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特許7065988自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置及びそれを備える掃除機
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  • 特許-自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置及びそれを備える掃除機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置及びそれを備える掃除機
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/24 20060101AFI20220502BHJP
   A47L 9/00 20060101ALI20220502BHJP
   A47L 9/22 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
H02K5/24 A
A47L9/00 B
A47L9/22
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020543980
(86)(22)【出願日】2018-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2018112191
(87)【国際公開番号】W WO2019223236
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2020-08-19
(31)【優先権主張番号】201810495642.1
(32)【優先日】2018-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519394207
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンスィズ(ウーハン)カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】516145507
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンスイズ インコーポレイテッド オブ チューハイ
【氏名又は名称原語表記】GREE ELECTRIC APPLIANCES, INC. OF ZHUHAI
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100188307
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】チェン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ ホンビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン デシュー
(72)【発明者】
【氏名】ファン ユエリン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シャンニー
(72)【発明者】
【氏名】レン ミン
(72)【発明者】
【氏名】メン デーハオ
(72)【発明者】
【氏名】リー ジー
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206673762(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/24
A47L 9/00
A47L 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ(2)と、
前記モータ(2)の外部に設けられるハウジング(3)と、
前記モータ(2)と前記ハウジング(3)との間に設けられるエアバッグ本体(1)と、
前記エアバッグ本体(1)と互いに連通し、前記モータ(2)の排気端(22)の下流に設けられるガス充填本体(4)と、を含み、
前記ガス充填本体(4)は、前記エアバッグ本体(1)が前記モータ(2)と前記ハウジング(3)との間に充填されるように、前記モータ(2)の排気を収集して前記エアバッグ本体(1)にガス充填を行い、
前記ガス充填本体(4)は、排気通路を有するカバー(41)と、前記排気通路を開閉可能な圧力エンドキャップ(42)とを含み、前記圧力エンドキャップ(42)により前記排気通路が閉鎖されると、前記カバー(41)と前記モータ(2)の排気端の下流及び前記ハウジング(3)との間に密封空間が形成され、前記圧力エンドキャップ(42)は前記密封空間内の圧力値に応じて、前記排気通路を開閉することを特徴とする自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置。
【請求項2】
前記エアバッグ本体(1)は、少なくとも前記モータ(2)の周方向外面と前記ハウジング(3)の内面によって形成される空間全体に充填され、前記モータ(2)と前記ハウジング(3)とを同時に押圧することを特徴とする請求項1に記載の自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置。
【請求項3】
前記エアバッグ本体(1)は、前記モータ(2)の周方向外面を覆う円環柱体であることを特徴とする請求項1に記載の自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置。
【請求項4】
前記エアバッグ本体(1)は、前記モータ(2)の周方向外面を覆う円環柱体部(14)と、前記円環柱体部(14)の両端に設けられ、前記円環柱体部(14)に連通され、前記モータ(2)の端面の少なくとも一部を覆う延設部(15)とを含むことを特徴とする請求項1に記載の自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置。
【請求項5】
前記延設部(15)は、環状をなし、前記円環柱体部(14)の端部から径方向内方に延びて形成されていることを特徴とする請求項4に記載の自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置。
【請求項6】
前記カバー(41)は、前記ハウジング(3)に接触する周方向面(411)と、前記周方向面(411)の前記モータ(2)に近い一端に接続された第1端面(412)と、前記周方向面(411)の前記モータ(2)から離れる一端に接続された第2端面(413)と、を含み、前記第1端面(412)は前記モータ(2)の排気端に向かって開放し、前記圧力エンドキャップ(42)は前記第2端面(413)に設けられることを特徴とする請求項に記載の自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置。
【請求項7】
前記エアバッグ本体(1)の前記ガス充填本体(4)に向く一端には、突出した給気口(12)が設けられており、前記ガス充填本体(4)の前記エアバッグ本体(1)に向く一端には、突出したガス充填口(43)が設けられており、前記給気口(12)と前記ガス充填口(43)はバルブ(13)を介して連通されることを特徴とする請求項1乃至5の中のいずれか一項に記載の自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置。
【請求項8】
前記バルブ(13)は逆止弁であることを特徴とする請求項に記載の自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置。
【請求項9】
前記エアバッグ本体(1)のボディは弾性材料からなることを特徴とする請求項1乃至5の中のいずれか一項に記載の自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置。
【請求項10】
前記弾性材料はゴムであることを特徴とする請求項に記載の自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置。
【請求項11】
前記エアバッグ本体(1)は、モータ(2)とハウジング(3)との間に充填された後、ガス(12)の圧力範囲が20kpa~40kpaであることを特徴とする請求項1乃至5の中のいずれか一項に記載の自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置。
【請求項12】
請求項1乃至11の中のいずれか一項に記載の自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置を含むことを特徴とする掃除機。
【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本開示は、出願番号が201810495642.1で出願日が2018年5月22日で発明名称が「自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置及びそれを備える掃除機」である中国特許出願を基に優先権を主張し、該中国特許出願の開示内容をすべて本願に援用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、振動・雑音低減技術分野に関し、特に、自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置及びそれを備える掃除機に関する。
【背景技術】
【0003】
人々の生活レベルの向上に伴って、機械設備への依存性が高まっている。手持ち型掃除機はすでに家庭に入り、日常の掃除に不可欠な道具になった。
【0004】
しかし、今の手持ち型掃除機に幾つかの業界問題があるため、手持ち型掃除機のさらなる発展が制限されている。そのうち、振動問題は、手持ち型掃除機の急速な発展を制限する重要な要素の1つである。手持ち型掃除機のモータが把持位置に近い箇所に設けられたため、わずかな振動であってもユーザが体験する把持感に影響を及ぼすからである。既存の掃除機は、各種の可撓性のゴムシールリングまたはショックパッドを用いて振動の低減を試したが、機器本体と取っ手での振動は依然として大きく、且つ機器本体と共振する可能性があり、雑音量が増加してユーザの体験に影響を及ぼし、掃除作業に支障を生じさせる。同時に、既存の掃除機の場合、モータ部品のシール性が不十分で、ガス漏れが発生して掃除機の先端作業ヘッドの吸着力が低下し、掃除効果が劣化する場合もよくある。
【0005】
中国特許文献CN205078438Uに循環ポンプに用いられる振動・雑音低減エアバッグが開示され、その中、ポンプ主体の外周に雑音低減ケースが設けられ、三つの互いに隔離されたエアバッグが雑音低減ケースの内面に固定され、エアバッグとポンプ主体との間に防音綿パッドが設けられ、各エアバッグが、接続された曲り管を介してガス充填ポンプ等のガス充填装置に連通されてガスの充填・排出が行われる。該技術案には、エアバッグがポンプ主体に密着されず、且つポンプ主体の外周に分散して配置されているため、振動低減効果が悪く、機器全体が振動してしまう問題や、該エアバッグが依然として補助用防音綿パッドを用いて雑音問題を解決しなければならない問題、該エアバッグのシール効果が悪く、モータのような場合に適用不能である問題、該エアバッグがガス充填された後に時間の経過に従って気圧が低下し、ガスの補充にエルギーを消費する問題、該エアバッグが、温水循環ポンプの作動状態に応じて、外部接続された充填吸引ポンプによって、雑音低減エアバッグのガスの充填吸引が行われるため、その構造が複雑になる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本開示は、補助装置に接続されてガス充填が行われるため、構造が複雑になる問題、振動低減構造による振動低減効果が低く、機器全体の振動が大きい問題、シール構造が複雑で、組み立てが面倒である問題、シール効果が低く、掃除効果が悪く、省エネに不利である問題の中の少なくとも一つを解決する自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置は、モータと、前記モータの外部に設けられるハウジングと、を含み、互いに連通されたエアバッグ本体及びガス充填本体をさらに含み、前記エアバッグ本体は前記モータと前記ハウジングとの間に設けられ、前記ガス充填本体は前記モータの排気端の下流に設けられ、前記ガス充填本体は、前記エアバッグ本体が前記モータと前記ハウジングとの間に充填されるように、前記モータの排気を収集して前記エアバッグ本体にガス充填を行う。
【0008】
さらに、前記エアバッグ本体は、少なくとも前記モータの周方向外面と前記ハウジングの内面によって形成される空間全体に充填され、前記モータと前記ハウジングとを同時に押圧する。
【0009】
さらに、前記エアバッグ本体は、前記モータの周方向外面を覆う円環柱体である。
【0010】
さらに、前記エアバッグ本体は、前記モータの周方向外面を覆う円環柱体部と、前記円環柱体部の両端に設けられ、前記円環柱体部に連通され、前記モータの端面の少なくとも一部を覆う延設部とを含む。
【0011】
さらに、前記延設部は、環状をなし、前記円環柱体部の端部から径方向内方に延びて形成されている。
【0012】
さらに、前記ガス充填本体は、排気通路を有するカバーと、前記排気通路を開閉可能な圧力エンドキャップとを含み、前記圧力エンドキャップにより前記排気通路が閉鎖されると、前記カバーと前記モータの排気端の下流及び前記ハウジングとの間に密封空間が形成され、前記圧力エンドキャップは前記密封空間内の圧力値に応じて、前記排気通路を開閉する。
【0013】
さらに、前記カバーは、前記ハウジングに接触する周方向面と、前記周方向面の前記モータに近い一端に接続された第1端面と、前記周方向面の前記モータから離れる一端に接続された第2端面と、を含み、前記第1端面は前記モータの排気端に向かって開放し、前記圧力エンドキャップは前記第2端面に設けられる。
【0014】
さらに、前記エアバッグ本体のボディは弾性材料からなる。
【0015】
さらに、前記弾性材料は、ゴムである。
【0016】
さらに、前記エアバッグ本体は、モータとハウジングとの間に充填された後、ガスの圧力範囲が20kpa~40kpaである。
【0017】
さらに、前記エアバッグ本体の前記ガス充填本体に向く一端には、突出した給気口が設けられており、前記ガス充填本体の前記エアバッグ本体に向く一端には、突出したガス充填口が設けられており、前記給気口と前記ガス充填口はバルブを介して連通される。
【0018】
さらに、前記バルブは、逆止弁である。
【0019】
本開示に係る掃除機は、上述したいずれかの自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置を含む。
【発明の効果】
【0020】
本開示の技術案によれば、以下のメリットの中の少なくとも一つを有する。
【0021】
1、本開示による自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置によれば、自己充填部材を有し、エアバッグ内の気圧状況に応じて、収集された、モータから排出されたガスを用いて、自分でエアバッグにガスを充填することができるため、圧力が時間の経過に従って低下することがなく、振動・雑音低減動作が安定的に行われ、ガスを補充する装置を別途に接続する必要がない。
【0022】
2、本開示による自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置によれば、エアバッグがモータの外周面全体を覆い、モータ及びケースといずれも密着され、且つモータとケースを押圧して、モータとハウジングとの柔軟な組み立てを実現し、モータによって機器全体が振動してしまう問題を解決する。
【0023】
3、本開示による自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置によれば、振動問題を改善したため、別途、防音装置を追加せずにモータから発生される雑音量を低減することができ、ユーザの体験をさらに向上させる。
【0024】
4、本開示による自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置によれば、組立前に扁平状をなし、それをモータに組み立てた後、モータへの組み立て、固定、シール、振動低減を実現でき、別途にガス充填を行う必要がない。伝統的なショックパッドまたはシールリングに比べ、組み立てが簡単になり、モータを強制的に締め付ける必要がない。
【0025】
5、本開示による掃除機によれば、上述した自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置を用いたため、上述したメリットの中の少なくとも一つを有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示の具体的な実施形態または既存技術における技術案をさらに明確に説明するため、以下、具体的な実施形態または既存技術の説明に用いられる図面を簡単に説明するが、以下で説明する図面は本開示の実施形態の一部であり、当業者であれば創造性のある行為を必要とせずこれらの図面から他の図面を得ることができることは言うまでもない。
図1】本開示の第1の実施形態に係る自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置の断面図である。
図2図1に示す装置の構造の分解図である。
図3】本開示の第2の実施形態に係る自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置の断面図である。
【図面符号の説明】
【0027】
1-エアバッグ、11-ガス、12-給気口、13-バルブ、14-円環柱体部、15-延設部、
2-モータ、21-給気端、22-排気端、3-ハウジング、
4-ガス充填本体、41-カバー、411-周方向面、412-第1端面、413-第2端面、42-圧力エンドキャップ、43-ガス充填口。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を結合して、本開示の技術案を明確且つ完全に説明するが、ここで説明する実施例は本開示の実施例の全部ではなく一部であることは言うまでもない。本開示の実施例に基づいて、当業者が創造性のある行為を必要とせずに得られる他の実施例はすべて本開示の保護範囲に含まれる。
【0029】
本開示の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」等の用語が示す方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であって、ただ本開示を簡単に説明するために用いられるもので、かかる装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成され操作されるべきであることを明示したり暗示したりするものではないので、本開示を限定するものと見なしてはいけない。そして、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は説明のために用いられたもので、相対的な重要性を明示又は暗示するものと見なしてはいけない。
【0030】
尚、本開示の説明において、明確に規定され限定されていない限り、用語「取付」、「結ぶ」、「接続」を広義的に解釈するべきであって、例えば、固定して接続されることができれば、着脱可能に接続されることもでき、又は一体状に接続されることもできる。また、機械接続されることができれば、電気的に接続されることもできる。そして、直接に結ばれることができれば、中間の媒体を介して間接的に結ばれることもでき、2つの素子の内部が連通されることもできる。当業者は具体的な状況に応じて上記用語の本開示での具体的な意味を理解できる。
【0031】
そして、以下で説明する本開示の異なる実施形態中の技術特徴は衝突しない限り互いに結合することができる。
実施例1
図1図2に自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置の第1の実施形態を示す。なお、本開示における自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置を他の状況に適用することもできるが、本実施形態においては、モータ2を具備する掃除機に用いられることを例に説明する。モータ2は掃除機の核心部品であり、掃除機において吸着力を発生させるため、振動や雑音の主な発生源である。図1に示すように、モータ2の一端は給気端21であり、反対端は排気端22である。モータ2は通常、ハウジング3内に取り付けられる。図1図2に示すように、モータ2の外周が円柱状をなし、ハウジング3がモータ2の外周を覆い、モータ2の周方向外面とハウジング3の内面との間に円環柱状空間が形成される。
【0032】
本実施形態におけるエアバッグ振動・雑音低減構造付き装置は、上記モータ2と、ハウジング3と、エアバッグ本体1と、ガス充填本体4と、を含む。ここで、エアバッグ本体1とガス充填本体4とは互いに連通され、エアバッグ本体1はモータ2とハウジング3との間に設けられ、ガス充填本体4はモータ2の排気端22の下流に設けられ、ガス充填本体4は、モータ2の排気を収集してエアバッグ本体1にガス充填を行って、エアバッグ本体1をモータ2とハウジング3との間に充填させる。
【0033】
本実施形態において、モータ2によって自動的にエアバッグ本体1のガス充填が完成し、ガス充填装置を別途に接続する複雑な構造を省略し、エアバッグ本体1内の一定の気圧を持続的に得ることができ、掃除機を長期間放置することにより、気圧が低下し機器全体の振動・雑音低減性能に影響を及ぼすおそれがなくなる。
【0034】
ガス11はエアバッグ本体1のボディに形成されたチャンバーに充填される。エアバッグ本体1は、モータ2とハウジング3との間の上記円環柱状空間に設けられ、該空間全体がエアバッグ本体1で充填される。つまり、図1に示すように、エアバッグ本体1は少なくとも、モータ2の周方向外面全体を全部覆い、組み立て済みのエアバッグ本体1の内面はモータ2の周方向外面に密着され、エアバッグ本体1の外面はハウジング3の内面に密着される。エアバッグ本体1にガス11が充填され、ガス11が一定のガス圧力を形成するため、該ガス圧力の作用で、エアバッグ1がモータ2の外面とハウジング3の内面を同時に押圧することができる。
【0035】
本開示の自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置では、エアバッグ本体1はモータ2の外周面全体を被覆し、モータ2及びハウジング3のいずれもと密着して両方を同時に押圧するため、モータ2とハウジング3との柔軟な組み立てを実現し、モータ2の振動によって機器全体が振動してしまう共振問題を改善した。同時に、振動が大幅に低減されて、防音パッドを別途に追加せずに雑音量を大幅に低減することができ、機器全体の動作音質を改善し、機器全体の構造を簡略化する。
【0036】
なお、組み立て前は、エアバッグ本体1にガス11が充填されていないため、扁平状態にある。ガス11がいっぱい充填されると、エアバッグ本体1が膨脹して円環柱体を形成し、該円環柱体がモータ2とハウジング3との間の上記空間に合うため、エアバッグ1は同時にモータ2とハウジング3を押圧する。
【0037】
引き続き図1図2を参照すると、ガス充填本体4は、カバー41と、圧力エンドキャップ42と、を含む。カバー41は、ハウジング3に接触する周方向面411と、周方向面411のモータ2に近い一端に接続された第1端面412と、周方向面411のモータ2から離れる一端に接続された第2端面413と、の三つの面を含む。そのうち、第1端面412はモータ2の排気端に向かって開放し、圧力エンドキャップ42は第2端面413に設けられる。圧力エンドキャップ42は開閉可能であり、圧力エンドキャップ42が開くと、モータ2から排出されるガスがカバー41の第1端面412と第2端面413を介して外部へ排出されることができ、すなわち、カバー41に排気通路が形成される。圧力エンドキャップ42が閉じると、圧力エンドキャップ42が第2端面413に被冠され、上記排気通路を閉鎖して、カバー41とモータ2の排気端の下流及びハウジング3との間に密封空間を形成する。圧力エンドキャップ42は密封空間内の圧力の値に応じて、上記排気通路を継続して開放するかまたは閉鎖するかを選択することができる。例えば、圧力エンドキャップ42は、密閉空間内の気圧が20kpa~40kpaに達すると開くことができる。
【0038】
以下、ガス充填本体4によるガス充填プロセスを結合して、圧力エンドキャップの動作メカニズムをさらに詳しく説明する。掃除機が電源オフされたかまたは停止状態にある場合、圧力エンドキャップ42はカバー41の第2端面413に被冠されるノーマルクローズ状態である。掃除機が起動準備動作をする場合、圧力エンドキャップ42は継続して閉鎖状態にあり、カバー41とモータ2の排気端の下流及びハウジング3とによって上記密封空間を形成し、モータ2が起動され、モータ2の排気端22から排出される気流がカバー41によって収集されてエアバッグ本体1に充填される。上記密封空間内の気圧が例えば20kpa~40kpaに達すると、圧力エンドキャップ42が開放され、モータ2は上記排気通路を介して正常に動作して外部へ排気する。掃除機が電源オフされ動作を停止すると、圧力エンドキャップ42は初期の閉鎖状態へ戻って、次回に起動される時に上述したエアバッグ本体1へガス充填を行う動作を繰り返すことができるように保証する。このように、簡単で便利な操作によって、掃除機が起動されるたびにエアバッグ本体1へガス充填をデフォルトに行うように保証し、機器を長期間放置してエアバッグ本体1内の気圧が低下して振動・雑音低減の効果に影響を及ぼすことを回避できる。
【0039】
以下、図1を参照してガス充填本体4とエアバッグ本体1との間のガス充填構造を詳しく説明する。図1に示すように、エアバッグ本体1のガス充填本体4に向く一端には、突出した給気口12が設けられており、ガス充填本体4のエアバッグ本体1に向く一端には、突出したガス充填口43が設けられており、給気口12とガス充填口43とがシール接続され、両方はバルブ13を介して連通し、好ましくは、バルブ13は逆止弁である。バルブ13は、エアバッグ本体1の給気口12をロッキングし、内部のガスが漏れることを回避することができ、同時に、カバー41内のガスが一方向でエアバッグ本体1のチャンバー内に充填されるように制御することができる。掃除機が準備動作を開始するか、またはエアバッグ本体1内の気圧が低い時、モータ2が起動され、モータ2の排気端22の気流がカバー41によって収集されて、ガス充填口43、バルブ13、給気口12を介してエアバッグ本体1に充填される。
【0040】
さらに、エアバッグ本体1がモータ2とハウジング3の間で押圧を形成し、両方が柔軟に接続されるように、エアバッグ本体1のボディは柔らかく、高強度の弾性材料、例えばゴムからなることが好ましい。これにより、共振現象の発生を回避し、モータ2の使用寿命を延ばすことができる。
【0041】
ガス11が充填済みのエアバッグ本体1は、モータ2とハウジング3との間で押圧を形成することができ、このような押圧によってモータ2が締め付けられる。エアバッグ本体1とモータ2及びハウジング3との間で良好な充填や押圧を形成するように、エアバッグ本体1は内部のガス圧力範囲が20kpa~40kpaであることが好ましく、ガス圧力が該数値範囲に達すると、エアバッグ本体1の弾性と減衰状態が最適になって、モータ2に対する振動低減効果がより良くなるとともに、シールリングを別途に追加せずにモータ部品を密封でき、掃除機に必要な部品数を減少させ、コストを削減する。
【0042】
以下、図2を参照して本実施形態の自己充填型エアバッグ振動・雑音低減構造付き装置の取り付けプロセスを詳しく説明する。運送や取り付けの便宜を図るため、エアバッグ本体1は、取り付けられる前に、ガスが充填されていない扁平状態である。組み立て中に、まず、エアバッグ本体1のボディをモータ2とハウジング3との間に組み立て、ガス充填本体4をモータ2の排気端22の下流に組み立て、その周方向面411をハウジング3にシール接触させる。組み立てが完成した後、上述した自己ガス充填プロセスによってエアバッグ本体1にガス充填を行う。充填されたガス11が一定の圧力、例えば上述した好適な圧力範囲に達すると、ガス充填を終了してよい。
【0043】
伝統的なゴムシールリングに比べ、このような取り付けは非常に簡単であり、モータ2の柔軟な組み立てを実現し、モータ2及び振動低減シールリングをハウジング3に強制的に入れることを回避し、組み立て工程と難度を簡単にし、組み立ての人工費用を節約する。エアバッグ本体1が圧力を長期間保持でき、モータ2の良好な防音、振動低減、密封、固定を持続的に確保する。
実施例2
図3に本開示の第2の実施形態を示し、その中、第1の実施形態と同一の部分については説明を省略する。以下、本実施形態の第1の実施形態との相違点を詳しく説明する。
【0044】
本実施形態において、エアバッグ本体1は、モータ2の周方向全体の他に、モータ2の2つの端部の一部もそれぞれ覆う。図3に示すように、エアバッグ本体1は、モータ2の周方向外面を覆う円環柱体部14と、円環柱体部14の両端に設けられる延設部15との二つの部分を含み、延設部15はモータ2の端面の少なくとも一部を覆う。円環柱体部14は延設部15に連通される。好ましくは、延設部15は環状をなし、円環柱体部14の端部から径方向内方に延びて形成されており、つまり、エアバッグ本体1の軸方向断面は「[]」型をなしている。
【0045】
第1の実施形態に比べ、本実施形態におけるエアバッグ本体1は、さらにモータ2の二つの端部を覆うため、モータ2に対する密封効果がより良くなり、モータ2の作動吸着ヘッドでの吸着力が低下することを回避し、掃除機の長期間に亘る掃除効果を確保し、省エネの目的を達成できる。
【0046】
上記実施形態は明確に説明するために挙げたものにすぎず、実施形態を限定するものではない。当業者は上記説明に基づいて他の形態の変化または変動を行うことができる。ここにすべての実施形態を挙げることができず、すべての実施形態を挙げる必要もない。これから得られる自明な変化または変動は本開示の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3