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特許7065865気体流を生成して液体の自動的に制御された体積に通して処理するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】気体流を生成して液体の自動的に制御された体積に通して処理するための装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/78 20060101AFI20220502BHJP
   F24F 12/00 20060101ALI20220502BHJP
   B01D 53/44 20060101ALI20220502BHJP
   B01D 53/50 20060101ALI20220502BHJP
   B01D 53/56 20060101ALI20220502BHJP
   B01D 53/60 20060101ALI20220502BHJP
   B01D 53/70 20060101ALI20220502BHJP
   B01D 53/72 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
B01D53/78 ZAB
F24F12/00
B01D53/44 120
B01D53/50 270
B01D53/56 200
B01D53/60 200
B01D53/70 200
B01D53/72 200
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019543780
(86)(22)【出願日】2018-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 EP2018053021
(87)【国際公開番号】W WO2018146123
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2021-01-19
(31)【優先権主張番号】1751104
(32)【優先日】2017-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516175434
【氏名又は名称】スタルクラブ
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ゼムーリ, ジャウアド
【審査官】長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/071648(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0008820(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/14-53/18
B01D 53/34-53/85
B01D 53/92
B01D 53/96
F24F 3/12-3/167
F24F 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体流(F)を生成して処理するための装置であって、その装置が、交換閉鎖容器(2)を含み、交換閉鎖容器(2)が、気体流を放出するための少なくとも一つの第一放出開口(2b)、交換閉鎖容器(2)の前記第一放出開口(2b)が交換閉鎖容器に含まれる液体の体積(V)の表面(S)の上に位置されながら交換閉鎖容器(2)がこの液体の体積(V)を含むことができるように交換閉鎖容器に液体(L)を供給するための手段(3;4)、交換閉鎖容器(2)に含まれる液体(L)を放出するための手段(3;5)、及び空気圧伝達手段(6)を有し、空気圧伝達手段(6)が、操作時に、吸引又は吹付によって交換閉鎖容器(2)の外側から来る流入気体流(F)を作ることができ、この流入気体流(F)が液体の体積(V)の表面(S)の下で、交換閉鎖容器(2)に含まれる液体の体積(V)中に導入され、かつ前記液体の体積(V)との直接接触によって処理された流出気体流(F′)が交換閉鎖容器の内側で上昇し、交換閉鎖容器(2)の放出開口(2b)の通過によって前記交換閉鎖容器(2)から放出される、装置において、前記装置が、流出気体流(F′)中で測定される第一操作パラメーター(Xout)を測定するための第一手段(7)、又は交換閉鎖容器(2)に含まれるもしくは交換閉鎖容器(2)から来る液体中の化合物の濃度(CLout)を測定するか又は交換閉鎖容器(2)に含まれるもしくは交換閉鎖容器(2)から来る液体のpH(pHout)を測定する第一操作パラメーター(Xout)を測定するための第一手段(7′)をさらに含むこと、及び前記装置が、少なくとも第一操作パラメーター(Xout)に依存して交換閉鎖容器中の液体の高さ(h)を自動的に調整するように交換閉鎖容器の供給手段(3;4)及び交換閉鎖容器の放出手段(3;5)を自動的に制御するための電子制御手段(9)を含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
第一操作パラメーター(Xout)が、液体の体積の上で交換閉鎖容器(2)中で測定された圧力(Pout)である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第一操作パラメーター(Xout)が、流出気体流(F′)の温度(Tout)である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
第一操作パラメーター(Xout)が、流出気体流(F′)中の成分の濃度(Cout)である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
装置が、流出気体流(F′)の外側で第二操作パラメーター(Xin)を測定するための第二手段(8;8′)をさらに含み、電子制御手段(9)が、第二操作パラメーター(Xin)にも依存して交換閉鎖容器(2)中の液体の高さ(h)を自動的に調整するように交換閉鎖容器(2)の供給手段(3;4)及び交換閉鎖容器(2)の放出手段(3;5)を自動的に制御することができる、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
第二測定手段(8)が、流入気体流(F)において前記第二操作パラメーター(Xin)を測定することができる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
第二操作パラメーター(Xin)が、流入気体流(F)で測定された圧力(Pin)である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
第二操作パラメーター(Xin)が、流入気体流(F)の温度(Tin)である、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
第二操作パラメーター(Xin)が、流入気体流(F)中の成分の濃度(Cin)である、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
第二操作パラメーター(Xin)が、交換閉鎖容器(2)の外側の液体中の化合物の濃度(CLin)である、請求項5に記載の装置。
【請求項11】
第二操作パラメーター(Xin)が、交換閉鎖容器(2)の外側の液体のpH(pHin)、特に交換閉鎖容器(2)中への導入前の新しい液体におけるpH(pHin)である、請求項5に記載の装置。
【請求項12】
電子制御手段(9)が、第一操作パラメーター(Xout)と第二操作パラメーター(Xin)の間の差に依存して交換閉鎖容器(2)の供給手段(3;4)及び交換閉鎖容器(2)の放出手段(3;5)を自動的に制御することができる、請求項5~11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
交換閉鎖容器(2)の液体供給手段(3;4)が、液体(L)の供給源(3)を含み、交換閉鎖容器(2)の底部が、少なくとも一つの液体取入開口(2a)を含み、液体供給源(3)中に沈められている、請求項1~12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
液体の供給源(3)が、液体の上の供給源(3)における圧力(Pin)が流入気体流(F)における圧力に等しいように封止される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
電子制御手段(9)が、液体のpH及び/又は液体中の化合物の濃度及び/又は液体の温度のような、交換閉鎖容器(2)から来るもしくは交換閉鎖容器(2)の液体中で測定されたパラメーター及び/又は交換閉鎖容器(2)中に導入する前の新しい液体中で測定されたパラメーターに依存して、及び/又は気体流の温度又は気体流中の成分の濃度のような、流入気体流(F)中で測定されたパラメーター及び/又は流出気体流(F′)中で測定されたパラメーターに依存して、交換閉鎖容器(2)中の液体の連続的又は不連続的な更新を可能にするように閉鎖交換容器の供給手段(3;4)及び閉鎖交換容器の放出手段(3;5)を自動的に制御することができる、請求項1~14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
装置の交換閉鎖容器(2)に含まれる液体の体積中に流入気体流(F)を通すことによって処理された少なくとも一種の気体流(F′)を生成するための請求項1~15のいずれかに記載の少なくとも一つの装置の使用。
【請求項17】
流入気体流(F)を濾過及び/又は浄化及び/又は冷却及び/又は加熱するための請求項16に記載の使用。
【請求項18】
燃焼から生じる流入気体流(F)又は工業煙霧を含有する流入気体流(F)、又はNO(酸化窒素)、VOC(揮発性有機化合物)、SO(酸化硫黄)、PAH(多環芳香族炭化水素)、CO、CO、NH、及びクロラミンから選択される化合物の少なくとも一種を含む気体流を処理するための請求項16又は17に記載の使用。
【請求項19】
工業煙霧を含有する流入気体流(F)が高温工業煙霧である請求項18に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体流を生成して、液体の体積を自動調整しながら液体の体積に通過させて気体流を処理することに関する。それは、様々な分野で適用可能であり、例えば網羅的でないが、気体流中の熱量の回収、特に熱空気流又は産業煙霧中の熱量の回収、前記液体の体積を通過すると加熱又は冷却される気体流の生成、温度が制御されかつ/又は絶対湿度が制御される気体流の生成、気体流の加湿又は除湿、気体流の浄化又は濾過、液体との化学反応による気体流の処理、サイトもしくは産業、サービスセクター又は家屋の加熱又はエアコンディショニング、又はサイトもしくは産業、サービスセクター又は家屋の湿度測定の制御で適用可能である。
【背景技術】
【0002】
気体流と液体を直接接触するように配置して、液体と気体の間の熱交換によって気体流を処理、特に加熱又は冷却するための液体、例えば水の使用は、古い技術であり、それは、特に冷却剤のタイプの熱伝達液を使用することを避けるので環境に優しいという利点を有する。気体流、特に空気流の加熱又は冷却は、例えば制御された温度を有する気体流を生成することを意図されることができるか、及び/又は制御された絶対湿度を有する気体流を生成することを意図されることができる。
【0003】
この技術を実施するための第一の既知の解決策は、気体流を液体の微細な滴のカーテンに通すか、もしくは気体透過性であり液体を含有する交換表面、例えば水を吸収した繊維材料に通すか、もしくは湿潤したプレートに接触して気体流を循環させることにある。このタイプの解決策の主な欠点は、液体と気体流の間の熱交換の極めて低いエネルギー収率、及び得られることができる空気流速の低さにある。
【0004】
第二の既知の解決策は、気体流、特に空気流を、交換閉鎖容器に含まれる液体の体積に直接通すことにあり、それは、空気流を液体の体積中に前記液体の体積の表面の下に注入することによって行なう。このタイプの解決策は、例えば国際特許出願WO2006/138287及び米国特許US4697735(図3)に記載されている。このタイプの解決策はまた、国際特許出願WO2015/086979及びWO2016/071648に記載されている。この第二の技術的解決策は、液体と気体流の間の熱交換のエネルギー収率を第一の技術的解決策における収率より高くすることができる利点を持つ。
【0005】
この第二の技術的解決策では、気体流と液体の体積の間の熱交換は、気体流が通過する液体の高さに依存する。この液体の高さが高いほど、この熱交換が大きくなるだろう。例えば、液体が気体流を加熱又は冷却するために使用されるとき、交換閉鎖容器中の液体高さが高いほど、気体流と液体の間の単位時間あたりに交換される熱量が大きくなる。液体が気体流中の化合物を捕獲するために使用されるとき、交換閉鎖容器中の液体高さが高いほど、液体中の単位時間あたりに捕獲される化合物の量が大きくなる。
【0006】
一部の用途では、交換閉鎖容器の入口の気体流における圧力及び/又は交換閉鎖容器の出口の気体流における圧力は、制御されない態様で変動し、それは、この圧力変動を補償する交換閉鎖容器中の液体の高さの変動を自動的に起こす。この液体高さの変動は、装置の操作点の変化を生じ、交換閉鎖容器中の液体の体積と気体流の間の熱交換は、制御されない態様で有害に変更される。
【0007】
一部の用途では、たとえ交換閉鎖容器の入口の気体流における圧力及び交換閉鎖容器の出口の気体流における圧力が経時的に一定であるとしても、例えばそれを最適にするためには、装置の操作点を変動できること、従って気体流と液体の体積の間の熱交換のレベルを変動できることは有用でありうる。
【0008】
より一般的な方法では、気体流を生成して、交換閉鎖容器に含まれる液体の体積に気体流を通すことによって処理するための装置の操作点を自動調整する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の一つの目的は、気体流を生成し、交換閉鎖容器に含まれる液体に通過させることによって気体流を処理し、装置の操作点を自動調整することを可能にする新しい技術的解決策を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、気体流を生成して処理するための装置であって、その装置は、気体流を放出するための少なくとも一つの第一放出開口、交換閉鎖容器の前記第一放出開口が交換閉鎖容器に含まれる液体の体積の表面の上に位置されながら交換閉鎖容器がこの液体の体積を含むことができるように交換閉鎖容器に液体を供給するための手段、交換閉鎖容器に含まれる液体を放出するための手段、及び空気圧伝達手段を有する交換閉鎖容器を含み、空気圧伝達手段が、操作時に、交換閉鎖容器の外側から来る流入気体流を吸引又は吹付によって作ることができ、流入気体流が液体の体積の表面の下で、交換閉鎖容器に含まれる液体の体積中に導入され、前記液体の体積との直接接触によって処理された流出気体流が交換閉鎖容器の内側で上昇し、交換閉鎖容器の放出開口の通過によって前記交換閉鎖容器から放出される装置に関する。
【0011】
本発明によれば、前記装置は、流出気体流中で測定される第一操作パラメーター(Xout)を測定するための第一手段、又は交換閉鎖容器に含まれるもしくは交換閉鎖容器から来る液体中の化合物の濃度(CLout)を測定するか、又は交換閉鎖容器に含まれるもしくは交換閉鎖容器から来る液体のpH(pHout)を測定する第一操作パラメーター(Xout)を測定するための第一手段をさらに含むこと、及び前記装置が、特に前記装置の作動中に、少なくとも第一操作パラメーター(Xout)に依存して交換閉鎖容器中の液体の高さ(又は換言すれば液体のレベル)を自動的に調整するように交換閉鎖容器の供給手段及び交換閉鎖容器の放出手段を自動的に制御するための電子制御手段を含むことを特徴とする。
【0012】
特に、しかし任意選択的に、本発明によれば、本発明の装置は、請求項2~15のいずれかの記載に従って規定された以下の追加の任意選択的な技術的特徴を個々に又は組み合わせて含むことができる。
【0013】
本発明はまた、装置の交換閉鎖容器に含まれる液体の体積に通過させることによって処理された少なくとも一つの気体流を生成するための上で言及した少なくとも一つの装置の使用に関する。
【0014】
特に、本発明は、流入気体流を濾過及び/又は浄化及び/又は冷却及び/又は加熱するための上で言及した少なくとも一つの装置の使用に関する。
【0015】
特に、本発明は、燃焼から生じる流入気体流又は工業煙霧を含有する流入気体流、特に高温工業煙霧、又はNO(酸化窒素)、VOC(揮発性有機化合物)、SO(酸化硫黄)、PAH(多環芳香族炭化水素)、CO、CO、NH、及びクロラミンから選択される化合物の少なくとも一種を含む気体流を処理するための上で言及した少なくとも一つの装置の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の特徴及び利点は、添付図面を参照して本発明の幾つかの特定の実施形態の以下の詳細な記述を読むことから明らかになるだろう。その特定の実施形態は、本発明の限定されないかつ網羅的でない例である。
図1図1は、本発明による第一装置の概略図である。
図2図2は、本発明による第二装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
気体流を生成して処理するための本発明による装置の幾つかの例が以下に詳細に記載されるだろう。前記装置は、液体の体積に通すことによって気体流を処理することが有用である全ての用途に使用されることができる。従って、前記装置は、極めて広い分野、例えば網羅的でないが、気体流における熱量の回収、特に熱空気流又は産業煙霧における熱量の回収、前記液体の体積に通すと加熱又は冷却される気体流の生成、温度が制御されかつ/又は絶対湿度が制御される気体流の生成、気体流の加湿又は除湿、気体流の浄化又は濾過、気体流が通過した液体との化学反応による気体流の処理、サイト又は産業、サービスセクター、家屋の加熱又はエアコンディショニング、サイト又は産業、サービスセクター、家屋の湿度測定の制御に使用されることができる。生成された気体流はまた、いかなるタイプの物体又は表面を冷却、加熱、加湿又は除湿するために使用されることができる。
【0018】
図1の特定の実施形態を参照すると、気体流を生成して処理するための装置1Aは、交換閉鎖容器2、及び液体浴L、例えば水を含有するタブ3の形の液体の供給源を含む。
【0019】
本発明は、液体Lとして水の使用に限定されず、いずれの他のタイプの液体の使用にも及ぶ。限定されない網羅的でない例によれば、ある用途では、大気圧での凝固温度が0℃より低い液体L、例えば塩、炭水化物、グリコール又はアルコール添加物を含有する水を使用することが有利でありうる。また、液体Lとして油を使用することが有利でありうる。
【0020】
特に、図1のこの変形例では、タブ3は、タブ3に含まれる液体浴Lが交換閉鎖容器2に対する外部圧力から分離され、例えば装置1Aが外気中にある時に大気圧から分離されるように気密態様で閉じられる。
【0021】
別の変形例では、タブ3は、交換閉鎖容器2の外側の液体の体積が例えば大気圧であるように開放されることができる。
【0022】
各交換閉鎖容器2の底部20の下面は、開放されており、従って液体取入開口2aを形成する。各交換閉鎖容器2の底部20は、液体の十分なレベルでタブ3を満たすことによって、各交換閉鎖容器2の底部20がタブ3に含まれる液体浴に沈められ、かつ各交換閉鎖容器2の沈められた部分が液体の体積Vを含有するようにタブ3中に位置づけられる。
【0023】
交換閉鎖容器2は、その上部において、気体流の少なくとも一つの放出開口2bを含み、その開口は、交換閉鎖容器2に含まれる液体の体積Vの上に位置される。
【0024】
タブ3への新しい液体の供給のために、装置1Aは、液体浴の上に、タブ3中に開口する液体供給導管40を含む新しい液体供給手段4をさらに含み、液体供給導管40は、タブ3への新しい液体の供給を制御するための供給弁41を備えている。この変形例では、タブ3及びタブ3に液体を供給するための手段4は、交換閉鎖容器2のための液体供給手段を形成する。
【0025】
装置1Aは、タブ3に含まれる液体浴の表面の下で、その底部に、タブ3の内側と連通する放出導管50を有する放出手段5をさらに含み、放出導管50は、タブ3から外への液体の放出を制御するための放出弁51を備えている。この変形例では、タブ3及び放出手段5は、交換閉鎖容器2に含まれる液体を放出するための手段を形成する。
【0026】
別の実施形態(図示せず)では、例えば国際特許出願WO2015/086979に記載されるように、交換閉鎖容器の底部は、タブ3に沈められるのではなく、前記交換閉鎖容器は、底部を閉じられ、タブ3を使用せずにパイプによって液体を直接供給されることができる。
【0027】
装置1Aはまた、空気圧伝達手段6を含み、空気圧伝達手段6は、操作時に、交換閉鎖容器2の外側から来る流入気体流Fを作ることができ、流入気体流Fは、液体の体積Vの表面Sの下で、交換閉鎖容器2に含まれる液体の体積V中に導入され、前記液体の体積との直接接触によって処理された流出気体流F′は、交換閉鎖容器2の内側で上昇し、交換閉鎖容器2の放出開口2bを通過することによって交換閉鎖容器2から外に放出される。
【0028】
図1の特定の例では、空気圧伝達手段6は、操作時に、交換閉鎖容器2の外側から来る流入気体流Fを吸引によって作ることができる。別の変形例では、空気圧伝達手段6は、操作時に、吹付によって前記流入気体流Fを作ることができる。
【0029】
図1の特定の例では、これらの空気圧伝達手段6は、ファン60を含み、その取入口60aは、交換閉鎖容器2の放出開口2bに接続されている。
【0030】
ファン60は、例えば遠心ファン、又はいずれかの既知のタイプの気体コンプレッサー、例えば軸流ファン、ポンプなどであることができる。
【0031】
空気圧伝達手段6はまた、液体の体積Vの表面Sの下で、交換閉鎖容器2に含まれる液体の体積V中に流入気体流Fを導入するための注入手段61を含む。
【0032】
図1の特定の例では、これらの注入手段61は、交換閉鎖容器2内に位置された垂直注入導管610を含み、垂直注入導管610は、上部に気体流取入開口610a、下部に気体流放出開口610bを含む。取入開口610aは、交換閉鎖容器2の外側に位置された気体流取入パイプ611と連通する。前記取入パイプは、気体流取入開口611aを含む。
【0033】
本発明によれば、この取入開口611aは、例えば外気に開放されてもよく、又は気体流Fが捕獲されるいずれかの設備又はいずれかの装置に接続されてもよい。
【0034】
ファン60が作動しているとき、交換閉鎖容器2の内側は、減圧される。ファン60が作動しているとき、交換閉鎖容器2の外側で液体浴Lの上のタブ3における圧力は、タブ3の封止された囲いのため、注入導管610の入口の流入気体流Fの圧力Pinに等しい。この圧力Pinは、交換閉鎖容器2における液体の体積の上の圧力Poutより大きい。
【0035】
交換閉鎖容器2におけるこの圧力差ΔP(ΔP=Pin-Pout)(図4)は、交換閉鎖容器2における液体のレベル(図1/高さh)の上昇、及び交換閉鎖容器2の外側のタブ3中の液体のレベル(図1/高さH)の減少をもたらす。
【0036】
交換閉鎖容器2における液体の体積V及び液体のレベルhは、この圧力差ΔPに依存する。
【0037】
ファン60が作動しているとき、それは、注入導管610の取入開口610aを通って交換閉鎖容器2の注入導管610に入る流入気体流Fを吸引する。この流入気体流F(未処理)は、注入導管610の沈められていない部分中に導入され、注入導管610の沈められた底部の放出開口610bを通過し、液体の体積Vの表面Sの下で、交換閉鎖容器2の沈められた底部に含まれる液体の体積V中に導入される。交換閉鎖容器2に含まれる前記液体の体積と直接接触することによって処理された流出気体流F′は、注入導管610の外側の交換閉鎖容器2の内側で上昇し、交換閉鎖容器の放出開口2bを通過することによって前記交換閉鎖容器から外に放出される。この流出気体流F′は、ファン60によって吸引され、気体流F″の形で放出される(図1)。
【0038】
用途によって、このファン60の空気出口60bは、例えば外気に開放してもよく、又は気体流F″が別の装置又は別の設備に送られ、外気中に放出されないようにパイプ(図示せず)に接続されてもよい。
【0039】
閉鎖容器2中の液体の体積Vの温度が液体の体積V中に導入される前の気体流Fの温度と異なるとき、顕熱及び潜熱によって気体と液体の間で熱交換が起こる。
【0040】
液体の体積の温度TLiquidが液体の体積中に導入される前の気体流Fの初期温度TInitialより低いとき、気体流F′が冷却される。特に、流出気体流F′の温度は、低下され、例えば液体の体積の温度TLiquidと実質的に等しくすることができる。その結果、装置1Aからの流出気体流F′が流入気体流Fに対して必ず除湿され、流出気体流F′における絶対湿度(空気の体積あたりの水の重量)が流入気体流Fの絶対湿度より必ず低くなる。
【0041】
逆に、液体の体積の温度TLiquidが初期温度TInitialより高いとき、流出気体流F′は、加熱され、例えば液体の体積の温度TLiquidに実質的に等しい温度であることができる。その結果、装置1Aからの流出気体流F′が流入気体流Fに対して必ず加湿され、流出気体流F′における絶対湿度(空気の体積あたりの水の重量)が流入気体流Fの絶対湿度より必ず高くなる。
【0042】
一部の用途では、装置1Aは、流入気体流Fを液体の体積Vに通過させることによって流入気体流Fを濾過又は浄化するために使用されることができる。装置1Aはまた、流入気体流Fを液体の体積Vに通過させることによって、流入気体流Fによって移動された一種以上の化合物を凝縮又は蒸発するために使用されることができる。用途によって、液体の体積の温度は、流入気体流Fの温度より高く又は低くすることができ、又は流入気体流Fの温度に実質的に等しくすることができる。液体の体積の温度が流入気体流Fの温度に実質的に等しいとき、装置1Aの出口で生成される流出気体流F′は、加熱又は冷却されなかったものであり、流入気体流Fと実質的に同じ温度である。
【0043】
図1の変形例では、ファン60は、吸引によって気体流F及びF′を作ることを可能にする。別の変形例では、ファン60は、吸引によってではなく、吹付によってこれらの気体流F及びF′を作るように注入導管610の取入開口610aに接続されてもよい。
【0044】
図1を参照すると、装置1Aは、流出気体流F′において(この場合には液体Lの体積の上の交換閉鎖容器2において)測定される第一操作パラメーターXoutを測定するための第一手段7を含む。
【0045】
装置1Aは、流入気体流Fにおいて(この場合には注入導管610の取入開口610aの近くの取入パイプ611において)測定される第二操作パラメーターXinを測定するための第二手段8を含む。
【0046】
装置1Aはまた、装置の操作時に、一般に少なくとも前記第一操作パラメーターXout、例えば少なくとも一つの設定値Xに依存して、交換閉鎖容器2における液体の高さh(又は換言すれば液体のレベル)を自動的に調整するように供給手段4及び放出手段5を自動的に制御することができる電子制御手段9を含む。
【0047】
特に電子制御手段9は、第二操作パラメーターXinにも依存して、好ましくは差Xout-Xin(絶対値又は代数値)に依存して、交換閉鎖容器2における液体の高さhを自動的に調整するように供給手段4及び放出手段5を自動的に制御することができる。
【0048】
例えば、XoutがXより大きいとき、又は差Xout-Xin(絶対値)がXより大きいとき、電子制御手段9は、交換閉鎖容器2における液体のレベルhを増加するように供給手段4を自動的に制御する。逆に、XoutがXより小さいとき、又は差Xout-Xin(絶対値)がXより小さいとき、電子制御手段9は、交換閉鎖容器2における液体のレベルhを減少するように放出手段5を自動的に制御する。
【0049】
多くの用途では、交換閉鎖容器2の入口の気体流Fにおける圧力Pin及び/又は交換閉鎖容器2の出口の気体流F′における圧力Poutは、制御されない態様で変動することができ、それは、制御手段9のない場合にはこの圧力変動を補償する交換閉鎖容器2における液体の高さhの変動を自動的に起こす。この液体高さの変動は、装置の操作点の変化を生じ、交換閉鎖容器における液体の体積と気体流の間の熱交換は、制御されない態様で有害的に変更される。同様に一部の用途では、最適にするために、たとえ交換閉鎖容器2の入口の気体流における圧力Pin及び交換閉鎖容器2の出口の気体流における圧力Pout)が経時的に一定であっても、装置の操作点を変動できること、従って気体流と液体の体積の間の熱交換のレベルを変動できることが有用でありうる。
【0050】
従って、第一実施形態では、第一操作パラメーターXoutは、処理された気体流F′における圧力Pout(Xout=Pout)であることができ、第二操作パラメーターXinは、流入気体流Fにおける圧力Pin(Xin=Pin)であることができ、第一測定手段7及び第二測定手段8は、例えばピトープローブである。
【0051】
圧力Pout、特に圧力差Pout-Pinに依存して交換閉鎖容器2における液体の高さhを自動的に調整することによって、装置の操作点、従って閉鎖容器2における液体と流入気体流Fの間の熱交換の品質がPin及びPout圧力にかかわらず常に一定であることが確実にされる。
【0052】
第二変形例では、第一操作パラメーターXoutは、処理された気体流F′で測定された温度Tout(Xout=Tout)であってもよく、第二操作パラメーターXinは、流入気体流Fで測定された温度Tin(Xin=Tin)であってもよく、第一測定手段7及び第二測定手段8は、この場合において温度プローブである。
【0053】
第三変形例では、第一操作パラメーターXoutは、処理された気体流F′で測定された(化学的又は粒状)成分の濃度Cout(Xout=Cout)であってもよく、第二操作パラメーターXinは、流入気体流Fで測定されたこの成分の濃度Cin(Xin=Cin)であってもよく、第一測定手段7及び第二測定手段8は、この場合においてこの成分を検出するためのプローブである。
【0054】
限定されない網羅的でない例によれば、燃焼煙霧、特に産業煙霧から構成される気体流の処理の場合では、化学成分は、酸化窒素(NO)であることができ、交換閉鎖容器における液体の体積は、これらの酸化窒素を捕獲するために使用される。他の用途では、液体で捕獲される化学化合物は、限定されない網羅的でない態様でVOC(揮発性有機化合物)、SO(酸化硫黄)、PAH(多環芳香族炭化水素)、CO、CO、NH、及びクロラミンから選択されることができる。
【0055】
図2は、本発明の別の装置1Bを示し、それは、以下の使用によって図1の装置1Aとは異なる:
- 交換閉鎖容器2に含まれる液体中で測定される第一操作パラメーター(Xout)を測定するための第一手段7′;
- 交換閉鎖容器2の外側のタブ3に含まれる液体中で測定される第二操作パラメーター(Xin)を測定するための第二手段8′。
【0056】
別の変形例では、第一操作パラメーター(Xout)は、交換閉鎖容器2から来る液体中で測定されることができる。
【0057】
別の変形例では、第二操作パラメーター(Xin)は、タブ3中に導入する前、従って交換閉鎖容器2中に導入する前、例えば弁41の下流又は上流の供給導管40中で測定されることによって新しい液体中で測定されることができる。
【0058】
本発明の文脈では、この第一操作パラメーター(Xout)は、交換閉鎖容器2に含まれる液体中の化合物の濃度(CLout)であってもよく、第二操作パラメーターは、交換閉鎖容器2の外側の液体中の化合物の濃度(CLin)であってもよい。
【0059】
本発明の文脈では、この第一操作パラメーター(Xout)は、交換閉鎖容器2に含まれる液体のpH(pHout)であってもよく、第二操作パラメーターは、交換閉鎖容器2の外側の液体のpH(pHin)であってもよく、第一測定手段7′及び第二測定手段8′は、この場合においてpH測定プローブである。
【0060】
本発明の改良された変形例では、交換閉鎖容器2中の液体の高さhを調整することに加えて、電子制御手段9はまた、液体のpH及び/又は液体中の化合物の濃度及び/又は液体の温度のような、交換閉鎖容器2から来る又は交換閉鎖容器2の液体中で測定されたパラメーター及び/又は交換閉鎖容器2中への導入前の新しい液体で測定されたパラメーターに依存して、及び/又は気体流中の成分の濃度又は気体流の温度のような、流入気体流Fで測定されたパラメーター及び/又は流出気体流F′で測定されたパラメーターに依存して、好ましくは装置の操作時に、交換閉鎖容器2中の液体の連続的又は不連続的な更新を可能にするように弁41及び51を自動的に制御するように設計され、例えばプログラムされることができる。
図1
図2