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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】熱溶着装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/56 20060101AFI20220506BHJP
   B29C 65/20 20060101ALI20220506BHJP
   B29C 65/30 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
B29C65/56
B29C65/20
B29C65/30
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017230702
(22)【出願日】2017-11-30
(65)【公開番号】P2019098599
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】509294922
【氏名又は名称】ムネカタインダストリアルマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100198797
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 裕
(72)【発明者】
【氏名】三宅 智志
【審査官】酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-150613(JP,A)
【文献】特開2003-181937(JP,A)
【文献】特開平04-191034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/56
B29C 65/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗発熱体のチップ本体は、
長方形のベース面と、
このベース面の長手縁から垂直に立ち上げた側板と、
前記ベース面の短手縁から垂直に立ち上げた袖板と、
前記ベース面のベース面中心点から長手方向へ一定の間隔をあけた対称位置に前記ベース面から下方向垂直に突設され、先端に発熱部を設けた2本の溶着チップと、
2カ所の給電部から成り、
前記ベース面は前記ベース面中心点から前記発熱部手前まで伸びるスリット及び前記袖板の上端中央から前記発熱部手前まで伸びるスリットにより2分割されていること、
前記袖板はその上端中央から前記発熱部手前まで伸びるスリットにより2分割されていること、
前記2カ所の給電部のうち一方の給電部は2分割された前記袖板の一方の外側に、もう一方の給電部は2分割された前記袖板のもう一方の外側に、前記ベース面中心点から対角位置にそれぞれ形成されると共に、前記ベース面からの高さは同一に設定されていること、
を特徴とする2本の溶着ボスを同時にカシメ止め可能な溶着装置用抵抗発熱体。
【請求項2】
抵抗発熱体のチップ本体は、
円形のベース面と、
このベース面の周縁から垂直に立ち上げた袖板と、
前記ベース面のベース面中心点から一定の間隔をあけた対称位置に前記ベース面から下方向垂直に突設され、先端に発熱部を設けた2本の溶着チップと、
2カ所の給電部から成り、
前記ベース面は前記ベース面中心点から前記発熱部手前まで伸びるスリット及び前記袖板の上端から前記発熱部手前まで伸びるスリットにより2分割されていること、
前記袖板はその上端から前記発熱部手前まで伸びるスリットにより2分割されていること、
前記2カ所の給電部のうち一方の給電部は2分割された前記袖板の一方の外側に、もう一方の給電部は2分割された前記袖板のもう一方の外側に、前記ベース面中心点から対角位置かつ前記スリットから5mm以内の位置にそれぞれ形成され、前記ベース面からの高さは同一に設定されていること、
を特徴とする2本の溶着ボスを同時にカシメ止め可能な溶着装置用抵抗発熱体。
【請求項3】
前記溶着装置用抵抗発熱体において、前記給電部に接続される電線が2本以上であること、を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の2本の溶着ボスを同時にカシメ止め可能な溶着装置用抵抗発熱体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、熱可塑性樹脂成形品へ被固定物を固定する際に、熱可塑性樹脂成形品の一部に溶着ボスと称される溶着又は変形部を予め形成し、この溶着ボスを被固定物側の固定穴内に通し、または被固定物側に形成した係合部に係合するようにして突出させた先端側を熱で溶融又は変形することにより、熱可塑性樹脂成形品に被固定物をカシメ止めする熱溶着装置に用いられる抵抗発熱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂成形品へ被固定物をカシメ止めする方法として、特許文献1に開示されている方法が公知である。この方法は1つの熱溶着チップに2つの発熱部を形成して同時に加熱し、2つの溶着ボスを同時にカシメ止め可能にする溶着装置用抵抗発熱体(以下「抵抗発熱体」と称す。)である。
【0003】
この抵抗発熱体は、1個で構成されているチップ本体の先端に、中心を挟んで左右対称位置に2つの溶着チップがベース面から突出形成され、前記ベース面から側板が立ち上げられ、前記側板からベース面と溶着チップの当接面の裏面の裏面までを中心から前後に2分割するようにスリットが形成されていて、前記溶着チップに対する給電部は、前記側板の中央の外側であって、スリットを挟んで前後対象位置に形成されている。
【文献】特許第3899355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1のカシメ止め方法に用いられている抵抗発熱体に対する給電部に取り付ける給電用の電線は、熱溶着時の温度変化にも安定して大電流を供給する必要があるため、圧着端子でビス止めする方法ではなく、図8のように前記電線をロウ付けで側板に直接取り付けている。
【0005】
しかし、取付時の加工誤差により図9(A)のように電線の取付位置が側板の中央からわずかにズレが発生する場合がある。
【0006】
また、電線の取付高さHがそろっていて、取付位置が側板の中央に合っていても、ロウ付のロウの溶け代を中央から左右対称に広げることは難しく、図9(B)のようにロウ付けの範囲が左右で異なってしまう場合がある。
【0007】
この結果、図9(A)および(B)の場合、2つの溶着チップが中心を挟んで左右対称位置に突出形成されているにもかかわらず、2つの溶着チップの発熱温度に差が発生してしまう。
【0008】
図11に電線7の取付位置が中央から1mmずれた場合の発熱状態を熱解析(CAE)で検証した例を示す。使用したCAEソフトはAutodesk CFDである。(Autodeskはオートデスク インコーポレイテッドの登録商標)
【0009】
6a、6bはカシメ加工を行う当接面であり、電線7の位置が6a側に1mmずれした場合の発熱温度は、解析結果によれば6aは215~220℃、6bは205~210℃で2つの当接面の温度差は約10℃である。
【0010】
この状態において2つの溶着チップの加熱温度のばらつきを調整することは困難であり、2つの溶着ボスを同時にカシメ止めした場合に外観や強度のばらつきが発生してしまう問題があった。
【0011】
この原因を2つの溶着チップ3の発熱部5に流れる電流の違いを図10(A)をもとに考察する。
【0012】
図10(A)は電線7の位置が中央からすれた場合の電流の流れ(平面視)である。
【0013】
電線7から流れる電流は側板からベース面2を分岐して2つの発熱部5を経由して電線7aに流れる。この時、電線7がセンターから左にずれているため、電気抵抗はR1<R2となり電流は電気抵抗の小さいR1側に多く流れる。
【0014】
このため、2つの発熱部5の電気抵抗が同じであっても左側発熱部5(R1)の発熱量が多くなり温度差が発生すると考えられる。
【0015】
本発明の目的は、上記した2つの溶着チップの温度差の解決であって、溶着チップに対する電圧印加用の電線取付位置に加工誤差があっても2つの溶着チップに発熱温度差が発生せず、安定した品質のカシメ止めが可能な抵抗発熱体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、2本の溶着ボスを同時にカシメ止め可能な溶着装置用抵抗発熱体において、抵抗発熱体のチップ本体は、長方形のベース面と、このベース面の長手縁から垂直に立ち上げた側板と、前記ベース面の短手縁から垂直に立ち上げた袖板と、前記ベース面のベース面中心点から長手方向へ一定の間隔をあけた対称位置に前記ベース面から下方向垂直に突設され、先端に発熱部を設けた2本の溶着チップと、2カ所の給電部から成り、前記ベース面は前記ベース面中心点から前記発熱部手前まで伸びるスリット及び前記袖板の上端中央から前記発熱部手前まで伸びるスリットにより2分割されていること、前記袖板はその上端中央から前記発熱部手前まで伸びるスリットにより2分割されていること、前記2カ所の給電部のうち一方の給電部は2分割された前記袖板の一方の外側に、もう一方の給電部は2分割された前記袖板のもう一方の外側に、前記ベース面中心点から対角位置にそれぞれ形成されると共に、前記ベース面からの高さは同一に設定されていることを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項2に記載の発明は、2本の溶着ボスを同時にカシメ止め可能な溶着装置用抵抗発熱体において、抵抗発熱体のチップ本体は、円形のベース面と、このベース面の周縁から垂直に立ち上げた袖板と、前記ベース面のベース面中心点から一定の間隔をあけた対称位置に前記ベース面から下方向垂直に突設され、先端に発熱部を設けた2本の溶着チップと、2カ所の給電部から成り、前記ベース面は前記ベース面中心点から前記発熱部手前まで伸びるスリット及び前記袖板の上端から前記発熱部手前まで伸びるスリットにより2分割されていること、前記袖板はその上端から前記発熱部手前まで伸びるスリットにより2分割されていること、前記2カ所の給電部のうち一方の給電部は2分割された前記袖板の一方の外側に、もう一方の給電部は2分割された前記袖板のもう一方の外側に、前記ベース面中心点から対角位置かつ前記スリットから5mm以内の位置にそれぞれ形成され、前記ベース面からの高さは同一に設定されていることを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の2本の溶着ボスを同時にカシメ止め可能な溶着装置用抵抗発熱体において、前記溶着装置用抵抗発熱体において、前記給電部に接続される電線が2本以上であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、チップ本体の先端に中心を挟んで左右対称位置に2本の溶着チップが突出形成されている溶着チップにおいて、電圧印加用の電線取付位置に加工誤差があっても2つの溶着チップに流れる電流が同一になり、発熱温度がばらつかない熱溶着チップを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】抵抗発熱体の斜視図である。
図2】抵抗発熱体の断面図である。
図3】抵抗発熱体の3面図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は底面図である。
図4】抵抗発熱体の断面図である。
図5】抵抗発熱体のベース面が正方形の実施例である。
図6】抵抗発熱体のベース面が丸形状の実施例である。
図7】抵抗発熱体の給電部に電線を2本取り付けた実施例である。
図8】従来の電線取付例の図である。
図9】従来の電線取付時の不具合例であって、(A)は給電線の位置が中央からず れた状態(B)はロウ付けの範囲が左右で異なる状態を示す図である。
図10】電流の流れの模式図であって、(A)は従来の抵抗発熱体の給電部の位置 が中央からずれた場合、(B)は本発明の抵抗発熱体の給電部の位置Lが左右で異なる場合を示す。
図11】熱解析による従来の抵抗発熱体の発熱状態を示すコンター図であって、給 電部の位置が中央から1mmずれた場合の温度を示す。
図12】熱解析による本発明の抵抗発熱体の発熱状態を示すコンター図であって、(A)は電線の位置がスリットから2mm(B)は電線の位置がスリットから3mmの場合の温度を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係る抵抗発熱体の基本的な形態は、チップ本体の底面に左右に間隔をあけて2本の溶着チップが突出形成され、更に、前記チップ本体の上端から溶着チップの発熱部にかけて、前後2分割するようにスリット又は空洞が入れられた形態で、前記2分割された前記チップ本体に対する+と-極の給電部の位置は、前記側板において、前記溶着ボス間の中間線を基準として左右に分離形成され、かつベース面からの高さ方向の位置は、それぞれ同一に設定されているものである。
【0022】
次に、本発明の実施例を各図に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
実施例1を図1図2図3(a)~(d)及び図4を用いて詳細に説明する。
【0024】
図1は抵抗発熱体1の斜視図、 図2は抵抗発熱体1のA-A断面図である。この抵抗発熱体1は、チップ本体2と、このチップ本体2のベース面2aに、中心を間にして一定の間隔をあけて左右対称に突設された2つの溶着チップ3とからなり、更にチップ本体2の袖板2bからベース面2a、溶着チップ3の先端に形成した突出部4に形成された発熱部5の裏側にかけて、2分割するようにスリット8,8aが形成されている。
【0025】
全体的に見ると、チップ本体2は2分割されており、そのチップ本体2のベース面2a部分には、+と-極片でスリット8を前後に跨ぎ、かつ2本の溶着チップ3の外側に突設された外観を呈していて発熱部5で前後が繋がっている。
【0026】
なお、チップ本体2のスリット8と8aは絶縁空間として機能すると共に、スリット8aは冷却エアーの流出口も兼ねている。
【0027】
チップ本体2を図3(a)~(d)を用いて更に説明すると、このチップ本体2は分割された2つの突出部4と、この突出部4の先端部において2つの突出部4が交わった部分に発熱部5が形成されている。そしてこの発熱部5の先端面には、凹形状の当接面6が形成されていて、スリット8aはこの発熱部5の裏側まで到達している。
【0028】
チップ本体2に対する給電部(電線7、7aの取付部)の位置は、袖板2bにおいて左右の溶着チップ3の外側であって、かつその中間点2cを交点とする対角線上において平面視で対称位置にそれぞれ分離して形成され、かつベース面2aからの高さは10mmで、それぞれ同一に設定されている。
【0029】
本実施例において給電部のベース面2aからの高さを10mmとしたが、この寸法に限定されることは無く、チップ本体2の高さ寸法及び電線7、7aの取付方法によって適宜設定可能であるが、ベース面2aからの高さは必ず同一とする。
【0030】
給電部には電線7、7aをロウ付けによって固定するため、ロウ付け固定には2~5mm程度の幅が必要であるが、出来るだけスリット8に接近させ、かつスリット8からの距離が2カ所共で同じことが望ましい。
【0031】
本実施例では、電線7、7aの取付位置を図3(b)においてスリット8から2mmとしたが、10mm程度までは許容される。
電線7,7aの配置を図3(c)平面視及び図3(d)底面視で説明すると、2つの溶着チップ3の中間点2cを中心点として電線7と7aが対角線で結ばれる点対象となる配置である。
【0032】
上記構成の抵抗発熱体1は、図4に示すように、チップ本体2内に絶縁支持部材10を挿入し、電線7を含むチップ本体2の外側は、カバー9で覆われ、そして、前記支持部材10の中心には、後方からエアーパイプ11が貫通して挿入された状態となって熱溶着装置1を構成している。
【0033】
本実施例では電線7をロウ付けで固定したが、電線の固定方法はこれに限定するものではなく、圧着端子やタブへの溶接など多様な取付方法が選択できるのは言うまでもない。
【0034】
次に、本実施例における電線7,7a取付位置の誤差と溶着チップ3の発熱バランスを検証する。
【0035】
図10(B)は前記電線7、7aの配置を平面視したものである。
この時、電線7はチップ本体2を分割するスリット8を挟んで点対象に配置されるが、Y方向の位置L1,L2には誤差が生じる場合がある。
【0036】
図12(A)は電線7,7aの取付位置L1、L2がスリット8から2mmで揃っている場合の熱解析(CAE)結果を示す。
【0037】
図12(b)は電線7aの取付位置L2が同様にスリット8から2mmで、電線7の取付位置L1がスリットから3mm場合の発熱解析(CAE)を示す。
【0038】
解析結果によれば、L1の位置が図12(A)の2mm及び図12(b)の3mmの場合において、どちらの場合も発熱部5の当接面6a、6bは225℃~227℃であり、チップ先端の発熱温度に差が発生しないことが確認できた。
【0039】
これは図10(B)のように、電線7からの電流がチップ本体2を分岐して発熱部5を経由して電線7aに流れる際、2つの発熱部5を通過する抵抗R1、R2の差はごくわずかであり、2つの発熱部5に流れる電流がほぼ同等となるため発熱温度に差が発生しないと考えられる。
【0040】
前述のように、従来の電線7位置が1mmずれた場合、図11の熱解析では2つの溶着チップの温度差は約10℃あったが、本発明によれば電線7の位置が1mmずれた場合でも発熱部5の温度差が問題にならないため、2つの溶着ボスを同時にカシメ止めした場合に外観や強度のばらつきが発生しにくく品質が安定する。
【実施例2】
【0041】
更に、大電流が必要な場合は、複数の電線を取り付けることも可能である。
【0042】
図7は実施例1において、チップ本体2の袖板2bの電線7を取り付けない側に側板逃がし部2eを設けて短絡を防止し、スリット8に接近した位置に電線7を2本取り付けた構造である。
【0043】
このようにすれば抵抗発熱体1の小型化を図りながら大電流を流して加熱時間の短縮を図ることが可能となり、加工時間の短縮につながる。
【0044】
本実施例では側板逃がし部2eを設けて電線7を2本使用した例を示したが、側板逃がし部2eの加工は必須ではなく、チップ本体2へ取り付ける電線7の本数及び取付方法もこれに限定するものではない。
【実施例3】
【0045】
実施例3を図5をもとに説明する。
【0046】
図5は抵抗発熱体1のチップ本体2が平面視で正方形の斜視図である。
【0047】
抵抗発熱体1の構成は図1のチップ本体が矩形の発熱体と基本的に同様であるが、電圧印加用の電線取付部は2分割されたチップ本体2の袖板2bのスリット8から2mmであって、2つの溶着チップ3の中間点2cを交点とする対角線上に平面視で点対対象位置に形成され、かつベース面からの高さは、それぞれ同一に設定されている
【0048】
給電部の電線7、7a取付位置は、スリット8から5mm以内に接近させ、かつスリット8からの距離が2カ所共で同じことが望ましい。
【0049】
電線7の取付位置に1mm程度の誤差が発生しても、電線7から流れる電流がチップ本体2を分岐して発熱部5を経由する電流がほぼ同じになるため、2つの溶着チップ3の発熱バランスが保たれるのは実施例1と同様である。
【実施例4】
【0050】
実施例4を図6をもとに説明する。
【0051】
図6は抵抗発熱体1のチップ本体2が平面視で円形または楕円形の斜視図である。
【0052】
抵抗発熱体1の構成は図1のチップ本体が矩形の発熱体と基本的に同様であるが、電圧印加用の電線取付部は2分割されたチップ本体2の袖板2bのスリット8から2mmであって、2つの溶着チップ3の中間点2c点を交点とする対角線上に平面視で点対対象位置に形成され、かつベース面からの高さは、それぞれ同一に設定されている。
【0053】
給電部の電線7、7a取付位置は、スリット8から5mm以内に接近させ、かつスリット8からの距離が2カ所共で同じことが望ましい。
【0054】
電線7の取付位置に1mm程度の誤差が発生しても、電線7から流れる電流がチップ本体2を分岐して発熱部5を経由する電流がほぼ同じになるため、2つの溶着チップ3の発熱バランスが保たれるのは実施例1ないし実施例3と同様である。
【符号の説明】
【0055】
1 抵抗発熱体
2 チップ本体
2a ベース面
2b 袖板
2c 中間点
2d 側板
2e 側板逃がし部
3 溶着チップ
4 突出部
5 発熱部
6a,6b 当接面
7,7a 電線
8、8a スリット
9 カバー
10 絶縁支持部材
11 エアーパイプ
12 ロウ付け範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12