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特許7065789複数のネットワークを通じて通信するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】複数のネットワークを通じて通信するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/11 20180101AFI20220502BHJP
   H04W 8/04 20090101ALI20220502BHJP
   H04W 8/26 20090101ALI20220502BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20220502BHJP
【FI】
H04W76/11
H04W8/04
H04W8/26
H04W48/18
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018563620
(86)(22)【出願日】2017-05-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-27
(86)【国際出願番号】 SG2017050276
(87)【国際公開番号】W WO2017209693
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】10201604398W
(32)【優先日】2016-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】518425645
【氏名又は名称】ボイジャー イノベーションズ ホールディングス ピーティーイー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VOYAGER INNOVATIONS HOLDINGS PTE.LTD.
【住所又は居所原語表記】100 Beach Road,#25-06 Shaw Towers,Singapore 189702,Singapore
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】ヴィラリカ,ロドルフォ アルベルト アスンシオン
(72)【発明者】
【氏名】イバスコ,アレックス ディー
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-042455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバおよびデータベースを含むアプリケーションプロバイダを備えた、複数のネットワークを通じて通信するためのシステムであって、
(a)前記アプリケーションプロバイダは、第1の識別子と関連付けられた第1の装置に第2の識別子を割り当てるよう作動し、
(b)前記アプリケーションプロバイダの前記データベースは、前記第2の識別子と前記第1の識別子の1対1の関連性を格納し、
(c)前記第1の識別子は、主の電気通信会社から割り当てられ、ホームロケーションレジスタ(HLR)に前記第1の装置の国際移動電話加入者識別番号(IMSI)と関連して格納され、
(d)前記第1の装置は、
(i)複数の第1のネットワークから選択された回路交換(CS)ネットワーク;及び
(ii)前記複数の第1のネットワークから選択されたインターネットプロトコル(IP)ネットワーク;
の両方を同時に介して前記サーバに通信を送信するよう作動し、
(e)前記CSネットワークを介した前記サーバへの前記通信の送信においては、前記第1の装置は前記第2の識別子を送信者識別子として用いて前記サーバに通信を送信し、
)前記アプリケーションプロバイダの前記サーバは、
(i)前記CSネットワーク及び前記IPネットワークを介して前記第1の装置から前記通信を受信した後に、前記データベースに格納された前記第2の識別子と前記第1の識別子の前記1対1の関連性に基づいて、受信した前記第1の装置の前記第2の識別子を前記第1の装置の前記第1の識別子と置換し;
(ii)第2の装置と前記サーバの間で接続された複数の第2のネットワークから1つの第2のネットワークを選択し;
(iii)前記第1の装置の前記第1の識別子を前記送信者識別子として用いて前記選択した第2のネットワークを介して前記通信を前記第2の装置に送信する;
よう作動する、複数のネットワークを通じて通信するためのシステム。
【請求項2】
前記第1の装置がアプリケーションに参加すると、前記アプリケーションプロバイダは前記第2の識別子を割り当て、前記第2の識別子が前記IMSIと関連して格納されるように前記HLRを更新する、請求項1に記載の複数のネットワークを通じて通信するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のネットワークタイプを通じて通信するためのシステムおよび方法に関する。本システムおよび方法は、特に複数のネットワーク通信を促進することに関連しているが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景の以下の説明は、本発明の理解を容易にすることのみを意図している。本説明は、参照した資料のいずれも本発明の優先日の時点でいずれかの管轄区域において発行されたか、公知であったか、または当業者の共通の一般知識の一部であったことを承認または容認するものではないことを理解されたい。
【0003】
モバイル技術は、ユーザの通信方法だけでなく我々が暮らす世界を変化させた。モバイル技術における最近の発展は、例えばモバイル通信用グローバルシステム(GSM)、符号分割多重アクセス(CDMA)等の回路交換(CS)ネットワークを介した単なる通話およびメッセージ送信を越えた携帯電話がよく売れた-現在ユーザはインターネットプロトコル(IP)ネットワークを介して通話およびメッセージ送信することができることである。さまざまな理由から、IPネットワークを介した通信サービスはCSネットワークを介した同等のサービスよりもコストが安い。
【0004】
したがって、今日市場にはIPネットワークを用いた多くの通話およびメッセージ送信アプリケーションがある。それらのアプリケーションの大部分は、ネットワークの加入者および非加入者を含むユーザが、互いに通話およびメッセージ送信することを可能にし、入手可能なアプリケーションの多くはさらに、ユーザが他の例えばGSM、CDMA等の従来のCS通信ネットワークの加入者に通話およびメッセージ送信することも可能にする。
【0005】
既存のアプリケーションの1つは、その加入者に、電気通信会社のナンバリングスペース内に存在する仮想電話番号を提供する。これによって、アプリケーションの加入者は、その仮想電話番号を用いて他の従来のネットワークの加入者と通話およびメッセージ送信することが可能になる。
【0006】
例えば、アプリケーションによって、その加入者は電気通信会社A(以下、電話会社Aと記載する)の仮想電話番号を所有することができるので、たとえその加入者が別の電気通信会社(例えば、電話会社B)から割り当てられたオリジナルの電話番号を持っていたとしても、電話会社Aを利用する加入者の家族および友人は、その加入者の仮想電話番号を用いて市内通話料金でその加入者に電話およびメッセージ送信することが可能である。
【0007】
この種のアプリケーションは、別の電話会社ネットワークのサービスを得たいオフネット加入者に適している。電話会社Aの加入者が、電話会社Aの他の加入者と通信するためにそのようなアプリケーションを利用したいが、それらの加入者がそのアプリケーションを持っているか持っていないかわからないという可能性もある。しかしながら、それらのアプリケーションの1つの一般的な問題は、他の加入者に連絡するための一次手段として元の電気通信会社(例えば、電話会社A)から割り当てられた加入者のオリジナルの電話番号を利用することができないことである。それらのアプリケーションでは、アプリケーションに登録した後に通常は新しい仮想電話番号が加入者に割り当てられる。この場合、加入者は、実際に、仮想電話番号だけでなくオリジナルの電話番号も、2つの電話番号を持つことになる。
【0008】
具体的には、オンネット加入者の観点から言えば、オンネット加入者は既に現在/元の電気通信会社(例えば、電話会社A)から割り当てられたオリジナルの電話番号を持っており、オリジナルの電話番号と強い関わりを持っている可能性があるので、仮想電話番号は最適ではない。オンネット加入者には新しい仮想電話番号が割り当てられるので、彼/彼女の友人または家族等の他の加入者は、オリジナルの電話番号に加えて、オンネット加入者の新しい仮想電話番号を記憶および認識する必要があることになる。
【0009】
異なる/元の電気通信会社から割り当てられたオリジナルの電話番号を既に持っているオフネット加入者の観点から言えば、オフネット加入者は、できるだけ低料金で現在の通信ネットワークの他の加入者と通信するためにそれらのアプリケーションに関連した電気通信会社(以下、現在の電気通信会社と記載する)から割り当てられた仮想電話番号を必要とすることになる。しかしながら、この場合においても、彼/彼女の友人または家族等の他の加入者はオフネット加入者の新しい仮想電話番号を記憶および認識する必要があることになる。
【0010】
一方、それらのアプリケーションの別の一般的な問題は、1つ1つの電話/メッセージに対して最善の転送ネットワーク、すなわち、IPネットワークかCSネットワークかを動的に選択することができないことである。
【0011】
参考として、既存のVoIPサーバの1つによって、加入者は彼/彼女の電話/メッセージサービスをIPネットワークかCSネットワークのどちらか一方で提供するのかを選択することが可能になる。一度選択すると、たとえ選択したタイプの転送ネットワークの品質が不十分であるかまたは存在していない場合であっても、選択したタイプでサービスを提供するしかない。したがって、その結果、例えば電話の呼び出し失敗または通話途切れ、音声品質の悪化、メッセージ送信の遅延等のユーザエクスペリエンスの劣化がもたらされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、新しい電話番号を覚える必要はないが、複数のネットワークタイプを利用する場合、1つ1つの電話/メッセージに対して最善の転送ネットワーク、すなわち、IPネットワークかCSネットワークかをさらに選択可能にする解決法が必要である。
【0013】
本明細書を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」という単語あるいは「含む(comprises)」または「含んでいる(comprising)」等の変化形は、記載の整数または整数の群を包含することは意味するが、任意の他の整数または整数の群を排除することを意味するものではないことが理解されよう。
【0014】
さらにまた、本明細書を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(include)」という単語あるいは「含む(includes)」または「含んでいる(including)」等の変化形は、記載の整数または整数の群を包含することは意味するが、任意の他の整数または整数の群を排除することを意味するものではないことが理解されよう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、送信者が電話/メッセージを要求した場合、たとえ送信者が実際は回路交換ネットワークおよびインターネットプロトコルネットワークの各々に関して異なる電話番号を表示する可能性があっても、受信者は送信者の単一の電話番号しか見えないことになるサービスを提供しようとするものである。
【0016】
本発明はさらに、一連のルールに基づいて電話/メッセージを提供するための適切な転送ネットワークを選択するための技術的解決法を提供しようとするものでもある。
【0017】
本発明の第1の態様によれば、第1の装置に識別子を割り当てるよう作動するアプリケーションプロバイダであって、前記第1の装置は第1の識別子と関連付けられ、前記アプリケーションプロバイダから第2の識別子を割り当てられる前記アプリケーションプロバイダと;通信を開始し、前記第1の装置とサーバの間の接続を確立するための複数の第1の通信ネットワークのうちの少なくとも1つの第1の通信ネットワークを選択することで、前記第1の装置が前記第2の識別子を送信者識別子として用いて前記選択した第1の通信ネットワークを介して前記サーバに前記通信を送信するように作動する前記第1の装置と;前記第1の装置からの前記通信を受信した後に前記第2の識別子を前記第1の識別子と置換し、第2の装置と前記サーバの間で接続された複数の第2の通信ネットワークのうちの少なくとも1つの第2の通信ネットワークを選択し、前記第1の識別子を前記第2の識別子として用いて前記選択した第2の通信ネットワークを介して前記通信を前記第2の装置に送信するよう作動する前記サーバと;前記サーバから前記第1の識別子を前記送信者識別子として持つ前記通信を受信するよう作動する前記第2の装置とからなる、複数のネットワークを通じて通信するためのシステムがある。
【0018】
好ましくは、前記第1の装置は、前記第1の装置と前記サーバの間で接続された前記複数の第1の通信ネットワーク間の第1の通信ネットワーク状態をチェックし、前記サーバは、前記第2の装置と前記サーバの間で接続された前記複数の第2の通信ネットワーク間の第2の通信ネットワーク状態をチェックする。
【0019】
好ましくは、前記複数の第1および第2の通信ネットワークは、回路交換(CS)ネットワークおよびインターネットプロトコル(IP)ネットワークを含む。
【0020】
好ましくは、前記第1の装置は、前記第1の通信ネットワーク状態としてIPネットワーク品質をチェックするとともに、前記チェックしたIPネットワーク品質に応じて前記IPネットワークおよび前記CSネットワークの少なくとも一方を選択し;前記サーバは、前記第2の通信ネットワーク状態としてIPネットワーク品質をチェックするとともに、前記チェックしたIPネットワーク品質に応じて前記IPネットワークおよび前記CSネットワークの少なくとも一方を選択する。
【0021】
好ましくは、前記サーバは、前記選択した第1の通信ネットワークに応じて前記第2の識別子を前記送信者識別子として使用するかどうかを決定する。
【0022】
好ましくは、前記選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記第1の装置は前記IPネットワークを介して前記サーバに前記通信を送信し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記第1の装置は前記第2の識別子を前記送信者識別子として用いて前記CSネットワークを介して前記サーバに前記通信を送信する。
【0023】
好ましくは、前記第1の装置はリッチメッセージを送信することを要求し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記第1の装置は前記IPネットワークを介して前記サーバに前記リッチメッセージを送信し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記第1の装置は前記CSネットワークを介して前記サーバに前記リッチメッセージに対応する簡易メッセージを送信する。
【0024】
好ましくは、前記選択した第2の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記サーバは前記IPネットワークを介して前記第2の装置に前記リッチメッセージを送信し、前記選択した第2の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記サーバは前記CSネットワークを介して前記第2の装置に前記リッチメッセージに対応する前記簡易メッセージを送信する。
【0025】
好ましくは、前記サーバは前記第2の通信ネットワーク状態を再チェックし、再選択した第2の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記サーバは前記第2の装置に同期して前記第2の装置内で前記簡易メッセージを前記リッチメッセージと置換する。
【0026】
好ましくは、前記第2の装置はディスプレイ上に前記第1の識別子を前記送信者識別子として表示する。
【0027】
好ましくは、前記第2の装置が別の通信を要求すると、前記第2の装置は前記第2の装置と前記サーバの間で接続された前記複数の第2の通信ネットワークのうちの前記少なくとも1つの第2の通信ネットワークを選択し、前記第2の装置は前記第1の識別子を受信者識別子として用いて前記選択した第2の通信ネットワークを介して前記サーバに前記別の通信を送信する。
【0028】
好ましくは、前記サーバは前記第1の装置と前記サーバの間で接続された前記複数の第1の通信ネットワークのうちの前記少なくとも1つの第1の通信ネットワークを選択し、前記第2の識別子を前記受信者識別子として用いて前記選択した第1の通信ネットワークを介して前記第1の装置に前記別の通信を送信する。
【0029】
好ましくは、前記サーバは、前記選択した第1の通信ネットワークに応じて前記第2の識別子を前記受信者識別子として使用するかどうかを決定する。
【0030】
好ましくは、前記選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記サーバは前記IPネットワークを介して前記第1の装置に前記別の通信を送信し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記サーバは前記第2の識別子を前記受信者識別子として用いて前記CSネットワークを介して前記第1の装置に前記別の通信を送信する。
【0031】
好ましくは、前記第2の装置はリッチメッセージを送信することを要求し、前記選択した第2の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記第2の装置は前記IPネットワークを介して前記サーバに前記リッチメッセージを送信し、前記選択した第2の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記第2の装置は前記CSネットワークを介して前記リッチメッセージに対応する簡易メッセージを送信する。
【0032】
好ましくは、前記選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記サーバは前記IPネットワークを介して前記第1の装置に前記リッチメッセージを送信し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記サーバは前記CSネットワークを介して前記第1の装置に前記リッチメッセージに対応する前記簡易メッセージを送信する。
【0033】
好ましくは、前記サーバは前記第1の通信ネットワーク状態を再チェックし、再選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記サーバは前記第1の装置に同期して前記第1の装置内で前記簡易メッセージを前記リッチメッセージと置換する。
【0034】
好ましくは、前記第1の識別子はホームロケーションレジスタ(HLR)に前記第1の装置の国際移動電話加入者識別番号(IMSI)と関連して格納され、前記第1の装置がアプリケーションに参加すると、前記アプリケーションプロバイダは前記第2の識別子を割り当て、前記第2の識別子が前記IMSIと関連して格納されるように前記HLRを更新する。
【0035】
好ましくは、前記第1の識別子は前記第1の装置の公開番号であり、前記第2の識別子は前記第1の装置の非公開番号である。
【0036】
好ましくは、前記通信は電話およびメッセージの少なくとも一方を含む。
【0037】
本発明の第2の態様によれば、第1の装置により、通信を開始するステップであって、前記第1の装置は第1の識別子と関連付けられ、アプリケーションプロバイダから第2の識別子を割り当てられる前記ステップと;前記第1の装置により、前記第1の装置とサーバの間で接続された複数の第1の通信ネットワークのうちの少なくとも1つの第1の通信ネットワークを選択するステップと;前記第2の識別子を送信者識別子として用いて前記選択した第1の通信ネットワークを介して前記サーバに前記第1の装置からの前記通信を送信するステップと;前記サーバにより、前記第2の識別子を前記第1の識別子と置換するステップと;前記サーバにより、第2の装置と前記サーバの間で接続された複数の第2の通信ネットワークのうちの少なくとも1つの通信ネットワークを選択するステップと;前記第1の識別子を前記送信者識別子として用いて前記選択した第2の通信ネットワークを介して前記第2の装置に前記サーバからの前記通信を送信するステップと;前記第2の装置により、前記サーバから前記第1の識別子を前記送信者識別子として持つ前記通信を受信するステップとからなる、複数のネットワークを通じて通信するための方法がある。
【0038】
好ましくは、前記第1の装置は、前記第1の装置と前記サーバの間で接続された前記複数の第1の通信ネットワーク間の第1の通信ネットワーク状態をチェックし、前記サーバは、前記第2の装置と前記サーバの間で接続された前記複数の第2の通信ネットワーク間の第2の通信ネットワーク状態をチェックする。
【0039】
好ましくは、前記複数の第1および第2の通信ネットワークは、回路交換(CS)ネットワークおよびインターネットプロトコル(IP)ネットワークを含む。
【0040】
好ましくは、前記第1の装置は、前記第1の通信ネットワーク状態としてIPネットワーク品質をチェックするとともに、前記チェックしたIPネットワーク品質に応じて前記IPネットワークおよび前記CSネットワークの少なくとも一方を選択し;前記サーバは、前記第2の通信ネットワーク状態としてIPネットワーク品質をチェックするとともに、前記チェックしたIPネットワーク品質に応じて前記IPネットワークおよび前記CSネットワークの少なくとも一方を選択する。
【0041】
好ましくは、前記サーバは、前記選択した第1の通信ネットワークに応じて前記第2の識別子を前記送信者識別子として使用するかどうかを決定する。
【0042】
好ましくは、前記選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記第1の装置は前記IPネットワークを介して前記サーバに前記通信を送信し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記第1の装置は前記第2の識別子を前記送信者識別子として用いて前記CSネットワークを介して前記サーバに前記通信を送信する。
【0043】
好ましくは、前記第1の装置はリッチメッセージを送信することを要求し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記第1の装置は前記IPネットワークを介して前記サーバに前記リッチメッセージを送信し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記第1の装置は前記CSネットワークを介して前記サーバに前記リッチメッセージに対応する簡易メッセージを送信する。
【0044】
好ましくは、前記選択した第2の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記サーバは前記IPネットワークを介して前記第2の装置に前記リッチメッセージを送信し、前記選択した第2の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記サーバは前記CSネットワークを介して前記第2の装置に前記リッチメッセージに対応する前記簡易メッセージを送信する。
【0045】
好ましくは、前記サーバは前記第2の通信ネットワーク状態を再チェックし、再選択した第2の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記サーバは前記第2の装置に同期して前記第2の装置内で前記簡易メッセージを前記リッチメッセージと置換する。
【0046】
好ましくは、前記第2の装置はディスプレイ上に前記第1の識別子を前記送信者識別子として表示する。
【0047】
好ましくは、前記第2の装置が別の通信を要求すると、前記第2の装置は前記第2の装置と前記サーバの間で接続された前記複数の第2の通信ネットワークのうちの前記少なくとも1つの第2の通信ネットワークを選択し、前記第2の装置は前記第1の識別子を受信者識別子として用いて前記選択した第2の通信ネットワークを介して前記サーバに前記別の通信を送信する。
【0048】
好ましくは、前記サーバは前記第1の装置と前記サーバの間で接続された前記複数の第1の通信ネットワークのうちの前記少なくとも1つの第1の通信ネットワークを選択し、前記第2の識別子を前記受信者識別子として用いて前記選択した第1の通信ネットワークを介して前記第1の装置に前記別の通信を送信する。
【0049】
好ましくは、前記サーバは、前記選択した第1の通信ネットワークに応じて前記第2の識別子を前記受信者識別子として使用するかどうかを決定する。
【0050】
好ましくは、前記選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記サーバは前記IPネットワークを介して前記第1の装置に前記別の通信を送信し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記サーバは前記第2の識別子を前記受信者識別子として用いて前記CSネットワークを介して前記第1の装置に前記別の通信を送信する。
【0051】
好ましくは、前記第2の装置はリッチメッセージを送信することを要求し、前記選択した第2の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記第2の装置は前記IPネットワークを介して前記サーバに前記リッチメッセージを送信し、前記選択した第2の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記第2の装置は前記CSネットワークを介して前記サーバに前記リッチメッセージに対応する簡易メッセージを送信する。
【0052】
好ましくは、前記選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記サーバは前記IPネットワークを介して前記第1の装置に前記リッチメッセージを送信し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記サーバは前記CSネットワークを介して前記第1の装置に前記リッチメッセージに対応する前記簡易メッセージを送信する。
【0053】
好ましくは、前記サーバは前記第1の通信ネットワーク状態を再チェックし、再選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記サーバは前記第1の装置に同期して前記第1の装置内で前記簡易メッセージを前記リッチメッセージと置換する。
【0054】
好ましくは、前記第1の識別子はHLRに前記第1の装置のIMSIと関連して格納され、前記第1の装置がアプリケーションに参加すると、前記アプリケーションプロバイダは前記第2の識別子を割り当て、前記第2の識別子が前記IMSIと関連して格納されるように前記HLRを更新する。
【0055】
好ましくは、前記第1の識別子は前記第1の装置の公開番号であり、前記第2の識別子は前記第1の装置の非公開番号である。
【0056】
好ましくは、前記通信は電話およびメッセージの少なくとも一方を含む。
【0057】
本発明の第3の態様によれば、複数のネットワークを通じて関係者間の通信を促進するためのコミュニケーションファシリテータであって、第2の識別子を送信者識別子として用いて選択した第1の通信ネットワークを介して第1の識別子と関連付けられた第1の装置からの通信を受信するステップであって、前記第1の装置はアプリケーションプロバイダから前記第2の識別子を割り当てられ、前記選択した第1の通信ネットワークは前記第1の装置と前記コミュニケーションファシリテータの間で接続された複数の第1の通信ネットワークのうち前記第1の装置によって選択される前記ステップと;前記第2の識別子を前記第1の識別子と置換するステップと;第2の装置と前記コミュニケーションファシリテータの間で接続された複数の第2の通信ネットワークのうちの少なくとも1つの第2の通信ネットワークを選択するステップと;前記第1の識別子を前記送信者識別子として用いて前記選択した第2の通信ネットワークを介して前記第2の装置に前記通信を送信するステップとからなる、前記コミュニケーションファシリテータがある。
【0058】
好ましくは、前記第1の装置は、前記第1の装置と前記コミュニケーションファシリテータの間で接続された前記複数の第1の通信ネットワーク間の第1の通信ネットワーク状態をチェックし、前記コミュニケーションファシリテータは、前記第2の装置と前記コミュニケーションファシリテータの間で接続された前記複数の第2の通信ネットワーク間の第2の通信ネットワーク状態をチェックする。
【0059】
好ましくは、前記複数の第1および第2の通信ネットワークは、CSネットワークおよびIPネットワークを含む。
【0060】
好ましくは、前記第1の装置は、前記第1の通信ネットワーク状態としてIPネットワーク品質をチェックするとともに、前記チェックしたIPネットワーク品質に応じて前記IPネットワークおよび前記CSネットワークの少なくとも一方を決定し;前記コミュニケーションファシリテータは、前記第2の通信ネットワーク状態としてIPネットワーク品質をチェックするとともに、前記チェックしたIPネットワーク品質に応じて前記IPネットワークおよび前記CSネットワークの少なくとも一方を決定する。
【0061】
好ましくは、前記コミュニケーションファシリテータは、前記選択した第1の通信ネットワークに応じて前記第2の識別子を前記送信者識別子として使用するかどうかを決定する。
【0062】
好ましくは、前記選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記IPネットワークを介して前記第1の装置からの前記通信を受信し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記第2の識別子を前記送信者識別子として用いて前記CSネットワークを介して前記第1の装置からの前記通信を受信する。
【0063】
好ましくは、前記コミュニケーションファシリテータはリッチメッセージの送信要求を受信し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記IPネットワークを介して前記第1の装置からの前記リッチメッセージを受信し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記CSネットワークを介して前記第1の装置からの前記リッチメッセージに対応する簡易メッセージを受信する。
【0064】
好ましくは、前記選択した第2の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記IPネットワークを介して前記第2の装置に前記リッチメッセージを送信し、前記選択した第2の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記CSネットワークを介して前記第2の装置に前記リッチメッセージに対応する前記簡易メッセージを送信する。
【0065】
好ましくは、前記コミュニケーションファシリテータは前記第2の通信ネットワーク状態を再チェックし、再選択した第2の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記第2の装置に同期して前記第2の装置内で前記簡易メッセージを前記リッチメッセージと置換する。
【0066】
好ましくは、前記コミュニケーションファシリテータが前記第2の装置からの別の通信の要求を受信すると、前記第2の装置は前記第2の装置と前記コミュニケーションファシリテータの間で接続された前記複数の前記第2の通信ネットワークのうちの前記少なくとも1つの第2の通信ネットワークを選択し、前記コミュニケーションファシリテータは前記第1の識別子を受信者識別子として用いて前記選択した第2の通信ネットワークを介して前記第2の装置からの前記別の通信を受信する。
【0067】
好ましくは、前記コミュニケーションファシリテータは前記第1の装置と前記コミュニケーションファシリテータの間で接続された前記複数の前記第1の通信ネットワークのうちの前記少なくとも1つの第1の通信ネットワークを選択し、前記第2の識別子を前記受信者識別子として用いて前記選択した第1の通信ネットワークを介して前記第1の装置に前記別の通信を送信する。
【0068】
好ましくは、前記コミュニケーションファシリテータは、前記選択した第1の通信ネットワークに応じて前記第2の識別子を前記受信者識別子として使用するかどうかを決定する。
【0069】
好ましくは、前記選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記IPネットワークを介して前記第1の装置に前記別の通信を送信し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記第2の識別子を前記受信者識別子として用いて前記CSネットワークを介して前記第1の装置に前記別の通信を送信する。
【0070】
好ましくは、前記コミュニケーションファシリテータは前記第2の装置からのリッチメッセージの送信要求を受信し、前記選択した第2の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記IPネットワークを介して前記第2の装置からの前記リッチメッセージを受信し、前記選択した第2の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記CSネットワークを介して前記第2の装置からの前記リッチメッセージに対応する簡易メッセージを受信する。
【0071】
好ましくは、前記選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記IPネットワークを介して前記第1の装置に前記リッチメッセージを送信し、前記選択した第1の通信ネットワークが前記CSネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記CSネットワークを介して前記第1の装置に前記リッチメッセージに対応する前記簡易メッセージを送信する。
【0072】
好ましくは、前記コミュニケーションファシリテータは前記第1の通信ネットワーク状態を再チェックし、再選択した第1の通信ネットワークが前記IPネットワークである場合、前記コミュニケーションファシリテータは前記第1の装置に同期して前記第1の装置内で前記簡易メッセージを前記リッチメッセージと置換する。
【0073】
好ましくは、前記第1の識別子はHLRに前記第1の装置のIMSIと関連して格納され、前記第1の装置がアプリケーションに参加すると、前記アプリケーションプロバイダは前記第2の識別子を割り当て、前記第2の識別子が前記IMSIと関連して格納されるように前記HLRを更新する。
【0074】
好ましくは、前記第1の識別子は前記第1の装置の公開番号であり、前記第2の識別子は前記第1の装置の非公開番号である。
【0075】
好ましくは、前記通信は電話およびメッセージの少なくとも一方を含む。
【0076】
本発明の第4の態様によれば、マルチネットワークでの関係者間の通信を促進するためにユーザのモバイル機器にインストールされて実行されたときに、通信を開始するステップであって、前記モバイル機器は第1の識別子と関連付けられ、アプリケーションプロバイダから第2の識別子を割り当てられる前記ステップと;前記モバイル機器とサーバとの間で接続された複数の第1の通信ネットワークのうちの少なくとも1つの第1の通信ネットワークを選択するステップと;前記第2の識別子を送信者識別子として用いて前記選択した第1の通信ネットワークを介して前記モバイル機器から前記サーバに前記通信を送信するステップと;前記第2の識別子を前記第1の識別子と置換する命令を前記サーバに送信するステップと;第2の装置と前記サーバとの間で接続された複数の第2の通信ネットワークのうちの少なくとも1つの第2の通信ネットワークを選択する命令を前記サーバに送信するステップと;前記第1の識別子を前記送信者識別子として用いて前記選択した第2の通信ネットワークを介して前記サーバから前記第2の装置に前記通信を送信する命令を前記サーバに送信するステップと、からなる方法を実行する実行可能ソフトウェア命令をそこに含む非一時的コンピュータ可読媒体がある。
【0077】
本発明のその他の態様は、添付図面と共に本発明の特定の実施形態の以下の説明を再検討することで、または上記のように本発明の様々な態様を組み合わせることによって、当業者には明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0078】
次に、ほんの一例として、添付図面を参照して本発明を説明する。
【0079】
図1図1は、本発明の一実施形態による、送信者がアプリケーションの加入者である場合の複数のネットワークを通じた通信の簡易フローチャートを示す。
図2図2は、本発明の一実施形態による、送信者がアプリケーションの加入者である場合の複数のネットワークを通じた電話の詳細フローチャートを示す。
図3図3は、本発明の一実施形態による、送信者がアプリケーションの加入者である場合の複数のネットワークを通じたメッセージ送信の詳細フローチャートを示す。
図4図4は、本発明の別の実施形態による、受信者がアプリケーションの加入者である場合の複数のネットワークを通じた通信の簡易フローチャートを示す。
図5図5は、本発明の別の実施形態による、受信者がアプリケーションの加入者である場合の複数のネットワークを通じた電話の詳細フローチャートを示す。
図6図6は、本発明の別の実施形態による、受信者がアプリケーションの加入者である場合の複数のネットワークを通じたメッセージ送信の詳細フローチャートを示す。
図7図7は、HLRレコードの更新の一例を示す。
図8図8は、専用のSIPサーバを経由した電話の転送の一例を示す。
図9図9は、専用のSIPサーバによる位置更新のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
本明細書を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」という単語あるいは「含む(comprises)」または「含んでいる(comprising)」等の変化形は、記載の整数または整数の群を包含することは意味するが、任意の他の整数または整数の群を排除することを意味するものではないことが理解されよう。
【0081】
さらにまた、本明細書を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(include)」という単語あるいは「含む(includes)」または「含んでいる(including)」等の変化形は、記載の整数または整数の群を包含することは意味するが、任意の他の整数または整数の群を排除することを意味するものではないことが理解されよう。
【0082】
図1は、本発明の一実施形態による、送信者がアプリケーションの加入者である場合の複数のネットワークを通じた通信の簡易フローチャートを示す。図1に関するより詳細なフローチャートは、図2および図3に記載する。
【0083】
本発明の一実施形態によれば、図1に示すように、2つの装置(以下、第1の装置110および第2の装置120と記載する)の間で複数のネットワークを通じて通信するためのシステム100がある。システム100は、第1の装置110、第2の装置120、サーバ130、およびアプリケーションプロバイダ(図示せず)を含む。アプリケーションプロバイダは、本発明に関連するアプリケーションまたはサービスを提供する。アプリケーションは、第1の装置110および第2の装置120の少なくとも一方にインストール可能である。アプリケーションプロバイダは、少なくとも1つのアプリケーションサーバおよびアプリケーションデータベースを含み得る。アプリケーションプロバイダは、サーバ130から遠く離れてまたは独立して位置し得る。しかしながら、一部の実施形態では、アプリケーションプロバイダサーバ130であってもよい。
【0084】
第1の装置110および第2の装置120は、サーバ130を介して互いに通信する。第1の装置110および第2の装置120は、以下の装置:携帯電話、タブレット、ラップトップおよびコンピュータを引用しているが、これらに限定されるものではないことを理解されたい。「通信」という用語は、電話およびメッセージ送信の少なくとも一方を含む。
【0085】
第1の装置110およびサーバ130は、少なくとも1つの通信ネットワーク(以下、第1の通信ネットワークと称する)を介して(遠隔または有線で、以下「データ通信」と称する)接続されている。さらに、第2の装置120およびサーバ130は、少なくとも1つの通信ネットワーク(以下、第2の通信ネットワークと称する)を介してデータ通信している。第1の通信ネットワークおよび第2の通信ネットワークは、回路網(CS)ネットワーク、インターネットプロトコル(IP)ネットワーク、またはCSおよびIPネットワークの両方を含む。
【0086】
図1を参照すると、第1の装置110は、例えば、従来の登録プロセスを介して第1の識別子と既に関連付けられている。第1の識別子は、身分証明(以下、公開IDと称する)およびオリジナルの電話番号(以下、公開番号と称する)の少なくとも1つを含み得る。公開IDおよび公開番号は、友人および家族等の一般の人に公表されている。例えば、第1の装置110は現在の電気通信会社Aの加入者であってよい。この場合、公開番号は電気通信会社Aに関連している。一方、第1の装置110は、異なる電気通信会社、例えば、電気通信会社Bの加入者であってもよい。この場合、公開番号は異なる電気通信会社Bに関連している。換言すれば、第1の装置110がどこに位置していても、公開番号は元の電気通信会社から割り当てられたオリジナルの電話番号である。
【0087】
図1には図示してないが、ホームロケーションレジスタ(HLR)は、電気通信会社等の、ネットワークオペレータによって保持されている、各携帯電話加入者の詳細を含む、中央データベースである。HLRは、加入者の携帯電話にインストールされるSIMカードの国際移動電話加入者識別番号(IMSI)と、加入者の電話番号から得られる移動識別番号(MIN)とを格納しており、それらは互いに関連付けられている。
【0088】
したがって、HLRは、第1の装置110のIMSI、より詳細には、第1の装置110にインストールされているSIMカードのIMSIと関連付けられた第1の装置110の公開番号を格納している。
【0089】
ユーザ(以下、第1のユーザと称する)は、本発明のアプリケーションまたはサービスに加入または参加することが可能である。第1の装置110は、第1のユーザの入力によってアプリケーションに参加する(S110)。アプリケーションに参加すると、第1のユーザは第1の装置110の公開番号を入力することになる。
【0090】
その後、アプリケーションプロバイダ、例えば、アプリケーションのサーバまたはアプリケーションのデータベースは、第1の装置110に第2の識別子を割り当てる(S120)。
【0091】
第2の識別子は、少なくとも一形式の身分証明(以下、非公開IDと称する)と、仮想番号(以下、非公開番号と称する)とを含み得る。非公開IDおよび非公開番号は、一般の人に明らかにされていない。非公開番号は、現在の電気通信会社に関連していてよい。この場合、非公開番号は現在の電気通信会社の番号系列または番号付けルールに従うことになる。現在の電気通信会社は、サービス/アプリケーションプロバイダまたは関連会社に関連していてもよい。一方、第1の装置110は、別の電気通信会社Bの加入者であってもよく、現在の電気通信会社Aに関連する非公開番号を得ることができる。非公開番号は、第1の装置110の現在位置に関連していてもよい。この場合、非公開番号は、現在位置を含む国/州の番号系列または番号付けルールに従うことになる。
【0092】
例えば、電気通信会社Aに関して、大部分の電話番号は09×× ××× ××××(11桁)であり、アプリケーションプロバイダは08×× ××× ××××(11桁)の番号系列を非公開番号として割り当てる。
【0093】
さらに、図示はしていないが、第1のユーザは国/州または電気通信会社を選択することができ、第1の装置110は第1のユーザの選択に基づく非公開番号を得ることができる。
【0094】
非公開番号を作成した後、HLRレコードはアプリケーションプロバイダによって更新される。換言すれば、第1の装置の古いHLRレコードは、公開番号を直ちに有するように更新される。したがって、HLRは、第1の装置110のIMSI、より詳細には、第1の装置110にインストールされているSIMカードのIMSIと関連付けられた非公開番号を格納している。さらにまた、公開番号に対して新しいHLRレコードが作成される。新しいHLRレコードは、新しいIMSIと関連付けられた公開番号を含む。新しいIMSIは、本物のSIMカードと必ずしも関連付けられていなくてもよい。したがって、第1の装置110は2つのHLRレコードを有する。
【0095】
公開番号および非公開番号は互い(1対1)に関連しているが、その関連性はHLRに必ずしも格納されていない。関連性は、別個のデータベースまたは複数のデータベースにわたって格納されてもよい。
【0096】
その後、第1の装置110は、第1の装置110とサーバ130の間で接続された少なくとも1つの第1の通信ネットワークを選択する(S130)。上記のように、複数の第1の通信ネットワークは、CSネットワークおよびIPネットワークを含み得る。例えば、第1の装置110はIPネットワーク品質をチェックする。チェックステップは、IPネットワーク品質が存在しているか、および/または所定時間の間十分であるかどうかのチェックを含み得る。
【0097】
IPネットワークが存在しているか、またはIPネットワークを介して通信を提供するのに十分な品質であるとわかった場合、第1の装置110はIPネットワークを選択する。その一方で、IPネットワーク品質が存在していないか、またはIPネットワークを介して通信を提供するのに不十分であるとわかった場合、第1の装置110はCSネットワークを選択する。
【0098】
一方、CSネットワーク品質およびIPネットワーク品質の両方とも十分である場合、第1の装置110はクイック試験を開始することができる。クイック試験は、待ち時間、帯域幅、ジッター、価格、およびパケット損失試験を含み得る。クイック試験の実行において、第1の装置110は品質に関する相対的指標を有する以前の通信のデータベースへのアクセス/参照が可能である。例えば、データ品質が悪いことがわかっている特定の地域がある場合、そのことをデータベースに追加して、CSネットワークまたはIPネットワークの選択に利用することができる。
【0099】
図1には図示していないが、第1の装置110はCSネットワークおよびIPネットワークの両方を選択して通信を提供してもよい。この場合、第1の装置110は、CSネットワークおよびIPネットワークの両方を介してサーバ130に通信を送信することになる。
【0100】
別の実施形態では、図示していないが、サーバ130は、第1の装置110とサーバ130の間で接続された少なくとも1つの第1の通信ネットワークを選択してもよい。具体的には、第1の装置110は、サーバ130に通信を要求して第2の装置120と通信してもよい。その後、サーバ130は、複数の第1の通信ネットワーク間の第1の通信ネットワーク状態をチェックし、少なくとも1つの第1の通信ネットワークを選択してもよい。
【0101】
第1の通信ネットワークを選択した後、第1の装置110は、非公開番号を送信者番号として用いてサーバ130に通信を送信する(S140)。第1の装置110は、使用可能となった非公開番号を用いてCSネットワークを介してサーバ130に通信を送信する。
【0102】
一方、サーバ130は、選択した第1の通信ネットワークに応じて非公開番号を送信者番号として使用するかどうかを決定してもよい。より詳細には、第1の装置110がIPネットワークを選択した場合、第1の装置110はIPネットワークを介してサーバ130に通信を送信する。この場合、第1の装置110は非公開番号を使用せず、公開番号を送信者番号として使用することになる。その一方で、第1の装置110がCSネットワークを選択した場合、第1の装置110はCSネットワークを介してサーバ130に通信を送信する。この場合、第1の装置110は非公開番号を送信者番号として使用する。
【0103】
サーバ130は第1の装置110からの通信を受信し、その後、非公開番号を公開番号と置換する(S150)。したがって、非公開番号はマスキングされることになる。
【0104】
サーバ130は、第2の装置120とサーバ130の間で接続された少なくとも1つの第2の通信ネットワークを選択する(S160)。具体的には、サーバ130は、CSネットワークおよびIPネットワークを含む複数の第2の通信ネットワーク間の第2の通信ネットワーク状態をチェックする。同様に、サーバ130は、IPネットワーク品質が存在するか/IPネットワークを介して通信を提供するのに十分かどうかをチェックする。サーバ130は、チェックしたIPネットワーク品質に応じてCSネットワークおよびIPネットワークの少なくとも一方を選択する。
【0105】
一方、CSネットワーク品質およびIPネットワーク品質の両方が十分である場合、サーバ130はクイック試験を開始して、CSネットワークおよびIPネットワークの少なくとも一方を選択することができる。CSネットワークおよびIPネットワークの両方を選択して、通信を提供することが可能である。この場合、サーバ130は、CSネットワークおよびIPネットワークの両方を介して第2の装置120に通信を送信することになる。
【0106】
サーバ130は、公開番号を送信者番号として用いて第2の装置120の通信を送信する(S170)。第2の装置120は、サーバ130からの公開番号を送信者番号として持つ通信を受信する。
【0107】
したがって、第2の装置120は、通信の送信者が公開番号を有する第1の装置110であることを認識することができる。第2の装置120は、第2の装置120のディスプレイ上に公開番号を送信者番号として表示する(S180)。
【0108】
より詳細には、図1には図示してしないが、第2の装置120がサーバ130を経由して第1の装置110からの電話を受信すると、公開番号を発信者の番号(発信者ID)として持つ着信電話画面が電話画面上に表示される。さらに、公開番号と関連して格納された第1のユーザの名前、ニックネーム、写真およびその他の情報の少なくとも1つは、着信電話画面と共に/の上に表示される。非公開番号は、第2の装置120には表示されない。第2の装置120のユーザ(以下、第2のユーザと称する)は、第1の装置110の非公開番号は見ることができない。
【0109】
上記のように、本発明の送信者は適切な転送ネットワークを用いて彼/彼女の電話/メッセージを提供することができる。さらに、本発明は、たとえCS信号が弱かったり存在しなかったりする場合またはローミングコストの負担がない元の電気通信会社の国の外である場合であっても、彼/彼女の電話/メッセージを提供することができる。したがって、本発明は時間とコストを節約することができる。
【0110】
さらに、本発明の受信者は、送信者がIP到達可能か否か、および送信者がモバイル機器の固有のダイヤル/アプリケーションまたは本発明のアプリケーションを使用しているかどうか、送信者の単一の番号を見るだけでわかる。したがって、本発明は、ユーザエクスペリエンスをできるだけシームレスにすることができる。
【0111】
図2は、本発明の一実施形態による、送信者がアプリケーションの加入者である場合の複数のネットワークを通じた電話の詳細フローチャートを示す。
【0112】
図2を参照すると、専用のSIPサーバ(SSS)はサーバ130である。第1の装置110とサーバ130の間で接続された選択した第1の通信ネットワークは、CSネットワークである。
【0113】
移動交換局(MSC)140は、音声通話およびメッセージの転送を担う、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)および符号分割多重アクセス(CDMA)用の一次サービス提供ノードである。セッション初期化プロトコルゲートウェイ(SIPゲートウェイ、SIP G/W)150は、SIPネットワークを他のネットワークにインターフェース接続するために用いられる。
【0114】
第1の装置110がCSネットワークを用いて発信電話を送信する(S210)と、非公開番号が送信者番号として用いられる。MSC140および/または信号中継局(STP)は非公開番号を解析し(S220)、SIPゲートウェイ150を介して専用のSIPサーバ130に転送する(S230)。すなわち、発信電話はSIPゲートウェイ150(SIPトランク)を経由させられ、SIP信号伝達を用いて専用のSIPサーバ130に送信される。
【0115】
少なくとも1つのデータベース(図示せず)からなる、専用のSIPサーバ130によって発信電話が受信されると、専用のSIPサーバ130で動作する内部データベース論理が第1の装置110の公開番号を見つけて、非公開番号を公開番号と置換する。その後、専用のSIPサーバ130は、公開番号を用いてIPネットワークを介して第2の装置120に電話を送信する。そうでなければ、専用のSIPサーバ130は、公開番号を用いてSIPトランクを介してCSネットワークにコールバックを送信する(S240)。
【0116】
要約すると、専用のSIPサーバ130が発信電話を受信する前は、システム100は非公開番号を使用していた。専用のSIPサーバ130が発信電話を受信した後、非公開番号は公開番号と置換され、公開番号が今後使用されることになる。
【0117】
一方、格付けおよび課金は、専用のSIPサーバ130によって実行することができる。専用のSIPサーバ130はすべてのトランザクションの中心であるので、専用のSIPサーバ130はトランザクションがどのように、すなわち、CSネットワークまたはIPネットワークを介して始まったかがわかる。例えば、電話がCSネットワークを介して始まり、IPネットワークを介して終わっている場合は第1の装置110に課金するが、電話がIPネットワークを介して始まり、IPネットワークを介して終わっている場合は第1の装置110に課金しないことが可能である。
【0118】
図3は、本発明の一実施形態による、送信者がアプリケーションの加入者である場合の複数のネットワークを通じたメッセージ送信の詳細フローチャートを示す。
【0119】
図3を参照すると、専用のSIPサーバ(SSS)はサーバ130である。第1の装置110とサーバ130の間で接続された選択した第1の通信ネットワークは、CSネットワークである。
【0120】
ショートメッセージサービスセンター(SMSC)160は携帯電話ネットワークにおけるネットワーク要素であり、その目的は、ショートメッセージサービス(SMS)メッセージを格納、転送、変換および配信することである。
【0121】
第1の装置110がCSネットワークを用いて発信SMSを送信する(S310)と、非公開番号が送信者番号として使用される。MSC140は非公開番号を解析し(S320)、SMSC160を介して専用のSIPサーバ130に転送する(S330)。すなわち、発信メッセージは、専用のSIPサーバ130に接続されているSMSC160にリダイレクトされる。
【0122】
ショートメッセージサービスピアツーピア(SMPP)または何らかの同様のプロトコルを用いて、専用のSIPサーバ130は発信SMSを取り出し、データベースルックアップを実行する。さらに、専用のSIPサーバ130は第1の装置110の公開番号を見つけ、SMSを第2の装置120に送信する前に、発信SMSにおいて用いられた非公開番号を第1の装置110の公開番号と置換する。その後、専用のSIPサーバ130は、第1の装置110の公開番号を用いて第2の装置120にSMSを送信する(S340)。
【0123】
したがって、発信電話およびSMSの両方において、番号マスキングが行われることによって、第1の装置110の非公開番号は一般の人や他の電気通信会社にも決して明らかにされることはない。第2の装置120が第1の装置110からの電話またはSMSを受信するときはいつでも、第1の装置110の公開番号のみが目に見える。
【0124】
図4は、本発明の別の実施形態による、受信者がアプリケーションの加入者である場合の複数のネットワークを通じた通信の簡易フローチャートを示す。図4に関するより詳細なフローチャートは、図5および図6に記載する。
【0125】
図4を参照すると、第1の装置110は、元の電気通信会社から割り当てられたオリジナルの電話番号(以下、公開番号と称する)と既に関連付けられている。公開番号は、HLRに第1の装置110の情報、例えばIMSIと関連して格納される。
【0126】
第1のユーザは、本発明のアプリケーションまたはサービスに参加することができる。第1の装置110はアプリケーションに参加し(S410)、アプリケーションプロバイダは第1の装置110に非公開番号を割り当てる(S420)。非公開番号は、上記のように現在の電気通信会社または現在の位置する国に関連していてよい。さらにまた、HLRレコードは上記のように更新される。
【0127】
その後、第2の装置120は、第2の装置120とサーバ130の間で接続された少なくとも1つの第2の通信ネットワークを選択する(S430)。具体的には、第2の装置120は、複数の第2の通信ネットワーク、例えばCSネットワークおよびIPネットワーク間の第2の通信ネットワーク状態、例えばIPネットワーク品質をチェックする。
【0128】
IPネットワークが存在しているか、またはIPネットワークを介して通信を提供するのに十分な品質であるとわかった場合、第2の装置120はIPネットワークを選択する。その一方で、IPネットワーク品質が存在していないか、またはIPネットワークを介して通信を提供するのに不十分であるとわかった場合、第2の装置120はCSネットワークを選択する。一方、CSネットワーク品質およびIPネットワーク品質の両方が十分である場合、第2の装置120は上記のようにクイック試験を開始することができる。
【0129】
その後、第2の装置120は、公開番号を受信者番号として用いて選択した第2の通信ネットワークを介してサーバ130に通信を送信する(S440)。サーバ130は、第2の装置120からの通信を受信する。
【0130】
サーバ130は、第1の装置110とサーバ130の間で接続された少なくとも1つの第1の通信ネットワークを選択する(S450)。具体的には、サーバ130は、CSネットワークおよびIPネットワークを含む複数の第1の通信ネットワーク間の第1の通信ネットワーク状態をチェックする。サーバ130は、チェックしたIPネットワーク品質またはクイック試験結果に応じてCSネットワークおよびIPネットワークの少なくとも一方を選択する。
【0131】
サーバ130は、非公開番号を受信者番号として用いて選択した第1の通信ネットワークを介して第1の装置110に通信を送信する(S460)。第2の装置120は、サーバ130からの通信を受信する。
【0132】
一方、サーバ130は、選択した第1の通信ネットワークに応じて非公開番号を受信者番号として使用するかどうかを決定することができる。より詳細には、サーバ130がIPネットワークを選択した場合、サーバ130はIPネットワークを介して第1の装置110に通信を受信する。この場合、サーバ130は非公開番号を使用せず、公開番号を受信者番号として使用することになる。その一方で、サーバ130がCSネットワークを選択した場合、サーバ130はCSネットワークを介して第1の装置110に通信を送信する。この場合、サーバ130は、非公開番号を受信者番号として使用する。
【0133】
図5は、本発明の別の実施形態による、受信者がアプリケーションの加入者である場合の複数のネットワークを通じた電話の詳細フローチャートを示す。
【0134】
具体的には、図5は、第1の装置(図示せず)110が第2の装置(図示せず)120からの着信電話を受信することを示している。図5を参照すると、MSC(またはゲートウェイMSC、GMSC)140は第1の装置110の公開番号に向かう着信電話を受信する(S510)。MSC140が着信電話を転送する必要があると、MSC140はHLR170に要求を送信する(S520)。その後、HLR170はMSC140に即座に応答する(S530)。
【0135】
その後、着信電話はSS7/SIPゲートウェイ150(すなわち、SIPトランク)を通過させられ(S540)てから、SIPネットワークを介して専用のSIPサーバ130に送信される(S550)。
【0136】
着信電話が専用のSIPサーバ130によって受信されると、電話に対して多くのことをなし得る。まず、専用のSIPサーバ130は、IPネットワークを介して第1の装置110のクライアントアプリ、すなわち、本発明のアプリケーションとコンタクトするよう試みることができる。専用のSIPサーバ130がアプリケーションに到達することができ、IPネットワークに音声能力がある場合、電話はIPネットワークを介してアプリケーションに提供される。その一方で、専用のSIPサーバ130がIPネットワークを介してアプリケーションに到達できない、またはIPネットワークに音声能力がない場合、専用のSIPサーバ130はCSネットワークを介して電話を第1の装置110の非公開番号に提供するよう選択することができる。専用のSIPサーバ130は、SIPトランクを介して電話を第1の装置110の非公開番号に転送する。
【0137】
一方、専用のSIPサーバ130は、電話を処理するために、着信電話に対して、電話をブロックする、電話にボイスメールを送信する等、多くのパーソナライゼーションルールを適用することができる。したがって、本発明は、電話を、CSネットワークを経由して第1の装置110の非公開番号に、またはIPネットワークを経由して第1の装置110のアプリケーションに、またはそれらの任意の組み合わせで案内することができる。
【0138】
図6は、本発明の別の実施形態による、受信者がアプリケーションの加入者である場合の複数のネットワークを通じたメッセージ送信の詳細フローチャートを示す。
【0139】
具体的には、図6は、第1の装置(図示せず)110が第2の装置(図示せず)120からのSMSを受信することを示している。図6を参照すると、MSC(またはSMSゲートウェイMSC、SMS-GMSC)140は第1の装置110の公開番号に向かう着信SMSを受信した(S610)。MSC140が着信SMSを転送する必要があると、MSC140はHLR170に要求を送信する(S620)。その後、HLR170はMSC140に即座に応答する(S630)。
【0140】
その後、着信SMSは特定のSMSC180に向かわされ(S640)てから、いくつかのプロトコル、例えば、ショートメッセージピアツーピア(SMPP)を介して専用のSIPサーバ130に向かわされる(S650)。
【0141】
SMSが専用のSIPサーバ130によって受信されると、SMSに対して多くのことをなし得る。まず、専用のSIPサーバ130は、IPネットワークを介して第1の装置110のアプリケーションにメッセージを提供するよう試みることができる。専用のSIPサーバ130がIPネットワークを介してアプリケーションに到達できない場合、専用のSIPサーバ130はCSネットワークを介してSMSを第1の装置110の非公開番号に提供するよう選択することができる。専用のSIPサーバ130は、いくつかのプロトコル、例えばSMPPを介してSMSを第1の装置110の非公開番号に転送する。
【0142】
専用のSIPサーバ130は、SMSを処理するために、着信SMSに対して、SMSをブロックする、SMSを電子メールとして送信する等、多くのパーソナライゼーションルールを適用することができる。
【0143】
したがって、本発明は、SMSを、CSネットワークを経由して第1の装置110の非公開番号に、またはIPネットワークを経由して第1の装置110のアプリケーションに、またはそれらの任意の組み合わせで案内することができる。
【0144】
図示していないが、さらにまた、本発明のシステム100は、本発明のアプリケーションを実行する第1の装置110および第2の装置120間のリッチコミュニケーションを処理する。リッチコミュニケーションは、長いテキストメッセージ、フォトメッセージ、ビデオメッセージ、ボイスメッセージおよび顔文字の少なくとも1つを含むリッチメッセージの形式であってよい。
【0145】
この場合、第1の装置110は第2の装置120の公開番号にリッチメッセージを送信し、リッチメッセージはサーバ130に提供される。第1の装置110はIP到達可能であり、リッチメッセージはIPネットワークを介してサーバ130に提供される。第1の装置110がIP到達可能でない場合、リッチメッセージの簡易メッセージがCSネットワークを介してサーバ130に提供される(SMS)。第2の装置120がIP到達可能である場合、リッチメッセージはIPネットワークを介してサーバ130から第2の装置120に提供される。その一方で、第2の装置120がIP到達可能でない場合、リッチメッセージの簡易メッセージがCSネットワークを介してサーバ130から第2の装置120に提供される。第1の装置110および第2の装置120の両方がIP到達可能である場合、フルメッセージ、すなわち、リッチメッセージが第1の装置110から第2の装置120に提供され、任意の簡易メッセージがリッチメッセージと置換される。アプリケーションプロバイダは、リッチメッセージを簡略化することができる。
【0146】
換言すれば、サーバ130は、第1または第2の通信ネットワークがIP到達可能か否かを再チェックするよう作動する。サーバ130が第2の装置120とサーバ130の間で接続された第2の通信ネットワークとしてIPネットワークを再選択した、すなわち、第2の装置120がIP到達可能である場合、サーバ130は第2の装置120のアプリケーションに同期し、簡易メッセージがアプリケーションにおいてリッチメッセージに置換されるかまたは変換し戻される。そして、簡易メッセージは削除され、リッチメッセージが第2の装置120のディスプレイに表示される。
【0147】
一方、第1の装置110がIP到達可能でなく、第2の装置120がIP到達可能であると、第2の装置120は、第1の装置110もIP到達可能になって初めてリッチメッセージを受信することになる。システム100は第1の装置110からの簡易メッセージのみを提供するので、第2の装置120は簡易メッセージを得るだけである。さらに、第1の装置110がIP到達可能である場合、リッチメッセージおよびリッチメッセージに対応する簡易メッセージがサーバ130に提供され、サーバ130はそれらのメッセージを格納する。
【0148】
上記の同期に加えて、アプリケーションの同期はIP到達可能性が存在する場合に生じるので、固有のテキストメッセージ送信アプリケーションによって送受信されたすべての通信、例えばメッセージは、本発明のアプリケーションにおいても見えることになる。これは、固有のテキストメッセージ送信アプリケーションによって送受信されたすべてのメッセージは、第1の装置110および第2の装置120がIP到達可能であるときにそれらのメッセージを格納することができる本発明のサーバ130で終わるため、可能である。サーバ130は、同じデータベース上にリッチメッセージおよびリッチメッセージに対応する簡易メッセージを格納する。
【0149】
上記の説明において、大部分の状況はIP到達可能であるか否かで説明している。しかしながら、本発明はリッチメッセージが可能か否かに関するその他の状況に適用することができる。例えば、「その他の状況」は、第1の装置110または第2の装置120がスマートフォンでない状況を含む。この場合、それらのうちの1つがスマートフォンでない場合、第1の装置110の第1のユーザおよび第2の装置120の第2のユーザは簡易メッセージで通信するだけである。しかしながら、サーバ130は、ユーザのうちの一人がスマートフォンにアップグレードする、例えば、スマートフォンを購入する、ソフトウェアを更新するなどした場合、すべての、すなわち、リッチメッセージを含むメッセージをそれらの1つに同期するように、ありとあらゆるリッチメッセージを格納する。
【0150】
図7は、HLRレコードの更新の一例を示す。
【0151】
上記のように、第1の装置110は、2つの電話番号、すなわち、公開番号および非公開番号を有することができる。公開番号は、第1の装置110の「一方の番号」となる。
【0152】
第1の装置110が本発明のアプリケーションに参加する前、第1の装置110は、一対の公開番号、例えば09209153085と、第1の装置110内のSIMカードのIMSI、例えば515034200762993に関する1つのHLRレコードのみを有する。
【0153】
第1の装置110がアプリケーションに参加した後、システム100のアプリケーションプロバイダは非公開番号を割り当て、HLRレコードを更新する。具体的には、古いHLRレコードは、一対の非公開番号、例えば08120000001と、第1の装置110にインストールされたSIMカードのIMSI、例えば515034200762993を直ちに含むように更新されることになる。さらに、公開番号に対して新しいHLRレコードが作成される。新しいHLRレコードは、一対の公開番号、例えば08120000001と新しいIMSIを含む。新しいIMSIは本物である必要はなく、本物のSIMカードと必ずしも関連付けられていない電気通信会社の分解可能なIMSIである。したがって、第1の装置110は2つのHLRレコードを有する。
【0154】
公開番号および非公開番号は互い(1対1)に関連しているが、その関連性はHLR170に必ずしも格納されていない。関連性は、別個のデータベースまたは複数のデータベースにわたって格納されてもよい。
【0155】
一方、図示していないが、本発明はマルチSIM装置、例えばデュアルSIM携帯電話を利用することができる。
【0156】
具体的には、第1の装置110は、第1の公開番号を割り当てられた第1のSIMカードと、第2の公開番号を割り当てられた第2のSIMカードとを有する。そして、第1の公開番号は第1のIMSIに従って格納される、すなわち、第1のIMSIは第1のHLR171内で第1のSIMカードに関連している。さらに、第2の公開番号は第2のHLR172に第2のIMSIと共に格納されている。
【0157】
第1および第2のHLR171,172は、第1のSIMカードの第1の電気通信会社と第2のSIMカードの第2の電気通信会社は異なる可能性があるので、異なっていてもよい。しかしながら、一部の実施形態では、第1のIMSIを伴う第1の公開番号と第2のIMSIを伴う第2の公開番号は同じHLR170に一緒に格納してもよい。
【0158】
第1の装置110が第1のSIMカードを用いてアプリケーションに参加すると、アプリケーションプロバイダは第1の非公開番号を割り当てる。その後、第1の装置110が第2のSIMカードを用いてアプリケーションに参加すると、アプリケーションプロバイダは同じ非公開番号、すなわち、第1の非公開番号を割り当ててもよい。そうでなければ、アプリケーションプロバイダは異なる非公開番号、すなわち、第2の非公開番号を割り当ててもよい。
【0159】
[同じ非公開番号を割り当てる場合]
この場合、第1の装置110が第1のSIMカードの第1の公開番号に対応する第1の非公開番号を得る場合、第2のSIMカードの第2の公開番号に対して同じ非公開番号を使用することができる。
【0160】
具体的には、第1の公開番号+第1のIMSIに対する1つのHLRエントリと、第2の公開番号+第2のIMSIに対するもう1つのHLRエントリは、互いに関連している。例えば、2つのHLRエントリ間の関連性を表す識別子または指標は、HLR170,171,172またはその他のサーバ/データベースに格納することができる。したがって、第1の公開番号および第2の公開番号の両方に対して同じ非公開番号が使用される。
【0161】
さらに、第1の装置110の第1のユーザは、第1および第2の公開番号を優先させる。さらに、第1のユーザは状況に対応する優先番号を選択する。例えば、第1のユーザは、第2のユーザに電話/メッセージ送信するために第1の公開番号を優先番号として選択する。
【0162】
一方、第1の装置110は第1および第2の公開番号を優先させる。第1の装置110、すなわち、第1の装置110のコントローラは、第1のユーザの使用形態に基づいて優先番号を選択する。例えば、第1のユーザが通常第1のSIMカードを用いて第2のユーザに電話/メッセージ送信する場合、第1の装置110は第1の公開番号を優先番号として選択してもよい。別の例では、第2のユーザが特定の電気通信会社の加入者である場合、第1のSIMカードは特定の電気通信会社に関連しているので、第1の装置110は第1の公開番号を優先番号として選択してもよい。
【0163】
その後、第1の装置110は、適切なネットワークを介して非公開番号を送信者番号として用いてサーバ130に電話/メッセージを送信する。第1の装置110が、電話/メッセージを送信するのに第1のSIMカードまたは第2のSIMカードを使用するかどうかは問題ない。その後、サーバ130は非公開番号を第1の公開番号と置換する。サーバ130は、第1の公開番号を送信者番号として用いて第2の装置120に電話/メッセージを送信する。最後に、第2の装置120は電話/メッセージを受信し、第1の公開番号を送信者番号として認識する。
【0164】
[異なる非公開番号を割り当てる場合]
この場合、第1の装置110は、第1の公開番号および第2の公開番号の各々に従った第1の非公開番号をおよび第2の非公開番号を含む2つの非公開番号を得る。
【0165】
具体的には、第1の非公開番号+第1のIMSIに対する1つの更新されたHLRエントリと、第2の非公開番号+第2のIMSIに対するもう1つの更新されたHLRエントリは、互いに関連している。例えば、2つの更新されたHLRエントリ間の関連性を表す識別子または指標は、HLR170,171,172またはその他のサーバ/データベースに格納することができる。
【0166】
さらに、第1のユーザおよび/または第1の装置110は、上記のように第1および第2の公開番号を優先させる。その後、第1の装置110は、適切なネットワークを介して第1または第2の非公開番号を送信者番号として用いてサーバ130に電話/メッセージを送信する。その後、サーバ130は第1または第2の非公開番号を第1の公開番号と置換する。サーバ130は、第1の公開番号を送信者番号として用いて第2の装置120に電話/メッセージを送信する。最後に、第2の装置120は電話/メッセージを受信し、第1の公開番号を送信者番号として認識する。
【0167】
したがって、第2の装置120は、第1のユーザが第2のSIMカードを用いて電話/メッセージ送信している場合であっても、第1のユーザの一方の番号、すなわち、第1の公開番号のみを見ることができる。
【0168】
図8は、専用のSIPサーバを経由した電話の転送の一例を示す。
【0169】
図8を参照すると、専用のMSC190、専用のSIPサーバ130、およびアプリケーション、すなわち、本発明のクライアントアプリを含む3つの構成要素がある。
【0170】
専用のMSC190は、第1の装置110の公開番号に送信されるあらゆる電話/メッセージを専用のSIPサーバ130に送信させることができる。専用のMSC190は、位置更新をHLR170に送信することによってこのタスクを行う。さらに、専用のMSC190は、システム100内の第1の装置110の場所をMSC140に通知することができる。
【0171】
図9は、専用のSIPサーバによる位置更新のフローチャートを示す。
【0172】
専用のMSC190はメッセージを受け入れてから、更新位置をHLR170に送信する。MSC140が電話またはSMSを転送する必要があると、MSC140はHLR170に要求を送信する。移動局ローミング番号(MSRN)が要求側MSC140に提供されるのには、2通りの方法がある。最初のケースでは、HLR170はMSRNを格納し、MSRNを有する要求側MSC140に即座に応答する。別のケースでは、HLR170はMSRNを格納しておらず、専用MSC190に問い合わせる必要がある。この場合、専用のMSC190はMSRNを格納する必要がある。
【0173】
専用のSIPサーバ130は、非公開番号をマスキングするための番号マスキング機能を提供する。専用のSIPサーバ130は、第1の装置110が携帯電話の回路交換機能を使用する、すなわち、第1の装置110がCSネットワークを介して音声通話を行うまたはSMSを送信するために非公開番号を使用する場合に起動する。専用のSIPサーバ130は、第1の装置110からの発信電話またはSMSを受信することができる。
【0174】
当業者には、代替物または置換物ではなく、上記の特徴の変化物および組み合わせを組み合わせて、本発明の意図した範囲内のさらに他の実施形態を構成することができることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9