、モジュールMが出力した電圧が入力され、調整した電圧を出力するための複数の端子RTを備える。これらの端子RTは、配線基板10の電極10Yにはんだ材等により電気的に接続されている(
図3)。
【0056】
このように、第3の電子部品(リアクタ)Rは、配線基板10に電気的に接続されている。特に、このリアクタRの入力(入力用の端子RT、電極10R)は、配線基板10の配線10Rを介して、モジュールMの出力に接続され、リアクタRの出力(出力用の端子RT、電極10R)は、配線基板10の配線10Rbと配線基板10の第4面A4上に配置されたキャパシタCf1を介し、ノイズフィルタFの入力に接続されている(
図3)。
【0057】
なお、この第3の電子部品Rの動作時の単位時間当たりの発熱量は、第1の電子部品Y及び第2の電子部品Mの動作時の単位時間当たりの発熱量よりも、小さくなっている。
【0058】
すなわち、リアクタRの動作時の単位時間当たりの発熱量は、整流回路Y及びモジュールMの動作時の単位時間当たりの発熱量よりも、小さくなっている。
【0059】
特に、収納ケースHの第1面上に配置された、整流回路Y、モジュールM、及び、リアクタRの動作時の単位時間当たりの発熱量は、配線基板10の第4面上に配置された平滑化キャパシタ、及び、ノイズフィルタの動作時の単位時間当たりの発熱量よりも、大きくなるように設定されている。
【0060】
ここで、例えば、
図7ないし
図9に示すように、第3の電子部品Rが配置される第1面A1の第3部品領域S3は、収納ケースHの第1面A1に凹むように形成された第3凹部S3bである。そして、この第3凹部S3bの第2面A2側は、収納ケースHの第2面A2から突出している凸部S3aである(
図6)。
【0061】
すなわち、リアクタRが配置される第1面A1の第3部品領域S3は、収納ケースHの第1面A1に凹むように形成された第3凹部S3bであり、第3凹部S3bの第2面A2側は、収納ケースHの第2面A2から突出している凸部S3aである。
【0062】
また、第4の電子部品Wは、例えば、
図3、
図5に示すように、配線基板10の第4面A4上に配置されている。この第4の電子部品Wは、ノイズフィルタFを構成する巻線である。
【0063】
このように、第1ないし第3の電子部品Y、M、Rは、収納ケースHの略矩形の第1面(内面)A1の外周に沿って(すなわち、電流が流れる電流経路に沿って)配置されている。
【0064】
これにより、収納ケースHが第1ないし第3の電子部品Y、M、Rを収納するためスペースを縮小して、電力変換装置100のサイズの縮小を図ることができる。
【0065】
また、配線基板10は、例えば、
図3、
図4に示すように、収納ケースH内に配置されている。この配線基板10は、収納ケースHの第1面A1に対向する第3面A3(下面)および第3面A3の反対側の第4面A4(上面)を有する。
【0066】
そして、この配線基板10は、複数の配線10Ya、10Ca、10Cb、10Ra、10Rb、10Fa、10a、10bと、複数の電極10Y、10M、10R、10Fと、を備える。
【0067】
また、第1入力端子TIN1は、例えば、
図3、
図5に示すように、配線基板10の第4面A4上に配置されている。この第1入力端子TIN1は、配線基板10の配線を介して整流回路(第1の電子部品Y)の入力に接続されている。
【0068】
この第1入力端子TIN1は、封止部材11により配線基板10との接続部分が封止されている。この第1入力端子TIN1は、第1入力電圧VIN1が供給されるようになっている。
【0069】
この第1入力端子TIN1は、例えば、
図3に示すように、配線基板10の配線10Yaを介して電極10Yに電気的に接続されている。
【0070】
また、第2入力端子TIN2は、配線基板10の第4面A4上に配置され、第1入力電圧よりも低い第2入力電圧(VIN2)が供給される。
【0071】
また、平滑化キャパシタCは、例えば、
図3、
図5に示すように、配線基板10の第4面A4上に配置されている。この平滑化キャパシタCは、配線基板10の配線10Caを介して整流回路(第1の電子部品)Yの出力(出力用の端子YT、電極10Y)に接続されている。
【0072】
この平滑化キャパシタCは、例えば、
図3に示すように、封止部材11により配線基板10との接続部分が封止されている。この平滑化キャパシタCは、整流回路(第1の電子部品)Yが出力した電圧を平滑化するようになっている。
【0073】
この平滑化キャパシタCは、例えば、
図3に示すように、配線基板10の配線10Caを介して電極10Yに電気的に接続されている。さらに、この平滑化キャパシタCは、例えば、
図3に示すように、配線基板10の配線10Cbを介して電極10Mに電気的に接続されている。すなわち、この平滑化キャパシタCは、配線基板10の配線10Cbを介して、HブリッジモジュールMの入力(入力用の端子MT、電極10M)に接続されている。
【0074】
また、ノイズフィルタFは、配線基板10の第4面A4上に配置され、配線基板10の配線を介してリアクタRを含むLCフィルタFXの出力に接続されている。
【0075】
特に、このノイズフィルタFのキャパシタCF2は、例えば、
図3に示すように、配線基板10の第4面A4上に配置されている。
【0076】
このノイズフィルタFは、第3の電子部品(リアクタ)RとキャパシタCF1で構成されるLCフィルタFXが出力した電圧をフィルタリングして、出力端子TOUTに出力するようになっている。
【0077】
このノイズフィルタFの入力は、例えば、
図3に示すように、配線基板10の配線10RbとキャパシタCf1を介してリアクタRの出力(出力用の端子RT、電極10R)に接続されている。そして、このノイズフィルタFの出力は、配線基板10の配線10Faを介して出力端子TOUTに電気的に接続されている。
【0078】
また、出力端子TOUTは、例えば、
図3、
図5に示すように、配線基板10の第4面(上面)A4上の第1配線領域WA1に配置されている。この出力端子TOUTは、配線基板10に接続され、第1の封止部材11により配線基板10との接続部分が封止されている。
【0079】
この出力端子TOUTは、ノイズフィルタFから供給された電圧を出力電圧VOUTとして出力するようになっている。
【0080】
また、制御部CONは、例えば、
図3、
図5に示すように、配線基板10の第4面A4上に配置されている。この制御部CONは、例えば、
図2に示すように、第1の電子部品(整流回路)Y及び第2の電子部品(モジュール)Mの動作を制御するようになっている。
【0081】
この制御部CONは、
図3に示す配線基板10の配線10a及び電極10Yを介して制御信号を入出力して、第1の電子部品(整流回路)Yの動作を制御するようになっている。
【0082】
さらに、制御部CONは、
図3に示す配線基板10の配線10b及び電極10Mを介して、制御信号を入出力して、第2の電子部品(モジュール)Mの動作を制御するようになっている。
【0083】
また、補助電源Pは、例えば、
図2に示すように、配線基板10の第4面A4上に配置され、第2入力電圧VIN2を電力変換した補助電源電圧を制御部CONに供給するようになっている。
【0084】
ここで、例えば、
図3に示すように、第1入力端子TIN1、第2入力端子TIN2、補助電源Pおよび制御部CONは、配線基板10の第4面A4のうちの配線基板10の第1側端部101側の第1配線領域WA1上に配置され、ノイズフィルタF及び平滑化キャパシタCは、配線基板10の第4面A4のうちの第1側端部101と反対側の第2側端部102側の第2配線領域WA2上に配置されている。
【0085】
また、第1の封止部材11は、例えば、
図3、
図4に示すように、収納ケースHの第1面A1上で、第1ないし第3の電子部品Y、M、Rを封止するようになっている。
【0086】
さらに、第2の封止部材11bは、配線基板10、配線基板10の第4面A4上の制御部CON、補助電源P、第1入力端子TIN1の一部、第2入力端子TIN2の一部、平滑化キャパシタCの一部、キャパシタCf1の一部、ノイズフィルタFのキャパシタCf2の一部、及び、出力端子TOUTの一部を封止するようになっている。
【0087】
すなわち、第1の封止部材11は、収納ケースHの第1面A1上で、整流回路Y、モジュールM、及び、リアクタRを封止するとともに、配線基板10、及び、配線基板10の第4面A4上の、制御部CON、平滑化キャパシタC、ノイズフィルタF、並びに、補助電源Pを封止するようになっている。
【0088】
この封止部材11は、例えば、エポキシ樹脂等の封止樹脂である。
【0089】
また、放熱フィンZは、例えば、
図4、
図6ないし
図9に示すように、収納ケースHの第2面(外面)A2上に配置されている。
【0090】
この放熱フィンZは、発電システム1000の外部から供給された気流により冷却されることで、少なくとも第1及び第2の電子部品(整流回路及びモジュール)Y、Mが発する熱を外部に放出するように構成されている。
【0091】
放熱フィンZは、第2面A2(外面)上において、第1面A1(内面)の第1の電子部品Yが配置された第1部品領域S1から第2の電子部品Mが配置された第2部品領域S2に亘る領域に対して、収納ケースHを介して対向するように、設けられている。
【0092】
この放熱フィンZは、例えば、
図6、
図7に示すように、第2面A2上において、第1面A1の第1の電子部品(整流回路)Yが配置された第1部品領域S1から第2の電子部品Mが配置された第2部品領域S2に亘る領域に対して、収納ケースHを介して連続して対向するように、延在している。
【0093】
すなわち、放熱フィンZは、第1凹部S1b及び第2凹部S2bの第2面A2側の凸部S2a、S3aに接している。
【0094】
さらに、
図7、
図8に示すように、この放熱フィンZは、第1面A1上で第1部品領域S1と第2部品領域2とが隣接する第1の方向DZに平行な方向に延在するように、第2面A2上に設けられている。
【0095】
また、この放熱フィンZは、例えば、
図6ないし
図8に示すように、第1の方向DZに平行な方向に延在するように、複数個設けられている。
【0096】
そして、この放熱フィンZは、例えば、
図6ないし
図8に示すように、収納ケースHの第2面A2から突出した平板状の形状を有する。
【0097】
なお、放熱フィンZは、例えば、
図6ないし
図8に示すように、放熱フィンZは、第2面A2上において、第1面A1の第3の電子部品Rが配置された第3部品領域S3に対向する領域には、設けられていない。
【0098】
そして、例えば、
図6ないし
図8に示すように、放熱フィンZは、第3凹部S3bの第2面A2側に接していない。言い換えれば、放熱フィンZがリアクタである第3の電子部品R用には設けられていない。
【0099】
ここで、既述のように、第2の電子部品Mの動作時の単位時間当たりの発熱量が第1の電子部品Yの動作時の単位時間当たりの発熱量よりも、大きくなっている。
【0100】
さらに、既述のように、第3の電子部品Rの動作時の単位時間当たりの発熱量は、第1の電子部品Y及び第2の電子部品Mの動作時の単位時間当たりの発熱量よりも、小さくなっている。
【0101】
そこで、既述のように、発熱量が高い第2の電子部品(モジュール)Mと第1の電子部品(整流回路)Yとを第1の方向Dに隣接して配置している。そして、これら第1、第2の電子部品Y、Mの熱を放熱する放熱フィンZを、気流の誘導方向がリアクタRから離れるようにモジュールM側から整流回路Y側に向かう第1の方向DZに沿うように、設けている。
【0102】
そして、例えば、
図6ないし
図9に示すように、第2の電子部品Mと第3の電子部品Rとが隣接する第2の方向DYは、収納ケースHの第1面A1上において、第1の電子部品(整流回路)Yと第2の電子部品(モジュール)Mとが隣接する第1の方向DZと、異なる。そして、平滑化キャパシタCは、整流回路Yに隣接し且つリアクタRと反対側でモジュールMと第2の方向DYに隣接する領域の上方に、位置するように、配線基板10の第4面A4上に配置されている。
【0103】
すなわち、放熱フィンZは、放熱フィンZにより誘導される気流の少なくとも一部が第3の電子部品Rが配置される第3凹部S3bの第2面A2側を避けるように配置されている。
【0104】
これにより、例えば、気流(冷却風)は、第2の電子部品(モジュール)Mに隣接する第3の電子部品(リアクタ)Rから離れるように放熱フィンZに沿って誘導され、第3の電子部品(リアクタ)Rからの煽り熱を避けながら、発熱量が大きい第2の電子部品(モジュール)Mで生じた熱および第1の電子部品(整流回路)Yで生じた熱を順に放熱する。
【0105】
これにより、電力変換装置100の発熱源である電子部品から生じた熱の放熱性の向上を図ることができる。
【実施例2】
【0106】
既述の実施例1では、電力変換装置100が適用される発電システム1000の構成の一例について説明した。
【0107】
この発電システム1000は、例えば、携帯型発電機に適用されるようにしてもよい。
【0108】
この場合においても、ファンXが駆動することにより、外部から冷却風である気流Aが発電システム1000の内部に流れ込み、電力変換装置100及びエンジンEの周囲に誘導される。これにより、電力変換装置100及びエンジンEが冷却風である気流Aにより冷却され、電力変換装置100及びエンジンEが発した熱が気流Bとともに外部に放出されることとなる。(
図1)。
【0109】
なお、この実施例2におけるその他の電力変換装置100の構成は、実施例1と同様である。
【0110】
すなわち、実施例2に係る電力変換装置100によれば、サイズの縮小を図りつつ、発熱源である電子部品から生じた熱の放熱性の向上を図ることができる。
【0111】
以上のように、本発明の一態様に係る電力変換装置において、第1の電子部品Yは、制御部CONにより制御される複数の整流素子(サイリスタ、ダイオード)YAを有し且つ当該複数の整流素子YAにより入力電圧を整流して出力する整流回路であり、放熱フィンZは、収納ケースHの第2面(外面)上において、第1面(内面)の第1の電子部品が配置された第1部品領域から第2の電子部品が配置された第2部品領域に亘る領域に対して、収納ケースを介して対向するように、設けられており、当該複数の整流素子YAは、放熱フィンZが延在する方向DZに沿って配置されている。
【0112】
このように、発熱量が高い第2の電子部品(モジュール)と第1の電子部品(整流回路)とを隣接して配置して放熱フィンZが配置される領域を縮小しつつ、第1の電子部品(整流回路)の整流素子(サイリスタ、ダイオード)YAを、放熱フィンが延在する方向に沿って配置している。
【0113】
これにより、整流回路及びモジュールの熱を放熱する放熱フィンが、リアクタから離れるようにモジュール側から整流回路側に向かう方向に沿って設けられることとなり、気流(冷却風)は、第2の電子部品(モジュール)と第3の電子部品(リアクタ)から離れるように放熱フィンに沿って誘導され、第3の電子部品(リアクタからの煽り熱を避けながら第2の電子部品(モジュール)で生じた熱および第1の電子部品(整流回路)の整流素子(サイリスタ、ダイオード)で生じた熱を順に放熱する。
【0114】
このように、本発明の電力変換装置によれば、サイズの縮小を図りつつ、発熱源である電子部品から生じた熱の放熱性の向上を図ることができる。
【0115】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0116】
100 電力変換装置
1000 発電システム
E エンジン
X ファン
A、B 気流
H 収納ケース
Z 放熱フィン
11 第1の封止部材
10 配線基板
TIN1 第1入力端子
TIN2 第2入力端子
TOUT 出力端子
Y 第1の電子部品(整流回路)
M 第2の電子部品(モジュール)
R 第3の電子部品(リアクタ)
W 第4の電子部品
C 平滑化キャパシタ
FX LCフィルタ
F ノイズフィルタ
CON 制御部
Cf1、Cf2 キャパシタ
10Ya、10Ca、10Cb、10Ra、10Rb、10Fa、10a、10b 配線
10Y、10M、10R、10F 電極