(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】レーザ切削ハイポチューブを使用して埋込物を除去するための医療デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3205 20060101AFI20220502BHJP
【FI】
A61B17/3205
(21)【出願番号】P 2021048037
(22)【出願日】2021-03-23
(62)【分割の表示】P 2018510366の分割
【原出願日】2016-08-26
【審査請求日】2021-04-06
(32)【優先日】2015-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507086217
【氏名又は名称】ザ スペクトラネティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】グレイス ケネス ピー.
(72)【発明者】
【氏名】リー ウェストン エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】カガライズ ブライアン イー.
(72)【発明者】
【氏名】カーヴァー ロバート エル.
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0277037(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0164530(US,A1)
【文献】特開2008-155032(JP,A)
【文献】特表2009-528907(JP,A)
【文献】特許第6859009(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/3205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の血管から埋込物を除去するためのデバイスであって、前記デバイスは、
外側シース組立体
及び内側シース
組立体を備えるシース組立体と
、トリガ及び
アクチュエータを備えるハンドル組立体とを備え、
前記外側シース組立体が外側
シースを備え
、前記外側
シースが外側ハイポチューブを備え、
前記外側ハイポチューブが、第1の外側可撓性を有する第1の外側セグメントと、第2の外側可撓性を有する第2の外側セグメントとを備え、前記第1の外側セグメントが前記第2の外側セグメントの遠位にあり、前記第1の外側可撓性が前記第2の外側可撓性よりも高く、
前記内側シース組立体が
、内側シース
と、前記内側シースの遠位部に結合される先端部
とを備え
、前記内側シースが、前記外側ハイポチューブ内に少なくとも部分的に配置される内側ハイポチューブを備え、
前記内側ハイポチューブが、第1の内側可撓性を有する第1の内側セグメントと、第2の内側可撓性を有する第2の内側セグメントとを備え、前記第1の内側セグメントが前記第2の内側セグメントの遠位にあり、前記第1の内側可撓性が前記第2の内側可撓性よりも高く、
前記トリガ
の移動が、長手軸を中心に前記アクチュエータを回転させ、前記内側シースの近位端が前記アクチュエータに結合され、この結果、前記トリガの前記移動が、前記先端部を長手方向に並進させて前記アクチュエータとともに回転させる、
デバイス。
【請求項2】
前記トリガがトリガピンを備え、前記アクチュエータが、前記トリガピンを受けるスロットであって、前記長手軸に沿った第1の距離範囲に対する前記トリガピンの移動のための第1の方向に前記アクチュエータを回転させ、前記長手軸に沿った第2の距離範囲に対する前記トリガピンの移動のための、前記第1の方向と反対の第2の方向に前記アクチュエータを回転させる当該スロットを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記アクチュエータの前記スロットが、8の字のような経路を有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記8の字のような経路が、前記アクチュエータの周囲のまわりに形成される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記アクチュエータのまわりに配置され、円筒状の本体と開口とを備えるフォロアガイドをさらに備え、前記スロットの少なくとも一部分が前記開口を通じて露出される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記フォロアガイドが前記アクチュエータに対して回転し、第1のフォロアガイド位置では、前記フォロアガイドが前記スロットの第1の対角線のセグメントに沿って前記トリガピンを案内し、第2のフォロアガイド位置では、前記フォロアガイドが前記スロットの第2の対角線のセグメントに沿って前記トリガピンを案内し、前記第1の対角線のセグメントは前記第2の対角線のセグメントと交差する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記スロットの異なる部分が前記開口を通じて露出されるように、前記フォロアガイドが、前記長手軸に沿った前記トリガピンの前記移動に基づいて、第2のフォロアガイド位置まで前記アクチュエータに対して回転する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項8】
前記フォロアガイドの前記開口が、砂時計の形状を有する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項9】
前記外側シース組立体がピンを備え、前記先端部が、前記内側シース組立体の前記先端部を前記外側シース組立体に結合するために前記ピンを受けて当該ピンと協働するためのスロットを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の外側セグメント
が第1の外側長さを有し
、前記第1の内側セグメント
が第1の内側長さを有し
、前記第1の外側長さが前記第1の内側長さよりも短い、請求項
1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の外側可撓性が前記第1の外側
セグメントに沿って一定であり、前記第2の外側可撓性が前記第2の外側
セグメントに沿って可変であり、前記第1の内側可撓性が前記第1の内側
セグメントに沿って一定であり、前記第2の内側可撓性が前記第2の内側
セグメントに沿って可変である、請求項
1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第1の外側可撓性が前記第1の内側可撓性よりも低い、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第2の外側可撓性が前記第2の内側可撓性よりも低い、請求項
1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記内側ハイポチューブが複数の切り溝を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記複数の切り溝のうちの第1の切り溝が、前記第1の内側セグメント内に配置され、一定のピッチで配置される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記複数の切り溝のうちの第2の切り溝が、前記第2の内側セグメント内に配置され、可変ピッチで配置される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記外側ハイポチューブが複数の切り溝を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記複数の切り溝のうちの第1の切り溝が、前記第1の外側セグメント内に配置され、一定のピッチで配置される、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記複数の切り溝のうちの第2の切り溝が、前記第2の外側セグメント内に配置され、可変ピッチで配置される、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
近位長手方向における前記トリガの移動に応じて、前記アクチュエータが回転する、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、米国特許法第119条及び/又は米国特許法第120条の利益及び優先権を主張して2015年2月20日に出願された「MEDICAL DEVICE FOR REMOVING AN IMPLANTED OBJECT」という名称の米国特許出願第14/627,851号の一部継続出願であり、米国特許出願第14/627,851号は、2014年3月13日に出願された「SURGICAL INSTRUMENT FOR REMOVING AN IMPLANTED OBJECT」という名称の国際出願PCT/米国特許出願公開第2014/026496号の一部継続出願であり、国際出願PCT/米国特許出願公開第2014/026496号は、2013年3月15日に出願された「SURGICAL INSTRUMENT FOR REMOVING AN IMPLANTED OBJECT」という名称の米国仮出願第61/793,597号の米国特許法第119条(e)項の利益及び優先権を主張している。2015年2月20日に出願された「MEDICAL DEVICE FOR REMOVING AN IMPLANTED OBJECT」という名称の米国特許出願第14/627,851号は、2014年3月3日に出願された「MEDICAL DEVICE FOR REMOVING AN IMPLANTED OBJECT」という名称の米国仮出願第61/947,377号と、2014年10月2日に出願された「MEDICAL DEVICE FOR REMOVING AN IMPLANTED OBJECT」という名称の米国仮出願第62/058,790号と、2015年2月9日に出願された「MEDICAL DEVICE FOR REMOVING AN IMPLANTED OBJECT」という名称の米国仮出願第62/113,865号との、米国特許法第119条(e)項の利益及び優先権も主張している。本出願は、2015年8月28日に出願された「MEDICAL DEVICE FOR REMOVING AN IMPLANTED OBJECT USING LASER CUT HYPOTUBES」という名称の米国仮出願第62/211,151号の米国特許法第119条(e)項の利益及び優先権も主張するものである。上記の出願の全体が、それらの教示及び目的のすべてに関して、参照によってここに組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、概して患者の脈管系における組織を分離するためのデバイス、方法及びシステムに関し、より具体的には、患者の脈管系において、リードなどの埋込物に付着する組織を分離して、そのような埋込物を除去するためのデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0003】
[0003] ペースメーカ及び除細動器などの外科的に埋め込まれた心臓ペーシングシステムは、心臓病の治療において重要な役割を果たす。最初のペースメーカが埋め込まれて以来50年で技術が劇的な進歩を遂げ、これらのシステムは無数の人生の質を救うか又は改善している。ペースメーカは、心拍数を増加することにより、又は何らかの心不全の患者については心臓の収縮を調整することにより、遅い心リズムを扱う。埋め込み型除細動器は、電気ショックを送ることによって危険な速い心リズムを押さえる。
【0004】
[0004] 心臓ペーシングシステムは、一般的には、患者の体内に設置されるタイミングデバイス及びリードを含む。システムの一部分は、電気回路及びバッテリーを包含しているパルス発生器であり、通常は、皮下の鎖骨の下の胸壁上に設置される。バッテリーを交換するために、5~10年ごとの簡単な外科手術によってパルス発生器を交換しなければならない。システムの別の部分にはワイヤ又はリードが含まれ、パルス発生器と心臓との間に通っている。ペースメーカにおいて、これらのリードは、心拍動をより速くするために電気エネルギーの小さい時限バーストを送ることによって、デバイスが心拍数を増加することを可能にする。除細動器において、リードは、デバイスが、潜在的に危険な速いリズム(心室頻脈又は細動)を、高エネルギーの衝撃を送って通常のリズムに変換することを可能にするための特別なコイルを有する。加えて、リードは、心臓の電気的活動に関する情報をペースメーカに伝送する。
【0005】
[0005] これらの機能の両方のために、リードは心臓組織に接していなければならない。ほとんどのリードは、心臓(右心房及び右心室)の右側に接続する鎖骨の下の静脈を通り抜ける。場合によっては、リードは静脈を通って挿入され、心腔へ導かれ、そこで心臓に取り付けられる。他の事例では、リードは心臓の外側に取り付けられる。ほとんどのリードは、心筋に取り付けられた状態を保つために、終端における小ネジ及び/又はフックなどの固定機構を有する。
【0006】
[0006] リードが身体に埋め込まれた後、比較的短時間で、身体の自然治癒プロセスにより、リードに沿って、場合によりその先端部に瘢痕組織が形成され、それによって患者の身体にさらにしっかりと固定される。リードは、通常、デバイスのバッテリーよりも長持ちし、そのため、交換時には、リードはそれぞれの新規のパルス発生器(バッテリー)に再度接続されるのみである。リードは身体に恒久的に埋め込まれるように設計されているが、ときとして、これらのリードを除去するか又は抜き取る必要が生じる。リードを患者から除去する多数の理由には、それだけではないが、感染、リードの寿命、及びリードの不具合が含まれる。
【0007】
[0007] リードの除去又は抜取りは困難なことがある。前述のように、身体の自然治癒プロセスによって、リードの上に、リードに沿って、場合によりその先端部に瘢痕組織が形成されることにより、少なくともリードの一部分が覆われて、患者の身体にさらにしっかりと固定される。加えて、リード及び/又は組織が脈管構造の壁に付着するようになる。したがって、両方の結果により、患者の脈管構造からリードを除去する困難さが増す。
【0008】
[0008] より安全且つ首尾よくリードを抜き取るための様々なツールが開発されている。現在のリード抜取り技術には、機械的牽引、機械デバイス、及びレーザデバイスが含まれる。機械的牽引は、リードの中空部分にロッキングスタイレットを挿入し、次いでリードを引いて除去することにより、達成される。そのようなリードロッキングデバイスの一例は、Coeらの米国特許6,167,315号に説明され、且つ示されており、同特許の全体は、その教示及び目的のすべてに関して、参照によってここで本明細書に組み込まれる。
【0009】
[0009] リードを抜き取るための機械デバイスは、リード及び/又は周囲の組織の上を通る、シースと称される1つ又は複数の可撓性チューブを含む。シースのうち1つは、進むとき、先端部が(場合により協働するシースも)、リードを取り囲む瘢痕組織を含む他の瘢痕組織から瘢痕組織を分離するために、拡大する、分離する、且つ/又は切削するように、拡張器、分離器及び/又は切削ブレードを有する先端部を含む。場合によっては、先端部(及びシース)は、リードから組織自体も分離する。一旦、リードが周囲の組織から分離され、且つ/又は周囲の組織が残りの瘢痕組織から分離されると、リードは、除去のためにシースの中空の管腔へ挿入される、且つ/又はTaylorの米国特許出願公開第2008/0154293号において以前に説明されている機械的牽引デバイスなどの他のいくつかの機械デバイスを使用して患者の脈管構造から除去される。同特許出願公開の全体は、その教示及び目的のすべてに関して、参照によってここで本明細書に組み込まれる。
【0010】
[0010] いくつかのリード抜取りデバイスは、シースの遠位端からブレードを伸長させるためのトリガ機構を有する機械的シースを含む。リードを抜き取るために使用されるそのようなデバイス及び方法の一例が、Graceの米国特許第5,651,781号に説明され、且つ示されており、同特許の全体は、その教示及び目的のすべてに関して、参照によってここで本明細書に組み込まれる。シースの遠位端からブレードを伸長させるためのトリガ機構を有するデバイスの別の例が、2013年3月14日に出願された米国特許出願第13/834,405号である米国特許出願公開第2014/0277037号に説明され、且つ示されており、同特許出願公開の全体は、その教示及び目的のすべてに関して、参照によってここで本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
[0011] 患者の脈管構造内のブレードの伸長及び後退の量を制御することは、シース及びブレードが特定の脈管又は生理環境に存在する屈折した経路を通行するとき、並びに/或いはブレードが強靭な周囲の組織を切削し、且つ/又は分離しようとしているとき、特に重要である。その上、そのような機械デバイスをリード除去に使用することは、リードが脈管構造の弱い部分に配置され、且つ/又は取り付けられているときなどの特定の場合には、より細心の制御が必要とされる。たとえば、人間の一般的なリードは、腕頭静脈を通り抜け、上大静脈(「SVC」)を過ぎて、心臓の右心房に入る。SVCに沿って生じる組織増殖及び腕頭静脈に沿った他の位置に沿って生じる組織増殖により、特に静脈の壁が薄く、周囲の組織がとりわけ線維であるとき、そのような位置からリードを抜き取る際のリスク及び困難さが増す。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[0012] それゆえに、外側シースの内部からブレードの伸長、後退及び回転を正確に制御する能力を有する手術デバイスなどの、デバイス、方法及び/又はシステムの必要性がある。たとえば、ブレードが、当初は外側シースから伸長して外側シースの内部へ後退するとき一方向に回転し、次いで、後の伸張及び後退のときには、手術デバイスの同一の作動中に反対方向に回転するのが望ましい。本開示は、ハンドル組立体の中の、ブレードを回転させる筒形カムシリンダと、ブレードを伸張及び後退させ、且つ制御する、外側シース組立体の先端部における分離したカム機構とを有する手術デバイスについて論じるものである。筒形カムシリンダとカム機構とは、ブレードが当初外側シースから伸長して外側シースの内部へ後退するときブレードを一方向に回転させ、2度目に外側シースから伸長して外側シースの内部へ後退するときにはブレードを第2の方向に回転させるように協働する。ハンドルの各作動について、ブレードは、当初外側シースから伸長して外側シースの内部へ後退するとき一方向に回転し、後に、2度目に外側シースから伸長して外側シースの内部へ後退するときには第2の方向に回転する。ブレードの伸張及び後退とともに回転中の回転方向を交互にすると、ブレードの、それぞれの伸張及び後退について一方向に切り取る作用をもたらし、それによってブレードが周囲の組織の中で動けなくなる可能性を最小化する。
【0013】
[0013] この開示による、身体の血管から埋込物を除去するためのデバイスは、外側シース組立体、内側シース組立体、及びピンを備えるシース組立体を備え、外側シース組立体は外側シース及び外バンドを備え、外バンドはピンに結合されており、内側シース組立体は内側シース及び先端部を備え、先端部は切削面を有し、内側シースは近位端及び遠位端を備え、内側シースの遠位端は先端部に結合されており、先端部はピンを受けてピンと協働するためのカムスロットを備え、ハンドル組立体はトリガ及び筒形カムシリンダを備え、トリガはトリガピンを備え、筒形カムシリンダは、トリガピンを受けてトリガピンと協働するための筒形カムシリンダスロットを備え、内側シースの近位端は、トリガピンが長手方向において近位へ移動するとき、筒形カムシリンダが、時計回りと反時計回りとの両方の方向に回転し、それによって、先端部が長手方向に移動している間、先端部を時計回りと反時計回りとの両方の方向に回転させるように、筒形カムシリンダに結合されている。
【0014】
[0014] この開示による、身体の血管から埋込物を除去するためのデバイスは、或いは、外側シース組立体、内側シース組立体、及びピンを備えるシース組立体を備え、外側シース組立体及び内側シース組立体は、それぞれ近位端及び遠位端を備え、外側シース組立体の遠位端は、内側シース組立体の遠位端にピンで結合されており、内側シース組立体は、遠位端において内側シース及び先端部を備え、先端部は切削面を有し、先端部は、ピンを受けてピンと協働するためのスロットを備え、ハンドル組立体はトリガ及び筒形カムシリンダを備え、トリガはトリガピンを備え、筒形カムシリンダは、トリガピンを受けてトリガピンと協働するための筒形カムシリンダスロットを備え、内側シースの近位端は、トリガピンが長手方向において近位へ移動するとき、筒形カムシリンダが第1の方向及び第2の方向に回転するように、トリガピンによって筒形カムシリンダに結合されており、第1の方向は第2の方向と異なるものであり、先端部は、筒形カムシリンダが第1の方向に回転している間、長手方向に移動し、先端部は、筒形カムシリンダが第2の方向に回転している間、長手方向に移動する。
【0015】
[0015] 外側シースの内部からブレードの伸長、後退及び回転を正確に制御する能力を有する手術デバイスなどの、デバイス、方法及び/又はシステムの必要性がある。たとえば、ブレードが、当初は外側シースから伸長して外側シースの内部へ後退するとき一方向に回転し、次いで、後の伸張及び後退のときには、手術デバイスの同一の作動中に反対方向に回転するのが望ましい。本開示は、ハンドル組立体の中の、ブレードを回転させる筒形カムシリンダと、ブレードを伸張及び後退させ、且つ制御する、外側シース組立体の先端部における分離したカム機構とを有する手術デバイスについて論じるものである。筒形カムシリンダとカム機構は、(1)デバイスの第1の作動のとき筒形カムシリンダが第1の方向に回転し、それによって、ブレードが伸長して後退する間、ブレードを第1の方向に回転させ、(2)デバイスの第2の作動のとき筒形カムシリンダが第2の方向に回転し、それによって、ブレードが伸長して後退する間、ブレードを第2の方向に回転させるように協働する。回転中のブレードの伸張及び後退とともに回転方向を交互にすると、切り取る作用をもたらし、これによって、ブレードが周囲の組織において動けなくなる可能性を最小化する。
【0016】
[0016] この開示による、身体の血管から埋込物を除去するためのデバイスは、外側シース組立体、内側シース組立体、及びピンを備えるシース組立体を備え、外側シース組立体は外側シース及び外バンドを備え、外バンドはピンに結合されており、内側シース組立体は内側シース及び先端部を備え、先端部は切削面を有し、内側シースは近位端及び遠位端を備え、内側シースの遠位端は先端部に結合されており、先端部は、ピンを受けてピンと協働するためのカムスロットを備え、ハンドル組立体はトリガ及び筒形カムシリンダを備え、トリガはトリガピンを備え、筒形カムシリンダは、トリガピンを受けてトリガピンと協働するための筒形カムシリンダスロットを備え、内側シースの近位端は、(1)トリガピンを長手方向において近位へ移動させるトリガの第1の作動のとき、筒形カムシリンダが第1の方向に回転し、それによって、先端部が長手方向に移動している間、先端部を第1の方向に回転させ、(2)トリガピンを長手方向において近位へ移動させるトリガの第2の作動のとき、筒形カムシリンダが第2の方向に回転し、それによって、先端部が長手方向に移動している間、先端部を第2の方向に回転させるように、筒形カムシリンダに結合されている。
【0017】
[0017] この開示による、身体の血管から埋込物を除去するためのデバイスは、近位端及び遠位端を備えるシースと、シースの遠位端に結合された先端部とを備え、先端部は切削面を有し、ハンドル組立体はシースを回転可能に搬送し、ハンドル組立体はトリガピンを備えるトリガを備え、筒形カム組立体は、トリガピンを受けてトリガピンと協働するための筒形カムシリンダスロットを備える筒形カムシリンダを備え、筒形カムシリンダスロットは、第1のスロット部分及び第2のスロット部分と、筒形カムシリンダによって回転可能に搬送されるフォロアガイドとを備え、トリガピンを長手方向において近位へ移動させるトリガの第1の作動のとき、フォロアガイドは、トリガピンに第1のスロット部分を横断させ、それによって、筒形カムシリンダ及び先端部を第1の方向に回転させ、トリガピンを長手方向において近位へ移動させるトリガの第2の作動のとき、フォロアガイドは、トリガピンに第2のスロット部分を横断させ、それによって、筒形カムシリンダ及び先端部を第2の方向に回転させる。
【0018】
[0018] この開示による、身体の血管から埋込物を除去するためのデバイスは、外側シース組立体、内側シース組立体、及びピンを備えるシース組立体を備え、外側シース組立体は外側シース及び外バンドを備え、外バンドはピンに結合されており、外側シースの少なくとも一部分は外側ハイポチューブを備え、内側シース組立体は内側シース及び先端部を備え、先端部は切削面を有し、外側シースの少なくとも一部分は内側ハイポチューブを備え、内側シースは近位端及び遠位端を備え、内側シースの遠位端は先端部に結合されており、先端部は、ピンを受けてピンと協働するためのカムスロットを備え、ハンドル組立体はトリガ及び筒形カムシリンダを備え、トリガはトリガピンを備え、筒形カムシリンダは、トリガピンを受けてトリガピンと協働するための筒形カムシリンダスロットを備え、内側シースの近位端は、(1)トリガピンを長手方向において近位へ移動させるトリガの第1の作動のとき、筒形カムシリンダが第1の方向に回転し、それによって、先端部が長手方向に移動している間、先端部を第1の方向に回転させ、(2)トリガピンを長手方向において近位へ移動させるトリガの第2の作動のとき、筒形カムシリンダが第2の方向に回転し、それによって、先端部が長手方向に移動している間、先端部を第2の方向に回転させるように、筒形カムシリンダに結合されている。内側シース及び外側シースがレーザ切削ハイポチューブから構築されるので、手術デバイス、特にシース組立体の全体のプロファイルがより小さくなり、手術デバイスの、より小さいサイズの脈管構造を進む能力が改善される。
【0019】
[0019] [0018]段落によるデバイスでは、外側シース組立体は静止していて、内側シース組立体は回転することができる。
【0020】
[0020] [0018]段落又は[0019]段落によるデバイスでは、ピンが、内側シース組立体の先端部を外側シース組立体の外バンドに結合する。
【0021】
[0021] [0018]~[0020]のいずれかの段落によるデバイスでは、ハンドル組立体はトリガに結合されたバネ組立体をさらに備える。
【0022】
[0022] [0018]~[0021]のいずれかの段落によるデバイスでは、バネは定荷重バネである。
【0023】
[0023] [0018]~[0022]のいずれかの段落によるデバイスでは、外側ハイポチューブはレーザ切削されており、内側ハイポチューブはレーザ切削されている。
【0024】
[0024] [0018]~[0023]のいずれかの段落によるデバイスでは、外側ハイポチューブは第1の外側セグメント及び第2の外側セグメントを備え、内側ハイポチューブは第1の内側セグメント及び第2の内側セグメントを備える。
【0025】
[0025] [0018]~[0024]のいずれかの段落によるデバイスでは、第1の外側セグメントは第2の外側セグメントの遠位にあり、第1の内側セグメントは第2の内側セグメントの遠位にある。
【0026】
[0026] [0018]~[0025]のいずれかの段落によるデバイスでは、第1の外側セグメントは第1の外側可撓性及び第1の外側長さを有し、第2の外側セグメントは第2の外側可撓性及び第2の外側長さを有し、第1の内側セグメントは第1の内側可撓性及び第1の内側長さを有し、第2の内側セグメントは第2の内側可撓性及び第2の内側長さを有し、第1の外側可撓性は第2の外側可撓性よりも高く、第1の内側可撓性は第2の内側可撓性よりも高い。
【0027】
[0027] [0018]~[0026]のいずれかの段落によるデバイスでは、第1の外側可撓性は第1の外側長さに沿って一定であり、第2の外側可撓性は第2の外側長さに沿って可変であり、第1の内側可撓性は第1の内側長さに沿って一定であり、第2の内側可撓性は第2の内側長さに沿って可変である。
【0028】
[0028] [0018]~[0027]のいずれかの段落によるデバイスでは、第1の外側長さは第1の内側長さよりも短い。
【0029】
[0029] [0018]~[0028]のいずれかの段落によるデバイスでは、第1の外側可撓性は第1の内側可撓性よりも低い。
【0030】
[0030] [0018]~[0029]のいずれかの段落によるデバイスでは、第2の外側可撓性は第2の内側可撓性よりも低い。
【0031】
[0031] [0018]~[0030]のいずれかの段落によるデバイスでは、第1の内側長さの内側遠位端は、第1の外側長さの外側遠位端と軸方向に整列し、第1の内側長さは、第1の外側長さと軸方向でオーバラップするように、第1の外側長さよりも長い。
【0032】
[0032] [0018]~[0031]のいずれかの段落によるデバイスでは、第2の外側長さは外側遠位端及び外側近位端を有し、第2の内側長さは内側遠位端及び内側近位端を有し、第2の内側長さの外側遠位端は、第2の外側長さの第2の外側遠位端及び第3の外側長さの近位端と軸方向でオーバラップする。
【0033】
[0033] [0018]~[0032]のいずれかの段落によるデバイスでは、第1の内側セグメントは一定のピッチを有する。
【0034】
[0034] [0018]~[0033]のいずれかの段落によるデバイスでは、第2の内側セグメントは、遠位端から近位端の方へ増加する可変ピッチを有する。
【0035】
[0035] [0018]~[0034]のいずれかの段落によるデバイスでは、第1の外側セグメントは一定のピッチを有する。
【0036】
[0036] [0018]~[0035]のいずれかの段落によるデバイスでは、第2の外側セグメントは、遠位端から近位端の方へ増加する可変ピッチを有する。
【0037】
[0037] [0018]~[0036]のいずれかの段落によるデバイスでは、第2の外側セグメントは、遠位端から近位端の方へ増加する可変角度を有する。
【0038】
[0038] 「少なくとも1つの」、「1つ又は複数の」、及び「及び/又は」といった句は無制限の表現であり、結合と分離との両方の働きをする。たとえば「A、B及びCのうち少なくとも1つ」、「A、B、又はCのうち少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうち1つ又は複数」、「A、B、又はCのうち1つ又は複数」並びに「A、B、及び/又はC」といった表現の各々が意味するのは、A単独、B単独、C単独、AとBが一緒に、AとCが一緒に、BとCが一緒に、又はAとBとCとが一緒に、ということである。上記の表現において、A、B、及びCの各々が、X、Y、及びZなどの要素又はX1~Xn、Y1~Ym及びZ1~Zoなどの要素のクラスを指すとき、この句は、X、Y、及びZから選択された単一要素、同一クラスから選択された要素の組合せ(たとえばX1とX2)、並びに2つ以上のクラスから選択された要素の組合せ(たとえばY1とZo)を指すように意図される。
【0039】
[0039] 「1つの(a)」又は「1つの(an)」といった用語のエンティティは、そのエンティティの1つ以上を指す。そのため、「1つの(a)」(又は「1つの(an)」)及び「1つ又は複数の」、「少なくとも1つの」といった用語は、本明細書では区別なく使用さる。「含む」、「備える」、及び「有する」といった用語は区別なく使用されることにも留意されたい。
【0040】
[0040] 「円筒カム」と称されることもある「筒形カムシリンダ」は、一般的にはシリンダの表面に刻まれた溝(スロット又はチャネル)と、溝の中を進むピンなどのフォロアとを含む。筒形カムシリンダは、概して、回転運動をシリンダの回転軸に対して平行な直線運動に変換するため、又はシリンダの軸に対して平行な直線運動を回転運動に変換するために使用される。この開示の目的のために、別段の定めがない限り、筒形カムシリンダはシリンダ及びフォロアを指す。
【0041】
[0041] 「切り溝」はスリットである。たとえば、この開示では、スリットは、ハイポチューブから構築され得る内側シース及び外側シースに作製される。切り溝はレーザを使用することによって作製され、レーザはハイポチューブにスリットを刻む。
【0042】
[0042] 「リード」は導電性構造体であり、一般的には電気的に絶縁されたコイル線である。電気的に伝導性の材料は任意の導電材料であり、通常は金属及び金属間化合物合金である。絶縁材料の外側シースは、生体適合性及び生物学的安定性であり(たとえば身体内で溶けず)、一般にポリウレタン及びポリイミドなどの有機材料を含む。リードタイプは、非限定的な例として心外膜及び心内膜のリードを含む。リードは、一般に、皮膚を通して、又は外科的に身体に埋め込まれる。
【0043】
[0043] 本明細書で使用される「手段」という用語は、米国特許法第112条(f)項に従って最大限広範な解釈を与えられるものとする。それゆえに、「手段」という用語を組み込んでいる請求項は、本明細書で説明されたすべての構造、材料、又は作用、並びにその均等物のすべてを対象として含むものとする。さらに、構造、材料、又は作用、並びにその均等物は、発明の概要、図面の簡単な説明、発明を実施するための形態、要約、及び特許請求の範囲自体において説明されたもののすべてを含むものとする。
【0044】
[0044] 「セレーション」、「鋸状のエッジ」、「鋸状のブレード」又は他の変形形態は、本明細書で使用されたとき、刻み目のあるエッジ又は鋸に似た歯を有する切削面の構成を意味するものとする。刻み目のあるエッジは、刻み目のないブレードと比較して、切削される材料に接触する複数のより小さいポイント(したがって、より小さい接触面積)をもたらす。加えて、それぞれの鋸状の接点によって加えられる圧力が比較的大きく、接点は、切削される材料に対してより鋭い角度になる。鋸状のブレードの一例には、1つの刻み目が隣の別の刻み目に接し、その間のブレードが(あったとしても)非常に小さく、それによって接点をもたらすものが含まれる。セレーションの多数の変形形態及び/又は特徴がある。たとえば、1つのタイプの鋸状の特徴は「王冠」と称される。本明細書で使用されたとき、「王冠」の形状の鋸状のブレード又は他の変形形態は、特にブレードが円形のとき、刻み目のある領域と刻み目のない領域との組合せが、王族(たとえば王、女王など)の王冠に類似するように、複数の刻み目のある領域と、隣接した刻み目のない領域とを備えるブレードを意味するものとする。さらなるタイプの「王冠」には「フック王冠」が含まれる。本明細書で使用されたとき、「フック王冠」の形状の、鋸状のブレード又は他の変形形態は、複数の刻み目と、隣接した刻み目のない領域とから構成されるブレードを意味するものとし、刻み目のない領域の長さは、1つの回転方向で切り取る作用を強めるような角度で次の隣接点まで上昇し、刻み目は、フック形のポイントにおける組織との噛み合いを促進するように、各ポイントにおけるフックの特徴をもたらすような角度で生成される。
【0045】
[0045] 「手術による埋没物」すなわち「埋込物」は、失われた生物学的構造を交換する、支援する、又は刺激するため、或いは損なわれた生物学的構造を治療するため、或いは既存の生物学的構造を強化する、刺激する、又は治療するために製造された医療デバイスである。医療埋没物は、移植された生体組織である移植組織とは対照的に、人造のデバイスである。場合によっては、埋没物は、制限なく、人工ペースメーカ、除細動器、電極、及び人工内耳を含む電子機器を包含する。制限なく、いくつかの埋没物は、埋め込み可能な錠剤又は薬剤溶出ステントの形態の皮下の薬物送達デバイスを含めて、生体に影響するものである。
【0046】
[0046] 「脈管構造」又は「脈管系」は循環系の任意の部分であり、心臓、血液、及び動脈、静脈、毛細血管などの血管を含む。
【0047】
[0047] この開示を通じて与えられるすべての最大の数値的限界は、代案として、あらゆるより小さい数値的限界を、あたかもそのようなより小さい数値的限界が本明細書に明確に書かれているかのように含むと見なされることを理解されたい。この開示を通じて与えられるすべての最小の数値的限界は、代案として、あらゆるより大きい数値的限界を、あたかもそのようなより大きい数値的限界が本明細書に明確に書かれているかのように含むと見なされる。この開示を通じて与えられるすべての数値域は、そのようなより広い数値域に含まれるあらゆるより狭い数値域を、あたかもそのようなより狭い数値域がすべて本明細書に明確に書かれているかのように含むと見なされる。
【0048】
[0048] 前出のことは、本開示のいくつかの態様の理解を提供するための、本開示の簡素化された概要である。この概要は、本開示と、本開示の様々な態様、実施形態、及び構成との広範な全体像ではなく、網羅的な全体像でもない。意図されているのは、本開示の重要な要素又は決定的な要素を識別したり、本開示の範囲を輪郭づけたりすることではなく、以下で提示されるより詳細な説明の導入として、本開示の選択された概念を簡素化した形で示すことである。理解されるように、本開示の他の態様、実施形態、及び構成は、上記で明記された特徴又は以下で詳細に説明される特徴のうち1つ又は複数を、単独で、又は組み合わせて利用することができる。
【0049】
[0049] 添付図面は、本開示のいくつかの例を示すために、明細書に組み込まれてその一部分を形成するものである。これらの図面は、説明とともに、本開示の原理について説明するものである。これらの図面は、本開示が作製される様子及び使用される様子の望ましい例及び代替例を単に示すものであり、本開示を、示されて説明された例のみに限定するものと解釈されるべきではない。本開示の様々な態様、実施形態、及び構成の、さらなる特徴及び利点が、以下のより詳細な説明から、以下で参照される図面によって示されたとき、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】[0050] ペースメーカのリードを静脈系に配置され、終端となる電極を心室の心腔に固定された人間の斜視図である。手術デバイスの一実施形態が身体に挿入され、部分的にリードを覆って進められて示されている。
【
図2】[0051] 手術デバイスの一実施形態の正面図である。
【
図3】[0052] 本開示の一実施形態による、リードを除去するための伸長性があって回転可能なブレードを有する、血管の内部のシース組立体の断面図である。
【
図4A】[0053]
図2に示された手術デバイスのハンドル組立体の一実施形態の内部図である。
【
図4B】[0054]
図4Aに示されたハンドル組立体用のトリガの一実施形態の斜視図である。
【
図4C】[0055]
図4Aに示されたハンドル組立体用の筒形カムシリンダの一実施形態の正面図である。
【
図4D】[0056]
図4Cに示された筒形カムシリンダの一実施形態の断面図である。
【
図4E】[0057]
図4Cに示された筒形カムシリンダの一実施形態の端面図である。
【
図4F】[0058]
図4Aに示されたハンドル組立体用のスプールの一実施形態の拡大斜視図である。
【
図5A】[0059]
図4Cに示された筒形カムシリンダの定位置における正面図である。
【
図5B】[0060]
図4Cに示された筒形カムシリンダの、時計回り方向及び/又は反時計回り方向に約136.5度回転されたときの正面図である。
【
図5C】[0061]
図4Cに示された筒形カムシリンダの、時計回り方向に約273.1度回転されたときの正面図である。
【
図5D】[0062]
図4Cに示された筒形カムシリンダの、定位置の方へ反時計回り方向に307.6度回転されたときの正面図である。
【
図5E】[0063]
図4Eに示された筒形カムシリンダの、
図5A、
図5B、
図5C、及び
図5Dに示された筒形カムシリンダの各位置におけるカムカッターの角回転の量の指示を含む端面図である。
【
図6】[0064] シース組立体の一実施形態の正面図である。
【
図6A】[0065]
図6に示されたシース組立体の遠位端の一実施形態を分離したものの正面図である。
【
図6B】[0066]
図6に示されたシース組立体の近位端の一実施形態を分離したものの正面図である。
【
図7A】[0067] 外側シース組立体の一実施形態の正面図である。
【
図7B】[0068] 内側シース組立体の一実施形態の正面図である。
【
図8】[0069]
図6に示されたシース組立体の一実施形態の断面図である。
【
図8A】[0070][0071]
図8Aは、
図8に示された外側シース組立体の内部に配置されている内側シース組立体の遠位端の拡大断面図である。ブレードは後退して外側シース組立体の内部に配置されている。
図8A’は、
図8に示された外側シース組立体の内部に配置されている内側シース組立体の遠位端の拡大断面図である。ブレードは伸長して外側シース組立体の外部に配置されている。
【
図8B】[0072]
図8に示された外側シース組立体の内部に配置されている内側シース組立体の遠位端の図である。
【
図8C】[0073]
図8に示された外側シース組立体の外側キーの内部に配置されている内側シース組立体の内側キーの拡大断面図である。
【
図9A】[0074] 本開示の一実施形態による外バンド部材の斜視図である。
【
図9B】[0075]
図9Aに示された外バンド部材の端面図である。
【
図9C】[0076]
図9Aに示された外バンド部材の、
図9Bのライン9C-9Cに沿って得られた断面図である。
【
図10A】[0077] 本開示の一実施形態による切削先端部の斜視図である。
【
図11】[0081] 切削先端部の長手方向の位置を、切削先端部と筒形カムシリンダとの両方による角回転の特定量に関するトリガの長手方向の位置と組み合わせて表す、切削先端部のカムスロットプロファイル及び筒形カムシリンダのカムスロットの図である。
【
図12】[0082] ペースメーカのリードを静脈系に配置され、終端となる電極を心室の心腔に固定された人間の斜視図である。手術デバイスの一実施形態が身体に挿入され、部分的にリードを覆って進められて示されている。
【
図13】[0083] 手術デバイスの一実施形態の正面図である。
【
図14】[0084] 本開示の一実施形態による、リードを除去するための伸長性があって回転可能なブレードを有する、血管の内部のシース組立体の断面図である。
【
図15A】[0085]
図13に示された手術デバイスのハンドル組立体の一実施形態の内部図である。
【
図15B】[0086]
図15Aに示されたハンドル組立体用のトリガの一実施形態の斜視図である。
【
図15C】[0087]
図15Aに示されたハンドル組立体用の筒形カム組立体の一実施形態の正面図である。
【
図15D】[0088]
図15Cに示された筒形カム組立体の筒形カムシリンダの正面図である。
【
図15E】[0089]
図15Dに示された筒形カムシリンダのカムスロットのカムスロットプロファイルの図である。
【
図15F】[0090]
図15Dに示された筒形カムシリンダの長手方向の断面図である。
【
図15H】[0092]
図15Cに示された筒形カム組立体のフォロアガイドの正面図である。
【
図15I】[0093]
図15Hに示されたフォロアガイドの開口プロファイルの図である。
【
図15J】[0094] 相対回転阻止機構を第1の相対回転阻止位置において示す、
図15Cの筒形カム組立体の端面図である。
【
図15K】[0095] 相対回転阻止機構を第2の相対回転阻止位置において示す、
図15Cの筒形カム組立体の端面図である。
【
図15L】[0096]
図15Aに示されたハンドル組立体用のバネ組立体の一実施形態の拡大斜視図である。
【
図16】[0097] シース組立体の一実施形態の正面図である。
【
図16A】[0098]
図16に示されたシース組立体の遠位端の一実施形態を分離したものの正面図である。
【
図16B】[0099]
図16に示されたシース組立体の近位端の一実施形態を分離したものの正面図である。
【
図17A】[00100] 外側シース組立体の一実施形態の正面図である。
【
図17B】[00101] 内側シース組立体の一実施形態の正面図である。
【
図18】[00102]
図16に示されたシース組立体の一実施形態の断面図である。
【
図18A】[00103][00104]
図18は、
図18に示された外側シース組立体の内部に配置されている内側シース組立体の遠位端の拡大断面図である。ブレードは後退して外側シース組立体の内部に配置されている。
図18A’は、
図18に示された外側シース組立体の内部に配置されている内側シース組立体の遠位端の拡大断面図である。ブレードは伸長して外側シース組立体の外部に配置されている。
【
図18B】[00105]
図18に示された外側シース組立体の内部に配置されている内側シース組立体の遠位端の図である。
【
図18C】[00106]
図18に示された外側シース組立体の外側キーの内部に配置されている内側シース組立体の内側キーの拡大断面図である。
【
図19A】[00107] 本開示の一実施形態による外バンド部材の斜視図である。
【
図19C】[00109]
図19Aに示された外バンド部材の、
図19Bのライン19C-19Cに沿って得られた断面図である。
【
図20A】[00110] 本開示の一実施形態による切削先端部の斜視図である。
【
図20D】[00113]
図20Aに示された切削先端部の、
図20Cのライン20D-20Dに沿って得られた断面図である。
【
図21】[00114] 切削先端部の一実施形態のカムスロットのプロファイルと、筒形カムシリンダの一実施形態のカムスロットのプロファイルと、フォロアガイドの一実施形態の開口のプロファイルとの2次元図である。
【
図22A】[00115] 切削先端部の長手方向の位置を、切削先端部と筒形カムシリンダとの両方による角回転の特定量に関するトリガの長手方向の位置と組み合わせて表す、切削先端部のカムスロットプロファイル、筒形カムシリンダのカムスロット、及びフォロアガイドの開口のプロファイルの図である。フォロアガイドは、筒形カムシリンダと比較して、第1の相対回転阻止位置に示されている。
【
図22B】[00116] 、切削先端部の長手方向の位置を、切削先端部と筒形カムシリンダとの両方による角回転の特定量に関するトリガの長手方向の位置と組み合わせて表す、切削先端部のカムスロットプロファイル、筒形カムシリンダのカムスロット、及びフォロアガイドの開口のプロファイルの別の図である。フォロアガイドは、筒形カムシリンダと比較して、第2の相対回転阻止位置に示されている。
【
図22C】[00117] と、切削先端部の長手方向の位置を、切削先端部と筒形カムシリンダとの両方による角回転の特定量に関するトリガの長手方向の位置と組み合わせて表す、切削先端部のカムスロットプロファイル、筒形カムシリンダのカムスロット、及びフォロアガイドの開口のプロファイルの別の図である。フォロアガイドは、筒形カムシリンダと比較して、第1の相対回転阻止位置に再び示されている。
【
図23A】[00118]
図15Cに示された筒形カム組立体の第1の定位置における正面図である。
【
図23B】[00119]
図15Cに示された筒形カム組立体の、第1の定位置から回転して離れたときの正面図である。
【
図23C】[00120]
図15Cに示された筒形カム組立体の、第1の定位置から回転してさらに離れたときの正面図である。
【
図23D】[00121]
図15Cに示された筒形カム組立体の第2の定位置における正面図である。
【
図23E】[00122]
図15Cに示された筒形カム組立体の、第2の定位置から回転して離れたときの正面図である。
【
図23F】[00123]
図15Cに示された筒形カム組立体の、第2の定位置から回転してさらに離れたときの正面図である。
【
図24】[00124] 手術デバイス用の筒形カム組立体の一実施形態の斜視図である。
【
図25】[00125]
図24の筒形カム組立体の分解斜視図である。
【
図26】[00126]
図24の筒形カム組立体の筒形カムシリンダの側面図である。
【
図27】[00127]
図24の筒形カム組立体のフォロアガイドの側面図である。
【
図28】[00128]
図24のフォロアガイドの別の側面図である。
【
図29】[00129] 手術デバイス用の筒形カム組立体の一実施形態の部分斜視図である。
【
図30】[00130]
図29の筒形カム組立体の別の部分斜視図である。
【
図31】[00131] 手術デバイス用の筒形カム組立体の一実施形態の斜視図である。筒形カム組立体のフォロアガイドは説明のために半透明になっている。
【
図32】[00132] 手術デバイス用の筒形カム組立体の一実施形態の斜視図である。筒形カム組立体のフォロアガイドは説明のために半透明になっている。
【
図33】[00133] 手術デバイス用の筒形カム組立体の一実施形態の斜視図である。隠れた特徴は、薄灰色のラインで示されている。
【
図34】[00134]
図33の筒形カム組立体の別の斜視図である。
【
図35】[00135] 切削先端部の一実施形態のカムスロットのプロファイルと、筒形カムシリンダの一実施形態のカムスロットのプロファイルと、フォロアガイドの一実施形態の開口のプロファイルとの2次元図である。
【
図36A】[00136] 切削先端部の長手方向の位置を、切削先端部と筒形カムシリンダとの両方による角回転の特定量に関するトリガの長手方向の位置と組み合わせて表す、切削先端部のカムスロットプロファイル、筒形カムシリンダのカムスロット、及びフォロアガイドの開口のプロファイルの図である。フォロアガイドは、筒形カムシリンダと比較して、第1の相対回転阻止位置に示されている。
【
図36B】[00137] 切削先端部の長手方向の位置を、切削先端部と筒形カムシリンダとの両方による角回転の特定量に関するトリガの長手方向の位置と組み合わせて表す、切削先端部のカムスロットプロファイル、筒形カムシリンダのカムスロット、及びフォロアガイドの開口のプロファイルの別の図である。フォロアガイドは、筒形カムシリンダと比較して、第2の相対回転禁止位置に示されている。
【
図36C】[00138] 切削先端部の長手方向の位置を、切削先端部と筒形カムシリンダとの両方による角回転の特定量に関するトリガの長手方向の位置と組み合わせて表す、切削先端部のカムスロットプロファイル、筒形カムシリンダのカムスロット、及びフォロアガイドの開口のプロファイルの別の図である。フォロアガイドは、筒形カムシリンダと比較して、第1の相対回転阻止位置に再び示されている。
【
図37】[00139] 筒形カムシリンダの一実施形態のカムスロットのプロファイルの2次元図である。
【
図38】[00140] シース組立体の遠位端の一実施形態の正面図である。
【
図38A】[00141] 示された外側シース組立体の内部に配置されている内側シース組立体を含む
図38のシース組立体の遠位端の拡大断面図である。ブレードは後退して外側シース組立体の内部に配置されている。
【
図39】[00142]
図38及び
図38Aに示されたシース組立体の遠位端の一実施形態を分離したものの正面図である。
【
図40】[00143] 外側シース組立体の遠位端の一実施形態の正面図である。
【
図40A】[00144]
図40の外側シース組立体の遠位端の拡大断面図である。
【
図41】[00145] 内側シース組立体の遠位端の一実施形態の正面図である。
【
図41A】[00146]
図41の内側シース組立体の遠位端の拡大断面図である。
【
図42】[00147] 外側シースとして使用するハイポチューブの正面図である。
【
図42A】[00148]
図42のラインA-Aに沿って得られたハイポチューブの断面図である。
【
図42B】[00149]
図42の円Bに関して得られたハイポチューブのセグメントの拡大図である。
【
図43】[00150] 内側シースとして使用するハイポチューブの正面図である。
【
図43A】[00151]
図43のラインA-Aに沿って得られたハイポチューブの断面図である。
【
図43B】[00152]
図43の円Bに関して得られたハイポチューブのセグメントの拡大図である。
【
図44】[00153] それぞれのハイポチューブに与えられた切り溝の角度(Θ)を表す
図42のハイポチューブ及び/又は
図43のハイポチューブの拡大図である。
【
図45A】[00154] 内側シース(内側ハイポチューブ)に対する外側シース(外側ハイポチューブ)のセグメントの軸整列を表すブロック図である。
【
図45B】[00155] 内側シース(内側ハイポチューブ)に対する外側シース(外側ハイポチューブ)のセグメントの軸整列を表す代替ブロック図である。
【
図45C】[00156] 内側シース(内側ハイポチューブ)に対する外側シース(外側ハイポチューブ)のセグメントの軸整列を表す別の代替ブロック図である。
【
図45D】[00157] 内側シース(内側ハイポチューブ)に対する外側シース(外側ハイポチューブ)のセグメントの軸整列を表すさらなる代替ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
[00158] これらの図面は、必ずしも原寸に比例するものではないことを理解されたい。特定の事例では、本開示の理解に必要でない詳細又は他の詳細に気づくことを困難にするものは、省略されている。もちろん、本開示は、本明細書で示された特定の実施形態に必ずしも限定されるものではないことを理解されたい。
【0052】
[00159] 本開示の任意の実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その用途において、以下の説明で明らかにされる、又は以下の図面に示される、構成の詳細及び部品の機構に限定されるものではないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実施され得、又は実行され得る。本明細書で使用される言葉遣い及び用語は説明のためのものであり、限定するものと見なされるべきではないことを理解されたい。本明細書における「備える」、「含む」、又は「有する」と、その語尾変化との使用は、その後に列記された項目及びその均等物並びに追加項目を包含することを意味する。
【0053】
[00160] この開示による実施形態が提供する手術デバイスに含まれるシース組立体は、患者の脈管系の内部に安全に配置され得て、患者の脈管構造系からリードなどの埋込物を分離する。
図1は、シース組立体112が例示の患者104の内部に挿入されている手術デバイス106を表す。シース組立体112は、埋め込まれたリード(図示せず)を取り囲み、左腕頭静脈に沿って通り、SVCを通りすぎて、心臓の右心室の中に、又はそのまわりに接続される。手術デバイス106のユーザは、シース組立体112でリードを取り囲むとき、ハンドル組立体108を作動させることにより、患者のSVCの中のリードを取り囲む組織を拡張し、分離し、且つ/又は切削するために、切削ブレード(図示せず)を、回転させながらシース組立体112の遠位端を超えて伸長させる。
【0054】
[00161] ハンドル組立体が作動するとき、切削ブレードは、以下で開示される切削先端部のカムスロットのプロファイルに従って、複数回、シースから伸長してシースの中へ後退する。切削ブレードは、以下で論じられる筒形カムシリンダのカムスロットのプロファイルに従って、時計回り方向と反時計回り方向との両方に回転する。臨床医がハンドル組立体を放したとき、切削ブレードはシース組立体112の内部にとどまるか又は戻ることを保証され、それによって、臨床医は、さらなる未切削の組織に対してシース組立体の遠位部を押し付けて進めることができる。臨床医が作動ステップを繰り返すことにより、切削ブレードが再度出現し、隣接組織を切削するためにシース組立体112の遠位端を超えて伸長する。作動が生じるごとに、埋め込まれたリードの近位部及び/又は取り囲む組織は、シース組立体112の内部の中空の通路にさらに入る。このプロセスは、埋め込まれたリード及び/又は取り囲む組織が、完全に、又は実質的に、拡張され、分離され、且つ/又はSVCに付着した組織から切断されるまで、再び繰り返される。そのとき、埋め込まれたリードは、患者のSVCから安全に除去される。
【0055】
[00162]
図2を参照すると、例示の手術デバイス106が表されている。手術デバイス106は、ハンドル組立体108及び可撓性シース組立体112を含む。可撓性シース組立体112は、以下でより詳細に論じられ、概して、可撓性外側シース組立体の内部に配置された可撓性内側シース組立体(図示せず)を含む。外側シースが静止したまま、内側シースが外側シースに対して移動することができる(たとえば回転し、且つ伸長する)のが望ましい。内側シースと外側シースは、どちらも可撓性であり得、剛体であり得、又はその組合せであり得る。
【0056】
[00163]
図4Aを参照すると、例示のハンドル組立体が表されている。ハンドル組立体108は、ハンドルフレーム404、トリガ408、バネ組立体412、張力緩和部品416、筒形カムシリンダ420、ブッシング424、及び終端キャップ427といった部品のうちいくつか又はすべてを含む。ハンドルフレーム404は、
図4Aに示されるような2つの半分などの単一の部品又は複数の部品から構築される。
【0057】
[00164]
図4Bを参照すると、例示のトリガ408が示されている。
図4Aに表されたトリガ408は、臨床医の指を挿入することができる開口430を1つ含む。しかしながら、トリガは複数の開口を有してよい。加えて、トリガは、開口のない直線状の部材又は非直線状の部材から成ってもよい。その上、トリガは、押し下げることができるボタンの形でもよい。トリガが、単独で、又はハンドルフレームとともに、臨床医にとって人間工学的に適切且つ快適なものである限り、トリガは様々なサイズ及び形状を有してよい。
【0058】
[00165]
図4Bに示されたトリガ408は、トリガ408の上部から垂直に伸長するトリガピン428を含む。トリガピン428は、銅合金(たとえば黄銅又は青銅、特にC630ニッケルアルミニウム青銅)などの金属から形成され、ハンドルフレーム404への挿入を容易にするために円錐台状に成形された終端を含む。トリガピン428は、筒形カムシリンダ420の溝と協働し、筒形カムのフォロアとして働く。トリガ408は、トリガ408の近位端から水平方向に突出する1対のスライダ432、及びトリガ408の遠位端から水平方向に突出する1対のスライダ436も含む。トリガ408がハンドル組立体108の内部に配置されているとき、スライダ432、436は、ハンドルフレーム404の内部の対応する溝の中にあり、その中でスライドする。トリガ408は、トリガ408の上部から(好ましくはトリガ408の上部の遠位端から)垂直に伸長するポスト440も含む。ポスト440はバネ組立体412に接続する。
【0059】
[00166] 上記で論じられたトリガ408及び筒形カムシリンダ420を含んでいるハンドル組立体108は、内側シース組立体を回転させるための機械的作動手段の一例である。代替実施形態では、作動手段は電気機械部品を備える。たとえば、作動手段が備える電動機(図示せず)の被駆動シャフトは、内側シース、筒形カムシリンダ、トリガピン、及び/又はその任意の組合せに対して、直接的又は間接的に結合されている。電動機のシャフトは、上記で論じられた1つ又は複数の用具により、内側シースに対して間接的に結合されている。電動機はスイッチによって制御され、それによって、トリガとしても働くスイッチを作動させたとき、内側シースを時計回りの方向及び/又は反時計回りの方向に回転させる。電動機は、直流(DC)電動機又は交流(AC)電動機のいずれかである。それゆえに、電動機は、バッテリーなどのDC電源又は従来の電源コードなどのAC電源によって給電される。加えて、当業者なら、回転可能なシースを備える手術デバイスを作動させ、且つ駆動する多くの他のやり方があることを理解するはずである。
【0060】
[00167] 前述のように、ハンドル組立体108は張力緩和部品416を含む。張力緩和部品416は、
図4Aに示されるようにハンドルフレーム404の遠位端に取り付けられており、近位端から遠位端に向かって先細りになっている。張力緩和部品416は、それを通り抜ける管腔も有し、それによって、シース組立体112がこの管腔を通ってハンドル組立体108の中へ伸長することができる。張力緩和部品416は、ExxonMobilによって生産されたSantoprene(商標)熱可塑性加硫物などの可撓性材料から構築される。張力緩和部品の材料と張力緩和部品の形状とにより、可撓性シャフトが剛体のハンドルに伸長するとき可撓性シャフトを保護するための曲げ弾性率がもたらされる。張力緩和部品の管腔には、デバイスの準備中に補助的な外側シースを合体することを可能にするカウンタボアも包含される。
【0061】
[00168]
図4C、
図4D及び
図4Eを参照すると、それぞれ筒形カムシリンダ420の正面図、断面図及び端面図が表されている。
図4C及び
図4Dに示されるように、筒形カムシリンダ420は、トリガピン428と協働して筒形カムをもたらすカムスロット(又はチャネル)444を備える外表面を有する。カムスロット444は、以下でより詳細に論じられる2次元の直線状のカムプロファイル及び/又は非直線状のカムプロファイルもたらす。筒形カムシリンダ420の近位端448及び遠位端452を通って管腔456が伸長する。
【0062】
[00169]
図4Eは筒形カムシリンダ420の遠位端452の端面図を示す。筒形カムシリンダ420の管腔456の遠位端452は、内側キー612の近位端の外部と一致するように設計されており、このことは以下でより詳細に論じる。筒形カムシリンダ420の管腔456の遠位端452の断面は、好ましくは非円形である。たとえば、非円形の管腔の一実施形態は2つの面取りされた側面464を含み、面取りされた側面464の一方はオフセットされておらず、面取りされた側面464の他方は(たとえば約8度)オフセットされている。筒形カムシリンダ420の遠位端は、内側キー612の近位端の外部と一致して、筒形カムシリンダ420からのトルクを、内側キー612を介して内側シース組立体へ伝達するように設計されているので、内側キー612の近位端の外部の断面は、管腔456の相補的プロファイルを有することになる。非円形の管腔の断面形状は2つの面取りされた側面464を有すると説明されているが、本開示は、そのような形状に限定されることなく、正方形、長方形、D字形、三角形、菱形、台形、五角形、六角形、八角形、平行四辺形、楕円など、代替の非円形の形状を含む。或いは、内側キーは筒形カムシリンダの外側に結合され得る。
【0063】
[00170] 筒形カムシリンダ420の近位端はブッシング424と一致する。具体的には、ブッシング424の外部の遠位端は、管腔456の近位端の内部に配置されている。ブッシング424の外部の遠位端と管腔456の近位端との両方が円形に成形されており、それによって、ブッシング424と筒形カムシリンダ420が互いに対して回転することができる。しかしながら、ブッシング424の外部の近位端は、ハンドルフレーム404の内部の溝の内部に配置されおり、それによって、ブッシング424及び筒形カムシリンダ420がハンドル組立体108の内部で長手方向に移動するのを防止する。
【0064】
[00171]
図4Fを参照すると、例示のバネ組立体412が表されている。バネ組立体412は、定荷重バネ472及びスプール474を含む。定荷重バネ472の一端はスプール474に接続されており、定荷重バネ472の他端はトリガ408から伸長するポスト440に接続されている。臨床医がトリガ408を近位へ引くと、スライダ432、436がハンドルフレーム404の内部の溝をスライドして進み、それによって、トリガ408が、ハンドル組立体108の内部に垂直に移動するのを防止して、手術デバイス106の長手軸に沿って、遠位端から近位端へのみ、及び/又はその逆方向へのみ、移動することを可能にする。トリガ408が近位へ移動するとき、定荷重バネ472が伸び、それによって張力及び遠位へ向かう力を生成する。それゆえに、臨床医がトリガ408を放すと、定荷重バネ472が縮んで、トリガ408を、元の、最も遠位の位置の方へ引き戻す。
【0065】
[00172]
図6を参照すると、本開示の組み立てられたシース組立体112の一実施形態の正面図が表されている。シース組立体112は内側シース組立体及び外側シース組立体を含む。
図6Aを参照するとシース組立体112の遠位端の分解図が示されており、
図6Bはシース組立体112の近位端及び中心部の分解組立図であり、シース組立体112は、外バンド636、ガイドピン640、切削先端部632、可撓性内側シース620、可撓性外側シース624、外側ジャケット628、内側キー612、外側キー608、及び剛体の内側チューブ616といった部品のうちいくつか又はすべてを含む。
【0066】
[00173]
図7Aを参照すると、本開示の外側シース組立体602の一実施形態が表されている。外側シース組立体602は、細長い可撓性外側シース624の遠位端に配置されて取り付けられた外バンド636と、可撓性外側シース624の近位端に配置されて取り付けられた外側キー608とを含む。外バンド636は、溶接、接着剤、圧入嵌合技術、竹の子接手などのインターロック又は他の既知の取付け手段によって可撓性外側シース624の遠位端に取り付けられる。当業者の知識の範囲内のそのような取付け技術は、すべてこの開示の範囲内と考えられる。同様に、外側キー608は、溶接、接着剤、圧入嵌合技術、竹の子接手などのインターロック又は他の既知の取付け手段によって可撓性外側シース624の近位端に取り付けられる。
図7Aには示されていないが、外側シース組立体は、外側シース624を覆って外バンド636に接する可撓性外側ジャケット628も含み、それによって、比較的滑らかな、連続的で途切れない外部プロファイルを有する外側シース組立体をもたらす。可撓性ジャケットは、システムからの血液の出口も包含している。
【0067】
[00174]
図7Bを参照すると、本開示の内側シース組立体604の一実施形態が表されている。内側シース組立体604は、切削先端部632、可撓性内側シース620、内側キー612、及び剛体の内側チューブ616を含む。切削先端部632の近位端は可撓性内側シース620の遠位端に取り付けられており、内側チューブ616の遠位端は可撓性内側シース620の近位端に取り付けられており、内側キー612は内側チューブ616の近位端に取り付けられている。これらの部品を取り付ける手段は、溶接、接着剤、圧入嵌合技術又は取付けの他の既知の手段を含む。以下で論じられるように、ガイドピン640は外バンド636を切削先端部632と結合し、ガイドピン640は内側シース組立体604又は外側シース組立体602のいずれかに含まれる。
【0068】
[00175] 内側シース620及び/又は外側シース624のどちらかの一部分が剛体であって、外側シースの一部分が可撓性であるのが望ましい。剛体部分と可撓性部分は、どちらも人体への挿入に適する材料から構築される。たとえば、剛体部分はステンレス鋼から構築され、可撓性部分はポリテトラフルオロエチレン又は熱可塑性エラストマなどの可塑性ポリマーから構築される。剛体部分と可撓性部分との両方が使用されると想定すると、これらは単一体の内側シース及び/又は外側シースを形成することになる。
図7Bに表されるように、剛体の内側チューブ616は、内側キー612に取り付けられるばかりでなく、内側キー612を通って挿入され、内側キー612の近位端と遠位端との両方から伸長する。剛体のチューブ616が内側キー612に取り付けられてそこから伸張することにより、筒形カムから内側キー612を介して剛体のチューブ616に伝達され得るトルクの量を増すことができ、結局は、内側シース組立体604を介して切削先端部632に伝達され得るトルクの量を増すことができる。剛体のチューブがハンドルを通って伸張することにより、他の医療デバイスを導入するためのアクセスポイントがもたらされる。この伸張により、リードが抜き取られた後の血液の出口を制御する手段ももたらされる。
【0069】
[00176] 外側シース624及び内側シース620の少なくとも一部分が、患者の脈管構造系を受け入れ、収容し、且つ進むために、概して可撓性であるのが望ましい。内側シース620は、可撓性であることに加えて、筒形カムシリンダ/内側キーから伝達されたトルクを受け取って、以下でより詳細に論じられる切削先端部632に十分なトルクを伝達するために、高い剛性も有するものである。内側シース620(及び/又は外側シース624)は、ポリマー押出し、網目状の強化されたポリマー押出し、コイル、2重コイル、3重コイル、レーザ切削金属チューブ及びこれらの任意の組合せから形成される。内側シース(及び/又は外側シース624)は、複数の部分から成る一体化構造である。
【0070】
[00177]
図8を参照すると、外側シース組立体602の内部に配置された内側シース組立体604を備えるシース組立体112の一実施形態の断面図が表されている。
図8Cを参照すると、外側シース組立体602の外側キー608の内部に配置された内側シース組立体604の内側キー612の拡大図が表されている。上記で論じられたように、内側キー612の外部は筒形カムシリンダ420の遠位端の管腔456と一致するように設計されている。それゆえに、内側キー612の近位端の外部の断面は、筒形カムシリンダ420の内部の管腔456の遠位端に対して相補的なプロファイルを有することになる。たとえば、筒形カムシリンダ420の管腔456の遠位端452の断面が非円形で2つの面取りされた側面を有し、一方の面取りされた側面はオフセットされておらず、他方の面取りされた側面が(たとえば約8度)オフセットされていると想定すると、内側キー612の近位端の外部も、2つの面取りされた側面を有する非円形のプロファイルを有し、一方の面取りされた側面はオフセットされず、他方の面取りされた側面は(たとえば約8度)オフセットされることになる。内側キー612及び外側キー608は、回転式に結合するための手段をもたらす。内側キー612は、内側シース組立体604を筒形カムに対して回転式に結合するための手段であり、外側キーは、外側シャフト組立体をハンドルに対して回転式に結合するための手段である。内側キー612及び外側キー608は、他のキーのためのジャーナル軸受をもたらす。
【0071】
[00178]
図8Cにさらに示されるように、内側キー612は、内側キー612の外部の遠位端が、外側キー608の内部の管腔の近位端の円形の断面と一致する円形の断面を少なくとも部分的に有するので、外側キー608の内部で自由に回転することができる。加えて、内側キー612と外側キー608が柔軟結合であるため、内側キー612と外側キー608は、互いに対して長手方向に移動することができる。たとえば、外側キー608が、回転したり長手方向に移動したりすることのないように固定されている想定すると、内側キー612は、外側キー608の内部で回転することができ、長手方向に進むこともできる。それゆえに、筒形カムシリンダ420が回転するとき、内側キー612が外側キー608の内部で回転することになり、内側シース組立体604は、外バンド636の内部の切削先端部632の回転を含めて、外側シース組立体602の内部で回転することになる。また、切削先端部632のカムスロットプロファイルが、外側キー608に対する内側キー612の長手方向の運動と、外バンド636に対する切削先端部632の長手方向の運動とを含めて、外側シース組立体602の内部の内側シース組立体604の長手方向の運動を制御する。
【0072】
[00179] 引き続き
図8Cを参照すると、外側キー608の内部の管腔には、近位端から遠位端へ進むにつれてステップダウン又はアバットメントがあるため、管腔は、近位端に向かって大きくなり、遠位端に向かって小さくなる。外側キー608の内部で大きい管腔から小さい管腔への遷移があるため、外側キー608のより大きい管腔の遠位端の内部に、内側キー612の遠位端とアバットメントとの間に調節可能な間隙610が表されている。この間隙は、切削先端部632のカムスロットプロファイルに従って、増加し、減少し、且つ/又は同一のままである。外側キー608のアバットメントは、内側キー612が、外側キー608の内部の制限された長手方向の距離しか進まないことを保証し、それによって、外バンド636に対する切削先端部632の遠位方向への長手方向の移動を制限することを含めて、内側シース組立体604の、外側シース組立体602の内部の可能な長手方向の移動を制限する。
【0073】
[00180]
図8Aを参照すると、ガイドピン640を介して外側シース組立体602と結合された内側シース組立体604を有するシース組立体112の遠位端の拡大断面図が表されており、切削先端部632のブレード822は、後退位置にあって外側シース組立体602の内部に配置されている。上記で論じられたように、外側シース組立体602の遠位端に含まれる外バンド636は、ステンレス鋼などの生体適合性金属から構築され、全体的に滑らかに磨かれ、その最も遠位のポイントにおいて均一に丸められており、それによって、組織に対して押し付けられたとき、拡張器として働くことができる。切削先端部632の遠位端822は、組織を切削することができる切削面を含む。内側シース組立体604は、ガイドピン640を介して、切削先端部632と、外バンド636とのそれぞれによって外側シース組立体602に、結合されている。ガイドピン640の一端は外バンド636の内部に固定されており、ガイドピン640の他端は切削先端部632のカムスロット814の内部に配置されている。内側シース620が回転するとき、内側シース620が切削先端部632に固定して取り付けられているため、上記で論じられたトリガ組立体の作動に際して、切削先端部632も回転する。切削先端部632が回転するとき、切削先端部632も、カムスロット814のプロファイルに従って、
図8A’に表されるような矢印(→)の方向に遠位へ伸長する。切削先端部632が遠位へ伸長し、且つ回転するとき、ガイドピン640及び外側シース組立体602、特に外バンド636は、静止したままである。したがって、切削先端部632が遠位へ伸長し(場合によっては、カムスロットプロファイルに従って近位へ後退し)、回転するとき、切削先端部632の遠位端822における切削面は、組織に対して切り取る作用を遂行して、組織を切削することができる。
【0074】
[00181] さらに
図8Aは、切削先端部632が近位の位置にあるため、後退した(場合によっては非作動の)位置における切削先端部632を表す。言い方を変えれば、
図8Aの切削先端部632の遠位端822は、外側シース組立体602、特に外バンド636の内部に配置されていて、外バンド636の遠位端を超えて伸長することはない。
図8A’を参照すると、切削先端部632は、外側シース組立体602の遠位端及び外バンド636を超えて伸長しているため、伸長した(及び作動した)位置で表されている。
【0075】
[00182]
図3は、患者の静脈334の内部のリード330を取り囲んでいる
図8Aの可撓性外側シース及び可撓性内側シースの遠位部を表し、切削先端部632は伸長位置にある。切削先端部632の遠位端における切削面の周囲の性質(たとえば刻み目のあるブレード)により、手術デバイスがコアリングデバイスとして働き、それによって、抜き取られているリード又は埋込物のまわりの組織338を、部分的に(すなわち360度未満)又は完全に(すなわち360度)切削する。切削面が切削する組織の量は、リードのサイズ、形状及び構成、並びに円形の切削ブレードの直径及び厚さに依拠する。たとえば、円形の切削面の直径がリードの直径よりも実質的に大きければ、この切削面は、より小さい直径を有する切削面と比較して、より多くの組織を切削し、且つ除芯することになる。一旦、所望の切削がなされると、オペレータがトリガを放し、切削先端部632(切削面を含む)は後退位置に戻る。切削面が後退位置に戻ると、外バンド636の遠位先端(及び/又は外側シース組立体の他の部分)は拡張デバイスとして安全に働き、それによって、外側シース組立体が、抜き取られるリード又は埋込物の上に移動するとき、組織を広げる。
【0076】
[00183] トリガのそれぞれの完全な握り締めにより、切削先端部(及び内側シース)は、伸長/後退しながら時計回り/反時計回りに回転することになる。トリガが、完全に握り締めた後に放されて、完全に圧縮されているとき及び/又は後退したままになっているとき、切削先端部(及び内側シース)は外側シースの先端部の中に後退する。トリガは、部分的に握り締められた場合にはリセットすることなく、トリガが放されたとき、切削先端部(及び内側シース)の運動が反転することになり、ブレードを後退位置へ戻す。完全に戻されたトリガ位置に戻ることは、遠位カムにおけるプロファイルによる約35度の回転をもたらし、切削を格納位置に保つ。
【0077】
[00184] 内側シースと外側シースは、切削先端部、外バンド及びガイドピンを介して互いに結合されているが、内側シース組立体と外側シース組立体は他のやり方で互いに結合されてよい。言い方を変えれば、当業者なら、切削面が外側シースの遠位端を超えて伸長し、且つ回転することを可能にするやり方でシースを結合するための本開示を理解した後には、開示された態様、実施形態、及び/又は構成を作製して使用するやり方を理解するはずである。当業者の知識の範囲内のそのような構成は、すべてこの開示の範囲内と考えられる。
【0078】
[00185]
図9A、
図9B及び
図9Cを参照すると、例示の外バンド636が表されている。外バンド636は中空円筒の一般的な形状のスリーブである。外バンド636の外部は不均一であるが、中空円筒は均一であり得る。外バンド636の内部は不均一である。たとえば、外バンド636の内部には、切削先端部(
図9A、
図9B及び
図9Cには示されていない)が近位端912から外バンド636の内部の遠位端908までさらに進むのを防止するためのアバットメント916が含まれる。外バンド636は、半径方向に内側へ突出するガイドピン(
図9A、
図9B及び
図9Cには示されていない)の受け及び可能な取付けのための穴904も含む。上記でより詳細に論じられたように、ガイドピンは切削先端部のカムスロットと係合する。外バンド636のサイズ、形状及び構成は、可撓性外側シースに取り付けられる様子に依拠して異なり得る。上記で論じられたように、外側シースは静止している。そうであれば、外バンド636及びガイドピンは、それらに対して切削先端部が移動する(たとえば回転し、且つ長手方向に進む)とき、静止したままである。外バンドは、作動中に切削ブレードを整列させ、且つデバイスの内部に切削ブレードが後退するとき組織を切り離す表面をもたらすためのジャーナル軸受面も包含する。
【0079】
[00186]
図10A、
図10B、
図10C及び
図10Dを参照すると、例示の切削先端部632が表されている。切削先端部632は全体的に中空の筒状形状を有する。切削先端部632は、近位部1024、中間部1028、及び遠位部1032を備える。近位部1024の外径は、近位部1024の、内側の可撓性シース(
図10A、
図10B、
図10C及び
図10Dには示されていない)の内径に対する挿入及び/又は係合(そうでなければ取付け)を可能にするようなサイズである。切削先端部632の遠位端は、鋸状の鋭いブレードプロファイルを有する切削面1012を備える。中間部1028の外表面の内部には、切削されたチャネル(又はカムスロット)1016が備わっている。内側の可撓性シースが、外側シースの内部で、近位端から遠位端へと、回転しながら移動するとき、外側シース及びピンは静止したままである。そうであれば、切削先端部632に接続されている内側シース(図示せず)が、切削先端部632を強制的に回転させる。カムスロット1016はガイドピンと係合し、カムスロット1016の形状及びプロファイルは、切削先端部632が長手方向に進む速度及び距離を制御する。すなわち、カムスロット1016の構成が、切削先端部の、伸長位置に向かう遠位への移動及び/又は後退位置に向かう近位への移動など、長手方向の進行の方向及び量を制御し、一方、切削先端部632は、時計回りの方向又は反時計回りの方向のいずれかに回転する。
【0080】
[00187] 再び
図10A、
図10B、
図10C及び
図10Dを参照すると、切削先端部632は、中間部1028の直径が遠位部1032よりも大きくなるように、ステップアップ1020も備える。切削先端部632が回転し、切削面1012が外バンドの遠位端を超えて伸長位置へと伸長するとき、切削先端部632のステップアップ1020が外バンドのアバットメントに接触し、それによって、ピンが剪断された場合にも、切削先端部632が進む距離を制限し、並びに/或いは切削先端部632が、外側シース組立体、特に外バンドの遠位先端を超えて出ること又は伸長することを防止する。
【0081】
[00188] 切削先端部のカムスロットのプロファイルは、2013年3月15日に出願された「Retractable Blade For Lead Removal Device」という名称の米国特許出願第13/834,405号に開示されたものなどの様々な構成を有し、同特許出願の全体は、その教示及び目的のすべてに関して、参照によってここで本明細書に組み込まれる。たとえば、カムスロットは、実質的に直線状のプロファイル、実質的に正弦関数のプロファイル、或いは直線状のプロファイルと非直線状のプロファイルの個別の組合せ及び/又は複数の組合せを有する。加えて、カムスロットは、開放された連続的な構成を有することにより、切削先端部が連続的に回転することを可能にしてよく、或いは、切削先端部が完全に伸長した位置に到達したとき、トリガ組立体が必ず解放されるか又は反転することにより、切削先端部が、当初の後退位置に戻ってから再度作動されるように、カムスロットは閉鎖された不連続の構成を有してもよい。たとえば、
図10Aのカムスロット1016は、切削先端部632の外部の全周をまわるわけではないため、不連続である。この開示の特定の図は、開放型のカムスロット構成又は閉鎖型のカムスロット構成のいずれか一方のみを示すが、いずれの構成も、本明細書で開示され、且つ/又は論じられたインナーカムの実施形態のうち任意のものとともに使用され得、この開示の範囲内と考えられる。その上、部分的ローブのカム(切削先端部の外表面の周囲を360度未満だけ取り囲むカムスロットを含む)、単一ローブのカム(切削先端部の外表面の周囲を360度取り囲むカムスロットを含む)、ダブルローブのカム(切削先端部の外表面の周囲を720度取り囲むカムスロットを含む)及び/又は他の複数ローブのカムなど、様々なタイプのカムが可能である。
【0082】
[00189] 切削先端部632の遠位端は、2013年3月15日に出願された「Retractable Blade For Lead Removal Device」という名称の米国特許出願第13/834,405号に開示されたものなどの様々なブレードプロファイルを有する切削面1012を備え、同特許出願の全体は、その教示及び目的のすべてに関して、参照によってここで本明細書に組み込まれる。たとえば、この開示の図に表された切削先端部の遠位端の切削面1012の平面は、切削先端部の近位端の平面に対して平行である。しかしながら、切削面の平面は、切削先端部の近位端の平面から(0度~90度)オフセットされてもよい。また、上記で論じられたように、
図10A~
図10Dの切削面1012のプロファイルは複数のセレーションを有する。切削面1012のプロファイルは鋸状である必要はなく、一定のプロファイル及び/又は滑らかな部分と鋭い部分とを組み合わせたプロファイルなどの他の構成を備え得る。
図10A~
図10Dの切削面1012のプロファイルは6つのセレーション(鋸刃)を有する。しかしながら、6つよりも少ないセレーション又は6つよりも多いセレーションを有するのは望ましいことであり得る。5つと7つとの間の数のセレーション、4つと8つとの間の数のセレーション、又は6つと10との間の数のセレーションを有することも望ましい。
【0083】
[00190] 切削面1012は一定数のセレーションを示しているが、
図10A~
図10Dは、鋸状の切削面に含まれるセレーションの唯一の数及びタイプを表すようには意図されていない。当業者なら、セレーションの数、サイズ、及び構成を調節するための本開示を理解した後には、シース及び切削先端部を含む手術デバイスのサイズに依拠して、開示された態様、実施形態、及び/又は構成を作製して使用するやり方を理解するであろう。当業者の知識の範囲内のそのような構成は、すべてこの開示の範囲内と考えられる。その上、セレーションは、それだけではないが、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形、三角形、円、楕円、凧などの任意の変形を含み、無数の別の形状及び構成を備える。
【0084】
[00191] 上記で論じられたように、
図10A、
図10B及び
図10Dは、その外表面の内部に切削されたカムスロット(又はチャネル)1016を有する切削先端部632の中間部1028を表し、
図4C及び
図4Dは、その外表面上に非直線状のカムプロファイルをもたらすチャネル(又はカムスロット)444を有する筒形カムシリンダ420を表す。
図11を参照すると、図の上方には、切削先端部632用カムスロット1016のプロファイルの2次元図が表されており、図の下方には、筒形カムシリンダ420用カムスロット444のプロファイルの2次元図が表されている。上方の図と下方の図に関して同一のものである水平軸は、切削先端部632及び筒形カムシリンダ420の回転(度)である。たとえば、
図10Aに表されるように、切削先端部632のカムスロット1016のプロファイルが不連続であると、切削先端部632の回転は360度未満になる。切削先端部632の回転は、5度と355度との間、180度と355度との間、210度と325度との間、240度と295度との間、又は270度と275度との間が望ましい。切削先端部632の回転は、およそ、180度、185度、190度、200度、205度、210度、215度、220度、225度、230度、235度、240度、245度、250度、255度、260度、265度、270度、275度、280度、285度、290度、300度、305度、310度、315度、320度、325度、330度、335度、340度、345度、350度又は355度も望ましい。前半のトリガの引きが、ハンドルから先端部を見て時計回りに約273度の回転もたらし、それによってカムブレードを格納位置に戻す。後半のトリガの引きが、ハンドルから先端部を見て反時計回りに約273度の回転をもたらし、それによって切削ブレードを再び格納位置に戻す。ブレードは、トリガの前位置への完全な戻りのための格納位置にとどまる。上方の図の垂直軸は、いくらかでもあれば、切削先端部632の、その切削面を含む長手方向の移動量である。下方の図の垂直軸は、トリガ組立体(及びトリガピン)の長手方向の変位量(単位はインチ)である。
【0085】
[00192]
図11を、
図5A~
図5Eと組み合わせて参照すると、以下の議論は、筒形カムシリンダ420の回転と、切削先端部632の回転と、ハンドルの(そのトリガピン428の位置を介しての)長手方向の移動と、切削先端部632の長手方向の移動との間の相互作用について説明するものである。以下は、切削先端部632のカムスロットの内部のガイドピン640の位置CT1~CT6の説明である。
CT1 - ガイドピン640は切削先端部632のカムスロット1016の内部の定位置にあり、切削先端部632は外側シース組立体602(外バンド636を含む)の内部の後退位置にある。
CT2 - 切削先端部632は、カムスロット1016の内部のガイドピン640に対する時計回りの方向の所定の回転の約半分を済ませて、外側シース組立体602の外部の最も伸長した位置にある。
CT3 - 切削先端部632は、カムスロット1016の内部のガイドピン640に対する時計回りの方向の回転を完了しており、外側シース組立体602の内部の後退位置にある。
CT4 - 切削先端部632は、カムスロット1016の内部のガイドピン640に対する反時計回りの方向の所定の回転の約半分を済ませて、外側シース組立体602の外部の最も伸長した位置にある。
CT5(図示せず) - 切削先端部632は、カムスロット1016の内部のガイドピン640に対する反時計回りの方向の回転を完了しており、外側シース組立体602の内部の後退位置にある。
CT6 - 切削先端部632は、カムスロット1016の内部のガイドピン640に対する反時計回りの方向の回転を完了しており、外側シース組立体602の内部の最も後退した位置にある。
【0086】
[00193] 切削先端部632のカムスロットの内部のガイドピン640の位置CT1~CT6は、筒形カムシリンダ420のカムスロットの内部のトリガピン428の位置BC1~BC6に対応する。以下は、筒形カムシリンダ420のカムスロットの内部のトリガピン428の位置BC1~BC6の説明である。
BC1 - トリガピン428は、(トリガ組立体106のトリガ408とともに)筒形カムシリンダ420のカムスロット444の内部の定位置にある。
BC2 - トリガピン428は、近位方向における長手方向の移動を済ませており、それによって筒形カムシリンダ420を時計回りの方向に回転させる。このポイントにおいて、筒形カムシリンダは、時計回りの回転の所定量の約半分を済ませている。
BC3 - トリガピン428は、その長手方向の移動の約半分を済ませて、近位方向において長手方向に移動し続けており、筒形カムシリンダ420は、時計回りの方向の回転を完了している。
BC4 - トリガピン428は、近位方向において長手方向に移動しており、それによって筒形カムシリンダ420を反時計回りの方向に回転させる。このポイントにおいて、筒形カムシリンダは、反時計回りの回転の所定量の約半分を済ませている。
BC5 - トリガピン428は、近位方向におけるその長手方向の移動のほぼ全体を済ませており、筒形カムシリンダ420は、反時計回りの方向の回転を完了している。
BC6 - トリガピン428は、遠位方向における長手方向の移動を済ませており、それによって筒形カムシリンダ420を反時計回りの方向に、何らかの残りの量を回転させる。
【0087】
[00194] 引き続き
図11及び
図5A~
図5Eを参照すると、トリガ組立体106、特にトリガ408がその初期の遠位位置にあるとき、トリガピン428はその定位置(BC1)にある。
図11の上方の図を参照すると、トリガピン428がその定位置(BC1)にあるとき、シース組立体112のガイドピン640はその初期位置(CT1)にあり、切削先端部632は、外側シース組立体602の内部の後退した(又は引っ込んだ)位置にある。臨床医がトリガ408を引いてトリガピン428を近位へ移動させるとき、筒形カムシリンダ420と切削先端部632との両方が、(筒形カムシリンダの近位の観点から見て)時計回りの方向に回転する。切削先端部632が、ガイドピン640に隣接して位置CT1からCT2へ回転するとき、切削先端部632内のカムスロットのプロファイルに従って、切削先端部632は、後退位置から伸長位置まで、遠位方向において長手方向に移動する。トリガピン428が位置BC2にあるとき、(i)筒形カムシリンダ420及び切削先端部632は、その所定の許容可能な回転の約半分を時計回りの方向に回転しており、(ii)ガイドピン640は位置CT2にあり、(iii)切削先端部632は最も伸長した位置にある。
【0088】
[00195] 臨床医がトリガを引き続けるとき、トリガピン428は近位へ移動し続け、筒形カムシリンダ420及び切削先端部632は時計回りの方向に回転し続ける。具体的には、切削先端部632がガイドピン640に隣接して回転し、切削先端部632のカムスロットのプロファイルにより、切削先端部632が、伸長位置であるCT2から引っ込んだ位置であるCT3へ長手方向に移動する。トリガピン428が位置BC3にあるとき、(i)筒形カムシリンダ420及び切削先端部632は、それらの所定の許容可能な回転の約半分を時計回りの方向に回転しており、(ii)ガイドピン640は位置CT3にあり、(iii)切削先端部632は、外側シース組立体602(外バンド636を含む)の内部の後退位置にある。
【0089】
[00196]
図11の上方の図を参照すると、切削先端部632のカムスロットは位置CT3を超えて伸長する。上記で論じられたように、内側シース組立体と外側シース組立体はどちらも可撓性である。シース組立体の可撓性によってもたらされる可能性のある付加的な長さに対して適合するため、並びに、製造公差に対して適合するために、切削先端部632のカムスロット1016は位置CT3を超えて伸長する。たとえば、手術デバイスの使用中に、ガイドピン640の定位置が、正確な位置CT1ではなく、位置CT1のわずかに右側にある場合、カムスロットの長さが伸長されていることにより、ガイドピン640は位置CT3の右へ進むことができ、それによって、切削先端部は、その許容可能な回転の総量を妨害されることなく時計回りの方向に回転することができる。
【0090】
[00197] トリガピン428が筒形カムシリンダ420における位置BC1からBC3へ移動し、筒形カムシリンダ420が時計回りの方向に回転するとき、トリガピン428は、筒形カムシリンダ420のカムスロット444の内側のエッジに沿って動く。しかしながら、トリガピン428が筒形カムシリンダにおける位置BC3からBC5へ移動し、筒形カムシリンダ420が反時計回りの方向に回転するとき、トリガピン428は、筒形カムシリンダ420のカムスロット444の外側のエッジに沿って動く。
【0091】
[00198] ガイドピン640が切削先端部632における位置CT3に到達し、トリガピン428が筒形カムシリンダ420における位置BC3に到達したとき、トリガ組立体106、特にトリガ408は、長手方向におけるその所定の許容可能な距離の約半分しか進んでいない。ユーザがトリガ組立体106を引き続けるとき、トリガ408及びトリガピン428は近位へ移動し続ける。これが生じるとき、筒形カムシリンダ420及び切削先端部632は、回転方向が時計回りから反時計回りに切り換わる。また、切削先端部632は、ガイドピン640に隣接して位置CT3を過ぎてCT4に移動するとき、回転方向が時計回りから反時計回りに切り換わるため、外側シース組立体602(外バンド636を含む)の内部の後退位置から、外側シース組立体602(外バンド636を含む)の外部の伸長位置又は部分的に伸長した位置へ移動する。トリガピン428が位置BC4にあるとき、(i)筒形カムシリンダ420及び切削先端部632は、その所定の許容可能な距離の半分にわずかに及ばない距離(又は半分)を反時計回りに回転しており、(ii)ガイドピン640は位置CT4にあり、(iii)切削先端部632は最も伸長した位置にある。
【0092】
[00199] ユーザがトリガ408をさらに引くとき、トリガピン428は筒形カムシリンダ420内の位置BC4から位置BC5へ近位に移動し続け、それによって筒形カムシリンダ420及び切削先端部632が反時計回りの方向に回転し続ける。具体的には、切削先端部632は、ガイドピン640に隣接して位置CC4からCC6の方へ回転し、切削先端部632のカムスロットのプロファイルによって伸長位置から後退位置へ移動する。トリガピン428が筒形カムシリンダ420のカムスロットにおける位置BC5に配置されたとき、トリガ408は、近位方向におけるその長手方向の移動の終端に到達している。トリガピン428が筒形カムシリンダ420のカムスロットにおける位置BC5を超えると、定荷重バネが、トリガ408及びトリガピン428の方向を反転させて遠位位置の方へ進ませる。
【0093】
[00200] 上記で論じられたように、切削先端部432のカムスロットが不連続であると、切削先端部432の時計回り又は反時計回りの方向の回転は360度未満である。許容可能な回転の所定の量が約275度であると想定すると、筒形カムシリンダ420によるBC1からBC3への時計回りの方向の角回転の量、及び切削先端部632によるCT1からCT3への時計回りの方向の角回転の量は、約275度である。筒形カムシリンダ420によるBC3からBC5への反時計回りの方向の角回転の量、及び切削先端部632によるCT3からCT5への反時計回りの方向の角回転の量は、275度よりも約9度だけ大きい。筒形カムシリンダ420及び切削先端部632によるこの反時計回りの方向における追加の回転(又は過回転)は、切削先端部632が、その切削面を含めて、外側シース組立体602、特に外バンド636によって保護されることを保証する。トリガ408が、近位方向におけるその長手方向の移動の最後の位置BC5に到達したとき、筒形カムシリンダ420及び切削先端部632は、反時計回りの方向に、それぞれ位置BC6及び位置CT6へ移動し続ける。具体的には、筒形カムシリンダ420は、位置BC5からBC6へ反時計回りに約17度回転し、それによって、切削先端部632を、位置CT5(図示せず)から切削先端部の最も引っ込んだ位置である位置CT6へ、反時計回りに同じ量だけ回転させる。
【0094】
[00201] トリガピン408が筒形カムシリンダ420における位置BC6にあって、ガイドピン640が切削先端部632の内部の位置CT6にあるとき、筒形カムシリンダ420及び切削先端部632は、依然としてそれらの定位置BC1、CT1へ戻る必要がある。筒形カムシリンダ420及び切削先端部632をそれらの定位置BC1、CT1に戻すために、筒形カムシリンダ420は位置BC6からBC1へ、切削先端部632はCT6からCT1へ、時計回りの方向に約34.5度回転する。トリガピン428がその定位置(BC1)に戻ったとき、(i)筒形カムシリンダ420及び切削先端部632は反時計回りに307.6度回転しており(また時計回りに34.5度回転しており)、(ii)ガイドピン640は位置CT1にあり、(iii)切削先端部632は引っ込んだ位置にある。すなわち、切削先端部632(及び筒形カムシリンダ420)は、後退-伸長-後退(定位置)のシーケンスの位置において反時計回りの方向と時計回りの方向との両方に回転したものの、後退(定位置)-伸長-後退のシーケンスの位置において時計回りの方向に正味273.1度回転しており、後退-伸長-後退(定位置)のシーケンスの位置において反時計回りの方向に273.1度回転している。次いで、ユーザは、必要に応じてこのプロセスを繰り返す。
【0095】
[00202] この開示による実施形態が提供する手術デバイスに含まれるシース組立体は、患者の脈管系の内部に安全に配置され得て、患者の脈管構造系からリードなどの埋込物を分離する。
図12は、シース組立体1212が例示の患者1204の内部に挿入されている手術デバイス1206を表す。シース組立体1212は、埋め込まれたリード(図示せず)を取り囲み、左腕頭静脈に沿って通り、SVCを通りすぎて、心臓の右心室の中に、又はそのまわりに接続される。手術デバイス1206のユーザは、シース組立体1212でリードを取り囲むとき、ハンドル組立体1208を作動させることにより、患者のSVCの中のリードを取り囲む組織を拡張し、分離し、且つ/又は切削するために、切削ブレード(図示せず)を、回転させながらシース組立体1212の遠位端を超えて伸長させる。
【0096】
[00203] ハンドル組立体が作動するとき、切削ブレードは、以下で開示される切削先端部のカムスロットのプロファイルに従って、シースから伸長してシースの中へ後退する。切削ブレードは、ハンドル組立体の初期の、すなわち第1の作動に際して、以下で論じる筒形カムシリンダのカムスロットのプロファイルに従って、第1の方向、すなわち時計回りの方向に回転する。臨床医がハンドル組立体を放したとき、切削ブレードはシース組立体1212の内部にとどまるか又は戻ることを保証され、それによって、臨床医は、さらなる未切削の組織に対してシース組立体の遠位部を押し付けて進めることができる。切削ブレードは、ハンドル組立体の、後続の、すなわち第2の作動に際して、以下で論じる筒形カムシリンダのカムスロットのプロファイルに従って、第2の方向、すなわち反時計回りの方向に回転する。作動が生じるごとに、埋め込まれたリードの近位部及び/又は取り囲む組織は、シース組立体1212の内部の中空の通路にさらに入る。このプロセスは、埋め込まれたリード及び/又は取り囲む組織が、完全に、又は大幅に、拡張され、分離され、且つ/又はSVCに付着した組織から切断されるまで、再び繰り返される。そのとき、埋め込まれたリードは、患者のSVCから安全に除去される。
【0097】
[00204]
図13を参照すると、例示の手術デバイス1206が表されている。手術デバイス1206は、ハンドル組立体1208及び可撓性シース組立体1212を含む。可撓性シース組立体1212は、以下でより詳細に論じられ、概して、可撓性外側シース組立体の内部に配置された可撓性内側シース組立体(図示せず)を含む。外側シースが静止したまま、内側シースが外側シースに対して移動することができる(たとえば回転し、且つ伸長する)のが望ましい。内側シースと外側シースは、どちらも可撓性であり得、剛体であり得、又はその組合せであり得る。
【0098】
[00205]
図15Aを参照すると、例示のハンドル組立体1208が表されている。ハンドル組立体1208は、ハンドルフレーム1504、トリガ1508、バネ組立体1512、張力緩和部品1516、筒形カム組立体1519、ブッシング1524、及び終端キャップ1527といった部品のうちいくつか又はすべてを含む。ハンドルフレーム1504は、
図15Aに示されるような2つの半分などの単一の部品又は複数の部品から構築される。
【0099】
[00206]
図15Bを参照すると、例示のトリガ1508が示されている。
図15Bに表されたトリガ1508は、臨床医の指を挿入することができる開口1530を1つ含む。しかしながら、トリガは複数の開口を有してもよい。加えて、トリガは、開口のない直線状の部材又は非直線状の部材から成ってもよい。その上、トリガは、押し下げることができるボタンの形でもよい。トリガが、単独で、又はハンドルフレームとともに、臨床医にとって人間工学的に適切且つ快適なものである限り、トリガは様々なサイズ及び形状を有してよい。
【0100】
[00207]
図15Bに示されたトリガ1508は、トリガ1508の上部から垂直に伸長するトリガピン1528を含む。トリガピン1528は、銅合金(たとえば黄銅又は青銅、特にC 630ニッケルアルミニウム青銅)などの金属から形成され、ハンドルフレーム1504への挿入を容易にするために円錐台状に成形された終端を含む。トリガピン1528は、筒形カム組立体1519の筒形カムシリンダの溝と協働し、筒形カムシリンダのフォロアとして働く。トリガ1508は、トリガ1508の近位端から水平方向に突出する1対のスライダ1532、及びトリガ1508の遠位端から水平方向に突出する1対のスライダ1536も含む。トリガ1508がハンドル組立体1208の内部に配置されているとき、スライダ1532、1536は、ハンドルフレーム1504の内部の対応する溝の中にあり、その中でスライドする。トリガ1508は、トリガ1508の上部から(好ましくはトリガ1508の上部の遠位端から)垂直に伸長するポスト1540も含む。ポスト1540はバネ組立体1512に接続する。
【0101】
[00208] 前述のように、ハンドル組立体1208は張力緩和部品1516を含む。張力緩和部品1516は、
図15Aに示されるようにハンドルフレーム1504の遠位端に取り付けられており、近位端から遠位端に向かって先細りになっている。張力緩和部品1516は、それを通り抜ける管腔も有し、それによって、シース組立体1212がこの管腔を通ってハンドル組立体1208の中へ伸長することができる。張力緩和部品1516は、ExxonMobilによって生産されたSantoprene(商標)熱可塑性加硫物などの可撓性材料から構築される。張力緩和部品の材料と張力緩和部品の形状とにより、可撓性シャフトが剛体のハンドルに伸長するとき可撓性シャフトを保護するための曲げ弾性率がもたらされる。張力緩和部品の管腔には、デバイスの準備中に補助的な外側シースを合体することを可能にするカウンタボアも包含される。
【0102】
[00209]
図15Cを参照すると、例示の筒形カム組立体1519が示されている。筒形カム組立体1519は、フォロアガイド1521を回転可能に搬送する筒形カムシリンダ1520を含む。以下でより詳細に説明されるように、筒形カムシリンダ1520とフォロアガイド1521がトリガピン1528と協働して筒形カムをもたらす。
【0103】
[00210] 筒形カムシリンダ1520は、ポリエチレン充填デルリン(登録商標)、ステンレス鋼、陽極処理アルミニウム、黄銅、チタンなどの1つ又は複数の生体適合性材料から形成される。
図15Dに示されるように、筒形カムシリンダ1520は、並進可能にトリガピン1528を受けるカム溝(又はスロット若しくはチャネル)1544を備える外表面を有する。
図15Eは、筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544のプロファイルの2次元図を表す。カムスロット1544は、フォロア(すなわちトリガピン1528)用の、全体的に「砂時計」のような、又は「8の字」のような経路を画定する。以下でより詳細に説明されるように、初期の作動すなわち第1の作動がトリガ1508に加えられると、トリガピン1528はカムスロット1544の約半分を横断し、後続の、すなわち第2の作動がトリガ1508に加えられると、トリガピン1528は、カムスロット1544の残り、すなわちカムスロット1544の約半分を横断する。それぞれの場合において、以下でより詳細に説明されるように、フォロアガイド1521により、トリガピン1528は、トリガ1508それぞれの作動中にカムスロット1544の交点(又は交差部分)1545を通って真っすぐ進む。言い方を変えれば、フォロアガイド1521により、トリガピン1528は、カムスロット1544の第1のレッグ1547からカムスロット1544の第2の平行なレッグ1549へ進み、次いでカムスロット1544の第3のレッグ1551からカムスロット1544の第4の平行なレッグ1553へ進む。
【0104】
[00211]
図15F及び
図15Gは、それぞれ筒形カムシリンダ1520の長手方向の断面図及び断面図を示す。筒形カムシリンダ1520の近位端1548及び遠位端1552を通って管腔1556が伸長する。筒形カムシリンダ1520の管腔1556の遠位端1552は、内側キー1612の近位端の外部と一致するように設計されており、このことは以下でより詳細に論じる。筒形カムシリンダ1520の管腔1556の遠位端1552の断面は、好ましくは非円形である。たとえば、非円形管腔の一実施形態は2つの面取りされた側面1564を含み、面取りされた側面1564の一方はオフセットされておらず、面取りされた側面1564の他方は(たとえば約8度)オフセットされている。筒形カムシリンダ1520の遠位端は、内側キー1612の近位端の外部と一致して、筒形カムシリンダ1520からのトルクを、内側キー1612を介して内側シース組立体へ伝達するように設計されているので、内側キー1612の近位端の外部の断面は、管腔1556の相補的プロファイルを有することになる。非円形の管腔の断面形状は2つの面取りされた側面1564を有すると説明されているが、本開示は、そのような形状に限定されることなく、正方形、長方形、D字形、三角形、菱形、台形、五角形、六角形、八角形、平行四辺形、楕円など、代替の非円形の形状を含む。或いは、内側キーは筒形カムシリンダの外側に結合され得る。
【0105】
[00212] 筒形カムシリンダ1520の近位端はブッシング1524と一致する。具体的には、ブッシング1524の外部の遠位端は、管腔1556の近位端の内部に配置されている。ブッシング1524の外部の遠位端と管腔1556の近位端との両方が円形に成形されており、それによって、ブッシング1524と筒形カムシリンダ1520が互いに対して回転することができる。しかしながら、ブッシング1524の外部の近位端は、ハンドルフレーム1504の内部の溝の内部に配置されおり、それによって、ブッシング1524及び筒形カムシリンダ1520がハンドル組立体1208の内部で長手方向に移動するのを防止する。
【0106】
[00213] フォロアガイド1521は、ステンレス鋼、陽極処理アルミニウム、チタンなどの1つ又は複数の生体適合性材料から形成される。いくつかの実施形態では、フォロアガイド1521と筒形カムシリンダ1520との間の摩擦係数は比較的大きい。フォロアガイド1521は、筒形カムシリンダ1520によって回転可能に搬送され、そのため、フォロアガイド1521は、擦り減らないように、筒形カムシリンダ1520とは異種材料であるのが望ましい。いくつかの実施形態では、フォロアガイド1521の内表面は、筒形カムシリンダ1520に対するフォロアガイド1521の不測の回転を防止するために、筒形カムシリンダ1520の外表面のものとはわずかに異なる断面形状を有する。たとえば、筒形カムシリンダ1520の外表面は円形の断面形状を有し、フォロアガイド1520の内表面はわずかに非円形の断面形状を有する。
【0107】
[00214]
図15Hに示されるように、フォロアガイド1521は開口1565を含んでいる全体的に筒状の部品である。トリガピン1528は、開口1565を通って伸長し、筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544に入る。以下でより詳細に説明されるように、開口1565の、対角線上に伸長する(すなわち、筒形カム組立体1519の長手軸に対して対角線上に伸長する)第1の壁1567及び第2の壁1569が、トリガピン1528を、カムスロット1544の交点1545を通って真っすぐ進ませるように、トリガピン1528と係合する。加えて、以下でより詳細に説明されるように、フォロアガイド1521は、トリガ1508の第1の作動と第2の作動との間に、対角線上に伸長する第1の壁1567及び第2の壁1569を適切に位置決めするために、筒形カムシリンダ1520に対して回転する。開口1565は、筒形カムシリンダ1520に対するフォロアガイド1521の回転を容易にするようにトリガピン1528と係合する、長手方向に伸長する第1の壁1571及び第2の壁1573(すなわち、筒形カム組立体1519の長手軸に対して平行に伸長する壁)を含む。
【0108】
[00215] 対角線上に伸長する第1の壁1567及び第2の壁1569と、長手方向に伸長する第1の壁1571及び第2の壁1573と、開口1565を画定する他の壁とは、フォロアガイド1521の内表面から外表面へ伸長する。いくつかの実施形態では、これらの壁は、内表面と外表面との間で半径方向に伸長する。いくつかの実施形態では、これらの壁は、内表面と外表面との間で対角線上に伸長する(すなわち、これらの壁は、内表面と外表面との間に食いつき部を形成する)。
【0109】
[00216] 次に
図15J及び
図15Kを参照すると、筒形カム組立体1519がさらに含む相対回転阻止機構1575は、名称が意味するように、筒形カムシリンダ1520に対するフォロアガイド1521のいくらかの回転を阻止するものである。概して、相対回転阻止機構1575は、フォロアガイド1521が第1の相対回転阻止位置及び第2の相対回転阻止位置を占有することを可能にする。第1の相対回転阻止位置では、機構1575は、フォロアガイド1521が筒形カムシリンダ1520に対して第1の方向に(すなわち第2の相対回転阻止位置の方へ)回転することを可能にし、フォロアガイド1521の筒形カムシリンダ1520に対する第2の方向の回転を阻止する。第2の相対回転阻止位置では、機構1575は、フォロアガイド1521が筒形カムシリンダ1520に対して第2の方向に(すなわち第1の相対回転阻止位置の方へ)回転することを可能にし、フォロアガイド1521の筒形カムシリンダ1520に対する第1の方向の回転を阻止する。
【0110】
[00217] いくつかの実施形態では、
図15J及び
図15Kに示されるように、相対回転阻止機構1575は、フォロアガイド1521によって搬送される、長手方向に伸長するタブ(又はアーム)1577(
図15C及び
図15Hも参照されたい)と、筒形カムシリンダ1520によって搬送される半環状フランジ1579(
図15C及び
図15Dも参照されたい)とを含む。
図15Jは、第1の相対回転阻止位置(アーム1577が、半環状フランジ1579の第1の側面と係合する)における相対回転阻止機構1575のそのような一実施形態を示し、
図15Kは、第2の相対回転阻止位置(アーム1577が、半環状フランジ1579の第2の側面と係合する)における相対回転阻止機構1575のそのような一実施形態を示す。
【0111】
[00218] いくつかの実施形態では、相対回転阻止機構1575は他の形態を採用する。たとえば、機構1575は、フォロアガイド1521を、第1の相対回転阻止位置及び第2の相対回転阻止位置に維持する1つ又は複数の磁石を含む。
【0112】
[00219]
図15Lを参照すると、例示のバネ組立体1512が表されている。バネ組立体1512は、定荷重バネ1572及びスプール1574を含む。定荷重バネ1572の一端はスプール1574に接続されており、定荷重バネ1572の他端はトリガ1508から伸長するポスト1540に接続されている。臨床医がトリガ1508を近位へ引っ張ると、スライダ1532、1536がハンドルフレーム1504の内部の溝をスライドして進み、それによって、トリガ1508が、ハンドル組立体1208の内部で垂直に移動するのを防止して、手術デバイス1206の長手軸に沿って、遠位端から近位端へ、及び/又はその逆方向へ移動することのみを可能にする。トリガ1508が近位へ移動するとき、定荷重バネ1572が伸び、それによって張力及び遠位へ向かう力を生成する。それゆえに、臨床医がトリガ1508を放すと、定荷重バネ1572が縮んで、トリガ1508を、元の、最も遠位の位置の方へ引き戻す。
【0113】
[00220]
図16を参照すると、本開示の組み立てられたシース組立体1212の一実施形態の正面図が表されている。シース組立体1212は内側シース組立体及び外側シース組立体を含む。
図16Aを参照すると、シース組立体1212の遠位端の分解図が示されており、
図16Bはシース組立体1212の近位端及び中心部の分解組立図であり、シース組立体1212は、外バンド1636、ガイドピン1640、切削先端部1632、可撓性内側シース1620、可撓性外側シース1624、外側ジャケット1628、内側キー1612、外側キー1608、及び剛体の内側チューブ1616といった部品のうちいくつか又はすべてを含む。
【0114】
[00221]
図17Aを参照すると、本開示の外側シース組立体1602の一実施形態が表されている。外側シース組立体1602は、細長い可撓性外側シース1624の遠位端に配置されて取り付けられた外バンド1636と、可撓性外側シース1624の近位端に配置されて取り付けられた外側キー1608とを含む。外バンド1636は、溶接、接着剤、圧入嵌合技術、竹の子接手などのインターロック又は他の既知の取付け手段によって可撓性外側シース1624の遠位端に取り付けられる。当業者の知識の範囲内のそのような取付け技術は、すべてこの開示の範囲内と考えられる。同様に、外側キー1608は、溶接、接着剤、圧入嵌合技術、竹の子接手などのインターロック又は他の既知の取付け手段によって可撓性外側シース1624の近位端に取り付けられる。
図17Aには示されていないが、外側シース組立体1602は、外側シース1624を覆って外バンド1636に接する可撓性外側ジャケット1628(
図16Aを参照されたい)も含み、それによって、比較的滑らかな、連続的で途切れない外部プロファイルを有する外側シース組立体1602をもたらす。可撓性ジャケットは、システムからの血液の出口も包含している。
【0115】
[00222]
図17Bを参照すると、本開示の内側シース組立体1604の一実施形態が表されている。内側シース組立体1604は、切削先端部1632、可撓性内側シース1620、内側キー1612、及び剛体の内側チューブ1616を含む。切削先端部1632の近位端は可撓性内側シース1620の遠位端に取り付けられており、内側チューブ1616の遠位端は可撓性内側シース1620の近位端に取り付けられており、内側キー1612は内側チューブ1616の近位端に取り付けられている。これらの部品を取り付ける手段は、溶接、接着剤、圧入嵌合技術又は取付けの他の既知の手段を含む。以下で論じられるように、ガイドピン1640は外バンド1636を切削先端部1632と結合し、ガイドピン1640は内側シース組立体1604又は外側シース組立体1602のいずれかに含まれる。
【0116】
[00223] 内側シース1620及び/又は外側シース1624のどちらかの一部分が剛体であって、外側シースの一部分が可撓性であるのが望ましい。剛体部分と可撓性部分は、どちらも人体への挿入に適する材料から構築される。たとえば、剛体部分はステンレス鋼から構築され、可撓性部分はポリテトラフルオロエチレン又は熱可塑性エラストマなどの可塑性ポリマーから構築される。剛体部分と可撓性部分との両方が使用されると想定すると、これらは単一体の内側シース及び/又は外側シースを形成することになる。
図17Bに表されるように、剛体の内側チューブ1616は、内側キー1612に取り付けられるばかりでなく、内側キー1612を通って挿入され、内側キー1612の近位端と遠位端との両方から伸長する。剛体のチューブ1616が内側キー1612に取り付けられてそこから伸張することにより、筒形カムから内側キー1612を介して剛体のチューブ1616に伝達され得るトルクの量を増すことができ、結局は、内側シース組立体1604を介して切削先端部1632に伝達され得るトルクの量を増すことができる。剛体のチューブがハンドルを通って伸張することにより、他の医療デバイスを導入するためのアクセスポイントがもたらされる。この伸張により、リードが抜き取られた後の血液の出口を制御する手段ももたらされる。
【0117】
[00224] 外側シース1624及び内側シース1620の少なくとも一部分が、患者の脈管構造系を受け入れ、収容し、進むために、概して可撓性であるのが望ましい。内側シース1620は、可撓性であることに加えて、筒形カムシリンダ/内側キーから伝達されたトルクを受け取って、以下でより詳細に論じられる切削先端部1632に十分なトルクを伝達するために、高い剛性も有するものである。内側シース1620(及び/又は外側シース1624)は、ポリマー押出し、網目状の強化されたポリマー押出し、コイル、2重コイル、3重コイル、レーザ切削金属チューブ及びこれらの任意の組合せから形成される。内側シース(及び/又は、外側シース1624)は、複数の部分から成る一体化構造である。
【0118】
[00225]
図18を参照すると、外側シース組立体1602の内部に配置された内側シース組立体1604を備えるシース組立体1212の一実施形態の断面図が表されている。
図18Cを参照すると、外側シース組立体1602の外側キー1608の内部に配置された内側シース組立体1604の内側キー1612の拡大図が表されている。上記で論じられたように、内側キー1612の外部は筒形カムシリンダ1520の遠位端の管腔1556と一致するように設計されている。それゆえに、内側キー1612の近位端の外部の断面は、筒形カムシリンダ1520の内部の管腔1556の遠位端に対して相補的なプロファイルを有することになる。たとえば、筒形カムシリンダ1520の管腔1556の遠位端1552の断面が、非円形で2つの面取りされた側面を有し、一方の面取りされた側面はオフセットされておらず、他方の面取りされた側面が(たとえば約8度)オフセットされていると想定すると、内側キー1612の近位端の外部も、2つの面取りされた側面を有する非円形のプロファイルを有し、一方の面取りされた側面はオフセットされず、他方の面取りされた側面は(たとえば約8度)オフセットされることになる。内側キー1612及び外側キー1608は、回転式に結合するための手段をもたらす。内側キー1612は、内側シース組立体1604を筒形カムに対して回転式に結合するための手段であり、外側キーは、外側シャフト組立体をハンドルに対して回転式に結合するための手段である。内側キー1612及び外側キー1608は、他のキーのためのジャーナル軸受をもたらす。
【0119】
[00226]
図18Cにさらに示されるように、内側キー1612は、内側キー1612の外部の遠位端が、外側キー1608の内部の管腔の近位端の円形の断面と一致する円形の断面を少なくとも部分的に有するので、外側キー1608の内部で自由に回転することができる。加えて、内側キー1612と外側キー1608が柔軟結合であるため、内側キー1612と外側キー1608は、互いに対して長手方向に移動することができる。たとえば、外側キー1608が、回転したり長手方向に移動したりすることのないように固定されている想定すると、内側キー1612は、外側キー1608の内部で回転することができ、長手方向に進むこともできる。それゆえに、筒形カムシリンダ1520が回転するとき、内側キー1612が外側キー1608の内部で回転することになり、内側シース組立体1604は、外バンド1636の内部の切削先端部1632の回転を含めて、外側シース組立体1602の内部で回転することになる。また、切削先端部1632のカムスロットプロファイルが、外側キー1608に対する内側キー1612の長手方向の運動と、外バンド1636に対する切削先端部1632の長手方向の運動とを含めて、外側シース組立体1602の内部の内側シース組立体1604の長手方向の運動を制御する。
【0120】
[00227] 引き続き
図18Cを参照すると、外側キー1608の内部の管腔には、近位端から遠位端へ進むにつれてステップダウン又はアバットメントがあるため、管腔は、近位端に向かって大きくなり、遠位端に向かって小さくなる。外側キー1608の内部で大きい管腔から小さい管腔への遷移があるため、外側キー1608のより大きい管腔の遠位端の内部に、内側キー1612の遠位端とアバットメントとの間に調節可能な間隙1610が表されている。この間隙は、切削先端部1632のカムスロットプロファイルに従って、増加し、減少し、且つ/又は同一のままである。外側キー1608のアバットメントは、内側キー1612が、外側キー1608の内部の制限された長手方向の距離しか進まないことを保証し、それによって、外バンド1636に対する切削先端部1632の遠位方向への長手方向の移動を制限することを含めて、内側シース組立体1604の、外側シース組立体1602の内部の可能な長手方向の移動を制限する。
【0121】
[00228]
図18Aを参照すると、ガイドピン1640を介して外側シース組立体1602と結合された内側シース組立体1604を有するシース組立体1212の遠位端の拡大断面図が表されており、切削先端部1632のブレード1822は、後退位置にあって外側シース組立体1602の内部に配置されている。上記で論じられたように、外側シース組立体1602の遠位端に含まれる外バンド1636は、ステンレス鋼などの生体適合性金属から構築され、全体的に滑らかに磨かれ、その最も遠位のポイントにおいて均一に丸められており、それによって、組織に対して押し付けられたとき、拡張器として働くことができる。切削先端部1632の遠位端1822は、組織を切削することができる切削面を含む。内側シース組立体1604は、ガイドピン1640を介して、切削先端部1632と、外バンド1636とのそれぞれによって外側シース組立体1602に、結合されている。ガイドピン1640の一端は外バンド1636の内部に固定されており、ガイドピン1640の他端は切削先端部1632のカムスロット1814の内部に配置されている。内側シース1620が回転するとき、内側シース1620が切削先端部1632に固定して取り付けられているため、上記で論じられたトリガ組立体の作動に際して、切削先端部1632も回転する。切削先端部1632が回転するとき、切削先端部1632も、カムスロット1814のプロファイルに従って、
図18A’に表されるような矢印(→)の方向に遠位へ伸長する。切削先端部1632が遠位へ伸長し、且つ回転するとき、ガイドピン1640及び外側シース組立体1602、特に外バンド1636は、静止したままである。したがって、切削先端部1632が遠位へ伸長し(場合によっては、カムスロットプロファイルに従って近位へ後退し)、回転するとき、切削先端部1632の遠位端1822における切削面は、組織に対して切り取る作用を遂行して、組織を切削することができる。
【0122】
[00229] さらに
図18Aは、切削先端部1632が近位の位置にあるため、後退した(場合によっては非作動の)位置における切削先端部1632を表す。言い方を変えれば、
図18Aの切削先端部1632の遠位端1822は、外側シース組立体1602、特に外バンド1636の内部に配置されていて、外バンド1636の遠位端を超えて伸長することはない。
図18A’を参照すると、切削先端部1632は、外側シース組立体1602の遠位端及び外バンド1636を超えて伸長しているため、伸長した(及び作動した)位置で表されている。
【0123】
[00230]
図14は、患者の静脈334の内部のリード330を取り囲んでいる可撓性外側シース及び可撓性内側シースの遠位部を表し、切削先端部1632は伸長した位置にある。切削先端部1632の遠位端における切削面の周囲の性質(たとえば刻み目のあるブレード)により、手術デバイスがコアリングデバイスとして働き、それによって、抜き取られているリード又は埋込物のまわりの組織338を、部分的に(すなわち360度未満)又は完全に(すなわち360度)切削する。切削面が切削する組織の量は、リードのサイズ、形状及び構成、並びに円形の切削ブレードの直径及び厚さに依拠する。たとえば、円形の切削面の直径がリードの直径よりも実質的に大きければ、この切削面は、より小さい直径を有する切削面と比較して、より多くの組織を切削し、且つ除芯することになる。
【0124】
[00231] 内側シースと外側シースは、切削先端部、外バンド及びガイドピンを介して互いに結合されているが、内側シース組立体と外側シース組立体は他のやり方で互いに結合されてよい。言い方を変えれば、当業者なら、切削面が外側シースの遠位端を超えて伸長し、且つ回転することを可能にするやり方でシースを結合するための本開示を理解した後には、開示された態様、実施形態、及び/又は構成を作製して使用するやり方を理解するはずである。当業者の知識の範囲内のそのような構成は、すべてこの開示の範囲内と考えられる。
【0125】
[00232]
図19A、
図19B及び
図19Cを参照すると、例示の外バンド1636が表されている。外バンド1636は中空円筒の一般的な形状のスリーブである。外バンド1636の外部は不均一であるが、中空円筒は均一であり得る。外バンド1636の内部は不均一である。たとえば、外バンド1636の内部には、切削先端部(
図19A、
図19B及び
図19Cには示されていない)が近位端1912から外バンド1636の内部の遠位端1908までさらに移動するのを防止するためのアバットメント1916が含まれる。外バンド1636は、半径方向に内側へ突出するガイドピン(
図19A、
図19B及び
図19Cには示されていない)の受け及び可能な取付けのための穴1904を含む。上記でより詳細に論じられたように、ガイドピンは切削先端部のカムスロットと係合する。外バンド1636のサイズ、形状及び構成は、可撓性外側シースに取り付けられる様子に依拠して異なり得る。上記で論じられたように、外側シースは静止している。そうであれば、外バンド1636及びガイドピンは、それらに対して切削先端部が移動する(たとえば回転し、且つ長手方向に移動する)とき、静止したままである。外バンドは、作動中に切削ブレードを整列させ、且つデバイスの内部に切削ブレードが後退するとき組織を切り離す表面をもたらすためのジャーナル軸受面を包含する。
【0126】
[00233]
図20A、
図20B、
図20C及び
図20Dを参照すると、例示の切削先端部1632が表されている。切削先端部1632は全体的に中空の筒状形状を有する。切削先端部1632は、近位部2024、中間部2028、及び遠位部2032を備える。近位部2024の外径は、近位部1024の、内側の可撓性シース(図示せず)の内径に対する挿入及び/又は係合(そうでなければ取付け)を可能にするようなサイズである。切削先端部1632の遠位端は、鋸状の鋭いブレードプロファイルを有する切削面2012を備える。中間部2028の外表面の内部には、切削されたチャネル(又はカムスロット)2016が備わっている。内側の可撓性シースが、外側シースの内部で、近位端から遠位端へと、回転しながら移動するとき、外側シース及びピンは静止したままである。そうであれば、切削先端部1632に接続されている内側シース(図示せず)が、切削先端部1632を強制的に回転させる。カムスロット2016はガイドピンと係合し、カムスロット2016の形状及びプロファイルは、切削先端部1632が長手方向に移動する速度及び距離を制御する。すなわち、カムスロット2016の構成が、切削先端部の、伸長位置に向かう遠位への移動及び/又は後退位置に向かう近位への移動など、長手方向の移動の方向及び量を制御し、一方、切削先端部は、時計回りの方向又は反時計回りの方向のいずれかに回転する。
【0127】
[00234] 再び
図20A、
図20B、
図20C及び
図20Dを参照すると、切削先端部1632は、中間部2028の直径が遠位部2032の直径よりも大きくなるように、ステップアップ2020も備える。切削先端部1632が回転し、切削面2012が外バンドの遠位端を超えて伸長位置へと伸長するとき、切削先端部1632のステップアップ2020が外バンドのアバットメントに接触し、それによって、ピンが剪断された場合にも、切削先端部1632が進む距離を制限し、並びに/或いは切削先端部1632が、外側シース組立体、特に外バンドの遠位端を超えて出ること又は伸長することを防止する。
【0128】
[00235] 切削先端部のカムスロットのプロファイルは、2013年3月15日に出願された「Retractable Blade For Lead Removal Device」という名称の米国特許出願第13/834,405号に開示されたものなどの様々な構成を有し、同特許出願の全体は、その教示及び目的のすべてに関して、参照によってここで本明細書に組み込まれる。たとえば、カムスロットは、実質的に直線状のプロファイル、実質的に正弦関数のプロファイル、或いは直線状のプロファイルと非直線状のプロファイルの個別の組合せ及び/又は複数の組合せを有する。加えて、カムスロットは、開放された連続的な構成を有することにより、切削先端部が連続的に回転することを可能にしてよく、或いは、切削先端部が完全に伸長した位置に到達したとき、トリガ組立体が必ず解放されるか又は反転することにより、切削先端部が、当初の後退位置に戻ってから再度作動されるように、カムスロットは閉鎖された不連続の構成を有してもよい。たとえば、
図20Aのカムスロット2016は、切削先端部1632の外部の全周をまわるわけではないため、不連続である。いくつかの実施形態では、
図21及び22A~
図22Cに示されるように、カムスロット2016は、長手方向に伸長する平面に対して対称である。この開示の特定の図は、開放型のカムスロット構成又は閉鎖型のカムスロット構成のいずれか一方のみを示すが、いずれの構成も、本明細書で開示され、且つ/又は論じられたインナーカムの実施形態のうち任意のものとともに使用され得、この開示の範囲内と考えられる。その上、部分的ローブのカム(切削先端部の外表面の周囲を360度未満だけ取り囲むカムスロットを含む)、単一ローブのカム(切削先端部の外表面の周囲を360度取り囲むカムスロットを含む)、ダブルローブのカム(切削先端部の外表面の周囲を720度取り囲むカムスロットを含む)及び/又は他の複数ローブのカムなど、様々なタイプのカムが可能である。
【0129】
[00236] 切削先端部1632の遠位端は、2013年3月15日に出願された「Retractable Blade For Lead Removal Device」という名称の米国特許出願第13/834,405号に開示されたものなどの様々なブレードプロファイルを有する切削面2012を備え、同特許出願の全体は、その教示及び目的のすべてに関して、参照によってここで本明細書に組み込まれる。たとえば、この開示の図に表された切削先端部の遠位端の切削面2012の平面は、切削先端部の近位端の平面に対して平行である。しかしながら、切削面の平面は、切削先端部の近位端の平面から(0度~90度)オフセットされてもよい。また、上記で論じられたように、
図10A~
図10Dの切削面2012のプロファイルは複数のセレーションを有する。切削面2012のプロファイルは鋸状である必要はなく、一定のプロファイル及び/又は滑らかな部分と鋭い部分とを組み合わせたプロファイルなどの他の構成を備え得る。
図20A~
図20Dの切削面2012のプロファイルは6つのセレーションを有する。しかしながら、6つよりも少ないセレーション又は6つよりも多いセレーションを有するのは望ましいことであり得る。5つと7つとの間の数のセレーション、4つと8つとの間の数のセレーション、又は6つと10との間の数のセレーションを有することも望ましい。
【0130】
[00237] 切削面2012は一定数のセレーションを示しているが、
図20A~
図20Dは、鋸状の切削面に含まれるセレーションの唯一の数及びタイプを表すようには意図されていない。当業者なら、セレーションの数、サイズ、及び構成を調節するための本開示を理解した後には、シース及び切削先端部を含む手術デバイスのサイズに依拠して、開示された態様、実施形態、及び/又は構成を作製して使用するやり方を理解するであろう。当業者の知識の範囲内のそのような構成は、すべてこの開示の範囲内と考えられる。その上、セレーションは、それだけではないが、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形、三角形、円、楕円、凧などの任意の変形を含み、無数の別の形状及び構成を備える。
【0131】
[00238]
図21は、切削先端部1632用カムスロット2016のプロファイルと、筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544のプロファイルと、フォロアガイド1521の開口1565のプロファイルとの2次元図を表す。
図22A~
図22Cは、トリガ1508の作動と、結果として生じるトリガピン1528の移動とが、筒形カムシリンダ1520、フォロアガイド1521、及び切削先端部1632の回転運動と、切削先端部1632の並進運動とをもたらす様子を表す。これらの図において、スロット2016及び1544のプロファイルの水平軸は、切削先端部1632及び筒形カムシリンダ1520の回転(度)である。たとえば、
図20Aに表されるように、切削先端部1632のカムスロットのプロファイルが不連続であると、切削先端部1632の回転は360度未満になる。切削先端部1632の回転は、5度と355度との間、180度と355度との間、210度と325度との間、240度と295度との間、又は270度と275度との間が望ましい。切削先端部1632の回転は、およそ、180度、185度、190度、200度、205度、210度、215度、220度、225度、230度、235度、240度、245度、250度、255度、260度、265度、270度、275度、280度、285度、290度、300度、305度、310度、315度、320度、325度、330度、335度、340度、345度、350度又は355度も望ましい。切削先端部1632用カムスロット2016のプロファイルの垂直軸は、切削先端部1632の長手方向の変位量(存在する場合)である。筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544のプロファイルの垂直軸は、トリガ組立体(及びトリガピン1528)の長手方向の変位量である。
【0132】
[00239]
図22A~
図22Cにおいて、フォロアガイド1521の開口1565は破線として示され、カムスロット1544に対する開口1565の回転位置を示すために筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544のプロファイル上に置かれている。
図22A~
図22Cに示され、以下でより詳細に説明されるように、カムスロット1544に対する開口1565の回転位置はトリガ1508の作動中に変化する。
【0133】
[00240] 概して、トリガ1508の初期の作動、すなわち第1の作動(すなわち、ハンドル組立体が許すところまでトリガ1508を引き、次いで、トリガ1508を、その定位置へ戻すように解放すること)により、切削先端部1632及び筒形カムシリンダ1520には、結果として、一方向に(ハンドルから先端部を見たとき時計回りに)約254度の回転変位が生じる。また、第1の作動により、切削先端部1632は、回転するとき、外バンド1636から伸長し、次いで格納位置に戻る。トリガ1508の、後続の作動、すなわち第2の作動により、切削先端部1632及び筒形カムシリンダ1520には、結果として、反対方向に(ハンドルから先端部を見たとき反時計回りに)約254度の回転変位が生じる。また、第2の作動により、切削先端部1632は、回転するとき、外バンド1636から伸長し、次いで格納位置に戻る。追加の「奇数回目の」作動(すなわち第3の作動、第5の作動など)により、トリガ1508の第1の作動のときと同一のデバイス運動が生じ、追加の「偶数回目の」作動(すなわち第4の作動、第6の作動など)により、トリガ1508の第2の作動のときと同一のデバイス運動が生じる。
【0134】
[00241] 以下の議論は、筒形カムシリンダ1520の回転と、フォロアガイド1521の回転と、切削先端部1632の回転と、(トリガピン1528の位置を介しての)ハンドルの長手方向の移動と、及び切削先端部1632の長手方向の移動との間の相互作用について、より具体的に説明するものである。
【0135】
[00242] まず、
図22A、
図23A、
図23B、及び
図23Cを特に参照すると、以下は筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544の内部のトリガピン1528の位置BC1’~BC3’の説明である。これらの位置において、フォロアガイド1521は第1の相対回転阻止位置にあって筒形カムシリンダ1520とともに回転する。
BC1’ - トリガピン1528は、筒形カムシリンダ1520のカムスロットの内部の第1の定位置にある。トリガ組立体のトリガ1508もその定位置にある。
BC2’ - トリガピン1528は、近位方向における長手方向の移動を済ませており、それによって筒形カムシリンダ1520を時計回りの方向に回転させる。トリガピン1528は、フォロアガイド1521の開口1565の第1の対角線上に伸長する壁1567と係合する。
BC3’ - トリガピン1528は、近位方向における長手方向へのさらなる移動を済ませており、それによって筒形カムシリンダ1520を時計回りの方向へさらに回転させる。トリガピン1528は、フォロアガイド1521の開口1565の第1の長手方向に伸長する壁1571と係合する。
【0136】
[00243] 筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544の内部のトリガピン1528の位置BC1’~BC3’は、切削先端部1632のカムスロットの内部のガイドピン1640の位置CT1’~CT3’に対応する。以下は、切削先端部1632のカムスロットの内部のガイドピン1640の位置CT1’~CT3’の説明である。
CT1’ - ガイドピン1640は切削先端部1632のカムスロット2016の内部の第1の定位置にあり、切削先端部1632は外側シース組立体1602(外バンド1636を含む)の内部の後退位置にある。
CT2’ - 切削先端部1632は、カムスロット2016の内部のガイドピン1640に対して、時計回りの方向におけるその所定の回転の約半分を済ませている。切削先端部1632は、外側シース組立体1602の外部の、最も伸長した位置にある。
CT3’ - 切削先端部1632は、カムスロット2016の内部のガイドピン1640に対する時計回りの方向のさらなる回転を済ませている。切削先端部1632は、伸長位置と外側シース組立体1602の内部の後退位置との間の中間位置、又は外側シース組立体1602の内部の後退位置にある。
【0137】
[00244] トリガ1508の前述のような第1の作動を開始することにより、トリガピン1528は、その第1の定位置BC1’から筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544の交点1545(位置BC2’)へ移動する。この作用により、筒形カムシリンダ1520及び切削先端部1632は、時計回りの方向に約127度だけ回転する。トリガピン1528は、位置BC2’においてフォロアガイド1521の開口1565の第1の対角線上に伸長する壁1567と係合して、トリガピン1528が筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544の交点1545を通って真っすぐ進むことを保証する。言い方を変えれば、トリガピン1528は、カムスロット1544の第1のレッグ1547からカムスロット1544の第2のレッグ1549へ進む。さらに別の言い方に変えれば、フォロアガイド1521は、トリガピン1528が第1のレッグ1547及び第2のレッグ1549によって画定された第1のスロット部分を横断することを保証する。これは、筒形カムシリンダ1520が時計回りの方向に回転し続けることを保証する。フォロアガイド1521の開口1565の壁に対するトリガピン1528の係合は、フォロアガイド1521を、筒形カムシリンダ1520に対して時計回りの方向に回転させる傾向がある。しかしながら、そのような運動は、第1の相対回転阻止位置において相対回転阻止機構1575によって阻止される。
【0138】
[00245] トリガ1508の第1の作動を継続することにより、トリガピン1528は位置BC2’から位置BC3’へ移動する。この作用により、筒形カムシリンダ1520及び切削先端部1632は、時計回りの方向に約50度だけ回転する。トリガピン1528は、位置BC3’において、フォロアガイド1521の開口1565の第1の長手方向に伸長する壁1571と係合する。以下でより詳細に説明されるように、トリガピン1528が位置BC3’を過ぎて移動すると、フォロアガイド1521は筒形カムシリンダ1520に対して反時計回りの方向に回転する。
【0139】
[00246] 次に
図22B及び
図23Dを参照すると、以下は筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544の内部のトリガピン1528の位置BC4’~BC6’の説明である。これらの位置において、フォロアガイド1521は第2の相対回転阻止位置にあって筒形カムシリンダ1520とともに回転する。
BC4’ - トリガピン1528は、近位方向におけるその長手方向の移動のほぼ全体を済ませており、筒形カムシリンダ1520は、時計回りの方向の回転を完了している。フォロアガイド1521は、トリガピン1528による、第2の相対回転阻止位置までの回転を済ませている。
BC5’ - トリガピン1528は遠位方向における長手方向の移動を済ませている。筒形カムシリンダ1520は静止したままである。
BC6’ - トリガピン1528は、遠位方向における長手方向へのさらなる移動を済ませている。トリガピン1528は、筒形カムシリンダ1520のカムスロットの内部の第2の定位置にある。トリガ組立体のトリガ1508もその定位置にある。
【0140】
[00247] 筒形カムシリンダ1520のカムスロットの内部のトリガピン1528の位置BC4’~BC6’は、切削先端部1632のカムスロットの内部のガイドピン1640の位置CT4’~CT6’に対応する。以下は、切削先端部1632のカムスロットの内部のガイドピン1640の位置CT4’~CT6’の説明である。
CT4’ - 切削先端部1632は、カムスロット2016の内部のガイドピン1640に対する時計回りの方向の回転を完了している。切削先端部1632は、外側シース組立体1602の内部の、最も後退した位置にある。
CT5’(図示せず) - 切削先端部1632は位置CT4’に対して移動していない。
CT6’ - ガイドピン1640は切削先端部1632のカムスロット2016の内部の第2の定位置にあり、切削先端部1632は外側シース組立体1602(外バンド1636を含む)の内部の後退位置にある。
【0141】
[00248] トリガ1508の第1の作動を継続することにより、トリガピン1528は位置BC3’(
図22A)から位置BC4’へ移動する。この作用により、筒形カムシリンダ1520及び切削先端部1632は、時計回りの方向に約110度だけ回転する。また、この作用により、トリガピン1528が、フォロアガイド1521を、筒形カムシリンダ1520に対して反時計回りの方向に約110度だけ回転させる。すなわち、フォロアガイド1521は、第1の相対回転阻止位置から第2の相対回転阻止位置へ回転する。フォロアガイド1521は、第2の相対回転阻止位置において、トリガピン1528が、次に、その以前の経路と交差して、筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544の交点1545を通って真っすぐ進むことを保証するように配置される。
【0142】
[00249] トリガピン1528は、位置BC4’に到達した後、(たとえばトリガ1508を解放することによって)遠位方向へ移動される。この作用により、トリガピン1528は、位置BC4’から位置BC5’へ、次いで位置BC6’へと移動する。トリガピン1528が位置BC5’から位置BC6’へ移動するとき、筒形カムシリンダ1520及び切削先端部1632は反時計回りの方向に約33度だけ回転する。そのため、トリガピン1528が位置BC1’から位置BC6’へ移動するとき、筒形カムシリンダ1520及び切削先端部1632は時計回りの方向に約254度だけ回転変位する。トリガピン1528は、臨床医がトリガ1508の第2の作動を開始するまで、その第2の定位置である位置BC6’にとどまる。
【0143】
[00250] 次に
図22B、
図23E、及び
図23Fを参照すると、以下は筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544の内部のトリガピン1528の位置BC7’~BC8’の説明である。これらの位置において、フォロアガイド1521は第2の相対回転阻止位置にあって筒形カムシリンダ1520とともに回転する。
BC7’ - トリガピン1528は、近位方向における長手方向の移動を済ませており、それによって筒形カムシリンダ1520を反時計回りの方向に回転させる。トリガピン1528は、フォロアガイド1521の開口1565の第2の対角線上に伸長する壁1569と係合する。
BC8’ - トリガピン1528は、近位方向における長手方向へのさらなる移動を済ませており、それによって筒形カムシリンダ1520を反時計回りの方向へさらに回転させる。トリガピン1528は、フォロアガイド1521の開口1565の第2の長手方向に伸長する壁1573と係合する。
【0144】
[00251] 筒形カムシリンダ1520のカムスロットの内部のトリガピン1528の位置BC7’~BC8’は、切削先端部1632のカムスロットの内部のガイドピン1640の位置CT7’~CT8’に対応する。以下は、切削先端部1632のカムスロットの内部のガイドピン1640の位置CT7’~CT8’の説明である。
CT7’ - 切削先端部1632は、カムスロット2016の内部のガイドピン1640に対する反時計回りの方向の所定の回転の約半分を済ませている。切削先端部1632は、外側シース組立体1602の外部の、最も伸長した位置にある。
CT8’ - 切削先端部1632は、カムスロット2016の内部のガイドピン1640に対する反時計回りの方向のさらなる回転を済ませている。切削先端部1632は、伸長位置と外側シース組立体1602の内部の後退位置との間の中間位置、又は外側シース組立体1602の内部の後退位置にある。
【0145】
[00252] トリガ1508の前述のような第2の作動を開始することにより、トリガピン1528は、その第2の定位置BC6’から筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544の交点1545(位置BC7’)へ移動する。この作用により、筒形カムシリンダ1520及び切削先端部1632は、反時計回りの方向に127度だけ回転する。トリガピン1528は、位置BC7’においてフォロアガイド1521の開口1565の第2の対角線上に伸長する壁1569と係合して、トリガピン1528が筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544の交点1545を通って真っすぐ進むことを保証する。言い方を変えれば、トリガピン1528は、カムスロット1544の第3のレッグ1551からカムスロット1544の第4のレッグ1553へ進む。さらに別の言い方に変えれば、フォロアガイド1521は、トリガピン1528が第3のレッグ1551及び第4のレッグ1553によって画定された第2のスロット部分を横断することを保証する。これは、筒形カムシリンダ1520が反時計回りの方向に回転し続けることを保証する。フォロアガイド1521の開口1565の壁に対するトリガピン1528の係合は、フォロアガイド1521を、筒形カムシリンダ1520に対して反時計回りの方向に回転させる傾向がある。しかしながら、そのような運動は、第2の相対回転阻止位置において相対回転阻止機構1575によって阻止される。
【0146】
[00253] トリガ1508の第2の作動を継続することにより、トリガピン1528は位置BC7’から位置BC8’へ移動する。この作用により、筒形カムシリンダ1520及び切削先端部1632は、反時計回りの方向に50度だけさらに回転する。トリガピン1528は、位置BC8’においてフォロアガイド1521の開口1565の第2の長手方向に伸長する壁1573と係合する。以下でより詳細に説明されるように、トリガピン1528が位置BC8’を過ぎて移動すると、フォロアガイド1521は筒形カムシリンダ1520に対して反時計回りの方向に回転する。
【0147】
[00254] 次に
図22C及び
図23Aを参照すると、以下は筒形カムシリンダ1520のカムスロットの内部のトリガピン1528の位置BC9’~BC10’の説明である。これらの位置において、フォロアガイド1521は第1の相対回転阻止位置にあって筒形カムシリンダ1520とともに回転する。
BC9’ - トリガピン1528は近位方向におけるその長手方向の移動のほぼ全体を済ませており、筒形カムシリンダ1520は反時計回りの方向の回転を完了している。フォロアガイド1521は、トリガピン1528による、第1の相対回転阻止位置まで戻る回転を済ませている。
BC10’ - トリガピン1528は遠位方向における長手方向の移動を済ませている。筒形カムシリンダ1520は静止したままである。
【0148】
[00255] 筒形カムシリンダ1520のカムスロットの内部のトリガピン1528の位置BC9’~BC10’は、切削先端部1632のカムスロットの内部のガイドピン1640の位置CT9’~CT10’に対応する。以下は、切削先端部1632のカムスロットの内部のガイドピン1640の位置CT9’~CT10’の説明である。
CT9’ - 切削先端部1632は、カムスロット2016の内部のガイドピン1640に対する反時計回りの方向の回転を完了している。切削先端部1632は、外側シース組立体1602の内部の、最も後退した位置にある。
CT10’(図示せず) - 切削先端部1632は位置CT9’に対して移動していない。
【0149】
[00256] トリガ1508の第2の作動を継続することにより、トリガピン1528は位置BC8’(
図22B)から位置BC9’へ移動する。この作用により、筒形カムシリンダ1520及び切削先端部1632は、反時計回りの方向に110度だけさらに回転する。また、この作用により、トリガピン1528が、フォロアガイド1521を、筒形カムシリンダ1520に対して時計回りの方向に100度だけ回転させる。すなわち、フォロアガイド1521は、第2の相対回転阻止位置から第1の相対回転阻止位置へ回転して戻る。フォロアガイド1521は、再び第1の相対回転阻止位置において、トリガピン1528が、次に、その以前の経路と交差して、筒形カムシリンダ1520のカムスロット1544の交点1545を通って真っすぐ進むことを保証するように配置される。
【0150】
[00257] トリガピン1528が、位置BC9’に到達した後、トリガ1508は(たとえばトリガ1508を解放することによって)遠位方向へ移動される。この作用により、トリガピン1528は、位置BC9’から位置BC10’へ、次いで位置BC1’へと移動する。トリガピン1528が位置BC10’から位置BC1’へ移動するとき、筒形カムシリンダ1520及び切削先端部1632は時計回りの方向に約33度だけ回転する。そのため、トリガピン1528が位置BC6’から位置BC1’へ移動するとき、筒形カムシリンダ1520及び切削先端部1632は反時計回りの方向に約254度だけ回転変位する。
【0151】
[00258] トリガピン1528は、臨床医がトリガ1508の第3の作動を開始するまで、その第1の定位置である位置BC1’にとどまる。前述のように、トリガ1508の追加の「奇数回目の」作動(すなわち第3の作動、第5の作動など)により、トリガ1508の第1の作動のときと同一のデバイス運動が生じ、トリガ1508の追加の「偶数回目の」作動(すなわち第4の作動、第6の作動など)により、トリガ1508の第2の作動のときと同一のデバイス運動が生じる。
【0152】
[00259] 次に
図24~
図28を参照すると、例示の筒形カム組立体2419が表されている。筒形カム組立体2419は、筒形カム組立体1519の代わりに、上記で説明された手術デバイス1206などの手術デバイスとともに使用される。筒形カム組立体2419は、フォロアガイド2421を回転可能に搬送する筒形カムシリンダ2420を含む。筒形カムシリンダ2420及びフォロアガイド2421は、相対回転阻止機構を例外として、それぞれ本明細書で説明された筒形カムシリンダ及びフォロアガイドの任意のもの(たとえば、それぞれカム溝1544及びフォロア開口1565)と同一の特徴を有する。
【0153】
[00260] 筒形カム組立体2419は、筒形カムシリンダ2420に対するフォロアガイド2421のいくらかの回転を阻止する相対回転阻止機構2475を含む。概して、相対回転阻止機構2475は、フォロアガイド2421が、第1の相対回転阻止位置(簡単さのために「第1のロック位置」と称する)から第2の相対回転阻止位置(簡単さのために「第2のロック位置」と称する)へ、またその逆に、移動することを可能にする。第1のロック位置において、機構2475は、当初はフォロアガイド2421が筒形カムシリンダ2420に対して第1の方向に(すなわち第2のロック位置の方へ)回転するのを阻止し、それから、フォロアガイド2421の、筒形カムシリンダ2420に対する第2の方向の回転を阻止する。第2のロック位置において、機構2475は、当初はフォロアガイド2421が筒形カムシリンダ2420に対して第2の方向に(すなわち第1のロック位置の方へ)回転するのを阻止し、それから、フォロアガイド2421の、筒形カムシリンダ2420に対する第1の方向の回転を阻止する。
【0154】
[00261] 相対回転阻止機構2475は、筒形カムシリンダ2420の近位端の近くに形成されて半径方向に外へ突出る突起2402を含む。突起2402は、機械加工プロセスにおいて筒形カムシリンダ2420上に形成される。突起2402は、近位に面する湾曲した凹部2404を含む。突起2402は、第1の横方向に面する係合面2406及び第2の横方向に面する係合面2408も含む。
【0155】
[00262] 相対回転阻止機構2475は、第1のバネピン2410、第2のバネピン2412(
図25を参照されたい)、第1の横方向に面する係合面2413、及びフォロアガイド2421の近位端の近くに形成された第2の横方向に面する係合面2414(
図25を参照されたい)も含む。バネピン2410、2412、係合面2413、2414は、フォロアガイド2421上にレーザ切削プロセスで形成される。
【0156】
[00263] 第1のバネピン2410は、フォロアガイド2421の残りから片持ちになっており、フォロアガイド2421の周囲のまわりで部分的に伸長する。第1のバネピン2410に含まれる湾曲した先端2418が、突起2402の湾曲した凹部2404と選択的に係合して、筒形カムシリンダ2420に対するフォロアガイド2421の回転を阻止する。この態様は、以下でより詳細に説明される。いくつかの実施形態では、湾曲した先端2418は、約0.040インチの半径と、突起2402の湾曲した凹部2404に対する0.015インチの締り嵌めとを有する。そのような寸法により、第1のバネピン2410の、突起2402に対する固定とスライド式分離との両方が容易になる。
【0157】
[00264] 第2のバネピン2412は、フォロアガイド2421の残りから片持ちになっている。第2のバネピン2412は、フォロアガイド2421の周囲のまわりに部分的に伸長し、第1のバネピン2410と円周方向で向かい合って面する。第2のバネピン2412に含まれる湾曲した先端2422が、突起2402の湾曲した凹部2404と選択的に係合して、筒形カムシリンダ2420に対するフォロアガイド2421の回転を阻止する。この態様は、以下でより詳細に説明される。いくつかの実施形態では、湾曲した先端2422は、約0.040インチの半径と、突起2402の湾曲した凹部2404に対する0.015インチの締り嵌めとを有する。そのような寸法により、第2のバネピン2412の、突起2402に対する固定とスライド式分離との両方が容易になる。
【0158】
[00265] 第1のバネピン2410及び第2のバネピン2412と突起2402との相互作用と、結果として生じる、筒形カムシリンダ2420に対するフォロアガイド2421の運動とが、
図22A~
図22Cに示されたカムスロット及び開口プロファイルを参照しながら説明される。まず
図22Aを参照すると、トリガ組立体の第1の作動のとき、トリガピンは当初は位置BC1’からBC3’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、第1のバネピン2410の湾曲した先端2418が突起2402の湾曲した凹部2404と係合しているため、フォロアガイド2421は筒形カムシリンダ2420と一緒に回転する。言い方を変えれば、第1のバネピン2410は、フォロアガイド2421を当初は筒形カムシリンダ2420に対する第1のロック位置に維持するように突起2402と係合する。
【0159】
[00266]
図22Bを参照すると、トリガ組立体の第1の作動を継続することにより、トリガピンは位置BC3’からBC4’へ移動する。トリガピンは、位置BC3’においてフォロアガイドの開口の壁と係合する。トリガピンが位置BC4’に向けて移動することによってフォロアガイド2421に力を加えることにより、第1のバネピン2410の湾曲した先端2418が、突起2402の湾曲した凹部2404に対してスリップして分離する。その結果、フォロアガイド2421は、「ロック解除され」て、トリガピンが位置BC3’からBC4’へ移動するとき筒形カムシリンダ2420に対して回転する。トリガピンが位置BC4’に近づくとき、第2のバネピン2412の湾曲した先端2422は、突起2402の湾曲した凹部2404に対してスリップして係合する。それによって、フォロアガイド2421は、筒形カムシリンダ2420に対する第2のロック位置に入る。
【0160】
[00267] ユーザがトリガ組立体を解放したとき、トリガピンは位置BC4’からBC6’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、第2のバネピン2412の湾曲した先端2422が突起2402の湾曲した凹部2404と係合しているため、フォロアガイド2421は筒形カムシリンダ2420と一緒に回転する。言い方を変えれば、トリガ組立体の第1の作動の後に、第2のバネピン2412は、フォロアガイド2421を筒形カムシリンダ2420に対する第2のロック位置に維持するように突起2402と係合する。
【0161】
[00268] さらに
図22Bを参照すると、トリガ組立体の第2の作動のとき、トリガピンは当初は位置BC6’からBC8’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、第2のバネピン2412の湾曲した先端2422が突起2402の湾曲した凹部2404と係合しているため、フォロアガイド2421は筒形カムシリンダ2420と一緒に回転する。言い方を変えれば、第2のバネピン2412は、フォロアガイド2421を当初は筒形カムシリンダ2420に対する第2のロック位置に維持するように突起2402と係合する。
【0162】
[00269]
図22Cを参照すると、トリガ組立体の第2の作動を継続することにより、トリガピンは位置BC8’からBC9’へ移動する。トリガピンは、位置BC8’においてフォロアガイドの開口の壁と係合する。トリガピンが位置BC9’に向けて移動することによってフォロアガイド2421に力を加えることにより、第2のバネピン2412の湾曲した先端2422が、突起2402の湾曲した凹部2404に対してスリップして分離する。その結果、フォロアガイド2421は、「ロック解除され」て、トリガピンが位置BC8’からBC9’へ移動するとき筒形カムシリンダ2420に対して回転する。トリガピンが位置BC9’に近づくとき、第1のバネピン2410の湾曲した先端2418は、突起2402の湾曲した凹部2404に対してスリップして係合する。それによって、フォロアガイド2421は、筒形カムシリンダ2420に対する第1のロック位置に戻る。
【0163】
[00270] ユーザがトリガ組立体を解放したとき、トリガピンは位置BC9’からBC1’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、第1のバネピン2410の湾曲した先端2418が突起2402の湾曲した凹部2404と係合しているため、フォロアガイド2421は筒形カムシリンダ2420と一緒に回転する。言い方を変えれば、トリガ組立体の第2の作動の後に、第1のバネピン2410は、フォロアガイド2421を筒形カムシリンダ2420に対する第1のロック位置に維持するように突起2402と係合する。
【0164】
[00271] 加えて、
図24に示されるように、フォロアガイド2421の第1の係合面2413は、第1のロック位置において突起2402の第1の係合面2406と係合して、フォロアガイド2421が第2のロック位置から離れる方向に回転するのを阻止する。フォロアガイド2421の第2の係合面2414は、第2のロック位置において突起2402の第2の係合面2408と係合して、フォロアガイド2421が第1のロック位置から離れる方向に回転するのを阻止する。
【0165】
[00272] 次に
図29~
図30を参照すると、例示の筒形カム組立体2919が表されている。筒形カム組立体2919は、筒形カム組立体1519の代わりに、上記で説明された手術デバイス1206などの手術デバイスとともに使用される。筒形カム組立体2919は、フォロアガイド2921を回転可能に搬送する筒形カムシリンダ2920を含む。筒形カムシリンダ2920及びフォロアガイド2921は、相対回転阻止機構を例外として、それぞれ本明細書で説明された筒形カムシリンダ及びフォロアガイドの任意のもの(たとえば、それぞれカム溝1544及びフォロア開口1565)と同一の特徴を有する。
【0166】
[00273] 筒形カム組立体2919は、筒形カムシリンダ2920に対するフォロアガイド2921のいくらかの回転を阻止する相対回転阻止機構2975を含む。概して、相対回転阻止機構2975は、フォロアガイド2921が、第1の相対回転阻止位置(簡単さのために「第1のロック位置」と称する)から第2の相対回転阻止位置(簡単さのために「第2のロック位置」と称する)へ、またその逆に、移動することを可能にする。第1のロック位置において、機構2975は、当初はフォロアガイド2921が筒形カムシリンダ2920に対して第1の方向に(すなわち第2のロック位置の方へ)回転するのを阻止し、それから、フォロアガイド2921の、筒形カムシリンダ2920に対する第2の方向の回転を阻止する。第2のロック位置において、機構2975は、当初はフォロアガイド2921が筒形カムシリンダ2920に対して第2の方向に(すなわち第1のロック位置の方へ)回転するのを阻止し、それから、フォロアガイド2921の、筒形カムシリンダ2920に対する第1の方向の回転を阻止する。
【0167】
[00274] 相対回転阻止機構2975は、筒形カムシリンダ2920の近位端の近くに搬送される、半径方向に外へ突出る突起2902を含む。ピン2902は、筒形カムシリンダ2920に対して様々なやり方で結合される。たとえば、ピン2902は、筒形カムシリンダ2920上に形成された穴に圧入され、又は接着される。いくつかの実施形態では、相対回転阻止機構2975は、筒形カムシリンダ2920の近位端の近くに形成された半径方向に外向きの湾曲した凹部2904も含む。湾曲した凹部2904は、筒形カムシリンダ2920の長手軸のまわりで、ピン2902から角をなしてオフセットされる。
【0168】
[00275] 相対回転阻止機構2975は、バネアーム2908、第1の横方向に面する係合面2913、及びフォロアガイド2921の近位端の近くに形成された第2の横方向に面する係合面2914も含む。
【0169】
[00276] バネアーム2908は、第1の終端において、フォロアガイド2921の残りからの片持ばりである。バネアーム2908は、反対端において、半径方向に内向きの湾曲したフィンガ2910を含む。フィンガ2910は、筒形カムシリンダ2920の湾曲した凹部2904と選択的に係合して、筒形カムシリンダ2920に対するフォロアガイド2921の回転を阻止する。この態様は、以下でより詳細に説明される。
【0170】
[00277] バネアーム2908と筒形カムシリンダ2920の相互作用と、結果として生じる、筒形カムシリンダ2920に対するフォロアガイド2921の運動とが、
図22A~
図22Cに示されたカムスロット及び開口プロファイルを参照しながら説明される。まず
図22Aを参照すると、トリガ組立体の第1の作動のとき、トリガピンは当初は位置BC1’からBC3’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フィンガ2910が筒形カムシリンダ2920の湾曲した凹部2904と係合しているため、フォロアガイド2921は筒形カムシリンダ2920と一緒に回転する。言い方を変えれば、フィンガ2910は、フォロアガイド2921を当初は筒形カムシリンダ2920に対する第1のロック位置に維持するように、湾曲した凹部2904と係合する。
【0171】
[00278]
図22Bを参照すると、トリガ組立体の第1の作動を継続することにより、トリガピンは位置BC3’からBC4’へ移動する。トリガピンは、位置BC3’においてフォロアガイドの開口の壁と係合する。トリガピンが位置BC4’に向けて移動することによってフォロアガイド2921に力を加えることにより、フィンガ2910が、筒形カムシリンダ2920の湾曲した凹部2904に対してスリップして分離する。その結果、フォロアガイド2921は、「ロック解除され」て、トリガピンが位置BC3’からBC4’へ移動するとき筒形カムシリンダ2920に対して回転する。フィンガ2910は、フォロアガイド2921が筒形カムシリンダ2920に対して回転するとき、筒形カムシリンダ2920の外表面に対してスリップして係合する。トリガピンが位置BC4’に近づくとき、フィンガ2910は、筒形カムシリンダ2920の湾曲した凹部2904と係合したままである。それによって、フォロアガイド2921は、筒形カムシリンダ2920に対する第2のロック位置に入る。
【0172】
[00279] ユーザがトリガ組立体を解放したとき、トリガピンは位置BC4’からBC6’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フィンガ2910が筒形カムシリンダ2920の外表面と係合しているため、フォロアガイド2921は筒形カムシリンダ2920と一緒に回転する。言い方を変えれば、トリガ組立体の第1の作動の後に、フィンガ2910は、フォロアガイド2921を筒形カムシリンダ2920に対する第2のロック位置に維持するように、筒形カムシリンダ2920の外表面と係合したままである。
【0173】
[00280] さらに
図22Bを参照すると、トリガ組立体の第2の作動のとき、トリガピンは当初は位置BC6’からBC8’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フィンガ2910と筒形カムシリンダ2920の外表面との間の摩擦力ために、フォロアガイド2921は筒形カムシリンダ2920と一緒に回転する。言い方を変えれば、フィンガ2910は、フォロアガイド2921を当初は筒形カムシリンダ2920に対する第2のロック位置に維持するように、筒形カムシリンダ2920の外表面と係合する。
【0174】
[00281]
図22Cを参照すると、トリガ組立体の第2の作動を継続することにより、トリガピンは位置BC8’からBC9’へ移動する。トリガピンは、位置BC8’においてフォロアガイドの開口の壁と係合する。トリガピンは、位置BC9’に向けて移動することにより、フォロアガイド2921に対して、フィンガ2910と筒形カムシリンダ2920の外表面との間の摩擦力を克服する力を加える。その結果、フィンガ2910が筒形カムシリンダ2920の外表面に対してスリップし、フォロアガイド2921は「ロック解除され」て、トリガピンが位置BC8’からBC9’へ移動するとき筒形カムシリンダ2920に対して回転する。トリガピンが位置BC9’に近づくとき、フィンガ2910は、筒形カムシリンダ2920の湾曲した凹部2904に対してスリップして係合する。それによって、フォロアガイド2921は、筒形カムシリンダ2920に対する第1のロック位置に戻る。
【0175】
[00282] ユーザがトリガ組立体を解放したとき、トリガピンは位置BC9’からBC1’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フィンガ2910が筒形カムシリンダ2920の湾曲した凹部2904と係合しているため、フォロアガイド2921は筒形カムシリンダ2920と一緒に回転する。言い方を変えれば、トリガ組立体の第2の作動の後に、フィンガ2910は、フォロアガイド2921を筒形カムシリンダ2920に対する第1のロック位置に維持するようにピン2902と係合する。
【0176】
[00283] 加えて、
図29に示されるように、フォロアガイド2921の第1の係合面2913は、第1のロック位置において筒形カムシリンダ2920のピン2902と係合して、フォロアガイド2921が第2のロック位置から離れる方向に回転するのを阻止する。フォロアガイド2921の第2の係合面2914は、第2のロック位置においてピン2902と係合して、フォロアガイド2921が第1のロック位置から離れる方向に回転するのを阻止する。
【0177】
[00284] いくつかの実施形態では、筒形カムシリンダ2920に含まれる第2の半径方向に外向きの湾曲した凹部(図示せず)が、フォロアガイド2921の第2のロック位置においてフィンガ2910を受ける。いくつかの実施形態では、筒形カムシリンダ2920には、半径方向に外向きの湾曲した凹部がない。代わりに、フィンガ2910は、第1のロック位置と、第2のロック位置と、ロック解除された位置とにおいて、筒形カムシリンダ2920の外表面と係合したままである。
【0178】
[00285] 次に
図31を参照すると、例示の筒形カム組立体3119が表されている。筒形カム組立体3119は、筒形カム組立体1519の代わりに、上記で説明された手術デバイス1206などの手術デバイスとともに使用される。筒形カム組立体3119は、フォロアガイド3121を回転可能に搬送する筒形カムシリンダ3120を含む。筒形カムシリンダ3120及びフォロアガイド3121は、相対回転阻止機構を例外として、それぞれ本明細書で説明された筒形カムシリンダ及びフォロアガイドの任意のもの(たとえば、それぞれカム溝1544及びフォロア開口1565)と同一の特徴を有する。
【0179】
[00286] 筒形カム組立体3119は、筒形カムシリンダ3120に対するフォロアガイド3121のいくらかの回転を阻止する相対回転阻止機構3175を含む。概して、相対回転阻止機構3175は、フォロアガイド3121が、第1の相対回転阻止位置(簡単さのために「第1のロック位置」と称する)から第2の相対回転阻止位置(簡単さのために「第2のロック位置」と称する)へ、またその逆に、移動することを可能にする。第1のロック位置において、機構3175は、当初はフォロアガイド3121が筒形カムシリンダ3120に対して第1の方向に(すなわち第2のロック位置の方へ)回転するのを阻止し、それから、フォロアガイド3121の、筒形カムシリンダ3120に対する第2の方向の回転を阻止する。第2のロック位置において、機構3175は、当初はフォロアガイド3121が筒形カムシリンダ3120に対して第2の方向に(すなわち第1のロック位置の方へ)回転するのを阻止し、それから、フォロアガイド3121の、筒形カムシリンダ3120に対する第1の方向の回転を阻止する。
【0180】
[00287] 相対回転阻止機構3175は、筒形カムシリンダ3120の近位端の近くに搬送される、半径方向に外へ突出る突起ピン3102を含む。ピン3102は、筒形カムシリンダ3120に対して様々なやり方で結合される。たとえば、ピン3102は、筒形カムシリンダ3120上に形成された穴に圧入され、又は接着される。
【0181】
[00288] 相対回転阻止機構3175は、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110も含む。第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110は、筒形カムシリンダ3120の外表面に形成された円筒状の止まり穴に固定して収容される。第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110は、この穴から突出して、フォロアガイド3121の内表面と係合する。そのため、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110は、筒形カムシリンダ3120とフォロアガイド3121との間の摩擦係合を促進する。
【0182】
[00289] いくつかの実施形態では、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110は、筒形カムシリンダ3120上の穴に圧入される。いくつかの実施形態では、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110は、それぞれ筒形カムシリンダ3120の近位端及び遠位端の近くに配設される。いくつかの実施形態では、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110は、鋼、ポリエチレンなどから形成される。いくつかの実施形態では、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110は、玉軸受の転動体すなわちボールに類似している。
【0183】
[00290] 相対回転阻止機構3175は、第1の横方向に面する係合面3113、及びフォロアガイド3121の近位端の近くに形成された第2の横方向に面する係合面3114をさらに含む。
【0184】
[00291] いくつかの実施形態では、相対回転阻止機構3175は、フォロアガイド3121上に形成された貫通穴3112をさらに含む。貫通穴3112は、第1の球状要素3108の直径よりも小さい直径を有する。貫通穴3112は、フォロアガイド3121の第1のロック位置において第1の球状要素3108を受ける。貫通穴3112に第1の球状要素3108が入ると、デバイスのユーザに触覚フィードバックをもたらす。
【0185】
[00292] 第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110とフォロアガイド3121との相互作用と、結果として生じる、筒形カムシリンダ3120に対するフォロアガイド3121の運動とが、
図22A~
図22Cに示されたカムスロット及び開口プロファイルを参照しながら説明される。まず
図22Aを参照すると、トリガ組立体の第1の作動のとき、トリガピンは当初は位置BC1’からBC3’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フォロアガイド3121は、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110とフォロアガイド3121との間の摩擦力によって筒形カムシリンダ3120と一緒に回転する。言い方を変えれば、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110は、フォロアガイド3121を当初は筒形カムシリンダ3120に対する第1のロック位置に維持する。
【0186】
[00293]
図22Bを参照すると、トリガ組立体の第1の作動を継続することにより、トリガピンは位置BC3’からBC4’へ移動する。トリガピンは、位置BC3’においてフォロアガイドの開口の壁と係合する。トリガピンは、位置BC4’に向けて移動することにより、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110とフォロアガイド3121との間の摩擦力を克服する力をフォロアガイド3121に加える。その結果、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110がフォロアガイド3121に対してスリップし、フォロアガイド3121は「ロック解除され」て、トリガピンが位置BC3’からBC4’へ移動するとき筒形カムシリンダ3120に対して回転する。トリガピンは、位置BC4’に到達したとき、もはやフォロアガイド3121に力を加えない。
【0187】
[00294] ユーザがトリガ組立体を解放したとき、トリガピンは位置BC4’からBC6’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フォロアガイド3121は、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110とフォロアガイド3121との間の摩擦力によって筒形カムシリンダ3120と一緒に回転する。言い方を変えれば、トリガ組立体の第1の作動の後に、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110は、フォロアガイド3121を筒形カムシリンダ3120に対する第2のロック位置に維持する。
【0188】
[00295] さらに
図22Bを参照すると、トリガ組立体の第2の作動のとき、トリガピンは当初は位置BC6’からBC8’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フォロアガイド3121は、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110とフォロアガイド3121との間の摩擦力によって筒形カムシリンダ3120と一緒に回転する。言い方を変えれば、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110は、フォロアガイド3121を当初は筒形カムシリンダ3120に対する第2のロック位置に維持する。
【0189】
[00296]
図22Cを参照すると、トリガ組立体の第2の作動を継続することにより、トリガピンは位置BC8’からBC9’へ移動する。トリガピンは、位置BC8’においてフォロアガイドの開口の壁と係合する。トリガピンは、位置BC9’に向けて移動することにより、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110とフォロアガイド3121との間の摩擦力を克服する力をフォロアガイド3121に加える。その結果、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110がフォロアガイド3121に対してスリップし、フォロアガイド3121は「ロック解除され」て、トリガピンが位置BC8’からBC9’へ移動するとき筒形カムシリンダ3120に対して回転する。トリガピンは、位置BC9’に到達したとき、もはやフォロアガイド3121に力を加えない。
【0190】
[00297] ユーザがトリガ組立体を解放したとき、トリガピンは位置BC9’からBC1’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フォロアガイド3121は、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110とフォロアガイド3121との間の摩擦力によって筒形カムシリンダ3120と一緒に回転する。言い方を変えれば、トリガ組立体の第2の作動の後に、第1の球状要素3108及び第2の球状要素3110は、フォロアガイド3121を筒形カムシリンダ3120に対する第1のロック位置に維持する。
【0191】
[00298] 加えて、
図31に示されるように、フォロアガイド3121の第1の係合面3113は、第1のロック位置において筒形カムシリンダ3120のピン3102と係合して、フォロアガイド3121が第2のロック位置から離れる方向に回転するのを阻止する。フォロアガイド3121の第2の係合面3114は、第2のロック位置においてピン3102と係合して、フォロアガイド3121が第1のロック位置から離れる方向に回転するのを阻止する。
【0192】
[00299] いくつかの実施形態では、筒形カム組立体3119は1つの球状要素又は3つ以上の球状要素を含む。いくつかの実施形態では、球状要素3108及び/又は球状要素3110のうち1つ又は複数は、第1のロック位置及び/又は第2のロック位置において、フォロアガイド3121上に形成された貫通穴に収容される。貫通穴に球状要素が入ると、デバイスのユーザに触覚フィードバックをもたらす。
【0193】
[00300] 次に
図32を参照すると、例示の筒形カム組立体3219が表されている。筒形カム組立体3219は、筒形カム組立体1519の代わりに、上記で説明された手術デバイス1206などの手術デバイスとともに使用される。筒形カム組立体3219は、フォロアガイド3221を回転可能に搬送する筒形カムシリンダ3220を含む。筒形カムシリンダ3220及びフォロアガイド3221は、相対回転阻止機構を例外として、それぞれ本明細書で説明された筒形カムシリンダ及びフォロアガイドの任意のもの(たとえば、それぞれカム溝1544及びフォロア開口1565)と同一の特徴を有する。
【0194】
[00301] 筒形カム組立体3219は、筒形カムシリンダ3220に対するフォロアガイド3221のいくらかの回転を阻止する相対回転阻止機構3275を含む。概して、相対回転阻止機構3275は、フォロアガイド3221が、第1の相対回転阻止位置(簡単さのために「第1のロック位置」と称する)から第2の相対回転阻止位置(簡単さのために「第2のロック位置」と称する)へ、またその逆に、移動することを可能にする。第1のロック位置において、機構3275は、当初はフォロアガイド3221が筒形カムシリンダ3220に対して第1の方向に(すなわち第2のロック位置の方へ)回転するのを阻止し、それから、フォロアガイド3221の、筒形カムシリンダ3220に対する第2の方向の回転を阻止する。第2のロック位置において、機構3275は、当初はフォロアガイド3221が筒形カムシリンダ3220に対して第2の方向に(すなわち第1のロック位置の方へ)回転するのを阻止し、それから、フォロアガイド3221の、筒形カムシリンダ3220に対する第1の方向の回転を阻止する。
【0195】
[00302] 相対回転阻止機構3275は、フォロアガイド3221の近位端の近くに形成された、長手方向に伸長するタブ3277を含む。タブ3277は、筒形カムシリンダ3220の近位端の近くに形成された半環状フランジ3279と係合する。
図31に示されるように、タブ3277は、第1のロック位置においてフランジ3279の一方の面と係合して、フォロアガイド3221が第2のロック位置から離れる方向に回転するのを阻止する。タブ3277は、第2のロック位置においてフランジ3279の他方の面と係合して、フォロアガイド3221が第1のロック位置から離れる方向に回転するのを阻止する。
【0196】
[00303] 相対回転阻止機構3275は、筒形カムシリンダ3220によって固定して搬送される摩擦要素3208も含む。摩擦要素3208は、フォロアガイド3221と係合して、筒形カムシリンダ3220とフォロアガイド3221との間に摩擦係合をもたらす。いくつかの実施形態では、摩擦要素3208は、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ナイロンなどで形成される。いくつかの実施形態では、摩擦要素3208は、円板形状、スプリングワッシャ形状、又はウェーブワッシャ形状を有する。いくつかの実施形態では、摩擦要素3208は筒形カムシリンダ3220に対して接着される。
【0197】
[00304] 摩擦要素3208とフォロアガイド3221の相互作用と、結果として生じる、筒形カムシリンダ3220に対するフォロアガイド3221の運動とが、
図22A~
図22Cに示されたカムスロット及び開口プロファイルを参照しながら説明される。まず
図22Aを参照すると、トリガ組立体の第1の作動のとき、トリガピンは当初は位置BC1’からBC3’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フォロアガイド3221は、摩擦要素3208とフォロアガイド3221との間の摩擦力によって筒形カムシリンダ3220と一緒に回転する。言い方を変えれば、摩擦要素3208は、フォロアガイド3221を当初は筒形カムシリンダ3220に対する第1のロック位置に維持する。
【0198】
[00305]
図22Bを参照すると、トリガ組立体の第1の作動を継続することにより、トリガピンは位置BC3’からBC4’へ移動する。トリガピンは、位置BC3’においてフォロアガイドの開口の壁と係合する。トリガピンは、位置BC4’に向けて移動することにより、摩擦要素3208とフォロアガイド3221との間の摩擦力を克服する力をフォロアガイド3221に加える。その結果、摩擦要素3208がフォロアガイド3221に対してスリップし、フォロアガイド3221は「ロック解除され」て、トリガピンが位置BC3’からBC4’へ移動するとき筒形カムシリンダ3220に対して回転する。トリガピンは、位置BC4’に到達したとき、もはやフォロアガイド3221に力を加えない。
【0199】
[00306] ユーザがトリガ組立体を解放したとき、トリガピンは位置BC4’からBC6’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フォロアガイド3221は、摩擦要素3208とフォロアガイド3221との間の摩擦力によって筒形カムシリンダ3220と一緒に回転する。言い方を変えれば、トリガ組立体の第1の作動の後に、摩擦要素3208は、フォロアガイド3221を筒形カムシリンダ3220に対する第2のロック位置に維持する。
【0200】
[00307] さらに
図22Bを参照すると、トリガ組立体の第2の作動のとき、トリガピンは当初は位置BC6’からBC8’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フォロアガイド3221は、摩擦要素3208とフォロアガイド3221との間の摩擦力によって筒形カムシリンダ3220と一緒に回転する。言い方を変えれば、摩擦要素3208は、フォロアガイド3221を当初は筒形カムシリンダ3220に対する第2のロック位置に維持する。
【0201】
[00308]
図22Cを参照すると、トリガ組立体の第2の作動を継続することにより、トリガピンは位置BC8’からBC9’へ移動する。トリガピンは、位置BC8’においてフォロアガイドの開口の壁と係合する。トリガピンは、位置BC9’に向けて移動することにより、摩擦要素3208とフォロアガイド3221との間の摩擦力を克服する力をフォロアガイド3221に加える。その結果、摩擦要素3208がフォロアガイド3221に対してスリップし、フォロアガイド3221は「ロック解除され」て、トリガピンが位置BC8’からBC9’へ移動するとき筒形カムシリンダ3220に対して回転する。トリガピンは、位置BC9’に到達したとき、もはやフォロアガイド3221に力を加えない。
【0202】
[00309] ユーザがトリガ組立体を解放したとき、トリガピンは位置BC9’からBC1’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フォロアガイド3221は、摩擦要素3208とフォロアガイド3221の間の摩擦力によって筒形カムシリンダ3220と一緒に回転する。言い方を変えれば、トリガ組立体の第2の作動の後に、摩擦要素3208は、フォロアガイド3221を筒形カムシリンダ3220に対する第1のロック位置に維持する。
【0203】
[00310] いくつかの実施形態では、筒形カムシリンダ3220は複数の摩擦要素を固定して搬送する。いくつかの実施形態では、フォロアガイド3221は、筒形カムシリンダ3220の外表面と係合する1つ又は複数の摩擦要素を固定して搬送する。
【0204】
[00311] 次に
図33及び
図34を参照すると、例示の筒形カム組立体3319が表されている。筒形カム組立体3319は、筒形カム組立体1519の代わりに、上記で説明された手術デバイス1206などの手術デバイスとともに使用される。筒形カム組立体3319は、フォロアガイド3321を回転可能に搬送する筒形カムシリンダ3320を含む。筒形カムシリンダ3320及びフォロアガイド3321は、相対回転阻止機構を例外として、それぞれ本明細書で説明された筒形カムシリンダ及びフォロアガイドの任意のもの(たとえば、それぞれカム溝1544及びフォロア開口1565)と同一の特徴を有する。
【0205】
[00312] 筒形カム組立体3319は、筒形カムシリンダ3320に対するフォロアガイド3321のいくらかの回転を阻止する相対回転阻止機構3375を含む。概して、相対回転阻止機構3375は、フォロアガイド3321が、第1の相対回転阻止位置(簡単さのために「第1のロック位置」と称する)から第2の相対回転阻止位置(簡単さのために「第2のロック位置」と称する)へ、またその逆に、移動することを可能にする。第1のロック位置において、機構3375は、当初はフォロアガイド3321が筒形カムシリンダ3320に対して第1の方向に(すなわち第2のロック位置の方へ)回転するのを阻止し、それから、フォロアガイド3321の、筒形カムシリンダ3320に対する第2の方向の回転を阻止する。第2のロック位置において、機構3375は、当初はフォロアガイド3321が筒形カムシリンダ3320に対して第2の方向に(すなわち第1のロック位置の方へ)回転するのを阻止し、それから、フォロアガイド3321の、筒形カムシリンダ3320に対する第1の方向の回転を阻止する。
【0206】
[00313] 相対回転阻止機構3375は、フォロアガイド3321の近位端の近くに形成された、長手方向に伸長するタブ3377を含む。タブ3377は、筒形カムシリンダ3320の近位端の近くに形成された半環状フランジ3379と係合する。
図33及び
図34に示されるように、タブ3377は、第1のロック位置においてフランジ3379の一方の面と係合して、フォロアガイド3321が第2のロック位置から離れる方向に回転するのを阻止する。タブ3377は、第2のロック位置においてフランジ3379の他方の面と係合して、フォロアガイド3321が第1のロック位置から離れる方向に回転するのを阻止する。
【0207】
[00314] 相対回転阻止機構3375は、筒形カムシリンダ3320によって固定して搬送される第1の磁気要素3308も含む。第1の磁気要素3308は磁石であるか、又は磁石に引きつけられる1つ又は複数の強磁性体(たとえば鋼)から形成されたものである。相対回転阻止機構3375は、フォロアガイド3321によって固定して搬送される第2の磁気要素3310及び第3の磁気要素3312をさらに含む。第2の磁気要素3310及び第3の磁気要素3312は磁石であるか、或いは、第1の磁気要素3308が磁石である場合には、磁石に引きつけられる1つ又は複数の強磁性体(たとえば鋼)から形成されたものである。
【0208】
[00315] 第1の磁気要素3308と第2の磁気要素3310及び第3の磁気要素3312との相互作用と、結果として生じる、筒形カムシリンダ3320に対するフォロアガイド3321の運動とが、
図22A~
図22Cに示されたカムスロット及び開口プロファイルを参照しながら説明される。まず
図22Aを参照すると、トリガ組立体の第1の作動のとき、トリガピンは当初は位置BC1’からBC3’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フォロアガイド3321は、第1の磁気要素3308と第2の磁気要素3310との間の磁気吸引力によって筒形カムシリンダ3320と一緒に回転する。言い方を変えれば、第1の磁気要素3308及び第2の磁気要素3310は、フォロアガイド3321を当初は筒形カムシリンダ3320に対する第1のロック位置に維持する。
【0209】
[00316]
図22Bを参照すると、トリガ組立体の第1の作動を継続することにより、トリガピンは位置BC3’からBC4’へ移動する。トリガピンは、位置BC3’においてフォロアガイドの開口の壁と係合する。トリガピンは、位置BC4’に向けて移動することにより、第1の磁気要素3308と第2の磁気要素3310との間の磁気吸引力を克服する力をフォロアガイド3321に加える。その結果、第1の磁気要素3308と第2の磁気要素3310とが移動して離れ、フォロアガイド3321は「ロック解除され」て、トリガピンが位置BC3’からBC4’へ移動するとき筒形カムシリンダ3320に対して回転する。トリガピンが位置BC4’に近づくとき、第1の磁気要素3308と第3の磁気要素3312は互いに磁気的に引きつけられる。それによって、フォロアガイド3321は、筒形カムシリンダ3320に対する第2のロック位置に入る。
【0210】
[00317] ユーザがトリガ組立体を解放したとき、トリガピンは位置BC4’からBC6’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フォロアガイド3321は、第1の磁気要素3308と第3の磁気要素3312との間の磁気吸引力によって筒形カムシリンダ3320と一緒に回転する。言い方を変えれば、トリガ組立体の第1の作動の後に、第1の磁気要素3308及び第3の磁気要素3312は、フォロアガイド3321を筒形カムシリンダ3320に対する第2のロック位置に維持する。
【0211】
[00318] さらに
図22Bを参照すると、トリガ組立体の第2の作動のとき、トリガピンは当初は位置BC6’からBC8’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フォロアガイド3321は、第1の磁気要素3308と第3の磁気要素3312との間の磁気吸引力によって筒形カムシリンダ3320と一緒に回転する。言い方を変えれば、第1の磁気要素3308及び第3の磁気要素3312は、フォロアガイド3321を当初は筒形カムシリンダ3320に対する第2のロック位置に維持する。
【0212】
[00319]
図22Cを参照すると、トリガ組立体の第2の作動を継続することにより、トリガピンは位置BC8’からBC9’へ移動する。トリガピンは、位置BC8’においてフォロアガイドの開口の壁と係合する。トリガピンは、位置BC9’に向けて移動することにより、第1の磁気要素3308と第3の磁気要素3312との間の磁気吸引力を克服する力をフォロアガイド3321に加える。その結果、第1の磁気要素3308と第3の磁気要素3312とが移動して離れ、フォロアガイド3321は「ロック解除され」て、トリガピンが位置BC8’からBC9’へ移動するとき筒形カムシリンダ3320に対して回転する。トリガピンが位置BC9’に近づくとき、第1の磁気要素3308と第2の磁気要素3310は互いに磁気的に引きつけられる。それによって、フォロアガイド3321は、筒形カムシリンダ3320に対する第1のロック位置に戻る。
【0213】
[00320] ユーザがトリガ組立体を解放したとき、トリガピンは位置BC9’からBC1’へ移動する。トリガピンがこのように移動するとき、フォロアガイド3321は、第1の磁気要素3308と第2の磁気要素3310との間の磁気吸引力によって筒形カムシリンダ3320と一緒に回転する。言い方を変えれば、トリガ組立体の第2の作動の後に、第1の磁気要素3308及び第2の磁気要素3310は、フォロアガイド3321を筒形カムシリンダ3320に対する第1のロック位置に維持する。
【0214】
[00321] いくつかの実施形態では、フォロアガイド3321が1つの磁気要素を搬送し、筒形カムシリンダ3320が2つの磁気要素を搬送する。
【0215】
[00322]
図35は、それぞれ、本明細書で説明された、切削先端部のスロット3516のプロファイルと、筒形カムスロット3544のプロファイルと、切削先端部、筒形カムシリンダ、及びフォロアガイドのうち任意の上に形成されるフォロアガイドの開口3565のプロファイルとの2次元図を表す。
図36A~
図36Cは、トリガ(本明細書で説明されたの任意のトリガ)の作動、及び結果として生じるトリガピン3528(本明細書で説明された任意のトリガピン)の移動が、筒形カムシリンダ、フォロアガイド、及び切削先端部の回転運動、並びに切削先端部の並進運動をもたらす様子を表すものである。これらの図において、スロット3516及び3544のプロファイルの水平軸は、切削先端部及び筒形カムシリンダの回転(度)である。切削先端部用カムスロット3516のプロファイルの垂直軸は、切削先端部の長手方向の変位量(存在する場合)である。筒形カムシリンダのカムスロット3544のプロファイルの垂直軸は、トリガ組立体(及びトリガピン)の長手方向の変位量である。
【0216】
[00323]
図35A~
図35Cにおいて、フォロアガイドの開口3565は破線として示され、カムスロット3544に対する開口3565の回転位置を示すために筒形カムシリンダのカムスロット3544のプロファイル上に置かれている。
図35A~
図35Cに示され、以下でより詳細に説明されるように、カムスロット3544に対する開口3565の回転位置はトリガの作動中に変化する。
【0217】
[00324] 概して、トリガの初期の作動、すなわち第1の作動(すなわち、ハンドル組立体が許すところまでトリガを引き、次いで、トリガを、その定位置へ戻すように解放すること)により、切削先端部及び筒形カムシリンダには、結果として、一方向に(ハンドルから先端部を見たとき時計回りに)約254度の正味の回転変位が生じる。また、第1の作動により、切削先端部は、回転するとき、外バンドから伸長し、次いで格納位置に戻る。トリガの、後続の作動、すなわち第2の作動により、切削先端部及び筒形カムシリンダには、結果として、反対方向に(ハンドルから先端部を見たとき反時計回りに)約254度の正味の回転変位が生じる。また、第2の作動により、切削先端部は、回転するとき、外バンドから伸長し、次いで格納位置に戻る。追加の「奇数回目の」作動(すなわち第3の作動、第5の作動など)は、トリガの第1の作動のときと同一のデバイス運動をもたらす。追加の「偶数回目の」作動(すなわち第4の作動、第6の作動など)は、トリガの第2の作動のときと同一のデバイス運動をもたらす。
【0218】
[00325] 特に
図36Aを参照すると、トリガの第1の作動に先立って、トリガピンは筒形カムシリンダの内部の第1の定位置(BC1’’)にあり、ガイドピンはその初期位置(CT1’’)にあって、切削先端部は外側シースの内部の引っ込んだ位置にある。加えて、フォロアガイドは、筒形カムシリンダに対する、その第1の相対回転阻止位置(GS1’’)にある。トリガの第1の作動を開始するときトリガピンは近位へ移動し、筒形カムシリンダ、切削先端部、及びフォロアガイドは、トリガピンに対して(筒形カムシリンダの近位の視点から)時計回りの方向に回転する。トリガピンは、位置BC2’’にあるとき、筒形カムスロット3544の交点3545にある。加えて、トリガピンが位置BC2’’にあるとき、(i)筒形カムシリンダ及び切削先端部は、トリガの第1の作動を開始してから、時計回りの方向に約127度回転済みであり、(ii)ガイドピンは位置CT2’’にあって、(iii)切削先端部は部分的に伸長した位置にある。
【0219】
[00326] 引き続き
図36Aを参照すると、トリガピンは、位置BC2’’にあるとき、フォロアガイドの開口3565の第1の湾曲した壁3567に接する。フォロアガイドの開口3565の第1の湾曲した壁3567が、筒形カムスロット3544の交点3545の1つの経路に沿って整列されているため、フォロアガイドは、トリガピンが位置BC2’’を通るとき代替経路を進むのを防止し、トリガピンを、筒形カムスロット3544の交点3545を真っすぐ通すように導く。いくつかの実施形態では、第1の湾曲した壁3567と第2の湾曲した壁3569との間の頂点は、トリガピンと係合しないように、筒形カムスロット3544の壁から長手方向に(たとえば約0.025インチだけ)オフセットされている。これによって、トリガピンを、筒形カムスロット3544の交点3545を真っすぐ通して導くのが容易になる。いくつかの実施形態では、トリガピンが交点3545を通過するとき、トリガピンの滑らかな運動を容易にするとともに、筒形カムとフォロアガイドとの間の不整合を比較的小さくすることができるように、第1の湾曲した壁3567は、筒形カムスロット3544の壁を超えて伸長する(たとえば筒形カムスロット3544と第1の湾曲した壁3567上の最も遠いポイントとの間の垂直距離は約0.010インチである)。
【0220】
[00327] ユーザがトリガを引き続けて、トリガピンが近位へ移動し続けるとき、筒形カムシリンダ、切削先端部、及びフォロアガイドは、位置BC2’’から位置BC3’’へと時計回りの方向に回転し続ける。トリガピンが位置BC3’’にあるとき、(i)筒形カムシリンダ及び切削先端部は、トリガの第1の作動を開始してから、時計回りの方向に約140度回転済みであり、(ii)ガイドピンは位置CT3’’にあって、(iii)切削先端部は完全に伸長した位置にある。
【0221】
[00328] ユーザがトリガを引き続けて、トリガピンが近位へ移動し続けるとき、筒形カムシリンダ、切削先端部、及びフォロアガイドは時計回りの方向に回転し続ける。具体的には、トリガピンは位置BC3’’から位置BC4’’へ移動する。トリガピンが位置BC4’’にあるとき、(i)筒形カムシリンダ及び切削先端部は、トリガの第1の作動を開始してから、時計回りの方向に約177度回転済みであり、(ii)ガイドピンは位置CT4’’にあって、(iii)切削先端部は部分的に伸長した位置にある。
【0222】
[00329] トリガピンは、位置BC4’’にあるとき、フォロアガイドの開口3565の壁3571に接する。トリガピンが第1の定位置(BC1’’)から位置BC4’’へ移動したとき、フォロアガイドと筒形カムシリンダとは、前述の相対回転阻止機構のうち1つの存在によって一緒に回転している。たとえば、筒形カムシリンダ及びフォロアガイドは相対回転阻止機構2475を含む(
図24~
図28を参照されたい)。この場合、フォロアガイド上の第1のバネピン2410が筒形カムシリンダの突起2402の湾曲した凹部2404と係合しており、それによってフォロアガイドと筒形カムシリンダが互いに対して回転式に移動するのを防止する。
図36Bを参照すると、トリガピンは、位置BC4’’を超えて位置BC5’’の方へ移動するときフォロアガイドの壁3571と係合し、それによって、フォロアガイドを、筒形カムシリンダに対して反時計回りの方向に回転させ、第1の相対回転阻止位置(GS1’’)から移動可能な位置へ押し進める。すなわち、トリガピンが位置BC4’’から位置BC5’’へ移動するとき、フォロアガイドは筒形カムシリンダに対して移動可能な位置にある。一旦、トリガピンが位置BC5’’に到達すると、フォロアガイド及び筒形カムシリンダは第2の相対回転阻止位置(GS2’’)にある。第2の相対回転阻止位置(GS2’’)では、フォロアガイドが筒形カムシリンダに対して反時計回りの方向へさらに回転するのを防止するために、たとえばフォロアガイド上の第2のバネピン2412が筒形カムシリンダの突起2402の湾曲した凹部2404と係合し、フォロアガイド上の第1の係合面2413が突起2402と係合する。
【0223】
[00330] 引き続き
図36Bを参照すると、ユーザがトリガを引き続けてトリガピンを位置BC4’’から位置BC5’’へ移動させるとき、筒形カムシリンダ及び切削先端部はトリガピンに対して時計回りの方向に回転し続ける。しかしながら、フォロアガイドは、トリガピンに対して回転し続けることなく、それによって筒形カムシリンダに対して回転する。具体的には、フォロアガイドは、第2の相対回転阻止位置(GS2’’)まで、筒形カムシリンダに対して反時計回りの方向に約110度回転する。トリガピンが位置BC5’’にあるとき、(i)トリガは近位への移動を終えており、(ii)筒形カムシリンダは、トリガの第1の作動を開始してから、時計回りの方向に約287度回転済みであり、(iii)ガイドピンは位置CT5’’にあって、(iv)切削先端部は最も引っ込んだ位置にある。加えて、切削先端部は、トリガの第1の作動の開始から、時計回りの方向に合計で約284度回転済みである。トリガピンが位置BC5’’に到達する前にガイドピンが切削先端部のスロット3516の壁と係合する(すなわちガイドピンが位置CT5’’に到達する)ため、切削先端部の回転は筒形カムシリンダの回転よりも小さい。ガイドピンが切削先端部のスロット3516の壁と係合した後、筒形カムシリンダは時計回りの方向に約3度回転する。その結果、トリガピンが位置BC5’’に近づくとき、筒形カムシリンダは切削先端部に対して約3度回転する。筒形カムシリンダと切削先端部との間の相対回転は、可撓性内側シースの回転撓みによって明らかにされる。
【0224】
[00331] ユーザは、トリガピンが位置BC5’’に到達した後にトリガを解放することができる。ユーザがトリガを解放したとき、トリガに取り付けられた定荷重バネにより、トリガ及びトリガピンは方向を反転して、それらの遠位位置の方へ進む。トリガ及びトリガピンが遠位位置の方へ移動を開始するとき、筒形カムシリンダ及び切削先端部のトリガピンに対する回転は静止している。それゆえに、ユーザがトリガを解放したとき、トリガピンは位置BC5’’から位置BC6’’に向かって移動する。トリガが位置BC6’’にあるとき、(i)筒形カムシリンダは、トリガの第1の作動を開始してから、時計回りの方向に約287度回転済みであり、(ii)ガイドピンは依然として位置CT5’’にあって、(iii)切削先端部は依然として最も引っ込んだ位置にある。しかしながら、トリガピンは、位置BC6’’では、まだ最も遠位の位置にはない。トリガピンの最も遠位の位置BC7’’に到達するために、筒形カムシリンダは反時計回りの方向に約33度回転する。いくつかの実施形態では、トリガピンは、位置BC6’’から位置BC7’’まで移動するとき、筒形カムスロット3544の壁及び/又はフォロアガイドの開口3565の壁の、丸みをつけられた(たとえば半径0.050インチ)コーナーと係合する。そのような構造により、トリガピンを位置BC7’’まで確実にスライドさせるのが容易になる。トリガピンは、位置BC7’’にあるとき、筒形カムシリンダの内部の第2の定位置にある。トリガピンが位置BC7’’にあるとき、(i)筒形カムシリンダ及び切削先端部は、トリガの第1の作動を開始してから、時計回りの方向に合計で約254度回転済みであり、(ii)ガイドピンは位置CT7’’にあって、(iii)切削先端部は外側シースの内部に引っ込んでいる。
【0225】
[00332] さらに
図36Bを参照すると、トリガピンがその第2の定位置(BC7’’)にあるとき、フォロアガイドはその第2の相対回転阻止位置(GS2’’)にある。トリガピンを近位へ移動させるためにトリガの第2の作動を開始するとき、フォロアガイドと筒形カムシリンダは互いに対して静止したままであり、筒形カムシリンダ、切削先端部、及びフォロアガイドは反時計回りの方向に回転する。トリガピンが位置BC8’’にあるとき、(i)筒形カムシリンダ及び切削先端部は、トリガの第2の作動を開始してから、反時計回りの方向に約114度回転済みであり、(ii)ガイドピンは位置CT8’’にあって、(iii)切削先端部は最も伸長した位置にある。
【0226】
[00333] ユーザがトリガの第2の作動を継続してトリガピンが近位へ移動し続けるとき、筒形カムシリンダ、切削先端部、及びフォロアガイドは、トリガピンに対して反時計回りの方向に回転し続ける。トリガピンが位置BC9’’にあるとき、(i)筒形カムシリンダ及び切削先端部は、トリガの第2の作動を開始してから、反時計回りの方向に約127度回転済みであり、(ii)ガイドピンは位置CT9’’にあり、(iii)切削先端部は部分的に伸長した位置にあって、(iv)トリガピンは筒形カムスロット3544の交点3545にある。トリガピンは、位置BC9’’にあるとき、フォロアガイドの開口3565の第2の湾曲した壁3569に接する。フォロアガイドの開口3565の第2の湾曲した壁3569が、筒形カムスロット3544の交点3545の1つの経路に沿って整列されているため、フォロアガイドは、トリガピンが位置BC9’’を通るとき代替経路を進むのを防止し、トリガピンを、筒形カムスロット3544の交点3545を真っすぐ通すように導く。
【0227】
[00334] ユーザがトリガの作動を継続してトリガピンが近位へ移動し続けるとき、筒形カムシリンダ、切削先端部、及びフォロアガイドは反時計回りの方向に回転し続ける。トリガピンが位置BC10’’にあるとき、(i)筒形カムシリンダ及び切削先端部は、トリガの第2の作動を開始してから、時計回りの方向に約177度回転済みであり、(ii)ガイドピンは位置CT10’’にあり、(iii)切削先端部は部分的に伸長した位置にあって、(iv)トリガピンはフォロアガイドの開口3565の壁3573に接する。
【0228】
[00335] トリガピンがその第2の定位置(BC7’’)から位置BC10’’へ移動したとき、フォロアガイドと筒形カムシリンダは、相対回転阻止機構の存在によって一緒に回転している。たとえば、フォロアガイド上の第2のバネピン2412が筒形カムシリンダの突起2402の湾曲した凹部2404と係合しており、それによってフォロアガイドと筒形カムシリンダが互いに対して回転式に移動するのを防止する。
図36Cを参照すると、トリガピンは、位置BC10’’を超えて位置BC11’’の方へ移動するときフォロアガイドの壁3573と係合し、それによって、フォロアガイドを、筒形カムシリンダに対して時計回りの方向に回転させ、第2の相対回転阻止位置(GS2’’)から移動可能な位置へ押し進める。すなわち、トリガピンが位置BC10’’から位置BC11’’へ移動するとき、フォロアガイドは筒形カムシリンダに対して移動可能な位置にある。一旦、トリガピンが位置BC11’’に到達すると、フォロアガイド及び筒形カムシリンダは第1の相対回転阻止位置(GS1’’)に戻っている。第1の相対回転阻止位置(GS1’’)では、フォロアガイドが筒形カムシリンダに対して時計回りの方向へさらに回転するのを防止するために、たとえばフォロアガイド上の第1のバネピン2410が筒形カムシリンダの突起2402の湾曲した凹部2404と係合し、フォロアガイド上の第2の係合面2414(
図25を参照されたい)が突起2402と係合する。
【0229】
[00336] 引き続き
図36Cを参照すると、ユーザがトリガの第2の作動を継続してトリガピンが近位へ移動し続けるとき、筒形カムシリンダ及び切削先端部は反時計回りの方向に回転し続ける。しかしながら、フォロアガイドはトリガピンに対して回転し続けることなく、トリガピンは筒形カムシリンダに対してのみ回転する。具体的には、フォロアガイドは、第1の相対回転阻止位置(GS1’’)まで、筒形カムシリンダに対して時計回りの方向に約110度回転する。トリガピンが位置BC11’’にあるとき、(i)トリガは近位への移動を終えており、(ii)筒形カムシリンダ及び切削先端部は、トリガの第2の作動を開始してから、反時計回りの方向に約287度回転済みであり、(iii)ガイドピンは位置CT11’’にあって、(iv)切削先端部は最も引っ込んだ位置にある。
【0230】
[00337] ユーザは、トリガピンが位置BC11’’に到達した後にトリガを解放することができる。ユーザがトリガを解放したとき、トリガに取り付けられた定荷重バネにより、トリガ及びトリガピンは方向を反転して、それらの遠位位置の方へ進む。トリガ及びトリガピンが遠位位置の方へ移動を開始するとき、筒形カムシリンダ及び切削先端部のトリガピンに対する回転は静止している。それゆえに、ユーザがトリガを解放したとき、トリガピンは位置BC11’’から位置BC12’’に向かって移動する。トリガが位置BC12’’にあるとき、(i)筒形カムシリンダ及び切削先端部は、依然として、トリガの第2の作動を開始してから反時計回りの方向に約287度回転した位置にあり、(ii)ガイドピンは依然として位置CT11’’にあって、(iii)切削先端部は依然として最も引っ込んだ位置にある。トリガ及びトリガピンがそれらの遠位位置の方へ移動し続けるとき、筒形カムシリンダ及び切削先端部はトリガピンに対して時計回りの方向に約33度回転し、トリガピンはその第1の定位置(BC1’’)に戻る。いくつかの実施形態では、トリガピンは、位置BC12’’から位置BC1’’まで移動するとき、筒形カムスロット3544の壁及び/又はフォロアガイドの開口3565の壁の、丸みをつけられた(たとえば半径0.050インチ)コーナーと係合する。そのような構造により、トリガピンを位置BC1’’まで確実にスライドさせるのが容易になる。トリガピンがその第1の定位置(BC1’’)に戻るとき、ガイドピンはその初期位置(CT1’’)に戻り、切削先端部は外側シースの内部の引っ込んだ位置にとどまる。次いで、ユーザは、必要に応じてこのプロセスを繰り返す。
【0231】
[00338]
図37は、本明細書で説明された筒形カムシリンダのうち任意のものに形成される筒形カムスロット3744のプロファイルの2次元図を表す。カムスロット3744は、フォロア(たとえばトリガピン1528)用の、全体的に「砂時計」のような、又は「8の字」のような経路を画定する。トリガに対して初期の作動すなわち第1の作動が加えられると、トリガピンはカムスロット3744の約半分を横断し、トリガに対して後続の、すなわち第2の作動が加えられると、トリガピンは、カムスロット3744の残り(すなわちカムスロット3744の約半分)を横断する。それぞれの場合において、以下でより詳細に説明されるように、たとえばフォロアガイド1521といったフォロアガイドにより、トリガピンは、トリガのそれぞれの作動中にカムスロット3744の交点(又は交差部分)3745を通って真っすぐ進む。言い方を変えれば、フォロアガイドにより、トリガピンは、カムスロット3744の第1のレッグ3747からカムスロット3744の第2のレッグ3749へ進み、次いでカムスロット3744の第3のレッグ3751からカムスロット3744の第4のレッグ3753へ進む。
【0232】
[00339] レッグ3747、3749、3751、及び3753の各々は、交点3745を通って進んで可能性として筒形カム組立体と結合したとき、トリガピンがレッグ3747、3749、3751、及び3753の壁と係合することを阻止するように成形されている。いくつかの実施形態では、レッグ3747、3749、3751、及び3753の各々は、交点3745に向かって幅が徐々に増加する。具体的には、第1のレッグ3747に含まれる第1の角のある壁3760が、交点3745に隣接して第1のレッグ3747の遠位側に配設されている。第1の角のある壁3760は、交点3745に向かって第1のトリガピン経路3762(すなわちトリガの第1の作動中にトリガピンが横断する経路)から離れるように角度を与えられている。第1の角のある壁3760は、約0.25~0.40インチの範囲の長さ、より具体的には約0.33インチの長さを有し、約1~7度の範囲の角度、より具体的には約4度の角度で第1のトリガピン経路3762から離れる。同様に、第2のレッグ3749に含まれる第2の角のある壁3764が、交点3745に隣接して第2のレッグ3749の遠位側に配設されている。第2の角のある壁3764は、交点3745に向かって第1のトリガピン経路3762から離れるように角度を与えられている。第2の角のある壁3764は、約0.18~0.32インチの範囲の長さ、より具体的には約0.25インチの長さを有し、約4~10度の範囲の角度、より具体的には約7度の角度で第1のトリガピン経路3762から離れる。第3のレッグ3751に含まれる第3の角のある壁3766が、交点3745に隣接して第3のレッグ3751の遠位側に配設されている。第3の角のある壁3766は、交点3745に向かって第2のトリガピン経路3768(すなわちトリガの第2の作動中にトリガピンが横断する経路)から離れるように角度を与えられている。第3の角のある壁3766は、約0.25~0.40インチの範囲の長さ、より具体的には約0.33インチの長さを有し、約1~7度の範囲の角度、より具体的には約4度の角度で第2のトリガピン経路3768から離れる。第4のレッグ3753に含まれる第4の角のある壁3770が、交点3745に隣接して第4のレッグ3753の遠位側に配設されている。第4の角のある壁3770は、交点3745に向かって第2のトリガピン経路3768から離れるように角度を与えられている。第4の角のある壁3770は、約0.18~0.32インチの範囲の長さ、より具体的には約0.25インチの長さを有し、約4~10度の範囲の角度、より具体的には約7度の角度で第2のトリガピン経路3768から離れる。
【0233】
[00340] 上記の議論は医療デバイスの状況において筒形カムシリンダ及びフォロアガイドを説明するものである。しかしながら、本開示による筒形カムシリンダ及びフォロアガイドは、並進入力を回転出力に変換する他のタイプのデバイス(たとえば非医療デバイス)とともに使用される。すなわち、本開示による筒形カムシリンダ及びフォロアガイドは、第1の並進入力(たとえば並進可能なトリガの第1の作動)が第1の回転出力(たとえばシャフトの第1の方向の回転)をもたらし、第2の並進入力(たとえば並進可能なトリガの第2の作動)が第2の回転出力(たとえばシャフトの第2の方向の回転)をもたらすように使用される。
【0234】
[00341] 上記の議論は、特定の速度(たとえば一定速度及び/又は可変速度)で進む切削先端部を含む内側シースを論じている。しかしながら、この速度は、内側シースの回転速度並びに長手方向(すなわち伸長方向及び/又は後退方向)の進行速度にも依拠し、結果として、トリガの長手方向の運動及び筒形カムシリンダの回転運動を含むトリガ組立体の作動の速度にも依拠するものである。それゆえに、ブレードが進む速度の議論及び/又は比較は、作動させるための手段が内側シースを比較的一定の速度で伸長させると想定する。この仮定が正確かどうかということに関係なく、所定の回転量当たりのブレードの伸張量が大きければ大きいほど、ブレードが伸長する割合及び速度が大きくなり、それによって、一回転当たりにより多くの組織を切削する能力を有する手術デバイスをもたらす。
【0235】
[00342]
図38を参照すると、本開示の組み立てられたシース組立体3812の遠位部の代替実施形態の正面図が表されている。シース組立体3812は内側シース組立体及び外側シース組立体を含む。
図38Aを参照するとシース組立体3812の遠位端の断面図が示されており、
図39はシース組立体3812の遠位端の分解組立図であり、シース組立体3812は、外バンド3836、ガイドピン3840、切削先端部3832、可撓性内側シース3820、可撓性外側シース3824、外側ジャケット3828、内側キー(図示せず)、外側キー(図示せず)、及び剛体の内側チューブ(図示せず)といった部品のうちいくつか又はすべてを含む。
図38には内側キー、外側キー、及び剛体の内側チューブは示されていないが、それらの品目は
図6~
図8及び
図16~
図18に表されている。
【0236】
[00343]
図38、
図39に表されたシース組立体3812は、
図6~
図8に表されたシース組立体112や
図16~
図18に表されたシース組立体1212に類似しているが、
図38~
図39に表されたシース組立体3812の実施形態は、より小さいプロファイルをもたらす。すなわち、
図38、
図39に表されたシース組立体3812の全径は、
図6~
図8に表されたシース組立体112や
図16~
図18に表されたシース組立体1212の外径よりも小さい。
図6及び
図8に示されたように、可撓性内側シース620は、切削先端部632に対してオーバラップするやり方で付けられる。具体的には、可撓性内側シース620が切削先端部632の近位端にオーバラップするように、切削先端部632の近位端が可撓性内側シース620の遠位端に挿入される。
図16~
図18に表されたシース組立体1212は、
図6~
図8に表されたシース組立体112と類似のオーバラップする設計を有する。このオーバラップする設計では、シース組立体の全厚及び直径が増加し、それによって、手術デバイスの、小さい直径の脈管構造を通って移動する能力の難易度、特にシース組立体の能力が増加する可能性がある。
【0237】
[00344]
図39に表されたシース組立体3812は、
図6~
図8に表されたシース組立体112や
図16~
図18に表されたシース組立体1212と比較してより小さいプロファイルをもたらし、それによって、手術デバイスの、小さい直径の脈管構造を通って移動することの容易さ及び能力、特にシース組立体の能力が向上する。
図38、
図39に示されたように、シース組立体3812はオーバラップしない設計を有する。すなわち、可撓性外側シース3824はオーバラップしないやり方で外バンド3836に接し、内側シース3820はオーバラップしないやり方で可撓性内側シース3820に接する。言い方を変えれば、外バンド3836は可撓性外側シース3824に挿入されない。むしろ、外バンド3836の近位端は、外バンド3836の管腔の直径と可撓性外側シース3824の管腔の直径が全くそろうように可撓性外側シース3824の遠位端に接して溶接される。同様に、切削先端部3832は可撓性内側シース3820に挿入されない。むしろ、切削先端部3832の近位端は、切削先端部3832の管腔の直径と可撓性内側シース3820の管腔の直径が全くそろうように可撓性内側シース3820の遠位端に接して溶接される。
【0238】
[00345] オーバラップしない設計の結果として、シース組立体3812、特に外側ジャケット3828、外側シース3824、及び内側シース3820は以下の寸法を有する。
【0239】
【0240】
[00346]
図40及び
図40Aを参照すると、外側シース組立体3802の遠位端の拡大図が表されている。以下でより詳細に論じられるように、外側シース組立体はハイポチューブ3824を含む。これも以下でより詳細に論じられるように、ハイポチューブ3824は、切り溝の設計からもたらされる別の可撓性を有する複数のセグメントを含む。しかしながら、ハイポチューブ3824の最も遠位の終端が、外バンド3836の近位端に接する、切られていないセグメント3842を含むのが望ましい。ハイポチューブ3824のこの切られていないセグメント3842が、外バンド3836の管腔の直径と可撓性外側シース3824の管腔の直径とが全くそろうように、オーバラップしないやり方で外バンド3836に溶接される。
図41及び
図41Aを参照すると、内側シース組立体はハイポチューブ3820を含む。ハイポチューブ3820の最も遠位の終端が、切削先端部3832の近位端に接する、切られていないセグメント3862を含むのが望ましい。ハイポチューブ3820のこの切られていないセグメント3862が、切削先端部3832の管腔の直径と可撓性内側シース3804の管腔の直径とが全くそろうように、オーバラップしないやり方で切削先端部3832に溶接される。
【0241】
[00347]
図42、
図42A及び
図42Bを参照すると、複数のセグメント3842、3844、3846、3848を有するハイポチューブから構築された外側シース3824が表されている。セグメント3842は最も遠位のセグメントであり、セグメント3848は最も近位のセグメントである。セグメント3842、3848は切られていないセグメントであり、セグメント3844、3846は切られているセグメントである。すなわち、セグメント3842、3848は切り溝を含まず、セグメント3844、3846は切り溝を含む。セグメント3844、3846は切り溝を含むが、セグメント3844は遠位端から近位端まで可撓性が一定であり、セグメント3846は遠位端から近位端まで可撓性が可変である。すなわち、セグメント3846の可撓性は、近位端においてより低くなって遠位端においてより高くなるように変化する。言い方を変えれば、セグメント3846の可撓性は、遠位端から近位端へと低下するように変化する。加えて、遠位の切られているセグメント3844は、近位の切られているセグメント3846と比較して可撓性が高い。本明細書で説明され、
図42に表されたハイポチューブのセグメントは4つだけであるが、ハイポチューブの内部に含まれるセグメントは4つよりも少なくても多くてもよい。これらのセグメントは、ハイポチューブに可撓性の特性を与えるために、様々な、切られている構成及び切られていない構成を含む。
【0242】
[00348] 引き続き
図42及び
図42Bを参照すると、切られていないセグメント3842は約0.025インチの長さを有し、可撓性が一定の(切られている)セグメント3844は約3.0インチの長さを有し、可撓性が可変の(切られている)セグメント3846は約3.732インチの長さを有し、切られていないセグメント3848は約2.0インチの長さを有する。セグメント3844は、その全長にわたって、切り溝3849の部分と非切り溝3851の部分が交互する一定のパターンを有するので、一定の可撓性を有する。たとえば、セグメント3844の、切り溝3849の部分と非切り溝3851の部分が交互するパターンは、長手方向の3.0インチの長さにわたって、約0.001インチの幅3850及び約120°の周線の長さ3852を有する切り溝3849と、それに続く、3.0インチの長手方向の長さにわたって約31.5°の周線の長さ3854を有する非切り溝部分3851とを含む。また、切り溝3849(又はその部分)は、セグメント3844の軸方向長に沿って、一貫して約0.025インチの一定のピッチ(P)で間隔をあけて互いに隣接して配置されるのが望ましい。また、
図44に表されるように、切り溝3849は、外側シース3824の長手軸に対して垂直な軸から、約2.0°~約3.0°、詳細には約2.0°、2.1°、2.2°、2.3°、2.4°、2.5°、2.6°、2.7°、2.8°、2.9°又は3.0°のピッチ角(Θ)でオフセットされている。ピッチ角は、セグメント3844の全長にわたって同一でよく、セグメント3844の遠位端から近位端へと増加してよく、又はセグメント3844の遠位端から近位端へと減少してよい。
【0243】
[00349] 引き続き
図42を参照すると、可撓性が可変の(切られている)セグメント3846は、切り溝3849のピッチが、遠位端から近位端へと増加するので、可撓性が、遠位端から近位端へと低下する。すなわち、セグメント3846は、その3.732インチの長手方向の長さにわたって、たとえば約120°の周線の切り溝3849の部分に約31.5°の周線の非切り溝3851の部分が続く、切り溝3849の部分と非切り溝3851の部分とが交互する一定のパターンを有するが、互いに隣接した切り溝3849(又はその部分)の間の距離が、遠位端の約0.025インチのピッチから近位端の0.080インチのピッチへと、セグメント3844の軸方向長に沿って増加している。
【0244】
[00350] また、切り溝3849は、外側シース3824の長手軸に対して垂直な軸から約2.0°~約10.0°、詳細には、0.1°の任意の増分を含めて、約2.0°、3.0°、4.0°、5.0°、6.0°、7.0°、8.0°、9.0°又は10.0°のピッチ角(Θ)でオフセットされている。ピッチ角(Θ)は、セグメント3846に沿って一定でよく、又は変化してもよい。すなわち、ピッチ角は、セグメント3846の全長にわたって同一でよく、セグメント3846の遠位端から近位端へと増加してよく、又はセグメント3846の遠位端から近位端へと減少してよい。たとえば、セグメント3844の全体について、ピッチ(たとえば0.025インチのピッチ)及びピッチ角(たとえば2.0°、2.2°、2.6°のピッチ角(Θ))は同一であり、セグメント3846のピッチ及び/又はピッチ角は、遠位端(たとえば0.025インチのピッチ及び2.0°、2.2°、2.6°のピッチ角(Θ)を有する)から近位端(たとえば、0.0080インチのピッチ及び6.3°、7.1°、8.2°のピッチ角(Θ)を有する)へと増加し、一方、セグメント3844と3846は、どちらも、切り溝3849の部分(たとえば切られている120°の周線)と非切り溝3851の部分(たとえば切られていない31.5°の周線)が交互する同一のパターンを維持する。セグメント3846のパターンが変化することにより、遠位で可撓性の切られているセグメント3844から、近位で剛体の切られていないセグメント3848へと、可撓性が比較的少しずつ移行する内側シース3824をもたらす。
【0245】
[00351]
図43、
図43A及び
図43Bを参照すると、複数のセグメント3862、3864、3866、3868を有するハイポチューブから構築された内側シース3820が表されている。セグメント3862は最も遠位のセグメントであり、セグメント3868は最も近位のセグメントである。セグメント3862、3868は切られていないセグメントであり、セグメント3864、3866は切られているセグメントである。すなわち、セグメント3862、3868は切り溝を含まず、セグメント3864、3866は切り溝を含む。セグメント3864、3866は切り溝を含むが、セグメント3864は遠位端から近位端まで可撓性が一定であり、セグメント3866は遠位端から近位端まで可撓性が可変である。すなわち、セグメント3866の可撓性は、近位端においてより低くなって遠位端においてより高くなるように変化する。言い方を変えれば、セグメント3866の可撓性は、遠位端から近位端へと低下するように変化する。加えて、遠位の切られているセグメント3864は、近位の切られているセグメント3866と比較して可撓性がより高い。本明細書で説明され、
図43に表されたハイポチューブのセグメントは4つだけであるが、ハイポチューブの内部に含まれるセグメントは4つよりも少なくても多くてもよい。これらのセグメントは、ハイポチューブに可撓性の特性を与えるために、様々な、切られている構成及び切られていない構成を含む。
【0246】
[00352] 引き続き
図43及び
図43Bを参照すると、切られていないセグメント3862は約0.025インチの長さを有し、可撓性が一定の(切られている)セグメント3864は約3.0インチ~約3.50インチの長さを有し、可撓性が可変の(切られている)セグメント3866は約3.725インチの長さを有し、切られていないセグメント3868は約7.0インチの長さを有する。セグメント3864は、その全長にわたって、切り溝3869の部分と非切り溝3871の部分が交互する一定のパターンを有するので、一定の可撓性を有する。たとえば、セグメント3864の、切り溝3869の部分と非切り溝3871の部分が交互するパターンは、長手方向の3.0インチの長さにわたって、約0.001インチの幅3870及び約120°の周線の長さ3872を有する切り溝3869の部分と、それに続く、3.0インチの長手方向の長さにわたって約31.5°の周線の長さ3874を有する非切り溝3871の部分とを含む。互いに隣接した切り溝3869(又はその部分)の間隔が、セグメント3864の軸長方向に沿って、セグメント3864の遠位端における約0.025インチのピッチからセグメント3864の近位端における約0.080インチのピッチへと、可変ピッチ(P)であることも望ましい。また、切り溝3869は、内側シース3820の長手軸に対して垂直な軸から、約2.0°~約4.0°、詳細には約2.0°、2.1°、2.2°、2.3°、2.4°、2.5°、2.6°、2.7°、2.8°、2.9°、3.0°、3.1°、3.2°、3.3°、3.4°、3.5°、3.6°、3.7°、3.8°、3.9°又は4.0°のピッチ角(Θ)でオフセットされている。ピッチ角は、セグメント3864の全長にわたって同一でよく、セグメント3864の遠位端から近位端へと増加してよく、又はセグメント3864の遠位端から近位端へと減少してよい。
【0247】
[00353] 引き続き
図43を参照すると、可撓性が可変の(切られている)セグメント3866は、切り溝のピッチが、遠位端から近位端へと増加するので、可撓性が、遠位端から近位端へと低下する。すなわち、セグメント3866は、その3.846インチの長手方向の長さにわたって、たとえば約120°の周線の切り溝の部分に約31.5°の周線の非切り溝の部分が続く、切り溝の部分と非切り溝の部分とが交互する一定のパターンを有するが、互いに隣接した切り溝3870(又はその部分)の間の距離が、遠位端の約0.025インチのピッチから近位端の0.080インチのピッチへと、セグメント3864の軸方向長に沿って増加する。
【0248】
[00354] また、切り溝は、内側シース3820の長手軸に対して垂直な軸から約5.0°~約15.0°、詳細には、0.1°の任意の増分を含めて、約5.0°、6.0°、7.0°、8.0°、9.0°、10.0°又は15.0°のピッチ角(Θ)でオフセットされている。ピッチ角(Θ)は、セグメント3866に沿って一定でよく、又は変化してもよい。すなわち、ピッチ角は、セグメント3866の全長にわたって同一でよく、セグメント3866の遠位端から近位端へと増加してよく、又はセグメント3866の遠位端から近位端へと減少してよい。たとえば、セグメント3864の全体について、ピッチ(たとえば0.025インチのピッチ)及びピッチ角(たとえば2.4°、2.8°、3.3°のピッチ角(Θ))は同一であり、セグメント3846のピッチ及び/又はピッチ角は、遠位端(たとえば0.025インチのピッチ及び2.4°、2.8°、3.3°のピッチ角(Θ)を有する)から近位端(たとえば、0.0080インチのピッチ及び7.6°、8.8°、10.4°のピッチ角(Θ)を有する)へと増加し、一方、セグメント3864と3866とは、どちらも、切り溝の部分(たとえば切られている120°の周線)と非切り溝の部分(たとえば切られていない31.5°の周線)が交互する同一のパターンを維持する。セグメント3866のパターンが変化することにより、遠位で可撓性の切られているセグメント3864から、近位で剛体の切られていないセグメント3868へと、可撓性が比較的少しずつ移行する内側シース3820をもたらす。
【0249】
[00355] 内側シース(内側ハイポチューブ)3820は、外側シース(外側ハイポチューブ)3824と比較したとき、可撓性がより高い。具体的には、内側シース3820の可撓性セグメント3864は、外側シース3824の可撓性セグメント3844と比較して可撓性がより高く、内側シース3820の可撓性セグメント3866は、外側シース3824の可撓性セグメント3846と比較して可撓性がより高い。
【0250】
[00356]
図45Aを参照すると、外側シース(外側ハイポチューブ)3824の、内側シース(内側ハイポチューブ)3820の対応するセグメントに対する軸整列を示すブロック図が表されている。外側ハイポチューブ3824の切られていない遠位セグメント3842(その遠位端及び近位端を含む)の全体は、実質的に内側ハイポチューブ3820の切られていない遠位セグメント3862(その遠位端及び近位端を含む)の全体と軸方向に整列している。一定の可撓性を有する可撓性セグメント3844、3864のセグメントの遠位端は、外側ハイポチューブ3824及び内側ハイポチューブ3820の長手軸に沿って実質的に軸方向に整列しているが、内側ハイポチューブ3820の可撓性セグメント3864の長さは、外側ハイポチューブ3824の可撓性セグメント3844の長さよりも長く、それによって、可撓性セグメント3844の近位端と可撓性セグメント3864の近位端とが軸方向に整列するのを防止し、内側ハイポチューブ3820の可撓性セグメント3864(一定の可撓性を有する)の近位端と、外側ハイポチューブ3824の可撓性セグメント3844(一定の可撓性を有する)の近位端及び可撓性セグメント3846(可変可撓性を有する)の遠位端の両方との間のオーバラップをもたらす。それゆえに、可撓性セグメント3846の遠位端と可撓性セグメント3866の遠位端が軸方向に整列することはなく、それによって、外側ハイポチューブ3824の可撓性セグメント3846(可変可撓性を有する)の遠位端と、内側ハイポチューブ3820の可撓性セグメント3864(一定の可撓性を有する)の近位端及び可撓性セグメント3866(可変可撓性を有する)の遠位端の両方との間のオーバラップをもたらす。また、可撓性セグメント3846の近位端と可撓性セグメント3866の近位端が軸方向に整列することもない。内側ハイポチューブ3820の可撓性セグメント3866(可変可撓性を有する)の近位端は、外側ハイポチューブ3824の可撓性セグメント3846(可変可撓性を有する)の近位端と近位の切られていないセグメント3848の遠位端との両方とオーバラップする。また、外側ハイポチューブ3824の切られていないセグメント3848、3868の部分(たとえば遠位部、中心部及び近位部)と内側ハイポチューブ3820とはオーバラップする。内側ハイポチューブのセグメントと外側ハイポチューブのセグメントとの間をオーバラップさせるこの機構は、内側ハイポチューブと外側ハイポチューブとの間に異なる可撓性をもたらし、したがって、ハイポチューブの考えられる捻転の可能性を防止する。
【0251】
[00357]
図45Aは、外側シース(外側ハイポチューブ)3824の、対応するセグメントの特定の軸整列を有する内側シース(内側ハイポチューブ)3820に対するブロック図を表すものであるが、外側シース(外側ハイポチューブ)3824のセグメント及び内側シース(内側ハイポチューブ)3820のセグメントは、代替形態の機構を有し得る。たとえば、
図45Bを参照すると、外側ハイポチューブ3824’の切られていない遠位セグメント3842’(その遠位端及び近位端を含む)の全体は、実質的に内側ハイポチューブ3820’の切られていない遠位セグメント3862’(その遠位端及び近位端を含む)の全体と軸方向に整列している。一定の可撓性を有する可撓性セグメント3844’、3864’のセグメントの遠位端は、外側ハイポチューブ3824’及び内側ハイポチューブ3820’の長手軸に沿って実質的に軸方向に整列しており、内側ハイポチューブ3820’の可撓性セグメント3864’の長さは、外側ハイポチューブ3824’の可撓性セグメント3844’の長さよりも短く、それによって、可撓性セグメント3844’の近位端と可撓性セグメント3864’の近位端とが軸方向に整列するのを防止し、外側ハイポチューブ3824’の可撓性セグメント3844’(一定の可撓性を有する)の近位端と、内側ハイポチューブ3820’の可撓性セグメント3864’(一定の可撓性を有する)の近位端及び可撓性セグメント3866’(可変可撓性を有する)の遠位端の両方との間のオーバラップをもたらす。それゆえに、可撓性セグメント3846’の遠位端と可撓性セグメント3866’の遠位端とが軸方向に整列することはなく、それによって、内側ハイポチューブ3820’の可撓性セグメント3866’(可変可撓性を有する)の遠位端と、外側ハイポチューブ3824’の可撓性セグメント3844’(一定の可撓性を有する)の近位端及び可撓性セグメント3846’(可変可撓性を有する)の遠位端の両方との間のオーバラップをもたらす。また、可撓性セグメント3846’の近位端と可撓性セグメント3866’の近位端とが軸方向に整列することもない。内側ハイポチューブ3820’の可撓性セグメント3866’(可変可撓性を有する)の近位端は、内側ハイポチューブ3820’の可撓性セグメント3846’(可変可撓性を有する)の近位端と近位の切られていないセグメント3848’の遠位端との両方とオーバラップする。また、外側ハイポチューブ3824’の切られていないセグメント3848’、3868’の部分(たとえば遠位部、中心部及び近位部)と内側ハイポチューブ3820’とはオーバラップする。
【0252】
[00358]
図45Cを参照すると、外側ハイポチューブ3824’’の切られていない遠位セグメント3842’’(その遠位端及び近位端を含む)の全体は、実質的に内側ハイポチューブ3820’’の切られていない遠位セグメント3862’’(その遠位端及び近位端を含む)の全体と軸方向に整列している。一定の可撓性を有する可撓性セグメント3844’’、3864’’のセグメントの遠位端は、外側ハイポチューブ3824’’及び内側ハイポチューブ3820’’の長手軸に沿って実質的に軸方向に整列しており、内側ハイポチューブ3820’’の可撓性セグメント3864’’の長さは、外側ハイポチューブ3824’’の可撓性セグメント3844’’の長さよりも短く、それによって、可撓性セグメント3844’’の近位端と可撓性セグメント3864’’の近位端とが軸方向に整列するのを防止し、外側ハイポチューブ3824’’の可撓性セグメント3844’’(一定の可撓性を有する)の近位端と、内側ハイポチューブ3820’’の可撓性セグメント3864’’(一定の可撓性を有する)の近位端及び可撓性セグメント3866’’(可変可撓性を有する)の遠位端の両方との間のオーバラップをもたらす。それゆえに、可撓性セグメント3846’’の遠位端と可撓性セグメント3866’’の遠位端とが軸方向に整列することはなく、それによって、内側ハイポチューブ3820’’の可撓性セグメント3866’’(可変可撓性を有する)の遠位端と、外側ハイポチューブ3824’’の可撓性セグメント3844’’(一定の可撓性を有する)の近位端及び可撓性セグメント3846’’(可変可撓性を有する)の遠位端の両方との間のオーバラップをもたらす。また、可撓性セグメント3846’’の近位端と可撓性セグメント3866’’の近位端とが軸方向に整列することもない。外側ハイポチューブ3824’’の可撓性セグメント3846’’(可変可撓性を有する)の近位端は、内側ハイポチューブ3820’’の可撓性セグメント3866’’(可変可撓性を有する)の近位端と近位の切られていないセグメント3868’’の遠位端との両方とオーバラップする。また、外側ハイポチューブ3824’’の切られていないセグメント3848’’、3868’’の部分(たとえば遠位部、中心部及び近位部)と内側ハイポチューブ3820’’とはオーバラップする。
【0253】
[00359]
図45Dを参照すると、外側ハイポチューブ3824’’’の切られていない遠位セグメント3842’’’(その遠位端及び近位端を含む)の全体は、実質的に内側ハイポチューブ3820’’’の切られていない遠位セグメント3862’’’(その遠位端及び近位端を含む)の全体と軸方向に整列している。一定の可撓性を有する可撓性セグメント3844’’’、3864’’’のセグメントの遠位端は、外側ハイポチューブ3824’’’及び内側ハイポチューブ3820’’’の長手軸に沿って実質的に軸方向に整列しており、内側ハイポチューブ3820’’’の可撓性セグメント3864’’’の長さは、外側ハイポチューブ3824’’’の可撓性セグメント3844’’’の長さよりも長く、それによって、可撓性セグメント3844’’’の近位端と可撓性セグメント3864’’’の近位端とが軸方向に整列するのを防止し、内側ハイポチューブ3820’’’の可撓性セグメント3864’’’(一定の可撓性を有する)の近位端と、外側ハイポチューブ3824’’’の可撓性セグメント3844’’’(一定の可撓性を有する)の近位端及び可撓性セグメント3846’’’(可変可撓性を有する)の遠位端の両方との間のオーバラップをもたらす。それゆえに、可撓性セグメント3846’’’の遠位端と可撓性セグメント3866’’’の遠位端とが軸方向に整列することはなく、それによって、外側ハイポチューブ3824’’’の可撓性セグメント3846’’’(可変可撓性を有する)の遠位端と、内側ハイポチューブ3820’’’の可撓性セグメント3864’’’(一定の可撓性を有する)の近位端及び可撓性セグメント3866’’’(可変可撓性を有する)の遠位端の両方との間のオーバラップをもたらす。また、可撓性セグメント3846’’’の近位端と可撓性セグメント3866’’’の近位端とが軸方向に整列することもない。外側ハイポチューブ3824’’’の可撓性セグメント3846’’’(可変可撓性を有する)の近位端は、内側ハイポチューブ3820’’’の可撓性セグメント3866’’’(可変可撓性を有する)の近位端と近位の切られていないセグメント3868’’’の遠位端との両方とオーバラップする。また、外側ハイポチューブ3824’’’の切られていないセグメント3848’’’、3868’’’の部分(たとえば遠位部、中心部及び近位部)と内側ハイポチューブ3820’’’とはオーバラップする。
【0254】
[00360] 特定の図に示されているわけではないが、この開示の範囲は、
図45A、
図45B、
図45C及び
図45Dに表されるような、内側ハイポチューブと外側ハイポチューブのあらゆる組合せ、並びに、そのようなハイポチューブの、切られているセグメントと切られていないセグメントのあらゆる組合せを含むものとする。
【0255】
[00361] 付図において、類似した部品及び/又は特徴は同一の参照ラベルを有する。さらに、同じタイプの様々な部品は、類似した部品の間を識別する文字によって参照ラベルを辿ることにより、識別される。明細書において第1の参照ラベルのみが使用されている場合には、その記述は、第2の参照ラベルに関係なく、同一の第1の参照ラベルを有する類似した部品のいかなるものにも適用可能である。
【0256】
[00362] 本開示の多くの変形形態及び修正形態が利用され得る。本開示のいくつかの特徴は、他の特徴を提供することなく提供され得るものである。
【0257】
[00363] いくつかの実施形態では、この開示のシステム及び方法は、専用コンピュータ、プログラムドマイクロプロセッサ或いはマイクロコントローラ及び周辺の集積回路素子、ASIC又は他の集積回路、デジタル信号プロセッサ、個別素子回路などの配線接続された電子回路若しくは論理回路、プログラム可能論理デバイス又はPLD、PLA、FPGA、PALなどのゲートアレイ、任意の同等な手段などとともに実施される。一般に、この開示の様々な態様を実施するために、本明細書で示された技法を実施することができる任意のデバイス又は手段が使用される。開示された実施形態、構成及び態様に使用される例示のハードウェアには、コンピュータ、携帯用デバイス、電話(たとえばセルラー電話、インターネット接続可能電話、デジタル電話、アナログ電話、ハイブリッド電話など)、及び当技術分野において既知の他のハードウェアが含まれる。これらのデバイスのうちいくつかは、プロセッサ(たとえば単一又は複数のマイクロプロセッサ)、記憶装置、不揮発性記憶装置、入力デバイス、及び出力デバイスを含む。その上、代替ソフトウェアの実装形態は、それだけではないが、分散処理若しくはコンポーネント/オブジェクトの分散処理、並行処理を含み、又は本明細書で説明された方法を実施するように、仮想計算機処理も構築される。
【0258】
[00364] 本開示は、本明細書で実質的に表されて説明されたように、様々な態様、実施形態、及び/又は構成において、部品、方法、プロセス、システム及び/又は装置を含み、それらの様々な態様、実施形態、構成の実施形態、部分的組合せ、及び/又はサブセットを含む。当業者なら、本開示を理解した後に、開示された態様、実施形態、及び/又は構成を作製して使用するやり方を理解するはずである。本開示は、たとえば、実装形態の、性能改善、容易さの達成、及び/又はコスト低減のために、様々な態様、実施形態、及び/又は構成において、本明細書による叙述及び/又は説明のない品目はない状態で、或いは、様々な態様、実施形態、及び/又は構成において、以前のデバイス又はプロセスで使用されているような品目はない状態で、デバイス及びプロセスを提供することを含むものである。
【0259】
[00365] たとえば、この開示の中でピンとスロットのカム構成が論じられているが、他の可能なカム構成が使用され得る。たとえば、捕捉されたリングカム構成が使用され得る。捕捉されたリングカム構成に含まれるリングは、内側シース(若しくは内側シースに取り付けられた内側部材)又は外側シース(若しくは外側シースに取り付けられた外側部材)の少なくとも1つに対して取り付けられており、他のシース(又は部材)上の角をなす2つのローブによって捕捉される。リングが1つのローブによって捕捉されても、切削面が近位方向(後退位置の方向)と遠位方向(伸長方向)との両方に押し進められるように、リングが(リングのそれぞれの側に1つの)2つのローブによって捕捉されるのは望ましいことである。捕捉されたカム構成の支援によって切削面を両方向に押し進め得ることの利益により、内側シース(又は内側部材)及び切削面を、外側シース(又は外側部材)の内部へ強制的に戻すバネ又は他の引き戻し機構が、可能性として不要になる。
【0260】
[00366] 代替実施形態の別の例は、切削先端部を拡張器頂部又は分離器先端部で置換することを含む。代替実施形態のさらなる例は、時計回りの方向及び/又は反時計回りの方向における内側シース組立体又は筒形カムシリンダの回転の角度を変えることを含む。代替実施形態のさらなる例は、筒形カムシリンダ及び内側シース組立体を、まず反時計回りの方向に回転させ、続いて時計回りの方向に回転させることを含む。
【0261】
[00367] 前述の議論は解説及び説明のために示されたものである。前述のものは、本開示を、本明細書で開示された形態に限定するようには意図されていない。たとえば、前述の「発明の概要」では、本開示を効率化するために、本開示の様々な特徴が、1つ又は複数の、態様、実施形態、及び/又は構成に分類されている。本開示の態様、実施形態、及び/又は構成の特徴は、上記で論じられたもの以外の代替の態様、実施形態、及び/又は構成と組み合わされ得る。本開示のこの方法は、各請求項で明確に列挙されたものよりも多くの特徴を必要とするとの意図を反映するように解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、独創的な態様は、前述の、開示された単一の態様、実施形態、及び/又は構成のすべての特徴よりも少ないものにある。したがって、以下の特許請求の範囲は、これによって、この「発明の概要」に包含され、各請求項は本開示の個別の望ましい実施形態として自立するものである。
【0262】
[00368] その上、説明は、1つ又は複数の態様、実施形態、並びに/或いは構成、特定の変形形態及び修正形態の説明を含んでいるが、他の変形形態、組合せ及び修正形態は、たとえば本開示を理解した後の当業者の技能及び知識の範囲内にあるように、本開示の範囲内にある。特許請求されたものに対する、代替の、交換可能な、且つ/又は均等な、構成、機能、範囲又はステップを含めて、そのような代替の、交換可能な、且つ/又は均等な、構成、機能、範囲又はステップが本明細書に開示されていようといまいと、代替の態様、実施形態、及び/又は構成を、許容される範囲で含む権利を取得することが意図されており、いかなる特許権を受けられる主題も、公に供することは意図しない。