IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】センサ装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20220502BHJP
   H01L 31/0232 20140101ALI20220502BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20220502BHJP
   G02B 5/10 20060101ALI20220502BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
H01L31/02 D
G02B3/00 A
G02B5/10 Z
H01L27/146 D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020040779
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021060383
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2020-03-10
(31)【優先権主張番号】16/593,417
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】謝 馨儀
【審査官】赤木 貴則
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0155782(US,A1)
【文献】国際公開第2013/080473(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0023731(US,A1)
【文献】国際公開第2013/140707(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0108865(US,A1)
【文献】特開2013-004938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-G01N 21/83
G01N 33/48-G01N 33/98
H01L 27/146
H01L 31/0232
G02B 3/00
G02B 5/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの放射光を検出するセンサ装置であって
記放射光を検出する複数のセンサ素子、
前記複数のセンサ素子上に配置された中間層、
前記中間層上に配置されたパッシベーション層、
前記パッシベーション層上に配置された複数のマイクロレンズ構造、
前記複数のマイクロレンズ構造の各々に形成された開口部、
前記複数のマイクロレンズ構造の各々の外側を覆う第1の反射層、
前記複数のマイクロレンズ構造の開口部の各々の下方に重なるように、前記中間層と前記マイクロレンズ構造との間に配置された複数の第2の反射層、および、
前記複数の第2の反射層の各々の上に、前記開口部の各々に重なるように配置され、前記第2の反射層に対して所定の距離によって離間され複数の導波路構造を含み、
前記第1の反射層の各々は、前記マイクロレンズ構造の外側において、前記開口部の内側の側壁の上端から前記パッシベーション層の上面まで延在し、
前記第1の反射層の各々は、前記開口部の内側に配置された前記サンプルから前記センサ素子に対して反対方向に放射された前記放射光を、前記センサ素子に向かって反射するように形成され、
前記第2の反射層の材料は、前記サンプルに照射される励起光に対して高反射の特性を有し、
前記導波路構造は、400nmから750nmの波長範囲で1.5より高い屈折率を有し、
前記第2の反射層の幅は、前記開口部の幅以上であり、
前記導波路構造の幅は、前記開口部の幅以上、かつ、前記第2の反射層の幅以下である、センサ装置。
【請求項2】
前記第1の反射層の材料は放射光に対して高反射の特性を有する請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記マイクロレンズ構造の断面は、半円形、半楕円、三角形、長方形の形状、または前記少なくとも1つのセンサ素子に向かって光を反射させることができる形状である請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記マイクロレンズ構造は、1つのセンサ素子に対応する平行光を受光できる構造、又は、1つのセンサ素子に対応する単一の焦点、2つのセンサ素子に対応する2つの焦点、あるいは3つまたは4つのセンサ素子に対応する複数の焦点を有する構造である請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記中間層は、フィルタ、パッシベーション材料、金属層、またはそれらの組み合わせを含み、
前記フィルタは金属層によって囲まれ、
前記フィルタは均一フィルタ、画素化フィルタ、阻止フィルタ、またはそれらを組み合わせたフィルタを含む請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記開口部は反応領域を含み、前記反応領域は少なくとも1つのセンサ素子に対応する請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項7】
サンプルの放射光を検出するセンサ装置を製造する方法であって、
前記放射光を検出する複数のセンサ素子を含む基板を提供するステップ、
前記複数のセンサ素子上に中間層を形成するステップ、
前記中間層上に複数の第2の反射層を形成するステップ、
前記中間層上にパッシベーション層を形成するステップ、
前記パッシベーション層上において、前記複数の第2の反射層の各々に重なる位置に、前記第2の反射層に対して所定の距離によって離間するように、複数の導波路構造を形成するステップ、
前記パッシベーション層上において、前記複数の導波路構造の各々に重なる位置に複数のマイクロレンズ構造を形成するステップ、
前記複数のマイクロレンズ構造の各々の外側を覆う第1の反射層をコンフォーマルに形成するステップ、および
前記第1の反射層の各々の一部および前記マイクロレンズ構造の各々の一部を除去し、前記複数のマイクロレンズ構造の各々、前記複数の導波路構造の各々に重なるように開口部を形成するステップを含み、
前記第1の反射層の各々は、前記マイクロレンズ構造の各々の外側において、前記開口部の内側の側壁の上端から前記パッシベーション層の上面まで延在し、
前記第1の反射層の各々は、前記開口部の内側に配置された前記サンプルから前記センサ素子に対して反対方向に放射された前記放射光を、前記センサ素子に向かって反射するように形成され、
前記第2の反射層の材料は、前記サンプルに照射される励起光に対して高反射の特性を有し、
前記導波路構造は、400nmから750nmの波長範囲で1.5より高い屈折率を有し、
前記第2の反射層の幅は、前記開口部の幅以上であり、
前記導波路構造の幅は、前記開口部の幅以上、かつ、前記第2の反射層の幅以下である、センサ装置を製造する方法。
【請求項8】
前記第1の反射層上に平坦化層を形成するステップと、
前記パッシベーション層を形成するステップ及び前記第1の反射層上に平坦化層を形成するステップの前に、前記中間層上に前記第2の反射層を形成するステップを含む請求項7に記載のセンサ装置を製造する方法。
【請求項9】
前記第2の反射層をパターン化して前記第2の反射層内の開口部を形成するステップと、
前記マイクロレンズ構造を形成するステップ及び前記第2の反射層をパターン化して前記第2の反射層内の開口部を形成するステップの前に前記パッシベーション層上に前記導波路構造を形成するステップを含む請求項8に記載のセンサ装置を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置およびその製造方法に関するものであり、特に、バイオセンシングの集光効率を向上させる光学センサ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサは、デジタルカメラ、医療用画像機器、分光計、レーダーデバイスなどを含む電子デバイスで広く使用されてきた。通常、CMOS画像センサは集積回路とフォトダイオードを含むため、光を取り込んで電気信号に変換することができる。
【0003】
近年、CMOS画像センサも生物学的または化学的分析に用いられている。このような分析では、生物学的または生化学的サンプルはフォトダイオード上に配置されることができ、生物学的または生化学的サンプルで放射された光はフォトダイオードに向けられることができる。サンプルの蛍光または化学発光は、フォトダイオードによって検出でき、蛍光または化学発光のスペクトル分布および強度が決定されることができる。スペクトルおよび強度は、生物学的または生化学的サンプルの相互作用または特性を識別するために用いられることができる。
【0004】
既存のCMOS画像センサは、意図された目的には十分であるが、それらは全ての点において完全に満足できるものではない。例えば、フォトダイオードから反対方向に放射された光は検出されない可能性があるため、フォトダイオードに対する生物学的反応の放射光の集光効率は低い(例えば、50%以下)。従って、CMOS画像センサには依然として解決すべき問題が残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バイオセンシングの集光効率を向上させる光学センサ装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のいくつかの実施形態によれば、センサ装置が提供される。センサ装置は、少なくとも1つのセンサユニットを含む。センサユニットは、少なくとも1つのセンサ素子、中間層、パッシベーション層、マイクロレンズ構造、開口部、および第1の反射層を含む。中間層はセンサ素子上に配置される。パッシベーション層は中間層上に配置される。マイクロレンズ構造は、パッシベーション層上に配置される。開口部は、マイクロレンズ構造に配置される。第1の反射層は、マイクロレンズ構造上に配置される。また、第1の反射層は、開口部からパッシベーション層まで延在する。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、センサ装置を製造する方法が提供される。この方法は以下のステップ、少なくとも1つのセンサ素子を含む基板を提供するステップ、センサ素子上に中間層を形成するステップ、中間層上にパッシベーション層を形成するステップ、パッシベーション層上にマイクロレンズ構造を形成するステップ、マイクロレンズ構造上に第1の反射層をコンフォーマルに形成するステップ、および第1の反射層の一部およびマイクロレンズ構造の一部を除去し、マイクロレンズ構造に開口部を形成するステップを含む。また、マイクロレンズ構造に開口部が形成された後、第1の反射層は開口部からパッシベーション層まで延在する。
【0008】
詳細な説明は、添付の図面と併せて以下の実施形態に説明される。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、集光効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置の断面図である。
図2図2は、本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置の断面図である。
図3A図3Aは、 本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置の上面図である。
図3B図3Bは、 本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置の上面図である。
図3C図3Cは、 本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置の上面図である。
図4図4は、本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置の断面図である。
図5図5は、本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置の断面図である。
図6A図6Aは、本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの断面図である。
図6B図6Bは、本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの断面図である。
図7図7は、本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置の断面図である。
図8A図8Aは、本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの断面図である。
図8B図8Bは、本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの断面図である。
図8C図8Cは、本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの断面図である。
図9図9は、本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置の断面図である。
図10図10は、本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置の断面図である。
図11図11は、本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置の断面図である。
図12A図12Aは、 本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの上面図である。
図12B図12Bは、 本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの上面図である。
図12C図12Cは、 本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの上面図である。
図12D図12Dは、 本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの上面図である。
図12E図12Eは、 本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの上面図である。
図12F図12Fは、 本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの上面図である。
図12G図12Gは、 本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの上面図である。
図12H図12Hは、 本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの上面図である。
図12I図12Iは、 本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの上面図である。
図12J図12Jは、 本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニットの上面図である。
図13A図13Aは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図13B図13Bは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図13C図13Cは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図13D図13Dは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図13E図13Eは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図13F図13Fは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図13G図13Gは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図13H図13Hは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図14A図14Aは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図14B図14Bは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図14C図14Cは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図14D図14Dは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図14E図14Eは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図14F図14Fは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図14G図14Gは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図14H図14Hは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図15A図15Aは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図15B図15Bは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図15C図15Cは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図15D図15Dは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図15E図15Eは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図15F図15Fは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図15G図15Gは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図15H図15Hは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図16A図16Aは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図16B図16Bは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図16C図16Cは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図16D図16Dは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図16E図16Eは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図16F図16Fは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図16G図16Gは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
図16H図16Hは、本開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの様々な段階におけるセンサ装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示のセンサ装置およびセンサ装置の製造方法は、以下の説明において詳細に説明される。以下の詳細な説明では、説明のために、多数の特定の詳細および実施形態が本開示の完全な理解を提供するために明記されている。以下の発明を実施するための形態で説明された特定の構成要素および構造は、本開示を明瞭に説明するために記述されている。しかしながら、本明細書で記述される例示的な実施形態は、単に説明のために用いられることは明らかであり、発明の概念は、これらの例示的な実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
【0012】
また、この明細書では、例えば、「第2の材料層上/第2の材料層の上方に配置された」などの表現は、第1の材料層および第2の材料層の直接接触の状況を含む。または1つ以上の他の材料層との離間状態も含むことができる。上述の状況では、第1の材料層と第2の材料層との間は直接接触しなくてもよい。例示的な実施形態の説明では、本発明の実施形態の一部として見なされる添付図面と合わせて検討すれば、より理解されるであろう。図面は、縮尺通りに描かれているものではない。また、構造および装置は、図を簡素化するために概略的に示されている。
【0013】
本開示の図面の構成要素または装置は、当業者に公知のどんな形式または構成にも存在することができるということが留意されるべきである。また、「もう1つの層を覆う(overlying)層」、「層はもう1つの層の上方(above)に配置される」、「層はもう1つの層上(on)に配置される」、および「層はもう1つの層の上方(over)に配置される」などの表現は、層がもう1つの層と直接接触していることを示しているか、または層がもう1つの層と直接接触しておらず、層ともう1つの層との間に配置された1つ以上の中間層があることを指すことができる。
【0014】
また、この明細書では、関連する表現が用いられる。例えば、「より低い」、「底部」、「より高い」、または「上部」は、もう1つに対する1つの構成要素の位置を説明するのに用いられる。仮に装置が上下反転された場合、「より低い」側の構成要素は、「より高い」側の構成要素となる、ということが了解されるべきである。
【0015】
第1、第2、第3などの用語は、ここでは各種の素子、構成要素、領域、層、および/または部分を説明するのに用いられることができ、これらの素子、構成要素、領域、層、および/または部分は、これらの用語によって制限されてはならない。これらの用語は単に一素子、構成要素、領域、層、および/または部分を識別するのに用いられることは理解される。従って、第1の素子、構成要素、領域、層、および/または部分は、例示的な実施形態の技術から逸脱しない限りにおいては、第2の素子、構成要素、領域、層、および/または部分と呼ばれてもよい。
【0016】
用語「約」および「大抵」は、一般的に、所定値の+/-10%を意味し、より一般的に、所定値の+/-5%を意味し、より一般的に、所定値の+/-3%を意味し、より一般的に、所定値の+/-2%を意味し、より一般的に、所定値の+/-1%を意味し、より一般的に、所定値の+/-0.5%を意味する。本開示の所定値は、近似値である。特定の説明がないとき、所定値は、「約」または「大抵」の意味を含む。
【0017】
特に定義されなければ、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、この発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有している。さらに理解されることであろうが、一般に使用される辞書で定義されているような用語は、関連した技術分野の文脈におけるその意味と一致した意味を持つものとして解釈されるべきであり、本明細書で明確にそのように定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態によれば、センサ装置は、マイクロレンズ構造の上に配置された反射層を含んでもよい。反射層は、フォトダイオードから反対方向に放射された光を反射することができるため、フォトダイオードの放射光の集光効率を高めることができる。フォトダイオードと反対方向の上述の放射光は、複数の反射光、例えば、第2の反射層によって先ず反射され、次いで、第1の反射層で反射されて、最後にフォトダイオードに向かう放射光を含むことができる。従って、センサ装置の感度および性能が改善され得る。
【0019】
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置10Aの断面図である。図1では、回路層などのセンサ装置10Aの構成要素のいくつかは、明確にするために、省略されてもよい。また、本開示のいくつかの実施形態によれば、センサ装置10Aに追加の特徴が追加されることができる。
【0020】
本開示の実施形態によれば、センサ装置10Aは、特定の用途に限定されない。いくつかの実施形態によれば、センサ装置10Aは、生物学的分析または生化学的分析に用いられることができる。例えば、センサ装置10Aは、サンプルSAによって放射された蛍光または化学発光を測定または分析するように用いてもよい。いくつかの実施形態では、サンプルSAは、生体分子、化学分子、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、核酸は、DNA、RNA、タンパク質、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、サンプルSAが分析され、遺伝子配列、DNA-DNAハイブリダイゼーション、一塩基多型、タンパク質相互作用、ペプチド相互作用、抗原抗体相互作用、グルコースモニタリング、コレステロールモニタリングなどを決定することができる。
【0021】
図1に示すように、センサ装置10Aは、少なくとも1つのセンサユニット100Uを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ装置10Aは、複数のセンサユニット100Uを含むことができ、センサユニット100Uは、互いに隣接して配置されることができる。いくつかの実施形態では、センサユニット100Uは、センサアレイを形成するように配置されることができる。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、センサユニット100Uは、少なくとも1つのセンサ素子102を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ素子102は、複数のセンサ素子を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ素子102は、長方形アレイまたは六角形アレイに配置されることができるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、センサ素子102は、フォトダイオード、または測定された光を電流に変換することができる他の光感知構成要素であってもよい。具体的には、いくつかの実施形態によれば、センサ素子102は、他のMOSトランジスタなどの他の構成要素に電流を転送することができる、金属酸化物半導体(MOS)トランジスタ(図示せず)のソースおよびドレインを含むことができる。他の構成要素は、電流をデジタル信号に変換するためのリセットトランジスタ、電流源フォロワ、または行セレクターを含み得るが、これらに限定されない。
【0023】
さらに、センサ素子102は、いくつかの実施形態に従って基板(図示せず)に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、基板は、その中に配置された回路層(図示せず)をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ素子102(例えば、フォトダイオード)は、デジタル信号を外部接続に転送するように回路層に電気的に接続されることができる。いくつかの実施形態では、基板の材料は、シリコン、シリコン上III-V族、グラフェンオンシリコン、シリコンオンインシュレータ、またはそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。また、回路層は、任意の適切な導電性材料で形成されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、センサ素子102は、前面照明(FSI)相補型金属酸化物半導体(CMOS)、背面照明(BSI)相補型金属酸化物半導体(CMOS)、またはそれらの組み合わせを含むことができる。具体的には、センサ素子102がFSI CMOSである実施形態では、回路層はセンサ素子102の上に配置されることができる。センサ素子102がBSI CMOSである実施形態では、回路層はセンサ素子102の下に配置されることができる。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、センサ素子102のサイズは、約0.1μmから約100μm、または約0.5μmから約20μmの範囲であることができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、断面図におけるセンサ素子102の幅Wは、断面図において約0.1μmから約100μm、または約0.5μmから約20μmの範囲であることができる。
【0026】
図1に示すように、センサユニット100Uは、いくつかの実施形態に従って、センサ素子102上に配置された中間層104を含むことができる。いくつかの実施形態では、中間層104は、フィルタ、パッシベーション材料、またはそれらの組み合わせを含むことができる。具体的には、いくつかの実施形態によれば、中間層104は、1つ以上の均一(連続)フィルタ、画素化フィルタ(pixelated filter)、阻止フィルタ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。画素化フィルタは、異なるセンサ素子102に対応して配置された分離されたカラーフィルタを指すことができる。いくつかの実施形態では、各センサ素子102は画素を指すことがあるが、それに限定されない。いくつかの実施形態では、1つ以上の画素は、センサ素子102に対応することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、均一(連続)フィルタ、画素化フィルタ、または阻止フィルタは、単層フィルタ、または多層フィルタであることができる。いくつかの実施形態では、フィルタは、吸収フィルタ、干渉フィルタ、プラズモニックメタ表面構造、誘電体メタ表面構造、またはそれらの組み合わせをさらに含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、画素化フィルタは、吸収フィルタ/吸収フィルタ、干渉フィルタ/干渉フィルタ、干渉フィルタ/吸収フィルタ、プラズモニックメタ表面構造/誘電性メタ表面構造、またはその他の適切な組み合わせの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、画素化フィルタは、阻止フィルタと組み合わせて用いられることができる。阻止フィルムは、特定の波長範囲の光を通過させないようにすることができる。
【0028】
また、均一フィルタまたは画素化フィルタは、特定の波長範囲の光を通過させることができる。いくつかの実施形態では、上述のフィルタの材料は、顔料ベースのポリマー、顔料ベースの染料、染料ベースのポリマー、樹脂または他の有機ベースの材料、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、フィルタは、必要に応じて、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、青色カラーフィルタ、シアンカラーフィルタ、マゼンタカラーフィルタ、黄色カラーフィルタ、または赤外線(IR)パスフィルタで構成されることができるが、本開示はそれに限定されない。いくつかの実施形態では、異なるセンサ素子102に対応する画素化フィルタは、単色または異なる色のフィルタであることができる。
【0029】
上述のように、いくつかの実施形態によれば、中間層104はパッシベーション材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、パッシベーション材料は、金属酸化物、金属窒化物、酸化ケイ素、窒化ケイ素、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、金属酸化物、金属窒化物、酸化ケイ素、または窒化ケイ素は、酸化ケイ素(例えばSiO)、酸化チタン(例えばTiO)、酸化タンタル(例えばTa)、酸化アルミニウム(例えばAl)、酸化ニオブ(例えばNb)、窒化ケイ素(例えばSi)、窒化チタン 、窒化タンタル、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態によれば、パッシベーション材料は透明または半透明であることができる。
【0030】
図1に示すように、センサユニット100Uは、中間層104上に配置されたパッシベーション層106を含むことができる。中間層104は、センサ素子102とパッシベーション層106との間に配置されることができる。パッシベーション層106は、層間剥離、腐食、または損傷から中間層104およびセンサ素子102を保護することができる。具体的には、パッシベーション層106は、サンプルSAの溶液が中間層104またはセンサ素子102に接触するのを防ぐことができる。また、パッシベーション層106は、試料SAの固定化のために、自己組織化単分子膜(SAM)、機能性ポリマー、またはヒドロゲルでコーティングまたは処理されることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、パッシベーション層106の材料は、金属酸化物、金属窒化物、酸化ケイ素、窒化ケイ素、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、金属酸化物、または金属窒化物、酸化ケイ素、または窒化ケイ素は、酸化ケイ素(例えばSiO)、酸化チタン(例えばTiO)、酸化タンタル(例えばTa)、酸化アルミニウム(例えばAl)、酸化ニオブ(例えばNb)、窒化ケイ素(例えばSi)、窒化チタン 、窒化タンタル、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態によれば、パッシベーション層106は透明または半透明であることができる。
【0032】
また、図1に示すように、センサユニット100Uは、パッシベーション層106上に配置されたマイクロレンズ構造108を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、マイクロレンズ構造108は、パッシベーション層106と接触していることができる。具体的には、マイクロレンズ構造108の底面108bsは、パッシベーション層106と接触している。マイクロレンズ構造108は、センサ素子102の上に配置され、光をセンサ素子102に導くことができる。また、いくつかの実施形態では、パッシベーション層106と接触しているマイクロレンズ構造108の底面108bsは、円形、楕円形、三角形、長方形、または六角形、またはそれらの組み合わせの形状(開口部(opening)108pを無視した)を有することができる。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、断面図では、マイクロレンズ構造108は、半円形、半楕円、三角形、長方形の形状(開口部108pを無視した)、またはセンサ素子102に向かって光を反射させることができる他の形状を有することができる。すなわち、図1において、XZ平面(マイクロレンズ構造108の底面108bsに対して垂直な面)でマイクロレンズ構造108を切った場合の、マイクロレンズ構造108の断面が、半楕円、三角形、長方形の形状(開口部108pを無視した)、またはセンサ素子102に向かって光を反射させることができる他の形状になっている。いくつかの実施形態では、マイクロレンズ構造108は、1つのセンサ素子102に対応する平行光を受光できる構造、又は、1つのセンサ素子102に対応する単一の焦点(例えば、図1に示されるように)、2つのセンサ素子102に対応する2つの焦点(例えば、図2に示されるように)、あるいは3つまたは4つのセンサ素子に対応する複数の焦点102を有する構造とすることができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、マイクロレンズ構造108の材料は、酸化ケイ素(例えば、SiO)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、別の適切な材料、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、サンプルSAのほとんどが水溶液中で反応し、水の屈折率が1.33であるため、マイクロレンズ構造108の材料の屈折率は1.33(n = 1.33)と同一または類似することができる。いくつかの実施形態によれば、マイクロレンズ構造108は透明または半透明であることができる。いくつかの実施形態では、マイクロレンズ構造108の材料は、フォトレジストを含むことができ、機能性表面コーティング(例えば、自己組織化単分子層(SAM))の犠牲層として機能することができ、且つ機能性表面コーティングは開口部108pの底部にのみ配置されることができる。そのような構成では、犠牲層は、機能性表面コーティングの後、生物学的検出プロセスの前にさらに除去されてもよい。従って、光Lおよび反射光RLの経路が維持されることができ、反応空間がより大きくなることができる。また、第1の反射層110内の材料は均質(例えば、すべての水溶液または空気)であることができる。
【0035】
また、図1に示されるように、センサユニット100Uは、マイクロレンズ構造108に配置された開口部108pを含むことができる。いくつかの実施形態では、開口部108pは、マイクロレンズ構造108の上部108tからマイクロレンズ構造108の底部108bまで延在し、パッシベーション層106の一部を露出させることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、各センサユニット100Uの開口部108pは、均一な寸法を有することができ、規則的なアレイ状に配置されることができる。アレイ状の開口部108pは、多くの場合列および行の直線パターンに構成されることができるが、いくつかの実施形態によれば、他の規則的なパターンが用いられることができる。また、いくつかの実施形態によれば、上面透視図において、開口部108pは、円形、楕円形、長方形、六角形、または任意の他の適切な形状の形状を有してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、開口部108pは反応領域RRを含むことができ、反応領域RRは開口部108pの底部に位置されることができる。いくつかの実施形態では、反応領域RRは、少なくとも1つのセンサ素子102に対応してもよい。例えば、いくつかの実施形態によれば、反応領域RRは、1つ、2つ、3つ、または4つのセンサ素子102に対応することができる。図1に示されるように、各反応領域RRは、1つのセンサ素子102に対応することができる。また、サンプルSAは、反応領域RRに配置されることができる。 開口部108pの反応領域RRは、サンプルSAを含むことができる。
【0038】
上述のように、サンプルSAは、いくつかの実施形態に従って生体分子を含むことができる。いくつかの実施形態では、生体分子は、蛍光色素、化学発光色素、または生物発光色素と結合されることができる。蛍光色素は、励起光源(図示せず)からの励起光によって照射されることができる。励起光は、任意の適切なタイプまたは光の強度に対応することができる。例えば、励起光は、可視光、赤外線(IR)、または紫外線(UV)を含むことができるが、これらに限定されない。
【0039】
蛍光色素が特定の波長の励起光で照射されたとき、生体分子は光を吸収し、次いで、異なる波長の光を放射することができる。例えば、いくつかの実施形態によれば、生体分子は、第1の波長を有する励起光を吸収することができるが、第2の波長の光を放射し、第1の波長は第2の波長よりも小さい。中間層104が干渉フィルタなどのフィルタを含むいくつかの実施形態では、第1の波長を有する励起光はフィルタで除去され、第2の波長を有する放射光はフィルタを通過し、センサ素子102の測定精度を向上させることができる。
【0040】
一方、生物発光または化学発光が用いられる実施形態では、センサ素子102が放射光を検出するための励起光源は必要ない。代わりに、生体分子は、生体分子と生物発光色素または化学発光色素との間で発生する可能性のある化学反応または酵素反応により、光を放射する可能性があり、化学結合の破壊または形成により、光が放射される。
【0041】
また、図1に示すように、センサユニット100Uは、マイクロレンズ構造108上に配置された第1の反射層110を含むことができる。第1の反射層110は、開口部108pからパッシベーション層106まで延在することができる。いくつかの実施形態では、第1の反射層110は、マイクロレンズ構造108の上部108tからマイクロレンズ構造108の底部108bまで延在することができる。具体的には、いくつかの実施形態によれば、第1の反射層110は、開口部108pの側壁108sからパッシベーション層106の上面106tまで延在することができる。また、いくつかの実施形態では、第1の反射層110は、マイクロレンズ構造108上にコンフォーマルに形成されることができ、従って、湾曲した形状またはその他の適切な形状を有することができる。マイクロレンズ構造108の形状およびプロファイルは、以下詳細に説明される。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1の反射層110の材料は、励起光波長に対しては高透過、および放射光波長に対しては高反射のスペクトル選択特性を有することができ、又は、励起光及び反射光の波長に対して高反射の特性を有することができる。具体的には、いくつかの実施形態では、第1の反射層110の材料は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銀合金、アルミニウム合金、金合金、銅合金、ニオブ合金、ニッケル合金、チタン合金、タングステン合金、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0043】
特に、第1の反射層110は、センサ素子102から反対方向に放射された光L(例えば、図1に示されるZ方向に放射される光)をセンサ要素102に戻すように反射させることができる。具体的には、第1の反射層110によって反射された反射光RLは、センサ素子102に向かって導かれ、従って、センサ素子102の放射光の集光効率を高めることができる。従って、センサ装置10Aの感度および性能が改善されることができる。
【0044】
また、図1に示されるように、センサユニット100Uは、いくつかの実施形態に従って、第1の反射層110上に配置された平坦化層112をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、平坦化層112は、第1の反射層110の上面を覆い、マイクロレンズ構造108上に平坦な上面112tを形成し、平坦化層112は開口部108pに配置されない。
【0045】
いくつかの実施形態では、平坦化層112の材料は、酸化ケイ素(SiO)、アモルファスシリコン(a-Si)、ポリマー、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。例えば、ポリマーは、ビスベンゾシクロブテン(BCB)、ポリイミド(PI)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、他の適切な材料、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態によれば、平坦化層112は透明または半透明であることができる。
【0046】
また、いくつかの実施形態によれば、センサ装置10Aは、フローセル(図示せず)に結合されることができる。フローセルは、サンプルSAをセンサユニット100Uの反応領域RRに提供することができる。いくつかの実施形態では、フローセルは、開口部108p内の反応領域RRと流体連通している1つ以上のフローチャネルを含むことができる。
【0047】
いくつかの他の実施形態によれば、センサ装置10Aは、バイオアッセイシステムにさらに結合されることができる。バイオアッセイシステムは、所定のプロトコルに従って試薬をセンサユニット100Uの反応領域RRに送り、画像化イベント(imaging events)を行うことができる。いくつかの実施形態では、バイオアッセイシステムは、溶液を反応領域RRに沿って流れるように導くことができる。具体的には、いくつかの実施形態によれば、溶液は、同じまたは異なる蛍光標識を有する4つのタイプのヌクレオチドを含むことができる。バイオアッセイシステムは、所定の波長範囲を有する励起光源を用いて反応領域RRを照射することができる。励起された蛍光標識は、センサ素子102によって検出されることができる放射信号を提供することができる。
【0048】
次に、図2は、本開示のいくつかの他の実施形態によるセンサ装置10Bの断面図である。上記および下記説明の文脈における同一または類似の構成要素または素子は、同一または類似の参照番号で表される。これらの構成要素または素子の材料、製造方法、および機能は、上記のものと同一または類似しているため、ここでは繰り返さない。
【0049】
図2に示される実施形態のセンサ装置10Bは、図1に示される実施形態のセンサ装置10Aと同様である。それらの違いは、センサ装置10Bのセンサユニット100Uが2つまたは4つのセンサ素子102に対応することである。また、この実施形態では、反応領域RRは、2つまたは4つのセンサ素子102に対応することができる。この実施形態では、開口部108pは、2つまたは4つのセンサ素子102の界面の真上に配置されることができる。言い換えれば、反応領域RRは、2つまたは4つのセンサ素子102と重なることができる。この実施形態では、断面図において、マイクロレンズ構造108は、半円形、半楕円、またはセンサ素子102に向かって光を反射させることができる他の形状(開口部108pを無視した)を有することができる。
【0050】
上述のように、いくつかの実施形態では、中間層104は、画素化フィルタを含むことができ、異なるセンサ素子102に対応する画素化フィルタは、単色または異なる色のフィルタとしてもよい。この実施形態では、1つのセンサユニット100Uは、いくつかの画素化フィルタ、例えば、2つまたは4つのフィルタを含むことができる。いくつかの実施形態では、隣接するセンサ素子102は、異なる色の画素化フィルタに対応することができ、フィルタの透過率スペクトルは、ショートパス、バンドパス、ロングパス、またはマルチバンドパスであることができる。
【0051】
例えば、1つのセンサユニット100Uが2つの画素化フィルタを含む実施形態では一方のフィルタは赤色カラーフィルタであり、他方のフィルタは青色カラーフィルタであるが、本開示はそれに限定されない。そのような実施形態では、反応領域RRは、赤色カラーフィルタと青色カラーフィルタの両方に重なり、サンプルSAから放射された光が赤色カラーフィルタと青色カラーフィルタの両方に入り、且つ異なるカラーフィルタ(異なる波長範囲を有する)を通して放射された光が検出されることができるようになる。
【0052】
例えば、1つのセンサユニット100Uが4つの画素化フィルタを含む他の実施形態では、それらの1つは赤色カラーフィルタであり、1つは青色フィルタであり、1つは緑色フィルタであり、且つもう1つは黄色カラーフィルタであるが、本開示はこれらに限定されない。そのような実施形態では、反応領域RRは、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、および黄色カラーフィルタの両方に重なり、サンプルSAから放射された光が、赤色カラーフィルタ、青色カラーフィルタ、緑色フィルタ、黄色カラーフィルタの全てに入り、且つ異なるカラーフィルタ(異なる波長範囲を有する)を通して放射された光が検出されることができるようになる。
【0053】
上述のように、いくつかの実施形態によれば、サンプルSAは、異なる波長に対応する異なる標識を有する4つのタイプのヌクレオチドを含むことができる。例えば、センサ装置がDNA配列決定に用いられる実施形態では、DNA鎖のヌクレオチド塩基の特定の配列が決定され得る。そのような実施形態では、異なるヌクレオチド塩基(例えば、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、またはチミン(T))は、異なる蛍光、化学発光、または生物発光標識(例えば、4つの異なる色)で標識されることができる。また、そのような実施形態では、4つの異なるカラーフィルタを有する4つの画素化フィルタを含むセンサユニット100U(4つのヌクレオチド塩基に対応することができる)が用いられることができる。
【0054】
次に、図3Aに示すように、図3Aは、本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置10Aの上面図である。図3Aに示された線分A-A’は、図1に示された断面図に対応することができる。明確にするために、いくつかの構成要素(例えば、平坦化層112)は省略されている。
【0055】
図3Aに示されるように、いくつかの実施形態によれば、開口部108pは、マイクロレンズ構造108および第1の反射層110内に配置されることができる。反応領域RRは、開口部108pによって画定されることができる。いくつかの実施形態では、第1の反射層110は連続構造であることができる。いくつかの実施形態では、上面図において、第1の反射層110は実質的に円の形状を有することができる。また、図3Aに示されるように、いくつかの実施形態によれば、1つの反応領域RRは、1つのセンサ素子102(1つの画素を指すこともできる)に対応することができる。
【0056】
図3Bに示されるように、図3Bは、本開示のいくつかの実施形態によるセンサ装置10Bの上面図である。図3Bに示された線分A-A’は、図2に示された断面図に対応することができる。明確にするために、いくつかの構成要素(例えば、平坦化層112)は省略されている。
【0057】
図3Bに示されるように、いくつかの実施形態によれば、開口部108pは、マイクロレンズ構造108および第1の反射層110内に配置されることができる。反応領域RRは、開口部108pによって画定されることができる。いくつかの実施形態では、第1の反射層110は、連続構造であることができる。いくつかの実施形態では、上面図において、第1の反射層110は実質的に楕円の形状を有することができる。また、図3Bに示されるように、いくつかの実施形態によれば、1つの反応領域RRは、2つのセンサ素子102(2つの画素を指すこともできる)に対応することができる。言い換えれば、開口部108pは、2つのセンサ素子102と重なることができる。
【0058】
次に、図3Cに示すように、図3Cは、本開示のいくつかの他の実施形態によるセンサ装置10Bの上面図である。図3Cに示された線分A-A’は、図2に示された断面図に対応することができる。明確にするために、いくつかの構成要素(例えば、平坦化層112)は省略されている。
【0059】
図3Cに示されるように、いくつかの実施形態によれば、開口部108pは、マイクロレンズ構造108および第1の反射層110内に配置されることができる。反応領域RRは、開口部108pによって画定されることができる。いくつかの実施形態では、第1の反射層110は、連続構造であることができる。いくつかの実施形態では、上面図において、第1の反射層110は実質的に円の形状を有することができる。また、図3Cに示されるように、いくつかの実施形態によれば、1つの反応領域RRは、4つのセンサ素子102(4つの画素を指すこともできる)に対応することができる。言い換えれば、開口部108pは、4つのセンサ素子102と重なることができる。
【0060】
また、いくつかの実施形態では、開口部108pは、第1の反射層110の中心に位置されることができる。いくつかの実施形態では、開口部108pは、構造内のセンサ要素102の配置または光路設計に対応するために、第1の反射層110の中心に配置されないこともできる。
【0061】
次に、図4に示すように、図4は、本開示のいくつかの他の実施形態によるセンサ装置10Cの断面図である。図4に示される実施形態のセンサ装置10Cは、図1に示される実施形態のセンサ装置10Aと同様である。それらの違いは、いくつかの実施形態に従って、センサ装置10Cが平坦化層112上に配置された表面改質層114をさらに含むことができることである。また、図4に示されるように、いくつかの実施形態によれば、中間層104は多層構造であることができる。
【0062】
具体的には、いくつかの実施形態では、表面改質層114は、平坦化層112の上面112tに配置されることができる。いくつかの実施形態では、表面改質層114は、シランコーティング、チオールコーティング、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、シランコーティングの材料は、金属酸化物、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、チオールコーティングの材料は、金(Au)を含むことができるが、これに限定されない。いくつかの他の実施形態では、表面改質層114は、任意の適切な改質プロセスによって処理され、所望の表面特性を有することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、表面改質層114は、開口部108p内に配置されることもできる。いくつかの実施形態では、パッシベーション層106は、生体試料SAを捕捉できるように改質されてもよく(例えば、アミノシランで改質される)、表面改質層114は、生体試料SAを捕捉できないように改質されてもよい(例えば、OH-チオールで改質される)。言い換えれば、パッシベーション層106および表面改質層114は、異なる改質特性を有することができる。表面改質層114が開口部108pに配置される(または、パッシベーション層106および表面改質層114が、同一または類似の改質特性を有する)いくつかの実施形態では、生体試料SAは、その重量、サイズ、または電荷などによって反応領域RRに固定されることができる。または、表面改質層114は厚さTを有することができる。いくつかの実施形態では、表面改質層114の厚さTを、約1nmから約500nm、または約5nmから約100nmの範囲内にすることができる。
【0064】
図4に示されるように、いくつかの実施形態では、中間層104は、第1の層104Aと、第1の層104A上に配置された第2の層104Bとを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の層104Aは画素化フィルタを含むことができ、第2の層104Bは阻止フィルタまたは干渉フィルタを含むことができる。いくつかの実施形態では、阻止フィルタはレーザー阻止フィルタを含んでもよい。
【0065】
次に、図5に示すように、図5は、本開示のいくつかの他の実施形態によるセンサ装置10Dの断面図である。図5に示された実施形態のセンサ装置10Cは、図4に示される実施形態のセンサ装置10Cと同様である。それらの違いは、中間層104がセンサ装置10Dに金属層116をさらに含むことができることである。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、金属層116は、金属線、金属シールド、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、金属層116は中間層104に配置されることができる。より具体的には、金属層116は、中間層104内のフィルタまたはパッシベーション材料と接触していることができる。いくつかの実施形態では、金属層116は、隣接するセンサ素子102間の界面に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、フィルタは、中間層104内の金属層116によって囲まれ、隣接するセンサ素子102からのクロストークを低減することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、金属層116の材料は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銀合金、アルミニウム合金、金合金、銅合金、ニオブ合金、ニッケル合金、チタン合金、タングステン合金、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これに限定されない。
【0068】
次に、図6Aおよび図6Bに示すように、図6Aおよび図6Bは、本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニット100Uの断面図である。図6Aに示されるように、断面図において、マイクロレンズ構造108の断面は、いくつかの実施形態に従って、三角形の形状(開口部108pを無視した)とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の反射層110は、マイクロレンズ構造108上にコンフォーマルに形成されることができ、従って、断面図において直線形状を有することができる。このような構成を有する第1の反射層110は、光をセンサ素子102に向けて反射させることができる。
【0069】
同様に、これらの実施形態では、第1の反射層110は、開口部108pからパッシベーション層106まで延在することができる。第1の反射層110は、マイクロレンズ構造108の上部108tからマイクロレンズ構造108の底部108bまで延在することができる。具体的には、いくつかの実施形態によれば、第1の反射層110は、開口部108pの側壁108sからパッシベーション層106の上面106tまで延在することができる。
【0070】
図6Bに示すように、断面図において、マイクロレンズ構造108の断面は、いくつかの実施形態に従って、長方形の形状(開口部108pを無視した)とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の反射層110は、マイクロレンズ構造108上にコンフォーマルに形成されることができ、従って、断面図において湾曲した形状を有することができる。このような構成を有する第1の反射層110は、光をセンサ素子102に向けて反射させることができる。
【0071】
次に、図7に示すように、図7は、本開示のいくつかの他の実施形態によるセンサ装置10Eの断面図である。図7に示された実施形態のセンサ装置10Eは、図1に示される実施形態のセンサ装置10Aと同様である。それらの違いは、第2のセンサユニット100Uがセンサ装置10Eに第2の反射層210をさらに含むことである。
【0072】
図7に示されるように、第2の反射層210は、いくつかの実施形態に従って、中間層104とマイクロレンズ構造108との間に配置されることができる。いくつかの実施形態では、図7に示されるように、第2の反射層210は、中間層104の上面104tに配置されることができる。いくつかの他の実施形態では、第2の反射層210は、パッシベーション層106の上面106tと中間層104の上面104tとの間の任意の位置に配置されることができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、開口部108pは、第2の反射層210と重なることができる。すなわち、励起光ELの入射方向(センサ素子102の法線方向、例えば図7に示すZ方向)からみた時に、開口部108pの位置と第2の反射層210の位置が重なっている。第2の反射層210は幅Wを有し、開口部108pは幅Wを有することができる。いくつかの実施形態では、第2の反射層210の幅Wは、開口部108pの幅W以上であることができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、第2の反射層210の材料は、励起光波長に対しては高反射、放射光波長に対しては高透過のスペクトル選択特性を有することができ、又は、励起光及び反射光の波長に対して高反射の特性を有することができる。具体的には、いくつかの実施形態では、第2の反射層210の材料は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銀合金、アルミニウム合金、金合金、銅合金、ニオブ合金、ニッケル合金、チタン合金、タングステン合金、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、第2の反射層210は、センサ素子102への励起光ELの干渉を低減することができる。具体的には、第2の反射層210は、第1の反射層110の開口領域を通過する第2の励起光EL’となるように、励起光ELを反射し返すことにより、励起光ELの一部が反射層210に入射するのをブロックすることができる。この実施形態では、第2の反射層210と衝突する励起光ELは、同じ波長の励起光ELでランダムな方向(センサ素子102の法線方向に対して小さな入射角から大きな入射角までの)を有する散乱光EL”を生成することができる。いくつかの実施形態では、第1の反射層110に組み込まれた第2の反射層210は、センサ素子102の法線方向(例えば、図7に示すZ方向)に対して小さい角度を有する励起光EL”’として、励起光EL”の散乱をセンサ素子102に向け直すことができる。また、中間層104が干渉フィルタを含む実施形態では、センサ素子102の法線方向に対して小さい角度を有する励起光ELは、効率的にフィルタリングされることができる。
【0076】
また、いくつかの実施形態によれば、より高い励起光フィルタリング効率を提供する第2の反射層210の構成により、中間層104のフィルタ層の厚さをより薄くすることができ(即ち、反応領域RRとセンサ素子102との間の距離が減少されることができる)、それにより、センサ装置10Eの全体の厚さを低減できる。
【0077】
次に、図8A図8Cに示すように、図8A図8Cは、本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニット100Uの断面図である。図8A図8Cに示されるように、第2の反射層210は、いくつかの実施形態によれば、湾曲した形状を有することができる。より具体的には、第2の反射層210の湾曲した形状は凹部を含むことができ、凹部の開口部は開口部108pに面してもよい。
【0078】
図8Aに示されるように、いくつかの実施形態では、断面図において、第2の反射層210は、「3面凹部」または「2つの底部角を含む凹部」の形状を有することができる。図8Bに示されるように、いくつかの実施形態では、断面図において、第2の反射層210はV字形状を有することができる。図8Bに示されるように、いくつかの実施形態では、断面図において、第2の反射層210はU形状を有することができる。
【0079】
いくつかの実施形態によれば、第2の反射層210の湾曲した形状は、センサ素子102から離れる励起光EL’の反射を増加させることができる。また、反射された励起光EL’は、第1の反射層110によって画定された開口部108pを通過することができる。
【0080】
次に、図9に示すように、図9は、本開示のいくつかの他の実施形態によるセンサ装置10Fの断面図である。図9に示された実施形態のセンサ装置10Fは、図7に示された実施形態のセンサ装置10Eと類似する。それらの間の違いは、センサ装置10Fが、上述の第2の反射層210の上に配置された導波路構造310をさらに含むことである。
【0081】
いくつかの実施形態によれば、導波路構造310は、反応領域RR内の強度を増強し、励起光ELを局在化させることができるため、用いられる励起光源のエネルギーが減少され、センサ素子102への励起光EL”’の強度を減少させることができる。また、いくつかの実施形態によれば、導波路構造310は、センサ素子102が受信する信号品質を向上させることができる。
【0082】
図9に示されるように、導波路構造310は、いくつかの実施形態に従って、パッシベーション層106の上面106tの近くに配置されることができる。いくつかの実施形態では、開口部108pは、導波路構造310に重なることができる。すなわち、励起光ELの入射方向(センサ素子102の法線方向、例えば図9に示すZ方向)からみた時に、開口部108pの位置と導波路構造310の位置が重なっている。また、いくつかの実施形態によれば、導波路構造310は、開口部108pの下に配置され、開口部108pと接触していることができる。いくつかの他の実施形態では、導波路構造310は、パッシベーション層106に配置され、開口部108pと接触していないこともできる。
【0083】
より具体的には、いくつかの実施形態では、導波路構造310および第2の反射層210は距離Dによって離間される。いくつかの実施形態では、距離Dは、約0.1μmから約5μm、または約0.1μmから約1μm、または約0.2μmから約0.4μmの範囲であることができる。距離Dが大きすぎる場合、パッシベーション層106の厚さは減少されない可能性がある。一方、距離Dが小さすぎる場合、導波路構造310は第2の反射層210に近づきすぎる可能性があり、導波路構造310のライトガイド効果が低減される可能性がある。
【0084】
いくつかの実施形態では、導波路構造310は幅Wを有することができる。いくつかの実施形態では、導波路構造310の幅Wは、開口部108pの幅W以上であることができる。いくつかの実施形態では、導波路構造310の幅Wは、第2の反射層210の幅W以下であることができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、導波路構造310の材料は、400nmから750nmの波長範囲で1.5より高い屈折率(n値)を有する材料を含むことができる。言い換えれば、導波路構造310は、いくつかの実施形態によれば、可視光の範囲で高屈折率を有する材料で形成されることもできる。具体的には、いくつかの実施形態では、導波路構造310の材料は、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、酸化チタン(TiO)、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al)、高屈折率ポリマー、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0086】
次に、図10に示すように、図10は、本開示のいくつかの他の実施形態によるセンサ装置10Gの断面図である。図10に示される実施形態のセンサ装置10Gは、図9に示される実施形態のセンサ装置10Fと類似する。それらの違いは、第2の反射層210がパターン化され、センサ装置10Gに開口部(aperture)210pを含むことである。
【0087】
図10に示されるように、いくつかの実施形態によれば、第2の反射層210はパターン化され、開口部210pは第2の反射層210内に配置されることができる。また、いくつかの実施形態では、開口部210pは、マイクロレンズ構造108および第1の反射層110と重なることができる。すなわち、励起光ELの入射方向(センサ素子102の法線方向、例えば図10に示すZ方向)からみた時に、開口部210pの位置が、マイクロレンズ構造108および第1の反射層110の位置と重なっている。いくつかの実施形態では、反射光RLは、開口部210pを介してセンサ素子102に入射することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、第2の反射層210内に配置された開口部210pは、反射光RLの量が隣接するセンサ素子102に入射するのを低減するため、クロストークの問題を低減することができる。
【0089】
次に、図11に示すように、図11は、本開示のいくつかの他の実施形態によるセンサ装置10Hの断面図である。図11に示される実施形態のセンサ装置10Hは、図10に示される実施形態のセンサ装置10Fと類似する。それらの違いは、センサユニット100Uが2つまたは4つのセンサ素子102などの1つ以上のセンサ素子102を含むことができることである。
【0090】
図11に示されるように、いくつかの実施形態によれば、第2の反射層210は1つ以上のセンサ素子102の上に延在し、開口部210pは1つのセンサユニット100U内の1つ以上のセンサ素子102の上に位置されることができる。
【0091】
図12A図12Jに示すように、図12A図12Jは、本開示のいくつかの実施形態によるセンサユニット100Uの上面図である。これらの構成要素の構成を明確に説明するために、図にはセンサ素子102、第2の反射層210、および開口部210pのみが示されている。
【0092】
図12A図12Jは、本開示のいくつかの実施形態による第2の反射層210の様々な態様を示しているが、本開示はそれに限定されない。図12Aおよび図12Bに示されるように、いくつかの実施形態では、第2の反射層210は、その中に配置された開口部210pを含むようにパターン化されることができる。いくつかの実施形態によれば、開口部210pは、パターン化された第2の反射層210の一部を囲むことができる。いくつかの実施形態では、開口部210pは、円形リング、長方形リング、または任意の他の適切な形状の形状を有することができるが、これに限定されない。1つのセンサユニット100Uが1つのセンサ素子102を含む実施形態では、開口部210pは1つのセンサ素子102に対応することができる。
【0093】
図12C図12Fに示されるように、いくつかの実施形態では、第2の反射層210は、その中に配置された開口部210pを含むようにパターン化されることができる。いくつかの実施形態によれば、開口部210pは、パターン化された第2の反射層210の一部を囲むことができる。いくつかの実施形態では、開口部210pは、円形、長方形、円形リング、長方形リング、または任意の他の適切な形状を有することができるが、それに限定されない。1つのセンサユニット100Uが2つのセンサ素子102を含む実施形態では、開口部210pは1つまたは2つのセンサ素子102に対応することができる。
【0094】
図12Cおよび図12Dに示されるように、いくつかの実施形態によれば、開口部210pは、2つのセンサ素子102の上に個別に配置されることができる。図12Eおよび図12Fに示されるように、いくつかの実施形態によれば、開口部210pは、2つのセンサ素子102の上の連続構造であることができる。
【0095】
図12G図12Jに示されるように、いくつかの実施形態では、第2の反射層210は、その中に配置された開口部210pを含むようにパターン化されることができる。いくつかの実施形態によれば、開口部210pは、パターン化された第2の反射層210の一部を囲むことができる。いくつかの実施形態では、開口部210pは、円形、長方形、円形リング、長方形リング、または任意の他の適切な形状を有することができるが、それに限定されない。4つのセンサ素子102を含む1つのセンサユニット100Uの実施形態では、開口部210pは、1つ、2つ、3つ、または4つのセンサ素子102に対応することができる。
【0096】
図12Gおよび図12Hに示されるように、いくつかの実施形態によれば、開口部210pは、4つのセンサ素子102の上に個別に配置されることができる。図12Iおよび図12Jに示されるように、いくつかの実施形態によれば、開口部210pは、2つのセンサ素子102の上の連続構造であることができる。
【0097】
次に、図13A図13Hに示すように、図13A図13Hは、本開示のいくつかの実施形態による、センサ装置を製造するためのプロセスの様々な段階におけるセンサ装置10Aの断面図である。追加の操作がセンサ装置を製造するプロセス前、プロセス中、および/またはプロセス後に、提供されることができる。いくつかの実施形態によれば、以下で説明される動作のいくつかは、置換または排除されることができる。
【0098】
まず、図13Aに示すように、基板101が提供される。基板101は、その中に配置された少なくとも1つのセンサ素子102を含むことができる。言い換えれば、センサ素子102は、いくつかの実施形態に従って基板101に構成されることができる。いくつかの実施形態では、基板101は、半導体材料で形成されたウェーハであってもよい。いくつかの実施形態では、基板101の材料は、シリコン、シリコン基板上III-V族、グラフェンオンシリコン、シリコンオンインシュレータ、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0099】
次に、図13Bに示されるように、中間層104は、いくつかの実施形態に従って、基板101およびセンサ素子102上に形成されることができる。その後、いくつかの実施形態に従って、パッシベーション層106が中間層104上に形成されることができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、中間層104およびパッシベーション層106は、化学気相堆積(CVD)プロセス、物理気相堆積(PVD)プロセス、スピンコーティングプロセス、印刷プロセス、任意の他の適用可能な方法、またはそれらの組み合わせによって形成されることができる。例えば、化学気相堆積プロセスは、低圧化学気相堆積(LPCVD)プロセス、低温化学気相堆積(LTCVD)プロセス、急速熱化学気相堆積(RTCVD)プロセス、プラズマ化学気相堆積(PECVD)プロセス、または原子層堆積(ALD)プロセスを含むが、これらに限定されない。例えば、物理蒸着は、スパッタリングプロセス、蒸着プロセス、またはパルスレーザー蒸着(PLD)プロセスを含むことができるが、これらに限定されない。
【0101】
また、パッシベーション層106が中間層104上に形成された後、いくつかの実施形態に従って、マイクロレンズ構造108がパッシベーション層106上に形成されることができる。具体的には、いくつかの実施形態によれば、マイクロレンズ構造108を形成するための材料層は、パッシベーション層106上に形成されることができ、材料層は、1つ以上のフォトリソグラフィプロセスおよびエッチングプロセス(例えば、図13Cおよび図13Dに示されるように)によってパターン化されることができる。
【0102】
図13Cに示すように、いくつかの実施形態に従って、フォトレジストPRが材料層上に形成され、マイクロレンズ構造108を形成することができる。いくつかの実施形態では、フォトレジストPRは、後に形成されるマイクロレンズ構造108のプロファイルを画定するためにパターン化されることができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、フォトレジストPRは、スピンコーティングプロセス、印刷プロセス、任意の他の適用可能な方法、またはそれらの組み合わせによって形成されることができる。また、1つ以上のフォトリソグラフィプロセスおよびエッチングプロセスは、フォトレジストPRをパターン化するように用いられることができる。いくつかの実施形態では、フォトリソグラフィプロセスは、ソフトベーキング、ハードベーキング、マスクアライメント、露光、露光後ベーキング、フォトレジストの現像、リンス、乾燥、または他の適切なプロセスを含むことができる。いくつかの実施形態では、エッチングプロセスは、ドライエッチングプロセス、ウェットエッチングプロセス、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、ドライエッチングプロセスは、反応性イオンエッチング(RIE)プロセス、プラズマエッチングプロセスなどを含むことができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、マイクロレンズ構造108は、リフロープロセスによって直接形成されることができる。いくつかの実施形態では、マイクロレンズ構造108の材料は、フォトレジストを含むことができ、機能性表面コーティング(例えば、自己組織化単分子層(SAM))の犠牲層として機能することができ、且つ機能性表面コーティングは開口部108pの底部にのみ配置されることができる。そのような構成では、第1の反射層110内の材料は均質であってもよい。
【0105】
次に、図13Dに示すように、いくつかの実施形態に従って、リフロープロセスがフォトレジストPRに行われ、マイクロレンズ構造108のプロファイルを画定することができる。いくつかの実施形態では、リフロープロセスは、適切な温度を有する反応チャンバまたはホットプレートで行われることができる。いくつかの実施形態では、リフロープロセスが行われた後、マイクロレンズ構造108を形成するための材料層は、エッチバックされ、フォトレジストPRのプロファイルを材料層に転写することができ、所望のプロファイルを有するマイクロレンズ構造108が形成されることができる。
【0106】
次に、図13Eに示すように、第1の反射層110は、いくつかの実施形態に従って、マイクロレンズ構造108上にコンフォーマルに形成されることができる。いくつかの実施形態では、第1の反射層110は、マイクロレンズ構造108を部分的または全体的に覆うことができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、第1の反射層110は、化学気相堆積(CVD)プロセス、物理気相堆積(PVD)プロセス、スピンコーティングプロセス、印刷プロセス、任意の他の適用可能な方法、またはそれらの組み合わせによって形成されることができる。
【0108】
次に、図13Fに示すように、第1の反射層110が形成された後、いくつかの実施形態に従って、平坦化層112が第1の反射層110上に形成されることができる。平坦化層112は、第1の反射層110およびマイクロレンズ構造108の上に平坦な上面112tを提供することができる。
【0109】
より具体的には、いくつかの実施形態では、平坦化層112の材料は、第1の反射層110上にコンフォーマルに形成され、平坦化プロセスは、材料に行われ、平坦な上面112tを有する平坦化層112を形成することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、平坦化層112は、化学気相堆積(CVD)プロセス、物理気相堆積(PVD)プロセス、スピンコーティングプロセス、印刷プロセス、任意の他の適用可能な方法、またはそれらの組み合わせによって形成されることができる。いくつかの実施形態では、平坦化プロセスは、化学機械研磨(CMP)プロセス、機械研磨プロセス、研削プロセス、エッチングプロセス、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0111】
また、いくつかの実施形態によれば、平坦化層112が第1の反射層110上に形成された後、表面改質層114(図示せず)は、平坦化層112上に形成されることができる。
【0112】
次に、図13Gに示すように、いくつかの実施形態に従って、フォトレジストPRが平坦化層112上に形成されることができる。具体的には、フォトレジストPRがパターン化されて、後に形成される開口部108pの位置を画定することができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、フォトレジストPRは、化学気相堆積(CVD)プロセス、スピンコーティングプロセス、印刷プロセス、任意の他の適用可能な方法、またはそれらの組み合わせによって形成されることができる。また、1つ以上のフォトリソグラフィプロセスおよびエッチングプロセスが用いられて、フォトレジストPRをパターン化することができる。
【0114】
次に、図13Hに示すように、いくつかの実施形態に従って、第1の反射層110の一部およびマイクロレンズ構造108の一部が除去されて、マイクロレンズ構造108に開口部108pを形成する。開口部108pは、パッシベーション層106の上面106tの一部を露出することができる。図13Hに示されるように、いくつかの実施形態では、第1の反射層110は、開口部108pからパッシベーション層106まで延在することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、1つ以上のフォトリソグラフィプロセスおよびエッチングプロセスが用いられ、第1の反射層110およびマイクロレンズ構造108を部分的に除去する。いくつかの実施形態では、フォトリソグラフィプロセスは、フォトレジストコーティング(例えば、スピンコーティング)、ソフトベーキング、ハードベーキング、マスクアライメント、露光、露光後ベーキング、フォトレジストの現像、リンス、乾燥、または他の適切なプロセスを含むことができる。いくつかの実施形態では、エッチングプロセスは、ドライエッチングプロセス、ウェットエッチングプロセス、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0116】
次に、図14A図14Hに示すように、図14A図14Hは、本開示のいくつかの実施形態による、センサ装置を製造するためのプロセスの様々な段階におけるセンサ装置10Eの断面図である。図14A図14Hに示される実施形態のプロセスは、図13A図13Hに示される実施形態のプロセスと部分的に同様である。それらの違いは、図14A図14Hに示されるセンサ装置10Eを形成するための方法が、パッシベーション層106を形成する前に、中間層104上に第2の反射層210を形成することをさらに含むことである。
【0117】
具体的には、いくつかの実施形態によれば、センサ装置10Eを形成する方法は、以下のステップを含むことができる。図14Aに示すように、基板101が提供され、基板101は、その中に配置された少なくとも1つのセンサ素子102を含むことができる。図14Bに示すように、中間層104は、基板101およびセンサ素子102上に形成される。また、第2の反射層210が中間層104上に形成される。具体的には、いくつかの実施形態では、第2の反射層210は、中間層104の上面104t上に形成されることができる。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、第2の反射層210は、パッシベーション層106の上面106tと中間層104の上面104tとの間の任意の位置に形成されることができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、第2の反射層210は、化学気相堆積(CVD)プロセス、物理気相堆積(PVD)プロセス、スピンコーティングプロセス、印刷プロセス、任意の他の適用可能な方法、またはそれらの組み合わせによって形成されることができる。いくつかの実施形態では、第2の反射層210は、1つ以上のフォトリソグラフィプロセスおよびエッチングプロセスによってパターン化されることができる。
【0119】
また、図14Cに示すように、第2の反射層210が中間層104上に形成された後、マイクロレンズ構造108を形成するための材料層がパッシベーション層106上に形成される。次に、図14Dに示すように、パターン化されたフォトレジストPRが、材料層上に形成され、マイクロレンズ構造108を形成する。図14Eに示すように、リフロープロセスがフォトレジストPRに行われ、マイクロレンズ構造108のプロファイルを画定する。図14Fに示すように、第1の反射層110は、マイクロレンズ構造108上にコンフォーマルに形成される。図14G示すように、第1の反射層110が形成された後、平坦化層112が第1の反射層110上に形成され、パターン化されたフォトレジストPRが平坦化層112上に形成される。次に、図14Hに示すように、第1の反射層110の一部およびマイクロレンズ構造108の一部が除去されて、マイクロレンズ構造108に開口部108pが形成される。
【0120】
次に、図15A図15Hに示すように、図15A図15Hは、本開示のいくつかの実施形態による、センサ装置を製造するためのプロセスの様々な段階におけるセンサ装置10Fの断面図である。図15A図15Hに示される実施形態のプロセスは、図14A図14Hに示される実施形態のプロセスと部分的に同様である。それらの違いは、図15A図15Hに示されるセンサ装置10Fを形成するための方法が、マイクロレンズ構造108を形成する前に、パッシベーション層106上に、またはパッシベーション層106内に埋め込まれた導波路構造310を形成することをさらに含むことである。
【0121】
具体的には、いくつかの実施形態によれば、センサ装置10Fを形成する方法は、以下のステップを含むことができる。図15Aに示すように、基板101が提供され、基板101は、その中に配置された少なくとも1つのセンサ素子102を含むことができる。図15Bに示すように、中間層104は、基板101およびセンサ素子102上に形成される。また、第2の反射層210が中間層104上に形成され、パッシベーション層106は、第2の反射層210上に形成される。
【0122】
パッシベーション層106が第2の反射層210上に形成された後、導波路構造310がパッシベーション層106上に形成されることができる。いくつかの実施形態では、導波路構造310は、化学気相堆積(CVD)プロセス、物理気相堆積(PVD)プロセス、スピンコーティングプロセス、印刷プロセス、任意の他の適用可能な方法、またはそれらの組み合わせによって形成されることができる。
【0123】
図15Cに示すように、いくつかの実施形態によれば、導波路構造310が形成された後、パッシベーション層106は、導波路構造310を覆うように任意選択で形成され、次いで、パッシベーション層106の一部が除去されて、導波路構造310の上面を露出させ、次いで、マイクロレンズ構造108を形成するための材料層が、導波路構造310およびパッシベーション層106上に形成される。いくつかの他の実施形態では、導波路構造310が形成された後、マイクロレンズ構造108を形成するための材料層が、導波路構造310およびパッシベーション層106上に直接形成されることができる。
【0124】
その後、図15Dに示すように、パターン化されたフォトレジストPRが、材料層上に形成され、マイクロレンズ構造108を形成する。図15Eに示すように、リフロープロセスがフォトレジストPRに行われ、マイクロレンズ構造108のプロファイルを画定する。図15Fに示すように、第1の反射層110は、マイクロレンズ構造108上にコンフォーマルに形成される。図15G示すように、第1の反射層110が形成された後、平坦化層112が第1の反射層110上に形成され、パターン化されたフォトレジストPRが平坦化層112上に形成される。次に、図15Hに示すように、第1の反射層110の一部およびマイクロレンズ構造108の一部が除去されて、マイクロレンズ構造108に開口部108pが形成される。また、いくつかの実施形態によれば、開口部108pは導波路構造310を露出させることができる。
【0125】
次に、図16A図16Hに示すように、図16A図16Hは、本開示のいくつかの実施形態による、センサ装置を製造するためのプロセスの様々な段階におけるセンサ装置10Gの断面図である。図16A図16Hに示される実施形態のプロセスは、図15A図15Hに示される実施形態のプロセスと部分的に同様である。それらの違いは、図16A図16Hに示されたセンサ装置10Gを形成するための方法が、第2の反射層210をパターン化して、第2の反射層210内に開口部210pを形成することをさらに含むことである。
【0126】
具体的には、いくつかの実施形態によれば、センサ装置10Gを形成する方法は、以下のステップを含むことができる。図16Aに示すように、基板101が提供され、基板101は、その中に配置された少なくとも1つのセンサ素子102を含むことができる。図16Bに示すように、中間層104は、基板101およびセンサ素子102上に形成される。また、第2の反射層210が中間層104上に形成され、パッシベーション層106は、第2の反射層210上に形成される。
【0127】
具体的には、パッシベーション層106が形成される前に、第2の反射層210がパターン化され、第2の反射層210内に開口部210pを形成することができる。いくつかの実施形態では、第2の反射層210は、1つ以上のフォトリソグラフィプロセスおよびエッチングプロセスによってパターン化され、開口部210pを形成することができる。
【0128】
また、パッシベーション層106が第2の反射層210上に形成された後、導波路構造310がパッシベーション層106上に形成されることができる。次に、図16Cに示すように、マイクロレンズ構造108を形成するための材料層は、導波路構造310およびパッシベーション層106上に形成されることができる。
【0129】
その後、図16Dに示すように、パターン化されたフォトレジストPRが、材料層上に形成され、マイクロレンズ構造108を形成する。図16Eに示すように、リフロープロセスがフォトレジストPRに行われ、マイクロレンズ構造108のプロファイルを画定する。図16Fに示すように、第1の反射層110は、マイクロレンズ構造108上にコンフォーマルに形成される。図16G示すように、第1の反射層110が形成された後、平坦化層112が第1の反射層110上に形成され、パターン化されたフォトレジストPRが平坦化層112上に形成される。次に、図16Hに示すように、第1の反射層110の一部およびマイクロレンズ構造108の一部が除去されて、マイクロレンズ構造108に開口部108pが形成される。
【0130】
上記を要約すると、本開示のいくつかの実施形態によれば、センサ素子は、マイクロレンズ構造の上に配置された反射層を含むことができる。反射層は、フォトダイオードから反対方向に放射された光を反射することができるため、フォトダイオードの放射光の集光効率を高めることができる。従って、センサ装置の感度および性能を向上できる。
【0131】
本開示及びそれらの利点の一部の実施形態が詳細に説明されてきたが、添付の請求の範囲によって定義されるように、本開示の精神および範囲を逸脱せずに、本明細書において種々の変更、置換、および代替をすることができることを理解すべきである。例えば、本明細書で述べられる特徴、機能、プロセス、および材料の多くが本開示の範囲を逸脱することなく変更できることが当業者にとっては容易に理解されるだろう。また、本出願の範囲は、本明細書中に述べられたプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者が本開示の開示から容易に理解するように、本明細書で述べられた対応する実施形態と、実質的に同様の機能を実行するか、または実質的に同様の結果を達成する、現存の、または後に開発される、開示、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップが本開示に従って利用され得る。よって、添付の特許請求の範囲は、上述のプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップを含むように意図される。
【符号の説明】
【0132】
10A、10B、10C、10D、10E、10F、10H、10G…センサ装置
SA…サンプル
RR…反応領域
L…光
RL…反射光
…センサ素子の幅
100U…センサユニット
101…基板
102…センサ素子
104…中間層
106…パッシベーション層
106t…パッシベーション層の上面
108…マイクロレンズ構造
108b…マイクロレンズ構造の底部
108bs…マイクロレンズ構造の底面
108s…開口部の側壁
108p…開口部
108t…マイクロレンズ構造の上部
110…第1の反射層
112…平坦化層
112t…平坦化層の上面
A-A’線分
104A…中間層の第1の層
104B…中間層の第2の層
114…表面改質層
116…金属層
T…表面改質層の厚さ
104t…中間層の上面
…第2の反射層の幅
…開口部の幅
EL…励起光
EL’ …第2の励起光
EL” …散乱光
EL”’…励起光
210…第2の反射層
…距離
310…導波路構造
…導波路構造の幅
210p…センサ装置の開口部
PR…フォトレジスト
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図12H
図12I
図12J
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13G
図13H
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図14G
図14H
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図15G
図15H
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図16H