(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】クランプ装置およびクランプシステム
(51)【国際特許分類】
B23Q 17/00 20060101AFI20220506BHJP
B23Q 3/06 20060101ALI20220506BHJP
B25B 1/10 20060101ALI20220506BHJP
B25B 1/24 20060101ALI20220506BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
B23Q17/00 B
B23Q3/06 301K
B23Q3/06 302H
B23Q3/06 304F
B25B1/10 B
B25B1/24 Z
G01L5/00 103Z
(21)【出願番号】P 2018195434
(22)【出願日】2018-10-16
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】591133446
【氏名又は名称】株式会社イマオコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079968
【氏名又は名称】廣瀬 光司
(72)【発明者】
【氏名】服部 慎一
(72)【発明者】
【氏名】村井 正司
【審査官】村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-200975(JP,A)
【文献】特開2010-185809(JP,A)
【文献】特開2010-216804(JP,A)
【文献】特開2010-274340(JP,A)
【文献】特開2009-214252(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0210173(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106312633(CN,A)
【文献】特開平8-159916(JP,A)
【文献】特開2009-294122(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 17/00
B23Q 3/06
B25B 1/10
B25B 1/24
G01L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被固定物を固定するためのクランプ装置であって、
本体と、その本体に収容されて回動操作される操作軸部材と、作用部材と、ひずみゲージと、計測通信モジュールとを備え、
前記操作軸部材は、この操作軸部材をその軸心回りに回動するための回動操作部を有し、
前記作用部材は、前記操作軸部材の回動に連動してその操作軸部材の軸方向に移動でき、その移動により前記被固定物を押圧する押圧部を有し、
前記押圧部が前記被固定物を押圧する際の、前記操作軸部材に生じるひずみを計測するよう、その操作軸部材に、前記ひずみゲージが取り付けられ、また、
前記ひずみゲージには、リード線が設けられており、そのリード線が、前記操作軸部材の内部を通ってその操作軸部材の先端部に導かれて、前記計測通信モジュールに接続され、
前記計測通信モジュールは、前記ひずみゲージのひずみを計測する計測部と、その計測部によって得られたデータを送信する計測側の無線通信部とを備えて、前記操作軸部材の先端部に取り付けられている、クランプ装置。
【請求項2】
前記操作軸部材は、外周面に雄ねじ部を有するとともに、前記作用部材は、前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有して、それら雄ねじ部と雌ねじ部との螺合により、前記操作軸部材の回動に伴って、前記作用部材が前記軸方向に移動する、請求項1に記載のクランプ装置。
【請求項3】
前記操作軸部材は、前記雄ねじ部として、前記操作軸部材の軸方向に並ぶ第1雄ねじ部と第2雄ねじ部とを有し、
前記作用部材として、第1作用部材と第2作用部材とが設けられて、前記第1作用部材が、前記第1雄ねじ部に螺合する前記雌ねじ部としての第1雌ねじ部を有し、前記第2作用部材が、前記第2雄ねじ部に螺合する前記雌ねじ部としての第2雌ねじ部を有し、前記第2雄ねじ部および前記第2雌ねじ部が、前記第1雄ねじ部および前記第1雌ねじ部と、逆ねじの関係にあり、
前記第1作用部材は、前記押圧部としての第1押圧部を有し、前記第2作用部材は、前記押圧部としての第2押圧部を有し、
前記第1作用部材と前記第2作用部材とは、前記操作軸部材の回動に連動して互いに近接して、前記第1押圧部と前記第2押圧部とが、前記被固定物を両側から押圧し、
前記ひずみゲージは、前記操作軸部材における、前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部との間にあって、その操作軸部材の内部に埋設されている、請求項2に記載のクランプ装置
【請求項4】
前記被固定物は、被固定物本体と、その被固定物本体に設けられた、前記操作軸部材とは直交する向きにある連結軸部材とを有し、
前記第1押圧部と前記第2押圧部は、前記連結軸部材を前記本体の内側へ引き込むように、前記連結軸部材を両側から押圧する、請求項3に記載のクランプ装置。
【請求項5】
前記操作軸部材は、外周面に雄ねじ部を有するとともに、前記本体は、前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有して、それら雄ねじ部と雌ねじ部との螺合により、前記操作軸部材の回動に伴って、その操作軸部材がその軸方向に移動するとともに、その操作軸部材に係合する前記作用部材が前記軸方向に移動する、請求項1に記載のクランプ装置。
【請求項6】
前記計測通信モジュールは、前記操作軸部材の先端部に着脱可能に取り付けられている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のクランプ装置。
【請求項7】
前記クランプ装置は、前記操作軸部材の先端部に取り付けられる基体と、その基体に着脱可能に取り付けられる蓋体とを備え、
前記計測通信モジュールは、前記基体と前記蓋体との間に取出し可能に収容され、
前記リード線の先端側は、前記基体に設けられた通孔を貫通し、そのリード線の先端には、第1コネクタが設けられ、
前記計測通信モジュールには、前記第1コネクタが着脱可能に接続される第2コネクタが設けられている、請求項6に記載のクランプ装置。
【請求項8】
前記計測通信モジュールには、リード線が設けられ、そのリード線の先端に、前記第2コネクタが設けられている、請求項7に記載のクランプ装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のクランプ装置と、表示装置とを備えたクランプシステムであって、
前記表示装置は、前記計測側の無線通信部からのデータを受信する表示側の無線通信部と、その受信したデータから、前記押圧部を通して前記被固定物に作用する荷重を算出する算出部と、その荷重の値を表示する表示部とを備える、クランプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被固定物を固定するためのクランプ装置およびクランプシステムであって、特に、クランプ力を知ることができるクランプ装置およびクランプシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被固定物を固定するための固定具があった(例えば、特許文献1参照)。
図10に示すように、この固定具24は、取付具ベース21に取付け固定される固定具本体25と、その固定具本体25に収容された操作軸部材26と、固定具本体25に収容されて操作軸部材26に係合する第1および第2係合部材27、28とを備えていた。ここで、操作軸部材26は、その周面に、第1雄ねじ部26aと、その第1雄ねじ部26aとは逆ねじの第2雄ねじ部26bとを有していた。一方、第1係合部材27は、操作軸部材26の第1雄ねじ部26aに螺合する第1雌ねじ部27aを有し、第2係合部材28は、操作軸部材26の第2雄ねじ部26bに螺合する第2雌ねじ部28aを有していた。そして、第1係合部材27と第2係合部材28とは、被固定物22に設けられた連結軸部材23を両側から挟む位置に配置された。そこで、操作軸部材26の回動操作部26cを回すことで、操作軸部材26を回動操作すると、第1係合部材27と第2係合部材28とが互いに近接し、連結軸部材23の先端部分を両側から押圧した。この押圧により、連結軸部材23は、固定具本体25の内方へ引き込まれ、被固定物22は、固定具本体25上に固定された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の固定具24にあっては、操作軸部材26の回動操作部26cをトルクレンチを用いて回動することで、操作軸部材26を回動するトルクを測定したり、その測定値から、被固定物22を固定するクランプ力を算出することは可能であるものの、被固定物22を固定した後のクランプ力を知ることはできなかった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、被固定物を固定した後においても、クランプ力を知ることができ、かつ、そのクランプ力を離れた場所で知ることができる、クランプ装置およびクランプシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るクランプ装置およびクランプシステムは、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係るクランプ装置は、被固定物を固定するためのクランプ装置であって、本体と、その本体に収容されて回動操作される操作軸部材と、作用部材と、ひずみゲージと、計測通信モジュールとを備える。ここで、前記操作軸部材は、この操作軸部材をその軸心回りに回動するための回動操作部を有する。前記作用部材は、前記操作軸部材の回動に連動してその操作軸部材の軸方向に移動でき、その移動により前記被固定物を押圧する押圧部を有する。そこで、前記押圧部が前記被固定物を押圧する際の、前記操作軸部材に生じるひずみを計測するよう、その操作軸部材に、前記ひずみゲージが取り付けられている。このひずみゲージには、リード線が設けられており、そのリード線が、前記操作軸部材の内部を通ってその操作軸部材の先端部に導かれて、前記計測通信モジュールに接続される。そして、前記計測通信モジュールは、前記ひずみゲージのひずみを計測する計測部と、その計測部によって得られたデータを送信する計測側の無線通信部とを備えて、前記操作軸部材の先端部に取り付けられている。
【0007】
このクランプ装置によると、操作軸部材の回動操作部を回動操作して、操作軸部材をその軸心回りに回動すると、その操作軸部材の回動に連動して、作用部材が操作軸部材の軸方向に移動する。そして、作用部材の移動により、その作用部材の押圧部が、被固定物を押圧し、その押圧によって、被固定物は、固定(クランプ)される。ここで、操作軸部材には、ひずみゲージが取り付けられている。そして、操作軸部材の先端部には、計測部と無線通信部とを備えた計測通信モジュールが取り付けられている。このため、クランプ装置から離れた場所で、受信したひずみのデータを用いて、被固定物を固定する段階でのクランプ力知ることができ、また、被固定物を固定した後のクランプ力を継続的に知ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係るクランプ装置は、請求項1に記載のクランプ装置において、前記操作軸部材は、外周面に雄ねじ部を有するとともに、前記作用部材は、前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有して、それら雄ねじ部と雌ねじ部との螺合により、前記操作軸部材の回動に伴って、前記作用部材が前記軸方向に移動する。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係るクランプ装置は、請求項2に記載のクランプ装置において、前記操作軸部材は、前記雄ねじ部として、前記操作軸部材の軸方向に並ぶ第1雄ねじ部と第2雄ねじ部とを有する。そして、前記作用部材として、第1作用部材と第2作用部材とが設けられて、前記第1作用部材が、前記第1雄ねじ部に螺合する前記雌ねじ部としての第1雌ねじ部を有し、前記第2作用部材が、前記第2雄ねじ部に螺合する前記雌ねじ部としての第2雌ねじ部を有し、前記第2雄ねじ部および前記第2雌ねじ部が、前記第1雄ねじ部および前記第1雌ねじ部と、逆ねじの関係にある。また、前記第1作用部材は、前記押圧部としての第1押圧部を有し、前記第2作用部材は、前記押圧部としての第2押圧部を有する。そこで、前記第1作用部材と前記第2作用部材とは、前記操作軸部材の回動に連動して互いに近接して、前記第1押圧部と前記第2押圧部とが、前記被固定物を両側から押圧する。また、前記ひずみゲージは、前記操作軸部材における、前記第1雄ねじ部と前記第2雄ねじ部との間にあって、その操作軸部材の内部に埋設されている。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係るクランプ装置は、請求項3に記載のクランプ装置において、前記被固定物は、被固定物本体と、その被固定物本体に設けられた、前記操作軸部材とは直交する向きにある連結軸部材とを有し、前記第1押圧部と前記第2押圧部は、前記連結軸部材を前記本体の内側へ引き込むように、前記連結軸部材を両側から押圧する。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係るクランプ装置は、請求項1に記載のクランプ装置において、前記操作軸部材は、外周面に雄ねじ部を有するとともに、前記本体は、前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有して、それら雄ねじ部と雌ねじ部との螺合により、前記操作軸部材の回動に伴って、その操作軸部材がその軸方向に移動するとともに、その操作軸部材に係合する前記作用部材が前記軸方向に移動する。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係るクランプ装置は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のクランプ装置において、前記計測通信モジュールは、前記操作軸部材の先端部に着脱可能に取り付けられている。これにより、計測通信モジュールが故障したり、古くなったりしたときに、操作軸部材はそのままで、計測通信モジュールのみを新しいものと交換することができ、メンテナンスが容易となる。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係るクランプ装置は、請求項6に記載のクランプ装置において、前記クランプ装置は、前記操作軸部材の先端部に取り付けられる基体と、その基体に着脱可能に取り付けられる蓋体とを備える。そこで、前記計測通信モジュールは、前記基体と前記蓋体との間に取出し可能に収容される。そして、前記リード線の先端側は、前記基体に設けられた通孔を貫通し、そのリード線の先端には、第1コネクタが設けられている。一方、前記計測通信モジュールには、前記第1コネクタが着脱可能に接続される第2コネクタが設けられている。
【0014】
また、請求項8に記載の発明に係るクランプ装置は、請求項7に記載のクランプ装置において、前記計測通信モジュールには、リード線が設けられ、そのリード線の先端に、前記第2コネクタが設けられている。
【0015】
また、請求項9に記載の発明に係るクランプシステムは、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のクランプ装置と、表示装置とを備えたクランプシステムである。ここで、前記表示装置は、前記計測側の無線通信部からのデータを受信する表示側の無線通信部と、その受信したデータから、前記押圧部を通して前記被固定物に作用する荷重を算出する算出部と、その荷重の値を表示する表示部とを備える。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係るクランプ装置およびクランプシステムによれば、操作軸部材にひずみゲージを取り付け、操作軸部材の先端部に計測通信モジュールを取り付けることで、被固定物を固定する段階だけでなく、被固定物を固定した後においても、クランプ力を知ることができ、かつ、そのクランプ力を、クランプ装置から離れた場所で知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】この発明の第一の実施の形態の、クランプ装置の斜視図である。
【
図2】同じく、クランプ装置の、クランプ状態を示す断面図である。
【
図3】同じく、計測通信ユニットとひずみゲージの分解斜視図である。
【
図4】同じく、クランプシステムを示す模式図である。
【
図5】この発明の第二の実施の形態の、クランプ装置の斜視図である。
【
図6】同じく、クランプ装置の、クランプ前の状態を示す断面図である。
【
図7】同じく、クランプ装置の、クランプ状態を示す断面図である。
【
図8】この発明の第三の実施の形態の、クランプ装置の斜視図である。
【
図9】同じく、クランプ装置の、クランプ状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明に係るクランプ装置およびクランプシステムを実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1~
図4は、本発明の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、取付支持体としての、例えば、ベースプレートを示す。2は、被固定物を示し、この被固定物2は、例えば、工作機械によって加工される加工対象物となるワークからなる。3は、前記被固定物2を固定するためのクランプ装置を示す。4は、クランプシステムを示す。
【0020】
クランプ装置3は、本体5と、その本体5に収容されて回動操作される操作軸部材6と、作用部材7と、ひずみケージ8と、計測通信モジュール9とを備える。ここで、操作軸部材6は、この操作軸部材6をその軸心回りに回動するための回動操作部6aを有する。作用部材7は、操作軸部材6の回動に連動してその操作軸部材6の軸方向6bに移動でき、その移動により被固定物2を押圧する押圧部7aを有する。
【0021】
そして、押圧部7aが被固定物2を押圧する際の、操作軸部材6に生じるひずみを計測するよう、その操作軸部材6に、ひずみゲージ8が取り付けられている。このひずみゲージ8には、リード線8aが設けられており、そのリード線8aが、操作軸部材6の内部を通ってその操作軸部材6の先端部に導かれて、計測通信モジュール9に接続される。計測通信モジュール9は、操作軸部材6の先端部に取り付けられる。この計測通信モジュール9は、ひずみゲージ8のひずみを計測する計測部9aと、その計測部9aによって得られたデータを送信する計測側の無線通信部9bとを備える。
【0022】
詳細には、ねじ機構として、操作軸部材6は、外周面に雄ねじ部6cを有し、作用部材7は、その雄ねじ部6cに螺合する雌ねじ部7bを有する。そこで、これら雄ねじ部6cと雌ねじ部7bとの螺合により、操作軸部材6の回動に伴って、作用部材7が、操作軸部材6の軸方向6bに移動する。
【0023】
より詳細には、操作軸部材6は、前記雄ねじ部6cとして、操作軸部材6の軸方向6bに並ぶ第1雄ねじ部6dと第2雄ねじ部6eとを有する。そして、このクランプ装置は、作用部材7として、第1作用部材701と第2作用部材702とが設けられる。第1作用部材701は、前記第1雄ねじ部6dに螺合する前記雌ねじ部7bとしての第1雌ねじ部7cを有する。同様に、第2作用部材702は、前記第2雄ねじ部6eに螺合する前記雌ねじ部7bとしての第2雌ねじ部7dを有する。そこで、第2雄ねじ部6eおよび第2雌ねじ部7dが、第1雄ねじ部6dおよび第1雌ねじ部7cと、逆ねじの関係にある。また、第1作用部材701は、前記押圧部7aとしての第1押圧部7eを有し、第2作用部材702は、前記押圧部7aとしての第2押圧部7fを有し、それら第1押圧部7eと第2押圧部7fとが互いに向かい合うように位置する。そこで、第1作用部材701と第2作用部材702とは、操作軸部材6の回動(詳しくは、一方の方向への回動)に連動して互いに近接して、第1押圧部7eと第2押圧部7fとが、被固定物2を両側から押圧する。そして、第1作用部材701と第2作用部材702とは、操作軸部材6の逆方向への回動に連動して互いに離間する。また、ひずみゲージ8は、操作軸部材6における、第1雄ねじ部6dと第2雄ねじ部6eとの間にあって、その操作軸部材6の内部に埋設されている。なお、ここでいう「第1雄ねじ部6dと第2雄ねじ部6e」は、第1雄ねじ部6dとか第2雄ねじ部6eが、操作軸部材6の回動に伴って第1雌ねじ部7cとか第2雌ねじ部7dと螺合する範囲における、第1雄ねじ部6dと第2雄ねじ部6eを意味する。
【0024】
また、計測通信モジュール9は、操作軸部材6の先端部に着脱可能に取り付けられている。図示実施の形態においては、クランプ装置3は、操作軸部材6の先端部に取り付けられる基体10aと、その基体10aに着脱可能に取り付けられる蓋体10bとを備える。そこで、計測通信モジュール9は、基体10aと蓋体10bとの間に取出し可能に収容される。ここで、ひずみゲージ8に設けられたリード線8aの先端側は、基体10aにあけられた通孔10cを貫通する。そして、リード線8aの先端には、第1コネクタ8bが設けられている。一方、計測通信モジュール9には、第2コネクタ9cが設けられ、その第2コネクタ9cに、前記第1コネクタ8bが着脱可能に接続される。
【0025】
クランプシステム4は、前記クランプ装置3と、表示装置11とを備える。ここで、表示装置11は、前記計測側の無線通信部9bからのデータを受信する表示側の無線通信部11aと、その受信したデータから、押圧部7a(詳しくは、第1押圧部7eおよび第2押圧部7f)を通して被固定物2に作用する荷重を算出する算出部11bと、その荷重の値を表示する表示部11cとを備え、この表示装置11としては、無線通信機能を備えたパーソナルコンピューターとかタブレット端末とかスマートフォン等の情報処理装置が用いられる。
【0026】
具体的には、クランプ装置3においては、本体5は、底壁5aと、その底壁5aから起立する一対の側壁5b、5bとが、一方向に延びるようにして、断面略コ字状に形成されている。そして、側壁5bの内面には、本体5の長手方向に沿って延びる案内溝5cが形成されている。そこで、本体5は、底壁5aがベースプレート1に当接するようにして、そのベースプレート1に、ボルト等の固着部材(図示せず)を用いて、着脱可能に取付け固定される。
【0027】
操作軸部材6は、前述したように、その軸方向6bに並ぶ第1雄ねじ部6dと第2雄ねじ部6eとを有し、本体5の側壁5b、5b間に挿入配置される。そして、操作軸部材6には、第1雄ねじ部6dと第2雄ねじ部6eとの間に、外周面から突出する鍔部6fが設けられている。また、操作軸部材6には、計測通信モジュール9が取り付けられる側から孔6gがあけられ、その孔6gの奥に、ひずみゲージ8が埋設されている。そして、ひずみゲージ8のリード線8aは、その孔6gを通って操作軸部材6の外に導かれる。また、操作軸部材6には、前記孔6gの口元部分に、雌ねじを備えた取付孔6hがあけられている。そして、操作軸部材6の、取付孔6hとは反対側に、前述の回動操作部6aが、本体5から露出して設けられる。図示実施の形態においては、回動操作部6aは、六角孔からなり、その六角孔に六角レンチ等の工具の先端を挿入して回すことで、操作軸部材6を回動操作することができる。
【0028】
第1作用部材701は、前記第1雌ねじ部7cを有し本体5の側壁5b、5b間に挿入配置される第1作用部材本体7gと、前記第1押圧部7eを有し本体5の側壁5b、5b上に渡される第1口金7iとを備える。ここで、第1口金7iは、ボルト等の固着部材7kにより、第1作用部材本体7gと一体化されている。そして、第1作用部材本体7gには、本体5の側壁5bの案内溝5cに嵌まる被案内凸部7mが形成されており、第1作用部材701は、操作軸部材6の軸方向6bとなる案内溝5cの延びる方向に案内される。
【0029】
同様に、第2作用部材702は、前記第2雌ねじ部7dを有し本体5の側壁5b、5b間に挿入配置される第2作用部材本体7hと、前記第2押圧部7fを有し本体5の側壁5b、5b上に渡される第2口金7jとを備える。ここで、第2口金7jは、ボルト等の固着部材7kにより、第2作用部材本体7hと一体化されている。そして、第2作用部材本体7hには、本体5の側壁5bの案内溝5cに嵌まる被案内凸部7nが形成されており、第2作用部材702は、操作軸部材6の軸方向6bとなる案内溝5cの延びる方向に案内される。
【0030】
また、このクランプ装置3は、操作軸部材6がその軸方向6bに移動しないように規制する規制体12を備える。この規制体12は、筒状に形成されて本体5に固定される規制体本体12aと、その規制体本体12aにねじ込まれるようにして挿入されて操作軸部材6の鍔部6fを両側から挟む一対のリング12b、12bと、各リング12bを回り止めする押片12cおよび止めネジ12dとからなる。こうして、操作軸部材6は、本体5に固定される一対のリング12b、12bによって、その軸方向6bへの移動が規制される。
【0031】
計測通信モジュール9を収容する、基体10aと蓋体10bにおいては、基体10aは、操作軸部材6の先端部に着脱可能に取り付けられる。図示実施の形態においては、基体10aは、操作軸部材6の取付孔6hにねじ込まれる雄ねじ10dが形成されている。計測通信モジュール9は、計測通信のための回路基板9dを備え、その回路基板9dには、電力供給のための電池9eが設けられている。また、図示実施の形態においては、計測通信モジュール9にリード線9fが設けられ、そのリード線9fの先端に第2コネクタ9cが設けられているが、リード線9fを設けることなく、第2コネクタ9cが回路基板9dに直付けされてもよい。
【0032】
そして、計測通信モジュール9と基体10aと蓋体10bとは、計測通信ユニット10を構成する。すなわち、計測通信ユニット10は、計測通信モジュール9と基体10aと蓋体10bとを備える。そこで、基体10aが、操作軸部材6の先端部に着脱可能に取り付けられ、蓋体10bが、基体10aに着脱可能に取り付けられ、計測通信モジュール9が、基体10aと蓋体10bとの間に取出し可能に収容され、ひずみゲージ8側の第1コネクタ8bが、計測通信モジュール9側の第2コネクタ9cに着脱可能に接続されることから、それらの過程を経ることで、計測通信ユニット10は、操作軸部材6の先端部に着脱可能に取り付けられる。また、図示実施の形態においては、基体10aと蓋体10bとの間に、Oリング10eが介在し、計測通信ユニット10には、このOリング10eが含まれる。
【0033】
表示装置11は、前述したように、表示側の無線通信部11aと算出部11bと表示部11cとを備える。そこで、算出部11bにおいては、予めロードセル等を用いて求めた値に基づいて、被固定物2に作用する荷重(クランプ力)が算出される。また、計測側の無線通信部9bから、表示側の無線通信部11aには、計測部9aによって得られたデータが送信されるが、その他に、表示側の無線通信部11aから、計測側の無線通信部9bに、設定や操作の指示とか値が送信されてもよい。
【0034】
次に、第一の実施の形態におけるこのクランプ装置3およびクランプシステム4の作用効果について説明する。このクランプ装置3およびクランプシステム4によると、操作軸部材6の回動操作部6aを、工具を用いて回動操作して、操作軸部材6をその軸心回りに回動すると、その操作軸部材6の回動に連動して、作用部材7(図示実施の形態においては、第1および第2作用部材701、702)が操作軸部材6の軸方向6bに移動する(図示実施の形態においては、第1作用部材701と第2作用部材702とが、互いに近づくように移動する)。そして、作用部材7の移動により、その作用部材7の押圧部7aが、被固定物2を押圧し(図示実施の形態においては、第1押圧部7eおよび第2押圧部7fが、被固定物2を両側から押圧し)、その押圧によって、被固定物2は、固定(クランプ)される。
【0035】
ここで、操作軸部材6には、ひずみゲージ8が取り付けられている。そして、操作軸部材6の先端部には、計測部9aと無線通信部9bとを備えた計測通信モジュール9が取り付けられている。このため、クランプ装置3から離れた場所で、受信したひずみのデータを用いて、被固定物2を固定する段階でのクランプ力を知ることができ、また、被固定物2を固定した後のクランプ力を継続的に知る(つまり、クランプ力の推移を知る)ことができる。
【0036】
すなわち、操作軸部材6にひずみゲージ8を取り付け、操作軸部材6の先端部に計測通信モジュール9を取り付けることで、被固定物2を固定する段階だけでなく、被固定物2を固定した後においても、クランプ力を知ることができ、かつ、そのクランプ力を、クランプ装置から離れた場所で知ることができる。
【0037】
また、計測通信モジュール9は、操作軸部材6の先端部に着脱可能にとりつけられる。このため、計測通信モジュール9が故障したり、古くなったりしたときに、操作軸部材6はそのままで、計測通信モジュール9のみを新しいものと交換することができ、メンテナンスが容易となる。また、反対に、操作軸部材6に問題が生じたときは、計測通信モジュール9は、そのまま用い、操作軸部材6のみを新しいものと交換することもできる。
【0038】
図5~
図7は、本発明の第二の実施の形態を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態とは、構成的には、被固定物2が連結軸部材2bを有する他は、ほぼ同様であり、以下に、同様の部分には、同一の符号を付して、異なる部分を主に説明する。
【0039】
被固定物2は、被固定物本体2aと、その被固定物本体2aに設けられた連結軸部材2bとを有する。ここで、連結軸部材2bは、操作軸部材6とは直交する向きにある。そこで、第1作用部材701の第1押圧部7eと、第2作用部材702の第2押圧部7fは、連結軸部材2bを本体5の内側へ引き込むように、連結軸部材2bを両側から押圧する。
【0040】
詳細には、連結軸部材2bは、被固定物本体2aに、着脱可能に取付け固定され、本体5の後述する縦孔5gに挿入される。この連結軸部材2bは、連結軸部材本体2cと、ブッシュ2dと、止め輪2eとを備える。連結軸部材本体2cは、基端(図示実施の形態においては、上端)から順に、雄ねじ2fと、鍔部2gとが設けられている。そこで、雄ねじ2fが、被固定物本体2aにねじ込まれることで、連結軸部材本体2c、ひいては連結軸部材2bは、被固定物本体2aに取付け固定される。そして、連結軸部材本体2cは、鍔部2gとは間隔をあけて、先端部分(図示実施の形態においては、下端部分)に大径に形成された膨出部2hが設けられている。そして、この膨出部2hにおける、上側の面が、下方ほど大径となるよう傾斜して形成された被押圧部2iとなり、この被押圧部2iが、第1および第2作用部材701、702の、第1および第2押圧部7e、7fによって押圧される。
【0041】
ブッシュ2dは、連結軸部材本体2cに、基端側から嵌められ、その連結軸部材本体2cに、止め輪2eにより取り付けられる。このブッシュ2dは、連結軸部材本体2cの先端側ほど小径となるテーパ面2jを備えており、このテーパ面2jが、後述する縦孔5gのテーパ面5hに当接する。
【0042】
本体5は、柱状部5dと、その柱状部5dから側方へ突出する取付部5eとを備える。そして、柱状部5dには、その柱状部5dを貫通する案内孔としての横孔5fと、柱状部5dの上面から横孔5fに通じる縦孔5gとがあけられている。ここで、横孔5fは、円形形状をしている。縦孔5gは、円形形状をし、その口元部分は、奥方ほど小径となるテーパ面5hとなっている。そして、柱状部5d(本体5)の上面は、被固定物本体2a(被固定物2)を受ける受面5iとなっている。
【0043】
また、取付部5eには、取付孔5jが設けられている。そこで、この本体5、ひいてはクランプ装置3は、取付孔5jに挿入されて取付支持体としてのベースプレート1のねじ孔(図示せず)にねじ込まれるボルト等の固着部材(図示せず)を用いて、そのベースプレート1に着脱可能に取付け固定される。
【0044】
操作軸部材6は、その軸方向6bに並ぶ第1雄ねじ部6dと第2雄ねじ部6eとを有し、本体5の横孔5fに挿入配置される。また、操作軸部材6には、計測通信モジュール9が取り付けられる側から孔6gがあけられ、その孔6gの奥に、ひずみゲージ8が埋設されている。そして、ひずみゲージ8のリード線8aは、孔6gを通って操作軸部材6の外に導かれる。また、操作軸部材6には、前記孔6gの口元部分に、雌ねじを備えた取付孔6hがあけられている。そして、操作軸部材6の、取付孔6hとは反対側に、回動操作部6aが設けられる。なお、この第二の実施の形態においては、第一の実施の形態とは異なり、規制体12は、設けられない。
【0045】
第1作用部材701は、円筒状に形成され、その内面に第1雌ねじ部7cを有している。同様に、第2作用部材702は、円筒状に形成され、その内面に第2雌ねじ部7dを有している。そして、第1作用部材701と第2作用部材702とは、本体5の横孔5fに挿入配置され、操作軸部材6の軸方向6bとなる横孔5fの延びる方向に案内される。ここで、第1作用部材701と第2作用部材702には、係合溝7pが設けられ、その係合溝7pに、本体5にビス5kで止められた回り止め部材5mが係合することで、これら第1作用部材701と第2作用部材702とは、回り止めされ、横孔5fの延びる方向にのみ案内される。そして、第1作用部材701と第2作用部材702には、その上側に、互いに他方に向かって突出する第1口金7iと第2口金7jが設けられている。そして、これら口金7i、7jにおける、下面が、前記押圧部7e、7fとなる。そして、この押圧部、つまり第1および第2押圧部7e、7fは、前述の被押圧部2iに対応するように、傾斜して形成される。そこで、これら第1および第2押圧部7e、7fが、連結軸部材2bにおける被押圧部2iを押圧すると、連結軸部材2bは、縦孔5gの奥(つまり、本体5の内側)へ引き込まれる。
【0046】
この第二の実施の形態における作用効果は、第一の実施の形態と、同様であるが、被固定物2は、連結軸部材2bを備えている。そこで、連結軸部材2bにおける被押圧部2iを、第1および第2作用部材701、702の押圧部7e、7fが押圧すると、連結軸部材2bが、本体5の内側に引き込まれて、被固定物2(詳しくは、被固定物本体2a)が、本体5(詳しくは、受面5i)を圧し、これによって、被固定物2は、固定(クランプ)される。
【0047】
図8~
図9は、本発明の第三の実施の形態を示す。以下に、第一の実施の形態と同様の部分には、同一の符号を付して、異なる部分を主に説明する。
【0048】
ねじ機構として、操作軸部材6は、外周面に雄ねじ部6cを有するとともに、本体5は、その雄ねじ部6cに螺合する雌ねじ部5nを有する。そこで、これら雄ねじ部6cと雌ねじ部5nとの螺合により、操作軸部材6の回動に伴って、その操作軸部材6がその軸方向6bに移動するとともに、その操作軸部材6に係合する作用部材7が、操作軸部材6の軸方向6bに移動する。こうして、作用部材7は、操作軸部材6の回動に連動してその操作軸部材6の軸方向6bに移動する。そして、その移動により、作用部材7における押圧部7aが、被固定物2を押圧する。
【0049】
詳細には、本体5は、円柱状に形成され、その一方の端面となる上面からは、下方に向かって、案内孔となる縦孔5pがあけられ、さらに、その縦孔5pの底面5qからは、下方に向かって、前記雌ねじ部5nを備えたねじ孔5rがあけられている。
【0050】
また、本体5には、その他方の端面となる下面に、雄ねじ5sが突出して形成されている。そこで、この本体5、ひいてはクランプ装置3は、この雄ねじ5sが、取付支持体としてのベースプレート1のねじ孔(図示せず)にねじ込まれることで、そのベースプレート1に着脱可能に取付け固定される。
【0051】
操作軸部材6は、前記雄ねじ部6cを有する操作軸部材本体6iと、その操作軸部材本体6iの一端側(図示実施の形態においては、上端側)の頭部6jとを備える。そこで、頭部6jは、操作軸部材本体6iよりも大径であって六角柱状に形成されている。そして、この頭部6jの六角柱の外周面が、本体5から露出してこの操作軸部材6をその軸心回りに回動するための回動操作部6aとなり、この回動操作部6aを、スパナ等の工具を用いて回動することで、操作軸部材6を回動操作することができる。
【0052】
また、操作軸部材6は、頭部6j側から孔6gがあけられ、その孔6gの奥に、ひずみゲージ8が埋設されている。そして、ひずみゲージ8のリード線8aは、その孔6gを通って操作軸部材6の外に導かれる。また、操作軸部材6には、前記孔6gの口元部分に、雌ねじを備えた取付孔6hがあけられている。そこで、この取付孔6hに、計測通信モジュール9を備えた計測通信ユニット10が取り付けられ、計測通信モジュール9は、操作軸部材6の先端部に取り付けられる(図示実施の形態においては、着脱可能に取り付けられる)。
【0053】
作用部材7は、柱状に形成された作用部材本体7qと、その作用部材本体7qの上端部から側方に突出する口金7rとが、一体に形成される。ここで、作用部材本体7qには、その軸方向に貫通する通孔7sがあけられ、その通孔7sの下部側は、大径に形成された大径孔7tとなっている。そこで、作用部材本体7qは、本体5の縦孔5pに挿入配置され、操作軸部材6の軸方向6bとなる縦孔5pの延びる方向に案内される。そして、作用部材本体7qの通孔7sを、操作軸部材本体6iが貫通し、その操作軸部材本体6iの雄ねじ部6cが、本体5の雌ねじ部5nに螺合する。また、作用部材本体7qの大径孔7tには、付勢部材としてのコイルスプリング13が挿入され、このコイルスプリング13によって、作用部材本体7q(作用部材7)は、上方に付勢される。そして、作用部材本体7qの上面には、係合面7uが設けられ、その係合面7uが、操作軸部材6の被係合面6k(図示実施の形態においては、頭部6jの裏面)に当接する(係合する)ことで、作用部材7は、操作軸部材6に係合する。
【0054】
口金7rは、細長の板状に形成され、その下面は、ベースプレート1上の被固定物2を押圧する押圧部7aとなる。
【0055】
この第三の実施の形態における作用効果は、第一の実施の形態と、同様であるが、操作軸部材6を、雌ねじ部5nへねじ込む側に回動操作すると、操作軸部材6は、その操作軸部材6の軸方向6bの一方である下方に移動する。そして、その移動により、操作軸部材6に係合する作用部材7が、操作軸部材6の軸方向6bの一方である下方に移動する。そこで、作用部材7の押圧部7aが、被固定物2を押圧し、これによって、被固定物2は、固定(クランプ)される。
【0056】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、被固定物2は、ワーク以外に、冶具、取付具あるいは金型等であっても構わない。
【0057】
また、取付支持体は、ベースプレート1以外の取付補助ベースとかブロック、あるいは工作機のマシンテーブルとかマシニングセンターのパレットなどであっても構わない。
【0058】
また、ひずみゲージ8は、操作軸部材6の内部に埋設されなくても、操作軸部材6の外周面に貼り付けられて、リード線8aが、操作軸部材6の内部を通ってその操作軸部材6の先端部に導かれてもよい。
【0059】
また、計測通信モジュール9は、操作軸部材6の先端部に着脱可能に取り付けられているが、取外し不能に取り付けられてもよい。すなわち、第1および第2コネクタ8b、9c等の接続部品を介することなく、ひずみゲージ8と計測通信モジュール9とが、リード線8aによって直接接続されても構わない。
【0060】
また、第一の実施の形態において、操作軸部材6は、第1雄ねじ部6dと第2雄ねじ部6eとを有し、作用部材7として、第1雌ねじ部7cを有する第1作用部材701と、第2雌ねじ部7dを有する第2作用部材702が設けられるが、例えば、第2雄ねじ部6eや第2雌ねじ部7dを設けることなく、第2作用部材702が、本体5に固定されたり、本体5と一体に設けられて、第1作用部材701のみが、操作軸部材6の回動に連動してその操作軸部材6の軸方向6bに移動してもよい。
【0061】
また、第一および第二の実施の形態において、回動操作部6aは、六角孔からなるが、四角孔等であってもよく、また、孔に限ることなく、操作軸部材6の外周面に形成されるものでもよい。また、第三の実施の形態において、回動操作部6aは、六角柱の外周面からなるが、四角柱の外周面等であってもよく、また、円柱等の外周面にあけた孔であってもよい。
【0062】
また、第二の実施の形態において、第1および第2作用部材701、702の押圧部7e、7fは、傾斜面からなり、連結軸部材2bの被押圧部2iもまた、傾斜面からなるが、これら押圧部7e、7fと被押圧部2iとのいずれか一方は、他方の傾斜面に接する角部とかアール面とかからなってもよい。
【0063】
また、第二の実施の形態において、連結軸部材2bは、被固定物本体2aに固定されるが、固定されることなく、下方への抜けが阻止されるように、例えば、上端側に抜止め用の鍔部あるいは頭部を有して、被固定物本体2aに設けた上下に貫通する孔に挿入されてもよい。
【0064】
また、第一および第二の実施の形態においては、クランプ装置3は、雄ねじ部6c(詳しくは、第1雄ねじ部6d、第2雄ねじ部6e)と雌ねじ部7b(詳しくは、第1雌ねじ部7c、第2雌ねじ部7d)とからなるねじ機構を備えて、そのねじ機構により、作用部材7は、操作軸部材6の回動に連動してその操作軸部材6の軸方向6bに移動するが、ねじ機構に換えて、カム機構等を用いることで、ねじ機構と同様の動作をするようにしても構わない。
【0065】
同様に、第三の実施の形態においては、クランプ装置3は、雄ねじ部6cと雌ねじ部5nとからなるねじ機構を備えて、そのねじ機構により、作用部材7は、操作軸部材6の回動に連動してその操作軸部材6の軸方向6bに移動するが、ねじ機構に換えて、カム機構等を用いることで、ねじ機構と同様の動作をするようにしても構わない。
【符号の説明】
【0066】
2 被固定物
2a 被固定物本体
2b 連結軸部材
3 クランプ装置
4 クランプシステム
5 本体
5n雌ねじ部
6 操作軸部材
6a 回動操作部
6b 軸方向
6c 雄ねじ部
6d 第1雄ねじ部
6e 第2雄ねじ部
7 作用部材
701 第1作用部材
702 第2作用部材
7a 押圧部
7b 雌ねじ部
7c 第1雌ねじ部
7d 第2雌ねじ部
7e 第1押圧部
7f 第2押圧部
8 ひずみゲージ
8a リード線
8b 第1コネクタ
9 計測通信モジュール
9a 計測部
9b 計測側の無線通信部
9c 第2コネクタ
9f リード線
10a 基体
10b 蓋体
10c 通孔
11 表示装置
11a 表示側の無線通信部
11b 算出部
11c 表示部