(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】プラスチック容器
(51)【国際特許分類】
B65D 6/24 20060101AFI20220502BHJP
【FI】
B65D6/24 C
(21)【出願番号】P 2019506972
(86)(22)【出願日】2018-03-22
(86)【国際出願番号】 JP2018011433
(87)【国際公開番号】W WO2018174165
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-02-17
(31)【優先権主張番号】P 2017058169
(32)【優先日】2017-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】307013857
【氏名又は名称】株式会社ロッテ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】野口 裕雄
(72)【発明者】
【氏名】森田 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】滝 正美
(72)【発明者】
【氏名】仲宗根 啓太
(72)【発明者】
【氏名】小垣 美津子
(72)【発明者】
【氏名】藤原 普夫
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-297683(JP,A)
【文献】実開平06-059245(JP,U)
【文献】特開2008-011871(JP,A)
【文献】特開2005-008197(JP,A)
【文献】特開2006-123991(JP,A)
【文献】特開2013-079090(JP,A)
【文献】特開2011-140354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形の上壁と、前記上壁の両端付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の上部短辺外壁とを有する上部容器と、
略矩形の底壁と、前記底壁の両端付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の下部短辺外壁とを有する下部容器と、を備え、
前記上部短辺外壁及び前記下部短辺外壁の一方の外壁には、略矩形の四隅に対応する箇所に位置し他方の外壁に向かって突出する楔状突起が設けられ、前記上部短辺外壁及び前記下部短辺外壁の他方の外壁には、略矩形の四隅に対応する箇所に位置し前記楔状突起が嵌合する凹部が設けられており、
前記楔状突起と前記凹部とが嵌合することにより前記上部容器と前記下部容器とが抜出不能に取り付けら
れ、
前記上部容器は、前記上壁の両側付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の上部長辺外壁と、前記上壁の前記上部長辺外壁よりも内側の箇所からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の上部長辺内壁とを有し、
前記下部容器は、前記底壁の両側付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の下部長辺外壁と、前記底壁の前記下部長辺外壁よりも内側の箇所からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の下部長辺内壁とを有し、
前記上部長辺外壁と前記下部長辺外壁には、互いに向かって突出する線状突起がそれぞれ設けられており、前記下部長辺外壁が前記上部長辺外壁と前記上部長辺内壁との間に位置すると共に、前記上部長辺外壁の線状突起と前記下部長辺外壁の線状突起とが嵌合することにより、前記上部容器と前記下部容器とが抜出不能に取り付けられている、プラスチック容器。
【請求項2】
前記上部短辺外壁の外面に前記楔状突起が設けられ、前記下部短辺外壁の内面に前記凹部が設けられている、
請求項1に記載のプラスチック容器。
【請求項3】
前記楔状突起は前記上部短辺外壁の下端に設けられており、前記凹部は前記下部短辺外壁の下端に設けられている、
請求項2に記載のプラスチック容器。
【請求項4】
前記下部短辺外壁の上端には、前記楔状突起を前記凹部に誘導するための誘導凹部が設けられている、
請求項2又は3に記載のプラスチック容器。
【請求項5】
前記上部短辺外壁の外面には横方向に延びる溝部が設けられており、前記下部短辺外壁の内面には横方向に延びる線状突起が設けられており、嵌合前に前記溝部に前記線状突起が係合した際に前記上部容器と前記下部容器とが仮固定できる構成になっている、
請求項2~4の何れか一項に記載のプラスチック容器。
【請求項6】
前記下部容器は、前記底壁の前記下部短辺外壁よりも内側の箇所からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の下部短辺内壁を有し、
前記下部短辺内壁は前記下部短辺外壁よりもその高さが低く、前記下部短辺外壁と前記下部短辺内壁との間に前記上部短辺外壁が位置すると共に前記楔状突起と前記凹部とが嵌合することにより前記上部容器と前記下部容器とが抜出不能に取り付けられている、
請求項1~5の何れか一項に記載のプラスチック容器。
【請求項7】
前記下部容器は、前記下部短辺外壁と前記下部短辺内壁との間に位置する補強用リブを有している、
請求項6に記載のプラスチック容器。
【請求項8】
前記底壁には、収納物を取り出すための取出口を含む取出口構造と、前記取出口を覆うと共に開閉可能な蓋体とが設けられており、
前記蓋体は、前記底壁の前記取出口構造に当該蓋体を固定するための固定部と、押下操作用の押下部と、前記取出口を覆う蓋部とを有し、前記押下部の一方には第1ヒンジを介して前記固定部が連接して設けられ、前記押下部の他方には第2ヒンジを介して前記蓋部が設けられており、前記押下部を押し下げした際に前記第2ヒンジを軸として前記蓋体が閉位置から開位置に回動可能である、
請求項1~
7の何れか一項に記載のプラスチック容器。
【請求項9】
略矩形の上壁と、前記上壁の両端付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の上部短辺外壁とを有する上部容器と、
略矩形の底壁と、前記底壁の両端付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の下部短辺外壁とを有する下部容器と、を備え、
前記底壁には、収納物を取り出すための取出口を含む取出口構造と、前記取出口を覆うと共に開閉可能な蓋体とが設けられており、
前記蓋体は、前記底壁の前記取出口構造に当該蓋体を固定するための固定部と、押下操作用の押下部と、前記取出口を覆う蓋部とを有し、前記押下部の一方には第1ヒンジを介して前記固定部が連接して設けられ、前記押下部の他方には第2ヒンジを介して前記蓋部が設けられており、前記押下部を押し下げした際に前記第2ヒンジを軸として前記蓋体が閉位置から開位置に回動可能であり、
前記押下部の内面側に係合突起が設けられると共に、前記取出口構造には前記係合突起に係合する係合穴が設けられており、
前記蓋体が開状態の際に前記係合突起が前記係合穴に係合して、開位置にある前記蓋部の動作を固定する、プラスチック容器。
【請求項10】
前記取出口構造には、前記蓋部の開き角度を規定するリブが設けられている、
請求項
9に記載のプラスチック容器。
【請求項11】
前記取出口構造には、前記蓋部が閉位置の際に当該蓋部の浮きを抑制するリブが設けられている、
請求項
9又は10に記載のプラスチック容器。
【請求項12】
前記取出口構造には、前記下部容器の内側であって且つ前記取出口とは反対側に設けられる空洞に当該プラスチック容器の収納物が入り込まないように構成された延長壁部が設けられている、
請求項
9~11の何れか一項に記載のプラスチック容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、上部容器と下部容器とを備えたプラスチック容器の一例を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プラスチック容器では、上部容器と下部容器とを側面部で簡易に嵌合して容器を形成していることがあり、容器の落下等により上部容器と下部容器との嵌合が外れてしまう場合がある。容器の嵌合が外れることを防止するため、上部容器と下部容器の一方の容器内部に他方の容器に向けて突出する複数のピンを設け、他方の容器内部にこれらピンが挿入可能な複数の筒部を設け、両者を容器内部で嵌合させることで上部容器と下部容器との嵌合を強固にすることが行われている。しかしながら、上部容器や下部容器を射出成形などで製造する際にこれらのピンや筒部を容器内部の面(裏面)に設けると、射出成形の際のヒケなどにより容器の外面(表面)の形状を乱してしまい、その美観を損なってしまうことがある。特に包装容器の外観(美観)に対して厳しくなってきている現在では、特にその要求が厳しくなりつつあり、更なる改善が望まれている。
【0005】
本発明は、上部容器と下部容器との嵌合を強固にすると共に容器の美観を損なわない、プラスチック容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、その一側面として、プラスチック容器に関する。このプラスチック容器は上部容器と下部容器とを備える。上部容器は、略矩形の上壁と、当該上壁の両端付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の上部短辺外壁と、を有する。下部容器は、略矩形の底壁と、当該底壁の両端付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の下部短辺外壁と、を有する。上部短辺外壁及び下部短辺外壁の一方の外壁には、略矩形の四隅に対応する箇所に位置し他方の外壁に向かって突出する楔状突起が設けられ、上部短辺外壁及び下部短辺外壁の他方の外壁には、略矩形の四隅に対応する箇所に位置し楔状突起が嵌合する凹部が設けられている。楔状突起と凹部とが嵌合することにより、上部容器と下部容器とが抜出不能に取り付けられている。
【0007】
このプラスチック容器では、一方の外壁に、略矩形の四隅に対応する箇所に位置する楔状突起が設けられ、他方の外壁には、略矩形の四隅に対応する箇所に位置し楔状突起が嵌合する凹部が設けられる。そして、楔状突起と凹部とが四隅で嵌合することにより上部容器と下部容器とが抜出不能に取り付けられている。このため、上部容器と下部容器との嵌合を強固にすることが可能である。また、このような楔状突起と凹部とを外壁に設けているため、上壁などに嵌合部を設ける必要がなくなり、容器、特に容器表面の外観の美観を損なわない構成とすることができる。
【0008】
上記のプラスチック容器において、上部短辺外壁の外面に楔状突起が設けられ、下部短辺外壁の内面に凹部が設けられていることが好ましい。この場合、上部容器と下部容器との嵌合を強固にすると共に容器の外観の美観を損なわない、プラスチック容器を提供することができる。
【0009】
上記のプラスチック容器において、楔状突起は上部短辺外壁の下端に設けられており、凹部は下部短辺外壁の下端に設けられていることが好ましい。この場合、上部容器と下部容器との嵌合を強固にすると共に、容器の外観の美観を損なわないプラスチック容器を提供することができる。
【0010】
上記のプラスチック容器において、下部短辺外壁の上端には、楔状突起を凹部に誘導するための誘導凹部が設けられていることが好ましい。この場合、上部容器と下部容器との嵌合を強固にすると共に容器の外観の美観を損なわない、プラスチック容器を提供することができる。また、誘導凹部が設けられているため、上部容器を下部容器に嵌合する際の作業をより確実に行うことができる。
【0011】
上記のプラスチック容器において、上部短辺外壁の外面には横方向に延びる溝部が設けられており、下部短辺外壁の内面には横方向に延びる線状突起が設けられていることが好ましい。嵌合前に溝部に線状突起が係合した際に上部容器と下部容器とが仮固定できる構成になっていることが好ましい。この場合、上部容器と下部容器との嵌合を強固にすると共に容器の外観の美観を損なわない、プラスチック容器を提供することができる。また、上部短辺外壁の溝部と下部短辺外壁の線状突起とにより、嵌合前に溝部に線状突起が係合した際に上部容器と下部容器とを仮固定できるため、両者の位置決めを行って上部容器を下部容器に嵌合する際の作業をより確実に行うことができる。
【0012】
上記のプラスチック容器において、下部容器は、底壁の下部短辺外壁よりも内側の箇所からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の下部短辺内壁を有することが好ましく、下部短辺内壁は下部短辺外壁よりもその高さが低い。下部短辺外壁と下部短辺内壁との間に上部短辺外壁が位置すると共に楔状突起と凹部とが嵌合することにより、上部容器と下部容器とが抜出不能に取り付けられていることが好ましい。この場合、上部容器と下部容器との嵌合を強固にすると共に容器の外観の美観を損なわない、プラスチック容器を提供することができる。しかも、内壁も用いているため、上部容器と下部容器との嵌合をより一層強固にすることもできる。下部容器は、下部短辺外壁と下部短辺内壁との間に位置する補強用リブを有していてもよい。この場合、成形時の収縮によって下部短辺外壁又は下部短辺内壁が内側に撓んでしまうことを抑制して各外壁を直立した状態に維持することができる。これにより、上部短辺外壁を下部短辺外壁及び下部短辺内壁の間に位置させて上部容器を下部容器に取り付ける際の不具合を防止することができる。
【0013】
上記のプラスチック容器において、上部容器は、上壁の両側付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の上部長辺外壁と、上壁の上部長辺外壁よりも内側の箇所からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の上部長辺内壁とを有することが好ましい。下部容器は、底壁の両側付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の下部長辺外壁と、底壁の下部長辺外壁よりも内側の箇所からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の下部長辺内壁とを有することが好ましい。上部長辺外壁と下部長辺外壁には、互いに向かって突出する線状突起がそれぞれ設けられており、下部長辺外壁が上部長辺外壁と上部長辺内壁との間に位置すると共に、上部長辺外壁の線状突起と下部長辺外壁の線状突起とが嵌合することにより、上部容器と下部容器とが抜出不能に取り付けられていることが好ましい。この場合、短辺内壁だけでなく、長辺内壁及び長辺外壁も用いて嵌合させているため、上部容器と下部容器との嵌合をより一層、強固にすることができる。また、容器の外観の美観を損なわないプラスチック容器を提供することができる。
【0014】
上記のプラスチック容器において、底壁には、収納物を取り出すための取出口を含む取出口構造と、取出口を覆うと共に開閉可能な蓋体とが設けられていることが好ましい。蓋体は、底壁の取出口構造に当該蓋体を固定するための固定部と、押下操作用の押下部と、取出口を覆う蓋部とを有し、押下部の一方には第1ヒンジを介して固定部が連接して設けられ、押下部の他方には第2ヒンジを介して蓋部が設けられており、押下部を押し下げした際に第2ヒンジを軸として蓋体が閉位置から開位置に回動可能であることが好ましい。このような構成により、プラスチック容器に収納された収納物、例えばガム又はキャンディーなどの食品を容易に取り出すことができる。なお、この蓋体の押下部の裏面側に突起などを設けると共に下部容器の内面に突起を係合できる穴部を設け、蓋体が閉位置から開位置になった際にこの突起が穴部に係合して、蓋体の開位置の状態を維持できるようにしてもよい。この場合、プラスチック容器に収納された収納物をより一層容易に取り出すことができる。
【0015】
また、本発明は、別の側面として、プラスチック容器に関する。このプラスチック容器は、上部容器と下部容器とを備える。上部容器は、略矩形の上壁と、当該上壁の両端付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の上部短辺外壁と、を有する。下部容器は、略矩形の底壁と、当該底壁の両端付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の下部短辺外壁と、を有する。底壁には、収納物を取り出すための取出口を含む取出口構造と、取出口を覆うと共に開閉可能な蓋体とが設けられている。蓋体は、底壁の取出口構造に当該蓋体を固定するための固定部と、押下操作用の押下部と、取出口を覆う蓋部とを有する。押下部の一方には第1ヒンジを介して固定部が連接して設けられ、押下部の他方には第2ヒンジを介して蓋部が設けられている。このプラスチック容器では、押下部を押し下げした際に第2ヒンジを軸として蓋体が閉位置から開位置に回動可能である。
【0016】
このプラスチック容器では、底壁に取出口構造と蓋体とが設けられており、蓋体は、底壁に固定するための固定部と、押下操作用の押下部と、取出口を覆う蓋部とを有する。そして、押下部の一方には第1ヒンジを介して固定部が連接して設けられ、押下部の他方には第2ヒンジを介して蓋部が設けられており、押下部を押し下げした際に第2ヒンジを軸として蓋体が閉位置から開位置に回動するようになっている。これにより、プラスチック容器に収納された収納物、例えばガム又はキャンディーなどの食品を容易に取り出すことができる。また底壁側に取出口を設けているため、プラスチック容器の表面側の外観デザインを自由に選定することが可能となり、綺麗な外観形状とすることができる。
【0017】
上記のプラスチック容器において、押下部の内面側に係合突起が設けられると共に、取出口構造には係合突起に係合する係合穴が設けられていることが好ましい。蓋体が開状態の際に係合突起が係合穴に係合して、開位置にある蓋部の動作を固定するようにすることが好ましい。これにより、容器の収納物の取り出しがより一層、容易となる。
【0018】
上記のプラスチック容器において、取出口構造には、蓋部の開き角度を規定するリブが設けられていることが好ましい。これにより、蓋体が開状態の際に蓋部の移動を防止することができるので、容器の収納物の取り出しがより一層、容易となる。
【0019】
上記のプラスチック容器において、取出口構造には、蓋部が閉位置の際に当該蓋部の浮きを抑制するリブが設けられていることが好ましい。これにより、蓋体が閉状態の際に蓋部の移動を防止することができるので、容器から収納物が不用意に出てしまうことが抑制される。また、取出口構造には、下部容器の内側であって且つ取出口とは反対側に設けられる空洞に当該プラスチック容器の収納物が入り込まないように構成された延長壁部が設けられていてもよい。この場合、プラスチック容器に収納された収納物が取出口構造の取出口以外の場所に挟まったりしてしまうことを防止できる。また、プラスチック容器が落下してしまった際にその衝撃で収納物が欠けてしまったり割れてしまうといったことを抑制できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、上部容器と下部容器との嵌合が強固であり且つ容器の美観を損なわない、プラスチック容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るプラスチック容器の全体を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すプラスチック容器の底壁を示す平面図である。
【
図3】
図3の(a)は、
図1に示すプラスチック容器を分解した状態の一部(プラスチック容器の端部)を示す分解斜視図である。
図3の(b)は、
図3の(a)におけるIIIb-IIIb線に沿った上部短辺外壁の断面図である。
図3の(c)は、
図3の(a)に示す下部容器を異なる方向から視た斜視図である。
図3の(d)は、
図3の(a)におけるIIId-IIId線に沿った下部長辺外壁の断面図である。
【
図4】
図4の(a)は、
図1に示すプラスチック容器の底壁側の取出口構造を下面から視た斜視図であり、
図4の(b)は、その平面図(下面図)である。
【
図5】
図5は、
図1に示すプラスチック容器の蓋体の開状態を示す断面図である。
【
図6】
図6は、変形例に係るプラスチック容器の上部容器を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、変形例に係るプラスチック容器の下部容器を示す斜視図である。
【
図8】
図8の(a)及び(b)は、変形例に係るプラスチック容器の下部容器を示す別の斜視図である。
【
図9】
図9は、別の変形例に係るプラスチック容器の下部容器を上方から視た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るプラスチック容器について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いる場合があり、重複する説明は省略する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係るプラスチック容器の全体を示す斜視図である。
図2は、
図1に示すプラスチック容器の底壁を示す平面図である。
図1及び
図2に示すように、プラスチック容器1は、上部容器10と、下部容器20とを備え、その内部に所定の収納物(例えばガム又はキャンディーなどの食品等)を収納することができる空間を有する容器である。下部容器20の裏面側(底壁側)には取出口構造30(
図4参照)が設けられており、その取出口31を蓋体40が覆うように取り付けられている。上部容器10及び下部容器20は、例えばABS樹脂を射出成形することにより、所定の形状に形成することができる。また、蓋体40は、例えばポリプロピレン(PP)樹脂などから形成することができる。
【0024】
上部容器10は、略矩形の上壁11と、上壁11の両端11a付近(やや内側の位置)からそれぞれ略垂直方向下方に延びる一対の上部短辺外壁12(
図3参照)と、上壁11の両側11b付近からそれぞれ略垂直方向下方に延びる一対の上部長辺外壁13と、上壁11の上部長辺外壁13よりも内側の箇所からそれぞれ略垂直方向下方に延びる一対の上部長辺内壁14(
図6参照)と、を有している。上部長辺外壁13は、上部長辺内壁14よりもその高さが高くなっており、上部長辺内壁14とは所定の距離で離間するようになっている。上部長辺外壁13と上部長辺内壁14とは略平行な方向に延びるように形成されている。上部容器10では、上壁11、上部短辺外壁12、及び、上部長辺内壁14により、その内部に収納用の空隙が画定される。また、上部容器10の上壁11の内面には射出成形のゲート部を除き、他の突起物等は形成されておらず(
図6参照)、その面が平坦になるように形成されている。なお、図の例では、上壁11と上部長辺外壁13との外表面における稜部がR状になっているが、直角形状であってもよい。また、上部容器10の外表面(上壁11)には装飾的な模様を施してもよく、例えばPETフィルムにアルミ蒸着を施して金属調の模様などを形成するようにしてもよい。このような場合であっても、上部容器10の上壁11の内面には特に突起などを設けない構成であるため、その表面模様を綺麗な状態のものとすることができる。
【0025】
下部容器20は、略矩形の底壁21と、底壁21の両端21a付近からそれぞれ略垂直方向上方に延びる一対の下部短辺外壁22と、底壁21の下部短辺外壁22よりも内側の箇所からそれぞれ略垂直方向上方に延びる一対の下部短辺内壁23(
図3の(c)参照)と、底壁21の両側21b付近からそれぞれ略垂直方向上方に延びる一対の下部長辺外壁24(
図3の(a)及び(c)参照)と、底壁21の下部長辺外壁24よりも内側の箇所からそれぞれ略垂直方向上方に延びる一対の下部長辺内壁25(
図3の(a)及び(c)参照)とを有している。下部短辺外壁22は、下部短辺内壁23よりもその高さが高くなっており、下部短辺内壁23とは所定の距離で離間するようになっている。また、下部長辺外壁24は、下部長辺内壁25よりもその高さが低くなっており、下部長辺内壁25とは所定の距離で離間するようになっている。
【0026】
上部容器10と下部容器20とを後述するように嵌合した際、下部短辺外壁22と下部短辺内壁23との間には上部短辺外壁12が位置するように配置される。また、下部長辺外壁24と下部長辺内壁25との間には上部長辺内壁14が位置するように配置される。
【0027】
次に、
図3の(a)~(d)を参照して、上部容器10と下部容器20とを嵌合する構造について、より詳細に説明する。
図3の(a)は、
図1に示すプラスチック容器を分解した状態の一部(左端部)を示す分解斜視図である。
図3の(b)は、
図3の(a)のIIIb-IIIb線に沿った一部断面図である。
図3の(c)は、
図3の(a)に示す下側容器を異なる方向から視た一部斜視図である。
図3の(d)は、
図3の(a)のIIId-IIId線に沿った一部断面図である。
【0028】
図3の(a)に示すように、上部容器10には、上部短辺外壁12の外面の両端の下方に二つの楔状突起16が設けられており、2つの上部短辺外壁12には合計4つの楔状突起16が設けられている。楔状突起16は、例えばその上面が平面である(
図3の(a)及び(b)参照)。
図3の(a)では、一方の上部短辺外壁12のみ示しているが、他方の上部短辺外壁も同様の楔状突起を有しており、上壁11の略矩形の四隅に対応する箇所にこれらの楔状突起16が設けられている。また、上部容器10の上部短辺外壁12の外面には、楔状突起16よりも上方側に2つの線状突起17が設けられている(
図3の(a)及び(b)参照)。
図3の(b)は、上部短辺外壁12、楔状突起16及び線状突起17の断面を示す。なお、線状突起17は、上部長辺外壁13の対向方向に延在する。
【0029】
一方、下部容器20には、下部短辺外壁22の内面の両端の下方に、上部容器10の楔状突起16と嵌合するための2つの凹部26(穴部)が設けられており、2つの下部短辺外壁22には合計4つの凹部26が設けられている。
図3の(a)及び(c)では、一方の下部短辺外壁22のみ示しているが、他方の下部短辺外壁も同様の凹部を有しており、底壁21の略矩形の四隅に対応する箇所にこれらの凹部26が設けられている(
図3の(c)参照)。また、下部容器20の下部短辺外壁22の内面には、凹部26よりも上方側に2つの線状突起27が設けられている。線状突起27は、下部長辺外壁24の対向方向に延在する。
図3の(c)は、下部短辺外壁22を内側から視た部分斜視図である。
【0030】
このような嵌合構造を有するプラスチック容器1では、上部容器10と下部容器20とが取り付けられる際に、上部容器10の上部短辺外壁12が下部容器20の下部短辺外壁22と下部短辺内壁23との間に位置すると共に、上部短辺外壁12の楔状突起16が下部短辺外壁22の凹部26に嵌合し且つ上部短辺外壁12の線状突起17が下部短辺外壁22の内面の線状突起27と嵌合する。この際、線状突起27は線状突起17の上方に接するようにその上方に位置し、下部短辺外壁22が上部短辺外壁12を下方に向けて押さえ込む。これらにより、平面視した際の矩形状の四隅が強固に固定されることになり、上部容器10と下部容器20との嵌合が強固になり、抜出不能な状態となる。この際、下部短辺内壁23が上部短辺外壁12を下部短辺外壁22側に付勢することになるため、上記の嵌合はより強固になっている。なお、プラスチック容器1では、この嵌合により、下部容器20の下部短辺外壁22が外側に配置される構成であり、下部短辺外壁22がプラスチック容器1の端面を構成する。
【0031】
また、長辺方向では、上部容器10は、上部長辺外壁13の内面の下方に5つの線状突起18(
図6参照)が順に設けられており、2つの上部長辺外壁13には合計10の線状突起18が設けられている。一方、下部容器20には、
図3の(c)に示すように、下部長辺外壁24の外面の略中央部に5つの線状突起28が順に設けられており(
図3の(c)ではそのうちの1つを図示)、2つの下部長辺外壁24には合計10の線状突起28が設けられている。
【0032】
このような嵌合構造を有するプラスチック容器1では、上部容器10と下部容器20とが取り付けられる際に、下部長辺外壁24が上部長辺外壁13と上部長辺内壁14との間に位置すると共に、上部長辺外壁13の線状突起18と下部長辺外壁24の線状突起28とが嵌合する。この際、線状突起28は線状突起18の上方に接するようにその上方に位置し、下部長辺外壁24が上部長辺外壁13を下方に向けて押さえ込む。このように、短辺方向での嵌合に加え、この長辺方向での嵌合により、上部容器10と下部容器20とがより一層抜出不能に取り付けられることになる。
【0033】
次に、
図4及び
図5を参照して、プラスチック容器1から収納物を取り出すための構造について説明する。
図4の(a)は、プラスチック容器1の底壁21側の取出口構造30を下方から視た斜視図であり、
図4の(b)は、下方から視たその平面図である。
図5は、プラスチック容器1の蓋体40の開状態を示す断面図である。
【0034】
プラスチック容器1には、上部容器10と下部容器20とに加え、底壁21に、収納物を取り出すための取出口31を含む取出口構造30と、取出口31を覆うと共に開閉可能な蓋体40とが設けられている。取出口構造30は、開口である取出口31と、リブ32と、固定部33と、係合穴34と、スペース35と、リブ36とを備えている。
【0035】
蓋体40は、全体として横長の略矩形形状を呈し、底壁21の取出口構造30に固定部33を介して当該蓋体40を固定するための固定部41と、押下操作用の押下部42と、取出口31を覆う蓋部43とを備えている(
図2及び
図5参照)。押下部42の一方には第1ヒンジ44を介して固定部41が連接して設けられ、押下部42の他方には第2ヒンジ45を介して蓋部43が設けられており、
図5に示すように、押下部42を容器内部側(図示下方、スペース35内に)に押し下げした際に第2ヒンジ45を軸として蓋部43が閉位置から開位置に回動するようになっている。なお、
図5では、取出口から収納物を取り出す際の取出口構造の開閉について説明するため、
図1とは上下が逆になっている。
【0036】
この際、押下部42の内面側に設けられた係合突起46が、取出口構造30に設けられた係合穴34に係合して、蓋体40の開状態(
図5の状態)を維持するように構成されている。つまり、開位置にある蓋部43の動作を固定する。また、取出口構造30には、上述したようにリブ32が設けられており、この傾斜して構成されたリブ32により、蓋部43の開き角度が規定される。一方、蓋体40が閉状態の際には、取出口構造30の取出口31付近に設けられたリブ36により、蓋体40の浮きが抑制されるようになっており、収納物が不用意に外に出てしまわないようになっている。
【0037】
このように、本実施形態に係るプラスチック容器1では、一方の外壁に、略矩形の四隅に対応する箇所に位置する楔状突起16が設けられ、他方の外壁には、略矩形の四隅に対応する箇所に位置し、楔状突起16が嵌合する凹部26が設けられる。そして、楔状突起16と凹部26とが四隅で嵌合することにより上部容器10と下部容器20とが抜出不能に取り付けられている。このため、上部容器10と下部容器20との嵌合を強固にすることが可能である。また、このような楔状突起16と凹部26とを外壁に設けているため、上壁などに嵌合部を設ける必要がなくなり、容器、特に容器表面の外観の美観を損なわない構成とすることができる。
【0038】
上部短辺外壁12の外面に楔状突起16が設けられ、下部短辺外壁22の内面に凹部26が設けられている。このため、上部容器10と下部容器20との嵌合を強固にすると共に、容器の外観の美観を損なわないプラスチック容器を提供することができる。
【0039】
楔状突起16は上部短辺外壁12の下端に設けられており、凹部26は下部短辺外壁22の下端に設けられている。このため、上部容器10と下部容器20との嵌合を強固にすると共に容器の外観の美観を損なわないプラスチック容器を提供することができる。
【0040】
下部容器20は、底壁21の下部短辺外壁22よりも内側の箇所からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の下部短辺内壁23を有し、下部短辺内壁23は下部短辺外壁22よりもその高さが低く、下部短辺外壁22と下部短辺内壁23との間に上部短辺外壁12が位置すると共に楔状突起16と凹部26とが嵌合することにより上部容器10と下部容器20とが抜出不能に取り付けられている。この場合、上部容器10と下部容器20との嵌合を強固にすると共に、容器の外観の美観を損なわないプラスチック容器を提供することができる。しかも、下部短辺内壁23も用いているため、上部容器10と下部容器20との嵌合をより一層強固にすることもできる。
【0041】
上部容器10は、上壁の両側付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の上部長辺外壁13と、上壁11の上部長辺外壁13よりも内側の箇所からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の上部長辺内壁14とを有し、下部容器20は、底壁21の両側付近からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の下部長辺外壁24と、底壁21の下部長辺外壁24よりも内側の箇所からそれぞれ略垂直方向に延びる一対の下部長辺内壁25とを有している。上部長辺外壁13と下部長辺外壁24には、互いに向かって突出する線状突起18,28がそれぞれ設けられており、下部長辺外壁24が上部長辺外壁13と上部長辺内壁14との間に位置すると共に、上部長辺外壁13の線状突起18と下部長辺外壁24の線状突起28とが嵌合することにより、上部容器10と下部容器20とが更に抜出不能に取り付けられている。この場合、短辺内壁だけでなく、長辺内壁及び長辺外壁も用いて嵌合させているため、上部容器10と下部容器20との嵌合を強固にすることができ、また容器の外観の美観を損なわないプラスチック容器を提供することができる。
【0042】
底壁21には、収納物を取り出すための取出口31を含む取出口構造30と、取出口31を覆うと共に開閉可能な蓋体40とが設けられており、蓋体40は、底壁21の取出口構造30に当該蓋体40を固定するための固定部41と、押下操作用の押下部42と、取出口31を覆う蓋部43とを有している。押下部42の一方には第1ヒンジ44を介して固定部41が連接して設けられ、押下部42の他方には第2ヒンジ45を介して蓋部43が設けられている。押下部42を押し下げした際に第2ヒンジ45を軸として蓋体40が閉位置から開位置に回動可能となっている。このような構成により、プラスチック容器1に収納された収納物、例えばガム又はキャンディーといった食品(収納物)を容易に取り出すことができる。なお、この蓋体40の押下部42の裏面側に突起などを設けると共に下部容器20に突起を係合できる係合穴34を設け、蓋体40が閉位置から開位置になった際にこの突起が係合穴34に係合して、蓋体40の開位置の状態を維持できるようにしてもよい。この場合、プラスチック容器1に収納された収納物をより一層容易に取り出すことができる。
【0043】
次に、本発明の変形例について
図6~
図8を参照して説明する。
図6は、変形例に係るプラスチック容器の上部容器を示す斜視図である。
図7は、変形例に係るプラスチック容器の下部容器を示す斜視図である。
図8の(a)及び(b)は、変形例に係るプラスチック容器の下部容器を示す別の斜視図である。
【0044】
図6~
図8に示すように、変形例に係るプラスチック容器1aでは、短辺側の係合構造がプラスチック容器1とやや相違しており、それ以外の構成はプラスチック容器1と同様であり、その説明を省略する。プラスチック容器1aでは、上部短辺外壁12の外面に、線状突起17に加え、その下に横方向に延びる溝部18aと傾斜部19aとを更に備えている。プラスチック容器1aでは、このような溝部18aを有していることから、上部容器10aと下部容器20aとを嵌合する際に溝部18aに下部容器20aの線状突起27(
図7及び
図8参照)を一旦係合させ、上部容器10aと下部容器20aとを仮固定できる構成にしている。このように、上部短辺外壁12の溝部18aと下部短辺外壁22の線状突起27とにより、嵌合前に上部容器10aと下部容器20aとを仮固定できるため、両者の位置決めを行った上で上部容器10aを下部容器20aに嵌合することができ、その作業をより確実に行うことができる。なお、傾斜部19aは、下方に向かって内側に傾斜する面であり、上部容器10aを下部容器20aに嵌合する際、スライドをし易くなる機能を奏している。
【0045】
変形例に係るプラスチック容器1aでは、
図7及び
図8の(a)及び(b)に示すように、下部短辺外壁22の上端の両端に、楔状突起16を凹部26に誘導するための誘導凹部26aが設けられている。上部容器10aと下部容器20aとを嵌合する際、この誘導凹部26aに一度、楔状突起16を位置させて、両容器の位置合わせを行った上で、両者を嵌合させることができるので、上部容器10aを下部容器20aに嵌合する際の作業をより確実且つ正確に行うことができる。
【0046】
このプラスチック容器1aでは、取出口構造30の取出口31とは反対側の空洞に収納部が入り込まないようにするための延長壁部39が設けられている。これにより、この空洞に収納物が入り込んで、プラスチック容器を毀損したり、収納物自体が嵌まり込んだりしてしまうことを抑制することができる。
【0047】
また、プラスチック容器の変形例は、
図9及び
図10に示す構成を更に有してもよい。
図9及び
図10に示す変形例では、下部容器20bの下部短辺外壁22と下部短辺内壁23との間に更に一対の補強用リブ29が設けられている。この補強用リブ29により、下部容器20bの成形時の収縮によって下部短辺外壁22又は下部短辺内壁23が内側に撓んでしまうことを抑制して各外壁を直立した状態に維持することができる。これにより、上部短辺外壁12を下部短辺外壁22及び下部短辺内壁23の間に位置させて上部容器10bを下部容器20bに取り付ける際の不具合を防止することができる。なお、この変形例では、補強用リブ29との干渉を回避するため、
図10に示すように、上部容器10bの上部短辺外壁12に切欠き19bを設けてもよい。また、この変形例では、取出口構造30の延長壁部39aが下部長辺内壁25まで延在している。このため、固定部33の容器内側に形成される空隙へ収納物が入り込んでしまったり、挟まってしまったりすることを防止できる。また、プラスチック容器が落下してしまった際にその衝撃で収納物が欠けてしまったり割れてしまったりといったことをより抑制することができる。
【0048】
以上、本実施形態に係るプラスチック容器について説明してきたが、本発明に係るプラスチック容器は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形を適用することができる。例えば、上記実施形態では、上部容器10,10a,10b側に楔状突起16を設け、下部容器20,20a,20b側にそれに嵌合する凹部26を設けていたが、逆に下部容器20,20a,20b側に楔状突起16を設け、上部容器10,10a,10b側にそれに嵌合する凹部26を設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、例えばガム又はキャンディーといった収納物を収納することができるプラスチック容器に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1,1a…プラスチック容器、10,10a,10b…上部容器、11…上壁、11a…両端、11b…両側、12…上部短辺外壁、13…上部長辺外壁、14…上部長辺内壁、16…楔状突起、17…線状突起、18…線状突起、20,20a,20b…下部容器、21…底壁、22…下部短辺外壁、23…下部短辺内壁、24…下部長辺外壁、25…下部長辺内壁、26…凹部、27…線状突起、28…線状突起、29…補強用リブ、30…取出口構造、31…取出口、32…リブ、33…固定部、34…係合穴、35…スペース、36…リブ、39,39a…延長壁部、40…蓋体、41…固定部、42…押下部、43…蓋部、44…第1ヒンジ、45…第2ヒンジ、46…係合突起。