(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】駆動回路及び関連ランプ
(51)【国際特許分類】
H05B 45/395 20200101AFI20220502BHJP
H05B 47/17 20200101ALI20220502BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20220502BHJP
H05B 45/38 20200101ALI20220502BHJP
H05B 45/385 20200101ALI20220502BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20220502BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20220502BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20220502BHJP
【FI】
H05B45/395
H05B47/17
H05B45/375
H05B45/38
H05B45/385
H05B45/10
H05B47/105
H05B47/19
(21)【出願番号】P 2021521305
(86)(22)【出願日】2019-10-09
(86)【国際出願番号】 EP2019077289
(87)【国際公開番号】W WO2020078783
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-04-16
(31)【優先権主張番号】201821699293.7
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ルオ チジュン
(72)【発明者】
【氏名】ホンテレ ベルトラント ヨハン エドヴァルト
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0229045(US,A1)
【文献】国際公開第2018/162314(WO,A1)
【文献】特開平09-097925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/395
H05B 47/17
H05B 45/375
H05B 45/38
H05B 45/385
H05B 45/10
H05B 47/105
H05B 47/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源に接続するよう適合される入力と、
LED負荷に接続するよう適合される出力と、
前記LED負荷と並列に接続される出力コンデンサと、
前記出力に接続されるLED駆動電流源であって、照明モードにおいて、前記入力における前記主電源を、前記LED負荷を流れ、前記出力コンデンサを充電するための、前記出力における電流に変換するよう構成されるLED駆動電流源と、
スタンバイモードを有効にするためにスタンバイ信号を受信し、前記スタンバイモードにおいて、前記出力における出力電圧が、前記LED負荷のターンオン電圧よりも低く、且つ予め設定された最低電圧よりも高くなり得るように、前記主電源によって直線的に充電されるよう前記出力コンデンサを制御するよう構成される制御回路とを有する駆動回路。
【請求項2】
前記LED駆動電流源が、前記照明モードにおいて、制御されたインピーダンスで、前記入力における前記主電源を、前記出力における電流であって、前記電流が、前記LED負荷を流れ、前記出力コンデンサを充電するような電流に変換する線形電流源を有し、
前記駆動回路が前記スタンバイモードにあるとき、前記制御回路が、前記主電源の振幅が前記出力における出力電圧に等しいことに応答して、前記出力コンデンサを充電するよう前記線形電流源を動作させ、前記主電源の振幅が前記出力における出力電圧に等しくないことに応答して、オフになるよう前記線形電流源を制御するよう構成される請求項1に記載の駆動回路。
【請求項3】
前記線形電流源が、PNPトランジスタを有し、前記PNPトランジスタのエミッタが、整流器ブリッジの正の出力に接続され、前記PNPトランジスタのコレクタが、前記駆動回路の正の出力に接続される請求項2に記載の駆動回路。
【請求項4】
前記線形電流源が、NPNトランジスタを更に有し、前記NPNトランジスタのコレクタが、前記PNPトランジスタのベースに接続され、前記NPNトランジスタのエミッタが、前記整流器ブリッジの負の出力に接続され、前記NPNトランジスタのベースが、前記制御回路に接続される請求項3に記載の駆動回路。
【請求項5】
前記LED駆動電流源が、スイッチングモード電源を有し、
前記駆動回路が、前記スイッチングモード電源とは異なるスタンバイ線形電流源を更に有し、
前記照明モードにおいて、前記スイッチングモード電源が、前記入力における前記主電源を、前記LED負荷を流れ、前記出力コンデンサを充電するための、前記出力における電流に変換するよう構成され、前記スタンバイ線形電流源が、オフにされるよう構成され、
前記スタンバイモードにおいて、前記スイッチングモード電源が、オフにされるよう構成され、前記スタンバイ線形電流源が、前記出力コンデンサを前記入力に接続するように構成され、前記出力コンデンサと前記スイッチングモード電源とが切り離され、前記スタンバイ線形電流源が、前記出力コンデンサを直線的に充電するよう前記主電源を制御するよう構成される請求項1に記載の駆動回路。
【請求項6】
前記出力コンデンサの陽極が、正電圧を供給する前記入力に接続され、前記出力コンデンサの陰極が、前記スタンバイ線形
電流源の電流端子に接続され、前記スタンバイ線形
電流源の他方の電流端子が、負電圧を供給する前記入力に接続され、
前記スイッチングモード電源が、バックコンバータ、ブーストコンバータ、バックブーストコンバータ又はフライバックコンバータを有し、その入力が、前記入力に接続され、その出力が、前記出力コンデンサに接続され、
前記駆動回路が、前記出力コンデンサにおける電圧を検出するための電圧検出回路を更に有し、前記スタンバイ線形
電流源が、前記出力コンデンサの電圧が前記LED負荷の前記ターンオン電圧よりも高いことに応答して、オフにされるよう構成され、前記スタンバイ線形
電流源が、前記出力コンデンサにおける電圧が前記最低電圧よりも低いことに応答して、有効にされるよう構成される請求項5に記載の駆動回路。
【請求項7】
前記電圧検出回路が、前記出力コンデンサの陰極に接続されるツェナーダイオードを有し、前記ツェナーダイオードが、更に、逆バイアスされ、前記スタンバイ線形
電流源の制御電極に接続され、前記スタンバイ線形
電流源の前記電流端子が、充電抵抗器を介して前記出力コンデンサと直列に前記入力に接続される請求項6に記載の駆動回路。
【請求項8】
前記駆動回路の正の出力に接続され、ユーザの入力に基づいてスタンバイ信号又は調光信号を生成するよう構成される補助負荷回路を更に有する請求項1又は2に記載の駆動回路。
【請求項9】
前記補助負荷回路が、電源回路と、無線周波数回路とを有し、
前記電源回路が
、前記出力から電力を引き出し、供給電圧を生成するよう構成され、
前記無線周波数回路が、前記電源回路から前記供給電圧を受け取り、前記スタンバイ信号又は前記調光信号を前記制御回路に送信するよう構成される請求項
8に記載の駆動回路。
【請求項10】
前記LED負荷と直列に接続するよう適合され、前記LED負荷を流れる電流を検知するよう構成される電流検知デバイスを更に有する請求項1に記載の駆動回路。
【請求項11】
前記整流器ブリッジの正の出力が、前記制御回路に電力を供給するために検知抵抗器を介して前記制御回路に接続され、前記整流器ブリッジの前記正の出力における電圧振幅の変化が同時に検出される請求項3に記載の駆動回路。
【請求項12】
前記駆動回路の正の出力が、前記駆動回路の前記正の出力における前記出力電圧を検出するために電気的接続線を介して前記制御回路に接続される請求項1に記載の駆動回路。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の駆動回路を有するランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、広くは、LEDランプのための駆動回路と、前記駆動回路を有するLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
LEDの軽負荷及び負温度の特性により、LED負荷を駆動するためには、一般的に、LED負荷専用の駆動回路が必要とされる。
【0003】
一般に、LED負荷のためには、スイッチモード駆動及びリニア駆動という2つの駆動方式がある。スイッチモード駆動は、優れた電流制御精度と、高い全体的な効率とを提供する。例として、CN104427721Bは、LEDが点灯されていないスタンバイ状態においてマイクロコンピュータに電力を供給することが可能なLED駆動回路を提供するスイッチモードLED駆動回路を開示しており、前記LED駆動回路は、スタンバイ信号の入力に応じて、定電圧制御信号を介してLEDを点灯させるために必要とされる電圧よりも低い出力電圧を出力することが可能である。
【0004】
リニア駆動は、シンプルな構造と低コストとを含む利点を持つ、最もシンプルで直接的な駆動方法である。LED負荷のためのよく使用されるリニア駆動回路は、一般的に、ローサイド駆動であり、より高い力率を達成するために、LED負荷と並列のコンデンサは、一般的に、大きい。更に、このリニア駆動方式においては、一般的に、補助負荷回路専用のVDD電源が、ダイオード及びコンデンサを介して主電源出力に接続される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的のうちの1つは、少なくとも、先行技術の駆動回路に存在する課題、即ち、例えば、リニア駆動回路又はスイッチングモード電源駆動回路のスタンバイモードから最小発光レベルまでの長い遅延を解決することである。好ましくは、それは、前記リニア駆動回路の高いスタンバイ時消費電力という課題を解決することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の基本的な考え方は、スタンバイモードから照明モードに切り替えるときに、LEDを点灯させるよう出力コンデンサが素早く充電されることができるように、スタンバイモードの下で、前記LEDのターンオン電圧よりも低いが、最低電圧よりも高い、前記出力コンデンサの電圧を可能にするよう、リニア電源が主電源から前記出力コンデンサを直接充電するというものである。本明細書において使用される「直接」という単語は、前記コンデンサが、高周波スイッチングモード電源を介して主電源に接続されるのではなく、リニアドライバを介して主電源に接続され、その周波数で主電源によって充電されることを意味することは理解されるべきである。
【0007】
本願の第1態様によれば、それは、駆動回路を提供する。前記駆動回路は、主電源に接続される入力と、LED負荷に接続される出力と、前記LED負荷と並列に接続される出力コンデンサ(C1)と、前記出力に接続されるLED駆動電流源であって、照明モードにおいて、前記入力における前記主電源を、前記出力における電流であって、前記電流が、前記LED負荷を流れ、前記出力コンデンサ(C1)を充電するような電流に変換するよう構成されるLED駆動電流源と、スタンバイモードを有効にするためにスタンバイ信号を受信し、前記スタンバイモードにおいて、前記出力コンデンサ(C1)を直線的に充電するよう前記主電源を制御するよう構成される制御回路とを有し、前記出力における出力電圧は、前記LED負荷のターンオン電圧よりも低く、且つ予め設定された最低電圧よりも高い。
【0008】
第1態様においては、前記出力の前記出力電圧は、前記LED負荷の前記ターンオン電圧よりも低く、且つ予め設定された最低電圧よりも高く制御され、これは、前記スタンバイモードから最小発光レベルに切り替わるときに、前記出力コンデンサを前記LEDの前記ターンオン電圧まで素早く充電することを可能にする。これは、前記スタンバイモードから前記最小発光レベルへの切り替えの遅延を大幅に低減する。この原理の適用は、前記駆動回路が、前記主電源を介して、直接、前記出力コンデンサを直線的に充電する場合に新規性を有する。
【0009】
幾つかの実施形態においては、前記LED駆動電流源は、前記照明モードにおいて、制御されたインピーダンスで、前記入力における前記主電源を、前記出力における電流であって、前記電流が、前記LED負荷を流れ、前記出力コンデンサを充電するような電流に変換する線形電流源を有する。実施形態においては、線形電流源は、LEDのための駆動電流源であり、その一方で、前記スタンバイモードにおいては(LEDが点灯を停止する場合には)別個に前記出力コンデンサを充電する。前記LED駆動回路が前記スタンバイモードにあるとき、前記制御回路は、前記主電源の振幅が前記出力における前記出力電圧に等しい場合には、前記出力コンデンサを充電するよう動作するよう前記線形電流源を有効にし、そうでない場合には、オフになるよう前記線形電流源を制御するよう構成される。 実施形態においては、前記線形電流源におけるスイッチ要素は、ゼロ以下の電圧降下時に動作し、前記電圧降下が高いときに動作を停止することができ、それにより、前記LED駆動回路のスタンバイ時消費電力を大幅に低減する。
【0010】
幾つかの実施形態においては、前記線形電流源は、PNPトランジスタを有し、前記PNPトランジスタのエミッはが、整流器ブリッジの正の出力に接続され、前記PNPトランジスタのコレクタは、前記駆動回路の正の出力に接続される。幾つかの実施形態では、前記PNPトランジスタを用いることで、前記駆動回路のコストが大幅に低減され得る。
【0011】
幾つかの実施形態においては、前記線形電流源は、NPNトランジスタを更に有し、前記NPNトランジスタのコレクタは、前記PNPトランジスタのベースに接続され、前記NPNトランジスタのエミッタは、前記整流器ブリッジの負の出力に接続され、前記NPNトランジスタのベースは、前記制御回路に接続される。実施形態においては、前記NPNトランジスタは、前記PNPトランジスタとカスケード接続して線形電流源として使用されることができ、それにより、前記駆動回路のコストを効果的に低減する。
【0012】
他の実施形態においては、前記LED駆動電流源は、スイッチングモード電源を有し、前記駆動回路は、前記スイッチングモード電源とは異なるスタンバイ線形電流源を更に有する。 前記照明モードにおいては、前記スイッチングモード電源は、前記入力における前記主電源を、前記出力における電流であって、前記電流が、前記LED負荷を流れ、前記出力コンデンサを充電するような電流に変換し、前記スタンバイ線形電流源は、オフにされ、前記スタンバイモードにおいては、前記スイッチングモード電源は、オフにされ、前記スタンバイ線形電流源は、前記出力コンデンサを前記入力に接続し、前記出力コンデンサと前記スイッチングモード電源とが切り離され、前記スタンバイ線形電流源は、前記出力コンデンサを直線的に充電するよう前記主電源を制御する。
【0013】
この実施形態は、AC/DC PFCコンバータなどの、LEDを供給するよく使用されるスイッチングモード電源が、スタンバイモード下で、前記出力コンデンサを充電することなく、無効化される代替的な実施形態を提供し、これは、前記スイッチングモード電源の損失を低減する。 前記出力コンデンサの電圧は、異なる線形電流源によって、直接、前記主電源に従って維持され、より低いコスト及び消費電力をもたらす。
【0014】
更に、前記出力コンデンサの陽極は、正電圧を供給する前記入力に接続され、陰極は、前記スタンバイ線形電源の電流端子に接続され、前記スタンバイ線形電源の他方の電流端子は、負電圧を供給する前記入力に接続される。これは、前記回路全体にわたって前記出力コンデンサと前記スタンバイ線形電源との間の接続を供給する。
【0015】
更に、前記スイッチングモード電源は、バックコンバータ、ブーストコンバータ、バックブーストコンバータ又はフライバックコンバータを有し、その入力は、前記入力に接続され、その出力は、前記出力コンデンサに接続される。本発明の概念は、他のタイプのスイッチング電源にも適用可能であることは理解されるだろう。
【0016】
更に、前記駆動回路は、前記出力コンデンサにおける電圧を検出するための電圧検出回路を更に有し、前記スタンバイ線形電源は、前記出力コンデンサにおける電圧がLED負荷の前記ターンオン電圧よりも高いときに、オフにされ、前記スタンバイ線形電源は、前記出力コンデンサにおける電圧が前記最低電圧よりも低いときに、有効にされる。この実施形態は、前記出力コンデンサの充電時の電力損失を最小限にし、スタンバイ効率を向上させることができる。
【0017】
前記電圧検出回路は、前記出力コンデンサの陰極に接続されるツェナーダイオードを有し、前記ツェナーダイオードは、逆バイアスされ、前記スタンバイ線形電源の制御電極に接続され、前記スタンバイ線形電源の前記電流端子は、前記入力において充電抵抗器を介して前記出力コンデンサと直列に接続される。この実施形態は、複数の基本的な電子的構成要素から構成される電圧検出回路が提供し、これは、複雑なマイクロコントローラ、集積比較器などを必要とせず、それ故、低コスト化が実現される。
【0018】
幾つかの実施形態においては、前記駆動回路は、前記駆動回路の正の出力における電圧に応じて動作し、ユーザの入力に基づいてスタンバイ信号又は調光信号を生成するよう構成される補助負荷回路を更に有する。幾つかの実施形態においては、前記駆動回路の前記正の出力における前記電圧が、前記補助負荷回路のVDD供給電圧として直接使用されることができ、前記出力電圧が、追加回路なしに、前記主電源から直接前記VDD供給電圧を生成するために再利用される。これは、前記補助負荷回路の電源構造をよりコンパクトにする。
【0019】
幾つかの実施形態においては、前記補助負荷回路は、電源回路と、無線周波数回路とを有し、前記電源回路は、前記出力電圧から供給電圧を生成し、前記無線周波数回路は、前記電源回路から前記供給電圧を受け取り、前記スタンバイ信号又は前記調光信号を前記制御回路に送信するよう構成される。これらの実施形態においては、前記RF回路は、より低い消費電力で動作させ続けられることができ、前記RF回路は、前記ユーザから遠隔制御信号を受信することができ、これは、前記駆動回路の制御手段をより豊富にすることができ、これは、インテリジェントホーム設計に有利である。
【0020】
幾つかの実施形態においては、前記駆動回路は、前記LED負荷と直列に接続され、前記LED負荷を流れる電流を検知するよう構成される電流検知デバイスを更に有する。これらの実施形態においては、前記駆動回路は、それによって、検知電流信号に基づいて前記LED負荷の光出力のための定電流制御を実行することができる。
【0021】
幾つかの実施形態においては、前記整流器ブリッジの正の出力は、前記制御回路に電力を供給し、同時に、前記整流器ブリッジの前記正の出力における電圧振幅の変化を検出するために、検知抵抗器を介して前記制御回路に接続される。
【0022】
幾つかの実施形態においては、前記駆動回路の正の出力は、前記駆動回路の前記正の出力における前記出力電圧を検出するために、前記制御回路に電気的に接続される。これらの実施形態においては、前記制御回路は、前記スタンバイモードにおいて前記出力における一定の電圧出力が達成され得るように、前記駆動回路の前記出力における電圧変化をモニタすることができる。
【0023】
本願の第2態様によれば、上記の第1態様の実施形態において記載されている駆動回路を有するランプが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図において、同様の/同じ参照符号は、一般に、様々な図を通して同様の/同じパーツを指す。図面は、本発明の原理の説明を強調するために、必ずしも縮尺通りではない。
【
図1】先行技術においてよく使用されるリニア駆動回路の概略図を示す。
【
図2】本発明の実施形態によるリニア駆動回路の概略図を示す。
【
図3】本発明の別の実施形態によるスイッチングモード電源及び線形電源を含む回路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、図面を参照して本開示の様々な実施形態について詳細に説明する。実施形態の1つ以上の例が、図によって示されている。例は、本開示の説明のために示されているものであり、本発明を限定することを目的とするものではない。例えば、或る実施形態の一部として図示又は記載されている特徴は、更なる実施形態を作成するために別の実施形態において使用されてもよい。これらの又は他の修正及び変更は、本開示の趣旨及び範囲内に含まれるよう意図されている。
【0026】
本開示のリニア駆動回路の利点をより明確に理解するために、先行技術における一般的なリニア駆動回路の構造をまず以下に説明する。
【0027】
図1は、先行技術においてよく使用されるリニア駆動回路の概略図を示している。
図1において示されているように、例示的なリニア駆動回路100'は、入力11'、12'と、出力21'、22'とを含み、入力11'、12'は、主電源10'に接続され、出力21'、22'は、整流器ブリッジ20'を介してLED負荷70'に電力を供給する。
【0028】
例として、
図1においては、LED負荷70'は、直列の3つのLEDを含む。しかしながら、他の実施形態においては、LED負荷70'は、直列に又は並列に、より多い又はより少ないLEDを含んでもよい。
【0029】
リニア駆動回路100'は、整流されたDC出力を生成するために入力11',12'から受け取った主電源を整流するための4つのダイオードD1'乃至D4'を含む整流器ブリッジ20'を更に含んでもよい。
【0030】
LED負荷70'への入力を平滑化するために、LED負荷70'と並列に出力コンデンサC1'が接続される。 更に、制御回路30'が、抵抗器R1'を介して整流器ブリッジ20'の正の出力に接続され、それによって、制御回路30'に電力を供給する。
【0031】
リニア駆動回路100'は、補助負荷回路80'を更に含んでもよい。補助負荷回路80'は、補助負荷回路80'にVdd電源を供給するために、ダイオードD5'、抵抗器R2'及びコンデンサC2'を介して整流器ブリッジ20'の正の出力に接続され得る。補助負荷回路80'は、ユーザの入力に基づいて、制御回路30'への、スタンバイ信号又は調光信号などの動作信号を生成することができ、スタンバイ信号は、LED負荷が発光するのをやめさせるために使用されることができ、調光信号は、所望の特性の光を出力するようLED負荷を調光するために使用されることができる。幾つかの実施形態においては、調光信号は、調光信号のデューティサイクルがゼロである場合にスタンバイ信号として使用されることができる。
【0032】
幾つかの実施形態においては、補助負荷回路80'は、スイッチングモード電源回路81'と、無線周波数回路82'とを含んでもよく、スイッチングモード電源回路81'は、無線周波数回路82'に電力を供給するために使用されてもよく、無線周波数回路82'は、ユーザの入力(例えば、遠隔制御信号)に基づいて、スタンバイ信号又は調光信号などの動作信号を制御回路30'に送信するために使用されてもよく、制御回路30'は、少なくともスタンバイ信号又は調光信号に基づいて線形電流源60'に制御信号を送信することができ、それによって、線形電流源60'のオン及びオフを制御する。
【0033】
幾つかの実施形態においては、線形電流源60'は、2つのローサイドスイッチ要素委Q1'及びQ2'のカスケード接続によって形成されてもよく、線形電流源60'の一方の側部は、LED負荷70'を通る電流を制御するためにLED負荷70'の負の端子に接続され、他方の側部は、電流検知抵抗器R3'を介して整流器ブリッジ20'の負の出力に接続される。電流検知抵抗器R3'と線形電流源60'との間のノードは、LED負荷70'を流れる電流を検知する制御回路に結合され、検知電流信号は、制御回路30'にフィードバックされる。
【0034】
図1においては、ほんの一例として、2つのローサイドスイッチ要素Q1'、Q2'は、両方とも、NPNトランジスタであり、Q1'のベースは、制御回路30'によって出力される制御信号によって制御され、Q1'のエミッタは、Q2'のベースに接続され、Q1'のコレクタは、Q2'のコレクタに接続され、Q2'のコレクタは、電流検知抵抗器R3'に接続される。
【0035】
動作状態において、駆動回路100'は、補助負荷回路80'によって生成される(スタンバイ信号又は調光信号などの)動作信号に基づいて、通常動作モード、スタンバイモード、又はシャットダウンモードに移行し得る。
【0036】
通常動作モードにおいては、制御回路30'は、補助負荷回路80'からの変調信号(例えば、調光信号)と、電流検知抵抗器R3'からの電流フィードバック信号とに基づいて、LED負荷70'の調光制御を実現するようスイッチ要素Q1'のためのスイッチ制御信号を生成し得る。
【0037】
スタンバイモードにおいては、制御回路30'は、スタンバイ信号に応じて2つのローサイドスイッチ要素Q1'、Q2'をオフにするよう構成される。スタンバイモードにおいては、LED負荷70'は、発光を停止する。
【0038】
実生活においては、しばしば、スタンバイモードからLED負荷70'の最小発光レベルへ切り替える必要がある。しかしながら、上記のスタンバイモードからLED負荷70'の最小発光レベルへの切り替えがユーザから要求される場合、上記の駆動回路100'には幾つかの問題があり得る。
【0039】
具体的には、高い電力を達成するためには、コンデンサC1は、一般に、大きい必要がある。駆動回路100'が長時間スタンバイモードにある場合には、コンデンサC1は、一般に、漏れ電流の存在により完全に放電される。結果として、上記のスタンバイモードからLED負荷70'の最小発光レベルに切り替えるとき、コンデンサC1は、線形電流源60'の機能により、LED負荷70'によって必要とされるターンオン電圧まで充電されるのにかなりの長時間を要し得る。即ち、上記の駆動回路100'の場合には、上記のスタンバイモードからLED負荷70'の最小発光レベルへの切り替えが、相対的に長い遅延を必要とする場合があり、これは非常に望ましくない。他方で、上記の遅延を短くするためには、駆動回路100'は、スタンバイモード中、コンデンサC1への充電電流を維持するために、スイッチング要素Q2'を動作中に保つ必要があるが、これは、スタンバイ時消費電力の増大をもたらす。これも望ましくない。
【0040】
従って、本開示の目的は、リニア駆動回路のコストを増加させずに、上記の駆動回路100'の技術的な課題を解決することが可能なリニア駆動回路を提供することである。
【0041】
図2は、本発明の実施形態によるリニア駆動回路100の概略図を示している。上記のリニア駆動回路100'と同様に、リニア駆動回路100も、入力11及び12と、出力21及び22とを含み、入力11、12は、主電源10に接続され、出力21、22は、整流器ブリッジ20を介してLED負荷70に電力を供給する。
【0042】
ほんの一例として、
図2において示されているLED負荷70も、直列の3つのLEDを含む。しかしながら、他の実施形態においては、LED負荷70は、直列に又は並列に、より多い又はより少ないLEDを含み得る。
【0043】
同様に、LED負荷70への入力を平滑化するために、LED負荷70と並列に出力コンデンサC1が接続される。更に、制御回路30も、制御回路30に電力を供給するために、抵抗器R1'を介して整流器ブリッジ20の正の出力に結合される。
【0044】
しかしながら、
図1の駆動回路100'とは異なり、駆動回路100は、ハイサイド線形電流源60を含み、前記ハイサイド線形電流源60の一方の側部は、整流器ブリッジ20の正の出力に接続され、前記ハイサイド線形電流源60の他方の側部は、LED負荷70の正の端子に接続される。更に、線形電流源構成要素60は、制御回路30にも接続され、故に、線形電流源構成要素60は、制御回路30によって制御され得る。線形電流源構成要素60の機能は、可変インピーダンスを介して線形電流源構成要素60の出力電流を制御することである。
【0045】
ほんの一例として、幾つかの実施形態においては、線形電流源構成要素60は、2つのバイポーラトランジスタスイッチ素子Q1及びQ2によって形成される増幅器であってもよく、Q1は、NPNトランジスタであってもよく、Q2は、PNPトランジスタであってもよく、Q2のエミッタは、整流器ブリッジ20の正の出力に接続され、Q2のコレクタは、駆動回路100の正の出力21に接続され、Q2のベースは、Q1のコレクタに接続され、Q1のベースは、制御回路30に接続され、Q1のエミッタは、整流器ブリッジ20の負の出力に接続される。それ故、制御回路30によって、トランジスタスイッチ要素Q1のベース電流が制御されることができ、それによって、トランジスタスイッチ要素Q1のコレクタ-エミッタ電流が制御され、それによって、トランジスタQ2のベース電流が制御され、最終的に、トランジスタスイッチ要素Q2のコレクタ-エミッタ電流が制御される。例えば、リニアモードの下で動作される場合、トランジスタQ2のコレクタ-エミッタ電流は、ベース電流のβ倍である。これらの実施形態においては、トランジスタスイッチ要素の使用が、リニア駆動回路のコストを効果的に削減し得る。しかしながら、他の実施形態においては、他の線形電流源が採用されてもよいことは理解されるべきである。例えば、MOSFETが、バイポーラ接合トランジスタに代わるよう使用され得る。
【0046】
更に、駆動回路100は、電流検知デバイスを更に含んでもよい。
図2の例においては、電流検知デバイスは、LED負荷を流れる電流を検知するためにLED負荷70と直列に接続される電流検知抵抗器R3を含んでもよく、検知電流信号は、制御回路30にフィードバックされる。通常動作モードにおいては、制御回路30は、フィードバックされる検知電流信号に応じて、LEDを流れる電流を制御することができる。
【0047】
幾つかの実施形態においては、制御回路30は、リニア制御回路であってもよく、これは、駆動回路のコストを削減し得る。
【0048】
幾つかの実施形態においては、制御回路30は、更に、駆動回路の出力21における電圧をモニタするように、電気接続線32を介して駆動回路の出力に接続され得る。コンデンサC1は、LED負荷70と並列にあり、コンデンサC1の負の端子は、抵抗器R3を介して接地されることから、スタンバイモードにおいては、検出される駆動回路の出力21(又はコンデンサC1の正の端子)における電圧V2は、その場合、C1の両端の電圧と等しいとみなされ得ることは理解されるだろう。
【0049】
幾つかの実施形態においては、リニア駆動回路100も、補助負荷回路80を含み得る。補助負荷回路80の例として、補助負荷回路80は、例えば、電源回路81と、無線周波数回路82とを含んでもよく、電源回路81は、無線周波数回路82に電力を供給するために使用されてもよい。電源回路81は、とりわけ、スイッチングモードの電源回路、例えば、バックコンバータ回路である。他の例においては、電源回路81は、LDO(Low DropOut)回路などのような更なる線形回路であってもよい。無線周波数回路82は、ユーザの入力(例えば、遠隔制御信号)に応じて、スタンバイ信号又は調光信号などの動作信号を制御回路30に送信するために使用され得る。特定の無線周波数信号は、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)又はZigbee(登録商標)などを使用して送信され得る。スタンバイ信号の機能は、LED負荷が発光するのをやめさせ、駆動回路をスタンバイモードにすることを可能にするためのものであり、調光信号は、LEDの通常/照明モードにおいて所望の特性の光を出力するようLED負荷を調光するためのものである。上記の説明においては、スタンバイ信号と調光信号とが区別されているが、幾つかの実施形態においては、調光信号は、調光信号のデューティサイクルがゼロである場合は、スタンバイ信号としても使用されることができることは理解されるだろうことに留意されたい。
【0050】
しかしながら、
図1における補助負荷回路80'とは異なり、補助負荷回路80は、全くダイオード要素又は容量性要素を介さずに、駆動回路100の正の出力21に直接接続されてもよく、正の出力21における電圧に応じて動作する。補助負荷回路80のこの接続の理由は、補助負荷回路80が、補助負荷回路80専用の容量性要素を必要としないように、補助負荷回路80が、容量性要素C1を共用することができるからである。
【0051】
本開示の実施形態による駆動回路100の動作原理を以下に説明する。
【0052】
通常動作モードにおいては、制御回路30は、線形電流源構成要素60のスイッチ要素Q1及びQ2をオンにし、通常動作電流が、LED負荷70を流れることができ、それによって、LED負荷70が発光することを可能にする。このとき、コンデンサC1の両端の電圧は、LED負荷70のターンオン電圧以上に維持される。電流検知抵抗器R3は、LED負荷70を流れる電流を検知することができ、検知電流信号は制御回路30にフィードバックされる。従って、制御回路は、線形電流源構成要素60が、LED負荷70の一定の光出力を達成するように、可変インピーダンスを介して出力電流を調節することができるように、検知電流信号に基づいて線形電流源構成要素60を制御することができる。
【0053】
通常動作モードにおいては、制御回路30は、更に、LED負荷70を調光するように、補助負荷回路80からの調光信号に基づいて線形電流源構成要素60から引き出される電流を制御してもよい。
【0054】
この通常動作モードにおいては、電源回路81も、線形電流源構成要素60の出力から電力を引き出す。線形電流源60の制御は、LED電流の検知に基づいていることから、電源回路81は、線形電流源60からLEDへの定電流の供給には影響を及ぼさない。
【0055】
しかしながら、制御回路30が、補助負荷回路80からスタンバイ信号を受信すると、制御回路30は、駆動回路100をスタンバイモードに移行するよう制御する。
【0056】
スタンバイモードにおいては、制御回路30は、まず、線形電流源60をオフにし、又はそのインピーダンスを増大させて入力電流を減少させ、結果として、コンデンサC1の電圧がLED負荷70のターンオン電圧未満に低下し、次いで、LED負荷70が全く発光しなくなることをもたらす。
【0057】
前述のように、先行技術の駆動回路100'の場合、駆動回路100'が、長時間、このスタンバイモードのままである場合には、コンデンサC1の両端の電圧は、相対的に低い電圧まで(又は0までさえ)放電される可能性があり、スタンバイモードからLED負荷の最小発光レベルへの切り替えが、(「遅延」としても知られている)かなり長い起動時間を要するという問題を引き起こす。この問題を防止するために、本開示における制御回路30は、スタンバイモードにおいて、出力21における出力電圧が、LED負荷70のターンオン電圧よりも低いが、設定された最低電圧よりも高くなるように、線形電流源60のインピーダンスを制御するよう構成される。
【0058】
単なる例として、幾つかの実施形態においては、最低電圧は、LED負荷70のターンオン電圧の50%乃至90%の範囲内にあるよう、例えば、60%、70%又は80%であるよう予め設定されてもよい。他の実施形態においては、最低電圧は、50%未満であってもよく、又は90%よりもわずかに高くてもよい。それ故、最低電圧は選択可能であり、これは、駆動回路のスタンバイ時消費電力を調節することを可能にする。
【0059】
上記のように、駆動回路100の出力21における所望の出力電圧を達成するために、接続線32は、出力電圧を検知し、それに応じて、出力電圧が所望の範囲内になるように線形電流源60のインピーダンスを制御することができる。
【0060】
幾つかの好ましい実施形態においては、線形電流源60の損失を減らすよう、線形電流源60の電圧降下は、より低い値に制御されるべきである。制御回路30は、抵抗器R1を介して検出される整流器ブリッジ20の正の出力における整流された主電源からの周期的な電圧振幅V1と、電気接続線32を介して得られる駆動回路の出力21(又はコンデンサC1の正の端子)における電圧V2とを比較し、電圧振幅V1が出力電圧V2と等しい場合にのみ、線形電流源は、動作するよう制御され、そうでなければ、線形電流源はオフにされる。これらの実施形態においては、制御回路30は、周期的な電圧振幅V1が出力電圧V2に等しいときにのみ動作するので、線形電圧源60のスイッチング要素Q2は、ゼロ電圧降下又は低い電圧で作動されることができ、これは、スタンバイモードにおける消費電力を著しく削減する。本明細書における「等しい」という単語は、入力電圧が出力コンデンサC1を充電することを可能にするために、電圧振幅V1が出力電圧V2よりもわずかに大きく、線形電流源60に印加されるそれらの間の電圧差が、小さい、例えば、20V未満であるというシナリオをカバーする。
【0061】
幾つかの他の実施形態においては、スタンバイモードにおいては、制御回路30は、前記出力における電圧V2が予め設定された最低電圧以下に低下したことが検出される場合にのみ、線形電流源60がコンデンサC1を充電するように、線形電流源60を作動させてもよく、それによって、駆動回路の出力21における電圧V2が予め設定された最低電圧よりも高くなることを可能にする。その場合、線形電流源60は、駆動回路の出力21における電圧V2がLED負荷70のターンオン電圧以上にならないように、所定の時間後にオフにされることができ、それによって、LED負荷70を点灯されることなくスタンバイ状態に保つ。これらの実施形態においては、線形電流源60のスイッチ要素Q2は、依然として、小さな電圧降下で作動されることができ、これは、スタンバイモードにおける消費電力を著しく削減する。
【0062】
更に他の代替的な実施形態においては、スタンバイモードにおいては、制御回路30は、抵抗器R1を介して検出される整流器ブリッジ20の正の出力における電圧振幅V1が予め設定された最低電圧に等しい場合にのみ、コンデンサC1を充電するように動作するよう線形電流源を制御してもよく、そうでなければ、線形電流源は、オフにされるよう制御される。 これらの実施形態においては、同様に、線形電流源60のスイッチング要素Q2もまた、小さな電圧降下で作動されることができ、これもまた、スタンバイモードにおける消費電力を著しく削減する。この場合には、駆動回路の出力21(又はコンデンサC1の正の端子)における電圧V2を検出するための電気的接続線32は省かれ得ることに留意されたい。
【0063】
上記のスタンバイモードにおける動作状態の説明を通して、制御回路30は、hiccup/burstと同様の方法で線形電流源60を繰り返しオン及びオフにすることができ、駆動回路の出力21における電圧V2は、実質的に絶え間なく、LED負荷70のターンオン電圧よりも低く、予め設定された最低電圧よりも高く保たれる。換言すれば、スタンバイモードにおいては、駆動回路の出力21における電圧V2は、実質的に定電圧状態にあり得る。
【0064】
更に、本開示の駆動回路100は、以下の有益な効果を有し得ることは理解されるだろう。
【0065】
第1に、スタンバイモードにおいて、駆動回路100の出力21における電圧V2が、実質的に、LED負荷7のターンオン電圧よりもわずかに低い一定の電圧に保たれ得る。 ユーザがスタンバイモードからLED負荷の最小発光レベルに切り替えるとき、コンデンサC1の両端の電圧は、線形電流源60がオンされた後、すぐに、LED負荷70のターンオン電圧に到達することができ、それによって、LED負荷70の最小発光レベルを実現する。それ故、先行技術の駆動回路100'と比較して、スタンバイモードからLED負荷の最小発光レベルに切り替えるための遅延が大幅に短縮され、これは、リニア駆動回路の性能を著しく向上させる。
【0066】
第2に、スタンバイモードにおいて、線形電流源60のスイッチ要素Q2は、小さな電圧降下で、電圧降下がゼロであっても、動作されることができ、これもまた、駆動回路のスタンバイ時消費電力を著しく削減する。
【0067】
第3に、スタンバイモードにおいて、上記の駆動回路100の出力における実質的に一定の電圧V2は、明らかに、補助負荷回路のためのVDD電源として非常に適しており、これは、回路を簡素化し、コストを削減するのに役立つ。
【0068】
第4に、補助負荷回路80は、駆動回路100の出力に直接接続され、これは、補助負荷回路80が、LED負荷70のキャパシタンスC1を共用することを可能にする。それ故、先行技術の駆動回路100'と比較して、ダイオードD5'、抵抗器R2'及びコンデンサC2'が除去される。これは、明らかに、更に、回路を簡素化し、コストを削減する。
【0069】
上記の実施形態においては、スタンバイ中、線形電源は、主電源から直接出力コンデンサを充電するために使用され、照明中、線形回路は、依然として使用される。以下に説明する他の実施形態においては、当業界においてよく見られるスイッチングモード電源と共に使用される場合、線形電源は、照明モード中、スイッチングモード電源によってオフにされることができ、スイッチングモード電源自体は、スタンバイ中、オフにされることができ、それによって、極端に低い出力電力でのスイッチングモード電源の低効率を回避するが、スイッチングモード電源とは異なる専用のスタンバイ線形電源が、主電源から直接、出力コンデンサを直線的に充電することを可能にする。
【0070】
具体的には、
図3を参照すると、駆動回路が主電源38に結合されている。駆動回路は、整流器ブリッジ32と、スイッチングモード電源34と、出力コンデンサC1と、スタンバイ線形電流源36とを含む。スイッチングモード電源34は、図における接続において示されているような、スイッチS1と、インダクタLと、フリーホイールダイオードDとを含むバックコンバータである。他のタイプのスイッチ電源/コンバータも適用可能であることは理解されるだろう。
【0071】
駆動回路は、スイッチングモード電源34とは異なるリニアトランジスタQ2を本質的に含むスタンバイ線形電流源36も含む。
【0072】
照明モードにおいて、スイッチングモード電源34は、その入力における主電源を、その出力における電流であって、前記電流が、LED負荷70を流れ、出力コンデンサC1を充電するような電流に変換し、スタンバイ線形電流源36は、オフにされる。
【0073】
スタンバイモードにおいて、スイッチングモード電源34は、例えばスイッチS1をオフにすることによって、オフにされる。 スタンバイ線形電流源36は、出力コンデンサC1を入力に接続し、出力コンデンサC1は、スイッチングモード電源34から切り離され(スイッチS1がオフにされていることから、スイッチングモード電源は、もはや出力コンデンサC1を充電するよう動作されず)、スタンバイ線形電流源36は、出力コンデンサC1を直線的に充電するよう主電源を制御する。
【0074】
具体的には、出力コンデンサC1は、正の電圧を供給する前記入力に接続される陽極と、スタンバイ線形電源のトランジスタQ2の電流端子に接続される陰極とを有する。スタンバイ線形電源のトランジスタQ2の別の電流端子は、負の電圧を供給する前記入力に結合される。
【0075】
スタンバイ線形電流源の動作は、出力コンデンサC1の電圧を検出するよう構成される電圧検出回路によって実現される。(スイッチングモード電源が動作していることを意味する)出力コンデンサC1の電圧がLED負荷のターンオン電圧よりも高い場合には、スタンバイ線形電源36はオフにされ、トランジスタQ2はオフにされ、(スタンバイ状態に入ることを意味する)出力コンデンサC1の電圧が最低電圧よりも低い場合には、スタンバイ線形電源36は有効にされる。スイッチングモード電源34の動作は、図示されていないマイクロコントローラによって制御され得る。
【0076】
より具体的には、電圧検出回路は、出力コンデンサC1の陰極に接続されるツェナーダイオードX1を含み、ツェナーダイオードX1は、逆バイアスされ、スタンバイ線形電源34のトランジスタQ2の制御電極/ベースに接続され、スタンバイ線形電源34のトランジスタQ2のコレクタ及びエミッタは、充電抵抗器R2を介して出力コンデンサC1と直列に前記入力に接続される。
【0077】
出力コンデンサC1の電圧が、最小値よりも低いときは、ツェナーダイオードX1における分圧が、大きくなり、ツェナーダイオードX1を降伏(break down)し、トランジスタQ2のベースが高い電圧を受け取り、従って、トランジスタQ2がオンにされ、従って、主電源が、コンデンサC1が最小値以上に充電されるまで、整流器ブリッジ32、コンデンサC1、抵抗器R2及びトランジスタQ2を介してコンデンサC1を充電する。 その後、ツェナーダイオードX1はオフにされ、コンデンサC1が、最小値未満まで、コンデンサC1によって電力を供給される他の補助モジュールによって放電されるまで、又はコンデンサC1自身によって若しくは抵抗器R1を介してゆっくりと放電されるまで、充電は中断され、次いで、上記のプロセスが繰り返される。
【0078】
図面及び上述の説明において本発明が詳細に説明及び図示されている。図面及び説明は、説明及び例示のためのものとみなされるべきであり、限定しようとするものとみなされるべきではない。本発明は、開示されている実施形態に限定されない。当業者は、図面、明細及び添付の特許請求の範囲を研究することによって、開示されている実施形態に対する他の変形を、理解し、実施することができる。
【0079】
特許請求の範囲において、「有する」という単語は、他の要素を除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。単一の要素又は他のユニットが、特許請求の範囲において記載されている様々なアイテムの機能を果たしてもよい。単に、或る特定の手段が、相互に異なる実施形態又は従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。本願の保護の範囲は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することのない、様々な実施形態又は従属請求項において挙げられている様々な特徴の如何なる可能な組み合わせもカバーする。
【0080】
特許請求の範囲における如何なる参照符号も、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。