(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220506BHJP
【FI】
A63F5/04 511G
A63F5/04 511Z
A63F5/04 603D
(21)【出願番号】P 2019076784
(22)【出願日】2019-04-15
【審査請求日】2021-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(72)【発明者】
【氏名】真野 賢
(72)【発明者】
【氏名】田中 友也
【審査官】高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-044254(JP,A)
【文献】特開2016-016020(JP,A)
【文献】特開2018-102990(JP,A)
【文献】特許第6628337(JP,B2)
【文献】特許第6846045(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特別図柄を含む複数種類の図柄が配列された
リールテープと、前記リールテープが巻きつけられた複数のリールと、複数のバックライトと、
押圧部の押圧操作が可能なベットボタン、ストップボタンおよび演出ボタンと、を備え、
各前記バックライトは、
光源が複数実装された光源基板と、
前記光源を露出させる開口を複数有し、前記光源基板の前記光源が実装された面の少なくとも一部を覆うように配置される、光を反射する仕切り部材と、を備え、
各前記バックライトが各前記リールを内側から照らす遊技機であって、
前記ベットボタンの押圧部を移動させるのに必要な荷重は、前記ストップボタンの押圧部を移動させるのに必要な荷重より大きく、前記演出ボタンの押圧部を移動させるのに必要な荷重は、前記ストップボタンの押圧部を移動させるのに必要な荷重より大きく、
前記複数のリールには、第1リールと第2リールとが含まれ、
前記第1リールに対応する前記光源基板を第1光源基板とし、前記第2リールに対応する前記光源基板を第2光源基板とすると、
前記第1光源基板と前記第2光源基板とには、前記光源それぞれを識別可能とする数字を含む識別符号が設けられており、
前記第1光源基板および前記第2光源基板は、前記仕切り部材が配置された状態においても前記開口を介して各前記識別符号の前記数字の全体が見えるようになっており、
前記第1光源基板と前記第2光源基板とでは、全ての前記識別符号の標記方向が揃えられているとともに、それぞれの前記識別符号が、対応する前記光源に対して同じ側に位置するように設けられており、
前記第1光源基板の前記識別符号には、前記第2光源基板の前記識別符号と同じ数字が用いられていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンやパチンコ機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンやパチンコ機等の遊技機は、正面の表示窓内に複数の図柄を変動表示する回転リールを複数配列して構成した変動表示装置や、各種の画像(例えば、演出画像)を表示する画像表示装置を備えている。
このような変動表示装置や画像表示装置を備えた遊技機として特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の遊技機は、複数の図柄を変動表示する各リールと、画像を表示するとともに、正面側から見て各リールの手前側に配設され、各リールに表示された図柄を透過表示する液晶表示装置と、所定の場合、図柄表示領域を、第1の領域と、第2の領域とに交互に切り替えた後、遊技状態に応じて、いずれかの領域が図柄表示領域になるように制御する副制御回路とを有する。
【0004】
また、画像表示装置および導光板を有する遊技機として特許文献2に記載のものが知られている。
特許文献2に記載の遊技機は、所定の条件を満たしたときに、識別情報の変動表示および停止表示が行われる液晶表示装置と、液晶表示装置の前面側に配置され、液晶表示装置の表示領域を覆う位置および液晶表示装置の表示領域を覆わない位置に移動可能であり、光が透過することにより画像を表示する導光板と、導光板に光を照射する導光板用LEDと、導光板の前面側に配置され、表示領域を覆う位置および表示領域を覆わない位置に移動可能であるシャッタと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-66022号公報
【文献】特開2015-8744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、液晶表示装置の後方に変動表示装置を備え、この変動表示装置によって表示される識別情報を液晶表示装置に透過表示させる遊技機では、通常遊技状態においては、変動表示装置によって表示される識別情報の視認を妨げてはならないため、液晶表示装置の表示領域において、識別情報を透過表示する表示領域にはバックライトを設けることができない。
このため、識別情報を視認できなくてもよい演出状態において、バックライトを設けることができない表示領域に例えば演出用の画像を表示すると、当該画像に周囲のバックライトや変動表示装置を照らす照明からの光が照射されるので、当該画像が不鮮明となってしまう。
一方、バックライトを設けることができない表示領域以外の表示領域に表示された画像は鮮明に表示されるため、両表示領域間で画像の質に差が出てしまう。このため、両表示領域に亘って画像を表示すると、当該画像を秀麗に表示できない。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、液晶表示装置のバックライトを設けることができない表示領域と、バックライトが設けられた表示領域とに亘って所定の画像を秀麗に表示できるとともに、変動表示装置によって表示される識別情報を視認可能に表示できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、複数の識別情報を変動表示する変動表示装置と、前記変動表示装置の前側に配設された液晶表示装置とを備えた遊技機であって、
前記液晶表示装置は、前記変動表示装置に表示された前記識別情報が視認可能でかつ画像を表示可能な第1表示領域と、前記識別情報が視認不能でかつ画像を表示可能な第2表示領域とを有し、
前記液晶表示装置と前記変動表示装置との間に、導光板照射装置によって端面側から光が照射されることで面発光する導光板が前記第1表示領域を裏面側から覆うようにして設けられ、
前記変動表示装置は前記識別情報を前記変動表示装置の内側から照射する内側照明装置を備え、
前記第1表示領域と前記第2表示領域に亘って所定の画像を表示する場合は、前記導光板照射装置を点灯状態とし、かつ、前記内側照明装置および/または前記識別情報を前記変動表示装置の外側から照らす識別情報照明装置を消灯状態とすることが可能であることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、前記第1表示領域に前記識別情報を視認可能に表示する場合、前記内側照明装置および/または前記識別情報照明装置を点灯状態とすることで、識別情報が照らされるとともに、前記導光板照射装置を消灯状態とすることによって、導光板は面発光することなく透明のままであるので、識別情報は導光板を通して第1表示領域に視認可能に表示される。したがって、変動表示装置によって表示される識別情報を液晶表示装置に視認可能に表示できる。
また、少なくとも前記第1表示領域に画像を表示する場合に、前記内側照明装置および/または前記識別情報照明装置を消灯状態とすることで、識別情報が照らされないか、または明瞭に照らし出されないとともに、前記導光板照射装置を点灯状態とすることによって導光板照明装置からの光によって導光板が面発光するので、この導光板が第1表示領域のバックライトの役割を果たす。したがって、液晶表示装置のバックライトを設けることができない第1表示領域と、バックライトが設けられた第2表示領域とに亘って所定の画像を秀麗に表示できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、液晶表示装置のバックライトを設けることができない第1表示領域と、バックライトが設けられた第2表示領域とに亘って所定の画像を秀麗に表示できるとともに、変動表示装置によって表示される識別情報を視認可能に表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、遊技機の斜視図である。
【
図2】同、筐体とその内部に設けられたリールユニットの斜視図である。
【
図3】同、液晶リールユニットを斜め正面から見た斜視図である。
【
図4】同、液晶リールユニットを斜め背面から見た斜視図である。
【
図5】同、液晶リールユニットの分解斜視図である。
【
図7】同、リールユニットの1つのリールを示す斜視図である。
【
図13】同、リールテープをリールテープ支持部に取り付けた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明はスロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機に適用してもよい。
なお、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0013】
まず、発明が適用されるスロットマシンMの概略構成について説明する。
図1はスロットマシンMを示す斜視図である。
このスロットマシンMは、筐体1を備えており、この筐体1は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体1の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。なお、底板の上面には、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット、メダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット等が設けられている。
【0014】
また、筐体1の正面には、筐体1の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられており、この前扉3は、前記開口上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、前記開口下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。
図2に示すように、前記筐体1内には、リールユニット100が着脱可能に設けられている。このリールユニット100は、略直方体状に組まれた金属枠である枠体101と、枠体101に支持された4個の回転リール103を備えたリールユニット本体102と、枠体101に固定された図示しない基板ユニットとを備えている。
【0015】
図1に示すように、上扉30には表示窓31が設けられている。この表示窓31は上側ほど後側に向かうように水平面に対して傾斜して設けられ、この表示窓31の奥には、前記4個の回転リールが横一列に設けられた変動表示装置(リールユニット)100が設けられ、このリールユニット100の前側に液晶表示装置200が表示窓31に面して設けられている。
【0016】
リールユニット100の各回転リール103の外周面には複数種類の図柄(識別情報)が配列されており、回転リール103が停止すると表示窓31と液晶表示装置200を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。スロットマシンMでは、横3本と斜め2本とからなる計5本の入賞有効ラインが設定されている。
そして、4個の回転リール103が停止したときに入賞有効ライン上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
また、上扉30の表示窓31の上側中央部には、報知や演出などを行うための円形の3個の照明装置33が横方向に並設されている。
さらに、表示窓31の左右両側にも報知や演出などを行うための縦長の照明装置34が設けられている。
【0017】
また、上扉30は、筐体1内に設けられた前記リールユニット(交換ユニット)100にヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉40は筐体1にヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
【0018】
なお、このスロットマシンMは、分離型筐体タイプの構造を有するものであり、遊技店における機種の交換時に、上扉30が回動自在に取り付けられた交換ユニット(リールユニット)100を交換するようになっており、機種の交換時に筐体1、下扉40および筐体1内の電源ユニットやホッパーユニット等は、遊技店の島設備に取り付けられたままで、交換されないようになっている。
また、スロットマシンMは、分離型筐体タイプに限られるものではなく、機種交換時にスロットマシン全体を交換するものであってもよい。この場合に、前扉3を上扉30と下扉40とに分けない一体の構造としてもよい。また、上扉30と下扉40とに分ける場合に、上扉30を、筐体1の側板にヒンジを介して回動自在に取り付けてもよい。
【0019】
また、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態で、上扉30を開放することができない構造になっている。
【0020】
また、下扉40の下部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43とが設けられている。また、操作部50とメダル受け皿43との間の左右両側にはスピーカ35が設けられている。
【0021】
また、下扉40の上部には、スロットマシンMを操作するための操作部50が設けられている。操作部50には、クレジットされたメダルを払い出すための精算スイッチ52、遊技を開始させるためのスタートレバー53、4個の回転リールそれぞれの回転を停止させるための4個のストップボタン54、メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口42、メダル投入口42の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン(図示略)、1枚のメダルをベットするときに操作される1ベットボタン55(ベットボタン)、最大数の3枚のメダルをベットするときに操作されるMAXベットボタン56(ベットボタン)等が設けられる他、遊技の演出等を選択するための操作盤57や、表示ユニット58が設けられている。
操作盤57は操作部50の幅方向(左右方向)の略中央部に配置され、メダル投入口42およびリジェクトボタンを挟んで、右側に表示ユニット58が配置されている。なお、操作盤57には、演出等の選択用の十字キー、決定ボタン、キャンセルボタン等を有している。
【0022】
MAXベットボタン56は、上方を向くように配置されており、上方から下方に向かって押し込まれるように形成されている。MAXベットボタン56を動作させるために必要な力(以下、操作力という)は、約1.0Nとなっている。また、MAXベットボタン56は、押圧部と弾性部材とを備えている。押圧部は、遊技者の指等によって押し込み操作される部材であり、樹脂等で形成されている。また、押圧部は、弾性部材によって上方に付勢されている。弾性部材は、押圧部を付勢するとともに、押圧部が押し込み操作された場合には付勢力に抗して弾性変形するように形成されている部材であり、ばね等が用いられている。
また、ストップボタン54は、前方を向くように配置されており、前方から後方に向かって押し込まれるように形成されている。ストップボタン54の操作力は、約0.7Nとなっている。すなわち、ストップボタン54の操作力は、MAXベットボタン56の操作力よりも小さくなっている。
【0023】
また、ストップボタン54はMAXベットボタン56と同様に、押圧部と弾性部材とを備えており、ストップボタン54の押圧部は、弾性部材によって前方に付勢されている。
また、既述のとおり、MAXベットボタン56の操作力は約1.0Nとなっている。すなわち、押圧部を押し込んで弾性部材を弾性変形させ、MAXベットボタン56が備えるセンサからスイッチON信号(ボタンが押された旨の信号)が出力される位置まで押圧部を移動させるのに必要な荷重(センサ検知荷重)が約1.0Nとなっている。本実施の形態の遊技機においては、センサには、フォトセンサが用いられているが、押圧部の押し込みを検知できるものであればその他のセンサを用いてもよい。フォトセンサは、例えば、押圧部の押し込みによって動く検出物体によって、発光素子から受光素子に向かう光が変化したことを検知すると、スイッチON信号を出力するようになっている。押圧部は、センサ検知荷重より大きな荷重が加えられると、弾性部材を弾性変形させながらさらに移動し、メカストッパーに当接して停止するようになっている。ストップボタン54(操作力約0.7N)についても同様である。
【0024】
ここで、本実施の形態の遊技機における基本的な遊技の流れを説明する。遊技者がMAXベットボタン56を押下すると、クレジットされたメダルが投入(ベット)され、遊技を開始することが可能な状態となる。そして、遊技者が遊技を開始する操作としてスタートレバー53を押下する操作を行うと、回転リールが回転を始め、回転リールの回転速度が所定の速度まで上昇するとストップボタン54の押下操作が有効な状態となる。その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタン54を押下していくと、各回転リールが停止する。そして、すべての回転リールが停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0025】
上記から明らかなように、ストップボタン54は、遊技毎に回転リールの数に応じた複数個押下する必要がある。このとき、ストップボタン54の操作力が、MAXベットボタン56および演出ボタン62の操作力よりも小さく設定されていることにより、遊技者は、ストップボタン54の操作に関して軽くて心地よい操作フィーリングを得ることができるとともに、テンポよくすべてのストップボタン54を押下することが可能となる。したがって、遊技者は快適に遊技を行うことが可能となり、遊技性が向上する。また、このように使用頻度の高いストップボタン54の操作力が小さく設定されていることにより、遊技者の疲労の蓄積が軽減され、遊技性が向上する。
【0026】
また、MAXベットボタン56は、遊技を開始するための操作に用いられることや、上から叩くようにして操作することが可能であることから、強い力で操作されることも多いが、ストップボタン54よりも操作力が大きく設定されていることにより、遊技者は適度に押しごたえのある操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
【0027】
図3~
図6は、変動表示装置100、液晶表示装置200および導光板ユニット300を組付けた状態を示すものである。変動表示装置100は、筐体1に取り付けられ、液晶表示装置200は前扉3の上扉30に設けられ、導光板ユニット300は液晶表示装置200に取り付けられているが、ここでは、説明の都合上、変動表示装置100、液晶表示装置200および導光板ユニット300を組付けたものを液晶リールユニット90と称する。
図3は液晶リールユニット90を斜め正面から見た斜視図、
図4は液晶リールユニット90を斜め背面から見た斜視図である。また、
図5は液晶リールユニット90の分解斜視図、
図6は液晶リールユニット90の側断面図である。
【0028】
本実施の形態において、変動表示装置100はリールユニット100であり、当該リールユニット100は、枠体101に設けられた4個のステッピングモータ104と、各々のステッピングモータ104の出力軸に固定された4個の回転リール103とを備えている。つまり、1つの回転リール103を1つのステッピングモータ104によって回転させるようになっている。
【0029】
ステッピングモータ104は、枠体101に固定された円板状のモータプレート105の中央部に取り付けられている。なお、モータプレート105は、ステッピングモータ104の数の分だけ設けられている。本実施の形態ではステッピングモータ104は4個あるので、モータプレート105も4個あり、回転リール3の軸方向に隣り合うモータプレート105,105は互いに平行に設けられている。
また、基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。そして、基板ユニットは、スロットマシンMの遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。
【0030】
各回転リール103の外周面には、図示しない帯状のリールテープが巻き付けられており、このリールテープの外周面に、図示しない複数種類の図柄(識別情報)が配列されており、回転リール103が停止すると表示窓31(
図1参照)を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。スロットマシンMでは、横3本と斜め2本とからなる計5本の入賞有効ラインが設定されている。
【0031】
図13は、リールテープ60をリールテープ支持部61に貼り付けた状態を示している。リールテープ60は、光の透過率が高い図柄の内側部分412と、光の透過率が図柄の内側部分412よりも低い図柄以外の部分64,65と、光の透過率がさらに低い図柄の外側部分411とを有している。なお、図柄以外の部分65はリールテープ支持部61上に位置するリールテープ60の部分である。
また、リールテープ60には、他の図柄(リプレイ、ベル等)に比べて左右方向の長さが長い特別図柄401(青7、白7、BAR等)が設けられている。この特別図柄401は、図柄の外周部に形成され、光の透過率が低い非透光部(図柄の外側部分)411(低透光部)(高遮光部)と、非透光部411の内側に形成され、光の透過率が高い透光部(図柄の内側部分)412(高透光部)(低遮光部)とを有している。非透光部411は、例えば有色不透明であり、黒色等である。透光部412は、例えば有色透明であり、赤色等である。なお、非透光部411は、透光部412に比べて相対的に透過率が低く設定されていればよく、必ずしも光を完全に遮断するものでなくてもよいが、遊技者から見て実質的に透光性を有していないと感じられる程度に透過率が低いことが望ましい。
【0032】
ここで、説明のために、リールテープ60の左端から約5mm内側(右側)の線を線V1とし、リールテープ60の右端から約5mm内側(左側)の線を線V2とする。
透光部412は、その端部(左端および右端)(角部)が、線V1および線V2の内側となるように設けられている。換言すると、透光部412は、その端部(左端および右端)(角部)がリールテープ支持部61と、径方向において(すなわち遊技者側から見て前後方向において)重ならない位置となるように設けられている。これにより、後述するLED110aからの光がリールテープ支持部61によって遮られ、透光部412の端部(左端および右端)(角部)が陰ってしまい、視認性が低下するのを防止できる。
一方、非透光部411は、その端部(左端および右端)(角部)が線V1および線V2の外側となるように設けられている。換言すると、非透光部411は、その端部(左端および右端)(角部)がリールテープ支持部61と、径方向において(すなわち遊技者側から見て前後方向において)重なる位置となるように設けられている。なお、非透光部411における左右方向のいずれか一方の端部(左端および右端)(角部)が、リールテープ支持部61と重なる位置となるように設けられていてもよい。
このように構成することで、遊技性を向上させる観点等から視認性を向上させたい特別図柄401を可能な限り大きく表示できるとともに、特別図柄401における照明を要する箇所(すなわち透光部412)には確実に光が到達し、特別図柄401の視認性の低下を防止できる。
【0033】
リールテープ支持部61は樹脂で形成されている。当該樹脂が黒色等の不透明(透光性を有しない)のものである場合、内側からの光がリールテープ支持部61によって遮られるため、透光部412をリールテープ支持部61と重ならない位置に設けることが特に有効となる。なお、樹脂が透明(無色透明または有色透明)(透光性を有する)の場合であっても、リールテープ支持部61によって光の透過量が減少することとなるため、透光部412をリールテープ支持部61と重ならない位置に設けることは有効である。
【0034】
後述する識別情報照明装置400,450は、リールテープ64全体を満遍なく照らして明るくするためのものであり、後述する内側照明装置110は、図柄の内側部分(透光部412)を照らして強調するためのものである。つまり、後述する第1表示領域201aに表示する画像を明瞭化するためには、内側照明装置110よりも識別情報照明装置400,450を消灯させた方が効果的となる。なお、内側照明装置110および識別情報照明装置400,450の双方を消灯させることにより、第1表示領域201aに表示する画像をより明瞭化できるのは言うまでもない。
【0035】
また、変動表示装置(リールユニット)100は、
図6および
図7に示すように、各回転リール103のそれぞれに対して1つのリフレクタ106を備えている。したがって、リフレクタ106はリールユニット100に合計4個設けられている。また、リフレクタ106は前記モータプレート105の外周部に固定されており、回転リール103の周方向に隣り合う3つの部屋106aを有している。
【0036】
部屋106aは、
図7に示すように、回転リール103の周方向に離間する2つの壁面106b,106bと、回転リール103の軸方向に離間する2つの壁面106c,106cとを備えている。2つの壁面106b,106bはその基端部(回転リール103の径方向内側の基端部)が互いに平行に配置され、この基端部より先端側は回転リール103の径方向外側に向かうほど離間するように配置されている。
また、2つの壁面106c,106cもその基端部(回転リール103の径方向内側の基端部)が互いに平行に配置され、この基端部より先端側は回転リール103の径方向外側に向かうほど離間するように配置されている。したがって、部屋106aは、壁面106b,106cの基端部より先端側が回転リール103の径方向外側に向かうほど開口断面が広くなるように形成されている。
また、部屋106aの底面、つまり回転リール103の径方向内側における部屋106aの底面は、矩形状に開口しており、この開口にLED基板(内側照明装置)110に設けられた複数のLED(光源)110aが臨んでいる。LED基板110は、
図6に示すように、リフレクタ106の底部、つまり回転リール103の径方向内側におけるリフレクタ106の底部に取り付けられている。また、LED110aが実装されたLED基板110と、リフレクタ106とは、回転リール103を内側から照らすバックライトを構成している。そして、バックライトの隣接する3つの部屋106aそれぞれからの光が、停止した回転リール103の上段図柄領域、中段図柄領域、下段図柄領域それぞれを照らすようになっている。
【0037】
LED基板110が取り付けられたリフレクタ106は、
図6に示すように、3つの部屋106aの先端開口を液晶表示装置200の後述する第1表示領域201a側に向けて、モータプレート105の外周部に固定され、このモータプレート105がリールユニット100の枠体101に固定されている。
【0038】
また、LED基板110には、当該LED基板110に設けられた複数のLED110aのそれぞれの近傍に、
図8に示すように、各LED110を識別するための識別符号111が記されている。
具体的には、1つの回転リール103に対して、1枚のLED基板110が備えられ、当該LED基板110には、回転リール103の周方向に隣り合う各部屋106aの底面開口に臨んで複数のLED110aが実装されている。各部屋106aには2~9個のLED110aが臨んでおり、したがって、1枚のLED基板110には6~27個のLED110aが実装されている。なお、
図8では、1枚のLED基板110に6個のLED110aが実装されている場合を示しているが、LED110aの個数はこれに限ることはない。例えば、
図7に示すように、リフレクタ106の各部屋106aの底面開口にそれぞれ9個のLED110aが臨んでいてもよい。この場合、1枚のLED基板110に27個のLED110aが設けられる(実装される)ことになる。
【0039】
そして、
図8に示すように、1枚のLED基板110に6個のLED110aが実装されている場合には、各LED110aには、1~6までの通し番号が付与されている。各LED110aの近傍には、識別符号111として「LED1」~「LED6」までの文字がそれぞれ記されている。なお、1枚のLED基板110にn(自然数)個のLED110aが実装されている場合には、各LED110aには、1~nまでの通し番号が付与されている。そして、各LED110aの近傍には、識別符号111として「LED1」~「LEDn」までの文字がそれぞれ記されている。
【0040】
通し番号は、遊技機(LED基板110)の設計者によって定められるものであり、例えば6個のLED110aのうちの1個のLED110aが点灯しなくなった場合等に、当該点灯しなくなったLED110aの識別符号111を確認することで、点灯しなくなったLED110aの通し番号を判別することが可能となり、当該点灯しなくなったLED110aの識別符号111からLED基板110の回路図等を辿ることにより、LED基板110の故障個所等を解析することが可能となる。
【0041】
また、識別符号111は、リフレクタ106がLED基板110の前面側に配置された状態であっても各LED110aを識別可能な位置に設けられている。すなわち、リフレクタ106は、LED基板110の前方に、LED基板110のLED110aが実装された面の少なくとも一部を覆うように配置されているが、リフレクタ106の各部屋106aの底面開口はLED基板110の表面に臨んでおり、この底面開口に臨むようにして識別符号111がLED110aの近傍に記されている。したがって、リフレクタ106が配置された状態においても、リフレクタ106の底面開口(部屋106a)を通して、各LED110aの通し番号が何番なのかがわかるようになっている。このとき、識別符号111は、その全体が視認可能となっていなくてもよく、各LED111を識別可能な状態となっていればよい。例えば、「LED1」~「LEDn」までの文字のうち、その一部がリフレクタ106によって隠されていても、数字部分「1」~「n」が判別可能な程度に見えていれば、各LED111を識別することが可能となる。
【0042】
なお、識別符号111としての「LED1」~「LED6」の文字のうちの数字部分「1」~「6」は、リフレクタ106がLED基板110の前面側に配置された状態において、正面側から部屋106aを通して視認可能な状態となっている。したがって、LED基板110の前面側に設けられたLED110aは全て、識別符号111により識別可能な状態となっている。
また、LED基板110の前面に設けられた識別符号111は全て、LED110aに対して同じ側(
図8ではLED110aの下側)に設けられている。また、識別符号111は、全て標記方向が揃えられている。例えば
図8に示すように、識別符号111は全て、左から右に読むよう記載されている。
また、ここでは回転リール103のバックライトのリフレクタ106およびLED基板110を例にとって説明したが、演出用の照明装置等の他の照明装置に用いられるリフレクタおよびLED基板についても同様に、リフレクタが配設された状態で識別符号111を判別可能に構成してもよい。また、ここでは隣接する部屋106aどうしを仕切り、隣接する部屋106aからの光を遮る仕切り部材として、光を反射するリフレクタ106(例えば、白色の仕切り部材)を用いた場合を例にとって説明したが、リフレクタ106の替わりに光を反射しないもの(例えば、黒色の仕切り部材)を用いてもよい。
【0043】
液晶表示装置200は、遊技の演出や遊技の情報等を画像表示するものであり、スロットマシンMの正面から見てリールユニット(変動表示装置)100の前側に配設されている。
また、
図5および
図6に示すように、液晶表示装置200は、液晶モジュール201と、この液晶モジュール201が収納される液晶ケース202とを備えている。
液晶モジュール201は、第1表示領域201aと第2表示領域201bとを有している。第1表示領域201aは、液晶モジュール201の正面視において、略下半分に横長の矩形状に形成されている。すなわち、第1表示領域201aは、正面視において、リールユニット100の回転リール103が停止した際に回転リール103に上下方向に3個、回転リール103は左右に4個あるので、合計上下左右方向に12個表示される図柄(識別情報)を視認できるような矩形形状に形成されている。
【0044】
このような第1表示領域201aは、前記識別情報が視認可能でかつ、演出用等の画像を表示可能となっている。
すなわち、本実施の形態の液晶モジュール201は、透過型であり、液晶層、偏光フィルター、カラーフィルタ、ガラス基板、配向膜、透明電極、およびバックライト等によって形成された複数層構造となっている。
バックライトは、例えば矩形板状の導光板によって形成されたバックライト導光板であり、当該バックライト導光板の端面(上下端面および両側端面)側に図示しないLED等の光源が設けられ、この光源からの光をバックライト導光板の端面側から入射することで、バックライト導光板が面発光するようになっている。このバックライト導光板は第2表示領域201bの背面側に設けられている。
【0045】
そして、本実施の形態では、液晶モジュール201の表面側にある第1表示領域201aには液晶モジュールとしてのバックライトが設けられていない。つまり、矩形板状のバックライト導光板のうち、第1表示領域201aに対応する部位、つまり第1表示領域201aの背面側に位置するバックライト導光板の部位が第1表示領域201aと同形、同大の矩形形状に切り欠かれている。
このような第1表示領域201aは、変動表示装置(リールユニット)100に表示された識別情報が視認可能でかつ画像を表示可能となっている。
【0046】
なお、液晶モジュール201は液晶に対して電圧を印加しない状態で光透過度が最大となるNW(ノーマリーホワイト)型であり、液晶に対して電圧を印加しない状態によって、第1表示領域201aは透明な状態となる。したがって、この状態で、第1表示領域201aに前記識別情報を視認可能に表示でき、また、導光板ユニット300の後述する導光板301を面発光させることによって、この導光板301が第1表示領域201aのバックライトとして機能するので、液晶に対して電圧を印加することによって第1表示領域201aに演出用等の画像を表示できる。
また、第1表示領域201aは後述する第2表示領域201bより若干奥側に窪んでいてもよい。
【0047】
第2表示領域201bは、液晶モジュール201の画像表示領域のうち、第1表示領域201aを除いた部分であり、本実施の形態では、第1表示領域201aより上側の広い横長矩形の領域、第1表示領域201aより下側の狭い横長矩形の領域および第1表示領域201aより左右側の縦長矩形の狭い領域によって構成されている。つまり、第2表示領域201bは、第1表示領域201aを囲むように配置されている。
このような第2表示領域201bの背面側には、上述したようにバックライト導光板が配置されている。したがって、このバックライト導光板を面発光させるとともに液晶に対して電圧を印加することによって第2表示領域201bに演出用等の画像を表示できる。また、この第2表示領域201bと第1表示領域201aとに亘って一つのまとまりのある画像を表示することもできる。
【0048】
また、
図5に示すように、液晶ケース202は、液晶モジュール201の背面側を覆う背面板202aと、この背面板202aの左右両側部に背面板202aに対して直角に設けられた左右側板202b,202bと、背面板202aの上下両端部に背面板202aに対して直角に設けられた上板202c、下板202dとを備えている。
また、背面板202aには、液晶モジュール201の第1表示領域201aの背面側を露出させるための矩形状の開口部202eが設けられている。したがって、液晶ケース202に液晶モジュール201を収納した状態において、第1表示領域201aの背面側は液晶ケース202の開口部202eによって露出しており、これによって、液晶表示装置200の後方に設けられている変動表示装置(リールユニット)100に表示された識別情報を導光板ユニット300の導光板301を通して視認可能となっている。
【0049】
なお、液晶ケース202に液晶モジュール201を収納した状態において、液晶モジュール201の背面は液晶ケース202の背面板の前面202aに当接し、液晶モジュール201の左右側端面は液晶ケース202の左右側板202b,202bの内面に当接し、液晶モジュール201の上面は液晶ケース202の上板202cの下面に当接し、液晶モジュール201の下面は液晶ケース202の下板202dの上面に当接している。
また、
図6に示すように、液晶モジュール201の画像表示領域(第1表示領域201aおよび第2表示領域201b)の表面は、液晶ケース202の矩形枠状の前面(左右側板202b,202b、上板202cおよび下板202dの先端面によって形成された矩形枠状の前面)より窪んでいる。
【0050】
図9に示すように、導光板ユニット300は、導光板301と、導光板ベース302とを備えている。
導光板301は、光透過性を有する透明な材料(例えばアクリル樹脂)によって矩形板状に形成されている。この導光板301は端面(上下端面および左右側端面)側から光が照射されることで面発光するようになっている。また、導光板301は上下に複数分割されているが分割されていなくてもよい。
【0051】
例えば導光板301の背面に、図示しない複数の窪みを形成し、導光板301の端面(上下端面および左右側端面)から入射した光は、窪みの表面において窪みの表面への入射角度に応じた角度へと反射または屈折することにより拡散される。そして、このような光の拡散が窪みのそれぞれで発生することにより、導光板301が面発光する。なお、導光板301を面発光させる場合、前記窪みに限定されず、刻みを設けてもよいし、点状の窪み、刻みに限定されず、筋状の窪み(すなわち、溝や筋状の刻み)を導光板301に設けてもよいし、このような窪みや溝、刻みを組み合わせて設けてもよい。
また、導光板301の左右側部には、当該導光板301の左右両側端面に光を導入するためのレンズ部材303が設けられている。
【0052】
導光板ベース302は、中央部に矩形状の開口部302aを有する矩形枠状に形成され、当該開口部302aの上方、下方および左右側方にそれぞれLED基板(導光板照明装置)305、LED基板306(導光板照明装置)およびLED基板307,307(導光板照明装置)が設けられている。
【0053】
すなわち、
図10に示すように、導光板ベース302は、上設置部302b、下設置部302c、左右設置部302d,302dを有している。
上設置部302bは導光板ベース302の上面側に設けられ、この上設置部302bにLED基板305が設けられている。LED基板305は左右に長尺でかつ板面を上下に向けて配置された矩形板状にものであり、その下面に複数のLED305a(
図6および
図11参照)が左右に所定間隔で設けられている。なお、LED基板305は左右に分割されている。
【0054】
下設置部302cは導光板ベース302の下面側に設けられ、この下設置部302cにLED基板306が設けられている。LED基板306は左右に長尺でかつ板面を上下に向けて配置された矩形板状にものであり、その上面に複数のLED306aが左右に所定間隔で設けられている。なお、LED基板306は左右に分割されている。また、LED基板306の上面にはLED306aの後方において複数のLED450aが左右に所定間隔で設けられているが、当該LED450aについては後述する。
【0055】
左右設置部302d,302dは導光板ベース302の左右側部に設けられ、この左右設置部302d,302dにLED基板307,307が設けられている。LED基板307は上下に縦長でかつ板面を左右に向けて配置された矩形板状のものであり、左側のLED基板307の右面に複数のLED307aが設けられ、右側のLED基板307の左面に複数のLED307aが上下に所定間隔で設けられている。
【0056】
また、導光板ベース302には、開口部302aの上辺より上側に上拡散レンズ310が設けられ、開口部302aの下辺より下側に下拡散レンズ311が設けられている。
上拡散レンズ310はLED基板305の長手方向に沿って左右に連続した長尺なものであり、
図11に示すように、LED基板305の下面に近接して設けられている。また、LED基板305のLED305aは上拡散レンズ310の上端面に対向して当接または近接している。したがって、LED305aからの光は上拡散レンズ310で拡散されて導光板301の上端面に均一に照射されるようになっている。
【0057】
下拡散レンズ311はLED基板306の長手方向に沿って左右に連続した長尺なものであり、
図12に示すように、LED基板306の上面に近接して設けられている。また、LED基板306のLED306aは下拡散レンズ311の下端面に対向して当接または近接している。したがって、LED306aからの光は下拡散レンズ311で拡散されて導光板301の下端面に均一に照射されるようになっている。
【0058】
また、左右のLED基板307,307は、導光板301の側端面に近接して配置されており、LED307aは導光板301の側端面に対向している。導光板301の導光板301の左右側部には、上述したようにレンズ部材303が設けられている。したがって、LED307aからの光はレンズ部材303を通して導光板301の側端面に照射されるようになっている。なお、レンズ部材303を拡散レンズによって形成してもよい。このようにすれば、LED306aからの光をレンズ部材303で拡散させて導光板301の側端面に均一に照射することができる。
【0059】
また、導光板ベース302は開口部302aの縁に沿って矩形枠状の当接部302fが設けられ、この当接部302fに導光板301の裏面の外周部が当接されることによって、導光板301の板厚方向の位置決めがなされている。
また、導光板ベース302には、ねじ穴を有する突部302gが導光板ベース302の4隅部に設けられている。そして、導光板301はその裏面を前記当接部302fに当接した状態で、レンズ部材303の上下端部に設けられている孔303aにそれぞれ図示しないネジを挿通し、当該ネジを前記突部302gのねじ穴に螺合して締め付けることによって導光板ベース302に固定されている。
【0060】
また、導光板ベース302に固定された導光板301の上端部は、
図11に示すように、液晶モジュール201の上側の第2表示領域201bの背面側の下端部と液晶モジュール201の厚さ方向において重なっているが、液晶モジュール201の背面は、第1表示領域201aに背面側を除いて、光を透過させない金属製のパネルによって覆われているので、面発光している導光板301から光が液晶モジュール201の内部のバックライト導光板に干渉することはない。
同様に、導光板ベース302に固定された導光板311の下端部は、
図12に示すように、液晶モジュール201の下側の第2表示領域201bの背面側の上端部と液晶モジュール201の厚さ方向において重なっているが、液晶モジュール201の背面は、第1表示領域201aに背面側を除いて、光を透過させない金属製のパネルによって覆われているので、面発光している導光板301から光が液晶モジュール201の内部のバックライト導光板に干渉することはない。
【0061】
また、導光板ユニット300は、リールユニット(変動表示装置)100の識別情報を当該リールユニット100の外側から照らす識別情報照明装置400,450を備えている。
すなわち、
図6および
図11に示すように、導光板ユニット300の導光板ベース302の裏面側でかつ上部には識別情報照明装置400としてのLED基板400が設けられている。このLED基板400はLED基板305の長手方向(
図11において紙面と直交する方向)に長尺な矩形板状に形成され、その下面に複数のLED400aがLED基板400の長手方向に所定間隔で設けられている。LED基板400は導光板ベース302の支持壁401によって下方から支持され、この状態において、LED基板400はリールユニット(変動表示装置)100のリフレクタ106側に向いている。また、支持壁401には開口部401aが設けられ、この開口部401aにLED400aが面している。したがって、LED400aからの光は開口部401aを通してリフレクタ106側に照射され、リフレクタ106の部屋106aの下面開口に露出している識別情報を照らすようになっている。
【0062】
また、LED基板(導光板照明装置)305のLED(光源)305aは専ら導光板301を照らし、LED基板(識別情報照明装置)400のLED400aは専ら前記識別情報を照らすようになっている。
すなわち、
図11に示すように、LED基板(識別情報照明装置)400はLED基板(導光板照明装置)305より下方に設けられ、LED基板400のLED(光源)400aとLED305のLED(光源)305aとの間には遮光壁410が設けられている。
この遮光壁410は、導光板ベース302の背面(裏面)側において、LED基板305とLED基板400との間に水平に対して若干傾斜して設けられた壁部410aと、この壁部410aの前側の縁部から下方に延び下端部がLED基板400より下方に突出する壁部410bと、壁部410aの後側の縁部から上方に延びて上端がLED基板305より上方に突出する壁部410cとを備えている。
したがって、LED基板305のLED(光源)305aからの光とLED基板400のLED(光源)400aからの光は遮光壁410によって互いに遮光されるので、LED305aからの光によってリールユニット100(の識別情報)が照らされることもなく、LED400aからの光によって導光板301が照らされることもない。
【0063】
また、
図12に示すように、導光板ユニット300の導光板ベース302の下部には識別情報照明装置450としてのLED基板306が設けられている。このLED基板306は導光板301の下端面に光を照射するLED(光源)306aを有する他、リールユニット(変動表示装置)100側を照らすLED(光源)450aを有している。つまり、本実施の形態では、識別情報照明装置450と導光板照明装置306とを共通のLED基板306によって構成している。
【0064】
LED基板450(360)のLED450aはリールユニット100側を向いており、導光板ベース302の下端部には、LED450aからの光をリールユニット100側に照射するための開口部452が設けられている。したがって、LED450aからの光は開口部452を通してリフレクタ106側に照射され、リフレクタ106の部屋106aの下面開口に露出している識別情報を照らすようになっている。
【0065】
また、LED基板(導光板照明装置)306のLED(光源)306aは専ら導光板301を照らし、LED基板(識別情報照明装置)450のLED450aは専ら前記識別情報を照らすようになっている。
すなわち、LED基板450のLED(光源)450aとLED(光源)306aとの間には遮光壁430が設けられている。この遮光壁430は、導光板ベース302の下端部の壁部によって構成されている。遮光壁430はLED基板450(360)の長手方向に沿って延在しており、当該遮光壁430の下端面は、LED基板450(360)の上面に、LED36aの列と、LED450aの列との間において、密接しており、遮光壁430の下端面とLED基板450(360)の上面との間からの光漏れを防止している。
したがって、LED306aからの光とLED450aからの光は遮光壁430によって互いに遮光されるので、LED306aからの光によってリールユニット100(の識別情報)が照らされることもなく、LED450aからの光によって導光板301が照らされることもない。
【0066】
そして、このような構成の遊技機では、液晶モジュール201の第1表示領域201aにリールユニット100の識別情報を視認可能に表示する場合には、導光板ユニット300の導光板照射装置であるLED基板305,306,307のLED305a,306a,307aを消灯状態するとともに、識別情報照明装置400,450のLED400a,450aおよび回転リール103の内部に設けられたリール内側照明装置(内側照明装置)であるLED基板110のLED110aを点灯状態とする。
【0067】
また、少なくとも第1表示領域201aに画像を表示する場合には、導光板照射装置であるLED基板305,306,307のLED305a,306a,307aを点灯状態として、LED305a,306a,307aからの光を導光板301の端面側から照射して当該導光板301を面発光させる。また、第2表示領域201bに画像を表示する場合は液晶モジュール201の液晶に対して電圧を印加することによって第2表示領域201bに演出用等の画像を表示し、さらに、第1表示領域201aおよび第2表示領域201bの双方に演出用等の画像を一体的に表示する場合、導光板301を面発光させるとともに、液晶モジュール201の液晶に対して電圧を印加する。この場合、識別情報照明装置400,450およびリール内側照明装置であるLED基板110のLED110aは消灯させるのが好ましい。
【0068】
また、変動表示装置(リールユニット)100が識別情報の変動を停止したときには、少なくとも特定の箇所(例えば回転リール103の上段図柄領域、中段図柄領域、下段図柄領域)の識別情報に対応する導光板照明装置305,306,307のLED305a,306a,307aを消灯状態とし、かつ、特定の箇所の識別情報に対応する内側照明装置110であるLED基板110のLED110aおよび識別情報照明装置400,450のLED400a,450aを点灯状態とする。
このようにすれば、変動表示装置100が識別情報の変動を停止したときに、少なくとも特定の箇所の識別情報を確実に識別できる。
【0069】
以上のように本実施の形態によれば、内側照明装置110であるLED基板110のLED110aおよび識別情報照明装置400,450のLED400a,450aを点灯状態とすることで、識別情報が照らされるとともに、液晶モジュール201の第1表示領域201aにリールユニット100の識別情報を視認可能に表示する場合に、導光板照射装置であるLED基板305,306,307のLED305a,306a,307aを消灯状態とすることによって、導光板301は面発光することなく透明のままであるので、識別情報は導光板301を通して第1表示領域201aに視認可能に表示される。したがって、リールユニット100によって表示される識別情報を液晶表示装置200に視認可能に表示できる。
また、少なくとも前記第1表示領域に画像を表示する場合に、内側照明装置110であるLED基板110のLED110aおよび/識別情報照明装置400,450のLED400a,450aを消灯状態とすることで、識別情報が照らされないか、または明瞭に照らし出されないとともに、導光板照射装置であるLED基板305,306,307のLED305a,306a,307aを点灯状態とすることによって導光板照明装置からの光によって導光板301が面発光するので、この導光板301が第1表示領域201aのバックライトの役割を果たす。したがって、液晶表示装置200のバックライトを設けることができない第1表示領域201aと、バックライトが設けられた第2表示領域201bとに亘って所定の画像を秀麗に表示できる。
【0070】
また、第2表示領域201bを裏面側から照らすバックライト導光板は、第1表示領域201aを裏面側から照らす導光板301とは別体であるので、第1表示領域201aを照らす導光板301と第2表示領域201b照らすバックライト導光板との点灯、消灯の制御が容易となる。
【0071】
また、導光板照明装置(LED305,LED306)の光源305a,306aと識別情報照明装置400,450の光源400a,450aとの間に遮光壁410,430が設けられているので、識別情報照明装置400,450の光源400a,450aからの光が遮光壁410,430によって遮断されて、導光板照明装置(LED305,LED306)側に至るのを防止できる。したがって、第1表示領域201aに識別情報を視認可能に表示するために導光板照射装置(LED305,LED306)を消灯状態とした場合に、識別情報照明装置400,450の光源400a,450aからの光が導光板301に照射されて、当該導光板301が面発光することがないので、識別情報を液晶表示装置200の第1表示領域201aに鮮明に視認可能に表示できる。
【0072】
また、導光板ベース302には、開口部302aの上辺より上側に上拡散レンズ310が設けられ、開口部302aの下辺より下側に下拡散レンズ311が設けられ、LED基板305のLED305aは上拡散レンズ310の上端面に対向して当接または近接し、LED基板306のLED306aは下拡散レンズ311の下端面に対向して当接または近接しているので、LED305a,306aからの光は上拡散レンズ310および下拡散レンズ311で拡散されて導光板301の上端面および下端面に均一に照射することができる。
【符号の説明】
【0073】
100 リールユニット(変動表示装置)
110 LED基板(内側照明装置)
200 液晶表示装置
201a 第1表示領域
201b 第2表示領域
301 導光板
305,306,307 LED基板(導光板照明装置)
305a,306a LED(光源)
400,450 LED基板(識別情報照明装置)
400a,450 LED(光源)
410,430 遮光壁