(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】ワイヤレスローカルエリアネットワークデータ送信方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 28/06 20090101AFI20220502BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20220502BHJP
H04W 74/04 20090101ALI20220502BHJP
【FI】
H04W28/06 110
H04W84/12
H04W74/04
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021020870
(22)【出願日】2021-02-12
(62)【分割の表示】P 2019092387の分割
【原出願日】2015-01-07
【審査請求日】2021-02-15
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2015/070233
(32)【優先日】2015-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2014/086944
(32)【優先日】2014-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 佳胤
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 俊
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ バーバー
【審査官】石田 紀之
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-522610(JP,A)
【文献】特開2011-172283(JP,A)
【文献】特表2014-520426(JP,A)
【文献】特開2010-109939(JP,A)
【文献】特表2013-523005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置であって
、
物理層プロトコルデータユニット
(PPDU
)を生成するように構成された処理ユニットであって、前記PPDUは
、物理層コンバージェンスプロトコル
(PLCP
)ヘッダ領域
を含み、前記PLCPヘッダ領域は
、制御領域を含み、前記制御領域は
、持続時間情報を担持
し、前記持続時間情報は、ネットワーク割り当てベクトル(NAV)を設定し、送信機会(TXOP)における前記生成されたPPDUの後に続く1以上のPPDUの送信を保護するために使用され、前記持続時間情報によって示される持続時間は、前記TXOPにおける前記生成されたPPDUの後に続く前記1以上のPPDUの送信時間を含む、処理ユニットと、
前記生成されたPPDUを
送信するように構成されたトランシーバユニットと
を備え
、前記処理ユニットは、前記TXOPにおけるN個の連続したPPDUを生成するようにさらに構成され、前記N個の連続したPPDUにおけるi番目のPPDUについて、前記i番目のPPDUの前記PLCPヘッダ領域の前記制御領域の前記持続時間情報によって示される時間長は、続くN-i個のPPDUの送信時間を含む総持続時間であり、iの値の範囲は、1以上N以下である、
ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置。
【請求項2】
前記PLCPヘッダ領域は、プリアンブルをさらに含み、前記プリアンブルは、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)、レガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)、及びレガシー信号フィールド(L-SIG)を含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御領域は、アクセスポイント(AP)の識別子情報を搬送し、前記APの前記識別子情報は、前記制御領域の高効率信号1(HE-SIG1)内にある、
請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記APの前記識別子情報は、基本サービスセット(BSS)の識別子である、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置であって
、
アクセスポイント
(AP
)から物理層プロトコルデータユニット
(PPDU
)を
受信するように構成されたトランシーバユニットであって、前記PPDUは
、物理層コンバージェンスプロトコル
(PLCP
)ヘッダ領域
を含み、前記PLCPヘッダ領域は
、制御領域を含み、前記制御領域は
、持続時間情報を担持する、トランシーバユニットと、
前記PPDUの前記制御領域におけ
る前記持続時間情報
を解析によって取得するように構成された処理ユニット
であって、前記持続時間情報は、ネットワーク割り当てベクトル(NAV)を設定し、送信機会(TXOP)における前記受信されたPPDUの後に続く1以上のPPDUの送信を保護するために使用され、前記持続時間情報によって示される持続時間は、前記TXOPにおける前記受信されたPPDUの後に続く前記1以上のPPDUの送信時間を含む、処理ユニットと
を備え
、前記トランシーバユニットは、前記TXOPにおけるN個の連続したPPDUを受信するようにさらに構成され、前記N個の連続したPPDUにおけるi番目のPPDUについて、前記i番目のPPDUの前記PLCPヘッダ領域の前記制御領域の前記持続時間情報によって示される時間長は、続くN-i個のPPDUの送信時間を含む総持続時間であり、iの値の範囲は、1以上N以下である
、
ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置。
【請求項6】
前記PLCPヘッダ領域は、プリアンブルをさらに含み、前記プリアンブルは、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)、レガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)、及びレガシー信号フィールド(L-SIG)を含む、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記制御領域は、アクセスポイント(AP)の識別子情報を搬送し、前記APの前記識別子情報は、前記制御領域の高効率信号1(HE-SIG1)内にある、
請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
前記APの前記識別子情報は、基本サービスセット(BSS)の識別子である、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記処理ユニットは、前記持続時間情報に従って前記NAVを設定するようにさらに構成される、
請求項5~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
ワイヤレスローカルエリアネットワークデータ通信方法であって、
アクセスポイント(AP)によって、物理層プロトコルデータユニット
(PPDU
)を生成するステップであって、前記PPDUは
、物理層コンバージェンスプロトコル
(PLCP
)ヘッダ領域
を含み、前記PLCPヘッダ領域は
、制御領域を含み、前記制御領域は
、持続時間情報を担持
し、前記持続時間情報は、ネットワーク割り当てベクトル(NAV)を設定し、送信機会(TXOP)における前記生成されたPPDUの後に続く1以上のPPDUの送信を保護するために使用され、前記持続時間情報によって示される持続時間は、前記TXOPにおける前記生成されたPPDUの後に続く前記1以上のPPDUの送信時間を含む、ステップと、
前記APによって、前記生成されたPPDUを
送信するステップと
を含
み、前記方法は、前記APによって、前記TXOPにおけるN個の連続したPPDUを生成するステップをさらに含み、前記N個の連続したPPDUにおけるi番目のPPDUについて、前記i番目のPPDUの前記PLCPヘッダ領域の前記制御領域の前記持続時間情報によって示される時間長は、続くN-i個のPPDUの送信時間を含む総持続時間であり、iの値の範囲は、1以上N以下である、
ワイヤレスローカルエリアネットワークデータ
通信方法。
【請求項11】
前記PLCPヘッダ領域は、プリアンブルをさらに含み、前記プリアンブルは、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)、レガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)、及びレガシー信号フィールド(L-SIG)を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記制御領域は、前記APの識別子情報を搬送し、前記APの前記識別子情報は、前記制御領域の高効率信号1(HE-SIG1)内にある、
請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記APの前記識別子情報は、基本サービスセット(BSS)の識別子である、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ワイヤレスローカルエリアネットワークデータ通信方法であって、
ステーション(STA)によって、アクセスポイント
(AP
)から物理層プロトコルデータユニット
(PPDU
)を
受信するステップであって、前記PPDUは
、物理層コンバージェンスプロトコル
(PLCP
)ヘッダ領域
を含み、前記PLCPヘッダ領域は
、制御領域を含み、前記制御領域は
、持続時間情報を担持する
、ステップと、
前記PPDUの前記制御領域におけ
る前記持続時間情報を
解析によって取得するステップ
であって、前記持続時間情報は、ネットワーク割り当てベクトル(NAV)を設定し、送信機会(TXOP)における前記受信されたPPDUの後に続く1以上のPPDUの送信を保護するために使用され、前記持続時間情報によって示される持続時間は、前記TXOPにおける前記受信されたPPDUの後に続く前記1以上のPPDUの送信時間を含む、ステップと
を含
み、前記方法は、前記STAによって、前記TXOPにおけるN個の連続したPPDUを受信するステップをさらに含み、前記N個の連続したPPDUにおけるi番目のPPDUについて、前記i番目のPPDUの前記PLCPヘッダ領域の前記制御領域の前記持続時間情報によって示される時間長は、続くN-i個のPPDUの送信時間を含む総持続時間であり、iの値の範囲は、1以上N以下である、
ワイヤレスローカルエリアネットワークデータ
通信方法。
【請求項15】
前記PLCPヘッダ領域は、プリアンブルをさらに含み、前記プリアンブルは、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)、レガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)、及びレガシー信号フィールド(L-SIG)を含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記制御領域は、前記APの識別子情報を搬送し、前記APの前記識別子情報は、前記制御領域の高効率信号1(HE-SIG1)内にある、
請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記APの前記識別子情報は、基本サービスセット(BSS)の識別子である、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記持続時間情報に従って前記NAVを設定するステップをさらに含む、
請求項14~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
コンピュータ可読記録媒体であって、前記コンピュータ記録媒体は、コンピュータによって実行されたとき、前記コンピュータに、請求項10~13又は14~18のいずれか1項に記載の方法を実行させるコンピュータプログラムを格納している、
コンピュータ可読記録媒体。
【請求項20】
コンピュータによって実行されたとき、前記コンピュータに、請求項10~13又は14~18のいずれか1項に記載の方法を実行させるコンピュータプログラムを含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信の分野に関し、詳細には、ワイヤレスローカルエリアネットワークデータ送信方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の急速な発展に伴って、IEEE802.11規格に基づくワイヤレスローカルエリアネットワーク(略してWLAN)技術が広く使用されている。IEEE802.11n/acプロトコルに基づく物理層(略してPHY)は、直交周波数分割多元(略してOFDM)技術を使用する。
【0003】
WLANネットワークは、複数のアクセスポイント(略してAP)、および複数のステーション(略してSTA)を含むことがある。各APは、複数のSTAに関連付けられてよく、各APは、無線チャネルを使用することによって、APに関連付けられたSTAに対してワイヤレスローカルエリアネットワークデータを送信し得る。APは、APに関連付けられたSTAに対して物理層プロトコルデータユニット(略してPPDU)を送信する。
【0004】
従来技術では、受信側端末STAは、PPDU全体を解析した後のみ、PPDUに関する情報がそのSTAに属するかどうかを決定することができる。結果として、プロセス中に大量の不必要な情報が解析され、それにより送信効率が低下する。したがって、ワイヤレスローカルエリアネットワークデータ送信様式は、IEEE802.11axプロトコルに基づき、データ送信効率を改善することを緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態は、データ送信効率を改善するために使用されるワイヤレスローカルエリアネットワークデータ送信方法および装置を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置が提供され、通信装置は、アクセスポイントAP内に配設され、
ワイヤレスローカルエリアネットワークの物理層プロトコルデータユニットPPDUを生成するように構成された処理ユニットであって、PPDUは、少なくとも、物理層コンバージェンスプロトコルPLCPヘッダ領域およびデータ領域を含み、PLCPヘッダ領域は、プリアンブルおよび制御領域を含み、制御領域は、少なくとも、APの識別子、少なくとも1つのステーションSTAの識別子、および持続時間情報を担持する、処理ユニットと、
生成されたPPDUを送るように構成されたトランシーバユニットと
を含む。
【0007】
第2の態様によれば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置が提供され、通信装置は、ステーションSTA内に配設され、
アクセスポイントAPにより送られたワイヤレスローカルエリアネットワークの物理層プロトコルデータユニットPPDUを受け取るように構成されたトランシーバユニットであって、PPDUは、少なくとも、物理層コンバージェンスプロトコルPLCPヘッダ領域およびデータ領域を含み、PLCPヘッダ領域は、プリアンブルおよび制御領域を含み、制御領域は、少なくとも、APの識別子情報、少なくとも1つのステーションSTAの識別子、および持続時間情報を担持する、トランシーバユニットと、
PPDUの制御領域におけるAPの識別子情報、少なくとも1つのステーションSTAの識別子、および持続時間情報を、解析によって取得するように構成された処理ユニットと
を含む。
【0008】
第3の態様によれば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置が提供され、通信装置は、アクセスポイントAP内に配設され、
ワイヤレスローカルエリアネットワークの物理層プロトコルデータユニットPPDUを生成するように構成されたプロセッサであって、PPDUは、少なくとも、物理層コンバージェンスプロトコルPLCPヘッダ領域およびデータ領域を含み、PLCPヘッダ領域は、プリアンブルおよび制御領域を含み、制御領域は、少なくとも、APの識別子、少なくとも1つのステーションSTAの識別子、および持続時間情報を担持する、プロセッサと、
生成されたPPDUを送るように構成されたトランシーバと、
MPDUおよびPPDUを記憶するように構成されたメモリであって、メモリは、上記プロセスを実行するためにプロセッサによって使用されるコードも記憶し得る、メモリと
を含む。
【0009】
第4の態様によれば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置が提供され、通信装置は、ステーションSTA内に配設され、
アクセスポイントAPにより送られたワイヤレスローカルエリアネットワークの物理層プロトコルデータユニットPPDUを受け取るように構成されたトランシーバであって、PPDUは、少なくとも、物理層コンバージェンスプロトコルPLCPヘッダ領域およびデータ領域を含み、PLCPヘッダ領域は、プリアンブルおよび制御領域を含み、制御領域は、少なくとも、APの識別子情報、少なくとも1つのステーションSTAの識別子、および持続時間情報を担持する、トランシーバと、
PPDUの制御領域におけるAPの識別子情報、少なくとも1つのステーションSTAの識別子、および持続時間情報を、解析によって取得するように構成されたプロセッサと
を含む。
【0010】
第5の態様によれば、アクセスポイントが提供され、アクセスポイントは、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の通信装置を含み、
トランシーバユニットにより送られたPPDUを受け取り、PPDUを無線周波数信号に変調し、次いで無線周波数信号を送るように構成された無線周波数モジュールをさらに含む。
【0011】
第6の態様によれば、ステーションSTAが提供され、STAは、請求項10乃至15のいずれか一項に記載の通信装置を含み、
APにより送られたPPDUの無線周波数信号を受け取り、無線周波数信号をPPDUに復調し、次いでPPDUをトランシーバユニットに送るように構成された無線周波数モジュールをさらに含む。
【0012】
第8の態様によれば、ワイヤレスローカルエリアネットワークデータ送信方法が提供され、ワイヤレスローカルエリアネットワークデータ送信方法は、
アクセスポイントAPにより送られたワイヤレスローカルエリアネットワークの物理層プロトコルデータユニットPPDUを受け取るステップであって、PPDUは、少なくとも、物理層コンバージェンスプロトコルPLCPヘッダ領域およびデータ領域を含み、PLCPヘッダ領域は、プリアンブルおよび制御領域を含み、制御領域は、少なくとも、APの識別子情報、少なくとも1つのステーションSTAの識別子、および持続時間情報を担持する、受け取るステップと、
PPDUの制御領域におけるAPの識別子情報、少なくとも1つのステーションSTAの識別子、および持続時間情報を、解析によって取得するステップと
を含む。
【0013】
本発明の実施形態において、APにより構築されたPPDUにおけるPLCPヘッダ領域の制御領域が、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を担持し、したがって、STAは、PLCPヘッダ領域の制御領域のみを解析することによって、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を取得し得る。したがって、そのSTAは、APの識別子および少なくとも1つのSTAの識別子に従って、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子およびワイルドカードSTA識別子を含むかどうかを決定し得、さらに、そのSTAが、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子またはワイルドカードSTA識別子を含まないと決定した場合、そのSTAは、持続時間情報に従ってNAVを構成する。このプロセスにおいては、PPDUの制御領域のみが解析されるので、データ送信効率が改善する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の実施形態における技術的解決策をより明瞭に説明するために、以下で実施形態を説明するために必要とされる添付図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明において添付図面は本発明の実施形態の一部を示すに過ぎず、当業者は創作的努力なしにこれらの図面から他の図面を導き出し得る。
【0015】
【
図1】本発明の実施形態によるデータ送信システムを示す図である。
【
図2】従来技術におけるMPDUおよびPPDUの概略構造図である。
【
図3】従来技術におけるAPとSTAとの間のデータ送信のためのアーキテクチャの概略図である。
【
図4】従来技術におけるMPDUのフレーム構造の概略図である。
【
図5】従来技術におけるPPDUのフレーム構造の概略図である。
【
図6】本発明の実施形態に適用されるPPDUのフレーム構造の概略図である。
【
図7】本発明の実施形態によるワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置の概略構造図である。
【
図8】本発明の実施形態によるワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置の概略構造図である。
【
図9】本発明の実施形態によるワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置の概略構造図である。
【
図10】本発明の実施形態によるワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置の概略構造図である。
【
図11】本発明の実施形態によるデータ送信方法を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態によるデータ送信方法における持続時間情報によって指定される時間長の概略図である。
【
図13a】本発明の実施形態によるデータ送信方法におけるMPDUのフレーム構造の概略図である。
【
図13b】本発明の実施形態によるデータ送信方法におけるMPDUのフレーム制御フィールド内のいくつかのフレームの構造の概略図である。
【
図13c】本発明の実施形態によるデータ送信方法におけるMPDUのフレーム構造の概略図である。
【
図13d】本発明の実施形態によるデータ送信方法におけるMPDUのフレーム構造の概略図である。
【
図13e】本発明の実施形態によるデータ送信方法におけるMPDUのフレーム構造の概略図である。
【
図14】本発明の実施形態によるデータ送信方法を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態によるワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置の概略構造図である。
【
図16】本発明の実施形態によるワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態において、APにより構築されたPPDUにおけるPLCPヘッダ領域の制御領域は、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を担持し、したがって、STAは、PLCPヘッダ領域の制御領域のみを解析することによって、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を取得し得る。したがって、そのSTAは、APの識別子および少なくとも1つのSTAの識別子に従って、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子およびワイルドカードSTA識別子を含むかどうかを決定し得、さらに、そのSTAが、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子またはワイルドカードSTA識別子を含まないと決定した場合、そのSTAは、持続時間情報に従ってNAVを構成する。このプロセスにおいて、PPDUの制御領域のみが解析されるので、データ送信効率が改善する。
【0017】
現在策定されている次世代ワイヤレスローカルエリアネットワークの規格はIEEE 802.11axであり、これは、実際のネットワーク配備場面でワイヤレスローカルエリアネットワークの効率を改善することを意図しており、したがって、高効率ワイヤレスローカルエリアネットワーク(High Efficiency WLAN、略してHEW)と呼ばれる。IEEE802.11axに基づくPHYは、直交周波数分割多元接続(Orthogonal frequency division multiplexing access、略してOFDMA)技術を使用する。
【0018】
WLANは、複数のアクセスポイント
(Access Point、略してAP)、および複数のステーション
(Station、略してSTA)を含むことがある。各APは、複数のSTAに関連付けられてよく、各APは、無線チャネルを使用することによって、APに関連付けられたSTAに対してワイヤレスローカルエリアネットワークデータを送信し得る。本発明の実施形態はWLANシステムに適用され、WLANシステムはAPおよびSTAを含む。
図1は、本発明の実施形態に適用されるWLANシステムの簡単な概略図である。
図1のシステムは、1または複数のAP601および1または複数のSTA602を含む。AP601とSTA602との間のワイヤレス通信は、OFDMA技術を使用することによって行われる。
【0019】
APは、ワイヤレスアクセスポイント、ブリッジ、またはホットスポットなどと呼ばれてもまたよく、サーバまたは通信ネットワークにアクセスすることがある。
【0020】
STAは、ユーザと呼ばれてもまたよく、または、ワイヤレスセンサ、ワイヤレス通信端末、もしくは携帯端末、たとえば、Wi-Fi通信機能をサポートする携帯電話(もしくは「セルラ」電話と呼ばれる)、もしくはワイヤレス通信機能を有するコンピュータであり得る。たとえば、STAは、Wi-Fi通信機能をサポートし音声またはデータなどの通信データを無線アクセスネットワークと交換する、携帯、ポケットサイズ、ハンドヘルド、コンピュータ内蔵、ウェアラブル、または車載型のワイヤレス通信装置であり得る。
【0021】
本発明のこの実施形態で言及されるAPの識別子情報は、ネットワークカバレッジエリア内でAPを一意に識別するために使用される。APの識別子情報は、基本サービスセット識別子(Basic Service Set Identifier、略してBSSID)またはBSSIDの一部、たとえば、BSSIDの下位7ビット、BSSIDに基づいて生成された識別子、またはネットワークによって事前に割り当てられたAPの識別子であり得る。
【0022】
本発明のこの実施形態で言及される持続時間情報は、そのデータを使用することによってSTAのNAVを構成するためにSTAによって使用され、持続時間情報は、15ビットを使用することによって示され得る。
【0023】
図2は、従来技術におけるMPDUおよびPPDUの構造図を例示的に示す。
図3は、従来技術におけるAPとSTAとの間のデータ送信のためのアーキテクチャの図を例示的に示す。
図2および
図3に示されるように、APが、APに関連付けられたSTAとデータ送信を行うとき、APは、一般的に、上層論理リンク制御層
(Logical Link Control、略してLLC)において媒体アクセス制御サービスデータユニット
(Medium Access Control Service Data Unit、略してMSDU)に媒体アクセス制御
(Medium Access Control、略してMAC)ヘッダ領域を取り付けることによって、媒体アクセス制御プロトコルデータユニット
(Medium Access Control Layer Protocol Data Unit、略してMPDU)としてMSDUをカプセル化し、また、APは、MPDUにプロトコル処理ユニット
(PLCP protocol data unit、略してPLCP)ヘッダ領域を取り付けることによって、物理層プロトコルデータユニット
(Physical Layer Protocol Data Unit、略してPPDU)としてMPDUをカプセル化する。APは、APに関連付けられたSTAに対してPPDUを送信する。
【0024】
図4は、従来技術におけるMPDUのフォーマットの簡単な概略図である。
図4に示されるように、フレーム制御(Frame Control)、持続時間/識別子(Duration/ID)、アドレス1、および最後のフレームチェックシーケンス(frame check sequence、略してFCS)フィールドが、各MPDUに含まれる。アドレス2、アドレス3、シーケンス制御、アドレス4、サービス品質
(Quality of Service、略してQoS)制御、高スループット
(High-throughput、略してHT)制御、およびフレーム本体
(Frame Body)が特定のフレームに含まれる。
【0025】
フレーム制御フィールドは、PPDUのタイプを示すために使用される。
【0026】
持続時間メッセージは、STAによってSTAのNAVを構成して、持続時間メッセージの時間長の間にデータが送られないようにするために使用され、それによりチャネル干渉を低減させる。
【0027】
アドレス1は、MPDUの受信機アドレス(略してRA)であり、アドレス2は、MPDUの送信機アドレス(略してTA)である。データがAPによってSTAに対して送られたダウンリンクデータである場合、アドレス1は、受信側端末STAのMACアドレスであり、アドレス2は、送信側端末APのMACアドレスであり、データがSTAによってAPに対して送られたアップリンクデータである場合、アドレス1は、受信側端末APのMACアドレスであり、アドレス2は、送信側端末STAのMACアドレスである。
【0028】
図5は、従来技術におけるOFDM PPDUのフォーマットを示す。図に示されるように、最初の20
μsの信号の3つのセクションは、8
μsレガシーショートトレーニングフィールド
(略してL-STF)、
8μsレガシーロングトレーニングフィールド
(略してL-LTF)、および4
μsレガシー信号フィールド(
略してL-SIG)を含む。L-STFは、APに関連付けられたSTAをAPに同期させるために使用され、L-LTFは、APに関連付けられたSTAによって、チャネル推定を行うために使用され、そうすることで、コヒーレント受信を使用することによって、L-SIGで担持される無線フレームの持続時間に関する情報を取得する。超高スループット信号領域A
(略してVHT-SIG-A)は、PPDUの送信構成パラメータ情報を担持する。超高スループットショートトレーニングフィールド
(略してVHT-STF)は、受信側端末によって、自動利得制御
(AGC)を行うために使用される。超高スループットロングトレーニングフィールド
(略してVHT-LTF)は、受信側端末によって、チャネル推定およびコヒーレント検出を行うために使用される。超高スループット信号領域B
(略してVHT-SIG-B)は、後続データによって使用される変調および符号化方式
(略してMCS)、ならびに送信されたMPDUの長さを示すために使用される。最後のデータ領域は、MPDUを担持するために使用される。
【0029】
これら
図4および
図5では、MPDUは、PPDUの最後の部分にあるデータ領域で担持される。持続時間メッセージおよび受信機アドレス
(address 1)または送信機アドレス
(address 2)は、MPDUのMACヘッダ領域で担持される。持続時間メッセージおよび受信機アドレス
(address 1)が受信側端末によって解析されたとき、受信機アドレスが、受信側端末に対応するMACアドレスまたはグループアドレス
(group address)ではない場合、受信側端末は、持続時間情報に従って、受信側端末に対応するSTAのネットワーク割り当てベクトル
(略してNAV)を構成して、持続時間メッセージの時間長内にデータが送られないようにし、それによりチャネル干渉を低減させる。
【0030】
図6は、本発明の実施形態に適用されるPPDUのフォーマットの単純な概略図である。
図6に示されるように、PPDUは、PLCPヘッダ領域およびデータ領域を含む。PLCPヘッダ領域は、レガシープリアンブル
(略してL-Pre)および制御領域を含み、制御領域は、高効率信号領域
(略してHE-SIG)1およびHE-SIG2を含み、データ領域は、ダウンリンク
(略してDL)データ領域および/またはアップリンク
(略してUL)データ領域を含む。
【0031】
L-Preは、IEEE802.11に適合したプリアンブル部を使用し、既存のIEEE802.11は、IEEE802.11a、IEEE802.11g、IEEE802.11n、IEEE802.11ac、またはIEEE802.11axであり得る。L-Pre部は、L-STF、L-LTF、およびL-SIGを含み、L-STF、L-LTF、およびL-SIGの機能は、
図5の従来技術におけるOFDM PPDUにおける対応するフィールドのそれらと同じである。
【0032】
制御領域におけるHE-SIG1のデータは、IEEE802.11axプロトコルに基づく送信を行うSTAのHE-SIG1に近接して続くフレームのフォーマット構成、たとえば、HE-SIG2の送信様式、またはアップリンクおよびダウンリンクデータ領域の量もしくは配列順序を示すために使用される。制御領域におけるHE-SIG1は、IEEE802.11axプロトコルに基づいて送信を行うすべてのSTAによって解析され得る。
【0033】
制御領域におけるHE-SIG2は、STAについて構成されたリソース標識情報を含み、リソース標識情報は、少なくとも1つのSTA識別子を含み、STA識別子は、PPDUにおけるAPアドレスに関連付けられたSTAの識別子、またはワイルドカードSTA識別子であってよく、ワイルドカードSTA識別子は、STAのグループまたはすべてのSTAの識別子を含む。STAについて構成されたリソース標識情報は、HE-SIG1に含まれないパブリック制御情報、アップリンクおよびダウンリンクOFDMA時間周波数リソースブロックの割り当て情報、スケジュールされたSTAのMACアドレスまたはSTAのMACアドレスに関連付けられたSTAの識別子情報、スケジュールされたSTAに対応する送信シグナリング、ならびに、ある種の他の任意選択の送信パラメータ構成情報、たとえば、MCSまたは空間ストリームの量などを含む。
【0034】
従来技術との違いは、本発明のこの実施形態におけるPPDU構造の制御領域は、APの識別子、少なくとも1つのSTAの識別子、および持続時間情報をさらに含み、APの識別子および持続時間情報は、制御領域のHE-SIG1またはHE-SIG2内に置かれてよく、STAの識別子は、HE-SIG2のリソース標識情報内に配置される。このようにして、STAは、PLCPヘッダ領域の制御領域のみを解析することによって、APの識別子情報、持続時間情報、少なくとも1つのSTAの識別子を取得し得ることである。したがって、STAは、APの識別子および少なくとも1つのSTAの識別子に従って、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子およびワイルドカードSTA識別子を含むかどうかを決定してよく、さらに、そのSTAが、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子またはワイルドカードSTA識別子を含まないと決定した場合、そのSTAは、持続時間情報に従ってNAVを構成する。このプロセスにおいて、PPDUの制御領域のみが解析されるので、データ送信効率が改善する。
【0035】
データ領域は、ULデータ領域およびDLデータ領域を含んでよく。ULデータ領域とDLデータ領域の両方がMPDUを担持するために使用される。
【0036】
本発明のこの実施形態において提供されるPPDUのデータ領域上で担持されるダウンリンクMPDUのフレーム構造が、
図13aから
図13eに示される。従来技術との違いは、本発明のこの実施形態におけるPPDUのデータ領域上で担持されるMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないことであり、具体的には以下の2つの様式で実装され得る。
【0037】
ダウンリンクMPDUを生成する様式1:MPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、この場合、PPDUのデータ領域上で担持されるMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0038】
ダウンリンクMPDUを生成する様式2:MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報を含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報が除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。
【0039】
本発明の目的、技術的解決策、および有益な効果をより理解できるようにするため、以下でさらに添付図面および実施形態を参照して本発明を詳細に説明する。本明細書に説明される特定の実施形態は、本発明を単に説明するために使用され、本発明を限定するように意図されていないことは理解されるべきである。
【0040】
本発明のこの実施形態で提供されるPPDUは、IEEE802.11axプロトコルに適用されてよいが、本発明のこの実施形態で提供される方法および装置は、本発明のこの実施形態で提供されるPPDU構造に限定されない。
【0041】
図1のシステムアーキテクチャに基づいて、本発明の実施形態がワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置を提供し、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置は、チップなどのコンポーネントであってよく、ワイヤレスローカルエリアネットワークにおいてデータを送信するために使用される。通信装置はAP内に配設される。ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置は、AP、たとえば、ワイヤレスアクセス装置、ブリッジ、またはホットポット装置であってもまたよい。ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置は、サーバまたは通信ネットワークにアクセスすることがある。
【0042】
図7に示されるように、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置は、
ワイヤレスローカルエリアネットワークのPPDUを生成するように構成された処理ユニット701であって、PPDUは、少なくとも、PLCPヘッダ領域およびデータ領域を含み、PLCPヘッダ領域は、プリアンブルおよび制御領域を含み、制御領域は、少なくとも、APの識別子、少なくとも1つのSTAの識別子、および持続時間情報を担持する、処理ユニット701と、
生成されたPPDUを送るように構成されたトランシーバユニット702と
を含み得る。
【0043】
PPDUはPHY層エンティティによって生成されてよく、MPDUはMAC層エンティティによって生成されてよい。
【0044】
冗長な情報を減らすために、PPDUのデータ領域上で担持されるダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、これは、前述の2つの様式で実装されてよく、詳細は以下の通りである。
【0045】
ダウンリンクMPDUを生成する様式1:処理ユニット701によって生成されたPPDUのデータ領域は、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、ダウンリンクMPDUを担持する。
【0046】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報を含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報が除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。
【0047】
ダウンリンクMPDUを生成する様式2:処理ユニット701によって生成されたPPDUのデータ領域は、ダウンリンク媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを担持し、ダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0048】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、この場合、PPDUのデータ領域上で担持されるMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0049】
好ましくは、PPDUのデータ領域は、アップリンクデータ情報をさらに担持し、STAにより送られたアップリンクMPDUは、PPDUにおけるリソース標識情報に従ってデータ領域において受け取られる。アップリンクMPDUは、以下のような2つの様式で生成され得る。
【0050】
アップリンクMPDUを生成する様式1:トランシーバユニット702は、STAにより送られたアップリンクPPDUを受け取り、アップリンクPPDUのデータ領域は、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、アップリンクMPDUを担持する。
【0051】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報を含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報が除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。
【0052】
アップリンクMPDUを生成する様式2:トランシーバユニット702は、STAにより送られたアップリンクPPDUを受け取り、アップリンクPPDUのデータ領域は、アップリンクMPDUを担持し、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0053】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、この場合、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、アップリンクMPDUが送られる。
【0054】
好ましくは、データ領域で担持されるアップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、少なくともフレーム制御フィールドを含み、フレーム制御フィールドは、MPDUのタイプを示すために使用される。
【0055】
好ましくは、フレーム制御フィールドによって示されるMPDUのタイプが管理フレームまたはデータフレームであるとき、MACヘッダ領域は、少なくともアドレス3フィールドおよびシーケンス制御フィールドをさらに含む。
【0056】
好ましくは、フレーム制御フィールドによって示されるMPDUのタイプがサービス品質QoSデータフレームであるとき、MACヘッダ領域は、少なくともQoS制御フィールドをさらに含む。
【0057】
特定の実装形態では、トランシーバユニット702は、OFDMA技術を使用することによってデータ領域を送信するようにさらに構成され、データ領域で担持されるアップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、OFDMA制御フィールドをさらに含む。
【0058】
MPDUのヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないことにより、データ送信プロセスにおける情報冗長性を軽減し、送信効率を改善することが認識され得る。
【0059】
好ましくは、アップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、少なくともフレーム制御フィールドをさらに含み、フレーム制御フィールドは、プロトコルバージョンのインジケータビット、フレームのタイプのインジケータビット、またはフレームのサブタイプのインジケータビットを含み、これら3つのインジケータビットの値は、新しく追加された値である。
【0060】
好ましくは、処理ユニット701は、OFDMA送信機会(Transmission Opportunity、略してTXOP)においてN個の連続したPPDUを生成するように特に構成され、N個の連続したPPDUのi番目フレームについて、PLCPヘッダ領域の制御領域の持続時間情報によって示される時間長値は、i番目フレームの送信の開始からN番目フレームの送信の終了までの総持続時間であり、iの値範囲は[1,N]である。
【0061】
上記の設定を用いて、STAは、N個の連続したPPDUを送信するプロセスにおいて沈黙を保ってよく、データを送らず、それによりチャネル干渉を低減させる。
【0062】
結論として、本発明のこの実施形態では、PPDUにおけるPLCPヘッダ領域の制御領域が、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を担持し、したがって、STAは、PLCPヘッダ領域の制御領域のみを解析することによって、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を取得し得る。したがって、そのSTAは、APの識別子および少なくとも1つのSTAの識別子に従って、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子およびワイルドカードSTA識別子を含むかどうかを決定してよく、さらに、そのSTAが、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子またはワイルドカードSTA識別子を含まないと決定した場合、そのSTAは、持続時間情報に従ってNAVを構成する。このプロセスにおいて、PPDUの制御領域のみが解析されるので、データ送信効率が改善する。
【0063】
同じ概念に基づいて、本発明の実施形態は、ワイヤレスローカルエリアネットワークにおいてデータを送信するために使用されるワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置を提供する。通信装置は、STA内に配設され、ワイヤレスセンサ、ワイヤレス通信端末、または携帯端末、たとえば、Wi-Fi通信機能をサポートする携帯電話(もしくは「セルラ」電話と呼ばれる)、またはワイヤレス通信機能を有するコンピュータであり得る。たとえば、通信装置は、Wi-Fi通信機能をサポートする、携帯、ポケットサイズ、ハンドヘルド、コンピュータ内蔵、ウェアラブル、または車載型のワイヤレス通信装置であり得る。STAは、音声またはデータなどの通信データを無線アクセスネットワークと交換する。
【0064】
図8に示されるように、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置は、
APにより送られたワイヤレスローカルエリアネットワークのPPDUを受け取るように構成されたトランシーバユニット801であって、PPDUは、少なくとも、PLCPヘッダ領域およびデータ領域を含み、PLCPヘッダ領域は、プリアンブルおよび制御領域を含み、制御領域は、少なくとも、APの識別子、少なくとも1つのSTAの識別子、および持続時間情報を担持する、トランシーバユニット801と、
PPDUの制御領域におけるAPの識別子情報、少なくとも1つのステーションSTAの識別子、および持続時間情報を、解析によって取得するように構成された処理ユニット802と
を含み得る。
【0065】
PPDUはPHY層エンティティによって生成されてよく、MPDUはMAC層エンティティによって生成されてよい。
【0066】
冗長な情報を減らすために、本発明のこの実施形態では、受け取られたPPDUのデータ領域上で担持されるダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、これは、前述の2つの様式で実装されてよく、詳細は以下の通りである。
【0067】
ダウンリンクMPDUを生成する様式1:受け取られたPPDUのデータ領域は、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、ダウンリンクMPDUを担持する。
【0068】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報を含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報が除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。処理ユニットは、受け取られたPPDUの制御領域におけるAPの識別子およびSTAの識別子に従って、ダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレスおよび受信機アドレスを取得する。
【0069】
ダウンリンクMPDUを生成する様式2:受け取られたPPDUのデータ領域は、ダウンリンク媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを担持し、ダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0070】
具体的には、ダウンリンクMPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、この場合、PPDUのデータ領域上で担持されるMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。処理ユニットは、受け取られたPPDUの制御領域におけるAPの識別子およびSTAの識別子に従って、ダウンリンクMPDUの送信機アドレスおよび受信機アドレスを取得する。
【0071】
特定の実施形態では、処理ユニットは、解析によって取得された、PPDUにおける少なくとも1つのSTAの識別子が、通信装置が配置されたSTAのワイルドカード識別子を含まないと決定されたとき、解析によって取得された持続時間情報に従って、通信装置が配置されたSTAのNAVを構成するようにさらに構成される。少なくとも1つのSTAは、PPDUにおけるAPに関連付けられたSTA、およびワイルドカードSTAを含む。少なくとも1つのSTAの識別子がリソース標識情報内に配置される。
【0072】
リソース標識情報が、STAについて構成されたリソース情報を含まず、ワイルドカードリソース標識情報を含まない場合、リソース標識情報リソースが構成されていないSTAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成し、ワイルドカードリソース標識情報は、STAのグループまたはすべてのSTAのリソース標識情報を含む。好ましくは、ワイルドカード識別子は、ワイルドカードリソース標識情報を示すために制御領域のHE-SIG2において使用され得る。
【0073】
特定の実施形態では、STAが、APの識別子に従って、STAがAPに関連付けられたSTAでないと決定した場合、STAは、リソース標識情報がすべてのSTAについて構成されたワイルドカードリソース標識情報を含むかどうかを決定し、ワイルドカードリソース標識情報が含まれていない場合、STAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成する。
【0074】
STAが、APの識別子に従って、STAがAPに関連付けられたSTAであると決定した場合、STAは、APの識別子およびリソース標識情報に従って、リソース標識情報がSTAについて構成されたリソース標識情報を含むかどうかを決定する。リソース標識情報がSTAについて構成されたリソース標識情報を含まない場合に、リソース標識情報がワイルドカードリソース標識情報を含まないことがさらに決定されたとき、リソース標識情報が構成されていないSTAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成する。ここで、ワイルドカード標識情報は、STAのグループまたはすべてのSTAのリソース標識情報を含む。そうすることで、持続時間メッセージの時間長内にデータが送られないようにし、それによりチャネル干渉を低減させる。
【0075】
STAがAPに関連付けられており、リソース標識情報が、指定されたリソース上でダウンリンクデータをSTAが受け取ることを示す場合、STAは、指定されたリソース上でダウンリンクデータ領域内のデータを受け取り、受け取られたデータを解析する。
【0076】
好ましくは、PPDUのデータ領域がさらにアップリンクデータ情報を担持する場合、STAは、アップリンクMPDUを送る。アップリンクMPDUは、以下のような2つの様式で生成され得る。
【0077】
アップリンクMPDUを生成する様式1:処理ユニットは、アップリンクPPDUを生成し、アップリンクPPDUのデータ領域は、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、アップリンクMPDUを担持し、トランシーバユニットは、アップリンクPPDUを送る。
【0078】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報を含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報が除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。
【0079】
さらに、STAにより送られた調整されたアップリンクMPDUが、スクランブル様式でさらに差異化されてよく、使用されたスクランブルコードは、STAの識別子および/またはAPの識別子を使用することによって初期化されてよい。APは、リソース標識情報内の指定された時間周波数でSTAにより送られたMPDUを受け取り、MPDUを解析する前にデータのこの部分に対してスクランブル解除を行う。使用されたスクランブルコードは、STA側のそれと同じである。
【0080】
たとえば、STAがAPに関連付けられており、リソース標識情報が、指定されたリソース上でアップリンクデータをSTAが送ることを示す場合、STAは、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域における受信機アドレス(MAC address of the AP)、持続時間情報、送信機アドレス(MAC address of the STA)を、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域から除去し、リソース標識情報に従って、PPDUのデータ領域において、送信機アドレス、持続時間情報、および受信機アドレスが除去されたアップリンクMPDUを、APへ送る。STAがアップリンクMPDUを送るとき、STAは、ダウンリンクPPDUで担持されるリソース標識情報に従って、指定されたリソース上で、アップリンクMPDUを送り、したがって、APは、リソース標識情報に従って、データ領域において、アップリンクMPDUを受け取る。
【0081】
アップリンクMPDUを生成する様式2:処理ユニットは、アップリンクPPDUを生成し、アップリンクPPDUのデータ領域は、アップリンクMPDUを担持し、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0082】
具体的には、アップリンクMPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、この場合、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、アップリンクMPDUが送られる。
【0083】
さらに、冗長な情報を減らすために、STAがアップリンクデータを送るとき、取り付けられたPLCPヘッダ領域におけるデータ情報は、APの識別子情報または持続時間情報を含む必要がなく、チャネル推定および相関検出のために使用されるある種のデータのみを含む。
【0084】
使用される異なるタイプのMPDUまたは異なる送信技術に応じて、本発明のこの実施形態におけるアップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域に含まれる情報もまた異なる。
【0085】
具体的には、
図13aに示されるように、アップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのいずれかのMACヘッダ領域が、少なくともフレーム制御フィールドを含み、フレーム制御フィールドはMPDUのタイプを示すために使用される。
【0086】
フレーム制御フィールドによって示されるMPDUのタイプが管理フレームまたはデータフレームであるとき、MACヘッダ領域は、
図13cに示されるように、少なくともアドレス3フィールドおよびシーケンス制御フィールドをさらに含み得る。
【0087】
フレーム制御フィールドによって示されるMPDUのタイプがQoSデータフレームであるとき、MACヘッダ領域は、
図13dに示されるように、少なくともQoS制御フィールドをさらに含み得る。
【0088】
生成されたPPDUのデータ領域が、直交周波数分割多元接続OFDMA技術を使用することによって送られる場合、データ領域で担持されるアップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、
図13eに示されるように、OFDMA制御フィールドをさらに含む。
【0089】
STAがアップリンクデータを送るとき、冗長データが減らされ、送信効率が改善されることが認識され得る。
【0090】
結論として、本発明のこの実施形態では、PPDUにおけるPLCPヘッダ領域の制御領域が、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を担持し、したがって、STAは、PLCPヘッダ領域の制御領域のみを解析することによって、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を取得し得る。したがって、そのSTAは、APの識別子および少なくとも1つのSTAの識別子に従って、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子およびワイルドカードSTA識別子を含むかどうかを決定してよく、さらに、そのSTAが、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子またはワイルドカードSTA識別子を含まないと決定した場合、そのSTAは、持続時間情報に従ってNAVを構成する。このプロセスにおいて、PPDUの制御領域のみが解析されるので、データ送信効率が改善する。ワイルドカードSTA識別子は、STAのグループまたはすべてのSTAの識別子を含む。
【0091】
同じ概念に基づいて、本発明の実施形態は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置を提供し、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置は、チップなどのコンポーネントであってよく、ワイヤレスローカルエリアネットワークにおいてデータを送信するために使用される。通信装置はAP内に配設される。ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置は、AP、たとえば、ワイヤレスアクセス装置、ブリッジ、またはホットポット装置であってもまたよい。ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置は、サーバまたは通信ネットワークにアクセスすることがある。
【0092】
図9に示されるように、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置は、プロセッサ901、トランシーバ902、およびメモリ903を含む。
【0093】
プロセッサ901は、ワイヤレスローカルエリアネットワークのPPDUを生成するように構成され、PPDUは、少なくとも、PLCPヘッダ領域およびデータ領域を含み、PLCPヘッダ領域は、プリアンブルおよび制御領域を含み、制御領域は、少なくとも、APの識別子、少なくとも1つのSTAの識別子、および持続時間情報を担持する。
【0094】
トランシーバ902は、生成されたPPDUを送るように構成される。
【0095】
メモリ903は、MPDUおよびPPDUを記憶するように構成される。メモリ903は、上述のプロセスを実行するためにプロセッサ901によって使用されるコードを記憶してもまたよい。
【0096】
PPDUはPHY層エンティティによって生成されてよく、MPDUはMAC層エンティティによって生成されてよい。
【0097】
冗長な情報を減らすために、PPDUのデータ領域上で担持されるダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、これは、前述の2つの様式で実装されてよく、詳細は以下の通りである。
【0098】
ダウンリンクMPDUを生成する様式1:プロセッサ901によって生成されたPPDUのデータ領域は、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、ダウンリンクMPDUを担持する。
【0099】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報を含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報が除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。
【0100】
ダウンリンクMPDUを生成する様式2:プロセッサ901によって生成されたPPDUのデータ領域は、ダウンリンクMPDUを担持し、ダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0101】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、この場合、PPDUのデータ領域上で担持されるMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0102】
好ましくは、PPDUのデータ領域は、アップリンクデータ情報をさらに担持し、STAにより送られたアップリンクMPDUは、PPDUにおけるリソース標識情報に従ってデータ領域において受け取られる。アップリンクMPDUは、以下のような2つの様式で生成され得る。
【0103】
アップリンクMPDUを生成する様式1:トランシーバ902は、STAにより送られたアップリンクPPDUを受け取り、アップリンクPPDUのデータ領域は、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、アップリンクMPDUを担持する。
【0104】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報を含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報が除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。
【0105】
アップリンクMPDUを生成する様式2:トランシーバ902は、STAにより送られたアップリンクPPDUを受け取り、アップリンクPPDUのデータ領域は、アップリンクMPDUを担持し、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0106】
具体的には、アップリンクMPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、この場合、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、アップリンクMPDUが送られる。
【0107】
特定の実施形態では、トランシーバ902は、OFDMA技術を使用することによってデータ領域を送信するようにさらに構成され、データ領域で担持されるアップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、OFDMA制御フィールドをさらに含む。
【0108】
好ましくは、データ領域で担持されるアップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、少なくともフレーム制御フィールドを含み、フレーム制御フィールドは、MPDUのタイプを示すために使用される。
【0109】
好ましくは、フレーム制御フィールドによって示されるMPDUのタイプが管理フレームまたはデータフレームであるとき、MACヘッダ領域は、少なくともアドレス3フィールドおよびシーケンス制御フィールドをさらに含む。
【0110】
好ましくは、フレーム制御フィールドによって示されるMPDUのタイプがサービス品質QoSデータフレームであるとき、MACヘッダ領域は、少なくともQoS制御フィールドをさらに含む。
【0111】
好ましくは、生成されたPPDUのデータ領域が、直交周波数分割多元接続OFDMA技術を使用することによって送られる場合、データ領域で担持されるアップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、OFDMA制御フィールドをさらに含む。
【0112】
MPDUのヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないことにより、データ送信プロセスにおける情報冗長性を軽減し、送信効率を改善することが認識され得る。
【0113】
好ましくは、アップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、少なくともフレーム制御フィールドをさらに含み、フレーム制御フィールドは、プロトコルバージョンのインジケータビット、フレームのタイプのインジケータビット、またはフレームのサブタイプのインジケータビットを含み、これら3つのインジケータビットの値は、新しく追加された値である。
【0114】
好ましくは、プロセッサ901は、OFDMA送信機会(Transmission Opportunity、略してTXOP)においてN個の連続したPPDUを生成するように特に構成され、N個の連続したPPDUのi番目フレームについて、PLCPヘッダ領域の制御領域の持続時間情報によって示される時間長値は、i番目フレームの送信の開始からN番目フレームの送信の終了までの総持続時間であり、iの値範囲は[1,N]である。
【0115】
上記の設定を用いて、STAは、N個の連続したPPDUを送信するプロセスにおいて沈黙を保ってよく、データを送らず、それによりチャネル干渉を低減させる。
【0116】
結論として、本発明のこの実施形態では、PPDUにおけるPLCPヘッダ領域の制御領域が、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を担持し、したがって、STAは、PLCPヘッダ領域の制御領域のみを解析することによって、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を取得し得る。したがって、そのSTAは、APの識別子および少なくとも1つのSTAの識別子に従って、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子およびワイルドカードSTA識別子を含むかどうかを決定してよく、さらに、そのSTAが、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子またはワイルドカードSTA識別子を含まないと決定した場合、そのSTAは、持続時間情報に従ってNAVを構成する。このプロセスにおいて、PPDUの制御領域のみが解析されるので、データ送信効率が改善する。
【0117】
同じ概念に基づいて、本発明の実施形態は、ワイヤレスローカルエリアネットワークにおいてデータを送信するために使用されるワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置を提供する。STA装置は、ワイヤレスセンサ、ワイヤレス通信端末、または携帯端末、たとえば、Wi-Fi通信機能をサポートする携帯電話(もしくは「セルラ」電話と呼ばれる)、またはワイヤレス通信機能を有するコンピュータであり得る。たとえば、STA装置は、Wi-Fi通信機能をサポートする、携帯、ポケットサイズ、ハンドヘルド、コンピュータ内蔵、ウェアラブル、または車載型のワイヤレス通信装置であり得る。STA装置は、音声またはデータなどの通信データを無線アクセスネットワークと交換する。
【0118】
図10に示されるように、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置は、トランシーバ1001、プロセッサ1002、およびメモリ1003を含む。
【0119】
トランシーバ1001は、APにより送られたワイヤレスローカルエリアネットワークのPPDUを受け取るように構成され、PPDUは、少なくとも、PLCPヘッダ領域およびデータ領域を含み、PLCPヘッダ領域は、プリアンブルおよび制御領域を含み、制御領域は、少なくとも、APの識別子、少なくとも1つのSTAの識別子、および持続時間情報を担持する。
【0120】
プロセッサ1002は、PPDUの制御領域におけるAPの識別子情報、少なくとも1つのSTAの識別子、および持続時間情報を、解析によって取得するように構成される。
【0121】
メモリ1003は、MPDUおよびPPDUを記憶するように構成される。メモリ1003は、上述のプロセスを実行するためにプロセッサ1002によって使用されるコードを記憶してもまたよい。
【0122】
PPDUはPHY層エンティティによって生成されてよく、MPDUはMAC層エンティティによって生成されてよい。
【0123】
冗長な情報を減らすために、本発明のこの実施形態では、受け取られたPPDUのデータ領域上で担持されるダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、これは、前述の2つの様式で実装されてよく、詳細は以下の通りである。
【0124】
ダウンリンクMPDUを生成する様式1:受け取られたPPDUのデータ領域は、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、ダウンリンクMPDUを担持する。
【0125】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報を含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報が除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。処理ユニットは、受け取られたPPDUの制御領域におけるAPの識別子およびSTAの識別子に従って、ダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレスおよび受信機アドレスを取得する。
【0126】
ダウンリンクMPDUを生成する様式2:受け取られたPPDUのデータ領域は、ダウンリンク媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを担持し、ダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0127】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、この場合、PPDUのデータ領域上で担持されるMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。処理ユニットは、受け取られたPPDUの制御領域におけるAPの識別子およびSTAの識別子に従って、ダウンリンクMPDUの送信機アドレスおよび受信機アドレスを取得する。
【0128】
特定の実施形態では、処理ユニットは、解析によって取得された、PPDUにおける少なくとも1つのSTAの識別子が、通信装置が配置されたSTAのワイルドカード識別子を含まないと決定されたとき、解析によって取得された持続時間情報に従って、通信装置が配置されたSTAのNAVを構成するようにさらに構成される。少なくとも1つのSTAは、PPDUにおけるAPに関連付けられたSTA、およびワイルドカードSTAを含む。少なくとも1つのSTAの識別子がリソース標識情報内に配置される。
【0129】
リソース標識情報が、STAについて構成されたリソース情報を含まず、ワイルドカードリソース標識情報を含まない場合、リソース標識情報リソースが構成されていないSTAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成し、ワイルドカードリソース標識情報は、STAのグループまたはすべてのSTAのリソース標識情報を含む。好ましくは、ワイルドカード識別子は、ワイルドカードリソース標識情報を示すために制御領域のHE-SIG2において使用され得る。
【0130】
特定の実施形態では、STAが、APの識別子に従って、STAがAPに関連付けられたSTAでないと決定した場合、STAは、リソース標識情報がすべてのSTAについて構成されたワイルドカードリソース標識情報を含むかどうかを決定し、ワイルドカードリソース標識情報が含まれていない場合、STAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成する。
【0131】
STAが、APの識別子に従って、STAがAPに関連付けられたSTAであると決定した場合、STAは、APの識別子およびリソース標識情報に従って、リソース標識情報がSTAについて構成されたリソース標識情報を含むかどうかを決定する。リソース標識情報がSTAについて構成されたリソース標識情報を含まない場合に、リソース標識情報がワイルドカードリソース標識情報を含まないことがさらに決定されたとき、リソース標識情報が構成されていないSTAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成する。ここで、ワイルドカード標識情報は、STAのグループまたはすべてのSTAのリソース標識情報を含む。そうすることで、持続時間メッセージの時間長内にデータが送られないようにし、それによりチャネル干渉を低減させる。
【0132】
STAがAPに関連付けられており、リソース標識情報が、指定されたリソース上でダウンリンクデータをSTAが受け取ることを示す場合、STAは、指定されたリソース上でダウンリンクデータ領域内のデータを受け取り、受け取られたデータを解析する。
【0133】
好ましくは、PPDUのデータ領域がさらにアップリンクデータ情報を担持する場合、STAは、アップリンクMPDUを送る。アップリンクMPDUは、以下のような2つの様式で生成され得る。
【0134】
アップリンクMPDUを生成する様式1:処理ユニットは、アップリンクPPDUを生成し、アップリンクPPDUのデータ領域は、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、アップリンクMPDUを担持し、トランシーバユニットは、アップリンクPPDUを送る。
【0135】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報を含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報が除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。
【0136】
さらに、STAにより送られた調整されたアップリンクMPDUが、スクランブル様式でさらに差異化されてよく、使用されたスクランブルコードは、STAの識別子および/またはAPの識別子を使用することによって初期化されてよい。APは、リソース標識情報内の指定された時間周波数でSTAにより送られたMPDUを受け取り、MPDUを解析する前にデータのこの部分に対してスクランブル解除を行う。使用されたスクランブルコードは、STA側のそれと同じである。
【0137】
たとえば、STAがAPに関連付けられており、リソース標識情報が、指定されたリソース上でアップリンクデータをSTAが送ることを示す場合、STAは、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域における受信機アドレス(MAC address of the AP)、持続時間情報、および送信機アドレス(MAC address of the STA)を、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域から除去し、リソース標識情報に従って、PPDUのデータ領域において、送信機アドレス、持続時間情報、および受信機アドレスが除去されたアップリンクMPDUを、APへ送る。STAがアップリンクMPDUを送るとき、STAは、ダウンリンクPPDUで担持されるリソース標識情報に従って、指定されたリソース上で、アップリンクMPDUを送り、したがって、APは、リソース標識情報に従って、データ領域において、アップリンクMPDUを受け取る。
【0138】
アップリンクMPDUを生成する様式2:処理ユニットは、アップリンクPPDUを生成し、アップリンクPPDUのデータ領域は、アップリンクMPDUを担持し、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0139】
具体的には、アップリンクMPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、この場合、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、アップリンクMPDUが送られる。
【0140】
さらに、冗長な情報を減らすために、STAがアップリンクデータを送るとき、取り付けられたPLCPヘッダ領域におけるデータ情報は、APの識別子情報または持続時間情報を含む必要がなく、チャネル推定および相関検出のために使用されるある種のデータのみを含む。
【0141】
使用される異なるタイプのMPDUまたは異なる送信技術に応じて、本発明のこの実施形態におけるアップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域に含まれる情報もまた異なる。
【0142】
具体的には、
図13aに示されるように、アップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのいずれかのMACヘッダ領域が、少なくともフレーム制御フィールドを含み、フレーム制御フィールドはMPDUのタイプを示すために使用される。
【0143】
フレーム制御フィールドによって示されるMPDUのタイプが管理フレームまたはデータフレームであるとき、MACヘッダ領域は、
図13cに示されるように、少なくともアドレス3フィールドおよびシーケンス制御フィールドをさらに含み得る。
【0144】
フレーム制御フィールドによって示されるMPDUのタイプがQoSデータフレームであるとき、MACヘッダ領域は、
図13dに示されるように、少なくともQoS制御フィールドをさらに含み得る。
【0145】
生成されたPPDUのデータ領域が、直交周波数分割多元接続OFDMA技術を使用することによって送られる場合、データ領域で担持されるアップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、
図13eに示されるように、OFDMA制御フィールドをさらに含む。
【0146】
STAがアップリンクデータを送るとき、冗長データが減らされ、送信効率が改善されることが認識され得る。
【0147】
結論として、本発明のこの実施形態では、PPDUにおけるPLCPヘッダ領域の制御領域が、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を担持し、したがって、STAは、PLCPヘッダ領域の制御領域のみを解析することによって、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を取得し得る。したがって、そのSTAは、APの識別子および少なくとも1つのSTAの識別子に従って、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子およびワイルドカードSTA識別子を含むかどうかを決定してよく、さらに、そのSTAが、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子またはワイルドカードSTA識別子を含まないと決定した場合、そのSTAは、持続時間情報に従ってNAVを構成する。このプロセスにおいて、PPDUの制御領域のみが解析されるので、データ送信効率が改善する。
【0148】
同じ概念に基づいて、本発明の実施形態は、AP側に適用可能であるワイヤレスローカルエリアネットワークデータ送信方法を提供し、プロセスは、前述の
図7から
図9に示された装置を使用することによって実装され得る。本発明の実施形態によるデータ送信プロセスの概略図である
図11に示されるように、プロセスは以下のステップを含む。
【0149】
ステップ1101:ワイヤレスローカルエリアネットワークのPPDUを生成する。ここで、PPDUは、少なくとも、PLCPヘッダ領域およびデータ領域を含み、PLCPヘッダ領域は、プリアンブルおよび制御領域を含み、制御領域は、少なくとも、APの識別子、少なくとも1つのSTAの識別子、および持続時間情報を担持する。
【0150】
ステップ1102:生成されたPPDUを送る。
【0151】
ステップ1101で構築されたOFDMA PPDUのフォーマットは、
図6に示され、以下に詳細に説明される。
【0152】
好ましくは、本発明のこの実施形態では、APが、プリアンブルおよび制御領域をPPDUのPLCPヘッダ領域に追加する。
【0153】
プリアンブルは、STAおよびAPに対して時間周波数同期を行うために使用されるL-Preであり、制御領域は、HE-SIG1およびHE-SIG2を含む。
【0154】
冗長な情報を減らすために、PPDUのデータ領域上で担持されるダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、これは、前述の2つの様式で実装されてよく、詳細は以下の通りである。
【0155】
ダウンリンクMPDUを生成する様式1:生成されたPPDUのデータ領域は、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、ダウンリンクMPDUを担持する。
【0156】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報を含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報が除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。
【0157】
ダウンリンクMPDUを生成する様式2:生成されたPPDUのデータ領域は、ダウンリンクMPDUを担持し、ダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0158】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、この場合、PPDUのデータ領域上で担持されるMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0159】
特定の実施形態では、APの識別子情報および持続時間情報がPLCPヘッダ領域に追加され、ダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、持続時間情報、または受信機アドレスを含まず、ここで、送信機アドレスは、MPDUのMACヘッダ領域におけるアドレス2であり、受信機アドレスは、MPDUのMACヘッダ領域におけるアドレス1である。
【0160】
本発明のこの実施形態で提供される方法において、APは、APに関連付けられたSTAおよび関連付けられていないSTAを含むAPネットワークのカバレッジエリア内のすべてのSTAに対して、ブロードキャスト様式でPPDUを送る。プリアンブルを解析した後、STAは、続いて制御領域を解析することによって、APの識別子情報および持続時間情報を取得し、APの識別子情報、STAの識別子情報、およびリソース標識情報に従って、STAは、STAについて構成されたリソース標識情報が含まれていないと決定し、すなわち、PPDUの後続データが、STAに属するMPDU、またはSTAによってスケジュールされないアップリンク送信リソースを含まず、ワイルドカードリソース標識情報を含まない。リソース標識情報が構成されていないSTAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成する。ここで、ワイルドカードリソース標識情報は、STAのグループまたはすべてのSTAのリソース標識情報を含む。そうすることで、持続時間メッセージの時間長内にデータが送られないようにし、それによりチャネル干渉を低減させる。
【0161】
APの識別子情報および持続時間情報がPLCPヘッダ領域に追加されるので、APに関連付けられていないSTAが、後続の送信データMPDUを解析することなく、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成してよく、それによりデータ送信効率が改善することが認識され得る。さらに、MPDUが送信機アドレスまたは持続時間情報を含まないことにより、APの識別子情報および持続時間情報の繰り返される送信を回避し、データ送信プロセスにおける情報冗長性を軽減し、送信効率を改善する。
【0162】
具体的には、APの識別子情報は、制御領域のHE-SIG1またはHE-SIG2に追加されてよく、持続時間情報は、制御領域のHE-SIG1またはHE-SIG2に追加されてよい。
【0163】
APの識別子情報がSTAによって解析されると、STAは、STAがAPに関連付けられるかどうかを決定し、リソース標識情報が解析された後、STAは、STAのリソース標識情報が存在するかどうかを決定し、STAについて構成されたリソース標識情報が含まれていない場合、リソース標識情報が構成されていないSTAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成する。
【0164】
好ましくは、やはり制御領域で担持されるリソース標識情報が制御領域のHE-SIG2に配置される。具体的には、リソース標識情報は、アップリンクおよびダウンリンクOFDMA時間周波数リソースブロックの割り当て情報、スケジュールされたSTAの識別子情報、スケジュールされたAPに関連付けられたSTAに対応する送信シグナリング、ならびにある種の他の送信パラメータ構成、たとえば空間ストリームの量などを含む。
【0165】
STAは、リソース標識情報に従って、後続のデータロードがSTAに属するデータを含むかどうかを認識して、MPDUを解析するかどうかを決定し得る。リソース標識情報が、STAがデータを送信する必要がないことを示す場合、STAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成し、持続時間情報で指定された時間の期間内にデータが送られず、それによりチャネル干渉を低減させる。STAが時間周波数リソース上でダウンリンクデータを受け取る必要がある、または時間周波数リソース上でアップリンクデータを送る必要があることを、リソース標識情報が示す場合、STAは続けてMPDUを解析し、APに対してデータを送信する。
【0166】
リソース標識情報がSTAの識別子情報を含むので、MPDUはSTAのMACアドレスを含まなくてよく、それによりMPDU内の冗長データを減らし、送信効率を改善することが認識され得る。
【0167】
具体的には、HE-SIG1またはHE-SIG2に続くデータ領域が、チャネル推定およびコヒーレント検出を行うためにSTAによって使用されるトレーニングシーケンスをさらに含む。
【0168】
好ましくは、持続時間情報が、OFDMA TXOPにおいてN個の連続したPPDUを生成するように特に構成され、N個の連続したPPDUのi番目フレームについて、PLCPヘッダ領域の制御領域の持続時間情報によって示される時間長値は、i番目フレームの送信の開始からN番目フレームの送信の終了までの総持続時間であり、iの値範囲は[1,N]である。
【0169】
たとえば、
図12に示されるように、OFDMA TXOPにおいて3つの連続したOFDMA PPDUが存在することが想定される。第1のフレームのPPDUの持続時間情報によって示される時間長値は、第1のフレームの送信の開始から第3のフレームの送信の終了までの総持続時間であり、第2のフレームのPPDUの持続時間情報によって示される時間長値は、第2のフレームの送信の開始から第3のフレームの送信の終了までの総持続時間であり、第3のフレームのPPDUの持続時間情報によって示される時間長値は、第3のフレームの送信の開始から第3のフレームの送信の終了までの総持続時間である。
【0170】
上記の設定を用いて、STAは、N個の連続したPPDUを送信するプロセスにおいて沈黙を保ってよく、データを送らず、それによりチャネル干渉を低減させる。
【0171】
特定の実施形態では、アップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、少なくともフレーム制御フィールドをさらに含む。
図13aに示されるように、フレーム制御フィールドはMPDUのタイプを示すために使用される。MPDUのタイプは、制御フレーム、管理フレーム、およびデータフレームを含む。WLANにおける制御フレームは、たとえば、送信要求
(request to send、略してRTS)、送信可
(clear to send、略してCTS)、または肯定応答
(Acknowledgement、略してACK)である。
【0172】
好ましくは、フレーム制御フィールドによって示されるMPDUのタイプが管理フレームまたはデータフレームであるとき、MACヘッダ領域は、
図13cに示されるように、少なくともアドレス3フィールドおよびシーケンス制御フィールドをさらに含む。アドレス3フィールドで担持されるコンテンツについては、既存の802.11プロトコルを参照する。
【0173】
具体的には、管理フレームまたはデータフレームは多くのサブタイプフレーム構造を有する。フレーム制御フィールドによって示されるMPDUのタイプが、管理フレームもしくはデータフレームのいずれか、または管理フレームもしくはデータフレームにおけるサブタイプフレームのいずれか1つであるとき、MACヘッダ領域は、少なくともアドレス3フィールドおよびシーケンス制御フィールドをさらに含む。
【0174】
好ましくは、フレーム制御フィールドによって示されるMPDUのタイプがQoSデータフレームであるとき、MACヘッダ領域は、
図13dに示されるように、少なくともQoS制御フィールドをさらに含む。
【0175】
特定の実施形態では、生成されたPPDUのデータ領域が、直交周波数分割多元接続OFDMA技術を使用することによって送られる場合、データ領域で担持されるアップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、
図13eに示されるように、OFDMA制御フィールドをさらに含む。
【0176】
送信効率が高くないがアドレッシングの完全性を必要とするいくつかのフレーム、たとえば、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームでは、完全なMPDUがOFDMA送信におけるPPDUのデータ領域にさらに追加される。
【0177】
特定の実施形態では、アップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、少なくともフレーム制御フィールドをさらに含み、フレーム制御フィールドは、プロトコルバージョンのインジケータビット、フレームのタイプのインジケータビット、またはフレームのサブタイプのインジケータビットを含み、これら3つのインジケータビットの値は、新しく追加された値である。
【0178】
具体的には、本発明のこの実施形態の方法において、MACヘッダ領域のフレーム制御フィールドにおけるプロトコルバージョンのインジケータビットは、デフォルト値とは異なる値に設定され得る。既存の802.11プロトコルは、MPDUのフレーム制御フィールドにおけるプロトコルバージョンのインジケータビットのデフォルト値が「00」であるように指定し、この場合のMPDUの構造は
図4に示されている。MPDUで担持されるデータが減らされた場合、MACヘッダ領域のフレーム制御フィールドにおける
プロトコルバージョンのインジケータビットは、デフォルト値とは異なる値、たとえば「01」、「10」または「11」に設定されてよく、この場合のMPDUの構造は、
図13a、
図13b、
図13c、および
図13dに示されている。
【0179】
具体的には、本発明のこの実施形態の方法において、さらに、MACヘッダ領域のフレーム制御フィールドにおけるフレームのタイプを示すためのインジケータビットが、新しく追加された値に設定されてよく、または、MACヘッダ領域のフレーム制御フィールドにおけるフレームのサブタイプを示すためのインジケータビットが、新しく追加された値に設定されてよい。すなわち、インジケータビットのいくつかの値は、制御フレーム、管理フレーム、またはデータフレームを示すために新しく追加され、インジケータビットのいくつかの値は、各フレームタイプのサブタイプを示すために新しく追加される。
【0180】
たとえば、
図13bは、フレームの
タイプと、フレームの
サブタイプ、すなわちサブフレームのタイプとを示すためのフレーム制御領域におけるデータ領域構造である。
【0181】
フレームタイプのインジケータビットが「00」であるとき、それは、MPDUが管理フレームであることを示し、管理フレームのサブタイプフレームを示すための共通値は「0000~1110」であり、この場合、本発明のこの実施形態の方法では、サブフレームのタイプのインジケータビットは「1111」に設定され得る。
【0182】
フレームタイプのインジケータビットが「01」であるとき、それは、MPDUが制御フレームであることを示し、制御フレームのサブタイプフレームを示すための共通値は「0111~1111」であり、この場合、本発明のこの実施形態の方法では、サブフレームのタイプのインジケータビットは「0000~0110」の範囲の値に設定され得る。
【0183】
MPDUがデータフレームであるとき、フレームタイプのインジケータビット「10」未満のすべてのサブタイプが使用されているので、本発明のこの実施形態の方法では、データフレームは、フレームタイプのインジケータビットを「11」として設定し、サブタイプを有意な値に設定することによって示され得る。
【0184】
ステップ1102において、APは、ブロードキャスト様式で、APネットワークのカバレッジエリア内のすべてのSTAに対してプリアンブルを送ってよく、すべてのSTAがAPとの時間周波数同期を行う。
【0185】
APは、ブロードキャスト様式で、APネットワークのカバレッジエリア内のすべてのSTAに対して制御領域を送ってよく、すべてのSTAが、制御領域内のデータを解析して、APの識別子情報、持続時間情報、およびSTAについて構成されたリソース標識情報構成を取得する。
【0186】
好ましくは、PPDUのデータ領域は、アップリンクデータ情報をさらに担持し、STAにより送られたアップリンクMPDUは、PPDUにおけるリソース標識情報に従ってデータ領域において受け取られる。アップリンクMPDUは、以下のような2つの様式で生成され得る。
【0187】
アップリンクMPDUを生成する様式1:STAにより送られたアップリンクPPDUを受け取る。ここで、アップリンクPPDUのデータ領域は、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、アップリンクMPDUを担持する。
【0188】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報を含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報が除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。
【0189】
アップリンクMPDUを生成する様式2:STAにより送られたアップリンクPPDUを受け取る。ここで、アップリンクPPDUのデータ領域は、アップリンクMPDUを担持し、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0190】
具体的には、アップリンクMPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、この場合、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、アップリンクMPDUが送られる。
【0191】
STAがAPに関連付けられており、リソース標識情報が、指定されたリソース上でアップリンクデータをSTAが送ることを示す場合、STAはアップリンクMPDUを送る、すなわち、STAは、リソース標識情報に従って、PPDUのデータ領域において、送信機アドレス、持続時間情報、または受信機アドレスを含まないアップリンクMPDUを、APへ送り、STAは、指定されたリソース上でアップリンクMPDUを送る。APは、リソース標識情報に従って、データ領域において、STAにより送られたアップリンクMPDUを受け取る。
【0192】
さらに、STAがアップリンクデータを送るとき、取り付けられたPLCPヘッダ領域におけるデータ情報は、APの識別子情報および持続時間情報を含まなくてよく、チャネル推定およびコヒーレント検出のために使用されるある種のデータを含むのみでよく。それにより、冗長なデータを減らし送信効率を改善する。
【0193】
結論として、本発明のこの実施形態では、PPDUにおけるPLCPヘッダ領域の制御領域が、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を担持し、したがって、STAは、PLCPヘッダ領域の制御領域のみを解析することによって、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を取得し得る。したがって、そのSTAは、APの識別子および少なくとも1つのSTAの識別子に従って、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子およびワイルドカードSTA識別子を含むかどうかを決定してよく、さらに、そのSTAが、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子またはワイルドカードSTA識別子を含まないと決定した場合、そのSTAは、持続時間情報に従ってNAVを構成する。このプロセスにおいて、PPDUの制御領域のみが解析されるので、データ送信効率が改善する。
【0194】
同じ概念に基づいて、本発明の実施形態はデータ送信方法のプロセスを提供する。この方法はSTA側に適用可能であり、プロセスは、
図8または
図10に示された装置を使用することによって実装され得る。本発明の実施形態によるデータ送信プロセスの概略図である
図14に示されるように、プロセスは以下のステップを含む。
【0195】
ステップ1401:APにより送られたワイヤレスローカルエリアネットワークのPPDUを受け取る。ここで、PPDUは、少なくとも、PLCPヘッダ領域およびデータ領域を含み、PLCPヘッダ領域は、プリアンブルおよび制御領域を含み、制御領域は、少なくとも、APの識別子、少なくとも1つのSTAの識別子、および持続時間情報を担持する。
【0196】
ステップ1402:PPDUの制御領域におけるAPの識別子情報、少なくとも1つのステーションSTAの識別子、および持続時間情報を、解析によって取得する。特定の実施形態では、STAについて構成されたリソース標識情報が解析され、リソース標識情報に従って、PPDUのデータ領域を使用することによって、APに対するデータ送信が行われる。
【0197】
ステップ1401およびステップ1402で構築されるOFDMA PPDUのフォーマットは
図6に示されており、以下に詳細に説明される。
【0198】
特定の実施形態では、解析によって取得された、PPDUにおける少なくとも1つのSTAの識別子が、STAの識別子を含まず、ワイルドカードSTA識別子を含まないと決定されたとき、解析によって取得された持続時間情報に従って、STAのNAVが構成される。前述されたように、APは、ブロードキャスト様式で、APネットワークのカバレッジエリア内のすべてのSTAに対してPPDUを送り得る。PPDUのプリアンブルを解析した後、STAは、続いて制御領域を解析することによって、APの識別子情報、持続時間情報、およびリソース標識情報を取得してよく、リソース標識情報が構成されていないSTAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成して、持続時間メッセージの時間長内にデータが送られないようにし、それによりチャネル干渉を低減させる。
【0199】
APの識別子情報および持続時間情報がPLCPヘッダ領域に追加された場合、リソース標識情報が構成されていないSTAが、後続の送信データMPDUを解析することなく、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成してよく、それによりデータ送信効率が改善することが認識され得る。
【0200】
前述されたように、PPDUのPLCPヘッダ領域において、APの識別子情報は、制御領域のHE-SIG1またはHE-SIG2に追加されてよく、持続時間情報は、制御領域のHE-SIG1またはHE-SIG2に追加されてよい。
【0201】
APの識別子情報がSTAによって解析されると、STAは、STAがAPに関連付けられるかどうかを決定し、リソース標識情報が解析された後、STAは、STAのリソース標識情報が存在するかどうかを決定し、STAについて構成されたリソース標識情報が含まれていない場合、リソース標識情報が構成されていないSTAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成する。
【0202】
好ましくは、やはり制御領域で担持されるリソース標識情報が制御領域のHE-SIG2に配置される。具体的には、リソース標識情報は、アップリンクおよびダウンリンクOFDMA時間周波数リソースブロックの割り当て情報、スケジュールされたSTAの識別子情報、スケジュールされたAPに関連付けられたSTAに対応する送信シグナリング、ならびにある種の他の送信パラメータ構成、たとえば空間ストリームの量などを含む。
【0203】
STAは、リソース標識情報に従って、後続のデータロードがSTAに属するデータを含むかどうかを認識して、MPDUを解析するかどうかを決定し得る。リソース標識情報が、STAがデータを送信する必要がないことを示す場合、STAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成し、持続時間情報で指定された時間の期間内にデータが送られず、それによりチャネル干渉を低減させる。STAが時間周波数リソース上でダウンリンクデータを受け取る必要がある、または時間周波数リソース上でアップリンクデータを送る必要があることを、リソース標識情報が示す場合、STAは続けてMPDUを解析し、APに対してデータを送信する。
【0204】
STAがAPに関連付けられておらず、リソース標識情報がワイルドカードリソース標識情報を含まない場合、STAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成する。ここで、ワイルドカードリソース情報は、STAのグループまたはすべてのSTAのリソース標識情報を含む。そうすることで、持続時間メッセージの時間長内にデータが送られないようにし、それによりチャネル干渉を低減させる。
【0205】
STAがAPに関連付けられているが、リソース標識情報がSTAについて構成されたリソース情報を含まない場合に、リソース標識情報がワイルドカードリソース標識情報を含まないことがさらに決定されたとき、リソース標識情報が構成されていないSTAは、持続時間情報に従ってSTAのNAVを構成する。ここで、ワイルドカードリソース標識情報は、STAのグループまたはすべてのSTAのリソース標識情報を含む。そうすることで、持続時間メッセージの時間長内にデータが送られないようにし、それによりチャネル干渉を低減させる。
【0206】
STAがAPに関連付けられており、リソース標識情報が、指定されたリソース上でダウンリンクデータをSTAが受け取ることを示す場合、STAは、指定されたリソース上でダウンリンクデータ領域内のデータを受け取り、受け取られたデータを解析する。
【0207】
冗長な情報を減らすために、本発明のこの実施形態では、受け取られたPPDUのデータ領域上で担持されるダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、これは、前述の2つの様式で実装されてよく、詳細は以下の通りである。
【0208】
ダウンリンクMPDUを生成する様式1:受け取られたPPDUのデータ領域は、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、ダウンリンク媒体アクセス制御プロトコルデータユニットMPDUを担持し、受け取られたPPDUの制御領域におけるAPの識別子およびSTAの識別子に従って、ダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレスおよび受信機アドレスが取得される。
【0209】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報を含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報が除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。
【0210】
ダウンリンクMPDUを生成する様式2:受け取られたMPDUのデータ領域は、ダウンリンクMPDUを担持し、ダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、受け取られたPPDUの制御領域におけるAPの識別子およびSTAの識別子に従って、ダウンリンクMPDUの送信機アドレスおよび受信機アドレスが取得される。
【0211】
具体的には、ダウンリンクMPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、この場合、PPDUのデータ領域上で担持されるMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0212】
STAがAPに関連付けられており、リソース標識情報が、指定されたリソース上でアップリンクデータをSTAが送ることを示す場合、STAは、リソース標識情報に従って、PPDUのデータ領域において、アップリンクMPDUをAPに送り、APは、リソース標識情報に従って、データ領域において、STAにより送られたアップリンクMPDUを受け取る。
【0213】
好ましくは、PPDUのデータ領域がさらにアップリンクデータ情報を担持する場合、STAは、アップリンクMPDUを送る。アップリンクMPDUは、以下のような2つの様式で生成され得る。
【0214】
アップリンクMPDUを生成する様式1:アップリンクPPDUを生成する。ここで、アップリンクPPDUのデータ領域は、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、アップリンクMPDUを担持する。トランシーバユニットは、アップリンクPPDUを送るようにさらに構成される。
【0215】
具体的には、MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報を含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス、受信機アドレス、および持続時間情報が除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。
【0216】
さらに、STAにより送られた調整されたアップリンクMPDUが、スクランブル様式でさらに差異化されてよく、使用されたスクランブルコードは、STAの識別子および/またはAPの識別子を使用することによって初期化されてよい。APは、リソース標識情報内の指定された時間周波数でSTAにより送られたMPDUを受け取り、MPDUを解析する前にデータのこの部分に対してスクランブル解除を行う。使用されたスクランブルコードは、STA側のそれと同じである。
【0217】
アップリンクMPDUを生成する様式2:アップリンクPPDUを生成する。ここで、アップリンクPPDUのデータ領域は、アップリンクMPDUを担持し、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない。
【0218】
具体的には、アップリンクMPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まず、この場合、MACヘッダ領域が送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報を含まない、アップリンクMPDUが送られる。
【0219】
本発明のこの実施形態では、MPDUは、送信機アドレス、持続時間情報、または受信機アドレスを含まず、それにより、MPDU上で担持されるデータを減らし、冗長データを減らし、送信効率を改善する。
【0220】
具体的には、
図13aに示されるように、アップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのいずれかのMACヘッダ領域が、少なくともフレーム制御フィールドを含み、フレーム制御フィールドはアップリンクMPDUのタイプを示すために使用される。
【0221】
フレーム制御フィールドによって示されるアップリンクMPDUのタイプが管理フレームまたはデータフレームであるとき、MACヘッダ領域は、
図13cに示されるように、少なくともアドレス3フィールドおよびシーケンス制御フィールドをさらに含む。
【0222】
フレーム制御フィールドによって示されるアップリンクMPDUのタイプがQoSデータフレームであるとき、MACヘッダ領域は、
図13dに示されるように、少なくともQoS制御フィールドをさらに含む。
【0223】
生成されたPPDUのデータ領域が、直交周波数分割多元接続OFDMA技術を使用することによって送られる場合、データ領域で担持されるアップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、
図13eに示されるように、OFDMA制御フィールドをさらに含む。
【0224】
具体的には、STAがアップリンクデータを送るとき、取り付けられたPLCPヘッダ領域におけるデータ情報は、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域から除去されるAPの識別子情報または持続時間情報を含む必要がなく、チャネル推定およびコヒーレント検出のために使用されるある種のデータのみを含む。
【0225】
好ましくは、アップリンクMPDUまたはダウンリンクMPDUのMACヘッダ領域は、少なくともフレーム制御フィールドをさらに含み、フレーム制御フィールドは、プロトコルバージョンのインジケータビット、フレームのタイプのインジケータビット、またはフレームのサブタイプのインジケータビットを含み、これら3つのインジケータビットの値は、新しく追加された値である。
【0226】
具体的には、本発明のこの実施形態の方法において、MACヘッダ領域のフレーム制御フィールドにおけるプロトコルバージョンのインジケータビットは、デフォルト値とは異なる値に設定され得る。既存の802.11プロトコルは、MPDUのフレーム制御フィールドにおけるプロトコルバージョンのインジケータビットのデフォルト値が「00」であるように指定し、この場合のMPDUの構造は
図4に示されている。MPDUで担持されるデータが減らされた場合、MACヘッダ領域のフレーム制御フィールドにおけるプロトコルバージョンのインジケータビットは、デフォルト値とは異なる値、たとえば「01」、「10」または「11」に設定されてよく、この場合のMPDUの構造は、
図13a、
図13b、
図13c、および
図13dに示されている。
【0227】
好ましくは、本発明のこの実施形態の方法において、さらに、MACヘッダ領域のフレーム制御フィールドにおけるフレームのタイプを示すためのインジケータビットが、新しく追加された値に設定されてよく、または、MACヘッダ領域のフレーム制御フィールドにおけるフレームのサブタイプを示すためのインジケータビットが、新しく追加された値に設定されてよい。すなわち、インジケータビットのいくつかの値は、制御フレーム、管理フレーム、またはデータフレームを示すために新しく追加され、インジケータビットのいくつかの値は、各フレームタイプのサブタイプを示すために新しく追加される。
【0228】
たとえば、
図13bは、フレームの
タイプと、フレームの
サブタイプ、すなわちサブフレームのタイプを示すためのフレーム制御領域におけるデータ領域構造である。
【0229】
フレームタイプのインジケータビットが「00」であるとき、それは、MPDUが管理フレームであることを示し、管理フレームのサブタイプフレームを示すための共通値は「0000~1110」であり、この場合、本発明のこの実施形態の方法では、サブフレームのタイプのインジケータビットは「1111」に設定され得る。
【0230】
フレームタイプのインジケータビットが「01」であるとき、それは、MPDUが制御フレームであることを示し、制御フレームのサブタイプフレームを示すための共通値は「0111~1111」であり、この場合、本発明のこの実施形態の方法では、サブフレームのタイプのインジケータビットは「0000~0110」の範囲の値に設定され得る。
【0231】
MPDUがデータフレームであるとき、フレームタイプのインジケータビット「10」未満のすべてのサブタイプが使用されているので、本発明のこの実施形態の方法では、データフレームは、フレームタイプのインジケータビットを「11」として設定し、サブタイプを有意な値に設定することによって示され得る。
【0232】
STAがアップリンクデータを送るとき、MPDUのいくつかの情報が除去され、それによりMPDU内の冗長データを減らし、送信効率を改善することが認識され得る。
【0233】
本発明のこの実施形態では、APにより構築されたPPDUにおけるPLCPヘッダ領域の制御領域が、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を担持し、したがって、STAは、PLCPヘッダ領域の制御領域のみを解析することによって、APの識別子情報、持続時間情報、および少なくとも1つのSTAの識別子を取得し得ることが、上記の内容から認識され得る。したがって、そのSTAは、APの識別子および少なくとも1つのSTAの識別子に従って、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子およびワイルドカードSTA識別子を含むかどうかを決定してよく、さらに、そのSTAが、PPDUの制御領域がそのSTAの識別子またはワイルドカードSTA識別子を含まないと決定した場合、そのSTAは、持続時間情報に従ってNAVを構成する。このプロセスにおいて、PPDUの制御領域のみが解析されるので、データ送信効率が改善する。ワイルドカードSTA識別子は、STAのグループまたはすべてのSTAの識別子を含む。
【0234】
同じ概念に基づいて、本発明の実施形態は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置1501と無線周波数モジュール1502とを含むAPを提供する。
【0235】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置1501は、
図7または
図9で提供された実施形態におけるワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置であってよく、詳細はここでは説明されない。
【0236】
無線周波数モジュール1502は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置1501におけるトランシーバユニットまたはトランシーバにより送られたPPDUを受け取り、PPDUを無線周波数信号に変調し、次いで無線周波数信号を送り、また、STAにより送られたPPDUの無線周波数信号を受け取り、無線周波数信号を復調し、次いで、復調された無線周波数信号を、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置1501におけるトランシーバユニットまたはトランシーバに送るように構成される。
【0237】
同じ概念に基づいて、本発明の実施形態は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置1601と無線周波数モジュール1602とを含むSTAを提供する。
【0238】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置1601は、
図8または
図10で提供された実施形態におけるワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置であってよく、詳細はここでは説明されない。
【0239】
無線周波数モジュール1602は、APにより送られた無線周波数信号を受け取り、無線周波数信号をPPDUに復調し、次いでPPDUをトランシーバユニットに送り、また、ワイヤレスローカルエリアネットワーク通信装置1601におけるトランシーバユニットまたはトランシーバにより送られたPPDUを受け取り、PPDUを無線周波数信号に変調し、次いで無線周波数信号を送るように構成される。
【0240】
当業者には、本発明の実施形態が方法またはコンピュータプログラム製品として提供され得ることは理解されよう。したがって、本発明は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみの実施形態、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせを有する実施形態の形態を使用し得る。さらに、本発明は、コンピュータ使用可能プログラムコードを含む1または複数のコンピュータ使用可能記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、および光メモリなどを含むがそれらに限定されない)上に実装されるコンピュータプログラム製品の形態を使用し得る。
【0241】
本発明は、本発明の実施形態による方法、装置、およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して説明される。コンピュータプログラム命令が、フローチャートおよび/またはブロック図における各プロセスおよび/または各ブロック、ならびにフローチャートおよび/またはブロック図におけるプロセスおよび/またはブロックの組み合わせを実装するために使用され得ることは理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、または、マシンを生成するための任意の他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに対して提供されてよく、そうすることで、コンピュータまたは任意の他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行された命令が、フローチャートの1もしくは複数のプロセスおよび/またはブロック図の1もしくは複数のブロックにおける特定の機能を実装するための装置を生成することになる。
【0242】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは任意の他のプログラム可能データ処理装置に特定の様式で動作するように命令できるコンピュータ可読メモリに記憶されてもまたよく、そうすることで、コンピュータ可読メモリに記憶された命令が、命令装置を含む人工物を生成することになる。命令装置は、フローチャートの1もしくは複数のプロセスおよび/またはブロック図の1もしくは複数のブロックにおける特定の機能を実装する。
【0243】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは別のプログラム可能データ処理装置上にロードされてもまたよく、そうすることで、一連の動作またはステップがコンピュータまたは別のプログラム可能装置上で実行されることになり、それにより、コンピュータに実装された処理を生成する。したがって、コンピュータまたは別のプログラム可能装置上で実行された命令が、フローチャートの1もしくは複数のプロセスおよび/またはブロック図の1もしくは複数のブロックにおける特定の機能を実装するためのステップを提供する。
【0244】
本発明のいくつかの例示的な実施形態が説明されているが、当業者は、基本的発明概念を認識すれば、これらの実施形態に対して変更および改変を行うことができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲内に入る例示的な実施形態およびすべての変更および改変を包含すると解釈されることが意図される。
【0245】
明らかに、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な改変および変形を行うことができる。本発明は、これらの改変および変形が添付の特許請求の範囲および等価な技術によって規定される保護の範囲に入るならば、それらを包含することが意図される。
【0246】
たとえば、上述の実装様式でアップリンクMPDUを生成(または処理)するプロセスにおいて、実際の状況に応じて、MACヘッダ領域における一部の情報のみ、たとえば、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間情報のうちの1つまたは組み合わせが圧縮されることが可能である。
【0247】
具体的には、ステーションにより送られたアップリンクPPDUのPLCPヘッダ領域が、受信機アドレス(たとえばAPのID)および持続時間を含むとき、上述されたアップリンクMPDUを生成する様式1または2で処理が行われ得る。当然ながら、あるいは、アップリンクPPDUのPLCPヘッダ領域が、受信機アドレスおよび/または持続時間を含まないことがあり、この場合、アップリンクMPDUを生成する様式3が使用されてよく、様式3では、
アップリンクPPDUを生成し、ここで、アップリンクPPDUのPLCPヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間のうちの1つまたは任意の組み合わせを含まず、アップリンクPPDUのデータ領域は、MACヘッダ領域が、少なくとも送信機アドレスに関する情報を含まないアップリンクMPDUを担持しており、
アップリンクPPDUを送る。
【0248】
具体例:
例1a:PLCPヘッダ領域が受信機アドレスまたは持続時間を含まない場合、アップリンクPPDUのデータ領域は、送信機アドレスを含まないアップリンクMPDUを担持し得る。
【0249】
例2a:PLCPヘッダ領域が、受信機アドレスを含むが持続時間を含まない場合、アップリンクPPDUのデータ領域は、送信機アドレスに関する情報または受信機アドレスに関する情報を含まないアップリンクMPDUを担持し得る。
【0250】
例3a:PLCPヘッダ領域が、持続時間を含むが受信機アドレスを含まない場合、アップリンクPPDUのデータ領域は、送信機アドレスまたは持続時間情報を含まないMPDUを担持し得る。
【0251】
例4a:PLCPヘッダ領域が、送信機アドレスを含むが受信機アドレスまたは持続時間を含まない場合、アップリンクPPDUのデータ領域は、送信機アドレスを含まないアップリンクMPDUを担持し得る。
【0252】
例5a:PLCPヘッダ領域が、送信機アドレスおよび受信機アドレスを含むが持続時間を含まない場合、アップリンクPPDUのデータ領域は、送信機アドレスに関する情報または受信機アドレスに関する情報を含まないアップリンクPPDUを担持し得る。
【0253】
例6a:PLCPヘッダ領域が、送信機アドレスおよび持続時間を含むが受信機アドレスを含まない場合、アップリンクPPDUのデータ領域は、送信機アドレスまたは持続時間情報を含まないアップリンクPPDUを担持し得る。
【0254】
具体的には、例1では、MPDUがMAC層で形成されるとき、MPDUが従来技術におけるそれと同じであり、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が送信機アドレスを含み、PPDUがPHY層で形成されるとき、MPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレスが除去され、そして、MACヘッダ領域が送信機アドレスを含まないMPDUが、PPDUのデータ領域内に置かれる。
【0255】
さらに、STAにより送られた調整されたアップリンクMPDUが、スクランブル様式でさらに差異化されてよく、使用されたスクランブルコードは、STAの識別子および/またはAPの識別子を使用することによって初期化されてよい。APは、リソース標識情報内の指定された時間周波数でSTAにより送られたMPDUを受け取り、MPDUを解析する前にデータのこの部分に対してスクランブル解除を行う。使用されたスクランブルコードは、STA側のそれと同じである。
【0256】
たとえば、STAがAPに関連付けられており、リソース標識情報が、指定されたリソース上でアップリンクデータをSTAが送ることを示す場合、STAは、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域における送信機アドレス(STAのMACアドレス)を、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域から除去し、リソース標識情報に従って、PPDUのデータ領域において、送信機アドレスが除去されたアップリンクMPDUを、APへ送る。STAがアップリンクMPDUを送るとき、STAは、ダウンリンクPPDUで担持されるリソース標識情報に従って、指定されたリソース上で、アップリンクMPDUを送り、したがって、APは、リソース標識情報に従って、データ領域において、アップリンクMPDUを受け取る。
【0257】
上記の解決策は、上述されたアップリンクMPDUのMACヘッダ領域のデータ構造に適用されてもまたよい。すなわち、アップリンクMPDUを生成する様式4は以下のようになる。
【0258】
アップリンクPPDUを生成する。ここで、アップリンクPPDUのPLCPヘッダ領域は、送信機アドレス、受信機アドレス、または持続時間のうちの1つまたは任意の組み合わせを含まず、アップリンクPPDUのデータ領域は、MPDUを担持し、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域は、少なくとも送信機アドレスに関する情報を含まない。
【0259】
具体例:
例1b:PLCPヘッダ領域が受信機アドレスまたは持続時間を含まない場合、アップリンクPPDUのデータ領域は、アップリンクMPDUを担持してよく、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレスを含まない。
【0260】
例2b:PLCPヘッダ領域が、受信機アドレスを含むが持続時間を含まない場合、アップリンクPPDUのデータ領域は、アップリンクMPDUを担持してよく、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレスに関する情報または受信機アドレスに関する情報を含まない。
【0261】
例3b:PLCPヘッダ領域が、持続時間を含むが受信機アドレスを含まない場合、アップリンクPPDUのデータ領域は、アップリンクMPDUを担持してよく、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレスまたは持続時間情報を含まない。
【0262】
例4b:PLCPヘッダ領域が、送信機アドレスを含むが受信機アドレスまたは持続時間情報を含まない場合、アップリンクPPDUのデータ領域は、アップリンクMPDUを担持してよく、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレスを含まない。
【0263】
例5b:PLCPヘッダ領域が、送信機アドレスおよび受信機アドレスを含むが持続時間を含まない場合、アップリンクPPDUのデータ領域は、アップリンクMPDUを担持してよく、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレスに関する情報または受信機アドレスに関する情報を含まない。
【0264】
例6b:PLCPヘッダ領域が、送信機アドレスおよび持続時間を含むが受信機アドレスを含まない場合、アップリンクPPDUのデータ領域は、アップリンクMPDUを担持してよく、アップリンクMPDUのMACヘッダ領域は、送信機アドレスまたは持続時間情報を含まない。
【0265】
具体的には、例1bでは、アップリンクMPDUがMAC層で形成されるとき、すなわち、MPDUのMACヘッダ領域が、少なくとも送信機アドレスを含まず、この場合、MACヘッダ領域が送信機アドレスを含まない、アップリンクMPDUが送られる。
【0266】
上記の解決策は、上記の実装様式で述べられた装置および方法に適用されてよく、たとえば、生成プロセスは、処理ユニットまたはプロセッサを使用することによって実装され、送るプロセスおよび受け取るプロセスは、トランシーバを使用することによって実装され得る。当業者には、アップリンクMPDUおよびアップリンクPPDUがアクセスポイントによって受信側で対応して受け取られ処理されることも理解し得る。上記の拡張された実装様式および上述された実装様式の詳細は、論理的に組み合わされ得るが、他の拡張可能な内容は本明細書では説明されていない。