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特許7065876低速取得データ・リンクを有する3次元超音波イメージング及び関連する装置、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】低速取得データ・リンクを有する3次元超音波イメージング及び関連する装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20220502BHJP
【FI】
A61B8/14 ZDM
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019553411
(86)(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 EP2018058044
(87)【国際公開番号】W WO2018178220
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】62/478,827
(32)【優先日】2017-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ウィリアム ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ポーランド マッキー ダン
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-050648(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0161904(US,A1)
【文献】国際公開第2016/028787(WO,A1)
【文献】特表2017-530744(JP,A)
【文献】特開2012-223352(JP,A)
【文献】米国特許第05976088(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得データ転送速度で対象物に関連する画像データを取得する超音波イメージング・プローブと、
第1のキュー及び第2のキューを含むメモリと、
前記超音波イメージング・プローブと通信する通信インターフェースであって、
前記取得データ転送速度に基づいて前記第1のキューからリアルタイムで前記画像データの第1のサブセットを送信し、
遅延した時点で前記第2のキューから前記画像データの第2のサブセットを送信する、
通信インターフェースと、
を備える、超音波イメージング・システムであって、
前記第1のキューは、前記第2のキューよりも送信優先順位が高く、
前記超音波イメージング・プローブは、優先順位の高い画像データのセットを前記画像データの第1のサブセットとして識別し、優先順位の低い画像データのセットを前記画像データの第2のサブセットとして識別する、処理コンポーネントを含み、前記処理コンポーネントはさらに、
前記画像データの前記第1のサブセットを前記第1のキューに入れ、
前記画像データの前記第2のサブセットを前記第2のキューに入れる、
超音波イメージング・システム
【請求項2】
前記通信インターフェースは、前記取得データ転送速度での前記画像データの取得データ帯域幅よりも狭い転送帯域幅を含む、請求項1に記載の超音波イメージング・システム。
【請求項3】
前記通信インターフェースは、
前記転送帯域幅の一部分を使用して前記画像データの前記第1のサブセットを送信し、
前記転送帯域幅の残りの部分を使用して前記画像データの前記第2のサブセットを送信する、
請求項2に記載の超音波イメージング・システム。
【請求項4】
前記通信インターフェースは、有線シリアル・インターフェース又は無線インターフェースのうち少なくとも一方である、請求項1に記載の超音波イメージング・システム。
【請求項5】
前記超音波イメージング・プローブは、前記通信インターフェースが前記画像データの前記第1のサブセットを送信している間に前記画像データの前記第2のサブセットを記憶するメモリを備える、請求項1に記載の超音波イメージング・システム。
【請求項6】
前記超音波イメージング・プローブは、取得された前記画像データから前記画像データの前記第1のサブセットを識別する処理コンポーネントを備える、請求項1に記載の超音波イメージング・システム。
【請求項7】
前記画像データの前記第1のサブセットは、前記対象物に関連付けられた複数の走査線を含み、前記複数の走査線は画像平面に関連付けられている、請求項1に記載の超音波イメージング・システム。
【請求項8】
前記画像データの前記第1のサブセットは、前記対象物に関連付けられた複数の走査線内での深度ウィンドウを表すデータ・サンプルを含み、前記データ・サンプルはC面に関連付けられる、請求項1に記載の超音波イメージング・システム。
【請求項9】
超音波イメージング・プローブによって、対象物に関連付けられた画像データを取得データ転送速度で取得するステップと、
通信リンクを介して、前記取得データ転送速度に基づいてリアルタイムに、第1のキューから前記画像データの第1のサブセットをホストに送信するステップと、
前記通信リンクを介して、遅延した時点で第2のキューから前記画像データの第2のサブセットを前記ホストに送信するステップと、
を有する、超音波イメージングの方法であって、前記方法は、
優先順位の高い画像データのセットを前記画像データの第1のサブセットとして識別し、優先順位の低い画像データのセットを前記画像データの第2のサブセットとして識別するステップと、
前記画像データの前記第1のサブセットを前記第1のキューに入れ、前記画像データの前記第2のサブセットを前記第2のキューに入れるステップと、
をさらに有し、
前記第1のキューは、前記第2のキューよりも送信優先順位が高い、
方法
【請求項10】
前記通信リンクは、前記取得データ転送速度での前記画像データの取得データ帯域幅よりも狭い転送帯域幅を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記画像データの前記第1のサブセットを送信するステップは、前記通信リンクの前記転送帯域幅の一部分を使用して前記画像データの前記第1のサブセットを送信するステップを有し、前記画像データの前記第2のサブセットを送信する前記ステップは、前記転送帯域幅の残りの部分を使用して前記画像データの前記第2のサブセットを送信するステップを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記画像データの前記第1のサブセットを送信するステップと同時に、前記超音波イメージング・プローブのメモリに前記画像データの前記第2のサブセットを記憶するステップをさらに有する、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記超音波イメージング・プローブの処理コンポーネントによって、取得された前記画像データから前記画像データの前記第1のサブセットを識別するステップをさらに有する、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記画像データの前記第1のサブセットは、前記対象物に関連付けられた複数の走査線を含み、前記複数の走査線は画像平面に関連付けられている、請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記画像データの前記第1のサブセットは、前記対象物に関連付けられた複数の走査線内での深度ウィンドウを表すデータ・サンプルを含み、前記データ・サンプルはC面に関連付けられる、請求項に記載の方法。
【請求項16】
前記画像データの前記第1のサブセットに基づくリアルタイム画像を前記ホストにおいて表示するステップをさらに有する、請求項に記載の方法。
【請求項17】
前記ホストにおいて、前記画像データの前記第1のサブセットと前記画像データの前記第2のサブセットとを結合して、結合済みの画像を形成するステップと、
後続のレビューのために、前記ホストに前記結合済みの画像を保存するステップと、
をさらに有する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は一般に、超音波イメージングに関し、詳細には、ライブ3Dイメージング及びそれに続くレビューのために、3次元(3D)の超音波画像データを、帯域幅制限されたデータ・リンクを介して超音波イメージング・プローブからホストまで転送することに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 超音波イメージング・システムは、医用イメージング用に広く使用される。患者の身体の2次元(2D)及び3Dの両方のイメージングが知られており、どのような外科ステップをも必要とすることなく、患者の解剖学的構造の各部分を医師が見るための信頼性の高いツールを提供する。3D超音波イメージング、又はボリューム・イメージングでは、対象となるボリュームをスライスする2D走査を実行することによって、3D画像の取得を実現することができる。したがって、隣同士に存在する多数の2D画像が取得される。適切な画像処理によって、多数の2D画像から、対象となるボリュームの3D画像を構築することができる。多数の2D画像から取得された3D情報が、超音波システムのユーザ用の表示装置に適切な形で表示される。臨床応用によっては、ライブ3Dイメージング又は4次元(4D)イメージングを使用して、解剖学的部位の可動部分、例えば拍動する心臓又は他の組織のリアルタイムのビューが臨床医に提示される。
【0003】
[0003] 超音波イメージング・システムは、ある特定の場所に固定されることもある完全なステーションであり、様々な場所で柔軟に使用できるように、ローラで移動可能であることも多い。超音波イメージング・システムは、取得サブシステム、信号処理サブシステム、表示装置、及びユーザ・インターフェース(UI)装置を備える。取得サブシステムは、患者の身体に高周波音波を送出し、この音波が患者の器官及び/又は周囲組織によって反射して戻されるときにエコーを記録する、1次元(1D)又は2Dのトランスデューサ・アレイを備える。反射したエコーは、患者の組織及び/又は器官のサイズ、形状、及び質量を明示する。トランスデューサ・アレイは、モータ付きの往復運動平面、又は湾曲アレイ若しくはマイクロビーム形成されたマトリックス・アレイである。信号処理サブシステムは、エコー信号から画像を生成して、表示装置に表示する。UI装置によって、臨床医が、超音波イメージング・システムと対話して、医学診断に関連する画像を取得できるようになる。
【0004】
[0004] 3Dイメージング・システムでは、取得サブシステムは、通常、信号処理サブシステム、表示装置、及びUI装置と同一の物理的及び電気的インフラストラクチャに統合される。したがって、例えば、取得サブシステムから表示装置への超音波イメージング・システム内のデータ転送は、帯域幅制限のない場合がある。例えば、取得サブシステム、信号処理サブシステム、及び表示装置は、プリント回路板上のパラレル入力/出力(I/O)によって相互接続され、またギガビット(Gbit)シリアルI/O回路及び内部ケーブルを備える。例えば、超音波イメージング・システムは、取得サブシステムを含むプローブを備える。高度な処理技術の場合、このプローブは、信号処理サブシステムも備える。このプローブは、例えばケーブルを介して、表示用の外部表示装置に画像データを転送する。このような超音波イメージング・システムは高価になる場合があり、プローブ・ケーブルは、医用イメージング中に扱いにくいことがある。
【0005】
[0005] 超音波イメージング・システムのコストを削減し、使用する際の柔軟性を高めるための1つの取組みは、低電力で低コストのユニバーサル・シリアル・バス(USB)インターフェース、又はBluetooth(登録商標)、ウルトラワイドバンド(UWB)、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11 WiFi(登録商標)などの無線インターフェースを利用して、プローブから表示装置まで画像データを転送することである。さらに、モバイル技術での最近の進歩により、表示装置には、USB接続又は無線接続を有する携帯電話又はタブレットが含まれ得る。しかし、USBインターフェース又は無線インターフェースは、例えば毎秒数メガビット(Mbps)~数百Mbpsの範囲での、限られた帯域幅又は転送スループットを有する。3Dイメージングは通常、マルチラインの技法を使用して、音響事象ごとに多数の走査線を生成する。ライブ3Dイメージングでは、プローブが、できるだけ早く、例えば瞬時又は短時間に、多数の走査線を表示装置に転送する必要がある。したがって、低コストで、低電力で、帯域幅制限のあるインターフェースは、リアルタイム又はライブでの3Dイメージングの現在の方法と互換性がない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006] 既存の超音波イメージング・システムは有用であることがわかっているが、低コストで、低電力のライブ3Dイメージングを実現するための改良されたシステム及び技術がやはり必要である。本開示の各実施形態は、臨床医が、検査中のボリュームの十分な量のライブ3D走査を見て、後続のレビューのためにボリュームの完全な詳細走査をバッファリングするメカニズムを提供する。例えば、超音波イメージング・プローブは、トランスデューサ・アレイ及び処理コンポーネントを備える。トランスデューサ・アレイは、患者の体内のボリュームに向けて音波を放射し、このボリュームによって反射されるエコー信号を受信する。処理コンポーネントは、受信したエコー信号を処理して、ボリュームを表す画像データを生成する。この処理コンポーネントは、表示するためホストに転送するように、画像データに優先順位を付ける。この処理コンポーネントは、1組の画像データから、優先順位の高い画像データを識別する。プローブは、リアルタイム表示するために、優先順位の高い画像データをホストに転送又はストリーミングし、同時に、ホストに遅延転送するために、優先順位の低い画像データをローカルに記憶する。優先順位の高いデータには、複数平面画像、切断面(C面)画像、ボリュームのサブサンプリング、又はボリュームの一部分のフルサンプリングが含まれ得る。ボリューム全体のフルサンプリングを転送するのに必要な帯域幅の一部分を使用して、優先順位の高い画像データをリアルタイムで転送してもよい。ホストは、リアルタイムで転送された優先順位の高い画像データと、遅延転送された優先順位の低い画像データとを結合して、後続のレビューのためにボリュームのフル画像を再構築してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007] 一実施形態では、超音波イメージング・システムが提供される。超音波イメージング・システムは、取得データ転送速度で対象物に関連する画像データを取得するように構成された超音波イメージング・プローブと、超音波イメージング・プローブと通信し、取得データ転送速度に基づいてリアルタイムで画像データの第1のサブセットを送信し、遅延した時点で画像データの第2のサブセットを送信するように構成された通信インターフェースとを備える。
【0008】
[0008] 実施形態によっては、この通信インターフェースは、取得データ転送速度において画像データの取得データ帯域幅よりも狭い転送帯域幅を含む。実施形態によっては、この通信インターフェースは、転送帯域幅の一部分を使用して画像データの第1のサブセットを送信し、転送帯域幅の残りの部分を使用して画像データの第2のサブセットを送信するようにさらに構成される。実施形態によっては、この通信インターフェースは、有線シリアル・インターフェース又は無線インターフェースのうち少なくとも一方である。実施形態によっては、超音波イメージング・プローブは、通信インターフェースが画像データの第1のサブセットを送信している間に画像データの第2のサブセットを記憶するように構成されたメモリを備える。実施形態によっては、超音波イメージング・プローブは、取得された画像データから画像データの第1のサブセットを識別するように構成された処理コンポーネントを備える。実施形態によっては、超音波イメージング・プローブは、第1のキュー及び第2のキューを含むように構成されたメモリを備え、この第1のキューは、第2のキューよりも送信優先順位が高く、処理コンポーネントはさらに、画像データの第1のサブセットを第1のキューに入れるように構成され、画像データの第2のサブセットを第2のキューに入れるように構成される。実施形態によっては、通信インターフェースは、取得データ転送速度に基づいて第1のキューから画像データの第1のサブセットを送信し、遅延した時点で第2のキューから画像データの第2のサブセットを送信するようにさらに構成される。実施形態によっては、画像データの第1のサブセットは、対象物に関連付けられた複数の走査線を含み、この複数の走査線は画像平面に関連付けられている。実施形態によっては、画像データの第1のサブセットは、対象物に関連付けられた複数の走査線内での深度ウィンドウを表すデータ・サンプルを含み、このデータ・サンプルはC面に関連付けられる。
【0009】
[0009] 一実施形態では、超音波イメージングの方法が提供される。この方法は、超音波イメージング・プローブによって、対象物に関連付けられた画像データを取得データ転送速度で取得することと、通信リンクを介して、取得データ転送速度に基づいてリアルタイムに、画像データの第1のサブセットをホストに送信することと、この通信リンクを介して、遅延した時点で画像データの第2のサブセットをホストに送信することとを有する。
【0010】
[0010] 実施形態によっては、この通信リンクは、取得データ転送速度において画像データの取得データ帯域幅よりも狭い転送帯域幅を含む。実施形態によっては、画像データの第1のサブセットを送信することは、通信リンクの転送帯域幅の一部分を使用して画像データの第1のサブセットを送信することを有し、画像データの第2のサブセットを送信することは、この転送帯域幅の残りの部分を使用して画像データの第2のサブセットを送信することを有する。実施形態によっては、この方法は、画像データの第1のサブセットを送信するのと同時に、超音波イメージング・プローブのメモリに画像データの第2のサブセットを記憶することをさらに有する。いくつかの実施形態では、この方法は、超音波イメージング・プローブの処理コンポーネントによって、取得された画像データから画像データの第1のサブセットを識別することをさらに有する。実施形態によっては、この方法は、超音波イメージング・プローブのメモリにおいて、画像データの第1のサブセットを第1のキューに入れることと、このメモリにおいて、画像データの第2のサブセットを第2のキューに入れることとをさらに有し、第1のキューは、第2のキューよりも送信優先順位が高く、画像データの第1のサブセットを送信することは、取得データ転送速度に基づいて第1のキューから画像データの第1のサブセットを送信することを有し、画像データの第2のサブセットを送信することは、遅延した時点で第2のキューから画像データの第2のサブセットを送信することを有する。実施形態によっては、画像データの第1のサブセットは、対象物に関連付けられた複数の走査線を含み、この複数の走査線は画像平面に関連付けられている。実施形態によっては、画像データの第1のサブセットは、対象物に関連付けられた複数の走査線内での深度ウィンドウを表すデータ・サンプルを含み、このデータ・サンプルはC面に関連付けられる。実施形態によっては、この方法は、画像データの第1のサブセットに基づくリアルタイム画像をホストにおいて表示することをさらに有する。実施形態によっては、この方法は、ホストにおいて、画像データの第1のサブセットと画像データの第2のサブセットとを結合して、結合済みの画像を形成することと、後続のレビューのために、ホストに結合済みの画像を保存することとをさらに有する。
【0011】
[0011] 本開示の追加の態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになろう。
【0012】
[0012] 添付図面を参照して、本開示の例示的な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】[0013] 本開示の態様による、超音波イメージング・システムの概略図である。
図2】[0014] 本開示の態様による、無線超音波イメージング・システムを示す概略図である。
図3】[0015] 本開示の態様による、トランスデューサ・アレイ及びビームフォーマの詳細図を示す概略図である。
図4】[0016] 本開示の態様による、優先順位ベースの取得データ転送方式を示す概略図である。
図5】[0017] 本開示の態様による、優先順位ベースの取得データ転送向けの複数平面イメージングのシナリオを示す図である。
図6】[0018] 本開示の態様による、優先順位ベースの取得データ転送向けの切断面(C面)イメージングのシナリオを示す図である。
図7】[0019] 本開示の態様による、優先順位ベースの取得データ転送方式を示す概略図である。
図8】[0020] 本開示の態様による、優先順位ベースの取得データ転送方法を示す信号方式図である。
図9】[0021] 本開示の態様による、レトロスペクティブ画像キャプチャのシナリオを示す図である。
図10】[0022] 本開示の態様による、プロスペクティブ画像キャプチャのシナリオを示す図である。
図11】[0023] 本開示の態様による、優先順位ベースの取得データ転送方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0024] 本開示の原理の理解を促進するため、ここで各図面に示してある実施形態を参照し、具体的な文言を使用してそれらを説明する。それでも本開示の範囲にはいかなる限定も意図されていないことが理解される。本開示が関係する当業者が通常想到するように、説明される装置、システム、及び方法への、任意の変更及びさらなる修正、並びに本開示の原理の任意のさらなる適用は、本開示内で完全に企図され、また本開示に含まれる。具体的には、一実施形態について説明する特徴、コンポーネント、及び/又はステップは、本開示の他の実施形態について説明する特徴、コンポーネント、及び/又はステップと組み合わせてもよいことが完全に企図される。しかし、説明を簡潔にするために、こうした組合せの数多くの繰返しについては個別に説明しない。
【0015】
[0025] 図1は、本開示の態様による、超音波イメージング・システム100の概略図である。このシステム100は、患者の身体の領域すなわちボリューム105を走査するために使用される。システム100は、通信インターフェースすなわちリンク120を介してホスト130と通信する、超音波イメージング・プローブ110を備える。プローブ110は、トランスデューサ・アレイ112、ビームフォーマ114、処理コンポーネント116、及び通信コンポーネント118を備える。ホスト130は、表示装置132及び通信コンポーネント134を備える。
【0016】
[0026] トランスデューサ・アレイ112は、解剖対象物すなわちボリューム105に向けて超音波信号を放射し、このボリューム105から反射されてトランスデューサ・アレイ112に戻るエコー信号を受信する。本明細書においてより詳細に説明するように、トランスデューサ・アレイ112は、1次元(1D)アレイ又は2次元(2D)アレイに配置された音響素子を含んでもよい。ビームフォーマ114は、トランスデューサ・アレイ112に結合されている。ビームフォーマ114は、例えば、超音波信号を送信し、超音波エコー信号を受信するように、トランスデューサ・アレイ112を制御する。ビームフォーマ114は、この応答すなわち受信した超音波エコー信号に基づいて、画像信号を処理コンポーネント116に供給する。ビームフォーマ114は、複数段階のビーム形成を含んでもよい。本明細書においてより詳細に説明するように、ビーム形成は、処理コンポーネント116に結合するための信号線の数を削減することができる。
【0017】
[0027] 処理コンポーネント116は、画像信号から画像データを生成する。この処理コンポーネント116は、ソフトウェア・コンポーネントとハードウェア・コンポーネントの組合せとして実装してもよい。一実施形態では、処理コンポーネント116は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)上に実装され、画像信号の画像データへの処理及び変換を制御するための、プログラマブル状態機械を備える。例えば、処理コンポーネント116は、フィルタリング及び/又は直交復調を実行して、画像信号を調整する。処理コンポーネント116は、フィルタリングされた信号に分析的検出、例えば包絡線検波を実行する。処理コンポーネント116は、さらに処理するために、検出された信号を適切なダイナミック・レンジまで対数的に圧縮してもよい。処理コンポーネント116は、検出された信号に後フィルタリング及び/又は平滑化をさらに実行してデシメーションを容易にし、これによって、データ・サンプルの数を、例えば約1/2又は約1/5~約1/10にまで削減することができる。処理コンポーネント116は、例えば表示装置132において表示するために、デシメーション処理された信号から画像データを準備する。処理コンポーネント116は、表示されるボリューム105の2D断層撮影スライスを準備するか、又は表示するために画像データを3D画像に変換若しくはレンダリングする。
【0018】
[0028] 通信コンポーネント118は、処理コンポーネント116に結合されている。通信コンポーネント118は、通信リンク120を介して画像データをホスト130に送信する。ホストでは、この通信コンポーネント134が画像データを受信し、表示装置132(例えば、モニタ)がこの画像データを表示してもよい。通信リンク120は、任意の適切な通信リンクである。一実施形態では、通信リンク120は、電力、サイズ、及びコストを削減するために低速リンクである。例えば、通信リンク120は、USBリンクなど、有線のシリアル・リンク又はインターフェースである。或いは、通信リンク120は、UWBリンク、IEEE802.11 WiFi(登録商標)リンク、又はBluetooth(登録商標)リンクなどの無線リンクである。通信コンポーネント118及び134は、通信リンク120の通信プロトコルに従って、データ符号化、データ復号、変調、復調、及び/又はプロトコル処理を実施する。
【0019】
[0029] 図2は、本開示の態様による、無線超音波イメージング・システム200を示す概略図である。システム200は、システム100と同様であり、無線リンク220を介して無線ホスト230と通信する無線超音波イメージング・プローブ210の一例を提供する。無線リンク220は、Bluetooth(登録商標)リンク、UWBリンク、WiFi(登録商標)リンク、又は無線通信に適した任意のリンクである。無線プローブ210は、プローブ110とほぼ同様でもよい。例えば、無線プローブ210は、トランスデューサ・アレイ112と同様のトランスデューサ・アレイ212を収容するプローブ・ハウジング211、ビームフォーマ114と同様のビームフォーマ214、処理コンポーネント116と同様の処理コンポーネント216を備える。
【0020】
[0030] 無線プローブ210は、無線送受信機218、及び通信コンポーネント118に対応するアンテナをさらに備える。例えば、無線送受信機218は、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、又はUWBプロトコルなどの無線通信プロトコルを実装する。無線送受信機218は、表示するために、無線プローブ210によって取得された画像データを、アンテナを介して無線ホスト230に無線で送信する。無線ホスト230は、ホスト130と実質的に同様でもよい。
【0021】
[0031] 無線プローブ210は、走査するために無線プローブ210内のコンポーネントに電力を供給する電池パック219をさらに備える。実施形態によっては、無線プローブ210は、ユーザ制御のためのユーザ入力装置(例えば、押しボタン)、並びに/又はある特定の事象を表示若しくは通知するための視覚表示装置(例えば、発光ダイオード(LED)及び表示画面)をさらに備える。実施形態によっては、無線送受信機218、アンテナ、電池パック219、ユーザ入力装置、及び/又は表示装置は、無線プローブ210に差し込むことのできるプラグイン・モジュールとして構成される。
【0022】
[0032] 図3は、本開示の態様による、トランスデューサ・アレイ112及びビームフォーマ114の詳細図を示す概略図である。トランスデューサ・アレイ112は、複数の音響素子312を備える。ビームフォーマ114は、複数のマイクロビームフォーマ322及び主ビームフォーマ320を備える。
【0023】
[0033] 音響素子312は、ボリューム(例えば、ボリューム105)へ向けて超音波信号を送信し、このボリュームから反射されたエコー信号を受信する。実施形態によっては、トランスデューサ・アレイ112は、数多くのサブアレイ310a及び310bを形成する数千の音響素子312を備える。説明のために、2つのサブアレイのみが示してある。しかし、サブアレイの数は、3つ以上でもよく、例えば、おおよそ8つ以上でもよい。各音響素子312は、2Dアレイに配置してもよい。例えば、音響素子312は、図に示すような長方形のマトリックスとして配置するか、又は代替的に正方形、曲線、長円形、又は円形の形状など、それとは異なる形状で配置して、最適な走査を実現することができる。この形状は、検査される対象物、及び臨床応用に応じて配置することができる。
【0024】
[0034] マイクロビームフォーマ322は、音響素子312を介して、音響パルスの送信及び受信の両方を制御する。マイクロビームフォーマ322は、音響応答(例えば、エコー)を結合することによってビーム形成を実行する。各マイクロビームフォーマ322は、単一の音響素子312に接続され、接続されたこの音響素子312についてビーム形成を実行するように構成される。マイクロビームフォーマ322は、サブアレイ310にグループ分けされる。例えば、隣接するか又は近くに存在する各マイクロビームフォーマ322を、ともにサブアレイ310にグループ分けする。サブアレイ310内のマイクロビームフォーマ322の出力を結合して、アレイ全体について部分的にビーム形成されているビーム形成済み出力を生成する。図3は、4つのマイクロビームフォーマ322の2つのグループを示しているが、各グループは、例えば、およそ8つ、又はおよそ16個の任意の適切な数のマイクロビームフォーマ322を備えてもよい。特定の実施形態によっては、ビームフォーマ114は、それぞれが16個のマイクロビームフォーマ322を有する8つのグループを含む。各サブアレイ310内のマイクロビームフォーマ322の各出力を加算して、サブアレイ・グループ出力302を形成する。次いで、サブアレイ・グループ出力302は主ビームフォーマ320に結合され、これについては以下でより詳細に説明する。
【0025】
[0035] ビーム形成には2つの主な段階、すなわち送信及び受信がある。送信段階においては、音響素子312は、対象となるボリューム(例えば、ボリューム105)へ向けて音響パルスを放射する。送信ビーム形成では、音響素子312は、時間遅延した1組の音響パルスのセットを送信して、媒体又はボリュームの3D空間に焦点を生成する。
【0026】
[0036] 受信段階においては、音響素子312は、ボリュームの様々なポイントによって反射される音響パルスのエコーを受信する。受信ビーム形成では、受信されたエコーが遅延され、増幅され、結合される。受信されたエコーを静的遅延分だけ遅延してもよく、このことは、音響受信の過程において変更されないことを意味する。或いは、受信遅延はプログラマブルである。例えば、この受信遅延は、エコーが媒体を伝搬するときに一定のアレイ焦点を維持するように、動的に構成することができる。別々に遅延した受信信号は、例えば加算器によって加算される。加算後、可変利得増幅器は、時間利得補償を実行する。後の時点から音響素子312によって受信される信号は、身体の相対的に深い部分に対応し、したがって相対的に減衰量が大きいので、時間可変利得が必要になる。可変利得増幅器は、出力の振幅を増大させることによって減衰を補償する。サブアレイの加算済み音響信号(例えば、出力302)は、主ビームフォーマ320に結合される。主ビームフォーマ320は、静的又は動的なビーム形成を実行して、音響アレイ全体(又は、特定の走査線において能動状態になるようにプログラムされたアレイの部分)について完全にビーム形成された1組の画像信号を生成する。したがって、1つの主ビームフォーマ320は、数多くのマイクロビームフォーマ322をサブグループ分けする。これにより、ビームフォーマ114から処理コンポーネント116への信号の数を大幅に削減する。実施形態によっては、主ビームフォーマ320を、処理コンポーネント116と同じFPGA上に実装することができる。
【0027】
[0037] 図4は、本開示の態様による、優先順位ベースの取得データ転送方式400を示す概略図である。超音波イメージング・プローブ110及び210がこの方式400を利用して、ライブ3Dイメージング向けにリアルタイムで、帯域幅制限された、すなわち低速の通信リンク(例えば、リンク120及び220)を介して画像データを転送することができる。
【0028】
[0038] 一例として、処理コンポーネント116は、ビーム形成された画像信号に基づいて、facqと表される取得データ転送速度で画像データ410を生成する。画像データ410は、対象となるボリューム(例えば、ボリューム105)のフルサンプリングを表す。ボリュームのフルサンプリングは、高解像度の走査線及び高解像度のサンプルを含んでもよい。取得データ転送速度facqは、通信リンク120の対応データ転送速度よりも速くてよい。すなわち、通信リンク120は、取得データ転送速度facqにおいて取得データ帯域幅よりも狭い転送帯域幅を有する。例えば、画像データ410をリアルタイムに転送するには、およそGbps程度の帯域幅が必要になる場合があり、通信リンク120は、約1Mbps~約20Mbpsの帯域幅に対応することができる。一実施形態では、リンク120は、帯域幅が約1MbpsのBluetooth(登録商標)リンクである。別の実施形態では、リンク120は、帯域幅が約100MbpsのIEEE802.11nリンクである。さらに別の実施形態では、リンク120は、帯域幅が約200MbpsのUWBリンクである。
【0029】
[0039] この方式400では、処理コンポーネント116は、ライブ・イメージング向けの画像データ410(例えば、画像データ410a)の最小サブセットを識別して、例えば、対象となるボリュームを走査するのに最適な位置にプローブ110が配置されているかどうか判定するのに十分な、リアルタイム走査情報又は粗い画像を臨床医に提示する。リアルタイム又はライブのイメージング用の画像データ410のサブセットは、優先順位の高い画像データ410a(例えば、410a...410aで示してある)と呼ぶこともある。残りの画像データ410bは、後の時点で再生するために使用され、また優先順位の低い画像データ410b(例えば、410b…410bで示してある)と呼ぶことがある。一実施形態では、画像データ410aは、通信リンク120が優先順位の高い画像データ410aをリアルタイムに転送するのに十分な量の帯域幅を有するように選択される。リアルタイム転送とは、優先順位の高い画像データ410aが生成され、又は利用可能であるときに、優先順位の高い画像データ410aを連続転送することを指す。例えば、画像データ410aは、取得データ転送速度facqの何分の1かの転送レートを必要とする。
【0030】
[0040] 一実施形態では、本明細書においてより詳細に説明するように、優先順位の高い画像データ410aは、ボリュームの複数平面画像を含む、これを表す、且つ/又は他のやり方でこれに関連付けられ、優先順位の低い画像データ410bは、残りの複数平面画像、走査線データ、及び/又はボリュームの走査サンプル・データを含む。別の実施形態では、本明細書においてより詳細に説明するように、優先順位の高い画像データ410aは、ある特定の深度ウィンドウ内のボリュームのC面画像を含み、優先順位の低い画像データ410bは、残りのC面画像、走査線データ、及び/又はボリュームの走査サンプル・データを含む。さらに別の実施形態では、優先順位の高い画像データ410aは、ボリュームの低密度サンプリングを含み、優先順位の低い画像データ410bは、残りの走査線データ、及び/又はボリュームの走査サンプル・データを含む。さらに別の実施形態では、優先順位の高い画像データ410aは、ボリュームの一部分のフルサンプリングを含み、優先順位の低い画像データ410bは、ボリューム105の残りの部分のフルサンプリングに対応する。
【0031】
[0041] 優先順位の高い画像データ410a及び優先順位の低い画像データ410bは、最適な音響又は信号処理のために、任意の適切な順序で取得及び生成される。例えば、ある特定の走査線を最初に走査して、優先順位の高い画像データと優先順位の低い画像データとの分類とは無関係な時間アーティファクトを回避する。一実施形態では、優先順位の低い画像データ410b及び優先順位の高い画像データ410aに対応する走査線は、インターリービングの順序で取得される。別の実施形態では、優先順位の低い画像データ410bに対応する走査線の少なくとも一部分が、優先順位の高い画像データ410aの前に取得される。さらに別の実施形態では、優先順位の高い画像データ410aに対応する走査線の少なくとも一部分が、優先順位の低い画像データ410bの前に取得される。
【0032】
[0042] ホスト130への転送に関して、優先順位の高い画像データ410aは、優先順位の低い画像データ410bよりも優先順位が高い。優先順位の高い画像データ410aは、例えば通信コンポーネント118によって、リアルタイムにホスト130に転送される。優先順位の低い画像データ410bは、優先順位の高い画像データ410aを転送した後で、リンク120を介して利用可能な帯域幅が存在するときに、非リアルタイム・モードでホスト130に転送してもよい。したがって、実施形態によっては、優先順位の低い画像データ410bは、優先順位の低いこの画像データ410bの取得データ転送速度よりも低い速度で転送される。
【0033】
[0043] リアルタイムの要求条件を満たすために、優先順位の高い画像データ410aは、優先順位の高いこの画像データ410aが生成されるとすぐに転送される。優先順位の低い画像データ410bは、優先順位の高い画像データ410aの転送が完了した後、遅延した時点で転送してもよい。例えば、優先順位の高い画像データ410a及び優先順位の低い画像データ410bは、インターリービングの順序で転送される。例えば、優先順位の低い画像データのブロック410bは、優先順位の高い画像データのブロック410aと410aとの間で送信することができる。図に示すように、優先順位の高い画像データ410a、410a、410a、及び410aは、それぞれ、T0、T1、T2、及びT4の時点でホスト130に転送され、優先順位の低い画像データ410b及び410bは、例えば、それぞれT3及びT5の時点で利用可能な残りの帯域幅が存在するときに転送される。優先順位の高い画像データ410a及び優先順位の低い画像データ410bの転送について、本明細書においてより詳細に説明する。
【0034】
[0044] 図5には、本開示の態様による、優先順位ベースの取得データ転送向けの複数平面イメージングのシナリオ500が示してある。シナリオ500には、方式400を使用する複数平面モードでのライブ走査のための、画像データの優先順位付けが示してある。シナリオ500では、トランスデューサ・アレイ112は、ボリューム105と同様のボリューム510へ向けてビーム502を放射して、ボリューム510を表す走査線504を生成する。各走査線504は、いくつかの走査サンプル又はサンプル・ポイントを含んでもよい。1組の走査線504は、図に示すようなx-y平面内、又は代替的にy-z平面内に画像平面506を形成する。方式400を適用するとき、優先順位の高い画像データ410aは、走査線504のサブセット、又はボリューム510を構成する平面506と同様の平面のサブセットを含む。走査線504のサブセットは、z軸及び/又はx軸に沿った1つ又は複数の画像平面506を形成する走査線504に沿ってまばらに間隔の空いたサンプルを含んでもよい。まばらに間隔の空いた画像平面506は、x軸又はz軸に沿っている。サブセットを、ホスト130と同様のホストにリアルタイムに転送して、ボリューム510の3Dライブ走査を実現することができる。このライブ走査は、ボリューム510の粗い解像度すなわち低解像度の3D表示でもよい。優先順位の低い画像データ410bは、残りの走査線504及び/又は走査線504内の走査サンプルを含んでもよい。残りの走査線504は、遅延した時点でホストに転送することができる。このホストは、残りの走査線504とリアルタイム画像平面とを結合して、後続のレビューのためにボリューム510全体の高解像度表示を再構築することができる。例えば、走査サンプル、走査線、及び/又は画像平面にタイムスタンプが押され、したがって、このタイムスタンプに従ってフル画像を再構築することができる。
【0035】
[0045] 図6には、本開示の態様による、優先順位ベースの取得データ転送向けのC面イメージングのシナリオ600が示してある。シナリオ600には、方式400を使用するC面イメージング・モードでのライブ走査のための、画像データの優先順位付けが示してある。シナリオ600では、トランスデューサ・アレイ112は、ビーム502を放射して、走査線504を生成する。ある特定の深さ602での走査線504からのデータ・サンプルは、x-z平面に沿ってC面604を形成する。実施形態によっては、C面604は、トランスデューサ・アレイ112に対して傾斜しているが、一般には、トランスデューサ・アレイ112と交差することはない。方式400を適用するとき、優先順位の高い画像データ410aは、走査線504内の深度ウィンドウ606からの1組のデータ・サンプルを含んでいる。深度ウィンドウ606内のC面は、ホスト130と同様のホストに転送されて、この深度ウィンドウ606内のボリューム510の3Dライブ走査を実現することができる。優先順位の低い画像データ410bは、深度ウィンドウ606よりも浅い、又はそれよりも深い残りの走査線サンプルを含んでもよい。残りの走査線サンプルは、遅延した時点でホストに転送することができる。ホストは、残りの走査線サンプルとリアルタイムC面とを結合して、後続のレビューのために、走査サンプルに関連付けられたタイムスタンプ及び/又はシーケンス・インデックスに従って、ボリューム510の完全な表示を再構築することができる。
【0036】
[0046] 図7は、本開示の態様による、優先順位ベースの取得データ転送方式700を示す概略図である。超音波イメージング・プローブ110及び210がこの方式700を利用して、ライブ3Dイメージング向けに、帯域幅制限された、すなわち低速の通信リンク(例えば、リンク120及び220)を介して画像データ又はフレームを転送することができる。この方式700は、方式400と同様であり、プローブ110内の優先順位の高い画像データ410a及び優先順位の低い画像データ410bを記憶すること、及び/又はキューに入れることの、より詳細な図を提示する。方式700では、処理コンポーネント116は、1組の3D画像データ410から優先順位の高い画像データ410aを識別する、優先順位付けコンポーネント117を備える。
【0037】
[0047] プローブ110は、処理コンポーネント116に結合されたメモリ710をさらに備える。メモリ710は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリ・メモリ(ROM)、プログラマブル・リードオンリ・メモリ(PROM)、消去可能なプログラマブル・リードオンリ・メモリ(EPROM)、電気消去可能プログラマブル・リードオンリ・メモリ(EEPROM)、ダイナミック・ランダムアクセス・メモリ(DRAM)、スタティック・ランダムアクセス・メモリ(SRAM)、及びこれらの組合せを含む、任意の適切なメモリ・タイプの揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含む。特定の実施形態によっては、メモリ710は、シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM)である。
【0038】
[0048] 優先順位ベースの転送メカニズムを容易にするために、メモリ710の一部分を、優先順位の高いキュー(HP_Q)712を含むように構成することができ、メモリ710の別の部分を優先順位の低いキュー(LP_Q)714を含むように構成することができる。優先順位の高いキュー712は、ホスト130へのリアルタイム送信をいつでもできる優先順位の高い画像データ410aを保持することができる。優先順位の低いキュー714は、遅延した時点で送信するために、優先順位の低い画像データ410bを保持することができる。メモリ710のサイズは、各実施形態に応じて異なっていてもよい。特定の実施形態によっては、メモリ710は、そのサイズが約512メガバイト~約4ギガバイトの範囲である。一実施形態では、優先順位の低いキュー714は、優先順位の高いキュー712よりも大幅に大きなメモリ空間を有することができる。一実施形態では、優先順位の低いキュー714及び優先順位の高いキュー712は、先入れ先出し(FIFO)モードで動作する。
【0039】
[0049] 例えば、優先順位付けコンポーネント117は、画像データ410から優先順位の高い画像データ410aを識別した後、優先順位の高い画像データ410aを優先順位の高いキュー712に入れる。優先順位の高い画像データ410aは、例えば、通信コンポーネント118又は無線送受信機218を介して、矢印702で示すように優先順位の高いキュー712からホスト130に転送され、表示装置132へリアルタイムに表示される。例えば、優先順位の高い画像データ410aは、優先順位の高いキュー712に短期間だけ保持され、転送は連続ストリーミング・モードでもよい。優先順位付けコンポーネント117は、優先順位の高い画像データ410aがホストに転送されている間、優先順位の低い画像データ410bを優先順位の低いキュー714に入れるか、又は記憶する。通信リンク120が、優先順位の高い画像データ410aを転送後、又はそれに続く時点において、残りの帯域幅を有する場合、優先順位の低い画像データ410bを、矢印704で示すように、非リアルタイム・モードでホスト130に連続して転送してもよい。すなわち、優先順位の高い画像データ410aは、リンク120の帯域幅の一部分を使用して転送され、優先順位の低い画像データ410bは、帯域幅の残りの部分を使用して転送される。一例として、リンク120は、約10Mbpsの転送スループットに対応する帯域幅を有する。優先順位の高い画像データ410aは、約8Mbpsの転送スループットを必要とする場合がある。したがって、優先順位の低い画像データ410bは、残りの約2Mbpsを使用して転送される。別の実施形態では、通信リンク120は、例えば、無線送受信機218で転送速度制御を加えることにより、優先順位の高い画像データ410aを転送する際には速度を上げ、優先順位の低い画像データ410bを転送する際には速度を下げる。
【0040】
[0050] 別の実施形態では、前述の通り、優先順位の高い画像データ410aをホストに転送する。しかし、優先順位の低い画像データ410bは、優先順位の高い画像データ410aと同時にホスト130に転送する代わりに、プローブ210内の不揮発性メモリに転送してもよい。優先順位の低い画像データ410bは、例えば、プローブ210の電源を切った後、又は手順後にプローブ210を再配置した後に、後続のレビューのために後の時間に不揮発性メモリからホスト130又は別の装置に続いて転送してもよい。例えば、臨床医は、粗い画像データ(例えば、優先順位の高い画像データ410a)を見て、健康診断用のデータ取得が正しく実行されていることを保証し、続いて専門家が、優先順位の高い画像データ410a及び優先順位の低い画像データ410bを含む画像データ全体を閲覧及び分析する。実施形態によっては、後の時点で優先順位の低い画像データ410bを転送するには、リンク120とは異なり、それよりも高速のインターフェース、例えばUSBインターフェース・リンクを使用する。
【0041】
[0051] 図に示すように、ホスト130は、メモリ136をさらに備える。実施形態によっては、メモリ136は、メモリ710と実質的に同様である。メモリ136は、後続のレビューのために、優先順位の高い画像データ410aと優先順位の低い画像データ410bとの両方を記憶するように構成される。例えば、優先順位の低い画像データ410bを受信すると、ホスト130は、優先順位の低い画像データ410bをメモリ136に記憶し、また優先順位の低い画像データ410bと優先順位の高い画像データ410aのコピーとを結合して、後続のレビューのために、ボリュームの結合済み画像又はフル画像を再構築する。
【0042】
[0052] 図8は、本開示の態様による、優先順位ベースの取得データ転送方法800を示す信号方式図である。この方法800は、プローブ110や210などの超音波イメージング・プローブ、及びホスト130や230などのホストによって実施される。方法800は、図4及び図7についてそれぞれ説明してある、方式400及び700と同様のメカニズムを利用する。図に示すように、方法800は、列挙されたいくつかのステップを有するが、方法800の各実施形態は、この列挙されたステップの前、後、及び中間に追加のステップを有してもよい。実施形態によっては、列挙されたステップのうち1つ又は複数のステップを省略してもよく、又は異なる順序で実行してもよい。方法800は、考察を簡単にするため、優先順位の高い2つの画像データと優先順位の低い1つの画像データとで示してあるが、本開示の実施形態は、さらに多くの優先順位の高い画像データと優先順位の低いデータに拡大してもよい。それぞれ優先順位の高い画像データ又は優先順位の低い画像データは、走査平面のサブセット、走査線のサブセット、又はボリューム(例えば、ボリューム150)の走査サンプル・ポイントのサブセットに対応する。方法800は、それぞれ図5及び図6について説明したシナリオ500及び600と同様に、ライブ3D表示モード、例えば複数平面モード又はC面モードを選択した後に開始する。
【0043】
[0053] ステップ805において、プローブは、A1と表される、ボリューム(例えば、ボリューム105及び510)の画像データ(例えば、画像データ410a)を取得し、選択されたライブ3D表示モードに基づいて、この画像データA1を優先順位の高いデータとして識別する。ステップ810において、プローブは、通信リンク(例えば、リンク120及び220)を介してリアルタイムに、優先順位の高い画像データA1をホストに送信する。ステップ815において、ホストは、優先順位の高い画像データA1を、表示装置(例えば、表示装置132)へリアルタイムに表示する。
【0044】
[0054] ステップ820において、プローブは、Bと表される、ボリュームの画像データ(例えば、画像データ410b)を取得し、この画像データBを優先順位の低いデータとして識別する。例えば、通信リンクは、画像データA1の送信でビジーである。ステップ820は、ステップ810及び815と同時に実行することができる。したがって、ステップ825において、プローブは、優先順位の低い画像データBをローカル・メモリ(例えば、メモリ710)に記憶する。実施形態によっては、ステップ810及び/又は815は、ステップ820及び/又は825と同時に実行される。イメージング・データが取得された後、処理コンポーネントは、この取得済みのイメージング・データから優先順位の高いサブセット(例えば、画像データA1)及び優先順位の低いサブセット(画像データB)を識別する。
【0045】
[0055] ステップ830において、プローブは、A2と表される、ボリュームの画像データ(例えば、画像データ410a)を取得し、この画像データA2を優先順位の高いフレームとして識別する。画像データA1の送信が完了すると、プローブは、優先順位の高い画像データA2をホストへリアルタイムに送信し続ける(ステップ835)。ステップ840において、ホストは、この画像データA2を、表示装置へリアルタイムに表示する。
【0046】
[0056] ステップ845において、プローブは、優先順位の高い画像データA2を送信した後に、利用可能な帯域幅が存在するとき、遅延した時点で優先順位の低い画像データBをホストに送信する。実施形態によっては、フレーム・テーブルを使用して、ボリューム全体を表す走査線を含む単一のフレームを記述する。このような実施形態では、フレーム・テーブルは、画像データA1及びA2がリアルタイム送信用であることを示す説明又はマーキングを含むことができる。
【0047】
[0057] ステップ850において、ホストは、優先順位の高い画像データA1及びA2のコピーと優先順位の低いデータBとを結合して、ボリュームの結合済み画像又はフル画像を再構築する。ステップ855において、ホストは、ローカル・メモリ(例えば、メモリ136)にフル画像を記憶する。実施形態によっては、このフル画像を、時間内にレンダリングされた画像のループ・シーケンスであるシネループに従って記憶する。ステップ860において、ホストは、例えば後のレビュー中に、表示装置上にフル画像を表示する。
【0048】
[0058] 図9には、本開示の態様による、レトロスペクティブ画像キャプチャのシナリオ900が示してある。このシナリオ900には、方式400及び700を使用するときに画像を記録又はキャプチャする様子が示してある。例えば、プローブ110及び/又はホスト130は、イメージング・セッションをキャプチャ又は記録するためのユーザ入力を含む。シナリオ900では、優先順位の高い画像データ410aは、リアルタイム表示のためにホスト130に転送され、優先順位の低い画像データ410bは、優先順位の低いキュー714に記憶される。取得ONの矢印910によって示すように、ユーザが取得又は記録を開始すると、優先順位の低いキュー714に記憶された優先順位の低い画像データ410が、記録するためにホスト130に転送され、例えばメモリ136に保存される。実施形態によっては、ユーザは、記録の持続時間、例えば過去の数秒間を選択する。記録が開始されるときに優先順位の低いキュー714がいっぱいになっている場合は、優先順位の低いキュー714内の既存の画像データをホストに送信できるようにするために、例えばFIFOベースで、優先順位の低い新規の画像データ410bを破棄する。レトロスペクティブ・キャプチャでは、シネループは、既にキャプチャ済みの画像データを含む。場合によっては、優先順位の低い画像データがホストに転送されなかった場合がある。ホストは、シネループを完了することができる前に、優先順位の低い残りの画像データが転送されるのを待たなければならないことになる。
【0049】
[0059] 図10には、本開示の態様による、プロスペクティブ画像キャプチャのシナリオ1000が示してある。このシナリオ1000には、方式400及び700を使用するときに画像を記録又はキャプチャする様子が示してある。シナリオ1000はシナリオ900とほぼ同様であるが、この記録があらかじめ実行されて、記録開始の後で取得済み画像を記録する。例えば、取得ONの矢印1010で図に示すように、ユーザが取得又は記録を開始すると、優先順位の低いキュー714において優先順位の低い画像データ410bをキューに入れること、及び優先順位の低い画像データ410bをホスト130に転送することが開始する。予期される場合では、記録の持続時間が、優先順位の低いキューのサイズによって制限される場合もあるが、それというのも、キューのデータをリアルタイムに転送できないからである。優先順位の低いキューが使い果たされた後に記録が停止する場合があり、その時点で、優先順位の低いキューからホストへの転送が完了してもよい。キュー内の画像データは、予期されるキャプチャの一部分ではなく、キャプチャの完了を遅延させることになるだけなので、プロスペクティブ画像キャプチャでは、予期されるキャプチャの初めに、優先順位の低いキューをフラッシュしなければならない。
【0050】
[0060] 図11は、本開示の態様による、優先順位ベースの取得データ転送方法1100の流れ図である。方法1100の各ステップは、プローブ110や210などの超音波イメージング・プローブのコンピューティング装置(例えば、プロセッサ、処理回路、及び/又は他の適切なコンポーネント)によって実行することができる。方法1100は、図4及び図6についてそれぞれ説明してあるように、方式400及び600と同様のメカニズムを利用する。図に示すように、方法1100は、列挙されたいくつかのステップを有するが、方法1100の各実施形態は、この列挙されたステップの前、後、及び中間に追加のステップを有してもよい。実施形態によっては、列挙されたステップのうち1つ又は複数のステップを省略してもよく、又は異なる順序で実行してもよい。
【0051】
[0061] ステップ1110において、方法1100は、取得データ転送速度(例えば、facq)で画像データ(例えば、1組の3D画像データ410)を取得することを有する。
【0052】
[0062] ステップ1120において、方法1100は、例えば、通信リンク120や220などのリンクを介してホスト130や230などのホストへ、取得データ転送速度に従ってリアルタイムに画像データの第1のサブセット(例えば、優先順位の高い画像データ410a)を送信することを有する。
【0053】
[0063] ステップ1130において、方法1100は、例えば、メモリ710などのローカル・メモリで、画像の第2のサブセット(例えば、優先順位の低い画像データ410b)を記憶することを有する。記憶することは、第1のサブセットの送信と同時でもよい。
【0054】
[0064] ステップ1140において、方法1100は、後続のレビューのために、遅延した時点でリンクを介して、画像データの第2のサブセットをホストに送信することを有する。例えば、第1のサブセットを送信した後、リンク上に利用可能な帯域幅が存在するときは、第2のサブセットを送信する。
【0055】
[0065] 本開示の各態様はいくつかの利点をもたらすことができる。例えば、ホストに転送するために画像データを優先順位付けすることにより、USBインターフェース又は無線インターフェースなど低速のプローブ・ホスト・インターフェースを使用して、臨床的に有用なフレーム・レートでリアルタイム又はライブ3Dイメージングが実現可能になる。USBインターフェース又は無線インターフェースを使用することで、超音波イメージングを実行する臨床医の自由度及び機動性を改善することができる。モバイル装置でのリアルタイム・ストリーミング表示用途でUSBインターフェース又は無線インターフェースを使用すると、超音波イメージング・システムのコスト及び/又はサイズを削減することができる。部分的な画像データをリアルタイムに転送することにより、臨床医は、リアルタイムの複数平面画像、リアルタイムのC面画像、又はリアルタイムの低密度ボリューム画像などのリアルタイム画像を見ることができるようになる。このリアルタイム画像は、3D画像キャプチャ向けに、患者の解剖学的構造の最適な表示を得るように臨床医を誘導することができる。残りの画像データの遅延転送、及びリアルタイム画像データと遅延した転送済み画像データとの結合によって、後の時点で、臨床医又は別の専門家が完全な3D画像キャプチャを見直すことができるようになる。
【0056】
[0066] 前述の装置、システム、及び方法を様々なやり方で修正できることを、当業者なら認識されよう。したがって、本開示に含まれる各実施形態が、先に述べた特定の例示的な実施形態に限定されないことを、当業者なら理解されよう。この点において、例示的な各実施形態が図示され、説明されてきたが、前述の開示では、広範囲の修正、変更、及び置換が企図されている。本開示の範囲から逸脱することなく、このような変形を前述の形態に加えてもよいことが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲を広く、また本開示と一致するように解釈することが適切である。
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