(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-02
(45)【発行日】2022-05-13
(54)【発明の名称】カードゲーム用カード群
(51)【国際特許分類】
A63F 1/02 20060101AFI20220506BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20220506BHJP
G09B 1/32 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
A63F1/02 A
A63F1/02 B
A63F1/02 H
A63F13/80 B
G09B1/32
(21)【出願番号】P 2021057428
(22)【出願日】2021-03-30
【審査請求日】2021-07-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521091011
【氏名又は名称】株式会社エフ・クリエイティブ・アンド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】特許業務法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】大川 創一
【審査官】森口 忠紀
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-023588(JP,U)
【文献】米国特許第04410180(US,A)
【文献】実開昭55-032729(JP,U)
【文献】特開昭59-139287(JP,A)
【文献】実開平03-029174(JP,U)
【文献】実開昭50-025684(JP,U)
【文献】実開昭62-116772(JP,U)
【文献】特開2012-170589(JP,A)
【文献】特開2000-070544(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第00228590(GB,A)
【文献】中国実用新案第2569856(CN,Y)
【文献】FuMi,[子育て]集中力を高めるカードゲーム、ととあわせがオススメな理由,スマート子育て,[online],2019年11月27日,https://mifumim-pl.hatenadiary.jp/entry/card-game-totoawase2,[令和4年1月28日検索]
【文献】奥野かるた店,野菜カードがお求めやすい価格に!,かるた店、あれこれ,[online],2016年03月31日,http://okunokaruta.jugem.jp/?eid=333,[令和4年1月28日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/02
A63F 13/80
G09B 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ大きさで四角形状の複数枚のカードからなり、
前記カードには表面の
4つの隅部
の1つ
、2つ又は4つに第1の標章が備えられており、
前記第1の標章の種類は複数であり、
前記カードが
辺同士を突き合わせて並べられた状態において前記カードの隣り合う前記隅部には同じ種類の前記第1の標章が備えられて
おり、
前記第1の標章が複数備えられた1枚の前記カード内の前記第1の標章は種類が異なり、
同じ種類の前記第1の標章は、4枚の前記カードのみに備えられており、かつ4枚の前記カードの異なる位置の隅部に備えられており、
全ての前記第1の標章が同じ種類の前記第1の標章同士で隣り合うように複数枚の前記カードが並べられた際に、複数枚の前記カード全体で四角形状をなし、
前記第1の標章は、数字、文字、図形、記号、絵画、写真、模様、色彩又はこれらの結合からなり、色違いの同じ数字を含むことを特徴とするカードゲーム用カード群。
【請求項2】
複数枚の前記カードの表面に第2の標章が備えられていることを特徴とする請求項
1に記載のカードゲーム用カード群。
【請求項3】
前記第2の標章は、数字、文字、図形、記号、絵画、写真、模様、色彩又はこれらの結合からなることを特徴とする請求項
2に記載のカードゲーム用カード群。
【請求項4】
前記カードの枚数は偶数であり、
前記第2の標章の種類は複数であり、
同じ種類の前記第2の標章は2枚の前記カードのみに備えられていることを特徴とする請求項
2又は請求項
3に記載のカードゲーム用カード群。
【請求項5】
前記カードの裏面には、複数枚の前記カード全体で図柄を構成する部分図柄が備えられていることを特徴とする請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載のカードゲーム用カード群。
【請求項6】
複数枚の前記カードには、表面と裏面を識別するための第3の標章が備えられていることを特徴とする請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載のカードゲーム用カード群。
【請求項7】
前記第3の標章は、前記カードの表面において前記第1の標章の背景に配された色彩からなることを特徴とする請求項
6に記載のカードゲーム用カード群。
【請求項8】
全ての前記第1の標章が同じ種類の前記第1の標章同士で隣り合うように複数枚の前記カードが並べられた際に、前記第1の標章が規則性をもって並ぶことを特徴とする請求項1から請求項
7のいずれか一項に記載のカードゲーム用カード群。
【請求項9】
前記カードには、前記第1の標章が備えられていない前記隅部同士で挟まれた辺部に縁取りが施されていることを特徴とする請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載のカードゲーム用カード群。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードゲーム用カード群、カードゲーム用カード群キット及びカードゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カードゲーム用のカードとして、従来、種々のカードが提案されている(例えば、特許文献1~3を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-39080号公報
【文献】特許第6406780号公報
【文献】実開昭52-129377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、新たな発想のカードゲーム用カード群、カードゲーム用カード群キット及びカードゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
同じ大きさで四角形状の複数枚のカードからなり、
前記カードには表面の4つの隅部の1つ、2つ又は4つに第1の標章が備えられており、
前記第1の標章の種類は複数であり、
前記カードが辺同士を突き合わせて並べられた状態において前記カードの隣り合う前記隅部には同じ種類の前記第1の標章が備えられており、
前記第1の標章が複数備えられた1枚の前記カード内の前記第1の標章は種類が異なり、
同じ種類の前記第1の標章は、4枚の前記カードのみに備えられており、かつ4枚の前記カードの異なる位置の隅部に備えられており、
全ての前記第1の標章が同じ種類の前記第1の標章同士で隣り合うように複数枚の前記カードが並べられた際に、複数枚の前記カード全体で四角形状をなし、
前記第1の標章は、数字、文字、図形、記号、絵画、写真、模様、色彩又はこれらの結合からなり、色違いの同じ数字を含むことを特徴とするカードゲーム用カード群を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、新たな発想のカードゲーム用カード群、カードゲーム用カード群キット及びカードゲームプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るカードゲーム用カード群の第1面の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るカードゲーム用カード群の第2面の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るカードゲーム用カード群の変形例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るカードゲーム用カード群の第1面(表面)の例を示す図である。
図1に示されるカードゲーム用カード群は、それぞれが例えば6cm×6cmの正方形の形状を有する縦6枚、横6枚に並べられる36枚のカードから構成される。
【0012】
各カードにおいて、その第1面の4つの隅部の少なくとも1つに、マッチング用の第1の標章として「1」~「25」の数字が印刷されている。1枚のカード内には異なる数字が印刷されている。同じ数字は、4枚のカードのみに印刷されており、かつ4枚のカードの異なる位置の隅部に印刷されている。数字は、
図1に示すように全ての数字が同じ種類の数字同士で隣り合うように全てのカードを並べることができるように各カードに印刷されている。このようにして全てのカードが並べられた際に、本実施形態のカードゲーム用カード群は全体で正方形状をなす。
カードの素材は例えば紙又はプラスチックでもよく、カードの形状は長方形でもよい。
【0013】
より詳細には、本実施形態に係るカードゲーム用カード群は、
図1に示すように、全てのカードを隣り合わせに並べて6行6列の大四角形を形成する。各カードの4つの隅部を右下から反時計回りに第1~第4隅とした場合、大四角形の最も左上のカード(1,1)は第1隅に「1」が印刷され、第2~4隅は印刷なしである。カード(1,6)は第4隅に「5」が印刷され、第1~3隅は印刷なしである。カード(6,1)は第2隅に「21」が印刷され、第1、3、4隅は印刷なしである。カード(6,6)は第3隅に「25」が印刷され、第1、2、4隅は印刷なしである。そして、全てのカードが隙間なく並べられた大四角形の状態において、カードの隣り合う隅部には同じ数字が印刷されている。
【0014】
上記カードの第1面には、
図1の例では上記数字の標章に加えて、第2の標章として春夏秋冬の数々の花とその名称からなる図柄が中央に印刷されている。このように図柄の種類は複数あるものの、同じ種類の図柄は2枚のカードのみに印刷されている。
【0015】
図1では、白黒のイラストによって花が表示されているが、実際のカードゲーム用カード群の製品では、これらの図柄は、例えばカラー写真であってよく、それにより実際の花の様子がよくわかるように構成されてよい。その他の図柄としては、著作権の許す範囲で、人気キャラクターの図柄や、例えば知育教育のための各種図柄が表示されてよい。例えば、英語の教育用に、英語とその意味を示す図柄が表示されてもよい。第2の標章は、文字、図形、記号、絵画、写真、模様、色彩、又はこれらの結合であってもよい。
図1の例では、カードの枚数は36枚であるが、任意の枚数であってもよい。
【0016】
<基本のカードゲーム(角合わせゲーム)>
ユーザは、
図1に示される36枚のカードを、まずバラバラにシャッフルする。その後、36枚のカードのそれぞれを、正方形の形状の辺及び隅部同士が互いに接するように、かつ互いに接する隅部の数字が同じ数字になるように並べるカードゲームを楽しむことができる。なお、
図1のようにユーザが全てのカードを並べることによりゲーム終了となる。
【0017】
このカードゲームは、カードの隅部の数字同士が同じになるように並べることが基本であるので、小さな子供やお年寄りの頭の体操(知育、リハビリ、脳トレ)に好適である。また、
図1の例では、花の図柄を並べながら各季節に咲く花をまとめて覚えることができるため、このカードゲームは、大人の趣味の勉強等にも好適である。本カードゲームにより介護施設等で探す、認識、推理及び決定のトレーニングを効果的に行うことができ、声を出しながら手を動かしてゲームをすることでさらに効果的なトレーニングを行うことができる。
【0018】
<神経衰弱ゲームとしての利用>
図1の例では、同じ花とその名称からなる図柄が例えば2種類ずつ用意されている。そこで、ユーザは、基本のカードゲームのほかに、神経衰弱ゲームを楽しむこともできる。同じカードの種類は、2種類以上の偶数種類であればよい。ユーザは、36枚のカードを、まず全部裏返す。その上で、順番で1枚ずつカードをめくりながら、同じ種類のカードをめくり当てたらそのカードをゲットし、めくりを続行することができる。違う種類の図柄のカードが出たら、他のプレイヤーに交替する。最終的に、多くの枚数のカードをゲットした順に、ゲームの順位が決まる。
【0019】
<パズルゲーム>
図2は、
図1に示したカードゲーム用カード群の第2面(裏面)の例を示す図である。
各カードの第2面には、36枚のカード全体で
図2に示すような統一した図柄を構成するための部分的な図柄(部分図柄)が印刷されている。なお、この統一した図柄は
図2に示すものに限られず何でもよい。
ユーザは、36枚のカードをシャッフルした後に、各カードの第2面を並べてゆくことにより、
図2に示される統一した図柄を完成させるジグソーパズルを楽しむこともできる。
【0020】
<オセロゲーム>
更に、
図1に示される各カードの第1面は、上述のように隅部に数字、中央位置に花及びその名称からなる図柄が印刷されている。斯かる各カードの第1面には、第1面と第2面を識別するための第3の標章として、数字及び図柄の背景を白色に印刷している。一方、各カードの第2面は、
図2に示されるように白色とは全体的に異なる色彩となっている。
図2では白黒のためグレーに見えるが、実際のカラー印刷では例えばグリーンを基調とした色彩にしてもよい。このため、各カードの第1面と第2面は、交互にめくると、めくられた面がどちらの面であるかを容易に識別することができる。
【0021】
そこで、2人のプレイヤーのそれぞれに36枚からなるカードの第1面又は第2面が割り当てられる。そして、2人のプレイヤーで、オセロゲームを楽しむことができる。具体的には、2人のプレイヤーが交互に自分の面のカードを並べながら、相手の面のカードを自分の面のカードで挟むことによって自分の面のカードへと換えてゆく。全てのカードが終わったときに、互いの面の最終的なカードの枚数で勝敗を競う。なお、第3の標章は文字、図形、記号、絵画、写真、模様、色彩、又はこれらの結合であってもよい。上述のように
図1に示したカードゲーム用カード群の枚数は36枚に限られず複数枚であればよいが、オセロゲームをプレイする観点では64枚にすることが好ましい。
【0022】
図1に示される36枚のカードの各隅部に表示される標章は、「1」~「25」の数字であった。この他、カードの各隅部に表示される第1の標章としては、文字、図形、記号、絵画、写真、模様、色彩、又はこれらの結合であってもよい。
例えば、色違いの同じ数字が標章として用いられてもよい。例えば
図3(a)に示されるように、破線の円301で囲った部分の隅部の数字「1」は赤色、破線の円302で囲った部分の隅部の数字「1」は青色というような色分けすることにより、同じ数字でかつ同じ色同士を隣り合わせにするように角合わせゲームをしてもよい。この場合は、単純に数字だけを合わせる場合よりも、角合わせゲームの難易度を上げることができる。
【0023】
また、本実施形態において第1の標章である「1」~「25」の数字は、
図1に示すように1行1列目のカードから1行6列目のカードまで昇順、これに続いて2行1列目のカードから2行6列目のカードまで昇順、・・・6行1列目のカードから6行6列目のカードまで昇順となるように各カードに印刷されている。このため、角合わせゲームでカードを並べる際に、全体における各カードの位置を把握しやすくなる。即ち角合わせゲームの難易度が高くなり過ぎないように設定している。このように第1の標章を一定の規則性をもって各カードに配置する、例えば数字を降順、平仮名をあいうえお順、アルファベットをabc順等で各カードに配置することで角合わせゲームの難易度を低く設定することができる。そして、第1の標章をランダムに各カードに配置することで角合わせゲームの難易度を高く設定することができる。
【0024】
また、本実施形態では、
図1に示すように第1の標章が配置されていない隅部同士で挟まれた辺部に縁取りを印刷している。このため、角合わせゲームで縁取りのあるカードを並べる際に、縁取りのあるカードの全体における位置を把握しやすくなり、角合わせゲームの難易度を下げることができる。一方、各カードの縁取りを排除した構成とすることにより、角合わせゲームの難易度を高くすることができる。
【0025】
本実施形態のカードゲーム用カード群は、上述のように角合わせゲームで全てのカードが並べられた際に全体で正方形状をなすように構成されている。しかしこれに限られず、例えば長方形やおおよそ三角形をなすように構成してもよい。
【0026】
本実施形態のカードゲーム用カード群の各カードは正方形状であるがこれに限られず、角部を有しており隣り合うように並べることができる形状(例えば多角形状)であればよい。例えば、各カードを正三角形として6つの隅部を揃える難易度の高い角合わせゲームをプレイ可能な構成としてもよい。
【0027】
36枚のカードの第1面の第1の標章と第2の標章は、購入時から印刷されていてもよいが、例えば
図3(b)の303、304、305等をシール材として無地のカードとともに組立キットとして販売してもよい。これにより、ユーザはオリジナルのカードを作成できるようになり、カードゲームのプレイに加えて、カードの作成という楽しみを得ることができる。斯かる場合、ユーザは第1の標章のシール材を上述のように一定の規則性をもってカードに貼付するか否かにより角合わせゲームの難易度を調整することもできる。また、第3の標章もシール材として組立キットに含めることも可能である。
【0028】
以上説明した実施形態は、例えば紙又はプラスチックの媒体による36枚の物理的なカードであった。現代では、一般的なパソコンに加えて、スマートフォンやタブレット等のコンピュータも広く普及している。このため、上述のカードゲーム用カード群は、必ずしも紙やプラスチックの媒体で構成される必要はない。
【0029】
例えば、本発明は、液晶ディスプレイ等に、多角形状の複数枚のカードからなり、前記カードには表面の隅部の少なくとも1つに第1の標章が備えられており、前記第1の標章の種類は複数であり、前記カードが並べられた状態において前記カードの隣り合う前記隅部には同じ種類の前記第1の標章が備えられているカード群を表示する処理と、液晶ディスプレイ上で、ユーザにタッチパネル等の入力デバイスにより、全ての前記第1の標章が同じ種類の前記第1の標章同士で隣り合うように複数枚の前記カードを並べさせるカードゲーム処理と、をコンピュータに実行させるためのカードゲームプログラムとしても実施することが可能である。
【0030】
以上説明した実施形態により、多目的にも使用できる新たな発想のカードゲーム用カード群、カードゲーム用カード群キット及びカードゲームプログラムを提供することが可能となる。
【要約】
【課題】新たな発想のカードゲーム用カード群を提供する。
【解決手段】四角形状で大きさが同じ複数枚のカードからなり、前記カードには表面の4つの隅部の少なくとも1つに第1の標章が備えられており、1枚の前記カード内の前記第1の標章は種類が異なり、同じ種類の前記第1の標章は、4枚以下の前記カードのみに備えられており、かつ4枚以下の前記カードの異なる位置の隅部に備えられており、全ての前記第1の標章が同じ種類の前記第1の標章同士で隣り合うように複数枚の前記カードを並べることが可能である。
【選択図】
図1