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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】カート
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/12 20060101AFI20220502BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20220502BHJP
   A63H 33/30 20060101ALI20220502BHJP
   A63H 17/00 20060101ALI20220502BHJP
   A63H 17/38 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
B62B3/12
B62B3/00 B
A63H33/30 J
A63H17/00 Z
A63H17/38
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2019508234
(86)(22)【出願日】2017-08-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 US2017046815
(87)【国際公開番号】W WO2018035060
(87)【国際公開日】2018-02-22
【審査請求日】2020-08-05
(31)【優先権主張番号】201620882608.6
(32)【優先日】2016-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/072086
(32)【優先日】2017-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517186640
【氏名又は名称】レイザー・ユーエスエー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アリ・ケルマニ
(72)【発明者】
【氏名】イアン・デスバーグ
(72)【発明者】
【氏名】ユフェン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ジウェイ・ファン
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-082817(JP,A)
【文献】米国特許第05036938(US,A)
【文献】特開平07-285345(JP,A)
【文献】特開2010-047206(JP,A)
【文献】特開2000-127982(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0328994(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 3/12
B62B 3/00
A63H 33/30
A63H 17/00
A63H 17/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗用可能なカートであって、
開口部を備える設置スロットを含むカート本体と、
前記設置スロットの前記開口部の一端部にて前記カート本体に回転可能に接続されたカバー本体と、
複数の後キャスターホイールと、
前記カート本体に接続されたステアリングアセンブリであって、
前輪であって、前記前輪に一体化した、ハブモーターを有するハブモーター装置を含む前輪と、
前記前輪に接続されたステアリングホイールであって、使用者が前記カートを旋回させることができるように構成されたステアリングホイールと、
を備えるステアリングアセンブリと、
前記ハブモーターに電力を供給するよう構成されたバッテリーと、
前記バッテリーに、前記ハブモーターに電力を供給させるよう構成されたコントローラと、
を備え、
前記バッテリーおよび前記コントローラが前記設置スロット内に固定されている、乗用可能なカート。
【請求項2】
前記カート本体がブロー成形によって一体的に形成されている、請求項1に記載の乗用可能なカート。
【請求項3】
前記カートの運転中に前記使用者を支持するよう構成された座席をさらに備える、請求項1に記載の乗用可能なカート。
【請求項4】
前記カート本体がベースおよび隆起領域を含み、前記座席が前記隆起領域に接続されて、前記ベースに対して高い位置で前記使用者を支持する、請求項3に記載の乗用可能なカート。
【請求項5】
前記設置スロットが前記座席より前方に配置されている、請求項3に記載の乗用可能なカート。
【請求項6】
前記設置スロットが前記ステアリングアセンブリおよび前記座席の間に配置されている、請求項3に記載の乗用可能なカート。
【請求項7】
前記カバー本体が略U字形を有し、前記カバー本体が、前記座席に隣接する前記設置スロットの前記開口部の端部に回転可能に接続されている、請求項3に記載の乗用可能なカート。
【請求項8】
前記カート本体に接続された設置ラックをさらに備え、前記設置ラックが電力スイッチを備え、前記設置ラックが前記設置スロットおよび前記ステアリングアセンブリの間に配置されている、請求項1に記載の乗用可能なカート。
【請求項9】
前記バッテリーに接続された充電ポートをさらに備える、請求項1に記載の乗用可能なカート。
【請求項10】
前記カート本体が突出部を含み、前記ステアリングアセンブリが前記突出部において前記カート本体に接続されている、請求項1に記載の乗用可能なカート。
【請求項11】
前記バッテリーは、前記バッテリーに隣接して配置されたクランプ部材によって前記設置スロットに固定され、前記クランプ部材は、
前記クランプ部材および前記バッテリーを前記カート本体に固定するために前記クランプ部材を通るよう構成された留め具
を備える、請求項1に記載の乗用可能なカート。
【請求項12】
前記ステアリングホイールが、
固定ブロックを備えるトップカバーと、
カードスロットを備えるボトムカバーと、
前記ボトムカバーの内側に連結された接続ラックと、
を備え、
前記固定ブロックが前記カードスロット内に締め付けられて、前記トップカバーを前記ボトムカバーに固定する、請求項1に記載の乗用可能なカート。
【請求項13】
前記ステアリングホイールが前記トップカバーおよび前記ボトムカバーの間の内部空間内に配置されたインサートをさらに備える、請求項12に記載の乗用可能なカート。
【請求項14】
前記トップカバーが第1の材料を含み、前記ボトムカバーが前記第1の材料を含み、および前記インサートが第2の材料を含む、請求項13に記載の乗用可能なカート。
【請求項15】
前記第1の材料がプラスチックを含み、および前記第2の材料が金属を含む、請求項14に記載の乗用可能なカート。
【請求項16】
前記ステアリングアセンブリが前記ステアリングホイールを前記前輪に接続するステアリング部品をさらに備え、前記ステアリング部品が
第2の留め具によって前記接続ラックに接続された接続ロッド、および
前記接続ロッドおよび前記前輪に接続されたフォーク
を備える、請求項12に記載の乗用可能なカート。
【請求項17】
前記フォークが
車軸を受け入れるよう構成された第1内部空間を含む第1組のプロングと、
前記ハブモーターの少なくとも一部分を受け入れるよう構成された第2内部空間を含む第2組のプロングと、
を備え、
前記第1内部空間が前記第2内部空間より狭い、請求項16に記載の乗用可能なカート。
【請求項18】
前記前輪の回転速度を制御するために、前記カート本体に接続されたペダルをさらに備える、請求項1に記載の乗用可能なカート。
【請求項19】
前記座席が前記ステアリングホイールより下に位置するよう構成されている、請求項3に記載の乗用可能なカート。
【請求項20】
前記座席が背もたれ部およびベースを備え、前記背もたれ部が前記カート本体の後側と略位置合わせされるよう構成されている、請求項3に記載の乗用可能なカート。
【請求項21】
前記カート本体の第1の側に第1の揺動防止機構、および前記カート本体の第2の側に第2の揺動防止機構をさらに含み、前記揺動防止機構が、 前記カート本体の底部から延在する、請求項1に記載の乗用可能なカート。
【請求項22】
前記第1および第2の揺動防止機構は、前記カートが特定の角度に傾いた場合に、走行面と係合するように構成されている、請求項21に記載の乗用可能なカート。
【請求項23】
前記第1および第2の揺動防止機構は、前記カートの前方領域に配置されている、請求項21に記載の乗用可能なカート。
【請求項24】
前記複数の後キャスターホイールは、ホイールの回転軸とは異なるスイベル軸を中心に旋回することができる、請求項1に記載の乗用可能なカート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2016年8月15日に出願された中国実用新案第201620882608.6号に対する優先権を主張する、2017年1月22日に出願された国際出願第PCT/CN2017/072086号に対する優先権を主張するものであり、これら全体は、参照によって本出願に組み込まれている。
【0002】
技術分野
本開示は、一般に、カートなどの移動車両に関する。
【0003】
関連分野
ローラースケート、スケートボード、スクーター、自転車、カート等のような多くの種類の移動車両が存在する。ユーザは、そのような車両に乗って場所から場所へ移動することができる。
【背景技術】
【0004】
新しい乗り心地または独特の機能性を提供することができる、新規および/または改良された設計が必要とされている。 本明細書に記載されているシステム、方法および装置は、革新的な態様を有しており、そのうちの1つだけがそれらの望ましい特性に対して不可欠であるかまたは単独で主体となるわけではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示には様々なカートが記載されている。いくつかの実施形態によれば、乗用可能なカートは、カート本体と、カバー本体と、ステアリングアセンブリと、バッテリーと、コントローラとを含む。カート本体は、設置スロットを含むことができる。スロットは、開口部を含むことができる。カバー本体は、設置スロットの開口部の一端でカート本体と回転可能に接続することができる。ステアリングアセンブリは、カート本体と接続することができる。ステアリングアセンブリは、前輪とステアリングホイールを含むことができる。前輪は、前輪と一体化されたハブモーター装置を含むことができる。ステアリングホイールは、前輪と接続することができる。ステアリングホイールによってユーザがカートを操縦する(例えば回転させる)ことができる。バッテリーはハブモーターに電力を供給することができる。コントローラは、バッテリーからハブモーターに電力を供給させることができる。バッテリーとコントローラは、設置スロット内に固定することができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、カートは、カートの動作中にユーザを支持することができる座席を含む。いくつかの実施形態において、カート本体は、ベースと隆起領域とを含む。座席は、隆起領域に接続され、ユーザをベースに対して高い位置に支持することができる。いくつかの実施形態では、設置スロットは座席の前方に配置される。いくつかの実施形態において、設置スロットは、ステアリングアセンブリと座席との間に配置される。いくつかの実施形態では、カバー本体は、略U字形をしており、カバー本体は、座席に隣接する設置スロットの開口部の端部に回転可能に接続されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、カートは、カート本体と接続された設置ラックを含む。設置ラックは、電源スイッチを含むことができる。設置ラックは、設置スロットとステアリングアセンブリの間に配置することができる。いくつかの実施形態では、カートは、バッテリーに接続された充電ポートを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、カート本体は、突出部を含み、ステアリングアセンブリは、突出部でカート本体と接続される。いくつかの実施形態では、バッテリーは、クランプ部材によって設置スロットに固定される。クランプ部材は、バッテリーおよび留め具に隣接して配置することができ、留め具は、クランプ部材およびバッテリーをカート本体に固定するためにクランプ部材を通過することができる。いくつかの実施形態では、カート本体は、ブロー成形によって一体的に形成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、ステアリングホイールは、固定ブロックを備えるトップカバーと、カードスロットを含むボトムカバーと、ボトムカバーの内側に結合された接続ラックとを含む。固定ブロックをカードスロット内に固定して、トップカバーをボトムカバーに固定することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、ステアリングホイールは、トップカバーとボトムカバーとの間の内部空間内に配置されたインサートを含む。いくつかの実施形態では、トップカバーは、第1の材料を含み、ボトムカバーは、第1の材料を含み、インサートは、第2の材料を含む。いくつかの実施形態では、第1の材料は、プラスチックを含み、第2の材料は、金属を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、ステアリングアセンブリは、ステアリングホイールを前輪に接続するステアリング部品を含む。ステアリング部品は、接続ロッドおよびフォークを含むことができる。接続ロッドは、第2の留め具によって接続ラックに接続することができる。フォークは、接続ロッドと前輪に接続することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、フォークは、車軸を受容するように構成された第1の内部空間を含む第1組のプロングと、ハブモーターの少なくとも一部を受容するように構成された第2の内部空間を含む第2組のプロングとを含む。第1の内部空間は、第2の内部空間よりも狭くてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、カートは、前輪の回転速度を制御するためにカート本体と接続されるペダルを含む。いくつかの実施形態では、座席は、ステアリングホイールの下に配置されるように構成される。いくつかの実施形態では、座席は、背もたれ部とベースとを備える。背もたれ部は、カート本体の後側と概ね整列させることができる。
【0014】
前述の要約は、カートの特定の機能の高レベルの概要である。要約は例示的なものにすぎず、限定的なものではない。カートの他の態様、特徴、および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。本開示におけるいかなる特徴も本質的または重要ではない。
【0015】
本開示の上記および他の特徴は、添付の図面と併せて、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示による例示的な実施形態のみを示し、その範囲を限定すると見なされるべきではないことを理解した上で、添付の図面を使用することによってさらなる詳細および詳細と共に本開示を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】カートの一実施形態の正面図、上面図および側面斜視図を示す。
図2図1のカートの正面図を示す。
図3図1のカートの背面図を示す。
図4図1のカートの側面図である。
図5図1のカートの他の側面図である。
図6図1のカートの上面図を示す。
図7図1のカートの底面図である。
図8図1のカートの背面図、上面図、および側面斜視図を示し、可視フラッグを備え、開放位置にある設置スロットを示す。
図9図1のカートの部分分解図であり、設置スロットが開放位置にある場合のバッテリーおよびコントローラの位置の例を示す。
図10図1のカートの本体の正面図、上面図および側面斜視図である。
図11図10の本体の上面図を示す。
図12】少なくともステアリングホイールおよび前輪の例を示す、図1のカートのステアリングアセンブリの分解図である。
図13図12のステアリングホイールの一部の部分拡大図であり、部分Aの拡大図を示す。
図14図12のステアリングホイールの一部の部分拡大図を示し、部分Bの拡大図を示す。
図15図1のカートの正面図、底面図、側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
システム、構成要素および方法(例えば、組み立ておよび製造)の実施形態は、添付の図面を参照してここで説明され、図中、同じ番号は全体を通して同じまたは類似の要素を指す。いくつかの実施形態、実施例および例示が以下に開示されているが、本明細書に記載された発明は、具体的に開示された実施形態、実施例および例示を超えて及ぶものであり、他の用途および明白な改良およびそれらの均等物を含むことができる。特定の実施形態はいくつかの新規な特徴を含むことができ、単一の特徴がその望ましい特性に単独で関与するものでも、本明細書に記載される発明を実施するのに不可欠であるものでもない。
【0018】
本開示において使用される専門用語は、他に具体的に指定されない限り、その普通の通常の意味によって解釈されるべきである。用語は、単に本発明の特定の実施形態の説明と併せて使用されているという理由で、限定的または制限的な方法で解釈されるべきではない。以下の説明を通して、同じ番号は同じ構成要素を指す。
【0019】
概要
乗用カートの様々な実施形態が以下に説明される。カートが走行面上を走行する場合に、乗用カートを駆動および/または回転させることができる。いくつかの実施形態では、カートの少なくとも一部(カート本体1など)は、様々な材料を含む。カート本体などのカートの材料は、他の材料の中でも、プラスチックを含むことができる。プラスチック材料は、ユーザを支えるのに十分な強度を提供することができる。いくつかの実施形態では、プラスチック材料は、カート本体および/またはカート全体の重量を望ましくは減らすことができる。いくつかの実施形態では、重量の減少は、走行負荷の軽減に役立つ。いくつかの構成は、カートを駆動するのに必要な力の量を有利に減少させ、および/またはカートのバッテリー寿命を延ばすことができる。いくつかの構成は、他の利点の中でもとりわけ、カートの磨耗および/または引き裂き、および/または特定の構成要素の寿命を延ばすことができる。いくつかのそのような構成は、カートを形成するのに必要な材料の量の軽減に役立つ。
【0020】
いくつかの実施形態では、カートの他の部分の中でも、カートおよび/またはカート本体は、様々な製造工程を使用して製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、カート本体はブロー成形プロセスによって形成することができる。いくつかの実施形態において、ブロー成形プロセスは、カート本体を単一のユニットとして一体的に形成することを可能にする。いくつかの実施形態では、カート本体は、接続および/または他の方法で取り付けられたいくつかの部分から構成される。いくつかの実施形態において、ブロー成形プロセスは、カート本体を形成する際のより高い効率を可能にする。
【0021】
図1図15は、カート100の一実施形態を示す。カート100は、カート本体1、ステアリングアセンブリ150、および/または1つ以上の車輪を含むことができる。いくつかの実施形態において、カート100は、少なくとも1つの前輪4および少なくとも1つの後輪154を含む。以下により詳細に説明されるように、少なくとも1つの前輪4および/または少なくとも1つの後輪154は、動力供給可能および/または操縦可能である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの前輪4および/または少なくとも1つの後輪154は、動力を与えられないことがある。図示の実施形態は、例えばモーター(例えば、ハブモーター)によって動力を供給される前輪4を示しているが、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの後輪154に動力を供給することができるか、少なくとも1つの後輪154に動力が供給されないか、および/または前輪4に動力が供給されなくてもよい。
【0022】
カート本体
図1は、カート100の一実施形態を示す。図10および図11は、カート本体1の一実施形態を示す。図1に示すように、いくつかの実施形態では、本体1は、ベース168および1つ以上の隆起領域を含み得る。本体1は、後方領域160、中間領域162、および前方領域164を含むことができる。後方領域160は、隆起領域166を含むことができる。隆起領域166は、本体1のベース168に対して隆起することができる。いくつかの実施形態では、隆起領域166は、平坦部169を含むことができる(図10参照)。平坦部169は、ユーザを支持するためのプラットフォームを提供することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、隆起領域166は、本体1の少なくとも一部分を横切って横方向に延びる。いくつかの実施形態では、隆起領域166は、本体1の後方領域160の幅を横切って横方向に延びる。いくつかの実施形態では、隆起領域166は、本体1のベース168と隆起領域166の平坦部169との間に延びる側部を含む。いくつかの実施形態では、側部は、本体1のベース168から平坦部169に向かって内向きかつ上向きに傾斜している。いくつかの実施形態では、側部は、ベース168から平坦部169に向かってほぼ垂直に延びる。いくつかの実施形態では、側部は、ベース168から平坦部169に向かって外向きに延びる。いくつかの実施形態では、隆起領域166は、旗竿などの表示機能と係合するように構成されている。例えば、隆起領域166は、旗竿の底端部を受容する凹部を含むことができる。特定の実施態様では、隆起領域166は、座席8の一方または両方の側面に肩部を備える。
【0024】
いくつかの実施形態では、前方領域164は、突出部170を含む。突出部170の少なくとも一部は、本体1のベース168に対して隆起させることができる。いくつかの実施形態では、突出部170は、中間領域162および/または隆起領域166に対して隆起させることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、突出部170は、略台形の形状を有する。例えば、突出部170は、後面170A、上面170B、および前面170Cを有することができる。いくつかの実施形態では、中間領域162の少なくとも一部(例えば、後述する本体カバー3)は、突出部170の後面170Aを形成する。いくつかの実施形態では、後面170Aは、中間領域162と突出部170の上面170B(例えば、中間領域162から上方)の間に延びる。いくつかの実施形態では、突出部170の上面170Bは、本体1の他の部分に対して隆起している。いくつかの実施形態では、上面170Bは、比較的平坦である。いくつかの実施形態では、前面170Cは、上面170Bから下方に延びる。いくつかの実施形態において、前面170Cは、上面170Bから前方領域164の前領域まで下方に延びる。いくつかの実施形態において、突出部170は、本体のベース168の幅よりも狭い。
【0026】
いくつかの実施形態では、本体1の前方領域164の前領域は、本体1のベース168から上方に角度をなして延びる。特定の構成では、傾斜した前領域は審美的に好ましい。いくつかの実施形態では、傾斜した前領域は、カート100の空気力学を強化する。傾斜した前領域は、ユーザがカート100をより容易に操縦することを可能にする。
【0027】
座席
いくつかの実施形態では、カート本体1は、座席8を含む。座席8は、ユーザを支持することができる。いくつかの実施形態では、座席8は、着座位置でユーザを支持することができる。座席8は、ユーザが(例えばカート100を操縦することによって)カート100を容易に操作できるように配置することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、座席8は、カート本体1に固定される。いくつかの実施形態では、座席8は、カート本体1に取り外し可能に取り付けられる。いくつかの実施形態では、座席8は、可能な限り低く、および/またはできるだけ走行面に近くなるように本体1に取り付けられる。走行面に対して座席8を低く配置することは、カート100が旋回および/または傾けられる場合に、横方向への回転を制限し、および/またはカート100が横方向に転倒するのを防ぐことができる。図4および図5に示すように、いくつかの実施形態では、座席8の後部は、カート100の最後部を構成する。
【0029】
いくつかの実施形態では、座席8の少なくとも一部は、本体1の隆起領域166に接続されている。いくつかの実施形態では、隆起領域166は、本体1のベースに対して隆起している。いくつかの実施形態では、隆起領域166は、様々なサイズのユーザを収容するための追加のスペースを提供することができる。いくつかの実施形態は、使用中にユーザがカート100をより容易に操縦することを可能にすることができる。
【0030】
座席8は、後部167Aとベース167Bとを含むことができる。いくつかの実施形態では、後部167Aは、ユーザの背中を支持することができる。いくつかの実施形態では、ベース167Aは、ユーザの身体を支持することができる。いくつかの実施形態では、ベースは、本体1に接続されている。いくつかの実施形態では、座席8の全部または一部は、ステアリングホイール7よりも下方に位置している。例えば、いくつかの実施形態では、ベース167Bおよび/または座席8の後部167Aは、ステアリングアセンブリ150のステアリングホイール7よりも下方に配置されている。いくつかの実施形態では、座席ベース167Bは、上面170Bの下方に配置することができる。いくつかの実施形態では、座席ベース167Bの少なくとも一部は、ペダル21の少なくとも一部の下に配置することができる。いくつかの実施形態では、座席ベース167Bの少なくとも底部をペダル21の上縁の下に配置することができる。いくつかの実施形態では、後部167Aの少なくとも一部は、上面170Bの下に配置され、後部167Aの少なくとも一部は、上面170Bの上に配置される。いくつかの実施形態では、ベース167Bは、前面170Cがベース160と交わる領域にほぼ位置合わせされている。いくつかの実施形態では、ベース167Bは、前面170Cがベース160と交わる領域よりも高い位置に配置されている。いくつかの実施形態では、ベース167Bは、前面170Cがベース160と交わる領域よりも低い位置に配置されている。いくつかの実施形態では、後部167Aの上側は、上面170Bの開口部の上方に配置され、および/またはベース167Bは、上面170Bの開口部の下方に配置される。いくつかの実施形態では、後部167Aの上側は、接続ラック22の下側とほぼ整列して配置される。いくつかの実施形態では、後部167Aは、接続ラック22の下側よりも高く配置される。座席8は、モーターの上方に配置されている。いくつかの実施形態において、座席8の少なくとも一部は、少なくとも1つのバッテリー5の上面の上方に配置される。いくつかの実施形態において、ベース167Bは、コントローラ6の下方に配置される。いくつかの実施形態において、ベース167Bは、コントローラ6とほぼ整列して配置される。いくつかの実施形態では、座席8の少なくとも一部は、設置ラック9の下に配置され、座席8の少なくとも一部は、設置ラック9の上に配置される。いくつかの実施形態では、座席ベース167Bは、座席8の両側の間に横方向中央部を含む。いくつかの実施形態では、座席ベース167Bは、座席8の側面を含む。いくつかの実施形態では、座席ベース167Bは、座席8の側面と座席8の横方向中央部とを含む。いくつかの変形例では、座席ベース167Bは、座席8の横方向中間点および/または横方向中間点上に配置される。特定の実施形態では、座席ベース167Bは、縦方向(前後)中間点におよび/または縦方向(前後)中間点上に配置される。
【0031】
いくつかの実施形態では、座席8の後部は、本体1の後側と概して整列している。いくつかの実施形態では、座席8の後部は、本体1の隆起領域166の後側と整列している。いくつかの実施形態では、座席8および/または隆起領域166は、本体1の後端から内側に配置される。例えば、座席8および/または隆起領域166は、リップによって本体1の後端から内側に離間して配置され得る。
【0032】
図10および図15に示すように、いくつかの実施形態では、カート本体1は、1つまたは複数の収納区画140、141などの1つまたは複数のキャビティを含むことができる。いくつかの実施形態では、カート本体1は、少なくとも1、2、4、5、または6以上の収納区画140、141を含む。いくつかの実施形態では、収納区画140、141は、同じサイズおよび/または異なるサイズである。いくつかの実施形態では、収納区画140、141は、同じ向きおよび/または異なる向きに配置されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの収納区画141は、少なくとも1つの収納区画140と整列(例えば、略垂直に整列)される。いくつかの変形例では、区画140は、区画141と接続する。いくつかの実施形態では、収納区画141は、カート本体1の底部を通して見ることができる底部分などの収納区画140の一部を形成する。いくつかの実施形態では、収納区画140、141は、カート100の後方領域に配置される。例えば、収納区画140、141は、カート100の後半部に配置することができる。いくつかの実施態様では、収納区画140、141は、座席8、バッテリー5、および/または前輪4の後方にある。図10および図15に示すように、特定の実施態様では、キャビティは、カート100の長手方向中心線の両側に実質的に対称的に配置および/または成形されている。いくつかの実施形態では、収納区画140、141は、カート本体1の中間領域および/または前方領域に配置されている。区画は、後輪154の前方にあってもよい。区画140、141は、部分的にまたは完全に座席8の下に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、区画140、141のうちの1つまたは複数は、蓋などのカバーを含む。カバーは取り外し可能である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の収納区画140、141は、カート100の底部からアクセス可能である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の区画140、141は、座席8を移動(例えば旋回)または取り外すことによってアクセス可能である。
【0033】
いくつかの実施形態では、収納区画140、141は、カート本体1内に中空凹部を形成する。いくつかの実施形態では、収納区画140、141は、少なくとも部分的に充填されている。いくつかの実施形態では、収納区画は、カート100の全重量を増加させるために、および/またはカート100の重量分布を調整するために、重りまたは他の材料を含むか、または収容するように構成され得る。いくつかの実施形態では、追加された重りを取り除くと、カート100の全体の重量を減らすことができる。重りを追加したいくつかの構成では、ユーザの乗車性能を変更および/または向上させることができる。例えば、いくつかの構成では、追加されたまたは減らされた重りにより、カート100を安定させることおよび/またはユーザの体重を分散させることができる。いくつかの実施形態では、収納区画140、141は、追加の重りを増減するためにアクセス可能である。いくつかの実施形態では、収納区画に収納された追加の重りは、ユーザの体重および/またはサイズに応じて変更することができる。いくつかの構成では、追加されたおよび/または減少された重り、および/または重りおよび/または収納区画140、141の位置決めは、カート100がより速く曲がること、および/またはより速く回転させることを可能にし得る。例えば、いくつかの構成では、追加または減少された重り(および/または重りの位置決め)は、カート100をより速い速度で360度スピンさせることを可能にする。いくつかの実施形態では、収納区画140、141に収納された追加または減少された重りは、カート100をより容易に操縦することを可能にする。いくつかの実施形態では、収納区画に収納された追加または減少された重りは、カート100がより速くおよび/またはよりゆっくりとスピードを上げることを可能にし得る。
【0034】
設置スロット
いくつかの実施形態では、本体1は、中間領域162を含む。中間領域162は、隆起領域166の前方に配置することができる。いくつかの実施形態では、中間領域162は、座席8の前面および/または隆起領域から延びる。いくつかの実施形態では、中間領域162は、座席8の前面および/または隆起領域166の間で滑らかに移行する。いくつかの実施形態では、中間領域162の後側は、隆起領域166の下、上、および同じ高さに位置する。いくつかの実施形態では、中間領域162は、隆起領域166から離れるように上向きに傾斜している。いくつかの実施形態では、中間領域162は、カート100の前に向かって上向きに傾斜している。いくつかの実施形態では、中間領域162の最大幅は、隆起領域166の最大幅よりも狭い。いくつかの実施形態では、中間領域162は、カート100の長手方向軸に沿って中心に配置される。
【0035】
図8および図9に示すように、いくつかの実施形態では、中間領域162は、設置スロット2を含む。設置スロット2は、開口部を含むことができる。設置スロット2は、本体1に形成することができる。例えば、設置スロット2は、本体1に凹部を形成することができる。いくつかの実施形態では、設置スロット2は、本体1に区画を形成することができる。以下により詳細に説明されるように、設置スロット2は、電源(例えば、バッテリー5)、コントローラ6、および/または設置ラック9を収容することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、本体1の中間領域162は、カバー本体3を含むことができる。カバー本体3は、設置スロット2の開口部を少なくとも部分的に覆うことができる。いくつかの実施形態では、カバー本体3は、他の構成要素の中でもとりわけバッテリー5、コントローラ6、および/または設置ラック9を設置スロット2内に収容することができる。
【0037】
カバー本体3は、中間領域162に接続することができる。いくつかの実施形態では、カバー本体3は、設置スロット2の一端部で中間領域162に旋回可能に接続されている。いくつかの実施形態では、カバー本体3は、設置スロット2の後端部で中間領域162に旋回可能に接続されている。いくつかの実施形態では、カバー本体3は、設置スロット2の前端部および/または側端部で中間領域162に旋回可能に接続されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、カバー本体3は、ヒンジまたは他の留め具などの回転可能な留め具によって本体1に接続される。ヒンジによって、カバー本体3を容易に開閉することができる。カバー本体3および/または回転可能な留め具は、設置スロット2への容易なアクセスを可能にすることができる。いくつかの構成では、設置スロット2内に収納されている他の構成要素の中でも、バッテリー5またはコントローラ6を取り外し、交換し、および/または設置スロット2内に配置することができる。特定の構成では、カバー本体3が少なくとも部分的におよび/または完全に閉じられている場合に、バッテリー5、コントローラ6、または設置スロット2内に収容されている他の内部構成要素を保護する。
【0039】
いくつかの実施形態では、回転可能な留め具は、設置スロット2の後側に配置される。図示のように、設置スロット2の前端部とステアリングアセンブリ150との間の第1の距離は、設置スロット2の後端部と座席8との間の第2の距離よりも近くに配置され得る。第1の距離が第2の距離よりも小さいと、カバー本体3が設置スロット2と座席8との間で回転するためのより大きな領域を提供することができる。いくつかの実施形態では、カバー本体3は、開いたときにカバー本体3がより大きな角度で座席8に対して回転するように位置決めされている。いくつかのそのような構成では、より大きい回転角度により、設置スロット2の内部構成要素を容易に取り外し、交換、および/または追加することを可能にする。これは、ユーザにとってより便利であり得、ユーザがカート100をより容易に維持することができ、そして/またはユーザが設置スロット2にアクセスしてステアリングアセンブリ150に接触することを回避することを可能にする。
【0040】
カバー本体3は、様々な形状を形成することができ、設置スロット2の少なくとも一部分を覆うようにサイズ設定することができる。いくつかの実施形態では、カバー本体3は、略U字形である。例えば、カバー本体3は、頂部壁と、少なくとも部分的に設置スロット2を囲む少なくとも2つの側壁とを含むことができる。いくつかの実施形態では、側壁は、カバー本体3の頂部壁から延びU字形を形成する。U字形などのカバー本体3の特定の構成は、本体1と一体構造を提供することができる。いくつかの構成では、カバー本体3は、閉じたときに本体1とほぼ滑らかな表面を形成することができる。特定の構成では、カバー本体3の形状は、審美的に好ましいものである。
【0041】
図8は、開放位置にある設置スロット2を示すカート100の斜視図を示す。図9は、設置スロット2が開放位置にある状態の、バッテリー5およびコントローラ6を示すカート100の部分分解図を示す。上述のように、設置スロット2は、少なくともバッテリー5および/またはコントローラ6を収容することができる。バッテリー5および/またはコントローラ6は、様々な手段によって設置スロット2内で本体1に固定することができる。例えば、バッテリー5および/またはコントローラ6をクランプすることによって設置スロット2に固定することができる。バッテリー5および/またはコントローラ6を設置スロット2にクランプすることにより、バッテリー5および/またはコントローラ6をより容易に組み立てまたは分解することができる。バッテリー5および/またはコントローラ6を設置スロット2にクランプすることで、バッテリー5および/またはコントローラ6を本体1に固定することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、バッテリー5および/またはコントローラ6は、クランプ部材12によって本体1にクランプされる。クランプ部材12は、バッテリー5および/またはコントローラ6の側面に一致するように形作られ得る。いくつかの実施形態では、クランプ部材12は、バッテリー5および/またはコントローラ6の上面および/または側面の少なくとも一部の上に延びる。クランプ部材12は、バッテリー5および/またはコントローラ6の少なくとも中央部分の上に延びることができる。クランプ部材12は、他の留め具の中でも特にボルト13のような留め具によって本体1に固定することができる。留め具は、クランプ部材12を本体1に取り外し可能に固定し、バッテリー5および/またはコントローラ6を設置スロット2内にしっかりと固定することができる。特定の構成では、クランプ部材12は、バッテリー5および/またはコントローラをクランプ部材12および本体1の間で押し付けるまたは圧縮する。ボルト13は、バッテリー5を固定および/または解放するためにバッテリー5および/またはコントローラ6に加えられる圧縮力の量を調整(たとえば、増加および/または減少)することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、カート100は、1つまたは複数のバッテリー5を含む。いくつかの実施形態では、カート100は1、2、3、4、5、または6以上のバッテリー5を含む。いくつかの実施形態では、バッテリー5は、同時におよび/または異なる時間に(各バッテリー5が消耗した後に順次)モーターに電力を供給することができる。いくつかの実施形態において、カート100は、様々な形状、サイズおよび/または向きを有する(1つのバッテリーが別のバッテリーに対して90度回転された)バッテリー5を含む。複数のバッテリー5を有することにより、カート100を動作させることができる時間の長さを延ばすことができる。いくつかの実施形態では、バッテリー5を様々な向き(例えば、第1の向きおよび第1の向きとは異なる第2の向き)に配置することで、少なくとも2つのバッテリー5を使用することが可能になる。いくつかの構成は、バッテリー5間の一貫性を維持しながら(例えば、同じバッテリータイプ)、カート100が少なくとも2つのバッテリー5を有することを可能にすることができる。いくつかの構成は、後面170Aのほぼ連続的な傾斜を維持しながら、カート100が少なくとも2つのバッテリー5を有することを可能にすることができる。ボルト13は、図示のように、前後方向においてバッテリー5の間に配置することができる。いくつかの実施形態は、同じバッテリーの複数の例を含む。バッテリーの実例は、同じ構成または異なる構成に配置することができる。例えば、いくつかの変形例では、バッテリーの第1の例は、水平構成に配置され、バッテリーの第2の例は、垂直構成に配置される。いくつかの実装形態では、バッテリーの第2の例は、バッテリーの第1の例に対して回転している(たとえば、約90°、180°、またはその他)。
【0044】
上述のように、バッテリー5は、設置スロット2内に配置することができる。バッテリー5は、カート100を駆動するためにモーターに電力(例えば、電気エネルギー)を供給することができる。いくつかの実施形態では、バッテリー5を座席8の後方、前方、下方、および/または上方に配置することができる。いくつかの実施形態では、バッテリー5を突出部170の後方、前方、下方、および/または上方に配置することができる。バッテリー5を設置スロット2内に配置することにより、バッテリー5はモーターに接近して配置することができる。バッテリー5をモーターの近くに配置することができるので、バッテリー5をモーターと電気的に接続するのに必要な配線が少なくて済む。これにより、材料を節約し、配線の複雑さを軽減することができる。バッテリー5のいくつかの構成は、短絡および/または開回路などの電気的な問題の割合を減少させる可能性がある。
【0045】
カート100は、プロセッサやメモリなどのコントローラ6を含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラ6は、Wi‐Fi、ブルートゥース(登録商標)などを介するなど、有線接続または無線接続を通じて1つまたは複数の構成要素と通信する。コントローラ6は、カート100の特定の構成要素の態様を制御することができる。コントローラ6は、例えば始動、制動、加速および減速などをプログラミングによってカート100を制御するために使用することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ6は、カート100上および/またはカート100内の様々な場所に配置することができる。上述のように、いくつかの実施形態では、コントローラ6は設置スロット2内に配置することができる。
【0046】
ペダル
いくつかの実施形態では、カート100は、ペダル21などのモーター制御装置を含む。ペダル21は、本体1の前方領域164で本体に接続することができる。いくつかの実施形態では、ペダル21は、本体1の前方領域164の傾斜した前面に少なくとも部分的に沿って取り付けられている。これにより、ユーザがペダル21に一層容易にアクセスすることができる。いくつかの変形例では、モーター制御装置は、トリガ、スイッチ、ハンドグリップなどの他の構造を含む。
【0047】
ペダル21は、足置き部とマウントとを含むことができる。足置き部の一端はマウントに対して関節運動することができる。足置き部は、ペダル21に外力が加わっていなくてもマウントに対して一定の角度を維持することができる。いくつかの実施形態では、ペダル21は、マウントに対して回転することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、ペダル21は、リセット機構または付勢機構を介して特定の角度を維持することができる。リセット機構は、ねじりばねのようなばねを含むことができる。足置き部は、例えば、ねじりバネの力により、マウントに対して所定の角度に回転して維持することができる。ねじりバネは、設置が容易である。いくつかの構成では、足置き部が押し下げられていない場合に、他のリセット機構を使用して、ペダル21のペダル足置き部とマウントとの間の角度を維持することができる。
【0049】
いくつかの構成では、マウントと足置き部との間の距離は、ユーザが足置き部を踏んだ後に短くすることができる。いくつかの実施形態では、ユーザがペダル21を放した後(例えば、ユーザが力を加えていないか、または制限された量の力を加えた後)、足置き部をリセット機構によって初期状態(例えばプリセット角度)に戻すことができる。
【0050】
いくつかの構成では、ペダル21は、センサを含む。センサは、コントローラ6に接続することができる。センサは、信号(例えば変位信号)を検出することができる。変位信号は、ユーザによってペダル21がどれだけ(例えば下方に)押されたかを検出することができる。例えば、ペダル21の変位の検出をセンサによって測定することができる。最初に、ユーザの足などによる外力が加えられていない場合、足置き部は初期位置にあり得る。ユーザが足置き部に力を加えると足置き部が回転し始め、それにより足置き部が初期位置から変位する。センサは、ペダル21の足置き部の変位を検出し、その変位信号をカート100のコントローラ6に送信することができる。コントローラ6は、センサから受信した変位信号に基づいて、カート100の速度を制御することができる。
【0051】
足置き部の移動を示す変位信号とカート100の所望の速度との間の関係は、コントローラ6に予め記憶することができる。変位信号を受信すると、コントローラ6は、対応する速度に従って回転するようモーター190を制御することができ、予想速度で走行するように車輪を駆動する。速度とペダル21の変位との間の関係は、正比例することができる。例えば、いくつかの構成では、変位が増加するにつれて速度が増加する。このようにして、ユーザは、ペダル21上の足圧力を増大させ(結果としてペダル21のより大きな変位をもたらす)、カート100を加速させ、足圧力を減少させてカート100を減速させることができる。ペダル21は、加速および/または減速を制御し、カート方向の手動調整との干渉を回避し、速度調整と操舵との間の相互影響を防止し、カート100の動作性能を向上させることができ、および/または、他の利点の中でも、ユーザへの運転体験を向上させる。
【0052】
いくつかの実施形態では、ペダル21は、コントローラ6に無線で接続されている。例えば、上述のように、ペダル21は、カート100の速度を増減するためにモーター190の速度を増減するようにユーザによって切り替えられることができる。ペダル21がユーザによって切り替えられると、モーター190および/またはペダル21は、モーター190に電力を供給するようにコントローラ6に指示するように構成することができる。例えば、コントローラ6は、ペダル21からの信号に応答しておよび/または一致して車輪を駆動するようにモーター190に命令することができる。カート100の制御は、ペダル21を介して無線であり得るが、いくつかの変形例では、上述のように、スロットル、ブレーキ、およびオン/オフスイッチとモーター190との有線接続を有する。任意の有線または無線プロトコルを使用することができる。
【0053】
設置ラック
前述のように、カート100は、設置ラック9を含むことができる。設置ラック9は、少なくとも部分的に設置スロット2内に配置することができる。設置ラック9は、機械的な留め具または接着剤のような留め具13によって本体1に固定することができる。設置ラック9は、電源スイッチ10を含むことができる。いくつかの実施形態では、電源スイッチ10は、設置ラック9に沿ってまたはその中に配置することができる。いくつかの実施形態では、電源スイッチ10は、カバー本体3を通って延びることができる(図1参照)。いくつかの実施形態では、電源スイッチ10を作動させると、モーター190へ電力を供給するようにバッテリー5に指示することができる。いくつかの実施形態では、スイッチ10を押すことによってスイッチ10を作動させることができる。いくつかの実施形態では、スイッチ10は、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標)、モバイルアプリケーションなどを介して、無線で作動させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、カート100は、上述したように、有線および/または無線のペダル21またはスイッチ10を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、設置ラック9は、充電ポート11を含むことができる。充電ポート11は、バッテリー5を充電することを可能にする。いくつかの実施形態では、充電ポート11は、バッテリー5を取り外すことなくバッテリー5を充電することを可能にする。いくつかの実施形態では、充電ポート11は、設置ラック9に沿ってまたは設置ラック9内に配置できる。いくつかの実施形態では、充電ポート11は、電源スイッチ10に隣接して配置されている。例えば、充電ポート11は、電源スイッチ10の側面に沿って配置することができる。
【0055】
電源スイッチ10および/または充電ポート11を含むことができる設置ラック9は、座席8の前方に配置することができる。いくつかの構成は、動作中にユーザにとって便利であり得る。いくつかの構成は、充電ポート11とバッテリー5との間の配線距離を短くすることができる。いくつかの構成は、材料および/またはコストを削減することができる。いくつかの構成は、標準化および/または最適化された配線レイアウトを可能にすることができる。これは、短絡、開回路などを制限または回避するのに役立ち得る。
【0056】
車輪
少なくとも図1図9に示すように、カート100は、複数の車輪を含むことができる。いくつかの実施形態において、カート100は、少なくとも1つの前輪4および少なくとも1つの後輪154を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの前輪4および/または少なくとも1つの後輪154は、キャスターホイールである。キャスターホイールは、旋回中にドリフトを誘発し制御するように動的に係合することができる。いくつかの実施形態では、キャスターホイールは、旋回中に常に走行面との接触を維持するように旋回することができる。いくつかの実施形態では、キャスターホイールは、回転軸の周りを回転し、スイベル軸の周りを旋回するように構成されたホイールを含む。いくつかの実施形態では、回転軸は、スイベル軸とは異なる。いくつかの実施形態では、回転軸は、カート100が転がる走行面とほぼ平行である。キャスターホイールは、ホイールを支持するフォークを含むことができ、それによってホイールをスイベル軸の周りに旋回させることができる。カート100のキャスターホイールが走行面に接触し、キャスターホイールがそれらのスイベル軸を中心に自由に旋回できる場合、キャスターホイールは「係合している」と見なされ、カート100は方向転換することができる。キャスターホイールは、キャスターホイールが旋回できる範囲を制限することによって、またはキャスターホイールをトラック面に接触しないように(例えば、カート100を傾けることによって)シフトすることによって、カート100を通常操縦するために「係合解除する」ことができる。
【0057】
キャスターホイールは、一般に、ホイールに圧入された少なくとも1つのベアリングを介してキャスターフォークに取り付けられたポリウレタンホイールを含む高性能キャスターから構築することができる。いくつかの実施形態では、車輪は、68mmの半径を有し、ベアリングは、BSB ABEC 7ベアリングである。用途に適した他のキャスターを使用することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、キャスターホイールのスイベル軸は、許容されるドリフト量を制御するために、垂直方向に対して33度~0度の傾斜度の間で回転することができる。いくつかの実施形態では、キャスターホイールのスイベル軸が垂直に対して回転できる範囲は、特定の用途で望まれるドリフトまたはターンの量によって決定される。いくつかの実施形態では、スイベル軸は、回転軸および/またはカート100の長手方向軸に対してほぼ垂直である。
【0059】
いくつかの実施形態では、カート100は少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ以上の後輪154を含む。後輪154は、本体1に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、後輪154は、本体1の後方領域160の下方で本体1に取り付けることができる。いくつかの実施形態において、後輪154は、座席8および/または隆起領域166の下に取り付けられる。いくつかの実施形態において、後輪154は、座席8および/または隆起領域166から横方向外方に離間した位置で本体1に取り付けられる。
【0060】
実施形態によっては、後輪154を中立位置に配置することができる。例えば、中立位置では、後輪154の回転軸は、本体1の長手方向軸に対してほぼ垂直であり得る。いくつかの実施形態では、中立位置では、後輪154の少なくとも一部は、本体の後側を超えて後方に延びる。いくつかの実施形態において、中立位置では、後輪154は、完全に車体の下に配置される。いくつかの実施形態において、後輪154は、車輪を中立位置に付勢するための付勢機構を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、カート100は少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ以上の前輪4を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の前輪4の少なくとも1つは動力を与えられる。 モーター190(例えばハブモーター190)によるものである。 いくつかの変形例では、前輪4は動力を与えられなくてもよい。 少なくとも1つの後輪154は、動力を供給されてもされなくてもよい。 特定の実施形態では、前輪4および少なくとも1つの後輪154は動力を与えられる。 カート100は、前輪駆動型および/または後輪駆動型であり得る。 例えば、いくつかの実施形態では、前輪4は駆動輪である。
【0062】
カート100は、前輪4を含むことができる。前輪4は、本体1の前方領域164の下に配置することができる。いくつかの実施形態では、前輪4は、本体の長手方向軸に沿って中央に配置することができる。いくつかの実施形態において、前輪4は、モーター190によって動力を供給され得る。例えば、前輪4は、ハブモーター190を含むハブモーター装置によって動力を供給され得る。ハブモーター190は、前輪4と一体化することができ、および/または前輪4の一部を形成することができる。ハブモーター190は、カート100の構造を単純化することが望ましい。いくつかの実施形態において、ハブモーター190は、カート100の携帯性を向上させる。いくつかの実施形態では、ハブモーター190により、本体1により柔軟性を持たせることができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、ハブモーター装置は、複数の車輪のうちの少なくとも1つ(例えば、前輪4または後輪154と一体化されたモーター190)に動力を供給する。ハブモーター装置は、モーター190およびトランスミッションアセンブリを少なくとも部分的に囲む本体またはハウジングを含むことができる。いくつかの実施形態では、カート100が乗っている面に接触するタイヤまたは他の牽引要素は、ハウジングに隣接するか、またはハウジングによって直接支持される。牽引要素の直径は、ハウジングの直径と同様であるかまたはそれよりわずかに大きいものであり得る。いくつかの実施形態では、ハウジングと牽引要素との間に実質的な構造要素(例えばスポークおよびリム)が設けられていない。ハブモーター装置は、本明細書で説明する実施形態に示すカート100のような子供用の乗用車のような小径ホイール用途に非常に適している。
【0064】
モーター190は、標準的な市販の小型DCブラシモータとすることができる。カート100は、モーターの速度およびトルクを前輪4に適した速度およびトルクに変換するように構成されたトランスミッションアセンブリを含むことができる。いくつかの変形例では、モーターおよびトランスミッションアセンブリは、適切なサイズおよび形のハウジング内に収容されるように構成される。モーター190は、ハブモーター装置の中心軸に沿って、および/またはハブモーター装置または牽引要素の中心面の一方の側に軸方向または横方向にオフセットされて配置することができる。いくつかの構成では、モーターは、ハブモーター配置の中心軸からずれている、および/または中心軸から離間している。モーター190の一部(例えば、出力シャフト)は、ハウジング用の支持ベアリングおよびハブモーター装置のマウントの一方または両方に支持および/または軸支されることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているように、ハブモーター装置のマウントは、フォークを含むことができる。いくつかの構成では、モーター190の一部分は、(複数のベアリング/マウントが設けられる場合)支持ベアリングおよび/またはモーター190に最も近いマウントの横方向または軸方向内側にあり、モーター190の一部は、支持ベアリングおよび/またはマウントの横方向または軸方向外側にある。いくつかの実施形態では、標準的なモーターを、後輪駆動装置用の適切な駆動力にモーターの動力を変換するのに適したトランスミッションアセンブリと共に使用して、動力付き移動システムを含む小型または子供用車両用途への比較的低コストの駆動システムを提供する。さらに、そのような構成は、ハブモーター配置のトランスミッションのためのスペースを節約する。
【0065】
いくつかの実施形態では、ハブモーター装置は、車軸部材または装置がハブモーター190の中心を完全に通過する貫通軸タイプの装置ではなく、モーター190は、中心に配置されるか、またはハブモーター装置の中心回転軸とほぼ整列し、回転軸の一部を占めながら、適切な支持を提供する分散型車軸装置である。すなわち、モーター190は、回転軸を取り囲む中空設計ではない。このような構成は、コストを低く抑えるために標準的な市販の「既製品」のモーターの使用を可能にしながら、バランスのとれたハブモーター構成を提供する。いくつかの実施形態では、関連する動力付き移動システムに組み込まれると、ハブモーター装置の両側を支持することができる。いくつかの実施形態では、車軸は、ハブモーター装置の片側のみを支持する。例えば、車軸は、ハブモーターのハウジングの内側に部分的に延び、ハブモーター配置の一方の側でモーター190の外側に部分的に延びてもよい。貫通軸タイプの車軸設計はまた、モーターをモーターの中心回転軸と概ね整列させることを可能にすることができるが、車軸が十分にカート100の重量の実質的な部分を支持する必要があるため、そのような構成はカスタムモータ設計または少なくとも大型モーター設計を必要とする。図示の構成では、モーターのシャフトは、カート100の少なくとも一部の実質的な重量を支持していなくてもよい。いくつかの実施形態では、モーターは、特に幅方向(中心軸または回転軸に沿って)に利用可能なスペースの量などの要因に応じて、ハウジングの完全に外側および/またはベアリングの外側、あるいは完全にハウジングの中および/またはベアリングの内側であり得る。いくつかの構成では、モーター190は、ハブモーター構成を大きく分解することなく合理的にアクセス可能である。例えば、いくつかの構成では、モーター190は、部分的にハウジング内に配置することができ、および/または部分的にハウジングの外側に延びることができる。いくつかの構成では、モーターの少なくとも一部分は、ハウジングの内側および/またはハウジング内に配置され、モーター190の少なくとも一部分は、ハウジングの外におよび/またはハウジングの外側に配置される。ハブモーターに関するさらなる詳細および特徴は、参照によって本明細書に組み込まれる2014年6月27日に出願された米国特許第9,660,500号、および2015年5月12日に出願された米国特許第9,638,285号に見いだすことができる。
【0066】
ステアリングアセンブリ
前輪4は、ステアリングアセンブリ150を介して本体1に接続することができる。ステアリングアセンブリ150は、本体1の少なくとも一部の開口部を介して本体1に接続することができる。例えば、ステアリングアセンブリ150は、本体1の突出部の開口部を介して本体1に接続することができる。ステアリングアセンブリ150の位置決めは、ユーザが座席8に座っているときにユーザがカート100を快適に操縦することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ステアリングアセンブリ150は、カート100を少なくとも360度回転または旋回させることを可能にする。
【0067】
図12は、ステアリングアセンブリ150の分解図を示す。いくつかの実施形態では、ステアリングアセンブリ150は、ステアリングホイール7、ステアリング部品25、および/または前輪4を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、ステアリングホイール7は、前輪4の方向を変えるためにユーザによって回されて、カート100が曲がることができる。いくつかの実施形態では、ステアリングホイール7を回すと、カート100を回転させることができる。いくつかの実施形態では、ステアリングホイール7は、少なくとも360度回すことができる。いくつかの実施形態では、ステアリングホイール7を回してカート100を時計回りおよび/または反時計回りの方向にスピンさせることができる。いくつかの実施形態では、ステアリングアセンブリ150は、ステアリングアセンブリ150(ステアリングホイール7を含む)を中立位置に戻すための付勢機構を含む。
【0069】
いくつかの実施形態において、ステアリングホイール7は、トップカバー14およびボトムカバー16を含むことができる。トップカバー14および/またはボトムカバー16は、リング形状とすることができる。しかし、正方形、長方形、または楕円形などの他の形状も考えられる。いくつかの実施形態では、トップカバー14および/またはボトムカバー16は互いに対応するように形作られる。
【0070】
トップカバー14およびボトムカバー16は、種々の連結手段を介して連結することができる。いくつかの実施形態では、トップカバー14およびボトムカバー16は、スナップ嵌合、ねじ嵌合、および/または圧入によって接続することができる。いくつかの実施形態では、トップカバー14がボトムカバー16に接続されると、ステアリングホイール7は中空構造を形成する。
【0071】
いくつかの実施形態では、トップカバー14および/またはボトムカバー16は対応する係合機構を含むことができる。例えば、図13は、トップカバー14の実施形態を示す、部分Aの拡大図を示す。図示のように、トップカバー14は、固定ブロック15を含む。固定ブロック15は、トップカバー14から外向きに延びる突起を形成することができる。
【0072】
図14は、ボトムカバー16の実施形態を示す、部分Bの拡大図を示す。図示のように、ボトムカバー16は、カードスロット17を含むことができる。カードスロット17は、ボトムカバーに開口部を形成することができる。カードスロット17は、固定ブロック15などのトップカバー14の少なくとも一部を受けるように構成することができる。いくつかの例では、固定ブロック15をカードスロット17内に延ばしてトップカバー14をボトムカバーに固定することができる。いくつかの実施形態では、カードスロット17は、固定ブロック15をカードスロット17内に固定して、ボトムカバー16をトップカバー14に保持および/または固定することができる。係合機構により、より簡単に組み立ておよび/または分解することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、ステアリングホイール7の少なくとも一部は、他の材料の中でも特にプラスチックを含む。プラスチック材料は、ステアリングホイール7の重量の軽減に役立つ。これは、カート100の全体重量の軽減に役立つ。このような構成は、上述のように、駆動負荷の軽減に役立ち、バッテリー寿命を拡大し、カート100の磨耗および傷を低減し、および/または部品の寿命を延ばすことができる。いくつかの構成はまた、カート100を形成するのに必要とされる材料の量の軽減に役立つ。
【0074】
いくつかの実施形態では、ステアリングホイール7は、ステアリングホイール7の中空内部空間内に配置されたインサート(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、インサートは、組み立てられるとトップカバー14とボトムカバー16との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、インサートは、トップカバー14およびボトムカバー16のうちの1つまたは複数の内面に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、インサートは、トップカバー14およびボトムカバー16の1つまたは複数の内面の少なくとも一部を包む。インサートは、ステアリングホイール7に追加の構造支持を提供することができる。いくつかの実施形態では、インサートは、ステアリングホイール7に追加の支持を提供するために金属および/またはプラスチックを含むことができる。いくつかの実施形態では、インサートは、他の材料の中でも、プラスチックで包まれた金属を含む。
【0075】
図12を参照すると、ステアリングホイール7は、ステアリング部品25によって前輪4と接続することができる。ステアリング部品25は、接続ラック22、接続ロッド19、および/またはフォーク20を含むことができる。
【0076】
いくつかの実施形態において、接続ラック22は、ボトムカバー16の少なくとも一部の内部空間内に配置することができる。いくつかの実施形態において、接続ラック22は、ボトムカバー16と一体的に形成される。いくつかの実施形態において、接続ラック22は、ボルト18などの機械的な留め具によって接続ロッド19と連結することができる。ボルト18は、ステアリングホイール7を接続ロッド19に固定することができる。いくつかの実施形態では、接続ラック22は、突起(図示せず)を含むことができる。突起は、以下により詳細に説明されるように、ステアリングアセンブリ150の1つ以上の他の部分と接続することができる。
【0077】
接続ロッド19は、とりわけ、円筒形、長方形、または正方形などの様々な形状を含むことができる。いくつかの実施形態では、接続ロッド19は、溝(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、接続ロッド19の溝は、接続ラック22の突起の少なくとも一部を受け入れることができる。いくつかの構成では、溝と突起との間の接続により、ステアリングホイール7を接続ロッド19に固定することができる。いくつかの実施形態では、溝と突出部との間の接続は、他の利点の中でも特に、ステアリングアセンブリ150の剛性を高め、および/または動作性能を高めるために、ステアリングアセンブリ150の構造に対する追加の支持を提供し得る。
【0078】
接続ロッド19は、フォーク20に接続することができる。いくつかの実施形態では、接続ロッド19は、フォーク20と一体的に形成される。フォーク20は、略U字形とすることができる。いくつかの実施形態では、フォーク20は、前輪4をステアリングホイール7に固定するために、前輪4の少なくとも一部を囲むことができる。いくつかの実施形態では、フォーク20は、第1の側および第2の側を含む。いくつかの実施形態では、フォーク20の第1の側および第2の側は、同じまたは類似の形状を含む。いくつかの実施形態では、フォーク20の第1の側と第2の側は、異なる形状を含む。いくつかの実施形態では、第2の側は、ほぼ平坦である。いくつかの実施形態では、フォーク20の第2の側は下方に延びる。いくつかの構成では、フォーク20の第1の側は、上部と下部を有する。いくつかの実施形態では、上部は、第2の側とほぼ平行である。いくつかの実施形態では、下部は、上部から離れるように外向きに延びる。いくつかの実施形態では、下部は、前輪4のハブモーター190の形状と一致するように輪郭付けされている。いくつかの実施形態では、第1の側は、第1組のプロングを含み、第2の側は、第2組のプロングを含む。第1組のプロングは、前輪4および/または車軸などのハブモーター190の一方の側を受容および/または固定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、第2組のプロングは、ハブモーター190の別の部分など、前輪4および/またはハブモーター190の別の側を受容および/または固定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、第1組のプロングの隣接するプロング間の凹部144は、第2組のプロングの隣接するプロング間の凹部142よりも狭くてもよい。いくつかの実施形態では、凹部144は、凹部142よりも小さい。いくつかの実施形態では、凹部144は、凹部142と同じかまたはそれより大きいサイズである。
【0079】
揺動防止機能
図15は、カート100の底面斜視図を示している。本体1の1つ以上の側面には、それぞれ、揺動防止機構180および/または回転防止機構180を設けることができる。いくつかの実施形態では、カート100が通常の動作(例えば、真っ直ぐに動いている)にある場合、揺動防止機構180は、走行面に接触および/または衝突しない。いくつかの実施形態では、カート100が走行面に対してほぼ水平および/または平行に配置され、前輪4および/または後輪154のうちの1つまたは複数によって支持される場合、揺動防止機構180が本体1から延び、走行面から離間する。カート100のこの状態では、揺動防止機構180は、カート100の動作に影響を及ぼさない。例えば、揺動防止機構は、走行面に沿って引きずられない。いくつかの実施形態では、カート100が左右に一定の角度で傾斜するまたは傾くと、1つまたは複数の揺動防止機構180が走行面と係合(例えば接触)することができる。これは、カート100が曲がるときに、カート100がさらに傾斜するまたは傾くこと、および転倒することを防止する。揺動防止機構180は、例えば、1つだけの前輪4および/または1つだけの後輪154を備えるカートに対して有利であり得る。揺動防止機構180から走行面までの選択された距離は、望ましい揺動防止角度に基づいて設計され得る。揺動防止機構180は、カート100の全体的な外観に影響を与えないように、本体1の底部に接続することができる。いくつかの実施形態では、揺動防止機構180の最下部は、例えば、図3および図4に示すように、前輪の直径以内にある。
【0080】
揺動防止機構180は、カート100の前方領域164に配置することができる。いくつかの実施形態では、揺動防止機構180は、カート100の後方領域160に配置される。いくつかの実施形態では、カート100が走行中に傾斜した場合、カート100の前方領域164は転倒する傾向がある。カート100が転倒するのを禁止または防止するために、揺動防止機構180をカート100の前方領域164に配置することができる。いくつかの変形例では、揺動防止機構180は、前輪4の少なくとも一部(例えば、車輪の前縁)の後ろにある距離を置いて配置することができる。いくつかの構成は、転覆を抑制、制限、または防止するだけでなく、カート100が前方に転倒するのを効果的に抑制、制限、または防止することができる。
【0081】
特定の用語
特定の用語は、参照の目的でのみ説明に使用されることがあり、したがって限定することを意図するものではない。例えば、「上」および「下」などの用語は、参照される図面中の方向を指す。「前」、「後」、「左」、「右」、「後」、および「側」などの用語は、議論中の構成要素または要素を説明している文章および関連する図面を参照することによって、このことは明らかにされる、一貫した任意の参照枠内の構成要素または要素の部分の向きおよび/または位置を表す。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、別々の構成要素を説明するために使用され得る。そのような用語は、上で具体的に言及された単語、それらの派生語、および同様の意味の単語を含み得る。
【0082】
特に明記しない限り、または文脈内で他の意味で理解されていない限り、本明細書で使用される条件付き言語、例えば、「ことができる」、「ことができた」、「してもよい」、「してもよい」等は、他の実施形態は含まないが、ある特定の特徴、要素および/または状態を含むことを一般に伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、および/または状態が、1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要であること、または1つまたは複数の実施形態が、著者の入力または動機の有無に関わらず、これらの特徴、要素および/または状態が、任意の特定の実施形態に含まれるかまたは実行されるかどうかを決定するための論理を含む必要があることを意味することを意図していない。
【0083】
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないと指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、アイテムへの言及は、1つ以上のアイテムへの言及を含む。「1」という用語は、1つ、2つ、またはそれ以上を指し、一般的に、量の一部または全部の選択に適用される。「複数」という用語は、2つ以上のアイテムを指す。「約」または「およそ」という用語は、量、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状および他の特性が厳密である必要はないが、許容可能な公差、変換係数、四捨五入、測定誤差、当業者に知られている他の要因などを反映して、近似および/またはより大きいまたは小さい場合があることを意味する。
【0084】
数値データは、本明細書では範囲フォーマットで表現または提示することができる。そのような範囲フォーマットは、単に便宜上および簡潔さのために使用され、したがって範囲の限界として明示的に列挙された数値だけでなく個々の数値のすべてを含むか、または各数値および部分範囲が明示的に記載されているかのようにその範囲内に包含される部分範囲と解釈されるべきである。例示として、「約1~5」の数値範囲は、約1~約5の明示的に列挙された値を含むだけでなく、示された範囲内の個々の値および部分範囲も含むと解釈されるべきである。したがって、この数値範囲に含まれるのは、2、3および4などの個々の値、ならびに「約1~約3」、「約2~約4」および「約3~約5」、「1~3」、「2~4」、「3~5」などの部分範囲である。この同じ原則は、1つの数値のみを列挙する範囲(例えば、「約1を超える」)にも当てはまり、範囲の幅または説明されている特性にかかわらず適用されるべきである。
【0085】
便宜上、複数の項目を共通のリストに提示することができる。ただし、これらのリストは、リストの各メンバーが個別の一意のメンバーとして個々に識別されているかのように解釈されるべきである。したがって、そのようなリストの個々のメンバーは、反対の指示がない限り、単に共通のグループにおけるその提示に基づいて、同じリストの他のメンバーの事実上の等価物として解釈されるべきではない。さらに、用語「および」および「または」が項目のリストと共に使用される場合、それらは、列挙された項目のうちの任意の1つまたは複数が単独でまたは他の列挙された項目と組み合わせて使用され得るという意味で広く解釈されるべきである。用語「代替的に」は、2つ以上の選択肢のうちの1つの選択を指し、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、選択をそれらの列挙された選択肢のみに、または一度に1つの選択肢に限定することを意図しない。
【0086】
本明細書で使用される「およそ」、「約」、および「実質的に」という用語は、依然として所望の機能を果たすかまたは所望の結果を達成する、述べられた量に近い量を表す。例えば、いくつかの実施形態において、文脈が指示し得るように、用語「およそ」、「約」、および「実質的に」は、記載された量の10%以内の量を指し得る。本明細書で使用される「一般的に」という用語は、特定の値、量、または特性を主に含む、またはそれに向かう傾向がある値、量、または特性を表す。例えば、文脈が示すように、「ほぼ平行」という用語は、正確に平行から15°以下離れたものを意味することがある。さらに、文脈が示すように、「ほぼ垂直」という用語は、正確に15°以下で垂直から逸脱しているものを意味することができる。さらに、文脈が示すように、「概ね整列した」という用語は、正確な整列から15°以下で逸脱した何かを意味することがある。
【0087】
全体として、請求項の言語は、請求項で使用されている言語に基づいて広く解釈されるべきである。特許請求の範囲の文言は、本開示において例示および説明されているか、または出願の審査中に論じられている非排他的な実施形態および例に限定されるべきではない。
【0088】
結論
上記の特定の実施形態および実施例に関連して様々なカートが開示されている。しかしながら、本開示は、具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替の実施形態および/または使用ならびにそれらの明白な改良および等価物に及ぶ。特に、カートは、例示的な実施形態の文脈で説明されてきたが、カートの特定の利点、特徴、および態様は様々な他の用途で実現され得る。開示された実施形態の様々な特徴および態様は、改良の様々な態様を形成するために互いに組み合わせることができ、または互いに置き換えることができる。本開示の範囲は、本明細書に記載の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではない。
【0089】
さらに、記載された実施形態の様々な態様および特徴は、別々に実施すること、一緒に組み合わせること、または互いの代わりに置き換えることができる。開示された特徴および態様の様々な組み合わせおよび部分的組み合わせがなされ得、これらはなお本開示の範囲内に含まれる。本開示において別々の実装の文脈で説明されている特定の特徴は、単一の実装において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、別々にまたは任意の適切な部分的組み合わせで複数の実施形態で実施することもできる。特徴は特定の組み合わせで作用するとして上述したが、請求された組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては組み合わせから切り取ることができ、組み合わせはあらゆる部分的組み合わせまたはあらゆる部分的組み合わせの変形として主張できる。
【0090】
いくつかの実施形態は、添付の図面に関連して説明されてきた。図は、一定の縮尺で描かれているが、示されたもの以外の寸法および比率が考慮されて本開示の範囲内にあるので、そのような縮尺は限定として解釈されるべきではない。距離、角度などは単に例示的なものであり、例示された装置の実際の寸法およびレイアウトと必ずしも正確な関係を有するわけではない。コンポーネントを追加、削除、および/または並べ替えることができる。さらに、様々な実施形態に関連した任意の特定の特徴、態様、方法、特質、特性、品質、属性、要素などの本明細書における開示は、本明細書に記載の他のすべての実施形態において使用することができる。さらに、本明細書に記載の任意の方法は、列挙した工程を実施するのに適した任意の装置を用いて実施することができる。
【0091】
要約すると、カートの様々な実施形態および例が開示されている。これらの実施形態および実施例に関連して改良が開示されているが、本開示は、具体的に開示された実施形態を超えて他の代替実施形態および/または実施形態の他の使用、ならびにその特定の改良および等価物に及ぶ。本開示は、開示された実施形態の様々な特徴および態様が互いに組み合わされ得るか、または互いの代わりになり得ることを明示的に企図する。したがって、本開示の範囲は、上記の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきである。
【符号の説明】
【0092】
1 カート本体
2 設置スロット
3 カバー本体
4 前輪
5 バッテリー
6 コントローラ
7 ステアリングホイール
8 座席
9 設置ラック
10 電源スイッチ
11 充電ポート
12 クランプ部材
13 ボルト
14 トップカバー
15 固定ブロック
16 ボトムカバー
17 カードスロット
19 接続ロッド
20 フォーク
21 ペダル
22 接続ラック
25 ステアリング部品
140 収納区画
141 収納区画
142 凹部
144 凹部
150 ステアリングアセンブリ
154 後輪
160 後方領域
162 中間領域
164 前方領域
167A 後部
167B 座席ベース
168 ベース
169 平坦部
170 突出部
170A 後面
170B 前面
170C 上面
180 揺動防止機構
190 ハブモーター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15