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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】遮音構造体
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/16 20060101AFI20220506BHJP
   E04B 1/86 20060101ALN20220506BHJP
   H02K 5/00 20060101ALN20220506BHJP
【FI】
G10K11/16 130
G10K11/16 150
E04B1/86 X
E04B1/86 A
H02K5/00 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017244358
(22)【出願日】2017-12-20
(65)【公開番号】P2019113577
(43)【公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-11-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年10月4日 第2回関西 工場設備・備品展にて公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年10月31日 建設機械展示会・建築体験フェア Future2017にて公開。
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 将典
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-050577(JP,A)
【文献】特開平08-282648(JP,A)
【文献】特開2015-187632(JP,A)
【文献】特開2013-090457(JP,A)
【文献】特開2004-070128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/16
E04B 1/86
H02K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空板状の吸音パネルで形成された本体部と、多孔質性の材料で形成された吸音材を備えた遮音構造体であって、
前記吸音パネルには、高さ方向に延びるヒンジ部が形成され、
前記本体部は、前記ヒンジ部を閉じることにより高さ方向に延びる筒形状に形成されて、内側に騒音源を収容するための収容空間を区画し、
前記ヒンジ部は、前記吸音パネルの前記収容空間側の面に、断面三角形状の凹条として形成されることによって前記吸音パネルの板厚が薄くされて構成され、
前記吸音パネルは、複数のセルを有するとともに、前記収容空間側に開口して前記セルの内外を連通させる連通孔を有しており、
前記吸音材は、前記吸音パネルよりも前記収容空間側に設けられており、
前記吸音材の高さ方向の寸法は、前記吸音パネルの高さ方向の寸法より短く、前記本体部が筒形状に形成された状態では、前記吸音材は、その下端が前記吸音パネルの下端より高い位置となるように取り付けられており、
前記吸音パネルは、厚み方向に延びる複数の柱形状の前記セルが高さ方向に並設されたコア層と、前記コア層の厚み方向両側の面に接合された一対のスキン層とを備え、
一対の前記スキン層のうち前記収容空間側のスキン層の全面には、前記連通孔が設けられていることを特徴とする遮音構造体。
【請求項2】
中空板状の吸音パネルで形成された本体部と、多孔質性の材料で形成された板状の吸音材を備えた遮音構造体であって、
前記吸音パネルには、高さ方向に延びるヒンジ部が形成され、
前記本体部は、前記ヒンジ部を閉じることにより高さ方向に延びる筒形状に形成されて、内側に騒音源を収容するための収容空間を区画し、
前記吸音パネルは、複数のセルを有するとともに、前記収容空間側に開口して前記セルの内外を連通させる連通孔を有しており、
前記吸音材は、前記吸音パネルよりも前記収容空間側に設けられており、
前記ヒンジ部は、前記吸音パネルの板厚が薄くされて構成された第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部を備え、
前記本体部は、前記吸音パネルとして、四角板状の第1吸音パネル、四角板状の第2吸音パネル、及び四角板状の第3吸音パネルをそれぞれ2つ備え、
前記第1吸音パネルと前記第2吸音パネルは、前記第1ヒンジ部を介して隣り合うとともに、前記第2吸音パネルと前記第3吸音パネルは、前記第2ヒンジ部を介して隣り合い、
前記第1吸音パネル及び前記第2吸音パネルには、前記吸音材が設けられているとともに、前記第3吸音パネルには、前記吸音材が設けられておらず、
前記第3吸音パネルの幅寸法は、前記第1吸音パネルの幅寸法及び前記第2吸音パネルの幅寸法より短く、かつ、前記第1吸音パネルの厚み、前記第2吸音パネルの厚み、前記第1吸音パネルに設けられた前記吸音材の厚み、及び前記第2吸音パネルに設けられた前記吸音材の厚みを加算した厚みと同程度であり、
前記本体部は、前記第1ヒンジ部を閉じるとともに前記第2ヒンジ部を開くことにより前記収容空間を区画する使用形態とされ、前記第1ヒンジ部を開くとともに前記第2ヒンジ部を閉じることにより折り畳まれた非使用形態とされ、
前記第1ヒンジ部及び前記第2ヒンジ部の少なくとも1つは、接離可能に構成されている
ことを特徴とする遮音構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮音構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
騒音源の周囲に設けて不快な騒音を遮音する遮音構造体が知られている。
図11に示すように、特許文献1の遮音構造体1は、4枚の矩形板状の遮蔽部材2と、遮蔽部材2に取り付けられた骨組3とを備えており、これら遮蔽部材2及び骨組3とによって全体として四角筒形状になっている。特許文献1の遮音構造体1の内部は、4枚の遮蔽部材2により騒音源を収容するための収容空間として区画されている。
【0003】
特許文献1の遮音構造体1で遮蔽部材2に取り付けられた骨組3は、遮蔽部材2の幅方向両端部に取り付けられて上下方向に延びる4本の支柱4と、支柱4の上端部同士を連結する4本の梁5と、支柱4の下端部に取り付けられたベースプレート6と、支柱4の上端部に取り付けられた連結継手7を備えている。これにより、骨組3によって遮蔽部材2が支持される構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-43586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、騒音源として小型発電機を収容空間内に収容して使用するような場合、小型発電機を駆動する際に排出される排気ガスによって遮音構造体1の内面が汚れてしまい、吸音効果が低下する場合がある。そのため、遮音構造体1を使用後に、遮音構造体1の内外面の汚れた部分を拭き取る作業が必要となる。
【0006】
しかし、特許文献1に記載される遮音構造体1では、遮蔽部材2の周縁部に骨組3が取り付けられており、遮蔽部材2と骨組3との間に段差が生じているため、遮音構造体1の表面の汚れを拭き取りにくく、特に遮蔽部材2と骨組3との境界部分での汚れを拭き取りにくいといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、中空板状の吸音パネルで形成された本体部を備えた遮音構造体であって、前記吸音パネルには、高さ方向に延びるヒンジ部が形成され、前記本体部は、前記ヒンジ部を閉じることにより高さ方向に延びる筒形状に形成されて、内側に騒音源を収容するための収容空間を区画し、前記ヒンジ部は、前記吸音パネルの板厚が薄くされて構成されていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、吸音パネルで形成された本体部は、高さ方向に延びるヒンジ部を閉じることによって収容空間を区画する筒形状に形成される。そして、ヒンジ部は吸音パネルの板厚が薄くされて構成されている。つまり、収容空間を区画するための吸音パネルは、自身の板厚を薄くすることにより形成されたヒンジ部によって連結されて筒形状に形成される。そのため、吸音パネルを連結するための連結部材が不要となる。収容空間内に騒音源を収容して使用した場合に遮音構造体の表面に汚れが付着したとしても、その汚れを拭き取りやすい。
【0009】
上記の遮音構造体において、多孔質性の材料で形成された吸音材をさらに備え、前記吸音パネルは、複数のセルを有するとともに、前記収容空間側に開口して前記セルの内外を連通させる連通孔を有しており、前記吸音材は、前記吸音パネルよりも前記収容空間側に設けられていることが好ましい。
【0010】
上記の遮音構造体において、前記ヒンジ部は、第1ヒンジ部と第2ヒンジ部を備え、前記本体部は、前記吸音パネルとして、四角板状の第1吸音パネル、四角板状の第2吸音パネル、及び四角板状の第3吸音パネルをそれぞれ2つ備え、前記第1吸音パネルと前記第2吸音パネルは、前記第1ヒンジ部を介して隣り合うとともに、前記第2吸音パネルと前記第3吸音パネルは、前記第2ヒンジ部を介して隣り合い、前記第3吸音パネルの幅寸法は、前記第1吸音パネルの幅寸法及び前記第2吸音パネルの幅寸法より短く、前記本体部は、前記第1ヒンジ部を閉じるとともに前記第2ヒンジ部を開くことにより前記収容空間を区画する使用形態とされ、前記第1ヒンジ部を開くとともに前記第2ヒンジ部を閉じることにより折り畳まれた非使用形態とされることが好ましい。
【0011】
上記の遮音構造体において、前記第1ヒンジ部及び前記第2ヒンジ部の少なくとも1つは、接離可能に構成されていることが好ましい。
上記の遮音構造体において、前記吸音パネルは、厚み方向に延びる複数の柱形状のセルが高さ方向に並設されたコア層と、前記コア層の厚み方向両側の面に接合された一対のスキン層とを備え、一対の前記スキン層のうち前記収容空間側のスキン層には、前記連通孔が設けられており、前記吸音パネルの高さ方向の両端面は封止されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、表面の汚れを拭き取りやすい遮音構造体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)は吸音パネルの斜視図、(b)は(a)におけるβ-β線断面図、(c)は(a)におけるγ-γ線断面図。
図2】(a)は吸音パネルのコア層を構成するシート材の斜視図、(b)は同シート材の折り畳み途中の状態を示す斜視図、(c)は同シート材を折り畳んだ状態を示す斜視図。(d)は吸音パネルの連通孔の形成態様を示す断面図。
図3】遮音構造体の斜視図。
図4】遮音構造体の使用形態の上面図。
図5】遮音構造体の非使用形態の上面図。
図6】遮音構造体の斜視図。
図7】(a)~(d)は、吸音パネルの端部の封止方法について説明する図。
図8】(a)~(c)は、吸音パネルのヒンジ部の成形方法について説明する図。
図9】(a)は、第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部について説明する図、(b)は、第3ヒンジ部について説明する図。
図10】遮音構造体の開口部の変更例について説明する図。
図11】従来の遮音構造体の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の遮音構造体50の実施形態を説明する。先ず、遮音構造体50の吸音パネルとして用いられる中空板材10について説明する。
図1(a)に示すように、中空板材10は、内部に複数のセルSが並設されたコア層20と、コア層20の厚み方向両面(図1(a)において上下両面)に接合されたシート状のスキン層30、40とで構成されている。図1(b)及び図1(c)に示すように、コア層20は、所定形状に成形された1枚の熱可塑性樹脂製のシート材を折り畳んで形成されている。コア層20は、上壁部21と、下壁部22と、上壁部21及び下壁部22の間に立設されてセルSを六角柱形状に区画する側壁部23とで構成されている。なお、図1(a)では、一部のセルS(第1セルS1及び第2セルS2)にのみ、符号を付している。
【0015】
図1(b)及び図1(c)に示すように、コア層20の内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1及び第2セルS2が存在する。図1(b)に示すように、第1セルS1においては、側壁部23の上部に2層構造の上壁部21が設けられている。この2層構造の上壁部21の各層は互いに接合されている。また、第1セルS1においては、側壁部23の下部に1層構造の下壁部22が設けられている。一方、図1(c)に示すように、第2セルS2においては、側壁部23の上部に1層構造の上壁部21が設けられている。また、第2セルS2においては、側壁部23の下部に2層構造の下壁部22が設けられている。この2層構造の下壁部22の各層は互いに接合されている。また、図1(b)及び図1(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、及び隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ2層構造の側壁部23によって区画されている。
【0016】
図1(a)に示すように、第1セルS1はX方向に沿って列を成すように並設されていて、上面視した場合に、隣り合う2つの第1セルS1が六角形の1辺を共有している。同様に、第2セルS2はX方向に沿って列を成すように並設されていて、上面視した場合に、隣り合う2つの第2セルS2が六角形の1辺を共有している。第1セルS1の列及び第2セルS2の列は、X方向に直交するY方向において交互に配列されている。そして、これら第1セルS1及び第2セルS2により、コア層20は、全体としてハニカム構造をなしている。
【0017】
図1(a)~(c)に示すように、上記のように構成されたコア層20の上面には熱可塑性樹脂製のシート材であるスキン層30が接合されている。また、コア層20の下面には、熱可塑性樹脂製のシート材であるスキン層40が接合されている。この実施形態では、コア層20における側壁部23の上部が、コア層20の上壁部21及びスキン層30で閉塞されている。すなわち、上壁部21及びスキン層30が、セルSを上側から区画する上部閉塞壁11を構成している。同様に、コア層20における側壁部23の下部が、コア層20の下壁部22及びスキン層40で閉塞されている。すなわち、下壁部22及びスキン層40が、セルSを下側から区画する下部閉塞壁12を構成している。
【0018】
図1(b)及び図1(c)に示すように、中空板材10の上部閉塞壁11には、セルSの内外を連通させる連通孔15が設けられている。具体的には、図1(b)に示すように、第1セルS1において連通孔15は、上面側のスキン層30及び2層構造の上壁部21を貫通している。また、図1(c)に示すように、第2セルS2において連通孔15は、上面側のスキン層30及び1層構造の上壁部21を貫通している。
【0019】
図1(a)に示すように、連通孔15は、1つのセルSに対して1箇所ずつ設けられている。この実施形態では、連通孔15は、中空板材10を上面視した場合に、各セルSの六角形状の中央に位置している。図1(b)及び図1(c)に示すように、各連通孔15の開口の直径は、セルSを上面視した場合の六角形の一辺の長さ以下に設定されている。具体的には、各連通孔15の開口の直径は、X方向に隣り合うセルSの中心同士の間隔P1の数分の1(例えば、0.5~3.0mm程度)に設定されている。
【0020】
次に、中空板材10の製造方法について図2に従って説明する。
図2(a)に示すように、第1シート材100は、1枚の熱可塑性樹脂製のシートを所定の形状に成形することにより形成される。第1シート材100には、帯状をなす平面領域110及び膨出領域120が、第1シート材100の長手方向(X方向)に交互に配置されている。膨出領域120には、上面と一対の側面とからなる断面下向溝状をなす第1膨出部121が膨出領域120の延びる方向(Y方向)の全体に亘って形成されている。なお、第1膨出部121の上面と側面とのなす角は90度であることが好ましく、その結果として、第1膨出部121の断面形状は下向コ字状となる。また、第1膨出部121の幅(上面の短手方向の長さ)は平面領域110の幅と等しく、かつ第1膨出部121の膨出高さ(側面の短手方向の長さ)の2倍の長さとなるように設定されている。
【0021】
また、膨出領域120には、その断面形状が正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなす複数の第2膨出部122が、第1膨出部121に直交するように形成されている。第2膨出部122の膨出高さは第1膨出部121の膨出高さと等しくなるように設定されている。また、隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しくなっている。
【0022】
なお、こうした第1膨出部121及び第2膨出部122は、シートの塑性を利用してシートを部分的に上方に膨出させることにより形成されている。また、第1シート材100は、真空成形法や圧縮成形法等の周知の成形方法によって1枚のシートから成形することができる。
【0023】
図2(a)及び図2(b)に示すように、上述のように構成された第1シート材100を、境界線P、Qに沿って折り畳むことでコア層20が形成される。具体的には、第1シート材100を、平面領域110と膨出領域120との境界線Pにて谷折りするとともに、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qにて山折りしてX方向に圧縮する。そして、図2(b)及び図2(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なることによって、一つの膨出領域120に対して一つのY方向に延びる角柱状の区画体130が形成される。こうした区画体130がX方向に連続して形成されていくことにより中空板状のコア層20が形成される。なお、この実施形態では、第1シート材100を折り畳むために圧縮する方向が、セルSが並設される方向(X方向)である。
【0024】
上記のように第1シート材100を圧縮するとき、第1膨出部121の上面と側面とによってコア層20の上壁部21が形成されるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とによってコア層20の下壁部22が形成される。なお、図2(c)に示すように、上壁部21における第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって2層構造を形成する部分、及び下壁部22における第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって2層構造を形成する部分がそれぞれ重ね合わせ部131となる。
【0025】
また、第2膨出部122が折り畳まれて区画形成される六角柱形状の領域が第2セルS2となるとともに、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱形状の領域が第1セルS1となる。本実施形態では、第2膨出部122の上面及び側面が第2セルS2の側壁部23を構成するとともに、第2膨出部122の側面と、膨出領域120における第2膨出部122間に位置する平面部分とが第1セルS1の側壁部23を構成する。そして、第2膨出部122の上面同士の当接部位、及び膨出領域120における上記平面部分同士の当接部位が2層構造をなす側壁部23となる。また、第1セルS1では、一対の重ね合わせ部131によってその上部が区画され、第2セルS2では、一対の重ね合わせ部131によってその下部が区画されている。なお、こうした折り畳み工程を実施するに際して、第1シート材100を加熱処理して軟化させた状態としておくことが好ましい。
【0026】
このようにして得られたコア層20の上面及び下面には、それぞれ熱可塑性樹脂製の第2シート材が熱溶着により接合される。コア層20の上面に接合された第2シート材はスキン層30となり、コア層20の上壁部21と共にセルSを上側から閉塞する上部閉塞壁11を構成する。コア層20の下面に接合された第2シート材は、スキン層40となり、コア層20の下壁部22と共にセルSを下側から閉塞する下部閉塞壁12を構成する。
【0027】
なお、第2シート材(スキン層30、40)をコア層20に熱溶着する際には、第1セルS1における2層構造の上壁部21(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。同様に、第2セルS2における2層構造の下壁部22(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。
【0028】
上記各工程により、X方向に第1セルS1又は第2セルS2がそれぞれ列を成すように多数並設され、Y方向に第1セルS1及び第2セルS2が交互に多数並設された中空板材10が得られる。
【0029】
その後、中空板材10のスキン層30及びコア層20の上壁部21(上部閉塞壁11)に多数の連通孔15を形成する。連通孔15は、ドリル、針、パンチ等の貫通冶具Tを、中空板材10のスキン層30及びコア層20の上壁部21に貫通させることにより形成される。図2(d)に示すように、貫通冶具Tは、隣り合うセルSの中心同士の各間隔と略同一の間隔で複数配列された構成となっている。複数の貫通冶具Tの下方側に中空板材10を配置して固定し、貫通冶具Tを下降移動させる。このようにして、中空板材10のスキン層30及びコア層20の上壁部21には、各セルSの略中央部分に各1箇所ずつの連通孔15が形成される。以上の工程を経て、複数の連通孔15が形成された中空板材10が製造される。なお、本実施形態の中空板材10は、その板厚が約20mmとされている。
【0030】
次に、上記の中空板材10を吸音パネルとして使用した遮音構造体50の構成について説明する。
図3に示すように、本実施形態の遮音構造体50は、吸音パネルとしての中空板材10を折り曲げることにより上面視矩形状の筒形状とされる本体部60と、本体部60の内側面に接合された吸音材71、72を備えている。本体部60と吸音材71、72とにより、遮音構造体50の内部は、騒音源(例えば発電機やモータ等)を収容するための収容空間Cに区画されている。
【0031】
図3に示すように、本体部60は、吸音パネルとして、四角板状の第1吸音パネル61と四角板状の第2吸音パネル62と四角板状の第3吸音パネル63とを備えている。第1吸音パネル61は、遮音構造体50が上面視矩形状の筒形状とされた時、対向する位置の2箇所に設けられている。第2吸音パネル62は、遮音構造体50が上面視矩形状の筒形状とされた時、遮音構造体50の上面視での中心点に対して点対称となる位置で対向する2箇所に設けられている。同様に、第3吸音パネル63は、遮音構造体50が上面視矩形状の筒形状とされた時、遮音構造体50の上面視での中心点に対して点対称となる位置で対向する2箇所に設けられている。
【0032】
図3図5に示すように、第1吸音パネル61と第2吸音パネル62は、第1ヒンジ部81を介して隣り合っている。第1ヒンジ部81は、吸音パネルを構成する中空板材10を熱溶融させることにより、コア層20及びスキン層30、40を構成する熱可塑性樹脂が熱変形されて、その板厚が他の部分より薄く形成されている。その結果、第1ヒンジ部81は、上面視略直角三角形状に凹んだ形状とされており、吸音パネルを構成する中空板材10の厚みが最も薄くされた部分を回動軸81aとして開閉可能に構成されている。第1吸音パネル61と第2吸音パネル62は、第1ヒンジ部81の回動軸81aの周りに回動して、第1ヒンジ部81が閉じた状態(図3図4に示す状態)と開いた状態(図5に示す状態)の間の任意の位置をとることができる。
【0033】
図3及び図6に示すように、本実施形態の遮音構造体50では、2箇所の第1ヒンジ部81のうち、一方の第1ヒンジ部81(図3図6の手前側)は、回動軸81aに沿って2つに分割された形状とされており、遮音構造体50の開口部51が形成されている。そのため、図6に示すように、開口部51を介して収容空間C内に騒音源を収容したり、収容空間Cから騒音源を取り出したりすることができる。
【0034】
図3図5に示すように、第2吸音パネル62と第3吸音パネル63は、第2ヒンジ部82を介して隣り合っている。第2ヒンジ部82は、吸音パネルを構成する中空板材10を熱溶融させることにより、コア層20及びスキン層30、40を構成する熱可塑性樹脂が熱変形されて形成されて、その板厚が他の部分より薄く形成されている。その結果、第2ヒンジ部82は、上面視略直角三角形状に凹んだ形状とされており、吸音パネルを構成する中空板材10の厚みが最も薄くされた部分を回動軸82aとして開閉可能に構成されている。第2吸音パネル62と第3吸音パネル63は、第2ヒンジ部82の回動軸82aの周りに回動して、第2ヒンジ部82が閉じた状態(図5に示す状態)と開いた状態(図3図4に示す状態)の間の任意の位置をとることができる。
【0035】
図3に示すように、第3吸音パネル63と第1吸音パネル61は、第3ヒンジ部83を介して隣り合っている。第3ヒンジ部83は、吸音パネルを構成する中空板材10を熱溶融させて熱変形させた後、コア層20及びスキン層30、40を構成する熱可塑性樹脂が熱溶着されて形成されており、第3吸音パネル63と第1吸音パネル61とが、略直交するように接合固定されている。この点で、第3ヒンジ部83はヒンジ構造を有していないが、後に説明する成形工程においては、第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82と同様の上面視略直角三角形状に形成された後、熱溶着により接合固定される。言い方を換えれば、第3吸音パネル63と第1吸音パネル61は、後に説明する成形工程において、第3ヒンジ部83を回動軸83aの周りに回動して、第3ヒンジ部83が閉じた状態で熱溶着により互いに接合固定されている。本実施形態では、熱溶着により接合されているヒンジ構造(第3ヒンジ部83)、分割された形状のヒンジ構造(開口部51を形成する第1ヒンジ部81)を含めて、成形工程において、隣接する吸音パネル61、62、63同士が、回転可能に接合された状態で成形される部分をヒンジ部というものとする。
【0036】
図9(a)に示すように、第1ヒンジ部81と第2ヒンジ部82は同じ形状とされている。第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82において、中空板材10の厚みが最も薄くされた部分は平面状の平面部81b、82bとされている。平面部81b、82bの幅は、例えば2~5mmであることが好ましく、本実施形態では約3mmとされている。そのため、実際には、第1ヒンジ部81と第2ヒンジ部82は、平面部81b、82bにおける任意の位置を回動軸81a、82aとして回動することになる。
【0037】
一方、図9(b)に示すように、熱溶着する前の第3ヒンジ部83では、中空板材10の厚みが最も薄くされた部分に平面状の平面部83bが形成されるが、その幅は、第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82の平面部81b、82bより狭く、本実施形態では約1mmとされている。
【0038】
第1吸音パネル61、第2吸音パネル62、及び第3吸音パネル63は、各吸音パネル61、62、63の内部において、第1セルS1及び第2セルS2の列が延びる方向に直交する方向(図1及び図2においてY方向)が、遮音構造体50の高さ方向となるように配置されている。また、各吸音パネル61、62、63は、連通孔15が設けられている側(すなわちスキン層30側)が収容空間C側を向くように配置されている。
【0039】
図3及び図6に示すように、一方の第1吸音パネル61及び吸音材71の幅方向の端部の下端部には、切欠部52が形成されている。切欠部52は、一方の第1吸音パネル61及び吸音材71の下端部において三角形状に切り欠かれた形状とされている。なお、他方の第1吸音パネル61及び吸音材71の下端部には、切欠部52は形成されていない。
【0040】
図3に示すように、第1吸音パネル61の上端面及び下端面には、それぞれ帯板状の封止部61aが設けられている。封止部61aの幅方向の寸法は第1吸音パネル61の厚み寸法と同じになっており、封止部61aの長さ方向の寸法は第1吸音パネル61の幅方向の寸法と同じになっている。そして、封止部61aは、第1吸音パネル61の上端面及び下端面と同じ形状となっている。この封止部61aによって、第1吸音パネル61の上端面及び下端面において、第1吸音パネル61の内部空間(セルS)が露出しないようになっているとともに、第1吸音パネル61の上端面及び下端面が補強されている。
【0041】
また、第1吸音パネル61における切欠部52の端縁には、帯板状の封止部52aが設けられている。封止部52aが設けられていることにより、一方の第1吸音パネル61の切欠部52では、第1吸音パネル61の内部空間(セルS)が露出しないようになっている。そのため、切欠部52の端縁から中空板材10のコア層20内に水やゴミが入りにくい。また、封止部52aにより切欠部52の端縁が補強されている。
【0042】
同様に、第2吸音パネル62の上端面及び下端面には、それぞれ帯板状の封止部62aが設けられている。また、第3吸音パネル63の上端面及び下端面には、それぞれ帯板状の封止部63aが設けられている。封止部62aは、第2吸音パネル62の上端面及び下端面と同じ形状となっており、封止部63aは、第3吸音パネル63の上端面及び下端面と同じ形状となっている。これらの封止部62a、63aによって、第2吸音パネル62及び第3吸音パネル63の上端面及び下端面において、それらの内部空間(セルS)が露出しないようになっているとともに、第2吸音パネル62及び第3吸音パネル63の上端面及び下端面が補強されている。
【0043】
図4及び図5に示すように、第1吸音パネル61の幅方向の寸法L1は、第2吸音パネル62の幅方向の寸法L2より長く、第2吸音パネル62の幅方向の寸法L2は、第3吸音パネル63の幅方向の寸法L3より長くなっている。中でも、第3吸音パネル63の幅方向の寸法L3は、後に説明する吸音材71、72の厚み寸法に関連して決められている。具体的には、第3吸音パネル63の幅方向の寸法L3は、第1吸音パネル61を構成する中空板材10の板厚と、第2吸音パネル62を構成する中空板材10の板厚に、後に説明する吸音材71の厚みと、吸音材72の厚みとを加算した厚みとほぼ同じかやや大きくされている。言い換えれば、第3吸音パネル63の幅方向の寸法L3は、中空板材10の板厚の2倍の値に、吸音材71及び吸音材72の厚みを加算した厚みとほぼ同じかやや大きくされている。
【0044】
図3及び図4に示すように、2つの第1吸音パネル61における収容空間Cとは反対側の面には、それぞれ取手部材92が取り付けられている。取手部材92は、第1吸音パネル61の幅方向に延びる帯状になっており、その両端が図示しないリベット(鋲)によって第1吸音パネル61に固定されている。取手部材92は、第1吸音パネルの幅方向中央であり、かつ、高さ方向中央よりも上側に位置している。
【0045】
図3及び図6に示すように、開口部51が形成された側の第2吸音パネル62における収容空間Cとは反対側の面には、2つの雌型面ファスナー91aが取り付けられている。雌型面ファスナー91aは、第2吸音パネル62における開口部51側に寄せて配置されている。また、雌型面ファスナー91aは、第2吸音パネル62の高さ方向の中央を挟んで上下に2つずつ、第2吸音パネル62の幅方向に並設されている。
【0046】
また、開口部51が形成された側の第1吸音パネル61における収容空間Cとは反対側の面には、2つの雄型面ファスナー91が取り付けられている。雄型面ファスナー91は、第1吸音パネル61の幅方向に延びる帯状になっていて、その長手方向の一端が第1吸音パネル61に固定されている。図6に示すように、雄型面ファスナー91の長手方向の他端は、第1吸音パネル61の幅方向の外側へと飛び出している。
【0047】
図3図6に示すように、第1吸音パネル61の収容空間C側には、四角形板状の吸音材71が取り付けられている。この実施形態では、吸音材71は、第1吸音パネル61の収容空間C側の面に図示しない面ファスナーによって脱着可能に取り付けられている。吸音材71の高さ方向の寸法は、第1吸音パネル61の収容空間C側の面の高さ方向の寸法より少し短くなっており、吸音材71の下端は、第1吸音パネル61の下端よりやや高い位置に取り付けられている。こうすることで、遮音構造体を使用形態としたときに、吸音材71の下端が接地せず、汚れにくくなる。また、吸音材71の幅方向の寸法は、第1吸音パネル61の収容空間C側の面の幅方向の寸法と略同じか少し短くなっている。
【0048】
第2吸音パネル62の収容空間C側には、四角形板状の吸音材72が取り付けられている。この実施形態では、吸音材72は、第2吸音パネル62の収容空間C側の面に図示しない面ファスナーによって脱着可能に取り付けられている。吸音材72の高さ方向の寸法は、第2吸音パネル62の収容空間C側の面の高さ方向の寸法より少し短くなっており、吸音材72の下端は、第2吸音パネル62の下端よりやや高い位置に取り付けられている。こうすることで、遮音構造体を使用形態としたときに、吸音材72の下端の汚れが抑制される。
【0049】
また、吸音材72の幅方向の寸法は、第2吸音パネル62の収容空間C側の面の幅方向の寸法より短くなっている。具体的には、吸音材72の幅方向の寸法は、第2吸音パネル62の収容空間C側の面の幅方向の寸法より、吸音材71の厚み分短くなっている。そして、吸音材72は、第3吸音パネル63側の端縁では、第2吸音パネル62の収容空間C側の面の第3吸音パネル63側の端縁と同じ位置に取り付けられており、第1吸音パネル61側の端縁では、第2吸音パネル62の収容空間C側の面の第1吸音パネル61側の端縁より、吸音材71の厚み分だけ第3吸音パネル63側にずれた位置に取り付けられている。
【0050】
なお、第3吸音パネル63の収容空間C側には、吸音材は取り付けられていない。
本実施形態の吸音材71、72は、ガラス繊維を圧縮しつつ接着することにより形成されたグラスウールである。グラスウールは、ガラス繊維同士の間に無数の隙間が存在しており、多孔質性の材料である。
【0051】
次に、上記のように構成された遮音構造体50の使用形態について説明する。
遮音構造体50を使用する際には、先ず、図6に示すように、2つの第2ヒンジ部82を開いて第2吸音パネル62と第3吸音パネル63が上面視直線状となるように配置し、開口部51と反対側の第1ヒンジ部81をやや開いて、開口部51側の第1吸音パネル61と第2吸音パネル62とを離間させる。このとき、開口部51が開口された状態となる。この状態で、騒音源を遮音構造体50の開口部51側に移動させるか、遮音構造体50の開口部51を騒音源側に移動させて、騒音源を開口部51から収容空間C内に収容する。遮音構造体50を移動させる際には、第1吸音パネル61における収容空間Cとは反対側の面に取付けられた取手部材92を持つことで、遮音構造体50の移動が容易になる。
【0052】
続いて、開口部51側の第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62を接近させて開口部51を閉じる。このとき、開口部51と反対側の第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62の間の第1ヒンジ部81は閉じられた状態となる。これにより、図3に示すように、遮音構造体50は、全体として上面視矩形状の筒形状の使用形態となり、その内部空間である収容空間Cには騒音源が収容されている。
【0053】
遮音構造体50を使用形態にしたら、第1吸音パネル61における収容空間Cとは反対側の面に取り付けられた雄型面ファスナー91を、第2吸音パネル62における収容空間Cとは反対側の面に取り付けられた2つの雌型面ファスナー91aに固定する。これにより、開口部51は開口できなくなり、遮音構造体50の上面視矩形状の筒形状が維持される。
【0054】
使用形態とされた遮音構造体50では、図3に示すように、開口部51側の第1吸音パネル61の切欠部52が、収容空間Cの内外を連通する状態となる。したがって、切欠部52を介して、遮音構造体50の内部に収容された騒音源から外部へとケーブル類を引き出すことができる。
【0055】
遮音構造体50の内部に騒音源が収容されている状態で当該騒音源から騒音が発せられると、その騒音源からの騒音のうち比較的に高い周波数域の騒音は、吸音材71、72の隙間の空気を伝播し、空気の摩擦や粘性抵抗等によって、空気の振動が熱エネルギーとして消費される。一方、騒音源からの騒音のうち中周波数域の騒音は、第1吸音パネル61、第2吸音パネル62、第3吸音パネル63によって吸音される。具体的には、各吸音パネル61、62、63における連通孔15を介して騒音(空気の振動)がセルSの内部に導かれる。そして、セルSの内外を連通させる連通孔15の近傍で空気が激しく振動し、当該空気が連通孔15の周辺部分と摩擦することにより空気の振動が熱エネルギーとして消費される。このように異なる原理で騒音が吸収されることで、遮音構造体50は、比較的に広い周波数域で騒音を吸音する。
【0056】
ところで、一般的には、上記のように騒音源を遮音構造体50で囲んだ場合、遮音構造体50が騒音を反射すると、遮音構造体50の収容空間C内において騒音が反響し、遮音構造体50の外においても場所によっては騒音が大きくなることがあり得る。この点、上記実施形態の遮音構造体50では、吸音材71、72及び吸音パネル61、62、63で騒音を吸音しているので、収容空間C内の反響を抑え、伝播音を低減できる。
【0057】
次に、遮音構造体50の非使用形態について説明する。
上記のように構成された遮音構造体50は、使用しない場合には、図5に示すような非使用形態とすることができる。まず、雌型面ファスナー91aに固定された雄型面ファスナー91を外し、図6に示すように、開口部51を開口する。続いて、騒音源を遮音構造体50の開口部51側から移動させるか、遮音構造体50を騒音源側から移動させて、騒音源を遮音構造体50の収容空間C外に移動させる。遮音構造体50を移動させる際には、第1吸音パネル61における収容空間Cとは反対側の面に取付けられた取手部材92を持つことで、遮音構造体50の移動が容易になる。
【0058】
騒音源を駆動させることによって、遮音構造体50における収容空間C側の面に汚れが付着する場合がある。また、収容空間Cとは反対側の面にも汚れが付着する場合がある。そのため、収容空間C側の内外面の汚れを拭き取る。このとき、吸音材71、72の表面の汚れを拭き取ったり、必要に応じて、吸音材71、72を取り外して、各吸音パネル61、62、63の表面の汚れを拭き取ったりする。
【0059】
その後、再度、雄型面ファスナー91を雌型面ファスナー91aに固定する。
図5に示すように、この状態で、第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62を、第1ヒンジ部81の回動軸81a周りに回動させるとともに、第2吸音パネル62及び第3吸音パネル63を、第2ヒンジ部82の回動軸82a周りに回動させる.これにより、第1ヒンジ部81(開口部51を形成する第1ヒンジ部81も含む)が開いた状態となって、第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62が上面視直線状となる。また、第2ヒンジ部82が閉じた状態となって、第3吸音パネル63は、第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62に対して上面視直交した状態となる。
【0060】
このとき、第3吸音パネル63の幅方向の寸法L3は、中空板材10の板厚の2倍の値に、吸音材71及び吸音材72の厚みを加算した厚みとほぼ同一とされていることから、吸音材71、72における収容空間C側の面は、ほぼ隙間なく近接した位置に配置される。図5に示すように、遮音構造体50は折り畳まれた非使用形態とされる。
【0061】
次に、遮音構造体50の製造方法について説明する。遮音構造体50の製造方法は、本体部60を成形する工程、本体部60における収容空間Cとは反対側の面に、雄型面ファスナー91、雌型面ファスナー91a、取手部材92を取り付ける工程、本体部60の各吸音パネル61、62に吸音材71、72を取り付ける工程を備えている。
【0062】
まず、本体部60を成形する工程について説明する。本体部60を成形する工程は、図7(a)~(d)に示すように、本体部60の封止部61a、62a、63a、52aを成形する工程、図8(a)に示すように、本体部60の第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82を成形する工程、図8(b)及び図8(c)に示すように、本体部60の第3ヒンジ部83を成形して熱溶着する工程を備えている。なお、図7に示す中空板材10は、遮音構造体50を構成する吸音パネルを側面視した状態であり、図8に示す中空板材10は、遮音構造体50を構成する吸音パネルを上面視した状態である。つまり、図7では、紙面の左右方向が遮音構造体50の高さ方向に対応し、図8では、紙面の左右方向が遮音構造体50の幅方向に対応する。
【0063】
まず、本体部60の封止部61a、62a、63a、52aを成形するのに先立って、所定の大きさの中空板材10を準備する。中空板材10の大きさは、本体部60を展開した形状の全体の大きさよりやや大きくされている。具体的には、本体部60の高さ方向では、本体部60の高さ寸法に対して中空板材10のほぼ板厚2枚相当分大きくされており、本体部60の幅方向では、本体部60を展開した形状の全体の幅寸法とほぼ同一の大きさとされたものを準備する。
【0064】
図7(a)及び図7(b)に示すように、本体部60の封止部61a、62a、63a、52aを成形する工程では、上方に加熱冶具210が設けられ、下方に加圧冶具220が設けられた加工装置200を用いる。加熱冶具210は、中空板材10の幅方向の全長に亘って延びるとともに、その厚みM1が中空板材10の板厚よりやや大きい加熱刃210aを備えている。また、加圧冶具220は、中空板材10の幅方向の全長に亘って延びるとともに、その高さH1が加熱刃210aの厚みM1よりやや大きい加圧部220aを備えている。
【0065】
図7(a)に示すように、加工装置200上に中空板材10をセットする。このとき、中空板材10は、遮音構造体50の高さ方向の上端縁に対応する部分が、加熱冶具210の下方に位置するようにセットする。つまり、第1セルS1及び第2セルS2の列が延びる方向に直交する方向(図1及び図2においてY方向)の端縁が、加熱冶具210の下方に位置するようにセットする。また、中空板材10において連通孔15が設けられたスキン層30側を上方に向け、中空板材10の端縁が加熱冶具210の端縁と位置合わせされるようにセットする。
【0066】
図7(a)に示すように、この状態で、加熱冶具210を中空板材10に向かって下降移動させる。加熱冶具210は、中空板材10を構成する熱可塑性樹脂が熱溶融する温度に加熱されている。そのため、中空板材10の端部は、その幅方向全長に亘って、加熱冶具210による加熱と加圧とによって熱溶融されて圧縮される。中空板材10は、連通孔15が設けられたスキン層30側が上方に向いているため、コア層20に形成された六角柱形状のセルSが高さ方向に圧縮されることになる。このとき、中空板材10を構成するコア層20の上壁部21、下壁部22、及び側壁部23とスキン層30、40とが熱溶融して一体化される。
【0067】
図7(b)に示すように、加熱冶具210を中空板材10から上方に向かって上昇移動させた後、加圧冶具220を、中空板材10が圧縮されて薄肉化した端部(裏面部)に向かって、スキン層40側から上昇移動させる。このとき、中空板材10の端部は、加熱冶具210による加熱によって熱軟化した状態となっている。そのため、図7(c)に示すように、薄肉化した中空板材10の端部は、加圧冶具220に押されて折り曲げられ、中空板材10に接合される。中空板材10が薄肉化された端部では、中空板材10はセルSの高さ方向に圧縮されて、コア層20、スキン層30、40を構成する熱可塑性樹脂が熱溶融して一体化しており、中空板材10の端面は、この熱可塑性樹脂が熱溶融して一体化した部分が接合されて封止される。また、折り曲げられて接合された端部では、中空板材10のスキン層40側が外側に位置している。つまり、連通孔15が形成されていない側が外側に位置している。そのため、中空板材10のコア層20の内部に水やゴミが入ることが抑制される。
【0068】
図7(c)に示すように、加熱冶具210の加熱刃210aの厚みM1は、中空板材10の板厚よりやや大きいことから、薄肉化して中空板材10の端面を封止した部分は、中空板材10の厚み方向に突出した形状で折り曲げられて接合されている。そのため、図7(d)に示すように、中空板材10の厚み方向に突出した部分を、図示しない切断冶具によって切断して、中空板材10のスキン層30側の端縁が平滑となるよう成形する。
【0069】
続いて、遮音構造体50の高さ方向の下端縁に相当する部分も同様にして成形し、中空板材10の端面を封止する。このようにして、中空板材10には、本体部60における封止部61a、62a、63a、52aが成形されて、遮音構造体50における上端面と下端面、及び切欠部52の端縁が封止される。
【0070】
次に、本体部60の第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82を成形する工程と、本体部60の第3ヒンジ部83を成形して熱溶着する工程について説明する。
図8(a)、(b)に示すように、本体部60の第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82を成形する工程では、水平方向に延びる載置台300と、その上方に設けられた加熱冶具310、320を有する加工装置を用いる。加熱冶具310と加熱冶具320は、別個に上下移動可能に構成されている。
【0071】
加熱冶具310は、遮音構造体50の高さ方向に対応する方向の全長に亘って延びるとともに、その先端形状が第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82に対応する形状の加熱刃310aを備えている。また、加熱冶具320は、遮音構造体50の高さ方向に対応する方向の全長に亘って延びるとともに、その先端形状が第3ヒンジ部83に対応する形状の加熱刃320aを備えている。
【0072】
図8(a)に示すように、加熱冶具310の加熱刃310aは、先端に行くほど先細の断面略直角三角形状とされ、その先端には水平方向に平坦となる平坦部310bが形成されている。平坦部310bは、約3mmの幅とされている。また、図8(b)に示すように、加熱冶具320の加熱刃320aは、先端に行くほど先細の断面略直角三角形状とされ、その先端には水平方向に平坦となる平坦部320bが形成されている。平坦部320bは、約1mmの幅とされている。
【0073】
まず、封止部61a、62a、63aが成形された中空板材10を、載置台300上にセットする。このとき、遮音構造体50の第1ヒンジ部81、第2ヒンジ部82に対応する位置が、それぞれ加熱冶具310の加熱刃310a下方に位置し、第3ヒンジ部83に対応する位置が、加熱冶具320の加熱刃320a下方に位置するようにセットする。また、中空板材10において連通孔15が設けられたスキン層30側が上方に向くようにセットする。
【0074】
図8(a)に示すように、この状態で、加熱冶具310を中空板材10に向かって下降移動させる。加熱冶具310の加熱刃310aは、中空板材10を構成する熱可塑性樹脂が熱溶融する温度に加熱されている。そのため、中空板材10には、その高さ方向全長に亘って、加熱冶具310の加熱刃310aによる加熱と加圧とによって熱溶融されて圧縮される。これにより、加熱刃310aと同一の形状の第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82が形成される。なお、図8(a)では、5箇所の加熱冶具310のうち1箇所のみに代表して番号を付している。
【0075】
加熱刃310aは、断面略直角三角形状とされているため、形成された第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82は、図9(a)に示すように、中空板材10の厚みが最も薄くされた平面状の平面部81b、82bに向かうにしたがって、徐々に厚みが薄くなる形状とされている。そして、中空板材10は、連通孔15が設けられたスキン層30側が上方に向いているため、コア層20に形成された六角柱形状のセルSは、平面部81b、82bに向かうにしたがって、徐々に高さ方向に圧縮されることになる。また、中空板材10を構成するコア層20の上壁部21、下壁部22、及び側壁部23とスキン層30、40とが熱溶融して一体化される。そのため、平面部81b、82bでは、熱溶融して一体化されたコア層20及びスキン層30、40が、最も圧縮された状態となっており、中空板材10を構成する熱可塑性樹脂の密度が高くなっている。そのため、他の部位に比べて最も強度が強くなっている。また、最も圧縮されて中空板材10の厚みが薄くなっているため、最も曲げ易くなっている。
【0076】
また、加熱刃310aにおける平坦部310bが約3mmとされているため、第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82における平面部81b、82bの幅は、約3mmである。そのため、第1ヒンジ部81と第2ヒンジ部82は、平面部81b、82bにおける任意の位置を回動軸81a、82aとして回動することができる。第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82では、回動軸81a、82aを構成するとともに、最も強度が強くなっている平面部81b、82bに3mmの幅が確保されているため、ヒンジ構造の剛性が高くなっている。
【0077】
図8(b)に示すように、加熱冶具310を中空板材10から上方に向かって移動させた後、加熱冶具320を中空板材10に向かって下降移動させる。加熱冶具320の加熱刃320aは、中空板材10を構成する熱可塑性樹脂が熱溶融する温度に加熱されている。そのため、中空板材10には、その高さ方向全長に亘って、加熱冶具320の加熱刃320aによる加熱と加圧とによって熱溶融されて圧縮される。これにより、加熱刃320aと同一の形状の第3ヒンジ部83が形成される。なお、図8(b)では、2箇所の加熱冶具320のうち1箇所のみに代表して番号を付している。
【0078】
加熱刃320aは、断面略直角三角形状とされているため、形成された第3ヒンジ部83は、図9(b)に示すように、中空板材10の厚みが最も薄くされた平面状の平面部83bに向かうにしたがって、徐々に厚みが薄くなる形状とされている。そして、中空板材10は、連通孔15が設けられたスキン層30側が上方に向いているため、コア層20に形成された六角柱形状のセルSは、平面部83bに向かうにしたがって、徐々に高さ方向に圧縮されることになる。また、中空板材10を構成するコア層20の上壁部21、下壁部22、及び側壁部23とスキン層30、40とが熱溶融して一体化される。そのため、平面部83bでは、熱溶融して一体化されたコア層20及びスキン層30、40が、最も圧縮された状態となっており、最も強度が強くなっている。また、加熱刃320aにおける平坦部320bが約1mmとされているため、第3ヒンジ部83における平面部83bの幅は、約1mmである。
【0079】
図8(c)に示すように、加熱冶具320を中空板材10から上方に向かって移動させた後、第1吸音パネル61及び第3吸音パネル63を、第3ヒンジ部83で回動させ、支持部材400を用いて支持する。このとき、第3ヒンジ部83では、加熱冶具320による加熱によって熱可塑性樹脂が熱軟化した状態となっている。そのため、第3ヒンジ部83では、第1吸音パネル61と第3吸音パネル63とが熱溶着されて接合される。このとき、第3ヒンジ部83における平面部83bの幅が約1mmであるため、第1吸音パネル61と第3吸音パネル63とが隙間なくしっかりと接合される。
【0080】
次に、本体部60における収容空間Cとは反対側の面に、雄型面ファスナー91、雌型面ファスナー91a、取手部材92を取り付ける。また、本体部60における収容空間C側の面の所定位置に面ファスナーを固定するとともに、吸音材71、72に面ファスナーを固定し、各吸音パネル61、62に吸音材71、72を取り付ける。
【0081】
以上の工程を経て、遮音構造体50が得られる。
上記実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)上記実施形態の遮音構造体50では、第1吸音パネル61と第2吸音パネル62は、中空板材10の板厚を薄くした第1ヒンジ部81によって互いに連結されており、第1ヒンジ部81を開閉することにより、回動可能とされている。また、第2吸音パネル62と第3吸音パネル63は、中空板材10の板厚を薄くした第2ヒンジ部82によって互いに連結されており、第2ヒンジ部82を開閉することにより、回動可能とされている。その結果、第1吸音パネル61、第2吸音パネル62、第3吸音パネル63を連結するための連結部材を別途取り付ける必要がなく、各吸音パネル61、62、63の内面は、それぞれの連結部分(ヒンジ部81,82)を含めて平滑な形状とされている。そのため、収容空間内に騒音源を収容して使用した場合に遮音構造体50の内表面に汚れが付着したとしても、その汚れを拭き取りやすい。
【0082】
(2)上記実施形態の遮音構造体50では、表面が平滑な中空板材10で、第1吸音パネル61、第2吸音パネル62、及び第3吸音パネル63が形成されている。また、第1ヒンジ部81、第2ヒンジ部82は、その外面において平滑とされている。そのため、各吸音パネル61、62、63の外面は、雄型面ファスナー91、雌型面ファスナー91a、及び取手部材92が取り付けられているものの、それ以外の部分では平滑な形状とされている。遮音構造体50の外表面に汚れが付着したとしても、その汚れを拭き取りやすい。
【0083】
(3)上記実施形態の遮音構造体50では、吸音材71、72が、第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62の収容空間C側の面に面ファスナーで取り付けられており、必要に応じて、吸音材71、72を取り外すことが可能である。そのため、吸音材71、72を外して、第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62の収容空間C側の面を拭くことも容易である。
【0084】
(4)上記実施形態の遮音構造体50では、第1吸音パネル61、第2吸音パネル62、第3吸音パネル63を連結するための連結部材を別途取り付ける必要がないため、遮音構造体50を構成する部材点数を少なくすることができる。
【0085】
(5)第1吸音パネル61、第2吸音パネル62、第3吸音パネル63を連結するための連結部材等の遮音構造体に別部材が取り付けられている場合、収容空間C内に騒音源を収容して使用すると、騒音源からの振動により別部材が振動してビビリ音が発生する可能性がある。上記実施形態の遮音構造体50では、連結部材が取り付けられていないため、こうしたビビリ音の発生が抑制される。
【0086】
(6)上記実施形態の遮音構造体50では、第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82は、中空板材10を熱溶融させることにより成形され、コア層20及びスキン層30、40を形成する熱可塑性樹脂が一体化した状態となって、中空板材10の厚みが薄くなっている。そのため、第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82で曲げ易くなっている。
【0087】
(7)上記実施形態の遮音構造体50では、第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82は、約3mmの幅の平面部81b、82bを有している。つまり、第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82の回動軸81a、82aとなる部分に幅がある。そのため、第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82の反発性が少なくなり、繰り返しの曲げに強くなる。
【0088】
(8)上記実施形態の遮音構造体50は、収容空間Cに騒音源を収容して使用する場合には、第1ヒンジ部81を閉じるとともに第2ヒンジ部82を開くことにより使用形態とし、騒音源を収容しない場合には、第1ヒンジ部81を開くとともに第2ヒンジ部82を閉じることにより非使用形態とすることができる。したがって、遮音構造体50を保管したり運搬したりする際に省スペース化を図ることができる。
【0089】
(9)上記実施形態の遮音構造体50では、第3吸音パネル63の幅方向の寸法L3は、第1吸音パネル61を構成する中空板材10の板厚と、第2吸音パネル62を構成する中空板材10の板厚に、吸音材71の厚みと、吸音材72の厚みとを加算した厚みとほぼ同じかやや大きくされている。言い換えれば、中空板材10の板厚の2倍の値に、吸音材71及び吸音材72の厚みを加算した厚みとほぼ同じかやや大きくされている。そのため、第1ヒンジ部81を開くとともに第2ヒンジ部82を閉じることにより、第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62が上面視直線状となり、第3吸音パネル63は、第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62に対して上面視直交した状態となった非使用形態では、吸音材71、72における収容空間C側の面は、ほぼ隙間なく近接した位置に配置される。したがって、遮音構造体50を保管したり運搬したりする際に省スペース化を図ることができる。
【0090】
(10)上記実施形態の遮音構造体50では、2箇所の第1ヒンジ部81のうち、一方の第1ヒンジ部81は、回動軸81aに沿って2つに分割された形状とされており、遮音構造体50の開口部51が形成されている。そのため、開口部51を介して収容空間C内に騒音源を収容したり、収容空間Cから騒音源を取り出したりすることができる。
【0091】
(11)上記実施形態の遮音構造体50では、第2吸音パネル62における収容空間Cとは反対側の面に取付けられた2つの雌型面ファスナー91aに、第1吸音パネル61における収容空間Cとは反対側の面に取付けられた雄型面ファスナー91を固定している。そのため、雌型面ファスナー91aと雄型面ファスナー91とで開口部51を締めた状態とすることが容易である。
【0092】
(12)上記実施形態の遮音構造体50では、第1吸音パネル61、第2吸音パネル62、及び第3吸音パネル63には複数のセルSが並設されて、収容空間C側に開口する連通孔15が形成されている。また、第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62の収容空間C側の面には吸音材71、72が取り付けられている。そのため、本体部60の収容空間C内の騒音源からの騒音は、吸音材71、72だけでなく第1吸音パネル61、第2吸音パネル62、及び第3吸音パネル63のセルS内で減衰され、吸音される。ここで、多孔質性の材料で形成されている吸音材71、72においては、吸音材71、72の隙間の空気を伝播し、空気の摩擦や粘性抵抗等によって、空気の振動が熱エネルギーとして消費されることで吸音される。一方、複数のセルSを有する第1吸音パネル61、第2吸音パネル62、及び第3吸音パネル63においては、セルSの内外を連通させる連通孔15の近傍で空気が激しく振動し、当該空気が連通孔15の周辺部分と摩擦することにより空気の振動が熱エネルギーとして消費される。すなわち、吸音材71、72と各吸音パネル61、62、63では、異なる原理によって騒音の吸音を行っている。このように異なる原理での吸音を併用することで、上記実施形態の遮音構造体50によれば、吸音材71、72のみで吸音する場合に比較して、広い周波数域での吸音効果が期待できる。
【0093】
(13)上記実施形態の遮音構造体50では、必要に応じて、吸音材71、72を取り外すことが可能であるため、遮音構造体50を折り畳んで非使用形態で運搬する際に吸音材71、72を取り外して軽くしたり、古くなった吸音材71、72を新しいものに交換したりすることができる。
【0094】
(14)上記実施形態の遮音構造体50では、吸音材71、72としてグラスウールを採用している。グラスウールはガラス繊維からなる難燃性の材料であるため、工場内や工事現場といった可燃性の燃料や電気を扱う現場においても、上記遮音構造体50を使用できる。
【0095】
(15)上記実施形態の遮音構造体50では、吸音パネル61、62、63としてハニカム構造をなす中空板材10を採用している。その結果、吸音パネル61、62、63が軽量であるとともに、吸音パネル61、62、63の曲げ剛性として相応に高い剛性が得られる。したがって、例えば、吸音パネル61、62、63を遮音構造体50として使用中に、自重によって吸音パネル61、62、63が曲がってしまうことを抑制することができる。
【0096】
(16)図2(a)~(d)に示すように、中空板材10においては、コア層20の側壁部23がY方向に延びている。そのため、仮にコア層20のセルS内に水が浸入しても、その水が、側壁部23を貫通してX方向に広がっていくとは考えにくい。その一方で、中空板材10においては、コア層20の2層の側壁部23がX方向に重ね合わされており、これら2層の側壁部23が完全に接合されているとは限らない。そのため、仮にコア層20のセルS内に水が浸入すると、2層の側壁部23の間の隙間から、Y方向に水が広がっていくおそれがある。
【0097】
上記実施形態の遮音構造体50では、各吸音パネル61、62、63は、第1セルS1及び第2セルS2の列が延びる方向に直交する方向(図1及び図2においてY方向)が上下方向となるように配置されている。すなわち、各吸音パネル61、62、63は、幅方向よりも、上下方向に水が広がりやすい。そこで、上記実施形態の遮音構造体50では、各吸音パネル61、62、63の上端面及び下端面に封止部61a、62a、63aが設けられている。そのため、各吸音パネルに対して上側又は下側から水がセルSの内部に浸入することは抑制できる。
【0098】
(17)上記実施形態の遮音構造体50では、第1吸音パネル61の封止部61aは、第1吸音パネル61の上端面及び下端面と同じ形状となっている。また、第2吸音パネル62の封止部62aは、第2吸音パネル62の上端面及び下端面と同じ形状となっており、第3吸音パネル63の封止部63aは、第3吸音パネル63の上端面及び下端面と同じ形状となっている。さらに、切欠部52の端縁も封止部52aで封止されている。そのため、これらの封止部61a、62a、63a、52aによって、第1吸音パネル61、第2吸音パネル62及び第3吸音パネル63の上端面及び下端面、切欠部52の端縁において、それらの内部空間(セルS)が露出しないようになっている。各パネル61、62、63の内部への水やゴミの侵入が抑制される。
【0099】
(18)上記実施形態の遮音構造体50の封止部61a、62a、63aでは、中空板材10を構成するコア層20の上壁部21、下壁部22、及び側壁部23とスキン層30、40とが熱溶融して一体化されている。そのため、封止部61a、62a、63aでの剛性が高く、吸音パネル61、62、63の端面は、封止部61a、62a、63aによって補強されている。
【0100】
(19)上記実施形態の遮音構造体50では、第1吸音パネル61の切欠部52を介して、収容空間C内の騒音源から延びるケーブル類を遮音構造体50の外部へと引き出すことができる。したがって、地面と遮音構造体50との間にケーブル類が挟まれて、遮音構造体50ががたついて載置されてしまうといった状況は生じにくい。
【0101】
(20)上記実施形態では、一方の第1ヒンジ部81は、回動軸81aに沿って2つに分割された形状とされており、遮音構造体50の開口部51を構成されている。そのため、開口部51を介して収容空間C内に騒音源を収容したり、収容空間Cから騒音源を取り出したりすることができる。遮音構造体50の使い勝手が向上する。
【0102】
(21)上記実施形態では、第1吸音パネル61に取手部材92が設けられている。したがって、遮音構造体50を折り畳んだり持ち運んだりする際に把持しやすく、取り回しがよい。
【0103】
上記実施形態は、次のように変更できる。なお、以下の変更例は、必要に応じて、適宜組み合わせて適用してもよい。
・ 上記実施形態の遮音構造体50は、上面視矩形状の筒形状とされているが、上面視三角形状、上面視五角形状以上の多角形状であってもよい。この場合、遮音構造体50は、必ずしも非使用形態とならなくてもよい。つまり、吸音パネル61、62、63が折り畳まれたとき、吸音材71、72における収容空間C側の面がほぼ隙間なく近接した位置に配置されなくてもよい。
【0104】
・ 上記実施形態の吸音パネル61、62、63は、四角形状とされているが、これに限定されない。例えば、台形状であってもよい。
・ 上記実施形態の遮音構造体50では、一方の第1ヒンジ部81は回動軸81aに沿って接離可能とされており、回動軸81aの位置に開口部51が形成されているが、これに限定されない。第1ヒンジ部81が接離可能とされず、開口部51が形成されていなくてもよい。また、第2ヒンジ部82の一方が接離可能に分割された形状とされて開口部51が形成されていてもよい。さらに、2つの第1ヒンジ部81と2つの第2ヒンジ部82のうち、少なくとも1つが接離可能に分割された形状とされて開口部51が形成されていてもよい。
【0105】
・ 開口部51を形成する部分は、上面視略直角三角形状の第1ヒンジ部81の回動軸81aに沿って分割した形状とされているが、開口部51が形成される部分の形状はこれに限定されない。例えば、図10の上面視部分拡大部に示すように、第1吸音パネル61の開口部51側の端縁、及び第2吸音パネル62の開口部51側の端縁がともに上面視矩形状であってもよい。この場合、吸音材71、72、及び雄型面ファスナー91、雌型面ファスナー91aは、遮音構造体50が使用形態及び非使用形態を取り得る位置に適宜取り付ければよい。
【0106】
・ 第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82は、加熱された加熱冶具310の加熱刃310aにより、コア層20及びスキン層30、40を構成する熱可塑性樹脂が熱溶融して一体化されることにより成形される。第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82の成形方法はこれに限定されず、例えば、切断冶具によって断面略直角三角形状に切り欠いて形成されてもよい。
【0107】
図8(a)に示すように、本実施形態の遮音構造体50では、開口部51を構成する第1ヒンジ部81を、開口部51を構成しない他の第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82と同様に、加熱冶具310の加熱刃310aにより成形した。これに限定されず、例えば、図7に一連の工程として示すように、加熱冶具210と加圧冶具220とによって成形してもよい。この場合、加熱冶具210の加熱刃210aは、開口部51を構成する第1ヒンジ部81とそれを封止する封止部の形状とに合致した形状とすればよい。また、加圧冶具220の形状も第1ヒンジ部81に合致する形状に加圧でいるような形状とすればよい。
【0108】
・ 第3ヒンジ部83は、加熱された加熱冶具320の加熱刃320aにより、コア層20及びスキン層30、40を構成する熱可塑性樹脂が熱溶融して一体化された後、回動軸83a周りに閉じて熱溶着されることにより成形される。第3ヒンジ部83の成形方法はこれに限定されず、例えば、切断冶具によって断面略直角三角形状に切り欠いた後、切断部分を加熱して熱可塑性樹脂を熱溶融して熱溶着されることにより成形してもよい。
【0109】
・ 第1ヒンジ部81、第2ヒンジ部82、第3ヒンジ部83は上面視略直角三角形状とされているが、これに限定されない。例えば、上面視正方形状とされていてもよく、上面視W字形状とされていてもよい。回動軸81a、82a、83aのまわりに各吸音パネル61、62、63が回動可能とされて、各吸音パネル61、62、63で収容空間Cを形成できる形状であればよい。
【0110】
・ 上記実施形態の遮音構造体50では、第3ヒンジ部83の部分は熱溶着されて開閉不能とされている。これに限定されず、第3ヒンジ部83の部分が熱溶着されず、開閉可能なヒンジ構造とされていてもよい。この場合、第3ヒンジ部83は、第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82と同様、平面部83bが3mm程度形成されていることが好ましい。
【0111】
・ コア層20及びスキン層30、40の材料は問わないが、例えば、ポリプロピレンや塩化ビニル等の熱可塑性樹脂や、紙、金属等が挙げられる。また、例えば、熱可塑性樹脂に難燃性の樹脂や添加剤を添加するなど、機能性の樹脂や添加剤を添加してもよい。
【0112】
・ 一枚の第1シート材100を折り畳み成形してコア層20を形成するのに限らず、複数枚のシート材を用いてコア層を形成してもよい。例えば、帯状のシート材を所定間隔毎に屈曲させ、これら複数のシート材を併設することでコア層を形成してもよい。この変更例の場合、各シート材において屈曲させた部分がセルの側壁部を構成する。
【0113】
・ スキン層30、40を熱溶着でコア層20に接合するのに限らず、例えば、接着剤等でスキン層30、40をコア層20に貼り付けて接合してもよい。また、コア層20とスキン層30、40との間に、例えば熱可塑性樹脂製の接着層を介在させ、この接着層の接着力により、スキン層30、40をコア層20に接合してもよい。
【0114】
・ 中空板材10(吸音パネル)におけるスキン層30の収容空間C側であって、中空板材10と吸音材71、72との間に、シート材を接合してもよい。例えば、連通孔15が設けられた側のスキン層30の外面に、気体の透過を許容しつつ水の透過を抑制する透湿防水シートを接合してもよい。透湿防水シートは、例えば、面ファスナー、両面テープ、接着剤などで中空板材10に貼り付けることができる。透湿防水シートには、厚み方向に貫通する微細な孔が無数に設けられていることが好ましく、微細な孔の孔径は、水の粒子(雨や霧等の水滴)の大きさである100μm~2000μmに比較して十分に小さく、気体の分子の大きさである数nmやそれ以下に比べて十分に大きい、例えば0.3~1.0μm程度であることが好ましい。こうすると、連通孔15を介してセルS内へ水が侵入することに起因して吸音パネル61、62、63の吸音特性が変化することが抑制できる。また、透湿防水シートにより、気体の透過は許容される。
【0115】
また、樹脂シート、防音シート等、透湿防水シート以外の他のシート材が介在されていてもよいが、その場合、シート材は、吸音パネル61、62、63によって吸音される周波数を透過する材料や厚みであることが好ましい。
【0116】
・ 中空板材10(吸音パネル61、62、63)におけるスキン層40の外面に、他のシート材を接合してもよい。シート材としては、例えば、金属シート(金属箔)、鋼板、紙、布などであってもよい。また、スキン層40そのものを、金属シート(金属箔)、紙、布などで構成してもよい。
【0117】
・ 中空板材10(吸音パネル61、62、63)におけるセルSの形状は、六角柱形状に限らない。例えばセルSの形状は、四角柱形状であってもよいし円柱形状であってもよい。また、異なる形状のセルSが混在されていてもよい。さらに、中空板材10において、隣り合うセルSが接している場合に限らず、隣り合う2つのセルSの間に間隔が生じていてもよい。なお、セルSとセルSとの間に間隔が生じている場合、セルSの内外を連通させる連通孔15だけでなく、セルSとセルSとの間の空間の内外を連通させる連通孔を設けてもよい。
【0118】
・ 中空板材10において、連通孔15は、一つのセルSに対して複数設けられていてもよい。また、連通孔15は、全てのセルSに対応して設けられていなくてもよく、一部のセルSに対応して設けられていてもよい。
【0119】
・ 吸音パネル61、62、63(中空板材10)の寸法やセルSの容積等は、遮音構造体50に求められる大きさや吸音性能等に合わせて適宜変更すればよい。例えば、本実施形態の遮音構造体50では、吸音パネルの厚みが約20mmとされているが、これに限定されず、15~50mmであることが好ましく、20~30mmであることがより好ましい。そして、セルSの容積としては、0.6~3.0立方センチメートル、特に1.0~2.5立方センチメートル程度が好ましい。このようなセルSの容積の場合、吸音パネルの厚みを20mmとしたときには、吸音周波数のピークが約800Hz、吸音パネルの厚みを30mmとしたときには、吸音周波数のピークが約630Hzとなる。
【0120】
・ 第1吸音パネル61の下端部には、切欠部52が設けられているが、切欠部52の位置は特に限定されない。第2吸音パネル62の下端部であっても、第3吸音パネル63の下端部であってもよく、複数の吸音パネル61、62、63の下端部に跨った位置に設けられていてもよい。また、各吸音パネル61、62、63の下端部ではなく、高さ方向中間位置、上端部に設けられていてもよい。切欠部52を省略することもできる。
【0121】
・ 遮音構造体50は、上側の開口を覆う四角板状の蓋部材を備えていてもよい。この四角板状の蓋部材は、上記中空板材10からなる吸音パネルで構成されていることが好ましい。
【0122】
・ 吸音材71、72の材質はグラスウールに限らない。吸音材71、72は、合成樹脂製の繊維を圧縮しつつ接着した不織布であってもよい。さらに、繊維で構成されている材料に限らず、ウレタンマット(発泡ウレタンフォーム)のように、内部に複数の孔を有する多孔質性の合成樹脂材料であってもよい。
【0123】
・ 吸音材71、72の厚みは適宜変更できるが、10~100mmが好ましく、20~50mm程度がより好ましい。なお、吸音材71、72の厚みと吸音パネル61、62、63の厚みとを同程度にしておくと、全体の厚みを比較的小さくしつつも、広い周波数域で高い吸音率を得やすくなる。
【0124】
・ 本実施形態の遮音構造体50では、第1吸音パネル61の収容空間C側とは反対の面に帯状の取手部材92が1つ取り付けられているが、取手部材92の位置や数は、適宜変更できる。また、取手部材92を省略してもよい。
【0125】
・ 開口部51に設けられた雄型面ファスナー91及び雌型面ファスナー91aに代えて、他の構成を採用してもよい。例えば、上記各面ファスナーに代えて、複数の紐を開口部51を挟んだ第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62に取り付けてもよい。この変更例の場合、例えば、第1吸音パネル61から延びる紐と第2吸音パネル62から延びる紐とを結び付けることで、両者が連結された状態に保持される。さらに、雄型面ファスナー91及び雌型面ファスナー91aを省略してもよい。
【0126】
・ 各吸音パネル61、62に対する吸音材71、72の取り付け態様は、面ファスナーに限らない。例えば、リベット(鋲)で、吸音パネル61、62に吸音材71、72が取り付けられていてもよい。この変更例の場合、吸音材71、72は、吸音パネル61、62から取り外し不可あるいは取り外しが難しくなるが、吸音材71、72がグラスウールのような経時劣化しにくい材料で形成されていれば、吸音性能上、問題は生じにくい。また、吸音材71、72と吸音パネル61、62との間に汚れが付着しにくい態様で取り付けられていれば、使用後の汚れをふき取る際にも問題は生じにくい。
【0127】
・ 吸音パネル61、62、63は、第1セルS1及び第2セルS2の列が延びる方向に直交する方向(図1及び図2においてY方向)が上下方向となるように配置されていなくてもよい。例えば、吸音パネル61、62、63は、第1セルS1及び第2セルS2の列が延びる方向に直交する方向が幅方向となるように配置されていてもよい。この場合、吸音パネル61、62、63の幅方向の両端面が封止部61a、62a、63aで封止されることが好ましい。
【0128】
・ 封止部61a、62a、63a、52aは、中空板材10の端部を熱溶融させて圧縮させて中空板材10と一体に成形している。これに限らず、封止部61a、62a、63a、52aを中空板材10とは別部材として設けてもよい。例えば、熱可塑性樹脂からなる平板状の部材を封止部61a、62a、63a、52aとして熱溶着させてもよい。
【0129】
・ 吸音パネル61、62、63の上端面及び下端面が、封止部61a、62a、63aで封止されていなくてもよい。また、切欠部52の端縁が封止部52aで封止されていなくてもよい。遮音構造体50の使用が想定される場所が雨等に晒されない場所で、遮音構造体50に水がかからないと想定されるのであれば、封止部61a、62a、63a、52aを省略しても弊害はない。また、封止部61a、62a、63a、52aに代えて、吸音パネル61、62、63の上端面及び下端面、切欠部52の端縁を中空板材10とは別部材の封止部材で封止してもよい。
【0130】
・ 上記実施形態の遮音構造体50では、第1ヒンジ部81及び第2ヒンジ部82を、遮音構造体50の収容空間C側から凹む形状としたが、これに限定されない。例えば、遮音構造体50の収容空間C側の反対側から凹む形状としてもよい。
【0131】
・ 上記実施形態の遮音構造体50は、一つの中空板材10を成形することにより形成されているが、これに限定されず、複数の中空板材10の端面同士を熱溶着して一体としたもので形成してもよい。この場合、例えば、透明或いは半透明の中空板材10と、有色不透明の中空板材10とを熱溶着して一体化したもので形成することもできる。こうすると透明或いは半透明の中空板材10の部分を通して、遮音構造体50の内部を視認することができる。
【符号の説明】
【0132】
S…セル、S1…第1セル、S2…第2セル、C…収容空間、L1…幅寸法、L2…幅寸法、L3…幅寸法、10…中空板材、11…上部閉塞壁、12…下部閉塞壁、15…連通孔、20…コア層、21…上壁部、22…下壁部、23…側壁部、30…スキン層、40…スキン層、50…遮音構造体、51…開口部、52…切欠部、60…本体部、61…第1吸音パネル、61a…封止部、62…第2吸音パネル、62a…封止部、63…第3吸音パネル、63a…封止部、71…吸音材、72…吸音材、81…第1ヒンジ部、82…第2ヒンジ部、83…第3ヒンジ部、100…第1シート材、110…平面領域、120…膨出領域、121…第1膨出部、122…第2膨出部、130…区画体、131…重ね合わせ部。
図1
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