(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】骨内アクセスデバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20220502BHJP
【FI】
A61B17/34
(21)【出願番号】P 2019522481
(86)(22)【出願日】2017-10-27
(86)【国際出願番号】 US2017058863
(87)【国際公開番号】W WO2018081632
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-02
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ブランチャード,ダニエル・ビー
(72)【発明者】
【氏名】リンデクーゲル,エリック・ダブリュー
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0165403(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0220497(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00232600(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0312246(US,A1)
【文献】国際公開第2005/046769(WO,A2)
【文献】特開2006-341095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
A61B 17/56
A61M 25/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨内アクセスデバイスであって、
デバイス本体と、
前記デバイス本体に含まれるトロカール針と、
前記トロカール針に取り外し可能に配設される骨内カテーテルであって、前記デバイス本体が、前記アクセスデバイスのユーザが前記トロカール針の遠位先端を患者の身体の皮膚表面を通して前記患者の骨の外部表面まで手動で挿入するのを可能にするように構成される、骨内カテーテルと、
前記トロカール針の前記遠位先端が前記骨の前記外部表面まで挿入された後において、前記トロカール針及び骨内カテーテルを前記患者の前記骨の内部部分に選択的に遠位に前進させるように構成された前進機構と、を含
み、
前記骨内カテーテルは、ハブ及びカニューレを含み、前記ハブは、前記ハブの近位端から遠位端まで延びる内腔を有し、前記カニューレは、前記骨内カテーテルの縦長さを調整するのを可能にするように前記内腔内で前記ハブに対して摺動可能であり、
前記骨内カテーテルは、さらに、前記内腔内で前記ハブと前記カニューレの間に配置されるОリングを含む骨内アクセスデバイス。
【請求項2】
前記デバイス本体は、ピストルグリップ形状を含む、請求項1に記載のアクセスデバイス。
【請求項3】
前記前進機構は、前記トロカール針及び前記骨内カテーテルを遠位に前進させるための遠位前進力を提供する、請求項1に記載のアクセスデバイス。
【請求項4】
前記前進機構は、ばねを含み、前記ばねは、前記遠位前進力を提供する、請求項3に記載のアクセスデバイス。
【請求項5】
前記遠位前進力は、前記アクセスデバイスのユーザによって大きさが変更可能である、請求項3に記載のアクセスデバイス。
【請求項6】
前記遠位前進力は、調整構成要素を介してユーザにより変更可能である、請求項5に記載のアクセスデバイス。
【請求項7】
前記調整構成要素は、前記アクセスデバイスの前記本体に取り付けられた調整ダイヤルを含む、請求項6に記載のアクセスデバイス。
【請求項8】
前記前進機構は、ばねを含み、
前記調整構成要素は、前記トロカール針及び骨内カテーテルの遠位前進の前に、前記ばねの動作可能長さを変えるように構成される、請求項7に記載のアクセスデバイス。
【請求項9】
前記前進機構は、前記トロカール針及び前記骨内カテーテルを、所定の深さだけ、前記骨の前記内部部分に、遠位に前進させるように構成される、請求項1に記載のアクセスデバイス。
【請求項10】
前記前進機構は、解放トリガによって作動するように構成される、請求項1に記載のアクセスデバイス。
【請求項11】
前記アクセスデバイスは、安全スイッチを更に含み、前記安全スイッチは、前記解放トリガの不意な作動を防止するように構成される、請求項
10に記載のアクセスデバイス。
【請求項12】
前記前進機構は、前記
トロカール針を前記骨の骨内部分に遠位に前進させるように構成される、請求項1に記載のアクセスデバイス。
【請求項13】
前記アクセスデバイスは、前記骨内カテーテルを脛骨、胸骨、及び、上腕骨のうちの少なくとも1つの中に配置するように構成される、請求項1に記載のアクセスデバイス。
【請求項14】
前記トロカール針は、前記アクセスデバイスの使用前に、前記デバイス本体から遠位に延びる、請求項1に記載のアクセスデバイス。
【請求項15】
前記骨内カテーテルは、ハブ、剛性遠位部分、及び、前記ハブ及び前記剛性遠位部分間に介在する可撓性カテーテル部分、を含み、前記剛性遠位部分は、前記前進機構による前記トロカール針及び前記骨内カテーテルの前進の後で、前記骨の前記外部表面を通して配設されるように構成される、請求項1に記載のアクセスデバイス。
【請求項16】
前記前進
機構は、前記デバイス本体の内部に配設される、請求項
1に記載のアクセスデバイス。
【請求項17】
前記デバイス本体は、前記アクセスデバイスの使用前に前記トロカール針を覆うように構成される入れ子式部分を含む、請求項
1に記載のアクセスデバイス。
【請求項18】
前記デバイス本体は、前記骨内カテーテルが前記骨の前記内部部分に挿入されて前記トロカール針が前記患者から取り外された後において、前記トロカール針を覆うように構成される入れ子式部分を含む、請求項
1に記載のアクセスデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2016年10月27日に出願された「Intraosseous Access Device」と題する米国仮特許出願第62/413,879号の利益を主張し、その全体を参照によって本明細書に組み込む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
[0002]簡潔に要約すると、本実施形態は、骨内カテーテルを骨の内部部分に挿入するように構成されたアクセスデバイスに関する。そういったアクセスは、ある種の状況において、骨の内部骨内部分への薬剤の急速注入を可能にするために、望まれており、薬剤は、その後に身体内に迅速に吸収される場合がある。説明する実施形態に従って、本明細書に開示するアクセスデバイスは、骨内カテーテルを、所定の距離だけ、骨内部に挿入することができ、公知の骨内デバイスと対照的に、デバイスのユーザがカテーテルの遠位先端を必要に応じて骨内領域内に正確に配置するのを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]1つの実施形態では、骨内アクセスデバイスが開示されており、デバイス本体と、デバイス本体に含まれるトロカール針と、トロカール針に取り外し可能に配設される骨内カテーテルと、を含む。デバイス本体は、アクセスデバイスのユーザが、トロカール針の遠位先端を、患者の身体の皮膚表面を通して、患者の骨の外部表面まで、手動で挿入するのを可能にするように構成される。前進機構が同様に開示されており、トロカール針の遠位先端が骨の外部表面まで挿入された後において、トロカール針及び骨内カテーテルを、患者の骨の内部部分に、選択的に遠位に前進させるように構成される。
【0004】
[0004]上に加えて、他のアクセスデバイス及び骨内カテーテル構成が開示される。
[0005]本発明の実施形態のこれらや他の特徴については、以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろうし、或いは、以下に記載するように本発明の実施形態を実施することによって習得されることがある。
【0005】
[0006]本開示のより具体的な説明については、添付の図面に例示されるその特定の実施形態を参照することによって提供される。これらの図が、本発明の典型的な実施形態を示しているだけであり、したがって、その範囲を限定していると考えるべきではない、ということを理解されたい。本発明の実施形態例については、添付する図面の使用を通じて更に具体的かつ詳細に説明及び解説をする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】[0007]1つの実施形態に係る骨内アクセスデバイスの側面図である。
【
図2A】[0008]
図1に示すものなどのアクセスデバイスの使用の様々な段階を示す図である。
【
図2B】[0008]
図1に示すものなどのアクセスデバイスの使用の様々な段階を示す図である。
【
図2C】[0008]
図1に示すものなどのアクセスデバイスの使用の様々な段階を示す図である。
【
図2D】[0008]
図1に示すものなどのアクセスデバイスの使用の様々な段階を示す図である。
【
図3A】[0009]1つの実施形態に係る骨内カテーテルの様々な図である。
【
図3B】[0009]1つの実施形態に係る骨内カテーテルの様々な図である。
【
図3C】[0009]1つの実施形態に係る骨内カテーテルの様々な図である。
【
図3D】[0009]1つの実施形態に係る骨内カテーテルの様々な図である。
【
図4】[00010]1つの実施形態に係る骨内カテーテルの側断面図である。
【
図5A】[00011]1つの実施形態に係るアクセスデバイスの使用の様々な段階を示す図である。
【
図5B】[00011]1つの実施形態に係るアクセスデバイスの使用の様々な段階を示す図である。
【
図5C】[00011]1つの実施形態に係るアクセスデバイスの使用の様々な段階を示す図である。
【
図5D】[00011]1つの実施形態に係るアクセスデバイスの使用の様々な段階を示す図である。
【
図6】[00012]1つの実施形態に係る骨内カテーテルの側断面図である。
【
図7】[00013]
図6のカテーテルの配置を示す側断面図である。
【
図8】[00014]
図6のカテーテルの一部分の側断面図である。
【
図9A】[00015]
図6のカテーテル及びそれに使用されるアクセスデバイスの様々な図である。
【
図9B】[00015]
図6のカテーテル及びそれに使用されるアクセスデバイスの様々な図である。
【
図10】[00016]1つの実施形態に係る骨内アクセスデバイスの側断面図である。
【
図11】[00017]1つの実施形態に係る骨内アクセスデバイスの側断面図である。
【
図12】[00018]1つの実施形態に係る骨内アクセスデバイスの側断面図である。
【
図13】[00019]1つの実施形態に係る骨内カテーテルの側断面図である。
【
図14】[00020]
図13のカテーテルの一部分の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[00021]以下、同様の構造は同様の参照符号を備えて提供される図面を参照されたい。図面が本開示の例示的な実施形態の図解図及び概略図であって、限定でもなく必ずしも実際の縮尺通りに描かれてもいない、ということを理解されたい。
【0008】
[00022]明確にするために、理解すべきことは、単語「近位」が、本明細書で説明することになっているデバイスを使用する臨床医に相対的により近づく方向を指し、他方、単語「遠位」が、臨床医から相対的により遠ざかる方向を指す、ということである。例えば、患者の身体内に配置されるカテーテルの端部は、カテーテルの遠位端部とみなし、他方、身体の外側に残っているカテーテル端部は、カテーテルの近位端部である。同様に、単語「含む(including)」、単語「有する」、及び、単語「有している」は、特許請求の範囲を含めて本明細書で使用するとき、単語「含む(comprising)」と同じ意味を有するものとする。
【0009】
[00023]本開示の実施形態は、全体として、骨内カテーテルを骨の内部部分に挿入するように構成されたアクセスデバイスに関する。そういったアクセスは、ある種の状況において、骨の内部骨内部分への薬剤の急速注入を可能にするために、望まれており、薬剤は、その後に身体内に迅速に吸収されることができる。説明する実施形態に従って、本明細書に開示するアクセスデバイスは、骨内カテーテルを、所定の距離だけ、骨内部に挿入することができ、公知の骨内デバイスと対照的に、デバイスのユーザがカテーテルの遠位先端を必要に応じて骨内領域内に正確に配置するのを可能にする。
【0010】
[00024]
図1は、1つの実施形態に係る全体を10で示した骨内アクセスデバイス(「アクセスデバイス」)の様々な詳細を示す。アクセスデバイス10は、取り外し可能にそれに含まれる、骨内カニューレとも呼ばれる、骨内カテーテル(「カテーテル」)20を備えて示される。更なる詳細は、以下で与えられるが、本実施形態では、カテーテル20は、ハブ42と、近位端部44A及び遠位端部44B間に延びる取り付け済みカニューレ44と、を一般的に含む。カニューレ44は、アクセスデバイス10から遠位に延びて遠位端部38Aで終端するトロカール針(「トロカール」)38を覆って摺動可能に受けられる。
【0011】
[00025]図示されるように、アクセスデバイス10は、近位端部30A及び遠位端部30B間に延びる本体30を含む。本実施形態では、本体30は、アクセスデバイス10のユーザによる把持に適したピストルグリップを画定するために、多くの他の適切な本体用の形状が可能であるが、形状付けされる。
【0012】
[00026]本体30は、アクセスデバイス10の使用中に、それに含められるトロカール38及びカテーテル20を遠位方向に選択的に前進させるように構成された前進機構を収容する。本実施形態では、前進機構は、本体30の内部に実装されてトロカール38に動作可能に連結される内部ばねを含む。ばねは、トロカール38を本体30に対して遠位に前進させるように、解放トリガ36などのアクチュエータによって選択的に解放可能である。これは、更に下で説明するように、それに含められるトロカール38及びカテーテル20を患者の骨の中に駆動するのを可能にする。
図1に例示するように、安全スイッチ34が同じく含められており、ユーザによる解放トリガ36の不意な作動を防止するように構成される。本実施形態では、安全スイッチ34は、解放トリガ36に隣接して位置決めされており、例えば、解放トリガがユーザの指によって作動されるのを可能にするためには、摺動などによってその元の位置から移動させなければならない。勿論、他の安全スイッチ構成や解放トリガ構成が採用される場合もある。
【0013】
[00027]
図2A~
図2Dは、1つの実施形態に係るカテーテル20を患者の骨に挿入するときのアクセスデバイス10の使用の様々な段階を示す。明確にするために、ユーザの手は、図から省略してある。
図2Aに示すように、ユーザは、アクセスデバイスの本体30を把持しており、手動の力を介して、患者の皮膚表面50及び皮下組織52を通して、トロカール38の遠位先端38Bを方向付け、それは、トロカールの遠位先端が骨の壁(「骨壁」)54に衝突するまで続く。その時点で、安全スイッチ34が、ユーザによって係合解除され、解放トリガ36が、ユーザの指によって押し下げられ、それが次に、引き起こすことは、
図2Bから理解されるように、内部ばね(又は他の適切な前進機構)が、トロカール遠位先端38Bを遠位に駆動して、骨壁54を通して骨の内部の骨髄56の中に至ることである。これは、必要に応じて、カテーテルカニューレ44の遠位先端44Bを骨髄56の中に配置もする。留意すべきは、前進機構としての内部ばねが、トロカール及びカテーテルを前進させるための選択的手段の一例として機能する、ということである。理解されることは、他の構造及び構成要素が、他の実施形態で、ドリル、化学もしくは他の装薬、制御式の爆発性装薬、等々を含めて、同じ機能性を提供するために採用される場合がある、ということである。
【0014】
[00028]留意すべきは、アクセスデバイス10及び前進機構が、カニューレ遠位先端44Bを、所定の距離だけ、骨の中に前進させるように構成される、ということである。1つの実施形態では、所定の距離は、様々な他の考えられる深さが可能であるが、骨の中で約0.635cm(0.25インチ)から約2.54cm(1インチ)まで変わる場合がある。所定の深さの変化は、異なった厚さの骨にアクセスするときに必要とされることがある。1つの実施形態では、深さダイヤルなどの深さセレクタが、アクセスデバイス本体30に含められる場合がある。そういった深さダイヤルの場合、ユーザは、前進機構がカニューレ44の遠位先端44Bを前進させるであろう所望の深さを選択することができる。そういった実施形態の深さダイヤルは、深さダイヤルの設定によってトロカール38及びカテーテル20の対応する前進を達成するように、ばねの作動前圧縮を変えることができる。他の実施形態では、他の制御は、所定の所望の深さによってばね又は他の前進機構の作動を変えるために採用される場合がある。更に他の実施形態では、アクセスデバイス10は、トロカール38及びカテーテル20を1つの事前設定した深さまで挿入するように構成される場合がある。
【0015】
[00029]
図2Cでは、トロカール38は、アクセスデバイス本体30を近位に引くことによって、カテーテル20のカニューレ44から引き出され、こうして、カテーテル20からのアクセスデバイス10の分離を引き起こす。アクセスデバイス10の引き出し後に、カニューレ44は、図示されるように、所定位置にとどまってその遠位先端44Bが骨髄56の内部に配設される。留意すべきは、その時点でカテーテルハブ42が皮膚表面50から離隔される、ということである。
図2Dでは、更に詳細に下で解説するように、カテーテル20は、調整され、したがって、ハブ42は、皮膚表面50に隣接する。同じく、延長セット60が、薬剤又は他の流体が、カテーテル20を通して、また、カテーテルカニューレ44を介して骨髄56の中に、注入されるのを可能にするように、ハブ42に動作可能に取り付けられて示されている。
【0016】
[00030]
図3A~
図3Dは、1つの実施形態に係るカテーテル20の様々な詳細を示しており、ハブ42は、ベース部分64及びコネクタ部分66を画定し、延長セット60がカテーテルと動作可能に連結するのを可能にするように構成される。ハブ42は、流体経路を画定するためにカニューレ44と協働する内腔68を含み、カテーテルを通る流体の通行を可能にする。示すように、カニューレ44は、この実施形態ではステンレス鋼、PEEK、又は他の適切な金属/熱可塑性プラスチック/材料などの十分な剛性の材料を含んでおり、ハブ42に対して摺動可能であり、したがって、カテーテル20の全長が、
図3Bに示すようなカニューレ遠位先端の深い配置用の比較的長い長さと、
図3Cに示すようなカニューレ遠位先端の浅い配置用の比較的短い長さと、に調整されるのを可能にする。それは、次に、
図2Dに示すように、カニューレ44の遠位先端44Bの深さに関係なく、カテーテル20のハブ42が皮膚表面50に当接するのを可能にする。調整可能でない場合、カテーテルは、
図2Cに示されるものと同様の、ハブ42が皮膚表面50から離隔される状況を呈することができる。
【0017】
[00031]さらに詳細には、ハブ42からのカニューレ44の伸長における変更は、ハブ42のベース部分64とカニューレ44の外側表面との間の内腔68の中に介在するOリング70によって可能にされ、それが今度は、カニューレが、ハブ内腔の中を流体密の配置構成で長手方向に摺動するのを可能にする。理解されることは、Oリング70がハブ42の内腔68の中の他の位置に位置する場合があること、しかも、他の流体シール形式がOリングに加えて利用される場合があること、である。
図3Dは、本実施形態において、カニューレ44が、ハブ42の中に引かれる場合があり、したがって、ハブのコネクタ部分66を越えて延長セット60の中に延び、こうして、カテーテル20の長手方向全長の更なる短縮化を可能にする、ということを示す。
【0018】
[00032]
図4は、他の実施形態に係るカテーテル20を示しており、カニューレ44は、入れ子式に相互に嵌り合う第1のカニューレ部分44A及び第2のカニューレ部分44Bを含み、2つのOリング70は、第1のカニューレ部分44A及び第2のカニューレ部分44Bの間と、第1のカニューレ部分とハブベース部分64の内腔68との間と、に介在し、2つのカニューレ部分が、相互に対して及びハブベース部分に対して、伸長及び収縮するのを可能にする。そういった入れ子式の構成は、カテーテル20の長手方向全長の著しい変更を可能にする場合がある。同じく、図示されるように、第1及び第2のカニューレ部分の近位端部は、カニューレ部分が完全に延びるときに、カニューレ部分の、それぞれからの分離及びハブからの分離、を防止する径方向に延びるリップ部を含む。他のゲージサイズが可能であるが、本実施形態では、第1のカニューレ部分44Aは、15ゲージサイズであり、他方、第1のカニューレ部分の内側に嵌合する第2のカニューレ部分44Bは、18ゲージサイズである。理解されることは、1つ、2つ、又はそれより多くの入れ子式部分が採用される場合がある、ということである。
【0019】
[00033]
図5Aは、1つの実施形態に係るアクセスデバイス10の様々な特徴及び動作を示しており、本体30は、アクセスデバイスの使用前にトロカール38を最初に覆う入れ子式部分を含む。アクセスデバイス10の使用中に、
図5Aに示すように、ユーザは、アクセスデバイスの本体30を把持して、その遠位端部30Bを皮膚表面50に対して配置する。トロカール38の遠位先端38Bは、その後に手動の押圧を介して患者の皮膚表面50及び皮下組織52を通して挿入され、それは、
図5Bに示すように、トロカールの遠位先端が骨の壁(「骨壁」)54に衝突するまで続く。留意すべきは、この動作が、本体からトロカール38が延び得るように、アクセスデバイス本体30の入れ子式部分74が本体のより近位の部分の中に引き込まれることを引き起こす、ということである。同じく、理解されることは、この動作によって、トロカール38の周りに配設されるカテーテルカニューレ44が、最初にカテーテルハブ42の内部に少なくとも部分的に後退して、次いで、骨壁54に向かってトロカールが遠位に延びるように遠位に延びることである。
図3A~
図3D及び
図4に示すカテーテル20の構成は、他のカテーテル構成も可能であるが、
図5A~5Dに示すアクセスデバイスの実施形態で利用され得る適切なカテーテル構成の例である。議論してきたように、アクセスデバイス本体30の入れ子式部分74によるトロカール38の最初の保護は、アクセスデバイス本体からのトロカールの伸長前のユーザによるトロカールとの不意な接触を防止する。1つの実施形態では、アクセスデバイス本体の入れ子式部分は、単に、アクセスデバイスの使用後にトロカールを覆う。
【0020】
[00034]この時点で、安全スイッチ34は、ユーザによって係合解除され、解放トリガ36は、ユーザの指によって押し下げられ、それが今度、引き起こすことは、
図5Cから理解されるように、内部ばね(又は他の適切な前進機構)が、トロカール遠位先端38Bを遠位に駆動して、骨壁54を通して骨の骨髄56の中に至ることである。これは、必要に応じて、カテーテルカニューレ44の遠位先端44Bを骨髄56の中に配置もする。留意すべきは、ハブ42の長手方向に伸長可能な性質のおかげで、ハブが、
図5A~
図5Dから理解されるように、カテーテル挿入手順の開始において及びその間中、皮膚表面50に当接する、ということである。
【0021】
[00035]
図2A~
図2Dに関連して示して議論した実施形態と同様に、アクセスデバイス10及び前進機構は、カニューレ遠位先端44Bを、所定の距離だけ、骨の中に前進させるように構成される。この及び他の実施形態では、理解されることは、所定の距離が、本明細書で議論しているように、ユーザの選択に応じて様々にすることができ、しかも、アクセスデバイスが、アクセスデバイスの使用前に事前決定されていない距離だけ骨の中にカテーテルを前進させることができるように構成できる、ということである。
【0022】
[00036]
図5Dでは、トロカール38は、アクセスデバイス本体30を近位に引くことによって、カテーテル20のカニューレ44から引き出され、こうして、カテーテル20からのアクセスデバイス10の分離を引き起こす。アクセスデバイス本体30が近位に引かれるので、入れ子式部分74は、カテーテル20からのその取り外し時に、遠位に延びて、トロカール38を完全にカバー及び保護し、こうして、ユーザに対する不注意な針の突き刺しを防止する。1つの実施形態では、干渉する表面が、
図5Dから理解されるように、入れ子式部分74及びカテーテル20の両方に含められる場合があり、入れ子式部分の遠位の伸長に役立つ。他の実施形態では、入れ子式部分74は、ユーザによって手動で伸長される場合がある。
【0023】
[00037]アクセスデバイス10の引き出し後に、カニューレ44は、図示されるように、所定位置にとどまってその遠位先端44Bが骨髄56の内部に配設される。留意すべきは、カテーテルハブ42が必要に応じて皮膚表面50に対して所定位置にとどまる、ということである。カテーテル20は、手入れされ(dressed)、延長セット60と連結され、またはその他の方法で、骨髄56の中にカテーテルカニューレ44を介して流体を注入する準備が行われる場合がある。
【0024】
[00038]
図6~
図8は、1つの実施形態に係るアクセスデバイス10で採用される場合のあるカテーテル120の例の詳細を示す。図示されるように、カテーテル120は、近位端部に、延長セットと動作可能に連結するように構成されたハブ122を含み、また、遠位端部に、近位端部124A及び遠位端部124B間に延びる剛性カニューレ部分124を含む。可撓性カテーテル部分126は、ハブ122及びカニューレ部分124間に動作可能に連結し、本実施形態ではカニューレ部分の近位端部124Aと重なり合う。流体通路として機能する内腔128は、ハブ122、カニューレ部分124、及び、カテーテル部分126によって画定される。カニューレ部分124は、座屈や圧壊を伴わずに骨を貫通するのに十分な剛性の材料を含み、それはステンレス鋼、PEEK、又は、他の金属や熱可塑性プラスチックを含む他の適切な材料などである。ハブ122及びカテーテル部分126は、1つの実施形態では、適切な熱可塑性プラスチックや他の材料を含む。
【0025】
[00039]
図7は、カテーテル120が採用される様式を示しており、カニューレ部分は、骨壁54を貫通して挿入されて示され、したがって、その近位端部124Aは、骨壁の外部に存在し、その遠位端部124Bは、骨髄56に配設される。カテーテル部分126の遠位セグメントは、骨壁54及び皮膚表面50間に延び、他方、カテーテルの残りの部分は、患者の外側に存在する。本実施形態では、摺動式のエルボ部片150が、カテーテル管126を覆うように配設されて示される。使用中に、エルボ部片は、カテーテル管126に沿って摺動し、患者の身体から出る時点でカテーテル管を皮膚表面50に適合させるのに役立つように位置決めされる場合がある。エルボ部片は、そういったカテーテル管126の適合に役立つために、90度又は他の角度の曲げ部を含む場合がある。
【0026】
[00040]同じく留意すべきは、
図7がカニューレ部分124が皮膚表面50を貫いて外に延びているのを示しているが、1つの実施形態では、カニューレ部分124が、患者の身体内部に完全に配設される場合があり、このとき、カテーテル管126の遠位部分が皮膚表面の下に同じく配設される、ということである。
【0027】
[00041]
図8は、本実施形態では、カニューレ部分124の近位端部124Aに取り付けられた固定ワイヤ130が、カテーテル部分126の内腔128を通って近位方向にハブ122まで延びて、その場所でそれらが固定される、ということを示す。固定ワイヤ130は、必要な強度を提供し、カニューレ部分124が、カテーテル120の残部からの分離を伴わずに、骨壁54から引かれるのを可能にする。留意すべきは、1つの実施形態では、固定ワイヤ130がカテーテル部分126の壁の中に一体化される場合がある、ということである。他の実施形態では、固定ワイヤ130は、1つ、2つ、又はそれより多く含められる場合がある。更に他の実施形態では、固定ワイヤ130は、ハブ122の近位端部を越えて延出する。他の実施形態では、固定ワイヤは、例えば、固定リボンなどの他の形式を採る場合がある。これらや他の変形態様は、それ故に企図される。
【0028】
[00042]
図9Aは、カテーテル120がアクセスデバイス10のトロカール38に装填される、その様式を示す。
図9Bは、1つの実施形態のトロカール38が、カテーテル120がトロカールに配設されるときに近位端部124Aに当接する肩部134を含む場合がある、ということを示す。これは、カテーテル配置の完了後にトロカールがカテーテルから容易に引き出されることを依然として可能にしながら、アクセスデバイス30の使用中に骨壁54を通して骨髄56の中にカテーテル124を前進させるための押圧すべき表面をトロカール38に提供する。留意すべきは、肩部の特定場所、サイズ、及び、他の構成が、示されて本明細書で説明されるものから変わる場合がある、ということである。
【0029】
[00043]
図9Aは、深さを調整するように構成された調整構成要素の詳細を更に示しており、その深さまで前進機構がトロカール38の遠位先端38B及びカテーテル120を前進させる(留意すべきは、調整構成要素についての本議論が本明細書の他の実施形態に適用され得る、ということである)。示すように、ばね140は、アクセスデバイス本体30の内部に含められて前進機構として構成され、遠位前進力をトロカール38にその近位端部38Aを介して提供する(本明細書の他の実施形態と同様)。調整構成要素は、ここでは回転調整ダイヤル142として具現化され、アクセスデバイス本体30の表面に配設され、アクセスデバイスのユーザによって所定の深さを選択するために可動であり、その深さまで、トロカール38の遠位先端38B、そして、それに相応して、カテーテル120の遠位先端124Bは、ばね140によって前進する。本実施形態では、調整ダイヤル142は、ばね140の作動前の長さを変更するように構成される1つ又は複数の制御アーム144に動作可能に連結される。それは、今度は、作動前にばね140に蓄えられた位置エネルギを減少又は増加させ、こうして、骨の中へのトロカール38及びカテーテル120の比較的浅め又は深めの前進を提供する。これに加えて、他の調整構成要素及び前進機構が、他の実施形態において採用される場合がある。
【0030】
[00044]上に鑑みて、理解されることは、ばね140がトロカール及びカテーテルを前進させるための選択的な手段の一例として機能する、ということである。留意すべきは、ばね140が、ユーザによってトリガや他の適切な構成要素を介して選択的に作動されるので選択的と考えられる、ということである。理解されることは、他の構造及び構成要素が、他の実施形態において同じ機能性を提供するために採用される場合がある、ということである。
【0031】
[00045]
図10は、1つの実施形態に係る骨内アクセスデバイス(「アクセスデバイス」)210の詳細を示しており、細長い本体230を含み、その内側には、骨内カニューレとも呼ばれる骨内カテーテル(「カテーテル」)220が配設される。前述のように、カテーテル220は、ハブ242を含み、そこから遠位にカニューレ244が延びる。本実施形態のカテーテル220は、示したように、トロカール針(「トロカール」)248を覆うように摺動式に配設されてカートリッジ246の内部に受容され、カートリッジ自体は、アクセスデバイス本体230の内部に配設される。
【0032】
[00046]アクセスデバイス210は、アクセスデバイス210の使用中に、それに含められるトロカール248及びカテーテル220を遠位方向に選択的に前進させるように構成された前進機構を更に含む。本実施形態では、前進機構は、第1のばね252を選択的に作動させるように構成された第1のトリガ250としてここに実装される第1のアクチュエータと、第2のばね262を選択的に作動させるように構成された第2のトリガ260としてここに実装される第2のアクチュエータと、を含む。第1のばね252は、比較的弱い力のばねであり、力を、第1のトリガ250による(例えば、第1のトリガを遠位方向に手動で押し下げることによって)作動時に、提供するように構成され、カテーテル包含カートリッジ246を、アクセスデバイス本体230の遠位端部の外に、所定の距離だけ、遠位に前進させる。この動きは、アクセスデバイス210の使用中に、患者の皮膚表面及び組織を通して、骨壁まで、トロカール248及びカテーテル220を前進させるために、採用される。留意すべきは、本実施形態では、カートリッジ246の遠位端部が、カテーテル220を遠位に前進させるために第1のトリガ250の作動後に皮膚表面に当接する、ということである。
【0033】
[00047]対照的に、第2のばね262は、比較的強い力のばねであり、力を、第2のトリガ260による(例えば、第2のトリガを近位方向に手動で引くことによって)作動時に、提供するように構成され、カテーテル220を、カートリッジ246の開いた遠位端部から、更に所定の距離だけ、遠位に前進させる。この動きは、アクセスデバイス210の使用中に、骨壁を通して、患者の骨髄の中に、トロカール248及びカテーテル220の遠位端部を前進させるために、採用される。比較的強い力のばね262の使用は、トロカール248及びカテーテル220が比較的堅くて剛性のある骨壁を貫通するのを可能にするために、必要である。いったんカテーテル220の遠位端部が患者の骨髄中の所定位置にあると、トロカールは、ユーザがアクセスデバイス本体230を近位に引くことによって、患者の身体から引き出すことができる。
【0034】
[00048]理解されることは、第2のばね262が、トロカール248及びカテーテル220を前進させるための選択的な手段の一例として機能し、こうして、必要な力の量を適用して、上で説明した患者の骨壁の貫通を引き起こすように構成される、ということである。第2のばね262は、ユーザによってトリガや他の適切な構成要素を介して作動されるので選択的と考えられる。理解されることは、他の構造及び構成要素が、他の実施形態において同じ機能性を提供するために採用される場合がある、ということである。留意すべきは、第1及び第2のばね252、262が骨の中への異なった所定の距離までのトロカール248/カテーテル220の貫通を引き起こすように構成される場合がある、ということである。1つの実施形態では、アクセスデバイスは、第1及び第2のばねが各ばねのための単一の所定深さまでの貫通を引き起こすように構成される。他の実施形態では、アクセスデバイスは、トロカール/カテーテルの貫通の量を変更するために、1つ又は複数のばねの力を調整する能力を含む。これらや他の変形態様は、それ故に企図される。
【0035】
[00049]
図11は、他の実施形態に係るアクセスデバイス210を示しており、第1のトリガ250及び第2のトリガ260の両方が、第1のばね252及び第2のばね262をそれぞれ作動させるために、手動で近位方向に引かれるトリガとして構成される。留意すべきは、
図11が、第1のトリガ250を手動で近位に引くことによる第1のばね252の作動後(カテーテル220がアクセスデバイス本体230の開いた遠位端部から部分的に延びる)であるが、第2のトリガ260を手動で近位に引くことによる第2のばね262の作動(カテーテルの更なる遠位距離の突出を引き起こす)前のアクセスデバイス210の構成を示す、ということである。1つの実施形態では、理解されることは、アクセスデバイスが、第1のばね、第2のばね、又は、両ばねの作動が自動的に実行できるように構成される場合がある、ということである。同様に、1つの実施形態では、比較的強い第2のばねは、比較的弱めの第1のばねの内部(例えば、同心状など)に嵌合するためにサイズ決めされる場合がある。他の実施形態では、第1のばねは、第2のばねの内部に受容されるためにサイズ決めされる。
【0036】
[00050]
図12は、他の実施形態に係る前進機構の詳細を示しており、アクセスデバイス本体230は、その内部表面に複数のラチェット歯270を画定し、ラチェット歯は、2つの径方向に延びる係合アーム272と係合するように構成され、係合アームは、カテーテル220を保持するカートリッジ246の近位部分に含められる。この配置構成は、カートリッジ246及び含められたカテーテル220が、アクセスデバイス本体230の中に後退する能力を有することなく、段階的に遠位に前進するのを可能にする。留意すべきは、ラチェット構成要素が、形状、サイズ、位置、及び、他の構成について、示されて本明細書で説明されるものから変わる場合がある、ということである。
【0037】
[00051]
図13及び
図14は、1つの実施形態に係る骨内カテーテル320の詳細を示しており、ハブ342と、そこから遠位に延びる細長いカニューレ344と、を含む。カテーテル320は、
図13では患者の内部の所定位置に示され、カニューレ344の遠位先端は、骨髄56まで延びている。内腔350は、カテーテル320によって画定され、骨髄56への薬剤や他の流体の注入を可能にする。
【0038】
[00052]
図14は、カテーテル320が全長について調整可能であることを示す。これに鑑みて、本実施形態では、ハブ342は、空洞354と、空洞への開口356と、を画定する摺動管を含む。それに相応して、カニューレ344は、開口356を通して受容され、その近位端部において、径方向に延びるリム358を含み、リムは、空洞354内部で近位/遠位に摺動するように構成され、こうして、全縦長さが空洞内部のリムの位置に応じて変わるのを可能にする。シール360は、開口356のまわりに配置され、カニューレ及び開口間の流体密シールを確実にする。このように、カテーテル320は、骨深さやユーザの選択に応じて所望の長さに変えることができる。必要に応じて、ハブ342は、ハブが皮膚表面に当接するのを可能にするためにカテーテル320の調整が行われた後で、皮膚表面50に接着される場合がある。
【0039】
[00053]本発明の実施形態は、本開示の精神から逸脱せずに、他の特定の形態で具現化されることがある。説明した実施形態は、すべての点で単なる例証であって限定ではないと考えるべきである。実施形態の範囲は、それ故に、前述の説明によって、というよりむしろ、添付の特許請求の範囲によって、示される。特許請求の範囲についての等価の意味及び範囲に入るすべての変更は、それらの範囲の範囲内に包含されるべきである。
本発明は、以下の態様を含む。
1.骨内アクセスデバイスであって、
デバイス本体と、
前記デバイス本体に含まれるトロカール針と、
前記トロカール針に取り外し可能に配設される骨内カテーテルであって、前記デバイス本体が、前記アクセスデバイスのユーザが前記トロカール針の遠位先端を患者の身体の皮膚表面を通して前記患者の骨の外部表面まで手動で挿入するのを可能にするように構成される、骨内カテーテルと、
前記トロカール針の前記遠位先端が前記骨の前記外部表面まで挿入された後において、前記トロカール針及び骨内カテーテルを前記患者の前記骨の内部部分に選択的に遠位に前進させるように構成された前進機構と、を含む骨内アクセスデバイス。
2.前記デバイス本体は、ピストルグリップ形状を含む、上記1.に記載のアクセスデバイス。
3.前記前進機構は、前記トロカール針及び前記骨内カテーテルを遠位に前進させるための遠位前進力を提供する、上記1.に記載のアクセスデバイス。
4.前記前進機構は、ばねを含み、前記ばねは、前記遠位前進力を提供する、上記3.に記載のアクセスデバイス。
5.前記遠位前進力は、前記アクセスデバイスのユーザによって大きさが変更可能である、上記3.に記載のアクセスデバイス。
6.前記遠位前進力は、調整構成要素を介してユーザにより変更可能である、上記5.に記載のアクセスデバイス。
7.前記調整構成要素は、前記アクセスデバイスの前記本体に取り付けられた調整ダイヤルを含む、上記6.に記載のアクセスデバイス。
8.前記前進機構は、ばねを含み、
前記調整構成要素は、前記トロカール針及び骨内カテーテルの遠位前進の前に、前記ばねの動作可能長さを変えるように構成される、上記7.に記載のアクセスデバイス。
9.前記前進機構は、前記トロカール針及び前記骨内カテーテルを、所定の深さだけ、前記骨の前記内部部分に、遠位に前進させるように構成される、上記1.に記載のアクセスデバイス。
10.前記所定の深さは、調整構成要素を介して調整可能である、上記9.に記載のアクセスデバイス。
11.前記前進機構は、解放トリガによって作動するように構成される、上記1.に記載のアクセスデバイス。
12.前記アクセスデバイスは、安全スイッチを更に含み、前記安全スイッチは、前記解放トリガの不意な作動を防止するように構成される、上記11.に記載のアクセスデバイス。
13.前記前進機構は、前記骨内カテーテルの遠位先端を前記骨の骨内部分に遠位に前進させるように構成される、上記1.に記載のアクセスデバイス。
14.前記アクセスデバイスは、前記骨内カテーテルを脛骨、胸骨、及び、上腕骨のうちの少なくとも1つの中に配置するように構成される、上記1.に記載のアクセスデバイス。
15.前記トロカール針は、前記アクセスデバイスの使用前に、前記デバイス本体から遠位に延びる、上記1.に記載のアクセスデバイス。
16.前記前進機構は、ドリル、化学系装薬、及び、ばねのうちの少なくとも1つを含む、上記1.に記載のアクセスデバイス。
17.前記骨内カテーテルは、ハブ、剛性遠位部分、及び、前記ハブ及び前記剛性遠位部分間に介在する可撓性カテーテル部分、を含み、前記剛性遠位部分は、前記前進機構による前記トロカール針及び前記骨内カテーテルの前進の後で、前記骨の前記外部表面を通して配設されるように構成される、上記1.に記載のアクセスデバイス。
18.前記骨内カテーテルは、ハブ及びカニューレを含み、前記カニューレは、前記骨内カテーテルの縦長さを調整するのを可能にするように前記ハブに対して摺動可能である、上記1.に記載のアクセスデバイス。
19.骨内アクセスデバイスであって、
デバイス本体と、
前記デバイス本体に含まれるトロカール針であって、
前記トロカール針に取り外し可能に骨内カテーテルが配設され、前記デバイス本体が、前記アクセスデバイスのユーザが前記トロカール針の遠位先端を患者の身体の皮膚表面を通して前記患者の骨の外部表面まで挿入するのを手動で可能にするように構成される、とロカール針と、
前記トロカール針の前記遠位先端が前記骨の前記外部表面まで挿入された後において、前記トロカール針及び骨内カテーテルを、前記患者の前記骨の内部部分に、前進させる選択的な手段と、を含むアクセスデバイス。
20.前記前進させる選択的な手段は、前記デバイス本体の内部に配設される、上記19.に記載のアクセスデバイス。
21.前記デバイス本体は、前記アクセスデバイスの使用前に前記トロカール針を覆うように構成される入れ子式部分を含む、上記19.に記載のアクセスデバイス。
22.前記デバイス本体は、前記骨内カテーテルが前記骨の前記内部部分に挿入されて前記トロカール針が前記患者から取り外された後において、前記トロカール針を覆うように構成される入れ子式部分を含む、上記19.に記載のアクセスデバイス。
23.前記前進させるための選択的な手段は、前記ユーザによる作動時に遠位前進力を前記トロカール針及び前記骨内カテーテルに付与するように構成されたばねを含む、上記19.に記載のアクセスデバイス。
24.前記前進させる選択的な手段は、解放トリガを介して作動されるように構成される、上記19.に記載のアクセスデバイス。
25.骨内カテーテルであって、
ハブと、
剛性遠位部分と、
前記ハブ及び前記剛性遠位部分間に介在する可撓性カテーテル部分と、を含み、前記剛性遠位部分が患者の壁の骨壁に配設されるように構成され、前記可撓性カテーテル部分の一部分が前記患者の外部に存在するように構成される、骨内カテーテル。
26.前記可撓性カテーテル部分に摺動可能に配設され、前記可撓性カテーテル部分を所定の角度で曲げるように構成されるエルボ部片と、
前記剛性遠位部分から前記ハブまで近位に延びる固定ワイヤであって、前記固定ワイヤが、前記患者からの前記カテーテルの取り外し中に、前記剛性遠位部分が前記患者の前記骨壁から引いて取り外されるのを可能にするように構成される、固定ワイヤと、
を更に含む、上記25.に記載のカテーテル。
27.前記カテーテルは、アクセスデバイスによって、前記患者の骨壁の中に挿入されるように構成され、
前記アクセスデバイスは、前記カテーテルをその上に受容するように構成されるトロカール針を含み、
前記トロカール針は、前記カテーテルの前記剛性遠位部分の近位部分と係合して前記カテーテルを遠位に前進させるように構成される肩部分を含む、上記25.に記載のカテーテル。
28.骨内アクセスデバイスであって、
デバイス本体と、
前記デバイス本体に含まれるトロカール針と、
前記トロカール針に取り外し可能に配設される骨内カテーテルと、
前記トロカール針の遠位先端及び前記カテーテルを、皮膚表面を通して患者の骨の外部表面まで、遠位に前進させるのに十分である第1の遠位前進力を提供するように構成される第1の前進部材と、
前記第1の前進部材が前記トロカールの前記遠位先端及び前記カテーテルを前記骨の前記外部表面まで前進させた後において、前記トロカール針の前記遠位先端及び前記カテーテルを、前記骨の前記外部表面を通して、遠位に前進させるのに十分である第2の遠位前進力を提供するように構成される第2の前進部材と、
を含む、骨内アクセスデバイス。
29.前記第1の前進部材は、第1のばねであり、
前記第2の前進部材は、第2のばねであり、
前記第2のばねによって提供される前記第2の遠位前進力は、前記第1のばねによって提供される前記第1の遠位前進力に対して大きさがより大きい、上記28.に記載のアクセスデバイス。
30.前記第1のばねは、第1のトリガによって作動され、
前記第2のばねは、第2のトリガによって作動される、上記29.に記載のアクセスデバイス。
31.前記第1のトリガ及び前記第2のトリガの少なくとも一方は、ユーザによって提供される近位に方向付けられた手の力を介して作動される、上記30.に記載のアクセスデバイス。