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特許7066064ハンドルアタッチメント、および、ラバトリー用のドア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-28
(45)【発行日】2022-05-12
(54)【発明の名称】ハンドルアタッチメント、および、ラバトリー用のドア
(51)【国際特許分類】
   E05B 1/00 20060101AFI20220502BHJP
   E06B 3/48 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
E05B1/00 311L
E06B3/48
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021532858
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(86)【国際出願番号】 JP2021010331
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2020095239
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000132013
【氏名又は名称】株式会社ジャムコ
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 久也
(72)【発明者】
【氏名】福冨 祥子
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特許第3581120(JP,B2)
【文献】特許第6494542(JP,B2)
【文献】実公昭54-27065(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00
E06B 3/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの壁面の一部に取り付け可能なベース部と、
引っ張り操作されることにより、前記ベース部を介して前記ドアに引っ張り力を付与するフラップ部と、
前記ベース部に対して前記フラップ部を回動軸まわりに回動自在に連結するフラップ回動機構と、
前記ベース部に対して前記フラップ部を前記回動軸まわりの第1回転方向に付勢する付勢部材と
を具備し、
前記フラップ部は、前記フラップ回動機構に接続される基端部と、前記フラップ回動機構から離れた位置に配置される先端部とを有し、
前記第1回転方向は、前記フラップ部の前記先端部が前記ドアの前記壁面から離れる方向である
ハンドルアタッチメント。
【請求項2】
前記フラップ部は、指を引っ掛け可能な貫通孔部を有する
請求項1に記載のハンドルアタッチメント。
【請求項3】
前記フラップ部の前記先端部には、前記ドアの前記壁面から離れる方向に突出する突出部が設けられ、
前記突出部は、弾性材料によって構成される
請求項1または2に記載のハンドルアタッチメント。
【請求項4】
前記フラップ部と前記ドアの前記壁面との間に配置される第2操作部を更に具備する
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のハンドルアタッチメント。
【請求項5】
前記第2操作部は、第1端部と、前記第1端部と比較して、前記回動軸からの距離が遠い第2端部とを有し、
前記第2端部は、指を引っ掛け可能な開口部を有する
請求項4に記載のハンドルアタッチメント。
【請求項6】
前記第2操作部は、前記フラップ部と対向する第1壁部を有し、
前記第2端部から前記第1端部に向かう方向に見て、前記第1壁部の外表面は、前記フラップ部に向かって突出する略円弧形状を有する
請求項5に記載のハンドルアタッチメント。
【請求項7】
前記ベース部の表面には、引っ張り指示表示が設けられている
請求項4乃至6のいずれか一項に記載のハンドルアタッチメント。
【請求項8】
前記付勢部材による付勢力に抗して、前記フラップ部が前記第2操作部に最も近づいた状態において、前記フラップ部は前記第2操作部から離間する
請求項4乃至7のいずれか一項に記載のハンドルアタッチメント。
【請求項9】
前記フラップ回動機構は、第1方向に沿って延在するピン部材を含み、
前記フラップ部の前記基端部は、前記ピン部材が挿入される第1貫通孔部を有する第1脚部を備える
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のハンドルアタッチメント。
【請求項10】
前記第1脚部の外周面のうち外部に露出する第1露出表面は、前記回動軸を中心とする第1円弧面によって構成される
請求項9に記載のハンドルアタッチメント。
【請求項11】
前記第1脚部は、前記ベース部と接触可能な第1ストッパと、前記ベース部と接触可能な第2ストッパとを有し、
前記第1ストッパは、前記フラップ部が前記第1回転方向に回動するときの第1回動限界を規定し、
前記第2ストッパは、前記フラップ部が前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回動するときの第2回動限界を規定し、
前記ベース部および前記フラップ部は、外部からアクセス不能な非露出領域を規定し、
前記第1ストッパおよび前記第2ストッパは、前記非露出領域に配置される
請求項9または10に記載のハンドルアタッチメント。
【請求項12】
前記ベース部は、前記第1脚部の第1外側側面を覆う第1カバー部を備え、
前記第1カバー部のうち前記第1外側側面と対向する第1対向表面は、第1円弧状面によって構成される
請求項9乃至11のいずれか一項に記載のハンドルアタッチメント。
【請求項13】
前記ベース部は、
前記ピン部材を回動可能に支持する金属製の第1支持部と、前記ピン部材を回動可能に支持する金属製の第2支持部とを有するベース部材と、
前記第1支持部および前記第2支持部を覆う樹脂製のカバー部材と
を有する
請求項9乃至12のいずれか一項に記載のハンドルアタッチメント。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のハンドルアタッチメントと、
ラバトリーの第1壁に、ドアヒンジ軸まわりを回動可能に取り付けられるドアパネルと
を具備し、
前記ハンドルアタッチメントは、前記ドアパネルに取り付けられている
ラバトリー用のドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドルアタッチメント、および、ラバトリー用のドアに関する。
【背景技術】
【0002】
コロナウイルス等の感染症は不特定多数が使用する、ドアの把手や手すり等を介して感染が広がることが多い。例えば、感染者が直接手や指で触れて操作したドアの把手等を、非感染者が触れることで、非感染者の手や指にウイルスが付着する可能性が高い。この非感染者が、ウイルスの付着した手や指を自己の口、鼻や眼等に触れることによって、ウイルスが体内に侵入し、非感染者であったものが感染症に罹患する可能性がある。
このため、感染症を予防するためには、不特定多数の者が手や指で直接触れる箇所を減らすことが有効である。
【0003】
このため、トイレ等の出入りに関して、利用者がドア等に触れることなく利用できるような設備として、特許文献1に示される技術がある。
特許文献1においては、「出入口を有する気密室と、気密室の室内に設置されるトイレブースと、出入口を開閉するドアと、出入口の入口床面に設置されたマットセンサが踏まれることでドアを開扉する出入口開閉装置と、出入口開閉装置によるドアの開扉と連動して作動し出入口の上部から下方へ向く気流によってエアカーテンを作るエアカーテン生成装置と、気流にプラズマを混入させるプラズマ発生装置と、を設けたトイレユニット」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5864806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術は、設備の施工のために床面の工事等を要するため、取り付けるには取り付けるための負担が大きい。また、既存の設備に施工する場合には、機械式のドアロックなどを有する既存の設備を活用することが難しく、全面的な改修が必要となる。
そこで、本発明では、既存の設備あるいは新設の設備にハンドルアタッチメントを取り付けるだけで、利用者が指や手を用いずにドアを容易に開けることを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、いくつかの実施形態におけるハンドルアタッチメントは、ドアの壁面の一部に取り付け可能なベース部と、引っ張り操作されることにより、前記ベース部を介して前記ドアに引っ張り力を付与するフラップ部と、前記ベース部に対して前記フラップ部を回動軸まわりに回動自在に連結するフラップ回動機構と、前記ベース部に対して前記フラップ部を前記回動軸まわりの第1回転方向に付勢する付勢部材と、を具備する。前記フラップ部は、前記フラップ回動機構に接続される基端部と、前記フラップ回動機構から離れた位置に配置される先端部とを有する。前記第1回転方向は、前記フラップ部の前記先端部が前記ドアの前記壁面から離れる方向である。
【0007】
また、いくつかの実施形態におけるラバトリー用のドアは、上述のハンドルアタッチメントと、ラバトリーの第1壁に、ドアヒンジ軸まわりを回動可能に取り付けられるドアパネルと、を具備する。前記ハンドルアタッチメントは、前記ドアパネルに取り付けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、既存の設備または新設の設備にハンドルアタッチメントを取り付けるだけで、利用者は、指や手を用いずにドアを容易に開けることができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施をするための形態における説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、従来のバイフォールドドアを示す図である。
図2図2は、第1の実施形態におけるハンドルアタッチメントの概略図である。
図3図3は、ハンドルアタッチメントを用いた動作を説明する図である。
図4図4は、ハンドルアタッチメントを用いた動作を説明する図である。
図5図5は、ハンドルアタッチメント分解図である。
図6図6は、ハンドルアタッチメントの上面図である。
図7図7は、ハンドルアタッチメントの正面図である。
図8図8は、ハンドルアタッチメントの側面図である。
図9図9は、ハンドルアタッチメントと壁との抵触を説明する図である。
図10図10は、第1の実施形態におけるロックノブアタッチメントの斜視図である。
図11図11は、第1の実施形態におけるロックノブアタッチメントの側面図である。
図12図12は、ロックノブアタッチメントを用いた動作を説明する図である。
図13図13は、第2の実施形態におけるラバトリー用のドアを模式的に示す概略正面図である。
図14図14は、第2の実施形態におけるハンドルアタッチメントを模式的に示す概略斜視図である。
図15図15は、第2の実施形態におけるハンドルアタッチメントを模式的に示す概略斜視図である。
図16図16は、第2の実施形態におけるハンドルアタッチメントを模式的に示す概略正面図である。
図17図17は、第2の実施形態におけるハンドルアタッチメントを模式的に示す分解斜視図である。
図18図18は、図16のA-A矢視断面図である。
図19図19は、第2の実施形態におけるハンドルアタッチメントを模式的に示す概略断面図である。
図20図20は、第2の実施形態におけるハンドルアタッチメントを模式的に示す概略側面図である。
図21図21は、第2の実施形態におけるハンドルアタッチメントを模式的に示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態におけるハンドルアタッチメント、および、ラバトリー用のドアについて説明する。なお、以下の実施形態の説明において、同一の機能を有する部位、部材については同一の符号を付し、同一の符号が付された部位、部材についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0011】
本開示において、「ハンドル」とは、ドアの開閉を行うために手や指を添えて力を加える部材であり、ドアの一部を陥没させた空間またはドアから突出して設けることが可能な部材である。
また、「ドアヒンジ」とは、ドアを設置する開口部の壁面に回動可能に取り付けるための部材を意味する。また、「ドアヒンジ軸」とは、ドアヒンジによって取り付けられたドアの回動軸を意味する。ドアヒンジ軸は、ドアの回転軸が鉛直であれば、鉛直方向に略平行となるが、ドアが上下方向に可動する場合には、ドアヒンジ軸は水平方向に略平行となることがある。
さらに、本開示の「ドア」は、1枚の平面又は曲面を含むパネルで構成されるドア、第2のドアヒンジ軸に沿って中折れする構造のバイフォールドドア、蛇腹状の伸縮可能なパネルを有するドアも含むものを意味する。
また、「ロックノブ」とは、ドアの施錠又は解錠を行うために、ドアから室内方向に突出した突出部材(例えば、棒状部材)であって、突出部材を移動させることによって施錠位置と解錠位置を切り替えることが可能な部材を意味する。
本開示において、フラップ部25の回動軸AXに平行な1つの方向を第1方向DR1と定義し、第1方向DR1と反対の方向を第2方向DR2と定義する。
【0012】
<従来例>
まず、図1を用いて、従来のドア構造の概要について説明する。図1は、航空機の化粧室などに採用されている、中折れ構造を有するバイフォールドドア1を化粧室の内部から見た例である。バイフォールドドア1は、ドアヒンジ軸2によって航空機内の壁(図示しない)に回動自在に取り付けられており、中折れ部4(換言すれば、第2のドアヒンジ軸)で畳み込むことができるように設計されている。化粧室の外側からバイフォールドドア1を開く際には、手/腕/肘で押すだけで簡単にドアを開けることができる。しかし、化粧室の内側からバイフォールドドア1を開ける動作は、ハンドル部3を手/指で利用者の側に引く動作を行う必要がある。
【0013】
またバイフォールドドア1をロックする際には、ロックノブ5を横方向にスライドし、ロック部6を確実に航空機の壁部材側に突き出すことが必要である。また、バイフォールドドア1を解錠する際には、これとは反対に、ロックノブ5を横方向にスライドし、ロック部6を確実に航空機の壁部材側から引き抜くことが必要である。
なお、ロックノブ5を横方向に操作すると、解錠、施錠の状態が表示部7の化粧室外側の表面に表示されることとなる。
【0014】
このため、利用者は、入退室の際に指や手を用いて、ハンドル部3及びロックノブ5を操作する必要がある。しかし、特に、航空機用の化粧室は化粧室内に手洗い場があるため、利用者が手を洗った後にハンドル部3やロックノブ5に触れる必要があり、感染症を予防する観点からは、指や手を用いずにドアの開閉を行えることが求められている。
【0015】
(第1の実施形態におけるハンドルアタッチメント20)
図2は、ハンドルアタッチメントの概略図である。ハンドルアタッチメント20は、ベース部21及び第1操作部であるフラップ部25を含む。ハンドルアタッチメント20は、ドアをベース部21と補助ベース部26とで挟み込むために、ベース部21と結合可能な補助ベース部26を含んでいてもよい。ベース部21は、ねじ等の固着部材を用いてドアの壁面に固定される。また、フラップ部25は、ピン部材等のフラップ回動機構24を介して、ベース部21に回動自在に取り付けられている。
【0016】
フラップ回動機構24は、フラップ部25のうちのドア壁面側22に設けられている。また、フラップ部25は、ドア壁面側と反対側23において、ドアヒンジ軸と略垂直方向に横長の表面を有している。
さらに、フラップ部25は、フラップ回動機構24から遠い側の端部27が、ドアの壁面から離れる方向に向かうように、バネ等の部材を用いてベース部21に対して付勢されている。
【0017】
(ハンドルアタッチメント20の動作)
次に、図3及び図4を用いて、ハンドルアタッチメント20をバイフォールドドア1に設置した場合の動作を説明する。
図3は、ハンドルアタッチメント20及びロックノブアタッチメント60が取り付けられたバイフォールドドア1が閉められた状態を示している。このような状態からドアを開けるためには、図中に描かれているように、腕や肘をハンドルアタッチメント20に掛けてバイフォールドドア1を図中の矢印の方向、つまり、ドアヒンジ軸2の方向に押せばよい。
【0018】
腕や肘によってハンドルアタッチメント20を押し続けることにより、図4に示すように、容易にドア1を開けることが可能となる。
図3、4に示した実施態様においては、ハンドルアタッチメント20を取り付けることで、指や手を用いることなくドア1の開閉操作を行うことができる。より具体的には、肘や腕によってドア1の開閉操作を行うことが可能となる。また、ハンドルアタッチメント20は航空機のトイレのような狭小空間であっても、ドア1の開閉に必要なドアヒンジ軸方向への力を軽い力で容易にかけることができる。よって、スムーズに開閉操作を行うことができる。
【0019】
(ハンドルアタッチメント20の設置場所及び取付方法)
なお、図3図4の例では、ハンドルアタッチメント20は、ドアに設置されていたハンドル部の位置に設置された例を説明したが、ハンドルアタッチメント20の設置場所はハンドル部が設置されていた位置に限られるものではない。
ハンドルアタッチメント20は、下方に位置することにより足で操作することもできる。
【0020】
ハンドルアタッチメント20のドア1への取付は、埋め込みナットとボルトとを用いて実行されてもよい。代替的に、より簡単には、既存のハンドルに、ハンドルアタッチメント20をリベット/接着等で固定してもよい。
また既存のハンドルにはめ込むことが出来る突っ張り棒やメカニカルロックを用いて、工具を使わずに、ハンドルアタッチメント20が既存のハンドルに取り付けられてもよい。
【0021】
<ハンドルアタッチメントの詳細>
次に、図5に示される分解図を用いて、ハンドルアタッチメント20について説明する。ベース部21とフラップ部25とは、例えば、ピン部材50を、ベース部21のピン受け部52及びフラップ部25のピン受け部51に挿入することによって互いに接続されてもよい。この場合、ピン部材50によってフラップ回動機構24が構成される。そして、ベース部21とフラップ部25との間にバネ機構(図示せず)を設置することによって、端部27をドア1の壁面から常に浮いた状態(跳ね上がった状態)に維持する。こうして、肘や腕による操作をより容易に行うことができる。
【0022】
図6は、ハンドルアタッチメント20の上面図であり、太い鎖線で示されたドア1の壁面に対して、端部27が距離aに示されるように、大きく浮き上がっていることがわかる。
図7は、図6のZ方向から見た正面図であり、図8は、図6のX方向から見た側面図である。
【0023】
航空機の化粧室などの狭小空間でバイフォールドドア1を用いると、化粧室のドア全開時のドアと壁(または壁面にあるプラスチックミラー)とのクリアランスは通常30mm程度と非常に小さい。このため、ドア1を開けるとハンドルアタッチメント20が壁面(または壁面にあるプラスチックミラー)に接触して被接触物を傷つけるおそれがある(図9の(a)(b)参照)。
そこで、ハンドルアタッチメント20にばね材を内蔵し、通常はドアが開く側にフラップ部25の端部27がドア面から浮いた状態(跳ね上がった状態)に付勢される。この状態では、利用者はハンドルアタッチメント20を認識し易く、ハンドルアタッチメント20に腕/肘を掛ける操作を行い易い(図3参照)。
また、ドア全開時のドアと壁面との干渉は、ハンドルアタッチメント20に内蔵されたばね材の付勢力に抗してハンドルアタッチメント20のフラップ部25をベース部21側に移動させることにより、極力防ぐことができる(図9の(c)参照)。
【0024】
このようなハンドルアタッチメント20の構造により、狭い化粧室内で体が当たった際にもハンドルアタッチメント20が折りたたまれることで利用者がハンドルアタッチメント20と干渉した際のケガを防ぐこともできる。
さらに、化粧室の種類によってはドア全開時にドアと壁(または壁面にあるプラスチックミラー)とのクリアランスが10mm以下となる場合もある。
このような場合は、ドア板厚方向にハンドルアタッチメント20を埋め込むことで干渉を防ぐことも出来る。
また、フラップ部の端部27は、図9の(b)、(c)に示されるように、ドアの壁側に湾曲した、返しの構造を有してもよい。このような形状とすることにより、腕/肘が不用意にドア1に巻き込まれることを防止することができる。
【0025】
なお、上記の実施態様では、ハンドルアタッチメント20を水平方向に開閉するドアに適用する例が説明されたが、実施形態におけるハンドルアタッチメント20は、上下方向に開閉する航空機の手荷物収納スペースのドアに適用されてもよい。また、ハンドルアタッチメント20は、航空機のギャレーなどの設備におけるドアに適用されてもよい。
【0026】
(第1の実施形態におけるロックノブアタッチメント60)
図10は、ロックノブアタッチメント60の斜視図であり、図11は、ロックノブアタッチメント60の側面図である。ロックノブアタッチメント60は、ロックノブ5に取り付け可能なアタッチメントである。ロックノブアタッチメント60は、図10図11に示すように、ロックノブ5に嵌着可能な空洞部を備える取付部61と、取付部61からドア面の法線方向に突出した取付部よりも外径の大きな本体部62と、を備える(図11を参照。)。
【0027】
<ロックノブアタッチメントの動作>
次に、図12を用いて、ロックノブアタッチメント60をバイフォールドドア1に設置した場合の動作を説明する。
図12は、ハンドルアタッチメント20及びロックノブアタッチメント60が取り付けられたバイフォールドドア1が閉められた状態を示している。このような状態からドアのロックを解錠する又は施錠するためには、図中に描かれているように、腕や肘をロックノブアタッチメント60に掛けてロックノブアタッチメント60を図中の矢印の方向、つまり、ドアヒンジ軸2から遠ざかる方向あるいはドアヒンジ軸2に近づく方向に、横移動させればよい。
本実施形態におけるロックノブアタッチメント60は、腕/肘等で化粧室のドアのロックを行いやすいよう、本体部62の径が取付部61に比べて大径となっている。
また、ドアの取っ手と間違えて掴むことがないように、本体部62の先端は口径を小さくし断面が台形の形状としている。ただし、ロックノブアタッチメント60の形状は、必ずしもこれらの形状に限定されるものではない。
【0028】
(第2の実施形態)
図13乃至図21を参照して、第2の実施形態におけるハンドルアタッチメント20、および、ラバトリー用のドア1について説明する。図13は、第2の実施形態におけるラバトリー用のドア1を模式的に示す概略正面図である。図14および図15は、第2の実施形態におけるハンドルアタッチメント20を模式的に示す概略斜視図である。なお、図14は、フラップ部25の先端部27がドアの壁面から最も離れた状態に対応する図であり、図15は、フラップ部25の先端部27がドアの壁面に最も近づいた状態に対応する図である。図16は、第2の実施形態におけるハンドルアタッチメント20を模式的に示す概略正面図である。図17は、第2の実施形態におけるハンドルアタッチメント20を模式的に示す分解斜視図である。図18は、図16のA-A矢視断面図である。図19は、第2の実施形態におけるハンドルアタッチメント20を模式的に示す概略断面図である。図20および図21は、第2の実施形態におけるハンドルアタッチメント20を模式的に示す概略側面図である。図20は、フラップ部25の先端部27がドア1の壁面1sから最も離れた状態を示し、図21は、フラップ部25の先端部27がドア1の壁面1sに最も近づいた状態を示す。
【0029】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第2の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第2の実施形態において、第1の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
【0030】
(ラバトリー用のドア1)
図13に例示されるように、ラバトリー用のドア1は、壁101(より具体的には、航空機のラバトリーユニットの壁)に取り付けられる。ドア1は、壁101によって規定される開口部OPを開閉する。
【0031】
図13に記載の例では、ドア1は、ドアパネル10と、ドアパネル10に取り付けられるハンドルアタッチメント20とを備える。ドア1は、ロックバー6およびロックバー6に取り付けられるロックノブアタッチメント60を備えていてもよい。
【0032】
ドアパネル10は、ラバトリー100の第1壁101aに、ドアヒンジ軸AX1まわりを回動可能に取り付けられる。ドアパネル10は、1枚のパネルによって構成されていてもよいし、第1パネル11および第2パネル12を含む複数枚のパネルによって構成されていてもよい。
【0033】
図13に記載の例では、第1パネル11と第2パネル12とが第2のドアヒンジ軸AX2まわりに相対回動可能に連結されている。換言すれば、図13におけるドア1は、バイフォールドドアである。
【0034】
図13に記載の例では、ドアパネル10(より具体的には、第1パネル11)は、ロックノブアタッチメント60の取付部61がスライド移動可能な長孔部13hを有する。長孔部13hの手前側には、ロックノブアタッチメント60の本体部62が配置され、長孔部13hの奥側には、ロックバー6が配置される。
【0035】
ロックノブアタッチメント60は、第1の実施形態におけるロックノブアタッチメントであってもよいし、第1の実施形態におけるロックノブアタッチメントとは異なるロックノブアタッチメントであってもよい。
【0036】
図13に記載の例では、ドアパネル10(より具体的には、第1パネル11)は、長孔部13hに平行な第2長孔部15hを有する。第2長孔部15hの奥側には、ロック状態表示部7が配置されている。ロック状態表示部7は、化粧室外側の表面において、ドア1がロック状態であることを示す第1表示と、ドア1がロック解除状態であることを示す第2表示とを選択的に表示する。
【0037】
(ハンドルアタッチメント20)
ハンドルアタッチメント20は、ドア1を開けるときに、ユーザによって操作される部分である。図13に記載の例では、ハンドルアタッチメント20は、ドアパネル10(より具体的には、第2パネル12)に取り付けられている。
【0038】
図14に記載の例では、ハンドルアタッチメント20は、ベース部21と、フラップ部25と、フラップ回動機構24(より具体的には、ピン部材50)と、付勢部材29とを含む。
【0039】
ベース部21は、ドア1の壁面1sの一部に取り付けられる(換言すれば、ドア1の内壁面全体のうちのいずれかの一部に取り付けられる。)。図13に記載の例では、ベース部21は、ドアパネル10に取り付けられている。
【0040】
フラップ部25は、ユーザによって引っ張り操作されることにより、ベース部21を介してドア1(より具体的には、ドアパネル10)に引っ張り力を付与する。換言すれば、ユーザがフラップ部25を引っ張ることにより、ドア1の状態が、壁101の開口部OPを閉鎖する閉鎖状態から、当該開口部OPを開放する開放状態に切り替えられる。フラップ部25は、ユーザによって操作される第1操作部として機能する。
【0041】
図14に記載の例では、フラップ部25は、フラップ回動機構24(より具体的には、ピン部材50)に接続される基端部28と、フラップ回動機構24から離れた位置に配置される先端部27とを有する。フラップ部25は、フラップ部25の回動軸AXに平行な方向における長さよりも、フラップ部25の回動軸AXに垂直な方向における長さの方が長い横長形状を有することが好ましい。
【0042】
図14に記載の例では、付勢部材29は、ベース部21に対してフラップ部25を回動軸AXまわりの第1回転方向R1に付勢する。第1回転方向R1は、フラップ部25の先端部27がドア1の壁面から離れる方向である。図14に記載の例では、付勢部材29は、ねじりコイルばね29sである。図14に記載の例では、当該ねじりコイルばね29sのコイル部には、ピン部材50が挿入されている。また、当該ねじりコイルばね29sの一端部は、ベース部21に当接し、当該ねじりコイルばね29sの他端部は、フラップ部25に当接している。なお、安全性の観点から、ねじりコイルばね29sの一端部および/または他端部は、溝または穴に収容されることが好ましい。図19に記載の例では、ねじりコイルばね29sの一端部は、ベース部21の溝21v内に収容されている。また、図14に記載の例では、ねじりコイルばね29sの他端部は、フラップ部25の穴251に収容されている。
【0043】
図14に記載の例では、フラップ部25の先端部27がドア1の壁面から離れる方向に付勢される。この場合、(1)先端部27とドア1の壁面との間に、腕または肘を挿入し易いとの第1効果と、(2)先端部27に、意図せずして、身体の一部あるいはラバトリーの壁等が当たった時に、ドア1の壁面側に先端部27が退避する(図15を参照。)との第2効果とが相乗的に奏される。第1効果により、指あるいは手をフラップ部25に触れることなくドア1を円滑に開けることが可能となる。また、第2効果により、ユーザの怪我が防止され、また、壁等の破損が抑制される。
【0044】
続いて、図1乃至図21を参照して、第2の実施形態、または、上述の第1の実施形態において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0045】
(貫通孔部25h)
図14に記載の例では、フラップ部25は、指を引っ掛け可能な貫通孔部25hを有する。この場合、フラップ部25とドア1の壁面との間に腕または肘を挿入してフラップ部25を操作するのに代えて、フラップ部25の貫通孔部25hに指を掛けてフラップ部25を操作することが可能となる。よって、腕または肘を用いてフラップ部25の操作を行いたいユーザの要望と、指を用いてフラップ部25の操作を行いたいユーザの要望との両方に対応することができる。
【0046】
また、フラップ部25に貫通孔部25hが設けられている場合、ユーザは、フラップ部25が、押して操作する操作部ではなく、引いて操作する操作部であることを直感的に認識することができる。
【0047】
図16に記載の例では、貫通孔部25hの形状は、非円形形状(より具体的には、略半円形状)である。貫通孔部25hは、フラップ部25の先端部27に近い側が略直線形状で、フラップ部25の基端部28に近い側が略円弧形状であってもよい。なお、貫通孔部25hの形状は、図16に記載の例に限定されない、貫通孔部25hの形状は、円形状であってもよい。また、貫通孔部25hは、省略されてもよい。
【0048】
(突出部25e)
図16に記載の例では、フラップ部25の先端部27に、ドア1の壁面から離れる方向に突出する突出部25eが設けられている。当該突出部25eは、ゴム(例えば、ポリウレタン)等の弾性材料によって構成される。この場合、突出部25eは緩衝部として機能する。フラップ部25が、壁あるいはミラー等に衝突する際には、フラップ部25のうちの突出部25eが、壁あるいはミラーと衝突する。よって、突出部25eが弾性材料によって構成される場合には、当該衝突によって、壁、ミラー、あるいは、フラップ部25が損傷するリスクが低減される。また、当該突出部25eの存在により、ユーザは、フラップ部25の先端部27をドア1の壁面に向けて押圧することを躊躇する。換言すれば、当該突出部25eの存在により、ユーザは、フラップ部25が、押して操作する操作部ではなく、引いて操作する操作部であることを直感的に認識することができる。
【0049】
(第2操作部35)
図18に記載の例では、ハンドルアタッチメント20は、第2操作部35を備える。第2操作部35は、フラップ部25とドア1の壁面1sとの間に配置される。図18に記載の例では、第2操作部35は、ドア1に固定されている。この場合、第2操作部35は、回動軸AXまわりを回転しない。
【0050】
第2操作部35は、ユーザによって引っ張り操作されることにより、ドア1(より具体的には、ドアパネル10)に引っ張り力を付与する。換言すれば、ユーザが第2操作部35を引っ張ることにより、ドア1の状態が、壁101の開口部OPを閉鎖する閉鎖状態から、当該開口部OPを開放する開放状態に切り替えられる。
【0051】
フラップ部25が折れてフラップ部25の使用が困難となる場合を想定する。この場合でも、ユーザは、第2操作部35を操作することにより、容易にドア1を開けることができる。よって、ユーザが、化粧室(より具体的には、航空機のラバトリー)に閉じ込められることが防止される。また、図18に記載の例では、第2操作部35は、フラップ部25とドア1の壁面1sとの間に配置されている。よって、ユーザは、フラップ部25が折れることによって現れる第2操作部35の存在を容易に認識することができる。なお、フラップ部25が折れる前の状態では、第2操作部35は、フラップ部25の背後に隠れていることが好ましい。
【0052】
図17に記載の例では、ベース部21の表面には、引っ張り指示表示21dが設けられている。この場合、フラップ部25が折れて第2操作部35が現れたときに、ユーザは、第2操作部35の操作方法(より具体的には、引っ張り操作)を容易に認識することができる。なお、引っ張り指示表示21dは、「PULL」等の引っ張り動作を示す文字であってもよいし、引っ張り動作を示す図柄であってもよい。図17に記載の例では、第2操作部35の表面に、引っ張り指示表示21dが設けられている。
【0053】
図19に記載の例では、第2操作部35は、第1端部36と、第1端部36と比較して、回動軸AXからの距離が遠い第2端部37とを有する。また、第2端部37は、指を引っ掛け可能な開口部OP2を有する。第2端部37が開口部OP2を有する場合、第2操作部35をより容易に操作することができる。図19に記載の例では、開口部OP2は、回動軸AXから離れる方向に向かって開口している。よって、ユーザは、回動軸AXに向かう方向に指を移動させることにより、開口部OP2から第2操作部35の内部に指を挿入することができる。
【0054】
図19に記載の例では、第2操作部35は、フラップ部25と対向する第1壁部38を有する。また、第2端部37から第1端部36に向かう方向に見て、第1壁部38の外表面38tは、フラップ部25に向かって突出する略円弧形状を有する。この場合、フラップ部25と第2操作部35との間で、指が強く挟まれるリスクが低減される。より具体的には、図20に記載の例では、第1壁部38の外表面38tは、中央部から第1方向DR1側の端縁部381tに向かうにつれて、フラップ部25からの距離が拡大する略円弧形状を有する。よって、図21に示されるように、フラップ部25が第2操作部35に最も近接した状態でも、フラップ部25と端縁部381tとの間には、フィンガーピンチを抑制するのに十分な隙間G1が存在する。同様に、図21に記載の例では、第1壁部38の外表面38tは、中央部から第2方向DR2側の端縁部382tに向かうにつれて、フラップ部25からの距離が拡大する略円弧形状を有する。よって、図21に示されるように、フラップ部25が第2操作部35に最も近接した状態でも、フラップ部25と端縁部382tとの間には、フィンガーピンチを抑制するのに十分な隙間G2が存在する。
【0055】
図19に記載の例では、第2端部37から第1端部36に向かう方向に見て、第1壁部38の内表面38nは、フラップ部25に向かって突出する略円弧形状を有する。この場合、開口部OP2を介して、第2操作部35に指を挿入し易くなる。また、挿入される指と第2操作部35との接触面(38n)が円弧状になるため、第2操作部35に対する指のフィット感が向上する。
【0056】
図21に記載の例では、付勢部材29による付勢力に抗して、フラップ部25が第2操作部35に最も近づいた状態において、フラップ部25は第2操作部35から離間している。よって、フラップ部25に衝撃力が加わることによりフラップ部25が第2操作部35に向かって回動移動しても、フラップ部25は、第2操作部35に衝突しない。こうして、第2操作部35の破損が防止される。また、フラップ部25と第2操作部35との間で、指が強く挟まれるリスクが低減される。
【0057】
図17に記載の例では、フラップ回動機構24は、ピン部材50を含む。また、図17に記載の例では、フラップ部25の基端部28は、ピン部材50が挿入される第1貫通孔部260hを有する第1脚部260を備える。付加的に、フラップ部25の基端部28は、ピン部材50が挿入される第2貫通孔部265hを有する第2脚部265を備えていてもよい。この場合、フラップ部25を、回動軸AXまわりに安定的に回動させることができる。なお、フラップ部25の基端部28が備える脚部の数は、1つであってもよいし、2つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、各脚部の幅(回動軸AXに沿う方向における長さ)は、必要な強度等を考慮して適宜設定される。
【0058】
図19に記載の例では、第1脚部260の外周面のうち外部に露出する第1露出表面260a(換言すれば、ベース部21によって覆われていない面)は、回動軸AXを中心とする第1円弧面によって構成されている。同様に、図19に記載の例では、第2脚部265の外周面のうち外部に露出する第2露出表面265a(換言すれば、ベース部21によって覆われていない面)は、回動軸AXを中心とする第2円弧面によって構成されている。この場合、フラップ部25が回動軸AXまわりを回動する際に、第1脚部260(または、第2脚部265)とベース部21との間に指が挟まれることが防止される。
【0059】
図18に記載の例では、第1脚部260は、ベース部21と接触可能な第1ストッパ262と、ベース部21と接触可能な第2ストッパ263とを有する。第1ストッパ262は、フラップ部25が第1回転方向R1に回動するときの第1回動限界を規定し、第2ストッパ263は、フラップ部25が第1回転方向R1とは反対の第2回転方向R2に回動するときの第2回動限界を規定する。
【0060】
図18に記載の例では、第1ストッパ262が、ベース部21の第1接触部212と接触した状態が、フラップ部25の先端部27がドア1の壁面1sから最も離れた状態に対応する。フラップ部25の先端部27がドア1の壁面1sから最も離れた状態において、ドア1の壁面1sに対するフラップ部25の開口角度α(より具体的には、回動軸AXに垂直な断面において、回動軸AXとフラップの先端部27とを結ぶ直線L1と、ドア1の壁面1sとの間のなす角の角度)は、例えば、25度以上45度以下、あるいは、30度以上40度以下であることが好ましい。
【0061】
第2ストッパ263が、ベース部21の第2接触部213と接触した状態が、フラップ部25の先端部27がドア1の壁面1sに最も近づいた状態に対応する。フラップ部25の先端部27がドア1の壁面1sに最も近づいた状態において、ドア1の壁面1sに対するフラップ部25の開口角度(より具体的には、回動軸AXに垂直な断面において、回動軸AXとフラップの先端部27とを結ぶ直線と、ドア1の壁面1sとの間のなす角の角度)は、例えば、1度以上8度以下、1度以上6度以下、あるいは、1度以上5度以下であることが好ましい。
【0062】
図18に記載の例では、ベース部21およびフラップ部25は、フラップ部25が第1回動限界と第2回動限界との間のいずれの位置にあるときでも、外部からアクセス不能な非露出領域SPを規定する。また、第1ストッパ262および第2ストッパ263は、当該非露出領域SPに配置されている。なお、図18に記載の例では、非露出領域SPは、ベース部21と第1脚部260とによって囲まれた閉領域である。図17に示されるように、第1ストッパ262および第2ストッパ263は、第1脚部260の内側側面260nには露出していないこと(換言すれば、内側側面260nによって隠されていること)が好ましい。
【0063】
第1ストッパ262および第2ストッパ263が、外部からアクセス不能な非露出領域SPに配置される場合、フラップ部25が回動軸AXまわりを回動する際に、第1脚部260(または、第2脚部265)とベース部21との間に指が挟まれることが防止される。
【0064】
図19に記載の例では、第1脚部260は、回動軸AXの一方側に配置される第1円弧部261aと、回動軸AXの他方側に配置される第2円弧部261bとを備える。また、ベース部21は、第1円弧部261aに常時対向する第3円弧部211aと、第2円弧部261bに常時対向する第4円弧部211bとを備える。
【0065】
図17に記載の例では、ベース部21は、第1カバー部216と、第2カバー部217とを備える。第1カバー部216は、第1脚部260の第2方向DR2側の第1外側側面260sを覆い、第2カバー部217は、第2脚部265の第1方向DR1側の第2外側側面265sを覆う。また、図17に記載の例では、第1カバー部216のうち上述の第1外側側面260sと対向する第1対向表面は、第1円弧状面216sによって構成されている。また、第2カバー部217のうち上述の第2外側側面265sと対向する第2対向表面は、第2円弧状面217sによって構成されている。
【0066】
第1脚部260の第1外側側面260s(または、第2脚部265の第2外側側面265s)が、第1カバー部216(または、第2カバー部217)によって覆われることにより、フラップ部25が回動軸AXまわりを回動する際に、第1脚部260(または、第2脚部265)とベース部21との間に指が挟まれることが防止される。
【0067】
図17に記載の例では、ベース部21は、ベース部材Bと、カバー部材Cとを含む。ベース部材Bは、ピン部材50を回動可能に支持する第1支持部B1(換言すれば、ピン受け部52)と、ピン部材50を回動可能に支持する第2支持部B2(換言すれば、ピン受け部52)とを有する。第1支持部B1および第2支持部B2には、それぞれ、ピン部材50を挿入可能な貫通孔部が形成されていることが好ましい。また、第1支持部B1および第2支持部B2は、金属製であることが好ましい。この場合、第1支持部B1および第2支持部B2が、ピン部材50から繰り返し荷重を受ける場合でも、第1支持部B1および第2支持部B2が破損しにくい。ベース部材B全体が金属製であってもよい。また、ピン部材50は、金属製であってもよい。この場合、ピン部材50も破損しにくい。ただし、実施形態において、第1支持部B1、第2支持部B2、ピン部材50の少なくとも1つ、あるいは、全部が樹脂製であることは排除されない。
【0068】
カバー部材Cは、第1支持部B1および第2支持部B2を覆う。カバー部材Cは、上述の第2操作部35を含んでいてもよい。カバー部材Cは、例えば、樹脂製である。この場合、カバー部材Cを複雑な形状に成形するのが容易である。ただし、実施形態において、カバー部材Cが金属製であることは排除されない。また、カバー部材Cは、省略されても構わない。例えば、カバー部材Cに対応する部分とベース部材Bに対応する部分とを一体的に成形することにより、カバー部材Cが省略されてもよい。この場合、ベース部21の全体が金属製あるいは樹脂製であってもよい。
【0069】
図17に記載の例では、カバー部材Cの両端部に、端部カバーC2、C3が配置されている。端部カバーC2、C3は、ベース部材Bをドアパネル10に固定する締結部材(図17には図示されず)を、ユーザが視認不能なように隠す。端部カバーC2、C3は、カバー部材Cの本体部C1に対して着脱可能であることが好ましい。ピン部材50が、第1支持部B1および第2支持部B2に配置された後、端部カバーC2、C3が、本体部C1に取り付けられるようにしてもよい。
【0070】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形または変更され得ることが明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる任意の構成要素を、他の実施形態または他の変形例に組み合わせることが可能であり、また、各実施形態または各変形例において任意の構成要素を省略することも可能である。
【0071】
なお、本明細書における角度等についての数値の記載は、例示に過ぎない。よって、本明細書における数値の記載によって特許請求の範囲が限定されないことは言うまでもない。
【0072】
本出願は、2020年6月1日に出願された日本国特許出願第2020-95239号を基礎とする優先権を主張し、当該基礎出願の開示の全てを引用により本出願に取り込む。
【符号の説明】
【0073】
1…ドア、1s…壁面、2…ドアヒンジ軸、3…ハンドル部、4…中折れ部、5…ロックノブ、6…ロックバー、7…ロック状態表示部、10…ドアパネル、11…第1パネル、12…第2パネル、13h…長孔部、15h…第2長孔部、20…ハンドルアタッチメント、21…ベース部、21d…引っ張り指示表示、21v…溝、22…ドア壁面側、23…反対側、24…フラップ回動機構、25…フラップ部、25e…突出部、25h…貫通孔部、26…補助ベース部、27…先端部、28…基端部、29…付勢部材、29s…ねじりコイルばね、35…第2操作部、36…第1端部、37…第2端部、38…第1壁部、38n…内表面、38t…外表面、50…ピン部材、51…ピン受け部、52…ピン受け部、60…ロックノブアタッチメント、61…取付部、62…本体部、100…ラバトリー、101…壁、101a…第1壁、211a…第3円弧部、211b…第4円弧部、212…第1接触部、213…第2接触部、216…第1カバー部、216s…第1円弧状面、217…第2カバー部、217s…第2円弧状面、251…穴、260…第1脚部、260a…第1露出表面、260h…第1貫通孔部、260n…内側側面、260s…外側側面、261a…第1円弧部、261b…第2円弧部、262…第1ストッパ、263…第2ストッパ、265…第2脚部、265a…第2露出表面、265h…第2貫通孔部、265s…外側側面、381t…端縁部、382t…端縁部、B…ベース部材、B1…第1支持部、B2…第2支持部、C…カバー部材、C1…本体部、C2、C3…端部カバー、OP…開口部、OP2…開口部
【要約】
ハンドルアタッチメントは、ドアの壁面の一部に取り付け可能なベース部と、引っ張り操作されることにより、ベース部を介してドアに引っ張り力を付与するフラップ部と、ベース部に対してフラップ部を回動軸まわりに回動自在に連結するフラップ回動機構と、ベース部に対してフラップ部を回動軸まわりの第1回転方向に付勢する付勢部材と、を具備する。フラップ部は、フラップ回動機構に接続される基端部と、フラップ回動機構から離れた位置に配置される先端部とを有する。第1回転方向は、フラップ部の先端部がドアの壁面から離れる方向である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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