(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】基板搬送装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20220506BHJP
【FI】
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2020129162
(22)【出願日】2020-07-30
【審査請求日】2020-07-31
(31)【優先権主張番号】10-2019-0099610
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】505249838
【氏名又は名称】ローツェ システムズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】オ、スンベ
(72)【発明者】
【氏名】内山 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】リ、スーク ジュン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、クァン ヨン
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-152592(JP,A)
【文献】特開2017-028110(JP,A)
【文献】特開2007-335475(JP,A)
【文献】特開2001-308158(JP,A)
【文献】特開2003-045933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に空気をブローイングするメインファンが備えられる換気部駆動室と、
前記換気部駆動室下部に配置され、基板を貯蔵するためのフープ(FOUP)を受容するフープ受容室と、
前記フープ受容室と前記換気部駆動室を連結する換気ダクトと、を含
み、
前記フープ受容室は、下部に昇下降することでフープ受容室の一側を開閉する開閉ドアと、前記フープ受容室の前記一側下部には駆動設備室と隣接して配置される開閉ドア受容室と、前記フープ受容室の他側には前記駆動設備室と隣接して配置される排気室と、をさらに含むことを特徴とする、
基板搬送装置。
【請求項2】
前記フープ受容室はその下部に形成された第1開口部を含み、前記換気部駆動室はその上部に形成された第2開口部と、を含み、前記換気ダクトは前記第1開口部及び前記第2開口部とを連結することを特徴とする請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項3】
前記第1開口部に備えられたサブファンをさらに含むことを特徴する請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項4】
前記開閉ドア受容室及び前記排気室とを連結する連結流路をさらに含むことを特徴とする請求項
1に記載の基板搬送装置。
【請求項5】
前記連結流路に備えて前記連結流路を開閉するサブバルブと、前記排気室のガスを外部に排出させるためのメインバルブと、を含むことを特徴とする請求項
4に記載の基板搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板搬送装置に関わり、より詳細には、ウェハー収納容器と工程装備の間でウェハーの搬送を行う基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体はウェハーであるシリコン基板に各種工程を通じて製造される。このような半導体は高集積化や回路の微細化が漸次進展しつつあり、ウェハー表面へのパーティクルや水分の付着が発生しないように、ウェハー周辺を高いクリーン度で保持することが要求されている。また、ウェハー表面が酸化するなど表面の特性が変化することのないように、ウェハー周辺を不活性ガスである窒素雰囲気とするか、真空状態にすることも行われている。
【0003】
このようなウェハー周辺の雰囲気を適切に保持するために、ウェハーはFOUP(Front‐Opening Unified Pod)と呼ばれる密閉式格納ポッドの内部に入れて管理され、この内部には窒素が充填される。また、ウェハーに処理を行う処理装置と、FOUPとの間でウェハーの授受の行うために、EFEM(Equipment Front End Module)と呼ばれる基板搬送装置が用いられている。
【0004】
【0005】
図1を参照する。従来の基板搬送装置100は換気部駆動室110、フープ受容室120、駆動設備室130及び換気ダクト150を含む。
【0006】
換気部駆動室110にはメインファン140が備えられて基板搬送装置100内部をクリーニングするために窒素ガス(または空気)を下部にブローイングする。
【0007】
このようにブローイングされた窒素ガスは、フープ受容室120を経て駆動設備室130までブローイングされ、駆動設備室130下部に形成された第1開口部A及び換気部駆動室110上部に形成された第2開口部Bを連結する換気ダクト150を通じて再度換気部駆動室110に流入される。即ち、換気が不要な駆動設備室130に至る広い領域の換気が行われ、それによって、要求される窒素ガスの量が増加し、装備のダウン時間が増加するという問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】大韓民国公開特許第10-2017-0121190
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は、要求される窒素ガスの量及び装備のダウン時間を減少させることのできる基板搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決するための本発明の一実施形態による搬送装置は、換気部駆動室、フープ受容室及び換気ダクトを含む。前記換気部駆動室は下部に空気をブローイングするメインファンが備えられる。前記フープ受容室は前記換気部駆動室下部に配置され、基板を貯蔵するためのフープ(FOUP)を受容する。前記駆動設備室は前記フープ受容室下部に配置される。前記換気ダクトは前記フープ受容室と前記換気部駆動室を連結する。
【0011】
例えば、前記フープ受容室はその下部に形成された第1開口部を含み、前記換気部駆動室はその上部に形成された第2開口部と、を含み、前記換気ダクトは前記第1開口部及び前記第2開口部とを連結する。
【0012】
この際、このような基板搬送装置は前記第1開口部に備えられたサブファンをさらに含んでいてもよい。
【0013】
一方、本発明の基板搬送装置によると、前記フープ受容室は、下部に昇下降することでフープ受容室の一側を開閉する開閉ドアを含み、開閉ドア受容室及び排気室をさらに含んでいてもよい。前記開閉ドア受容室は前記フープ受容室の前記一側下部に前記駆動設備室と隣接して配置される。前記は排気室は前記フープ受容室の他側には前記駆動設備室が隣接して配置される。
【0014】
このような基板搬送装置は、前記開閉ドア受容室及び前記排気室とを連結する連結流路をさらに含んでいてもよい。
【0015】
また、このような基板搬送装置はサブバルブ及びメインバルブをさらに含んでいてもよい。前記サブバルブは前記連結流路に備えられて前記連結流路を開閉する。前記メインバルブは前記排気室のガスを外部に排出させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明による基板搬送装置によると、換気が必要ない空間である駆動設備室を換気空間から除外することで、要求される窒素ガスの量及び装備のダウン時間を減少させることができる。
【0017】
また、従来技術に比べて、メインファンの回転速度を減少させることができ電力消耗を減らすことができる。
【0018】
また、フープ(FOUP)受容室に形成された第1開口部にサブファンを付加する場合、フープ受容室内のタービュランスを減少させて窒素ガスの円滑な流れを誘導することができる。
【0019】
また、開閉ドア受容室が形成された場合、開閉ドア受容室と排気室を連結する連結流路を通じて開閉ドア受容室の内部をフアジーすることができ、流入されたパーティクルはメインバルブを通じて外部に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は従来の基板搬送装置を示す断面図である。
【
図2】本発明の例示的な一実施形態による基板搬送装置を示す断面図である。
【
図3】本発明の例示的なさらに他の実施形態による基板搬送装置を示す断面図で、開閉ドアが閉められた状態を示す断面図である
【
図4】本発明の例示的なさらに他の実施形態による基板搬送装置を示す断面図で、開閉ドアが開けられた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することできる。ここでは、特定の実施形態を図面に例示し本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むこととして理解されるべきである。各図面を説明しながら類似した参照符号を類似した構成要素に対して使用した。添付された図面において、構造物の寸法は本発明の明確性を図るために実際より誇張して示している。
【0022】
第1、第2などの用語は多用な構成要素を説明するのに使用されることがあるが、前記構成要素は前記用語によって限定解釈されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を外れることなく第1構成要素を第2構成要素ということができ、同様に第2構成要素を第1構成要素ということもできる。
【0023】
本出願において使用した用語は単に特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に示さない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書に記載された特徴、数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを意味し、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないこととして理解されるべきである。また、AとBが‘連結される’、‘結合される’という意味はAとBが直接的に連結されるか結合する以外に他の構成要素CがAとBとの間に含まれてAとBが連結されるか結合されることを含む。
【0024】
他に定義しない限り、技術的又は科学的な用語を含んでここで使用される全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているのと同じ用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的か過度に形式的な意味に解釈されない。また、方法の発明に対する特許請求の範囲では、各段階が明白に順序に拘束されない限り、各段階はその順序が互いに変わってもよい。
【0025】
以下、図面を参照して本発明の好適な一実施形態をより詳細に説明する。
【0026】
図2は本発明の例示的な一実施形態による基板搬送装置を示す断面図である。
【0027】
図2を参照する。前述の課題を解決するための本発明の例示的な一実施形態による基板搬送装置200は、換気部駆動室110、フープ受容室120、駆動設備室130及び換気ダクト150を含む。換気部駆動室110、フープ受容室120及び駆動設備室130は基板搬送装置200のハウジング内部に区画され、下から順に前記駆動設備室130、前記フープ受容室120及び換気部駆動室110が配置される。
【0028】
前記換気部駆動室110はメインファン140が備えられる。前記メインファン140は下部方向に空気(または窒素ガス)をブローイングする。なお、図面上では前記換気部駆動室110とフープ受容室120はハウジングのパーティションで分離されて示されているが、これは便宜上の区画に過ぎず、換気部駆動室110からフープ受容室120に空気が流れるように構成されている。
【0029】
前記フープ受容室120は前記換気部駆動室110に下部に配置され、基板を貯蔵するためのフープ(FOUP)を受容する。示されていないが、フープ受容室120には開閉ドアが備えられている。このような開閉ドア(図示せず)を通じて、ロードポートRPのジグJ上部に配置されたフープがフープ受容室120の内部に移送されてもよい。
【0030】
この際、前記開閉ドア(図示せず)が換気部駆動室110に上昇して解放され、フープ受容室120に復帰して閉鎖されてもよい。一方、
図3及び
図4で示された基板搬送装置100は従来のように開閉ドアが下部の駆動設備室130に下降して解放され、フープ受容室120に復帰して閉鎖されるが、この実施形態については
図3及び
図4を参照して詳細に説明する。
【0031】
前記駆動設備室130は前記フープ受容室下部120に配置される。前記駆動設備室130には基板搬送装置を駆動する設備が備えられてもよい。
【0032】
前記換気ダクト150は前記フープ受容室120と前記換気部駆動室110を連結する。例えば、前記フープ受容室120はその下部に形成された第1開口部Aを含み、前記換気部駆動室110はその上部に形成された第2開口部Bを含み、前記換気ダクト150は前記第1開口部A及び前記第2開口部Bを連結することができる。
【0033】
一方、
図2では、前記換気ダクト150はロードポートRPの反対側(例えば、後面)に形成されたものとして示されているが、これに限られない。即ち、前記換気ダクト15は側面に形成されてもよい。
【0034】
このような基板搬送装置200は前記第1開口部Aに備えられたサブファン(図示せず)をさらに含んでいてもよい。このようなサブファンは
図3を参照してより詳細に説明される。
【0035】
図3及び
図4は本発明の例示的なさらに他の実施形態による基板搬送装置を示した断面図であって、
図3は開閉ドアが閉められた状態を示す断面図であり、
図4は開閉ドアが開けられた状態を示す断面図である。
図3及び
図4において開示された本発明のさらに他の実施形態による基板搬送装置400は、
図2に示された基板搬送装置200に比べて、従来の基板搬送装置100のように、開閉ドアが下部に往復して開閉するように構成されていて、
図2の基板搬送装置200に比べて複雑な構成を有する。
図3及び
図4において示された構成要素のうち、
図2で示された基板搬送装置200と同一又は類似の構成要素は同一の参照符号を併記し、重複される説明は省略する。
【0036】
図3及び
図4を参照する。本発明の例示的な他の実施形態による基板搬送装置400は換気部駆動室110、フープ受容室120、駆動設備室及び換気ダクト150を含む。
【0037】
本発明の基板搬送装置400によると、前記フープ受容室120は、下部に昇下降することでフープ受容室の一側を開閉する開閉ドア122を含み、開閉ドア受容室121及び排気室123をさらに含んでいてもよい。
【0038】
前記開閉ドア受容室121は前記フープ受容室120の前記一側下部に前記駆動設備室130と隣接して配置される。
【0039】
前記排気室123は前記フープ受容室120の他側には前記駆動設備室130と隣接して配置される。
【0040】
この際、このような基板搬送装置400は、前記開閉ドア受容室121及び前記排気室123を連結する連結流路160をさらに含んでいてもよい。このような連結流路160を通じて、開閉ドア受容室121内部の空気を排気室123に誘導することができ、排気室123を通じて流入したパーティクルを排出させることができる。
【0041】
また、このような基板搬送装置400はサブバルブ180及びメインバルブ170をさらに含んでいてもよい。
【0042】
前記サブバルブ180は前記連結流路160に具備されて前記連結流路160を開閉する。前記メインバルブ170は前記排気室123のガスを外部に排出させることができる。
【0043】
前記換気部駆動室110の内部に備えられたメインファン140の駆動の際、前記サブバルブ180及び前記メインバルブ170が解放される。この際、前記メインバルブ170は少しだけ解放させることが望ましい。
【0044】
また、前記メインファン140の一般駆動の際、前記サブバルブ180及び/または前記メインバルブ170は閉鎖され、間欠的に開放させて基板搬送装置400内部のパーティクルを排出させることができる。また、前記メインファン140の一般駆動の際、前記サブバルブ180及び/または前記メインバルブ170が閉鎖された場合、前記開閉度に受容室121及び前記排気室123は一側のみが解放され、他側が閉鎖されているので空気が流入される空間がなく、実質的に
図2で示された基板搬送装置200のように空気は換気部駆動室110とフープ受容室120のみで循環される。
【0045】
前述したように、本発明による基板搬送装置200、300、400によると、換気が必要でない空間である駆動設備室130を換気空間から除外することで、要求される窒素ガスの量及び装備のダウン時間を減少させることができる。
【0046】
また、従来技術に比べて、メインファン140の回転速度を減少させることができ電力消耗を減少させることができる。即ち、フープ受容室120に受容されたフープに一定強さのエアーをブローイングするためには相対的にメインファン140の回転速度を減少させることができる。
従来の基板搬送装置100では駆動設備室130まで空気が循環する構造であるので、相対的にメインファン140の回転速度が大きいが、本発明による基板搬送装置200、300、400ではフープ受容室120までのみ空気が循環する構造であるので、相対的にメインファン140の回転速度を減少することができる。
【0047】
以上、本発明を実施形態によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できる。
【符号の説明】
【0048】
100 従来の基板搬送装置
200、300、400 本発明の実施形態による基板搬送装置
110 換気部駆動室
120 フープ受容室
121 開閉ドア受容室
122 開閉ドア
123 排気室
124 ガイド部材
130 駆動設備室
140 メインファン
150 換気ダクト
160 連結流路
170 メインバルブ
180 サブバルブ
190 サブファン
A 第1開口部
B 第2開口部
RP ロードポート
J ジグ
F フープ