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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/24 20060101AFI20220502BHJP
   H02K 5/20 20060101ALI20220502BHJP
   H02K 9/06 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
H02K5/24 A
H02K5/20
H02K9/06 F
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019012780
(22)【出願日】2019-01-29
(65)【公開番号】P2020123998
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】319007240
【氏名又は名称】株式会社日立インダストリアルプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小山 貴之
(72)【発明者】
【氏名】杉本 健一
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-051503(JP,A)
【文献】特開2013-150383(JP,A)
【文献】特開2017-216774(JP,A)
【文献】特開2016-093012(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/24
H02K 5/20
H02K 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子と、
前記固定子の径方向内側に配置され、回転軸を備える回転子と、
前記回転軸を支持する軸受と、
前記固定子を支持する中間フレームと、
前記軸受と前記中間フレームを支持する固定子フレームと、
を備え、
前記中間フレームは、軸方向の両端部に主板を備えるとともに、幅方向の両端部に側板を備え、前記主板と前記側板とが互いに接続しており、
前記固定子フレームは、前記軸方向の両端部に主板を備えるとともに、前記幅方向の両端部に側板を備え、前記側板で前記中間フレームを囲って前記固定子フレームの内部に前記中間フレームを収容し、
前記固定子フレームは、底部の前記幅方向の両端部に台座を備え、
前記台座は、前記固定子フレームの底面より上方に位置する上面を備え、
前記中間フレームは、前記台座の前記上面に固定される、
ことを特徴とする回転電機。
【請求項2】
前記中間フレームは、底部に、前記幅方向の中央部に位置する面である底板と、前記幅方向の両端部に位置し前記底板よりも上方に位置する面である脚板とを備え、
前記中間フレームの前記脚板は、前記台座の前記上面に固定される、
請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記中間フレームは、前記底板が、前記固定子フレームの前記底面に接触しない、
請求項2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記固定子フレームの前記台座の前記上面は、高さ方向の位置が、前記回転軸の中心の高さ方向の位置と等しい、またはこの位置より下方である、
請求項1に記載の回転電機。
【請求項5】
前記中間フレームの前記主板は、前記固定子を支持するための第1の開口部を備えるとともに、前記第1の開口部の周りに第2の開口部を備える
請求項1に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機は、固定子、回転子、固定子を保持するフレーム、及び回転子の回転軸を支持する軸受を備える。回転電機では、運転時に、発生した磁気吸引力によって固定子が変形し、これによって固定子が電磁振動を起こす。電磁振動は、電源周波数の2倍の周波数で振動することが知られており、固定子からフレームや軸受に伝搬する。また、回転子の有する構造上のアンバランスにより回転子が回転軸に対して振動することで、フレームや軸受が加振される。これにより、フレームや軸受に回転周波数成分の振動が現われる。
【0003】
このため、従来の回転電機では、フレームや軸受に電磁振動や回転周波数成分の振動が発生することが問題となっている。
【0004】
特許文献1には、従来の回転電機の一例が記載されている。特許文献1に記載の回転電機は、固定子支持部材の両側に切欠きを備え、この切欠きにより固定子支持部材の剛性を低下させて可撓性を増加させ、電磁振動を低下させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-093012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の回転電機では、固定子は、切欠きを備えた固定子支持部材により弾性支持されている。このため、特許文献1に記載の回転電機は、回転子と固定子の間のギャップの寸法の調整と、固定子支持部材の剛性の調整が困難であるため、回転電機の製作性に課題がある。また、特許文献1に記載の回転電機は、固定子自身の振動抑制が困難であり、固定子の振動がフレームや軸受に伝搬するという課題も有する。
【0007】
本発明は、フレームと軸受の振動を抑制することができ、製作性のよい回転電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による回転電機は、固定子と、前記固定子の径方向内側に配置され、回転軸を備える回転子と、前記回転軸を支持する軸受と、前記固定子を支持する中間フレームと、前記軸受と前記中間フレームを支持する固定子フレームとを備える。前記固定子フレームは、底部の幅方向の両端部に台座を備える。前記台座は、前記固定子フレームの底面より上方に位置する上面を備える。前記中間フレームは、前記台座の前記上面に固定される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、フレームと軸受の振動を抑制することができ、製作性のよい回転電機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例1による回転電機の構成を示す模式図である。
図2】中間フレームの構成の一例を示す図である。
図3】固定子フレームの構成の一例と、固定子フレームに固定される中間フレームを示す図である。
図4】固定子フレームと、固定子フレームに固定された中間フレームを示す図である。
図5】固定子フレームが台座を備えない構成の回転電機において、固定子フレームと、固定子フレームに固定された中間フレームを示す図である
図6】固定子に向かって開口する切欠きを開口部として備える中間フレームの構成を示す図である。
図7】本発明の実施例2による回転電機において、固定子フレームと、固定子フレームに固定された中間フレームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明による回転電機は、固定子の振動に起因するフレームと軸受の振動を抑制することができ、低振動であるとともに製作性がよい(製造しやすい)という特徴を備える。軸受が振動する要因の1つは、フレームの振動が軸受に伝搬することである。
【0012】
以下、本発明の実施例による回転電機を、図面を参照して説明する。以下では、回転子の回転軸に平行な方向を「軸方向」と呼び、軸方向と回転電機の高さ方向とに垂直な方向を「幅方向」と呼ぶ。また、回転軸の周りの方向を「周方向」と呼び、回転軸の径の方向を「径方向」と呼ぶ。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1による回転電機の構成を示す模式図であり、回転軸を通る断面を示している。
【0014】
回転電機100は、回転電機本体101と、回転電機本体101の内部に流通する内気4を冷却する熱交換器102と、熱交換器102に外気14を導入するための外扇ダクト103を備える。
【0015】
回転電機本体101は、円筒形の固定子2と、回転子1と、中間フレーム15と、固定子フレーム8と、軸流ファン7と、軸受16を備える。回転子1は、固定子2の径方向内側にエアギャップ3を介して配置されており、回転軸10を備える。回転軸10は、一端部(図1の右側)がカップリング(図示せず)に接続されている。中間フレーム15は、固定子2を支持する。固定子フレーム8は、中間フレーム15を支持し、軸方向の両端部にブラケット17を備える。軸流ファン7は、回転軸10の両端部に設置され、熱交換器102で除熱された内気4を回転電機本体101の内部に還流する。軸受16は、ブラケット17に支持されており、回転子1を回転軸10で支持する。回転軸10の両端部は、軸受16に支持される。
【0016】
熱交換器102は、外気14が内部を流通する管群12を備え、固定子2と回転子1を冷却した内気4を除熱する。熱交換器102は、内気4の流れを制御する仕切り板18を軸方向の両端部に備える。
【0017】
外扇ダクト103は、外扇13を格納する。外扇13は、送風機であり、回転軸10の他端部に接続され、熱交換器102に外気14を送り込む。
【0018】
固定子2は、固定子鉄心6と、ガイド板5と、固定子鉄心6の内径側に形成された複数のスロット(図示せず)内に収納された固定子コイル(図示せず)を備える。固定子コイルは、固定子鉄心6の端部から軸方向外側に突出した固定子コイルエンド部9を備える。ガイド板5は、固定子コイルエンド部9を覆うように、中間フレーム15の軸方向両端部にボルトで取り付けられている。
【0019】
以下に、回転電機100の通風による冷却の構成を示す。
【0020】
軸流ファン7で昇圧された内気4は、回転子1の内部に向かう内気4a、エアギャップ3に向かう内気4b、及び固定子コイルエンド部9に向かう内気4cに分流する。回転子1の内部に向かう内気4aは、回転子1を冷却した後、エアギャップ3に流れる。エアギャップ3に向かう内気4bは、エアギャップ3に流れてきた内気4aと合流して固定子2を冷却し、固定子フレーム8内に流入する。固定子コイルエンド部9に向かう内気4cは、固定子コイルエンド部9を冷却した後、中間フレーム15を構成する主板の開口部159を通って固定子フレーム8内に流入して、内気4a、4bと合流する。
【0021】
内気4a、4b、4cが合流した内気4は、固定子フレーム8の外周から流出して熱交換器102に流入し、2つの仕切り板18の間の領域で除熱されて冷却され、軸流ファン7に戻る。
【0022】
熱交換器102は、複数の管で構成された管群12を内部に備え、内気4を冷却する。管群12の内部には、外扇13により二次冷媒である外気14が流される。内気4は、熱交換器102の内部で管群12の管の間を通過する際に、管内の外気14と管壁を介して熱交換し、冷却される。
【0023】
図2は、中間フレーム15の構成の一例を示す図である。
【0024】
中間フレーム15は、軸方向の両端部に主板151と主板154を備え、軸方向に沿って主板151と主板154の間に中間板152と中間板153を備える。主板151、154と中間板152、153は、固定子2を支持するための円形の開口部200を中央部に備える面である。主板151、154は、図1にも示したように、固定子コイルエンド部9を冷却した内気4cを通すための開口部159を複数備える。開口部159は、固定子2を支持するための開口部200の周りに設けられる。
【0025】
開口部159は、図1を用いて説明したように、熱交換器102の2つの仕切り板18の間の領域で内気4を冷却するために設けられる。開口部159は、周方向に等間隔で並ぶように主板151、154に設けられるのが好ましい。
【0026】
また、中間フレーム15は、幅方向の両端部に側板155と側板156を備える。側板155と側板156は、主板151、中間板152、中間板153、及び主板154を互いに接続する。側板155、156の下部には、開口部1551が設けられている。
【0027】
さらに、中間フレーム15は、下に突形状の底部を備える。中間フレーム15の底部は、幅方向の中央部に位置する面である底板158と、幅方向の両端部に位置する2つの面である脚板157と、底板158と脚板157とを接続する2つの面である側板160とを備える。脚板157は、底板158よりも上方に位置し、固定子フレーム8に固定される。脚板157は、複数の貫通穴1552を備え、貫通穴1552を貫通したボルトで固定子フレーム8に固定される。
【0028】
開口部1551は、中間フレーム15の脚板157を固定子フレーム8にボルトで固定する作業を行うために設けられる。
【0029】
図3は、固定子フレーム8の構成の一例と、固定子フレーム8に固定される中間フレーム15を示す図であり、固定子フレーム8と中間フレーム15の、軸方向に垂直な断面図である。
【0030】
固定子フレーム8は、軸方向の両端部に主板(図示せず)を備え、幅方向の両端部に側板81を備える。
【0031】
また、固定子フレーム8は、底板82、脚板84、及び台座83を底部に備える。底板82は、固定子フレーム8の底面であり、回転電機100の基礎に載置される。脚板84は、底板82の幅方向の両端部に設けられ、複数の貫通穴(図示せず)を備える。この貫通穴には、固定子フレーム8を回転電機100の基礎に固定するボルトが貫通する。回転電機100は、脚板84を貫通するボルトによって基礎に固定される。台座83は、固定子フレーム8の幅方向の両端部に設けられ、脚板84に設置される。
【0032】
台座83は、鋼板で構成され、底板82に平行な上面83aと、底板82に垂直な側面83bとを備え、軸方向に延伸する。上面83aは、固定子フレーム8の底面(底板82)より上方に位置する平面部であり、側板81と側面83bに接続する。側面83bは、脚板84と上面83aに接続する。台座83は、溶接で側板81と脚板84に固定される。上面83aは、1つまたは複数のボルト穴85を備える。
【0033】
固定子フレーム8は、幅方向の両端部のそれぞれに、1つの台座83を備えてもよく、軸方向に並んだ複数の台座83を備えてもよい。固定子フレーム8が幅方向の両端部のそれぞれに1つの台座83を備える構成では、台座83は、固定子フレーム8の軸方向のほぼ全長にわたって延在することもできる。
【0034】
中間フレーム15は、固定子フレーム8に固定される。中間フレーム15は、主板151、中間板152、中間板153、及び主板154(図2を参照)が備える円形の開口部200で、固定子2を支持する。中間フレーム15は、固定子フレーム8に固定されるときは、例えば焼き嵌め等で固定子2と結合して一体化している。
【0035】
中間フレーム15は、図3の矢印で示すように、固定子フレーム8の上部から固定子フレーム8の内部に挿入され、固定子フレーム8に収容されて固定される。中間フレーム15の脚板157は、台座83の上面83aに設置される。中間フレーム15と固定子フレーム8とは、脚板157の貫通穴1552(図2を参照)と上面83aのボルト穴85とを貫通したボルトで、互いに固定される。中間フレーム15は、このようにして、固定子フレーム8に容易に取り付け可能である。
【0036】
なお、中間フレーム15の底板158は、固定子フレーム8の底面である底板82に接触しない。
【0037】
固定子フレーム8の側板81は、中間フレーム15を固定子フレーム8にボルトで固定する作業を行うための開口部(図示せず)を備える。この開口部は、中間フレーム15を固定子フレーム8にボルトで固定した後、カバーで覆われて塞がれる。
【0038】
図4は、固定子フレーム8と、固定子フレーム8に固定された中間フレーム15を示す図であり、固定子フレーム8と中間フレーム15の、軸方向に垂直な断面図である。中間フレーム15は、固定子2を支持している。
【0039】
上述したように、中間フレーム15の脚板157は、固定子フレーム8の台座83の上面83aに設置されており、中間フレーム15の底板158は、固定子フレーム8の底板82に接触していない。台座83の上面83aは、固定子フレーム8の底面(底板82)より上方に位置する。
【0040】
固定子2を支持している中間フレーム15が台座83に設置されているので、中間フレーム15は、高さ方向の位置が固定子2の重心Gの位置に近い位置で、固定子フレーム8に支持されている。固定子2の重心Gの高さ方向の位置は、回転軸10の中心の高さ方向の位置と概ね等しい。中間フレーム15が固定子2の重心Gに近い高さ位置で固定子フレーム8(台座83の上面83a)に支持されているという本実施例の構成により、固定子2の振動(特に、幅方向の振動)に対し、中間フレーム15の変位が小さくなり、中間フレーム15の振動を抑制できる。
【0041】
ここで、固定子フレーム8が台座83を備えない構成の回転電機を説明する。
【0042】
図5は、固定子フレーム8が台座83を備えない構成の回転電機において、図4と同様に、固定子フレーム8と、固定子フレーム8に固定された中間フレーム15を示す図である。中間フレーム15は、脚板157が固定子フレーム8の脚板84にボルトまたは溶接で固定されることで、固定子フレーム8に固定される。図5に示す構成では、中間フレーム15は、高さ方向の位置が固定子2の重心Gの位置から遠い位置で、固定子フレーム8に支持されている。
【0043】
図4に示すように、本実施例による回転電機100では、中間フレーム15は、高さ方向の位置が固定子2の重心Gの位置に近い位置で、固定子フレーム8に支持されている。このため、本実施例による回転電機100は、図5に示す構成を備える回転電機と比較して、固定子2が振動しても中間フレーム15の変位が小さくなり、中間フレーム15の振動を抑制できる。
【0044】
回転電機100が運転時に発生する電磁力は、固定子2を径方向に加振し、これにより中間フレーム15を径方向に加振する。本実施例による回転電機100では、上述したように、中間フレーム15の電磁振動(特に幅方向の電磁振動)を抑制できる。
【0045】
さらに、中間フレーム15の底板158は、固定子フレーム8に接触しておらず、中間フレーム15と固定子フレーム8とは、脚板157と台座83のみで互いに接している。中間フレーム15と固定子フレーム8との間には、脚板157と台座83で接する部分以外には隙間がある。すなわち、中間フレーム15は、固定子フレーム8の底板82に接触しておらず、台座83のみで固定子フレーム8に接している。このような構成により、中間フレーム15から固定子フレーム8に直接的に伝搬する振動は小さい。
【0046】
本実施例による回転電機100は、中間フレーム15の振動を抑制でき、中間フレーム15から固定子フレーム8に伝搬する振動も抑制できる。このため、本実施例による回転電機100は、中間フレーム15と固定子フレーム8の振動を抑制でき、固定子フレーム8から伝搬する軸受16の振動も抑制することができる。
【0047】
図2に示すように、中間フレーム15の主板151、154が備える開口部159は、主板151、154に設けられた穴で構成されている。開口部159は、固定子2を支持するための開口部200に向かって開口する切欠きで構成することもできる。すなわち、開口部159は、固定子2に向かって開口する切欠きで構成することもできる。
【0048】
図6は、固定子2に向かって開口する切欠きを開口部159として備える中間フレーム15の構成を示す図である。中間フレーム15の主板151、154が備える開口部159は、主板151、154に設けられた切欠きで構成されており、この切欠きは、固定子2(固定子2を支持するための開口部200)に向かって開口する。
【0049】
本実施例による回転電機100は、上述したように、中間フレーム15と固定子フレーム8と軸受16の振動を抑制することができる。
【0050】
さらに、本実施例による回転電機100は、中間フレーム15の底板158が固定子フレーム8に接触しておらず、固定子フレーム8が台座83のみで中間フレーム15を固定するので、中間フレーム15の底板158を固定子フレーム8に固定する必要がなく、製作性がよいという利点がある。また、本実施例による回転電機100は、中間フレーム15が固定子フレーム8の台座83のみで支持されるので、固定子2の高さ方向の位置を定めやすいという利点もある。固定子2の高さ方向の位置は、台座83に中間フレーム15を固定するときに調整可能である。このため、本実施例による回転電機100では、回転子1と固定子2の間のギャップの寸法の調整が容易である。また、本実施例による回転電機100は、固定子フレーム8の底面が下に突形状でないので、回転電機100の基礎を下に突形状にする必要がなく、基礎工事が容易で基礎に据え付けやすい。本実施例による回転電機100は、このように、製作性がよいという利点を持つ。
【実施例2】
【0051】
本発明の実施例2による回転電機100を説明する。
【0052】
図7は、固定子フレーム8と、固定子フレーム8に固定された中間フレーム15を示す図であり、固定子フレーム8と中間フレーム15の、軸方向に垂直な断面図である。中間フレーム15は、固定子2を支持している。
【0053】
本実施例による回転電機100では、実施例1による回転電機100と比べて、台座83の上面83aが高い位置に存在する。上面83aの高さ方向の位置は、固定子2の重心Gの高さ方向の位置(すなわち、回転軸10の中心の高さ方向の位置)とほぼ同じである。本実施例による回転電機100は、このような構成により、実施例1による回転電機100と比較して、固定子2の振動(特に、幅方向の振動)に対し、中間フレーム15の変位がより小さくなり、中間フレーム15の振動をさらに抑制でき、固定子フレーム8と軸受16の振動もさらに抑制することができる。
【0054】
但し、以下の点に留意する必要がある。本実施例による回転電機100は、実施例1による回転電機100と比較して、台座83の上面83aが高い位置に存在するため、固定子フレーム8の幅方向の長さが長くなり、固定子フレーム8の質量が増加する。また、台座83の上面83aが高い位置に存在するため、台座83をより強固にしなくてはならず、台座83の質量が増加する。このため、本実施例による回転電機100は、実施例1による回転電機100と比較して、質量が増加し、製造コストが増える可能性がある。
【0055】
上述したように、台座83は、固定子2の重心Gに近い位置(高さ方向で近い位置)で中間フレーム15を固定すると、振動を効果的に抑制することができる。そこで、振動を効果的に抑制し、かつ固定子フレーム8の質量が過度に増加するのを防ぐには、台座83の上面83aは、高さ方向の位置が、固定子2の重心Gの高さ方向の位置と等しいか、この位置より下方に存在するのが好ましい。
【0056】
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、削除したり、他の構成を追加・置換したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1…回転子、2…固定子、3…エアギャップ、4、4a、4b、4c…内気、5…ガイド板、6…固定子鉄心、7…軸流ファン、8…固定子フレーム、9…固定子コイルエンド部、10…回転軸、12…管群、13…外扇、14…外気、15…中間フレーム、16…軸受、17…ブラケット、18…仕切り板、81…側板、82…底板、83…台座、83a…上面、83b…側面、84…脚板、85…ボルト穴、100…回転電機、101…回転電機本体、102…熱交換器、103…外扇ダクト、151…主板、152…中間板、153…中間板、154…主板、155…側板、156…側板、157…脚板、158…底板、159…開口部、160…側板、200…開口部、1551…開口部、1552…貫通穴。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7