IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラジオメーター・メディカル・アー・ペー・エスの特許一覧

特許7066011ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の使用可能性予測
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の使用可能性予測
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20220502BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
G01N35/00 F
G01N35/00 E
G01N35/00 C
G01N35/02 C
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020561762
(86)(22)【出願日】2019-05-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 EP2019061218
(87)【国際公開番号】W WO2019211365
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】PA201800196
(32)【優先日】2018-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】500554782
【氏名又は名称】ラジオメーター・メディカル・アー・ペー・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】ゲリング,ヘンレク・イェプスン
(72)【発明者】
【氏名】トマスゼウスカ,ハリナ
【審査官】三好 貴大
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-107368(JP,A)
【文献】特開2008-180640(JP,A)
【文献】特開2012-237734(JP,A)
【文献】国際公開第2017/221386(WO,A1)
【文献】特開2012-243324(JP,A)
【文献】特開2002-032642(JP,A)
【文献】特開2011-209275(JP,A)
【文献】特表2007-524080(JP,A)
【文献】特開2009-162584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G06Q 50/22
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポイントオブケア医療アナライザの消耗品状態予測データを生成する装置(60)であって、前記装置は、
- 入力ユニット(62)と、
- 処理ユニット(64)と
を備え、前記入力ユニット(62)は、第1の時間インデックスでの、前記ポイントオブケア医療アナライザ内に存在する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量を定義する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期状態データ、及びアナライザ識別子を受信するよう構成され、
前記入力ユニット(62)は、第2の時間インデックスを受信するよう構成され、
前記処理ユニット(64)は、少なくとも前記アナライザ識別子及び前記消耗品の初期状態データを使用して選択された、消耗品消耗予測モデルを使用して、前記第2の時間インデックスで前記ポイントオブケア医療アナライザ内に存在すると予測される、前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の量を定義する、消耗品状態予測データを生成するよう構成され、
前記消耗品消耗予測モデルは、(i)前記ポイントオブケア医療アナライザ内の、前記ポイントオブケア医療アナライザの検査用の消耗品の消耗品消耗速度を定義する、前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品モデルと、(ii)前記検査の発生率を定義するポイントオブケア医療アナライザ使用モデルとを含み、
前記消耗品状態予測データは、前記ポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の前記初期の量、及び少なくとも前記消耗品モデルと、前記第1の時間インデックスから前記第2の時間インデックスの間の前記ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルとの出力の集計に基づいて、前記処理ユニット(64)によって生成され、さらに前記アナライザ識別子で定義された、前記ポイントオブケア医療アナライザの使用場所メタデータを受信するよう構成される、装置(60)。
【請求項2】
さらに、前記アナライザ識別子で定義された前記ポイントオブケア医療アナライザの使用履歴データを受信するよう構成される、請求項1に記載の装置(60)。
【請求項3】
さらに、経時的に前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の消費量を定義する、消耗品使用ルールセットを受信するよう構成される、請求項1又は2に記載の装置(60)。
【請求項4】
さらに、前記アナライザ識別子を使用して、前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の、消耗品容量メトリックを受信するよう構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置(60)。
【請求項5】
さらに、前記アナライザ識別子で定義された前記ポイントオブケア医療アナライザの使用履歴データを受信するよう構成され、
さらに、前記アナライザ識別子を使用して、前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の、消耗品容量メトリックを受信するよう構成され、
さらに、前記使用履歴データ、前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品運搬モデル、及び前記アナライザ識別子によって識別され、前記第1の時間インデックスで収集された前記消耗品の初期状態データから動作する、前記ポイントオブケア医療アナライザの前記消耗品容量メトリックのうちの少なくとも1つに基づいて、前記消耗品モデルを生成するよう構成される、請求項に記載の装置(60)。
【請求項6】
さらに、経時的に前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の消費量を定義する、消耗品使用ルールセットを受信するよう構成され、
さらに、前記アナライザ識別子を使用して、前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の、消耗品容量メトリックを受信するよう構成され、
さらに、前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品運搬モデル、前記消耗品使用ルールセット、及び前記アナライザ識別子によって識別され、前記第1の時間インデックスで収集された前記消耗品の初期状態データから動作する、前記ポイントオブケア医療アナライザの前記消耗品容量メトリックのうちの少なくとも1つに基づいて、前記消耗品モデルを生成するよう構成される、請求項1に記載の装置(60)。
【請求項7】
さらに、前記第1の時間インデックスの前に取得された、前記アナライザ識別子で定義された前記ポイントオブケア医療アナライザの使用パターンデータを受信するよう構成される、請求項1からのいずれか一項に記載の装置(60)。
【請求項8】
さらに、前記アナライザ識別子によって前記第1の時間インデックスから前記第2の時間インデックスの間で定義された、前記ポイントオブケア医療アナライザの将来の使用計
画を受信するよう構成される、請求項1からのいずれか一項に記載の装置(60)。
【請求項9】
さらに、前記使用パターンデータ、及び、使用場所メタデータ、のうちの少なくとも1つに基づいて、前記ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルを生成するよう構成される、請求項に記載の装置(60)。
【請求項10】
さらに、使用場所メタデータ、及び、前記将来の使用計画、のうちの少なくとも1つに基づいて、前記ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルを生成するよう構成される、請求項8に記載の装置(60)。
【請求項11】
前記ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルは、前記第1の時間インデックスから前記第2の時間インデックスの間の、予想される検査数を出力する、請求項に記載の装置(60)。
【請求項12】
少なくとも前記消耗品モデルと、前記第1の時間インデックスから前記第2の時間インデックスの間の、前記ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルとの出力を集計することは、
前記ポイントオブケア医療アナライザ内のポイントオブケア医療アナライザの検査用の消耗品の、検査での消耗量を計算することと、前記第2の時間インデックスでの、及び/又は前記第1の時間インデックスから前記第2の時間インデックスの間の変数である、前記消耗品状態予測データを生成するために、前記検査での消耗量に前記予想される検査数を掛けることと
を含む、請求項11に記載の装置(60)。
【請求項13】
前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の有効期限データを受信し、
前記消耗品モデルの因子として、前記第1の時間インデックスから前記有効期限データ内で定義された有効期限の間だけの、前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品を含むよう、さらに構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置(60)。
【請求項14】
さらに、複数のポイントオブケア医療アナライザの消耗品状態予測データを生成するよう構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置(60)。
【請求項15】
ポイントオブケア医療アナライザの消耗品状態予測データを生成する方法であって、
第1の時間インデックスでの、前記ポイントオブケア医療アナライザ内に存在する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量を定義する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期状態データ、及びアナライザ識別子を受信するステップ(100)と、
第2の時間インデックスを受信するステップ(102)と、
少なくとも前記アナライザ識別子及び前記消耗品の初期状態データを使用して選択された、消耗品消耗予測モデルを使用して、前記第2の時間インデックスで前記ポイントオブケア医療アナライザ内に存在すると予測される、前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の量を定義する、消耗品状態予測データを生成するステップ(104)と
を含み、前記消耗品消耗予測モデルは、(i)前記ポイントオブケア医療アナライザ内の、前記ポイントオブケア医療アナライザの検査用の消耗品の消耗品消耗速度を定義する、前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品モデルと、(ii)前記検査の発生率を定義するポイントオブケア医療アナライザ使用モデルとを含み、
前記消耗品状態予測データは、前記ポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の前記初期の量、及び少なくとも前記消耗品モデルと、前記第1の時間インデックスから前記第2の時間インデックスの間の前記ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルとの出力の集計に基づいて生成される、方法。
【請求項16】
- 少なくとも1台のポイントオブケア医療アナライザ(10x、10y、10z)と、
- 請求項1から14のいずれか一項に記載の装置(60)と、
- データ通信ネットワーク(82)と
を備え、前記ポイントオブケア医療アナライザ(10x、10y、10z)は、第1の時間インデックスでの、前記ポイントオブケア医療アナライザ内に存在する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量を定義する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期状態データ、及びアナライザ識別子を、前記データ通信ネットワークを介して前記装置に送信するよう構成される、システム(80)。
【請求項17】
- 携帯型データ端末(84)
をさらに備え、前記携帯型データ端末は、
前記ポイントオブケア医療アナライザの画像、及び前記ポイントオブケア医療アナライザ内に存在する前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の前記初期の量を含む、GUIを表示し、
前記GUIインターフェースを使って、前記データネットワークを介して、第2の時間インデックスを前記装置に送信し、
前記装置(60)から応答データを受信し、
前記ポイントオブケア医療アナライザ内に存在する前記ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の交換が、前記第2の時間インデックスでどれほど緊急に必要とされるかの指標を、前記携帯型デバイスの前記GUI上に表示するよう構成される、請求項16に記載のシステム(80)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ポイントオブケア医療アナライザの、消耗品状態予測データを生成する装置、ポイントオブケア医療アナライザの、消耗品状態予測データを生成する方法、システム、コンピュータプログラム要素、及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動ポイントオブケア医療アナライザは、病院、診断検査センター、及び看護拠点(POC:point-of-care)における、手動での検査の作業にほぼ取って代わった。かかるデバイスは、たとえば、血液ガス検査、尿素検査、糖尿病管理、及び血液学で使用され得る。
【0003】
たとえば、典型的な高性能血液ガスアナライザは、多種多様な電解質、代謝物、並びにpCO2、pO2、pH、Na+、K+、Ca2+、Cl-、グルコース、乳酸塩、及びとりわけヘモグロビン、D-ダイマー、トロポニン、CKMB、ミオグロビン、NT-proBNP、CRP、phCG、PCTなどのバイオマーカーを検査する。典型的な自動血液ガスアナライザは、1時間あたり約30サンプルの処理能力を実現させることができ、単一のサンプルでの複数の血液検査では、1時間あたり合計約300の検査を提供する。
【0004】
かかる自動ポイントオブケア医療アナライザは、様々な試薬を必要とする。通常、診断検査センター又は大規模な病院には、多数の様々な種類の自動ポイントオブケア医療アナライザが存在し、それが試薬の効率的な管理を難しくする。
【0005】
状況によっては、1人又は複数人に、ポイントオブケア検査デバイスを稼働させ続ける作業が割り当てられる場合がある。こうした担当者は、デバイスが常に較正されていることを監視し、スケジュールされた品質管理を実行し、十分な消耗品を持っている。こうしたポイントオブケアコーディネータは、定期的にアナライザを使用するわけではなく、そのため時々刻々の消耗品の状態を知らない。したがって、ポイントオブケアコーディネータは、アナライザごとの消耗品の状態について、通常は看護師である操作者からの入力情報に依存することが多い。ポイントオブケアアナライザが常に確実に稼働するように、看護師は、アナライザが消耗品を使い果たすかなり前にポイントオブケアコーディネータに電話し、確実に消耗品が交換され、ポイントオブケア検査デバイスがいつでも使用できるようにし得る。これは、多くの場合、消耗品の交換が必要になる前に消耗品が置き換えられることにつながり、したがって廃棄物をもたらす。
【0006】
US2003/0172009A1は、医療機関の臨床検査分析デバイスと消耗品供給業者のコンピュータとが通信回線を介して接続されている、消耗品供給管理システムについて論じている。しかし、かかるシステムはさらに改善され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、自動ポイントオブケア医療アナライザの、改善された試薬管理手法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の使用可能性を予測する、改善された技法を有することは有益であろう。本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、さらなる実施形態は、従属請求項に組み込まれる。
【0009】
ポイントオブケア医療アナライザの消耗品状態予測データを生成する装置は、
- 入力ユニットと、
- 処理ユニットと
を備える。
【0010】
入力ユニットは、第1の時間インデックスでの、ポイントオブケア医療アナライザ内に存在する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量を定義する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期状態データ、及びアナライザ識別子を受信するよう構成される。
【0011】
入力ユニットは、第2の時間インデックスを受信するよう構成される。
処理ユニットは、少なくともアナライザ識別子及び消耗品の初期状態データを使用して選択された、消耗品消耗予測モデルを使用して、第2の時間インデックスでポイントオブケア医療アナライザ内に存在すると予測される、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の量を定義する、消耗品状態予測データを生成するよう構成される。
【0012】
消耗品消耗予測モデルは、(i)ポイントオブケア医療アナライザ内の、ポイントオブケア医療アナライザの検査用の消耗品の消耗品消耗速度を定義する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品モデルと、(ii)検査の発生率を定義するポイントオブケア医療アナライザ使用モデルとを含む。
【0013】
消耗品状態予測データは、ポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量と、少なくとも消耗品モデル、及び第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間のポイントオブケア医療アナライザ使用モデルの出力との集計、並びにポイントオブケア医療アナライザの場所に基づいて、処理ユニットによって生成される。
【0014】
個々の検査実施要綱の複雑さ、及びどれだけ頻繁にポイントオブケア医療アナライザが使用されるかに関するデータを考慮に入れて、ポイントオブケア医療アナライザ内の1つ又は多くの消耗品の予測される将来の消耗品の状態を、迅速且つ自動的に生成することが可能なため有利である。
【0015】
任意選択で、該装置は、アナライザ識別子で定義された、ポイントオブケア医療アナライザの使用履歴データを受信するよう構成される。
ポイントオブケア医療アナライザ又はポイントオブケア医療アナライザと通信するネットワーク化されたコンピュータは、精度が向上した消耗品状態予測データを提供できるため有利である。というのは、過去の所定の月、週、日、又はさらには時間における消耗品のレベルが、消耗品状態予測データの精度を向上させるために使用され得るからである。
【0016】
任意選択で、該装置は、経時的にポイントオブケア医療アナライザの消耗品の消費量を定義する、消耗品使用ルールセットを受信するよう構成される。
消耗品状態予測データの精度を向上させるために、消耗品の使用量を定義する、将来を見越した予測ルールのセットが使用され得るため有利である。たとえば、特定の血液ガスアナライザの事前設定には、毎週金曜日に病院の定期的な予定表に従って実行される血液ガス検査の数が増えることを指定するルールセットが提供され得る。
【0017】
任意選択で、該装置は、アナライザ識別子を使用して、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の、消耗品容量メトリックを受信するよう構成される。
任意選択で、該装置は、使用履歴データ、消耗品使用ルールセット、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品運搬モデル、及びアナライザ識別子によって識別され、第1の時間インデックスで収集された消耗品の初期状態データから動作する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品容量メトリックのうちの少なくとも1つに基づいて、消耗品モデルを生成するよう構成される。いくつかの情報源の組合せが、第2の時間インデックスでの、ポイントオブケア医療アナライザ内に残るポイントオブケア医療アナライザの消耗品の量の、より正確な評価を可能にするため有利である。
【0018】
任意選択で、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品モデルは、線形モデル、ルールベースの機械学習システム、実験的に適合されたデータ、及び/又はベイズモデルを含む。
【0019】
使用されるポイントオブケア医療アナライザネットワークに適合させるために、広範囲の適切なデータ分析モデルが提供され得るため有利である。たとえば、取扱い件数が比較的一定である(言い換えれば、検査スケジュールが適切に定義される)病院部門は、ルールベース又は線形モデルを優先する可能性がある。大規模な病院では、実験的に適合されたデータ及び/又はベイズモデルを使用して、たとえば季節的に現れる病気によってもたらされる医療検査の頻度を定義できる。
【0020】
任意選択で、該装置は、第1の時間インデックスの前に取得された、アナライザ識別子で定義されたポイントオブケア医療アナライザの使用パターンデータを受信するよう構成される。
【0021】
消耗品の過去の消耗モデルは、病院又は診療所に設置された個々のポイントオブケア医療アナライザの過去の使用の特性を正確に示す、使用パターンデータから生成され得るため有利である。
【0022】
任意選択で、該装置は、アナライザ識別子で定義された、ポイントオブケア医療アナライザの使用場所メタデータを受信するよう構成される。
任意選択で、該装置は、アナライザ識別子によって第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間で定義された、ポイントオブケア医療アナライザの将来の使用計画を受信するよう構成される。
【0023】
任意選択で、該装置は、使用パターンデータ、使用場所メタデータ、及び将来の使用計画のうちの少なくとも1つに基づいて、ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルを生成するよう構成される。
【0024】
任意選択で、ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルは、第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間の、予想される検査数を出力する。
任意選択で、少なくとも消耗品モデルと、第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間の、ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルとの出力を集計することは、ポイントオブケア医療アナライザ内のポイントオブケア医療アナライザの検査用の消耗品の、検査での消耗量を計算することと、第2の時間インデックスでの、及び/又は第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間の変数である、消耗品状態予測データを生成するために、検査での消耗量に予想される検査数を掛けることとを含む。
【0025】
ユーザは、ポイントオブケア医療アナライザ内に存在する消耗品、及び消耗品の消耗の予測が必要とされる時間枠を定義することが可能なため有利である。たとえば、ポイントオブケア医療アナライザの技術者は、技術者の休日に対応する時間枠を定義できる。使用モデルは、ポイントオブケア医療アナライザの技術者が不在の間に、第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間で予想される検査数を提供するであろう。次に使用モデルは、ポイントオブケア医療アナライザの技術者が治療中に、ポイントオブケア医療アナライザがどの時間インデックスで重要な試薬を完全に使い尽くすかを予測することが可能であろう。ポイントオブケア医療アナライザの技術者は、休暇で出発する前に、いつ所与の試薬の補充が必要になるかを予測することができるであろう。
【0026】
任意選択で、該装置は、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の有効期限データを受信し、消耗品モデルの因子として、第1の時間インデックスから有効期限データ内で定義された有効期限の間だけの、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品を含むよう構成される。
【0027】
任意選択で、該装置はさらに
- データ出力ユニット
を備える。データ出力ユニットは、第2の時間インデックスでの、及び/又は第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間の変数である、消耗品状態予測データを出力するよう構成される。
【0028】
任意選択で、該装置は、出力ディスプレイをさらに備える。
出力ディスプレイは、ポイントオブケア医療アナライザの画像、及びポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量を含むGUIを表示し、ユーザからGUIインターフェースを介して第2の時間インデックスを受信し、且つポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の交換が、第2の時間インデックスでどれほど緊急に必要とされるかの指標を、GUI上に表示するよう構成される。
【0029】
ユーザは、たとえば、保守従事者なしで、1台又は複数台のポイントオブケア医療アナライザが使用される期間を、迅速且つ簡単に入力できるため有利である。迅速に作成されたGUIは、管理者が、1台又は複数台のポイントオブケア医療アナライザの残りの容量を評価して、一連の検査を提供することを可能にする。さらに、GUIは、本明細書で説明されるモデリングを使用して、医療分析システムの様々な構成配置の予測を提供できる。たとえば、ユーザは、第1及び第2のポイントオブケア医療アナライザをオフラインにすることが、試薬の残りの在庫で所定のポイントオブケア医療アナライザの稼働をより長い期間維持できるかどうかを調査できる。
【0030】
任意選択で、該装置は、GUI上に、それぞれが複数のポイントオブケア医療アナライザのうちの一意的なポイントオブケア医療アナライザに対応する、複数の画像を表示し、GUIインターフェースを介して、ユーザから第2の時間インデックスを受信し、且つ複数のポイントオブケア医療アナライザのうちのポイントオブケア医療アナライザごとに、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の交換の緊急性のレベルに基づいて、GUI内の複数の画像を分類するよう構成される。
【0031】
任意選択で、該装置は、複数のポイントオブケア医療アナライザの中のポイントオブケア医療アナライザに補充するための、消耗品のリスト及び/又は消耗品の量を、生成及び表示するよう構成される。
【0032】
任意選択で、該装置は血液ガスアナライザである。
第2の態様による、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品状態予測データを生成する方法が提供され、該方法は、
第1の時間インデックスでの、ポイントオブケア医療アナライザ内に存在する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量を定義する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期状態データ、及びアナライザ識別子を受信するステップと、
第2の時間インデックスを受信するステップと、
少なくともアナライザ識別子及び消耗品の初期状態データを使用して選択された、消耗品消耗予測モデルを使用して、第2の時間インデックスでポイントオブケア医療アナライザ内に存在すると予測される、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の量を定義する、消耗品状態予測データを生成するステップと
を含み、消耗品消耗予測モデルは、(i)ポイントオブケア医療アナライザ内の、ポイントオブケア医療アナライザの検査用の消耗品の消耗品消耗速度を定義する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品モデルと、(ii)検査の発生率を定義するポイントオブケア医療アナライザ使用モデルとを含み、且つ
消耗品状態予測データは、ポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量と、少なくとも消耗品モデル、及び第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間のポイントオブケア医療アナライザ使用モデルの出力との集計に基づいて生成される。
【0033】
任意選択で、該方法は、アナライザ識別子で定義されたポイントオブケア医療アナライザの、使用履歴データを受信するステップを含む。
任意選択で、該方法は、経時的にポイントオブケア医療アナライザの消耗品の消費量を定義する、消耗品使用ルールセットを受信するステップを含む。
【0034】
任意選択で、該方法は、アナライザ識別子を使用して、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の、消耗品容量メトリックを受信するステップを含む。
任意選択で、該方法は、使用履歴データ、消耗品使用ルールセット、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品運搬モデル、及びアナライザ識別子によって識別され、第1の時間インデックスで収集された消耗品の初期状態データから動作する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品容量メトリックのうちの少なくとも1つに基づいて、消耗品モデルを生成するステップを含む。
【0035】
任意選択で、該方法において、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品モデルは、線形モデル、ルールベースの機械学習システム、実験的に適合されたデータ、及び/又はベイズモデルを含む。
【0036】
任意選択で、該方法は、第1の時間インデックスの前に取得された、アナライザ識別子で定義されたポイントオブケア医療アナライザの使用パターンデータを受信するステップを含む。
【0037】
任意選択で、該方法は、アナライザ識別子で定義されたポイントオブケア医療アナライザの、使用場所メタデータを受信するステップを含む。
任意選択で、該方法は、アナライザ識別子によって第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間で定義された、ポイントオブケア医療アナライザの将来の使用計画を受信するステップを含む。
【0038】
任意選択で、該方法は、使用パターンデータ、使用場所メタデータ、及び将来の使用計画のうちの少なくとも1つに基づいて、ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルを生成するステップを含む。
【0039】
任意選択で、該方法において、ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルは、第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間の、予想される検査数を出力する。
任意選択で、該方法において、少なくとも消耗品モデルと、第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間の、ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルとの出力を集計するステップは、
ポイントオブケア医療アナライザ内のポイントオブケア医療アナライザの検査用の消耗品の、検査での消耗量を計算するステップと、第2の時間インデックスでの、及び/又は第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間の変数である、消耗品状態予測データを生成するために、検査での消耗量に予想される検査数を掛けるステップとを含む。
【0040】
任意選択で、該方法において、消耗品モデルの因子として、第1の時間インデックスから有効期限データ内で定義された有効期限の間だけの、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品を含む、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の有効期限データを受信するステップ。
【0041】
任意選択で、該方法は、第2の時間インデックスでの、及び/又は第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間の変数である、消耗品状態予測データを出力するステップを含む。
【0042】
任意選択で、該方法は、ポイントオブケア医療アナライザの画像、及びポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量を含む、GUIを表示するステップを含む。
【0043】
任意選択で、該方法は、ポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の交換が、第2の時間インデックスで、どれほど緊急に必要とされるかの指標をGUI上に表示するステップを含む。
【0044】
任意選択で、該方法は、GUI上に、それぞれが複数のポイントオブケア医療アナライザのうちの一意的なポイントオブケア医療アナライザに対応する、複数の画像を表示するステップと、GUIインターフェースを介して、ユーザから第2の時間インデックスを受信するステップと、複数のポイントオブケア医療アナライザのうちのポイントオブケア医療アナライザごとに、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の交換の緊急性のレベルに基づいて、GUI内の複数の画像を分類するステップとを含む。
【0045】
任意選択で、該方法は、複数のポイントオブケア医療アナライザの中のポイントオブケア医療アナライザに補充するための、消耗品のリスト及び/又は消耗品の量を生成するステップを含む。
【0046】
第3の態様によれば、
- ポイントオブケア医療アナライザと、
- 第1の態様又はその実施形態のうちの1つによる装置と、
- データ通信ネットワークと
を備えるシステムが提供される。
【0047】
ポイントオブケア医療アナライザは、第1の時間インデックスでの、ポイントオブケア医療アナライザ内に存在する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量を定義する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期状態データ、及びアナライザ識別子を、データ通信ネットワークを介して該装置に送信するよう構成される。
【0048】
任意選択で、該システムは
- 携帯型データ端末
を備える。
【0049】
携帯型データ端末は、
ポイントオブケア医療アナライザの画像、及びポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量を含む、GUIを表示し、
GUIインターフェースを使って、データネットワークを介して、第2の時間インデックスを該装置に送信し、
該装置から応答データを受信し、且つ
ポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の交換が、第2の時間インデックスでどれほど緊急に必要とされるかの指標を、携帯型デバイスのGUI上に表示する
よう構成される。
【0050】
任意選択で、少なくとも1台のポイントオブケア医療アナライザは、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品識別子を使用して、設置されたポイントオブケア医療アナライザの消耗品を識別するよう構成され、且つ少なくとも1台のポイントオブケア医療アナライザは、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品識別子に関連する、データ通信ネットワーク上の設置されたポイントオブケア医療アナライザの消耗品内に存在する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の中間量を送信するよう構成される、該システムが提供される。
【0051】
第4の態様によれば、コンピュータで実行されると、コンピュータが、第2の態様及びその実施形態による方法を実行することを可能にする命令を含む、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0052】
第5の態様によれば、第2の態様による方法を実行するためのソフトウェアコードを含む、記憶媒体上で実体的に具現化されるコンピュータプログラム製品が提供される。
ポイントオブケア検査(POCT(point-of-care testing)又は臨床検査)は、看護拠点又はその近くでの、すなわち、患者を治療する時間及び場所での医療診断検査として定義される。これは、検査が全体的に又は大部分が医療研究所に限定されていた過去のパターンとは対照的であり、過去のパターンでは、検体を看護拠点から離れて送り出し、その後結果を知るのに数時間又は数日待つ必要があった。その間、所望の情報なしに治療を継続しなければならない。
【0053】
POCTの背後にある原動力となる意向は、検査を便利且つ即座に患者へ提供することである。これは、患者、医師、及び治療チームが結果をより迅速に受け取る可能性を高め、より適切な即時の臨床管理上の決断が行われることを可能にする。POCTは、血中グルコース検査、血液ガス及び電解質分析、迅速凝固検査、迅速心臓マーカー診断、乱用薬物スクリーニング、尿試験紙検査、妊娠検査、便潜血分析、食品病原体スクリーニング、ヘモグロビン診断、感染症検査、並びにコレステロールスクリーニングを含む。
【0054】
POCTは、多くの場合、持ち運び可能でポータブルなハンドヘルド機器を使用して実現される。ハンドヘルドデバイスが利用できない場合は、小型のベンチアナライザ又は固定設備も使用され得る。すなわち目標は、検体を収集し、患者のいる場所又はその近くで結果を非常に短時間で取得することであり、それにより患者が去る前に必要に応じて、治療計画が調整され得る。より低コストで、より速く、より高性能なPOCTデバイスが、POCT手法の用途を、多くの病気に対する費用効果を高めることによって増やしている。さらに、同じ検体で様々な分析対象物を同時に測定することが非常に望ましく、同時測定が、迅速、低コスト、且つ信頼性の高い定量化を可能にする。したがって、マルチプレックスポイントオブケア検査(xPOCT:multiplexed point-of-care testing)は、過去10年間で、医療診断にとってより重要になっている。
【0055】
以下の出願書類において、用語「消耗品状態予測データ」は、揮発性又は不揮発性の記憶媒体(それぞれコンピュータRAM又はハードドライブなど)に保存され得るデータ構造体であり、所与の時間インデックス以前の時間範囲内に実行された医療検査数、及び所定の種類の検査に使用される試薬の量を考慮して、所与の時間インデックスでの、ポイントオブケア医療アナライザ内に残っている1つ又は複数の試薬の予測される消耗レベルを定義する。
【0056】
たとえば、データ構造体は、アナライザの試薬ごとの、残りの液量をミリリットル単位で提供する、固定小数点数又は浮動小数点数である数値要素を含み得る。任意選択で、データ構造体は、浮動小数点数、又は残りの試薬の割合を表す整数である数値要素を含み得る。
【0057】
さらに、消耗品状態予測データは、単一の値(一度に試薬の消耗のスナップショットを提供する)であり得るか、又は消耗品状態予測データは、アナライザで使用される試薬の種類ごとに、将来のいくつかの時点における予測される試薬の残量を定義する、N次元状態ベクトルであり得る。
【0058】
任意選択で、消耗品状態予測データの1つ又は複数の数値要素は、所定の時間インデックスで所与の容量レベルに達する可能性などの、統計的尺度を含み得る。任意選択で、消耗品状態予測データの1つ又は複数の数値要素は、所与の確率で取得され得る容量の予測される範囲を含み得る。たとえば、消耗品状態予測データは、平均的な消耗品予測レベルにわたる容量範囲をさらに含み、容量範囲は、5%、10%、20%、30%、40%、又は50%の、容量範囲の下の部分及び/又は上の部分に達する可能性を定義する。
【0059】
以下の出願書類において、用語「消耗品の初期状態データ」は、フォトダイオード又はフォトトランジスタのレベル監視デバイスなどの、ポイントオブケア医療アナライザの電子測定手段、又は超音波流体レベル監視デバイスによって取得される、自動的にデジタル化された流体の容積又は試薬の量のデータを表す。消耗品の初期状態データは、ポイントオブケア医療アナライザによって自動的に送信され得るか、又はポイントオブケア医療アナライザを監視する装置が、レベル情報を求めて、ポイントオブケア医療アナライザを随意に「ポーリング」できる。
【0060】
以下の出願書類において、用語「アナライザ識別子」は、複数のポイントオブケア医療アナライザを備えるコンピュータネットワーク上の、ポイントオブケア医療アナライザを一意に識別するコード又はシリアル番号を指し、それにより、一意に識別されたポイントオブケア医療アナライザから読み取られた消耗品の初期状態データは、将来におけるその一意に識別されたポイントオブケア医療アナライザの、将来の試薬状態を予測するために使用され得る。
【0061】
以下の出願書類において、用語「時間インデックス」は、たとえば、消耗品の状態が時間に従って定義されることを可能にする、データオブジェクトを指す。ポイントオブケア医療アナライザの用途に応じて、秒、分、時間、日、又は週の分解能で、多くの様々な種類の時間形式が使用され得る。
【0062】
以下の出願書類において、用語「消耗品消耗予測モデル」は、一意的なポイントオブケア医療アナライザ内の、時間範囲にわたる1つ又は複数の試薬の消耗量を予測するよう機能する、コンピュータで実施されるアルゴリズムを指す。「消耗品消耗予測モデル」は、定義された検査の実施中に消費される1つ又は複数の試薬の量を定義する「消耗品モデル」、及び第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間に何回検査が行われるかを定義する「ポイントオブケア医療アナライザ使用モデル」の、少なくとも2つの要素を含む。
【0063】
「消耗品モデル」は、最も単純なケースでは、構成される特定の種類の検査の数によってパラメータ化される。実行された所与の検査数に対する「消耗品モデル」の出力は、個々の検査(pCO2、pO2、pH、Na+、K+、Ca2+、Cl-、グルコース、乳酸塩、又はとりわけヘモグロビンの検査など)を実施するのに必要な実施要綱によって定義された、1つ又は複数の試薬の総消費量を(たとえば、ミリリットル単位で)定義する。消耗品モデルは、任意選択で、個々の検査の差異を考慮できる(具体的には、たとえば、異なる量の血液に必要な異なる試薬の量を考慮できる)。任意選択で、消耗品モデルは、送達される試薬の量を統計的に、言い換えれば、正規分布などの確率分布の平均である試薬の所望の量を提供し、正規分布の標準偏差に従って患者に送達される試薬の量の差異を定義することによって、定義できる。最新のポイントオブケア医療アナライザは、送達される試薬の量を監視する能力が、ある程度正確であることが理解されよう。しかし、ポイントオブケア医療アナライザを長期間頻繁に使用する状況では、検査ごとに送達される試薬の予想平均量からのわずかなずれでさえ、ポイントオブケア医療アナライザ内に残る試薬の予想量と実際の量との間で、かなりの誤差にまで蓄積する可能性がある。
【0064】
任意選択で、「ポイントオブケア医療アナライザの消耗品運搬モデル」は、何mLの流体がポーチから引き出されたかを示す、流体搬送システムからのデータを含む、ポイントオブケア医療アナライザの流体運搬システムの容量のモデルを含むことになる。流体搬送システムは、ポンプと、どのポーチから液体が引き出されるか、したがってどの液体が測定チャンバ内に導入されるかを制御するバルブとを備える。
【0065】
同じポイントオブケア医療アナライザが複数の異なる検査を実行する可能性があるケースを考慮に入れるために、用語「消耗品モデル」は、任意選択で、複数の「消耗品サブモデル」の複合体であり、各消耗品サブモデルは、同じポイントオブケア医療アナライザで実行され得る複数の一意的な検査のうちの1つを表す。
【0066】
「ポイントオブケア医療アナライザ使用モデル」とは、第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間の時間にわたる所与の種類のポイントオブケア医療アナライザの使用を定義する、コンピュータ内の修正アルゴリズムを指す。ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルは、所与のポイントオブケア医療アナライザを使用して施された検査の数及び種類の、正確な痕跡を提供する。もちろん、単一のポイントオブケア医療アナライザの使用は、広範囲の因子によって定義される可能性があり、そのいくつかは、それに制限されるものではないが、以下のように列挙され得る。所与のポイントオブケア医療アナライザが、専門の医療検査センター、病院などの大規模看護拠点の場所、又は医師の手術室などの小規模看護拠点の場所(ポイントオブケア医療アナライザの場所)に位置するかどうか。これは、ポイントオブケア医療アナライザが使用される割合に影響を及ぼすであろう。ポイントオブケア医療アナライザが置かれている部門は、同じ種類の他のポイントオブケア医療アナライザと一緒に配置されているかどうかと共に、使用強度(intensity)に影響を与え得る。ポイントオブケア医療アナライザの利用は、日、週、月、さらには年の部分に応じて異なる可能性がある。たとえば、医療検査センターは、設定された予定表に従って多数のサンプルを分析する(たとえば、毎金曜の、所与の数の血液ガス検査)よう構成され得る。任意選択で、こうした傾向は事前にプログラムされ得る。任意選択で、かかる傾向は、単純な直線統計モデル又はより高度なベイズ推定若しくは機械学習を使用して観察され得る。要約すると、ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルは、任意選択で、第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間で所与のポイントオブケア医療アナライザを使用して施される、統計的に推定された検査の数及び種類を提供する。任意選択で、ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルは、将来の使用が過去の使用と類似であるという仮定の下で、過去に記録されたポイントオブケア医療アナライザの使用記録を応用できる。
【0067】
以下の出願書類において、用語「集計」は、第2の時間インデックスで所与のポイントオブケア医療アナライザ内に残る1つ又は複数の試薬の、絶対的又は統計的に適格な推定値を提供するための、「消耗品の初期状態データ」と「消耗品モデル」及び「ポイントオブケア医療アナライザ使用モデル」のそれぞれの出力との組合せを指す。
【0068】
単純なケースでは、ユーザが、1週間の使用を経てポイントオブケア医療アナライザ内に残る、蒸留水の量を知ることを望むものとする。ユーザは、「消耗品消耗予測モデル」に、特定の将来の日付を第1及び第2の時間インデックスとして入力するものとする。ポイントオブケア医療アナライザは、問い合わせを受けて、1000mLの蒸留水が残っていること(消耗品の初期状態データ)を明らかにするものとする。ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルは、第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間(1週間など)に、たとえば過去の使用データに従って、蒸留水を必要とする所与の実施要綱の10回のテストが必要になることを定義するものとする。「消耗品モデル」は、所与の実施要綱について、実施要綱の各繰返しに20mLの蒸留水が必要となることを明らかにするものとする。したがって、このケースでの集計は、検査の総数に、検査ごとに必要な蒸留水の総量を掛けたものとなろう。10回の検査の結果は、将来の検査が実施されるのに依然として十分な蒸留水を残していることになるので、消耗品状態予測データ出力は、最終的な量を反映するであろう。当業者は、前述の例が基本的な例であり、多くの分析の実施要綱が2つから10の試薬を必要とし、それらはすべて追跡が難しい異なる消耗速度を有していることを理解するであろう。たとえば、連続確率変数に従って定義された消耗品モデル及びポイントオブケア医療アナライザ使用モデルのケースでは、集計のプロセスは、上記で論じられた乗算よりも複雑であり、たとえば、ポイントオブケア医療アナライザの使用に関する以前の知識によって「消耗品状態予測データ」を定義する、ベイズ推定を適用できる。
【0069】
以下の出願書類において、用語「使用履歴データ」は、一意的に識別されたポイントオブケア医療アナライザの、又は一意的に識別されたアナライザと同様の種類のポイントオブケア医療アナライザについての、記録された試薬の時間に対する消費傾向を意味する。
【0070】
以下の出願書類において、用語「消耗品使用ルールセット」は、1つ又は複数の検査に使用される1つ又は複数の消耗品(試薬)の量を定義する。より複雑なルールセットは、かなりの数の検査についての、消耗品の使用量の統計的ばらつきを定義できる。
【0071】
以下の出願書類において、用語「使用場所データ」は、ポイントオブケア医療アナライザが使用される部門又は病院を定義できる。消耗品モデルは、任意選択で、「使用場所データ」を過去に保存された試薬消耗モデルと関係付けることができ、それによりアナライザが看護拠点内で再配置されても、消耗品状態予測データは正確なままである。
【0072】
さらに、ポイントオブケアコーディネータが消耗品を交換する、又は構内の消耗品倉庫を補充する必要がある場合は、使用場所が役立つ。
ポイントオブケア医療アナライザはあちこちに移動し得るので、アナライザの場所は、よく知られた測位方法に基づいてシステム内で動的に導出され得る。別法として、場所は病院の特定の部門又は病院の特定のフロアのように、システムに手動で入力されてもよく、これは、正確な場所を示すことはできないが、それを探すための定義されたエリアを示すことができる。
【0073】
以下の出願書類において、用語「将来の使用計画」は、少なくとも第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間で実行される検査の数及び種類を定義するデータ構造体である。このデータは、自動病院制御システム(たとえば、病院サーバ上で動作する)から引き出されることが好ましい。言い換えれば、医療専門家が多数の患者についての様々な医療検査(血液検査など)の予約を求めると、ポイントオブケア医療アナライザ使用モデルは、将来の使用計画データによって更新される。任意選択で、このケースでの消耗品消耗予測モデルは、予測されたポイントオブケア医療アナライザ使用モデルの統計的有意性を低くして、モデル内の将来の使用計画データに重点を置く。というのは、将来の使用計画データが、ポイントオブケア医療アナライザの使用法に関するより信頼できる情報源だからである。任意選択で、将来の使用計画は、複数の小規模の手術室及び/又は複数の病院などの広範囲の場所から、継続的に更新され得る。したがって、消耗品状態予測データのより正確な推定値が提供され得る。したがって、本発明の基本的な考え方は、個々のポイントオブケア医療アナライザでの作業の予測数及び作業の種類に関連する情報を、アナライザでの1つの作業が消耗品の使用量に換算される方法のモデルを用いて集計することである。これは、ポイントオブケア医療アナライザ内の将来の試薬レベルの予測ばかりでなく、任意選択で、予測が正しい確率が形成されることを可能にする。こうした予測及び確率は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI:graphical user interface)上で、明確でユーザフレンドリなやり方でユーザに提示され得る。
【0074】
本発明の例示的な実施形態は、原寸に比例した提示がなされていない以下の概略図に記載されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1図1a)は、医療診断装置を概略的に示す図である。図1b)は、医療診断装置の機能図を概略的に示す図である。
図2】第3の態様によるシステムを概略的に示す図である。
図3】第1の態様による装置を概略的に示す図である。
図4】第2の態様による方法を概略的に示す図である。
図5】使用できるデータ構造体の例を概略的に示す図である。
図6】消耗品の状態を予測するアルゴリズムを概略的に示す図である。
図7図7a)は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の変形例を示す図である。図7b)は、GUIの別の変形例を示す図である。図7c)は、GUIのさらに別の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
図1a)は、医療分析装置10aを示している。医療分析装置10aは、任意選択で、バキュテナ又は毛細管(図示せず)などの、患者から採取された体液サンプル(血液サンプルなど)を収める検査容器を受容するのに好適なポータル14を具備する、筐体12を備える。ポータルは、サンプリングされた血液の、検査用注射器からの直接注入を可能にし得る。医療分析装置10aは、たとえば、血液ガス検査の進捗状況を示す表示画面16aをさらに備える。検査で使用される複数の試薬液は、交換可能なカートリッジ、密封バッグ、又はボトル(図示せず)で提供される。医療分析装置10aで使用される消耗品の別の例は、患者からのサンプルと接触するよう使用される、交換可能な機能的センサの「センサカセット」である。通常、「センサカセット」のセンサは、希有金属合金(バナジウムブロンズなど)を含み、活性成分を保持する膜で機能化されたセンサを含む。かかる「センサカセット」もまた、最終的には、たとえば数千回の使用後、交換される必要があり得る。
【0077】
医療分析装置10aのユーザは、使用中、全血サンプルなどの血液サンプルを収める検査容器をポータル14に挿入し、自動検査を開始する。検査の過程で、交換可能なカートリッジ、密封バッグ、及び/又はボトルからの試薬液の一部が消耗される。たとえば、数千回の検査の後、センサカセット内のセンサは使い尽くされることになる。医療分析装置は、最終的に、試薬液が補充されるか、又はセンサカセットが使い果たされるまでに、さらなる検査を(又は一部分の検査しか)実行できない時点に達するであろう。
【0078】
図1b)は、図1a)に示される医療分析装置10aのシステム図を概略的に示す。医療分析装置10bは、具体的には、組込型コンピュータ18、検査サブシステム20、外部通信接続部22、システム電源24、及びディスプレイ16bを備える。
【0079】
分析サブシステム20は、ポータル14と機械的に連結されるレセプタクル26を備え、患者の流体サンプル(血液又は血漿など)を収める、適切な形状の検査容器を受容できる。分析サブシステム20は、試薬液供給部28をさらに備える。任意選択で、試薬液供給部28は、レセプタクルと係合可能な1つ若しくは複数の交換可能なカートリッジ、又は密封バッグ(溶液パック)である。
【0080】
任意選択で、交換可能なカートリッジは、流体アナライザ10のプロセッサ18で可読の、データ記憶手段を備える。データ記憶手段は、たとえば、製造日データ、有効期限データ、及びポーチ内の液体の製造量、並びに/又は試薬を識別する他のメタデータを含み得る。任意選択で、データ記憶手段は、データ通信ネットワークを介して、流体アナライザ10がカートリッジ内に収められる試薬に関する情報をデータベースに問い合わせることを可能にする、カートリッジ識別子を格納できる。任意選択で、データ記憶手段は、QRコード(登録商標)及び/又はバーコードなどの、光学的に可読なインジケータである。任意選択で、データ記憶手段は、RFIDタグ又は電子的に接続可能なプログラマブルメモリ要素など、電気的に可読なインジケータである。
【0081】
交換可能なカートリッジ又は密封バッグ内の試薬液供給部28は、既知の組成を有する(当業者に公知のQC1、QC2、QC3、CAL3(S1940)、CAL2(S1930)、RINSE/CAL1(S1920)のような)処理液を事前に充填された、1つ又は複数の貯蔵器を備え得る。当業者は、必要とされる正確な検査に応じて、他の化学物質が提供され得ることを理解するであろう。
【0082】
かかる交換可能なカートリッジ(図示せず)は、シリコンゴム製のティートが備えられ得る。それにより、たとえば、ティートがレセプタクルの底部と密封係合されたときに、交換可能なカートリッジがレセプタクル26と流体連通し、交換可能なカートリッジ内に備えられる試薬液供給部28から、レセプタクル26に流入することを可能にする。別法として、試薬を利用するために、膜穿孔針が使用され得る。任意選択で、試薬液供給部28は、流体吸引組立体を備えた固定容器を備える。当業者は、流体導管、ポンプなどのネットワークが、試薬液供給部28がレセプタクルと流体連通されるのを可能にすることを理解するであろう。
【0083】
分析サブシステム20の構成要素は、流体搬送システム(図示せず)を使用して連結されている。実際には、数mLの容量の患者サンプルのサブサンプル、及び/又は試薬液供給部28からの試薬は、気泡によって分離された分析サブシステム20の導管の方々に搬送される。流体搬送サブシステムに備えられるセンサは、サンプル分析の実行を可能にするために、流体搬送サブシステムの方々のサブサンプル及び試薬の一連の動きを検出及び制御する。
【0084】
分析サブシステム20は、検査検出器30(機能化された(functionalized)酵素が補充されたバナジウムブロンズ要素など)をさらに備える。このユニットの目的は、患者サンプルを検査検出器30と接触させた結果を観察し、それによって分析結果を与えることである。たとえば、検査検出器は、センサカセット、すなわち(典型的には、たとえば、機能化されたバナジウムブロンズから作製される)複数のセンサの機械的なアレイを備えることができ、センサカセットは、典型的には、使い果たされる前に、患者の血液サンプル及び試薬に数千回晒される。
【0085】
患者サンプルのサブサンプルの分析後に、流体搬送システム(図示せず)は、患者サンプルのサブサンプル及び/又は使い切った試薬を廃液収集容器(図示せず)に搬送する。任意選択で、かかる収集容器は、試薬溶液パックのモジュール部分である、別個のポーチなどの別の容器である。
【0086】
分析サブシステム20は、試薬液供給監視ユニット32をさらに備える。このユニットの目的は、試薬液供給部28内に収められている試薬液のレベルを監視することである(試薬液供給部が、交換可能なカートリッジ、ボトル、又は別のタイプの容器であろうとなかろうと)。
【0087】
任意選択で、試薬液供給監視ユニット32は、試薬レセプタクルの流体レベル監視を使用して、機械が使用されるときの試薬液供給部28のレベルの低下を監視できる。たとえば、フォトダイオード又はフォトトランジスタが使用され得る。任意選択で、試薬液の供給レベルを監視するために、超音波レーダーが使用され得る。当業者は、多くの様々な種類のレベルの監視が使用され得ることを理解するであろう。試薬液供給監視ユニット32は、試薬液の供給レベルをデジタル化して、通信バス34に送信する。
【0088】
医療分析装置10a、10bは、組込型コンピュータ18をさらに備える。組込型コンピュータの目的は、患者サンプルに対する検査を形成する一連のイベントを調整し、さらなる分析のために結果を通知し、試薬液供給部28内の流体レベルを監視することを含む、医療分析装置10a、10bに関連する様々なシステム管理業務を実行することである。
【0089】
組込型コンピュータ18は、医療分析装置10a、10b内の組込ハードウェアと通信するための内部入/出力ユニット36を備える。たとえば、内部入/出力ユニット36は、「I2C」バス、USB(商標)バスなどであり得る。組込型コンピュータ18は、不揮発性メモリ38(組込ハードディスクなど)、揮発性メモリ40(RAMなど)、ディスプレイドライバ42、外部入/出力ユニット44(イーサネットポートなど)、入力ユニット46(キーボード及び/又はタッチ画面ドライバなど)、及び処理ユニット48(組込型インテル(商標)プロセッサなど)を、さらに備える。これらの構成部品は、通信バス50で接続されている。当業者は、これらのユニットの基本的な機能、並びに多くの変形例及び実施態様が存在することを理解するであろう。
【0090】
動作中、組込型コンピュータ18は、検査検出器30によって、サンプルの存在についてポータル14を監視する。同時に、組込型コンピュータ18は、試薬液供給監視ユニット32から、試薬液供給部28内の流体レベルのデジタル表現を(任意選択でリアルタイムに)受信する。
【0091】
したがって、組込型コンピュータ18は、試薬液供給部28のレベルについての最新情報を、外部入/出力ユニット44を介して外部ネットワーク22又はデバイスに転送できる。任意選択で、組込型コンピュータ18は、試薬液のレベルがその可能な最低値に向かって低下するにつれて、試薬液供給部28のレベルについての最新情報を、より頻繁に転送できる。
【0092】
図2は、第2の態様によるシステム80を示す。システム80は、それぞれ図1に関連して説明された、複数の医療分析装置10x、10y、10zを備える。該システムはまた、任意選択のデータウェアハウス(サーバ、クラウドサーバ)88、任意選択の携帯型データデバイス84(たとえば、iOS(商標)又はアンドロイド(登録商標)オペレーティングシステムを動作させる「スマートフォン」)、任意選択の無線通信基地局90、及び第2の態様による装置60も備える。これらのデバイスはすべて、データ通信ネットワーク82(従来通り、LAN、WAN、WiFi(商標)、GSM、LTEネットワークなどの組合せであり得る)を使用して、通信可能に結合される。システムの動作については、本出願書類で後ほど説明されることになる。
【0093】
通常、ポイントオブケアコーディネータが、医療分析装置10x、10y、10zそれぞれの中の試薬の残量を監視することは困難であろう。様々なポイントオブケア医療アナライザは、その用途に応じて、様々なタイミングで補充される必要がある。試薬の消耗速度は、少なくとも医療分析装置上で動作する検査の種類、及びそうした検査の強度によって変わる。かかるポイントオブケア医療アナライザは、忙しい町の病院に設置されているか又は地元の診療所に設置されているかに応じて、年度の時期に応じて、など様々な強度で使用される。したがって、これまで、ポイントオブケアコーディネータが、かかる医療検査で使用される試薬の将来の供給の必要性を正確に予測することは、基本的に不可能であった。
【0094】
使用中、装置60は、看護拠点又は検査施設85に位置する医療分析装置10x、10y、10zをポーリングする(又は医療分析装置から最新情報を受信する)。医療分析装置10x、10y、10zは、データ通信ネットワーク82を介して装置60にデータを転送する。具体的には、医療分析装置10x、10y、10zは、医療分析装置10x、10y、10zのそれぞれの試薬充填レベルを反映する、少なくとも第1、第2、及び第3の消耗品の初期状態データを、装置60に転送できる。任意選択で、ポイントオブケア医療アナライザの使用情報又は測定された消耗品の消耗速度情報も、計算で使用するために装置60に転送され得る。
【0095】
医療分析装置10x、10y、10zは、消耗品状態予測データ自体を生成するのに十分強力なデータプロセッサが備えられ得ることが、当業者には理解されよう。この場合、消耗品状態予測データ(たとえば、貯蔵器内の流体レベル)、又はセンサカセット内のセンサ要素の使用回数は、医療分析装置10x、10y、10zのディスプレイ上に表示され得るか、又はポイントオブケアコーディネータ若しくは技術者が、看護拠点85での医療分析装置10x、10y、10zの全体的な状態を確認できるようにするために、装置60又は携帯型データデバイス84に転送され得る。任意選択で、医療分析装置10x、10y、10zは、消耗品消耗予測モデルの出力が、試薬が使い尽くされることが差し迫っている、又はセンサカセットがその予測寿命の終わりに近づいていることを示す場合、試薬供給者へ注文するよう構成される。したがって、注文は、データ通信ネットワーク82を介して試薬供給者に送信され得る。
【0096】
図3は、第1の態様による装置60を示す。
第1の態様は、ポイントオブケア医療アナライザ10の消耗品状態予測データを生成する装置60を含み、ポイントオブケア医療アナライザは、
- 入力ユニット62と、
- 処理ユニット64と
を備える。
【0097】
入力ユニット62は、第1の時間インデックスでの、ポイントオブケア医療アナライザ内に存在する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量を定義する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期状態データ、及びアナライザ識別子を受信するよう構成される。
【0098】
入力ユニット62は、第2の時間インデックスを受信するよう構成される。
処理ユニット64は、少なくともアナライザ識別子及び消耗品の初期状態データを使用して選択された、消耗品消耗予測モデルを使用して、第2の時間インデックスでポイントオブケア医療アナライザ内に存在すると予測される、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の量を定義する、消耗品状態予測データを生成するよう構成される。
【0099】
消耗品消耗予測モデルは、(i)ポイントオブケア医療アナライザ内の、ポイントオブケア医療アナライザの検査用の消耗品の消耗品消耗速度を定義する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品モデルと、(ii)検査の発生率を定義するポイントオブケア医療アナライザ使用モデルとを含む。
【0100】
消耗品状態予測データは、ポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量、及び少なくとも消耗品消耗予測モデルと、第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間のポイントオブケア医療アナライザ使用モデルとの出力の集計に基づいて、処理ユニット64によって生成される。
【0101】
したがって、看護拠点の場所に配置されたアナライザから試薬の最新の測定値を受信し、様々な試薬の消耗品がなくなる時期をアナライザごとに予測することが提案されている。
【0102】
装置60は、広範囲のコンピュータ処理デバイス上で実現され得る。たとえば、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、クラウドサーバ、及び(任意選択で、ポイントオブケア医療アナライザ内の)組込型コンピュータはすべて、第1の態様による装置として機能するよう構成され得る。
【0103】
第1の態様の任意選択の実施形態によれば、装置60は、デバイスがいつ使用可能になるかについてのより正確な推定をもたらすために、デバイス固有の平均的な使用法を適用する。
【0104】
提案された枠組みは柔軟性があり、任意選択で、たとえば、アナライザが祝日又は週末に消耗品がなくなるかどうかを判断するために、ドメイン知識を、かかるポイントオブケア医療アナライザシステムの監視される統計値と統合できる。これは、ポイントオブケアコーディネータが、試薬がなくなる前に、試薬を注文して交換することを可能にする。
【0105】
任意選択で、ポイントオブケア医療アナライザ内のすべての試薬の消耗品の状態が、1つのGUIビューに集約され得る。これは、操作者が、将来どのデバイスで消耗品が供給停止になるかを確認することを可能にする。任意選択で、データは「カレンダビュー」として視覚化され得る。これは、操作者が、任意選択で現在の消耗品のレベルに基づいて、時間の経過と共に消耗品のレベルがどのように変化するかをシミュレーションすることを可能にする。
【0106】
言い換えれば、アナライザごとに、及び消耗品の種類ごとに、消耗品の状態を予測するとき、アナライザ内の消耗品の現在のレベル(試薬センサ28を使用して測定される)、消耗品の有効期限、個々のアナライザの予測測定数、及び検査ごとの消耗品の平均使用量のうちの、1つ又は複数の観点が考慮され得る。
【0107】
任意選択で、情報は時系列のタイムラインでGUI上に提示され、これは、ポイントオブケアコーディネータが、アナライザの消耗品の供給停止まで引き起こす、将来のイベントの予測を監視することを可能にする。
【0108】
任意選択で、情報は、交換可能なカートリッジ、密封バッグ内に残っている試薬の、実際のレベル及び/若しくは予測されるレベルを、又は、たとえば交換可能なカートリッジ若しくは密封バッグの概略切開図を利用して、センサカセットの推定される残存寿命を示すGUI上に提示される。
【0109】
図4は、第2の態様による方法を示す。具体的には、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品状態予測データを生成する方法が提供され、該方法は、
第1の時間インデックスでの、ポイントオブケア医療アナライザ内に存在する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量を定義する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期状態データ、及びアナライザ識別子を受信するステップ100と、
第2の時間インデックスを受信するステップ102と、
少なくともアナライザ識別子及び消耗品の初期状態データを使用して選択された、消耗品消耗予測モデルを使用して、第2の時間インデックスでポイントオブケア医療アナライザ内に存在すると予測される、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品の量を定義する、消耗品状態予測データを生成するステップ104と
を含み、消耗品消耗予測モデルは、(i)ポイントオブケア医療アナライザ内の、ポイントオブケア医療アナライザの検査用の消耗品の消耗品消耗速度を定義する、ポイントオブケア医療アナライザの消耗品モデルと、(ii)検査の発生率を定義するポイントオブケア医療アナライザ使用モデルとを含み、且つ
消耗品状態予測データは、ポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量、及び少なくとも消耗品消耗予測モデルと、第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間のポイントオブケア医療アナライザ使用モデルとの出力の集計に基づいて生成される。
【0110】
図5は、たとえば、図2に示される、看護拠点85と装置60との間にあるポイントオブケア医療アナライザ10x、10y、10zによって送信され得る、1つのあり得るデータ構造体106を示す。具体的には、データ構造体106は、ポイントオブケア医療アナライザから送信された、ポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量を定義する、消耗品の初期状態データをカプセル化している。データ構造体106は、パケットヘッダ108(たとえば、任意のアプリケーション特有のソフトウェアヘッダに加えて、TCP/IPヘッダであり得る)を含む。さらに、データ構造体106は、複数の消耗品状態フィールド110b、110c、110dを含む。各消耗品状態フィールドは、たとえば、ポイントオブケア医療アナライザ内の試薬供給部若しくは密封バッグの充填レベル、又はセンサカセットの推定残存寿命を定義する、試薬液供給監視ユニット32によって測定されたデータを含む。
【0111】
図6は、本発明で強調されたアルゴリズムの機能図を示している。消耗品消耗モデル120及びポイントオブケア医療アナライザ使用モデル122を定義する、消耗品消耗予測モデルが示されている。
【0112】
消耗品消耗モデル120は、アナライザの1つの作業が消耗品の使用量にどのように換算されるかを継続的に追跡する。言い換えれば、消耗品消耗モデルは、個々のポイントオブケア医療アナライザについて、ポイントオブケア医療アナライザの1回の使用が、どのように消耗品の使用量に換算されるかを追跡する。これは、いくつかの定数、実際の消耗品からのデータばかりでなく、特定のポイントオブケア医療アナライザについて知られている消費履歴情報をも使用して、実現できる。
【0113】
任意選択で、消耗品消耗モデル120は、任意選択で1つの入力が変化するたびに更新する、継続的自己修正型予測モデルである。
任意選択で、消耗品消耗モデル120は、実行される検査の種類ごとに消耗される試薬量のリストを定義する、ルックアップテーブルである。
【0114】
任意選択での消耗品消耗モデル120への入力は、たとえば、使用履歴パラメータ124、研究開発から得られた値126(「アナライザの動作時間が23時間未満の場合、検査の種類IIIでは、消耗品を5.6%余分に使用する」など、予測に影響を与える様々な定数、係数、及びルールなど)である。消耗品消耗モデルへの任意選択での別の入力は、製品から報告される消耗品のデータ128である。これは、たとえば、各種類の消耗品の内容及び容量に関する詳細情報を提供する。
【0115】
消耗品消耗モデル120の出力130は、作業(検査)の種類ごとの消耗品の使用量を定義する、1つの量又は量のセットである。任意選択で、出力される量又は出力量のセットは、たとえば、試薬の所与の量の出力の確率が検査ごとに定義されることを可能にする、統計的な1つ又は複数の分布の平均を形成し得る。
【0116】
ポイントオブケア医療アナライザ使用モデル122は、個々のポイントオブケア医療アナライザの作業の予測数及び作業の種類を予測する。該モデルは、入力パラメータが、ポイントオブケア医療アナライザの最終使用量にどのように寄与するかを計算することによって機能する。最後の作業を予測するときは、使用量に最も影響を与えるパラメータが、より大きく重み付けされることになる。該モデルは、入力及び使用履歴パターンを使用して、アナライザの将来の使用量を、また任意選択で、予測を正しく行う可能性を予測することになる。
【0117】
ポイントオブケア医療アナライザ使用モデル122は、任意選択で、その入力が変化すると更新される継続的自己修正型予測モデルである。ポイントオブケア医療アナライザ使用モデル122の典型的な入力パラメータは、所与のポイントオブケア医療アナライザの使用履歴パターンデータ132、ポイントオブケア医療アナライザのモデル若しくは構成などのデバイスメタデータ134、及び/又はポイントオブケア医療アナライザの場所情報136(たとえば、ポイントオブケア医療アナライザが置かれている部門又は病院)である。ポイントオブケア医療アナライザ使用モデル122は、第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間の予測される作業数138を出力する。集計器140は、作業ごとの消耗品の使用量の予測される数値、及び第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間の単一のデバイスの異なる作業の予測数を組み合わせて、個々のポイントオブケア医療アナライザが、所与の1つ又は複数の試薬消耗品をいつ使い尽くすことになるかについての予測をもたらす。
【0118】
ポイントオブケア医療アナライザ内のセンサによって測定された、ポイントオブケア医療アナライザ内に存在するポイントオブケア医療アナライザの消耗品の初期の量148が、集計器140に入力される。
【0119】
任意選択で、集計器140は、個々のポイントオブケア医療アナライザが、第1の時間インデックスから第2の時間インデックスの間で、所与の1つ又は複数の試薬消耗品をいつ使い尽くすことになるかについて、確率的推定を出力できる。
【0120】
任意選択で、上記のように生成された消耗品状態予測データは、モデルへの入力の1つが変化するたびに、システム全体又はシステムの分岐が、そうした変化に迅速に適合するよう継続的に更新され得る。これは、アナライザが置かれている環境の変化に、迅速且つ正確に適応できるシステムを提供する。さらに、入力の多くは頻繁に変化するので、システムの精度が影響を受ける可能性がある。しかし、上記のシステムによれば、予測誤差の確率データがユーザに提供され得る。
【0121】
図7は、本出願に従って提供される装置システムの、ユーザに表示され得る3つの様々な種類のGUI(グラフィカルユーザインターフェース)を示す。
広範囲の出力オプションが提供され得ることが理解されよう。たとえば、1台又は複数台のポイントオブケア医療アナライザの試薬状態の図表を用いた要約が、表形式又は数値形式でパーソナルコンピュータの画面上に提示され得る。図表を用いた要約は、プリンタを使用して印刷され得る。さらに、図表を用いた要約は、様々なスマートフォンアプリケーションが、1台又は複数台のポイントオブケア医療アナライザの試薬状態をユーザに表示するのを可能にするために、サイズ変更及び再配置され得る。以下の議論において、図示された例で使用されたものよりも少ない又は多いポイントオブケア医療アナライザが提示され得ること、及び例は、ただ単に説明のためのものであることが理解されよう。
【0122】
図7a)は、上記で論じられたように、装置60のデータ出力ユニット及び/又はポイントオブケア医療アナライザ10x上に表示され得る、GUI形式150の例を示している。このGUIは、4つの異なるポイントオブケア医療アナライザの試薬状態を示すタブ150a、150b、150c、及び150dを有する、「タブ付き」形式で示される。第1のタブ150aは、第1の試薬インジケータ152及び第2の試薬インジケータ154と共に示される。ドロップダウンメニュー156は、第2の時間インデックスを選択するために使用されている。第2の時間インデックスでの試薬の残量を計算するために、第2の態様による方法が使用されている。任意選択で、第1及び第2の試薬インジケータは、所与のポイントオブケア医療アナライザ内の第1及び第2の試薬の残量を表示する、棒グラフ及び/又は数値による時間表示である。任意選択で、GUIのこの実施形態は、第1の試薬のレベル(たとえば)がポイントオブケア医療アナライザの予測される作業負荷に対して十分でない場合に、警告インジケータ158を表示するよう構成される。任意選択で、数値表示160は、予測される作業負荷に鑑みて、所与の第1及び第2の試薬が利用可能な残り時間を定義できる。この表示技法は、ポイントオブケア医療アナライザの単純な(任意選択で単色の)表示に、より適している可能性がある。
【0123】
図7b)は、上記で論じられたように、装置60のデータ出力ユニット及び/又はポイントオブケア医療アナライザ10x上に表示され得る、GUI形式162のさらなるバージョンを示している。このGUIは、所与の週についての、試薬使用率164の表形式での予測を表示する。かかる表示オプションは、たとえば、印刷された報告書としての、紙上への印刷による出力に、より適している。
【0124】
図7c)は、上記で論じられたように、装置60のデータ出力ユニット及び/又はポイントオブケア医療アナライザ10x上に表示され得る、GUI形式168のさらに別のバージョンを示している。このGUIは、左側に3つの行を有し、第1の行170は、第1のポイントオブケア医療アナライザを表し、第2の行172は、第2のポイントオブケア医療アナライザを表し、第3の行174は、第3のポイントオブケア医療アナライザを表す。図示されたGUIの幅の寸法は、「ガント」チャートのように、以前及び以後の時間を表す。図示されたケースでは、ポイントオブケア医療アナライザ170、172、174は同一であり、それぞれが、2つの試薬の量を報告する必要がある。しかし、当業者は、GUIが、より少ない又はより多くの試薬の量について報告し得ることを理解するであろう。時間ナビゲーション矢印176a及び176bはそれぞれ、ユーザが、タイムリミットインジケータ178を時間的に後方及び前方に「スキャン」することを可能にする。
【0125】
第1のポイントオブケア医療アナライザ170では、第1のバー180は、第1の試薬の利用可能性を定義する。第2のバー182は、第2の試薬の利用可能性を定義する。第1のポイントオブケア医療アナライザ172のバー182は、184で中断され、これは第2の試薬の交換を示している。
【0126】
任意選択で、タイムリミットインジケータ178は、ユーザによって、ポイントオブケア医療アナライザがそれまで消耗品を使い切ってはならない、第2の時間インデックスに対応するGUI上の時点に設定される。任意選択で、第1のポイントオブケア医療アナライザ170、第2のポイントオブケア医療アナライザ172、及び第3のポイントオブケア医療アナライザ174の行は、どれほど緊急に消耗品の交換が必要とされるかに応じて、順序付けされ得る。任意選択で、近づいている重要なポイントオブケア医療アナライザの補充作業の「やることリスト」が生成され得る。
【0127】
任意選択で、GUIのバーは、「強固な」(単調な)バーとして表示するよう構成され得る。該バーは、それぞれの試薬の利用可能性の保証が、消耗品消耗予測モデルで計算された確率レベルを下回る時点で、中断される。
【0128】
任意選択で、GUIのバーは、消耗品消耗予測モデルの推定値の正確さの確率がさらに悪くなる、「可変強度」バーとして表示するよう構成され得る。たとえば、当然のことながら、さらに将来の期間には、消耗品消耗予測モデルの小さな誤差が増幅することが予想されよう。より強度の低いバーを使って誤差がより大きい確率を表示することで、GUI上に表示される所与の日付に試薬の交換が必要になることをユーザに強調できるが、ただし、バー強度が低くなりすぎる。
【0129】
第4の態様によれば、コンピュータで実行されると、コンピュータが、第1の態様の方法又はその実施形態を実行することを可能にする命令を含む、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0130】
第5の態様によれば、第1の態様の方法を実行するためのソフトウェアコードを含む、記憶媒体上で実体的に具現化されるコンピュータプログラム製品が提供される。
コンピュータプログラム要素は、たとえば、コンピュータの処理ユニットによって実行されると、第2の態様の方法の計算ステップを実行するコンピュータ命令を含む、データ構造体を有し得る。
【0131】
本発明は、最初からコンピュータプログラム要素を有しているコンピュータ、又はディスク若しくはインターネットの更新によってコンピュータプログラム要素を最新情報の形態で受信したコンピュータ上で、具現化され得る。
【0132】
任意選択で、コンピュータ可読媒体は、CD-ROMディスク、DVDなどの光学的記憶装置若しくは配布媒体、又は別法として、USBスティック若しくは磁気ディスクなどの固体記憶装置若しくは配布媒体を含み得る。
【0133】
任意選択で、インターネットを介したダウンロードによって、コンピュータプログラム要素を提供するためのプログラムが提供される。
本発明は、図面及びこの説明を参照して例示及び説明されてきたが、これらは、限定的ではなく、例示的且つ典型的であると解釈されるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。図面、開示、及び従属請求項を検討する当業者は、本明細書で論じられる実施形態に対する合理的な変形例を実施できる。参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1a)】
図1b)】
図2
図3
図4
図5
図6
図7a)】
図7b)】
図7c)】